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Title:
AIR CONDITIONER FOR VEHICLE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/057480
Kind Code:
A1
Abstract:
An air conditioner for a vehicle comprises a refrigeration cycle including a variable capacity compressor for a refrigerant which uses an engine as a drive source, a condenser, and an evaporator, a capacity adjustment means for outputting a capacity control signal to the compressor, and a compressor torque calculation means for calculating the torque of the compressor. The compressor torque calculation means includes at least two toque estimation means of a saturation region torque estimation means corresponding to the case where the compressor is driven at a maximum discharge capacity and a capacity control region torque estimation means corresponding to the case where it is driven at a discharge capacity other than the maximum discharge capacity, and also includes a correction means for correcting the calculation of the torque of the compressor when a change in engine speed larger than a set value is detected. Even when the engine speed changes rapidly, the torque of the compressor in the refrigeration cycle can be precisely calculated.

Inventors:
HIGUCHI TERUO (JP)
IMAI TOMONORI (JP)
SUZUKI KENICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/069038
Publication Date:
May 07, 2009
Filing Date:
October 21, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SANDEN CORP (JP)
HIGUCHI TERUO (JP)
IMAI TOMONORI (JP)
SUZUKI KENICHI (JP)
International Classes:
B60H1/32; F02D29/04; F04B49/06; F25B27/00
Foreign References:
JP2006001505A2006-01-05
JPH0249938A1990-02-20
JP2004211663A2004-07-29
JPH11291751A1999-10-26
JP2001347828A2001-12-18
JP2006001505A2006-01-05
JP2004211663A2004-07-29
Other References:
See also references of EP 2206617A4
Attorney, Agent or Firm:
BAN, Toshimitsu (Shinko Bldg.1-9, Nishishinjuku 8-chome,Shinjuku-ku, Tokyo 23, JP)
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Claims:
 少なくとも、車両のエンジンを駆動源とし冷媒の吐出容量を可変可能な可変容量圧縮機と、冷媒の凝縮器と、冷媒の蒸発器とを有する冷凍サイクルと、前記圧縮機へ容量制御信号を出力する容量調節手段と、前記圧縮機のトルクを演算する圧縮機トルク演算手段とを備え、前記圧縮機トルク演算手段が、前記圧縮機が最大吐出容量で駆動される場合に対応した飽和領域トルク推定手段と、最大吐出容量以外の吐出容量で駆動される場合に対応した容量制御域トルク推定手段の、少なくとも2つのトルク推定手段を含む車両用空調装置において、前記圧縮機トルク演算手段は、設定値よりも大きなエンジン回転数の変化を検出した場合に、前記圧縮機および冷凍サイクルの応答遅れに対応する補正を圧縮機のトルク演算に加える補正手段を有することを特徴とする車両用空調装置。
 前記補正手段は、エンジン回転数が変化する直前の回転数と所定のサンプリング時間経過後のエンジン回転数が変化した時の回転数との差分である回転数変化率と、その回転数変化率に対応させて予め定められた補正係数とをパラメータとして予め作成されたマップから、圧縮機トルク演算のための補正係数を読み取り、読み取った補正係数に基づいて前記補正を加える、請求項1に記載の車両用空調装置。
 前記マップは、前記回転数変化率と前記補正係数との関係を定めた特性線が、さらに冷凍サイクルへの負荷をパラメータとして選択可能に複数設定されたものからなる、請求項2に記載の車両用空調装置。
 前記パラメータとしての冷凍サイクルへの負荷が、外気温度からなる、請求項3に記載の車両用空調装置。
 前記パラメータとしての冷凍サイクルへの負荷が、冷凍サイクルの高圧側圧力からなる、請求項3に記載の車両用空調装置。
 前記飽和領域トルク推定手段と前記容量制御域トルク推定手段により演算された値のうち、小さい方の値をトルク推定値として選択する、請求項1に記載の車両用空調装置。
 さらに、車両のエンジン回転数を検知またはその信号を参照するエンジン回転数検知手段と、外気温度を検知する外気温度検知手段と、高圧側冷媒圧力を検知する高圧検知手段とを備え、前記圧縮機が、吐出容量を制御可能な可変容量圧縮機からなり、前記容量制御域トルク推定手段は、少なくとも容量制御信号、高圧側冷媒圧力、外気温度、エンジン回転数に基づいて圧縮機のトルクを推定するとともに、圧縮機トルク演算に前記補正手段による補正を加える、請求項1に記載の車両用空調装置。
 さらに、凝縮器通過風量に相関のある物理量を検知する手段を備え、前記容量制御域トルク推定手段は、さらに該凝縮器通過風量に相関のある物理量を参照して圧縮機のトルクを推定する、請求項7に記載の車両用空調装置。
 さらに、蒸発器通過風量に相関のある物理量を検知する手段を備え、前記容量制御域トルク推定手段は、さらに該蒸発器通過風量に相関のある物理量を参照して圧縮機のトルクを推定する、請求項7に記載の車両用空調装置。
 さらに、車両の車速を検知またはその信号を参照する車速認識手段を備え、前記容量制御域トルク推定手段は、さらに該車速を参照して圧縮機のトルクを推定する、請求項7に記載の車両用空調装置。
 さらに、車両のエンジン回転数を検知またはその信号を参照するエンジン回転数検知手段と、車両の車速を検知またはその信号を参照する車速認識手段と、外気温度を検知する外気温度検知手段と、高圧側冷媒圧力を検知する高圧検知手段とを備え、前記圧縮機が、吐出容量を制御可能な可変容量圧縮機からなり、前記容量制御域トルク推定手段は、少なくとも容量制御信号、高圧側冷媒圧力、車速、外気温度に基づいて圧縮機の動力を推定し、エンジン回転数と推定された圧縮機の動力から圧縮機のトルクを推定するとともに、圧縮機トルク演算に前記補正手段による補正を加える、請求項1に記載の車両用空調装置。
 さらに、凝縮器通過風量に相関のある物理量を検知する手段を備え、前記容量制御域トルク推定手段は、さらに該凝縮器通過風量に相関のある物理量を参照して圧縮機の動力を推定し、エンジン回転数と推定された圧縮機の動力から圧縮機のトルクを推定する、請求項11に記載の車両用空調装置。
 さらに、蒸発器通過風量に相関のある物理量を検知する手段を備え、前記容量制御域トルク推定手段は、さらに該蒸発器通過風量に相関のある物理量を参照して圧縮機の動力を推定し、エンジン回転数と推定された圧縮機の動力から圧縮機のトルクを推定する、請求項11に記載の車両用空調装置。
 さらに、車両のエンジン回転数を検知またはその信号を参照するエンジン回転数検知手段と、外気温度を検知する外気温度検知手段とを備え、前記飽和領域トルク推定手段は、少なくとも外気温度、エンジン回転数に基づいて圧縮機のトルクを推定するとともに、圧縮機トルク演算に前記補正手段による補正を加える、請求項1に記載の車両用空調装置。
 さらに、凝縮器通過風量に相関のある物理量を検知する手段を備え、前記飽和領域トルク推定手段は、さらに該凝縮器通過風量に相関のある物理量を参照して圧縮機のトルクを推定する、請求項14に記載の車両用空調装置。
 さらに、蒸発器通過風量に相関のある物理量を検知する手段を備え、前記飽和領域トルク推定手段は、さらに該蒸発器通過風量に相関のある物理量を参照して圧縮機のトルクを推定する、請求項14に記載の車両用空調装置。
 さらに、車両の車速を検知またはその信号を参照する車速認識手段を備え、前記飽和領域トルク推定手段は、さらに該車速を参照して圧縮機のトルクを推定する、請求項14に記載の車両用空調装置。
 前記飽和領域トルク推定手段は、予め定められたある所定値をトルク推定値とする、請求項1に記載の車両用空調装置。
 前記飽和領域トルク推定手段は、外気温度またはエンジン回転数または車速に対してトルク推定値を定めたトルク推定値マップにより、トルク推定値を導く、請求項1に記載の車両用空調装置。
 さらに、演算されたトルク推定値の情報をエンジン制御装置へ送る、請求項1に記載の車両用空調装置。
Description:
車両用空調装置

 本発明は、車両用空調装置に関し、とく 、エンジン回転数が急激に変化する際にも 縮機のトルクを適切に算出できるようにし 車両用空調装置に関する。

 冷媒の圧縮機、凝縮器、蒸発器を備えた 凍サイクルを有する車両用空調装置におい 、圧縮機のトルクは、冷凍サイクル自身の 能や、圧縮機の駆動源としての車両のエン ンの制御性能に大きな影響を及ぼす。冷凍 イクルに用いられる圧縮機としては、外部 御信号により、冷房性能を幅広く制御でき 可変容量圧縮機が広く利用されるようにな てきた。例えば特許文献1に示されるように 、これら外部からの電気信号によって複雑な 制御を行うようにした外部制御式可変容量圧 縮機にあっては、その多岐にわたる運転条件 および制御方式にしたがって圧縮機の駆動ト ルクが変動することとなるが、エンジンによ り駆動される可変容量圧縮機においては、こ のエンジン負荷となる圧縮機の駆動トルクを 予測することは困難であった。

 一方、圧縮機、凝縮器、蒸発器を備えた 凍サイクルを有する車両用空調装置におい 、圧縮機のトルクは、例えば、圧縮機の冷 の吐出圧力に基づいて算出される(例えば、 特許文献2)。また、吐出冷媒圧力と吸入冷媒 力の圧力差、または、圧縮機の容量制御信 からトルクを算出することもできる。

 また、先に本出願人により、トルク推定 行う手段を可変容量圧縮機の吐出容量が最 となる飽和領域と、吐出容量が最大でない 量制御域とに分けることで、精度の高い圧 機トルク推定を可能とするトルク算出方法 提供されている(特許文献3)。

 しかし現在主流となっているピストンタ プの外部制御式可変容量圧縮機においては 吸入圧力を狙い通りに維持する方法として 吸入圧力の変化を検出しクランクケース内 力を増減させることで圧縮機の吐出容量を 化させ、結果として冷房能力を制御してい ため、例えば急加速時の自動シフトダウン ど、エンジン回転数が急激に変化するよう 場合には、圧縮機の吐出容量変化が追いつ ず、安定時のような良好なトルク算出値が られないことが明らかになってきた。

 特許文献4では、外部制御信号の変化に対 する圧縮機の吐出容量変化の遅れを補正する ために、一次遅れの手法等を用いて実際の圧 縮機駆動トルクに近づける方法を提案してい るが、エンジン回転数の急激な変化について は考慮されていない。

 エンジン回転数を安定的に制御するために 、圧縮機の吐出容量が実際に急激に変化し 後、補正した圧縮機トルク推定値をエンジ ECU(Electronic Control Unit)にフィードバックす のは煩雑で不確定要素も含むため、実際に 圧縮機の吐出容量を徐変させ、圧縮機トル の急変を避ける方式の方がより現実的であ 。また、一般の自動車の使用においては、 ンジン回転数の変化時の圧縮機トルクの推 精度を向上することが、省動力化を図る上 重要な課題と考えられる。

特開平11-291751号公報

特開2001-347828号公報

特開2006-1505号公報

特開2004-211663号公報

 そこで本発明の課題は、とくに、圧縮機 駆動源である車両のエンジンの回転数が急 に変化する場合にも、冷凍サイクル中の圧 機のトルクを適切に精度良く算出できるよ にした車両用空調装置を提供することにあ 。

 上記課題を解決するために、本発明に係 車両用空調装置は、少なくとも、車両のエ ジンを駆動源とし冷媒の吐出容量を可変可 な可変容量圧縮機と、冷媒の凝縮器と、冷 の蒸発器とを有する冷凍サイクルと、前記 縮機へ容量制御信号を出力する容量調節手 と、前記圧縮機のトルクを演算する圧縮機 ルク演算手段とを備え、前記圧縮機トルク 算手段が、前記圧縮機が最大吐出容量で駆 される場合に対応した飽和領域トルク推定 段と、最大吐出容量以外の吐出容量で駆動 れる場合に対応した容量制御域トルク推定 段の、少なくとも2つのトルク推定手段を含 む車両用空調装置において、前記圧縮機トル ク演算手段は、設定値よりも大きなエンジン 回転数の変化を検出した場合に、前記圧縮機 および冷凍サイクルの応答遅れに対応する補 正を圧縮機のトルク演算に加える補正手段を 有することを特徴とするものからなる。ここ で、車両のエンジンとは、車両走行用の原動 機であり、内燃機関は勿論のこと、ハイブリ ッド車や電気自動車における電気モータも含 む概念である。このような車両用空調装置に おいては、とくに、吐出容量が最大でない容 量制御域でのトルク推定手段に、エンジン回 転数の変化率(急加速および急減速)が設定値 超えた場合にトルク推定値に補正を加える とが有効である。

 上記補正手段としては、エンジン回転数 変化する直前の回転数と所定のサンプリン 時間経過後のエンジン回転数が変化した時 回転数との差分である回転数変化率と、そ 回転数変化率に対応させて予め定められた 正係数とをパラメータとして予め作成され マップから、圧縮機トルク演算のための補 係数を読み取り、読み取った補正係数に基 いて上記補正を加えるようにしたものが好 しい。このようにすれば、補正係数が迅速 つ的確に読み取られ、読み取った補正係数 基づいて、エンジン回転数の変化の度合い 応じて、圧縮機のトルクが精度良く演算、 定される。また、実際の運転状況ではエン ン回転数の変化により可変容量圧縮機の吐 容量が最大となる飽和領域から吐出容量が 大でない容量制御域へ移行、またはこの反 となるようなモードがあるが、各種入力信 のサンプリング時間を適切に選定(例えば、 100msec以下)することで、可変容量圧縮機の運 モードが正確に判定されるので、トルク推 値演算プログラムを煩雑にする必要はない

 上記マップは、上記回転数変化率と上記 正係数との関係を定めた特性線が、さらに 凍サイクルへの負荷をパラメータとして選 可能に複数設定されたものからなることが ましい。このパラメータとしての冷凍サイ ルへの負荷としては、外気温度や冷凍サイ ルの高圧側圧力を採用可能である。つまり 補正手段は、エンジン回転数が変化する直 の状態(外気温度、高圧圧力など)と、エン ン回転数の変化率とをパラメータとして作 されたマップから、エンジン回転数が変化 る直前および回転数変化時のトルク演算の めの補正係数を選択的に取り込み、事前に 定した時間内にてマップに基づいた補正演 を行う。

 上記のような圧縮機トルクの補正演算を えることにより、エンジン回転数が急激に 化し、圧縮機の吐出容量変化が追従できな ような場合にあっても、圧縮機のトルクと てはエンジン回転数変化に対応したより精 の高い値として算出することが可能になり 精度の高い圧縮機トルクの推定値がエンジ の制御に利用可能となる。

 このような圧縮機トルクの補正演算を加 した車両用空調装置においては、さらに次 ような制御を加えることができる。

 例えば、前記飽和領域トルク推定手段と 記容量制御域トルク推定手段により演算さ た値のうち、小さい方の値をトルク推定値 して選択することが可能である。

 また、上記のような車両用空調装置にお ては、さらに、車両のエンジン回転数を検 またはその信号を参照するエンジン回転数 知手段と、外気温度を検知する外気温度検 手段と、高圧側冷媒圧力を検知する高圧検 手段とを備え、前記圧縮機が、吐出容量を 御可能な可変容量圧縮機からなり、前記容 制御域トルク推定手段は、少なくとも容量 御信号、高圧側冷媒圧力、外気温度、エン ン回転数に基づいて圧縮機のトルクを推定 るとともに、圧縮機トルク演算に前記補正 段による補正を加える構成とすることがで る。

 この場合、圧縮機の吐出容量の制御方式 しては、吸入冷媒圧力を制御する方式(つま り、一般的な可変容量圧縮機)とすることも 吐出冷媒圧力と吸入冷媒圧力との圧力差を 御する方式とすることもできる。また、上 において高圧側冷媒圧力を検知することに り、次のような利点が得られる。すなわち 容量制御信号を変更した直後は、高圧側と 圧側の冷媒圧力差が安定するまでに多少の 間がかかる。この間、容量制御信号の値に わりなく前記圧力差が変動するため、トル の変動も生じる。そこで、高圧側冷媒圧力 検知することで、圧力変動に対応したより 度の高いトルク推定が可能となる。

 このような構成においては、さらに、凝 器通過風量に相関のある物理量を検知する 段を備え、前記容量制御域トルク推定手段 、さらに該凝縮器通過風量に相関のある物 量を参照して圧縮機のトルクを推定する構 とすることができる。

 すなわち、アイドリング時等において、 縮器ファンの風量制御が行われる車両が多 が、この場合、凝縮器ファンの風量変化に って、凝縮器の空気側放熱能力が変化し、 ルク推定の精度に大きな影響を及ぼす。し がって、トルク推定式に凝縮器ファン電圧 の凝縮器通過風量に相関のある物理量を導 することで、圧縮機のトルク推定の精度を めることができる。

 また、さらに、蒸発器通過風量に相関の る物理量を検知する手段を備え、前記容量 御域トルク推定手段は、さらに該蒸発器通 風量に相関のある物理量を参照して圧縮機 トルクを推定する構成とすることができる

 すなわち、蒸発器における熱負荷が大と ると、冷媒流量を増加させる制御が働くた 、圧縮機のトルクも増加する。したがって トルク推定式に送風機電圧等の蒸発器通過 量に相関のある物理量を導入することで、 縮機のトルク推定の精度を高めることがで る。

 また、さらに、車両の車速を検知または の信号を参照する車速認識手段を備え、前 容量制御域トルク推定手段は、さらに該車 を参照して圧縮機のトルクを推定する構成 することもできる。

 すなわち、車速が変化すると車両の前面 速が変化するため、凝縮器に導入される空 量が変化する。したがって、凝縮器の空気 放熱量が変化し、トルク推定の精度に大き 影響を及ぼす。よって、車速をトルク推定 に導入することで、前面風速変化を考慮し 精度の高いトルク推定が可能となる。

 また、さらに、車両のエンジン回転数を 知またはその信号を参照するエンジン回転 検知手段と、車両の車速を検知またはその 号を参照する車速認識手段と、外気温度を 知する外気温度検知手段と、高圧側冷媒圧 を検知する高圧検知手段とを備え、前記圧 機が、吐出容量を制御可能な可変容量圧縮 からなり、前記容量制御域トルク推定手段 、少なくとも容量制御信号、高圧側冷媒圧 、車速、外気温度に基づいて圧縮機の動力 推定し、エンジン回転数と推定された圧縮 の動力から圧縮機のトルクを推定するとと に、圧縮機トルク演算に補正手段による補 を加える構成とすることも可能である。

 この場合にも、圧縮機の吐出容量の制御 式としては、吸入冷媒圧力を制御する方式( つまり、一般的な可変容量圧縮機)とするこ も、吐出冷媒圧力と吸入冷媒圧力との圧力 を制御する方式とすることもできる。例え 前者の方式の場合、つまり、吸入冷媒圧力 制御可能な可変容量圧縮機(つまり、一般的 可変容量圧縮機)を用いる場合、高圧検知手 段(高圧側冷媒圧力センサ)の測定値と、容量 御信号から推定される吸入冷媒圧力の推定 から圧縮機吐出冷媒と吸入冷媒の圧力差を 出し、その圧力差と外気温度と車速により 力を推定する。その後、トルク=k×(動力/回 数)によりトルクを算出することができる。

 これらの構成においては、さらに、凝縮 通過風量に相関のある物理量を検知する手 を備え、前記容量制御域トルク推定手段は さらに該凝縮器通過風量に相関のある物理 を参照して圧縮機の動力を推定し、エンジ 回転数と推定された圧縮機の動力から圧縮 のトルクを推定する構成とすることができ 。

 すなわち、上記圧力差と動力との相関は 凝縮器の空気側放熱能力の大小により大き 影響をうける。よって、凝縮器の空気側放 能力に大きな影響を及ぼす凝縮器通過風量( 凝縮器の前面風速)の変化を把握するための 素として、凝縮器ファン電圧等を参照して 力を推定する。その後、トルク=k×(動力/回 数)によりトルクを算出することができる。

 また、さらに、蒸発器通過風量に相関の る物理量を検知する手段を備え、前記容量 御域トルク推定手段は、さらに該蒸発器通 風量に相関のある物理量を参照して圧縮機 動力を推定し、エンジン回転数と推定され 圧縮機の動力から圧縮機のトルクを推定す 構成とすることもできる。

 すなわち、蒸発器における熱負荷が大と ると、冷媒流量を増加させる制御が働くた 、圧縮機の動力も増加する。よって、送風 電圧等の蒸発器通過風量に相関のある物理 を参照して動力を推定する。その後、トル =k×(動力/回転数)によりトルクを算出するこ とができる。

 また、さらに、車両のエンジン回転数を 知またはその信号を参照するエンジン回転 検知手段と、外気温度を検知する外気温度 知手段とを備え、前記飽和領域トルク推定 段は、少なくとも外気温度、エンジン回転 に基づいて圧縮機のトルクを推定するとと に、圧縮機トルク演算に前記補正手段によ 補正を加える構成とすることができる。

 すなわち、飽和領域においては、容量制 信号変化に対してトルクは変化しないため 容量制御信号以外のパラメータ(外気温度、 回転数など)を用いてトルクを推定する構成 ある。

 このような構成においては、さらに、凝 器通過風量に相関のある物理量を検知する 段を備え、前記飽和領域トルク推定手段は さらに該凝縮器通過風量に相関のある物理 を参照して圧縮機のトルクを推定する構成 することもできる。

 すなわち、前述したように、アイドリン 時等において、凝縮器ファンの風量制御が われる場合、凝縮器ファンの風量変化によ て、凝縮器の空気側放熱能力が変化し、ト ク推定の精度に大きな影響を及ぼす。よっ 、トルク推定式に凝縮器ファン電圧等の凝 器通過風量に相関のある物理量を導入する とで、圧縮機のトルク推定の精度を高める とができる。

 また、さらに、蒸発器通過風量に相関の る物理量を検知する手段を備え、前記飽和 域トルク推定手段は、さらに該蒸発器通過 量に相関のある物理量を参照して圧縮機の ルクを推定する構成とすることができる。

 すなわち、蒸発器における熱負荷が大と ると、冷媒流量を増加させる制御が働くた 、圧縮機のトルクも増加する。したがって トルク推定式に送風機電圧等の蒸発器通過 量に相関のある物理量を導入することで、 縮機のトルク推定の精度を高めることがで る。

 また、さらに、車両の車速を検知または の信号を参照する車速認識手段を備え、前 飽和領域トルク推定手段は、さらに該車速 参照して圧縮機のトルクを推定する構成と ることもできる。

 すなわち、前述したように、車速が変化 ると車両の前面風速が変化するため、凝縮 に導入される空気量が変化する。したがっ 、凝縮器の空気側放熱量が変化し、トルク 定の精度に大きな影響を及ぼす。よって、 速をトルク推定式に導入することで、前面 速変化を考慮した精度の高いトルク推定が 能となる。

 また、前記飽和領域トルク推定手段は、 め定められたある所定値をトルク推定値と ることもできる。すなわち、飽和領域にお ては、圧縮機の吐出容量が最大容量である とを想定しているため、トルクの大きな変 はない。よって、飽和領域トルク推定手段 、ある所定値をトルクの推定値として決定 るようにしてもよいことになる。

 また、前記飽和領域トルク推定手段は、 気温度またはエンジン回転数または車速に してトルク推定値を定めたトルク推定値マ プにより、トルク推定値を導くこともでき 。すなわち、予め試験等により求めたマッ からトルクを推定するようにすることも可 である。このマップは、前述の補正係数読 取り用のマップとは異なるものである。

 上記のように演算された圧縮機のトルク 定値の情報はエンジン制御装置(エンジンECU )へ送ることもできる。すなわち、エンジンEC Uへトルク推定値を通信して、車両が最適な ンジン出力を決定できるようにするのであ 。

 本発明に係る車両用空調装置によれば、 変容量圧縮機の吐出容量が最大となる飽和 域と、吐出容量が最大でない容量制御域の ての領域において、精度の高い圧縮機トル の推定が可能となるとともに、圧縮機の駆 源であるエンジンの回転数が急激に変化す 場合にあっても、精度の高い圧縮機トルク 推定が可能となり、より望ましい車両の空 制御が可能になる。また、精度の高い圧縮 トルクの推定が可能となることから、より 適なエンジンの制御を目指すことが可能に る。

本発明の一実施態様に係る車両用空調 置の概略構成図である。 圧縮機吸入冷媒と吐出冷媒の圧力差と 縮機トルクとの関係を示す特性図である。 圧縮機吸入冷媒と吐出冷媒の圧力差と 縮機動力との関係を示す特性図である。 容量制御域と飽和領域を示す特性図で る。 容量制御域トルク推定式と飽和領域ト ク推定式の容量制御信号に対するトルク推 値を示す特性図である。 本発明に係る制御の一例を示すフロー ャートである。 外気温度をパラメータとした回転数変 率と補正係数との関係を示すマップの例を す特性図である。 エンジン回転数上昇時の各特性の変化 を示す特性図である。 エンジン回転数下降時の各特性の変化 を示す特性図である。 飽和領域におけるトルク推定値マップ の例を示す分布図である。

符号の説明

 1 車両用空調装置
 2 冷凍サイクル
 3 可変容量圧縮機
 4 凝縮器
 5 受液器
 6 膨張機構(膨張弁)
 7 蒸発器
 8 送風機
 9 通風ダクト
 10 空調風吸入口
 11 ヒータユニット
 12 エアミックスダンパ
 13 蒸発器出口空気温度センサ
 14 空調制御装置
 15 信号群
 16 エンジンECU
 17、18、19 吹き出し口
 20 容量制御信号
 21 トルク推定値情報
 100 エンジン

 以下に、本発明の望ましい実施の形態を、 面を参照して説明する。
 図1は、本発明の一実施態様に係る車両用空 調装置1を示している。図1において、冷凍サ クル2には、車両のエンジン100により駆動さ れる、吐出容量を可変可能な可変容量圧縮機 3が設けられており、エンジン100の駆動力は とえば電磁クラッチ等を介して伝達される 冷凍サイクル2の冷媒配管中を冷媒が循環さ 、上記圧縮機3により圧縮された高温高圧の 冷媒が、凝縮器4により外気と熱交換して冷 され、凝縮し液化する。受液器5により気液 分離され、液冷媒が冷媒の膨張機構6(膨張 )によって膨張、減圧される。減圧された低 の冷媒は、蒸発器7に流入して、送風機8に り送風された空気と熱交換される。蒸発器7 おいて蒸発し気化した冷媒は再び圧縮機3に 吸入されて圧縮される。

 車室内空調を行う空気が通過する通風ダ ト9には、送風機8が配置されており、空調 吸入口10から吸入された空気が送風機8によ 蒸発器7へと送風される。蒸発器7を通過した 空気の一部は、下流側に配置されたヒータユ ニット11へと送られるが、ヒータユニット11 通過される空気の量と、バイパスされる空 の量との割合が、エアミックスダンパ12によ って調整される。本実施態様では、蒸発器7 出口側に、蒸発器通過後の空気温度を検知 るための蒸発器出口空気温度センサ13が設け られており、検知された信号は空調制御を行 う空調制御装置14へ入力される。この空調制 装置14内に、本発明における、圧縮機3の飽 領域トルク推定手段と容量制御域トルク推 手段、および圧縮機トルク演算の補正を行 補正手段が組み込まれており、空調制御装 14は、本実施態様における空調制御全体を う制御装置としても機能している。

 この空調制御装置14には、上記蒸発器出 空気温度センサ13による検知信号以外にも、 各種信号が入力される。本実施態様では、少 なくとも、外気温度センサからの外気温度検 知信号、上記蒸発器出口空気温度センサ13に る検知信号、車速信号、エンジン回転数信 、凝縮器通過風量に相関のある物理量とし の凝縮器ファン電圧信号等の信号群15が空 制御装置14に入力され、空調制御装置14から 、可変容量圧縮機3に容量制御信号20が出力 れるとともに、エンジンECU16に、演算され かつ補正手段により補正が加えられたトル 推定値の情報21が送られるようになっている 。

 通風ダクト9の下流側には、DEF、VENT、FOOT の各吹き出し口17、18、19が設けられており 図示を省略した各ダンパにより所定の吹き し口が選択されるようになっている。

 このように構成された車両用空調装置1に おいて、本発明に係る制御は次のように行わ れる。まず、上記実施態様における圧縮機ト ルク演算の基本方式について説明し、次に、 本発明の特徴である補正演算について説明す る。

 図2は、実験により調査した、圧縮機の吸 入冷媒と吐出冷媒の圧力差δPdPsと圧縮機トル クとの関係を示したもので、2つの値の実測 は、図の斜線領域内に分布する。斜線領域 のどの位置で安定するかは、主に圧縮機の 転数と凝縮器の空気側放熱能力により決定 れる。凝縮器の空気側放熱能力は、外気温 、車両の前面風速、凝縮器ファン電圧に大 な影響を受けるため、これらをトルク推定 に導入することにより、より高精度なトル 推定が可能になる。

 また、本発明においては、前述の如く、 縮機の動力を直接演算してから、圧縮機の ルクを算出(推定)することもできる。図3は その場合に参照する、実験により求めた圧 機の吐出冷媒と吸入冷媒の圧力差(δPdPs)と 縮機動力との関係を示している。図示の如 、圧力差(δPdPs)に対する圧縮機動力の大きさ は、凝縮器空気側放熱能力の影響を大きく受 ける。

 図4は、容量制御信号と圧縮機トルクの関 係を示したものである。容量制御域(容量制 信号に応じて圧縮機トルクが変化していく 域)と飽和領域(容量制御信号を吐出容量が増 加する方向へ変更してゆくと、あるポイント で吐出容量が最大となり、その後容量制御信 号を吐出容量が増加する方向へ変更しても、 トルクに変化がなくなる領域)を図示してい 。この飽和領域においては、容量制御信号 吐出容量が増加する方向へ変更しても、圧 機トルクはある最大値を示したまま変化し い。

 図5は、上記のような容量制御域と飽和領 域に対する圧縮機トルク推定例を示したもの で、容量制御域のトルク推定式による演算値 (容量制御域トルク推定手段による演算値)と 飽和領域のトルク推定式による演算値(飽和 領域トルク推定手段による演算値)を示して る。図5に示すように、全領域において、ど らか小さい方の演算値を選択することによ 、容量制御域と飽和領域のどちらにおいて 精度の高いトルク推定が可能となる。

 図6は、上記圧縮機トルク演算例、とくに、 本発明に係る補正演算を加味した圧縮機トル クの演算例を示すフローチャートである。
 ステップS1でエアコンON(空調制御ON)か否か 判定し、エアコンONの場合、ステップS2で、 ず容量制御域トルク推定手段により演算値T rq1を演算する。ここでTrq1の演算方法は、次 2通りの方法がある。

(1)トルクを直接演算する方法:
 Trq1=f(EMPCV,Tamb,Nc,SP,Vcond,Pd,BLV)
 ここで、EMPCV:容量制御信号、Tamb:外気温度  [℃] 、Nc:圧縮機回転数またはエンジン回転 [rpm]、SP:車速[km/h]、Vcond:凝縮器ファン電圧[V] 、Pd:高圧側冷媒圧力[MPa] 、BLV :送風機電圧[V ] である。

(2)動力(PW)を直接演算してからトルクを演算 る方法:
 PW=f(EMPCV,Tamb,Nc,SP,Vcond,Pd,BLV) 
 Trq1=k*PW/Ne
  ここで、kは定数である。

 さらに、ステップS3で、飽和領域トルク推 手段により演算値Trq2を次式により演算する
 Trq2=f(Tamb,Nc,SP,Vcond,Pd,BLV)
 ここで、Trq2 は、前述したように、予め定 られた所定値Kとしてもよい。
 Trq2=K 

 また、図10に示すように、外気温度とエ ジン回転数(図10(A))や、外気温度と車速(図10( B))の値に応じてトルク推定値(F~JあるはA~E)を めたマップを用いて、Trq2を算出してもよい 。

 図6において、Trq1とTrq2が演算されたら、 テップS4でTrq1とTrq2との大小関係が判断され 、Trq1≧Trq2の場合には、小さい方の値である 和領域トルク演算値Trq2をトルク推定値Trqと し(ステップS5)、エンジンECUへ出力する(ステ プS6)。この出力値を参照して、そのときの 調装置における圧縮機トルク(または動力) 応じて最適なエンジン運転を決定できると もに、より望ましい空調制御を実現可能と る。

 ステップS4において、Trq1<Trq2と判断さ た場合には、ステップS7で、エンジン回転数 の変化率Acc(エンジン回転数が変化する直前 回転数と所定のサンプリング時間(例えば、1 00msec以下)経過後のエンジン回転数が変化し 時の回転数との差分)と、予め定められた上 変化率Accsetとの大小関係が判断され、Acc≦A ccsetである場合には、ステップS8で、トルク 定値Trqとして既に演算されているTrq1を採用 、エンジンECUへ出力する(ステップS6)。

 ステップS7で、エンジン回転数が急激に 化している、つまり、Acc>Accsetと判断され 場合には、本発明に係る補正手段を用いた 正演算が行われる。まず、ステップS9で、 め定められたマップから、そのときのエン ン回転数の変化率Accに応じた補正係数Caが読 み取られる。このマップは、例えば図7に示 ように予め作成され、記憶されている。図7 示す例では、回転数変化率Accに対応させて 外気温度をパラメータとして、補正係数Ca 予め定められており、この予め作成された ップから、圧縮機トルク演算のための補正 数Caが読み取られる。外気温度に代えて、あ るいは外気温度とともに、冷凍サイクル2の 圧側圧力をパラメータとしてもよい。読み られた補正係数Caを用いて、補正演算を加味 した形態にて、エンジン回転数急変化領域に おける圧縮機トルク推定値Trq3の演算が行わ (ステップS10)、このトルク推定値Trq3がその きの圧縮機トルク推定値Trqとされて(ステッ S11)、エンジンECUへ出力される(ステップS6)

 このようなエンジン回転数の急激な変化 考慮した補正演算を行うことにより、例え 図8、図9に示すような顕著な効果が得られ 。図8は、エンジン回転数が急激に上昇する 合の、エンジン回転数の変化に対応した、 縮機のトルク実測値、上記の補正演算なし 場合のトルク推定値、補正演算ありの場合 トルク推定値を、それぞれ示している。図9 は、エンジン回転数が急激に下降する場合の 、エンジン回転数の変化に対応した、圧縮機 のトルク実測値、上記の補正演算なしの場合 のトルク推定値、補正演算ありの場合のトル ク推定値を、それぞれ示している。図8、図9 ら明らかなように、本発明に係る補正演算 加えることにより、トルク推定値が実際の ルク(トルク実測値)により近くなり、エン ン回転数の急激な変化に圧縮機の吐出容量 制御が追いつかない場合にあっても、圧縮 トルクが精度良く演算、推定されることが かる。また、この精度良く推定された圧縮 トルク値の情報をエンジンECUに送ることに り、そのときの負荷に応じたより最適なエ ジン制御が可能になる。

 本発明に係る車両用空調装置における制 は、可変容量圧縮機を備えた冷凍サイクル 有するあらゆる車両用空調装置に適用でき 圧縮機トルクをより高精度に推定して、よ 望ましい空調制御、より望ましいエンジン 御を実現することができる。