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Patent Searching and Data


Title:
AUTOMOTIVE CARPET
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/090956
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is an automotive carpet which has the excellent ability to trap volatile organic substances including aldehydes. The automotive carpet comprises: a base comprising a felt layer and a resin layer which is impermeable or sparingly permeable to air and has been placed on or bonded to the felt layer; and a skin placed on or bonded to the base. The carpet is characterized in that a scavenger for volatile organic substances has been incorporated in, applied to, or sprayed over the underside of the felt layer as a component of the base.

Inventors:
ADACHI ATSUNORI (TH)
YAMAGUCHI MASAFUMI (TH)
LAKANAPORN LADDAWAN (TH)
TANAKA KOICHIRO (TH)
Application Number:
PCT/JP2009/050378
Publication Date:
July 23, 2009
Filing Date:
January 14, 2009
Export Citation:
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Assignee:
TOYOTA MOTOR CO LTD (JP)
ADACHI ATSUNORI (TH)
YAMAGUCHI MASAFUMI (TH)
LAKANAPORN LADDAWAN (TH)
TANAKA KOICHIRO (TH)
International Classes:
B60N3/04; A47G27/02
Foreign References:
JP2005047468A2005-02-24
JP2000062543A2000-02-29
JP2004024330A2004-01-29
JP2003326628A2003-11-19
JPH1142740A1999-02-16
Attorney, Agent or Firm:
HIRAKI, Yusuke et al. (3-20 Toranomon 4-chome Minato-k, Tokyo 01, JP)
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Claims:
 少なくともフェルト層と該フェルト層上に載置又は固着された非通気性又は難通気性の樹脂層とから構成される基材と、該基材上に載置又は固着された表皮を備える自動車用カーペットであって、該基材を構成するフェルト層の底面に、揮発性有機物質捕捉剤が混入、塗布又は散布されていることを特徴とする自動車用カーペット。
 前記基材が更に吸音層を備え、前記フェルト層と該吸音層の間に前記非通気性又は難通気性の樹脂層を有することを特徴とする請求項1に記載の自動車用カーペット。
 前記吸音層が前記フェルト層よりも揮発性有機物質の含有量が少ない材料で構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車用カーペット。
 前記吸音層に揮発性有機物質捕捉剤が混入、塗布又は散布されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の自動車用カーペット。
 前記揮発性有機物質捕捉剤が平均粒径1~200nmを有する二酸化珪素のアミノシラン反応物であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の自動車用カーペット。
Description:
自動車用カーペット

 本発明は、アルデヒド類などの揮発性有 物質(VOC)の捕捉性能に優れた自動車用カー ットに関する。

 近年、自動車内部において、室内の構成 から、人体に悪影響を及ぼす恐れのある物 である残留モノマー、ホルムアルデヒド、 機溶剤、可塑剤、環境ホルモン物質、その 揮発性物質などの揮散性物質が発生するこ が問題となっており、その除外方法の開発 検討されている。

 例えば、自動車内の床にはフェルトなど 基材上にタフテッドカーペットあるいはニ ドルパンチカーペットといった、工業的に 産が可能なカーペットが載置又は固着され いる。

 このうちタフテッドカーペットは、基布( 1次基布)に、タフティングマシンを用いて多 のパイルを刺し込んで表層材を製造し、つ でこの表層材の、1次基布の裏面に出た縫い 目を固定させるために、合成ゴムなどの高分 子を含むコーティング材を塗布したのち、さ らに必要に応じて、上記コーティング材を接 着剤として利用して、その裏面に、目の粗い 織布などを2次基布(裏打ち材)として積層、接 着することで製造される。

 また、ニードルパンチカーペットは、そ 表面が平らなフェルト状のカーペットであ て、繊維のウェブを多数の針で突き刺して いに絡み合わせてフェルト状にし、所定の みに成形した表層材の裏面に、やはり合成 ムなどの高分子を含むコーティング材を塗 して滑らかに仕上げることで製造される。

 前述した各種のカーペットにおいても、 ーティング材中から揮発性有機物質(VOC)が 生することが報告されており、その早急な 決が望まれている。

 更に、自動車用カーペットにおいて基材 して用いられているフェルト層や吸音(SA)層 は、ポリエステル繊維などを加熱ローラー中 を通過させて製造されるため、加圧・加熱に よりポリエステルが劣化し、末端基のカルボ キル基からアルデヒド類が発生することが懸 念されている。特に、フェルト層はカーペッ ト中での容量も大であり、その揮発性有機物 質の発生量も多いと考えられる。吸音(SA)層 フェルト材料から構成されるものが多く、 ェルト層と同様に、揮発性有機物質の発生 懸念されている。

 このように、現在自動車用カーペットに 、人体に有毒であるアルデヒド類の揮散を るものが少なからずとも見受けられる。こ ため、自動車用カーペットからアルデヒド などの有機物質の揮散をなくす検討が進め れている。

 下記特許文献1には、自動車用ではなく、 歩行者量の多い場所のフローリング用カーペ ットからホルムアルデヒドなどの易揮発性物 質(VOC)の発生を抑えることを目的として、カ ペットの表面を形成する表層材の裏面を、 を微粉砕した炭パウダーが分散されたコー ィング材によってコーティングすることが 示されている。

 又、下記特許文献2には、自動車用ではな く、フローリング材から室内に分散するホル ムアルデヒドやアセトアルデヒド等の臭気成 分を効率良く除去し、室内からホルムアルデ ヒド等のアルデヒド類の臭いを消すことを目 的として、カーペットを構成するカーペット 本体に、少なくともアルデヒド類を吸着する 吸着剤を具備することが開示されている。

 特許文献1及び特許文献2に開示されたカー ットは自動車用でないことから、フェルト を有する基材と基材上に載置又は固着され 表皮とからなる自動車用特有のカーペット おけるアルデヒド類などの揮発性有機物質 捕捉効果については十分に期待できないも であった。

特開2000-287819号公報

特開平11-046965号公報

 本発明は、アルデヒド類などの揮発性有 物質の捕捉性能に優れた自動車用カーペッ を提供することを目的とする。

 本発明者らは、揮発性有機物質捕捉剤(VOC キャッチャー)を自動車用カーペットの特定 分に存在させることで上記課題が解決され ことを見出し、本発明に到達した。

 即ち、本発明は、少なくともフェルト層 該フェルト層上に載置又は固着された非通 性又は難通気性の樹脂層とから構成される 材と、該基材上に載置又は固着された表皮 からなる自動車用カーペットの発明であっ 、該基材を構成するフェルト層の底面に、 発性有機物質捕捉剤が混入、塗布又は散布 れていることを特徴とする。本発明の自動 用カーペットは、揮発性有機物質を発散す フェルト層の上面(室内側)からの揮発性有 物質の発散をフェルト層上に載置又は固着 れた非通気性又は難通気性の樹脂層で抑制 ると共に、フェルト層の底面(車体側)に揮発 性有機物質捕捉剤を混入、塗布又は散布する ことで、フェルト層の底面(車体側)からの揮 性有機物質の発散を抑制する。これらの効 が相まって、フェルト層から発散する揮発 有機物質のほぼ全量を効率よく捕捉できる

 非通気性又は難通気性の樹脂層を有しな 従来の自動車用カーペットにおいては、フ ルト層の上面に揮発性有機物質捕捉剤を塗 することが効果的と考えられるが、本発明 如く、フェルト層上に非通気性又は難通気 の樹脂層が載置又は固着された構成の基材 らなる自動車用カーペットにおいては、特 、フェルト層の底面(車体側)に揮発性有機 質捕捉剤を混入、塗布又は散布することは フェルト層からの揮発性有機物質の発散を 制することに格段の効果を奏する。

 本発明では、基材が更に吸音層から構成 れ、底部より、フェルト層、非通気性又は 通気性の樹脂層、吸音層が順に積層されて 材を構成することができる。

 ここで、吸音層(SA層)もまた通常フェルト で構成されるため、揮発性有機物質が発散さ れる。そこで、この吸音層(SA層)にも、揮発 有機物質捕捉剤を混入、塗布又は散布する とが好ましい。これにより、本発明の自動 用カーペットは、基材を構成するフェルト や吸音層からのアルデヒド類などの揮発性 機物質を効率よく捕捉することができる。

 本発明の自動車用カーペットの一つの典 例は、基材を構成するフェルト層と基材を 成する吸音層の間に非通気性又は難通気性 樹脂層を有し、該吸音層は該フェルト層よ も揮発性有機物質の含有量が少ない材料で 成され、該フェルト層は該難通気性の樹脂 とフロアパネルによって略封鎖されている とを特徴とする。揮発性有機物質の含有量 多いフェルト層の上面を非通気性又は難通 性の樹脂層によって、フェルト層の底面を ロアパネルによって略封鎖することで、揮 性有機物質のほぼ全量を捕捉できる。更に 自動車室内に近い吸音層にも揮発性有機物 捕捉剤を混入、塗布又は散布することで、 の部品から発生し自動車内に拡散した揮発 有機物質の両者を更に効果的に捕捉する。

 本発明の自動車用カーペットで用いる揮 性有機物質捕捉剤としては従来公知のもの 用いることができる。これらの中で、平均 径1~200nmを有する二酸化珪素のアミノシラン 反応物は揮発性有機物質を捕捉する能力が高 いので好ましい。特に、この平均粒径1~200nm 有する二酸化珪素のアミノシラン反応物は 透明性と無毒性に優れており、スプレー散 などが可能なことから、自動車室内に面す 表皮のフィラメントに揮発性有機物質捕捉 を混入、塗布又は散布する場合に推奨され 。

 ここでアミノシランとは、一般式:Y n SiX (4-n) (式中、Xはアルコキシ基、アセチル基または ロゲンであり、Yはアミノ基または少なくと も1個のアミノ基によって置換されたアルキ 基であり、nは1~3までの整数である)で示され る珪素化合物である。なお、Xがアルコキシ である場合、Xはメトキシ基、エトキシ基、 ロポキシ基またはブトキシ基であることが に好ましい。また、Yが少なくとも1個のア ノ基によって置換されたアルキル基である 合、Yはアミノメチル基、アミノエチル基、 ミノプロピル基またはアミノブチル基であ ことが特に好ましい。

 本発明で用いられる揮発性有機物質補足 は、例えばホルムアルデヒドおよびアセト ルデヒドなどのアルデヒド類、ならびにト クロロエチレン、テトラクロロエチレン、 ルエン、ベンゼンおよびキシレンといった 発性有機化合物(VOC)である揮発性有機物質 補足することができる。

 本発明の自動車用カーペットは、主とし カーペットの基材を構成するフェルト層や 音層から発生するアルデヒド類などの揮発 有機物質(VOC)の捕捉性能に優れており、車 環境の向上に寄与する。又、フェルト層や 音層の製造工程で揮発性有機物質捕捉剤を 入、塗布又は散布することで、製造後のフ ルト層や吸音層に揮発性有機物質捕捉剤を 入、塗布又は散布する場合と比べて、製造 程の簡素化に役立つ。

 又、カーペットの表皮に本発明を適用し 場合には、カーペットの基材を構成するフ ルト層や吸音層から発生するアルデヒド類 どの揮発性有機物質(VOC)に加えて、車内の の部品から発生するアルデヒド類などの揮 性有機物質(VOC)の捕捉にも効果的である。

 更に、本発明において、揮発性有機物質 捉剤として、特に平均粒径1~200nmを有する二 酸化珪素のアミノシラン反応物を用いる場合 は、該揮発性有機物質捕捉剤は、アルデヒド 類などの揮発性有機物質(VOC)の捕捉性能が高 ことに加えて、経口毒性や皮膚刺激性が低 ことが確認されており、人と接触する可能 がある自動車内部表面に存在する場合でも 安全性に優れている。

自動車用カーペットの断面構造の一例 示す。 各カットサンプルによるアルデヒド類 去量を示す。

 本明細書は、本願の優先権の基礎である 願2008-005926号および特願2008-009770号の明細書 、特許請求の範囲および図面に記載された内 容を包含する。

 図1に、自動車用カーペットの断面構造の 一例を示す。但し、本発明はこの構造に限定 されるものではない。一般的に、自動車用カ ーペットの基材は、底部よりフェルト層、主 としてフェルト材料からなる吸音(SA)層、こ らフェルト層と吸音(SA)層の間に低密度ポリ チレン(LDPE)などからなる非通気性又は難通 性の樹脂層を有している。該基材の上部に カーペットを構成する表皮が載置又は固着 れる。表皮は、タフテッドカーペットある はニードルパンチカーペットといった通常 動車用カーペットの表皮として知られたも からなる。ここで、これらフェルト層や吸 (SA)層は、ポリエステル繊維などをローラー で加熱加圧して製造されるため、製造工程で ポリエステル繊維などの劣化・変性のためア ルデヒド類などの揮発性有機物質(VOC)が発生 る。

 フェルト層や吸音(SA)層に揮発性有機物質 捕捉剤を含ませることにより、自動車用カー ペットの内部より発生するアルデヒド類は自 動車用カーペットより室内側に拡散する前に 自動車用カーペット内部で捕捉される。又、 室内の他の部品から発生したアルデヒド類な どの揮発性有機物質は表皮で効率よく捕捉さ れる。

 なお、本発明では、揮発性有機物質捕捉 によるアルデヒド類などの揮発性有機物質( VOC)の捕捉のほかに、フェルト層を非通気性 難通気性の樹脂層とフロアパネルによって 封鎖することによって、フェルト層から揮 する揮発性有機物質捕捉剤の車内空間への 散を抑制する。

 本発明では、揮発性有機物質捕捉剤は公 のものを広く用いることができる。たとえ 、ホルムアルデヒド捕捉剤として公知の、 シアンジアミド、尿素などのアミド類、エ レン尿素、プロピレン尿素、5-ヒドロキシ ロピレン尿素、5-メトキシプロピレン尿素、 5-メチルプロピレン尿素、パラバン酸(グリオ キザールモノウレイン)、4,5-ジメトキシエチ ン尿素等の環状アルキレン尿素、酸イミド 、アミン類などの有機アミノ化合物、メラ ン等のアミノ化合物、バルビツール酸、セ カルバジッド塩酸塩等のアマイド類、グル ミン酸塩、グリシン、アラニン等のアミノ 類等の含窒素化合物が具体的に例示される

 本発明では、揮発性有機物質捕捉剤とし 、平均粒径1~200nmを有する二酸化珪素のアミ ノシラン反応物が特に好ましく用いられる。 この二酸化珪素のアミノシラン反応物は、微 白色透明の外観を有し、経口毒性や皮膚刺激 性がなく安全性に優れている。

 以下、本発明の実施例を示す。

 下記組成によりコーティング剤を調製し 。

アクリルエマルジョン(三井スペシャルケミ ル社製、TTC07、固形分50%):50部
揮発性有機物質捕捉剤(日華化学株式会社製 KIRAKURU AL-00GT、固形分20%):7.5部
水:42.5部
 上記各成分を十分に攪拌・混合した後に、 さ5~20μmのフェルト層底面にスプレー塗布し た。

 これらフェルト層とフェルトからなる厚 約5mmの吸音(SA)層の間に厚さ1~2mmのLDPEからな る樹脂層を介在させて基材とした。上記基材 の上にカーペット表皮を載置してカットサン プルとした。

 同様に、フェルトからなる厚さ約5mmの吸 (SA)層表面に上記揮発性有機物質捕捉剤を天 然ゴムラッテクスに混入したものを直接塗布 した。

 厚さ5~20μmのフェルト層と上記吸音(SA)層 間に厚さ1~2mmのLDPEからなる樹脂層を介在さ て基材とした。上記基材の上にカーペット 皮を載置してカットサンプルとした。

 なお、本発明で用いられる揮発性有機物 捕捉剤は、平均粒径1~200nmを有する二酸化珪 素のアミノシラン反応物であり、透明であり 、経口毒性はLD50>200mg/kg、皮膚刺激性はP.C.I .が0.00であることが確認されている。

 上記実施例と同様に、揮発性有機物質捕 剤が無添加のカットサンプルを作製した。 ち、厚さ5~20μmのフェルト層とフェルトから なる厚さ約5mmの吸音(SA)層の間に厚さ1~2mmのLDP Eからなる樹脂層を介在させて基材とし、上 基材の上にカーペット表皮を載置してカッ サンプルとした。

 これらカットサンプルについて、以下の 験手順でアルデヒド類吸着性能を評価した

(1)10L用テトラバックの中にカットサンプル(8 10=80cm 2 )を入れ、窒素ガス4Lを封入する。

(2)テトラバックごと65℃で2時間加熱する。

(3)加熱処理後、テトラバック内のガス3Lを ルデヒド吸着カラムに通して、アルデヒド をカラムに吸着させる。

(4)カラムに吸着させたアルデヒド類を溶剤で 溶出させ、その溶液を液体クロマトグラフィ ーで定量分析する。(測定波長:360nm、溶媒:ア トニトリル/水=55/45vol、注入量:10μL、ODSカラ ム)
 図2に、上記各カットサンプルによるアルデ ヒド類残存量を示す。図2の結果より、本発 のカットサンプルは優れたアルデヒド類除 性能を示すことが分かる。特に、フェルト 表面に揮発性有機物質捕捉剤を塗布したサ プルはアルデヒド類除去性能に優れている とが分かる。

 本発明により、自動車内の揮発性有機物 が効率よく低減され、環境性が向上する。

 本明細書中で引用した全ての刊行物、特 および特許出願をそのまま参考として本明 書中にとり入れるものとする。