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Patent Searching and Data


Title:
APPARATUS AND METHOD BOTH RELATING TO POLYMER SYNTHESIS
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/060832
Kind Code:
A9
Abstract:
Disclosed is a means for producing lactide efficiently in the production of a poly(lactic acid) by depolymerizing a lactic acid oligomer to produce lactide and ring-opening-polymerizing lactide. Also disclosed is a lactide production apparatus for producing lactide continuously or intermittently, which comprises: a depolymerization unit (11) for depolymerizing a lactic acid oligomer; a catalyst regeneration unit (27) for depolymerizing a residue in the depolymerization unit to reduce the molecular weight of the lactic acid oligomer contained in the residue; and a distillation column (29) for condensing lactide which has been produced in the depolymerization unit in the form of a gas phase.

Inventors:
KAMIKAWA MASAYUKI (JP)
MATSUO TOSHIAKI (JP)
OKAMOTO NARUYASU (JP)
OKA KENICHIRO (JP)
YATSUGI TAKASHI (JP)
FUJII YASUHIRO (JP)
KAWAMOTO TATSUSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/070047
Publication Date:
May 20, 2010
Filing Date:
November 04, 2008
Export Citation:
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Assignee:
HITACHI PLANT TECHNOLOGIES LTD (JP)
TOYOTA MOTOR CO LTD (JP)
KAMIKAWA MASAYUKI (JP)
MATSUO TOSHIAKI (JP)
OKAMOTO NARUYASU (JP)
OKA KENICHIRO (JP)
YATSUGI TAKASHI (JP)
FUJII YASUHIRO (JP)
KAWAMOTO TATSUSHI (JP)
International Classes:
C07D319/12; C08G63/08; C08L101/16
Attorney, Agent or Firm:
HIRAKI, YUSUKE (JP)
Yusuke Hiraki (JP)
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Claims:
 乳酸オリゴマーを解重合することによりラクチドを連続的または間欠的に製造する方法であって、
a)解重合装置において乳酸オリゴマーを解重合反応させてラクチドを合成する工程、
b)解重合装置内の残渣を、解重合装置の反応容器よりも単位液量あたりの蒸発面積が大きい反応容器で解重合反応に付し、残渣に含まれる乳酸オリゴマーの分子量を低下させる工程、および
c)解重合反応により気体として生成したラクチドを凝縮して回収する工程、
を含む、前記ラクチド製造方法。
 bの工程において生成した分子量が低下した乳酸オリゴマーを解重合装置に戻す工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
 bの工程において、外力を用いて溶融物である残渣を薄層化させる、請求項1に記載の方法。
 bの工程において、外力を用いて溶融物である残渣を薄層化させる、請求項2に記載の方法。
 bの工程において、遠心薄膜蒸発器を用いて解重合反応を行う、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
 乳酸を縮合することにより乳酸オリゴマーを合成する工程をさらに含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
 請求項1~4のいずれか1項に記載の方法を用いて乳酸オリゴマーを解重合することによりラクチドを製造し、得られたラクチドを開環重合することを含む、ポリ乳酸の製造方法。
 請求項5に記載の方法を用いて乳酸オリゴマーを解重合することによりラクチドを製造し、得られたラクチドを開環重合することを含む、ポリ乳酸の製造方法。
 請求項6に記載の方法を用いて乳酸オリゴマーを解重合することによりラクチドを製造し、得られたラクチドを開環重合することを含む、ポリ乳酸の製造方法。
 ラクチドを連続的または間欠的に製造するためのラクチド製造装置であって、
 乳酸オリゴマーを解重合反応するための解重合装置、
 解重合装置内の残渣を解重合反応に付して残渣に含まれる乳酸オリゴマーの分子量を低下するための、解重合装置の反応容器よりも単位液量あたりの蒸発面積が大きい反応容器を有する触媒再生装置、および
 解重合反応により気体として生成したラクチドを凝縮するための蒸留塔
を有する、前記装置。
 触媒再生装置で生成した分子量が低下した乳酸オリゴマーを解重合装置に送るための液送ポンプをさらに有する、請求項10に記載の装置。
 触媒再生装置が、溶融物である残渣を薄層化させる手段を有する、請求項10に記載の装置。
 触媒再生装置が、溶融物である残渣を薄層化させる手段を有する、請求項11に記載の装置。
 触媒再生装置が遠心薄膜蒸発器である、請求項10~13のいずれか1項に記載の装置。
 乳酸を縮合して乳酸オリゴマーを製造するための乳酸縮合装置をさらに有する、請求項10~13のいずれか1項に記載の装置。
 ポリ乳酸を連続的または間欠的に製造するためのポリ乳酸製造装置であって、
 請求項10~13のいずれか1項に記載のラクチド製造装置、および
 ラクチドを開環重合するための開環重合装置を有する、
前記装置。
 ポリ乳酸を連続的または間欠的に製造するためのポリ乳酸製造装置であって、
 請求項14に記載のラクチド製造装置、および
 ラクチドを開環重合するための開環重合装置を有する、
前記装置。
 ポリ乳酸を連続的または間欠的に製造するためのポリ乳酸製造装置であって、
 請求項15に記載のラクチド製造装置、および
 ラクチドを開環重合するための開環重合装置を有する、
前記装置。
 乳酸オリゴマーを解重合することによりラクチドを連続的または間欠的に製造する方法であって、
a)解重合装置において乳酸オリゴマーを解重合反応させてラクチドを合成する工程、
b)解重合装置内の残渣を、解重合装置の反応容器よりも単位液量あたりの蒸発面積が大きい反応容器で解重合反応に付し、更に残渣に含まれる乳酸オリゴマーよりラクチドを合成する工程、および
c)解重合反応により気体として生成したラクチドを凝縮して回収する工程、
を含む、前記ラクチド製造方法。
Description:
ポリマー合成に関する装置およ 方法

 本発明は、ラクチドを製造するための方 および装置、ならびにこれを用いてポリ乳 を製造するための方法および装置に関する

 ポリ乳酸は乳酸を原料として作られる脂 族ポリエステルである。ポリ乳酸を合成す 方法の一つとして、乳酸を濃縮して含有水 を低下させた後に縮合させることで乳酸オ ゴマーを生成させ、これに酸化アンチモン の触媒を添加して一度解重合させることに り環状二量体(ラクチド)を生成させ、必要 応じて晶析等による精製を行った後、ラク ドにオクチル酸スズ等の触媒を添加して開 重合する方法がある。

 濃縮工程ではモノマーである乳酸に不純 として10~15%程度の水分が含まれている場合 あり、モノマー間におけるエステル化処理 起こりやすくさせるためにこの水分の除去 実施される。この濃縮工程では、120~250℃で の加熱および、必要に応じて真空ポンプ等を 用いた減圧により水分の除去が実施される。

 縮合工程は、乳酸モノマー間のエステル 反応によって生成する水を120~250℃での加熱 および真空ポンプ等による減圧環境下、望ま しくは10Torr以下での減圧により気化して除去 する。ここでの減圧は濃縮工程におけるもの とは異なり、エステル化反応を進展させるた めの必須条件である。この縮合工程によりモ ノマーである乳酸から乳酸オリゴマーが生成 する。

 縮合工程で生成した乳酸オリゴマーは解 合工程に送られ、120~250℃での加熱および真 空ポンプ等による減圧環境下、望ましくは100 Torr以下での減圧環境下においてオクチル酸 ズ、三酸化アンチモン等の解重合触媒との 触により、乳酸環状二量体(ラクチド)が生成 する。生成したラクチドは解重合工程での環 境下では通常気体であることが多く、冷却・ 凝縮により回収される。

 ポリ乳酸合成におけるラクチドの製造方 として種々の技術が開発されている。例え 乳酸オリゴマーを含むプレポリマーを解重 させるラクチド反応器を有するラクチド製 装置であって、ラクチド反応器内の非反応 の高沸点ポリ乳酸またはその他の不揮発性 純物のパージ流の一部を、ラクチド反応器 前段で再利用するか、あるいは後段の重合 に供給することができる装置が報告されて る(特許文献1)。この装置では、ラクチド反 器から排出される反応液(乳酸オリゴマーと 触媒を含む、以下残渣と称する)を、解重合 程に還流させる、解重合工程前段の濃縮工 もしくは縮合工程に還流させる、または解 合工程後段の開環重合工程に送るというこ が可能である。

 特許文献1に記載される装置では、残渣をラ クチド反応器入口に戻すことで原料収率が向 上するが、逆反応の開環重合反応が同時に起 こることにより分子量が増大し残渣の粘度が 乳酸オリゴマーの初期状態より高くなってい る。このため、残渣に含まれる触媒の活性が 拡散律速となって見かけ上低下し、解重合反 応速度が低下する。その結果、プラントの運 転が不安定になるという問題がある。濃縮工 程もしくは縮合工程に還流させる場合、残渣 には触媒が含まれているため縮合反応が阻害 され、乳酸オリゴマーの分子量が低下すると いう問題がある。開環重合工程に送った場合 には、ポリ乳酸に分子量の低い乳酸オリゴマ ーが混入することになり、分子量分布が広が り、結晶性が低下するなどポリマー物性が劣 化するという問題がある。

特許第3258324号公報

 本発明は上記問題に鑑みてなされたもの あり、乳酸オリゴマーを解重合し、得られ ラクチドを開環重合することによるポリ乳 の製造において、ラクチドを効率よく得る 法および装置を提供することを目的とする

 本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭 検討した結果、解重合装置内に残った粘度 高い残渣を再度解重合反応に付し残渣に含 れる乳酸オリゴマーの分子量を低下させる とにより、残渣の粘度が低下し、解重合反 が効率よく進むことを見出し、本発明を完 するに至った。

 すなわち、本発明は以下の発明を包含す 。

(1)乳酸オリゴマーを解重合することによりラ クチドを連続的または間欠的に製造する方法 であって、
a)解重合装置において乳酸オリゴマーを解重 反応させてラクチドを合成する工程、
b)解重合装置内の残渣を、解重合装置の反応 器よりも単位液量あたりの蒸発面積が大き 反応容器で解重合反応に付し、残渣に含ま る乳酸オリゴマーの分子量を低下させる工 、および
c)解重合反応により気体として生成したラク ドを凝縮して回収する工程、
を含む、前記ラクチド製造方法。

(2)bの工程において生成した分子量が低下 た乳酸オリゴマーを解重合装置に戻す工程 さらに含む、(1)に記載の方法。

(3)bの工程において、外力を用いて溶融物 ある残渣を薄層化させる、(1)または(2)に記 の方法。

(4)bの工程において、遠心薄膜蒸発器を用 て解重合反応を行う、(1)~(3)のいずれかに記 の方法。

(5)乳酸を縮合することにより乳酸オリゴマ ーを合成する工程をさらに含む、(1)~(4)のい れかに記載の方法。

(6)(1)~(5)のいずれかに記載の方法を用いて 酸オリゴマーを解重合することによりラク ドを製造し、得られたラクチドを開環重合 ることを含む、ポリ乳酸の製造方法。

(7)ラクチドを連続的または間欠的に製造する ためのラクチド製造装置であって、
 乳酸オリゴマーを解重合反応するための解 合装置、
 解重合装置内の残渣を解重合反応に付して 渣に含まれる乳酸オリゴマーの分子量を低 するための、解重合装置の反応容器よりも 位液量あたりの蒸発面積が大きい反応容器 有する触媒再生装置、および
 解重合反応により気体として生成したラク ドを凝縮するための蒸留塔
を有する、前記装置。

(8)触媒再生装置で生成した分子量が低下し た乳酸オリゴマーを解重合装置に送るための 液送ポンプをさらに有する、(7)に記載の装置 。

(9)触媒再生装置が、溶融物である残渣を薄 層化させる手段を有する、(7)または(8)に記載 の装置。

(10)触媒再生装置が遠心薄膜蒸発器である (7)~(9)のいずれかに記載の装置。

(11)乳酸を縮合して乳酸オリゴマーを製造 るための乳酸縮合装置をさらに有する、(7)~( 10)のいずれかに記載の装置。

(12)ポリ乳酸を連続的または間欠的に製造す ためのポリ乳酸製造装置であって、
 (7)~(11)のいずれかに記載のラクチド製造装 、および
 ラクチドを開環重合するための開環重合装 を有する、
前記装置。

 本発明により、触媒の利用効率を向上さ 、解重合反応速度が向上しラクチドを効率 に製造することができ、さらにポリ乳酸の 質を向上させることができる。

 本明細書は、本願の優先権の基礎である 願2007-289664号の明細書、特許請求の範囲お び図面に記載された内容を包含する。

図1は、本発明のポリ乳酸製造装置の一 実施形態を示す概略図である。 図2は、遠心薄膜蒸発器の概略図である 。 図3は、本発明のポリ乳酸製造装置の一 実施形態を示す概略図である。

符号の説明:1 乳酸供給装置、2 液送ポン 、3 乳酸濃縮装置、4 液送ポンプ、5 濃縮 酸バッファタンク、6 液送ポンプ、7 乳酸 合装置、8 液送ポンプ、9 オリゴマーバッ ァタンク、10 液送ポンプ、11 解重合装置、 12 蒸留塔、13 蒸留塔下段、14 液送ポンプ、 15 ラクチド精製装置、16 液送ポンプ、17 開 環重合装置、18 還流器、19 冷却器、20 減圧 装置、21 還流器、22 冷却器、23 減圧装置、 24 凝縮器、25 不純物冷却器、26 減圧装置、 27 触媒再生装置、28 蒸留塔、29 蒸留塔下段 、30 凝縮器、31 不純物冷却器、32 減圧装置 、33 液送ポンプ、34 触媒再生装置、35 蒸留 塔、36 蒸留塔下段、37 凝縮器、38 不純物冷 却器、39 減圧装置

 本発明において乳酸オリゴマーとは、乳 の2量体から分子量5万程度までの乳酸重合 を含む概念であるが、ラクチドの製造にお て解重合装置に投入される乳酸オリゴマー 分子量は、数平均分子量で、通常150~1万、好 ましくは500~5,000である。

 本発明においてラクチドとは、乳酸2分子 から水2分子を脱水することにより生じる環 エステルを意味する。乳酸には、L-乳酸、D- 酸のいずれも包含される。

 ポリ乳酸は、乳酸を主成分とする重合体 意味し、ポリL-乳酸ホモポリマー、ポリD-乳 酸ホモポリマー、ポリL/D-乳酸共重合物、こ らのポリ乳酸に他のエステル結合形成性成 、例えば、ヒドロキシカルボン酸、ラクト 類、ジカルボン酸とジオールなどを共重合 た共重合ポリ乳酸およびそれらに副次成分 して添加物を混合したものを包含する。添 物の例としては、酸化防止剤、安定剤、紫 線吸収剤、顔料、着色剤、無機粒子、各種 ィラー、離型剤、可塑剤、その他類似のも が挙げられる。これらの共重合成分および 加剤の添加率は任意であるが、主成分は乳 または乳酸由来のもので、共重合成分およ 添加剤は50重量%以下、特に30%以下とするこ が好ましい。

 本発明において、連続的または間欠的に は、当技術分野において通常用いられる意 を有し、原料の供給と生成物の排出を行う 間帯が少なくとも一部重なる場合や、原料 供給を連続的または間欠的に行い、生成物 連続的または間欠的に排出する場合を含む のである。

 本発明のラクチドの製造方法は、
a)解重合装置において乳酸オリゴマーを解重 反応させてラクチドを合成する工程、
b)解重合装置内の残渣を、解重合装置の反応 器よりも単位液量あたりの蒸発面積が大き 反応容器で解重合反応に付し、残渣に含ま る乳酸オリゴマーの分子量を低下させる工 、および
c)解重合反応により気体として生成したラク ドを凝縮して回収する工程、
を含む。

 本発明のラクチド製造方法は、
 乳酸オリゴマーを解重合反応するための解 合装置、
 解重合装置内の残渣を解重合反応に付して 渣に含まれる乳酸オリゴマーの分子量を低 するための、解重合装置の反応容器よりも 位液量あたりの蒸発面積が大きい反応容器 有する触媒再生装置、および
 解重合反応により気体として生成したラク ドを凝縮するための蒸留塔
を有する、ラクチド装置により実施できる。

 解重合装置は、少なくとも反応器、乳酸 リゴマー供給口、ラクチド排出口および残 排出口を有する。また、通常温度計も設置 れる。反応器としては特に制限されず、縦 反応器、横型反応器またはタンク型反応器 用いることができる。攪拌翼としてはパド 翼、タービン翼、アンカー翼、ダブルモー ョン翼、ヘリカルリボン翼などを使用する とができる。

 反応器における加熱方法としては、当技 分野において通常用いられる方法を使用す ことができ、例えば、反応器外周部に熱媒 ジャケットを設置し、反応器壁面を通して 熱により反応液を加熱する方法、または攪 翼の回転軸内部に熱媒を通して伝熱により 熱する方法等があり、これらを単独で使用 ても組み合わせて使用してもよい。

 解重合装置には通常減圧装置が設置され おり、通常100Torr以下、好ましくは10Torr以下 の減圧環境下、通常120~250℃、好ましくは120~2 00℃で加熱することにより乳酸オリゴマーの 重合反応を実施する。当該解重合反応によ ラクチドが気体として生成する。

 解重合反応においては、必要に応じて、 重合反応のための触媒を添加してもよい。 媒としては、従来公知のものを使用するこ ができ、例えば、周期律表IA族、IIIA族、IVA 、IIB族およびVA族からなる群から選択され 金属または金属化合物からなる触媒を使用 きる。

 IA族に属するものとしては、例えば、ア カリ金属の水酸化物(例えば、水酸化ナトリ ム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等)、 アルカリ金属と弱酸の塩(例えば、乳酸ナト ウム、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、 クチル酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリ ム、乳酸カリウム、酢酸カリウム、炭酸カ ウム、オクチル酸カリウム等)、アルカリ金 のアルコキシド(例えば、ナトリウムメトキ シド、カリウムメトキシド、ナトリウムエト キシド、カリウムエトキシド等)等を挙げる とができる。

 IIIA族に属するものとしては、例えば、ア ルミニウムエトキシド、アルミニウムイソプ ロポキシド、アルミナ、塩化アルミニウム等 を挙げることができる。

 IVA族に属するものとしては、例えば、有 スズ系の触媒(例えば、2-エチルヘキサン酸 ズ、乳酸スズ、酒石酸スズ、ジカプリル酸 ズ、ジステアリン酸スズ、ジオレイン酸ス 、α-ナフトエ酸スズ、β-ナフトエ酸スズ、 クチル酸スズ等)の他、粉末スズ、酸化スズ 、ハロゲン化スズ等を挙げることができる。

 IIB族に属するものとしては、例えば、亜 粉末、ハロゲン化亜鉛、酸化亜鉛、有機亜 系化合物を挙げることができる。

 IVB族に属するものとしては、例えば、テ ラプロピルチタネート等のチタン系化合物 ジルコニウムイソプロポキシド等のジルコ ウム系化合物等を挙げることができる。

 これらの中でも、オクチル酸スズ等のス 系化合物または三酸化アンチモン等のアン モン系化合物を使用するのが好ましい。

 これら触媒の使用量は、乳酸オリゴマー 対して0.01~20重量%、好ましくは0.05~15重量%、 より好ましくは0.1~10重量%程度である。

 解重合装置内では、乳酸オリゴマーの解 合反応と同時に、逆反応である開環重合反 も進行している。そのため、反応が進行す と乳酸オリゴマーの分子量が増大し、反応 の粘度が増大する。反応液の粘度が増大す と、反応液に混入されている解重合触媒の 散性が悪化し、解重合反応の反応速度が低 するため、ラクチドの生成効率が低下する そこで分子量の増大した乳酸オリゴマーを む残渣を排出し、別の反応装置で解重合反 に付すことにより乳酸オリゴマーの分子量 低下させる。乳酸オリゴマーの分子量を低 させるための解重合反応は、前段の解重合 置と同様の圧力および温度条件であるが、 段の解重合装置の反応容器よりも単位液量 たりの蒸発面積が大きい反応容器で実施す 。

 解重合装置の反応容器よりも単位液量あ りの蒸発面積(比表面積)が大きい反応容器 有する反応装置で、残渣を解重合反応に付 ことにより、残渣から生成したラクチドが 速に脱揮される。その結果、化学平衡から 環重合反応の速度が低下し、分子量増大効 が低下する。そして、残渣に含まれる乳酸 リゴマーの分子量が低下する。残渣に含ま る乳酸オリゴマーの分子量が低下すると粘 が低下し、触媒活性に対する拡散速度の影 が小さくなるため触媒活性が向上する。そ ため、解重合反応の反応速度が向上する。 って、残渣に含まれる乳酸オリゴマーの分 量を低下させる工程に使用する反応装置、 なわち解重合装置の反応容器よりも単位液 あたりの蒸発面積(比表面積)が大きい反応容 器を有する反応装置を、触媒再生装置と称す る。

 ここで残渣は、解重合装置における解重 反応の結果として反応器に残存する、比較 高分子量の乳酸オリゴマーおよび解重合触 を含む粘度の高い反応液をさす。より具体 には、数平均分子量が通常5000~30000、好まし くは5000~10000の乳酸オリゴマーを含む反応液 さす。残渣は、乳酸オリゴマーおよび触媒 加えて、未反応の乳酸、ポリ乳酸、水、ラ チド等を含みうる。残渣は、「解重合装置 投入した乳酸オリゴマーの質量-生成したラ チドの質量=残渣の質量」となるような量で 解重合装置から抜き取り触媒再生装置に送れ ばよい。

 触媒再生装置は、解重合装置より比表面 が大きいものであれば何を用いてもよいが 少なくとも反応器、残渣供給口、ラクチド 出口および残渣排出口を有する。また、通 温度計も設置される。反応器としては縦型 も横型でもよいが、外力を用いて溶融物で る残渣を薄層化させる手段を有する装置が ましい。外力を用いて溶融物である残渣を 層化させる手段は、換言すれば遠心力を与 る手段であり、具体的には翼が設置された 転子が挙げられる。触媒再生装置の一例と て遠心薄膜蒸発器等が挙げられる。本発明 おいて遠心薄膜蒸発器とは、固定された装 ケーシング内で翼を回転させて遠心力を与 る装置であり、装置内に供給された反応液 遠心力により装置ケーシング内部に当てて 膜を形成し、装置ケーシング外面からの加 により蒸発を促すものである。遠心力は、 が設置された回転子が設置された固定され 装置ケーシング内において、回転する翼を じて乳酸オリゴマーに与えられる。遠心薄 蒸発器は、設備規模を小さくできる、翼と ーシングとの間のギャップ幅および翼の回 制御により液膜厚さを制御できる等の長所 有する。遠心薄膜蒸発器の概略図を図2に示 す。翼は、通常、回転軸に平行な板状のもの で回転軸から放射状に設置される。上記翼に ねじれを加えスクリュー状にしたものを用い る場合もある。遠心薄膜蒸発器は回転軸が地 面に対して水平なもの、垂直なもの、その中 間の角度のもののいずれでもよい。

 横型の遠心薄膜蒸発装置については装置 に触媒を滞留させ、回転子、翼の稼動によ 触媒を溶融した乳酸オリゴマーに分散させ ことが可能である。従って、装置の一端か 溶融乳酸オリゴマーを連続供給しても、そ がラクチド蒸気の排出量に見合っていれば 留量を一定に保てるので、必ずしも他端か 連続排出を行う必要はない。溶融乳酸オリ マーの解重合後の残渣蓄積により滞留量が 大してきた場合は、断続的に装置内の液を 出し、新規に触媒を装置内に添加して運転 再開してもよい。

 遠心薄膜蒸発器は、特に以下の利点を備 ている。まず、蒸発能力が大きいため、比 的高粘度の物質の処理に適している。これ 、回転翼によって液が均一な薄膜にされ、 つ強力に攪拌されるため高粘度物質でも伝 係数が大きく取れるためである。次に、滞 時間を短くできるため、熱不安定物質の処 に適している。これは、液が薄膜で処理さ 、ごく短時間で所定の濃度まで濃縮される めである。そして、真空蒸発に対応可能で り、熱不安定物質や高沸点物質の処理に適 ている。これは、液が薄膜で処理されるこ で液ヘッドによる沸点上昇がなく、系内の 空度における沸点で蒸発させることができ ためである。また、スケール(付着物)がつ ず連続運転が可能である。これは、液が回 翼により攪拌され、伝熱面が常に新しい液 更新されるためである。また、回転翼によ 遠心薄膜蒸発器内に飛散した液滴がたたか 遠心力により回転翼上の液膜に押し戻され ことで吸収されるため、触媒が触媒再生装 から液滴となって飛散し排出されることを 止できる。

 本発明において触媒再生装置として遠心 膜蒸発器を用いると、タンク式反応器と比 して、装置体積に対する蒸発面積が大きい め装置を小型化できる。そして、短時間で 酸オリゴマーの温度が上がりやすく解重合 応を数分から数十分で完了することが可能 ある。また液膜が薄いため生成したラクチ の気化が非常に早い。そのため、乳酸オリ マーの異性化反応により生成する光学異性 および乳酸オリゴマーの熱分解で生成する 純物が少なく、純度の高いラクチドを得る とができる。また、開環重合反応よりも解 合反応の反応速度が速くなることで乳酸オ ゴマーの分子量が低下し粘度が低下する。 の結果、触媒の活性が回復し、さらに解重 反応が促進される。

 場合により、触媒再生装置から排出され 残渣を、送液ポンプ等を用いて解重合装置 戻すことで反応の収率をさらに向上するこ ができる。触媒再生装置から排出された残 は、分子量が低下した乳酸オリゴマーおよ 解重合反応の触媒を含む反応液であり、乳 、水、ポリ乳酸およびラクチドなども含み る。当該残渣は粘度が低いことから触媒活 が回復している。この残渣に含まれる分子 が低下した乳酸オリゴマーは、通常2000~10000 、好ましくは2000~5000の数平均分子量を有する 。

 触媒再生装置には通常減圧装置が設置さ ており、通常100Torr以下、好ましくは10Torr以 下の減圧環境下、通常120~250℃、好ましくは12 0~200℃で加熱することにより残渣の解重合反 を実施する。当該解重合反応によりオリゴ ーの分子量が減少し、残渣の粘度が低下す ことで、残渣に含まれる触媒の活性が回復 、解重合反応が促進される。また、ラクチ が気体として生成する。また、解重合装置 おける反応液が高粘度になりすぎることが く、連続的な反応を実施する上でも有利で る。

 触媒再生装置において解重合反応が進行 ラクチドが蒸発すると相対的に触媒濃度が 大するため、ラクチドの光学純度が低下す 。これは、ラクチドの光学純度低下が触媒 度および滞留時間に比例するためである。 のため、必要に応じて残渣の粘度がある程 低下した時点で残渣を排出し、廃棄するか たは解重合装置へ還流させてもよい。触媒 生装置は複数段設置してもよく、その場合 最後段の触媒再生装置から排出される残渣 解重合装置もしくは最後段より前段の触媒 生装置に還流することができる。この、触 再生装置の比表面積は後段に行くほど大き ものであることが好ましい。

 解重合装置または触媒再生装置で気体と て生成したラクチドを含む蒸気は解重合装 の外に排出され、蒸留塔に導入される。蒸 塔においてラクチドは凝縮されて回収され 好ましくはラクチド精製装置に移送される 冷媒の温度を適切に制御することにより、 段目の蒸留塔では乳酸オリゴマーのみを凝 させてラクチド蒸気を通過させ、より下段 蒸留等(蒸留塔下段)でラクチドを凝縮し回 してもよい。ここで凝縮した乳酸オリゴマ は還流させて、乳酸縮合装置、乳酸濃縮装 、解重合装置、触媒再生装置等に戻しても い。

 蒸留塔については、金属管を隔てて蒸気 冷媒が間接的に接触する表面凝縮器が望ま い。これはラクチドおよび乳酸オリゴマー 水を含む冷媒と直接接触すると分解して酸 生成するためである。これは酸触媒として 環重合反応の進捗を阻害する上、蒸留塔等 材料腐食を引き起こす可能性がある。冷媒 してラクチドおよび乳酸オリゴマーに対し 活性なものを用いる場合は上記の限りでは いが、その場合でも、冷媒を十分乾燥させ 分を低下することが好ましい。

 蒸留塔で分離された乳酸オリゴマーは、 酸濃縮装置、濃縮乳酸バッファタンク、乳 縮合装置、オリゴマーバッファタンク、解 合装置入口等のいずれに戻してもよい。し し、蒸留塔においてラクチドと分離された 酸オリゴマーは、解重合反応によって分子 が非常に小さくなっている場合がある。こ ような低分子量乳酸オリゴマーを解重合装 にそのまま投入することは望ましくないが 再度縮合させて分子量を向上させることで クチドの収率を向上させることが望ましい すなわち、低分子量乳酸オリゴマーは乳酸 合装置に戻して縮合反応に付すことが望ま い。また、乳酸オリゴマーを分子量に応じ 分離させた後に還流させるために、蒸留塔 多段化してもよい。そして、低分子量乳酸 リゴマーを乳酸濃縮装置、濃縮乳酸バッフ タンク、乳酸縮合装置の少なくとも一つに 高分子量乳酸オリゴマーを乳酸縮合装置、 酸オリゴマーバッファタンク、解重合装置 口の少なくとも一つに戻すことが望ましい

 本発明のラクチドの製造方法は、原料と る乳酸オリゴマーを合成する工程、すなわ 乳酸を縮合することにより乳酸オリゴマー 合成する工程をさらに含んでいてもよい。 の場合、乳酸は従来公知の方法により製造 れたもののいずれを用いてもよいが、水分 量の少ない乳酸が好ましい。このような乳 を使用することにより、乳酸に含まれる水 を蒸発させて濃縮するための工程を短縮す ことができ、コストの面からも有利となる

 乳酸にもともと含まれている水分は、加 して蒸発させることにより除去することが ましい。原料乳酸に含まれる水分は、乳酸 合工程において、乳酸の縮合反応よって生 する水分と一緒に除去してもよいが、原料 酸から予め水分を除去し、乳酸を濃縮した で、これを乳酸縮合工程に付してもよい。

 前者の場合は、原料乳酸を乳酸縮合装置 直接輸送して乳酸縮合反応を行うが、後者 場合は、乳酸濃縮装置と乳酸縮合装置を直 に接続し、前段の乳酸濃縮装置で乳酸を加 して水分を蒸発させた後、得られた乳酸濃 物を乳酸縮合装置に輸送して乳酸縮合反応 行う。乳酸縮合装置または乳酸濃縮装置の 段に、乳酸供給装置を設置して、ここから ずれかの装置に乳酸を供給してもよい。

 乳酸縮合装置において、乳酸を加熱する とにより乳酸オリゴマーを生成する。乳酸 合反応においては、得られる乳酸オリゴマ の分子量が、上述の解重合装置に投入する に適する分子量となるようにする。すなわ 、得られる乳酸オリゴマーの分子量が数平 分子量で通常150~1万、好ましくは500~5,000と るように反応を行う。乳酸縮合反応は、通 圧力100Torr以下、好ましくは10Torr以下、さら 好ましくは1Torr以下で、通常160~220℃、好ま くは170~200℃まで徐々に昇温させることによ り実施する。加熱時間を可能な限り短くする ことで、乳酸およびオリゴマーの熱分解を抑 制することができる。

 乳酸縮合反応においては、必要に応じて 乳酸縮合反応のための触媒を添加してもよ 。触媒としては、従来公知のものを使用す ことができ、例えば、有機スズ系の触媒(例 として、乳酸スズ、酒石酸スズ、ジカプリル 酸スズ、ジラウリル酸スズ、ジパルミチン酸 スズ、ジステアリン酸スズ、ジオレイン酸ス ズ、α-ナフトエ酸スズ、β-ナフトエ酸スズ、 オクチル酸スズ等)および粉末スズ等が挙げ れる。上記乳酸供給装置が設置されている 合は、予め乳酸供給装置においてこれらの 媒を添加してもよい。

 乳酸縮合装置は、少なくとも反応器、供 口および排出口を有する。また、乳酸縮合 置には、通常反応器内部を減圧するための 圧装置および温度計が設置される。反応器 しては、特に制限されず、縦型反応器、横 反応器またはタンク型反応器でもよい。攪 翼としてはパドル翼、タービン翼、アンカ 翼、ダブルモーション翼、ヘリカルリボン なども使用可能である。

 反応器における加熱方法としては、当技 分野において通常用いられる方法を使用す ことができ、例えば、反応器外周部に熱媒 ジャケットを設置し、反応器壁面を通して 熱により反応液を加熱する方法、または攪 翼の回転軸内部に熱媒を通して、伝熱によ 加熱する方法等、様々な方法があり、これ を単独で使用しても組み合わせて使用して よい。

 縮合反応によって得られた乳酸オリゴマ は、一度バッファタンクとしての乳酸オリ マー供給装置等に蓄積してから解重合装置 輸送してもよいし、解重合装置に直接輸送 てもよい。解重合反応を連続的に実施する 合は、乳酸オリゴマーを乳酸オリゴマー供 装置に蓄積してから解重合装置に連続的に 送することが好ましい。

 一実施形態において本発明は、上記の方 によりラクチドを製造し、得られたラクチ を開環重合することを含む、ポリ乳酸の製 方法に関する。

 開環重合装置において、不活性ガス雰囲 下、通常120~250℃、好ましくは120~200℃で加 することによりラクチドの開環重合反応を 施する。当該開環重合反応によりポリ乳酸 生成する。開環重合反応によって得られる リ乳酸の分子量は、重量平均分子量で、通 10万~50万、好ましくは20~30万である。

 開環重合装置は、少なくとも反応器、ラ チド供給口およびポリ乳酸排出口を有する また、通常温度計も設置される。反応器と ては特に制限されず、縦型反応器、横型反 器またはタンク型反応器を用いることがで 、2つ以上の反応器が直列に接続されていて も構わない。攪拌翼としてはパドル翼、ター ビン翼、アンカー翼、ダブルモーション翼、 ヘリカルリボン翼などを使用することができ る。

 反応器における加熱方法としては、当技 分野において通常用いられる方法を使用す ことができ、例えば、反応器外周部に熱媒 ジャケットを設置し、反応器壁面を通して 熱により反応液を加熱する方法、または反 器内部の伝熱管(コイル)を通して伝熱によ 加熱する方法等があり、これらを単独で使 しても組み合わせて使用してもよい。

 開環重合反応の触媒としては、必要に応 て解重合反応のための触媒と同じものを用 てもよい。触媒としては、従来公知のもの 使用することができ、例えば、周期律表IA 、IIIA族、IVA族、IIB族およびVA族からなる群 ら選択される金属または金属化合物からな 触媒を使用できる。

 IA族に属するものとしては、例えば、ア カリ金属の水酸化物(例えば、水酸化ナトリ ム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等)、 アルカリ金属と弱酸の塩(例えば、乳酸ナト ウム、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、 クチル酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリ ム、乳酸カリウム、酢酸カリウム、炭酸カ ウム、オクチル酸カリウム等)、アルカリ金 のアルコキシド(例えば、ナトリウムメトキ シド、カリウムメトキシド、ナトリウムエト キシド、カリウムエトキシド等)等を挙げる とができる。

 IIIA族に属するものとしては、例えば、ア ルミニウムエトキシド、アルミニウムイソプ ロポキシド、アルミナ、塩化アルミニウム等 を挙げることができる。

 IVA族に属するものとしては、例えば、有 スズ系の触媒(例えば、乳酸スズ、酒石酸ス ズ、ジカプリル酸スズ、ジステアリン酸スズ 、ジオレイン酸スズ、α-ナフトエ酸スズ、β ナフトエ酸スズ、オクチル酸スズ等)の他、 粉末スズ、酸化スズ、ハロゲン化スズ等を挙 げることができる。

 IIB族に属するものとしては、例えば、亜 粉末、ハロゲン化亜鉛、酸化亜鉛、有機亜 系化合物を挙げることができる。

 IVB族に属するものとしては、例えば、テ ラプロピルチタネート等のチタン系化合物 ジルコニウムイソプロポキシド等のジルコ ウム系化合物等を挙げることができる。

 これらの中でも、オクチル酸スズ等のス 系化合物または三酸化アンチモン等のアン モン系化合物を使用するのが好ましい。

 これら触媒の使用量は、ラクチドに対し 1~2000ppm、好ましくは5~1500ppm、より好ましく 10~1000ppm程度である。

 開環重合反応においては、分子量の調整 を目的として、必要に応じて開環重合反応 ための重合開始剤を添加してもよい。重合 始剤としては1-ドデカノール等のアルコー 類のように水酸基を有する物質を用いるこ ができる。

 本発明のラクチド製造装置およびポリ乳 製造装置は、当技術分野で慣用の構成とす ことができ、当業者であればその他必要な 置を適宜組み合わせることができる。従っ 、本発明のラクチド製造装置は、上述の解 合装置、触媒再生装置、蒸留塔、液送ポン および乳酸縮合装置の他にも、乳酸供給装 、乳酸濃縮装置、濃縮乳酸バッファタンク オリゴマーバッファタンク、蒸留塔下段お びラクチド精製装置などを有しうる。

 図1に本発明のラクチド製造装置を含むポ リ乳酸製造装置の一実施形態を示す。当該装 置は反応経路上流側から、乳酸供給装置1、 送ポンプ2、乳酸濃縮装置3、液送ポンプ4、 縮乳酸バッファタンク5、液送ポンプ6、乳酸 縮合装置7、液送ポンプ8、オリゴマーバッフ タンク9、液送ポンプ10、解重合装置11、蒸 塔12、蒸留塔下段13、液送ポンプ14、ラクチ 精製装置15、液送ポンプ16、開環重合装置17 順番で配置され、解重合装置11の残渣排出口 から触媒再生装置27、蒸留塔28、蒸留塔下段29 の順番で配置されて成る。

 図1に示されるポリ乳酸製造装置は、乳酸 濃縮装置において乳酸中に含まれる水分を蒸 発させて濃縮乳酸とし、乳酸縮合装置におい て濃縮乳酸を縮合して乳酸オリゴマーを生成 させ、得られた乳酸オリゴマーを解重合装置 において減圧下で解重合させることによりラ クチドを生成させた後、精製したラクチドを 開環重合させポリ乳酸を製造するものである 。

 乳酸は乳酸供給装置1から供給され、乳酸 濃縮装置3において水分を除去され濃縮乳酸 なる。濃縮乳酸は濃縮乳酸バッファタンク5 経て乳酸縮合装置7に供給され、縮合反応に より乳酸オリゴマーとなる。乳酸オリゴマー はオリゴマーバッファタンク9を経て解重合 置11に送られ、解重合反応によりラクチドと なり、蒸留塔12でオリゴマーと分離された後 留塔下段13で凝縮・回収される。ラクチド 製装置15から排出されたラクチドは開環重合 装置17に移送される。開環重合装置17におい 、不活性ガス雰囲気下、ラクチドの開環重 反応が行われ、ポリ乳酸が製造される。解 合装置11から排出された残渣は触媒再生装置 27へ移送される。触媒再生装置27から排出さ たラクチドは蒸留塔28、蒸留塔下段29を経て 環重合装置17に移送される。

 以下、図1に示す実施形態についてより詳 細に説明する。

 乳酸濃縮装置3では、加熱により乳酸に含 まれる水分を蒸発させる。加熱は窒素ガス流 通下、120~150℃で行う。乳酸濃縮反応では水 および乳酸が気体として発生する。これら 気体は還流器18に入り、乳酸が気体から除去 され、乳酸濃縮装置3に還流される。

 乳酸濃縮装置3で製造された濃縮乳酸は濃 縮乳酸バッファタンク5を経て乳酸縮合装置7 送られる。

 乳酸縮合装置7では乳酸の縮合反応を進め 、これに伴い発生する水分を蒸発させる。反 応は10torr以下まで減圧し、120~250℃の温度で う。乳酸縮合反応では水分、乳酸、低分子 乳酸オリゴマーおよびその分解で発生する クチドが気体として発生する。これらは乳 縮合装置7から減圧装置23に向かって移動す 。これらの気体は還流器21に入り、乳酸、低 分子量乳酸オリゴマー、ラクチドが気体から 除去され、乳酸縮合装置7に還流される。

 乳酸縮合装置7で生成した乳酸オリゴマー は解重合装置11へ送られる。

 解重合装置11ではオリゴマーの解重合反 を進める。反応は10torr以下まで減圧し、120~2 50℃の温度で、乳酸オリゴマーを解重合触媒 接触させて行う。この反応により生成した 体ラクチドは蒸留塔12に送られる。

 蒸留塔12では気体ラクチドを冷却するこ でラクチドに含まれる乳酸オリゴマー等の 純物を液化し、気体であるラクチドは蒸留 下段13に送られる。ラクチドと分離された乳 酸オリゴマーは解重合反応によって分子量が 小さくなっているものが多い。ラクチドの収 率を向上させるためにはこのような低分子量 乳酸オリゴマーを再度縮合させて利用するこ とが望ましいので、これを乳酸縮合装置7に 流する。

 気体ラクチドは蒸留塔下段13において冷 ・凝縮された後ラクチド精製装置15に送られ る。ラクチドと分離された水蒸気を多く含む 気体は凝縮器24に入り、乳酸、低分子量乳酸 リゴマー、ラクチドが気体から除去され、 留塔下段13に還流される。

 凝縮器24において凝縮されなかった蒸気 不純物冷却器25に入り、ここで凝縮・液化さ れる。液化された不純物は通常廃棄される場 合が多い。不純物冷却器25で凝縮されなかっ ガスは減圧装置26を経て、系外に放出され 。

 ラクチド精製装置15から排出されたラク ドは開環重合装置17に移送される。開環重合 装置17ではラクチドの開環重合反応を進める 反応は10torr以下まで減圧し、120~250℃の温度 で、ラクチドを開環重合触媒および重合開始 剤に接触させて行う。

 触媒再生装置27では解重合装置11から排出 される残渣の分子量を低下させるため、解重 合反応を進める。反応は10torr以下まで減圧し 、120~250℃の温度で行う。残渣にはすでに解 合触媒が含まれているため、上記環境下に くことで解重合反応が進行する。この反応 より生成した気体ラクチドは蒸留塔28に送ら れ、触媒を含む残渣は解重合装置11に還流さ るが、不純物が多く含まれている等解重合 応に寄与しないと判断される場合は廃棄し もよい。

 次に図3に示す実施形態について説明する 。

 乳酸濃縮装置3では、加熱により乳酸に含 まれる水分を蒸発させる。加熱は窒素ガス流 通下、120~150℃で行う。

 乳酸濃縮反応では水分、乳酸が気体とし 発生する。これらの気体は還流器18に入り 乳酸が気体から除去され、乳酸濃縮装置3に 流される。

 乳酸濃縮装置3で製造された濃縮乳酸は濃 縮乳酸バッファタンク5を経て乳酸縮合装置7 送られる。

 乳酸縮合装置7では乳酸の縮合反応を進め 、これに伴い発生する水分を蒸発させる。反 応は10torr以下まで減圧し、120~250℃の温度で う。乳酸縮合反応では水分、乳酸、低分子 乳酸オリゴマーおよびその分解で発生する クチドが気体として発生する。これらは乳 縮合装置7から減圧装置23に向かって移動す 。これらの気体は還流器21に入り、乳酸、低 分子量乳酸オリゴマー、ラクチドが気体から 除去され、乳酸縮合装置7に還流される。

 乳酸縮合装置7で生成したオリゴマーは解 重合装置11へ送られる。

 解重合装置11ではオリゴマーの解重合反 を進める。反応は10torr以下まで減圧し、120~2 50℃の温度で、乳酸オリゴマーを解重合触媒 接触させて行う。この反応により生成した 体ラクチドは蒸留塔12に送られる。

 蒸留塔12では気体ラクチドを冷却するこ でラクチドに含まれる乳酸オリゴマー等の 純物を液化し、気体であるラクチドは蒸留 下段13に送られる。ラクチドと分離された乳 酸オリゴマーは解重合反応によって分子量が 小さくなっているものが多い。ラクチドの収 率を向上させるためには分子量の小さいオリ ゴマーを再度縮合させて利用することが望ま しいので、ラクチドと分離された低分子量オ リゴマーは乳酸縮合装置7に還流される。

 気体ラクチドは蒸留塔下段13において冷 ・凝縮された後ラクチド精製装置15に送られ る。ラクチドと分離された水蒸気を多く含む 気体は凝縮器24に入り、乳酸、低分子量乳酸 リゴマー、ラクチドが気体から除去され、 留塔下段13に還流される。

 凝縮器24において凝縮されなかった蒸気 不純物冷却器25に入り、ここで凝縮・液化さ れる。液化された不純物は通常廃棄される場 合が多い。不純物冷却器25で凝縮されなかっ ガスは減圧装置26を経て、系外に放出され 。

 ラクチド精製装置15から排出されたラク ドは開環重合装置17に移送される。

開環重合装置17ではラクチドの開環重合反 を進める。反応は10torr以下まで減圧し、120~ 250℃の温度で、ラクチドを開環重合触媒およ び重合開始剤に接触させて行う。

 触媒再生装置27では解重合装置11から排出 される残渣の分子量を低下させるため、解重 合反応を進める。反応は10torr以下まで減圧し 、120~250℃の温度で行う。残渣にはすでに解 合触媒が含まれているため、上記環境下に くことで解重合反応が進行する。この反応 より生成した気体ラクチドは蒸留塔28に送ら れ、触媒を含む残渣は触媒再生装置34に送ら るが、不純物が多く含まれている等解重合 応に寄与しないと判断される場合は廃棄し もよい。

 触媒再生装置34では触媒再生装置27から排 出される残渣の分子量をさらに低下させるた め、解重合反応を進める。反応は10torr以下ま で減圧し、120~250℃の温度で行う。残渣には でに解重合触媒が含まれているため、上記 境下に置くことで解重合反応が進行する。 の反応により生成した気体ラクチドは蒸留 35に送られ、触媒を含む残渣は解重合装置11 しくは触媒再生装置27に送られるが、不純 が多く含まれている等解重合反応に寄与し いと判断される場合は廃棄してもよい。

[実施例1]
 図1に示すポリ乳酸製造装置を用いて、ポリ 乳酸の製造を行った。原料として、数平均分 子量630の乳酸オリゴマーを解重合装置11に投 した。解重合装置11での反応は、10torr以下 で減圧し、200℃の温度で行った。解重合装 11における乳酸オリゴマーの滞留時間を5時 、液膜厚さ(液深)を5cm、触媒(2-エチルヘキサ ン酸スズ)濃度を0.7kg/m 3 とした。

 触媒再生装置27での反応は、10torr以下ま 減圧し、200℃の温度で行った。

 解重合工程での光学異性体化率の増加は0 .9%であった(ラクチド精製装置15の直前で測定 )。

 ここでオリゴマーの滞留時間は溶融オリ マーの供給流量と解重合装置から排出され 蒸気の凝縮物流量が等しく、液膜厚さが安 化した時の溶融オリゴマー供給流量/オリゴ マー解重合装置11における溶融オリゴマー滞 量で定義した。

 また、得られたラクチドを開環重合反応 付すことにより得られたポリ乳酸は、その 質を表す着色がb値で2.5であり、解重合時に おけるラクチドおよびオリゴマーの熱分解の 影響は小さいと考えられる。開環重合装置17 の反応は、10torr以下まで減圧し、200℃の温 で行った。開環重合における重合開始剤の 度は、700ppmとした。得られたポリ乳酸の重 平均分子量は200000程度であった。

 以上から、本発明では解重合反応が効率 に進み、ラクチドの光学純度低下が少なく 度の高いラクチドが得られることがわかる また、従来廃棄されていた残渣の粘度を低 させ触媒活性を再生させることにより解重 装置への残渣の還流が可能になり、かつ残 からラクチドを生成させることにより収率 向上およびプラントの安定運転が可能とな 。そして、これらの結果として品質の高い リ乳酸が得られることがわかる。

[実施例2]
 図3に示すポリ乳酸製造装置を用いて、ポリ 乳酸の製造を行った。

 原料として、数平均分子量630の乳酸オリゴ ーを解重合装置11に投入した。解重合装置11 での反応は、10torr以下まで減圧し、200℃の温 度で行った。解重合装置11における乳酸オリ マーの滞留時間を5時間、液膜厚さ(液深)を5 cm、触媒(2-エチルヘキサン酸スズ)濃度を0.7kg/ m 3 とした。

 触媒再生装置27での反応は、10torr以下ま 減圧し、200℃の温度で行った。

 解重合工程での光学異性体化率の増加は0 .9%であった(ラクチド精製装置15の直前で測定 )。

 ここでオリゴマーの滞留時間は溶融オリ マーの供給流量と解重合反応器から排出さ る蒸気の凝縮物流量が等しく、液膜厚さが 定化した時の溶融オリゴマー供給流量/オリ ゴマー解重合装置11における溶融オリゴマー 留量で定義した。

 また、得られたラクチドを開環重合反応 付すことにより得られたポリ乳酸の着色はb 値で2.5であり、解重合時におけるラクチドお よびオリゴマーの熱分解の影響は小さいと考 えられる。開環重合装置17での反応は、10torr 下まで減圧し、200℃の温度で行った。開環 合における重合開始剤の濃度は、700ppmとし 。得られたポリ乳酸の重量平均分子量は2000 00程度であった。

 以上から、本発明では解重合反応が効率 に進み、ラクチドの光学純度低下が少なく 度の高いラクチドが得られることがわかる また、従来廃棄されていた残渣の粘度を低 させ触媒活性を再生させることにより解重 装置への残渣の還流が可能になり、かつ残 からラクチドを生成させることにより収率 向上およびプラントの安定運転が可能とな 。そして、これらの結果として品質の高い リ乳酸が得られることがわかる。

[比較例]
 実施例1および2と同じ数平均分子量630の乳 オリゴマーを用いて、触媒再生装置を有し い従来の装置でバッチ方式による解重合を った。解重合時間10時間、初期液面高さ80cm 初期触媒濃度5kg/m 3 の条件で解重合反応を実施した。解重合反応 は、10torr以下まで減圧し、200℃の温度で行っ た。その結果、生成したラクチドについて、 解重合工程での光学異性体化率の増加は9%で った。

 得られたラクチドを開環重合反応に付す とにより得られたポリ乳酸の着色はb値で4.4 であった。開環重合装置での反応は、10torr以 下まで減圧し、200℃の温度で行った。開環重 合における重合開始剤の濃度は、700ppmとした 。

 これらの結果から、触媒再生装置を有し い態様では、解重合反応が効率的に進まず 乳酸オリゴマーの異性化反応が生じやすい と、乳酸オリゴマーの熱分解で不純物が生 し、結果としてポリ乳酸の品質が低下する とがわかる。

 本明細書中で引用した全ての刊行物、特 および特許出願をそのまま参考として本明 書中にとり入れるものとする。

 本発明によれば、触媒再生装置を用いて 重合装置から排出される残渣の粘度を低下 せることにより触媒の活性を回復させ、残 からラクチドを回収するとともに、場合に りこれを解重合装置に還流させることがで るため、高い原料収率で、かつ安定してポ 乳酸を製造することができる。




 
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