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Patent Searching and Data


Title:
BLANK FOR METALLIC CAN, AND METHOD FOR MANUFACTURING THE METALLIC CAN
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/019832
Kind Code:
A1
Abstract:
A metallic can is manufactured by using a metallic can blank, which has such a shape as is enclosed by circumscribing lines of an n-number, partial arcs or partial lines of an n-number and linear or arcuate connecting lines of a 2n-number. The circumscribing line is the line, which has a middle point at the contact with the circle in the n-sides of the regular n-polygon circumscribing a circle and which is shorter than one side of the regular n-polygon. The partial arc is a portion of the arc of the circle, which is positioned in the circumferential direction of that circle between one circumscribing line and its adjacent circumscribing line. The partial line is a line joining the two end portions of the partial arc. The connecting line is a line joining the end portion of the circumscribing line and the end portion of the partial arc or partial line positioned at the most proximity. As a result, the metallic can is remarkably improved in its material yield and productivity, thereby to have a high quality.

Inventors:
GODA YOSHIO
KATO SEIICHI
Application Number:
PCT/JP2008/002051
Publication Date:
February 12, 2009
Filing Date:
July 31, 2008
Export Citation:
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Assignee:
PANASONIC CORP (JP)
GODA YOSHIO
KATO SEIICHI
International Classes:
B21D22/28; B21D28/06; B21D51/26; H01M50/119
Foreign References:
JPS60121413U1985-08-16
JP2003263974A2003-09-19
JPS5653827A1981-05-13
JPS63112029A1988-05-17
JP2003263974A2003-09-19
JPH11309517A1999-11-09
JP2001313008A2001-11-09
Attorney, Agent or Firm:
ISHII, Kazuo et al. (3-6 Kitahama 2-chomeChuo-ku, Osaka-sh, Osaka 41, JP)
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Claims:
 円に外接する正n角形のn個の辺における前記円との接点を中点とし、正n角形の1辺よりも短いn個の外接線と、
 前記円の周方向にて、前記外接線とそれに隣り合う外接線との間に位置する、n個の前記円の部分円弧または前記部分円弧の両端部を結ぶ部分線から選ばれる少なくとも一方と、
 前記外接線の端部と、その最も近傍に位置する前記部分円弧または部分線の端部とを結ぶ、2n個の直線状または円弧状の接続線とで囲まれた形状を有する金属缶用ブランク。
 n個の外接線が同じ長さを有し、n個の部分円弧または部分線が同じ長さを有し、かつ2n個の接続線が同じ長さを有する請求項1に記載の金属缶用ブランク。
 外接線の長さが、部分円弧または部分線の長さと同じかまたは部分円弧または部分線の長さよりも短い請求項1または2に記載の金属缶用ブランク。
 外接線の長さが、正n角形の1辺の長さの16%~60%である請求項1または2に記載の金属缶用ブランク。
 部分円弧または部分線が、その中間に、外方に向けて延びる突出部を有している請求項1~4のいずれか1つに記載の金属缶用ブランク。
 突出部の形状が三角形状、四角形状、台形状、半円状または扇形状である請求項5に記載の金属缶用ブランク。
 正n角形が正6角形または正8角形である請求項1~6のいずれか1つに記載の金属缶用ブランク。
 金属缶が電池缶である請求項1~7のいずれか1つに記載の金属缶用ブランク。
 フープ材を打ち抜き加工および切断加工して請求項1~8のいずれか1つの金属缶用ブランクを得るブランク作製工程と、金属缶用ブランクを絞り加工して有底円筒状の中間カップ体を得る第1の絞り加工工程と、中間カップ体を絞り加工して有底円筒状の金属缶を得る第2の絞り加工工程と、金属缶の開口端縁を切断して、開口端面が平坦である金属缶製品を得る仕上げ工程とを含む金属缶の製造方法。
 ブランク作製工程は、
 フープ材表面に、請求項1~8のいずれか1つの金属缶用ブランクが、隣接する同じ金属缶用ブランクと外接線の1つを互いに共有するように千鳥配置される仮想線を設定するブランク位置決め工程と、
 ブランク間ロス部打ち抜き工程と側縁ロス部打ち抜き工程とを含み、フープ材に打ち抜き孔および欠損箇所を形成するロス部打ち抜き工程と、
 隣り合う打ち抜き孔同士および打ち抜き孔と欠損箇所との対向する頂部間を、外接線の仮想線に沿って切断し、金属缶用ブランクを得る切断工程とを含む請求項9に記載の金属缶の製造方法。
 ブランク位置決め工程は、フープ材の幅方向端部に配置される金属缶用ブランクの、ブランク間ロス部を形成する外接線に対向する外接線が、フープ材の幅方向側縁に近接して位置するように、複数の金属缶用ブランクが千鳥配置される仮想線を設定する工程である請求項10に記載の金属缶の製造方法。
 ブランク間ロス部打ち抜き工程は、
 3つの隣接する金属缶用ブランクのうち、他の2つの金属缶用ブランクを臨む3つの部分円弧の仮想線と前記部分円弧の仮想線に繋がる6つの接続線の仮想線とで囲まれたブランク間ロス部を打ち抜いて、フープ材に打ち抜き孔を形成する工程である請求項10または11に記載の金属缶の製造方法。
 側縁ロス部打ち抜き工程は、
 フープ材の幅方向端部で互いに隣接する2つの金属缶用ブランクの仮想線とフープ材の幅方向側縁とで囲まれた側縁ロス部を打ち抜いて、フープ材に欠損箇所を形成する工程である請求項10~12のいずれか1つに記載の金属缶の製造方法。
 金属缶が電池缶である請求項9~13のいずれか1つに記載の金属缶の製造方法。
Description:
金属缶用ブランクおよび金属缶 製造方法

 本発明は、金属缶用ブランクおよび金属 の製造方法に関する。さらに詳しくは、本 明は主に金属缶用ブランクの改良に関する

 従来から、有底円筒状の金属缶(以下単に 「金属缶」とする)は、例えば、食品分野、 料分野、医薬部外品分野、輸送機器分野、 池分野などで多用され、その需要は増加の 途を辿っている。金属缶の製造に際しては 金属缶の材質、構造、用途などに応じて様 な方法が提案されている。

 図8A~図8Cは、代表的な金属缶である電池 の製造方法を示す図面である。図8Aは、フー プ材50から、円形状のブランク51(以下「ブラ ク51」とする)を打ち抜くブランク作製工程 示す平面図である。なお、図8Aでは、フー 材50からブランク51を打ち抜いた後のロス材 、便宜上、平行線のハッチングで示してい 。図8Bは、有底円筒状の中間体カップ52を得 る絞り工程を示す斜視図である。図8Cは、電 缶53を得るDI(Drawing and Ironing)工程を示す斜 図である。この製造方法は、図8Aに示す工 、図8Bに示す工程、図8Cに示す工程および仕 げ工程を含む。

 図8Aの工程では、フープ材50を円形に打ち 抜いて、ブランク51を作製する。フープ材50 は、たとえば、長尺帯状のニッケルめっき 板などが使用される。ブランク51から電池缶 53が製造される。図8Bの工程では、ブランク51 にしぼり加工を施し、中間カップ体52を得る 図8Cの工程では、中間カップ体52にDI加工を し、電池缶53を得る。DI加工とは、つまり絞 り加工としごき加工とを連続的に同時に行う 加工法である。仕上げ工程では、電池缶53の 口端部を切断除去して開口端部を平坦化す とともに、長手方向の寸法を調整し、電池 53の製品が得られる。

 この製造方法は、円形ブランク51から、 面形状が同じ円形の中間カップ体52および電 池缶53への相似形加工である。このため、中 カップ体52をDI加工して得られる電池缶53の 口端に、仕上げ工程で切除される波状の加 歪の量が少ないという利点がある。しかし がら、図8Aに示す工程で、比較的多量のロ 材が発生するという問題がある。

 すなわち、フープ材50からブランク51を打 ち抜く際には、フープ材50の位置がずれない うに、押さえとなる箇所が必要になる。し がって、各ブランク51が互いに接触する配 で打ち抜くことができない。このため、各 ランク51は、図8Aに示すように、互いに離隔 た千鳥状配置で打ち抜かれる。しかしなが 、このような配置では、隣り合うブランク5 1を出来るだけ近接させても、図8Aに示すよう な比較的大きなロス材が生じる。その結果、 電池缶53の生産量のフープ材50使用量に対す 歩留りが大きく低下する。

 また、従来では、正六角形のブランクも いられている(たとえば、特許文献1参照)。 六角形のブランクは、ブランクの外周が全 同じ長さの6個の辺(直線)で構成されている したがって、正六角形のブランクを打ち抜 場合には、隣接する2個のブランクが1つの を共有した状態で、1個のブランクが6個の他 のブランクと隣接するような配置が可能にな る。そして、各ブランクの6個の辺を2段階で 断することにより、切断時の押さえとなる 分を確保できる。したがって、切断工程の でブランクを作製できる。この場合には、 ランクと他のブランクとの間ではロス材が 生せず、フープ材の幅方向の両端部におい 三角形状のロス材が僅かに発生するのみで る。

 しかしながら、正六角形のブランクに絞 加工およびDI加工を施すと、得られる電池 の開口端部において、六角形の6つの頂部に 応する箇所に比較的大きな加工歪が形成さ る。この波状の加工歪は仕上げ工程でロス として切除されるが、その量は比較的多く る。したがって、円形状のブランクを用い 場合に比べて、電池缶53の生産量のフープ 50使用量に対する歩留りを十分に向上させる には至っていない。すなわち、円形状のブラ ンクおよび正六角形のブランクのいずれを用 いても、ロス材が多量に発生する工程こそ異 なるものの、工程全体でのロス材の発生量は あまり変わらない。

 このような従来技術の課題を解決するた 、別形態の電池缶の製造方法が提案されて る。図9A~図9Cは、別形態の電池缶の製造方 を示す図面である(たとえば、特許文献2参照 )。図9Aは、フープ材50から、ほぼ正六角形の ランク54(以下「ブランク54」とする)を打ち くブランク作製工程を示す平面図である。 9Bは、有底円筒状の中間体カップ57を得る絞 り工程を示す斜視図である。図9Cは、電池缶5 8を得るDI工程を示す斜視図である。

 図10は、図9Aの要部を拡大して示す平面図で ある。図11は、ブランク間ロス部59の一部を 大して示す平面図である。なお、図9A~11では 、フープ材50からブランク54を打ち抜いた後 ロス材を、便宜上、水平線方向の平行線の ッチングで示している。
 この製造方法は、図9Aに示す工程、図9Bに示 す工程、図9Cに示す工程および仕上げ工程を む。

 図9Aの工程では、フープ材50を円形に打ち 抜いて、ブランク54を作製する。ブランク54 、正六角形の形状を有し、かつ正六角形の 辺間における6個の頂部54aが円弧状に形成さ ている。図9Bの工程では、ブランク54にしぼ り加工を施し、中間カップ体57を得る。中間 ップ体57の開口端部では、ブランク54の頂部 54aが絞り加工時の応力により変形し、中間カ ップ体57の長手方向に延びる突起が形成され 。また、突起とそれに隣り合う突起との間 、谷部57bになる。

 図9Cの工程では、中間カップ体57にDI加工 施し、電池缶58を得る。電池缶58のサイズは 、正六角形のブランクを用いて作製されるDI 工後の電池缶に比べて、若干小さくなる。 た、電池缶58の開口端部では、中間カップ 57の波状の加工歪がDI加工時の応力によりさ に変形し、比較的大きな波状の加工歪の突 58aが形成される。それと共に、突起58aとそ に隣り合う突起58aとの間には、谷部57bより さらに深い谷部58bが形成される。谷部58bに クラックが発生し易い。突起58aおよび谷部5 8bが形成されるのは、ブランク54が6個の円弧 頂部54aを有するものの、その基本形状が正 角形であることによるものと考えられる。

 仕上げ工程では、開口端部の突起58aおよ 谷部58bは切除されるが、谷部58bにクラック 発生していることを踏まえて、開口端部分 多い目に切除する必要がある。たとえば、 9Cに2点鎖線で示す切断線で切除するのがよ 。谷部58bに発生したクラックを確実に切除 ないと、仕上げ工程後の電池缶58の開口に れが発生し、製品不良率が上昇するおそれ ある。2点鎖線で示す切断線での切除は、ロ 材を増量させる。したがって、特許文献2の 製造方法でも、電池缶58の生産量のフープ材5 0使用量に対する歩留りを十分に向上させる は至っていない。

 また、上記形状のブランク54を用いると 製造工程上において種々の不具合が生じる 例えば、中間カップ体57の成形加工をトラン スファ工程で行うと、開口端部に形成される 6個の突起58aが、ストリッパ工具による中間 ップ体57のパンチからの取り外しを阻害する ことがある。また、突起58aが、中間カップ体 57を次工程へ搬送する際に、搬送設備に当た て搬送設備に損傷を与えることがある。ま 、突起58aが、次工程のDI加工の絞り金具と 触し、正確な加工を実施できないことがあ 。その結果、量産性の確保が難しくなる。

 図9Cの工程で形成される電池缶58の開口端 部の突起58aは、材料の延び性が十分均一でな いことに起因して、その長さが不揃いになり 易い。このため、製缶後の電池缶58をパンチ ら取り外すときに、長さが不揃いの突起58a 先端がストリッパに不均等に当接し、電池 58の取り外し不良が発生する。また、電池 58を取り外せても、電池缶58の一部が損傷す ことがある。また、突起58aの少なくとも一 が破断し、その破片が金型内部に残存して に加工される電池缶58に損傷を与えること ある。

 また、特許文献2には、ブランクを打ち抜 く金型および設備に関する詳細な説明および 図示がなく、僅かに、「正六角形を基本形状 とし、それぞれの角部を円弧状に丸めた形状 のブランクを打ち抜くパンチおよびダイスを 作製し、長尺の圧延鋼板(フープ材)を、隣接 るブランク同士の間隔および板幅方向の両 部のマージンが同一となるように、打ち抜 加工断面を有するパンチおよびダイスを、 幅方向において同一個数で千鳥状に、長手 向において平行2列に並べるように打ち抜き プレスに配置し、長尺の圧延鋼板を打ち抜き プレスに連続的に供給しながら打ち抜く。」 と記載されているのみである。

 この記載から、特許文献2の技術では、ブ ランクを一挙に打ち抜く形状のパンチおよび ダイスを含む打ち抜き手段を設けるものと推 測される。このような打ち抜き手段を採用す ると、1つのブランクとそれに隣り合う2つの ランクとの間に、送り桟と呼ばれる間隔を けるように、複数のブランクを配置する必 が生じる。この配置は、図8Aに示すブラン 51の配置と同様であるため、ブランク51を打 抜いた後に発生するロス材の量が多くなる その結果、この点でも、電池缶の生産量の ープ材使用量に対する歩留り向上の阻害要 となる。

 一方、表面にアルミニウム層が形成された 板を用いて作製された電池缶が提案されて る(たとえば、特許文献3参照)。この鋼板を いれば、電池缶製造工程におけるしごき加 用の治具の耐用寿命を顕著に向上すること 記載されている。しかしながら、特許文献3 には、鋼板の使用量に対する電池缶生産量の 歩留まりを向上させるための手法については 記載がない。

特開2003-263974号公報

特開平11-309517号公報

特開2001-313008号公報

 さらに、ブランク54の形状を、後述する 発明の打ち抜き工程を適用する場合につい 、図9A~図11に基づいて検証する。図9Aに示す うに、フープ材50におけるブランク54の配置 は、正六角形のブランクと同様である。すな わち、1個のブランク54は他の6個のブランク54 と隣接し、隣接する2つのブランク54はその一 辺を共有し、その間に送り桟を設けない配置 とする。隣接する2つのブランク54が共有する 一辺は、図10において2点鎖線で示される切断 線61に相当する。

 また、隣接する3つの頂部54aで囲まれた三 角形状の部分は、ブランク間ロス部59になる また、フープ材50の幅方向の両端部におい 、隣接する2つのブランク54と、フープ材50の 幅方向側縁とで囲まれた三角形状の部分は、 側縁ロス部60になる。

 ブランク54を作製するには、まず、ブラ ク間ロス部59および側縁ロス部60に対応する 状の刃部を有するパンチとダイスからなる 型工具62を用いて、フープ材54の所定箇所を 打ち抜く。次に、隣り合う2個のブランク54が 共有する切断線61に沿って切断を行う。1個の ブランク54が6個の切断線61を有することから 切断は少なくとも2回に分けて行うことによ り、切断時の押さえとなる箇所を確保できる 。これにより、個々のブランク54が形成され 。

 しかしながら、ブランク間ロス部59を打 抜くためには、3つの頂部が極めて鋭利に尖 た三角形状の刃を有する金型工具62が必要 なる。このような金型工具62を用いると、打 ち抜く瞬間にパンチまたはフープ材50が打ち き箇所から退避する状態になる。その結果 刃の鋭利な箇所に欠けや磨耗が生じ易くな 、金型工具62の耐用寿命が短くなる。また 打ち抜き箇所に髭状の切り残しが発生し易 ので、量産化が困難であるとともに、製缶 の電池缶の品質が低下する。

 また、1つのフープ材50から出来るだけ多 のブランク54を取るために、図10に示すよう に、フープ材50の幅方向端部において、ブラ ク54の頂部54aとフープ材の側縁とが一致す ようにブランク54が配置される。しかしなが ら、このような配置にすると、2つの頂部Aと1 つの頂部Bとを有するほぼ二等辺三角形状の 縁ロス部60を打ち抜くことが必要になる。頂 部Aは、ブランク54の頂部54aとフープ材50の側 とが接する部分であり、角度がほぼ30°の鋭 角になっている。また、頂部Bは、ブランク54 の頂部54a同士が接する部分であり、ブランク 間ロス部59の1つの頂部と同程度の鋭利に尖っ た形状になる。

 頂部A、Bを有する側縁ロス部60を打ち抜く には、ブランク間ロス部59を打ち抜くのと同 の鋭利な刃を有する金型工具62が必要にな 。しかしながら、このような金型工具62を用 いると、ブランク間ロス部59を打ち抜く場合 同様の不具合が発生する。

 また、ブランク間ロス部59および端縁ロ 部60を打ち抜いたのちに、切断線61に沿って 断が行われる。切断は、得られる複数のブ ンク54の形状が揃うように実施することが 要である。そのためには、図11に示すように 、切断線61の両端を、ブランク間ロス部59の 利に尖った頂部の先端に正確に一致させな ればならない。しかしながら、フープ材50の 移動を極めて高精度で制御しても、送り誤差 をゼロとすることは不可能に近く、切断時に 切断線61の端部とブランク間ロス部59の頂部 端とを一致させるのは非常に困難である。

 実際には、ブランク間ロス部59の打ち抜 により切断された箇所に沿って、金型工具62 により擦りながら薄く削ぎ取る二度切りが発 生し易い。二度切りが発生すると、金型工具 62の磨耗が極めて激しいために、金型工具62 寿命が極端に短縮され、量産化が困難にな 。しかも、切断により得られるブランク54に ヒゲ状の切り残しが発生し易い。また、二度 切りにより発生した金属片がブランク54に付 し易い。これらのブランク54を用いて製缶 行うと、電池缶に傷、打痕、変形などが生 、結果として製缶後の電池缶の品質低下を く。

 本発明の目的は、同一面積のフープ材から 来のブランクよりも多く取ることができ、 ス材が少なく、工具の寿命を縮めることな 、切断加工などに際してヒゲ状の切り残し 金属片の発生などがほとんどなく、量産化 容易な金属缶用ブランクを提供することで る。
 本発明の別の目的は、本発明の金属缶用ブ ンクを用いる金属缶の製造方法を提供する とである。

 本発明は、円に外接する正n角形のn個の辺 おける前記円との接点を中点とし、正n角形 1辺よりも短いn個の外接線と、
 前記円の周方向にて、外接線とそれに隣り う外接線との間に位置する、n個の前記円の 部分円弧または部分円弧の両端部を結ぶ部分 線から選ばれる少なくとも一方と、
 外接線の端部と、その最も近傍に位置する 分円弧または部分線の端部とを結ぶ、2n個 直線状または円弧状の接続線とで囲まれた 状を有する金属缶用ブランクを提供する。

 n個の外接線が同じ長さを有し、n個の部分 弧または部分線が同じ長さを有し、かつ2n個 の接続線が同じ長さを有することが好ましい 。
 本発明の1つの実施形態では、外接線の長さ が、部分円弧または部分線の長さと同じかま たは部分円弧または部分線の長さよりも短い ことが好ましい。
 本発明の他の実施形態では、外接線の長さ 、正n角形の1辺の長さの16%~60%であることが ましい。

 部分円弧または部分線は、その中間に、外 に向けて延びる突出部を有していることが ましい。
 突出部の形状は三角形状、四角形状、台形 、半円状または扇形状であることが好まし 。
 正n角形は正6角形または正8角形であること 好ましい。
 金属缶は、電池缶であるであることが好ま い。

 また、本発明は、フープ材を打ち抜き加 および切断加工して本発明の金属缶用ブラ クを得るブランク作製工程と、金属缶用ブ ンクを絞り加工して有底円筒状の中間カッ 体を得る第1の絞り加工工程と、中間カップ 体を絞り加工して有底円筒状の金属缶を得る 第2の絞り加工工程と、金属缶の開口端縁を 断して、開口端面が平坦である金属缶製品 得る仕上げ工程とを含む金属缶の製造方法 提供する。

 ブランク作製工程は、
 フープ材表面に、本発明の金属缶用ブラン が、隣接する同じ金属缶用ブランクと外接 の1つを互いに共有するように千鳥配置され る仮想線を設定するブランク位置決め工程と 、
 ブランク間ロス部打ち抜き工程と側縁ロス 打ち抜き工程とを含み、フープ材に打ち抜 孔および欠損箇所を形成するロス部打ち抜 工程と、
 隣り合う打ち抜き孔同士および打ち抜き孔 欠損箇所との対向する頂部間を、外接線の 想線に沿って切断し、金属缶用ブランクを る切断工程とを含むことが好ましい。

 ブランク位置決め工程は、フープ材の幅 向端部に配置される金属缶用ブランクの、 ランク間ロス部を形成する外接線に対向す 外接線が、フープ材の幅方向側縁に近接し 位置するように、複数の金属缶用ブランク 千鳥配置される仮想線を設定する工程であ ことが好ましい。

 ブランク間ロス部打ち抜き工程は、3つの 隣接する金属缶用ブランクのうち、他の2つ 金属缶用ブランクを臨む3つの部分円弧の仮 線と部分円弧の仮想線に繋がる6つの接続線 の仮想線とで囲まれたブランク間ロス部を打 ち抜いて、フープ材に打ち抜き孔を形成する 工程であることが好ましい。

 側縁ロス部打ち抜き工程は、フープ材の幅 向端部で互いに隣接する2つの金属缶用ブラ ンクの仮想線とフープ材の幅方向側縁とで囲 まれた側縁ロス部を打ち抜いて、フープ材に 欠損箇所を形成する工程であることが好まし い。
 金属缶が電池缶であることが好ましい。

 本発明の金属缶用ブランクは、n個の外接 線と、n個の部分円弧と、これらを接続する2n 個の接続線とからなる円形を基本とする特定 の形状を有している。このような金属缶用ブ ランクを、フープ材表面に千鳥状に仮想配置 すると、打ち抜き加工によりフープ材から切 除されるロス材の量が顕著に減少する。また 、このブランクを中間カップ体および電池缶 に成形すると、これらの開口端部では寸法が 比較的に小さい突起が成長するので、切除す るロス材が少なくなる。このため、フープ材 の使用量に対する金属缶の生産量の歩留まり (製品歩留まり)が顕著に向上する。

 また、ロス材の頂部が鋭く尖っていない で、工具の寿命を縮めることがなく、切断 工などに際してヒゲ状の切り残し、金属片 発生などが防止される。さらに、中間カッ 体および金属缶の開口端部で成長する突起 長さがほぼ均一なので、装置からの取り外 、搬送などを支障なく実施でき、その際に 起の折れ曲がり、破断、割れなどが発生し 中間カップ体および金属缶に金属の破片、 属粉などが付着することがない。このため 最終的に得られる金属缶が損傷する割合が 著に低下し、高品質の電池缶を歩留まり良 、高い生産性で製造できる。

 また、本発明の金属缶の製造方法では、 ランク形成工程および仕上げ工程でロス材 発生する。ブランク形成工程におけるロス は、ブランク間ロス部および側縁ロス部で るが、いずれも最小限の量になっている。 た、仕上げ工程におけるロス材は、金属缶 開口端部からその長手方向に延びる突起で る。この突起は、数は従来よりも多く形成 れているが、長さが従来の突起よりも顕著 短く、突起と突起との間の谷部にはクラッ などがほとんど発生することがない。この め、突起とその近傍部分を切除するだけで 高品質の金属缶が得られ、ロス材の量を減 させ得る。したがって材料歩留りが向上す 。

 また、フープ材からブランク間ロス部お び側縁ロス部を打ち抜き、打ち抜き後の外 線に沿っての切断という2つの工程により、 ブランクの打ち抜きを高効率で実施でき、高 い生産性で金属缶を製造できる。また、本発 明の製造方法は、有底円筒状の金属缶であれ ば特に制限なく、種々の用途の金属缶の製造 に適用できる。たとえば、電池缶、飲料水缶 などが挙げられる。すなわち本発明の製造方 法によれば、材料コストの低減を図りながら 、高い生産性で高品質な金属缶を好適に製造 できる。

本発明の実施形態の1つである金属缶用 ブランクを示す平面図である。 本発明の他の実施形態である金属缶の 造方法における工程の一部を示す平面図で る。 第1プレス機の構成および中間カップ の製造工程における、ブランク設定部1Vの位 置決めをする工程を簡略化して示す縦断面図 である。 第1プレス機の構成および中間カップ の製造工程における、ブランク1を打ち抜く 程を簡略化して示す縦断面図である。 第1プレス機の構成および中間カップ の製造工程における、ブランク1に絞り加工 施す工程を簡略化して示す縦断面図である フープ材におけるブランク設定部の仮 配置の一部分を拡大して示す平面図である 中間カップ体の外観を示す斜視図であ 。 本発明の他の実施形態である金属缶の 製造方法に用いられる、絞り兼しごき加工機 の構成を簡略化して示す縦断面図である。 本発明の他の実施形態である金属缶の 製造方法における、第2の絞り加工で得られ 電池缶の外観を示す斜視図である。 別形態のブランク間ロス部の形状を示 す平面図である。 別形態のブランク間ロス部の形状を示 す平面図である。 別形態のブランク間ロス部の形状を示 す平面図である。 別形態のブランク間ロス部の形状を示 す平面図である。 別形態のブランク間ロス部の形状を示 す平面図である。 別形態のブランク間ロス部の形状を示 す平面図である。 別形態のブランク間ロス部の形状を示 す平面図である。 別形態のブランク間ロス部の形状を示 す平面図である。 別形態のブランク間ロス部の形状を示 す平面図である。 電池缶の製造方法におけるブランク作 製工程を示す平面図である。 電池缶の製造方法における絞り工程を 示す斜視図である。 電池缶の製造方法におけるDI工程を示 斜視図である。 別形態の電池缶の製造方法を示すブラ ンク作製工程を示す平面図である。 別形態の電池缶の製造方法を示す絞り 工程を示す斜視図である。 別形態の電池缶の製造方法を示すDI工 を示す斜視図である。 図9Aの要部を拡大して示す平面図であ 。 図9A~図9Cおよび図10に示すブランク間 ス部の一部を拡大して示す平面図である。

 図1は、本発明の実施形態の1つである金 缶用ブランク1(以下単に「ブランク1」とす )を示す平面図である。ブランク1は、6個の 接線3、6個の部分円弧2および12個の接続線4 囲まれた、円形を基本とする平面形状を有 ており、図9A~図9Cに示す正六角形のブランク 54とは明らかに形状が異なっている。6個の外 接線3と6個の部分円弧2とは互いに離隔して存 在する。より具体的には、1個の外接線3端部 、外接線3端部の最も近傍に存在する1個の 分円弧2の端部とが、1個の接続線4により接 されている。このような、外接線3の端部と 分円弧2の端部との接続線4による接続が12箇 所に存在する。

 外接線3の端部と部分円弧2の端部とが接 線4により接続された部分は、ブランク1に絞 り加工を施して得られる、後記する中間カッ プ体において、中間カップ体の開口端部から その長手方向に延びる12個の突起になる。こ 突起は長さが小さく、かつ、正六角形のブ ンクを用いた場合に形成される6個に対し、 その2倍の12個が形成される。すなわち、従来 よりも寸法が小さい突起が、従来よりも多数 形成されることから、材料の延び性が不均一 であることによる影響が少なくなり、12個の 起の長さがほぼ同じになる。

 その結果、成形機において12個の突起が トリッパに均等に当接するので、中間カッ 体または金属缶を、傾かせることなく、円 に取り外すことができる。また、突起の折 がり、部分的または全体的な破断などが起 らないので、最終的に得られる電池缶に傷 打痕、変形などが生じるのを顕著に抑制で る。また、成形機内で電池缶の詰まりが発 することもない。したがって、製品歩留り 向上するとともに、高品質の金属缶が得ら る。

 なお、図1において、二点鎖線で示す仮想 正六角形8(以下単に「正六角形8」とする)は 点鎖線で示す仮想円7(以下単に「円7」とす )に外接している。正六角形8は6個の辺を有 、6個の辺にそれぞれ1つずつの、円7との接 9を有している。すなわち、正六角形8と円7 の接点9は、6個存在する。円7に外接するの 正n角形の場合は、円7と正n角形との接点はn 存在する。

 外接線3は円7の接線であり、接点9を中点 し、正六角形8の1辺の長さよりも短い直線 ある。外接線3は互いに離隔して6個存在する 。6個の外接線3は長さが同じであることが好 しい。これにより、ブランク1のフープ材50 面での仮想配置が容易になる。また、ロス の形状がほぼ一定になるので、ロス材の打 抜きが容易になる。なお、正六角形8に代え て正n角形を利用する場合、外接線はn個存在 る。

 また、外接線3の長さは、正六角形8の1辺 長さの16%~60%であることが好ましい。16%未満 では、ロス材の量が多くなり、また打ち抜く 際に二度切りや刃の欠けや磨耗により、金型 工具の耐用寿命が短縮化されるおそれが生じ る。また、60%を超えると、ブランク1の形状 ほぼ六角形に近くなり、正六角形のブラン を形成するのと同様の不具合が生じ易くな おそれがある。また、電池缶を作製する際 波状の加工歪が大きく成長し、成形機の破 や製品歩留まりの低下を招くおそれがある 外接線3の長さを正六角形8の1辺の長さの20~30 %の範囲内に設定するとより好ましい。

 部分円弧2は、1つの外接線3と、それに隣り う外接線3との間に位置する、円7の円弧の 部分である。部分円弧2は互いに離隔して6個 存在する。なお、正六角形8に代えて正n角形 利用する場合、部分円弧2はn個存在する。
 6個の部分円弧2の長さが同じであることが ましい。さらに、部分円弧2の長さを、外接 3の長さと同じにするのが好ましい。ここで 、同じ長さとは、ほぼ同じ長さをも包含して いる。これにより、部分円弧2の端部と外接 3の端部との間の長さが比較的大きくなり、 記するブランク間ロス部13の頂部が比較的 きな径の半円形状または直線状になる。

 また、部分円弧2の長さが外接線3の長さ 同じではない場合は、部分円弧2の長さが外 線3の長さよりも長いほうが好ましい。部分 円弧2を外接線3よりも長すぎると、ブランク ロス部13の頂部が径の小さな半円形状にな 、金型工具の寿命短縮や二度切りの発生と った不具合が発生し易くなる。また、ブラ ク間ロス部13の面積が比較的に大きくなるの で、この時点での、材料歩留りは若干低下す る。

 しかしながら、後記する中間カップ体10 工程の途中で工具などに引っ掛かって、工 が停止することがほとんど無くなる。さら 、中間カップ体10の突起10aが小さくなるので 、仕上げ工程で切除する部分が非常に少なく なり、全体的な材料歩留まりは、部分円弧2 外接線3とが同じ長さである場合よりも向上 る。

 一方、外接線3が部分円弧2よりも長くな と、ブランクの形状が目的とする円形を基 にする形状から正六角形に近づく。そして 正六角形のブランクから金属缶を製造する に発生するのと同じ不具合が発生し易くな 。したがって、外接線3は、部分円弧2と同じ 長さか、部分円弧2よりも短いことが好まし 。

 部分円弧2と外接線3の長さについて、便 上図11を参照しながら、さらに詳しく説明す る。ブランク1では、部分円弧2と外接線3とが ほぼ同じ長さを有している。この場合、隣り 合う部分円弧2の端部と外接線3の端部との間 が比較的大きく離隔し、接続線4が長くなる 。このため、ブランク間ロス部13およびその ち抜き孔は比較的大きな径の半円形状の角 31を有する形状になる。

 これに対し、部分円弧2を外接線3よりも くすると、長さの差が大きくなるのに伴っ 、図11に2点鎖線で示すように、径の小さな 円形状の頂部31A、31Bが形成される。これで 、二度切りの発生、金型工具の耐用寿命の 縮といった不具合が発生し易くなる。それ 共に、ブランク間ロス部の面積が大きくな 、材料歩留りも低下する。しかしながら、 記したように、中間カップ体10の仕上げ工程 で切除する部分が少なくなるので、全体的な 材料歩留まりは向上する。さらに、中間カッ プ体が工程途中で工具などに引っ掛かって、 工程が停止することがなくなるという利点も ある。

 逆に、外接線3が部分円弧2よりも長くな と、径の大きな半円形状の頂部を有するほ 三角形状のブランク間ロス部が形成される 点がある。しかしながら、本発明の目的と る、円形を基本形状とするブランク1の形状 ら外れて、ブランクの形状が正六角形に近 く。そして、図9Bおよび図9Cに示すように、 開口端部に大きく深い谷部57aが形成された中 間カップ体57および開口端部に高い突起58aが 成される電池缶58が形成される結果を招く したがって、上記ブランク1の形状は、部分 弧2と外接線3とがほぼ同じ長さを有するか または、外接線3が部分円弧2よりも短いよう に設定するのが好ましい。

 また、部分円弧2は、その中間部に、部分 円弧2の外方に向けて延びる突出部を有して ることが好ましい。突出部の形状は特に制 されないが、三角形状、四角形状、台形状 半円状、扇形状などが好ましい。本実施形 では、部分円弧2は6個あるので、突出部も6 形成される。この6個の突出部は、ブランク1 を加工して得られる中間カップ体および電池 缶において、開口端部から長手方向に延びる 突起になる。

 突起部を設けることにより、中間カップ の開口端部から中間カップ体の長手方向に びる突起が18個形成される。そのうち12個は 外接線3と部分円弧2との接続部分に由来する のであり、6個は部分円弧2の中央部にある 出部由来のものである。突起の個数が増加 ると、それに伴って突起の長さが小さくな かつ均一化される。その結果、ストリッパ よる中間カップ体および電池缶のストリッ 性が向上する。次工程への搬送時に、不具 が発生するのが防止される。中間カップ体 電池缶の開口部において欠け、破断、割れ ど不具合が発生するのが防止される。

 本実施の形態では、部分円弧2は円弧状の 曲線であるが、これに限定されず、たとえば 、部分円弧2の両端を結ぶ部分線でもよい。 分線の中間にも、上記と同様に突起部を設 てもよい。

 接続線4は、1個の外接線3の端部と、その 接線3の端部の最も近傍に位置する部分円弧 2または部分線の端部とを結ぶ。接続線4は互 に離隔して12個存在する。なお、正六角形8 代えて正n角形を利用する場合、接続線4は2n 個存在する。2n個の接続線4は、長さが同じで あることが好ましい。また、接続線4は、直 状または円弧状である。

 接続線4が直線状または円弧状であること により、後記するほぼ三角形状のブランク間 ロス部13の頂部の先端が、鋭利に尖ることな 、直線状または円弧状になる。その結果、 ランク間ロス部13の頂部が切断方向に垂直 方向に少しではあるが幅を有することにな 。これにより、ブランク間ロス部13を打ち抜 くための金型工具に、鋭利に尖った箇所を設 ける必要がない。したがって、刃の欠けや磨 耗により、金型工具の耐用寿命が短縮化され ることがない。これとともに、ブランク間ロ ス部13を、ヒゲ状の切り残し、金属片などが 在しない正確な形状に確実に形成できる。

 また、フープ材に多少の送り誤差が生じ 正規の切断線である外接線3からずれた位置 で切断しても、ブランク間ロス部13の頂部が 断方向に垂直な方向に幅を有するので、不 合が生じない。すなわち、金型工具がブラ ク間ロス部13切り抜き後の孔の切断面に沿 て擦りながら薄く削ぎ取る二度切りが発生 ることがないので、金型工具の寿命を十分 確保できる。これらにより、生産性の格段 向上を図ることができる。

 図2は、本発明の他の実施形態である金属 缶の製造方法における工程の一部を示す平面 図である。工程の一部とは、ブランク形成工 程および第1の絞り加工工程である。なお、 2において、フープ材11の移送方向(矢符の方 )上流側から下流側に向けて、ブランク1の 想配置位置、ロス部打ち抜き機構12、第1の ランク打ち抜き絞り加工機構17および第2の ランク打ち抜き絞り加工機構19がこの順番で 設けられている。また、図2において、打ち きによりフープ材50から切除されるロス材の 部分を、便宜上、水平線方向の平行線のハッ チングで示す。

 本発明の金属缶の製造方法は、ブランク 製工程、第1の絞り加工工程、第2の絞り加 工程および仕上げ工程を含む。

 ブランク作製工程は、たとえば、ブラン 位置決め工程、ロス部打ち抜き工程および 断工程を含む。本工程では、電池缶素材で るフープ材11として、例えば、所定幅の長 帯状のニッケルめっき鋼板を使用するが、 れに限定されず、金属缶の材料として用い れる各種金属素材からなる金属板を使用で る。フープ材11は、矢符に示す方向に一定の 送りピッチPで間欠的に移送される。

 ブランク位置決め工程では、まず、図2に 示すように、フープ材11の移送方向上流側端 の表面に、ブランク1の打ち抜きを想定した 箇所であるブランク設定部1Vを仮想配置する ブランク設定部1Vは、図2では2点鎖線で示さ れる。ブランク設定部1Vは、たとえば、フー 材11の長手方向に沿って平行に5列並べ、1つ のブランク設定部1Vとそれに隣接するブラン 設定部1Vとが1つの外接線の仮想線3Vを共有 るように千鳥配置される。これにより、1つ ランク設定部1Vは、他の6つのブランク設定 1Vと、それぞれ1つの外接線仮想線3Vを共有 ながら隣接している。

 また、フープ材11の幅方向端部において 、フープ材の長手方向に延びかつブランク ロス部13に一辺になっている外接線3の仮想 3Vに対向する外接線3の仮想線3Vが、フープ材 11の幅方向側縁に近接して位置するように、 ランク設定部1Vが配置される。なお、フー 材11の送りピッチPは、フープ材1の長手方向 おいて隣接して配置される2つのブランク設 定部1Vの各々の中心間の距離に設定されてい 。ブランク設定部1Vの中心とは、図1に示す 7の中心である。

 本工程では、まず、ブランク設定部1Vの 想配置に基づき、ロス部打ち抜き機構12を利 用して、フープ材11からブランク間ロス部13 よび側縁ロス部14を打ち抜く。すなわち、本 工程は、ブランク間ロス部打ち抜き工程およ び側縁ロス部打ち抜き工程を含む。ブランク 間ロス部13の打ち抜き跡は打ち抜き孔になり 側縁ロス部14の打ち抜き跡は欠損箇所にな 。図2では、理解を容易にするために、打ち かれたブランク間ロス部13および側縁ロス 14を水平方向の平行線で示す。これにより、 ロス部打ち抜き機構12からは、ブランク設定 1Vが外接線仮想線3Vのみで互いに連結された 状態のフープ材11が得られる。

 ロス部打ち抜き機構12は、フープ材11の移送 方向において、ブランク設定部1Vが仮想配置 れた箇所よりも下流側に設けられる。
 ブランク間ロス部13は、3つの隣接する金属 用ブランクにおいて、他の2つの金属缶用ブ ランクを臨む3つの部分円弧の仮想線と部分 弧の仮想線に繋がる6つの接続線の仮想線と 囲まれたほぼ三角形状の部分である。より 体的には、ブランク間ロス部13は、隣接す 3つのブランク設定部1Vの部分円弧仮想線2Vお よびこれらの両端部の接続線仮想線4Vにより まれたほぼ三角形状の部分である。

 また、側縁ロス部14は、フープ材11の幅方 向端部において互いに隣接する2つの金属缶 ブランクの仮想線とフープ材11の幅方向側縁 とで囲まれたほぼ三角形状の部分である。よ り具体的には、フープ材11の側縁とフープ材1 1の長手方向で隣接する2つのブランク設定部1 Vにおける外接線仮想線3V、部分円弧仮想線2V 他の部分円弧仮想線2Vの半部および外接線 想線3Vと部分円弧仮想線2Vとを繋ぐ接続線仮 線4Vとで囲まれたほぼ三角形状の部分であ 。

 ブランク1を得るためのロス部13、14の面 は、図8Aに示す従来法の円形状のブランク51 得るためのロス部の面積に比べて格段に低 化していることが明らかである。また、ロ 部13、14の面積は、図9Aに示す従来法のブラ ク54を得るためのロス部の面積と同等程度 あることが明らかである。ブランク54は、6 の頂部54aが円弧状のほぼ正六角形である。 のことから、ブランク1の形状を設計するこ により、フープ材11に対して材料歩留まり 高くなることが判る。

 ブランク間ロス部13に対応する打ち抜き および側縁ロス部14対応する欠損箇所が形成 されたフープ材11を、第1のブランク打ち抜き 絞り加工機構17および第2のブランク打ち抜き 絞り加工機構19に移送し、ロス部打ち抜き工 の残り(切断加工)および第1の絞り加工工程 連続して行う。

 第1のブランク打ち抜き絞り加工機構17に 、第1のプレス機18が設置されている。第1の プレス機18は、図2に示すブランク設定部1Vの 想配置において、フープ材11の幅方向の一 部から、幅方向の2列目および4列目のブラン ク設定部1Vに、切断加工および深絞り加工を す。この第1のプレス機18は、1つのブランク 設定部1Vが有する6つの外接線仮想線3Vのうち 5つを同時に切断する打ち抜き金型(図示せ )を備えている。図2では、打ち抜き金型によ り切断される箇所を太線で示す。

 第1のプレス機18に新たに移送されるブラ ク設定部1Vでは、移送方向同列の前段側の ランク設定部1Vが既に打ち抜かれ、前段側の ブランク設定部1Vと新たなブランク設定部1V が共有していた外接線仮想線3Vの部分が切断 されている。このため、新たに移送されるブ ランク設定部1Vは、前段側のブランク設定部1 Vを除く5つのブランク設定部1Vにそれぞれ外 線仮想線3Vを介して接続されている。したが って、第1のプレス機18に位置決めされたブラ ンク設定部1Vは、残存する5つの外接線仮想線 3Vが同時に切断されることにより、ブランク1 に打ち抜かれる。このブランク1は、打ち抜 れた直後に、絞り加工されて中間カップ体10 に形成される。

 第1のブランク打ち抜き絞り加工機構17で ランク1が打ち抜かれた後のフープ材11は、 2のブランク打ち抜き絞り加工機構19に移送 れる。この第2のブランク打ち抜き絞り加工 機構19には、第2のプレス機20が設置されてい 。第2のプレス機20は、図2に示すブランク設 定部1Vの仮想配置において、フープ材11の幅 向の一端部から、幅方向の1列目、3列目およ び5列目のブランク設定部1Vに、ロス部打ち抜 き工程の残り(切断加工)および第1の絞り加工 工程(深絞り加工)を連続して行う。すなわち 移送されて来るフープ材11上に残存してい ブランク設定部1Vに打ち抜き加工および深絞 り加工を行う。

 第2のプレス機20は、移送されてくるブラ ク設定部1Vに残存している外接線仮想線3Vを 切断する打ち抜き金型(図示せず)を備えてい 。この打ち抜き金型により切断される箇所 太線で示す。第2のプレス機20に位置決めさ たブランク設定部1Vは、残存する1つの外接 仮想線3Vが切断され、ブランク1に打ち抜か る。ブランク1は、打ち抜きの直後に、絞り 加工されて中間カップ体10に形成される。

 図3A~図3Cは、第1プレス機18の構成を簡略化 て示す縦断面図である。図3Aはブランク設定 部1Vの位置決めをする工程を示す。図3Bはブ ンク1を打ち抜く工程を示す。図3Cはブラン 1に絞り加工を施す工程を示す。
 第1プレス機18は、ダイスホルダ21、ドロー ングダイス(絞りダイス)22、ブランキングダ ス23、第1および第2パンチホルダ24、27、ブ ンキングパンチ28、ドローイングパンチ(絞 パンチ)29およびストリッパ30を含み、ブラン ク1の打ち抜き加工およびブランク1の絞り加 を行う。

 ダイスホルダ21は、ドローイングダイス22 を支持する。ドローイングダイス22の開口端 は、ブランキングダイス23が突出状態で外 固定されている。ブランキングダイス23は、 ブランク設定部1Vの外接線仮想線3Vを切断す ための刃を有している。この刃は、ブラン ングダイス23における正六角形の孔形状の5 所の孔縁部に沿って設けられている。ブラ キングパンチ28も、ブランク設定部1Vの外接 仮想線3Vを切断するための刃を有している この刃は、横断面形状が正六角形であるブ ンキングパンチ28の先端側縁部の5箇所に設 られている。

 図3Aに示す工程では、ブランキングダイ 23の上端面に、フープ材11が間欠的に順次移 され、ブランク設定部1Vが所定位置に位置 めされる。

 図3Bに示す工程では、ブランク設定部1Vが 位置決め後に、第1および第2パンチホルダ24 27にそれぞれ保持されたブランキングパンチ 28およびドローイングパンチ(絞りパンチ)29が 共にダイス22、23側に近接移動する。そして ブランキングダイス23の刃(図示せず)と、ブ ンキングパンチ28の刃(図示せず)とが、フー プ材11に残存する5つの外接線仮想線3Vを同時 切断し、ブランク設定部1Vからブランク1が ち抜かれる。打ち抜かれたブランク1は、ブ ランキングパンチ28とドローイングダイス22 の間に挟まれて、一時的に保持される。

 図3Cに示す工程では、ブランキングパン 28とドローイングダイス22との間に挟持され いるブランク1が、円柱状のドローイングパ ンチ29の押動を受ける。これにより、ブラン 1がドローイングダイス22の内部に引き込ま ながら、ドローイングパンチ29の円形の横 面形状に沿った形状に絞られていく。結果 して、図5に示す有底円筒状の中間カップ体1 0が得られる。図5は、中間カップ体10の外観 示す斜視図である。

 この中間カップ体10は、ドローイングパ チ29およびブランキングパンチ28の上動時に ばねを有するストリッパ30に係止され、ド ーイングパンチ29およびブランキングパンチ 28のみが図3Aに示す元の位置に復帰し、以後 同様の動作を繰り返す。なお、図2の第2のプ レス機20は、ブランキングダイス23およびブ ンキングパンチ28のそれぞれの1箇所のみに が設けられる以外は、第1のプレス機18と同 の構成を有している。また、中間カップ体10 は、2段階の絞り工程によって第1の中間カッ 体10および第2の中間カップ体10の順に加工 形すれば、加工歪が一層減少することから 好ましい。

 図4は、フープ材11におけるブランク設定 1Vの仮想配置の一部分を拡大して示す平面 である。具体的には、図4は、ブランク間ロ 部13およびその近傍部分を示している。図4 は、ブランク間ロス部13を明確に示すため 便宜上、水平線方向の平行線のハッチング 施している。図4に基づいて、図3Aの工程、 なわちブランキングダイス23とブランキング パンチ28によりブランク1を打ち抜く工程につ いて、さらに詳しく説明する。

 ブランク間ロス部13およびその打ち抜き は、ほぼ三角形状の外形を有している。ま 、打ち抜き孔の3つの頂部31は、隣接する2つ ブランク設定部1Vの各々の部分円弧仮想線4V が対向して形成され、ほぼ半円状の形状を有 している。したがって、このブランク間ロス 部13を打ち抜くための金型工具は、鋭利に尖 た箇所のない刃を使用できる。その結果、 の欠けや磨耗が発生し難くなり、金型工具 耐用寿命の短縮が起こらない。また、ブラ ク間ロス部13を正確な形状に確実に打ち抜 ことができ、打ち抜き孔にはヒゲ状の切り しなどが存在しない。

 これに対し、図9Aに示すブランク54を打ち 抜く金型工具には、鋭利に尖った箇所を有す る刃が必要になる。尖った箇所は欠けや磨耗 が生じ易いことから、金型工具の耐用寿命が 短縮化されるとともに、切り抜いた孔にヒゲ 状の切り残しが発生し易い。

 また、ブランク間ロス部13を打ち抜いた ちに、外接線仮想線3Vに沿って切断が行われ る。外接線仮想線3Vの両端には、それぞれ、 ランク間ロス部13の打ち抜き孔の頂部31が存 在する。頂部31は比較的大きな径の半円状で かつ、外接線仮想線3Vの延びる方向に垂直 方向の長さ(幅)が、外接線仮想線3Vの両端か 離反するほど大きくなる形状を有している したがって、フープ材11の送りに多少の誤 が生じ、正規の外接線仮想線3Vからずれた切 断線3Vaまたは3Vbに沿って切断しても、金型工 具が打ち抜き孔の切断面を薄く削り取る二度 切りなどが非常に起こりにくい。

 二度切りは、ブランク1に損傷を与え、最 終的に得られる電池缶の品質に悪影響を及ぼ すだけでなく、図3に示すブランキングパン 28、ブランキングダイス23などの金型工具の 用寿命を短縮化する。また、二度切りによ 発生する金属片がブランクに付着し、最終 に得られる金属缶に傷、打痕、変形などを 生させることがある。すなわち、二度切り 起こらないことは本発明の大きな利点であ 、これにより、金型工具の耐用寿命の短縮 を防止し、生産性の向上および金属缶の高 質化を図ることができる。さらに、図11で したように、切り抜き後のブランク1にヒゲ の切り残しが発生することがない。

 また、上記の成形加工により得られる中 カップ体10は、円形に近い外形を有するブ ンク1を絞り加工して形成したものである。 たがって、図5に示すように、開口端部に突 起10aが波状に形成されている。これらの突起 10aは、ブランク1における部分円弧2と外接線3 との接続線4による接続部分が成長したもの ある。中間カップ体10では、正六角形のブラ ンクから形成される中間カップ体の突起が6 であるのに対し、その倍の12個が形成され、 突起10aが比較的小さいことから、材料の延び 性が不均一であることによる影響が少ない。 したがって、12個の突起10aは、小さくかつほ 同じ長さになる。

 したがって、この中間カップ体10では、 3に示すプレス機18のドローイングパンチ29か ら取り外す際に、12個の突起10aがストリッパ3 0に均等に当接することが可能になる。これ より、中間カップ体10が傾くことなく、円滑 な取り外しが可能になる。さらに、中間カッ プ体10は、後述する次工程の第2の絞り加工工 程への搬送時に、突起10aが送り爪や絞り金型 などの工具に接触し、これらの工具に損傷を 与えることもない。

 第2の絞り加工工程では、第1の絞り加工 程で得られた中間カップ体10に、絞り加工、 好ましくはDI加工を施し、電池缶33を得る。 6Aおよび図6Bは、本発明の他の実施形態であ 金属缶の製造方法における工程の一部を示 図面である。図6Aは、絞り兼しごき加工機32 の構成を簡略化して示す縦断面図である。図 6Bは、第2の絞り加工工程で得られる電池缶33 外観を示す斜視図である。図6は、具体的に は、第2の絞り加工工程を示す。

 中間カップ体10は、絞り兼しごき加工機32に よってDI加工を施される。ここでのDI加工で 、1段の絞り加工と3段のしごき加工とを連続 的に一挙に施す。これにより、図6Bに示す有 円筒状の電池缶33が得られる。
 絞り兼しごき加工機32は、中間製品搬送部34 、DIパンチ37、ダイス機構38およびストリッパ 39を含む。

 中間製品搬送部34は、中間カップ体10を成 形箇所に向け順次搬送する。DIパンチ37は、 ずみホィール(図示せず)により駆動し、成形 箇所で位置決めされた中間カップ体10をダイ 機構38の絞りダイス38Aに向けて押動する。 イス機構38には、絞りダイス38Aおよび第1~第3 のしごきダイス38B、38C、38Dが順次配設されて いる。これらダイス38A~38DはDIパンチ37の軸心 同心となるように直列に配されている。第2 のしごきダイスCは、第1のしごきダイス38Bよ も小さい径のしごき加工孔を有している。 3のしごきダイス38Dは、第2のしごきダイスC りも小さい径のしごき加工孔を有している ストリッパ39は、電池缶33を絞り兼しごき加 工機32から取り外す。

 中間カップ体10は、中間製品搬送部34によ り成形箇所に搬送され、位置決めされた後、 DIパンチ37の押動を受ける。これにより、絞 ダイス38Aにより、その内周面がDIパンチ37の 周面形状に対応した形状になるように絞ら る。すなわち、中間カップ体10は最終製品 ある電池缶33の内径とほぼ同じ内径に絞られ る。

 絞りダイス38Aを通過した中間カップ体10 、DIパンチ37の押動が進行するのに伴って、 1のしごきダイス38Bによって第1段のしごき 工が施される。これにより、周壁部が展延 れてその肉厚が小さくなるとともに、加工 化によって硬度が高められる。第1のしごき イス38Bを通過したカップ体10は、DIパンチ37 押動がさらに進行することにより、第2のし ごきダイス38C、次いで第3のしごきダイス38D よって、第2段および第3段のしごき加工が順 次施される。これにより、その周壁部が順次 展延され、肉厚がさらに小さくなるとともに 、加工硬化によって硬度が高められる。カッ プ体10が第3のしごきダイス38Dを通過し終える と、所望形状の有底円筒状の電池缶33が得ら る。電池缶33は、ストリッパ39によって絞り 兼しごき加工機32から取り外される。

 電池缶33の開口端部には、中間カップ体10 の突起10aがしごき加工によって若干展延され た突起33aが形成されている。しかしながら、 この突起33aは、図9Cに示す電池缶58の突起58a りも寸法(長さ×幅)が小さくなっている。こ は、突起33aの元になる突起10aの寸法(長さ× )が、電池缶58の中間カップ体の突起よりも さいこと、電池缶58の6個の2倍の12個が形成 れることなどによる。

 このため、電池缶33の開口端部を切断し 整形するときのロス分が少なくなる。これ より、本発明の製造方法による電池缶33の材 料コストは、ブランク1の材料歩留りは従来 図9A~図9Cのブランク54とほぼ同じであるが、 上げ工程でのロス分が少なくなるので、ブ ンク54から製缶する場合に比べて低減する

 また、突起33aは、12個と個数が多く、そ 長さ(電池缶33の長手方向の長さ)は大きなば つきがなくほぼ同じになる。したがって、 池缶33をストリッパ39によりDIパンチ37から り外す際に、突起33aがストリッパ39に均等に バランス良く当接する。その結果、電池缶33 、傾きなどが生じることなくスムーズにDI ンチ37から取り外される。

 これに対し、図9A~図9Cに示す従来の製造 法では、電池缶58の開口端部に生じる突起58a は、個数が6個と少ない上に、その高さが大 く、且つ高さにばらつきがある。このため 電池缶58をDIパンチから取り外す際に、突起5 8aがストリッパにアンバランスに当接して、 起58aの折れ曲がりや破断、谷部58bでのクラ クの発生、割れなどが発生する。破断した 属片は、電池缶58の損傷や缶詰まりが発生 る原因となり易く、製品歩留りが悪くなる

 本実施形態では、打ち抜き工程の一部を ス部打ち抜き機構12で行い、打ち抜き工程 残り(切断工程)および第1の絞り加工工程を 1のブランク打ち抜き絞り加工機構17および 2のブランク打ち抜き絞り加工機構19で行い 第2の絞り加工工程を、絞り兼しごき加工機3 2で行う。

 仕上げ工程では、前工程で得られた電池 33の開口端部に形成された12個の突起33aを切 断除去して、所定の平坦な開口端面と所定の 寸法を有するように整形し、電池缶の製品を 得る。

 図7A~図7Iは、別形態のブランク間ロス部13 A~13Iの形状を示す平面図である。ブランク間 ス部13A~13Iは、部分円弧または部分線2A~2Iお び接続線4、4Aの形状が異なる以外は、ブラ ク間ロス部13と同様のほぼ三角形状の外形 有している。なお、外接線3は、何れも所定 さの直線である。

 図7Aに示すブランク間ロス部13Aは、部分 弧2に代えて部分線2Aを含む以外は、ブラン 間ロス部13と同じ構成を有している。ブラン ク間ロス部13Aは、3つのほぼ三角形状の頂部 有し、各頂部が2つの部分線2Aと2つの接続線4 とで形成される半円状の形状を有している。 部分線2Aは、2本の直線を辺の中央部で接続し 、接続部分がブランク間ロス部13Aの内方へ突 出した折れ曲がり線になっている。すなわち 、部分線2Aはその中央部に突出部を有してい 。

 図7Bに示すブランク間ロス部13Bは、部分 弧2に代えて部分線2Bを含む以外は、ブラン 間ロス部13と同じ構成を有している。ブラン ク間ロス部13Bは、3つのほぼ三角形状の頂部 有し、各頂部が2つの部分線2Bと2つの接続線4 とで形成される半円状の形状を有している。 部分線2Bは、部分線2Aと同様の折れ曲がりで るが、その中央部に半円状の突出部2bを有し ている。換言すれば、部分線2Bは、その中央 で2本の直線を小さな半円形状の突出部2bを して接続した形状になっている。突出部2b 、ブランク間ロス部13Bの内方に向けて突出 ている。

 図7Cに示すブランク間ロス部13Cは、部分 弧2に代えて部分線2Cを含む以外は、ブラン 間ロス部13と同じ構成を有している。ブラン ク間ロス部13Cは、3つのほぼ三角形状の頂部 有し、各頂部が2つの部分線2Cと2つの接続線4 とで形成される半円状の形状を有している。 部分線2Cは、部分線2Aと同様の折れ曲がりで るが、その中央部に台形状の突出部2cを有し ている。換言すれば、部分線2Cは、その中央 で2本の直線を小さな半台形状の突出部2cを して接続した形状になっている。突出部2c 、ブランク間ロス部13Cの内方に向けて突出 ている。

 図7Dに示すブランク間ロス部13Dは、部分 弧2に代えて部分線2dを含む以外は、ブラン 間ロス部13と同じ構成を有している。ブラン ク間ロス部13Dは、3つのほぼ三角形状の頂部 有し、各頂部が2つの部分線2dと2つの接続線4 とで形成される半円状の形状を有している。 部分線2dは、中央部が直線で、この直線の両 が円弧状の曲線により接続線4に繋がれた形 状である。換言すれば、部分線2dは、その中 部に位置する1本の直線の両端が弧状部を介 して接続線4まで延出されている。部分線2dは 、全体として、ブランク間ロス部13Dの内方に 向けて突出した形状になっている。

 図7Eに示すブランク間ロス部13Eは、部分 弧2に代えて部分線2eを含む以外は、ブラン 間ロス部13と同じ構成を有している。ブラン ク間ロス部13Eは、3つのほぼ三角形状の頂部 有し、各頂部が2つの部分線2eと2つの接続線4 とで形成される半円状の形状を有している。 部分線2eは、中央部が円弧状曲線で、この曲 の両端が直線により接続線4に繋がれた形状 である。換言すれば、部分線2eは、その中央 に位置する弧状部の両端が直線部を介して 続線4まで延出されている。部分線2eは、全 として、ブランク間ロス部13Eの内方に向け 突出した形状になっている。

 図7Fに示すブランク間ロス部13Fは、部分 弧2に代えて部分線2Fを含み、かつ接続線4に えて接続線4Aを含む以外は、ブランク間ロ 部13と同じ構成を有している。ブランク間ロ ス部13Fは、3つのほぼ三角形状の頂部を有し 各頂部が2つの部分線2Fと2つの接続線4Aとで 成される台形状の形状を有している。部分 2Fおよび接続線4Aは直線である。

 図7Gに示すブランク間ロス部13Gは、部分 弧2に代えて部分線2Gを含み、かつ接続線4に えて接続線4Aを含む以外は、ブランク間ロ 部13と同じ構成を有している。ブランク間ロ ス部13Gは、3つのほぼ三角形状の頂部を有し 各頂部が2つの部分線2Gと2つの接続線4Aとで 成される台形状の形状を有している。部分 Gは、図7Aのブランク間ロス部13Aにおける部 線2Aと同様の折れ曲がり線である。部分線2G 、全体として、ブランク間ロス部13Gの内方 突出している。接続線4Aは直線である。

 図7Hに示すブランク間ロス部13Hは、部分 弧2に代えて部分線2Hを含み、かつ接続線4に えて接続線4Aを含む以外は、ブランク間ロ 部13と同じ構成を有している。ブランク間ロ ス部13Hは、3つのほぼ三角形状の頂部を有し 各頂部が2つの部分線2Hと2つの接続線4Aとで 成される台形状の形状を有している。部分 Hは、図7Dのブランク間ロス部13Dにおける部 線2Dと同様の形状の線である。部分線2Hは、 体として、ブランク間ロス部13Hの内方に突 している。接続線4Aは直線である。

 図7Iに示すブランク間ロス部13Iは、部分 弧2に代えて部分線2Iを含み、かつ接続線4に えて接続線4Aを含む以外は、ブランク間ロ 部13と同じ構成を有している。ブランク間ロ ス部13Iは、3つのほぼ三角形状の頂部を有し 各頂部が2つの部分線2Iと2つの接続線4Aとで 成される台形状の形状を有している。部分 2Iは、図7Eのブランク間ロス部13Eにおける部 線2Eと同様の形状の線である。部分線2Iは、 全体として、ブランク間ロス部13Iの内方に突 出している。接続線4Aは直線である。

 ブランク間ロス部13A~13Iは、いずれもほぼ 三角形状の形状を有し、その3つの頂部の先 が半円形状または直線状になっている。し がって、頂部先端が鋭利に尖った形状であ 場合とは異なり、ブランク間ロス部13A~13Iを ち抜くための金型工具には欠けや磨耗が生 難い。このため、金型工具の耐用寿命を短 することがなく、耐用寿命の期間中、金型 具を支障なく使用できる。また、ブランク ロス部13A~13Iを打ち抜いた後に、隣り合う2 の打ち抜き孔の対向する頂部間を切断する にも、頂部先端が半円形状または直線状で ることから、切断時に二度切り状態などの 具合が生じない。したがって、金型工具に いても、欠けや磨耗などが生じ難く、所定 耐用寿命を確保できる。

 ブランク間ロス部13B、13Cでは、部分線2B 2Cの中央部に突出部2b、2cが形成されている ブランク間ロス部13D、13E、13G、13H、13Iでは 部分線2D、2E、2G、2H、2Iが全体として突出部2 d、2e、2g、2h、2iを形成している。これらの突 出部を設けることにより、中間カップ体10の 口端部に形成される突起の数が18個になり 突起の長さがさらに短くなり、かつ突起の さが一層均一化される。これにより、スト ッパ30、39による中間カップ体10および電池 33のストリップ性がさらに向上する。また、 次工程への搬送時に、搬送用工具などに不具 合が発生するのを一層防止できる。また、中 間カップ体10や電池缶33の開口端部における け、破断、割れなどの不具合が発生するの 一層防止できる。

 なお、本実施形態では、電池缶33を製造 る場合について説明しているが、それに限 されず、本発明の製造方法は、例えば、飲 水用などの有底円筒状の金属缶の製造に適 できる。その場合においても、本実施形態 説明したと同様に、材料コストを低減化し つ、高い生産性で高品質な金属缶を好適に 造ができる。

 本発明の金属缶用ブランクおよびそれを いる金属缶の製造方法は、有底円筒状の金 缶の製造に好適に利用できる。有底円筒状 金属缶は、たとえば、食品分野、飲料分野 医薬部外品分野、輸送機器分野、電池分野 どで使用されている。