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Title:
BEARING FOR WHEEL WITH ROTATIONAL SPEED DETECTOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/139738
Kind Code:
A1
Abstract:
[PROBLEMS] To provide a highly reliable bearing for wheel with a rotational speed detector in which detection precision is enhanced while achieving cost reduction and compactification. [MEANS FOR SOLVING PROBLEMS] The bearing comprises a sensor holder (23) consisting of a fitting ring (25) made of a steel plate and a retainer portion (26) resin molded thereto while embedding a rotational speed sensor (15), a base (21) fitted on an inner race (6), a magnetic encoder (22) bonded to the base, and a seal (27) consists of a seal plate (16) and a slinger (28) attached between the bottom (25a) of the fitting ring (25) and the inner race (6), wherein the seal (27) and the magnetic encoder (22) are arranged across the holding portion (26) and the magnetic encoder (22) faces the rotational speed sensor (15) via a predetermined clearance (A) along an axial direction. A recess (30) is formed in the inner circumference at the end of an outer member (24) and the base (21) is contained therein, and a clearance δ along an axial direction is formed between the base (21) and the slinger (28).

Inventors:
NORIMATSU TAKAYUKI (JP)
ONO YUJIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/001215
Publication Date:
November 20, 2008
Filing Date:
May 15, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NTN TOYO BEARING CO LTD (JP)
NORIMATSU TAKAYUKI (JP)
ONO YUJIRO (JP)
International Classes:
G01P3/487; B60B35/02; B60B35/18; F16C33/78; F16C41/00
Foreign References:
JP2006112919A2006-04-27
JP2005300289A2005-10-27
JP2006329663A2006-12-07
JP2006112454A2006-04-27
JP2004101312A2004-04-02
Attorney, Agent or Firm:
KOSHIKAWA, Takao (111-2 Itayamachi,Naka-ku, Hamamatsu-shi, Shizuoka 91, JP)
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Claims:
 外周に懸架装置に取り付けるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、
 一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、
 この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、
 前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールと、
 前記外方部材のインナー側の端部に装着された円環状のセンサホルダと、
 前記内輪に外嵌され、断面略L字状に形成された鋼板製のベースと、
 このベースに一体に接合され、周方向に関する特性が交互にかつ等間隔に変化するように構成された磁気エンコーダとを備え、
 前記センサホルダが、鋼板製の嵌合環と、この嵌合環に一体に樹脂モールドされ、回転速度センサが包埋された保持部とからなり、前記嵌合環が、前記外方部材の外周に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向内方に延び、前記外方部材の端面に密着される鍔部と、この鍔部から軸方向に延びる底部とからなると共に、
 前記シールのうちインナー側のシールが、前記嵌合環の底部と前記内輪との間にそれぞれ装着され、断面略L字状に形成されて互いに対向配置された環状のシール板とスリンガとを備え、
 前記センサホルダの保持部を挟んで前記シールと磁気エンコーダが配設されると共に、
 この磁気エンコーダが前記回転速度センサに軸方向すきまを介して対峙された回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、
 前記ベースとスリンガとの間に軸方向すきまが形成されるように、当該スリンガが前記内輪に位置決め固定されていることを特徴とする回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
 前記外方部材のインナー側の端部内周に凹所が形成され、この凹所に前記ベースが収容されている請求項1に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
 前記ベースが強磁性体の鋼板から形成されると共に、前記磁気エンコーダが、エラストマに磁性体粉が混入され、周方向に交互に磁極N、Sが着磁されてロータリエンコーダが構成されている請求項1または2に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
 前記シール板が、前記嵌合環の底部に内嵌される芯金と、この芯金に接合され、サイドリップとラジアルを一体に有するシール部材からなると共に、前記スリンガが、前記内輪に外嵌される円筒部と、この円筒部から径方向外方に延びる立板部を有し、この立板部に前記サイドリップが摺接され、前記円筒部に前記ラジアルリップが摺接されている請求項1乃至3いずれかに記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
 前記立板部の先端部から環状の舌片が軸方向に突設され、この舌片が前記嵌合環の底部と僅かな径方向すきまを介して対峙してラビリンスシールが構成されている請求項4に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
 前記嵌合環の嵌合部の先端部に、プレス加工によって開口縁から径方向外方に折り曲げて重合部が形成されている請求項1乃至5に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
 前記ベースが、前記内輪に外嵌される円筒部と、この円筒部から径方向外方に延びる立板部を有し、この立板部のインナー側の側面に前記磁気エンコーダが接合されると共に、当該立板部の前記磁気エンコーダとの接着面が粗面化処理されずに、前記ベースの素材となる鋼板の表面粗さのままとされている請求項1乃至6に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
 前記ベースの表面粗さがRa0.2~0.6の範囲に設定されている請求項7に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
 前記嵌合環が粗面化処理され、その表面粗さがRa0.8以上に設定されている請求項7または8に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
 前記保持部が、繊維強化材が添加された非磁性の合成樹脂で形成されている請求項1乃至9いずれかに記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
 前記保持部が前記嵌合環の水平位置よりも径方向上部に配置され、この保持部の接線方向にハーネスが接続されている請求項1乃至10いずれかに記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
 前記外方部材のインナー側の端部と前記センサホルダの回転速度センサに対応する位置に所定のマークが形成され、これらのマークの位置を合わせた状態で前記外方部材に前記センサホルダが装着されている請求項1乃至11いずれかに記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
 前記外方部材のマークがレーザーマーキングまたはペイントによって形成されている請求項12に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
 前記センサホルダのマークがペイントまたは刻印によって形成されている請求項12または13に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
 前記マークが、前記外方部材とセンサホルダの上視または横視同士の同方向にそれぞれ形成されている請求項12乃至14いずれかに記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
Description:
回転速度検出装置付き車輪用軸 装置

 本発明は、自動車等の車輪を回転自在に 承すると共に、この車輪の回転速度を検出 る回転速度検出装置が内蔵された回転速度 出装置付き車輪用軸受装置に関するもので る。

 自動車の車輪を懸架装置に対して回転自 に支承すると共に、アンチロックブレーキ ステム(ABS)を制御すべく車輪の回転速度を 出するために、回転速度検出装置が内蔵さ た回転速度検出装置付き車輪用軸受装置が 般的に知られている。従来、このような車 用軸受装置は、転動体を介して転接する内 部材および外方部材の間にシール装置が設 られ、円周方向に磁極を交互に並べてなる 気エンコーダを前記シール装置に一体化さ ると共に、磁気エンコーダと、この磁気エ コーダに対面配置され、車輪の回転に伴う 気エンコーダの磁極変化を検出する回転速 センサとで回転速度検出装置が構成されて る。

 前記回転速度センサは、懸架装置を構成 るナックルに車輪用軸受装置が装着された 、当該ナックルに装着されているものが一 的である。しかし、この回転速度センサと 気エンコーダとのエアギャップ調整作業の 雑さを解消すると共に、よりコンパクト化 狙って最近では、回転速度センサをも軸受 内蔵した回転速度検出装置付き車輪用軸受 置が提案されている。

 このような回転速度検出装置付き車輪用 受装置の一例として図14に示すような構造 知られている。この回転速度検出装置付き 輪用軸受装置は、外方部材51の端部にセンサ ホルダ52が装着されている。センサホルダ52 、円環状に形成された嵌合環53と、この嵌合 環53に結合された保持部54とからなる。嵌合 53は、外方部材51の外周に圧入される円筒状 嵌合部53aと、この嵌合部53aから径方向内方 延びる鍔部53bと、この鍔部53bから軸方向に びる円筒部53cとからなる。そして、円筒部5 3cの周方向に穿孔55が形成され、保持部54が合 成樹脂で一体モールド成形されている。保持 部54には、その内部に磁気エンコーダ56に所 の軸方向すきまを介して対峙する回転速度 ンサ57が包埋されている。

 シール58は、センサホルダ52と内輪59にそ ぞれ装着され、断面略L字状に形成された環 状の第1および第2のシール板60、61からなり、 互いに対向して配置されている。第2のシー 板61は、内輪59に外嵌される円筒部61aと、こ 円筒部61aから径方向外方に延びる立板部61b 、立板部61bから軸方向に延びる環状の舌片6 1cとを有している。この舌片61cと嵌合環53の 筒部53cとの間には僅かな径方向すきまが形 され、ラビリンスシール65が構成されている 。

 一方、第1のシール板60は、嵌合環53の円 部53cに内嵌された芯金62と、この芯金62に加 接着されたシール部材63とからなり、シー 部材63は、サイドリップ63aとグリースリップ 63bおよび中間リップ63cとを一体に有している 。そして、サイドリップ63aが第2のシール板61 の立板部61bに摺接し、グリースリップ63bおよ び中間リップ63cが円筒部61aに摺接している。

 また、センサホルダ52の保持部54を挟んで シール58の反対側には鋼板製のベース64が配 されている。このベース64は、内輪59に外嵌 れる円筒部64aと、この円筒部64aから径方向 方に延びる立板部64bからなり、断面略L字状 に形成されている。そして、この立板部64bの 軸受外方側の側面に磁気エンコーダ56が一体 加硫接着されている。

 このように、従来の回転速度検出装置付き 輪用軸受装置は、円環状のセンサホルダ52 回転速度センサ57が配設され、この回転速度 センサ57の軸受外方側にシール58が内嵌され いるので、過酷な環境となる実走時におい も、磁気エンコーダ56と回転速度センサ57の 出部との間に外部から磁性粉末等の異物が 入するのを防止することができる。

特開2005-300289号公報

 こうした従来の回転速度検出装置付き車 用軸受装置では、磁気エンコーダ56が接合 れたベース64が予め内輪59に外嵌され、セン ホルダ52が外方部材51に装着された後、最後 にシール58が装着される。然しながら、この 合、ベース64の円筒部64aに第2のシール板61 円筒部61aが当接してベース64が移動する恐れ がある。この時、ベース64の移動によって磁 エンコーダ56と回転速度センサ57とのエアギ ャップAが変化して大きくなり、磁気エンコ ダ56からの磁力線が減少して検出精度が低下 する恐れがある。

 ここで、ベース64と第2のシール板61の寸 を規制すると共に、それぞれの圧入ストロ クを制御してエアギャップAを所定値に設定 ることも考えられるが、これでは、部品コ トの高騰と共に、組立作業が煩雑となって ストアップを招来するため好ましくなく、 単な構成で低コスト化を図りつつ、検出精 を向上させて信頼性の高い回転速度検出装 付き車輪用軸受装置が望まれていた。

 また、従来の回転速度検出装置付き車輪 軸受装置では、自動車の足回りに取り付け れて泥水、塩水、高温、低温等の過酷な条 下で繰り返し使用されるため、シール58や 気エンコーダ56が接合されたベース64におい もこのような条件下に耐え得る性能が要求 れる。例えば、ベース64において、このよ な条件下で長期間使用された場合、磁性粉 含有したゴムを加硫接着した磁気エンコー 56がベース64から界面剥離することが考えら 、この剥離により、要求される磁気特性を 足できなくなる可能性がある。

 従来からシール等の金属部材とゴムとの 着において、ゴムの密着性を向上させるた に金属部材の表面を粗面化する手段が採用 れているが、前述したベース64においては 内輪59に嵌合されるため、粗面化されたベー ス64を使用すれば、内輪59との嵌合部の気密 が低下する恐れがある。

 ここで、この種のベース64では、磁気エ コーダ56との密着性を向上させるため、磁気 エンコーダ56との接着面、すなわち、立板64b ショットブラスト処理によって粗面化され いる。然しながら、ベース64の立板部64bに ョットブラスト処理を行う場合、内輪59との 嵌合面となる円筒部64aにメディア(研磨材)が 射されて粗面化しないように、ノズルの移 範囲を制御してピンポイント投射する必要 ある。これでは、加工工数や管理工数が増 して製品コストが高騰する。

 さらに、センサホルダ52は外方部材51の周 方向の所定箇所に配設されるが、嵌合環53を 方部材51に圧入する際、本来の位置から周 向にずれた状態で圧入される恐れがある。 うした嵌合環53の位置ずれにより、この嵌合 環53に結合された保持部54の位置がずれ、車 用軸受装置を車両に組み立てた後にハーネ の長さが不足して断線したりする恐れがあ 。これでは、長期間の使用において、車輪 回転速度検出の信頼性を維持することは難 い。

 本発明は、このような事情に鑑みてなさ たもので、低コストでコンパクト化を図る 共に、検出精度を向上させて信頼性の高い 転速度検出装置付き車輪用軸受装置を提供 ることを目的としている。

 また、本発明の他の目的は、組立の作業 を改善し、組立精度を向上させると共に、 出部に異物が侵入するのを防止して信頼性 向上させた回転速度検出装置付き車輪用軸 装置を提供することである。

 係る目的を達成すべく、本発明は、外周 懸架装置に取り付けるための車体取付フラ ジを一体に有し、内周に複列の外側転走面 一体に形成された外方部材と、一端部に車 を取り付けるための車輪取付フランジを一 に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が 成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径 部に圧入された少なくとも一つの内輪から り、外周に前記複列の外側転走面に対向す 複列の内側転走面が形成された内方部材と この内方部材と前記外方部材の両転走面間 転動自在に収容された複列の転動体と、前 外方部材と内方部材との間に形成される環 空間の開口部に装着されたシールと、前記 方部材のインナー側の端部に装着された円 状のセンサホルダと、前記内輪に外嵌され 断面略L字状に形成された鋼板製のベースと 、このベースに一体に接合され、周方向に関 する特性が交互にかつ等間隔に変化するよう に構成された磁気エンコーダとを備え、前記 センサホルダが、鋼板製の嵌合環と、この嵌 合環に一体に樹脂モールドされ、回転速度セ ンサが包埋された保持部とからなり、前記嵌 合環が、前記外方部材の外周に圧入される円 筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向内方 に延び、前記外方部材の端面に密着される鍔 部と、この鍔部から軸方向に延びる円筒部と からなると共に、前記シールのうちインナー 側のシールが、前記嵌合環の円筒部と前記内 輪との間にそれぞれ装着され、断面略L字状 形成されて互いに対向配置された環状のシ ル板とスリンガとを備え、前記センサホル の保持部を挟んで前記シールと磁気エンコ ダが配設されると共に、この磁気エンコー が前記回転速度センサに軸方向すきまを介 て対峙された回転速度検出装置付き車輪用 受装置において、前記ベースとスリンガと 間に軸方向すきまが形成されるように、当 スリンガが前記内輪に位置決め固定されて る。・・・請求項1

 このように、外方部材と内方部材との間 形成される環状空間の開口部に装着された ールと、外方部材のインナー側の端部に装 された円環状のセンサホルダと、内輪に外 され、断面略L字状に形成された鋼板製のベ ースと、このベースに一体に接合され、周方 向に関する特性が交互にかつ等間隔に変化す るように構成された磁気エンコーダとを備え 、センサホルダが、鋼板製の嵌合環と、この 嵌合環に一体に樹脂モールドされ、回転速度 センサが包埋された保持部とからなり、嵌合 環が、外方部材の外周に圧入される円筒状の 嵌合部と、この嵌合部から径方向内方に延び 、外方部材の端面に密着される鍔部と、この 鍔部から軸方向に延びる円筒部とからなると 共に、シールのうちインナー側のシールが、 嵌合環の円筒部と内輪との間にそれぞれ装着 され、断面略L字状に形成されて互いに対向 置された環状のシール板とスリンガとを備 、センサホルダの保持部を挟んでシールと 気エンコーダが配設されると共に、この磁 エンコーダが回転速度センサに軸方向すき を介して対峙された回転速度検出装置付き 輪用軸受装置において、ベースとスリンガ の間に軸方向すきまが形成されるように、 該スリンガが内輪に位置決め固定されてい ので、組立時、ベースにスリンガが当接し ベースが移動するのを防止でき、磁気エン ーダと回転速度センサとのエアギャップが 化するのを防止することができる。したが て、ベースとスリンガの寸法や圧入ストロ クを厳しく規制することなく、エアギャッ を所定値に設定することができ、簡単な構 で低コスト化を図りつつ、検出精度を向上 せて信頼性の高い回転速度検出装置付き車 用軸受装置を提供することができる。

 好ましくは、本発明のように、前記外方 材のインナー側の端部内周に凹所が形成さ 、この凹所に前記ベースが収容されていれ 、センサホルダの軸方向のコンパクト化を ることができる。・・・請求項2

 また、本発明のように、前記ベースが強 性体の鋼板から形成されると共に、前記磁 エンコーダが、エラストマに磁性体粉が混 され、周方向に交互に磁極N、Sが着磁され ロータリエンコーダが構成されていれば、 力信号が強くなり安定した検出精度を確保 ることができる。・・・請求項3

 また、本発明のように、前記シール板が 前記嵌合環の円筒部に内嵌される芯金と、 の芯金に接合され、サイドリップとラジア を一体に有するシール部材からなると共に 前記スリンガが、前記内輪に外嵌される円 部と、この円筒部から径方向外方に延びる 板部を有し、この立板部に前記サイドリッ が摺接され、前記円筒部に前記ラジアルリ プが摺接されていれば、過酷な環境となる 走時においても、磁気エンコーダと回転速 センサの検出部との間に外部からダストや 性粉末等の異物が侵入するのを確実に防止 ることができる。・・・請求項4

 また、本発明のように、前記立板部の先 部から環状の舌片が軸方向に突設され、こ 舌片が前記嵌合環の円筒部と僅かな径方向 きまを介して対峙してラビリンスシールが 成されていれば、シールの密封性を向上さ 、車輪の回転速度検出の信頼性を向上させ ことができる。・・・請求項5

 また、本発明のように、前記嵌合部の先 部に、プレス加工によって開口縁から径方 外方に折り曲げて重合部が形成されていれ 、嵌合部の剛性が高くなり、圧入時に嵌合 がラッパ状に変形するのを防止して嵌合環 抜け耐力を確保すると共に、車両走行中の 動や衝撃によって嵌合環が周方向に位置ず するのを防止し、長期間に亘って速度検出 信頼性を向上させることができる。・・・ 求項6

 また、本発明のように、前記ベースが、 記内輪に外嵌される円筒部と、この円筒部 ら径方向外方に延びる立板部を有し、この 板部のインナー側の側面に前記磁気エンコ ダが接合されると共に、当該立板部の前記 気エンコーダとの接着面が粗面化処理され に、前記ベースの素材となる鋼板の表面粗 のままとされていれば、泥水、塩水、高温 低温等の過酷な条件下で使用されても、所 の密着強度を得ることができると共に、シ ットブラスト加工等の粗面化処理の廃止に り加工工数を削減して低コスト化を図るこ ができる。・・・請求項7

 好ましくは、本発明のように、前記ベー の表面粗さがRa0.2~0.6の範囲に設定されてい ば良い。・・・請求項8

 また、本発明のように、前記嵌合環が粗 化処理され、その表面粗さがRa0.8以上に設 されていれば、未処理の表面に比べ、接合 の凹凸部が増えて接触面積が増大し、保持 との密着性が向上する。したがって、過酷 環境下に曝されされても、嵌合環と、この 合環に一体モールドされた保持部とが剥離 るのを長期間に亘って防止することができ 磁気エンコーダと回転速度センサとのエア ャップを維持して所望の回転速度検出がで る。・・・請求項9

 また、本発明のように、前記保持部が、 維強化材が添加された非磁性の合成樹脂で 成されていれば、回転速度センサの感知性 に悪影響を及ぼさず、また、耐食性に優れ 長期間に亘って強度・耐久性を向上させる とができる。・・・請求項10

 また、本発明のように、前記保持部が前 嵌合環の水平位置よりも径方向上部に配置 れ、この保持部の接線方向にハーネスが接 されていれば、例えセンサホルダ内に外部 ら泥水等が浸入したとしても下部方向に排 され、この回転速度センサの近傍に滞留す のを防止することができると共に、ハーネ の取り巻きが簡素化でき、組立作業性が向 する。・・・請求項11

 また、本発明のように、前記前記外方部 のインナー側の端部と前記センサホルダの 転速度センサに対応する位置に所定のマー が形成され、これらのマークの位置を合わ た状態で前記外方部材に前記センサホルダ 装着されていれば、各マークを目視しなが 外方部材に対してセンサホルダを精度良く 着することができ、組立の作業性を改善し 信頼性を向上させることができる。・・・ 求項12

 また、本発明のように、前記外方部材の ークがレーザーマーキングまたはペイント よって形成されていても良い。・・・請求 13

 また、本発明のように、前記センサホル のマークがペイントまたは刻印によって形 されていても良い。・・・請求項14

 また、本発明のように、前記マークが、前 外方部材とセンサホルダの上視または横視 士の同方向にそれぞれ形成されていれば、 マークを目視しながら外方部材に対してセ サホルダを精度良く装着することができ、 立の作業性を改善することができる。
・・・請求項15

 本発明に係る回転速度検出装置付き車輪 軸受装置は、外周に懸架装置に取り付ける めの車体取付フランジを一体に有し、内周 複列の外側転走面が一体に形成された外方 材と、一端部に車輪を取り付けるための車 取付フランジを一体に有し、外周に軸方向 延びる小径段部が形成されたハブ輪、およ このハブ輪の小径段部に圧入された少なく も一つの内輪からなり、外周に前記複列の 側転走面に対向する複列の内側転走面が形 された内方部材と、この内方部材と前記外 部材の両転走面間に転動自在に収容された 列の転動体と、前記外方部材と内方部材と 間に形成される環状空間の開口部に装着さ たシールと、前記外方部材のインナー側の 部に装着された円環状のセンサホルダと、 記内輪に外嵌され、断面略L字状に形成され た鋼板製のベースと、このベースに一体に接 合され、周方向に関する特性が交互にかつ等 間隔に変化するように構成された磁気エンコ ーダとを備え、前記センサホルダが、鋼板製 の嵌合環と、この嵌合環に一体に樹脂モール ドされ、回転速度センサが包埋された保持部 とからなり、この嵌合環が、前記外方部材の 外周に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌 合部から径方向内方に延び、前記外方部材の 端面に密着される鍔部と、この鍔部から軸方 向に延びる底部とからなると共に、前記シー ルのうちインナー側のシールが、前記嵌合環 の底部と前記内輪との間にそれぞれ装着され 、断面略L字状に形成されて互いに対向配置 れた環状のシール板とスリンガとを備え、 記センサホルダの保持部を挟んで前記シー と磁気エンコーダが配設されると共に、こ 磁気エンコーダが前記回転速度センサに軸 向すきまを介して対峙された回転速度検出 置付き車輪用軸受装置において、前記ベー とスリンガとの間に軸方向すきまが形成さ るように、当該スリンガが前記内輪に位置 め固定されているので、組立時、ベースに リンガが当接してベースが移動するのを防 でき、磁気エンコーダと回転速度センサと エアギャップが変化するのを防止すること できる。したがって、ベースとスリンガの 法や圧入ストロークを厳しく規制すること く、エアギャップを所定値に設定すること でき、簡単な構成で低コスト化を図りつつ 検出精度を向上させて信頼性の高い回転速 検出装置付き車輪用軸受装置を提供するこ ができる。

 外周に懸架装置に取り付けるための車体 付フランジを一体に有し、内周に複列の外 転走面が一体に形成された外方部材と、一 部に車輪を取り付けるための車輪取付フラ ジを一体に有し、外周に前記複列の外側転 面の一方に対向する内側転走面と、この内 転走面から軸方向に延びる小径段部が形成 れたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部 圧入され、外周に前記複列の外側転走面の 方に対向する内側転走面が形成された内輪 らなる内方部材と、この内方部材と前記外 部材の両転走面間に転動自在に収容された 列の転動体と、前記外方部材と内方部材と 間に形成される環状空間の開口部に装着さ たシールと、前記外方部材のインナー側の 部に装着された円環状のセンサホルダと、 記内輪に外嵌され、断面略L字状に形成され た鋼板製のベースと、このベースに一体に接 合され、エラストマに磁性体粉が混入され、 周方向に交互に磁極N、Sが着磁された磁気エ コーダとを備え、前記センサホルダが、鋼 製の嵌合環と、この嵌合環に一体に樹脂モ ルドされ、回転速度センサが包埋された保 部とからなり、前記嵌合環が、前記外方部 の外周に圧入される円筒状の嵌合部と、こ 嵌合部から径方向内方に延び、前記外方部 の端面に密着される鍔部と、この鍔部から 方向に延びる底部とからなると共に、前記 ールのうちインナー側のシールが、前記嵌 環の底部と前記内輪との間にそれぞれ装着 れ、断面略L字状に形成されて互いに対向配 置された環状のシール板とスリンガとを備え 、前記センサホルダの保持部を挟んで前記シ ールと磁気エンコーダが配設されると共に、 この磁気エンコーダが前記回転速度センサに 軸方向すきまを介して対峙された回転速度検 出装置付き車輪用軸受装置において、前記外 方部材のインナー側の端部内周に凹所が形成 され、この凹所に前記ベースが収容されると 共に、このベースと前記スリンガとの間に軸 方向すきまが形成されるように、当該スリン ガが前記内輪に位置決め固定されている。

 以下、本発明の実施の形態を図面に基づい 詳細に説明する。
 図1は、本発明に係る回転速度検出装置付き 車輪用軸受装置の第1の実施形態を示す縦断 図、図2は、図1の要部拡大図、図3は、図2の 形例を示す要部拡大図である。なお、以下 説明では、車両に組み付けた状態で車両の 側寄りとなる側をアウター側(図面左側)、 央寄り側をインナー側(図面右側)という。

 この回転速度検出装置付き車輪用軸受装置 駆動輪用であって、ハブ輪1と複列の転がり 軸受2とをユニット化した、所謂第3世代と称 れる構成を備えている。
 複列の転がり軸受2は、外方部材4と内方部 3と複列の転動体(ボール)5、5とを備えている 。外方部材4は、外周にナックル(図示せず)に 取り付けるための車体取付フランジ4bを一体 有し、内周に複列の外側転走面4a、4aが形成 されている。この外方部材4はS53C等の炭素0.40 ~0.80wt%を含む中高炭素鋼からなり、複列の外 転走面4a、4aが高周波焼入れによって表面硬 さを58~64HRCの範囲に硬化層が形成されている

 一方、内方部材3は、ハブ輪1と、このハブ 1に固定された内輪6とからなる。
 ハブ輪1は、アウター側の端部に車輪(図示 ず)を取り付けるための車輪取付フランジ7を 一体に有し、この車輪取付フランジ7の円周 配位置にハブボルト7aが植設されている。ま た、外周に前記複列の外側転走面4a、4aの一 (アウター側)に対向する内側転走面1aと、こ 内側転走面1aから軸方向に延びる円筒状の 径段部1bが形成され、内周にトルク伝達用の セレーション(またはスプライン)1cが形成さ ている。また、内輪6はハブ輪1の小径段部1b 圧入固定され、その外周に前記複列の外側 走面4a、4aの他方(インナー側)に対向する内 転走面6aが形成されている。

 ハブ輪1はS53C等の炭素0.40~0.80wt%を含む中 炭素鋼からなり、内側転走面1aをはじめ、後 述するアウター側のシール9が摺接するシー ランド部7bから小径段部1bに亙って高周波焼 れによって表面硬さを58~64HRCの範囲に硬化 が形成されている。これにより、車輪取付 ランジ7の基部となるシールランド部7bは耐 耗性が向上するばかりでなく、車輪取付フ ンジ7に負荷される回転曲げ荷重に対して充 な機械的強度を有し、ハブ輪1の耐フレッテ ィング性と耐久性が向上する。

 外方部材4の外側転走面4a、4aと、これら 対向する複列の内側転走面1a、6a間には複列 転動体5、5がそれぞれ収容され、保持器8、8 によって転動自在に保持されている。また、 外方部材4の端部にはシール9、10が装着され 軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩 、外部から軸受内部に雨水やダスト等が侵 するのを防止している。アウター側のシー 9は、ハブ輪1のシールランド部7bに摺接する 数のシールリップ(ここでは3枚)を有する一 型のシールで構成され、また、後述するイ ナー側のシール10は、環状のシール板16とス リンガ17とが対向配置された複合型のシール 所謂ハイパックシールで構成されている。

 本実施形態では、図2に拡大して示すよう に、円環状に形成されたセンサホルダ11が外 部材4のインナー側の端部に装着されている 。このセンサホルダ11は、嵌合環12と、この 合環12に結合された保持部13とからなる。嵌 環12は、外方部材4の外周に圧入される円筒 の嵌合部12aと、この嵌合部12aから径方向内 に延びる鍔部12bと、この鍔部12bから軸方向 延びる底部12cとからなり、全体が円環状に 成されている。また、嵌合環12は、オース ナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系等) 、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JI S規格のSPCC系等)をプレス加工にて形成されて いる。そして、底部12cの周方向に穿孔14が形 され、保持部13が合成樹脂で一体モールド 形されると共に、鍔部12bを外方部材4の端面4 cに密着させた状態で、センサホルダ11が外方 部材4の端部に圧入固定されている。

 ここで、保持部13は、ポリフェニレンサ ファイド(PPS)等の非磁性の樹脂材で形成され 、後述する磁気エンコーダ22に所定の軸方向 きま(エアギャップ)を介して対峙する回転 度センサ15が包埋されている。この回転速度 センサ15は、ホール素子、磁気抵抗素子(MR素 )等、磁束の流れ方向に応じて特性を変化さ せる磁気検出素子と、この磁気検出素子の出 力波形を整える波形成形回路が組み込まれた ICとからなる。これにより、低コストで信頼 の高い回転速度検出ができる。なお、保持 13は前述した材質以外にPA(ポリアミド)66、 リブチレンテレフタレート(PBT)等の射出成形 可能な合成樹脂を例示することができる。

 インナー側のシール10は、嵌合環12の底部 12cと内輪6との間に形成される環状空間の開 部に装着され、断面略L字状に形成された環 のシール板16とスリンガ17からなる。シール 板16は、嵌合環12の底部12cに内嵌される芯金18 と、この芯金18に一体に加硫接着されたシー 部材19とからなる。

 芯金18は、オーステナイト系ステンレス 鈑(JIS規格のSUS304系等)、あるいは、防錆処理 された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)をプレ ス加工にて断面が略L字状に形成されている また、シール部材19は、サイドリップ19aとグ リースリップ19bおよび中間リップ19cとを一体 に有し、合成ゴム等のエラストマからなる。

 一方、スリンガ17は、内輪6に外嵌される 筒部17aと、この円筒部17aから径方向外方に びる立板部17bと、この立板部17bの先端部か 軸方向に突設された環状の舌片17cとを有し いる。この舌片17cは嵌合環12の底部12cと僅 な径方向すきまを介して対峙してラビリン シール20が構成されている。なお、スリンガ 17は、オーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規 格のSUS304系等)、あるいは、防錆処理された 間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)をプレス加工 て形成されている。ここで、サイドリップ19 aはスリンガ17の立板部17bに摺接し、また、グ リースリップ19bおよび中間リップ19cはスリン ガ17の円筒部17aに摺接している。

 センサホルダ11の保持部13を挟んでシール 10の反対側(アウター側)には磁気エンコーダ22 を有するベース21が配設されている。このベ ス21は、内輪6に外嵌される円筒部21aと、こ 円筒部21aから径方向外方に延びる立板部21b らなり、断面略L字状に形成されている。そ して、立板部21bのインナー側の側面には、ゴ ム等のエラストマにフェライト等の磁性体粉 が混入された磁気エンコーダ22が一体に加硫 着されている。この磁気エンコーダ22は、 方向に交互に磁極N、Sが着磁され、車輪回転 速度の検出用のロータリエンコーダを構成し ている。これにより、強磁性体のベース21と 俟って出力信号が強くなり安定した検出精 を確保することができる。

 このように、本実施形態では、円環状の ンサホルダ11に回転速度センサ15が配設され 、この回転速度センサ15のインナー側にシー 10が配設されると共に、このシール10のイン ナー側にラビリンスシール20が構成されてい ので、自動車の完成品メーカの組立ライン の搬送時を含む、車輪用軸受装置に等速自 継手(図示せず)を結合する以前の状態でも また、過酷な環境となる実走時においても 磁気エンコーダ22と回転速度センサ15の検出 との間に外部からダストや磁性粉末等の異 が侵入するのを確実に防止することができ 。したがって、車輪の回転速度検出の信頼 を向上させることができる。また、径方向 コンパクト化ができると共に、回転速度セ サ15等の取り巻きを簡素化でき、組立作業 が向上する。

 ここで、本実施形態では、磁気エンコー 22が接合されたベース21が予め内輪6に外嵌 れ、所定の位置に固定されると共に、セン ホルダ11が外方部材4に装着された後、最後 シール10が装着される。この時、シール10を 成するスリンガ17の円筒部17aとベース21の円 筒部21aとの間に所定の軸方向すきまδが形成 れるように、スリンガ17が内輪6に位置決め 定される。これにより、ベース21の円筒部21 aにスリンガ17の円筒部17aが当接してベース21 移動するのを防止でき、磁気エンコーダ22 回転速度センサ15とのエアギャップAが変化 るのを防止することができる。したがって ベース21とスリンガ17の寸法や圧入ストロー を厳しく規制することなく、エアギャップA を所定値に設定することができ、簡単な構成 で低コスト化を図りつつ、検出精度を向上さ せて信頼性の高い回転速度検出装置付き車輪 用軸受装置を提供することができる。

 なお、本実施形態では、回転速度検出装 として、磁気エンコーダ22と、ホール素子 の磁気検出素子からなる回転速度センサ15と からなるアクティブタイプの回転速度検出装 置を例示したが、本発明に係る回転速度検出 装置はこれに限らず、例えば、歯車と、磁石 と巻回された環状のコイル等からなるパッシ ブタイプであっても良い。

 図3は、前述した回転速度検出装置(図2)の 変形例を示している。なお、前述した実施形 態と同一部位、同一部品、あるいは同一の機 能を有する部位には同じ符号を付けてその詳 細な説明を省略する。

 円環状に形成されたセンサホルダ23が外 部材24のインナー側の端部に装着されている 。このセンサホルダ23は、嵌合環25と、この 合環25に結合された保持部26とからなる。嵌 環25は、外方部材24の外周に圧入される円筒 状の嵌合部12aと、この嵌合部12aから径方向内 方に延びる鍔部12bと、この鍔部12bから軸方向 に延びる底部25aとからなり、全体が円環状に 形成されている。また、嵌合環25は、オース ナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系等 )、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼鈑(J IS規格のSPCC系等)をプレス加工にて形成され いる。そして、底部25aの周方向に穿孔14が形 成され、保持部26が合成樹脂で一体モールド 形されている。

 インナー側のシール27は、嵌合環25の底部 25aと内輪6との間に形成される環状空間の開 部に装着され、断面略L字状に形成された環 のシール板16とスリンガ28からなる。スリン ガ28は、内輪6に外嵌される円筒部28aと、この 円筒部28aから径方向外方に延びる立板部28bと を有している。この立板部28bの外縁はシール 板16の芯金18と僅かな径方向すきまを介して 峙してラビリンスシール29が構成されている 。なお、スリンガ28は、オーステナイト系ス ンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系等)、あるいは 防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系 等)をプレス加工にて形成されている。

 本実施形態では、前述した実施形態と同 、磁気エンコーダ22が接合されたベース21が 予め内輪6に外嵌され、所定の位置に固定さ ると共に、センサホルダ23が外方部材24に装 された後、最後にシール27が装着される。 の時、シール27を構成するスリンガ28の円筒 28aとベース21の円筒部21aとの間に所定の軸 向すきまδが形成されるように、スリンガ28 内輪6に位置決め固定される。

 ここで、外方部材24のインナー側の端部 周に凹所30が形成され、ベース21は外方部材2 4の端面を越えてこの凹所30に収容される。こ れにより、シール27の密封性を確保しつつ、 ンサホルダ23の軸方向のコンパクト化を一 図ることができる。

 図4は、本発明に係る回転速度検出装置付 き車輪用軸受装置の第2の実施形態を示す縦 面図、図5は、図4の要部拡大図、図6は、本 明に係る嵌合環の加工工程を示す説明図、 7は、図4の側面図である。なお、この実施形 態は、前述した第1の実施形態(図3)と基本的 はセンサホルダの構成が一部異なるだけで その他第1の実施形態と同一部品同一部位あ いは同一機能を有する部品や部位には同じ 号を付してその詳細な説明を省略する。

 本実施形態では、センサホルダ31が外方 材24のインナー側の端部に装着されている。 このセンサホルダ31は、図5に拡大して示すよ うに、嵌合環32と、この嵌合環32に結合され 保持部33とからなる。嵌合環32は、外方部材2 4の外周に圧入される円筒状の嵌合部32aと、 の嵌合部32aから径方向内方に延び、外方部 24の端面4cに密着される鍔部32bと、この鍔部3 2bから軸方向に延びる底部32cとからなり、全 が円環状に形成されている。

 この嵌合環32は、オーステナイト系ステ レス鋼鈑(JIS規格のSUS304系等)、あるいは、防 錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等) 等、耐食性を有する鋼板をプレス加工にて形 成されている。また、底部32cの周方向複数箇 所には穿孔14が形成され、合成樹脂からなる 持部33が一体にモールド成形されている。

 保持部33は、ポリフェニレンサルファイ (PPS)等の非磁性の樹脂材にGF(ガラスファイバ ー)等の繊維強化材が添加され、射出成形に って形成されている。そして、この保持部33 に回転速度センサ15が包埋されている。これ より、回転速度センサ15の感知性能に悪影 を及ぼさず、また、耐食性に優れ、長期間 亘って強度・耐久性を向上させることがで る。なお、保持部33は前述した材質以外にPA6 6、ポリブチレンテレフタレート等の射出成 可能な合成樹脂を例示することができる。

 磁気エンコーダ22は、内輪6に圧入固定さ たベース34に接合されている。そして、セ サホルダ31の保持部33を挟んでインナー側の ール27の反対側(アウター側)に配設されて回 転速度センサ15に所定の軸方向すきま(エアギ ャップ)を介して対峙されている。ベース34は 、強磁性体の鋼鈑、例えば、フェライト系ス テンレス鋼鈑(JIS規格のSUS430系等)あるいは防 処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等) らなり、プレス加工によって断面略L字状に 、全体として円環状に形成されている。そし て、内輪6に外嵌される円筒部34aと、この円 部34aから径方向外方に延びる立板部34bを有 ている。

 また、回転速度センサ15が配設される位 、すなわち、保持部33が配設される位相は、 図7に示すように、嵌合環32の水平位置よりも 径方向上部(図中垂直方向の上部)に配置され この保持部33の接線方向にハーネス35が接続 されている。したがって、例えセンサホルダ 31内に外部から雨水等が浸入したとしても下 方向に排出され、この回転速度センサ15の 傍に滞留するのを防止することができると に、ハーネス35の取り巻きが簡素化でき、組 立作業性が向上する。

 ここで、本実施形態では、センサホルダ3 1を構成する保持部33が嵌合環32に一体にモー ドされているが、この嵌合環32の接合面が 面化処理され、その表面粗さがRa0.8以上に設 定されている。すなわち、嵌合環32の素材と る鋼板は、通常、表面粗さがRa0.2~0.6の範囲 あり、この表面がショットブラスト加工に り粗面化処理されている。なお、Raは、JIS 粗さ形状パラメータの一つで(JIS B0601-1994)、 算術平均粗さ、すなわち、平均線から絶対値 偏差の平均値を言う。

 ショットブラスト加工は、図6に示すように 、嵌合環32を回転治具36に載置させると共に ショットブラスト用のノズル37を嵌合環32の 合面に対向させた状態で、回転治具36を旋 させ、スチールビーズ等のメディアを噴射 せることにより行われる。ここで、スチー ビーズの粒径は20~100μm、噴射時間は約90秒、 噴射圧は1~3kg/cm 2 の条件でノズル37を矢印方向に移動させなが ショットブラスト加工が施される。

 このように、本実施形態では、嵌合環32 接合面がショットブラスト加工により粗面 処理され、その表面粗さがRa0.8以上に設定さ れているので、未処理の表面に比べ、接合面 の凹凸部が増えて接触面積が増大し、保持部 33との密着性が向上する。したがって、過酷 環境下に曝されされても、嵌合環32と、こ 嵌合環32に一体モールドされた保持部33とが 離するのを長期間に亘って防止することが き、磁気エンコーダ22と回転速度センサ15と のエアギャップを維持して所望の回転速度検 出ができる。

 一方、ベース34は、保持部33が一体にモー ルドされる嵌合環32と異なり、磁気エンコー 22が加硫接着される接合面が粗面化処理さ ず、素材となる鋼板の表面粗さのままとさ ている。すなわち、その表面粗さがRa0.2~0.6 範囲に設定されている。

 このように、本実施形態では、泥水、塩 、高温、低温等の過酷な条件下で使用され も、磁気エンコーダ22が軸受内方側に配置 れ、シール27によって外部から密封されてい るため、ベース34の表面粗さが素材となる鋼 の表面粗さRa0.2~0.6のままとされ、磁気エン ーダ22との接着面に粗面化処理を施されて なくても、所望の密着強度を得ることがで ると共に、ショットブラスト加工等の粗面 処理の廃止により加工工数を削減して低コ ト化を図ることができる。

 図8は、本発明に係る回転速度検出装置付 き車輪用軸受装置の第3の実施形態を示す要 拡大図、図9は、センサホルダ装着前の車輪 軸受装置を示す側面図、図10は、図8の側面 、図11は、図9の変形例で、センサホルダ装 前の車輪用軸受装置を示す正面図、図12は 図11のセンサホルダ装着後の車輪用軸受装置 を示す正面図、図13(a)は、図12の組立状態を す要部拡大図、(b)は、(a)の変形例を示す要 拡大図である。なお、この実施形態は、前 した第1の実施形態(図3)と基本的にはセンサ ルダの構成が一部異なるだけで、その他第1 の実施形態と同一部品同一部位あるいは同一 機能を有する部品や部位には同じ符号を付し てその詳細な説明を省略する。

 本実施形態では、センサホルダ38が外方 材24のインナー側の端部に装着されている。 このセンサホルダ38は、嵌合環39と、この嵌 環39に結合された保持部33とからなる。この 合環39は、外方部材24の端部に外嵌される円 筒状の嵌合部39aと、この嵌合部39aから径方向 内方に延びる鍔部12bと、この鍔部12bから軸方 向に延びる底部25aとからなり、全体として円 環状に形成されている。

 ここで、嵌合部39aの先端部には、プレス 工によって開口縁から径方向外方に折り曲 て重合部40が形成されている。これにより 嵌合部39aの剛性が高くなり、圧入時に嵌合 39aがラッパ状に変形するのを防止して嵌合 39の抜け耐力を確保すると共に、車両走行中 の振動や衝撃によって嵌合環39が周方向に位 ずれするのを防止し、長期間に亘って速度 出の信頼性を向上させることができる。こ 嵌合環39は、オーステナイト系ステンレス 鈑(JIS規格のSUS304系等)、あるいは、防錆処理 された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)等、耐 食性を有する鋼板をプレス加工にて形成され ている。

 また、回転速度センサ15が配設される位 、すなわち、保持部33が配設される位相は、 図10に示すように、嵌合環39の水平位置より 径方向上部(図中垂直方向の上部)、好ましく は、径方向最上部に配置され、この保持部33 接線方向にハーネス35が接続されている。 れにより、ハーネス35自体の長さが必要以上 に長くなることがなく、ナックルの外径側へ 取り出し易くなって組立の作業性が向上する 。

 ここで、本実施形態では、図9に示すよう に、外方部材24のインナー側の端面4cに所定 マーク41が付与されている。このマーク41は レーザーマーキングによって、センサホル 38の保持部33、具体的には、保持部33に包埋 れた回転速度センサ15に対応する位相にド ト形状に形成されている。なお、このマー 41は、レーザーマーキングに限らず、ペイン トによって形成されていても良い。

 一方、図10に示すように、センサホルダ38 における保持部33の側面にはペイントによっ 所定の位置にマーク42が形成されている。 のマーク42は、回転速度センサ15に対応する 置にドット形状に形成されている。そして センサホルダ38の組立工程で、外方部材24の マーク41と保持部33のマーク42の位置を合わせ てセンサホルダ38が装着されている。これに り、車輪用軸受装置を縦型に載置して組み てる際、同方向(上視)から各マーク41、42を 視しながら外方部材24に対してセンサホル 38を精度良く装着することができ、組立の作 業性を改善し、信頼性を向上させた回転速度 検出装置付き車輪用軸受装置を提供すること ができる。なお、このマーク42は、ペイント 限らず、刻印であっても良く、また、保持 33の成形時に一体に形成しても良い。

 図11は、前述したマーク付与の変形例を している。ここでは、外方部材24のインナー 側の端面外周にマーク43が付与されている。 のマーク43は、レーザーマーキングによっ 、センサホルダ38の嵌合環39が圧入される部 で、回転速度センサ15に対応する位相に帯 に形成されている。なお、このマーク43は、 外方部材24の端部外周における嵌合環39が圧 されない部位、あるいは車体取付フランジ4b のインナー側の側面に形成されていても良い 。

 一方、図12に示すように、センサホルダ38 における嵌合環39の嵌合部39aの外周にマーク4 4が形成されている。このマーク44は、回転速 度センサ15に対応する位置に帯状に形成され いる。そして、図13(a)に示すように、外方 材24のマーク43と嵌合環39のマーク44とを一致 させた状態で、センサホルダ38が外方部材24 装着される。これにより、車輪用軸受装置 縦型に載置して組み立てる際、同方向(横視) から各マーク43、44を目視しながらセンサホ ダ38を容易に装着することができ、外方部材 24に対するセンサホルダ38の位置決め精度を めることができると共に、組立の作業性を 層改善することができる。

 マーキングの形態はこれ以外にも、図13(b )に示すように、外方部材24のインナー側の端 面外周にマーク43が付与されると共に、セン ホルダ38における保持部33の外周面にドット 形状のマーク45が形成され、これらマーク43 45を一致させてセンサホルダ38を外方部材24 装着するようにしても良い。さらに、図示 しないが、このマーク45は、センサホルダ38 おける保持部33の外周面に限らず側面に形 しても良いし、また、マークの形状もドッ 形状に限らず帯状に形成しても良い。

 以上、本発明の実施の形態について説明 行ったが、本発明はこうした実施の形態に 等限定されるものではなく、あくまで例示 あって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内 おいて、さらに種々なる形態で実施し得る とは勿論のことであり、本発明の範囲は、 許請求の範囲の記載によって示され、さら 特許請求の範囲に記載の均等の意味、およ 範囲内のすべての変更を含む。

 本発明に係る回転速度検出装置付き車輪 軸受装置は、内輪回転構造において、あら るタイプの回転速度検出装置が内蔵された 輪用軸受装置に適用することができる。

本発明に係る車輪用軸受装置の第1の実 施形態を示す縦断面図である。 同上、要部拡大図である。 図2の変形例を示す要部拡大図である。 本発明に係る回転速度検出装置付き車 用軸受装置の第2の実施形態を示す縦断面図 である。 図4の要部拡大図である。 本発明に係る嵌合環の加工工程を示す 明図である。 図4の側面図である。 本発明に係る回転速度検出装置付き車 用軸受装置の第3の実施形態を示す要部拡大 図である。 センサホルダ装着前の車輪用軸受装置 示す側面図である。 図8の側面図である。 図9の変形例で、センサホルダ装着前 車輪用軸受装置を示す正面図である。 図11のセンサホルダ装着後の車輪用軸 装置を示す正面図である。 (a)は、図12の組立状態を示す要部拡大 である。 (b)は、(a)の変形例を示す要部拡 図である。 従来の車輪用軸受装置を示す要部拡大 図である。

符号の説明

1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ハブ輪
1a、6a・・・・・・・・・・・・・・・・内 転走面
1b・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 径段部
1c・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ レーション
2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 複列の転がり軸受
3・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 内方部材
4、24・・・・・・・・・・・・・・・・・外 方部材
4a・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 側転走面
4b・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 体取付フランジ
4c・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 方部材の端面
5・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 転動体
6・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 内輪
7・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 車輪取付フランジ
7a・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ブボルト
7b・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ールランド部
8・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 保持器
9・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ アウトボード側のシール
10、27・・・・・・・・・・・・・・・・イ ボード側のシール
11、23、31、38・・・・・・・・・・センサホ ダ
12、25、32、39・・・・・・・・・・嵌合環
12a、32a、39a・・・・・・・・・・嵌合部
12b、32b・・・・・・・・・・・・・・鍔部
12c、25a、32c・・・・・・・・・・底部
17a、21a、28a、34a・・・・・・円筒部
13、26、33・・・・・・・・・・・・・保持部
14・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 孔
15・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 転速度センサ
16・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ール板
17、28・・・・・・・・・・・・・・・・ス ンガ
17b、21b、28b、34b・・・・・・立板部
17c・・・・・・・・・・・・・・・・・・舌 片
18・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 金
19・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ール部材
19a・・・・・・・・・・・・・・・・・・サ イドリップ
19b・・・・・・・・・・・・・・・・・・グ リースリップ
19c・・・・・・・・・・・・・・・・・・中 間リップ
20、29・・・・・・・・・・・・・・・・ラ リンスシール
21、34・・・・・・・・・・・・・・・・ベ ス
22・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 気エンコーダ
30・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 所
35・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ーネス
36・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 転治具
37・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ズル
40・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 合部
41、42、43、44、45・・・・・・・マーク
51・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 方部材
52・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ンサホルダ
53・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 合環
53a・・・・・・・・・・・・・・・・・・嵌 合部
53b・・・・・・・・・・・・・・・・・・鍔 部
53c、61a、64a・・・・・・・・・・円筒部
54・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 持部
55・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 孔
56・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 気エンコーダ
57・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 転速度センサ
58・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ール
59・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 輪
60・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1のシール板
61・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2のシール板
61b、64b・・・・・・・・・・・・・・立板部
61c・・・・・・・・・・・・・・・・・・舌 片
62・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 金
63・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ール部材
63a・・・・・・・・・・・・・・・・・・サ イドリップ
63b・・・・・・・・・・・・・・・・・・グ リースリップ
63c・・・・・・・・・・・・・・・・・・中 間リップ
64・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ース
65・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ビリンスシール
A・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ エアギャップ
δ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 軸方向すきま