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Title:
APOPTOSIS INHIBITOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/120551
Kind Code:
A1
Abstract:
An apoptosis inhibitor and a DNA damage inhibitor containing a sweet pea extract.

Inventors:
ISHIWATARI SHIOJI (JP)
OHARA YUKO (JP)
KOYAMA YUKIKO (JP)
OKABE BUNICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/054617
Publication Date:
October 09, 2008
Filing Date:
March 13, 2008
Export Citation:
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Assignee:
FANCL CORP (JP)
ISHIWATARI SHIOJI (JP)
OHARA YUKO (JP)
KOYAMA YUKIKO (JP)
OKABE BUNICHI (JP)
International Classes:
A61K36/48; A61K8/97; A61P17/16; A61P43/00; A61Q19/00
Foreign References:
JP2004359603A2004-12-24
JPH09315992A1997-12-09
Other References:
"Chemical and biological evaluation of sweet pea Lathyrus odoratus flowers", BULLETIN OF THE NATIONAL RESEARCH CENTRE, vol. 28, no. 5, 2003, pages 577 - 590
Attorney, Agent or Firm:
KODAMA, Yoshihiro et al. (17-2 Sotokanda 2-chom, Chiyoda-ku Tokyo 21, JP)
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Claims:
 スイートピー抽出物を含有するアポトーシス抑制剤。
 スイートピー抽出物を含有するDNA損傷抑制剤。
 スイートピー抽出物を含有する紫外線障害抑制剤
 スイートピー抽出物を含有するDNA損傷修復促進剤。
 スイートピー抽出物を含有する突然変異抑制剤。
 スイートピーの花から抽出した抽出物を含有するアポトーシス抑制剤。
 スイートピーの花から抽出した抽出物を含有するDNA損傷抑制剤。
 スイートピーの花から抽出した抽出物を含有する紫外線障害抑制剤。
 スイートピーの花から抽出した抽出物を含有するDNA損傷修復促進剤。
 スイートピーの花から抽出した抽出物を含有する突然変異抑制剤。
Description:
アポトーシス抑制剤

 本発明は、アポトーシス抑制剤及びDNA損 抑制剤又はDNA損傷修復促進剤に関する。

 アポトーシスは様々な疾患と深い関わりを する生命現象であり、アルツハイマー病、 ーキンソン病、痴呆症、ハンチントン病、 虚血等の神経性疾患は神経細胞のアポトー スにより引起される。エイズなどの疾患に いて生じる正常細胞(例えば、リンパ球など )の減少もアポトーシスにより生じる。放射 や紫外線、又は抗ガン剤を用いたがん治療 おいて正常細胞にもアポトーシスが誘導さ る。アポトーシスを抑制することによりこ らの疾患の治療効果を高めるためにBLDを有 るペプチドがアポトーシス抑制剤として知 れている(特許文献1:特開2006-62981号公報)。シ ェーグレン症候群(ドライアイ、ドライマウ )、角結膜障害などの治療に有用なアポトー ス抑制剤としてN,N'-ビス[5-(3,4,5-トリメトキ フェニル)-4-ペンテニル]ホモピペラジンが られている(特許文献2:WO02/020477号公報)。癌 AIDS、AIDS関連疾患、成人T細胞白血病、毛様 胞性白血病、脊髄症、呼吸障害、関節症、 ドウ膜炎等のHIV又はHTLV-1関連疾患やC型肝炎 のレトロウイルス関連疾患、全身性エリテ トーデスや慢性関節リウマチ等の膠原病、 瘍性大腸炎、シェーグレン症候群、原発性 汁性肝硬変、突発性血小板減少性紫斑病、 己免疫性溶血性貧血、重症筋無力症、橋本 、インスリン依存型糖尿病等の自己免疫疾 、骨髄異形成症候群、周期性血小板減少症 再生不良性貧血、突発性血小板減少症、汎 性血管内凝固症等の血小板減少を伴う各種 患、C型、A型、B型、F型等のウイルス性や薬 剤性の肝炎及び肝硬変等の肝疾患、アルツハ イマー病及びアルツハイマー型老年痴呆症、 心筋炎、成人呼吸急迫症候群、感染症、前立 腺肥大症、子宮筋腫、気管支喘息、動脈硬化 症、各種先天性奇形症、腎炎、老人性白内障 、慢性疲労症候群及び筋ジストロフィー等の 各種疾患に好適に使用できるアポトーシス調 整剤としてカルボスチリル誘導体が知られて いる(特許文献3:WO94/4504号公報)。細胞死に起 する肝炎、虚血性脳疾患、アルツハイマー 病及び抗腫瘍剤投与による副作用を治療す 抗細胞死剤としてヒト キャスペース阻害物 質が知られている(特許文献4:特開平11-180891号 公報)。アポトーシス起因性疾患の治療、す わち、アルツハイマー病、老人性神経症、 行性神経変性症、パーキンソン氏病、精神 裂症(破瓜病)、小脳変性症、ウィルキンソン 氏病、ダウン症候群、網膜色素変性症及び老 化予防等に有効な薬物として当帰芍薬散を含 有するアポトーシス抑制剤が知られている( 許文献5:特開平9-87187号公報)。肝機能障害等 改善、回復のための肝臓保護剤としてロー ルゼリーからなるアポトーシス抑制剤が知 れている(特許文献6:特開2003-63983号公報)。
 癌や種々の老化症状に関与しているDNAの損 を防ぎ、これらの疾患を未然に防止するDNA 傷保護剤としてハイゴケ属、イトゴケ属、 ノブゴケ属の植物抽出物が知られている(特 許文献7:特開2006-193472号公報)。DNA損傷抑制剤 してゲンチアナ属植物の花の抽出物が知ら ている(特開2006-151831号公報)。しかしながら 、スイートピー抽出物にDNA損傷抑制効果があ ることは知られていない。

特開2006-62981号公報

WO02/020477号公報

WO94/4504号公報

特開平11-180891号公報

特開平9-87187号公報

特開2003-63983号公報

特開2006-193472号公報

 本発明の課題は、アポトーシス抑制剤、D NA障害抑制剤を提供することである。

 本発明の主な構成は、次のとおりである。
(1)スイートピー抽出物を含有するアポトーシ ス抑制剤。
(2)スイートピー抽出物を含有するDNA損傷抑制 剤。
(3)スイートピー抽出物を含有する紫外線障害 抑制剤
(4)スイートピー抽出物を含有するDNA損傷修復 促進剤。
(5)スイートピー抽出物を含有する突然変異抑 制剤。
(6)スイートピーの花から抽出した抽出物を含 有するアポトーシス抑制剤。
(7)スイートピーの花から抽出した抽出物を含 有するDNA損傷抑制剤。
(8)スイートピーの花から抽出した抽出物を含 有する紫外線障害抑制剤。
(9)スイートピーの花から抽出した抽出物を含 有するDNA損傷修復促進剤。
(10)スイートピーの花から抽出した抽出物を 有する突然変異抑制剤。
 本発明は、スイートピー抽出物からなるア トーシス抑制剤、DNA障害抑制剤、DNA損傷修 促進剤、突然変異抑制剤又は紫外線障害抑 剤であり、スイートピー植物体、特に、花 らの抽出物が有効である。

 アポトーシス抑制、DNA障害抑制、DNA損傷 復促進、突然変異抑制及び紫外線障害抑制 有効成分としてスイートピー抽出物を提供 ることができる。特に、花の抽出物に効果 あることが確認できた。更に又、紫外線な の光によるダメージに対する防御又は修復 果があることが確認できた。

TUNNEL染色(アポトーシス)試験の結果を すグラフ。「SE」はスイートピーエキスの略 。スイートピーエキスのアポトーシス抑制効 果を示すグラフである。 Thymine Dimer染色(DNA損傷)試験の結果を示 すグラフ。「SE」はスイートピーエキスの略 スイートピーエキスのDNA障害抑制効果を示 グラフである。 紫外線を照射した細胞の生存率を示す ラフ。スイートピーエキスによる細胞生存 の向上を示すグラフである。 スイートピーエキスのシクロブタン型 イマー(CPD)DNA損傷の修復率を示すグラフで る。 紫外線照射によるDNA損傷修復の試験の 果を表すグラフ。「SE」はスイートピーエ スの略。スイートピーエキスのDNA損傷修復 進効果を示すグラフである。

 スイートピー(Lathyrus odoratus L.)は、マメ科 ンリソウ属の植物であり、別名、麝香蓮理 、麝香豌豆とも呼ばれる。主に観賞用に用 られる地中海を原産とする園芸品種である 花の色は白、ピンク、青、紫等があり、芳 がある。
 スイートピー抽出物については、その植物 全草又は花、茎、葉、根、種子のうちの一 以上を常温又は加温下にて溶剤に浸漬して 出するか又はソックスレー抽出器等の抽出 具を用いて抽出することにより得られる。 らにクロマトグラフィー等を用いて成分を 製しても良い。老化の予防、改善効果によ 優れる抽出物を得るためには、抽出部位は が特に好ましい。花びら、がく片、雄しべ 雌しべを含む花全体から抽出しても良く、 びらのみ選択的に採取し、花びらから抽出 ても良い。スイートピー抽出物は各種溶剤 出液、その希釈液、その濃縮液又は抽出液 乾燥や凍結乾燥して得られる乾燥末あるい ペーストの形態で使用することができる。

 スイートピー抽出物を得るために用いられ 抽出溶剤としては、極性溶剤、非極性溶剤 いずれをも使用することができる。例えば 水、アルコール類のメタノール、エタノー 、プロパノール、ブタノール等、多価アル ール類のプロピレングリコール、ブチレン リコール等、ケトン類のアセトン、メチル チルケトン等、エステル類の酢酸メチル、 酸エチル等、鎖状及び環状エーテル類のテ ラヒドロフラン、ジエチルエーテル等、ポ エーテル類のポリエチレングリコール等、 ロゲン化炭化水素類のジクロロメタン、ク ロホルム、四塩化炭素等、炭化水素類のヘ サン、シクロヘキサン、石油エーテル等、 香族炭化水素類のベンゼン、トルエン等、 リジン類等が挙げられ、これらは2種以上を 混合して用いることもできる。
 上記の抽出溶剤の中でも、アポトーシス抑 効果又はDNA障害抑制効果又はDNA損傷修復促 効果又は突然変異抑制効果あるいは紫外線 害抑制効果に優れる抽出物を得るためには または水溶性有機溶剤が好ましい。水溶性 機溶剤としてはメタノール、エタノール、 ロパノール、2-プロパノール、プロピレン リコール、ブチレングリコール、アセトン が挙げられる。

 スイートピー抽出物からなるアポトーシス 制剤、DNA損傷抑制剤、DNA損傷修復剤、突然 異抑制剤あるいは紫外線障害抑制剤とする とができる。あるいは、スイートピー抽出 を含有するアポトーシス抑制剤、DNA損傷抑 剤、DNA損傷修復剤あるいは紫外線障害抑制 とすることができる。
 本発明のアポトーシス抑制剤、DNA損傷抑制 、DNA損傷修復剤、突然変異抑制剤あるいは 外線障害抑制剤は医薬、食品、医薬部外品 配合して使用することができる。また、経 投与、皮膚外用等の非経口投与のいずれも 能である。
 以下に本発明を実施例に基づき、さらに具 的に説明するが、本発明はこれにより限定 れるものではない。

〔抽出液1〕
 スイートピーの花びら(紫色)45.9gと蒸留水459 gを瓶に入れ、90~100℃の湯煎中で30分加熱した 。冷却後、ガーゼで搾り取り、さらに3000rpm× 10分間、遠心分離した。上清を湯煎温度約65 のロータリーエバポレータで濃縮し、水を えて45.9gに定容した。抽出液中の可溶性固形 分は4.87%であった。

〔抽出液2〕
 抽出液1をロータリーエバポレータで濃縮し 、5倍の濃度の濃縮液を得た。可溶性固形分 濃度は24.4%である。

〔抽出液3〕
 スイートピーの茎148.2gと蒸留水741gを瓶に入 れ、90~100℃の湯煎中で60分加熱した。冷却後 ガーゼで搾り取り、さらに3000rpm×10分間、 心分離した。上清を湯煎温度約65℃のロータ リーエバポレータで濃縮し、水を加えて29.6g 定容した。抽出液中の可溶性固形分は13.6% あった。

〔アポトーシス阻害試験及びDNA損傷抑制試験 〕
 3次元皮膚モデルTOYOBO LSE-high (LSE-003)(東洋 績社製)を精製水で0.2%、1.0%、5.0%に希釈した 記抽出液2及びブランクとして精製水各100μl に曝露した。24時間後に培地を回収、検体を 去し、PBS(-)で洗浄後、PBS(-)100μlに置き換え UVB200mJ/cm 2 を照射した。PBS(-)を検体に置き換え、新しい 培地中で24時間培養し、TUNNEL染色、Thymine Dime rの染色を行った。
 ホルマリン固定、パラフィン包埋した組織 用い、5μmの切片を作成し、染色に用いた。 TUNEL染色はIn situ Apoptosis Detection Kit  (Takara )を用いて行った。Thymine DimerはProteinase K処 、マイクロウェーブ処理後、1次抗体として1 00倍希釈したMonoclonal anti-Thymine dimmer clone H3   (Sigma)を、2次抗体として100倍希釈したRabbit  anti-mouse Immunoglobulin-FITC (DAKO)を用いた。TUNN EL染色、Thymine Dimer染色ともに核が染色され ため、陽性像は緑色蛍光の点状に見える。 、角層が全体的に緑色蛍光を発する場合が るが、これはアポトーシスやDNA損傷を反映 るものではなく、陽性像とはみなさない。

(TUNEL染色(アポトーシス)の結果)
 TUNEL染色(アポトーシス)の結果、ブランクと して精製水に曝露した3次元皮膚モデルではUV B照射により基底層からその上部にかけて陽 像が確認され、今回用いた線量でアポトー スが起こっていることが画像解析の結果確 できた。陽性像の計数値(平均値)を表1、図1 示す。

 抽出液2を0.2%の抽出液2に曝露しても影響 みられなかったが、1.0%、5.0%の抽出液2に曝 するとTUNEL陽性細胞が明らかにに減少し、 出液2がUVBによるアポトーシスを抑制するこ が確認された。

(Thymine Dimer染色(DNA損傷)の結果)
 Thymine Dimer染色(DNA損傷)の結果、ブランクで はUVB照射により基底層からその上部にかけて 陽性像が確認され、今回用いた線量でDNA損傷 が起こっていることが画像解析の結果確認で きた。陽性像の計数値(平均値)を表2、図2に す。

 0.2%、1.0%の抽出液2に曝露した結果、陽性 が明らかに減少し、5.0%の抽出液2に曝露す と陽性像が殆ど認められず、抽出液2がUVBに るDNA損傷を抑制することが確認された。

〔紫外線照射による細胞死の抑制効果〕
 HaCaT細胞を35mmディッシュにて2日間培養後、 培地をPBS(-)に置換し、10 mJ/cm 2 のUVBを照射した。照射後、直ちに前記「抽出 液1」を0.1%含む培地及び「抽出液1」を含まな い培地に交換し、さらに3日間培養した後、PB S(-)で洗浄し、ニュートラルレッド含有培地 交換し、3時間培養した。PBS(-)で洗浄後、1% 酸含有50%エタノール溶液でニュートラルレ ドの抽出を行い、細胞量の指標として570nmに おける吸光度を測定した。
 HaCaT細胞を35mmディッシュにて2日間培養後、 培地をPBS(-)に置換し、UVBを照射せずに、直ち に前記「抽出液1」を含まない培地に交換し さらに3日間培養した後、PBS(-)で洗浄し、ニ ートラルレッド含有培地に交換し、3時間培 養した。PBS(-)で洗浄後、1%酢酸含有50%エタノ ル溶液でニュートラルレッドの抽出を行い 細胞量の指標として570nmにおける吸光度を 定した。この紫外線を照射していない細胞 生存率を100%とした。
 紫外線を照射した細胞の生存率(x)を次式に り算出した。結果を表3、図3に示す。
(x)=570nm吸光度(紫外線照射)/570nm吸光度(紫外線 非照射)×100(%)

 この結果、抽出液1無添加では生存率が56% であるところ、0.1%添加では79%であり、無添 を100%とすると141%になり、40%以上向上するこ とが認められる。スイートピー抽出液の紫外 線障害抑制効果を確認できた。

 〔紫外線照射によるDNA損傷修復の促進確認
 10%FBSを含むDMEM(ダルベッコ変法イーグル培 )にて表皮角化細胞(HaCaT)を35mmのディッシュ 播種し、48時間培養後に、抽出液1を0%、0.3% 1%含む培地に交換した。
 さらに24時間培養後、培地を除去、PBS(-)で 浄し、PBS(-)1mlを加えUVB10mJ/cm 2 を照射した。
 その後、PBS(-)を吸引し、DMEMに交換しさらに 培養した。
 培養0、2、24時間後にQIAamp DNA Blood Mini Kit を用いDNAを抽出し、分光光度計でDNA量を正 に定量した後(260nmの吸光度1.0が50μg/mlに相当 )、DNA溶液を密閉して100℃で10分加熱、氷水中 で15分間冷却し、DNAを1本鎖とし、96穴硫酸プ タミン付着マイクロタイタープレートに分 入し、37℃の恒温器に16時間以上放置し、DNA 10 ng /well乾燥固着させた。96穴硫酸プロタミ ン付着マイクロタイタープレートは硫酸プロ タミン水溶液をプレートのウェルに分注し、 37℃で一晩インキュベートして乾燥付着させ ものである。

 以下、ELIZA法によるシクロブタン型ダイマ の分析手順を示す。DNAを固着させたプレー をPBS(-)・0.05%  Tween 20で洗浄し、2%FBS(牛胎 血清)/PBS(-)溶液を加えて37℃で60分間インキ ベートして抗体の非特異的吸着部位をブロ クした。PBS(-)・0.05% 
 Tween 20で洗浄し、一次抗体として0.05% TDM-2( シクロブタン型ダイマーを特異的に認識する マウス由来モノクローナル抗体) (D194-1, MBL)/ PBS(-)溶液を100μl加え、37℃で30分間反応させ 。
 PBS(-)・0.05%  Tween 20で洗浄し、2次抗体とし て0.02% Biotin-F(ab') 2  fragment of Goat anti-mouse IgG(H+L) (710-1632, Rock land, コスモ・バイオ)/PBS(-)溶液を100μl加え、 37℃で30分間反応させた。
 PBS(-)・0.05%  Tween 20で洗浄し、0.01% Peroxidas e-Streptavidin (43-4323, Zymed, コスモ・バイオ)/PB S(-)溶液を100μl加え37℃で30分間反応させた。
 PBS(-)・0.05%  Tween 20、次いでクエン酸・リ 酸バッファー(pH5.0)で洗浄し、基質溶液(o-Phe nylene diamine 0.4 mg/ml,  H 2 O 2   0.02 %,  クエン酸・リン酸バッファー(pH5. 0)に溶解)を100μl加え37℃で30分間反応させた 2M硫酸を50μl添加し、反応を停止した。
 96穴マイクロプレート用光度計を用いて492nm における吸光度を測定し、これをシクロブタ ン型ダイマー量の指標とした。
 また、紫外線未照射の場合の吸光度をO.D.(C1 )、紫外線照射後0時間の吸光度をO.D.(C2)、一 時間後の吸光度をO.D.(S)として以下の式によ DNA修復率を算出した。
 
 修復率(%)=100-[(O.D.(S)-O.D.(C1))/(O.D.(C2)-O.D.(C1))]* 100

  結果を表4及び図4に示す。

結果
 抽出液1を1%添加することにより、シクロブ ン型ダイマー(CPD)の修復率が増加したこと ら、スイートピーエキスにDNA修復促進能が ることがわかった。

 〔紫外線照射による突然変異に対する抑制 認〕
(突然変異試験)
 スイートピー花抽出物(抽出液 1 を凍結乾 して得た固形分)の紫外線誘発突然変異に対 する抑制効果を、サルモネラ・ティフィムリ ウム TA 102(以下 「TA102」 と略す)菌株を用 たエームズ法(エームズ等、ミューテーショ ン リサーチ.,Ames.B.N.et al.,Mutation Res .,31 巻 , 347 頁, 1975 年)によって測定した。

(1)測定試料の調製
 スイートピー花抽出物(抽出液 1 の凍結乾 物(抽出液固形分))をジメチルスルホオキサ ド(以下 DMSO と略す)に任意の濃度となるよ うに溶解し、測定試料を調製した。
(2)突然変異原性試験法
 直径 35mm のシャーレに 100mM リン酸ナト ウム緩衝溶液( pH7.4) 2mlとT A102 株の前培養 液 0.4ml(あらかじめ 100mM リン酸ナトリウム 衝溶液( pH7.4) にて洗浄した。)を添加した 、中央値 254nmの紫外線として殺菌灯( SANKYO DENKI. GE RM 1 CIDAL  LAMP  GT15  T8 ) 15W を い、 24J / m 2 照射した。(ただし、コントロールは未照射 )照射後直ちに、(1)の項で調製した測定試料 0.4mlを添加した。(ただし、コントロールは  DMSOのみ添加した。)この溶液を 0.7mlずつ3 本 の試験管に分取した後、それぞれに 2mlの軟 天を加えて、最小グルコース寒天平板培地 重層固化し、 37℃にて2日間培養した。培 後、プレート上の復帰変異コロニー数をカ ントした。突然変異していない(突然変異が 制された) TA102 株は最小グルコース寒天平 板培地でコロニーを形成しない。

  突然変異抑制効果の評価は、変異原及び 料を加えた系でカウントしたプレート当た のコロニー数( A )、変異原のみのコロニー ( B )、 DMSOのみの自然復帰コロニー数( C  )をもとに次式により突然変異率を算出する とによって行った。

 突然変異率( % )= [ ( A - C )/ ( B - C )]  × 100

 結果
 下記の表5に、スイートピー花抽出物の短波 長紫外線( 24J / m2 )に対する紫外線誘発突 変異抑制効果をそれぞれ示した。

   表5に示すように変異原のみの場合の 然変異率を 100 %とした場合、試料添加量の 増大と共に突然変異率の減少が認められた。 従って、これらのスイートピー花抽出物の紫 外線に対する突然変異抑制効果が認められた 。

 〔紫外線照射によるDNA損傷修復の促進確認( UVB照射後にスイートピー花抽出物を添加)〕
 10%FBSを含むDMEM(ダルベッコ変法イーグル培 )にて表皮角化細胞(HaCaT)を35mmのディッシュ 播種し、72時間培養後に、UVB10mJ/cm 2 を照射した。次いで、スイートピー花抽出物 (抽出液 1 を凍結乾燥して得た固形分)を0mg/m L、0.02 mg/mL、0.1 mg/mL含む培地に交換した。
 培養0、2、24時間後にQIAamp DNA Blood Mini Kit を用いDNAを抽出し、分光光度計でDNA量を正 に定量した後(260nmの吸光度1.0が50μg/mlに相当 )、DNA溶液を密閉して100℃で10分加熱、氷水中 で15分間冷却し、DNAを1本鎖とし、96穴硫酸プ タミン付着マイクロタイタープレートに分 入し、37℃の恒温器に16時間以上放置し、DNA 200 ng /well乾燥固着させた。96穴硫酸プロタ ン付着マイクロタイタープレートは硫酸プ タミン水溶液をプレートのウェルに分注し 37℃で一晩インキュベートして乾燥付着させ たものである。

 以下、ELIZA法による(6-4)型ダイマーの分析手 順を示す。DNAを固着させたプレートをPBS(-)・ 0.05%  Tween 20で洗浄し、2%FBS(牛胎児血清)/PBS( -)溶液を加えて37℃で60分間インキュベートし て抗体の非特異的吸着部位をブロックした。 PBS(-)・0.05%  Tween 20で洗浄し、一次抗体とし て0.05% 64M-2(6-4)型ダイマーを特異的に認識す マウス由来モノクローナル抗体(D195-1, MBL社 製)/PBS(-)溶液を100μl加え、37℃で30分間反応さ せた。
 PBS(-)・0.05%  Tween 20で洗浄し、2次抗体とし て0.02% Biotin-F(ab') 2  fragment of Goat anti-mouse IgG(H+L) (710-1632, Rock land, コスモ・バイオ)/PBS(-)溶液を100μl加え、 37℃で30分間反応させた。
 PBS(-)・0.05%  Tween 20で洗浄し、0.01% Peroxidas e-Streptavidin (43-4323, Zymed, コスモ・バイオ)/PB S(-)溶液を100μl加え37℃で30分間反応させた。
 PBS(-)・0.05%  Tween 20、次いでクエン酸・リ 酸バッファー(pH5.0)で洗浄し、基質溶液(o-Phe nylene diamine 0.4 mg/ml,  H 2 O 2   0.02 %,  クエン酸・リン酸バッファー(pH5. 0)に溶解)を100μl加え37℃で30分間反応させた 2M硫酸を50μl添加し、反応を停止した。
 96穴マイクロプレート用光度計を用いて492nm における吸光度を測定し、これを(6-4)型ダイ ー量の指標とした。
 また、紫外線未照射の場合の吸光度をO.D.(C1 )、紫外線照射後0時間の吸光度をO.D.(C2)、一 時間後の吸光度をO.D.(S)として以下の式によ DNA修復率を算出した。

 修復率(%)=100-[(O.D.(S)-O.D.(C1))/(O.D.(C2)-O.D.(C1))]* 100

  結果を表6及び図5に示す。

結果
 表皮角化細胞にUVBを照射して、DNAを損傷さ た後で、スイートピー花抽出物を添加した 地を用いて培養することにより、(6-4)型ダ マーの修復率が有意に増加した。従って、 イートピーエキスにDNA修復促進能があると える。

[処方例1]
<錠剤>
常法に従って、下記の組成の錠剤を製造した 。

[処方例2]
<外用剤>
[製法]Aに属する水相成分とBに属する油相成 をそれぞれ加熱溶解し、油相成分を水相成 に混合し、乳化機にて乳化する。冷却後、C 属する成分を混合して得た。