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Title:
ADHESIVE PATCH
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/096315
Kind Code:
A1
Abstract:
An adhesive patch which comprises a substrate having stretchability and a pressure-sensitive adhesive layer superposed on at least one side of the substrate. The stretch substrate comprises a both-side-knitted woven fabric including two or more rows of a crimped polyethylene terephthalate multifilament yarn. The pressure-sensitive adhesive layer comprises 25-50 mass% liquid organic ingredient and 25-50 mass% thermoplastic elastomer based on the whole adhesive layer, the liquid organic ingredient containing at least 10 mass% methyl salicylate based on the whole adhesive layer. The pressure-sensitive adhesive layer has a storage elasticity modulus (G') as measured at 10 rad/s and 37°C of 30,000-75,000 Pa.

Inventors:
OKADA TOMOMI (JP)
OTA SHIGEO (JP)
TSUTSUMI NOBUO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/050987
Publication Date:
August 06, 2009
Filing Date:
January 22, 2009
Export Citation:
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Assignee:
HISAMITSU PHARMACEUTICAL CO (JP)
OKADA TOMOMI (JP)
OTA SHIGEO (JP)
TSUTSUMI NOBUO (JP)
International Classes:
A61K31/618; A61K9/70; A61K47/32; A61K47/34; A61P17/00; A61P29/00
Domestic Patent References:
WO2001043729A12001-06-21
WO2006129745A12006-12-07
Foreign References:
JP2007015963A2007-01-25
JPH10109945A1998-04-28
JP2006248996A2006-09-21
JP2005187331A2005-07-14
JP2001508053A2001-06-19
Other References:
TOYAMA M., KAN'ATSU SECCHAKUZAI (NENCHAKUZAI) -SONO KINO TO SHIKUMI, 1992, pages 14 - 18, XP008142103
See also references of EP 2246059A4
JOURNAL OF CLIN PHARMACOL, vol. 44, 2004, pages 1151 - 1157
OURNAL OF CLIN PHARMACOL, vol. 44, 2004, pages 1151 - 1157
Attorney, Agent or Firm:
HASEGAWA, Yoshiki et al. (Ginza First Bldg. 10-6Ginza 1-chome, Chuo-k, Tokyo 61, JP)
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Claims:
 伸縮性を有する支持体と、該支持体の少なくとも片面に積層された粘着剤層とを備える貼付剤であって、
 前記伸縮性を有する支持体は、捲縮加工が施されたポリエチレンテレフタレートのマルチフィラメント糸を2段以上有する両面メリヤス編みの織布からなり、
 前記粘着剤層は、該層の全質量基準で、25~50質量%の液状有機成分及び25~50質量%の熱可塑性エラストマーを含有し、前記液状有機成分として、サリチル酸メチルを前記基準で10質量%以上含有しており、
 前記粘着剤層の貯蔵弾性率(G″)が10rad/s、37℃において30000~75000Paである、貼付剤。
 前記熱可塑性エラストマーは、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体、スチレン-イソプレンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリイソブチレン及びシリコーンゴムからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1記載の貼付剤。
 前記粘着剤層は、粘着付与剤として、ロジン系樹脂及び/又は石油系樹脂を含有する、請求項1又は2記載の貼付剤。
 前記粘着付与剤の含有量は、前記粘着剤層の全質量基準で10~30質量%である、請求項3記載の貼付剤。
 前記織布の目付けは、80~150g/m 2 であり、且つ、縦方向(長軸方向)モジュラスは、2~12N/5cmであり、横方向(短軸方向)モジュラスは、2~8N/5cmである、請求項1~4のいずれか一項に記載の貼付剤。
 前記貼付剤全体として、温度40℃、相対湿度90%で測定した透湿度は、1~350g/m 2 ・24hrである、請求項1~5のいずれか一項に記載の貼付剤。
Description:
貼付剤

 本発明は、サリチル酸メチルを配合する 付剤に関する。

 従来、外用消炎鎮痛剤には、粘着剤中に 分を実質的に含有しないパッチ剤又は含有 るパップ剤にかかわらず、有効成分として サリチル酸系化合物、インドメタシン、ジ ロフェナク、ケトプロフェン等の非ステロ ド系抗炎症剤や冷感剤としてのl-メントー が配合されたものが多く使用されてきた。

 一般に、外用消炎鎮痛作用を有するパップ は皮膚刺激が少なく、さらに効果を高める めの冷却効果に優れるが、皮膚との密着性 悪さから剥がれの問題があった。一方、実 的に水分を含有しないパッチ剤は、皮膚と 密着性に優れるが、場合によっては剥がす に痛みを伴う場合があった。なお、このよ な痛みを抑制する貼付剤としては、特許文 1に記載のものが提案されている。

特表2001-508053号公報

 サリチル酸系化合物を含有するパッチ剤 おいては、水性のパップ剤に比べて膏体が いため、薬効成分であるサリチル酸メチル 多く配合する必要があるが、この場合サリ ル酸メチル自体が可塑剤として作用するた 、貼付の際の剥がれ(脱落)が生じたり、サ チル酸メチルの揮発によって粘着剤層の柔 性が変化することがあり、継続的な貼付性 調節が難しくなるという問題点を有してい 。

 特に、サリチル酸メチルを含有する貼付 は四肢の関節部に貼付する場合が多く、関 部は伸び縮みの動作の他、ねじる動きも多 その影響で貼付剤が剥がれやすいという傾 が見られた。

 貼付剤は皮膚等に貼り付けて使用するこ から、適度な貼付性が求められるのはもち んであるが、消炎鎮痛効果が発揮されるこ により生じる刺激の持続性が特に重要とな 。しかしながら、上記公報を始め従来公知 方法を適用して、優れた貼付性及び刺激の 続性を同時に備える貼付剤を達成すること 容易ではなかった。

 そこで、本発明はこのような事情に鑑み なされたものであり、貼付性及び刺激の持 性に優れた貼付剤を提供することを目的と る。

 本発明者らは、上記課題を解決するため 鋭意研究を行った結果、特定の伸縮性を有 る支持体上に、25~50質量%の液状成分(うちサ リチル酸メチル10質量%以上)および25~50質量% 熱可塑性エラストマーを含有する粘着剤層 形成されている貼付剤であって、該粘着剤 が特定の貯蔵弾性率を有するものが、継続 な貼付性が良好で、関節のねじる動きにも がれたりすることがなく、刺激の持続性に れた貼付剤であることを見出し、本発明の 成に至った。

 すなわち、本発明は、伸縮性を有する支 体と、該支持体の少なくとも片面に積層さ た粘着剤層とを備える貼付剤であって、前 伸縮性を有する支持体は、捲縮加工が施さ たポリエチレンテレフタレートのマルチフ ラメント糸を2段以上有する両面メリヤス編 みの織布からなり、前記粘着剤層は、該層の 全質量基準で、25~50質量%の液状有機成分及び 25~50質量%の熱可塑性エラストマーを含有し、 前記液状有機成分として、サリチル酸メチル を前記基準で10質量%以上含有しており、前記 粘着剤層の貯蔵弾性率(G″)が10rad/s、37℃にお いて30000~75000Paである、貼付剤を提供する。

 本発明の貼付剤は、上記の特定の支持体 用い、粘着剤層が、該層の全質量基準で25~5 0質量%の液状有機成分、該液状有機成分のう 該層の全質量基準で10質量%以上のサリチル メチル、及び該層の全質量基準で25~50質量% 熱可塑性エラストマーを含有することによ 、貼付性を良好に維持することができる。 た、熱可塑性エラストマーの含有量がこの 囲であれば、粘着剤層の凝集力及び保型性 良好に維持でき、よって良好な貼付性を得 ことができる。さらに、粘着剤層の貯蔵弾 率(G″)が10rad/s、37℃において30000~75000Paであ ることにより、薬物放出性や経皮吸収性が向 上し、刺激の持続性が向上する。伸縮性を有 する支持体が、捲縮加工が施されたポリエチ レンテレフタレートのマルチフィラメント糸 を2段以上有する両面メリヤス編みの織布で ることにより、十分な伸縮性を有するため 本発明の貼付剤を局所、例えば肘、膝等の 肢に貼付した際に剥がれることや、脱落す ことが少なくなる。

 また、熱可塑性エラストマーは、スチレ -イソプレン-スチレンブロック共重合体、 チレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合 体、スチレン-イソプレンゴム、スチレン-ブ ジエンゴム、ポリイソプレン、ポリブタジ ン、ポリイソブチレン及びシリコーンゴム らなる群より選ばれる少なくとも1種である ことが好ましい。これらの熱可塑性エラスト マーは、扱いやすく、また皮膚への不要な刺 激が比較的少ないため、好ましく使用される 。

 また、粘着剤層は、粘着付与剤として、 ジン系樹脂及び/又は石油系樹脂を含有する ことが好ましい。この場合、粘着剤層に適当 なタックと柔軟性を与えることができる。

 粘着付与剤の含有量は、粘着剤層の全質 基準で10~30質量%であることが好ましい。こ 場合、粘着剤層の粘着力が適宜な範囲に維 され、貼付時の剥がれや剥離時の痛みを防 することが可能である。

 織布の目付けは、80~150g/m 2 であり、かつ、縦方向(長軸方向)モジュラス 、2~12N/5cmであり、横方向(短軸方向)モジュ スは、2~8N/5cmであることが好ましい。目付け がこの範囲内である場合、粘着剤を編み布に 塗布する際に粘着基剤が編み布の網目を通じ て染み出すことがなく、かつ編み布と粘着基 剤との投錨性を良好に維持することができ、 貼付剤としての貼付性をより向上させること が可能である。各モジュラスがこの範囲内で ある場合、薬物放出性及び貼付性に優れた貼 付剤とすることができる。

 貼付剤全体として、温度40℃、相対湿度90% 測定した透湿度は、1~350g/m 2 ・24hrであることが好ましい。この場合、揮 性のサリチル酸メチル及び配合される可能 のあるl-メントールが揮発しづらく、粘着剤 中に安定に保持できるため、貼付剤が貼付さ れたときに有効量の薬物が局所に経皮吸収さ れることが可能になるばかりでなく、揮発性 物質の量の変化を最小限に抑えることが可能 となり、持続的な貼付性を確保することがで きる。

 本発明によれば、良好な貼付性を備える ともに、薬物放出性や経皮吸収性が向上し 刺激の持続性に優れた貼付剤が提供される

図1は、本発明の貼付剤の好適な一実施 形態を示す斜視図である。 図2は、マルチフィラメント糸を2段有 る両面メリヤス編みの網目構成を示す模式 である。 図3は、各貼付剤の貯蔵弾性率(G″)を示 すグラフである。 図4は、サリチル酸の血漿中濃度の時間 的推移を示すグラフである。 図5は、サリチル酸メチルの血漿中濃度 の時間的推移を示すグラフである。 図6は、l-メントールの血漿中濃度の時 的推移を示すグラフである。

 以下、場合により図面を参照しつつ、本 明の貼付剤の好適な実施形態について説明 る。なお、図面中、同一要素には同一符号 付すこととし、重複する説明は省略する。 た、上下左右等の位置関係は、特に断らな 限り、図面に示す位置関係に基づくものと る。更に、図面の寸法比率は図示の比率に られるものではない。

 図1は、本発明の貼付剤の好適な一実施形 態を示す斜視図である。図1において、貼付 1は、支持体2と、支持体2上に配置された粘 剤層3と、粘着剤層3上に配置された剥離シー ト4とから構成されている。貼付剤1は、剥離 ート4を剥がしてから、患者等の皮膚に粘着 剤層3が密着するように貼付して用いられる

 先ず、伸縮性を有する支持体2について説 明する。

 本発明に用いる支持体2は、捲縮加工が施 されたポリエチレンテレフタレートのマルチ フィラメント糸を2段以上有する両面メリヤ 編みの織布(編み布)である。図2に、マルチ ィラメント糸を2段有する両面メリヤス編み 網目構成を示す模式図を示す。なお、図2で は、網目構成を明確とするためにハッチング を入れており、糸種が異なることを意味して いるのではない。

 支持体2としての編み布は、その目付け(単 あたりの質量)が80~150g/m 2 であることが好ましい。この範囲であれば、 後述の粘着剤を編み布に塗布する際に、粘着 基剤(粘着剤層3を構成する成分のうち粘着性 有する成分をいう。以下同様)が編み布の網 目を通じて染み出すことがなく、かつ本発明 における粘着基剤との投錨性をしっかり維持 することができ、貼付の際、四肢関節をねじ る動作を行ったとしても、しっかりと貼付状 態が維持でき、剥離の際には糊残りを生じる こともない。

 また支持体2は、JIS L1018の方法に従って 定した場合、縦方向(長軸方向)モジュラスが 2~12N/5cm、横方向(短軸方向)モジュラスが2~8N/5c mであることが好ましい。なお、ここでいう 方向とは、編布を製造する工程における流 方向のことを指し、横方向とは、縦方向と 交する方向、すなわち幅方向のことを指す 縦方向又は横方向が2N/5cmより低いモジュラ であると、粘着剤を塗布する際に編み布が びて網目に粘着剤が染み込み、貼付剤とし の機能を低下させる傾向にあり、また、縦 向が12N/5cmより高いモジュラスである場合、 は横方向が8N/5cmより高いモジュラスである 合、伸縮性が劣り、体の屈曲部へ適用した に、皮膚のねじれによる部分剥離が生じる 向がある。なお、モジュラスは室温(25℃)の 値である。

 次に、粘着剤層3について説明する。

 本発明における粘着剤層3は粘着剤からな り、この粘着剤は薬物であるサリチル酸メチ ルと粘着基剤とを必須成分として含有する。 粘着剤層3における液状有機成分の含有量は 粘着剤層全質量基準で25~50質量%である。な 、液状有機成分とは室温(25℃)で流動性のあ 有機物質をいう。このうちサリチル酸メチ の含有量は、粘着剤層全質量基準で10質量% 上である。この濃度範囲にある本発明の貼 剤1は、上記の所定の支持体2を有すること よって、貼付性を良好に維持することがで る。サリチル酸メチルの含有量は、十分な 物放出性及び経皮吸収性を保つことができ ことから、粘着剤層の全質量基準で10~15質量 %であることが好ましく、10~12質量%であるこ がより好ましい。

 粘着剤層3は、上記有効成分の他、粘着基 剤に含まれる熱可塑性エラストマーを粘着剤 層3の全質量基準で25~50質量%含有する。熱可 性エラストマーの含有量は、30~45質量%であ ことが好ましい。含有量が、25質量%を下回 場合は、弾力性が弱くなる傾向にあり、ま 50質量%を上回る場合には、保型性が劣る傾 にある。粘着基剤としては、熱可塑性エラ トマー系粘着剤の他、アクリル系粘着剤、 ム系粘着剤(前2者を除く)、ポリウレタン系 着剤、シリコーン系粘着剤、及びこれらの 合物からなる粘着剤が挙げられる。

 熱可塑性エラストマー系粘着剤は、熱可 性エラストマーと粘着付与剤を含有するも が挙げられるが、熱可塑性エラストマー自 が粘着性を有する場合は粘着付与剤の使用 必須ではない。熱可塑性エラストマー系粘 剤に使用できる熱可塑性エラストマーとし は、スチレン-イソプレン-スチレンブロッ 共重合体、スチレン-ブタジエン-スチレンブ ロック共重合体、ポリ酢酸ビニル、エチレン -酢酸ビニル共重合体、スチレン-イソプレン ム、スチレン-ブタジエンゴム、ポリイソプ レン、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、 シリコーンゴム等が例示でき、これらから選 択される1種又は2種以上を含有していても良 。これらのうち、凝集性、耐侯性、対老化 、耐薬品性の観点から、スチレン-イソプレ ン-スチレンブロック共重合体を用いた熱可 性エラストマー系粘着剤が好ましい。

 スチレン-イソプレン-スチレンブロック 重合体としては、カリフレックスTR-1107、TR-1 111、TR-1112、TR-1117(以上、シェル化学(株))、ク インタック3530、3421、3570C(以上、日本ゼオン( 株))、JSR SIS-5000、JSR SIS-5002(以上、日本合成 ム(株))、クレイトンD-KX401CS、D-1107CU(以上、 ェル化学(株))、ソルプレン428(フィリップペ トロリアム(株))等が挙げられ、1種又は2種以 の組合せを使用することができる。

 アクリル系粘着剤としては、(メタ)アク ル酸、(メタ)アクリル酸-2-エチルヘキシル、 (メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)ア リル酸ヒドロキシエチル、グリシジル(メタ )アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリ レート等の(メタ)アクリルモノマーの少なく も1種を、貼付剤の使用温度で粘着性を発揮 するモノマー比で重合又は共重合させた粘着 剤が挙げられる。ここで、(メタ)アクリルは アクリル又はメタクリルを意味する。(メタ )アクリレートなど他の用法においても同様 ある。なお、共重合のためのモノマーは(メ )アクリル系以外のモノマー(例えば、酢酸 ニル)を用いることができる。アクリル系粘 剤は通常それ自体粘着性を有しているため 着付与剤の添加は必須ではないが、粘着付 剤を添加してタックや弾性率等を制御して よい。

 アクリル系粘着剤は、高Tgモノマー(単独 合したときにガラス転移点が室温より高い ノマー)と低Tgモノマー(単独重合したときに ガラス転移点が室温未満のモノマー)とを組 合わせた共重合体が好ましい。高Tgモノマー としては、極性で高接着性に貢献する(メタ) クリル酸が好適であり、低Tgモノマーとし は、アルキル基の炭素数が4~12(好ましくは、 4~8)の(メタ)アクリル酸エステル(アルキル基 水素原子が水酸基で置換されていてもよい) 好適である。

 ゴム系粘着剤としては、天然ゴム系粘着 、ポリイソブチレン系粘着剤が挙げられる 天然ゴム系粘着剤は、天然ゴムと粘着付与 からなり、ポリイソブチレン系粘着剤は、 種分子量のポリイソブチレンからなり、必 により各種添加剤が添加されていてもよい ポリイソブチレンからなる粘着剤は、スチ ン-イソプレン-スチレンブロック共重合体 の混合物として用いることが特に好ましい

 ポリウレタン系粘着剤としては、脂肪族系 リウレタン粘着剤、芳香族系ポリウレタン 着剤が挙げられ、シリコーン系粘着剤とし は、ポリジメチルシロキサンポリマー、ポ メチルビニルシロキサン、ポリメチルフェ ルシロキサン等のシリコーン生ゴムとMQレ ン((CH 3 ) 2 SiO 1/2 等の「M単位」とSiO 2 等の「Q単位」からなる3次元構造のシリコー レジン)を含有する粘着剤が挙げられる。

 熱可塑性エラストマーや粘着付与剤等か なる粘着基剤の含有量は、粘着剤層3の凝集 力や保型性の観点から、粘着剤層の全質量基 準で35~90質量%であることが好ましく、40~85質 %であることがより好ましい。

 粘着基剤である熱可塑性エラストマー系 着剤やゴム系粘着剤は、粘着性を発揮させ ために通常粘着付与剤を含有する。粘着付 剤を添加なしでそれ自体粘着性である粘着 剤に対しても、粘着付与剤を添加すること できる。このような粘着付与剤としては、 ジン系樹脂及び/又は石油系樹脂が好ましい 。ロジン系樹脂としては、天然樹脂ロジン、 変性ロジン、ロジンエステル(ロジングリセ ンエステル、ロジンペンタエリスリトール ステル等)、水添ロジンエステル(水添ロジン グリセリンエステル、水添ロジンペンタエリ スリトールエステル等)が挙げられ、中でも 膚刺激性、耐老化性の観点から水添ロジン ステルが好ましく、水添ロジングリセリン ステルが特に好ましい。このようなロジン 樹脂としては、具体的にはエステルガムH、 インクリスタルKE-100、KE-311(以上、荒川化学 工業(株))、フォーラル85、フォーラル105、ス ベライトエステル7、ステベライトエステル 10(以上、理化ハーキュレス(株))等が挙げられ 、1種又は2種以上の組合せを使用することが きる。

 また、石油系樹脂としては、C5系合成石 樹脂(イソプレン、シクロペンタジエン、1,3- ペンタジエン、1-ペンテンのうちの少なくと 2種の共重合体;2-ペンテン、ジシクロペンタ ジエンのうちの少なくとも2種の共重合体;1,3- ペンタジエン主体の樹脂等)、C9系合成石油樹 脂(インデン、スチレン、メチルインデン、α -メチルスチレンのうちの少なくとも2種の共 合体等)、ジシクロペンタジエン系合成石油 樹脂(ジシクロペンタジエンを主体とするイ プレン及び/又は1,3-ペンタジエンとの共重合 体等)等が挙げられ、耐侯性、粘着基剤との 溶性の観点からC9系合成石油樹脂が好ましい 。

 また、石油系樹脂としては、別の分類の 点から、脂環族系石油樹脂(脂環族系飽和炭 化水素樹脂等の脂環族系炭化水素樹脂)、脂 族系水添石油樹脂、脂肪族系石油樹脂(脂肪 系炭化水素樹脂)、脂肪族系水添石油樹脂、 芳香族系石油樹脂等が挙げられ、粘着力、粘 着基剤との相溶性、耐老化性の観点から脂環 族系石油樹脂、脂環族系水添石油樹脂が好ま しく、脂環族系水添石油樹脂が特に好ましい 。このような石油系樹脂としては、具体的に はアルコン-P70、アルコンP-90、アルコンP-100 アルコンP-115、アルコンP-125(以上、荒川化学 工業(株))、エスコレッツ8000(エッソ石油化学( 株))等が挙げられ、1種又は2種以上の組合せ 使用することができる。

 なお、粘着剤層3は、上記のロジン系樹脂 及び/又は石油系樹脂に加えて、テルペン系 脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂等 他の種類の粘着付与剤をさらに含有してい もよい。

 上記粘着付与剤は、本発明の貼付剤1の粘 着剤層全質量基準で10~30質量%が配合され、好 ましくは15~25質量%で配合される。なお、上記 の配合量が10質量%未満では粘着物性の低下及 び粘着時の剥がれが発生し易く、配合量が30 量%を超えるとカブレや剥離時の痛みの発生 を伴う恐れがある。

 本発明の貼付剤1における粘着剤層3には 上記薬物、粘着基剤及び粘着付与剤の他、 収促進剤を含有してもよい。このような吸 促進剤としては、従来皮膚での吸収促進作 が認められている化合物であればよく、例 ば、(1)炭素鎖数6~20の脂肪酸、脂肪族系アル ール、脂肪酸アミド、脂肪酸エーテル(以上 は、飽和、不飽和のいずれでもよく、また、 環状、直鎖状、分枝状のいずれでもよい);(2) 香族系有機酸、芳香族系アルコール、芳香 系有機酸エステル、エーテル;及び(3)乳酸エ ステル類、酢酸エステル類、モノテルペン系 化合物、セスキテルペン系化合物、エイゾン (Azone)、エイゾン(Azone)誘導体、グリセリン脂 酸エステル類、プロピレングリコール脂肪 エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類( Span系)、ポリソルベート系(Tween系)、ポリエチ レングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキ シエチレン硬化ヒマシ油系(HCO系)、ポリオキ エチレンアルキルエーテル類、ショ糖脂肪 エステル類、植物油等が挙げられる。

 具体的には、カプリル酸、カプリン酸、 プロン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パ ミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン 、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、 ウリルアルコール、ミリスチルアルコール オレイルアルコール、イソステアリルアル ール、セチルアルコール、ラウリン酸ジエ ノールアミド、ミリスチン酸ミリスチル、 リスチン酸オクチルドデシル、パルミチン セチル、サリチル酸メチル、サリチル酸エ レングリコール、ケイ皮酸、ケイ皮酸メチ 、クレゾール、乳酸セチル、乳酸ラウリル 酢酸エチル、酢酸プロピル、ゲラニオール チモール、オイゲノール、テルピネオール l-メントール、ボルネオロール、d-リモネン 、イソオイゲノール、イソボルネオール、ネ ロール、dl-カンフル、グリセリンモノカプリ レート、グリセリンモノカプレート、グリセ リンモノラウレート、グリセリンモノオレエ ート、ソルビタンモノラウレート、ショ糖モ ノラウレート、ポリソルベート20、プロピレ グリコールモノラウレート、ポリエチレン リコールモノラウレート、ポリエチレング コールモノステアレート、ポリオキシエチ ンオレイルエーテル、ポリオキシエチレン ウリルエーテル、HCO-60、ピロチオデカン、 リーブ油が好ましく、中でもオレイン酸、 ウリルアルコール、ミリスチルアルコール オレイルアルコール、イソステアリルアル ール、ラウリン酸ジエタノールアミド、l- ントール、グリセリンモノカプリレート、 リセリンモノカプレート、グリセリンモノ レエート、ソルビタンモノラウレート、プ ピレングリコールモノラウレート、ポリオ シエチレンオレイルエーテル、ポリオキシ チレンラウリルエーテル、ピロチオデカン より好ましく、オレイン酸、オレイルアル ール、l-メントールが好ましく用いられる。 l-メントールは、鎮痛作用を有するとともに サリチル酸メチルの経皮吸収を促進する効 を有するため、粘着剤層全質量基準で1質量 %以上のl-メントールを含有させることによっ て、局所における消炎鎮痛効果を向上させる ことができる。

 本発明の貼付剤1における粘着剤層3には さらに可塑剤を含有させてもよい。このよ な可塑剤としては、流動パラフィン、石油 オイル(パラフィン系プロセスオイル、ナフ ン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオ ル等)、スクワラン、スクワレン、植物系オ イル(オリーブ油、ツバキ油、ひまし油、ト ル油、ラッカセイ油等)、シリコンオイル、 塩基酸エステル(ジブチルフタレート、ジオ クチルフタレート等)、液状ゴム(ポリブテン 液状イソプレンゴム等)、サリチル酸グリコ ール等が挙げられ、中でも流動パラフィン、 液状ポリブテンが好ましく用いられる。

 このような可塑剤は2種以上混合して使用 しても良く、粘着剤層3を構成する組成物全 に基づく可塑剤の含有量は、充分な透過性 び貼付剤としての充分な凝集力の維持を考 して粘着剤層の全質量に対し、5~70質量%、よ り好ましくは10~60質量%、特に好ましくは10~50 量%の範囲内で適宜配合される。

 また、本発明の貼付剤1における粘着剤層 3には、必要に応じて、抗酸化剤、充填剤、 橋剤、防腐剤、紫外線吸収剤等をさらに配 してもよい。このような抗酸化剤としては トコフェロール及びこれらのエステル誘導 、アスコルビン酸、アスコルビン酸ステア ン酸エステル、ノルジヒトログアヤレチン 、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル ヒドロキシアニソール等が望ましい。充填剤 としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ ム、ケイ酸塩(例えば、ケイ酸アルミニウム ケイ酸マグネシウム等)、ケイ酸、硫酸バリ ム、硫酸カルシウム、亜鉛酸カルシウム、 化亜鉛、酸化チタン等が望ましい。架橋剤 しては、アミノ樹脂、フェノール樹脂、エ キシ樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエス ル等の熱硬化性樹脂、イソシアネート化合 、ブロックイソシアネート化合物、有機系 橋剤、金属又は金属化合物等の無機系架橋 が望ましい。防腐剤としては、パラオキシ 息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピ 、パラオキシ安息香酸ブチル等が望ましい 紫外線吸収剤としては、p-アミノ安息香酸 導体、アントラニル酸誘導体、サリチル酸 導体、クマリン誘導体、アミノ酸系化合物 イミダゾリン誘導体、ピリミジン誘導体、 オキサン誘導体等が望ましい。

 このような抗酸化剤、充填剤、架橋剤、 腐剤、紫外線吸収剤は、貼付剤全質量に対 好ましくは0.01~10質量%、より好ましくは0.1~5 質量%、更に好ましくは0.2~2質量%の範囲内で 宜配合される。

 また、本発明の貼付剤1は、支持体2及び 着剤層3のほか、剥離シート4のように、使用 時に剥がされる剥離被覆物がさらに積層され てもよい。このような貼付剤1は、製造、保 及び使用が容易になるため好適である。本 明に用いられる剥離被覆物としては、剥離 理(例えばシリコーン処理)を施した剥離紙、 セロファン又はポリエチレン、ポリプロピレ ン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩 化ビニリデン等の合成樹脂フィルムが挙げら れる。

 次に、本発明の貼付剤1の製造方法につい て説明する。

 本発明の貼付剤1における製造方法として は、特に限定はされないが、いわゆる溶剤法 、又はホットメルト法により製造され得る。 溶剤法の場合は、まず上記薬物を含む粘着剤 の各構成成分をそれぞれ所定の割合となるよ うにヘキサン、トルエン、酢酸エチル等の有 機溶剤に添加し、撹拌して均一な溶解物を得 る。次に、この溶解物を支持体2上に展延後 燥機により乾燥し有機溶剤を揮発除去させ 後に剥離被覆物で覆うか、或いは剥離被覆 に展延後乾燥機により乾燥して有機溶剤を 発除去させた後に支持体2に圧着転写させて よい。

 ホットメルト法の場合、まず薬物以外の 記粘着剤を構成する諸成分をそれぞれ所定 割合で窒素等の不活性雰囲気下で150~200℃の 温度条件にて加熱混合した後、薬物を添加し 、さらに撹拌して均一な融解物を得る。この 融解物を直接支持体2上に展延し、剥離被覆 で覆った後に所望の形状に切断するか、或 は一旦この融解物を剥離被覆物上に展延し さらに支持体2上に被せて融解物を支持体2上 に圧着転写させた後に所望の形状に切断して もよい。エネルギー効率がよく、作業者の健 康や環境に対し好ましいという点でホットメ ルト法が好ましく用いられる。

 貼付剤1における粘着剤層3の厚み(後述す 支持体2及び剥離被覆物の厚みは含まない) 50~300μmであることが好ましく、より好まし は80~200μmである。なお、上記の厚みが50μm未 満では粘着性や付着性の持続が低下する傾向 にあり、他方、上記の厚みが300μmを超えると 凝集力や保型性が低下する傾向にある。

 また、粘着剤層3の塗布量(塗膏量)としては 支持体2上に80~210g/m 2 の塗膏量となるように粘着剤層3を形成する とが好ましい。より好ましくは100~200g/m 2 、さらに好ましくは120~180g/m 2 である。

 なお、前記製造方法における各基剤成分 薬物、その他の添加成分を配合する順序は の一例を述べたに過ぎず、貼付剤1の製造方 法はこの配合順序の方法に限定されるもので はない。

 次に、本発明における粘着剤層3の貯蔵弾 性率(G″)について説明する。

 有用な粘着剤層3は、好ましくは10rad/s(37 )において30000~75000Paの範囲であり、より好ま しくは32000~70000Paの範囲であり、さらに好ま くは35000~65000Paの範囲の貯蔵弾性率(G″)を有 る。この範囲にすることで、良好貼付性と 持体2へのしみだしを抑えた貼付剤にするこ とができる。貯蔵弾性率が30000Pa未満の場合 、膏体残りが生じる等貼付性が適切でなく 75000Paを超える場合は、薬物放出性や経皮吸 性が低下し、刺激の持続性が維持できない

 次に、本発明の貼付剤1の透湿度について 説明する。

 透湿度は、JIS Z 208に規定する方法に従っ 、温度40℃、相対湿度90%の条件で測定した場 合、1~350g/m 2 ・24hrであることが好ましい。良好な経皮吸 性及び持続的な貼付性がより発揮できる観 から、透湿度は、1~200g/m 2 ・24hであることがより好ましく、1~100g/m 2 ・24hであることがさらに好ましい。

 なお、本発明の貼付剤1の透湿度は、膏体 の厚みや貼付剤製造時の圧着度によって左右 されるが、当業者であれば、透湿度を上記範 囲になるように適宜に調節し得る。

 さらに、本発明の貼付剤1における、サリチ ル酸メチル、その代謝物であり消炎鎮痛作用 を発揮する物質であるサリチル酸、及び粘着 剤層の全質量の1質量%以上配合される場合のl -メントールの血漿中のAUC 0-24 (血中濃度時間曲線下面積)とC max (最大血中濃度)とについて説明する。なお、 こでの薬物及び代謝物の血中濃度の測定は 例えばFDA(米国食品医薬品局)のガイドライ (Gaidance for Industry = Bioanalytical Method Validat ion)に準拠して行われる。

 サリチル酸メチルが粘着剤層の全質量の10% 上配合された本発明の貼付剤1の場合、貼付 剤1の塗膏量が50~300g/m 2 であり、かつ280cm 2 の面積で人に8時間経皮投与されたとき、サ チル酸メチルの血漿中のAUC 0-24 が6~60ng・hr/mLとなり、サリチル酸の血漿中のA UC 0-24 が2900~24000ng・hr/mLとなり、l-メントールの血 中のAUC 0-24 が13~220ng・hr/mLとなるようにすることが可能 なり、局所における消炎鎮痛効果を十分に 上させることができる。上記の貼付条件下 サリチル酸メチル、サリチル酸及びl-メント ールのAUC 0-24 は、それぞれ8~30ng・hr/mL、4000~8000ng・hr/mL、25~ 80ng・hr/mLであることが好ましい。

 また、本発明の貼付剤1は、上記の貼付条件 下、サリチル酸メチルの血漿中のC max が2~125ng/mLとなり、サリチル酸の血漿中のC max が450~2700ng/mLとなり、l-メントールの血漿中の C max が2~30ng/mLとなるようにすることが可能になり 、局所における消炎鎮痛効果を十分に向上さ せることができる。この時のサリチル酸メチ ル、サリチル酸及びl-メントールのC max は、それぞれ5~20ng/mL、750~1400ng/mL、5~15ng/mLで ることが好ましい。

 本発明の貼付剤1によれば、上記範囲内のAUC 0-24 及びC max を得ることができる。AUC 0-24 及びC max は、貼付剤1の面積、膏体の厚み及び被験者 個人差によって左右されるが、当業者であ ば、本発明の貼付剤1を使用することによっ 上記パラメータを所定の数値範囲内になる うに適宜に調節し得る。また、本発明の貼 剤1を70cm 2 又はその他の面積にて8時間貼付した場合は AUC 0-24 及びC max は投与面積の減少に応じて小さくなることは 明らかである。また、上記のパラメータは、 貼付剤1を適用することにより得られた値で る。

 以下、実施例及び比較例に基づき本発明 さらに具体的に説明するが、本発明は以下 実施例に何ら限定されるものではない。

 下記表1の成分(質量%)のうち粘着剤層を構 成する諸成分(薬物以外)をそれぞれ所定の割 で窒素等の不活性雰囲気下で150~200℃にて加 熱混合し、薬物を添加した後に更に撹拌して 均一な溶解物を得る。次に、溶解物を剥離被 覆物上に展延し、更に支持体として両面メリ ヤス編みのポリエチレンテレフタレート(表2 照)に被せて溶解物を圧着転写させた後、7× 10cmになるように四角く切断し、貼付剤を製 した。

(貯蔵弾性率の測定)
 各温度及び周波数に対する貯蔵弾性率(G″) 得るため、動的粘弾性測定装置(ARES:Advanced  Rheometric Expansion System)を用いた。この装置は Orchestratorソフトウェアバージョン6.5.8で制御 た。約2mmの隙間で分離された直径8mmの平行 プレートを用いた。測定ポイント数は各オ ダーにおいて10ポイント測定し、各ポイン で3秒間放置、測定温度は37℃とした。周波 は10rad/sで一定に保ち、試験の歪は0.1~30%で測 定した。以上の測定条件を設定した後、歪依 存的測定を開始した。この歪のデータからソ フトウェアにより貯蔵弾性率(G″)を計算した 。結果を表3及び図3に示す。

(ヒトによる刺激性試験)
 実施例1~3、比較例1、2について、以下の手 により官能性の評価を行った。6人の被験者( 健常人・男性)の腕のひじ部又は足のひざ部 左右に6時間貼付し、刺激の持続性及び剥離 の膏体残りについて評価した。刺激の持続 については、刺激の強さを「適当」又は「 い」により評価し、膏体残りについては、 体の有無により評価した。結果を表4及び5 示す。

 比較例1及び2は、何れも刺激の持続性が く、かつ比較例1においては膏体残りが発生 る傾向にある。一方、貯蔵弾性率(G″)が3000 0~75000Paの実施例1~3により刺激の持続性と貼付 性に優れた貼付剤を得ることができる。なお 、実施例1~3については、6時間の貼付性は良 でカブレも生じなかった。

(透湿度の測定)
 実施例1の貼付剤の透湿度は、カップ法(JIS  Z0208)に従い、温度40℃、相対湿度90%で測定し 。

 試験片としては、実施例1に従って製造し た貼付剤を直径約70mmの円型に打ち抜いたも (n=3)を使用し、吸湿剤としては、無水塩化カ ルシウム(粒度は標準ふるい2380μmを通過し590 mにとどまるもの)を使用し、カップは、Y.S.S スターNo.3525(安田機械製作所)を使用した。

 まず、吸湿剤を入れたガラス皿をカップ 入れ、水平に保ったカップ台にのせた。貼 剤の支持体が上になるように、試験片をカ プと同心になるような位置にのせ、ガイド カップ台の溝に合わせて被せた。ガイドに わせて試験片がカップの上縁に密着するま リングを押し込み、その上におもりをのせ その後リングが移動しないように注意して イドを垂直に引き上げて取り除いた。次に カップを水平に回転させながら、溶融した ろう剤をカップの周縁の溝に流し込み、試 片の縁を封かんし、封ろう剤が固化してか おもり及びカップ台を取り除き、試験体と た(n=3)。

 カップの初期質量を測定した後、試験体を 度40℃、相対湿度90%の試験条件に保った恒 恒湿装置中に放置し、24時間後取り出した。 試験体を30分間デシケーターに保管し、秤量 る操作を2回繰り返してカップの質量を測定 した。この質量から初期質量を引いた値を質 量増加量とし、1m 2 当たりに換算した質量増加量を透湿度(g/m 2 ・24h)とした。

 その結果、実施例1の貼付剤の透湿度は、5~1 20g/m 2 ・24hであった。

(血漿中濃度の測定)
 実施例1の貼付剤280cm 2 (サリチル酸メチル:336mg;l-メントール:100mg)と るように7人の被験者(健常人・男性)に8時間 貼付し、経時的に採血を実施した。採血は貼 付開始時から、0、0.5、1、2、3、4、6、8、10、 12、18、及び24時間後にそれぞれ行われ、1回 採血量は7mLであった。

 サリチル酸メチル、サリチル酸メチルの代 物であるサリチル酸、及びl-メントールの 漿中濃度をそれぞれ測定した。測定は、サ チル酸について液体クロマトグラムマスス クトル法にて、サリチル酸メチル及びl-メン トールについてガスクロマトグラムマススペ クトル法にて行われた。それぞれの測定法は 、事前に測定の信頼性を確認(バリデート)し 。なお、貼付中の血漿中濃度としては、実 の測定値から、貼付前の内因性の濃度(貼付 開始後0時間の測定値)を差し引いた値を使用 た。C max 及びAUC 0-24 は、これらの血漿中濃度の測定値の時間的推 移より算出した。

 サリチル酸、サリチル酸メチル及びl-メン ールの血漿中濃度の時間的推移を図4~図6に す。また、それぞれの薬物についての動態 ラメータ(C max 及びAUC 0-24 の平均値、最大値、最小値)を表6に示す。な 、図中における平均値は、7人の被験者の平 均値であり、標準偏差(SD)を用いて表してい 。なお、この血中濃度の測定は、FDA(米国食 医薬品局)のガイドライン(Gaidance for Industry  = Bioanalytical Method Validation)に準拠して行っ た。

 上記で得られた血漿中の各パラメータを、J ournal of Clin Pharmacol 2004;44:1151-1157で測定し サリチル酸メチル及びl-メントールの血漿中 濃度から0時間の値を差し引いた値と比較す 場合、本発明の貼付剤280cm 2 (サリチル酸メチル:336mg;l-メントール:100mg)を 付した場合のサリチル酸メチル及びl-メン ールのC max 及びAUC 0-24 は、Journal of Clin Pharmacol 2004;44:1151-1157の貼 剤8枚(サリチル酸メチル、74.88mg×8=599mg;l-メ トール、37.44×8=299.5mg)を貼付したときの値 近かった。このことから、本発明の貼付剤 よれば、各有効成分の十分な血漿中濃度が られることが分かった。本発明の貼付剤に って、局所における有効成分の経皮吸収も 分であると考えられ、本発明の貼付剤は局 における消炎鎮痛効果を向上させると考え れる。




 
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