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Title:
APPARATUS AND METHOD FOR MANUFACTURING GYPSUM BOARD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/149624
Kind Code:
A1
Abstract:
A gypsum board forming device (10) constituting a gypsum board manufacturing apparatus forms a laminate of a lower sheet (1), an upper sheet (2) and a gypsum slurry (6) passing through a forming gate (40) into a plate shape by upper and lower plates (20, 30). The upper plate (20) is constituted of a fixed base plate (21) and a movable plate (22). The movable plate comes into face contact with the upper sheet of the laminate. Lifting drive devices (50) are supported on the fixed base plate. The lifting drive devices locally exert a vertical load (P) on the movable plate to locally deform the movable plate. A gate dimension (T) locally changes due to the displacement of the movable plate relative to the fixed base plate.

Inventors:
OKAZAKI SHOICHI (JP)
HATANAKA TAKUMI (JP)
HAYASE KEN (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/058224
Publication Date:
December 11, 2008
Filing Date:
April 29, 2008
Export Citation:
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Assignee:
YOSHINO GYPSUM CO (JP)
OKAZAKI SHOICHI (JP)
HATANAKA TAKUMI (JP)
HAYASE KEN (JP)
International Classes:
B28B1/30
Foreign References:
JPS59133052A1984-07-31
JP2000071218A2000-03-07
JP2002086424A2002-03-26
JPS62162004U1987-10-15
JP2005279939A2005-10-13
JP2005034748A2005-02-10
JP2001212815A2001-08-07
JPH0218239A1990-01-22
JP2000071218A2000-03-07
Other References:
See also references of EP 2156931A4
Attorney, Agent or Firm:
SHIMAZOE, Yoshihiko (2-17 Sotokanda 2-chom, Chiyoda-ku Tokyo 21, JP)
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Claims:
 上紙及び下紙の搬送方向と交差する方向に延びる上側プレート及び下側プレートによって形成された成形ゲートを有し、石膏スラリーを前記上紙及び下紙の間に連続的に挟んで成る積層体を前記成形ゲートに通して該積層体を板状に成形する石膏ボード製造装置において、
 前記上側プレートは、固定基板と可動板とから構成され、前記可動板は、前記固定基板の下側に該固定基板と実質的に平行に配置され、前記積層体の上紙に面接触し、
 上下方向の荷重を前記可動板に局所的に加えて該可動板を局所的に撓み変形させる複数の昇降駆動装置を更に有し、該昇降駆動装置は、前記固定基板に支持されることを特徴とする石膏ボード製造装置。
 前記固定基板には、前記昇降駆動装置の駆動部が貫通する開口部が形成され、前記駆動部は、前記開口部の直下において前記可動板に一体的に連結され、前記荷重を前記可動板に伝達することを特徴とする請求項1に記載の石膏ボード製造装置。
 前記可動板の上面には、前記積層体の搬送方向に延びる帯状の連結部材が固定され、前記昇降駆動装置の駆動部は、前記連結部材を介して前記可動板に連結されることを特徴とする請求項1又は2に記載の石膏ボード製造装置。
 前記昇降駆動装置を前記固定基板に支持するための架台が該固定基板に固定されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の石膏ボード製造装置。
 前記可動板の局所部の上下変位を検出する変位検出手段(90)と、該変位検出手段の検出結果が入力される制御装置とを有し、前記制御装置は、昇降駆動装置の作動を制御する作動制御手段(92)と、変位検出手段の検出結果を表示する表示手段(98)とを有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の石膏ボード製造装置。
 前記制御装置は、前記石膏ボードの品種及び板厚と関連した前記可動板の局所部の位置及び/又は荷重を記憶する記憶手段(94)を有することを特徴とする請求項5に記載の石膏ボード製造装置。
 前記制御装置は、前記石膏ボードの品種及び板厚の手動設定に基づいて前記可動板の局所部の位置及び/又は荷重の制御目標値を設定し、該制御目標値に基づいて前記昇降駆動装置を制御することを特徴とする請求項6に記載の石膏ボード製造装置。
 前記可動板の下面は水平であり、前記昇降駆動装置の駆動部の駆動軸線は鉛直に配向され、前記荷重は、鉛直荷重であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の石膏ボード製造装置。
 前記昇降駆動装置の駆動部の駆動軸線は、鉛直線に対して所定角度をなして傾斜し、前記荷重は、鉛直線に対して所定角度をなして傾斜した方向に前記可動板に作用することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の石膏ボード製造装置。
 前記可動板の下面は、水平面に対して所定角度をなして傾斜することを特徴とする請求項9に記載の石膏ボード製造装置。
  上紙及び下紙の搬送方向と交差する方向に延びる上側プレート及び下側プレートによって成形ゲートを形成し、石膏スラリーを前記上紙及び下紙の間に連続的に挟んで成る積層体を前記成形ゲートに通して該積層体を板状に成形する石膏ボード製造方法において、 
 前記積層体の搬送方向と交差する方向に延びる固定基板と、該固定基板の下側に固定基板と実質的に平行に配置され、前記積層体に面接触する可動板とによって前記上側プレートを構成し、
 前記固定基板によって支持した複数の昇降駆動装置によって上下方向の荷重を前記可動板に局所的に加えて該可動板を局所的に撓み変形させ、前記固定基板に対する前記可動板の相対変位によって前記ゲート寸法を局所的に変化させることを特徴とする石膏ボード製造方法。
 前記昇降駆動装置の反力を前記固定基板によって支持することを特徴とする請求項11に記載の石膏ボード製造方法。
 前記昇降駆動装置の駆動部の変位及び/又は荷重を検出し、該駆動軸の変位を制御装置の表示部(98)に表示するとともに、前記駆動軸の位置及び/又は荷重を前記制御装置の記憶部(94)に記憶することを特徴とする請求項11又は12に記載の石膏ボード製造方法。
 石膏ボードの品種及び板厚に適した各々の駆動部の位置及び/又は荷重を制御装置の記憶部に予め記憶し、石膏ボードの品種及び寸法の設定に基づいて前記昇降駆動装置を自動制御することを特徴とする請求項13に記載の石膏ボード製造方法。
 前記荷重は、鉛直荷重であることを特徴とする請求項11乃至14のいずれか1項に記載の石膏ボード製造方法。
 前記荷重は、鉛直線に対して所定角度をなして傾斜した方向に前記可動板に加えられることを特徴とする請求項11乃至14のいずれか1項に記載の石膏ボード製造方法。
Description:
石膏ボード製造装置及び石膏ボ ド製造方法

 本発明は、石膏ボード製造装置及び石膏 ード製造方法(Apparatus and Method of Producing  Gypsum Boards)に関するものであり、より詳細に は、上下のプレート間に形成された成形ゲー トの寸法・形状の調整性能、精度及び制御性 を向上して石膏ボードの品質及び生産性を改 善する石膏ボード製造装置及び石膏ボード製 造方法に関するものである。

 建築物の内装材料として、石膏系芯材を 面カバーシートによって被覆してなる石膏 ードが知られている。表面カバーシートと て、石膏ボード用原紙やガラス繊維マット 或いは、この種の原紙又はマットに各種印 や有機樹脂コーティング又は金属ラミネー を更に施してなるシート等が挙げられる。 膏ボードは、石膏ボード製造装置によって 産され、我が国の建材市場に広く流通して る。一般に、石膏ボードを製造する石膏ボ ド製造装置は、第1のカバーシートを構成す る石膏ボード原紙(下紙)を連続的に搬送する 送装置、石膏ボード原紙(下紙)の両側の縁 分にスコアを刻設するスコーリング装置、 膏スラリーを調製する混合攪拌機(ミキサー) 、石膏ボード原紙を折り曲げてエッジ部を形 成する折り曲げ装置、第2のカバーシートを 成する石膏ボード原紙(上紙)を石膏スラリー 上に積層する上紙積層装置、上紙、下紙及び 石膏スラリーの積層体を板状に成形する成形 装置、板状且つ帯状の成形体を所定のボード 長に粗切断する粗切断装置、余剰水を含む粗 切断後の板体を強制乾燥させる乾燥機、各板 体を製品寸法に裁断して搬出する搬出装置等 を備える。

 石膏ボード製造装置を構成する成形装置 して、上下のプレートによって形成された 形ゲートに積層体を通し、成形ゲートを通 する積層体の板厚を上下のプレートによっ 調整又は規制するように構成された成形装 が知られている(特公平2-18239号公報、特開20 00-71218号公報)。

 この種の成形装置においては、上下のプレ トは、上紙、下紙及び石膏スラリーの積層 の形状及び板厚を安定させるために、極め 高い成形圧力で積層体に面接触する。従っ 、上下のプレートは、成形時に作用する極 て大きな成形荷重に耐え、しかも、予め設 されたゲート寸法を維持しなければならな 。このため、厚い板厚を有する高剛性の金 板が上下のプレートとして使用されている  

特公平2-18239号公報

特開2000-71218号公報

 混合攪拌機のスラリー吐出口から石膏ボ ド原紙(下紙)上に流出した石膏スラリーは 石膏ボード製造装置に設置された混合攪拌 固有の装置特性や、スラリー性状及び運転 件の影響等により、必ずしも完全に均一な 布及び方向性を有するとは限らない。また 石膏ボード原紙は、全幅に亘って一定の吸 特性を有するとは限らず、石膏ボードの各 の厚さも、スラリー硬化過程における体積 動等の影響で僅かに変動する性質がある。

 このような事情により、石膏ボードの各 の板厚は、石膏ボードの製造過程における 確定な要因により変動する。このため、上 プレート間のゲート寸法を幅方向に均一化 ると、石膏ボード製品の板厚は、却って均 化し難く、その結果、石膏ボード表面の平 性等も損なわれる傾向がある。このため、 膏ボード製品の板厚を均一化し、或いは、 膏ボード表面の平滑性を確保するには、石 ボード製品(最終製品)の板厚及び平滑性を め想定してゲート寸法を幅方向に変化させ 必要がある。

 しかし、成形ゲートを形成するプレート 、厚い高剛性の金属板からなるので、プレ ト全体を大きな曲率に湾曲させることは可 であったとしても、ゲート寸法を微妙に変 させるようにプレートを局所変形させるこ はできない。最終的な板厚及び平滑性の状 を想定してゲート寸法を機械的に制御する とも、極めて困難である。また、石膏ボー の縁部の成形性を向上することは、石膏ボ ドの品質を向上する上で重要であるが、縁 の成形精度を向上するように成形ゲートの 法・形状を微調整することは、殊に困難で る。現状では、ゲート寸法の調整は、熟練 業員の長年の経験又は勘に基づく人為的な 整作業に依存している。しかし、このよう 方法では、限られた範囲でゲート寸法を調 することができるにすぎず、石膏ボード製 に適した最適な成形ゲートの寸法・形状を 現することは、極めて困難である。

 また、板厚が相違する品種の石膏ボード 製造する場合や、石膏ボードの縁部の厚さ は形状が相違する品種の石膏ボードを製造 る場合、成形ゲートの寸法・形状は、品種 換の都度、再設定又は再調整しなければな ない。このような再設定・再調整作業も又 熟練作業員の経験又は勘に基づく人為的作 に依存することから、比較的長時間に及ぶ 定・調整作業が品種切換時に常に必要とさ る。

 本発明は、このような課題に鑑みてなさ たものであり、その目的とするところは、 下のプレートによって形成された成形ゲー の寸法・形状の調整性能、精度及び制御性 向上し、石膏ボード製品の品質及び生産性 改善することができる石膏ボード製造装置 び石膏ボード製造方法を提供することにあ 。

 上記目的を達成すべく、本発明は、上紙及 下紙の搬送方向と交差する方向に延びる上 プレート及び下側プレートによって形成さ た成形ゲートを有し、石膏スラリーを前記 紙及び下紙の間に連続的に挟んで成る積層 を前記成形ゲートに通して該積層体を板状 成形する石膏ボード製造装置において、
 前記上側プレートは、固定基板と可動板と ら構成され、前記可動板は、前記固定基板 下側に該固定基板と実質的に平行に配置さ 、前記積層体の上紙に面接触し、
 上下方向の荷重を前記可動板に局所的に加 て該可動板を局所的に撓み変形させる複数 昇降駆動装置を更に有し、該昇降駆動装置 、前記固定基板に支持されることを特徴と る石膏ボード製造装置を提供する。

 本発明は又、上紙及び下紙の搬送方向と交 する方向に延びる上側プレート及び下側プ ートによって成形ゲートを形成し、石膏ス リーを前記上紙及び下紙の間に連続的に挟 で成る積層体を前記成形ゲートに通して該 層体を板状に成形する石膏ボード製造方法 おいて、 
 前記積層体の搬送方向と交差する方向に延 る固定基板と、該固定基板の下側に固定基 と実質的に平行に配置され、前記積層体に 接触する可動板とによって前記上側プレー を構成し、
 前記固定基板によって支持した複数の昇降 動装置によって上下方向の荷重を前記可動 に局所的に加えて該可動板を局所的に撓み 形させ、前記固定基板に対する前記可動板 相対変位によって前記ゲート寸法を局所的 変化させることを特徴とする石膏ボード製 方法を提供する。

 本発明の上記構成によれば、成形ゲート 形成する上側プレートは、固定基板及び可 板に分割されるので、固定基板の剛性を高 て成形荷重の反力を固定基板に負担せしめ 一方、可動板の剛性を低下させて上側プレ ト下面の変形能を向上することができる。 定基板に支持された複数の昇降駆動装置は 可動板に局所的鉛直荷重を加え、可動板を 所的に撓み変形させる。高剛性の固定基板 、鉛直荷重の反力を昇降駆動装置の負荷と て確実に支持するので、可動板は、昇降駆 装置の鉛直荷重に応答して変形する。この うな上側プレート及び昇降駆動装置を備え は用いた石膏ボード製造装置及び石膏ボー 製造方法によれば、複数の昇降駆動装置の 動を適切に制御することによって成形ゲー の寸法及び形状を微妙且つ高精度に変化さ ることができるので、成形ゲートの調整性 、精度及び制御性は向上し、石膏ボード製 の品質及び生産性は改善する。本発明者等 実施した性能試験によれば、本発明を石膏 ード製造ラインに適用した場合、石膏ボー の縁部の面取り不良割合は、1/3以下に低下 、石膏ボードの板厚不良割合は、1/2以下に 下し、この結果、石膏ボード生産の歩留り 大きく改善すると判明した。

 本発明の石膏ボード製造装置及び石膏ボ ド製造方法によれば、上下のプレートによ て形成された成形ゲートの寸法・形状の調 性能、精度及び制御性を向上し、石膏ボー 製品の品質及び生産性を改善することがで る。

石膏ボードの製造工程を部分的且つ概 的に示す石膏ボード製造装置の部分断面図 び部分平面図である。 石膏ボード製造装置を構成する成形装 の構成を示す断面図である。 図2に示す成形装置の平面図である。 成形ゲートを形成する上下のプレート 構造を示す断面図である。 上側プレートの部分平面図である。 プレート及び昇降駆動装置の構造を示 断面図である。 プレート及び昇降駆動装置の構造を示 断面図である。 プレート及び昇降駆動装置の構造を示 平面図である。 操作盤のディスプレイに表示された被 動点のレベルを例示する正面図である。 操作盤のディスプレイに表示された被 駆動点のレベルを例示する正面図である。 操作盤のディスプレイに表示された被 駆動点のレベルを例示する正面図である。

符号の説明

 1 石膏ボード原紙(下紙)
 2 石膏ボード原紙(上紙)
 6 石膏スラリー
10 石膏ボード成形装置
20 プレート(上側プレート)
21 固定基板
22 可動板
30 プレート(下側プレート)
40 成形ゲート
50 昇降駆動装置
 P 荷重
 T ゲート寸法

 本発明において好適に使用可能な昇降駆 装置として、電動モータを駆動源として備 た電動式ジャッキ装置(直線作動機)、或い 、流体圧力(水圧、油圧又は空圧)を駆動源と して用いた流体圧作動型の駆動装置が挙げら れる。昇降駆動装置の駆動部は、好ましくは 、可動板に接続された往復動可能な軸部材又 はロッド状部材からなる。変形例として、ロ ッドレスシリンダ装置等の如く、非ロッド形 の駆動部を備えた昇降駆動装置を使用しても 良い。所望により、昇降駆動装置の作動及び 負荷をコンピュータ等の電子制御装置でダイ レクトディジタル制御しても良い。 

 本発明の好適な実施形態によれば、上記 定基板には、上記昇降駆動装置の駆動部が 通する開口部が形成される。駆動部は、開 部の直下において上記可動板に一体的に連 され、上下方向の荷重を可動板に伝達する このような開口部を固定基板に形成するこ により、固定基板の剛性を実質的に低下さ ずに昇降駆動装置及び可動板を連結するこ ができる。所望により、可動板の上面には 上記積層体の搬送方向に延びる帯状の連結 材が固定される。駆動部は、連結部材を介 て可動板に連結される。帯状の連結部材は 駆動部の鉛直荷重を可動板の奥行全体に均 に伝達するように機能する。

 好ましくは、昇降駆動装置を支持するた の架台が固定基板に固定され、固定基板は 架台を介して昇降駆動装置を支持する。昇 駆動装置の反力は、固定基板によって支持 れる。

 本発明の好適な実施形態においては、可 板の下面は水平であり、駆動部の駆動軸線 鉛直に配向され、荷重は、鉛直荷重である

 本発明の他の好適な実施形態においては 駆動部の駆動軸線は、鉛直線に対して所定 度をなして傾斜し、荷重は、鉛直線に対し 所定角度をなして傾斜した方向に可動板に 用する。可動板は、ゲート寸法が搬送方向 方又は後方に僅かに拡開するように傾斜し 可動板の下面は、水平面に対して所定角度 なして傾斜する。本発明者等の実験によれ 、このように傾斜荷重を可動板に作用させ つ可動板の下面を傾斜させた場合、石膏ボ ドの製造条件と関連して、石膏ボードの板 の均一性や、石膏ボード表面の平滑性を更 向上することができる。

 本発明の好ましい実施形態によれば、可 板の局所部の上下変位を検出する変位検出 段と、変位検出手段の検出結果が入力され 制御装置とが設けられる。制御装置は、昇 駆動装置の作動を制御する作動制御手段と 変位検出手段の検出結果を表示する表示手 とを有する。制御装置は、上記局所部の上 変位を検出し、検出結果を制御装置の表示 に表示する。好ましくは、制御装置は、石 ボードの品種及び板厚と関連した上記局所 の位置及び/又は荷重(位置及び荷重の少な とも一方)を記憶する記憶手段を有する。更 好ましくは、制御装置は、石膏ボードの品 及び板厚の設定に基づいて上記局所部の位 及び/又は荷重の制御目標値を設定し、制御 目標値に基づいて昇降駆動装置を自動制御す る。このような制御装置を設けることにより 、品種切換時の再設定作業又は再調整作業に 要する時間を短縮するとともに、熟練作業員 の経験に大きく依存することなく、石膏ボー ド成形装置を調整することが可能となる。ま た、このような制御装置を用いることにより 、人為的調整作業の個人差を解消し、石膏ボ ード成形装置の調整を標準化し又は画一化す ることが可能となる。

 以下、添付図面を参照して本発明の好適 実施例について詳細に説明する。

  図1は、石膏ボードの製造工程を部分的 つ概略的に示す石膏ボード製造装置の部分 面図及び部分平面図である。

 石膏ボード用原紙の下紙1が、石膏ボード 製造装置の生産ライン上を搬送される。混合 攪拌機(ミキサー)3が、下紙搬送ラインの上方 に配置される。焼石膏、接着助剤、硬化促進 剤、添加剤、混和材等の粉体原料、泡及び液 体原料(水)が混合攪拌機3に供給される。混合 攪拌機3は、これらの原料を混練し、管路4(4a 4b、4c)を介してスラリー(焼石膏スラリー)6 下紙1上に吐出する。管路4aは、下紙1の幅方 中央領域にスラリー6を吐出し、管路4b、4c 、下紙1の両側の縁部分(エッジ領域)にスラ ー6を夫々吐出する。

 下紙1は、スラリー6とともに搬送ライン を走行し、下紙1の両側の縁部分は、ガイド 材5によって上側に折り曲げられる。石膏ボ ード用原紙の上紙2が、供給ローラ7を介して ラリー6上に給紙される。下紙1、スラリー6 び上紙2は、上下の定盤8によって積層され 3層構造の連続積層体として、石膏ボード成 装置10を通過する。

 成形装置10は、上下の水平プレート20、30 備える。下側のプレート30は、下紙1を水平 搬送するように石膏ボード製造装置の機枠M に水平に固定される。上側のプレート20は、 レート30の上方に間隔を隔てて配置され、 降駆動装置50(仮想線で示す)がプレート20に 結される。プレート20のレベルは、昇降駆動 装置50によって微調整され、プレート20、30の 間に形成される成形ゲート40の高さ寸法(ゲー ト寸法)Tは、下紙1、スラリー6及び上紙2の積 体に適切な成形圧力が作用するように厳密 管理される。図1(B)に示すように、プレート 20、30は、下紙1及び上紙2の搬送方向と直交す る方向に延びる。積層体は、成形ゲート40を 過し、所望の板厚を有する連続帯状の板体 成形される。

 成形装置10を通過した積層体は、後続工 に向かって生産ライン上を走行し、スラリ 6の硬化反応が走行中に進行する。粗切断ロ ラ9、9は、スラリー硬化反応が進行した連 帯状の積層体を粗切断する。粗切断後の板 は、乾燥機(図示せず)の強制乾燥工程を経た 後、裁断装置(図示せず)によって製品寸法に 断され、製品出荷ラインに搬出される。

 図2及び図3は、成形装置10の全体構成を示 す断面図及び平面図である。図4は、プレー 20、30の断面図であり、図5は、プレート20の 分平面図である。

 成形装置10の上側プレート20は、図2に示 ように水平固定基板21と水平可動板22とに分 される。固定基板21は、成形荷重によって み変形が生じない高剛性の金属板からなる 可動板22は、鉛直荷重によって撓み変形し易 い比較的低剛性の金属板からなる。例えば、 固定基板21は、25mm以上の板厚を有し、可動板 22は、15mm以下の板厚を有する。

 下側プレート30の上面は、可動板22の下面 から間隔(ゲート寸法)Tを隔てて水平に配置さ れ、成形ゲート40が、可動板21の下面と下側 レート30の上面とによって形成される。

 固定基板21は、石膏ボード製造装置を横 する垂直な支持板16に固定される。支持板16 両端部は、左右一対の垂直支柱17によって 平横架材18に懸吊される。横架材18は、中央 吊部材19(仮想線で示す)によって石膏ボード 製造装置の上部フレーム(図示せず)に支持さ る。変形例として、支持板16の両端部を石 ボード製造装置の下部フレーム(機枠M)によ て支承しても良い。なお、図2には、支持板1 6の両端部のみが実線で示されており、支持 16の中央部分は、仮想線で示されている。

 成形装置10は、複数の昇降駆動装置50を有 する。固定基板21上には、各昇降駆動装置50 支持する架台11が配置される。架台11は、左 一対の垂直支柱13と、垂直支柱13の頂部に連 接した水平な支持板12とからなる。支柱13の 脚部は、固定基板21に固定される。

 昇降駆動装置50は、石膏ボード製造装置 幅方向に所定間隔を隔てて配置される。各 の昇降駆動装置50は、支持板12に固定したジ ッキ装置(直線作動機)60と、ジャッキ装置60 接続した減速機70と、減速機70に接続した電 動モータ80とから構成される。電動モータ80 、昇降駆動装置50の駆動源を構成する。

 図6、図7及び図8は、プレート20、30及び昇 降駆動装置50の構造を示す断面図及び平面図 ある。

 ジャッキ装置60は、支持板12の上面に固定 されたギアケース本体62と、ギアケース本体6 2から垂下する垂直駆動軸61と、駆動軸61の垂 位置を手動操作可能な手動操作ハンドル63 を備える。駆動軸61は、ギアケース本体62内 動力変換ギア機構(図示せず)を介して水平 力軸64に作動的に連結される。入力軸64は、 速機70の水平出力軸71に同心状に連結される 。出力軸71は、減速機70内の変速ギア機構(図 せず)を介して電動モータ80の垂直出力軸(回 転駆動軸)81に作動的に連結される。

 駆動軸61の上部は、ボールナット等を収 したギアケース上部65内に延び、駆動軸61の 部は、支持板12の開口部14を貫通して垂直下 方に延びる。固定基板21には、駆動軸61の下 部が貫通可能な開口部24が形成される。駆動 軸61は、開口部24を垂直に貫通する。可動板22 上に植設されたスタッドボルト26が、駆動軸6 1の下端に形成された内螺子に螺入する。駆 軸61及び可動板22は、スタッドボルト26によ て一体的に連結される。変形例として、駆 軸61の下端部を可動板22に溶接しても良い。 の変形例として、水平且つ帯状の連結部材 可動板22の上面に固定し、駆動軸61の下端部 を連結部材に螺子連結、ボルト接合又は溶接 しても良い。この場合、駆動軸61は、連結部 を介して可動板22に接合される。 

 減速機70は、電動モータ80のトルクを増大 し、ジャッキ装置60は、出力軸71の回転運動 駆動軸61の垂直運動に変換する。図6に示す うに、可動板22には、駆動軸61の鉛直荷重Pが 作用する。鉛直荷重Pは、駆動軸61の直下に位 置する可動板21の被駆動点(局所部)25を垂直変 位させる。支柱13の柱脚部には、鉛直荷重Pの 反力Rが作用する。反力Rは、固定基板21によ て支持される。

 固定基板21の下面と可動板22の上面とは、 鉛直方向に間隔Sを隔てて離間し、下側プレ ト20の上面と可動板22の下面とは、鉛直方向 間隔(ゲート寸法)Tを隔てて離間する。図7に 示す如く、受入れ側に位置する可動板22の縁 下面には、積層体を円滑に受入れるように ーパ28が付けられる。

 図4(A)及び図4(B)に示すように、駆動軸61が 垂直下方に変位すると、可動板22は、駆動軸6 1に押圧され、局所的に下方に撓み、この結 、間隔(ゲート寸法)Tは減少する。逆に、駆 軸61が垂直上方に変位すると、可動板22に作 する荷重の変化に相応して可動板22の撓み 復元し又は上方の撓み変形が発生し、間隔( ート寸法)Tは増大する。

 図6に示す如く、間隔(ゲート寸法)Tの変化 を検出するための距離センサ90が支柱13に取 けられる。距離センサ90は、水平ブラケット 91によって支柱13に固定される。被検知板66が 、距離センサ90の検出部と対向するように駆 軸61に水平に固定される。

 距離センサ90は、検出部と被検知板66との 間の距離Vを検出する。距離センサ90の検出値 (距離V)は、信号線L1を介して制御ユニット92 入力される。制御ユニット92の制御部93は、 駆動点25の位置を示す指標として距離セン 90の検出値(距離V)を認識し、制御ユニット92 記憶部94は、距離センサ90の検出値を記憶す る。制御ユニット92の電源部95は、AC電源に接 続される。制御ユニット92の駆動部96は、給 線L2を介して各昇降駆動装置50の電動モータ8 0に駆動電力を供給するとともに、電動モー 80の作動を制御する。制御ユニット92は、制 信号線L3を介して操作盤97に接続される。操 作盤97は、距離センサ90によって検出された 駆動点25のレベル(高さ)をディスプレイ98に 示する。操作盤97は又、各昇降駆動装置50に ける被駆動点25の目標レベル(目標高さ)を手 動設定するための操作部99を備える。制御ユ ット92及び操作盤97を含む制御系は、成形装 置10の制御装置を構成する。

 次に、成形装置10の作動について説明す 。

 下紙1、スラリー6及び上紙2の積層体は、図1 に示す如く、成形装置10の成形ゲート40によ て板厚を規制される。しかしながら、全幅 亘って均一な厚さを有する石膏ボード製品( 終製品)を得るには、必ずしも成形ゲート40 寸法Tを全幅に亘って均一な寸法に設定する ことが望ましいとは限らない。これは、次の 理由に依ると考えられる。
(1)混合攪拌機3の固有の装置特性や、運転条 の相違等により、各管路4a、4b、4cから下紙1 に流出するスラリー6が必ずしも均一な分布 及び方向性を有するとは限らない。
(2)下紙1及び上紙2が全幅に亘って必ずしも一 の吸水特性を有するとは限らない。
(3)石膏ボードの縁部分及び中央部分が後続の 硬化乾燥過程で異なる硬化乾燥特性を示す。
 従って、石膏ボード製品(最終製品)の厚さ 布を均一化するには、逆にゲート寸法Tを幅 向に微妙に変化させ、石膏ボード製品の厚 分布を最終的に均一化するようにゲート寸 Tを意図的に不均一に設定することが望まし い。

 また、縁部の厚さを意図的に薄く成形す き品種の石膏ボードを製造する場合がある この場合、石膏ボードの厚さを幅方向に変 させ、或いは、石膏ボードの一部を部分的 薄い板厚に成形する必要が生じる。このよ な場合にも又、ゲート寸法Tを意図的に不均 一に設定する必要が生じる。

 図9~図11には、操作盤97のディスプレイ98 表示された被駆動点25のレベルが例示されて いる。本実施例では、成形装置10は7台の昇降 駆動装置50を備えるので、7台の距離センサ90 検出結果が、7箇所の被駆動点25のレベルと てディスプレイ98に表示される。図9に示す 期状態では、全ての被駆動点25(No.1~No.7)が基 準レベル(0.00)に位置し、ゲート寸法Tは、全 に亘って均一に設定されている。

 操作部99のマニュアル操作により、各々 被駆動点25の目標レベルを夫々設定すると、 制御ユニット92は、各昇降駆動装置50の電動 ータ80を駆動し、駆動軸61を垂直変位させる 例えば、ゲート寸法Tを縮小すべく被駆動点 25の目標レベルを低下させると、駆動軸61は 図4(B)に示すように、可動板22の被駆動点25( 6)を鉛直下方に変位させ、被駆動点25の部分 ゲート寸法Tを局部的に減少させる。逆に、 ゲート寸法Tを増大すべく被駆動点25の目標レ ベルを上昇させると、駆動軸61は、可動板22 被駆動点25を鉛直上方に変位させ、被駆動点 25の部分においてゲート寸法Tを局部的に増大 する。この結果、ディスプレイ98に表示され No.1~No.7の被駆動点25のレベルは、例えば、 10に示すように変化する。撓み変形し易い低 剛性の金属板からなる可動板22は、全体的に 物線状に湾曲する。可動板22は、このよう 単純な湾曲形状のみならず、例えば、図11に 示すように局部的に反転する波形形態等の任 意の湾曲形状に変形することができる。所望 により、ハンドル63を手動操作して駆動軸61 位置を調整し、被駆動点25のレベルを手動操 作で微調節しても良い。

 制御ユニット92(図6)は又、ゲート寸法Tを 去データに基づいて簡易に設定する機能を える。制御ユニット92の記憶部94は、石膏ボ ードの品種及び板厚に対する最適なゲート寸 法Tのデータを製造パターンとして記憶し、 作部99は、特定の石膏ボードの品種及び板厚 を選択する手段を有する。制御ユニット92の 御部93は、操作部99によって石膏ボードの品 種及び板厚が選択されると、記憶部94に記憶 れた過去の製造パターンを読出し、品種及 板厚に相応したゲート寸法Tの最適値を目標 値として設定し、各昇降駆動装置50を自動制 する。

 前述の実施例においては、可動板22の下 は水平であり、駆動軸61の軸線は鉛直に配向 され、荷重Pは、鉛直荷重である。しかしな ら、石膏ボードの製造条件によっては、荷 Pを傾斜荷重として斜め方向に可動板22に作 させるとともに、可動板22の下面を傾斜させ 、これにより、石膏ボードの板厚の均一性や 、石膏ボード表面の平滑性を向上し得ること が、本発明者等の実験により判明した。

 駆動軸61の中心軸線は、図4に示すように 鉛直線Jに対して所定角度±αの方向に傾斜 、荷重Pは、傾斜角度±αの方向に可動板22に 用する。可動板22は、水平面Hに対して所定 度±βをなして傾斜し、可動板22の下面は、 ート寸法Tが搬送方向前方(下流側)に僅かに 小(収束)し又は拡開するように傾斜する。

 このような駆動軸61及び可動板22の傾斜は 、例えば、成形装置10を石膏ボード製造装置 据付ける際に成形装置10を全体的に傾斜さ ることにより、設定される。

 変形例として、可動板22を水平に設置し 状態で、駆動軸61の中心軸線を傾斜させるこ とも可能である。他の変形例として、一部の 昇降駆動装置50に関し、駆動軸61の中心軸線 傾斜させ、他の昇降駆動装置50に関し、駆動 軸61の中心軸線を鉛直に配向することも可能 ある。

 以上、本発明の好適な実施例について詳 に説明したが、本発明は、上記実施例に限 されるものではなく、特許請求の範囲に記 された本発明の範囲内において種々の変更 は変形が可能であり、かかる変更又は変形 も又、本発明の範囲内に含まれるものであ ことはいうまでもない。

 例えば、上記実施例においては、石膏ボ ド成形装置は、7台の昇降駆動装置を備えて いるが、昇降駆動装置の台数及び位置は、石 膏ボード製造装置又は成形装置の構造及び使 用条件に相応して適宜設定し得るものである 。

 また、上記実施例では、垂直駆動装置の 動源として電動モータを使用しているが、 圧作動又は空気圧作動型の駆動源等によっ 垂直駆動装置を駆動しても良い。

 更に、ロードセル等の荷重検出手段を成 装置に配設し、垂直駆動軸の荷重を荷重検 手段によって検出しても良い。

 本発明は、上下のプレートによって形成 れた成形ゲートを用いて下紙、上紙及び石 スラリーの積層体の板厚を規制し、該積層 を板状に成形する石膏ボード製造装置に適 される。本発明は又、このような製造装置 用いた石膏ボード製造方法に適用される。 発明によれば、上下のプレートによって形 された成形ゲートの寸法・形状の調整性能 精度及び制御性を向上し、石膏ボード製品 品質及び生産性を改善することができる。