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Patent Searching and Data


Title:
BINDER RESIN FOR COLOR TONERS AND COLOR TONERS MADE BY USING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/028177
Kind Code:
A1
Abstract:
A binder resin for color toners which comprises a carboxyl -containing vinyl resin (C), a glycidy-containing vinyl resin (E) and a reaction product of both as the essential components and exhibits a storage modulus G' of 20 to less than 800Pa at 160°C at a frequency of measurement of 6.28 radians/s and which contains tetrahydrofuran(THF)-soluble matter exhibiting the main peak within a molecular weight region of 20,000 to less than 40,000 in the molecular weight distribution determined by gel permeation chromatography (GPC) and contains at least one mold-releasing agent having a melting point of 60 to 120°C in an amount of 3.5 to 12% by mass based on the total amount of the resins (C) and (E) and the reaction product (with the total amount taken as 100% by mass).

Inventors:
MATSUOKA HIROSHI (JP)
SAKATA KAZUYA (JP)
TAKEI HIROYUKI (JP)
UCHIYAMA KENJI (JP)
SASAKI ICHIROU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/002318
Publication Date:
March 05, 2009
Filing Date:
August 27, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MITSUI CHEMICALS INC (JP)
MATSUOKA HIROSHI (JP)
SAKATA KAZUYA (JP)
TAKEI HIROYUKI (JP)
UCHIYAMA KENJI (JP)
SASAKI ICHIROU (JP)
International Classes:
C08L57/10; G03G9/087; G03G9/08; G03G9/09
Domestic Patent References:
WO2005028545A12005-03-31
Foreign References:
JP2005266788A2005-09-29
JP2005266789A2005-09-29
JP2001188383A2001-07-10
JP2004053622A2004-02-19
JPH03118552A1991-05-21
JP2006171364A2006-06-29
JPH10133422A1998-05-22
JPH1069119A1998-03-10
JPH06175455A1994-06-24
JPH10142838A1998-05-29
JP2002365842A2002-12-18
JP2003255599A2003-09-10
JP2004062168A2004-02-26
JP2002189316A2002-07-05
JP2004144860A2004-05-20
JPS6490943A1989-04-10
JP2004177969A2004-06-24
JPH10171162A1998-06-26
Other References:
See also references of EP 2199863A4
Attorney, Agent or Firm:
HAYAMI, Shinji et al. (9-2Nishi-Gotanda 7-chome,Shinagawa-k, Tokyo 31, JP)
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Claims:
 少なくともカルボキシル基含有ビニル樹脂(C)、グリシジル基含有ビニル樹脂(E)、およびこれらの反応物を含み、
 160℃における貯蔵弾性率G'が、測定周波数6.28ラジアン/秒において、20Pa以上800Pa未満であり、
 バインダー樹脂中のテトラヒドロフラン(THF)可溶分が、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される分子量分布において、分子量20,000以上40,000未満の領域にメインピークを有し、
 融点60℃以上120℃以下の少なくとも1種の離型剤を、前記カルボキシル基含有ビニル樹脂(C)、前記グリシジル基含有ビニル樹脂(E)、およびこれらの反応物の合計100質量%に対して、3.5質量%以上12質量%以下で含む、
カラートナー用バインダー樹脂。
 前記バインダー樹脂中のテトラヒドロフラン(THF)可溶分の、分子量2,000以下の領域における含有量の積算値が、THF可溶分全体に対して、7.0質量%以下である、請求項1に記載のカラートナー用バインダー樹脂。
 重量平均分子量(Mw)が170,000以下であり、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が5以上40以下である、請求項1に記載のカラートナー用バインダー樹脂。
 前記バインダー樹脂中の残留揮発性成分の含有量が200ppm以下である、請求項1に記載のカラートナー用バインダー樹脂。
 軟化点が130℃以下である、請求項1に記載のカラートナー用バインダー樹脂。
 前記バインダー樹脂中の前記離型剤が、平均径1μm以下で分散している、請求項1に記載のカラートナー用バインダー樹脂。
 以下の条件を満たす、請求項1に記載のカラートナー用バインダー樹脂:
 前記カルボキシル基含有ビニル樹脂(C)は、THF可溶分が、GPCのクロマトグラムにおいて、分子量150,000以上350,000未満の領域にピークを有する高分子量ビニル樹脂(H)と、THF可溶分が、GPCのクロマトグラムにおいて、分子量20,000以上40,000未満の領域にピークを有する低分子量ビニル樹脂(L)とを含み、
 前記カルボキシル基含有ビニル樹脂(C)中の、高分子量ビニル樹脂(H)と低分子量ビニル樹脂(L)との質量比(H/L)が、10/90~30/70であり、
 前記カルボキシル基含有ビニル樹脂(C)中の高分子量ビニル樹脂(H)の酸価が10mgKOH/g以上26mgKOH/g以下であり、低分子量ビニル樹脂(L)の酸価が6mgKOH/g以上30mgKOH/g以下であり、
 前記カルボキシル基含有ビニル樹脂(C)の酸価が、6mgKOH/g以上30mgKOH/g以下であり、
 前記グリシジル基含有ビニル樹脂(E)は、THF可溶分が、GPCのクロマトグラムにおいて、分子量20,000以上80,000以下の領域にピークを有し、前記グリシジル基含有ビニル樹脂(E)のエポキシ価が0.003Eq/100g以上0.022Eq/100g以下であり、
 前記カルボキシル基含有ビニル樹脂(C)と前記グリシジル基含有ビニル樹脂(E)との質量比(C/E)が、87/13~99/1である。
 エチレン系炭化水素および/または共役ジエン系炭化水素由来の構成単位の連鎖からなるブロックとスチレン由来の連鎖からなるブロックとからなるブロック共重合体、および/またはそれらの水素添加物である水素添加ブロック共重合体を、前記カルボキシル基含有ビニル樹脂(C)100質量%に対して、0.05質量%以上0.6質量%以下で含有する、請求項1に記載のカラートナー用バインダー樹脂。
 前記低分子量ビニル樹脂(L)の構成モノマー100質量%に対して、2質量%以上13質量%以下の融点60℃以上120℃以下の少なくとも1種の離型剤の存在下で、前記低分子量ビニル樹脂(L)を重合する工程を含む、請求項7に記載のカラートナー用バインダー樹脂の製造方法。
 少なくとも1種のカルボキシル基含有ビニル樹脂(C)と少なくとも1種のグリシジル基含有ビニル樹脂(E)とを140℃以上210℃以下の温度範囲で溶融混練し、カルボキシル基とグリシジル基とを反応させる工程を含む、請求項1に記載のカラートナー用バインダー樹脂の製造方法。
 少なくとも請求項1に記載のカラートナー用バインダー樹脂と、着色剤と、帯電調整剤とを含有するカラートナー。
 前記カラートナーが粉砕法によって得られる、請求項11に記載のカラートナー。
 160℃における貯蔵弾性率G'が、測定周波数6.28ラジアン/秒において、100Pa以上800Pa未満である、請求項11または12に記載のカラートナー。
 少なくともカルボキシル基含有ビニル樹脂(C)、グリシジル基含有ビニル樹脂(E)、およびこれらの反応物を含み、
 160℃における貯蔵弾性率G'が、測定周波数6.28ラジアン/秒において、20Pa以上800Pa未満であり、
 バインダー樹脂中のテトラヒドロフラン(THF)可溶分が、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される分子量分布において、分子量20,000以上40,000未満の領域にメインピークを有し、
 融点60℃以上120℃以下の少なくとも1種の離型剤を、前記カルボキシル基含有ビニル樹脂(C)、前記グリシジル基含有ビニル樹脂(E)、およびこれらの反応物の合計100質量%に対して、3.5質量%以上12質量%以下で含み、
 バインダー樹脂中のテトラヒドロフラン(THF)可溶分の、分子量2,000以下の領域における含有量の積算値が、THF可溶分全体に対して、7.0質量%以下であり、
 重量平均分子量(Mw)が170,000以下であり、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が5以上40以下である、
カラートナー用バインダー樹脂。
 前記バインダー樹脂中の残留揮発性成分の含有量が200ppm以下である、請求項14に記載のカラートナー用バインダー樹脂。
 軟化点が130℃以下である、請求項14に記載のカラートナー用バインダー樹脂。
 前記バインダー樹脂中の前記離型剤が、平均径1μm以下で分散している、請求項14に記載のカラートナー用バインダー樹脂。
 以下の条件を満たす、請求項14に記載のカラートナー用バインダー樹脂:
 前記カルボキシル基含有ビニル樹脂(C)は、THF可溶分が、GPCのクロマトグラムにおいて、分子量150,000以上350,000未満の領域にピークを有する高分子量ビニル樹脂(H)と、THF可溶分が、GPCのクロマトグラムにおいて、分子量20,000以上40,000未満の領域にピークを有する低分子量ビニル樹脂(L)とを含み、
 前記カルボキシル基含有ビニル樹脂(C)中の、高分子量ビニル樹脂(H)と低分子量ビニル樹脂(L)との質量比(H/L)が、10/90~30/70であり、
 前記カルボキシル基含有ビニル樹脂(C)中の高分子量ビニル樹脂(H)の酸価が10mgKOH/g以上26mgKOH/g以下であり、低分子量ビニル樹脂(L)の酸価が6mgKOH/g以上30mgKOH/g以下であり、
 前記カルボキシル基含有ビニル樹脂(C)の酸価が、6mgKOH/g以上30mgKOH/g以下であり、
 前記グリシジル基含有ビニル樹脂(E)は、THF可溶分が、GPCのクロマトグラムにおいて、分子量20,000以上80,000以下の領域にピークを有し、前記グリシジル基含有ビニル樹脂(E)のエポキシ価が0.003Eq/100g以上0.022Eq/100g以下であり、
 前記カルボキシル基含有ビニル樹脂(C)と前記グリシジル基含有ビニル樹脂(E)との質量比(C/E)が、87/13~99/1である。
 エチレン系炭化水素および/または共役ジエン系炭化水素由来の構成単位の連鎖からなるブロックとスチレン由来の連鎖からなるブロックとからなるブロック共重合体、および/またはそれらの水素添加物である水素添加ブロック共重合体を、前記カルボキシル基含有ビニル樹脂(C)100質量%に対して、0.05質量%以上0.6質量%以下で含有する、請求項14に記載のカラートナー用バインダー樹脂。
 前記低分子量ビニル樹脂(L)の構成モノマー100質量%に対して、2質量%以上13質量%以下の融点60℃以上120℃以下の少なくとも1種の離型剤の存在下で、前記低分子量ビニル樹脂(L)を重合する工程を含む、請求項18に記載のカラートナー用バインダー樹脂の製造方法。
 少なくとも1種のカルボキシル基含有ビニル樹脂(C)と少なくとも1種のグリシジル基含有ビニル樹脂(E)とを140℃以上210℃以下の温度範囲で溶融混練し、カルボキシル基とグリシジル基とを反応させる工程を含む、請求項14に記載のカラートナー用バインダー樹脂の製造方法。
 少なくとも請求項14に記載のカラートナー用バインダー樹脂と、着色剤と、帯電調整剤とを含有するカラートナー。
 前記カラートナーが粉砕法によって得られる、請求項22に記載のカラートナー。
 160℃における貯蔵弾性率G'が、測定周波数6.28ラジアン/秒において、100Pa以上800Pa未満である、請求項22または23に記載のカラートナー。
Description:
カラートナー用バインダー樹脂 よびこれを用いるカラートナー

 本発明は、カラートナー用バインダー樹 およびこれを用いるカラートナーに関する

 一般に、感光体上に形成したトナー画像 記録紙に転写するPPC(Plain Paper Copy)複写機 プリンターにおける電子写真法は、以下の うな手順で行われる。まず、光感光体上に 電気的潜像を形成する。ついで該潜像をト ーを用いて現像し、紙等の被定着シート上 トナー画像を転写した後、熱ロールやフィ ムで加熱定着する。この方法は、熱ロール フィルムと被定着シート上のトナーが直接 触した状態で加熱下にて定着が行われるの 、迅速でしかも熱効率が極めて良好である したがって、定着効率が非常に良い。しか ながら、この加熱定着方式においては熱効 が良い反面、熱ロールやフィルム表面とト ーが溶融状態で接触するため、いわゆるオ セット現象が起きるという問題がある。

 定着性と耐オフセット性の良好な樹脂を るために、高分子量の樹脂と低分子量の樹 とを混合使用し、かつ高分子量部分を架橋 た樹脂が知られている。また、低温定着性 耐オフセット性を両立すべく、種々の技術 文献に開示されている(例えば、特許文献1~4 )。しかしながら、これらの文献は、モノク 用トナーに適した設計を開示するものであ 。これらの文献に開示の技術は、低温定着 と耐オフセット性との両立には効果がある のの、カラートナーに応用する場合には、 ノクロ用トナーとは異なる設計が必要であ 。

 カラートナー特有の課題として、光沢性 要求がある。モノクロ用トナーをカラート ーに応用した場合、依然として光沢性の点 改善の余地があった。特に、モノクロ用ト ーでは、耐オフセット性を良好にするため は高弾性が要求されるが、カラートナーに いては印刷表面に凹凸が発生し、光沢性が なわれるという問題があった。

 特許文献5には、ゲル分を含まないバインダ ー樹脂、および特許文献6には、ゲル成分の 有量が5重量%未満のカラートナーが記載され ている。しかしながら、これらの文献では、 Mw/Mnの範囲が狭いため、耐オフセット性が十 でない。そのため、光沢性と耐オフセット とのバランスに改善の余地がある。さらに 光沢性を向上させるために、高分子成分比 およびゲル分率を低下させた場合、耐久性 低下するという問題もある。

特開2002-189316号公報

特開2004-144860号公報

特開平10-90943号公報

国際公開第04/015498号パンフレット

特開2004-177969号公報

特開平10-171162号公報

 本発明は、カラートナー特有の問題を解 するものである。具体的には、本発明は、 沢性、耐久性、およびトナーに要求される 々の特性のバランスに優れたカラートナー バインダー樹脂およびカラートナーを提供 るものである。

 本発明によると、少なくともカルボキシ 基含有ビニル樹脂(C)、グリシジル基含有ビ ル樹脂(E)、およびこれらの反応物を含み、1 60℃における貯蔵弾性率G'が、測定周波数6.28 ジアン/秒において、20Pa以上800Pa未満であり 、バインダー樹脂中のテトラヒドロフラン(TH F)可溶分が、ゲルパーミエーションクロマト ラフィー(GPC)により測定される分子量分布 おいて、分子量20,000以上40,000未満の領域に インピークを有し、融点60℃以上120℃以下の 少なくとも1種の離型剤を、前記カルボキシ 基含有ビニル樹脂(C)、前記グリシジル基含 ビニル樹脂(E)、およびこれらの反応物の合 100質量%に対して、3.5質量%以上12質量%以下で 含む、カラートナー用バインダー樹脂が提供 される。

 上記カラートナー用バインダー樹脂にお て、バインダー樹脂中のテトラヒドロフラ (THF)可溶分の、分子量2,000以下の領域におけ る含有量の積算値は、THF可溶分全体に対して 、7.0質量%以下であり得る。

 上記カラートナー用バインダーは、重量 均分子量(Mw)が170,000以下であり、重量平均 子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が5以上40以下であ 得る。

 また、本発明によると、少なくともカルボ シル基含有ビニル樹脂(C)、グリシジル基含 ビニル樹脂(E)、およびこれらの反応物を含 、160℃における貯蔵弾性率G'が、測定周波 6.28ラジアン/秒において、20Pa以上800Pa未満で あり、
 バインダー樹脂中のテトラヒドロフラン(THF )可溶分が、ゲルパーミエーションクロマト ラフィー(GPC)により測定される分子量分布に おいて、分子量20,000以上40,000未満の領域にメ インピークを有し、融点60℃以上120℃以下の なくとも1種の離型剤を、前記カルボキシル 基含有ビニル樹脂(C)、前記グリシジル基含有 ビニル樹脂(E)、およびこれらの反応物の合計 100質量%に対して、3.5質量%以上12質量%以下で み、バインダー樹脂中のテトラヒドロフラ (THF)可溶分の、分子量2,000以下の領域におけ る含有量の積算値が、THF可溶分全体に対して 、7.0質量%以下であり、重量平均分子量(Mw)が1 70,000以下であり、重量平均分子量(Mw)/数平均 子量(Mn)が5以上40以下である、カラートナー 用バインダー樹脂が提供される。

 上記カラートナー用バインダー樹脂にお て、バインダー樹脂中の残留揮発性成分の 有量が200ppm以下であり得る。

 上記カラートナー用バインダー樹脂は、 化点が130℃以下であり得る。

 前記カラートナー用バインダー樹脂にお て、バインダー樹脂中の前記離型剤は、平 径1μm以下で分散し得る。

 上記カラートナー用バインダー樹脂は、以 の条件を満たす:
 前記カルボキシル基含有ビニル樹脂(C)は、T HF可溶分が、GPCのクロマトグラムにおいて、 子量150,000以上350,000未満の領域にピークを する高分子量ビニル樹脂(H)と、THF可溶分が GPCのクロマトグラムにおいて、分子量20,000 上40,000未満の領域にピークを有する低分子 ビニル樹脂(L)とを含み、
 前記カルボキシル基含有ビニル樹脂(C)中の 高分子量ビニル樹脂(H)と低分子量ビニル樹 (L)との質量比(H/L)が、10/90~30/70であり、
 前記カルボキシル基含有ビニル樹脂(C)中の 分子量ビニル樹脂(H)の酸価が10mgKOH/g以上26mg KOH/g以下であり、低分子量ビニル樹脂(L)の酸 が6mgKOH/g以上30mgKOH/g以下であり、
 前記カルボキシル基含有ビニル樹脂(C)の酸 が、6mgKOH/g以上30mgKOH/g以下であり、
 前記グリシジル基含有ビニル樹脂(E)は、THF 溶分が、GPCのクロマトグラムにおいて、分 量20,000以上80,000以下の領域にピークを有し 前記グリシジル基含有ビニル樹脂(E)のエポ シ価が0.003Eq/100g以上0.022Eq/100g以下であり、
 前記カルボキシル基含有ビニル樹脂(C)と前 グリシジル基含有ビニル樹脂(E)との質量比( C/E)が、87/13~99/1である。

 上記カラートナー用バインダー樹脂は、 チレン系炭化水素および/または共役ジエン 系炭化水素由来の構成単位の連鎖からなるブ ロックとスチレン由来の連鎖からなるブロッ クとからなるブロック共重合体、および/ま はそれらの水素添加物である水素添加ブロ ク共重合体を、前記カルボキシル基含有ビ ル樹脂(C)100質量%に対して、0.05質量%以上0.6 量%以下で含有し得る。

 また、本発明によると、前記低分子量ビ ル樹脂(L)の構成モノマー100質量%に対して、 2質量%以上13質量%以下の融点60℃以上120℃以 の少なくとも1種の離型剤の存在下で、前記 分子量ビニル樹脂(L)を重合する工程を含む 上記カラートナー用バインダー樹脂の製造 法が提供される。

 また、本発明によると、少なくとも1種の カルボキシル基含有ビニル樹脂(C)と少なくと も1種のグリシジル基含有ビニル樹脂(E)とを14 0℃以上210℃以下の温度範囲で溶融混練し、 ルボキシル基とグリシジル基とを反応させ 工程を含む、上記カラートナー用バインダ 樹脂の製造方法が提供される。

 また、本発明によると、少なくとも上記 ラートナー用バインダー樹脂と、着色剤と 帯電調整剤とを含有するカラートナーが提 される。

 上記カラートナーは、粉砕法によって得 れ得る。

 上記カラートナーは、160℃における貯蔵 性率G'が、測定周波数6.28ラジアン/秒におい て、100Pa以上800Pa未満であり得る。

 本発明によれば、光沢性、耐久性、およ トナーに要求される種々の特性のバランス 優れたカラートナー用バインダー樹脂およ カラートナーが提供される。

 以下、本発明を詳細に説明する。

 本発明において、重合という語を共重合 意味で使うことがあり、重合体という語を 重合体の意味で使うことがある。

 本発明のカラートナー用バインダー樹脂 、カルボキシル基含有ビニル樹脂(C)、グリ ジル基含有ビニル樹脂(E)、およびこれらの 応物、ならびに離型剤を含有している。こ ような樹脂を含有することで、定着性と耐 フセット性のバランスに優れたトナーとす ことができる。さらに、カルボキシル基含 ビニル樹脂(C)とグリシジル基含有ビニル樹 (E)との反応物は、反応点の分子が比較的自 に運動できる。そのため、高分子量化が進 でも弾性が大きくなり過ぎず、適度な弾性 付与できる。さらに、離型剤を含有するこ で、従来にない優れた光沢性と耐オフセッ 性とのバランスをトナーに付与することが 来る。

 また、本発明のカラートナー用バインダ 樹脂は、160℃における貯蔵弾性率G'が、測 周波数6.28ラジアン/秒において、20Pa以上800Pa 未満であり、好ましくは30Pa以上700Pa未満、さ らに好ましくは50Pa以上600Pa未満である。ここ で、従来の一般的なモノクロ用粉砕トナーで は、低温定着性および耐ホットオフセット性 を両立する目的で、160℃より高温における貯 蔵弾性率を上げるように樹脂の設計がなされ ていた。しかし、高温で高弾性の場合、耐オ フセット性は良好になるが、光沢性が低下す るという問題がある。すなわち、一般的なモ ノクロ用粉砕トナーをカラートナーに用いた 場合、トナー定着の際に熱ロールなどで一時 的に平滑な表面を形成したとしても、樹脂弾 性に起因する表面の復元力により、印刷表面 に凹凸が発生してしまう。その結果、光沢性 が低下するという問題が生じる。特に、従来 のモノクロ用バインダー樹脂では、高分子成 分およびゲル分を多く含んでいるため、160℃ での弾性率が高くなり過ぎる。そのため、光 沢性が低減し、カラートナーに用いた場合に は光沢性が損なわれるという問題があった。 光沢性を得るためには、低弾性であることが 重要であり、本発明では、貯蔵弾性率G'を所 の範囲とすることにより、光沢性に優れた ラートナー用バインダー樹脂を得ることが きる。

 また、本発明のカラートナー用バインダ 樹脂は、バインダー樹脂中のテトラヒドロ ラン(THF)可溶分が、ゲルパーミエーション ロマトグラフィー(GPC)により測定される分子 量分布において、分子量20,000以上40,000未満の 領域にメインピークを有し、好ましくは分子 量20,000以上37,000未満の領域にメインピークを 有する。本発明のバインダー樹脂では、メイ ンピークをこの領域に有することにより、ト ナーの光沢性および耐久性とその他の種々の 特性とのバランスが良好となる。トナーの耐 久性は低分子量成分のピーク分子量に大きく 影響される。ピーク分子量が低すぎるとトナ ーが脆くなりやすく、耐久性が悪化する傾向 にあり、高いと耐久性は向上する。しかし、 低分子量成分のピーク分子量が高すぎると、 トナーが硬くなり過ぎ、トナー生産時に粉砕 されにくくなる。その結果、生産性が低下す る可能性がある。さらには、溶融した時の貯 蔵弾性率や損失弾性率が高くなるため、定着 性や光沢性が損なわれることがある。このた めTHF可溶分が、上記範囲内であると、トナー を製造した際の耐久性の低下を防止し、光沢 性およびその他の種々の特性との良好なバラ ンスを得ることができる。

 さらに、本発明のカラートナー用バイン ー樹脂は、融点60℃以上120℃以下の少なく も1種の離型剤を含む。該離型剤の含有量は カルボキシル基含有ビニル樹脂(C)、グリシ ル基含有ビニル樹脂(E)、およびこれらの反 物の合計100質量%に対して、3.5質量%以上12質 量%以下であり、好ましくは4質量%以上10質量% 以下である。また、離型剤の融点は60℃以上1 20℃以下であり、さらには70℃以上115℃以下 あることが好ましい。離型剤の含有量が少 すぎる場合、ホットオフセットが発生しや くなり、さらには微細なオフセット現象が 生することに起因すると考えられる光沢性 低下が起こりやすくなる。一方、離型剤の 有量が多すぎる場合、離型剤成分が樹脂ま はトナー中で凝集しやすくなる。その結果 トナーを製造した際に、ワックスがトナー ら抜け落ちやすくなり、機内汚染や保存性 低下を引き起こす可能性がある。さらには トナー生産時に機内付着し、生産性が低下 ることがある。また、融点が低すぎる場合 トナーの保存性が悪化することがある。融 が高すぎる場合、離型剤成分の樹脂への相 性が低下し、定着性が不足しやすくなる。 らには樹脂弾性が高くなることにより、光 性の低下が引き起こされる可能性がある。 たがって、本発明のバインダー樹脂は、融 および含有量が上記範囲内の離型剤を含む とにより、光沢性、耐オフセット性、保存 、生産性、およびその他の種々の特性との 好なバランスを得ることができる。

 上記離型剤は、バインダー樹脂中に分散 していることが好ましい。より好ましくは 上記離型剤は、平均径が1μm以下の状態でバ インダー樹脂中に微分散している。このよう に、低融点の離型剤を樹脂中に内添および微 分散させることにより、保存性やクリーニン グ性を維持しつつ、耐オフセット性をより向 上させることができる。

 本発明では、バインダー樹脂中のテトラ ドロフラン(THF)可溶分の分子量2,000以下の領 域における含有量の積算値が、THF可溶分全体 に対して、好ましくは7.0質量%以下であり、 り好ましくは6.5質量%以下である。また、か る含有量の積算値の下限値は特に限定され ものではないが、例えば、2質量%以上であ 。本発明のバインダー樹脂は、低融点の離 剤を内添する。低融点の離型剤は、分子量2, 000以下の低分子量成分に相溶化してバインダ ー樹脂全体が可塑化しやすい。相溶化の結果 、保存性の低下や機内汚染が起こりやすくな る。したがって、分子量2,000以下の低分子量 分は少ないほうが好ましい。低分子量成分 上記範囲内とすることで、低分子量成分と 型剤との相溶を防止することができる。そ 結果、トナーの保存性が向上し、機内汚染 防止することができる。

 本発明のカラートナー用バインダー樹脂は 重量平均分子量(Mw)が、好ましくは170,000以 であり、より好ましくは40,000以上165,000以下 ある。重量平均分子量(Mw)が上記範囲内であ ることにより、定着性、トナーの生産性、お よび光沢性のバランスが良好なトナーが得ら れる。特に、Mwが大きすぎる場合、溶融した ナーの弾性が大きくなり、光沢性が損なわ やすくなるため、上記範囲内とすることが ましい。
 また、本発明のカラートナー用バインダー 脂は、好ましくは重量平均分子量(Mw)/数平 分子量(Mn)が5以上40以下であり、より好まし は、6以上25以下である。Mw/Mnが上記範囲内 あることにより、カラートナーの耐オフセ ト性と種々の特性とのバランスを優れたも とすることができる。

 さらに、本発明のカラートナー用バイン ー樹脂は、バインダー樹脂中の残留揮発性 分の含有量が、好ましくは200ppm以下であり より好ましくは190ppm以下である。また、残 揮発性成分の含有量の下限値は特に限定さ るものではないが、例えば、10ppm以上であ 。残留揮発性成分の含有量が多すぎると、 融点の離型剤の相溶化をより促進させるこ によると考えられる保存性の低下や機内汚 が起こり易くなる。したがって、残留揮発 成分の含有量が前記範囲内であると、トナ の保存性およびクリーニング性が良好とな ため好ましい。また、上記範囲内とするこ で、トナー生産設備内へのトナー付着が抑 られ、トナーの生産性も向上するため好ま い。さらには、トナーを印刷した際の臭気 抑えられることも好ましい理由の一つであ 。

 本発明のカラートナー用バインダー樹脂 、軟化点が130℃以下であり、好ましくは90 以上、127℃以下であり、より好ましくは100 以上、123℃以下である。カラートナーの場 、貯蔵弾性率の制御に加えて軟化点の制御 重要である。軟化点は荷重下での熱による 脂の変形のしやすさを示しており、定着部 通過するときの圧力と熱によるトナーの変 しやすさの指標となる。よって、軟化点が いほど定着部を通過するときに印刷表面が 滑化し、トナーの光沢性が向上しやすくな 。軟化点が前記範囲内であると、光沢性お びカラートナー用途に適した種々の特性の ランスに優れたバインダー樹脂が得られる

 以下、さらに、本発明のカラートナー用 インダー樹脂に含まれるカルボキシル基含 ビニル樹脂(C)およびグリシジル基含有ビニ 樹脂(E)について詳細に説明する。

<カルボキシル基含有ビニル樹脂(C)>
 カルボキシル基含有ビニル樹脂(C)は、少な とも1種のカルボキシル基含有単量体と、少 なくとも1種のスチレン系単量体と、少なく も1種のアクリル系単量体(メタクリル系単量 体も含む。以下同じ。)とを用いて公知の重 方法を用いることによって得られる。

 本発明におけるカルボキシル基含有単量 としては、例えば、アクリル酸、メタクリ 酸、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル 、ケイヒ酸、フマル酸メチル、フマル酸エ ル、フマル酸プロピル、フマル酸ブチル、 マル酸オクチル、マレイン酸メチル、マレ ン酸エチル、マレイン酸プロピル、マレイ 酸ブチル、マレイン酸オクチル等の不飽和 塩基酸のモノエステル類等が挙げられる。 ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、フ ル酸、フマル酸メチル、フマル酸エチル、 マル酸プロピル、フマル酸ブチル、フマル オクチルであり、特に好ましくはアクリル 、メタクリル酸である。

 本発明において使用されるスチレン系単 体としては、例えば、スチレン、p-メチル チレン、m-メチルスチレン、o-メチルスチレ 、p-メトキシスチレン、p-フェニルスチレン 、p-クロルスチレン、3,4-ジクロルスチレン、 p-エチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、p-n -ブチルスチレン、p-tert-ブチルスチレン、p-n- ヘキシルスチレン、p-n-オクチルスチレン、p- n-ノニルスチレン、p-n-デシルスチレン、p-n- デシルスチレン等が挙げられ、特に好まし は、スチレンである。

 本発明において使用されるアクリル系単 体としては、例えば、アクリル酸メチル、 クリル酸エチル、アクリル酸プロピル、ア リル酸ブチル、アクリル酸オクチル、アク ル酸シクロヘキシル、アクリル酸ステアリ 、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フルフ ル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリ 酸ヒドロキシブチル、アクリル酸ジメチル ミノメチル、アクリル酸ジメチルアミノエ ル等のアクリル酸エステル類、メタクリル メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリ 酸オクチル、メタクリル酸シクロヘキシル メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ベ ジル、メタクリル酸フルフリル、メタクリ 酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロ シブチル、メタクリル酸ジメチルアミノメ ル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等 メタクリル酸エステル類、アクリロニトリ 、アクリルアミド、メタクリロニトリル、 タクリルアミド、N置換アクリルアミド、N 換メタクリルアミド等のアミド等が挙げら る。これらのうち、好ましくはアクリル酸 ステル類、メタクリル酸エステル類、アク ロニトリル、メタクリロニトリルであり、 に好ましくは、アクリル酸ブチル、メタク ル酸メチル、メタクリル酸ブチル、アクリ 酸ヒドロキシエチルである。

 本発明において、上記単量体の他に、フ ル酸ジメチル、フマル酸ジブチル、フマル ジオクチル、マレイン酸ジメチル、マレイ 酸ジブチル、マレイン酸ジオクチル等の不 和二塩基酸のジエステル類も単量体として 用することができる。

 本発明のカルボキシル基含有ビニル樹脂( C)において、単量体として、必要に応じて2個 以上の二重結合を有する架橋性モノマーを使 用してもよい。架橋性モノマーとしては、例 えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレ ン等の芳香族ジビニル化合物、エチレングリ コールジアクリレート、1,3-ブチレングリコ ルジアクリレート、1,4-ブタンジオールジア リレート、1,5-ペンタンジオールジアクリレ ート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート ネオペンチルグリコールジアクリレート、 エチレングリコールジアクリレート、トリ チレングリコールジアクリレート、テトラ チレングリコールジアクリレート、ポリオ シエチレン(2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル )プロパンジアクリレート、ポリオキシエチ ン(4)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパ ジアクリレート等のジアクリレート化合物 よびそれらのメタクリレート化合物、ペン エリスリトールトリアクリレート、トリメ ロールエタントリアクリレート、トリメチ ールプロパントリアクリレート、テトラメ ロールメタンテトラアクリレート等の多官 架橋性モノマーおよびそれらのメタクリレ ト化合物等が挙げられる。これら架橋性モ マーを使用する場合は、架橋性モノマーの 有量は、カルボキシル基含有ビニル樹脂(C) に含まれる他のモノマー100質量%に対して0.5 量%未満であることが好ましい。架橋性モノ マーの含有量が多すぎると、後述するカルボ キシル基とグリシジル基との反応により架橋 体が生成しやすくなる。かかる架橋体の生成 を抑制し、高温での弾性が高くなることおよ び光沢性の低下を抑制するため、架橋性モノ マーの含有量は上記範囲内であることが好ま しい。

<グリシジル基含有ビニル樹脂(E)>
 また、グリシジル基含有ビニル樹脂(E)は、 なくとも1種のグリシジル基含有単量体と、 少なくとも1種の他の単量体とを用いて、公 の重合方法を用いることにより得られる。 リシジル基含有ビニル樹脂(E)を構成する単 体としては、グリシジル基含有単量体のほ に、上述の単量体が挙げられる。

 グリシジル基含有ビニル樹脂(E)は、THF可 分が、GPCのクロマトグラムにおいて、好ま くは分子量20,000以上80,000以下の領域にピー を有し、より好ましくは30,000以上70,000以下 さらに好ましくは40,000以上60,000以下の領域 ピークを有する。また、グリシジル基含有 ニル樹脂(E)のエポキシ価は、0.003Eq/100g以上0 .022Eq/100g以下、より好ましくは0.004Eq/100g以上0 .015Eq/100g以下、さらに好ましくは0.006Eq/100g以 0.013Eq/100g以下である。バインダー樹脂にお て、グリシジル基含有ビニル樹脂(E)の、ピ ク分子量およびエポキシ価が上記下限値以 であると、トナーにした際の耐久性が良好 なり、現像維持特性が向上する。また、そ と同時に、カルボキシル基含有ビニル樹脂( C)とグリシジル基含有ビニル樹脂(E)との反応 より、高分子量成分の分子量がより増大し バインダー樹脂に適度な弾性を付与するた 、耐オフセット性能が良好となる。ピーク 子量が小さすぎたりエポキシ価が小さすぎ 場合には、バインダー樹脂の弾性が不足し 耐オフセット性の低下が発生することがあ 。一方で、ピーク分子量が大きすぎたりエ キシ価が大きすぎる場合、バインダー樹脂 弾性が大きくなりすぎ、光沢性が悪化する とがある。本発明においてエポキシ価は、 脂100g中に存在するエポキシ基のモル数であ り、その測定はJIS K-7236に準じて行うことが きる。

 本発明におけるグリシジル基含有単量体 しては、アクリル酸グリシジル、アクリル βメチルグリシジル、メタアクリル酸グリ ジル、メタアクリル酸βメチルグリシジルな どが挙げられ、好ましくはメタアクリル酸グ リシジル、メタアクリル酸βメチルグリシジ である。

 グリシジル基含有ビニル樹脂(E)は、必ず も1種のグリシジル基含有ビニル樹脂である 必要はなく、2種以上のグリシジル基含有ビ ル樹脂を使用してもよい。その場合、グリ ジル基含有ビニル樹脂(E)全体として上記特 を満たしていることが好ましい。また、単 の重合体を生成する際に、グリシジル基含 単量体を重合途中に添加、もしくは重合初 と後期に分けて添加することにより、グリ ジル基の分子内分布に幅を持たせることも 能である。

 さらに、本発明のカルボキシル基含有ビニ 樹脂(C)は、高分子量ビニル樹脂(H)と低分子 ビニル樹脂(L)を含むことが好ましい。
 カルボキシル基含有ビニル樹脂(C)における 分子量ビニル樹脂(H)と低分子量ビニル樹脂( L)との比率(H/L)は、カラートナーの光沢性に え、トナーの生産性、定着性、耐オフセッ 性、耐久性等の総合バランスの観点から、10 /90~30/70であることが好ましく、より好ましく は、15/85~25/75である。高分子量ビニル樹脂(H) 比率が高い場合、トナーにした際の耐オフ ット性および耐久性が向上する。一方、光 性向上の観点から、高分子量ビニル樹脂(H) 比率は一定以下であることが好ましい。し がって、H/Lが上記範囲内であると、上記性 のバランスに優れたカラートナーを製造す ことができる。

 カルボキシル基含有ビニル樹脂(C)は、酸 が、好ましくは6mgKOH/g以上、30mgKOH/g以下で る、より好ましくは7mgKOH/g以上、28mgKOH/g以下 、さらに好ましくは8mgKOH/g以上、26mgKOH/g以下 ある。酸価が上記下限値以上であると、グ シジル基含有ビニル樹脂(E)との反応により バインダー樹脂に適度な弾性を付与でき、 ナーにした際の耐オフセット性が良好とな 。酸価が大きすぎる場合、バインダー樹脂 過剰な弾性を付与し、トナーにした際の光 性が損なわれることがある。そのため、酸 は上記範囲内であることが好ましい。

 <高分子量ビニル樹脂(H)>
 本発明において、カルボキシル基含有ビニ 樹脂(C)中に含まれる高分子量ビニル樹脂(H) 、THF可溶分が、GPCのクロマトグラムにおい 、好ましくは分子量150,000以上350,000未満の 域にピークを有し、より好ましくは170,000以 320,000未満にピークを有する。ピーク分子量 が小さすぎる場合、グリシジル基含有ビニル 樹脂(E)との反応において十分に高分子量化せ ず、バインダー樹脂の弾性が不足する場合あ る。したがって、耐オフセット性の低下を抑 制するためには、ピーク分子量が上記下限値 以上であることが好ましい。また、ピーク分 子量が大きすぎる場合、グリシジル基含有ビ ニル樹脂(E)との反応により過剰に架橋構造を 形成しやすくなる。したがって、トナーにし た際の光沢性の低下を抑制するため、ピーク 分子量は上記上限値以下であることが好まし い。

 高分子量ビニル樹脂(H)は、好ましくは酸 (AVH)が10mgKOH/g以上26mgKOH/g以下である。酸価 上記範囲内であると、光沢性と、トナーの 着性、耐オフセット性等の特性とのバラン の面で好ましい。酸価が上記下限値以上で ると、後述するグリシジル基含有ビニル樹 との反応により適度な弾性を付与でき、ト ーの耐オフセット性が良好となる。一方、 価が上記上限値以下であると、グリシジル 含有ビニル樹脂との反応が起きすぎて増粘 すぎることを防止することができ、トナー 定着温度域での損失弾性率が高くなりすぎ のを防止することができる。その結果、ト ーの光沢性が良好となる。なお、本発明に いて、酸価は、樹脂1gを中和するために必要 な水酸化カリウムのmg数である。

 高分子量ビニル樹脂(H)は、必ずしも単独 重合体である必要はなく、2種以上の高分子 量ビニル樹脂を使用してもよい。その場合、 高分子量ビニル樹脂(H)全体として上記特性を 満たしていることが好ましい。また、単独の 重合体を生成する際に、カルボキシル基含有 単量体を重合途中に添加、または重合初期と 後期とに分けて添加することにより、カルボ キシル基の分子内分布に幅を持たせることも 可能である。

 <低分子量ビニル樹脂(L)>
 本発明において、カルボキシル基含有ビニ 樹脂(C)中に含まれる低分子量ビニル樹脂(L) 、THF可溶分が、GPCのクロマトグラムにおい 、好ましくは分子量20,000以上40,000未満の領 にピークを有し、より好ましくは21,000以上3 6,000未満にピークを有する。ピーク分子量が 記下限値以上の場合、トナーのクリーニン 性、保存性や耐久性を良好に保つことがで る。ピーク分子量が上記上限値以下の場合 定着性能を良好に保つことができる。

 低分子量ビニル樹脂(L)は、好ましくは酸 (AVL)が6mgKOH/g以上30mgKOH/g以下である。酸価(AV L)が上記範囲内であると、優れた耐久性、定 性能、光沢性および耐オフセット性能を発 する。ここで、トナーの耐久性の向上は、 分子量ビニル樹脂がグリシジル基含有ビニ 樹脂(E)と反応し、低分子量ビニル樹脂の分 量が増大することやカルボキシル基の水素 合に起因すると思われる。また、紙との親 性の向上による定着性能の向上が起こりや くなる。また、酸価を上記範囲内とするこ で、グリシジル基含有ビニル樹脂(E)と高分 量ビニル樹脂(H)との反応性が増大しすぎる を防ぎ、トナーの光沢性の低下を防ぐこと できる。

 低分子量ビニル樹脂(L)は、必ずしも単独 重合体である必要はなく、2種以上の低分子 量ビニル樹脂を使用しても構わない。そのと きには、低分子量ビニル樹脂(L)全体として、 上述の特性を満たしていることが好ましい。 また、単独の重合体を生成する際に、カルボ キシル基含有単量体を重合途中に添加、また は重合初期と後期に分けて添加することによ り、カルボキシル基の分子内分布に幅を持た せることも可能である。

 さらに、本発明のカラートナー用バイン ー樹脂は、さらに、エチレン系炭化水素お び/または共役ジエン系炭化水素由来の構成 単位の連鎖からなるブロックとスチレン由来 の連鎖からなるブロックとからなるブロック 共重合体、および/またはそれらの水素添加 である水素添加ブロック共重合体を含有し もよい。これらのブロック共重合体および 素添加ブロック共重合体の含有量は、前記 ルボキシル基含有ビニル樹脂(C)100質量%に対 て、好ましくは0.05質量%以上0.6質量%以下で り、より好ましくは0.1質量%以上0.5質量%以 である。上記範囲内とすることでトナー保 性や流動性などを損なうことなくバインダ 樹脂内に離型剤を微分散する事ができる。 れにより、クリーニング性の優れたトナー 得やすくなる。

 これらのブロック共重合体を得るために 一般に、エチレン、プロピレン、1‐ブテン 、2-ブテン、イソブチレン、1-ペンテン、2-ペ ンテン、2-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ブテ 、2-メチル-2-ブテン、1-ヘキセン、2,3-ジメチ ル-2-ブテン等のエチレン系炭化水素、および ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン系炭 化水素から選択される1種以上を使用してよ 。これらを用いて公知のリビングアニオン 合やリビングカチオン重合により生成させ ブロック共重合体の反応性基を利用し、さ にこれにスチレンをブロックさせる等の方 で製造される。しかしながら、製造方法に 限を受けるものではなく、従来公知のその の製造方法により製造されたものを使用し もよい。さらに、上記のブロック共重合体 中には不飽和二重結合を有するものもある これらは公知の方法により不飽和二重結合 水素とを反応させ、水素添加物として使用 てもよい。

 上記ブロック共重合体としては、市販の のとして、クレイトンポリマー社のクレイ ン(スチレン-エチレン/ブチレン-スチレン系 ブロック共重合体(SEBS)、スチレン-ブタジエ -スチレン系ブロック共重合体、スチレン-イ ソプレン-スチレン系ブロック共重合体、ス レン-エチレン/プロピレン-スチレン系ブロ ク共重合体、スチレン-エチレン/プロピレン 系ブロック共重合体)、株式会社クラレ製セ トン(スチレン-エチレン/プロピレン系ブロ ク共重合体、スチレン-イソプレン系ブロッ 共重合体の水添物)、旭化成製タフプレン( チレン-ブタジエン系ブロック共重合体)等が 挙げられる。

 本発明において、カルボキシル基含有ビ ル樹脂(C)およびグリシジル基含有ビニル樹 (E)の製造方法としては、溶液重合、塊状重 、懸濁重合、乳化重合等の公知の重合方法 よびそれらの組み合わせが採用できる。分 量分布の調整や、高分子量ビニル樹脂(H)と 分子量ビニル樹脂(L)の混合性、カルボキシ 基やグリシジル基の分布調整の簡便さから 溶液重合、塊状重合、またはそれらの組み わせが好適に採用される。

 カルボキシル基含有ビニル樹脂(C)は、高 子量ビニル樹脂(H)と低分子量ビニル樹脂(L) を、それぞれをあらかじめ単独で重合し、 れらを溶融状態もしくは溶液状態で混合し 得てよい。または、高分子量ビニル樹脂(H) たは低分子量ビニル樹脂(L)の一方を単独で 合した後、そのビニル樹脂の存在下に他方 ビニル樹脂を重合して得てもよい。

 溶液重合に用いられる溶剤としては、ベン ン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン キュメン等の芳香族炭化水素が挙げられ、 独またはこれらの混合物を使用してよい。 ましくはキシレンが用いられる。
 低分子量ビニル樹脂(L)は、高分子量ビニル 脂(H)やグリシジル基含有ビニル樹脂(E)など 他の樹脂成分と比較して分子量2,000以下の 分子量成分を多く含みやすい。よって、低 子量ビニル樹脂(L)を溶液重合で製造する際 は、分子量2,000以下の低分子量成分を低減さ せるために、構成モノマー100質量部に対して 溶剤は20質量部以上70質量部以下であること 好ましく、さらには35質量部以上55質量部以 であることが好ましい。

 重合は、重合開始剤を用いて行ってもよ 、重合開始剤を用いずに、いわゆる熱重合 行ってもよい。重合開始剤としては通常、 ジカル重合開始剤として使用可能なものを 用することができる。例えば、2,2'-アゾビ イソブチロニトリル、2,2'-アゾビス(4-メトキ シ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、ジメチル-2, 2'-アゾビスイソブチレート、1,1'-アゾビス(1- クロヘキサンカーボニトリル)、2-(カーバモ イルアゾ)-イソブチロニトリル、2,2'-アゾビ (2,4,4-トリメチルペンタン)、2-フェニルアゾ- 2,4-ジメチル-4-メトキシバレロニトリル、2,2'- アゾビス(2-メチル-プロパン)などのアゾ系開 剤、メチルエチルケトンパーオキサイド、 セチルアセトンパーオキサイド、シクロヘ サノンパーオキサイドなどのケトンパーオ サイド類、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,3, 5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(ブチ パーオキシ)シクロヘキサン、2-2-ビス(t-ブチ ルパーオキシ)ブタンなどのパーオキシケタ ル類、t-ブチルハイドロパーオキサイド、ク メンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3-テトラ チルブチルハイドロパーオキサイドなどの イドロパーオキサイド類、ジ-t-ブチルパー キサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド ジ-クミルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5- (t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α'-ビス(t -ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンな のジアルキルパーオキサイド類、イソブチ ルパーオキサイド、オクタノイルパーオキ イド、デカノイルパーオキサイド、ラウロ ルパーオキサイド、3,5,5-トリメチルヘキサ イルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキ イド、m-トルオイルパーオキサイドなどの アシルパーオキサイド類、ジ-イソプロピル ーオキシジカーボネート、ジ-2-エチルヘキ ルパーオキシジカーボネート、ジ-n-プロピ パーオキシジカーボネート、ジ-2-エトキシ チルパーオキシカーボネート、ジ-メトキシ イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ (3-メチル-3-メトキシブチル)パーオキシカー ネートなどのパーオキシジカーボネート類 アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオ サイドなどのスルフォニルパーオキサイド 、t-ブチルパーオキシアセテート、t-ブチル ーオキシイソブチレート、t-ブチルパーオ シネオデカノエイト、クミルパーオキシネ デカノエイト、t-ブチルパーオキシ-2-エチル ヘキサノエイト、t-ブチルパーオキシラウレ ト、t-ブチルパーオキシベンゾエイト、t-ブ チルパーオキシイソブロピルカーボネート、 ジ-t-ブチルジパーオキシイソフタレートなど のパーオキシエステル類等が例示できる。こ れらの開始剤は、単独で使用してもよいし、 2種以上を併用してもよい。その種類および は反応温度、単量体濃度等により適宜選択 きる。通常、重合開始剤は、用いる単量体10 0質量%当たり0.01~10質量%で使用される。

 本発明のバインダー樹脂は、上述の通り 少なくともカルボキシル基含有ビニル樹脂( C)とグリシジル基含有ビニル樹脂(E)を含有し いる。耐オフセット性の観点から、カルボ シル基含有ビニル樹脂(C)とグリシジル基含 ビニル樹脂(E)との比率(C/E)は質量比で好ま くは87/13~99/1、より好ましくは90/10~97/3である 。グリシジル基含有ビニル樹脂(E)の比率が高 すぎると、グリシジル基含有ビニル樹脂(E)の エポキシ価および分子量にもよるが、カルボ キシル基含有ビニル樹脂(C)との反応が進みす ぎる可能性がある。その結果、弾性率が高く なりすぎ、光沢性が低下する可能性がある。 また、グリシジル基含有ビニル樹脂(E)の比率 が低すぎる場合、カルボキシル基含有ビニル 樹脂(C)とグリシジル基含有ビニル樹脂(E)との 反応が不十分となり、耐オフセット性が低下 する可能性がある。

 カルボキシル基含有ビニル樹脂(C)とグリ ジル基含有ビニル樹脂(E)とを反応させる方 としては、少なくとも1種のカルボキシル基 含有ビニル樹脂(C)と少なくとも1種のグリシ ル基含有ビニル樹脂(E)とを溶融状態で混合 、反応させる方法が好ましい。このような 法は、従来公知の方法を用いることができ 。例えば、攪拌機付きの反応容器等に両樹 を仕込み、加熱して溶融状態で反応させる 法、または溶剤存在下で反応させ脱溶剤す 方法等が採用できる。特に、2軸混錬機を用 る方法が好ましい。具体的には、カルボキ ル基含有ビニル樹脂(C)およびグリシジル基 有ビニル樹脂(E)の粉体をヘンシェルミキサ 等で混合後、2軸混練機を用いて溶融混練、 反応させる方法、または溶融状態のカルボキ シル基含有ビニル樹脂(C)とグリシジル基含有 ビニル樹脂(E)とを2軸混練機にフィードして 融混練、反応させる方法が挙げられる。溶 混練、反応時の温度は、カルボキシル基含 ビニル樹脂(C)およびグリシジル基含有ビニ 樹脂(E)の種類によっても異なるが、140℃~210 、好ましくは150℃~200℃の範囲である。反応 温度が低すぎる場合、反応速度が低下する可 能性がある。その結果、反応が不十分となり 耐オフセット性が不十分となる可能性がある 。また、反応温度が高すぎる場合、解重合が 起きてバインダー樹脂中の残存揮発分や分子 量2,000以下の低分子量成分が増加する可能性 ある。その結果、保存性の低下や機内汚染 臭気の発生等の不具合を起こしやすくなる

 2軸混練機を用いて溶融混練、反応させる 方法においては、2軸混練機に水を1MPa以上3MPa 以下、好ましくは1.7MPa以上2.3MPa以下の圧力で 、樹脂100質量部に対して0.5質量部以上2.5質量 部以下、好ましくは1.0質量部以上2.0質量部以 下で注入する。そして、圧入口より出口側に 設置した減圧口より、0.001~0.200MPa、好ましく 0.050~0.150MPaで減圧して水および揮発成分を 去する方法が好ましい。なお、本発明にお て、圧力は特に断らない限りゲージ圧力、 なわち真空を基準とした絶対圧力から大気 を減じた値である。注入圧力を上記範囲内 することで十分に水が樹脂に混合され、減 した際に揮発成分が除去されやすくなる。 た、水の注入量が少なすぎる場合、十分に 発成分が除去できないことがある。一方、 の注入量が多すぎる場合、樹脂中の水の分 状態が悪化し、その結果、揮発成分が除去 にくくなることがある。また、減圧圧力は 記範囲内とすることで揮発成分を樹脂から 分に除去できる。また、このような手法を いることにより、バインダー樹脂の残存揮 分を200ppm以下にでき、かつ分子量2,000以下の 低分子量成分も同時に低減できるため好まし い。

 本発明のバインダー樹脂に含まれる離型 は、トナーにおける離型剤の分散を良化さ る目的で、以下のように添加されることが ましい。すなわち、カルボキシル基含有ビ ル樹脂(C)の製造段階において、溶剤とエチ ン系炭化水素および/または共役ジエン系炭 化水素由来の構成単位の連鎖からなるブロッ クとスチレン由来の連鎖からなるブロックと からなるブロック共重合体、および/または れらの水素添加物である水素添加ブロック 重合体の共存下で離型剤を添加して脱溶剤 行う。このようにして、離型剤を含有する ルボキシル基含有ビニル樹脂(C)を製造する とが好ましい。その後に、上述の溶融混練 よび反応を行っても良好な離型剤の分散状 を得ることができる。また、低分子量ビニ 樹脂(L)の構成モノマー100質量%に対して、2質 量%以上13質量%以下の融点60℃以上120℃以下の 少なくとも1種の離型剤の存在下で、離型剤 含有する低分子量ビニル樹脂(L)を重合し、 れを用いて離型剤を含有するカルボキシル 含有ビニル樹脂(C)を製造してもよい。かか 方法は、離型剤の分散を向上させるうえで ましい方法である。また、離型剤を含有す 低分子量ビニル樹脂(L)の重合の際、エチレ 系炭化水素および/または共役ジエン系炭化 素由来の構成単位の連鎖からなるブロック スチレン由来の連鎖からなるブロックとか なるブロック共重合体、および/またはそれ らの水素添加物である水素添加ブロック共重 合体を含有させてもよい。

 このようにして得られた樹脂を冷却・粉 してトナー用バインダー樹脂とする。冷却 粉砕する方法は従来公知のいかなる方法も 用できる。また、冷却方法として、スチー ベルトクーラー等を使用して急冷すること 可能である。

 本発明のカラートナーは、本発明のカラー ナー用バインダー樹脂と、着色剤と、帯電 整剤とを少なくとも含有する。
 本発明のカラートナーは、従来公知の方法 よって製造される。好ましくは、本発明の ラートナーは粉砕法により得られる。例え 、本発明のカラートナー用バインダー樹脂 着色剤、および帯電調整剤を少なくとも加 、必要であればその他の離型剤等の添加剤 加えて粉体混合機により充分に混合する。 の後、加熱ロール、ニーダー、またはエク トルーダーといった混練機を用いて溶融、 練して各構成成分を充分に混合する。これ 冷却後、粉砕、分級を行う。通常4~15μmの範 囲の粒子を集め、粉体混合法により表面処理 剤をまぶしてトナーを得る。また、必要に応 じて、表面処理装置等により、トナーの球形 化処理をしてもよい。表面処理の方法として は、例えば、高温空気噴流中に流入させトナ ーを球形化する方法や機械的な衝撃によりト ナーの角を取る方法などが挙げられる。

 本発明のカラートナーは、JIS K-7121規格 より求められるガラス転移温度(Tg)が45~75℃ あることが好ましく、より好ましくは50~65℃ である。Tgが低すぎると、保存性が不足する とがあり、Tgが高すぎると定着性が不足す ことがある。

 本発明のカラートナーは、光沢性とその の性能バランスの観点から軟化点が125℃以 、さらには90℃以上、120℃以下であること 好ましい。

 また、本発明のカラートナーは、測定周 数6.28ラジアン/秒において、160℃の貯蔵弾 率G'が、好ましくは100Pa以上800Pa以下であり より好ましくは200Pa以上700Pa以下である。貯 弾性率G'が上記範囲内であることにより、 沢性および種々の特性のバランスに優れた ラートナーが得られる。

 また、本発明のカラートナーは、テトラ ドロフラン(THF)可溶分の分子量2,000以下の領 域における含有量の積算値が、THF可溶分全体 に対して、7.0質量%以下であることが保存性 クリーニング性の観点から好ましい。

 <離型剤>
 本発明に用いることのできる離型剤として 、融点60℃以上120℃以下の条件を満たす従 公知のものを使用することができる。例え 、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプ ピレン、ポリオレフィン共重合体、ポリオ フィンワックス、パラフィンワックス、マ クロクリスタリンワックス、フィッシャー ロプシュワックス等の脂肪族炭化水素系ワ クス、酸化ポリエチレンワックスのような 肪族炭化水素系ワックスの酸化物、キャン リラワックス、カルナバワックス、木ろう ライスワックス、ホホバろうのような植物 ワックス、蜜蝋、ラノリン、鯨ろうのよう 動物系ワックス、オゾケライト、セレシン ペトロラタムのような鉱物系ワックス、モ タン酸エステル、カスターワックスのよう 脂肪酸エステルを主成分とするワックス、 酸カルナバワックスのような脂肪酸エステ を一部または全部を脱酸化したもの、さら 、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン 、またはさらに長鎖のアルキル基を有する 鎖アルキルカルボン酸類のような飽和直鎖 肪酸、ブラシジン酸、エレオステアリン酸 バリナリン酸のような不飽和脂肪酸、ステ リルアルコール、エイコシルアルコール、 ヘニルアルコール、カルナウビルアルコー 、セリルアルコール、メリシルアルコール またはさらに長鎖のアルキル基を有する長 アルキルアルコールのような飽和アルコー 、ソルビトールのような多価アルコール、 ノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウ ン酸アミドのような脂肪酸アミド、メチレ ビスステアリン酸アミド、エチレンビスカ リン酸アミド、エチレンビスラウリン酸ア ド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミ のような飽和脂肪酸ビスアミド、エチレン スオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビス レイン酸アミド、N,N'-ジオレイルアジピン酸 アミド、N,N'-ジオレイルセバシン酸アミドの うな不飽和脂肪酸アミド、m-キシレンビス テアリン酸アミド、N,N'-ジステアリルイソフ タル酸アミドのような芳香族系ビスアミド、 ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシ ウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグ ネシウムのような脂肪酸金属塩、脂肪族炭化 水素系ワックスにスチレン系単量体やアクリ ル系単量体、カルボキシル基含有単量体、グ リシジル基含有単量体のようなビニル系単量 体を用いてグラフト化させたワックス、ベヘ ニン酸モノグリセリドのような脂肪族と多価 アルコールの部分エステル化物、植物性油脂 を水素添加することにより得られるヒドロキ シル基を有するメチルエステル化合物、さら にはエチレン重合法や石油系炭化水素の熱分 解によるオレフィン化法で得られる二重結合 を1個以上有する高級脂肪族炭化水素や石油 分から得られるn-パラフィン混合物やエチレ ン重合法により得られるポリエチレンワック スやフィッシャートロプシュ合成法により得 られる高級脂肪族炭化水素などをホウ酸及び 無水ホウ酸の存在下で分子状酸素含有ガスで 液相酸化することにより得られる水酸基やエ ステル基やカルボキシル基などの官能基を有 するワックス、メタロセン触媒によって合成 されたポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ ブテン、ポリペンテン、ポリヘキセン、ポリ ヘプタン、ポリオクテン、エチレン-プロピ ン共重合体、エチレン-ブテン共重合体、ブ ン-プロピレン共重合体や、長鎖アルキルカ ルボン酸と多価アルコールを縮合したり長鎖 アルキルカルボン酸のハロゲン化物と多価ア ルコールの反応にて得られるエステル基含有 ワックスなどが挙げられる。これらの離型剤 は単独または2種以上組み合わせて使用して よい。本発明のバインダー樹脂は、カルボ シル基含有ビニル樹脂(C)、グリシジル基含 ビニル樹脂(E)、およびこれらの反応物の合 100質量%に対して、3.5質量%以上12質量%以下の 離型剤を含有している。これらの離型剤はバ インダー樹脂製造時に添加される。しかしな がら、トナー製造の際に機能を損なわない範 囲で上記離型剤をさらに少量添加してもよい 。

 <帯電調整剤>
 本発明のカラートナーは、正帯電性または 帯電性を保持させるために帯電調整剤を含 することが好ましい。帯電調整剤としては 来公知のものを使用してよい。正帯電性の 電調整剤としては、例えば、ニグロシンお び脂肪酸金属塩等による変性物;トリブチル ベンジルアンモニウム-1-ヒドロキシ-4-ナフト スルホン酸塩、テトラブチルアンモニウムテ トラフルオロボレートのような四級アンモニ ウム塩、およびこれらの類似体であるホスホ ニウム塩のようなオニウム塩およびこれらの レーキ顔料;トリフェニルメタン染料および れらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、燐 ングステン酸、燐モリブデン酸、燐タング テンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン 、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシ ン化物など);高級脂肪酸の金属塩;ジブチル オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、ジ クロヘキシル錫オキサイドのようなジオル ノ錫オキサイド;ジブチル錫ボレート、ジオ クチル錫ボレート、ジシクロヘキシル錫ボレ ートのようなジオルガノ錫ボレート類、グア ニジン化合物、イミダゾール化合物、イミダ ゾリウム塩類、さらにはジアルキルアミノア ルキル(メタ)アクリレートとスチレン系単量 と必要によりアクリル系単量体を共重合し 後にパラトルエンスルホン酸アルキルエス ルで四級化する等の手法によって得られる 級アンモニウム塩基含有共重合体が挙げら る。負帯電性の帯電調整剤としては、例え 、有機金属錯体、キレート化合物が有効で り、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン 属錯体、芳香族ヒドロキシカルボン酸金属 体、芳香族ジカルボン酸金属錯体、芳香族 ドロキシカルボン酸や芳香族モノカルボン や芳香族ポリカルボン酸およびその金属塩 無水物やエステル類、ビスフェノールのよ なビスフェノール誘導体があり、さらには 位中心金属がSc、Ti、V、Cr、Co、Ni、Mn、およ びFeからなる群より選択され且つカチオンが 素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイ ン、アンモニウムイオンから選択されるア 系金属化合物や、配位中心金属がCr、Co、Ni Mn、Fe、Ti、Zr、Zn、Si、B、Ca、Mg、Sr、および Alからなる群より選択され且つカチオンが水 イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオ 、アンモニウムイオン、および脂肪族アン ニウムからなる群より選択される芳香族ヒ ロキシカルボン酸誘導体や芳香族ポリカル ン酸誘導体の金属化合物(芳香族ヒドロキシ カルボン酸誘導体および芳香族ポリカルボン 酸は置換基としてアルキル基、アリール基、 シクロアルキル基、アルケニル基、アルコキ シ基、アリールオキシ基、水酸基、アルコキ シカルボニル基、アリールオキシカルボニル 基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシ ル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミ ド基、アミノ基、またはカルバモイル基を有 していてもよい)、スルホン酸基含有アクリ アミド系単量体とスチレン系単量体とアク ル系単量体との共重合体のようなスルホン 基含有単量体を構成成分とする重合体など 挙げられる。特に好ましいのは、Ca、Al、Zr Zn、Crからなる群より選択される少なくとも1 種を含有するサリチル酸系の金属化合物であ る。これらの帯電調整剤は単独で使用しても 2種以上を組み合わせて使用してもよい。帯 調整剤の添加量は、帯電量とトナーの流動 のバランスから、バインダー樹脂100質量%に して、好ましくは0.05~10質量%、より好まし は0.1~5質量%、さらに好ましくは0.2~3質量%で る。また、添加方法としては、トナー内部 添加、または外添する方法や、それらを組 合わせたものが適用できる。

 <着色剤>
 本発明のカラートナーは、着色剤を含有す 。着色剤としては、従来公知の顔料および 料を使用することができる。顔料としては えば、ミネラルファストイエロー、ネーブ イエロー、ナフトールイエローS、ハンザイ エローG、パーマネントイエローNCG、タート ジンレーキ、モリブデンオレンジ、パーマ ントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、ベ ジジンオレンジG、パーマネントレッド4R、 オッチングレッドカルシウム塩、エオシン ーキ、ブリリアントカーミン3B、マンガン紫 、ファストバイオレットB、メチルバイオレ トレーキ、コバルトブルー、アルカリブル レーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロ アニンブルー、ファーストスカイブルー、 ンダンスレンブルーBC、クロムグリーン、ピ グメントグリーンB、マラカイトグリーンレ キ、ファイナルイエローグリーンG等が挙げ れる。マゼンタ用着色顔料としては、C.I.ピ グメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10 11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23 30、31、32、37、38、39、40、41、48、49、50、51 52、53、54、55、57、58、60、63、64、68、81、83 87、88、89、90、112、114、122、123、163、202、20 6、207、209、238、C.I.ピグメントバイオレット1 9、C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、3 5等が挙げられる。シアン用着色顔料として 、C.I.ピグメントブルー2、3、15、15:1、15:2、1 5:3、16、17、C.I.アシッドブルー6、C.I.アシッ ブルー45又はフタロシアニン骨格にフタルイ ミドメチル基を1~5個置換した銅フタロシアニ ン顔料等が挙げられる。イエロー用着色顔料 としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4 5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、6 5、73、74、83、93、97、155、180、185、C.I.バット イエロー1、3、20等が挙げられる。黒色顔料 しては、ファーネスブラック、チャンネル ラック、アセチレンブラック、サーマルブ ック、ランプブラックなどのカーボンブラ ク等が挙げられる。染料としては、C.I.ダイ クトレッド1、C.I.ダイレクトレッド4、C.I.ア シッドレッド1、C.I.ベーシックレッド1、C.I. ーダントレッド30、C.I.ダイレクトブルー1、C .I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー9、 C.I.アシッドブルー15、C.I.ベーシックブルー3 C.I.ベーシックブルー5、C.I.モーダントブル 7、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシック グリーン4、C.I.ベーシックグリーン6、ソルベ ントイエロー162等が挙げられる。これらの着 色剤は単独で使用しても2種以上を組み合わ て使用してもよい。着色剤のトナーへの添 量は、バインダー樹脂100質量%に対して、0.05 ~20質量%が好ましく、より好ましくは0.1~15質 %、さらに好ましくは0.2~10質量%である。

 また、本発明のカラートナーは、必要に じて本発明の効果を阻害しない範囲におい 、例えばポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル ポリエステル、ポリビニールブチラール、 リウレタン、ポリアミド、ロジン、重合ロ ン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノー 樹脂、芳香族石油樹脂、塩ビ樹脂、スチレ -ブタジエン樹脂、スチレン-エチレン-ブタ エン-スチレンブロック共重合体、スチレン -(メタ)アクリル共重合体、クロマン-インデ 樹脂、メラミン樹脂等を一部添加して使用 てもよい。

 <表面処理剤>
 本発明のカラートナーは、トナーの表面に して表面処理剤を添加することによって、 ナーとキャリア、あるいはトナー相互の間 該表面処理剤を存在させることが好ましい 表面処理剤を添加することにより、粉体流 性、保存性、帯電安定性、および環境安定 が向上され、かつさらに現像剤の寿命をも 上させることができる。表面処理剤として 、従来公知のものを使用することができる 例えば、シリカ微粉体、酸化チタン微粉体 およびそれらの疎水化物などが挙げられる シリカ微粉体は、湿式シリカ、乾式シリカ 乾式シリカと金属酸化物の複合体などが使 でき、さらに、これらを有機ケイ素化合物 で疎水化処理されたものが使用できる。疎 化処理は、例えば、ケイ素ハロゲン化合物 蒸気相酸化により生成されたシリカ微粉体 シラン化合物で処理し、有機ケイ素化合物 処理する方法などが挙げられる。疎水化処 に用いられるシラン化合物としては、例え 、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシ ン、トリメチルクロルシラン、トリメチル トキシシラン、ジメチルジクロルシラン、 チルトリクロルシラン、アリルジメチルク ルシラン、アリルフェニルジクロルシラン ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメ ルジメチルクロルシラン、α―クロルエチ トリクロルシラン、β―クロルエチルトリク ロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシ ラン、トリオルガノシリルメルカプタン、ト リメチルシリルメルカプタン、トリオルガノ シリルアクリレート、ビニルジメチルアセト キシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジ メチルジメトキシシラン、ジフェニルジエト キシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1 3-ジビニルテトラメチルジシロキサン、1、3- ジフェニルテトラメチルジシロキサンなどが 挙げられる。疎水化処理に用いられる有機ケ イ素化合物としては、例えば、ジメチルシリ コーンオイル、メチルフェニルシリコーンオ イル、α-メチルスチレン変性シリコーンオイ ル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ 素変性シリコーンオイルなどのシリコーンオ イル類が挙げられる。また、酸化チタン微粉 末にオイル処理したものや、0.03μm~1μmのビニ ル樹脂の微粒子なども使用してもよい。これ ら以外の表面処理剤として、ポリフッ化エチ レン、ステアリン酸亜鉛、ポリフッ化ビニリ デンのような滑剤、酸化セリウム、炭化ケイ 素、チタン酸ストロンチウム、磁性粉、アル ミナ等の研磨剤、カーボンブラック、酸化亜 鉛、酸化アンチモン、酸化錫等の導電性付与 剤なども使用してもよい。さらには、表面処 理剤の形状として、粒径が100nm以下の小粒径 粒子、粒径が100nm以上の大粒径の粒子、八 体状、六面体状、針状、繊維状など様々な 状のものを使用してもよい。表面処理剤は 独または2種以上を組み合わせて使用してよ 。該表面処理剤の添加量は、トナー100質量 中、好ましくは0.1~10質量部、より好ましく 0.1~5質量部である。

 <キャリア>
 本発明のカラートナーを二成分現像剤とし 使用する場合、キャリアとして従来公知の のを使用できる。例えば、表面酸化または 酸化の鉄、コバルト、マンガン、クロム、 、亜鉛、ニッケル、マグネシウム、リチウ 、希土類のような金属およびそれらの合金 たは酸化物からなる個数平均粒径15~300μmの 子が使用できる。これらのキャリアはスチ ン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系 脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂など より表面コートされているものを使用して よい。さらには、樹脂に磁性微粒子が分散 れてなる磁性微粒子分散型コアと該磁性微 子分散型コアの表面を被覆する被覆樹脂を 有する被服層とを有する磁性キャリアを使 してもよい。

 本発明により得られるカラートナーは、 知の種々の現像プロセスに用いることがで る。例えば、限定されないが、カスケード 像法、磁気ブラシ法、パウダー・クラウド 、タッチダウン現像法、キャリアとして粉 法によって製造された磁性トナーを用いる 謂マイクロトーニング法、磁性トナー同士 摩擦帯電によって必要なトナー電荷を得る 謂バイポーラー・マグネチックトナー法等 挙げられる。また、本発明により得られる ラートナーは、従来公知のファーブラシ法 ブレード法等の種々のクリーニング方法に 用いることができる。また、本発明により られるカラートナーは、従来公知の種々の 着方法に用いることができる。具体的には オイルレスヒートロール法、オイル塗布ヒ トロール法、熱ベルト定着法、フラッシュ 、オーブン法、圧力定着法などが例示され 。また、電磁誘導加熱方式を採用した定着 置に使用してもよい。さらには中間転写工 を有する画像形成方法に用いてもよい。

 以下、実施例により本発明を具体的に説 するが本発明はこれに限定されるものでは い。また、データの測定法および判定法は の通りである。さらに、表中、Stはスチレ 、Macはメタクリル酸、BAはアクリル酸n-ブチ 、GMAはメタクリル酸グリシジル、およびXy キシレンを表す。

<酸価>
 本実施例における酸価(AV)は、以下の通り算 出した。キシレン:n―ブタノール=1:1質量比の 混合溶媒に精秤した試料を溶解した。予め標 定されたN/10水酸化カリウムのアルコール(特 水酸化カリウム7gにイオン交換水5g添加し、 1級エチルアルコールで1L(リットル)とし、N/10 塩酸と1%フェノールフタレイン溶液にて力価= Fを標定したもの)で滴定し、その中和量から 式に従って算出した。
 酸価(mgKOH/g)=(N/10 KOH滴定量(ml)×F×5.61)/(試料g ×0.01)

<ピーク分子量>
 本実施例におけるピーク分子量は、GPC(ゲル パーミエーションクロマトグラフィー)法に り求めたものであり、単分散標準ポリスチ ンで検量線を作成した換算分子量である。 定条件は下記の通りである。
GPC装置; SHODEX GPC SYSTEM-21 (Showa Denko K.K.)
検出器;   SHODEX RI SE-31 (Showa Denko K.K.)
カラム;  SHODEX GPC KF-807Lを3本とGPC KF-800Dを1 本(Showa Denko K.K.)とを直列に用いた。
溶 媒;  テトラヒドロフラン(THF) 
流 速;  1.2ml /分
サンプル濃度; 0.002g-resin/ml-THF
注入量; 100μL

 サンプル溶液は、測定直前にフィルター 用い、THFに不溶な成分を除去した。また、 ナーの分子量を測定する際には、トナー10 量%をTHF90質量%に十分溶解させた後、シムゴ タルク50質量部、チタン(CR-95)50質量部を添 し、遠心分離を行い、得られた上澄み液を 定の濃度に調整し測定した。

<ガラス転移温度(Tg)>
 本実施例におけるTgは、示差走査型熱量測 法(DSC)に従い、DSC-20(セイコー電子工業社製) よって測定した。試料約10mgを-20℃から200℃ まで10℃/分で昇温し、得られたカーブのベー スラインと吸熱ピークの傾線の交点よりTgを めた。また、離型剤の融点も上記の装置を い、吸熱ピークより融点を求めた。

<軟化点(Tm)>
 本実施例におけるTmの測定には、島津製作 製高架式フローテスターCFT-500を用いた。ダ スの細孔の径1mm、加圧20kg/cm 2 、昇温速度6℃/分の条件で、1cm 3 の試料を溶融流出させた時の流出開始点から 流出終了点の高さの1/2に相当する温度をTmと て測定した。

<エポキシ価>
 エポキシ価は以下の手順で計算した。樹脂 料0.2~5gを精秤し、200mlの三角フラスコに入 た。その後、ジオキサン25mlを加えて溶解さ た。1/5規定の塩酸溶液(ジオキサン溶媒)25ml 加え、密栓して十分に混合した。その後、3 0分間静置した。次に、トルエン‐エタノー 混合溶液(1:1容量比)50mlを加えた後、クレゾ ルレッドを指示薬として1/10規定水酸化ナト ウム水溶液で滴定した。滴定結果に基づい 、下記式にしたがってエポキシ価(Eq/100g)を 算した。
  エポキシ価(Eq/100g)=[(B-S)×N×F]/(10×W)
 ここで、Wは試料採取量(g)、Bは空試験に要 た水酸化ナトリウム水溶液の量(ml)、Sは試料 の試験に要した水酸化ナトリウム水溶液の量 (ml)、Nは水酸化ナトリウム水溶液の規定度、 よびFは水酸化ナトリウム水溶液の力価であ る。

<粘弾性測定>
 本発明における粘弾性測定は以下の測定に って求めた。
粘弾性装置: STRESS TECH レオメータ (レオロ カ社製)
測定モード: Oscillation strain control
測定温度範囲: 50~200℃
昇温速度: 2℃/分
周波数: 1Hz(6.28ラジアン/秒)
ギャップ: 1mm
プレート: パラレルプレート
応力歪み: 1%
サンプル形状: 厚さ1mm、直径約20mmの円柱状

<残存揮発物の定量方法(内標法)>
 1,2―ジクロロベンゼン0.01gを精秤し、アセ ン70mLに希釈した。その後、よく混合し、内 液を作成した。この時の内標液中の1,2―ジ ロロベンゼン濃度をzとする。測定する樹脂 1gおよび内標液1gを加え、アセトン20gをそれ れ精秤して混合し、樹脂を溶解させた(樹脂: x 0 グラム、内標液:y 0 グラム)。溶解後、静置して沈殿と上澄みと 分離させた。この上澄み液3μLを下記の条件 、ガスクロマトグラフィで分析を行った。
装置 : ジーエルサイエンス(株) 
GC-353カラム : 50m*0.25mm
ULBON HR-1 
カラム温度 : 60℃
インジェクション温度 : 180℃
N 2 ガス流量 :10ml/分
試料溶液 : 5%のアセトン溶液
溶液注入量 : 3μL
検出器 : FID

 得られたガスクロマトグラムから樹脂内に 有されていた揮発成分を特定した。次いで これらの揮発成分を定量した。ここではス レンを例にとって説明するが、他の単量体 製造時に使用される溶剤などの成分に関し も同様に行った。
 まず、特定された成分の検量線を作成した
検量線の作成は以下のように行った。
1. 20mLのスクリュー管に1,2-ジクロロベンゼン  0.2g、スチレン 0.1gを精秤し、アセトン 10g 希釈する。その後、よく混合する。
2. 20mLのスクリュー管に1,2-ジクロロベンゼン  0.2g、スチレン 0.2gを精秤し、アセトン 10g 希釈する。その後、よく混合する。
3. 20mLのスクリュー管に1,2-ジクロロベンゼン  0.2g、スチレン 0.3gを精秤し、アセトン 10g 希釈する。その後、よく混合する。
4. 上記の1~3の工程で調整した試料をそれぞ 、20mLのスクリュー管にマイクロシリンジに 、1μLを分取し、アセトン 10gで希釈する。 の後、よく混合する。
5. 4の工程で得られた試料をそれぞれ、上記 件でガスクロマトグラフに注入する。
6. ガスクロマトグラフより、各試料の濃度 応じてAREA値が得られる。
7. スチレン/1,2-ジクロロベンゼンのAREA値の (=x 1 )に対して、スチレン/1、2-ジクロロベンゼン 重量比(=y 1 )をプロットする。最小自乗法にて一次近似 :Y=ax+bを算出し、検量線を作成する。
 この時のR 2 値が0.9800以上であることを確認する。0.9800未 満の場合は、再度検量線作成を行う。

 試料中のスチレン量の算出は以下のように った。
1. ガスクロマトグラフより得られた試料中 スチレンのAREA値と1、2-ジクロロベンゼンのA REA値の比をx 2 とする。
2. 検量線の一次近似式へx 2 を代入し、スチレン/1、2-ジクロロベンゼン 重量比(=y 2 )を算出する。
3. 樹脂中のスチレンは以下の式によって算 される。
 スチレン量(ppm)=y 2 *z*y 0 /(1000000x 0 )
 トナーに関しても同様に測定を行った。

<離型剤の分散性>
 透過型電子顕微鏡H-7000(日立製)を用いて、10 000倍の倍率で離型剤の分散状態を確認した。 測定試料がバインダー樹脂の場合は、トリミ ング・面出し後、RuO 4 で染色し、超薄切片を作成して観察を行い、 観察される離型剤の長軸径を測定しその平均 値を分散径とした。測定試料がトナーの場合 、エポキシ樹脂埋包後、樹脂の場合と同様に 観察を行った。

 次に、以下に本発明で行ったトナーの評 方法を記載する。

1.定着評価
 市販の電子写真複写機を改造した複写機に 未定着画像を作成した。その後、この未定 画像を市販の複写機の定着部を改造した熱 ーラー定着装置を用いて、熱ローラーの定 速度を190mm/秒とし、それぞれ150℃、160℃、 よび170℃の温度で定着させた。得られた定 画像を砂消しゴム(株式会社トンボ鉛筆製) より、1.0kgfの荷重をかけ、6回摩擦させ、こ 摩擦試験前後の画像濃度をマクベス式反射 度計により測定した。摩擦後の画像濃度í 擦前の画像濃度×100をその温度での変化率と した。150℃、160℃、および170℃でのそれぞれ の変化率の平均値を定着率として算出し、下 記評価基準で判定した。なお、ここで用いた 熱ローラー定着装置はシリコーンオイル供給 機構を有しないものであった。また、環境条 件は、常温常圧(温度22℃、相対湿度55%)とし 。
(評価基準)
○ ; 67% ≦ 定着率
△ ; 63% < 定着率 < 67%
× ; 定着率 ≦ 63%

2.耐オフセット性
 上記最低定着温度の測定に準じて行った。 なわち、上記複写機にて未定着画像を作成 た。その後、上述の熱ローラー定着装置に り定着処理を行い、非画像部分にトナー汚 が生ずるか否かを観察した。前記熱ローラ 定着装置の熱ローラーの設定温度を順次上 させた状態で繰り返し、トナーによる汚れ 生じた最低の設定温度をもってオフセット 生温度とした。また、上記複写機の雰囲気 、温度22℃、相対湿度55%とした。
(評価基準)
○ ; 180℃ ≦ オフセット発生温度
△ ; 160℃ ≦ オフセット発生温度 < 180
× ; オフセット発生温度 < 160℃

3.クリーニング性
 上記複写機にて、22℃、相対湿度55%で20000枚 の連続複写を行った。その後の感光体の汚染 性を目視評価した。
(評価基準)
○ ; 全く汚れていない。
× ; 汚れが確認できる。

4.保存性
 温度50℃、相対湿度60%の環境条件下、トナ 5gを24時間放置した。これを150メッシュのふ いにのせ、パウダーテスター(細川粉体工学 研究所)の加減抵抗機の目盛りを3にして、1分 間振動を加えた。振動後の150メッシュのふる いの上に残った質量を測定し、残存質量比を 求めた。
(評価基準)
○ ; 残存質量比 < 25%
△ ; 25% ≦ 残存質量比 < 30%
× ; 30% ≦ 残存質量比

5.耐久性
 10mlガラス製サンプル管にステンレス製ボー ル24gを入れ、この中にトナー0.05g添加した。 をして300rpmで20分間回転攪拌し、攪拌前後 トナーの粒度分布をコールターカウンター て測定した。(攪拌前の個数中位径D50-攪拌後 の個数中位径D50)í攪拌前の個数中位径D50×100 粒径変化率とし、下記基準で判定した。
(評価基準)
○ ; 粒径変化率 ≦ 21%
△ ; 21% < 粒径変化率 ≦ 23%
× ; 23% < 粒径変化率

6.生産性
 トナー製造時、2軸混練冷却したものを一部 採取して粉砕した。10メッシュアンダー、16 ッシュオンの粒度に揃えて一定条件でジェ トミルにて粉砕し、トナー収量を測定した コールターカウンターにて粒度分布を測定 、(単位時間当たりのトナー収量g)í(体積中 径D50より求めたトナー一粒の重量g)í10 10 を生産性とし、下記基準にて判定した。
 ○; 100 ≦ 生産性
 △; 95 ≦ 生産性 < 100
 ×; 生産性 < 95

7.光沢性
 市販の電子写真複写機を改造した複写機に 未定着画像を作成した。その後、この未定 画像を市販の複写機の定着部を改造した熱 ルト定着装置を用いて、熱ローラーの定着 度を125mm/秒とし、150℃の温度で定着させた このとき定着画像の画像濃度は、マクベス 反射濃度計で測定し、1.4となるように調整 た。得られた定着画像を、変角光沢計GM‐3D (村上色彩技術研究所製)を用い、入射角75°で 光沢度を測定した。また、上記複写機の雰囲 気は、温度22℃、相対湿度55%とした。
(評価基準)
○ ; 30% ≦ 光沢度
△ ; 25% ≦ 光沢度 < 30%
× ; 光沢度 < 25%

[グリシジル基含有ビニル樹脂(E)の製造例]
(製造例E-1)
 モノマー100質量%に基づいてキシレン50質量% を窒素置換したフラスコに仕込み昇温した。 キシレン還流下において、予め表1に記載の り混合溶解しておいた合計100質量%のモノマ に、ジ-t- ブチルパーオキサイド0.5質量%を5 時間かけて連続添加した。さらに、1時間還 を継続した。その後、内温130℃に保ち、ジ-t -ブチルパーオキサイド0.5質量%を加えて2時間 反応を継続し、重合液を得た。これを160℃、 1.33kPaの容器中にフラッシュして溶剤等を留 し、樹脂E-1を得た。その物性値を表1に示す

(製造例E-2)
 モノマー100質量%に基づいてキシレン50質量% を窒素置換したフラスコに仕込み昇温した。 キシレン還流下において、予め表1に記載の り混合溶解しておいた合計100質量%のモノマ に、ジ-t-ブチルパーオキサイド0.4質量%を5 間かけて連続添加した。さらに、1時間還流 継続した。その後、内温130℃に保ち、ジ-t- チルパーオキサイド0.5質量%を加えて2時間 応を継続し、重合液を得た。これを160℃、1. 33kPaの容器中にフラッシュして溶剤等を留去 、樹脂E-2を得た。その物性値を表1に示す。

(製造例E-3)
 モノマー構成を表1に記載の通りとした以外 は製造例E-1と同様にして、樹脂E-3を得た。そ の物性値を表1に示す。

(製造例E-4)
 モノマー構成を表1に記載の通りとした以外 は製造例E-1と同様にして、樹脂E-4を得た。そ の物性値を表1に示す。

(製造例E-5)
 モノマー構成を表1に記載の通りとした以外 は製造例E-1と同様にして、樹脂E-5を得た。そ の物性値を表1に示す。

[低分子量ビニル樹脂(L)の製造例]
(製造例L-1)
 モノマー100質量%に基づいてキシレン50質量% を窒素置換したフラスコに仕込み昇温した。 キシレン還流下において、予め表2に記載の り混合溶解しておいた合計100質量%のモノマ に、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノ ート1.8質量%を5時間かけて連続添加した。さ らに、1時間還流を継続した。その後、内温98 ℃に保ち、さらにt-ブチルパーオキシ-2-エチ ヘキサノエート0.5質量%を加えて1時間反応 継続し、さらにt-ブチルパーオキシ-2-エチル ヘキサノエート0.5質量%を加えて2時間反応を 続し、L-1の重合液を得た。物性値を表2に示 す。

(製造例L-2)
 モノマー構成を表2に記載の通りとした以外 は製造例L-1と同様にして、L-2の重合液を得た 。物性値を表2に示す。

(製造例L-3)
 モノマー100質量%に基づいてキシレン50質量% を窒素置換したフラスコに仕込み昇温した。 キシレン還流下において、予め表2に記載の り混合溶解しておいた合計100質量%のモノマ に、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノ ート1.0質量%を7時間かけて連続添加した。さ らに、1時間還流を継続した。その後、内温98 ℃に保ち、さらにt-ブチルパーオキシ-2-エチ ヘキサノエート0.5質量%を加えて1時間反応 継続した。さらにt-ブチルパーオキシ-2-エチ ルヘキサノエート0.5質量%を加えて2時間反応 継続し、L-3の重合液を得た。物性値を表2に 示す。

(製造例L-4)
 表3に記載のWAX-1を6.72質量%とキシレン50質量 %とを窒素置換したフラスコに仕込み昇温し 。キシレン還流下において、予め表2に記載 通り混合溶解しておいた合計100質量%のモノ マーに、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサ エート1.8質量%を5時間かけて連続添加した さらに、1時間還流を継続した。その後、内 98℃に保ち、さらにt-ブチルパーオキシ-2-エ チルヘキサノエート0.5質量%を加えて1時間反 を継続した。さらに、t- ブチルパーオキシ -2-エチルヘキサノエート0.5質量%を加えて2時 反応を継続し、L-4の重合液を得た。物性値 表2に示す。

(製造例L-5~L-7)
 表2および表3に示す仕込み組成で、製造例L- 4と同様の方法により、L-5~L-7の重合液を得た 物性値を表2に示す。

(製造例L-8)
 モノマー100質量%に基づいてキシレン50質量% を窒素置換したフラスコに仕込み昇温した。 キシレン還流下において、予め表2に記載の り混合溶解しておいた合計100質量%のモノマ にジ-t-ブチルパーオキサイド0.5質量%を5時 かけて連続添加した。さらに1時間還流を継 した。その後、内温130℃に保ち、ジ-t-ブチ パーオキサイド0.5質量%を加えて2時間反応 継続し、L-8の重合液を得た。物性値を表2に す。

(製造例L-9)
 モノマー100質量%に基づいてキシレン100質量 %を窒素置換したフラスコに仕込み昇温した キシレン還流下において、予め表2に記載の り混合溶解しておいた合計100質量%のモノマ ーにt- ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノ ート2.5質量%を5時間かけて連続添加した。さ らに、1時間還流を継続した。その後、内温98 ℃に保ち、さらにt-ブチルパーオキシ-2-エチ ヘキサノエート0.5質量%を加えて1時間反応 継続した。さらに、t-ブチルパーオキシ-2-エ チルヘキサノエート0.5質量%を加えて2時間反 を継続し、L-9の重合液を得た。物性値を表2 に示す。

(製造例L-10)
 モノマー100質量%に基づいてキシレン75質量% を窒素置換したフラスコに仕込み昇温した。 キシレン還流下において、予め表2に記載の り混合溶解しておいた合計100質量%のモノマ に、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノ ート2.0質量%を5時間かけて連続添加した。さ らに、1時間還流を継続した。その後、内温98 ℃に保ち、さらにt-ブチルパーオキシ-2-エチ ヘキサノエート0.5質量%を加えて1時間反応 継続した。さらに、t- ブチルパーオキシ-2- チルヘキサノエート0.5質量%を加えて2時間 応を継続し、L-10の重合液を得た。物性値を 2に示す。

(製造例L-11)
 モノマー100質量%に基づいてキシレン200質量 %を窒素置換したフラスコに仕込み昇温した キシレン還流下において、予め表2に記載の り混合溶解しておいた合計100質量%のモノマ ーに、ジ-t-ブチルパーオキサイド1.0質量%を4 間かけて連続添加した。さらに1時間還流を 継続した。その後、内温130℃に保ち、ジ-t-ブ チルパーオキサイド0.5質量%を加えて2時間反 を継続し、L-11の重合液を得た。物性値を表 2に示す。

[高分子量ビニル樹脂(H)の製造例]
(製造例H-1)
 表4に記載のモノマー100質量%を窒素置換し フラスコに仕込んだ。内温120℃に昇温後、 温度に保ち、バルク重合を8時間行った。つ で、モノマー100質量%に対してキシレン50質 %を加え、テトラエチレングリコールジアク リレート0.2質量%を加えた後、110℃に昇温し 。予め混合溶解しておいた1、1-ビス(t-ブチ パーオキシ)シクロヘキサンの0.35質量%およ キシレン 60質量%を110℃に保ちながら9時間 けて連続添加した。その後、1時間反応を継 し、1、1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘ キサン0.21質量%を加えて2時間反応を継続した 。さらに、1、1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シ ロヘキサンを0.52質量%で加えて2時間反応を 続して重合を完結し、高分子量重合液H-1を た。物性値を表4に示す。

(製造例H-2)
 表4に記載のモノマー100質量%を窒素置換し フラスコに仕込んだ。内温128℃に昇温後、 温度に保ち、バルク重合を3時間行った。つ で、モノマー100質量%に対してキシレン50質 %を加えた。その後、110℃に昇温した。予め 混合溶解しておいた1、1-ビス(t-ブチルパーオ キシ)シクロヘキサンの0.35質量%およびキシレ ン 60質量%を110℃に保ちながら9時間かけて連 続添加した。その後、1時間反応を継続し、1 1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0 .21質量%を加え2時間反応を継続した。さらに 1、1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサ ンを0.52質量%で加え、2時間反応を継続して重 合を完結し、高分子量重合液H-2を得た。物性 値を表4に示す。

(製造例H-3)
 表4に示す仕込み組成で、製造例H-1と同様の 方法で、H-3の高分子量体重合液を得た。物性 値を表4に示す。

(製造例H-4)
 表4に示す仕込み組成で、製造例H-2と同様の 方法で、H-4の高分子量体重合液を得た。物性 値を表4に示す。

[カルボキシル基含有ビニル樹脂(C)およびカ ボキシル基含有ビニル樹脂(C)と離型剤成分 混合物の製造例]
(製造例C-1)
 高分子量ビニル樹脂(H)と低分子量ビニル樹 (L)との質量比が表5に記載の比率となるよう に各重合液を混合した。さらに、高分子量ビ ニル樹脂(H)および低分子量ビニル樹脂(L)の合 計100質量%に対して、離型剤としてWAX-1を3.23 量%、WAX-2を5.38質量%、添加剤としてスチレン -エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合 体(SEBS)(商品名Kraton G1652;クレートンポリマー ジャパン株式会社製)0.5質量%を混合した。そ 後、キシレン還流下において30分間混合し これを190℃、1.33kPaのベッセル(容器)中にフ ッシュして溶剤等を留去し、樹脂C-1を得た 物性値を表5に示す。

(製造例C-2~C-29)
 高分子量ビニル樹脂(H)、低分子量ビニル樹 (L)、離型剤、および添加剤の質量比が表5に 記載の比率となるように混合し、C-1と同様に してC-2~C-25を得た。物性値を表5に示す。

[バインダー樹脂(R)の製造例]
(製造例R-1~R-27およびR-29~R-34)
 カルボキシル基含有ビニル樹脂(C)と離型剤 の混合物と、グリシジル基含有ビニル樹脂( E)との質量比が表6に記載の比率となるように 各樹脂を混合した。その後、表7に記載の反 温度に温度設定した2軸混練機(KEXN S-40型、 本鉄工所製)にて、25kg/hr、1400rpmで混練反応 せながら、途中水を2MPa、380g/hrで圧入した。 圧入口より出口側に設置した減圧口より減圧 ポンプで絶対圧0.095MPaに減圧して揮発成分を 去した。その後、冷却・粉砕し、バインダ 樹脂R-1~R-27及びR-29~R-34を得た。物性値を表7 示す。冷却方法としては、スチールベルト ーラーを使用し、冷却水温10℃、冷却水量 樹脂1Kgあたり20リットル、熱伝導率0.08kcal/mhr sの装置を用いて急冷した。物性値を表7に示 。

(製造例R-28)
 カルボキシル基含有ビニル樹脂(C-26)とグリ ジル基含有ビニル樹脂(E)との質量比が表6に 記載の比率となるように、各樹脂を混合した 。その後、表7に記載の反応温度に温度設定 た2軸混練機(KEXN S-40型、栗本鉄工所製)にて 25kg/hr、1400rpmで混練反応させながら、途中 を2MPa、380g/hrで圧入した。圧入口より出口側 に設置した減圧口より減圧ポンプで絶対圧0.0 95MPaに減圧して揮発成分を除去した。その後 冷却・粉砕し、バインダー樹脂R-28を得た。 冷却方法としては、スチールベルトクーラー を使用し、冷却水温10℃、冷却水量は樹脂1Kg たり20リットル、0.08kcal/mhrsの装置を用いて 冷した。物性値を表7に示す。

(製造例R-35)
 混練反応の際に水を添加しなかった以外は R-12と同様にしてR-35を得た。物性値を表7に す。

[電子写真トナー(T)の製造例]
(製造例T-1)
 表8に記載のバインダー樹脂(R)100質量%に対 、着色剤としてカーボンブラック(MA100;三菱 成製)6質量%、帯電調整剤(T-77;保土ヶ谷化学 業社製)0.5質量%添加し、ヘンシェルミキサ にて混合した。その後、2軸混練機(PCM-30型、 池貝機械製)にて、2軸混錬機吐出部樹脂温度9 0℃、滞留時間30秒で混練させた。ついで冷却 ・粉砕・分級後、トナー粒子100質量%に対し 疎水性シリカ微粉体(AEROSIL R-812、日本エア ジル株式会社製)1.5質量%添加し、コールター カウンターにて測定した体積中位径D50が約7μ mのトナーT-1を得た。物性値を表8に示す。

(製造例T-2)
 着色剤として、シアン顔料(Toner Cyan BG;ク リアント製)5質量%、帯電調整剤としてサリ ル酸系金属錯体(E‐84;オリエント化学工業株 式会社製)0.5質量%とした以外は製造例T‐1と 様にしてトナーT‐2を得た。物性値を表8に す。

(製造例T-3)
 着色剤として、マゼンタ顔料(Toner Magenta E0 2;クラリアント製)6質量%とした以外は製造例T ‐2と同様にしてトナーT‐3を得た。物性値を 表8に示す。

(製造例T-4)
 着色剤として、イエロー顔料(Toner Yellow HG; クラリアント製)7質量%とした以外は製造例T 2と同様にしてトナーT‐4を得た。物性値を 8に示す。

(製造例T-5~T-30)
 表8記載のバインダー樹脂(R)100質量%に変え 以外は製造例T‐1と同様にしてD50が約7μmの ナーT-5~T-30を得た。物性値を表8に示す。

(製造例T-31)
 表8に記載のバインダー樹脂(R)100質量%に対 、着色剤としてシアン顔料(Toner Cyan BG;クラ リアント製)5質量部、帯電調整剤としてサリ ル酸系金属錯体(E‐84;オリエント化学工業 式会社製)0.5質量%、離型剤(ポリプロピレン ックスNP055;三井化学株式会社製)2.5質量%を添 加し、ヘンシェルミキサーにて混合された。 その後、2軸混練機(PCM-30型、池貝機械製)にて 2軸混錬機吐出部樹脂温度90℃、滞留時間30秒 混練させた。ついで冷却・粉砕・分級後、 ナー粒子100質量部に対して疎水性シリカ微 体(AEROSIL R‐812  日本エアロジル株式会社 )1.5質量%添加し、D50が約7μmのトナーT-31を得 た。物性値を表8に示す。

(製造例T-32~T-38)
 表8に記載のバインダー樹脂(R)100質量%に変 た以外は製造例T‐1と同様にしてD50が約7μm トナーT-32~T-38を得た。物性値を表8に示す。

(実施例1~25および比較例1~13)
 表8に記載のトナーを3質量%に対し、キャリ (パウダーテック株式会社製、F-150)97質量%を 混合して現像剤とした。得られた現像剤につ いて各種評価を行った。結果を表9に示す。

 表9の結果から明らかなように、本発明に より製造されたカラートナー用バインダー樹 脂および該樹脂を用いたカラートナーは、い ずれもカラートナーに要求される種々の特性 のバランスに優れたものであった。