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Title:
Α-ALUMINA WITH SATISFACTORY SUITABILITY FOR SINTERING AND PROCESS FOR PRODUCING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/149690
Kind Code:
A1
Abstract:
Satisfactorily sinterable α-alumina which readily sinters at a low temperature and which, upon sintering at 1,500°C for 3 hours, gives a sinter having a bulk density of 3.90 g/cm3 or higher. It changes little in density upon sintering and has excellent sintering properties. Also provided is a process for producing the α-alumina. The α-alumina with satisfactory suitability for sintering is one produced by sintering aluminum hydroxide obtained by the Bayer process. When sintered under the conditions of 1,500°C and 3 hours, the α-alumina gives a sinter having a bulk density (A) [(mass of sintered sample)/(volume of sintered sample)] of 3.90 g/cm3 or higher. The density change between the sinter bulk density (A) and a sinter bulk density (B) as measured after sintering at 1,600°C for 3 hours, {[(B-A)/A]Œ100}, is 1% or less. The α-alumina is produced by introducing aluminum hydroxide having a soda content of 0.1 mass% or lower into a stationary burning furnace under such conditions as to result in a compact bulk density of 1.0 g/cm3 or lower, burning the compact, and pulverizing the burning product.

Inventors:
ABE MASAHIKO (JP)
MATSUBA TOSHIHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/059522
Publication Date:
December 11, 2008
Filing Date:
May 23, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NIPPON LIGHT METAL CO (JP)
ABE MASAHIKO (JP)
MATSUBA TOSHIHIRO (JP)
International Classes:
C01F7/441; C04B35/10
Foreign References:
JPH06144831A1994-05-24
JPS5978926A1984-05-08
JPH08290914A1996-11-05
JPH0393617A1991-04-18
Attorney, Agent or Firm:
SASAKI, Kazuya et al. (TKK Nishishinbashi Bldg.11-5, Nishi-shinbashi 2-chome,Minato-k, Tokyo 03, JP)
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Claims:
 バイヤー法で得られた水酸化アルミニウムを焼成して製造されるαアルミナであって、1500℃で3時間の焼結条件での焼結嵩密度(焼結後試料の質量/焼結後試料の体積)A(g/cm 3 )が3.90g/cm 3 以上であり、かつ、この焼結嵩密度Aと1600℃で3時間の焼結条件での焼結嵩密度B(g/cm 3 )との間の密度変化率{[(B-A)/A]×100}(%)が1%以下であることを特徴とする焼結特性に優れた良焼結性αアルミナ。
 バイヤー法で得られたソーダ分(Na 2 O)含有量0.1質量%以下の水酸化アルミニウムを定置型焼成炉の炉内に仕込み嵩密度1.0g/cm 3 以下の条件で仕込み、焼成し粉砕することを特徴とする良焼結性αアルミナの製造方法。
 焼成した後、粉砕前に水又は酸を用いて洗浄する請求項2に記載の良焼結性αアルミナの製造方法。
Description:
良焼結性αアルミナ及びその製 方法

 この発明は、バイヤー法で得られた水酸 アルミニウムを焼成して製造される焼結特 に優れた良焼結性αアルミナ及びその製造 法に係り、特に低温で焼結し、かつ、焼結 度における密度変化の少ない焼結特性に優 た良焼結性αアルミナ及びその製造方法に関 する。

 αアルミナは、耐熱性、耐摩耗性、電気 縁性、熱伝導性、耐蝕性等の物性に優れて り、これまでも、各種のセラミックスや耐 物等の製造原料として、あるいは、研磨剤 の用途に、広範囲に用いられてきている。 して、例えば、半導体集積回路基板、切削 具、軸受け等の用途に用いられる焼結体用α アルミナについては、近年のこれら用途での 技術進歩が著しく、得られる焼結体の機械的 強度、硬度、耐摩耗性、嵩密度等の物性に対 する要求も厳しくなってきており、その製造 原料としてのαアルミナに求められる品質特 についても年々厳しくなっているのが現状 ある。

 このようなことから、これまでにもαアル ナの品質特性を改善し向上させる幾つかの みがされ、提案されている。
 例えば、特許文献1には、大気中で水酸化ア ルミニウムを焼成する際に、原料の水酸化ア ルミニウムとして平均粒子径と粒度分布の均 一性を表す均等数とが所定の条件を満たすも のを用いることにより、1400℃以下の焼結温 で焼結嵩密度3.90g/cm 3 以上の焼結体が得られる易焼結アルミナの製 造方法が記載されている。

 また、特許文献2には、Na含有量500ppm以下 びSi含有量40ppm以下の水酸化アルミニウム析 出粒子に平均粒子径0.5μm以下のαアルミナを0 .1~8.0重量%の範囲で添加して粉砕し、粉砕粒 を分級して粒径の大きいものを分離し、焼 し、洗浄することにより、超易焼結性アル ナを製造する方法が記載されている。

 更に、特許文献3には、焼成してアルミナ に相転移する際にベーマイト相を経由するア ルミナが全体の30%以下である水酸化アルミニ ウム析出粒子を粉砕し、粉砕粒子を分級して 粒径の大きいものを分離し、焼成し、洗浄す ることにより、微粒・易焼結性アルミナを製 造する方法が記載されている。

 更にまた、特許文献5には、BET比表面積5~9m 2 /g、所定の粒度分布(D10=0.1-0.2μm、D50=0.3-0.5μm D90=0.7-2μm、及び1μm以下80質量%以上)、Mg含有 100~350ppm、Na含有量400ppm以下、Si含有量100ppm 下、及びCa含有量100ppm以下であって、高い焼 結密度及び高純度の焼結体を与える易焼結性 アルミナ粒子が記載されている。

 しかしながら、これまでに焼結体用途とし 提供されてきたαアルミナにおいて、例え 1300℃程度の低温で焼結して焼結嵩密度の高 ものも存在するが、このような特別に低温 焼結して焼結嵩密度の高いαアルミナにつ ては、焼結温度がある温度を超えると低温 密度>高温嵩密度となる、いわゆるオーバ ファイヤー現象(原理的には、焼結により閉 じていたクローズドポアの境界が更なる高温 での焼結によって収縮し、若干クローズドポ アが開くことと考えられている。)が発生し 焼結体の密度低下による強度不足の問題が 生するのを避けられなかった。そして、オ バーファイヤー現象の対応措置として、よ 精密な密度変化管理が重要となる。更に、 合セラミックスでは成分により収縮特性等 挙動が異なるために収縮をあわせる必要が る。それ故、オーバーファイヤー現象によ 材料強度等の特性低下がより顕著に起こる

特開平03-093,617号公報

特開平06-144,830号公報

特開平06-144,831号公報

特開2005-206,460号公報

 そこで、本発明者らは、1400~1500℃程度の温 で容易に焼結すると共に、1500℃で3時間の 結条件で得られた焼結体の焼結嵩密度が3.90g /cm 3 以上であり、しかも、焼結時の密度変化、特 に1500~1600℃での焼結時の密度変化が1%以下と めて低く、焼結特性に優れた良焼結性αア ミナの開発について鋭意検討した結果、意 なことには、ソーダ分(Na 2 O)含有量0.1質量%以下の水酸化アルミニウムを 用い、定置焼成炉の炉内に仕込み嵩密度1.0g/c m 3 未満の条件で仕込んで焼成し、粉砕すること により、目的の焼結特性に優れた良焼結性α ルミナが得られることを見い出し、本発明 完成した。

 従って、本発明の目的は、低温で容易に焼 すると共に、1500℃で3時間の焼結条件での 結嵩密度が3.90g/cm 3 以上であって、焼結時の密度変化が極めて低 い焼結特性に優れた良焼結性αアルミナを提 することにある。

 また、本発明の他の目的は、このような 温で容易に焼結すると共に焼結特性に優れ 良焼結性αアルミナの製造方法を提供する とにある。

 すなわち、本発明は、バイヤー法で得られ 水酸化アルミニウムを焼成して製造される アルミナであって、1500℃で3時間の焼結条件 での焼結嵩密度(焼結後試料の質量/焼結後試 の体積)A(g/cm 3 )が3.90g/cm 3 以上であり、かつ、この焼結嵩密度Aと1600℃ 3時間の焼結条件での焼結嵩密度B(g/cm 3 )との間の密度変化率{[(B-A)/A]×100}(%)が1%以下 あることを特徴とする焼結特性に優れた良 結性αアルミナである。

 また、本発明は、バイヤー法で得られたソ ダ分(Na 2 O)含有量0.1質量%以下の水酸化アルミニウムを 定置焼成炉の炉内に仕込み嵩密度1.0g/cm 3 以下の条件で仕込み、焼成し粉砕することを 特徴とする良焼結性αアルミナの製造方法で る。

 本発明において、αアルミナとしては、1500 で3時間の焼結条件での焼結嵩密度Aが3.90g/cm 3 以上であって、この焼結嵩密度Aと1600℃で3時 間の焼結条件での焼結嵩密度Bとの間の密度 化率{[(B-A)/A]×100}(%)が1%以下である必要があ が、より好ましくは、1400℃で3時間の焼結条 件での焼結嵩密度C(g/cm 3 )と1600℃で3時間の焼結条件での焼結嵩密度B の間の密度変化率{[(B-C)/C]×100}(%)が10%以下、 り好ましくは8%以下であるのがよい。上記 結嵩密度Aと焼結嵩密度Bとの間の密度変化率 が1%を超えたり、また、上記焼結嵩密度Cと焼 結嵩密度Bとの間の密度変化率が10%を超える 、低温焼結時の収縮制御が難しくなって強 不足の問題が生じる虞がある。

 また、本発明のαアルミナについては、 ましくは、1500℃で3時間の焼結条件での焼結 嵩密度Aと、1600℃で3時間の焼結条件での焼結 嵩密度Bと、1400℃で3時間の焼結条件での焼結 嵩密度CとがC<A<Bの関係を有するものであ るのがよい。このように焼結嵩密度A、焼結 密度B及び焼結嵩密度CがC<A<Bの関係を有 ることにより、オーバーファイヤー現象を 実に防止することができ、これによって焼 体の密度低下による強度不足の問題が発生 るのを確実に防止することができる。

 本発明のαアルミナの製造方法において、 の原料として用いる水酸化アルミニウムに いては、バイヤー法で得られたものであっ 、少なくともそのソーダ分(Na 2 O)含有量が0.1質量%以下、好ましくは0.05質量% 下、より好ましくは0.01質量%以下であるの よい。このソーダ分(Na 2 O)含有量が0.1質量%を超えると、そのソーダ分 (Na 2 O)が焼結を阻害し、焼結温度に対して焼結嵩 度が上がり難くなるという問題が生じる。

 また、本発明の方法において、αアルミ の製造に用いる焼成炉については、その炉 に所定の仕込み嵩密度で仕込む必要がある とから、焼成中に嵩密度が変化し難い、若 くは、焼成中に原料の水酸化アルミニウム 相対位置が変化しない構造の定置型の焼成 である必要があり、原料の水酸化アルミニ ム自体を移動させながら焼成する方式のロ タリーキルン、流動式焼成炉等の焼成炉は 嵩密度が常に変化するので、好ましくない

 そして、この定置焼成炉の炉内に原料の水 化アルミニウムを仕込む際の仕込み嵩密度 ついては、少なくとも1.0g/cm 3 以下、好ましくは0.95g/cm 3 以下であるのがよく、この仕込み嵩密度が1.0 g/cm 3 より大きくなると、水酸化アルミニウム同士 の距離が近くなり、アルミナに変化する際の 反応熱が他の粒子に影響して一次粒子径の大 きなアルミナが生成し易くなる結果、焼結体 の強度不足となる。

 更に、本発明の方法において、水酸化ア ミニウムを焼成してαアルミナを製造する の焼成条件については、特に従来の場合と わりなく、例えば、焼成温度が1000℃以上1200 ℃以下、好ましくは1050℃以上1180℃以下であ て、焼成時間が数分から十数時間、好まし は1時間以上20時間以下、好ましくは3時間以 上10時間以下である。

 更にまた、本発明の方法において、焼成 に得られたαアルミナを粉砕するが、このα アルミナ粉砕の方法や条件についても、従来 の場合と特には変わることがなく、例えば、 湿式方法であっても乾式方法であってもよく 、また、振動ボールミル、回転ボールミル、 ジェットミル、ビーズミル等を用いる方法で よく、αアルミナの用途によっても異なるが 通常平均粒子径0.1μm以上1.0μm以下、好まし は0.1μm以上0.4μm以下に粉砕される。

 更に、この焼成して得られたαアルミナ 粉砕に際しては、好ましくはαアルミナの粉 砕に先駆けてこのαアルミナを水あるいは酸 洗浄するのがよく、これによってαアルミ に含まれるNa、Ca等の不純物を予め十分に除 するのがよい。このように粉砕前にαアル ナの不純物を十分に除去することにより、 純物が焼結を阻害することによる焼結体の 度低下の問題を防止することができ、焼結 の嵩密度向上、電気特性の向上を達成する とができる。

 本発明の良焼結性αアルミナは、1400~1500℃ 度の温度で容易に焼結すると共に、1500℃で3 時間の焼結条件での焼結嵩密度が3.90g/cm 3 以上であって、1400℃、1500℃及び1600℃での焼 結時の密度変化が極めて低いという優れた焼 結特性を有する。
 また、本発明の良焼結性αアルミナの製造 法によれば、このように低温で容易に焼結 ると共に優れた焼結特性を有する良焼結性α アルミナを工業的に容易に製造することがで きる。

 以下、実施例及び比較例に基づいて、本 明の好適な実施の形態を具体的に説明する

[実施例1~5及び比較例1~3]
 バイヤー法で得られた表1に示す水酸化アル ミニウムを、表1に示す仕込み密度で箱型匣 に仕込み、この箱型匣鉢を定置型電気炉(シ コニット高熱工業株式会社製シリコニット )の炉内にセットし、表1に示す焼成温度で10 時間焼成した後、生成したαアルミナを炉内 ら取り出した。

 実施例1~3及び比較例1~3においては、6リッ トル(L)のポット内に15mmφのアルミナボール7.8 kgが収容された振動ボールミル(中央化工機株 式会社製振動ミル)を用い、そのポット内に 実施例又は各比較例で得られたαアルミナ1.0 kgとエタノール15gとを充填し、36時間粉砕し 実施例1~3及び比較例1~3のαアルミナを得た。

 また、実施例4及び5においては、粉砕前 各実施例で得られたαアルミナを、その質量 2倍の水で撹拌下に洗浄すると共に、その後 量5倍の水で通水洗浄し、引き続いて上記の 施例1~3及び比較例1~3の場合と同様にして粉 し、実施例4及び5のαアルミナを得た。

 このようにして得られた各実施例1~5及び比 例1~3のαアルミナについて、粒度分布測定 置(日機装株式会社製Microtrac MT3300)を用いて その平均粒子径(Dp50)を測定した。
 また、各実施例1~5及び比較例1~3のαアルミ について、蛍光X線分析装置(株式会社リガク 製ZSX100e、実施例1~3及び比較例1~3)若しくは原 吸光分光光度計(株式会社島津製作所製AA-660 、実施例4及び5)を用いてソーダ分(Na 2 O換算)の測定を行った。
 結果を表1に示す。

[焼結試験]
 また、上記の各実施例1~5及び比較例1~3のα ルミナについて、試料8~15gを秤量して金型に 入れ、34.32MPaの成形圧力で成形して高さ6~7mm× 25mmφの大きさの試料ピースを調製し、得られ た各実施例1~5及び比較例1~3の試料ピースの質 量、直径(D)、及び高さ(H)を精密に測定した。

 次に、このようにして調製された試料ピ スについて、焼結炉(株式会社モトヤマ製SH2 035D)を用い、各設定温度(1400℃、1500℃、及び1 600℃)で3時間かけて焼成し、各実施例1~5及び 較例1~3の焼結ピースを得た。

 このようにして得られた各実施例1~5及び比 例1~3の焼結ピースについて、その質量、直 (D)、及び高さ(H)を精密に測定し、これら各 結ピースの質量、直径(D)、及び高さ(H)の値 先に測定した各試料ピースの質量、直径(D) 及び高さ(H)の値とから、各設定温度での焼 嵩密度A(1500℃)、焼結嵩密度B(1600℃)、及び 結嵩密度C(1400℃)を求めると共に、焼結嵩密 A(1500℃)と焼結嵩密度B(1600℃)との間の密度 化率{[(B-A)/A]×100}([B-A]密度変化率)及び焼結嵩 密度C(1400℃)と焼結嵩密度B(1600℃)との間の密 変化率{[(B-C)/C]×100}([B-C]密度変化率)を求め 。
 結果を表1に示す。

 上記表1に示す実施例1~5及び比較例1~3の結果 から明らかなように、ソーダ分(Na 2 O)含有量0.1質量%以下の水酸化アルミニウムを 定置型焼成炉の炉内に仕込み嵩密度1.0g/cm 3 未満の条件で仕込んで焼成し、粉砕して得ら れた各実施例1~5のαアルミナは、その何れも1 500℃で3時間の焼結条件での焼結嵩密度A(g/cm 3 )が3.90g/cm 3 以上であって、焼結嵩密度Aと焼結嵩密度Bと 間の密度変化率が1%以下であり、優れた焼 特性を示すのに対して、比較例1及び3の場合 には共にNa 2 O含有量が0.1質量%を超えており、また、比較 2の場合には仕込み嵩密度が1.0g/cm 3 を超えており、結果としてこれら比較例1~3の αアルミナは、その何れも、焼結嵩密度Aが3.9 0g/cm 3 に達しないほか、[B-A]密度変化率が1%を超え ことが判明した。

 本発明の良焼結性αアルミナ及びその製造 法は、低温で容易に焼結するにもかかわら 、1500℃で3時間の焼結条件で得られた焼結体 の焼結嵩密度が3.90g/cm 3 以上であり、しかも、焼結時の密度変化、特 に1500~1600℃での焼結時の密度変化が1%以下と めて低く、焼結特性に優れており、焼結体 対する機械的強度、硬度、耐摩耗性、嵩密 等の物性に対する要求の厳しい分野におい 、工業的に極めて有用である。