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Patent Searching and Data


Title:
BALL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/144897
Kind Code:
A1
Abstract:
A ball (B) is provided with a ball body (1) having a spherical surface, and also with projections (2) projecting from the surface of the ball body (1).  The projections (2) project such that, when the ball body (1) flies while rotating, the projections (2) suppress instability of fluid force acting on the ball body (1), thereby stabilizing the trajectory of the ball body (1) so that the ball body (1) flies along a predetermined trajectory.

Inventors:
ITO SHINICHIRO (JP)
SEO KAZUYA (JP)
ASAI TAKESHI (JP)
YUKI NORIHIRO (JP)
HITOTSUBASHI AKIHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/002255
Publication Date:
December 03, 2009
Filing Date:
May 21, 2009
Export Citation:
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Assignee:
MOLTEN CORP (JP)
ITO SHINICHIRO (JP)
SEO KAZUYA (JP)
ASAI TAKESHI (JP)
YUKI NORIHIRO (JP)
HITOTSUBASHI AKIHIRO (JP)
International Classes:
A63B41/00
Domestic Patent References:
WO2008013177A12008-01-31
Foreign References:
JP2005537034A2005-12-08
JPS61127764U1986-08-11
Attorney, Agent or Firm:
MAEDA, Hiroshi et al. (JP)
Hiroshi Maeda (JP)
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Claims:
 球状の表面を有するボール本体と、
 前記ボール本体の表面から隆起した凸部と、を備え、
 前記凸部は、前記ボール本体が回転しながら飛行しているときに、当該ボール本体に作用する流体力の不安定性を抑制することによって前記ボール本体の軌道を所定の軌道に安定化させるよう隆起しているボール。
 請求項1に記載のボールにおいて、
 前記凸部は、前記ボール本体が同じ条件で飛行したときの到達位置のばらつきを小さくするように隆起しているボール。
 請求項1又は2に記載のボールにおいて、
 前記凸部は、前記ボール本体が、その進行方向と同じ方向に縦回転しながら飛行しているときに、その軌道を所定のドロップ軌道に安定化させるよう隆起しているボール。
 請求項1~3のいずれか1項に記載のボールにおいて、
 前記凸部は、所定のパターンで、前記ボール本体の表面全体に配置されているボール。
 請求項1~3のいずれか1項に記載のボールにおいて、
 前記凸部は、前記ボール本体の表面全体に均等に配置されているボール。
 請求項1~5のいずれか1項に記載のボールにおいて、
 前記ボール本体の表面は、複数のパネルによって形成されているボール。
Description:
ボール

 ここに開示する技術は、各種の競技や、 レーニング、遊戯、レクリエーション等に いられる、人が直接的又は間接的に、投げ り、蹴ったり、打ったりするボールに関す 。

 中実状と中空状とに大別されるボールの 、中空状のボールの構造の1つとして、圧縮 空気が封入されるチューブと、そのチューブ 上にナイロンフィラメント等をあらゆる円周 方向に巻くことで形成された補強層と、その 補強層上に形成されたカバーゴム層と、その カバーゴム層上に接着された複数枚の皮革パ ネルよりなる表皮層と、を備えた構造が知ら れている(例えば特許文献1参照)。この構造の ボールは、貼りボールと呼ばれている。

 また、これとは異なるボール構造として 例えば特許文献2に開示されているように、 複数枚の皮革パネルの端縁同士を縫い合わせ て球状にすることで表皮層を形成すると共に 、その表皮層内にチューブを収納した構造が 知られている。この構造のボールは、縫いボ ールと呼ばれている。

 さらに別のボール構造として、例えば特 文献3には、複数の織布片を互いに縫い合わ せて球状とした織布層内にチューブを収納す ると共に、その織布層の表面に複数枚の皮革 パネルを接着して表皮層を形成した構造のボ ールが開示されている。

米国特許第4333648号明細書

特開平9-19516号公報

国際公開第2004/56424号パンフレット

 ところで、ボールを用いた競技において 、直接的又は間接的に、ボールを投げたり 蹴ったり、打ったりしたときの条件(以下、 ボールの打ち出し条件ともいう)が同じであ ば、ボールの飛行軌道が常に同じような軌 となることが望ましい。つまり、飛翔して るボールの軌道が延びたり、落ちたりせず かつ、ボールの進行方向に対して直交する 方向にぶれたりせずに、所望の位置にボー が到達することが望ましい。そうすること よって競技者は、狙い通りにボールをコン ロールすることができるようになる。

 また、ボールを用いた競技においては、 ールに対し強制的に回転を加えることによ て、そのボールの飛行軌道を所定の変化軌 にすることが行われる。例えばボールを進 方向と同じ方向に縦回転させることによっ 、その軌道は、ボールが大きく落ちるよう ドロップ軌道になる。

 このように、ボール軌道を変化軌道にす ときには、ボールに対し同じような回転を えたとき(回転数が同じとき)には、ボール 道が常に同じような変化軌道となることが ましく、また、ボールに与える回転の量(回 数の大小)や球速の高低に、ボール軌道の変 化量が比例することが望ましい。そうするこ とによって競技者は、所望のボール軌道を得 ることができて、ボールのコントロール性が 高まることになる。

 本発明は、かかる点に鑑みてなされたも であり、その目的とするところは、コント ール性を高めたボールを提供することにあ 。

 本件発明者らが実験等を繰り返したとこ 、その表面に所定の凸部を設けたボールは ボール本体が回転しながら飛行していると に、当該ボール本体に作用する流体力の不 定性が抑制されて、ボール本体の軌道が所 の軌道に安定化するという知見を得た。ま 、当該ボールは特に、進行方向と同じ方向 縦回転(いわゆるトップスピン)しながら飛 しているときには、ドロップ量が比較的大 なると共に、その軌道を所定のドロップ軌 に安定化させることができるという知見を た。これらは、ボールの表面粗さ(ラフネス) に関係していると推測される。

 ここに開示するボールは、球状の表面を するボール本体と、前記ボール本体の表面 ら隆起した凸部と、を備え、前記凸部は、 記ボール本体が回転しながら飛行している きに、当該ボール本体に作用する流体力の 安定性を抑制することによって前記ボール 体の軌道を所定の軌道に安定化させるよう 起している。

 前記ボールによると、ボール本体の表面 ら隆起した所定の凸部を備えることによっ 、ボール本体が回転しながら飛行している きに、当該ボール本体に作用する流体力の 安定性が抑制されて、ボール本体の軌道が 定の軌道に安定化する。

図1は、実施形態に係るバレーボールを 示す斜視図である。 図2は、バレーボールの表面を拡大して 示す斜視図である。 図3は、バレーボールの一部断面図であ る。 図4は、図3とは異なる構造のバレーボ ルの一部断面図である。 図5は、図3及び図4とは異なる構造のバ ーボールの一部断面図である。 図6は、凸部の別構成を示す概念図であ る。 図7は、凸部の別構成を示す概念図であ る。 図8は、凸部の別構成を示す概念図であ る。 図9は、凸部の別構成を示す概念図であ る。 図10は、凸部の別構成を示す概念図で る。 図11は、凸部の別構成を示す概念図で る。 図12は、凸部の別構成を示す概念図で る。 図13は、凸部の別構成を示す概念図で る。 図14は、凸部の別構成を示す概念図で る。 図15は、凸部の別構成を示す概念図で る。 図16は、凸部の別構成を示す概念図で る。 図17は、凸部の別構成を示す概念図で る。 図18は、凸部の別構成を示す概念図で る。 図19は、凸部の別構成を示す概念図で る。 図20は、凸部の別構成を示す概念図で る。 図21は、凸部の別構成を示す概念図で る。 図22は、凸部の別構成を示す概念図で る。 図23は、凸部の別構成を示す概念図で る。 図24は、図23のa-a断面図である。 図25は、凸部の別構成を示す概念図で る。 図26は、凸部の別構成を示す概念図で る。 図27は、凸部の別構成を示す概念図で る。 図28は、凸部の別構成を示す概念図で る。 図29は、図28のb-b断面図である。 図30は、凸部の別構成を示す概念図で る。 図31は、比較例に係るボールの構成を す説明図である。 図32Aは、回転数300rpm時の、各例に係 ボールの揚力特性を示す図である。 図32Bは、回転数480rpm時の、各例に係 ボールの揚力特性を示す図である。 図32Cは、回転数600rpm時の、各例に係 ボールの揚力特性を示す図である。 図33Aは、従来例に係るボールの揚力 性を示す図である。 図33Bは、比較例に係るボールの揚力 性を示す図である。 図33Cは、実施例に係るボールの揚力 性を示す図である。 図34Aは、回転数300rpm時の、各例に係 ボールの軌道のシミュレーション結果を示 図である。 図34Bは、回転数480rpm時の、各例に係 ボールの軌道のシミュレーション結果を示 図である。 図34Cは、回転数600rpm時の、各例に係 ボールの軌道のシミュレーション結果を示 図である。 図35は、従来例に係るボールに作用す 横力の時間変動の一例を示す図である。 図36は、第2実施例に係るボールに作用 する横力の時間変動の一例を示す図である。 図37は、従来例に係るボールを打ち出 装置により打ち出したときの、到達位置の らつきを示す図である。 図38は、第2実施例に係るボールを打ち 出し装置により打ち出したときの、到達位置 のばらつきを示す図である。

 ここに開示するボールは、球状の表面を するボール本体と、前記ボール本体の表面 ら隆起した凸部と、を備える。そして、前 凸部は、前記ボール本体が回転しながら飛 しているときに、当該ボール本体に作用す 流体力の不安定性を抑制することによって 記ボール本体の軌道を所定の軌道に安定化 せるよう隆起している。

 ここでいう「回転」は、ボールに対し回 方向の力を加えて、ボールを強制的に回転 せる(つまり、比較的高回転で回転する)こ に限定されず、ボールに対し回転方向の力 意図的に加えない場合も「ボール本体が回 しながら飛行している」ことに含まれる。 まり、ボールが低回転で回転している場合 勿論のこと、極低回転で回転していて準定 的に非回転といえる場合も含まれ得る。

 前記凸部は、前記ボール本体が同じ条件 飛行したときの到達位置のばらつきを小さ するように隆起している、としてもよい。 こでいう「到達位置」は、ボール本体の飛 離(飛行方向に対する到達位置)と、その飛 方向に直交する横方向の到達位置との双方 含まれる。つまり、凸部は、ボール本体の 行軌跡が延びたり、落ちたりすることを抑 すると共に、横方向にぶれたりすることも 制することによって、到達位置のばらつき 小さくする。

 前記凸部は、前記ボール本体が、その進 方向と同じ方向に縦回転しながら飛行して るときに、その軌道を所定のドロップ軌道 安定化させるよう隆起している、としても い。ここでいう「縦回転」は、ボールを強 的に回転させて、比較的高回転で縦回転す ことを意味する。

 すなわち、前記のボールは、回転しなが 飛行しているときには、ボール本体の軌道 安定化して到達位置のばらつきが小さくな 一方で、強制的に縦回転を加えたときには その軌道が所定のドロップ軌道に安定化す との知見を、本願発明者らは得たのである

 前記凸部は、所定のパターンで、前記ボ ル本体の表面全体に配置されている、とし もよい。

 前記凸部は、前記ボール本体の表面全体 均等に配置されている、としてもよい。

 前記ボール本体の表面は、複数のパネル よって形成されている、としてもよい。

 以下、ボールの実施形態を図面に基づい 説明する。尚、以下の好ましい実施形態の 明は、本質的に例示に過ぎない。

 図1は、本実施形態に係るボールを示して いる。ここでは、バレーボールを例に、ボー ルについて説明する。尚、ボールはバレーボ ールに限らない。例えば、サッカーボール、 ハンドボール、及び、バスケットボール等の 他の競技に用いられるボールであってもよい 。

 前記バレーボールBは、図2に拡大して示 ように、ボール本体1と、ボール本体1の表面 から隆起した凸部2と、を備えている。

 ボール本体1は、図3、図4又は図5に示すよ うに、本実施形態では、いわゆる貼りボール の構造を有している。すなわち、ボール本体 1は、球形中空のチューブ11、チューブ11の表 を被覆する補強層12、補強層12上に被覆され た、例えば天然ゴムからなるカバーゴム層13 及び、カバーゴム層13の表面に接着剤を介 て接着された複数枚(このバレーボールBでは 18枚)の皮革パネル14からなり、ボール本体1の 球面状の表面を形成する表皮層15、を含んで 成される。

 前記チューブ11は、例えばブチルゴム等 、空気非透過性弾性体からなる。チューブ11 には、図示省略のバルブを介して圧縮空気が 封入される。

 前記補強層12は、数千m分の長さのナイロ フィラメント等をチューブ11上にあらゆる 周方向に巻回した糸巻き層、又は、複数枚 織布片を球形に縫い合わせた布層よりなる この補強層12によって、ボールとしての品質 が安定化する。つまり、この補強層12によっ 、ボール本体1の真球性、耐久性、球状維持 性、及び、経時変化に対する強度、がそれぞ れ向上する。

 前記皮革パネル14は、天然皮革、人工皮 又は合成皮革からなり、それぞれ所定の短 形状を有している。皮革パネル14は、ボール 本体1の表面を、上下、左右、及び前後の、 ール本体の中心を通りかつ互いに直交する6 (以下、各軸を中心軸と呼ぶこともある)そ ぞれの方向に6分割したときに略四角形状に 成される各領域内に3枚、その周縁部同士を 互いに接した状態で配置される。そうしてボ ール本体1の表面が皮革パネル14によって覆わ れることで、前記表皮層15が形成される。尚 各皮革パネルの形状や、その枚数は、特に 限されるものではなく、適宜の形状及び枚 を採用することが可能である。

 尚、図示は省略するが、各皮革パネル14 、その裏面の周縁部が厚み方向に斜めに削 れている。このことによって、ボール本体1 表面において皮革パネル14の周縁部同士が 合する箇所には、横断面略V字状の窪みが形 されることになる。すなわち、前記バレー ールBの表面には、予め所定の凹凸が形成さ れている。

 尚、図3~図5は、理解容易のために、ボー 本体1の断面を模式的に描いている。図例で は各層の厚みを互いに略同じに描いているが 、各層の厚みは、実際は互いに異なるもので ある。

 前記凸部2は、本実施形態のバレーボール Bでは、図2に示すように、線状であり、この 状の凸部2が、各皮革パネル14において、互 に直交する2方向に等間隔を空けて多数配置 されている。このことによって、ボール本体 1の表面には、前記凸部2によって正方格子が 成されている。換言すれば、ボール本体1の 表面には、多数の矩形パターンが、表面全体 に均等に配置されている。

 各凸部2は、例えば以下のようにして、ボ ール本体1の表面に形成すればよい。すなわ 、例えば図3に示すように、カバーゴム層13 対し一体的に、径方向の外方に突出する突 部13aを形成する。この突条部13aによって、 のカバーゴム層13上に接着した皮革パネル14 ボール本体1の径方向外方に隆起するため、 ボール本体1の表面から隆起する凸部2が形成 れることになる。

 尚、前記の突条部13aは、カバーゴム層13 一体成形により形成してもよいが、突条部13 aの形成は一体成形に限るものではない。例 ば図示は省略するが、カバーゴム層13の表面 に、所定の高さを有する突条部材を接着等に よって取り付けることによっても、前記の突 条部13aを形成することができる。

 これとは異なり、例えば図4に示すように 、皮革パネル14に対し一体的に、その表面か 突出する突条部14aを形成することによって ボール本体1の表面から隆起する凸部2を形 してもよい。

 また、前記の突条部14aを皮革パネル14と 体成形するのではなく、例えば図5に示すよ に、皮革パネル14の表面に、突条部材14bを えば接着によって取り付けることによって ボール本体1の表面から隆起する凸部2を形成 するようにしてもよい。

 ボール本体1の表面から隆起する各凸部2 、詳しくは後述するが、ボール本体1が回転( 極低回転を含む)しながら飛行しているとき 、ボール本体に作用する流体力の不安定性 抑制して、ボール本体の軌道を所定の軌道 安定化させる機能を有する。つまり、ボー 本体1の打ち出し条件が同じときには、その 達位置(飛距離及び飛行方向に直交する横方 向の位置)のばらつきが抑制される。また、 凸部2は、ボール本体1が、その進行方向と同 じ方向に縦回転しながら飛行しているときに は、その軌道を所定のドロップ軌道に安定化 させる機能を有する。つまり、ボール本体1 対して同じような回転を与えたときには、 のボールの軌道は、常に同じようなドロッ 軌道になる。また、回転数や球速に略比例 て、ドロップ量が変化する。

 ここで、各凸部2の高さは、0.05~0.4mm程度 好ましく、より好ましくは、0.1~0.2mm程度で る。こうすることによって、ボール本体1の ンドリング性を損なうことなく、ボール軌 の安定化を達成することが可能になる。

 また、ボール本体1の全表面積に対する、 凸部2の部分の表面積(例えば図3参照)の割合 、10~40%程度が好ましく、20~30%程度がより好 しい。これによって、ボール本体1のハンド ング性と、ボール軌道の安定化とが両立す 。尚、この割合は、凸部2をボール本体1に してどの程度の量で設ければよいかの指標 与えることになる。

 前記凸部2の配置や形状は、図2に示す配 や形状に限定されない。以下、図面を参照 ながら凸部2の配置や形状のバリエーション ついて説明する。

 図6では、線状の凸部2によって6角形パタ ンを形成すると共に、その6角形パターンを 互いに接するように並べて配置している。つ まり、凸部2によってハニカム格子が形成さ ている。

 図7では、6角形パターンの凸部2を、互い 間隔を設けて並べて配置している。隣り合 6角形パターンは、千鳥配置とされている。

 図8では、短い線分の凸部2を、図8におい 、互いに直交する斜めの2方向に、互いに等 間隔を空けて並べて配置している。これによ って、凸部2により、斜めに傾いた正方格子 形成されている。

 図9では、短い線分の3つの凸部2を、3角形 を形成するように配置して三角パターンとす ると共に、その三角パターンを、図9におけ 上下左右に等間隔を空けて並べて配置して る。

 図10では、図8に示す正方格子パターンに ける各格子内に、短い線分の凸部2をさらに 配置している。凸部2の向きは、隣合う格子 互いに異ならせている。

 図11では、短い線分の3つの凸部2を、Y字 形成するように配置してY字パターンとする 共に、そのY字パターンを、図11における上 左右に等間隔を空けて並べて配置している 隣り合うY字パターンは、千鳥配置とされて いる。また、Y字パターンは、所定の規則性 持って上下に対する向きを反転させている これによって、6個のY字パターンによって、 6角格子が形成されると共に、その各格子内 Y字パターンが配置されている。

 図12では、線状の凸部2を、上下及び斜め 向のそれぞれについて、等間隔を空けて配 することにより、三角格子を形成している 換言すれば、多数の正三角形パターンを、 いに接するように並べて配置している。

 図13では、線状の凸部2によって菱形パタ ンを形成すると共に、その菱形パターンを いに接するように並べて配置している。

 図14では、線状の凸部2によって円形パタ ンを形成すると共に、その円形パターンを 図14における上下左右に、互いに接するよ に並べて配置している。

 図15では、短い線分の凸部2によって円形 ターンを形成すると共に、その円形パター を、図15における上下左右に、互いに間隔 空けて並べて配置している。

 図16では、図15における円形パターンを、 千鳥状に配置している。

 図17では、図14における円形パターンを、 図17における上下左右に、互いに一部が重な ように並べて配置している。

 図18では、短い線分の凸部2を#形状に配置 すると共に、その#パターンを互いに直交す 2方向それぞれに対し、千鳥状に並べて配置 ている。尚、千鳥配置に限定されるもので ない。

 図19では、短い線分の凸部2を、互いに直 する2方向それぞれに対し並べて配置してい る。これによって、格子点に凸部2が存在し い正方格子が形成されている。

 図20では、短い線分の凸部2をバツ状に配 すると共に、そのバツ状パターンを互いに 交する2方向それぞれに対し並べて配置して いる。

 図21では、比較的長い線分の凸部2を、1方 向に並べて配置している。ここで凸部2の間 は、同図に示すように周期的に変化させて よいし、等間隔であってもよい。

 図22では、短い線分の凸部2をV字状に配置 すると共に、そのV字パターンを互いに直交 る2方向それぞれに対し並べて配置している

 図23及び図24では、表面からスパイク状に 隆起した凸部2を、6角形パターンを形成する うに配置すると共に、その6角形パターンを 、図23における上下左右に並べて配置してい 。

 図25では、図23の6角形パターンを、千鳥 に配置している。

 図26では、表面からスパイク状に隆起し 凸部2を、正方形パターンを形成するように 置すると共に、その正方形パターンを、図2 6における上下左右に間隔を空けて、並べて 置している。

 図27では、表面からスパイク状に隆起し 凸部2を、三角形パターン及び逆三角形パタ ンを形成するように配置すると共に、その 角形パターン及び逆三角形パターンを、図2 7における上下左右に、互いに一部が重なる うに並べて配置している。

 図28及び図29では、表面から点状に隆起す る凸部2を、図28における上下左右に等間隔を 空けて並べて配置している。また、各凸部2 周囲には、環状の凹溝21が形成されている。 尚、凹溝21は省略することも可能である。

 図30では、図28における点状の凸部2を、 鳥状に並べて配置している。

 尚、図2、図6~図30に示す、凸部2の配置や 状は、2つ又は3以上を組み合わせることも 能である。

 次に、具体的に実施した実施例について 明する。先ず、18枚の皮革パネル14が表面に 貼られた市販のバレーボール(直径209mm)を、 来例として用意した。

 一方、図2に示すように、凸部2を正方格 状に形成したバレーボールを、実施例とし 用意した。

 また、比較例として、図31に示すように 市販のバレーボールBの表面に、直径が0.45mm 断面円形状を有する線条部材3を、その中心 軸を中心とする、所定の直径(図31のD参照)の 形状となるように貼り付けたバレーボール 作成した。具体的に比較例のボールは、上 、左右、及び前後の、ボール本体の中心を りかつ互いに直交する6軸それぞれについて 、直径187mmの円形状となるように、6つの線条 部材3を表面に貼り付けたボールである。尚 図31では、5つの線条部材3が図示され、図に いてボール本体1の裏側に配置される1つの 条部材は図示していない。

 前記の各例に対し風洞実験を行うことに って、各例のボールの空力特性を調べた。 の結果を、図32及び図33に、レイノルズ数Re 対する揚力係数CLの変化として示す。さら これらの値に関してボールの挙動を考察し (図34参照)。ここで、図32Aは、ボールを、進 方向と同じ方向に300rpmで縦回転させた場合 図32Bは、ボールを、進行方向と同じ方向に4 80rpmで縦回転させた場合、図32Cは、ボールを 進行方向と同じ方向に600rpmで縦回転させた 合における、各ボールの揚力係数の比較で る。また、図33Aは、従来例のボール、図33B 、比較例のボール、図33Cは、実施例のボー のそれぞれについて、回転数を変化させた 合の揚力係数の比較である。ここで、図32 び図33における縦線は、ボールの速度が50km/h に相当するレイノルズ数Reを示しており、こ よりもレイノルズ数Reが高い領域が、例え バレーボールでの実用速度領域となる。従 て、以下においては、この縦の細線よりも 側の領域に着目する。

 先ず、図32Aを見ると、従来例のボールに して、比較例のボール及び実施例のボール 揚力係数はマイナス側に大きい値(絶対値が 大きい)となり、比較例のボール及び実施例 ボールは、従来例のボールよりも、下向き 大きい力が作用する。従って、比較例のボ ル及び実施例のボールは、従来例のボール りもドロップ量が大きくなる。

 また、図32B,図32Cを参照すると、比較例の ボールは従来例のボールよりも揚力係数が大 きくなるが、実施例のボールは、従来例のボ ールよりも揚力係数がマイナス側に大きい値 となる。従って、回転数が比較的高いときで も、実施例のボールは、従来例のボールより もドロップ量が大きくなる。

 また、図33Aを見ると、従来例のボールは 回転数300rpmのときの揚力係数CLに対して、 転数480rpm及び600rpmのときの揚力係数CLが大き く変化しており、回転数の変化に対して揚力 係数CLが急変する。それと共に従来例のボー は、レイノルズ数Reの変化に対して、揚力 数CLが単調に変化しない場合がある。例えば 回転数300rpmのときは、レイノルズ数Reの増大 対して、揚力係数CLが単調に減少するのに し、回転数600rpmのときは、レイノルズ数Reの 増大に対して、揚力係数CLがほとんど変化せ (若しくは、若干増大する)、その特性が全 異なる。また、例えば回転数480rpmのときは 揚力係数CLが落ち込むレイノルズ数が存在し ており、レイノルズ数Reの増大に対して揚力 数CLが単調に変化しない。

 また、比較例のボールは、回転数300rpmの きの揚力係数CLと回転数480rpmのときの揚力 数CLとの差と、回転数480rpmのときの揚力係数 CLと及び回転数600rpmのときの揚力係数CLとの とが異なり、回転数の変化に対して揚力係 CLの変化が一定ではない。また、比較例のボ ールは、回転数一定のときにレイノルズ数Re 変化に対して、揚力係数CLが単調に変化し い場合がある。例えば回転数300rpmのときは レイノルズ数Reの増大に対して、揚力係数CL ほとんど変化しないのに対し、回転数480rpm び600rpmのときは、レイノルズ数Reの増大に して、揚力係数CLが単調に増大し、その特性 が異なる。

 これに対し、実施例のボールは、回転数 変化に対して揚力係数CLが急変することは く、揚力係数CLは回転数の変化にほぼ比例し ている。また、回転数が一定であるときには 、レイノルズ数Reの増大に対して、揚力係数C Lが比較的単調に増大している。このことか 、実施例のボールは、従来例及び比較例の ールよりも、ドロップ量が大きいと共に、 転数及び球速の変化に対して、そのドロッ 量が比例する。従って、実施例のボールは 縦回転時には、安定したドロップ軌道が得 れることになる。

 上述は揚力係数CLに基づく説明であるが 実際のドロップ量は抗力係数CDによる速度減 少の影響も考慮しなければならない。図34A~C 、従来例、比較例及び実施例の各バレーボ ルについて、前記の実験結果に基づくと共 、速度減少の影響も考慮して、サービス時 軌道をシミュレーションした結果を示して る。図34Aは、ボールの回転数を300rpm、図34B 、ボールの回転数を480rpm、図34Cは、ボール 回転数を600rpmにそれぞれ設定している。

 ここで、前記のシミュレーションにおい は、エンドラインよりも2m後方の、高さ2.2m 位置から、速度50km/hでボールを打ち出した きの、ボールの軌道をシミュレートしてい 。また、ボールの打ち出し角度は、従来例 比較例及び実施例で互いに同じに設定して る。つまり、各回転数において、従来例及 比較例の打ち出し角度は、実施例のボール コート中央のネットを超える打ち出し角度 同じ角度に設定している。

 これによると、回転数300rpmのときには(図 34A参照)、従来例及び比較例のボールは、ほ 同じ軌道になるのに対し、実施例のボール 、最高点付近以降のボール軌道が、従来例 び比較例よりも、若干下がっていることが かる。つまり、実施例のボールの軌道は、 来例よりも変化が大きく、これによって実 例のボールは、従来例及び比較例よりも飛 離が少し短くなる。

 また、回転数480rpmのときには(図34B参照) 比較例のボールは、従来例よりも飛距離が くなるのに対し、実施例のボールは、従来 よりも飛距離が短くなる。この傾向は、回 数600rpmのときも同様である。また、実施例 ボールは、回転数が高くなるにつれて、従 例のボールとの軌道の違いが顕著になる。

 次に別の実施例として、市販のバレーボ ルである従来例(この従来例は前述の従来例 と同じである)と、図6に示すように、凸部2を ハニカム格子状に形成したバレーボール(第2 施例)とを用意し、従来例と第2実施例とに いて、ボールの軌道の安定性に関する比較 行った。

 図35は従来例に対して風洞実験を行うこ により得られた、当該ボールの飛び方向に 交する方向の力(以下、このボールに作用す 力を横力とも言う)の時間変動の図であり、 図36は第2実施例に対して風洞実験を行うこと により得られた、横力Lの時間変動の図であ 。ここで、各ボールは回転させずに静止さ ている。また風速は14m/sである。図35を参照 ると、従来例においては横力Lの振幅が±0.5N 程度であるのに対し、第2実施例においては 横力Lの振幅が±0.25N程度に小さくなっている 。つまり第2実施例では、従来例と比較して 力の変動が小さいことから、この第2実施例 係るボールを実際に飛翔させたときには、 のボールの飛行軌道が、進行方向に対し直 する横方向にぶれることが抑制されること なる。

 次に、従来例及び第2実施例の各ボールを 、打ち出し装置により実際に打ち出したとき の到達位置のばらつきを評価した。打ち出し 装置は、その図示は省略するが、人の掌によ ってバレーボールを打撃することを模擬する ように、基端側が枢支されて当該枢支軸回り に回動する回転アームと、回転アームの先端 に取り付けられた、平板状の打撃板とを備え て構成されていると共に、その回転アームの 回動における最下位置の近傍にボールがセッ トされるように構成されている。打ち出し装 置は、回転アームの回動に伴い、ボールの概 略中心に打撃板が当たることによって、当該 ボールを打ち出す。この構成によって、打ち 出し装置は、その打ち出しの際にボールに対 して回転方向の力を付与することはなく、こ れによって各例のボールは、低回転乃至極低 回転で回転しながら飛行することになる。打 ち出し装置は、その回転アームの回動速度を 調整することによりボールの初速度が変更さ れると共に、ボールのセット位置を調整する ことによって、打撃板がボールに当たるとき の角度が変更されることで、ボールの打ち出 し角度が変更されるように構成されている。 この実施例においては、打ち出し装置の打ち 出し条件は、初速度が14m/sであり、打ち出し 度が約20°に設定されている。図37は従来例 係るボールの到達位置のばらつきを示す図 あり、図38は第2実施例に係るボールの到達 置のばらつきを示す図であり、各図は、ボ ルが左から右に向かって飛行する向きで、 軸(X軸)をボールの飛距離、縦軸(Y軸)をボー の横方向のずれ量としている。従って、図3 7,38の各図は、ボールが到達した床面の位置 、XY平面上にプロットして示していることに なる。尚、ここでは各例について90回の試行 行っている。

 先ず図37(従来例)を参照すると、ボールの 到達位置は、1200~1700cm(X軸)、-250~250cm(Y軸)の範 囲内に収まっているものの、同図に一点鎖線 の囲いによって示すように、飛距離が長くな ったり、短くなったりする場合や、横方向の ずれ量が大きくなったりする場合が存在して いることがわかる。到達位置のばらつきを評 価するために、前記のデータから、X方向の 均値とY方向の平均値とをそれぞれ算出して それを平均到達位置と定め、この平均到達 置と各試行における到達位置との間の距離 標準偏差を算出した。この図37のデータに づいて算出した標準偏差は、54.66であった。

 これに対し図38(第2実施例)を参照すると ボールの到達位置は、従来例と同様に1200~170 0cm(X軸)、-250~250cm(Y軸)の範囲内に収まってい 一方で、従来例とは異なり、飛距離が長く ったり、短くなったりする場合や、横方向 ずれ量が大きくなったりする場合が、ほと ど存在していない。この図38のデータに基づ いて算出した前記の標準偏差は、41.29であり 従来例の場合よりもばらつきが小さくなっ いることがわかる。従って、第2実施例は、 ボールの飛距離に関して、ボールの軌道が延 びたり、また落ちたりすることが抑制される と共に、ボールの進行方向に対し直交する横 方向に対して、軌道がぶれたりすることも抑 制されることがわかる。このことは、競技者 が所望の位置にボールを到達させる、つまり 狙い通りにボールをコントロールする上で有 利であることを示している。

 尚、前述したように、ここに開示する技 が適用可能なボールはバレーボールBに限ら ない。この技術は、その他、競技用、トレー ニング用、遊戯用、レクリエーション用等の 、各種のボールに適用可能である。尚、競技 用ボールとしては特に、サッカーボール、ハ ンドボール等が具体例として挙げることがで きる。

 また、ボールの構造も、貼りボールに限 されるものではない。この技術は、各種の 造のボールに対して適用することが可能で る。例えば中空のボールに限らず、中実の ールに対して本技術を適用することも可能 ある。

 また、貼りボール以外の中空のボールの 造としては、例えば、複数枚の皮革パネル 端縁同士を縫い合わせて球状とした表皮層 、その表皮層内に収納したチューブとを含 構造の、いわゆる縫いボールを、具体例と て挙げることができる。この縫いボールに 技術を適用するときには、皮革パネルに対 一体に突条部を形成することによって凸部 設けてもよいし、皮革パネルの表面に突条 材を接着等によって取り付けることによっ 凸部を設けてもよい。

 また、中空のボールの構造としては、例 ば、複数の織布片を互いに縫い合わせて球 とした織布層内にチューブを収納すると共 、その織布層の表面に複数枚の皮革パネル 接着した構造も、別の具体例として挙げる とができる。この構造のボールに本技術を 用するときには、前記縫いボールと同様に 皮革パネルに突条部を一体に形成するか、 革パネルに突条部材を接着等によって取り けるか、すればよい。また、例えば織布層 突条部材を貼り付けると共に、その上に皮 パネルを接着することによって、ボール表 から隆起する凸部を設けてもよい。

 以上説明したように、ここに開示する技 は、回転時のボール軌道が安定化して、ボ ルコントロール性が高まるから、各種のボ ルに有用である。

1 ボール本体
14 皮革パネル
2 凸部
B バレーボール