HORI YOJI (JP)
ITOH HISANORI (JP)
HORI YOJI (JP)
WO2005014509A1 | 2005-02-17 | |||
WO2006069659A1 | 2006-07-06 | |||
WO2006092433A1 | 2006-09-08 | |||
WO2007039342A1 | 2007-04-12 |
JPH01230537A | 1989-09-14 | |||
US6258960B1 | 2001-07-10 | |||
JP2002212121A | 2002-07-31 | |||
DE102005023953A1 | 2006-11-23 | |||
US6090950A | 2000-07-18 |
KEIJI MARUOKA ET AL.: "Asymmetric Hetero-Diels-Alder Reaction Catalyzed by Chiral Organoaluminum Reagent", JOURNAL OF THE AMERICAN CHEMICAL SOCIETY, vol. 110, no. 1, 1988, pages 310 - 312, XP002138954
SAKANE, S. ET AL.: "Chiral leaving group: asymmetric synthesis of limonene and bisabolene", TETRAHEDRON, vol. 42, no. 8, 1986, pages 2193 - 2201, XP002912956
"Synthetic Flavor, Motoichi Indou", THE CHEMICAL DAILY CO., LTD., pages: 106 - 114
Tatsu Iwatani (JP)
下記一般式(1) Al(Lg) 3 (1) (式(1)中、Lgは、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表す。) で表されるアルミニウム化合物1当量と下記一般式(2) で表されるビアリールジオール化合物1.5当量以上とを、又は上記一般式(1)で表されるアルミニウム化合物1当量と上記一般式(2)で表されるビアリールジオール化合物1.1~1.3当量と下記一般式(3) で表されるビアリールジオール化合物0.4当量以上とを反応させて得られるアルミニウム錯体。 |
一般式(2)で表されるビアリールジオール化合物が軸不斉光学活性体である請求の範囲第1項に記載のアルミニウム錯体。 |
一般式(2)で表されるビアリールジオール化合物及び一般式(3)で表されるビアリールジオール化合物が共に軸不斉光学活性体である請求の範囲第2項に記載のアルミニウム錯体。 |
下記一般式(1’)で表される請求の範囲第1項~第3項のいずれかに記載のアルミニウム錯体。 [Al 2 (L 1 ) n (L 2 ) 3-n ] m (1’) (式(1’)中、nは2又は3の整数を表し、mは自然数を表す。L 1 は下記式(2’)で表される配位子及びL 2 は下記式(3’)で表される配位子を表す。) 式(3’)中、R 5 、R 6 、R 7 、R 8 、R 5’ 、R 6’ 、R 7’ 及びR 8’ はそれぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、飽和又は不飽和炭素鎖、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基、アミノ基、置換アミノ基、ニトロ基、アシル基、置換シリル基又はポリマー鎖を表す。また、R 5 とR 6 、R 6 とR 7 、R 7 とR 8 、R 8 とR 8’ 、R 8’ とR 7’ 、R 7’ とR 6’ 又はR 6’ とR 5’ とは結合して環を形成してもよい。) |
同一分子内にカルボニル-エン閉環反応を行い得るホルミル基と二重結合とを有する化合物の光学異性体混合物を、下記一般式(1) Al(Lg) 3 (1) (式(1)中、Lgは、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表す。) で表されるアルミニウム化合物1当量と下記一般式(2) で表されるビアリールジオール化合物の軸不斉光学活性体1.0当量以上とを、又は上記一般式(1)で表されるアルミニウム化合物1当量と上記一般式(2)で表される軸不斉光学活性体ビアリールジオール化合物1.0~1.3当量と下記一般式(3) で表されるビアリールジオール化合物0.4当量以上とを反応させて得られるアルミニウム錯体の存在下に閉環反応させ、閉環して生成する化合物の光学異性体の比率、又は閉環せずに残存する化合物の光学異性体の比率を豊富化させることを特徴とする光学活性化合物の製造方法。 |
同一分子内にカルボニル-エン閉環反応を行い得るホルミル基と二重結合とを有する化合物が下記一般式(4)で表される化合物である請求の範囲第5項に記載の製造方法。 |
閉環して生成する化合物が下記一般式(5)で表される化合物である請求の範囲第5項に記載の製造方法。 |
同一分子内にカルボニル-エン閉環反応を行い得るホルミル基と二重結合とを有する化合物がラセミシトロネラール又は光学活性シトロネラールであり、閉環して生成する化合物が光学活性イソプレゴールである請求の範囲第5項に記載の製造方法。 |
光学活性イソプレゴールがl-イソプレゴールである請求の範囲第8項に記載の製造方法。 |
光学活性シトロネラールがl-シトロネラールである請求の範囲第8項に記載の製造方法。 |
本発明は新規な不斉アルミニウム錯体を触
とし、同一分子内にカルボニル-エン閉環反
応を行い得るホルミル基と二重結合とを有す
る化合物の光学異性体混合物を閉環反応させ
、閉環して生成する化合物の光学異性体の比
率、又は閉環せずに残存する化合物の光学異
性体の比率を豊富化させることができる。
特に低エナンチオ過剰率を有するシトロネ
ールより、一方の立体異性体のみを優先的
反応させ、光学異性体比率の豊富化を伴い
トロネラールを光学分割することができる
又は、選択的な閉環反応により光学異性体
率の豊富化を伴ってイソプレゴールを得る
とができる。
従来から、メントール、特にl-メントール
、清涼感のある香料として非常に重要であ
、その用途は多岐にわたっている。メント
ルの合成法についてはdl-メントールを光学
割によって得る方法と、不斉合成法によっ
得る方法が知られている(非特許文献1)。不
合成法によるl-メントールの製造工程におい
ては、前駆体であるl-イソプレゴールを水素
してl-メントールが得られるが、このl-イソ
プレゴールを合成するためには、d-シトロネ
ールの選択的閉環反応が重要な工程である
d-シトロネラールの選択的閉環反応につい
は、臭化亜鉛等を用いる方法等が古くから
られている。近年、アルミニウム錯体を触
として用いた高選択的反応について報告さ
るようになり、例えば2,6-ジフェニルフェノ
ルから誘導される配位子を有するアルミニ
ム錯体を触媒として用いた高選択的閉環反
(特許文献1)が見出された。その後、フェノ
ル性水酸基を有する化合物から誘導される
位子を有したアルミニウム錯体を用いた閉
反応や(特許文献2、特許文献3、特許文献4)
シリルエーテル部位を有したアルミニウム
体を用いた閉環反応が報告されている(特許
献5)。しかし、光学活性なアルミニウム錯
を用いてラセミ体のシトロネラールより片
の立体のみを選択的に環化させる反応の報
は無い。また、軸不斉配位子であるビアリ
ルジオール骨格を有するアルミニウム錯体
多数報告例があるが、アルミニウム:ビアリ
ルジオールの比が2:3から成るアルミニウム
体として報告されているのは一価のカチオ
性ヒドリド錯体だけである(特許文献6)。
本発明の目的は、新規な不斉アルミニウ 錯体を触媒として用い、分子内でカルボニ -エン閉環反応を行い、生成する化合物若し くは残存する化合物の光学異性体比率を豊富 化させ、光学純度が高められた目的の光学活 性アルコール若しくは光学活性オレフィンア ルデヒドを得る方法、特にシトロネラールを 高選択的閉環反応によって光学分割し、l-イ プレゴール及びl-シトロネラール、又はd-イ ソプレゴール及びd-シトロネラールを得る方 に関する。
本発明者等は上記課題を解決するために 意検討を行った結果、光学活性ビアリール オールを配位子とするアルミニウム錯体を 媒として用いることにより、不斉配位子の 体に対応したシトロネラールを優先的に閉 させ、d及びlのエナンチオ選択率の向上を い、更にイソプレゴール、イソイソプレゴ ル、ネオイソプレゴール、ネオイソイソプ ゴールの4種の異性体の内、イソプレゴール 高選択的な異性体比で、高収率で得られる とを見いだし本発明を完成するに到った。 た、反応終了後に不斉配位子を系内より回 することで、再びアルミニウム触媒の配位 として再利用ができる。
すなわち本発明は以下の[1]~[10]の内容を包
する。
[1]下記一般式(1)
Al(Lg) 3
(1)
(式(1)中、Lgは、アルキル基、アルコキシ基又
はハロゲン原子を表す。)
で表されるアルミニウム化合物1当量と下記
般式(2)
で表されるビアリールジオール化合物1.5当量
以上とを、又は上記一般式(1)で表されるアル
ミニウム化合物1当量と上記一般式(2)で表さ
るビアリールジオール化合物1.1~1.3当量と下
一般式(3)
で表されるビアリールジオール化合物0.4当量
以上とを反応させて得られるアルミニウム錯
体。
[2]一般式(2)で表されるビアリールジオール化
合物が軸不斉光学活性体である前記[1]に記載
のアルミニウム錯体。
[3]一般式(2)で表されるビアリールジオール化
合物及び一般式(3)で表されるビアリールジオ
ール化合物が共に軸不斉光学活性体である前
記[2]に記載のアルミニウム錯体。
[4]下記一般式(1’)で表される前記[1]~[3]のい
れかに記載のアルミニウム錯体。
[Al 2
(L 1
) n
(L 2
) 3-n
] m
(1’)
(式(1’)中、nは2又は3の整数を表し、mは自然
を表す。L 1
は下記式(2’)で表される配位子及びL 2
は下記式(3’)で表される配位子を表す。)
式(3’)中、R 5
、R 6
、R 7
、R 8
、R 5’
、R 6’
、R 7’
及びR 8’
はそれぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ
ル基、ハロゲン原子、飽和又は不飽和炭素鎖
、置換基を有していてもよいアリール基、置
換基を有していてもよい複素環基、アルコキ
シ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ
基、保護基で保護されていてもよいカルボキ
シル基、アミノ基、置換アミノ基、ニトロ基
、アシル基、置換シリル基又はポリマー鎖を
表す。また、R 5
とR 6
、R 6
とR 7
、R 7
とR 8
、R 8
とR 8’
、R 8’
とR 7’
、R 7’
とR 6’
又はR 6’
とR 5’
とは結合して環を形成してもよい。)
[5]同一分子内にカルボニル-エン閉環反応を
い得るホルミル基と二重結合とを有する化
物の光学異性体混合物を、下記一般式(1)
Al(Lg) 3
(1)
(式(1)中、Lgは、アルキル基、アルコキシ基又
はハロゲン原子を表す。)
で表されるアルミニウム化合物1当量と下記
般式(2)
で表される軸不斉光学活性体ビアリールジオ
ール化合物1.0当量以上とを、又は上記一般式
(1)で表されるアルミニウム化合物1当量と上
一般式(2)で表される軸不斉光学活性体ビア
ールジオール化合物1.0~1.3当量と下記一般式(
3)
で表されるビアリールジオール化合物0.4当量
以上とを反応させて得られるアルミニウム錯
体の存在下に閉環反応させ、閉環して生成す
る化合物の光学異性体の比率、又は閉環せず
に残存する化合物の光学異性体の比率を豊富
化させることを特徴とする光学活性化合物の
製造方法。
[6]同一分子内にカルボニル-エン閉環反応を
い得るホルミル基と二重結合とを有する化
物が下記一般式(4)で表される化合物である
記[5]に記載の製造方法。
[7]閉環して生成する化合物が下記一般式(5)で
表される化合物である前記[5]に記載の製造方
法。
[8]同一分子内にカルボニル-エン閉環反応を
い得るホルミル基と二重結合とを有する化
物がラセミシトロネラール又は光学活性シ
ロネラールであり、閉環して生成する化合
が光学活性イソプレゴールである前記[5]に
載の製造方法。
[9]光学活性イソプレゴールがl-イソプレゴー
である前記[8]に記載の製造方法。
[10]光学活性シトロネラールがl-シトロネラー
ルである前記[8]に記載の製造方法。
本発明によれば、同一分子内にカルボニ -エン閉環反応を行い得るホルミル基と二重 結合とを有する化合物の光学異性体混合物を 閉環反応させた場合に、閉環して生成する化 合物のみならず、閉環せずに残存する化合物 の光学異性体の比率を豊富化させることがで き、光学純度が高められた目的の光学活性ア ルコール若しくは光学活性オレフィンアルデ ヒドを得ることができる。
以下、本発明のアルミニウム錯体について
に詳細に説明する。
本発明におけるアルミニウム錯体の調製に
いる一般式(1)で表されるアルミニウム化合
(1)において、Lgは、アルキル基、アルコキ
基又はハロゲン原子を示す。
Lgにおけるアルキル基としては、直鎖又は
岐の炭素数1~8、好ましくは炭素数1~4のアル
ル基が挙げられ、具体的にはメチル基、エ
ル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチ
ル基、sec-ブチル基、イソブトキシ基、tert-ブ
チル基等の炭素数1~4の直鎖又は分岐のアルキ
ル基が好ましい。
Lgにおけるアルコキシ基としては、直鎖又
分岐の炭素数1~8、好ましくは炭素数1~4のア
コキシ基が挙げられ、具体的にはメトキシ
、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポ
シ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、イソ
トキシ基、tert-ブトキシ基等の炭素数1~4の直
鎖又は分岐のアルコキシ基が好ましい。
Lgにおけるハロゲン原子としては、フッ素
子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子が
げられる。
一般式(2)及び(3)で表されるビアリールジオ ル化合物及びそれから誘導される一般式(2 )及び(3’)で表される配位子において、R 1 、R 2 、R 3 、R 1’ 、R 2’ 、R 3’ 、R 5 、R 6 、R 7 、R 8 ,R 5’ 、R 6’ 、R 7’ 及びR 8’ はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原 子、ヒドロキシル基、飽和又は不飽和炭素鎖 、置換基を有していてもよいアリール基、置 換基を有していてもよい複素環基、アルコキ シ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ 基、保護基で保護されていてもよいカルボキ シル基、アミノ基、置換アミノ基、ニトロ基 、アシル基、置換シリル基又はポリマー鎖を 表す。R 4 及びR 4’ はそれぞれ独立して、ヒドロキシル基、ハロ ゲン原子、飽和又は不飽和炭素鎖、置換基を 有していてもよいアリール基、置換基を有し ていてもよい複素環基、アルコキシ基、アリ ールオキシ基、アラルキルオキシ基、保護基 で保護されていてもよいカルボキシル基、ア ミノ基、置換アミノ基、アシル基、置換シリ ル基又はニトロ基を表す。また、R 1 とR 2 、R 2 とR 3 、R 3 とR 4 、R 4 とR 4’ 、R 4’ とR 3’ 、R 3’ とR 2’ 又はR 2’ とR 1’ とは結合して環を形成してもよい。また、R 5 とR 6 、R 6 とR 7 、R 7 とR 8 、R 8 とR 8’ 、R 8’ とR 7’ 、R 7’ とR 6’ 又はR 6’ とR 5’ とは結合して環を形成してもよい。
一般式(2)及び(3)で表されるビアリールジオ
ル化合物において、R 1
、R 2
、R 3
、R 4
、R 1’
、R 2’
、R 3’
、R 4’
、R 5
、R 6
、R 7
、R 8
,R 5’
、R 6’
、R 7’
及びR 8’
で表される基について説明する。
飽和又は不飽和炭素鎖としては、例えばメ
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピ
基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル
、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基
の直鎖又は分岐の炭素数1~6のアルキル基;シ
ロペンチル基、シクロヘキシル基、メチル
クロヘキシル基、シクロヘプチル基等の環
のアルキル基;エチニル基、ビニル基、スチ
リル基、アリル基等のアルケニル基及びアル
キニル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素
子、臭素原子又はヨウ素原子が挙げられる
置換基を有していてもよいアリール基とし
は、フェニル基、ナフチル基等が挙げられ
アリール基に置換する置換基としては、炭
数1~4の直鎖又は分岐のアルキル基、炭素数1
~4の直鎖又は分岐のアルコキシ基等が挙げら
る。
置換基を有していてもよい複素環基とし は、例えば、ピペリジノ基、ピペラジニル 、モルホリノ基、テトラヒドロフリル基、 トラヒドロピラニル基、テトラヒドロチエ ル基等の脂肪族複素環基;フリル基、チエニ ル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジル 基、ピリダジル基、ピラゾリル基、イミダゾ リル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ベ ンゾフリル基、ベンゾチエニル基、キノリル 基、イソキノリル基、キノキサリル基、フタ ラジル基、キナゾリル基、ナフチリジル基、 シンノリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベン ゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基等の 芳香族複素環基が挙げられる。
アルコキシ基としては、例えば、メトキシ
、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポ
シ基、n-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、ペン
チルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチル
オキシ基、オクチルオキシ基等が挙げられる
。
アリールオキシ基としては、例えば、フェ
キシ基、ナフトキシ基等が挙げられ、アラ
キルオキシ基としては、ベンジルオキシ基
1-フェネチル基等が挙げられる。
保護基で保護されていてもよいカルボキシ
基としては、例えば、カルボキシル基;メト
キシカルボニル基等の炭素数2~5のアルコキシ
カルボニル基等が挙げられる。
置換アミノ基としては、例えばN-メチル ミノ基、N,N-ジメチルアミノ基、N,N-ジエチル アミノ基、N,N-ジイソプロピルアミノ基、N-シ クロヘキシルアミノ基等のモノ又はジアルキ ルアミノ基;N-フェニルアミノ基、N,N-ジフェ ルアミノ基、N,N-ジトリルアミノ基、N-ナフ ルアミノ基、N-ナフチル-N-フェニルアミノ基 等のモノ又はジアリールアミノ基;N-ベンジル アミノ基、N,N-ジベンジルアミノ基等のモノ はジアラルキルアミノ基;アセチルアミノ基 ベンゾイルアミノ基、tert-ブトキシカルボ ルアミノ基等のアシルアミノ基等が挙げら る。
アシル基としては、脂肪族又は芳香族のア
ル基が挙げられ、例えばアセチル基、プロ
オニル基、ブチリル基、バレリル基、ピバ
イル基、ベンゾイル基、o-,m-,p-トルオイル
、p-ニトロベンゾイル基、トリフルオロアセ
チル基等が挙げられる。
置換シリル基としては、トリメチルシリル
、トリフェニルシリル基、トリ(p-トリル)シ
リル基、ジメチルフェニルシリル基等が挙げ
られる。
ポリマー鎖としては、6,6-ナイロン鎖、ビニ
ルポリマー鎖、スチレンポリマー鎖等のポリ
マー鎖が挙げられる。
本発明のアルミニウム錯体の調製法とし は、式(1’)においてn=3の場合は、例えば炭 水素(ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トル エン、キシレン等)、エーテル(ジエチルエー ル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒド フラン等)又はハロゲン化炭化水素(ジクロ メタン、ジクロロエタン、クロロベンゼン ブロモトルエン等)等の不活性有機溶媒中で 一般式(1)のアルミニウム化合物と一般式(2) 表されるビアリールジオール化合物を1.5~5 モル、より好ましくは1.5~2倍モルを、-30~60℃ の温度範囲で、好ましくは-10~40℃で、より好 ましくは0~30℃で、0.25~30時間、好ましくは0.5~ 2時間反応させることにより容易に合成でき 。アルミニウム化合物(1)及び一般式(2)で表 れるビアリールジオール化合物は不活性有 溶媒で希釈された溶液を用いてもよく、一 の溶液を他方の溶液に一度に添加してもゆ くり滴下してもよい。
n=2の場合は、n=3の場合と同様の不活性有 溶媒中で、式(1)のアルミニウム化合物と1.1~ 1.3倍モルの式(2)のビアリールジオール化合物 とを、温度範囲-30~60℃で、好ましくは-10~40℃ で、より好ましくは0~30℃で0.25~30時間、好ま くは0.5~2時間反応させる。更に0.4当量以上 式(3)のビアリールジオール化合物を、温度 囲-30~60℃で、好ましくは-10~40℃で、より好 しくは0~30℃で、先に反応させた式(1)のアル ニウム化合物と式(2)のジオール化合物との 合溶液中に加え、0.25~30時間、好ましくは0.5 ~2時間反応させることにより容易に合成でき 。式(3)のビアリールジオール化合物は、直 溶液に添加を行っても、溶媒にて希釈し添 を行っても良く、溶液に直接添加しても、 っくり滴下してもよい。また、式(1)のアル ニウム化合物と式(2)のビアリールジオール 合物の反応溶液に式(3)のビアリールジオー 化合物を添加しても、該反応溶液を式(3)の アリールジオール化合物に添加しても良い 式(2)のビアリールジオール化合物と式(3)の アリールジオール化合物は必ずアルミニウ 化合物(1)に別々に反応させるのが好ましい 同時に添加することを避けるのが好ましい
本発明の式(2)及び式(3)で表されるビアリ ルジオール化合物の好ましい具体例として 、以下の化合物が挙げられるが、これらに 定されるものではない。
続いて、本発明の選択的閉環反応に用いら
る一般式(4)及び(5)で表される化合物につい
説明する。
一般式(4)及び(5)で表される化合物において
R 9
、R 10
、R 11
、R 12
、R 13
、R 14
及びR 15
で表される置換基を有していてもよいアルキ
ル基としては、直鎖又は分岐の炭素数1~8、好
ましくは炭素数1~4のアルキル基が挙げられ、
具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基
、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基
、イソブトキシ基、tert-ブチル基等の炭素数1
~4のアルキル基が好ましい。
これらアルキル基に置換する置換基として
、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1~6の
ルコキシ基;フェニル基、ナフチル基、トリ
ル基等のアリール基等が挙げられる。
また、R 11
で表される保護基で保護されていてもよい水
酸基の保護基としては、アセチル基、ベンゾ
イル基、メトキシカルボニル基等のアシル基
;ベンジル基等のアラルキル基;トリメチルシ
ル基、t-ブチルジメチルシリル基等の置換
リル基等が挙げられる。
続いて本発明の製造方法である光学異性 比を豊富化させる選択的閉環反応について ビアリールジオール化合物として1,1’-ビ-2- ナフトール(BINOL)を用いたアルミニウム錯体 用い、シトロネラールの閉環反応によるイ プレゴールの製造を例に挙げて説明すると 下の通りである。
ただし、以下に示す例は本発明をわかりや
く説明するものであり、本発明はこの基質
び生成物に限定されるものではない。
すなわち、低程度から中程度の光学純度 有するシトロネラールを本発明のアルミニ ム-光学活性ビナフトール錯体を触媒として エナンチオ選択的に閉環反応を行うことによ り、基質のシトロネラールの光学純度より高 い光学純度を有したイソプレゴール及びシト ロネラールが生成する。
本発明の閉環反応に使用されるアルミニ ム錯体の量は、特に限定されないが、シト ネラールに対して、アルミニウム1モル原子 量換算で、通常0.05~10モル%、好ましくは0.5~5 ル%、更に好ましくは0.7~2モル%である。
本発明の閉環反応に使用されるアルミニウ
錯体の調製方法は、例えば以下の通りであ
。
(a)予め、反応系中において式(1)のアルミニウ
ム化合物1当量と式(2)で表されるビアリール
オール化合物の軸不斉光学活性体1.0当量以
とを混合、又は式(2)のビアリールジオール
合物の軸不斉光学活性体1.0~1.3当量を反応さ
た後に、式(3)で表されるビアリールジオー
化合物の軸不斉光学活性体又はラセミ体0.4~
1.0当量とを混合して錯体を調製した後、シト
ロネラールを加える方法(in situ法)。
(b)予め、上記のように調製された錯体を閉環
反応時にシトロネラールとそれぞれ単独に加
える方法。
これら(a)及び(b)の何れかの方法によっても通
常は同等の結果が得られる。
閉環反応の温度は、特に限定されないが 通常-30~50℃であり、好ましくは-10~30℃であ 、0~20℃が更に好ましく、前記の温度を保ち ながら通常0.25~30時間、好ましくは0.5~20時間 応させることによって、イソプレゴールを 滑に製造することができる。
本発明における反応は、無溶媒条件下又 不活性溶媒存在下で行うことができる。使 される溶媒としては、本反応を著しく阻害 ない溶媒であればよく、特に限定するもの はないが、ヘキサン、ヘプタン、オクタン の脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、メチル シクロヘキサン等の脂環式炭化水素;ベンゼ 、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素; クロロメタン、ジクロロエタン、クロロベ ゼン、ブロモトルエン等のハロゲン化炭化 素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエー テル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラ ン、ジオキサン、ジオキソラン等のエーテル 等が挙げられる。これらのうちより好ましく は、トルエン、ヘプタン等の脂肪族又は芳香 族炭化水素である。
これら溶媒の使用量は、シトロネラール 対して通常0~20倍量、好ましくは0.5~7倍量の 囲である。閉環反応は、窒素ガス又はアル ンガス等の不活性ガス雰囲気下で行うこと 閉環反応の円滑な進行のために好ましい。
反応終了後は、蒸留、晶析、各種クロマ グラフィー等通常の後処理を単独又は組み わせることにより反応生成体を精製するこ ができる。また、例えばイソプレゴールの 製においては、深冷分離を行う事なく、単 蒸留による処理を行うことによって高純度 イソプレゴールを得ることができる。更に 蒸留処理後の残留物を酸又はアルカリにて 常の処理を行い、アルミニウムを含む不純 等を除去し、晶析を行うことで配位子の再 用が可能である。
以下、本発明を比較例および実施例を用い
詳細に説明するが、本発明はこれらにより
ら限定されるものではない。
生成物の測定は、ガスクロマトグラフィー(
GC)により行った。条件は以下に述べる通りで
ある。
使用分析機器:G5000(Hitachi)
カラム: 転化率測定 BC-WAX(0.25mm x 30 m)(GL Sc
ience)、
光学純度 β-DEX225(0.25mm x 30m)(SPELCO)、
β-DEX325(0.25mm x 30m)(SPELCO)
検出器:FID
なお、実施例において使用した各シトロネラ
ールの光学純度は以下の通り。
d-シトロネラール:97.8%e.e.
l-シトロネラール:96.6%e.e.
ラセミ体シトロネラール:0.74%e.e.
(実施例1)アルミニウム錯体の調製及びl-イソ
レゴールの合成
窒素雰囲気、200ml反応フラスコに(R)-1,1’-ビ
-2-ナフトール1.31g(4.59mmol)を入れ、窒素置換し
た後、塩化メチレン46ml、トリエチルアルミ
ウム・ヘキサン溶液(1.0mol/L)3ml(3mmol)を順次加
え、室温にて1時間撹拌した後、溶媒を留去
て無色~薄オレンジ色の固体1.40gを得た。こ
固体を、塩化メチレン/ヘキサンを用いて再
殿させ、得られた生成物の 1
H-NMRは以下の通りである。
1
H-NMR(DMSO-d 6
):6.86-7.26(m,24H),7.68-7.93(m,12H)
また、NMRチャートを〔図1〕に、低磁場側を
拡大したものを〔図2〕に示す。
上記で得られた固体270mgを0~5℃に冷却したd-
シトロネラール1.54g(10mmol)に添加し、0~5℃で1
間撹拌した。反応終了後、水2mlとトルエン2
mlを加えて、有機層をGCで分析した結果、基
転化率81.1%、l-イソプレゴール選択率は94.0%
、l-イソプレゴールとその他の異性体の比率
は96.1:3.9であった。
(実施例2)l-イソプレゴールの合成
50mlシュレンク管に(R)-1,1’-ビ-2-ナフトール2
29mg(0.8mmol)を入れ、窒素置換した後、トルエ
4.6ml、トリエチルアルミニウム・トルエン溶
液(1.0mol/L)0.5ml(0.5mmol)を順次加え、室温にて1
間撹拌して触媒溶液を得た。得られた触媒
液を0~5℃に冷却した後、d-シトロネラール1.5
4g(10mmol)を滴下し、0~5℃で1時間撹拌した。反
終了後、水2mlを加えて、有機層をGCで分析
た結果、基質転化率98.5%、l-イソプレゴール
択率は93.8%で、l-イソプレゴールとその他の
異性体の比率は98.3:1.7であった。
(実施例3)l-イソプレゴールの合成
実施例2における(R)-1,1’-ビ-2-ナフトールの
わりに(S)-2,2’-ジヒドロキシ-1,1’-ビナフチ
ル229mgを用いて、実施例2と同様の実験を行っ
た結果、基質転化率37.4%、l-イソプレゴール
択率は100%で、l-イソプレゴールとその他の
性体の比率は73.6:26.4であった。
(実施例4)l-イソプレゴールの合成
50mlシュレンク管に(R)-1,1’-ビ-2-ナフトール2
2.9mg(0.08mmol)を入れ、窒素置換した後、トルエ
ン4.6ml、トリエチルアルミニウム・トルエン
液(1.0mol/L)0.05ml(0.05mmol)を順次加え、室温に
1時間撹拌し触媒溶液を得た。触媒溶液を0~5
に冷却した後、d-シトロネラール1.54g(10mmol)
滴下し、0~5℃で20時間撹拌した。反応終了
、水2mlを加えて、有機層をGCで分析した結果
、基質転化率94.9%、l-イソプレゴール選択率
92.5%で、l-イソプレゴールとその他の異性体
比率は97.0:3.0であった。
(実施例5)l-イソプレゴールの合成
50mlシュレンク管に(R)-1,1’-ビ-2-ナフトール2
29mg(0.8mmol)を入れ、窒素置換した後、塩化メ
レン4.6ml、トリエチルアルミニウム・トルエ
ン溶液(1.0mol/L)0.5ml(0.5mmol)を順次加え、室温に
て1時間撹拌し触媒溶液を得た。得られた触
溶液を減圧濃縮して固化させ、白色~薄黄色
固体を得た。得られた固体を窒素雰囲気下
て速やかに0~5℃に冷却したd-シトロネラー
1.54g(10mmol)とトルエン4.6mlの混合溶液に加え
0~5℃で1時間撹拌した。反応終了後、水2mlを
えて、有機層をGCで分析した結果、基質転
率94.4%、l-イソプレゴール選択率は93.0%で、l-
イソプレゴールとその他の異性体の比率は96.
9:3.1であった。
(実施例6)d-イソプレゴールの合成
50mlシュレンク管に(S)-1,1’-ビ-2-ナフトール2
29mg(0.8mmol)を入れ、窒素置換した後、トルエ
4.6ml、トリエチルアルミニウム・トルエン溶
液(1.0mol/L)0.5ml(0.5mmol)を順次加え、室温にて1
間撹拌し触媒溶液を得た。触媒溶液を0~5℃
冷却した後、l-シトロネラール1.54g(10mmol)を
下し、0~5℃で1時間撹拌した。反応終了後、
2mlを加えて、有機層をGCで分析した結果、
質転化率94.8%、d-イソプレゴール選択率は95.7
%で、d-イソプレゴールとその他の異性体の比
率は97.2:2.8であった。
(実施例7)d-イソプレゴールの合成
実施例6における(S)-1,1’-ビ-2-ナフトールの
わりに(R)-2,2’-ジヒドロキシ-1,1’-ビナフチ
ル229mgを用いて、実施例6と同様の実験を行っ
た結果、基質転化率51.2%、d-イソプレゴール
択率は84.9%で、d-イソプレゴールとその他の
性体の比率は62.9:37.1であった。
(実施例8)ラセミシトロネラールからl-イソプ
ゴールの合成
50mlシュレンク管に(R)-1,1’-ビ-2-ナフトール2
58mg(0.9mmol)を入れ、窒素置換した後、塩化メ
レン5.8ml、トルエン5.8ml、トリエチルアルミ
ウム・トルエン溶液(1.0mol/L)0.5ml(0.5mmol)を順
加え、室温にて1時間撹拌し触媒溶液を得た
。触媒溶液を0~5℃に冷却した後、ラセミ体シ
トロネラール3.86g(25mmol)を滴下し、0~5℃で1時
撹拌した。反応終了後、水2mlを加えて、有
層をGCで分析した結果、基質転化率48.9%、イ
ソプレゴール選択率は95.6%で、l-シトロネラ
ルのエナンチオ選択率は53.6%e.e.、l -n-イソ
レゴールのエナンチオ選択率は67.7%e.e.であ
た。
(実施例9)l-イソプレゴールの合成
300ml反応フラスコに(R)-1,1’-ビ-2-ナフトール
2.29g(8.0mmol)を入れ、窒素置換した後、トルエ
116ml、トリエチルアルミニウム・トルエン
液(1.0mol/L)5ml(5.0mmol)を順次加え、室温にて1時
間撹拌し触媒溶液を得た。触媒溶液を0~5℃に
冷却した後、d-シトロネラール38.6g(250mmol)を
っくりと滴下し、0~5℃で9時間撹拌した。反
終了後、トルエンを減圧濃縮し、そのまま1
10℃~115℃、2.93kPa~3.33kPa(22~25mmHg)にて蒸留操作
行い、収率80.3%で目的のl-イソプレゴール31.
0gを得た。GCで分析した結果、純度99.0%、l-イ
プレゴールとその他の異性体の比率は98.7:1.
3であった。
また、蒸留後の残留物をトルエンで希釈し
硫酸水にて洗浄後濃縮し、トルエン/ヘプタ
ン溶液で晶析を行い、回収(R)-1,1’-ビ-2-ナフ
ール1.65gを得た。回収BINOLを用いて実施例1
同じ反応を行った結果、基質転化率95.1%、l-
ソプレゴール選択率は99.2%で、l-イソプレゴ
ールとその他の異性体の比率は97.5:2.5であっ
。
(実施例10)d体過剰シトロネラールからl-イソ
レゴールの合成
50mlシュレンク管に(R)-1,1’-ビ-2-ナフトール2
58mg(0.9mmol)を入れ、窒素置換した後、塩化メ
レン5.8ml、トルエン5.8ml、トリエチルアルミ
ウム・トルエン溶液(1.0mol/L)0.5ml(0.5mmol)を順
加え、室温にて1時間撹拌し触媒溶液を得た
。触媒溶液を0~5℃に冷却した後、60%eeシトロ
ラール(d体過剰)3.86g(25mmol)を滴下し、0~5℃で
3時間撹拌した。反応終了後、水2mlを加えて
有機層をGCで分析した結果、基質転化率71.1%
イソプレゴール選択率は99.6%で、l-シトロネ
ラールのエナンチオ選択率は8.90%e.e.、l -n-イ
ソプレゴールのエナンチオ選択率は91.0%e.e.で
あった。
(実施例11)d体過剰シトロネラールからl-イソ
レゴールの合成
50mlシュレンク管に(R)-1,1’-ビ-2-ナフトール2
58mg(0.9mmol)を入れ、窒素置換した後、塩化メ
レン5.8ml、トルエン5.8ml、トリエチルアルミ
ウム・トルエン溶液(1.0mol/L)0.5ml(0.5mmol)を順
加え、室温にて1時間撹拌し触媒溶液を得た
。触媒溶液を0~5℃に冷却した後、20%eeシトロ
ラール(d体過剰)3.86g(25mmol)を滴下し、0~5℃で
2時間撹拌した。反応終了後、水2mlを加えて
有機層をGCで分析した結果、基質転化率61.7%
イソプレゴール選択率は99.5%で、l-シトロネ
ラールのエナンチオ選択率は60.8%e.e.、l -n-イ
ソプレゴールのエナンチオ選択率は76.4%e.e.で
あった。
(実施例12)d体過剰シトロネラールの光学純度
上
50mlシュレンク管に(S)-1,1’-ビ-2-ナフトール2
58mg(0.9mmol)を入れ、窒素置換した後、塩化メ
レン5.8ml、トルエン5.8ml、トリエチルアルミ
ウム・トルエン溶液(1.0mol/L)0.5ml(0.5mmol)を順
加え、室温にて1時間撹拌し触媒溶液を得た
。触媒溶液を0~5℃に冷却した後、60%eeシトロ
ラール(d体過剰)3.86g(25mmol)を滴下し、0~5℃で
3時間撹拌した。反応終了後、水2mlを加えて
有機層をGCで分析した結果、基質転化率29.4%
イソプレゴール選択率は98.9%で、d-シトロネ
ラールのエナンチオ選択率は84.3%e.e.、d -n-イ
ソプレゴールのエナンチオ選択率は23.7%e.e.で
あった。
(実施例13~20)アルミニウム触媒によるl-イソプ
レゴールの合成
種々のビアリールジオールを用いた結果を
下に示す。反応条件は50mlシュレンク管に所
定当量の一般式(2)のビアリールジオール化合
物(L 1
H 2
)を入れ、窒素置換した後、溶媒4.6ml、トリエ
チルアルミニウム(0.5mmol)を順次加え、室温に
て1時間撹拌するか、又は一般式(3)のビアリ
ルジオール化合物(L 2
H 2
)を所定当量加えて室温にて1時間撹拌し触媒
液を得た。触媒溶液を0~5℃に冷却した後、
トロネラール1.54g(10mmol)を滴下し、0~5℃で1
間撹拌した。反応終了後、水2mlを加えて、
機層をGCで分析した。
表中、conv.はシトロネラールの転化率を、se
l.はイソプレゴールへの選択率を、n-sel.はn-
ソプレゴールの選択率をそれぞれ表す。(R)-B
INOL、(R)-H8-BINOL、BIPOL、(R)-DiBr-H8-BINOLはそれぞ
以下の化合物を表す。
(実施例21)ラセミシトロネラールからl-イソプ
レゴールの合成
50mlシュレンク管に(R)-1,1’-ビ-2-ナフトール1
29mg(0.45mmol)を入れ、窒素置換した後、塩化メ
レン2ml、トルエン2ml、トリメチルアルミニ
ム・ヘキサン溶液(1.4mol/L)0.18ml(0.25mmol)を順
加え、室温にて7時間撹拌し触媒溶液を得た
触媒溶液を0~5℃に冷却した後、ラセミ体シ
ロネラール1.93g(12.5mmol)を滴下し、0~5℃で1時
間撹拌した。反応終了後、水2mlを加えて、有
機層をGCで分析した結果、基質転化率46.5%、
ソプレゴール選択率は87.6%で、l-シトロネラ
ルのエナンチオ選択率は43.8%e.e.、l -n-イソ
レゴールのエナンチオ選択率は76.0%e.e.であ
た。
(実施例22)ラセミシトロネラールからl-イソプ
レゴールの合成
50mlシュレンク管に(R)-3,3’-ジブロモ-1,1’-
-2-ナフトール178mg(0.4mmol)を入れ、窒素置換し
た後、塩化メチレン9ml、トリエチルアルミニ
ウム・トルエン溶液(1.0mol/L)0.4ml(0.4mmol)を順次
加え、室温にて1時間撹拌し触媒溶液を得た
触媒溶液を0~5℃に冷却した後、ラセミ体シ
ロネラール3.09g(20mmol)を滴下し、0~5℃で5時間
撹拌した。反応終了後、水2mlを加えて、有機
層をGCで分析した結果、基質転化率50.5%、イ
プレゴール選択率は61.6%で、l-シトロネラー
のエナンチオ選択率は15.6%e.e.、l -n-イソプ
ゴールのエナンチオ選択率は26.3%e.e.であっ
。
(R)-3,3’-ジブロモ-1,1’-ビ-2-ナフトールを285mg
(0.64mmol)用いた場合、9時間撹拌後の基質転化
は42.8%、イソプレゴール選択率は92.7%で、l-
トロネラールのエナンチオ選択率は23.3%e.e.
l -n-イソプレゴールのエナンチオ選択率は4
2.6%e.e.であった。
(実施例23)ラセミシトロネラールからd-イソプ
レゴールの合成
50mlシュレンク管に(R)-3,3’-ビス(トリフェニ
ルシリル)-1,1’-ビ-2-ナフトール214mg(0.3mmol)を
れ、窒素置換した後、トルエン7ml、トリエ
ルアルミニウム・トルエン溶液(1.0mol/L)0.3ml(
0.3mmol)を順次加え、室温にて1時間撹拌し触媒
溶液を得た。触媒溶液を0~5℃に冷却した後、
ラセミ体シトロネラール2.31g(15mmol)を滴下し
0~5℃で1時間撹拌した。反応終了後、水2mlを
えて、有機層をGCで分析した結果、基質転
率55.3%、イソプレゴール選択率は71.9%で、d-
トロネラールのエナンチオ選択率は7.20%e.e.
d -n-イソプレゴールのエナンチオ選択率は14
.6%e.e.であった。
(R)-3,3’-ビス(トリフェニルシリル)-1,1’-ビ-2-
ナフトールを386mg(0.48mmol)用いた場合、1時間
拌後の基質転化率は55.0%、イソプレゴール選
択率は70.3%で、d-シトロネラールのエナンチ
選択率は6.43%e.e.、d -n-イソプレゴールのエ
ンチオ選択率は17.0%e.e.であった。
(比較例1~4)アルミニウム化合物として水素化
チウムアルミニウムを用いたシトロネラー
の閉環反応によるイソプレゴールの製造
50mlシュレンク管に(R)-1,1’-ビ-2-ナフトール2
29mg(0.8mmol、1.6eq)又は300mg(1.05mmol、2.1eq)を入れ
窒素置換した後、溶媒4.6ml、水素化リチウ
アルミニウム19mg(0.5mmol)を順次加え、室温に
1時間撹拌して触媒溶液を得た。得られた触
媒溶液を0~5℃に冷却した後、d-シトロネラー
1.54g(10mmol)を滴下し、0~5℃で1時間撹拌した
反応終了後、水2mlを加えて、有機層をGCで分
析した結果を以下に示す。表中、conv.はd-シ
ロネラールの転化率を、sel.はl-イソプレゴ
ルへの選択率をそれぞれ表す。
(比較例5)配位子を同時添加したl-イソプレゴ
ルの合成
50mlシュレンク管に(R)-1,1’-ビ-2-ナフトール1
43mg(0.5mmol)及び2,2’-ビフェノール55.9mg(0.3mmol)
入れ、窒素置換した後、塩化メチレン4.6ml
トリエチルアルミニウム・トルエン溶液(1.0m
ol/L)0.5ml(0.5mmol)を順次加え、室温にて2時間撹
し触媒溶液を得た。触媒溶液を0~5℃に冷却
た後、d-シトロネラール1.54g(10mmol)を滴下し
0~5℃で1時間撹拌した。反応終了後、水2mlを
加えて、有機層をGCで分析した結果、基質転
率42.3%、l-イソプレゴール選択率は96.2%で、l
-イソプレゴールとその他の異性体の比率は87
.2:12.8であった。
(比較例6)ラセミ体の1,1’-ビ-2-ナフトールを
ルミニウム触媒に用いたl-イソプレゴールの
合成
50mlシュレンク管に1,1’-ビ-2-ナフトール229mg
(0.8mmol)を入れ、窒素置換した後、トルエン4.6
ml、トリエチルアルミニウム・トルエン溶液(
1.0mol/L)0.5ml(0.5mmol)を順次加え、室温にて1時間
撹拌し触媒溶液を得た。触媒溶液を0~5℃に冷
却した後、d-シトロネラール1.54g(10mmol)を滴下
し、0~5℃で1時間撹拌した。反応終了後、水2m
lを加えて、有機層をGCで分析した結果、基質
転化率22.7%、l-イソプレゴール選択率は62.8%で
、l-イソプレゴールとその他の異性体の比率
70.2:29.8であった。