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Patent Searching and Data


Title:
BATTERY AND METHOD OF PRODUCING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/025199
Kind Code:
A1
Abstract:
A battery (100) includes an electrode body (80) having a positive electrode and a negative electrode and also includes an exterior case (50) for receiving the electrode body. An insulation film (10) for isolating the exterior case and the electrode body from each other is placed between an inner wall surface (56) of the exterior case and the electrode body (80). The insulation film (10) has a bag-like shape in which the electrode body (80) is inserted. The bag-like insulation film (10) has a gap filling section (20) on its surface facing a side surface (81) of the electrode body (80), and the gap filling section (20) closes a gap between the electrode body and the inner wall surface (56) of the exterior case.

Inventors:
NAGAMATSU SHIGETAKA (JP)
TANAHASHI TAKAYUKI (JP)
TANAKA HIROYUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/064442
Publication Date:
February 26, 2009
Filing Date:
August 12, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TOYOTA MOTOR CO LTD (JP)
NAGAMATSU SHIGETAKA (JP)
TANAHASHI TAKAYUKI (JP)
TANAKA HIROYUKI (JP)
International Classes:
H01M10/04; H01M10/0587; H01M50/119
Foreign References:
JP2006278245A2006-10-12
JP2002033084A2002-01-31
JP2003187880A2003-07-04
JP2000048773A2000-02-18
JPH0883595A1996-03-26
JP2000100404A2000-04-07
JP2000188133A2000-07-04
JP2003051335A2003-02-21
JP2006120419A2006-05-11
Other References:
See also references of EP 2192637A4
Attorney, Agent or Firm:
ABE, Makoto (CRD Marunouchi 5th Floor3-17-13 Marunouchi, Naka-ku,Nagoya-sh, Aichi 02, JP)
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Claims:
 正極および負極を備える電極体と、当該電極体を収容する外装ケースとを備える電池であって、
 前記外装ケースの内壁面と前記電極体との間には当該外装ケースと電極体とを隔離する絶縁フィルムが配置されており、
 前記絶縁フィルムは前記電極体が挿入される袋状に形成されており、
 前記袋状絶縁フィルムは、前記電極体の側面に対向する面に、前記電極体と前記外装ケースの内壁面との隙間を塞ぐ間隙充填部を備えることを特徴とする、電池。
 前記間隙充填部は、所定の厚みを有するシート状に形成されたシート状間隙充填部材が前記袋状絶縁フィルムのうちの前記電極体の側面に対向する面に1枚若しくは複数枚接合されて構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の電池。
 前記電極体はシート状正極とシート状負極とが捲回されて成る扁平形状の捲回電極体であり、
 前記間隙充填部は前記捲回電極体の扁平面と対向する位置に形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の電池。
 請求項1~3のいずれか一つに記載の電池を備える車両。
 正極および負極を備える電極体と当該電極体を収容する外装ケースとを備える電池の製造方法であって、
 前記電極体を袋状に形成された絶縁フィルムに挿入する工程(a)と、
 前記電極体を前記袋状絶縁フィルムとともに前記外装ケースに収容する工程(b)と
を包含し、
 ここで前記絶縁フィルムは、前記電極体の側面に対向する面に前記電極体と前記外装ケースの内壁面との隙間を塞ぐ間隙充填部を備えており、
 前記工程(b)において前記電極体が前記袋状絶縁フィルムとともに前記外装ケースに収容された際、前記間隙充填部によって該電極体と該外装ケースの内壁面との隙間が塞がれることを特徴とする、電池の製造方法。
 前記間隙充填部は、所定の厚みを有するシート状に形成されたシート状間隙充填部材が前記袋状絶縁フィルムのうちの前記電極体の側面に対向する面に1枚若しくは複数枚接合されて構成されていることを特徴とする、請求項5に記載の製造方法。
 前記シート状間隙充填部材は前記袋状絶縁フィルムにおける前記電極体を挿入する袋開口部側の端辺部分にてスポット溶着されていることを特徴とする、請求項6に記載の製造方法。
 前記シート状間隙充填部材は前記袋状絶縁フィルムのうちの前記電極体の側面に対向する面に複数枚接合されており、
 ここで該複数枚のシート状間隙充填部材は、前記袋状絶縁フィルムに接合される前に予め相互に溶着されて一体化されていることを特徴とする、請求項6または7に記載の製造方法。
Description:
電池およびその製造方法

 本発明は、電池とその製造方法に関する。 しくは、車両搭載用として好適な電池の構 に関する。
 なお、本国際出願は2007年8月23日に出願され た日本国特許出願第2007-216678号に基づく優先 を主張しており、その出願の全内容は本明 書中に参照として組み入れられている。

 近年、リチウムイオン電池、ニッケル水素 池その他の二次電池は、車両搭載用電源、 いはパソコンおよび携帯端末の電源として 要性が高まっている。特に、軽量で高エネ ギー密度が得られるリチウムイオン電池は 車両搭載用高出力電源として好ましく用い れるものとして期待されている。この種の 池においては、シート状正極とシート状負 をセパレータと共に積層し捲回させた捲回 極体を備えた電池構造が知られている。
 ところで、この種の電池においては電極体 外装ケースとを別々に製造し、その後電極 を外装ケースに収容する必要がある。外装 ースとしては金属製のパッケージを使用す ことが多く、この場合には金属製パッケー と電極体とを絶縁するために電極体を絶縁 フィルムで包装する必要がある。例えば特 文献1には複数の極板群(多数枚の正極板と 数枚の負極板とをセパレータを介して交互 積層した積層電極体)を接続してなる極板群 結体の両側面と下面の3側面を断面U字状の ート(ポリプロピレンやポリエチレンなどの 層又は多層ラミネート構造のもの)にて覆い 、当該極板群連結体を断面U字状シートと共 角形電槽の収容空間内に挿入配置して構成 れた角形密閉式電池が開示されている。な 、他の従来技術として特許文献2が挙げられ 。

日本国特許出願公開2003-51335号公報

日本国特許出願公開2006-120419号公報

 しかしながら、積層電極体(典型的には捲回 電極体)では、その積層(捲回)度合や電極活物 質の塗膜ばらつき等により積層方向の厚みが 不揃いになりやすく、従って、かかる積層電 極体を備える電池では積層電極体と角形電槽 (即ち内部に電極体や電解質を収容する外装 ース)との間に隙間が形成されるという問題 ある。電極体と外装ケースとの間に隙間が 在すると電池性能に悪影響(例えば電極体の 偏りに伴う電極活物質の偏在に起因する電量 分布の不均一化や局所化)を及ぼす虞がある め好ましくない。
 また、かかる電池を自動車等の車両搭載用 源として使用する際には、搭載スペースが 限されることに加えて振動が発生する状態 の使用が前提となることから多数の電池を 列し且つ拘束した状態(即ち各電池を相互に 固定した状態)の組電池(バッテリー又はバッ リーパックともいう。)が構築される。かか る拘束時には組電池を構成する個々の電池( 電池=セル)に相当な荷重が加えられる。電極 体と外装ケースとの間に隙間が存在すると、 拘束時に加わる相当な荷重によって外装ケー スに荷重方向への撓み或いは変形が生じる虞 がある。
 本発明は、従来の電池に関する上述した課 を解決すべく開発されたものであり、その 的とするところは、外装ケース内部に隙間 生じない電池(例えば組電池を構成する単電 池)を提供することである。また、他の目的 、そのような電池を良好な作業性で製造す 方法を提供することである。

 本発明によって提供される電池は、正極お び負極を備える電極体と、当該電極体を収 する外装ケースとを備える電池である。上 外装ケースの内壁面と上記電極体との間に 当該外装ケースと電極体とを隔離する絶縁 ィルムが配置されている。この絶縁フィル は上記電極体が挿入される袋状に形成され いる。そして、上記袋状絶縁フィルムは、 記電極体の側面に対向する面に、上記電極 と上記外装ケースの内壁面との隙間を塞ぐ 隙充填部を備えることを特徴とする。
 かかる構成の電池によれば、袋状絶縁フィ ムが備える間隙充填部によって外装ケース の隙間、典型的には外装ケース内部に収容 る電極体の形状の不揃いに起因して生じる 間を塞ぐことができる。このことによって 該隙間が存在することによる電池性能への 影響(例えば、電極体の偏りに伴う電極活物 質の偏在に起因する電量分布の不均一化や局 所化)を未然に防止することができる。また 袋状絶縁フィルムと一体となった間隙充填 を用いることにより、間隙充填のための部 を別個に外装ケース内に装填する場合に起 り得る位置ズレを防止することができ、電 体と外装ケース(内壁面)との隙間を確実に塞 ぐことができる。

 なお、本発明に係る電池は特に自動車等の 両に搭載されるモーター(電動機)用電源と て好適に使用し得る。即ち本発明の電池を 電池として所定の方向に配列し、当該単電 をその配列方向に拘束することによって組 池を構築し、かかる組電池を車両搭載用電 として好適に使用することができる。
 かかる場合において組電池を構成する個々 電池の外装ケース内の隙間を袋状絶縁フィ ムが備える間隙充填部で塞いでいるので、 記拘束時に加わる相当な荷重によって電池 外形が歪むこと(外装ケースの変形)を防止 ることができる。従って、本発明の電池に ると、信頼性の高い、車両搭載用その他用 の組電池を提供することができる。

 ここで開示される電池のある好適な一態様 おいて、上記間隙充填部は、所定の厚みを するシート状に形成されたシート状間隙充 部材が上記袋状絶縁フィルムのうちの上記 極体の側面に対向する面に1枚若しくは複数 枚接合されて構成されていることを特徴とす る。
 電極体と外装ケース(内壁面)との隙間のサ ズは個々の電池において異なるところ、上 構成では、数多くのサイズの間隙充填部材 取り揃えることなく、所定の厚みのシート 間隙充填部材を用意して袋状絶縁フィルム 接合するとともにその使用枚数を調整する とによって個々の電池の上記隙間を塞ぐこ ができる。

 ここで開示される電池のある好適な一態様 おいて、上記電極体はシート状正極とシー 状負極とが捲回されて成る扁平形状の捲回 極体である。そして、上記シート状間隙充 部は上記捲回電極体の扁平面と対向する位 に形成されていることを特徴とする。
 捲回電極体の厚みは、その構造上不揃いに り易いが、本態様の発明によると、かかる 回電極体の形状の不揃いに起因して生じる 間を確実に塞ぐことができる。

 また、本発明は、ここで開示される電池を 適に製造する方法を提供する。即ち、ここ 開示される電池の製造方法の一態様は、正 および負極を備える電極体(典型的には扁平 形状の電極体)と、当該電極体を収容する外 ケースとを備える電池の製造方法である。 発明の製造方法は、上記電極体を袋状に形 された絶縁フィルムに挿入する工程(a)と、 記電極体を上記袋状絶縁フィルムとともに 記外装ケースに収容する工程(b)とを包含す 。ここで上記絶縁フィルムは、上記電極体 側面に対向する面に上記電極体と上記外装 ースの内壁面との隙間を塞ぐ間隙充填部を えており、上記工程(b)において上記間隙充 部が前記袋状絶縁フィルムとともに前記外 ケースに収容された際、上記間隙充填部材 よって該電極体と該外装ケースの内壁面と 隙間が塞がれることを特徴とする。
 本発明の製造方法によれば、間隙充填部を えた袋状絶縁フィルムとともに電極体を外 ケースに収容することによって該電極体と 外装ケースの内壁面との隙間を塞ぐことが きる。すなわち、上記隙間を塞ぐ作業(間隙 充填作業)を電極体とともに袋状絶縁フィル を外装ケースに収容するだけで行うことが き、その作業性が良好となる。また、袋状 縁フィルムに電極体を挿入する際に間隙充 部と電極体との位置合わせを容易に且つ確 に行うことができ、その位置合わせ精度も 好となる。

 ここで開示される電池の製造方法の好適な 態様において、上記間隙充填部は、所定の みを有するシート状に形成されたシート状 隙充填部材が上記袋状絶縁フィルムのうち 上記電極体の側面に対向する面に1枚若しく は複数枚接合されて構成されていることを特 徴とする。
 電極体と外装ケース(内壁面)との隙間のサ ズは個々の電池において異なるところ、上 製造方法によれば、数多くのサイズの間隙 填部材を取り揃えることなく、所定の厚み シート状間隙充填部材を用意するとともに の使用枚数を調整することによって個々の 池の上記隙間を塞ぐことができる。そのた 、効率よく電池の隙間充填処理を行うこと できる。
 かかる場合、上記シート状間隙充填部材は 記袋状絶縁フィルムにおける上記電極体を 入する袋開口部側の端辺部分にてスポット 着されていることが好ましい。上記構成に れば、袋状絶縁フィルムに電極体を挿入す 際、シート状間隙充填部材が電極体に引き られて位置ズレすることを防止することが きる。また、該電極体による引き摺りによ て袋状絶縁フィルムにシワやヨレが発生す 事態を回避することができる。

 ここで開示される電池の製造方法の好適な 態様において、上記シート状間隙充填部材 上記袋状絶縁フィルムのうちの上記電極体 側面に対向する面に複数枚接合されている ここで該複数枚のシート状間隙充填部材は 上記袋状絶縁フィルムに接合される前に予 相互に溶着されて一体化されていることを 徴とする。
 複数枚のシート状間隙充填部材を一体化す ことにより袋状絶縁フィルムへの搬送およ 溶着作業が容易となる。

図1は、本発明の一実施形態に係る電池 の構成を模式的に示す外観斜視図である。 図2は、捲回電極体の一例を模式的に示 す正面図である。 図3は、図1に示す電池の外装ケース内 状態を模式的に示す断面図である。 図4は、シート状間隙充填材の一例を模 式的に示す図である。 図5は、間隙充填シートを溶着する工程 について説明する図である。 図6は、間隙充填シートとシート状絶縁 フィルムとを溶着する工程について説明する 図である。 図7は、シート状絶縁フィルムを袋状に 折り曲げる工程について説明する図である。 図8Aは、袋状絶縁フィルムに電極体を 入する工程について説明する図である。 図8Bは、袋状絶縁フィルムに電極体を 入する工程について説明する図である。 図8Cは、袋状絶縁フィルムに電極体を 入する工程について説明する図である。 図9Aは、外装ケースに電極体を収容す 工程について説明する図である。 図9Bは、外装ケースに電極体を収容す 工程について説明する図である。 図9Cは、外装ケースに電極体を収容す 工程について説明する図である。 図10は、本発明の一実施形態の電池を えた車両(自動車)を模式的に示す側面図で る。

 以下、図面を参照しながら、本発明によ 実施の形態を説明する。以下の図面におい は、同じ作用を奏する部材・部位には同じ 号を付して説明している。なお、以下、角 リチウムイオン二次電池100を例にして本発 の電池の構造について詳細に説明するが、 発明をかかる実施形態に記載されたものに 定することを意図したものではない。また 各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等) 実際の寸法関係を反映するものではない。

 図1を参照しながら電池100の構成について 説明する。図1は本実施形態に係るリチウム オン二次電池の構成を模式的に示す外観斜 図である。一例として図1に示すように、こ で開示されるリチウムイオン二次電池100は 正極および負極を備える電極体80と、該電 体80を収容する外装ケース50とを備える。

 本実施形態の外装ケース50は、外装ケー 本体52と蓋体54とから構成されている。外装 ース本体52は、後述する扁平形状の電極体80 を収容し得る形状(ここでは箱型)を有する。 装ケース本体52は上部に開口端を有し当該 口端を介して電極体80を収容することができ る。蓋体54は外装ケース本体52の上端開口を ぐ板状の部材であり、ここでは略矩形状を している。外装ケース50(外装ケース本体52お よび蓋体54)の材質は、軽量で熱伝導性が良い 金属製材料が好ましく、このような金属製材 料として、例えば、アルミニウム、ステンレ ス鋼、ニッケルめっき鋼などが挙げられる。

 外装ケース50と電極体80との間には当該外 装ケース50と電極体80とを隔離する絶縁フィ ム10が配置されている。かかる絶縁フィルム 10によって発電要素である電極体80と外装ケ ス50との直接接触が回避され、電極体80と外 ケース50との絶縁を確保することができる 絶縁フィルムの材質は絶縁材料として機能 得るもので構成されていればよく、例えば リプロピレンやポリエチレンなどの樹脂材 を好適に使用することができる。絶縁フィ ム10は電極体80を囲む(電極体80が挿入される) 袋状に形成されている。本実施形態に係る絶 縁フィルム10は、図1に示すように上端側が開 口した有底の袋状(すなわち電極体80の底面と 四つの側面を囲む袋状)であり、袋開口部12を 介して電極体80はその内部に収容されている

 次に図2を加えて本実施形態の電極体80に いて説明する。図2は電極体80の一例を模式 に示す正面図である。本実施形態の電極体8 0は、典型的な電池と同様、所定の電池構成 料(正負極それぞれの活物質、正負極それぞ の集電体、セパレータ等)から構成されてい る。ここでは電極体80として扁平形状の捲回 極体80が用いられている。図2に示すように 回電極体80は通常のリチウムイオン電池の 回電極体と同様、シート状正極82(以下「正 シート82」という。)とシート状負極84(以下 負極シート84」という。)を計2枚のシート状 パレータ86(以下「セパレータシート86」と う。)と共に積層し、さらに当該正極シート8 2と負極シート84とをややずらしつつ捲回し、 次いで得られた捲回体を側面方向から押しつ ぶして拉げさせることによって作製される扁 平形状の捲回電極体80である。この捲回電極 の厚みは、捲回度合や状態により不揃いに りやすい。そのため使用する捲回電極体に じて電池100の外装ケース内の隙間(即ち、捲 回電極体の積層方向の厚みと該方向に沿った 外装ケース内空部の厚みの寸法との差)の寸 がまちまちとなることを意味する。

 例えば図3は捲回電極体80と外装ケース50と 隙間を介して配置された外装ケース内の状 を模式的に示す断面図である。図3に示すよ に、捲回電極体80の扁平面(側面)81と外装ケ ス本体52の内壁面56(ここでは電極体を囲む 状絶縁フィルム10)との間には隙間が形成さ ている。本実施形態においては、袋状絶縁 ィルム20が備える間隙充填部20によって電池1 00の外装ケース50内の隙間を塞ぐことができ 。間隙充填部20は電極体80の側面に対向する に形成された厚肉な部位に相当する。本実 形態の間隙充填部20は、捲回電極体80の扁平 面81に対向する位置に形成されており、その みが捲回電極体80(扁平面81)と外装ケース本 52(内壁面56)との隙間のサイズと合うように 成されている。
 かかる構成の電池100によれば、袋状絶縁フ ルム10が備える間隙充填部20によって外装ケ ース50内の隙間、典型的には外装ケース内部 収容する電極体80の形状の不揃いに起因し 生じる隙間を塞ぐことができる。このこと よって当該隙間が存在することによる電池 能への悪影響(例えば、電極体の偏りに伴う 極活物質の偏在に起因する電量分布の不均 化や局所化)を未然に防止することができる 。また、上記隙間を塞ぐ間隙充填部20は袋状 縁フィルム10と一体となっているため、該 隙充填部20の位置ズレを防止することができ 、上記隙間を確実に塞ぐことができる。

 以下、さらに本実施形態に係る間隙充填部2 0の特徴について説明する。袋状絶縁フィル 10が備える間隙充填部20は、所定の厚みを有 るシート状に形成されたシート状間隙充填 材20(以下「間隙充填シート」と称する。)が 上記袋状絶縁フィルム10のうちの上記電極体8 0の側面(ここでは扁平面81)に対向する面に1枚 若しくは複数枚接合されて構成されている。 シート状間隙充填部材20は、図4に示すような 薄いシート状の部材であり(図4中の(A)が正面 、図4中の(B)が側面図である。)、ポリプロ レン等のポリオレフィン系樹脂から成る厚 1mm以下(典型的には10~1000μm、好ましくは100~20 0μm)の間隙充填シート20を好適に使用するこ ができる。
 即ち、図3に示すように外装ケース50内の隙 の大きさに合わせて適切な枚数の間隙充填 ート20を用意し、袋状絶縁フィルム10(捲回 極体80の扁平面81に対向する面)に接合するこ とにより電池100の外装ケース50内の隙間を塞 でいる。図3に示す形態では、電極体80の右 に間隙充填シート20が2枚用意され、左側に 隙充填シート20が1枚用意され、それぞれ袋 絶縁フィルム10(扁平面81)に対向する面に接 されている。なお、上記接合手段は例えば ポット溶着である。スポット溶着に代えて 型的な電池において適用され得る種々の溶 (接着)方法を使用してもよい。
 電極体80と外装ケース50(内壁面56)との隙間 サイズは個々の電池において異なるところ 上記構成では、数多くのサイズの間隙充填 材を取り揃えることなく、所定の厚みの間 充填シート20を用意して袋状絶縁フィルム10 接合するとともにその使用枚数を調整する とによって個々の電池の上記隙間を塞ぐこ ができる。このように一種類の同形状の間 充填シート20を採用することによって、外 ケース50内の様々な大きさの隙間を効率よく 充填する(塞ぐ)ことができる。

 さらに図5~図9Cを加えて本実施形態の電池100 を構成する各構成材料について言及しながら 電池100の製造方法(特に間隙充填部(間隙充填 ート)を備える袋状絶縁フィルムの構築方法 )について説明する。
 まず、図5~図7を参照しながら間隙充填部材( 間隙充填シート20)を備える袋状絶縁フィルム 10の構築方法について説明する。図5中の(A)に 示すように外装ケース50内の隙間(外装ケース の内壁面と電極体の扁平面との隙間)の大き に合わせて適切な枚数の間隙充填シート20を 用意する。ここでは外装ケース50内の隙間の きさに合わせて3枚の間隙充填シート20が用 されている例を示す。3枚の間隙充填シート 20は、紙面の手前側に1枚と、紙面の奥側に2 との2組に分けて積層されている。なお2組に 分けずに紙面手前側または紙面奥側の何れか 一方に3枚まとめて積層してもよい。かかる 数枚の間隙充填シート20は、袋状絶縁フィル ム10に接合される前に予め相互に溶着されて 体化されている。すなわち、図5中の(B)に示 すように紙面奥側に積層した2枚の間隙充填 ート20同士を仮溶着(接着)する。かかる溶着( 接着)箇所は後述する組電池に組み込む際に 束されない箇所(拘束時に荷重を受けない箇 )であればよく、ここでは相互に対向した面 同士の端辺部分の2箇所(矢印「90」参照)をス ット溶着している。この仮溶着によって2枚 の間隙充填シートは離れない程度に一体とな り、図6に示す絶縁フィルム15上への搬送およ び溶着(接着)作業が容易となる。

 続いて図6中の(A)に示すようにシート状の絶 縁フィルム15を用意する。袋状の絶縁フィル 10は袋状に組み立てる前段階における長尺 (帯状)のシート構造を有している。すなわち 袋状絶縁フィルム10を展開すると図6中の(A)に 示す一枚のシート状となるように構成されて いる。
 図6中の(B)に示すように、シート状絶縁フィ ルム15の上に間隙充填シート20が搬送される このとき、間隙充填シート20は、袋状に形成 した際に電極体80の扁平面81に対向する位置 なる(即ち袋状絶縁フィルムのうちの電極体 側面に対向する面となる)シート面17の上に 置される。かかる状態において間隙充填シ ト20とシート状絶縁フィルム15とが溶着(接 )される。このとき、間隙充填シート20は袋 絶縁フィルムにおける電極体を挿入する袋 口部側の端辺部分にて溶着されることが好 しい。この例では、間隙充填シート20は、袋 状絶縁フィルムにおける袋開口部側の端辺部 分に相当するシート面17の端辺部分の2箇所( 印「92」参照)にてスポット溶着される。か る構成によれば、袋状絶縁フィルム10に電極 体80を挿入する際(図8A~図8C参照)、間隙充填シ ート20が電極体80に引き摺られて位置ズレす ことを防止することができる。また、該電 体80による引き摺りによって袋状絶縁フィル ム10にシワやヨレが発生する事態を回避する とができる。なお、さらに好適には間隙充 シート20とシート面17とのスポット溶着箇所 は後述する組電池に組み込む際に拘束されな い箇所(拘束時に荷重を受けない箇所)である

 その後、図7に示すようにシート状絶縁フ ィルム15を袋状に折り曲げる。図示した例で シート状絶縁フィルム15を構成する各シー 面17、18a、18b、19を二点鎖線に沿って内側に り曲げて袋状とし、さらに面18aと面18bとを ね合わせて溶着することにより袋状絶縁フ ルム10を形成している。面18aと面18bとは互 に面接触した状態で3箇所(矢印「94」で示す 端部分、中央部分、下端部分)がスポット溶 着されている。このように相互に面接触させ た面18aおよび面18bの両端部分および中央部分 の3箇所をスポット溶着することにより、必 最小の溶着個数にて適度な接合強度を得る とができ、袋状絶縁フィルム10に電極体80を 入する際(図8A~図8C参照)、シワや捲れが生じ 得ないようにすることができる。このように して間隙充填シート20を所定位置(電極体80の 平面と対向し得る位置)に備えた袋状絶縁フ ィルム10を簡易に作製することができる。か る袋状絶縁フィルム10内に電極体80は挿入さ れる。

 次に電極体80を用意する工程について説明 る。本実施形態の電極体80は上述したように 扁平形状の捲回電極体80である。
 捲回電極体80は、図2に示すように捲回方向 対する横方向において、ややずらしつつ捲 された結果として、正極シート82および負 シート84の端の一部がそれぞれ捲回コア部分 83(即ち正極シート82の正極活物質層形成部分 負極シート84の負極活物質層形成部分とセ レータシート86とが密に捲回された部分)か 外方にはみ出ている。かかる正極側はみ出 部分(即ち正極活物質層の非形成部分)82Aおよ び負極側はみ出し部分(即ち負極活物質層の 形成部分)84Aには、正極リード端子82Bおよび 極リード端子84Bがそれぞれ付設されており それぞれ外装ケース50の蓋体54に設けられた 正極端子62(図1)および負極端子64(図1)と電気 に接続される。
 なお、間隙充填シート20は上述した捲回コ 部分83に対向し得る位置関係となるように袋 状絶縁フィルムに接合されていることが好ま しい。かかる捲回コア部分83は電極活物質の 膜ばらつき等により積層方向の厚みが不揃 になりやすく、外装ケース内壁面との隙間 生じ易い部分だからである。また本実施形 の電極体80は外装ケース本体52に収容される 前段階として外装ケース50の蓋体54と正極端 62および負極端子64を介して予め組み付けら ている(図8B参照)。

 かかる捲回電極体80を構成する材料および 材自体は、従来のリチウムイオン電池の電 体と同様でよく、特に制限はない。例えば 正極シート82は長尺状の正極集電体の上にリ チウムイオン電池用正極活物質層が付与され て形成され得る。正極集電体にはアルミニウ ム箔(本実施形態)その他の正極に適する金属 が好適に使用される。正極活物質は従来か リチウムイオン電池に用いられる物質の一 または二種以上を特に限定することなく使 することができる。好適例として、LiMn 2 O 4 、LiCoO 2 、LiNiO 2 等が挙げられる。

 一方、負極シート84は長尺状の負極集電 の上にリチウムイオン電池用負極活物質層 付与されて形成され得る。負極集電体には 箔(本実施形態)その他の負極に適する金属箔 が好適に使用される。負極活物質は従来から リチウムイオン電池に用いられる物質の一種 または二種以上を特に限定することなく使用 することができる。好適例として、グラファ イトカーボン、アモルファスカーボン等の炭 素系材料、リチウム含有遷移金属酸化物や遷 移金属窒化物等が挙げられる。

 また、正負極シート82,84間に使用される 適なセパレータシート86としては多孔質ポリ オレフィン系樹脂で構成されたものが挙げら れる。例えば、長さ2~4m(例えば3.1m)、幅8~12cm( えば11cm)、厚さ5~30μm(例えば25μm)程度の合成 樹脂製(例えばポリエチレン等のポリオレフ ン製)多孔質セパレータシートが好適に使用 得る。なお、電解質として固体電解質若し はゲル状電解質を使用する場合には、セパ ータが不要な場合(即ちこの場合には電解質 自体がセパレータとして機能し得る。)があ 得る。

 なお、電池の外装ケース内に収容する電 体は上記捲回タイプに限定されない。例え 正極シートと負極シートをセパレータ(或い はセパレータとしても機能し得る固体または ゲル状電解質)と共に交互に積層して成る積 タイプの電極体であってもよい。

 続いて、図8A~Cおよび図9A~Cを参照しなが 上記電極体80を外装ケース50に収容する工程 ついて説明する。まず図8A~図8Cに示すよう 電極体80を袋状絶縁フィルム10に挿入する。 体的には図8Aに示すように、袋開口部12が下 側となるように袋状絶縁フィルム10を用意し 次いで図8Bに示すように捲回電極体80と袋状 絶縁フィルム10との位置合わせを行い、図8C 示すように袋状絶縁フィルム10を捲回電極体 80に被せるようにして挿入する。このとき、 状絶縁フィルム10のうちの電極体80の側面( 平面81)に対向する面には間隙充填シート20が 予め溶着されているため、上記挿入によって 間隙充填シート20と電極体80の側面(扁平面81) の位置合わせを容易に且つ確実に行うこと できる。

 このように袋状絶縁フィルム10に電極体80 を挿入した後、続けて図9A~図9Cに示すように 極体80を袋状絶縁フィルム10とともに外装ケ ース本体52に収容する。具体的には図9Aに示 ように開口部が下側となるように外装ケー 本体52を用意し、次いで図9Bに示すように袋 絶縁フィルム10に挿入された捲回電極体80を 蓋体54を下側にして用意し、図9Cに示すよう 電極体80および袋状絶縁フィルム10の上から 装ケース本体52を被せる。このとき袋状絶 フィルム10とともに収容された間隙充填部( 隙充填シート20)によって電極体80と外装ケー ス本体52の内壁面との隙間を塞ぐことができ 。本実施形態によれば、上記隙間を塞ぐ作 (間隙充填作業)を、電極体とともに袋状絶 フィルムを外装ケースに収容するだけで行 ことができ、その作業性が良好となる。そ 後、外装ケース本体52と蓋体54とを接合(典型 的には溶接)し、蓋体54に設けられた注液口( 示せず)から電解液を注入し、当該注液口を 止することによって電池100を構築すること できる。

 本実施形態では非水溶媒に電解質を溶解し 非水電解液を注入している。この電解液を 成する非水溶媒としては、エチレンカーボ ート、プロピレンカーボネート、ジメチル ーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート、 チルメチルカーボネート(EMC)、1,2-ジメトキ エタン、1,2-ジエトキシエタン、テトラヒド フラン、1,3-ジオキソラン等からなる群から 選択された一種または二種以上を用いること ができる。本実施例に係る電池では、ジエチ ルカーボネートとエチレンカーボネートとの 混合溶媒(例えば質量比1:1)を用いている。ま 、この電解液を構成する電解質(支持塩)と ては、フッ素を構成元素とする各種リチウ 塩から選択される一種または二種以上を用 ることができる。例えば、LiPF 6 ,LiBF 4 ,LiAsF 6 ,LiCF 3 SO 3 ,LiC 4 F 9 SO 3 ,LiN(CF 3 SO 2 ) 2 ,LiC(CF 3 SO 2 ) 3 等からなる群から選択される一種または二種 以上を用いることができる。

 本実施形態の製造方法によれば、間隙充 部(間隙充填シート)20を備えた袋状絶縁フィ ルム10を電極体80とともに外装ケース50に収容 することによって電極体80と外装ケース本体5 2の内壁面との隙間を容易に(良好な作業性で) 塞ぐことができる。また、袋状絶縁フィルム 10に電極体80を挿入する際に、間隙充填部(間 充填シート)20と電極体80との位置合わせを 易且つ確実に行うことができ、その位置合 せ精度も良好となる。さらに、間隙充填シ ト20は袋状絶縁フィルム10における電極体80 挿入する袋開口部12側の端辺部分にてスポッ ト溶着されているので、電極体80の挿入時に 隙充填シート20が電極体80に引き摺られて位 置ズレすることを防止することができ、該電 極体80による引き摺りによって袋状絶縁フィ ム10にシワやヨレが発生する事態を回避す ことができる。また、複数枚の間隙充填シ ト20は、袋状絶縁フィルム10に接合される前 予め相互に溶着されて一体化されているた 、該絶縁フィルムへの搬送および溶着作業 容易となる。

 なお、図10に示すように、このようにし 製造した電池100を車両70(典型的には自動車 特にハイブリッド自動車、電気自動車、燃 電池自動車のような電動機を備える自動車) 車両搭載用電源として好適に使用すること できる。かかる電池100を車両搭載用電源と て使用する際には、搭載スペースが制限さ ることに加えて振動が発生する状態での使 が前提となることから多数の電池100を配列 且つ拘束した状態(即ち各電池を相互に固定 した状態)の組電池72が構築される。かかる拘 束時には組電池72を構成する個々の電池(単電 池)100に相当な荷重が加えられる。本実施形 では外装ケース50の内部の隙間を間隙充填シ ート20で塞いでいるため、上記相当な荷重に って電池の外形が歪むこと(外装ケースの変 形)を防止することができる。

 以上、本発明を好適な実施形態により説 してきたが、こうした記述は限定事項では く、勿論、種々の改変が可能である。例え 上記実施形態において、間隙充填部は1枚又 は複数枚のシート状間隙充填部材を絶縁フィ ルム(成形後は袋状フィルム)の内面に接合す ことによって形成されているが、この形態 限られない。例えば、絶縁フィルムにおけ 間隙充填部形成部分を密閉(シール)可能な 重フィルム構造としておき、当該二重フィ ム構造のフィルム間に種々の形状の間隙充 部材(シート状、ゲル状、微粒子状等のフィ ー)を充填し且つシールして成る間隙充填部 であってもよい。

 本発明によれば、外装ケース内部に生じ る隙間を塞ぐことができる電池を提供する とができる。本発明に係る電池は、特に自 車等の車両に搭載されるモーター(電動機) 電源として好適である。即ち本発明の電池 単電池(セル)として所定の方向に配列し(典 的には直列に接続する。)、当該単電池の束 その配列方向に拘束することによって組電 を構築することができる。かかる組電池は 両搭載用電源として好適に使用することが きる。