ANAMI TOSHIYA (JP)
MIZUSHIMA KAZUMITSU (JP)
GOTO AKIRA (JP)
KAZAMA HITOSHI (JP)
YASUNAGA KUNIHIRO (JP)
HONDA MOTOR CO LTD (JP)
ZHAO PIZHI (JP)
ANAMI TOSHIYA (JP)
MIZUSHIMA KAZUMITSU (JP)
GOTO AKIRA (JP)
KAZAMA HITOSHI (JP)
YASUNAGA KUNIHIRO (JP)
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JPH1180913A | 1999-03-26 |
Mg:3.0~3.5mass%、Fe:0.05~0.3mass%、Si:0.05~0.15mass%を含み、さらにMn:0.1mass%未満に規制し、残部実質的に不可避的不純物とAlからなり、板厚1/4厚さの領域における金属間化合物の円相当径の最大径が5μm以下、平均再結晶粒径が15μm以下であり、かつ表面粗度がRa0.2~0.6μmで、耐力145MPa以下、引張強さ225MPa以上であることを特徴とするプレス成形性、肌荒れ性及び形状凍結性に優れた自動車用アルミニウム合金板。 |
張出し成形高さ29mm以上であることを特徴とする請求項1に記載のプレス成形性、肌荒れ性及び形状凍結性に優れた自動車用アルミニウム合金板。 |
さらにTi:0.001~0.1%を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプレス成形性、肌荒れ性及び形状凍結性に優れた自動車用アルミニウム合金板。 |
Mg:3.0~3.5mass%、Fe:0.05~0.3mass%、Si:0.05~0.15mass%を含み、さらにMn:0.1mass%未満に規制し、残部実質的に不可避的不純物とAlからなる溶湯を、双ベルト式鋳造機により1/4厚みにおける冷却速度が20~200℃/secとなるよう厚さ5~15mmの薄スラブを鋳造してコイルに巻き取った後、ロール表面粗度Ra:0.2~0.7μmのロールにより冷延率50~98%の冷間圧延を施し、CALにより保持温度400~520℃で連続的に最終焼鈍を施した後、レベラーで歪矯正することを特徴とするプレス成形性、肌荒れ性及び形状凍結性に優れた自動車用アルミニウム合金板の製造方法。 |
上記最終焼鈍をバッチ焼鈍炉により保持温度300~400℃で施すことを特徴とする請求項4に記載のプレス成形性、肌荒れ性及び形状凍結性に優れた自動車用アルミニウム合金板の製造方法。 |
本発明は、自動車用アルミニウム合金板 びその製造方法に係り、特に自動車用ボデ シートなどの成形用に好適なアルミニウム 金板及びその製造方法に関する。
従来、例えば自動車用の外板には、主と て冷延鋼板が用いられている。しかし、最 になって自動車車体の軽量化に伴い、Al-Mg 、Al-Mg-Si系等のアルミニウム合金板の使用が 検討されている。特にAl-Mg系合金板は、強度 成形性及び耐食性が優れることから、自動 用ボディシートとして提案されている。
これらアルミニウム合金板の製造方法と て、従来、DC鋳造によってスラブを鋳造し スラブの両面を面削後、ソーキング炉によ て均質化処理を施し、熱間圧延、冷間圧延 中間焼鈍、冷間圧延、最終焼鈍を施し、所 の板厚に仕上げる方法が採用されている(特 文献1参照)。
これに対して、ベルト式鋳造機によって 続的に薄スラブを鋳造、これを直接コイル 巻き取って、冷間圧延、最終焼鈍を施し、 定の板厚に仕上げる方法が提唱されている 例えば、Mg:3.3~3.5wt%、Mn:0.1~0.2wt%を含み、さ にFe:0.3wt%以下、Si:0.15wt%以下のいずれか1種又 は2種以上を含み、残部通常の不純物とAlから なる溶湯を調整する。そして、この溶湯を、 双ベルト式鋳造機により1/4厚みにおける冷却 速度が40~90℃/secとなるよう厚さ5~10mmの薄スラ ブを速度5~15m/minで鋳造してロールに巻き取る 。このロールに巻き取った薄スラブをロール 表面粗度Ra0.2~0.7μmのロールにより冷間圧延し 、焼鈍を施すことにより、プレス成形性及び 耐応力腐食割れ性に優れたことを特徴とする 自動車用アルミニウム合金板の製造方法が開 示されている(特許文献2)。
しかし、この方法では、再結晶粒微細化 目的として、溶湯の化学組成として、Mn0.1~0 .2wt%が含有されており、凝固冷却速度が比較 速いため、Al-(Fe・Mn)-Siなどの金属間化合物 サイズが小さくなって成形性に優れている 面、マトリックス中のMnの固溶量が高くな すぎるため、耐力が高く成形後のスプリン バックが大きくなるという問題がある。
この問題を解決するため、例えば、Mg:3~6% を含有するアルミニウム合金の連続鋳造圧延 板を焼鈍処理した後、歪矯正を施し、240乃至 340℃の入る所定の温度で1時間以上行い、そ 後徐冷するといういわゆる安定化処理も提 されている(特許文献3)。
上記の課題を解決するために、本願発明 は、Mg:3.0~3.5mass%、Fe:0.05~0.3mass%、Si:0.05~0.15mas s%を含み、さらにMn:0.1mass%未満に規制し、残 実質的に不可避的不純物とAlからなる溶湯を 、双ベルト式鋳造機により1/4厚みにおける冷 却速度が20~200℃/secとなるよう厚さ5~15mmの薄 ラブを鋳造してコイルに巻き取った後、ロ ル粗度Ra:0.2~0.7μmのロールにより冷延率50%~98% の冷間圧延を施し、CALにより保持温度400~520 で連続的に最終焼鈍を施した後、レベラー 歪矯正することを特徴とするプレス成形性 肌荒れ性及び形状凍結性に優れた自動車用 ルミニウム合金板の製造方法を採用した。 た、上記最終焼鈍は、バッチ焼鈍炉により 持温度300~400℃で施してもよい。
このような製造方法を採用することによ 、Mg:3.0~3.5mass%、Fe:0.05~0.3mass%、Si:0.05~0.15mass% 含み、さらにMn:0.1mass%未満に規制し、残部 質的に不可避的不純物とAlからなり、板厚1/4 厚さの領域における金属間化合物の円相当径 の最大径が5μm以下、平均再結晶粒径が15μm以 下であり、かつ表面粗度がRa0.2~0.6μmで、耐力 145MPa以下、引張強さ225MPa以上であることを特 徴とするプレス成形性、肌荒れ性及び形状凍 結性に優れた自動車用アルミニウム合金板を 提供することが可能となった。
本発明によれば、連続鋳造圧延板に安定 処理を施すことなく、成形性及び形状凍結 に優れたAl-Mg系合金板を製造することがで る。
本発明において合金の化学組成を限定し 理由を説明する。本明細書中で化学組成を す「%」は特に断らない限り「質量%」の意 である。
〔Mg:3.0~3.5%〕
Mgは固溶強化によって強度を高める元素であ
、3.0%未満であるとこの効果を発現すること
ができず、引張り強度が低下する。Mg含有量
3.5%を超えると耐力が高くなりすぎて形状凍
結性が低下する。
〔Fe:0.05~0.3%〕
Feは鋳造時にAl-Fe-Si系などの金属間化合物の
細粒子として晶出し、冷間圧延後の焼鈍の
に再結晶の核生成サイトとして機能する。
たがって、これら金属間化合物の粒子個数
多いほど生成する再結晶核が多くなり、そ
結果、多数の微細な再結晶粒が形成される
また、金属間化合物の微細粒子は、生成し
再結晶粒の粒界をピン止めして結晶粒の合
による成長を抑制し、微細な再結晶粒を安
に維持する。この効果を発現するにはFe含有
量を0.05%以上とする必要がある。ただし、Fe
有量が0.3%を超えると晶出する金属間化合物
粗大化する傾向が強くなり、成形時にこの
属間化合物を起点としてボイドを形成し成
性が劣る。したがって、Fe含有量は0.05~0.3%
限定する。好ましい範囲は0.05~0.25%である。
〔Si:0.05~0.15%〕
Siは鋳造時にAl-Fe-Si系などの金属間化合物の
細粒子として晶出し、冷間圧延後の焼鈍の
に再結晶の核生成サイトとして機能する。
たがって、これら金属間化合物の粒子個数
多いほど生成する再結晶核が多くなり、そ
結果、多数の微細な再結晶粒が形成される
また、金属間化合物の微細粒子は、生成し
再結晶粒の粒界をピン止めして結晶粒の合
による成長を抑制し、微細な再結晶粒を安
に維持する。この効果を発現するにはSi含有
量を0.05%以上とする必要がある。ただし、Si
有量が0.15%を超えると晶出する金属間化合物
が粗大化する傾向が強くなり、成形時にこの
金属間化合物を起点としてボイドを形成し成
形性が劣る。したがって、Si含有量は0.05~0.15%
に限定する。好ましい範囲は0.05~0.1%である。
〔Mn:0.1%未満〕
Mn含有量が0.1%以上の場合、鋳造時の凝固冷却
速度が高いため、マトリックス中のMn固溶量
大きくなり、最終板における耐力が高くな
すぎて形状凍結性が低下する。更に上限を
限して0.08%未満とすることが好ましく、0.06%
未満とすることがより好ましい。
〔任意成分のTi:0.001~0.1%〕
本発明においては、鋳造塊の結晶粒を微細化
するためにTiを0.001~0.1%の範囲で含有すること
が好ましい。この効果を発現するにはTi含有
を0.001%以上とする必要がある。ただし、Ti
有量が0.1%を超えるとTiAl 3
等の粗大な金属間化合物が生成し、成形時に
ボイドを形成し成形性が低下する。Ti含有量
さらに好ましい範囲は、0.001~0.05%である。Ti
はAl-10%Tiなどの母合金で添加してもよいし、A
l-5%Ti-1%B、Al-10%Ti-1%Bなどの結晶粒微細化剤(ロ
ドハードナー)として添加してもよい。
〔任意成分としてのB:0.0005~0.01%〕
本発明においては、鋳造塊の結晶粒を微細化
するためにBを0.0005~0.01%の範囲で含有するこ
が好ましい。Bの効果はTiと共存することで
溶湯中にαAl結晶粒生成の起点となる核(TiBx)
生成させることである。B含有量のさらに好
ましい範囲は、0.0005~0.005%の範囲である。BはA
l-5%Bなどの母合金で添加してもよいし、Al-5%Ti
-1%B、Al-10%Ti-1%Bなどの結晶粒微細化剤(ロッド
ードナー)として添加してもよい。
本発明によるアルミニウム合金板の製造 については以下に説明する方法に限定され ものではないが、鋳造条件、最終焼鈍条件 あり、これらの意義及び限定理由を以下に 明する。
〔薄スラブの鋳造条件〕
双ベルト鋳造法とは、上下に対峙し水冷され
ている回転ベルト間に溶湯を注湯してベルト
面からの冷却で溶湯を凝固させてスラブとし
、ベルトの反注湯側より該スラブを連続して
引き出してコイル状に巻き取る連続鋳造方法
である。
本発明においては、鋳造するスラブの厚 は5~15mmが好ましい。薄スラブ厚さが5mm未満 あると、単位時間当たりに鋳造機を通過す アルミニウム量が小さくなりすぎて、鋳造 困難になる。逆に厚さが15mmを超えると、ロ ールによる巻取りができなくなるため、スラ ブ厚さの範囲を5~15mmに限定する。この厚さで あるとスラブ鋳造時の1/4厚みにおける凝固冷 却速度が20~200℃/secとなり、金属間化合物の 相当径の最大径を5μm以下に制御することが 能である。
〔冷間圧延ロール表面粗度Ra0.2~0.7μm〕
さらに冷間圧延ロール表面の粗度をRa0.2~0.7μm
と限定した理由は、最終焼鈍板の面粗度を調
整するためである。冷間圧延工程によってロ
ール表面の形状が圧延板表面に転写されるた
め、最終焼鈍板の表面粗度は、Ra0.2~0.6μmとな
る。最終焼鈍板の面粗度が、Ra0.2~0.6μmの範囲
内であれば、最終板の表面形状が成形時に使
用する低粘性潤滑油を均一に保持するミクロ
プールの役目を果たし、プレス成形性に優れ
た板となる。なお、冷間圧延ロール表面の粗
度はRa0.3~0.7μmであることが好ましく、この場
合、最終焼鈍板の面粗度はRa0.3~0.6μmである。
冷間圧延ロール表面の粗度はRa0.4~0.7μmである
ことが更に好ましく、この場合、最終焼鈍板
の面粗度はRa0.4~0.6μmである。
〔金属間化合物の円相当径の最大径5μm以下
〕
本発明によるアルミニウム合金板の厚み1/4の
領域における金属組織中の金属間化合物につ
いては、円相当径の最大径5μm以下に限定す
。このように非常に微細な金属間化合物が
トリックス中に分散されることにより、ア
ミニウム板成形中の転位の動きが抑制され
Mgによる固溶強化により引張り強さが高くな
るとともに、成形性に優れた板となる。
〔平均再結晶粒径15μm以下〕
最終焼鈍板の板厚1/4厚さの領域における平均
再結晶粒径は、15μm以下に限定する。これを
えると、材料変形時に結晶粒界に生じる段
が大きくなりすぎて、変形後のオレンジピ
ルが顕著となり、肌荒れ性が低下する。
〔冷延率50%~98%の限定理由〕
冷間圧延時における圧下率は50%~98%であるこ
が好ましく、圧延による塑性加工により発
する転位はこれら微細な晶出物の周囲に蓄
されることにより、最終焼鈍時の微細な再
晶組織を得るために必要となる。冷間圧延
における圧下率が50%未満である場合、転位
蓄積が十分ではなく微細な再結晶組織が得
れない。冷間圧延時における圧下率が98%を
えると圧延時の耳割れが顕著になり歩留ま
が低下する。さらに好ましい冷延率は55%~96%
範囲である。
〔連続焼鈍炉による最終焼鈍条件〕
連続焼鈍炉による最終焼鈍の温度は400~520℃
限定する。400℃未満の場合、再結晶に必要
エネルギーが不足するため、微細な再結晶
織を得ることができない。保持温度が520℃
超えると、再結晶粒の成長が顕著となり、
均再結晶粒径が15μmを超えてしまい、成形性
及び肌荒れ性が低下する。
連続焼鈍の保持時間は5min以内とすること が好ましい。連続焼鈍の保持時間が5minを超 ると、再結晶粒の成長が顕著となり、平均 結晶粒径が15μmを超えてしまい、成形性及び 肌荒れ性が低下する。
連続焼鈍処理時の昇温速度及び冷却速度 、昇温速度については100℃/min以上とするこ とが好ましい。連続焼鈍処理時の昇温速度が 100℃/min未満の場合、微細な再結晶組織が得 れず、成形性及び肌荒れ性が低下する。
〔バッチ炉による最終焼鈍条件〕
バッチ炉による最終焼鈍の温度は300~400℃に
定する。300℃未満の場合、再結晶に必要な
ネルギーが不足するため、微細な再結晶組
を得ることができない。保持温度が400℃を
えると、再結晶の成長が顕著となり、再結
粒の平均粒径が15μmを超えてしまい、成形性
及び肌荒れ性が低下する。
バッチ炉による最終焼鈍の保持時間は特 限定はしないが、1~8時間が好ましい。1時間 未満では、コイルが均一に昇温されない可能 性がある。保持時間が8時間を超えると、再 晶粒の平均粒径が15μmを超えてしまい、成形 性及び肌荒れ性が低下する。
〔レベラーによる歪矯正〕
最終焼鈍後は、板が熱歪によって変形してい
るため、コイル又は板の状態でレベラーロー
ルでの繰り返し曲げ等の矯正加工が施され、
形状が矯正され平坦度が回復する。この歪矯
正によって、所定の引張り強さ、耐力を得る
ことが可能となり、成形性、肌荒れ性及び形
状凍結性に優れたアルミニウム合金板とする
ことができる。
以下、発明にかかる実施例について比較 と対比して説明する。表1に示す化学組成( 金A、B、C、D、E、F、I)の溶湯を脱ガス鎮静後 、双ベルト鋳造機により10mm厚さの薄スラブ 連続的に鋳造して直接コイルに巻き取った 同様に表1に示す化学組成(合金G)の溶湯を脱 ス鎮静後、DC鋳造法により、(幅)1000mm×(厚さ )500mm×(長さ)4000mmのスラブを鋳造して、両面 面削後、ソーキング炉にて450℃×8時間の均 化処理を施し、熱間圧延を行って、6mm厚さ 熱間圧延板としてコイルに巻き取った。同 に表1に示す化学組成(合金H)の溶湯を脱ガス 静後、双ロール鋳造機により6mm厚さの薄ス ブを連続的に鋳造して直接コイルに巻き取 た。
次にこれら薄スラブ、熱間圧延板を所定 表面粗さ(Ra0.6μm、1.0μm)に仕上げた冷間圧延 ロールで冷間圧延して厚さ1mmの板を形成し、 次いでこれらの板をCALに通して保持温度460℃ で連続焼鈍処理した。さらにこの最終焼鈍板 の熱歪を除去するため、レベラーに通して歪 矯正を行った後、切断して試験材を得た。な お、表2は、実施例、比較例について各製造 程における試験材の製造条件を示している
次に、この試験材の再結晶粒径、金属間 合物の円相当径の最大径、表面粗度、0.2%耐 力(0.2%YS)、引張り強度(UTS)、伸び(EL)、張出し さについて測定を行った。
試験材の再結晶粒径(D)は、クロスカット法
測定した。試験材を切り出して樹脂に埋め
み研磨して、ホウフッ酸水溶液中でアルマ
ト処理を行って試験材断面の表面に陽極酸
皮膜を施した。偏光顕微鏡を用いて試験材
面の結晶粒写真(200倍)を撮影し、縦横方向
3本ずつ線を引いて、その線とクロスする結
粒界の数(n)をカウントし、線の全長(L)を(n-1
)で割ることにより求めた粒径の平均値(D)を
験材の平均再結晶粒径とした。また、金属
化合物の円相当径の最大径は、画像解析装
(商品名:ルーゼックス)を用いて測定した。
D=L/(n-1)
試験材の表面粗度は、表面粗さ計を用い 、JISB0601に準じて測定し、測定方向は圧延 向に対して垂直方向とし、測定領域を4mm、 ットオフを0.8mmとしたときの平均粗さRaとし 。なお、ロール表面粗さは、試験材の表面 度と同様、表面粗さ計を用いて、JISB0601に じて測定し、測定方向はロール横方向とし 測定領域を4mm、カットオフを0.8mmとしたとき の平均粗さRaとした。
張出し高さは、以下の金型を用い、破断時
限界成形高さを示している。
(ポンチ:100mmφ、肩R:50mm、ダイ:105mmφ、肩R:4mm)
肌荒れ性は、引張試験後の試験片破断箇所
近の表面状態を目視で観察することにより
3段階評価(○:優れる、△:やや劣る、×:劣る
)した。
以上により測定した実施例、比較例の結 を表3に示す。
実施例1、2は、適度なMg含有量であり、Mn 有量も0.1%未満に抑えられているため、耐力 が145MPa以下であって形状凍結性に優れ、微細 な再結晶粒を有しており肌荒れ性に優れ、し かも微細な金属間化合物を有し、表面が適度 な表面粗さ0.35、0.41μmを示すことから張出し さが29mm以上であり成形性に優れている。
これに対し、比較例1は、Mg含有量3.75%と いため、0.2%耐力が高くなりすぎて形状凍結 が低下している。比較例2は、Mg含有量2.5%と 低いため、引張強さ、伸びがいずれも不足し ている。
比較例3は、適度なMg含有量であるが、Mn 有量0.2%と高いため、0.2%耐力が高くなりすぎ て形状凍結性が低下している。
比較例4は、Mg含有量4.0%、Mn含有量0.3%と共 に高いため、0.2%耐力が高くなりすぎて形状 結性が低下している。
比較例5は、DC鋳造法によるスラブ鋳造時 凝固冷却速度が低いため、金属間化合物の 大径が大きくなりすぎ、再結晶粒径も大き なりすぎて、引張り強さが低下し、肌荒れ 及び張出し性が低下している。
比較例6は、双ロール法による鋳造圧延板 の凝固冷却速度が高いため、最終焼鈍時に再 結晶粒の核となる金属間化合物の数、再結晶 粒の粒界の動きを妨げるいわゆるピン止め効 果を有する金属間化合物の数が不足するため 、再結晶粒径が大きくなりすぎて、引張り強 度、伸びが不足しており、肌荒れ性及び張出 し性が低下している。
比較例7は、冷間圧延ロールの表面粗さが Ra1.0μmであり、試験材の表面粗さがRa0.8μmで るため、張出し高さ28mmであり成形性が低下 ている。
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