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Title:
APPARATUS, METHOD AND PROGRAM FOR DETECTING DIRECTION OF NONCONTACT IC MEDIUM AND COMPUTER-READABLE RECORDING MEDIUM HAVING THE PROGRAM RECORDED THEREON
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/075215
Kind Code:
A1
Abstract:
A noncontact IC medium direction detecting apparatus (1) is provided with a receiving means (10) which can read information from a noncontact IC medium (25) in different directivity directions, and an information processing means (13) for controlling the receiving means. The information processing means is configured to execute first acquisition processing for acquiring the level of a signal received from the noncontact IC medium having prescribed identification information by having directivity direction in a first direction; second acquisition processing for acquiring the level of a signal received from the noncontact IC medium by having the directivity direction in a second direction; synthesizing processing for acquiring a synthesized signal level by performing difference operation or division of the signal level in the first direction and the signal level in the second direction; and existence direction operating processing for acquiring a direction wherein a target noncontact IC medium exists, by operation using the synthesized signal level. Thus, the noncontact IC medium direction detecting device which easily obtains the existence direction of the noncontact IC medium is provided. A method and a program for detecting the direction of the noncontact IC medium, and a computer-readable recording medium having such program recorded thereon are also provided.

Inventors:
NOGAMI HIDEKATSU
Application Number:
PCT/JP2008/072014
Publication Date:
June 18, 2009
Filing Date:
December 04, 2008
Export Citation:
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Assignee:
OMRON TATEISI ELECTRONICS CO (JP)
NOGAMI HIDEKATSU
International Classes:
G01S3/16; G01S13/74; G06K17/00; H04B1/59; H04B5/02
Foreign References:
JP2005503531A2005-02-03
JPH11326479A1999-11-26
JPH1048306A1998-02-20
JP2003344518A2003-12-03
JP2006010345A2006-01-12
Other References:
See also references of EP 2233942A4
Attorney, Agent or Firm:
MASUI, Yoshihisa et al. (Daiwa Minamimorimachi Building2-6, Tenjinbashi 2-chome Kita,Kita-ku, Osaka-shi, Osaka 41, JP)
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Claims:
 異なる指向方向に向けて非接触IC媒体から読取り可能な受信手段と、
 該受信手段から情報を受け取って処理する情報処理手段とを備え、
 前記情報処理手段を,
 指向方向を第1方向に向けて所定の識別情報を有する非接触IC媒体から受信する信号の信号レベルを取得する第1取得処理と、
 指向方向を第2方向に向けて前記非接触IC媒体から受信する信号の信号レベルを取得する第2取得処理と、
 前記第1方向の信号レベルと第2方向の信号レベルを差分演算または除算して合成信号レベルを取得する合成処理と、
 該合成信号レベルが予め定めた閾値範囲内に入っているか否か判定することにより該閾値範囲で区分けされる所定方向に対象となる非接触IC媒体が存在するか否かを判定する存在方向判定処理とを実行する構成にした非接触IC媒体方向検知装置。
 前記情報処理手段を,
 前記存在方向判定処理により所定方向にないと判定した場合に,
 前記第1方向と第2方向の少なくとも一方を異なる方向へ切り替える方向切替処理と、
 該方向切替後に前記第1取得処理と第2取得処理のうち少なくとも前記方向切替処理を行った取得処理と前記合成処理と前記存在方向判定処理とを再度行う繰返処理とを実行する構成とした請求項1記載の非接触IC媒体方向検知装置。
 前記閾値範囲を,前記第1方向側の第1閾値から前記第2方向側の第2閾値までの範囲とし、
 前記存在方向判定処理は,前記合成信号レベルが閾値範囲内に入っていない場合に前記第1閾値の外側と前記第2閾値の外側のどちら側か判定する構成とし、
 前記方向切替処理は、前記存在方向判定処理により第1閾値の外側と判定した場合に前記第2取得処理の第2方向を第1方向側へ角度変更し,第2閾値の外側と判定した場合に前記第1取得処理の第1方向を第2方向側へ角度変更する構成とした請求項2記載の非接触IC媒体方向検知装置。
 前記情報処理手段を,
 前記存在方向判定処理の判定結果に対応させて予め定められた関数または対応表により前記合成信号レベルに対応する角度を求める角度取得処理を実行する構成とした請求項1、2または3記載の非接触IC媒体方向検知装置。
 異なる指向方向に向けて非接触IC媒体から読取り可能な受信手段と、
 該受信手段から情報を受け取って処理する情報処理手段とを用い、
 前記情報処理手段により,
 指向方向を第1方向に向けて所定の識別情報を有する非接触IC媒体から受信する信号の信号レベルを取得する第1取得処理と、
 指向方向を第2方向に向けて前記非接触IC媒体から受信する信号の信号レベルを取得する第2取得処理と、
 前記第1方向の信号レベルと第2方向の信号レベルを差分演算または除算して合成信号レベルを取得する合成処理と、
 該合成信号レベルが予め定めた閾値範囲内に入っているか否か判定することにより該閾値範囲で区分けされる所定方向に対象となる非接触IC媒体が存在するか否かを判定する存在方向判定処理とを実行する非接触IC媒体方向検知方法。
 異なる指向方向に向けて非接触IC媒体から読取り可能な受信手段の指向方向を第1方向に向けて所定の識別情報を有する非接触IC媒体から受信する信号の信号レベルを取得する第1取得処理と、
 前記受信手段の指向方向を第2方向に向けて前記非接触IC媒体から受信する信号の信号レベルを取得する第2取得処理と、
 前記第1方向の信号レベルと第2方向の信号レベルを差分演算または除算して合成信号レベルを取得する合成処理と、
 該合成信号レベルが予め定めた閾値範囲内に入っているか否か判定することにより該閾値範囲で区分けされる所定方向に対象となる非接触IC媒体が存在するか否かを判定する存在方向判定処理とを情報処理手段に実行させる非接触IC媒体方向検知プログラム。
 異なる指向方向に向けて非接触IC媒体から読取り可能な受信手段の指向方向を第1方向に向けて所定の識別情報を有する非接触IC媒体から受信する信号の信号レベルを取得する第1取得処理と、
 前記受信手段の指向方向を第2方向に向けて前記非接触IC媒体から受信する信号の信号レベルを取得する第2取得処理と、
 前記第1方向の信号レベルと第2方向の信号レベルを差分演算または除算して合成信号レベルを取得する合成処理と、
 該合成信号レベルが予め定めた閾値範囲内に入っているか否か判定することにより該閾値範囲で区分けされる所定方向に対象となる非接触IC媒体が存在するか否かを判定する存在方向判定処理とを情報処理手段に実行させるための非接触IC媒体方向検知プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
Description:
非接触IC媒体方向検知装置とそ 方法およびそのプログラム、ならびに該プ グラム記録したコンピュータ読み取り可能 記録媒体

 この発明は、例えば非接触IC媒体の存在 る方向を検知するような非接触IC媒体方向検 知装置とその方法およびそのプログラム、な らびに該プログラム記録したコンピュータ読 み取り可能な記録媒体に関する。

 従来、情報を記憶しておき非接触で情報 通信を行うことができる非接触IC媒体が利 されている。このような非接触IC媒体には、 通信可能な距離が長いUHF帯を用いたものも利 用されている。このUHF帯を用いた非接触IC媒 と通信するためのアンテナは、1素子パッチ アンテナが用いられている場合が多い。1素 パッチアンテナは、半値幅(ビーム幅)が70程 と広く、広い範囲で非接触IC媒体から情報 読取れるという利点がある。

 一方、非接触IC媒体からの電波の到来方 を推定し、非接触IC媒体の位置を算出するタ グ通信装置が提案されている(特許文献1参照) 。このタグ通信装置は、複数のアンテナ素子 の出力に対してそれぞれ異なる重み付けを与 え、これに基づいて特定の方向の電波強度を 検出するものである。

 しかし、このタグ通信装置は、1つの非接触 IC媒体の存在する方向を求めるために複雑な 算を要するものである。また、反射物の存 による影響を受けるため、この反射物によ 方向の誤りを訂正する必要がある。このた 、上記タグ通信装置は、非接触IC媒体の存 する方向を求めることを容易に実現できる のではない。

日本国公開特許公報「特開2006-10345号公 (公開日:2006年01月12日)」

 〔発明が解決しようとする課題〕
 この発明は、上述の問題に鑑み、非接触IC 体の存在方向を容易に得ることができる非 触IC媒体方向検知装置とその方法およびその プログラム、ならびに該プログラム記録した コンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供 することを目的とする。

 〔課題を解決するための手段〕
 この発明は、異なる指向方向に向けて非接 IC媒体から読取り可能な受信手段と、該受 手段から情報を受け取って処理する情報処 手段とを備え、前記情報処理手段を,指向方 を第1方向に向けて所定の識別情報を有する 非接触IC媒体から受信する信号の信号レベル 取得する第1取得処理と、指向方向を第2方 に向けて前記非接触IC媒体から受信する信号 の信号レベルを取得する第2取得処理と、前 第1方向の信号レベルと第2方向の信号レベル を差分演算または除算して合成信号レベルを 取得する合成処理と、該合成信号レベルが予 め定めた閾値範囲内に入っているか否か判定 することにより該閾値範囲で区分けされる所 定方向に対象となる非接触IC媒体が存在する 否かを判定する存在方向判定処理とを実行 る構成にした非接触IC媒体方向検知装置、 の方法、およびそのプログラムであること 特徴とする。

 前記非接触IC媒体は、RFIDタグなど、情報 記憶でき非接触で通信できる媒体で構成す ことができる。この非接触IC媒体は、電源 備えず外部からの誘導起電力を得て応答信 を発信するパッシブタイプと、電源を備え 外部からの問合せを受けて応答信号を発信 るセミパッシブタイプと、電源を備えて定 的に信号を発信するアクティブタイプとが まれる。

 前記受信手段は、指向パターンを変更で る1または複数のアレーアンテナで構成する 、あるいは指向パターンの変更できない複数 のアンテナで構成することができる。

 前記情報処理手段は、CPUやMPU等の演算処 を実行する手段で構成することができる。

 前記識別情報は、RFIDタグのIDなど、非接 IC媒体を識別可能な情報とすることができ 。

 前記合成処理は、対数表記の差分演算に る合成、または真数表記の除算による合成 することができる。

 前記存在方向演算処理は、予め定められ 関数または対応表により前記合成信号レベ に対応する角度を求める構成とすることが きる。

 前記予め定められた関数は、一次関数、 次関数、あるいは三次関数など、1つの変数 として合成信号レベルの値を入力すれば、解 として角度を算出できる関数で構成すること ができる。

 前記予め定められた対応表は、合成信号 ベルの値と角度を対応させた表で構成する とができる。

 なお、上記非接触IC媒体方向検知装置は コンピュータによって実現してもよく、こ 場合には、コンピュータを上記各手段とし 動作させることにより上記非接触IC媒体方向 検知装置をコンピュータにて実現させる非接 触IC媒体方向検知装置の非接触IC媒体方向検 プログラム、およびそれを記録したコンピ ータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の 疇に入る。

 〔発明の効果〕
 この発明により、非接触IC媒体の存在方向 容易に得ることができる非接触IC媒体方向検 知装置とその方法およびそのプログラム、な らびに該プログラム記録したコンピュータ読 み取り可能な記録媒体を提供することができ る。

RFID検知装置を説明する説明図。 受信レベルを指向方向別に示すグラフ 。 合成受信レベルのグラフ図。 指向方向変更後の合成受信レベルのグ フ図。 制御部が実行する動作のフローチャー 。 実施例2の制御部が実行する動作のフロ ーチャート。

符号の説明

1…RFID検知装置、10…アンテナ、13…制御部 、25…RFIDタグ、Rx_L,Rx_R…受信レベル、Rx_Diff 合成受信レベル、-a…下限閾値、+a…上限閾

 この発明の一実施形態を以下図面と共に 明する。

 〔実施例1〕
 図1はRFID検知装置1を説明する説明図である

 この例では、台21の上に、物品27が置かれ ている。物品27には、RFIDタグ25が貼り付けら ている。このRFIDタグ25は、アンテナとICを えているRFIDタグ25のIC内の記憶部には、識別 情報であるIDや、物品の情報である物品名や 様など、適宜の情報が記憶されている。

 台21の近くには、検知エリアRに存在するR FIDタグ25を読取りできるRFID検知装置1が設置 れている。RFID検知装置1は、アンテナ10と、 御部13と、記憶部15とで構成されている。

 アンテナ10は、指向方向を調節可能な3素 アレーアンテナにより構成されている。

 制御部13は、CPUとROMとRAMで構成されRFIDタ 方向検知プログラムなどのプログラムに従 た制御動作や演算動作を実行する。

 記憶部15は、不揮発性メモリあるいはハ ドディスク等の記憶装置で構成されており プログラムや情報(データ)を記憶する。

 次にRFID検知装置1を用いて、距離やタグ 性能による影響を受けずにRFIDタグ25の存在 向を検知する方法の理論について説明する

 図2は、RFID検知装置1によりRFIDタグ25から 報を読取る際の受信レベルを指向方向別に すグラフ図である。このグラフにおいて、 軸は受信レベル(Gain)を示し、単位はデシベ (dB)である。横軸は、角度を示し、単位は度 (deg)である。

 図中の受信レベルRx_Lは、アンテナ10の指 方向(角度θ)を-35°としたときに、アンテナ1 0の正面を0°とする各方向で何デシベルの受 レベルになるかグラフ表記したものである

 図中の受信レベルRx_Cは、アンテナ10の指 方向(角度θ)を0°としたときに、アンテナ10 正面を0°とする各方向で何デシベルの受信 ベルになるかグラフ表記したものである。

 図中の受信レベルRx_Rは、アンテナ10の指 方向(角度θ)を35°としたときに、アンテナ10 の正面を0°とする各方向で何デシベルの受信 レベルになるかグラフ表記したものである。

 ここで、受信レベルRx_Lは、下記の式(数3) で表すことができる。なお、対数表記と真数 表記の関係式は、次式(数1,数2)の通りである

 (数1)
Rx = 10 × log 10  (Rx’)
 (数2)
Rx’ = 10 (Rx/10)
※Rx(dBm):対数表記, Rx’(mW):真数表記
 (数3)
[A]対数表記
Rx_L = Pt + Dt(θ) - Loss + D_L(θ)
※Pt:タグの送信電力, Loss:自由空間損出
Dt(θ):タグの指向性利得, D_L(θ):左方向指向時 の指向性利得
[B]真数表記
Rx_L’ = Pt’ × Dt’(θ) ×(λ/4πD) 2  × D_L’(θ)
※Pt’:タグの送信電力, D:交信距離,
Dt’(θ):タグの指向性利得, D_L’(θ):左方向指 向時の指向性利得
 また、受信レベルRx_Rは、次式で表すことが できる。

 (数4)
[A]対数表記
Rx_R = Pt + Dt(θ) - Loss + D_R(θ)
※Pt:タグの送信電力, Loss:自由空間損出,
Dt(θ):タグの指向性利得, D_R(θ):右方向指向時 の指向性利得
[B]真数表記
Rx_R’ = Pt’ × Dt’(θ) ×(λ/4πD) 2  × D_R’(θ)
※Pt’:タグの送信電力, D:交信距離,
Dt’(θ):タグの指向性利得, D_R’(θ):右方向指 向時の指向性利得
 上記2つの数式について要素減少合成演算( 数表記の場合は減算(差分)、真数表記の場合 は除算)を行い合成受信レベルRx_Diffを算出す と、次の式が求められる。

 (数5)
[A]対数表記
Rx_Diff = Rx_R - Rx_L
={Pt + Dt(θ) - Loss + D_R(θ)}-{Pt + Dt(θ) - Los s + D_L(θ)}
= D_R(θ) - D_L(θ)
[B]真数表記
Rx_Diff’ = Rx_R’ / Rx_L’
=(Pt’ × Dt’(θ) ×(λ/4πD) 2  × D_R’(θ))
 /(Pt’ × Dt’(θ) ×(λ/4πD) 2  × D_L’(θ))
= D_R’(θ) / D_L’(θ)
 上記数式5に示すように、異なる指向方向の 受信レベルの式を減算または除算すると、距 離、タグの性能(反射電力、タグの指向性利 )に無関係なθのみの関数となる。

 この関数をグラフ表示すると、図3に示す グラフ図になる。このグラフにおいて、縦軸 は合成受信レベルRx_Diff(Gain)を示し、単位は シベル(dB)である。横軸は、角度を示し、単 は度(deg)である。

 このグラフに示すように、合成受信レベ Rx_Diffは、アンテナ10の正面付近となる0°付 で一次関数とみなせるグラフになる。なお ±10°付近より外側の角度は、サイドローブ 影響によって一次関数にならない。

 従って、閾値-a,aを用いて、合成受信レベ ルRx_Diffが次式に示す条件に合致するRFIDタグ2 5の場合、該RFIDタグ25の存在方向は一次関数 ら簡単に求めることができる。

 (数6)
-a < Rx_Diff < a
※-a:下限閾値, a:上限閾値
 一方、閾値-a,aの範囲の外にあるRFIDタグ25の 場合、サイドローブの影響によって正確な存 在方向を検知できない。すなわち、図3に示 ように、ポイントP1,P2,P3はいずれもRx_Diffの が同一であるので、Rx_Diffから存在方向を求 ることができない。

 この場合、指向方向の角度を切り替える とで、対応することができる。

 ここで、図4は、受信レベルRx_Lの指向方 を0°に変更し、受信レベルRx_Rの指向方向を のまま35°とした場合の合成受信レベルRx_Dif fのグラフ図を示す。

 図示するように、指向方向を変更したこ により、得られる合成受信レベルRx_Diffが一 次関数に近い関数(常に値が増加または減少 続ける関数)になる。すなわち、この例では 図3に示した検知により、中心より右側にRFI Dタグ25が存在していると解っている。このた め、左側で測定する際の受信レベルRx_Lの指 方向を右側へ角度変更して0°とし、この状 で合成受信レベルRx_Diffを求めている。そし 、中心より右側にRFIDタグ25が存在している とは既に解っているので、0°より右側の値 けを見れば、合成受信レベルRx_Diffは、一次 関数に近いグラフになっている。

 次に、図5に示すフローチャートと共に、 上記理論を用いてRFIDタグ25の存在方向(信号 到来方向)を取得する際のRFID検知装置1の制 部13がRFIDタグ方向検知プログラムに従って 行する動作について説明する。

 制御部13は、第1方向の角度Lに初期値(例 ば-50°)を代入して記憶部15に記憶し、第2方 の角度Rに初期値(例えば50°)を代入して記憶 15に記憶することで、初期設定を行う(ステ プS1)。なお、この初期設定の際、角度Lと角 度Rは、中心から等角度にして左右対称にす ことが好ましい。

 制御部13は、アンテナ10の指向方向の角度 を第1方向である角度Lに設定し(ステップS2)、 所定のRFIDタグ25に対してリードコマンドを発 行する(ステップS3)。このときのリードコマ ドは、識別情報であるIDを指定し、該IDのRFID タグ25のみに応答させるコマンドにすると良 。

 制御部13は、応答信号の受信レベルを算 し(ステップS4)、この受信レベルを受信レベ Rx_Lとして記憶部15に記憶する(ステップS5)。

 制御部13は、アンテナ10の指向方向の角度 を第2方向である角度Rに設定し(ステップS6)、 所定のRFIDタグ25に対してリードコマンドを発 行する(ステップS7)。このときのリードコマ ドは、ステップS3と同一のIDを指定し、該ID RFIDタグ25のみに応答させるコマンドにする 良い。

 制御部13は、応答信号の受信レベルを算 し(ステップS8)、この受信レベルを受信レベ Rx_Rとして記憶部15に記憶する(ステップS9)。

 制御部13は、受信レベルRx_Rから受信レベ Rx_Lを減算する差分演算(対数表記の場合は 分,真数表記の場合は除算)を実行し、演算結 果を合成受信レベルRx_Diffとして記憶部15に記 憶する(ステップS10)。

 制御部13は、合成受信レベルRx_Diffが、予 定められた閾値範囲である-aから+aの間に入 っているか、-aより小さいか、それとも+aよ 大きいかを判定し、到来方向を大まかに判 する(ステップS11)。この処理では、中心方向 (例えば角度-4°~+4°といった一定角度の間)、 方向(例えば-4°より左といった一定角度よ 左)、右方向(例えば+4°より右といった一定 度より右)のどちらにRFIDタグ25が存在するの 、大まかに判断できる。

 合成受信レベルRx_Diffが+a以上であった場 (ステップS11:+a≧)、制御部13は、RFIDタグ25が 中心方向よりも右側に存在すると判定し、第 1方向である角度Lを右側へ所定角度(例えば10 )変更する(ステップS12)。つまり、右への指 方向を示す角度Rを固定したまま、左への指 方向を示す角度Lを右側へ変更することで、 第1方向と第2方向の角度差を減らし、検知対 範囲を全体的に右側へ変更している。

 制御部13は、角度Lが角度Rと同一でないか 判定し、同一でなければ(ステップS13:No)、ス ップS2へ処理を戻して到来方向概算処理(ス ップS2~S11)を再度繰り返す。

 角度Lが角度Rと同一であれば(ステップS13: Yes)、第1方向と第2方向が一致してしまうので 、制御部13は、第2方向の角度Rを右側へ所定 度(例えば10°)変更する(ステップS14)。制御部 13は、ステップS2へ処理を戻して到来方向概 処理(ステップS2~S11)を再度繰り返す。

 合成受信レベルRx_Diffが-a以下であった場 (ステップS11:-a≦)、制御部13は、RFIDタグ25が 中心方向よりも左側に存在すると判定し、第 2方向である角度Rを左側へ所定角度(例えば-10 °)変更する(ステップS15)。つまり、左への指 方向を示す角度Lを固定したまま、右への指 向方向を示す角度Rを左側へ変更することで 第1方向と第2方向の角度差を減らし、検知対 象範囲を全体的に左側へ変更している。

 制御部13は、角度Lが角度Rと同一でないか 判定し、同一でなければ(ステップS16:No)、ス ップS2へ処理を戻して到来方向概算処理(ス ップS2~S11)を再度繰り返す。

 角度Lが角度Rと同一であれば(ステップS16: Yes)、第1方向と第2方向が一致してしまうので 、制御部13は、第1方向の角度Lを左側へ所定 度(例えば-10°)変更する(ステップS17)。制御 13は、ステップS2へ処理を戻して到来方向概 処理(ステップS2~S11)を再度繰り返す。

 合成受信レベルRx_Diffが+aより小さく-aよ 大きい閾値範囲内であった場合(ステップS11: -a> and +a<)、制御部13はRFIDタグ25からの 号のアンテナ10から見た到来方向Xを算出す 到来方向算出処理を行う(ステップS18)。この 到来方向Xは、次式により算出する。

 (数7)
X = (R+L)/2+F(Rx_Diff)
※F(Rx_Diff):補正式
 上記数式における補正式F(Rx_Diff)は、例えば 一次関数、二次関数、あるいは三次関数など 、1つの変数として合成受信レベルRx_Diffの値 入力すれば、解として角度を算出できる関 で構成することができる。なお、関数に限 ず、例えば合成受信レベルRx_Diffの値と角度 を対応させた表データを予め記憶部15に記憶 ておき、この表を参照して対応する角度を める構成にしてもよい。

 以上の構成および動作によりRFIDタグ25か の信号の到来方向を容易に検知することが きRFIDタグ25の存在方向を検知することがで る。

 アンテナ10は、3素子アレーアンテナで構 されているため、指向方向を任意の角度に 時に変更することができ、指向方向を変更 て到来方向概算処理を繰り返す処理を短時 に実行できる。

 またRFIDタグ25の大まかな方向が存在方向 角度を算出可能な中心方向の一定範囲内に るまで指向方向を変更するためRFIDタグ25の 在方向に適した指向方向に調整した上でRFID タグ25の存在方向を適切に算出することがで る。

 〔実施例2〕
 実施例1では、アンテナ10の指向方向の変更 限界がない場合について説明したが、実施 2は、アンテナ10の指向方向の変更に限界が る場合、または指向方向の角度以上の方向 RFIDタグ25を検出しない場合について説明す 。

 図6は、実施例2のRFID検知装置1の制御部13 RFIDタグ25の存在方向(信号の到来方向)を取 する際にRFIDタグ方向検知プログラムに従っ 実行する動作について説明するフローチャ トである。その他の構成は、実施例1と同一 であるので、その詳細な説明を省略する。

 図示するように、ステップS1~S13は、実施 1と同一の動作を実行するため、その詳細な 説明を省略する。

 ステップS11にて、合成受信レベルRx_Diffが -a以下であった場合(ステップS11:+a≧)、制御 13は、実施例1と同じくステップS15を実行し 後、ステップS13に処理を進める。

 ステップS12またはS15の後、制御部13は、 度Lが角度Rと同一でないか判定し、同一でな ければ(ステップS13:No)、ステップS2へ処理を して到来方向概算処理(ステップS2~S11)を再度 繰り返す。

 角度Lが角度Rと同一であれば(ステップS13: Yes)、これ以上指向方向を変更できないので 制御部13は、第2方向の角度Rに補正式Rを加算 して到来方向Xを算出する。この算出に用い 式は、次の通りである。

 (数8)
X = R + F(Rx_Diff)
※F(Rx_Diff):補正式
これにより、おおよその到来方向を検知でき る。

 前記ステップS11で合成受信レベルRx_Diffが +aより小さく-aより大きい閾値範囲内であっ 場合(ステップS11:-a> and +a<)、制御部13 、実施例1と同一の到来方向算出処理(ステッ プS18)を実行する。

 以上の構成および動作により、実施例1と 同様の効果を得ることができる。合成受信レ ベルRx_Diffが閾値範囲内に入った場合は、実 例1と同一の精度でRFIDタグ25の存在方向を検 することができる。また、アンテナ10の設 可能な指向方向の限界を超えた外側にRFIDタ 25が存在する場合は、合成受信レベルRx_Diff 閾値範囲内に入っている場合より精度が劣 ものの、およその存在方向を検知すること できる。

 なお、以上の各実施形態で、下限閾値を- aとし、上限閾値を+aとして絶対値が同じ値に したが、これに限らず、上限閾値と下限閾値 を個別の値に設定してもよい。この場合で、 同一の作用効果を得ることができる。

 また、ステップS3,S7では、IDを指定せずに 、IDを返答させるコマンドを発行しても良い この場合、以降の処理で所望のIDのみを抽 してID毎に処理を行えば、当該IDの存在方向 算出することができる。

 また、ステップS12,S15では、片方の指向方 向のみを角度変更したが、角度Rと角度Lの両 を角度変更し、再度繰り返す構成にしても い。この場合も、読取る範囲を変更しなが 指向方向を適切な角度に変更していき、適 な角度になった時点でRFIDタグ25の存在方向 検知することができる。

 また、上述した実施例で説明する計算式 より最終的に必要となるのは指向性利得の (または除)であり比率で得られる。このた 、上述した実施例では単位にmWとdBmを用いて 説明しているが、これに限らず単位にdBWを用 いても同一結果を得ることができる。また同 様に、この実施例で説明するように単位にdBi を用いてアイソトロピックアンテナからの倍 率比を求めても、この実施例と異なる単位で あるdBdを用いてダイポールアンテナに対する 倍率比を求めても、同一結果を得ることがで きる。

 この発明の構成と、上述の実施形態との対 において、
この発明の非接触IC媒体方向検知装置は、実 形態のRFID検知装置1に対応し、
以下同様に、
受信手段は、アンテナ10に対応し、
情報処理手段は、制御部13に対応し、
非接触IC媒体はRFIDタグ25に対応し、
第1取得処理は、ステップS2~S5に対応し、
繰返処理は、ステップS2~S11に対応し、
第2取得処理は、ステップS6~S9に対応し、
合成処理は、ステップS10に対応し、
存在方向判定処理は、ステップS11に対応し、
方向切替処理は、ステップS12,S15に対応し、
角度取得処理は、ステップS18,S19に対応し、
信号レベルは、受信レベルRx_L,Rx_Rに対応し、
合成信号レベルは、合成受信レベルRx_Diffに 応し、
閾値範囲は、-a~+aに対応し、
第1閾値は、-aに対応し、
第2閾値は、+aに対応し、
予め定められた関数または対応表は、数7ま は数8に対応し、
識別情報は、IDに対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限 定されるものではなく、多くの実施の形態を 得ることができる。