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Title:
BLOOD CIRCUIT, BLOOD PURIFICATION CONTROL APPARATUS, AND PRIMING METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/129830
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a blood circuit which can achieve the priming for a safe operation automatically. Specifically disclosed is a blood circuit for purifying a blood through a filter (56), which comprises: a blood removal line which is connected to the inlet of the filter (56) at its one end and is composed of a first blood removal line (84), a second blood removal line (88) and a third blood removal line (89); a blood return line which is connected to the outlet of the filter (56) at its one end and which is composed of a first blood return line (92) and a second blood return line (94); and an anti-coagulant (bypass) line (90) for decreasing the difference between the pressure of the priming solution flowing through the blood removal line and the pressure of the priming solution flowing through the blood return line.

Inventors:
KAWARABATA SHIGEKI
NAKAGAWA NORIAKI
FUJII JUNYA
KAMITO SHOGO
Application Number:
PCT/JP2008/000718
Publication Date:
October 30, 2008
Filing Date:
March 25, 2008
Export Citation:
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Assignee:
JMS CO LTD (JP)
KAWARABATA SHIGEKI
NAKAGAWA NORIAKI
FUJII JUNYA
KAMITO SHOGO
International Classes:
A61M1/14; A61M1/34
Domestic Patent References:
WO2006073166A12006-07-13
Foreign References:
JP2006255394A2006-09-28
JP2003116986A2003-04-22
JP2004105226A2004-04-08
JP2006175103A2006-07-06
JPH0519076A1993-01-26
Other References:
See also references of EP 2133107A4
Attorney, Agent or Firm:
NII, Hiromori (6FTanaka Ito Pia Shin-Osaka Bldg.,3-10, Nishi Nakajima 5-chome,Yodogawa-ku, Osaka-cit, Osaka 11, JP)
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Claims:
 ろ過器によって血液を浄化する血液回路であって、
 一端が、前記ろ過器の血液入口に接続される脱血ラインと、
 一端が、前記ろ過器の血液出口に接続される返血ラインと、
 前記脱血ラインを流れるプライミング液の圧力および前記返血ラインを流れるプライミング液の圧力の差を低減させるバイパスラインとを備える
 ことを特徴とする血液回路。
 血液回路外から、返血ラインに注液するための連絡ラインを備える
 ことを特徴とする請求項1に記載の血液回路。
 前記脱血ラインは、ポンプが取り付けられるポンプ取付部をその途中に有し、
 前記返血ラインは、バルブが取り付けられるバルブ取付部をその途中に有し、
 前記バイパスラインは、一端が、前記脱血ラインの前記ポンプ取付部と前記ろ過器の血液入口との間、または、前記返血ラインの前記ろ過器の血液出口と前記バルブ取付部との間に接続され、他端が、前記脱血ラインの他端と前記ポンプ取付部との間、または、前記返血ラインの他端と前記バルブ取付部との間に接続される
 ことを特徴とする請求項1に記載の血液回路。
 さらに、一端が前記脱血ラインの他端に接続され、他端が前記返血ラインの他端に接続される循環ラインを備える
 ことを特徴とする請求項3に記載の血液回路。
 前記バイパスラインは、他端が、前記循環ラインの途中に接続される
 ことを特徴とする請求項4に記載の血液回路。
 前記循環ラインは、前記脱血ラインから前記返血ラインへ流れるプライミング液中の気泡をトラップする第1のチャンバを有し、
 前記バイパスラインは、前記他端が、前記第1のチャンバの返血ライン側に接続される
 ことを特徴とする請求項4に記載の血液回路。
 前記循環ラインは、前記脱血ラインおよび前記返血ラインから取り外し可能な接続部を有する.
 ことを特徴とする請求項4に記載の血液回路。
 前記返血ラインは、前記ろ過器から導出される血液中の気泡をトラップする第2のチャンバを有し、
 前記バイパスラインは、前記一端が、前記第2のチャンバの前記ろ過器側に接続される
 ことを特徴とする請求項1に記載の血液回路。
 前記バイパスラインは、前記血液回路を構成する他のラインより、その流路抵抗が大きい
 ことを特徴とする請求項1に記載の血液回路。
 前記バイパスラインは、両端のいずれか一方に、接続されているラインから取り外し可能な接続部を有する
 ことを特徴とする請求項1に記載の血液回路。
 さらに、一端が取り外し可能に前記循環ラインに接続され、前記脱血ラインを流れるプライミング液の圧力および前記返血ラインを流れるプライミング液の圧力の差を低減させ、前記循環ラインから取り外された場合に抗凝固剤を注入する抗凝固剤注入装置に取り付け可能であるバイパスラインを備える
 ことを特徴とする請求項10に記載の血液回路。
 血液を浄化するろ過器と、前記ろ過器の血液出口に接続される返血ラインとを有する血液浄化回路内の液の流れを制御する血液浄化制御装置であって、
 前記返血ラインを開閉する返血用バルブと、
 前記返血ラインの前記ろ過器および前記返血用バルブの間に、プライミング液を送り込む第1ポンプと、
 前記返血用バルブを閉めるとともに、前記第1ポンプを稼働させる第1制御手段とを備える
 ことを特徴とする血液浄化制御装置。
 前記血液浄化回路は、さらに、前記ろ過器の血液入口に接続される脱血ラインを有し、
 前記血液浄化制御装置は、さらに、前記脱血ラインを介して、液体を前記ろ過器に送り出すことと、前記ろ過器から流出させることとが可能な第2ポンプを備え、
 前記第1制御手段は、前記ろ過器からプライミング液を流出させるように前記第2ポンプを、前記第1ポンプとともに稼働させる
 ことを特徴とする請求項12に記載の血液浄化制御装置。
 前記第1制御手段は、前記第1ポンプが送り出す圧力を、前記第2ポンプが流出させる圧力より大きくなるように、前記第1ポンプと前記第2ポンプとを制御する
 ことを特徴とする請求項13に記載の血液浄化制御装置。
 前記血液浄化制御装置は、さらに、プライミング時に、前記返血用バルブを開くとともに、前記第1ポンプを稼働させる第2制御手段を備える、
 ことを特徴とする請求項12に記載の血液浄化制御装置。
 前記血液浄化回路は、さらに、前記返血ラインおよび前記ろ過器の血液入口に接続される脱血ラインそれぞれの前記ろ過器に接続されていない各端部を途中にチャンバを有する循環ラインを介して接続し、
 前記血液浄化制御装置は、さらに、
 前記脱血ラインを介して、液体を前記ろ過器に送り出すことと、前記ろ過器から流出させることとが可能な第2ポンプと、
 前記血液浄化回路のプライミングが完了した後に、前記返血用バルブを開くとともに、前記第2ポンプを稼働させることによって、前記ろ過器、前記脱血ライン、前記循環ラインおよび前記返血ラインにプライミング液を循環させるリサーキュレーション制御手段とを備える
 ことを特徴とする請求項12に記載の血液浄化制御装置。
 前記血液浄化制御装置は、さらに、前記ろ過器の透析液入口からプライミング液を送り込む第3ポンプと、
 プライミング時に、前記第3ポンプを稼働させる第3制御手段とを備える
 ことを特徴とする請求項12に記載の血液浄化制御装置。
 前記血液浄化制御装置は、さらに、前記ろ過器の透析液出口からプライミング液を流出させる第4ポンプを備え、
 前記第3制御手段は、前記第3ポンプにより、前記ろ過器の透析回路部分にプライミング液が充填された後に、さらに、前記第4ポンプを稼働させる
 ことを特徴とする請求項17に記載の血液浄化制御装置。
 前記血液浄化回路は、さらに、前記透析液出口から排出されたプライミング液を蓄える容器と、前記ろ過器の透析液出口と前記容器とを接続する透析液排出ラインと、前記容器に蓄えられたプライミング液を廃棄する廃棄ラインとを備え、
 前記第4ポンプは、前記透析液排出ラインを介してプライミング液を流通させ、
 前記血液浄化制御装置は、さらに、前記廃棄ラインを開閉する廃棄バルブと、
 前記廃棄バルブを閉じるとともに、前記第3のポンプおよび前記第4ポンプを稼働させることにより、前記容器にプライミング液を蓄え、その後に、前記廃棄バルブを開くことにより、前記容器に蓄えられたプライミング液の一部を廃棄する第4制御手段とを備える
 ことを特徴とする請求項18に記載の血液浄化制御装置。
 血液を浄化するろ過器と、前記ろ過器の血液出口に接続される返血ラインとを有する血液浄化回路内の液の流れを制御する血液浄化制御プログラムであって、
 前記返血ラインを開閉する返血用バルブを開け、前記返血ラインをプライミング液で充填し、前記返血用バルブを閉めるとともに、前記返血ラインの前記ろ過器および前記返血用バルブの間に、プライミング液を送り込む補液用ポンプを稼働させ、血液ポンプを施術時とは逆方向に送液する第1ステップを含むプログラムをコンピュータに実行させる
 ことを特徴とする血液浄化制御プログラム。
 血液を浄化するろ過器と、前記ろ過器の血液排出口に接続される返血ラインとを有する血液浄化回路に対して血液浄化制御装置が実行するプライミング方法であって、
 前記返血ラインに設けた返血バルブを閉じる第1ステップと、
 前記返血バルブと前記ろ過器との間の前記返血ラインにプライミング液を送り込む第2ステップとを含む
 ことを特徴とするプライミング方法。
 前記血液浄化回路は、さらに、前記ろ過器の血液流入口に接続される脱血ラインを有し、
 さらに、前記ろ過器に送り込まれたプライミング液を前記脱血ラインに流出させる第3ステップを含む
 ことを特徴とする請求項21に記載のプライミング方法。
 前記第2ステップでは、前記第3ステップにおいて前記プライミング液を流出する流量より大きい流量でプライミング液を送り込む
 ことを特徴とする請求項22に記載のプライミング方法。
 さらに、前記返血ラインを開く第4ステップを含み、
 前記第1ステップは、前記第2ステップおよび前記第4ステップの後に実行される
 ことを特徴とする請求項21に記載のプライミング方法。
 前記血液浄化回路は、さらに、途中にチャンバを有し、前記返血ラインおよび前記ろ過器の血液流入口に接続される脱血ラインとを連結して、前記ろ過器、前記脱血ラインおよび前記返血ラインを環状にする循環ラインを有し、
 さらに、前記血液浄化回路のプライミングが完了した後に、前記返血バルブを開き、前記プライミング液を流通させることにより、環状である回路にプライミング液を循環させる第5ステップを含む
 ことを特徴とする請求項21に記載のプライミング方法。
 さらに、前記ろ過器の透析液流入口からプライミング液を流入する第6ステップを含む
 ことを特徴とする請求項21に記載のプライミング方法。
 さらに、前記第6ステップにおいて前記ろ過器の透析回路部分にプライミング液が充填された後に、前記ろ過器の透析液排出口からプライミング液を流出させる第7ステップを含む
 ことを特徴とする請求項26に記載のプライミング方法。
 前記血液浄化回路は、さらに、前記ろ過器の透析液排出口から流出したプライミング液が送り込まれる容器と、前記ろ過器の透析液排出口と前記容器とを接続する透析液排出ラインと、前記容器に蓄えられたプライミング液を廃棄する廃棄ラインとを備え、
 さらに、前記ろ過器の透析液排出口から流出したプライミング液を前記容器に送り込む第8ステップと、
 前記第8ステップの後に、前記廃棄ラインを介して前記容器に送り込まれたプライミング液の一部を廃棄し、前記容器のプライミング液の残量を調整する第9ステップとを含む
 ことを特徴とする請求項27に記載のプライミング方法。
Description:
血液回路、血液浄化制御装置お びプライミング方法

 本発明は、血液を浄化するための血液回 、血液浄化制御装置およびプライミング方 に関する。

 疾病などにより腎臓の機能が低下した患 には、血液透析などの血液の浄化が医療関 者により施術される。血液浄化回路は、主 患者の血液が流れる血液回路と透析液や補 が流れる給液回路と、ろ液が流れるろ液回 とを備え、血液浄化制御装置に取り付けら る。血液浄化制御装置は、安全かつ効率的 患者の血液を浄化するように、血液浄化回 を流れる液体の流れを制御する。

 患者の血液を浄化する前の準備として、 ライミングが行われる。プライミングとは 血液浄化回路内の洗浄および空気の除去の めに、回路内に生理食塩水のようなプライ ング液を充填させ、流通させることである

 回路は、血液や透析液、補液などが流れ 流路であり、ろ過器、チャンバ、針、管な より形成される。ろ過器は、拡散や限外ろ などの原理による、血液および透析液の間 物質交換により、血液を浄化する器具であ 。チャンバは、ラインを通る液体中の気泡 トラップする器具である。針は、施術時に 路に取り付けられ、体内から血液を取り出 、また、体内に返血するため、患者のシャ トなどの取り出し箇所および返血箇所のそ ぞれに穿刺される器具である。管は、これ の器具に設けられた接続口に取り付けられ 器具と器具とを接続する。

 チャンバは、施術時に血液を流すべき方 (以下、「順方向」という。)に流した際に 血液中の気泡をトラップするのが本来の機 である。そのため、内部をプライミング液 充填するためには、チャンバの天地を血液 化時とは逆転させた状態でプライミング液 順方向に流すか、チャンバの天地を血液浄 時の状態のままでプライミング液を逆方向 流す必要がある。

 また、ろ過器は、プライミング液を順方 に流して、その内部をプライミング液で充 させることは、その構造上、困難である。 のため、ろ過器の内部をプライミング液で 填するためには、チャンバと同様に、ろ過 の天地を血液浄化時とは逆転させた状態で ライミング液を順方向に流すか、ろ過器の 地は血液浄化時の状態のままでプライミン 液を逆方向に流す必要がある。

 従来、プライミング時に、プライミング を蓄えたパックを返血口に接続し、施術時 は逆方向に圧力差が生じるようにポンプを 働させることによって、回路内のプライミ グ液を施術時とは逆方向に循環させる血液 化制御装置およびそのプライミング処理方 が提案されている(例えば、特許文献1参照)

 また、プライミング操作は回路やろ過器(血 液浄化器)から気泡や異物を除去するために 施されるので、充分な量のプライミング液 洗浄することが必要であるが、一方経済的 理由や、収容容器の取換え操作を排除する の理由で、洗浄液量を可能な範囲内で低減 ることも要求される。そのため、回路内や 過器を1回しか通過していない洗浄液をその ま捨てずに、再循環させた後で排液するい ゆるすすぎ方式の洗浄操作も広く行われて る(例えば、特許文献2参照)。

特開2006-175103号公報

実公平5-19076号公報

 従来の再循環方式の洗浄操作で重要にな てくるのが、血液回路内に送液する補液ポ プの送液量と血液回路内で送液する血液ポ プの送液量である。プライミング液を血液 路内に送液する補液ポンプの送液量より、 液回路内で(血液やプライミング液等の)液 送液する血液ポンプの送液量の方が多くな と、ろ過器を流れるプライミング液に過剰 陰圧がかかる場合がある。そのため、従来 、ろ過器内に配置される中空糸を介してろ 器内に空気が入り込む可能性があり、その 果、プライミング後のろ過器内に空気が残 てしまうという問題がある。

 プライミング後に回路内に空気が残留し いると、回路内の血液が凝固し、血液の浄 ができなくなる危険がある。また、残留し 空気が回路を通して患者の体内に入り込む 、患者の生命に関わる。

 逆に、血液ポンプの流量よりも、補液ポ プの流量の方が多くなると、ろ過器に過剰 圧力がかかり、ろ過器を損傷するおそれが る。その結果、安全かつ十分に患者の血液 浄化することができない。

 ポンプによりかけられる圧力には一定の 差がある。血液浄化制御装置に一般的に利 されるポンプでは、この誤差により、ろ過 にかける陽圧と陰圧とを一定にバランスす ように制御することは、実際には困難であ 。すなわち、従来の技術では、安全な施術 実現できるようなプライミングができない いう問題がある。

 また、血液浄化回路は、1つの血液浄化回 路によって様々な方法での血液浄化を実現す るため、複雑な構成となる。そのため、プラ イミングの手順も複雑になり、マニュアル操 作では操作者の負担が大きいという問題もあ る。

 さらに、従来は、プライミング時にプラ ミング液を蓄えたパックを返血口に接続し プライミング完了時にそれを取り外す必要 あり、手間がかかるという問題がある。

 従来は、プライミング液を、血液回路の 血口から流し込み、採血口から排出する。 のため、操作者は、プライミング時に、プ イミング液を蓄えたパックを返血口に接続 、プライミングが完了すると、返血口に返 用の器具を取り付けるため、プライミング を蓄えたパックを取り外す。このように、 ライミング液を蓄えたパックを接続し、後 取り外すことは、操作者に手間である。ま 、このように、回路を接続したり、外した する手順はできるだけ少ない方が、衛生上 望ましい。

 また、上述のように、容器(パック)の取 えの手間を省くためにも、またコスト低減 点からもプライミング操作を完遂するため 液量は少ない方が望ましい。

 本発明は、上記の問題を解決するために されたもので、プライミング液を蓄えたパ クを施術時に着脱したり、施術中に取替え りすることなく、プライミング操作を安全 且つ自動的に実行することが可能な血液回 、血液浄化制御装置およびプライミング方 の提供を目的とする。

 「施術時」とは患者の血液浄化を開始し からそれを終了するまでのことをいう。

 「ろ過器」とは、血液を浄化する器具の とである。一般的なろ過器は、円筒の内部 多数の中空糸の束を貫通させ、その中空糸 内部に血液を導通させ、円筒内を流れる透 液と、中空糸膜を介して間接的に接触させ ことにより、血液を浄化する。拡散、限外 過および浸透圧の原理によって、尿素や尿 、クレアチン、余剰水分などの血液中の老 物は透析液中に排出され、また、透析液中 電解質などは血液中に取り込まれる。

 「チャンバ」とは、内部に流入する液体 に含まれる気泡や異物を取り除き、気泡や 物を取り除いた液体を流出させる気液分離 である。血液浄化回路のチャンバは、一般 、気泡が液体中を上昇する性質を利用して 液体中の気泡をチャンバの流入口側に集め ことで、チャンバの内部を流れる液体中の 泡をトラップする。「チャンバ」は、さら 、メッシュを内蔵することにより、異物を 離する機能を有するものもある。

 「給液」とは、「補液」と、「透析液」 の総称である。「給液」には、一般に体液 浸透圧や電解質が等しくなるよう調整され 等張液などが用いられる。「補液」とは、 過器を通過することにより失われた血液の 分や電解質を補給する薬液のことをいう。 透析液」とは、ろ過器内で血液と物質交換 する薬液のことをいう。

 「プライミング液」とは、血液浄化制御 置のプライミングに利用する液体のことを う。つまり、「給液」によってプライミン が行われる場合、「プライミング液」は「 液」である。なお、「プライミング液」と て、「補液」が使用されることが多い。

 「ろ液」とは、血液から濾し取った老廃 及び余剰水分、または血液を浄化した後の 析液のことをいう。

 「ポンプ」とは、回路内の液体を流動さ るための圧力をかける機器である。

 「バルブ」とは、その取付位置における 回路内の液体の流量の調整および流路の閉 をする機器である。「バルブを閉める」と 、その取付位置における回路内の液体の流 を閉鎖することをいい、「バルブを開ける とは、その取付位置における回路内の液体 流すことをいう。例えば、回路が一定の弾 のある管である場合には、管を外部から挟 込む器具を取り付けることにより、通常は けられている管を外部から挟み込むことに って、流路を閉じることが実現できる。

 「回路」とは、ある特定種類の液体が流 る流路全体のことである。具体的には、回 は、血液やプライミング液、補液、透析液 流れる流路であり、ろ過器、チャンバ、分 管、管などの組み合わせにより実現される また、回路は、施術時に内部を流れる液体 よって、「血液回路」と「給液回路」とに かれ、血液回路には血液が流れ、給液回路 は補液および透析液が流れる。「ライン」 は、回路の一部或いは分岐部を示す。

 「順方向」とは、施術時に回路内を液体 流れる方向のことをいう。また、「逆方向 とは、順方向と逆の方向をいう。施術時に り付けられていない回路や液体が流れない インの「順方向」については、個別に定義 る。

 上記目的を達成するために、本発明は、 過器によって血液を浄化する血液回路であ て、一端が、前記ろ過器の血液入口に接続 れる脱血ラインと、一端が、前記ろ過器の 口に接続される返血ラインと、前記脱血ラ ンを流れるプライミング液の圧力および前 返血ラインを流れるプライミング液の圧力 差を低減させるバイパスラインとを備える

 または、ろ過器によって血液を浄化する 液回路であって、一端が、前記ろ過器の血 入口に接続される脱血ラインと、一端が、 記ろ過器の血液出口に接続される返血ライ と、血液回路外から、返血ラインに注液す ための連絡ラインと、前記脱血ラインにお るろ過器の血液入口と、前記返血ラインに けるろ過器の血液出口にかかるプライミン 液の圧力の差を低減させるバイパスライン を備えることを特徴とする血液回路である

 このように、本発明に係る血液回路は、 記脱血ラインを流れるプライミング液の圧 および前記返血ラインを流れるプライミン 液の圧力の差を低減させるバイパスライン 備える。これにより、ろ過器にかかる圧力 、バイパスラインがない場合より低くなる そのため、ろ過器内部中空糸膜に過剰な圧 がかかることを防止することができ、過剰 圧力によりろ過器の機能を損なうことを防 することができる。したがって、ろ過器の 能を損なうことなくプライミングができ、 全な施術のためのプライミングを自動的に 行することが可能となる。

 好ましくは、前記脱血ラインは、ポンプ 取り付けられるポンプ取付部をその途中に し、前記返血ラインは、バルブが取り付け れるバルブ取付部をその途中に有し、前記 イパスラインは、一端が、前記脱血ライン 前記ポンプ取付部と前記血液入口との間、 たは、前記返血ラインの前記血液出口と前 バルブ取付部との間に接続され、他端が、 記脱血ラインの他端と前記ポンプ取付部と 間、または、前記返血ラインの他端と前記 ルブ取付部との間に接続される。

 また、さらに、一端が前記脱血ラインの 端に接続され、他端が前記返血ラインに接 される循環ラインを備えてもよい。また、 記バイパスラインは、他端が、前記循環ラ ンの途中、前記脱血ラインの他端と前記ポ プ取付部との間、または、前記返血ライン 他端と前記バルブ取付部との間に接続され もよい。

 さらに、前記返血ラインは、前記ろ過器 ら排出される血液中の気泡をトラップする 2のチャンバを有し、前記バイパスラインは 、前記一端が、前記第2のチャンバの前記ろ 器側に接続されてもよい。これは、バイパ ラインの他端が前記返血ラインの他端と前 バルブ取付部との間に接続される場合の例 ある。

 このように、バイパスラインは、一端が 脱血ラインのポンプ取付部と血液入口との 、または、返血ラインの血液出口とバルブ 付部との間に接続され、他端が、前記脱血 インの他端と前記ポンプ取付部との間、ま は、前記返血ラインの他端と前記バルブ取 部との間に接続される。

 これにより、ろ過器に流れるプライミン 液の一部をバイパスラインに逃がすことが きる。そのため、バイパスラインが無い場 より、ろ過器を流れるプライミング液の流 は減少し、ろ過器にかかる圧力は低くなる そのため、ろ過器に過剰な圧力がかかるこ を防止することができ、過剰な圧力により 過器の機能を損なうことを防止することが きる。したがって、ろ過器の機能を損なう となくプライミングができ、安全な施術の めのプライミングを自動的に実行すること 可能となる。

 さらに好ましくは、前記循環ラインは、 記脱血ラインから前記返血ラインへ流れる ライミング液中の気泡をトラップする第1の チャンバを有し、前記バイパスラインは、前 記他端が、前記第1のチャンバの排出ライン に接続される。

 このように、循環ラインは、脱血ライン ら返血ラインへ流れるプライミング液中の 泡をトラップする方向で取り付けられる第1 のチャンバを有する。これにより、プライミ ング液で血液浄化回路を充填した後に、血液 回路内にプライミング液を循環させることに より、血液回路内に残った空気をさらに除去 することができる。さらに、循環ラインは施 術時には取り外して廃棄される。すなわち、 第1のチャンバにトラップされた空気は施術 には廃棄されるので、循環ラインとともに 棄される。そのため、循環ラインが第1のチ ンバを有することにより、より安全な施術 可能となる。

 さらに、バイパスラインは、第1のチャン バの返血ライン側から分岐する。ろ過器を逆 方向からプライミングするため、バイパスラ インをプライミングするときには、脱血ライ ンから第2のチャンバの方向にプライミング が流れる。バイパスラインを第2のチャンバ 返血ライン側から分岐することにより、バ パスラインから押し出される空気が第2のチ ャンバにトラップされず、血液浄化回路から 確実に空気を除去することができる。そのた め、安全な施術が可能となる。

 さらに好ましくは、前記バイパスライン 、前記血液回路を構成する他のラインより その流路抵抗が大きい。

 このように、バイパスラインの流路抵抗 他のラインより大きいことにより、バイパ ラインを流れるプライミング液の流量は他 ラインより少なくなる。そのため、ろ過器 かかる過剰な圧力を逃がすことができる。 たがって、安全な施術のためのプライミン を実行することが可能となる。

 さらに好ましくは、前記バイパスライン 、両端のいずれか一方に、接続されている インから取り外し可能な接続部を有する。

 このように、バイパスラインは両端のい れか一方に、接続されているラインから取 外し可能な接続部を有する。そのため、他 を接続した状態で、取り外した一方にシリ ジ・ポンプのような抗凝固剤を注入する抗 固剤注入装置を取り付けることができる。 術中には、血液回路を流れる血液が凝固し いように、回路を流れる血液に抗凝固剤な が投入されるのが一般である。したがって バイパスラインをこのような抗凝固剤など 投入回路として転用することができ、新た ラインを追加するなどの手間をかけること く施術することが可能になる。

 また、前記バイパスラインは、他端が、 環ラインに接続されている場合、当該他端 取り外し可能な接続部を有する。

 このように、循環ラインに接続されてい 他端を取り外し可能とする。バイパスライ の他端は施術時に取り外される。上記のよ に循環ラインは施術時に廃棄されるため、 のラインとは異なり、バイパスラインの他 が接続していた部分を施術時に塞ぐなどの 置をする必要がない。施術時に塞ぐなどの 置をする場合、手間がかかるだけでなく、 こからウィルスなどが混入するなど衛生上 好ましくない。したがって、循環ラインに 続されている他端を取り外し可能とするこ により、プライミングまたはリサーキュレ ションから血液浄化への移行のための作業 簡単にできるとともに、衛生的な施術が可 になる。

 上記目的を達成するために、本発明に係 血液回路は、ろ過器によって患者の血液を 化するための回路である血液回路であって 一端が、前記ろ過器の血液流入口に接続さ る流入ラインと、一端が、前記ろ過器の血 排出口に接続される排出ラインと、一端が 記流入ラインの他端に接続され、他端が前 排出ラインの他端に接続され、前記流入ラ ンに接続する一端から、前記排出ラインに 続する他端へ流れるプライミング液中の気 をトラップする第1のチャンバを有する循環 ラインとを備える。

 このように、血液回路は、流入ラインお び排出ラインの端部を接続する循環ライン 備える。一般に、補液とプライミング液に 用される液では、同じものが使用される。 環ラインを備えない場合、ろ過器やチャン に施術時とは逆方向からプライミング液を し込むためには、排出ラインからプライミ グ液を流し込む必要がある。そのため、こ 場合、施術時に、プライミング液(補液)が 続されているラインを取り替える必要があ 。

 循環ラインを備えることにより、施術時 補液を流すラインから、プライミング液を すことによって、血液回路全体をプライミ グすることができる。そのため、施術時と ライミング時とでプライミング液(補液)が 続されているラインを取り替える必要がな 。したがって、プライミングが完了してか 施術を開始するまでの手順を簡素化するこ ができ、プライミングの自動実行を容易に ることが可能となる。

 また、循環ラインは、流入ラインから排 ラインへ流れるプライミング液中の気泡を ラップする第1のチャンバを有する。これに より、プライミング液で血液浄化回路を充填 した後に、血液回路内にプライミング液を循 環させることにより、血液回路内に残った空 気をさらに除去することができる。そのため 、より安全な施術が可能となる。

 さらに好ましくは、前記循環ラインは、 記流入ラインおよび前記排出ラインから取 外し可能な接続部を有する。

 このように、循環ラインは取り外し可能 接続部を有する。そのため、施術時に循環 インを取り外し、取り外した箇所に患者と 続するため針などを一端に有するラインを り付けることができる。したがって、循環 インが取り外し可能な接続部を有すること より、プライミングが完了してから施術を 始するまでに必要な作業を容易にすること 可能となる。

 さらに、一端が取り外し可能に前記循環 インに接続され、前記脱血ラインを流れる ライミング液の圧力および前記返血ライン 流れるプライミング液の圧力の差を低減さ 、前記循環ラインから取り外された場合に 凝固剤を注入する抗凝固剤注入装置に取り け可能であるバイパスラインを備える。

 このように、一端が取り外し可能に前記 環ラインに接続され、前記循環ラインから り外された場合に抗凝固剤を注入する抗凝 剤注入装置に取り付け可能であるバイパス インを備える。これにより、プライミング 完了してから施術を開始するまでに必要な 業を容易にすることが可能となる。

 また、バイパスラインは、前記脱血ライ を流れるプライミング液の圧力および前記 血ラインを流れるプライミング液の圧力の を低減させる。このようにバイパスライン 接続されることにより、ろ過器の出入口に かる差圧をバイパスラインがない場合より くすることができる。そのため、ろ過器内 中空糸膜に過剰な圧力がかかることを防止 ることができ、過剰な圧力によりろ過器の 能を損なうことを防止することができる。 たがって、ろ過器の機能を損なうことなく ライミングができ、安全な施術のためのプ イミングを自動的に実行することが可能と る。

 また、本発明に係る血液浄化制御装置は 血液を浄化するろ過器と、前記ろ過器の血 出口に接続される返血ラインとを有する血 浄化回路内の液の流れを制御する血液浄化 御装置であって、前記返血ラインを開閉す 返血用バルブと、前記返血ラインの前記ろ 器および前記返血用バルブの間に、プライ ング液を送り込む第1ポンプと、前記返血用 バルブを閉めるとともに、前記第1ポンプを 働させる第1制御手段とを備える。

 このように、返血用バルブにより、返血 インの流れを止めた状態で、第1ポンプを稼 働させる。これにより、前記返血ラインの前 記ろ過器および前記返血用バルブの間から送 り込まれるプライミング液は、ろ過器の血液 出口からろ過器の内部に送り込まれる。すな わち、プライミング液を蓄えたパックを着脱 することなく、ろ過器には、施術時の血液の 流れとは逆の方向にプライミング液を流すこ とができる。したがって、プライミング液を 蓄えたパックを着脱することなく、プライミ ングを自動的に実行することが可能になる。

 好ましくは、前記血液浄化回路は、さら 、前記ろ過器の血液流入口に接続される脱 ラインを有し、前記血液浄化制御装置は、 らに、前記脱血ラインを介して、液体を前 ろ過器に送り出すことと、前記ろ過器から 出させることとが可能な第2ポンプを備え、 前記第1制御手段は、前記ろ過器からプライ ング液を流出させるように前記第2ポンプを 前記第1ポンプとともに稼働させる。

 このように、第1ポンプと第2ポンプとに って、ろ過器には、プライミング液が送り まれる流量よりも、吸い出される流量は少 い。このように、2つのポンプでろ過器に余 流量を発生させて圧力をかけることにより ろ過器内のプライミング液の流れを円滑に ることが可能となる。

 さらに好ましくは、前記第1制御手段は、 前記第1ポンプが送り出す流量または圧力を 前記第2ポンプが流出させる流量または圧力 り大きくなるように、前記第1ポンプと前記 第2ポンプとを制御する。

 ろ過器中空糸内側に陰圧がかかると、中 糸外側から内側に向かって気泡を吹き込む 、空気が出てくるため、プライミングの目 である血液回路内の空気の除去ができなく る。プライミング液が送り込まれる圧力の が、吸い出される圧力より大きくなるよう 制御されることによって、中空糸内側に陰 がかかることを防止でき、プライミングに る気泡除去を確実にすることが可能になる

 さらに好ましくは、前記血液浄化制御装 は、さらに、プライミング時に、前記返血 バルブを開くとともに、前記第1ポンプを稼 働させる第2制御手段を備え、前記第2制御手 は、前記返血ラインのプライミングが完了 た後に、上記動作を実行するように制御す 。

 このように、返血ラインのプライミング ろ過器のプライミングよりも先に実行する これにより、返血用バルブを開いた際に、 過器などに充填されたプライミング液が返 ラインを介して抜け出ることを防止できる したがって、新たにバルブを設けるなど血 浄化制御装置やそれによる制御を複雑にす ことなく、簡易な制御で返血ラインおよび 過器のプライミングをすることが可能にな 。

 さらに好ましくは、前記血液浄化回路は さらに、前記返血ラインおよび前記ろ過器 血液入口に接続される脱血ラインのそれぞ の前記ろ過器に接続されていない端をつな 、途中にチャンバを有する循環ラインを有 、前記血液浄化制御装置は、さらに、前記 血ラインを介して、液体を前記ろ過器に送 出すことと、前記ろ過器から流出させるこ とが可能な第2ポンプと、前記血液浄化回路 のプライミングが完了した後に、前記返血用 バルブを開くとともに、前記第2ポンプを稼 させることによって、前記ろ過器、前記脱 ライン、前記循環ラインおよび前記返血ラ ンにプライミング液を循環させるリサーキ レーション制御手段とを備える。

 このように、チャンバを有する循環ライ を有する血液浄化回路のプライミングが終 した後に、リサーキュレーションを行う。 れにより、少ない液量のプライミング液で ライミング操作が完遂でき、従来の操作で 除去し切れなかった血液浄化回路内の空気 、循環ラインのチャンバにトラップさせる とができる。そして、循環ラインは、施術 は不要であるので、血液浄化の施術中は取 外して廃棄される。そのため、プライミン 後に残った空気を、簡易な操作で取り除く とが可能になる。

 さらに好ましくは、前記血液浄化制御装 は、さらに、前記ろ過器の透析液流入口か プライミング液を送り込む第3ポンプと、プ ライミング時に、前記第3ポンプを稼働させ 第3制御手段とを備える。

 また、前記血液浄化制御装置は、さらに 前記ろ過器の透析液排出口からプライミン 液を吸い出す第4ポンプを備え、前記第3制 手段は、前記第3ポンプにより、前記ろ過器 透析回路部分にプライミング液が充填され 後に、さらに、前記第4ポンプを稼働させる 。

 このように、透析液流入口からろ過器に ライミング液を送り込む第3ポンプと、ろ過 器の透析液排出口からプライミング液を吸い 出す第4ポンプとを、順次稼働させる。これ より、ろ過器の給液回路部分をプライミン することができる。

 また、第3ポンプが、施術時に透析液をろ 過器に送り込むラインである透析液ラインを 介して、透析液流入口からろ過器にプライミ ング液を送り込む場合には、透析液ラインの プライミングがなされる。

 さらに、第4ポンプが、血液をろ過した後 のろ液をろ過器から流出させるラインである ろ液ラインを介して、透析液排出口からプラ イミング液を流出させる場合には、ろ液ライ ンのプライミングがなされる。

 このように、第3ポンプは透析液ラインを 、第4ポンプはろ液ラインを介してプライミ グ液を流動させる場合には、第3ポンプおよ 第4ポンプを順次稼働させることによって、 一連の手順で、給液回路のプライミングが可 能になる。

 さらに好ましくは、前記血液浄化回路は さらに、前記透析液排出口から排出された ライミング液を蓄える容器と、前記ろ過器 透析液排出口と前記容器とを接続する透析 排出ラインと、前記容器に蓄えられたプラ ミング液を廃棄する廃棄ラインとを備え、 記第4ポンプは、前記透析液排出ラインを介 してプライミング液を吸い出し、前記血液浄 化制御装置は、さらに、前記廃棄ラインを開 閉する廃棄バルブ(ろ液計量クランプ)と、前 廃棄バルブを閉じるとともに、前記第3のポ ンプおよび前記第4ポンプを稼働させること より、前記容器にプライミング液を蓄え、 の後に、前記第3のポンプおよび前記第4のポ ンプを停止させるとともに、前記廃棄バルブ を開くことにより、前記容器に蓄えられたプ ライミング液の一部を廃棄する第4制御手段 を備える。

 このように、廃棄バルブ(ろ液計量クラン プ)を制御することによって、透析液排出口 ら排出されたプライミング液を蓄える容器 、プライミング液を蓄積し、蓄積されたプ イミング液の一部を廃棄する。これにより 施術時に容器に蓄えられるろ過後の透析液( 液)の量によって、透析の進行状況を監視し 、制御をする場合に、予め容器に蓄えられる プライミング液の量を調整することができる 。そのため、予め一定量のプライミング液が 蓄積されることになり、容器にプライミング 液がない状態から施術を開始する場合に比べ て、より正確に施術の進行状況を検知するこ とが可能となる。

 なお、本発明は、このような血液浄化制 装置として実現することができるだけでな 、血液浄化回路内の液の流れを制御するプ グラム、そのプログラムを格納する記録媒 としても実現することができる。

 また、本発明に係るプライミング方法は 血液を浄化するろ過器と、前記ろ過器の血 排出口に接続される返血ラインとを有する 液浄化回路に対して血液浄化制御装置が実 するプライミング方法であって、前記返血 インに設けた返血バルブを閉じる第1ステッ プと、前記返血バルブと前記ろ過器との間の 前記返血ラインにプライミング液を送り込む 第2ステップとを含む。

 このように、返血バルブを閉じるステッ と、その閉じた位置とろ過器との間の返血 インにプライミング液を送り込むステップ を含む。これにより、プライミング液は、 過器の血液排出口からろ過器の内部に送り まれる。すなわち、プライミング液を蓄え パックを着脱することなく、ろ過器には、 術時の血液の流れとは逆の方向にプライミ グ液を流すことができる。したがって、プ イミング液を蓄えたパックを着脱すること く、プライミングを自動的に実行すること 可能になる。

 好ましくは、前記血液浄化回路は、さら 、前記ろ過器の血液流入口に接続される脱 ラインを有し、さらに、前記ろ過器に送り まれたプライミング液を前記脱血ラインに 入させる第3ステップを含む。

 このように、ろ過器からプライミング液 吸い出す。これにより、ろ過器には、プラ ミング液を送り込む圧力(陽圧)と、吸い出 圧力(陰圧)とをかけることができる。このよ うに、ろ過器に陽圧と陰圧とをかけることに より、ろ過器内のプライミング液の流れを円 滑にすることが可能となる。

 さらに好ましくは、前記第2ステップでは 、前記第3ステップにおいて前記プライミン 液を流出する流量より大きい流量でプライ ング液を送り込む。

 ろ過器にかかる陰圧がかかると、中空糸 ら空気が出てくるため、プライミングの目 である血液回路内の空気の除去ができなく る。陽圧の大きさの方が、陰圧の大きさよ 大きくなるように制御されることによって ろ過器に陽圧をかけることができる。した って、プライミングによる空気除去を確実 することが可能になる。

 さらに好ましくは、さらに、前記返血ラ ンを開く第4ステップを含み、前記第1ステ プは、前記第2ステップおよび前記第4ステッ プの後に実行される。

 このように、返血ラインを開いて、返血 インにプライミング液を送り込んだ後に、 過器のプライミングを行う。これにより、 血バルブを開いた際に、ろ過器などに充填 れたプライミング液が返血ラインを介して け出ることを防止できる。したがって、新 にバルブを設けるなど血液浄化制御装置や れによる制御を複雑にすることなく、簡易 制御で返血ラインおよびろ過器のプライミ グをすることが可能になる。

 さらに好ましくは、前記血液浄化回路は さらに、途中にチャンバを有し、前記返血 インおよび前記ろ過器の血液流入口に接続 れる脱血ラインとを連結して、前記ろ過器 前記脱血ラインおよび前記返血ラインを環 にする循環ラインを有し、さらに、前記血 浄化回路のプライミングが完了した後に、 記返血バルブを開き、前記プライミング液 流通させることにより、環状である回路に ライミング液を循環させる第5ステップを含 む。

 このように、チャンバを有する循環ライ を有する血液浄化回路のプライミングが終 した後に、リサーキュレーションを行う。 れにより、プライミングによって除去し切 なかった血液浄化回路内の空気を、循環ラ ンのチャンバにトラップさせることができ 。そして、循環ラインは、施術には不要で るため、施術時に取り外して廃棄できる。 のため、プライミング後に残った空気を、 易な操作で取り除くことが可能になる。

 さらに好ましくは、さらに、前記ろ過器 透析液脱血口からプライミング液を送り込 第6ステップを含む。

 このように、透析液流入口からろ過器に ライミング液を流入する。これにより、透 液をろ過器に流し込むラインおよびとろ過 の給液回路部分をプライミングすることが きる。

 さらに好ましくは、さらに、前記第6ステ ップにおいて前記ろ過器の透析回路部分にプ ライミング液が充填された後に、前記ろ過器 の透析液排出口からプライミング液を流出さ せる第7ステップを含む。

 このように、ろ過器の給液回路部分にプ イミング液が充填された後に、ろ過器の透 液排出口からプライミング液を吸い出す。 れにより、ろ過器の給液回路部分をプライ ングすることができる。

 このように、透析液ラインからろ過器に ライミング液を送り込み、ろ過器からろ液 インにプライミング液を吸い出すという一 の手順で、給液回路のすべてのプライミン が可能になる。

 さらに好ましくは、前記血液浄化回路は さらに、前記ろ過器の透析液排出口から流 したプライミング液が送り込まれる容器と 前記ろ過器の透析液排出口と前記容器とを 続する透析液排出ラインと、前記容器に蓄 られたプライミング液を廃棄する廃棄ライ とを備え、さらに、前記ろ過器の透析液排 口から流出したプライミング液を前記容器 送り込む第8ステップと、前記第8ステップ 後に、前記廃棄ラインを介して前記容器に り込まれたプライミング液の一部を廃棄し 前記容器のプライミング液の残量を調整す 第9ステップとを含む。

 このように、廃棄バルブを制御すること よって、透析液排出口から排出されたプラ ミング液を蓄える容器に、プライミング液 蓄積し、蓄積されたプライミング液の一部 廃棄する。これにより、施術時に容器に蓄 られるろ過後の透析液(ろ液)の量によって 透析の進行状況を監視し、制御する場合に 予め容器に蓄えられるプライミング液の量 調整することができる。そのため、予め一 量のプライミング液が蓄積されることにな 、容器にプライミング液がない状態から施 を開始する場合に比べて、より正確に施術 進行状況を検知することが可能となる。

 本発明に係る血液回路、血液浄化制御装 およびプライミング方法によると、プライ ング液が蓄えられている容器を施術時に取 外したり、取り付け位置を変更するなどの 間をかけることなく、回路内の洗浄と空気 除去を確実にするプライミングの自動実行 可能になる。したがって、手軽なプライミ グ操作によって、確実なプライミングをす ことが可能になる。

図1は、本発明の一実施の形態に係る血 液浄化制御装置の構成を示すブロック図であ る。 図2は、本発明の一実施の形態に係るプ ライミング時の血液浄化回路の構成と、血液 浄化制御装置のポンプ、バルブおよび圧力セ ンサの位置関係を示す図である。 図3は、本発明の一実施の形態に係るプ ライミング時の血液浄化回路の構成と、血液 浄化制御装置のポンプ、バルブおよび圧力セ ンサの位置関係を、簡略化して示す図である 。 図4は、実施の形態1において、自動プ イミングモードが選択された場合に、血液 化制御装置が実行する自動プライミングの 順を示すフローチャートである。 図5は、実施の形態1のプライミング時 各手順での回路の状態をまとめて示す図で る。 図6は、実施の形態1に係る血液浄化回 のプライミング時の状態のうち、状態1を示 図である。 図7は、実施の形態1に係る血液浄化回 のプライミング時の状態のうち、状態2を示 図である。 図8は、実施の形態1に係る血液浄化回 のプライミング時の状態のうち、状態3を示 図である。 図9は、実施の形態1に係る血液浄化回 のプライミング時の状態のうち、状態4を示 図である。 図10は、実施の形態1に係る血液浄化回 路のプライミング時の状態のうち、状態5を す図である。 図11は、実施の形態1に係る血液浄化回 路のプライミング時の状態のうち、状態6を す図である。 図12は、実施の形態1に係る血液浄化回 路のプライミング時の状態のうち、状態7を す図である。 図13は、実施の形態1に係る血液浄化回 路のプライミング時の状態のうち、状態8を す図である。 図14は、実施の形態1に係る血液浄化回 路のプライミング時の状態のうち、状態9を す図である。 図15は、リサーキュレーション時の、 施の形態1に係る血液回路内のプライミング 液の流れを示す図である。 図16は、本発明の一変形例に係るプラ ミング時の血液浄化回路の構成と、血液浄 制御装置のポンプ、バルブおよび圧力セン の位置関係を、簡略化して示す図である。 図17は、実施の形態2において、自動プ ライミングモードが選択された場合に、血液 浄化制御装置が実行する自動プライミングの 手順を示すフローチャートである。 図18は、実施の形態2のプライミング時 の各手順での回路の状態をまとめて示す図で ある。 図19は、実施の形態2に係る血液浄化回 路のプライミング時の状態のうち、状態1を す図である。 図20は、実施の形態2に係る血液浄化回 路のプライミング時の状態のうち、状態2を す図である。 図21は、実施の形態2に係る血液浄化回 路のプライミング時の状態のうち、状態2を す図である。 図22は、実施の形態2に係る血液浄化回 路のプライミング時の状態のうち、状態3を す図である。 図23は、実施の形態2に係る血液浄化回 路のプライミング時の状態のうち、状態4を す図である。 図24は、実施の形態2に係る血液浄化回 路のプライミング時の状態のうち、状態5を す図である。 図25は、実施の形態2に係る血液浄化回 路のプライミング時の状態のうち、状態6を す図である。 図26は、リサーキュレーション時の、 施の形態2に係る血液回路内のプライミング 液の流れを示す図である。

符号の説明

  10 血液浄化制御装置
  12 入力部
  14 表示部
  16 モード受付部
  20 血液ポンプ
  22 透析ポンプ
  24 ろ液ポンプ
  26 補液ポンプ
  30 給液バルブ
  32 ろ液バルブ
  34 返血バルブ
  36 プライミング液排出バルブ
  37 逆止弁
  40 ろ液圧センサ
  42 脱血圧センサ
  44 流入圧センサ
  46 排出圧センサ
  48 制御方法記憶部
  49 制御部
  50 第1給液パック
  52 第2給液パック
  54 ろ液パック
  56 ろ過器
  58 返血チャンバ
  60 リサーキュレーション・チャンバ
  62 給液分岐管
  64 急速補液分岐管
  66 抗凝固分岐管
  68a、68b 脱血側継ぎ手
  70a、70b 返血側継ぎ手
  72 第1給液ライン
  74 第2給液ライン
  76 透析液ライン
  78 ろ液ライン
  80 廃液ライン
  82 補液ライン
  84 第1脱血ライン
  86 プライミング液排出(急速補液)ライン
  88 第2脱血ライン
  89 第3脱血ライン
  90 抗凝固剤(バイパス)ライン
  92 第1返血ライン
  94 第2返血ライン
  96 第1循環ライン
  98 第2循環ライン
  100、102 廃液タンク

(実施の形態1)
 本発明に係る血液回路を備える血液浄化回 は、プライミング方法を実行する血液浄化 御装置に取り付けられる。血液浄化制御装 は、センサなどから得られる情報に基づき 予め定められた規則に従って、ポンプやバ ブを制御する。患者の血液および給液は、 液浄化制御装置の制御に従って、血液浄化 路の中を流れる。これにより、血液は浄化 れる。

 まず、血液浄化制御装置の構成について 図を参照して説明する。

 図1は、本発明の一実施の形態に係る血液 浄化制御装置の構成を示すブロック図である 。

 本実施の形態に係る血液浄化制御装置10 、プライミングを自動的に実行するための 御をする装置である。また、血液浄化制御 置10は、複数の動作方法(動作モード)による 者の血液浄化を制御する装置でもある。本 施の形態では、動作モードとして、自動プ イミングモードと、CHD(Continuous Hemodialysis) ードと、CHDF(Continuous Hemodiafiltration)モードと 、CHF(Continuous Hemofiltration)モード、ECUM(Extra Co rporeal Ultrafiltration Method)モードとを備えると する。

 血液浄化制御装置10は、入力部12と、表示 部14と、モード受付部16と、血液ポンプ20と、 透析ポンプ22と、ろ液ポンプ24と、補液ポン 26と、給液バルブ30と、ろ液バルブ32と、返 バルブ34と、プライミング液排出バルブ36と ろ液圧センサ40と、脱血圧センサ42と、流入 圧センサ44と、排出圧センサ46と、制御方法 憶部48と、制御部49とを備える。

 入力部12は、血液浄化制御装置10の操作者 が、血液浄化制御装置の動作モードを入力す る。

 表示部14は、操作者に情報を提示する部 であり、例えば、モニタ画面などである。

 モード受付部16は、入力部12に入力された 動作モードを示す情報を受け付ける。

 血液ポンプ20は、患者から血液を取り出 圧力をかけるポンプである。血液ポンプ20は 、施術時に回路内の液体を流動させる方向( 下、このようなポンプの加圧方向を「順方 」という。)だけでなく、それとは逆の方向( 以下、このようなポンプの加圧方向を「逆方 向」という。)に圧力をかけることもできる 請求の範囲に記載の「第2ポンプ」に相当す 。

 透析ポンプ22は、透析液を流動させるた の圧力をかけるポンプである。請求の範囲 記載の「第3ポンプ」に相当する。

 ろ液ポンプ24は、ろ液を流動させるため 圧力をかけるポンプである。請求の範囲に 載の「第4ポンプ」に相当する。

 補液ポンプ26は、補液を流動させるため 圧力をかけるポンプである。請求の範囲に 載の「第1ポンプ」に相当する。

 給液バルブ30は、給液の供給量の調整お び供給の停止をするバルブである。

 ろ液バルブ32は、ろ液の排出量の調整お び排出の停止をするバルブである。請求の 囲に記載の「廃棄バルブ」に相当する。

 返血バルブ34は、ろ過器から導出された 液の患者への返血量の調整および返血の停 をするバルブである。請求の範囲に記載の 返血用バルブ」に相当する。

 プライミング液排出バルブ36は、プライ ング液排出経路のバルブであるが、補液を 速に補う必要が生じた場合に利用される急 補液の流量の調整および急速補液の停止を るバルブとしても利用することができる。

 ろ液圧センサ40は、ろ液が流れるライン 圧力を測定するセンサである。

 脱血圧センサ42と流入圧センサ44とは、血 液ポンプ20の働きによって患者から取り出さ た、浄化前の血液が流れる圧力を測定する ンサである。脱血圧センサ42は、血液ポン 20より(施術時において、上流側となる)患者 にあるラインを流れる血液の圧力を測定す ために配置され、それにより、例えば患者 血管や穿刺部の閉塞等を検知できる。流入 センサ44は、血液ポンプ20より(施術時に下 側となる)ろ過器側にあるラインを流れる血 の圧力を測定するために、配置され、例え ろ過器の中空糸における閉塞等を検知でき 。

 排出圧センサ46は、ろ過器56から排出され る血液の圧力を測定するセンサである。

 制御方法記憶部48は、血液浄化制御装置10 が提供する動作モードの制御方法に関する情 報を記憶している。本実施の形態の制御方法 記憶部48は、自動プライミングモード情報48a 、CHDモード情報48bと、CHDFモード情報48cと、 CHFモード情報48dと、ECUMモード情報48eとを記 している記憶媒体である。

 自動プライミングモード情報48aは、血液 化制御装置10が自動的にプライミングする に、ポンプやバルブを制御する方法を含む 報である。

 CHDモード情報48bと、CHDFモード情報48cと、 CHFモード情報48dとは、各血液浄化方法により 血液を浄化するために、ポンプやバルブを制 御する方法を含む情報である。ECUMモード情 48eは、透析液を流さずにろ過器を介して、 液中から水分を除去するために、ポンプや ルブを制御する方法を含む情報である。CHD ード情報48bは持続緩除式血液透析(CHD)を施術 する場合の制御方法を含む情報であり、CHDF ード情報48cは持続緩除式透析ろ過(CHDF)を施 する場合の制御方法を含む情報であり、CHF ード情報48dは持続緩除式血液ろ過(CHF)を施術 する場合の制御方法を含む情報である。ECUM ード情報48eは、限外ろ過(ECUM)を施術する場 の制御方法を含む情報である。

 制御部49は、モード受付部16が受け付けた 動作モードに対応する情報を制御方法記憶部 48から読み出し、読み出した情報に基づいて 圧力センサや図示しない各センサから取得 た情報を参照し、各ポンプおよび各バルブ 制御する。

 請求の範囲に記載の「第1制御手段」、「 第2制御手段」、「第3制御手段」、「第4制御 手段」および「リサーキュレーション制御手 段」は、自動プライミングモード情報48aを読 み出し、読み出した自動プライミングモード 情報48aに基づいて、各ポンプおよび各バルブ を制御する制御部49により、実現される。

 次に、このような複数の血液浄化方法を 行できる血液浄化制御装置10に取り付けら る回路の構成について、図を参照して説明 る。

 図2は、本発明の一実施の形態に係るプラ イミング時の血液浄化回路の構成と、血液浄 化制御装置のポンプ、バルブおよび圧力セン サの位置関係を示す図である。

 プライミング時の血液浄化回路は、第1給 液パック50と、第2給液パック52と、ろ液パッ 54と、ろ過器56と、返血チャンバ58と、リサ キュレーション・チャンバ60と、給液分岐 62と、急速補液分岐管64と、抗凝固分岐管66 、脱血側継ぎ手68aと、脱血側継ぎ手68bと、 血側継ぎ手70aと、返血側継ぎ手70bと、第1給 ライン72と、第2給液ライン74と、透析液ラ ン76と、ろ液ライン78と、廃液ライン80と、 液ライン82と、第1脱血ライン84と、プライミ ング液排出(急速補液)ライン86と、第2脱血ラ ン88と、第3脱血ライン89と、抗凝固剤(バイ ス)ライン90と、第1返血ライン92と、第2返血 ライン94と、第1循環ライン96と、第2循環ライ ン98とを備える。

 本図では、血液浄化制御装置10が備える ポンプ、各バルブ、および各センサの血液 化回路での位置関係を説明するため、血液 ンプ20と、透析ポンプ22と、ろ液ポンプ24と 補液ポンプ26と、給液バルブ30と、ろ液バル 32と、返血バルブ34と、プライミング液排出 バルブ36と、ろ液圧センサ40と、脱血圧セン 42と、流入圧センサ44と、排出圧センサ46と 併せて示している。これら血液浄化制御装 10が備える各部については、図1を参照して 明したため、ここでは説明を省略する。

 第1給液パック50は、給液が最初に蓄えら ている容器である。

 第2給液パック52は、第1給液パック50から 給された給液が蓄えられる容器である。

 ろ液パック54は、血液浄化後の透析液で るろ液が蓄えられる容器である。ろ液パッ 54は、請求の範囲に記載の「容器」に相当す る。

 本実施の形態では、プライミング液と補 と透析液とは同じ液体であるとする。第1給 液パック50から供給された給液は、第2給液パ ック52に一旦蓄えられた後に、他の血液浄化 路に供給される。そして、血液浄化中には 第2給液パック52に蓄えられている給液が補 および透析液として利用され、また、血液 化後のろ液は、ろ液パック54に蓄えられる

 これにより、例えば、施術中の第2給液パ ック52およびろ液パック54の正確な重量を計 することができる。制御部49がこれらの計測 結果を取得することにより、血液浄化の進行 状況や補液として患者の体内に取り込まれた 量に基づく自動制御を実現することが可能と なる。

 ろ過器56は、血液を浄化する器具である 本図に示すろ過器56では、円筒の上部に設け られている血液流入口から血液が流入し、円 筒の下部に設けられている血液返血口から血 液が返血される。また、円筒横の下部に設け られている透析液流入口から透析液が流入し 、円筒横の上部に設けられている透析液排出 口から血液を浄化した後の透析液、すなわち 、ろ液が排出される。

 本図では、ろ過器56中の点線の内部は血 の流路である中空糸の内部を、点線の外側 透析液の流路である中空糸の外部を、それ れ模式的に示す。ろ過器56の点線の内部は血 液回路の一部であり、血液入口から血液出口 の方向が順方向となる。また、ろ過器56の点 の外部は給液回路の一部であり、透析液入 から透析液出口の方向が順方向となる。

 返血チャンバ58は、ろ過器56側から排出さ れる血液中の気泡をトラップするとともに、 返血に補液が混入される部位である。この返 血チャンバ58は、請求の範囲に記載の「第2の チャンバ」に相当する。

 リサーキュレーション・チャンバ60は、 サーキュレーション時に、プライミング後 血液回路内やろ過器内に残存している気泡 トラップするチャンバである。ここで、「 サーキュレーション」とは、血液浄化回路 のプライミング液の充填が完了してから、 者に施術するまでの間に、血液回路中にプ イミング液を循環させることをいう。

 これらのチャンバは、順方向に流れる液 中の気泡はトラップするが、逆方向ではト ップできない。したがって、先ず逆方向に 体を流すことにより、チャンバ内にある空 を全て排除して、チャンバをプライミング る。その後、順方向にプライミング液を循 させて、循環中に発生する微小気泡も除去 ることができる。

 給液分岐管62は、給液を、透析液と補液 に分離する分岐管である。

 急速補液分岐管64は、患者から取り出し 血液に、急速に補液などを混入させる分岐 である。

 抗凝固分岐管66は、患者から取り出した 液に抗凝固剤を混入させる分岐管である。

 脱血側継ぎ手68aと脱血側継ぎ手68bとは、 脱可能な継ぎ手部材である。プライミング には、本図に示すように、脱血側継ぎ手68a 脱血側継ぎ手68bとが繋がれる。

 施術時には、脱血側継ぎ手68aと脱血側継 手68bとは取り外される。そして、施術時の 血側継ぎ手68aには、脱血側継ぎ手68bに代え 、患者から血液を取り出すための器具が取 付けられる。脱血側継ぎ手68aに取り付けら る器具の一例として、患者に穿刺される針 ある。患者の血液は、針のような器具を通 て、血液浄化回路に取り込まれる。

 返血側継ぎ手70aと返血側継ぎ手70bとは、 脱可能な継ぎ手部材である。プライミング には、本図に示すように、返血側継ぎ手70a 返血側継ぎ手70bとが繋がれる。

 施術時には、返血側継ぎ手70aと返血側継 手70bとは、取り外される。そして、施術時 返血側継ぎ手70aには、返血側継ぎ手70bに代 て、患者の体内に血液を戻すための器具が り付けられる。返血側継ぎ手70aに取り付け れる器具の一例として、患者に穿刺される がある。浄化された血液は、その針を通し 、患者の体内に戻される。

 このように、脱血側継ぎ手68aと返血側継 手70aとには、施術時とプライミング時とで り付けられる器具が異なる。そのため、脱 側継ぎ手68aは、脱血側継ぎ手68bと、患者か 血液を取り出すための器具とをともに着脱 能な形状をしている。また、返血側継ぎ手7 0bは、返血側継ぎ手70aと、患者の体内に血液 戻すための器具とをともに着脱可能な形状 している。

 このような形状をしている脱血側継ぎ手6 8aと返血側継ぎ手70aとを備えることにより、 液浄化制御装置および血液浄化回路の操作 は、プライミング後のリサーキュレーショ から、施術へ容易に移行することが可能に る。

 第1給液ライン72は、施術中に、第1給液パ ック50から第2給液パック52の方向に、給液を すラインである。また本図に示すように、 1給液ライン72は、その途中に給液バルブ30 取り付けられる。

 第2給液ライン74は、施術中に、第2給液パ ック52から給液分岐管62の方向に給液を流す インである。

 透析液ライン76は、施術中に、給液分岐 62からろ過器56の透析液入口の方向に、透析 を流すラインである。また、透析液ライン7 6は、途中に、透析ポンプ22が取り付けられる 部位である透析ポンプ取付部を有する。透析 ポンプ取付部には、本図に示すように、透析 ポンプ22が取り付けられる。

 ろ液ライン78は、ろ過器56の透析液出口か らろ液パック54の方向に、ろ液を流すライン ある。また、ろ液ライン78は、途中に、ろ ポンプ24が取り付けられる部位であるろ液ポ ンプ取付部を有する。ろ液ポンプ取付部には 、本図に示すように、ろ液ポンプ24が取り付 られる。このろ液ライン78は、請求の範囲 記載の「透析液排出ライン」に相当する。

 廃液ライン80は、施術によりろ液パック54 に蓄えられたろ液を廃棄するラインである。 また、廃液ライン80は、途中に、ろ液バルブ3 2が取り付けられる部位であるろ液バルブ取 部を有する。ろ液バルブ取付部には、本図 示すように、ろ液バルブ32が取り付けられる 。

 ろ液バルブ32は、施術時に、閉められて り、廃液ライン80にろ液は流れない。施術後 に、ろ液バルブ32が開けられ、ろ液パック54 ら開放端の方向に、ろ液が流れる。このろ が流れる方向を、廃液ライン80の「順方向」 とする。

 補液ライン82は、施術中に、給液分岐管62 から返血チャンバ58の方向に、補液を流すラ ンである。この補液ライン82は、請求の範 に記載の「連絡ライン」に相当する。この うに、返血ラインに注液する補液ライン82を 備えることにより、ろ過器56を施術時に異な 位置に配置または変更しなくてもすむ。

 また、補液ライン82は、途中に、補液ポ プ26を取り付ける部位である補液ポンプ取付 部を有する。本図に示すように、補液ポンプ 取付部には補液ポンプ26が取り付けられる。

 第1脱血ライン84は、施術中に、脱血側継 手68aから抗凝固分岐管66の方向に、浄化前 血液が流れるラインである。

 プライミング液排出(急速補液)ライン86は 、開放された排出口を一端に有し、プライミ ング時に、回路中の空気およびプライミング 液を排出口から排出するラインである。プラ イミング液排出(急速補液)ライン86は、施術 に、浄化中の血液に急速に補液を補う必要 あるときに、その補液を流すラインでもあ 。すなわち、施術時には、急速補充用の補 パック(図示しない)と、急速補液分岐管64と つなぐラインである。補液パック(図示しな い)から急速補液分岐管64の方向に、補液が流 れる。プライミング時には、プライミング液 の廃棄ラインとなり、一端は急速補液分岐管 64に繋がれ、他端は開放されている。

 また、プライミング液排出(急速補液)ラ ン86は、途中に、プライミング液排出バルブ 36を取り付ける部位であるプライミング液排 バルブ取付部を有する。本図に示すように プライミング液排出バルブ取付部にはプラ ミング液排出バルブ36が取り付けられる。

 第2脱血ライン88は、施術中に、急速補液 岐管64から抗凝固分岐管66の方向に、浄化前 の血液を流すラインである。また、第2脱血 イン88は、途中に、血液ポンプ20が取り付け れる部位である血液ポンプ取付部を有する 血液ポンプ取付部には、本図に示すように 血液ポンプ20が取り付けられる。

 第3脱血ライン89は、施術中に、抗凝固分 管66からろ過器56の血液入口の方向に、浄化 前の血液を流すラインである。

 抗凝固剤(バイパス)ライン90は、プライミ ング時に、ろ過器56に過剰な圧力がかかるこ を防止するように、ろ過器56の血液入口側 接続されるラインとろ過器56の血液返血口側 に接続されるラインとを短絡するラインであ る。この抗凝固剤(バイパス)ライン90は、請 の範囲に記載の「バイパスライン」に相当 る。

 ろ過器56に流すプライミング液の流量は ポンプの稼働により制御される。

 本実施の形態では、補液ポンプ26がろ過 56にプライミング液を送り込み、血液ポンプ 20がろ過器56からプライミング液を吸い出す ポンプの稼働には、誤差やムラなどがある そのため、補液ポンプ26がプライミング液を 送り込む流量または圧力を、血液ポンプ20が ライミング液を吸い出す流量または圧力よ 大きくする。このようにポンプを制御する とにより、ろ過器56にプライミング液を滞 なく流すことができ、ろ過器56のプライミン グが可能になる。

 また、ポンプの稼働の誤差やムラのため ろ過器56には過剰な圧力がかかる場合があ 。過剰な圧力は、ろ過器56の中空糸にダメー ジを与え、リーク等が生じる恐れがある。プ ライミングを阻害する。そこで、プライミン グ時に、流路抵抗が大きいラインで血液回路 を短絡させるバイパスにより、ろ過器56に過 な圧力がかかることを防止することができ より確実なプライミングが可能になる。

 流路抵抗の大きいラインは、他のライン 形成する管よりも、その径が細い管により 現できる。また、施術時の抗凝固剤ライン 、一般に、他のラインを形成する管よりも い。

 このような抗凝固剤(バイパス)ライン90は 、施術中には、一端に取り付けられた抗凝固 剤注入装置(図示しない)から抗凝固分岐管66 、抗凝固剤を流すラインとなる。具体的に 、施術時に取り付けられる抗凝固剤注入装 は、プライミング時に、リサーキュレーシ ン・チャンバ60の流出側に取り付けられる抗 凝固剤(バイパス)ライン90の一端に、取り付 られる。

 ここで、抗凝固剤注入装置とは、血液回 に抗凝固剤を注入する装置であり、具体的 は、ヘパリン添加溶液を収容されたシリン や、そのシリンジのセットされたシリンジ ポンプなどである。

 一般に、抗凝固剤を投入するためのライ は、血液や給液が流れるラインを形成する に比べて、その内径が3分の1程度の管によ 形成される。そのため、プライミング時の イパスラインは、施術時の抗凝固剤(バイパ )ライン90として利用することができる。し がって、血液浄化時に抗凝固剤を投入する めの新たなラインを追加するなど、血液浄 回路をさらに複雑にすることなく、ろ過器5 6のプライミングを効率的にすることが可能 なる。

 第1返血ライン92は、施術中に、ろ過器56 血液出口から返血チャンバ58の流入口に、血 液を流すラインである。

 第2返血ライン94は、施術中に、返血チャ バ58の返血口から返血側継ぎ手70aの方向に 血液を流すラインである。また、第2返血ラ ン94は、途中に、返血バルブ34が取り付けら れる部位である返血バルブ取付部を有する。 返血バルブ取付部には、本図に示すように、 返血バルブ34が取り付けられる。

 第1循環ライン96は、プライミング時に、 血側継ぎ手68bからリサーキュレーション・ ャンバ60の流入口の方向に、プライミング を流すラインである。血液浄化時には取り けられていない部位である。第1循環ライン9 6については、脱血側継ぎ手68bからリサーキ レーション・チャンバ60の流入口の方向を、 順方向とする。

 第2循環ライン98は、プライミング時に、 サーキュレーション・チャンバ60の返血口 ら返血側継ぎ手70bの方向に、プライミング を流すラインである。第1循環ライン96は、 液浄化時には取り付けられていない部位で る。第2循環ライン98については、リサーキ レーション・チャンバ60の返血口から返血側 継ぎ手70bの方向を、順方向とする。

 これまでに説明した本実施の形態の血液 化回路では、血液回路は、「脱血ライン」 、ろ過器56の内側と、「返血ライン」と、 ライミング液排出(急速補液)ライン86と、抗 固剤(バイパス)ライン90とから構成される。

 「脱血ライン」は、脱血側継ぎ手68aと、 1脱血ライン84と、急速補液分岐管64と、第2 血ライン88と、抗凝固分岐管66と、第3脱血 イン89とから、構成される。

 「返血ライン」は、第1返血ライン92と、 血チャンバ58と、第2返血ライン94と、返血 継ぎ手70aとから、構成される。

 また、給液回路は、第1給液パック50と、 1給液ライン72と、第2給液パック52と、第2給 液ライン74と、補液ライン82と、透析液ライ 76と、ろ過器56の外側と、ろ液ライン78と、 液パック54と、廃液ライン80とから、構成さ る。なお、補液ライン82は、血液回路に備 られていてもよい。

 さらに、循環回路は、脱血側継ぎ手68bと 第1循環ライン96と、リサーキュレーション チャンバ60と、第2循環ライン98と、返血側 ぎ手70bとから、構成される。このような循 回路は、請求の範囲に記載の「循環ライン に相当する。また、リサーキュレーション チャンバ60は、請求の範囲に記載の「第1の ャンバ」および「チャンバ」に相当する。

 また、本図に示す、廃液タンク100と、廃 タンク102とは、プライミング時に、回路の 放端から流出するプライミング液を溜める ンクである。

 以上が、本実施の形態に係る血液浄化回 の構成である。

 このように、複雑な回路をプライミング るには、その手順も複雑になる。そのため マニュアル操作でプライミングすると、手 がかかるだけでなく、操作ミスの危険があ 。自動プライミングモードを備えることに って、操作者の手間や操作ミスの危険を抑 ることができ、安全な血液浄化のためのプ イミングを確実に実行することが可能にな 。

 このような、自動プライミングの手順に いて、図3から図15までを参照して、説明す 。

 図3は、本発明の一実施の形態に係るプラ イミング時の血液浄化回路の構成と、血液浄 化制御装置10のポンプ、バルブおよび圧力セ サの位置関係を、簡略化して示す図である 本図の矢印は、各ラインの順方向を示す。

 本図では、図2に示した圧力センサを省略 している。また、本図では、図2と対応する 部位について同一の番号を付している。そ ため、各部位に関する、ここでの説明は省 する。また、リサーキュレーション・チャ バ60は、本図では図を簡単にするため横向き に置かれているが、実際には、リサーキュレ ーション・チャンバ60の流入口側(第1循環ラ ン96に接続されている側)が鉛直上方となる うに、血液浄化制御装置10に取り付けられる 。

 図4は、本実施の形態において、自動プラ イミングモードが選択された場合に、血液浄 化制御装置10が実行する自動プライミングの 順を示すフローチャートである。

 本図は、操作者によって入力部12に入力 れた自動プライミングモードの選択を、血 浄化制御装置10のモード受付部16が受け付け 場合に、制御方法記憶部48から自動プライ ングモード情報48aを読み出し、読み出した 動プライミングモード情報48aを実行する制 部49が、血液浄化制御装置10が備える各ポン および各バルブを制御する手順を示す。

 また、図5は、本実施の形態のプライミン グ時の各手順での回路の状態をまとめて示す 図である。さらに、図6から図15までは、プラ イミング時の各手順での回路の状態を示す回 路構成図である。

 以下、図4に示す各手順について説明する とともに、図5から図15までを参照して、各手 順での対応する回路の状態を説明する。

 初期状態において、血液浄化制御装置10 は、図2および図3に示すような状態で血液浄 化回路が取り付けられており、プライミング 液は第1給液パック50のみに蓄えられているこ ととする。また、図5の初期状態に示すよう 、血液浄化制御装置10のすべてのポンプの稼 働が停止し、すべてのバルブが開放している こととする。

 制御部49は、給液バルブ30と、返血バルブ 34を開く(S1)。これにより、血液浄化回路の状 態は、図5に示す状態1となり、第1給液ライン 72と、第2給液パック52とにプライミング液(以 下、プライミングの手順の説明では、単に「 液体」という。)が充填される。具体的な血 浄化回路の状態は、図6に示す状態になる。 のように、返血バルブ34を開くステップは 返血ラインを開くステップであり、請求の 囲に記載の「第4ステップ」に相当する。

 ここで、図6は、本実施の形態に係る血液 浄化回路のプライミング時の状態のうち、状 態1を示す図である。図6において、回路構成 にハッチングが施されている部分は、液体 充填されていること、すなわちプライミン された部分を示す。また、ハッチングが施 れていない部分は、液体が未だ充填されて ないこと、すなわちプライミングされてい い部分を示す。また、図6において、ハッチ ングが施されているバルブは閉じた状態であ ることを示し、ハッチングが施されていない バルブは開いた状態であることを示す。

 回路およびバルブに施されているハッチ グは、図7から図15までについても、同様の 態を示す。そのため、各図でのこれらのハ チングに関する説明は省略する。

 さらに、図6においては、すべてのポンプ にハッチングが施されていない。これは、す べてのポンプが停止していることを示す。図 7から図15までについても、同様に、停止して いるポンプにはハッチングが施されておらず 、稼働しているポンプにはハッチングが施さ れている。ポンプのハッチングに関してはこ こで説明したため、各図での説明は省略する 。

 ここから、図4に戻る。

 制御部49は、透析ポンプ22を稼働させる(S2 )。これにより、血液浄化回路の状態は、図5 示す状態2となり、第2給液ライン74と、透析 液ライン76と、ろ過器56の外側(給液回路を構 する部分)とに液体が充填される。具体的な 血液浄化回路の状態は、図7に示す状態にな 。このように、透析ポンプ22を稼動させるス テップは、ろ過器56の透析液流入口からプラ ミング液を送り込むステップであり、請求 範囲に記載の「第6ステップ」に相当する。

 制御部49は、ろ液ポンプ24を稼働させる(S3 )。これにより、血液浄化回路の状態は、図5 示す状態3となり、ろ液ライン78に液体が充 される。具体的な血液浄化回路の状態は、 8に示す状態になる。このように、ろ液ポン プ24を稼動させるステップは、図5に示すよう にろ過器56の透析回路部分にプライミング液 充填された後に、ろ過器56の透析液排出口 らプライミング液を吸い出すステップであ 、請求の範囲に記載の「第7ステップ」に相 する。

 このように、透析ポンプ22を稼働させ(S2) 図7に示すように前記ろ過器の透析回路部分 にプライミング液が充填された後に、ろ液ポ ンプ24を稼働させる(S3)制御部49は、請求の範 に記載の「第3制御手段」に相当する。

 制御部49は、透析ポンプ22とろ液ポンプ24 停止させ、補液ポンプ26を稼働させ、給液 ルブ30を閉める(S4)。これにより、血液浄化 路の状態は、図5に示す状態4となり、補液ラ イン82に液体が充填される。具体的な血液浄 回路の状態は、図9に示す状態になる。この ように、返血バルブ34が開いた状態で、補液 ンプ26を稼働させる制御部49は、請求の範囲 に記載の「第2制御手段」に相当する。また 補液ポンプ26を稼動させるステップは、請求 の範囲に記載の「第2ステップ」に相当する

 以上で、ろ液パック54を除く、給液回路 プライミング液が充填される。続けて、血 回路のプライミングが開始される。

 補液ライン82に液体が充填され、返血チ ンバ58の給液の流入口にまで液体が到達する と、制御部49は、プライミング液排出バルブ3 6を開く(S5)。これにより、血液浄化回路の状 は、図5に示す状態5となり、第2返血ライン9 4と、第2循環ライン98と、リサーキュレーシ ン・チャンバ60と、第1循環ライン96と、第1 血ライン84と、プライミング液排出(急速補 )ライン86とに液体が充填される。具体的な 液浄化回路の状態は、図10に示す状態になる 。ここで、返血チャンバ58には順方向に液体 流れるため、この時点で返血チャンバ58に 体が流れ込むものの、返血チャンバ58には、 空気が残っている。

 制御部49は、血液ポンプ20を血液浄化時と は逆方向に稼働させ、返血チャンバ58から空 が全て除去され、さらに第2脱血ライン88が で充填された時点で、返血バルブ34を閉め (S6)。これにより、血液浄化回路の状態は、 5に示す状態6となり、返血チャンバ58と、第 1返血ライン92と、ろ過器56の内側(血液回路を 構成する部分)と、第3脱血ライン89と、第2脱 ライン88とに液体が充填される。具体的な 液浄化回路の状態は、図11に示す状態になる 。このように、補液ポンプ26が稼働した状態 、返血バルブ34を閉め、血液ポンプ20を稼働 させる制御部49は、請求の範囲に記載の「第1 制御手段」に相当する。

 また、返血バルブ34を閉めるステップは 返血ラインを閉じるステップであり、請求 範囲に記載の「第1ステップ」に相当する。 た、血液ポンプ20を血液浄化時とは逆方向 稼動させるステップは、ろ過器56に送り込ま れたプライミング液を前記脱血ラインに吸い 出すステップであり、請求の範囲に記載の「 第3ステップ」に相当する。

 図11に示すように、返血チャンバ58の返血 口に接続されている返血バルブ34を閉じるこ により、補液ライン82から流れ込むプライ ング液は返血チャンバ58の鉛直下方から全体 に充填される。また、このように設けられて いる返血バルブ34を閉じることにより、ろ過 56の内側に液体を逆方向に流すことが可能 なる。

 また、血液ポンプ20は第3脱血ライン89の 量を調整し、補液ポンプ26は第1返血ライン92 の流量を調整する。第3脱血ライン89の流量と 、第1返血ライン92の流量とが同一であれば、 ろ過器56の内側を流れる液体にかかる圧力を えることができるが、実際にはポンプによ 圧力の誤差やムラなどのため、両者の流量 ポンプの制御のみによって同じにすること 困難である。そのため、抗凝固剤(バイパス )ライン90が無い場合には、第3脱血ライン89の 流量と、第1返血ライン92の流量との差のため にろ過器56にかかる過剰な圧力がかかる。抗 固剤(バイパス)ライン90はそのような圧力を 逃がすことができる。

 したがって、液体のバイパスラインとな 抗凝固剤(バイパス)ライン90によって、ろ過 器56にかかる圧力を低下させることができる そのため、ろ過器56の内側(血液回路部分)を より確実にプライミングすることが可能にな る。

 ここから、図4の説明に戻る。

 廃液タンク102に液体が廃棄された後に、 御部49は、血液ポンプ20を停止させる(S7)。 れにより、血液浄化回路の状態は、図5に示 状態7となり、抗凝固剤(バイパス)ライン90 液体が充填される。すなわち、抗凝固剤(バ パス)ライン90が確実にプライミングされる 具体的な血液浄化回路の状態は、図12に示 状態になる。

 以上で、血液回路のすべてにプライミン 液が充填される。続けて、給液回路の中で プライミングが未完了であるろ液パック54 プライミングを開始する。

 制御部49は、補液ポンプ26を停止させ、透 析ポンプ22とろ液ポンプ24を稼働させ、返血 ルブ34を開き、プライミング液排出バルブ36 閉める(S8)。これにより、血液浄化回路の状 態は、図13に示す状態8となり、ろ液パック54 液体が蓄積される。このように、ろ液ポン 24を稼動させるステップは、ろ過器56の透析 液返血口から吸い出されたプライミング液を ろ液パック54に送り込むステップであり、請 の範囲に記載の「第8ステップ」に相当する 。

 以上で、血液浄化回路のすべてにプライ ング液が充填される。

 制御部49は、透析ポンプ22とろ液ポンプ24 停止させ、ろ液バルブ32を開く(S9)。これに り、血液浄化回路の状態は、図14に示す状 9となり、ろ液パック54に蓄積された液体の 部が廃液タンク100に廃棄される。このよう 、ろ液バルブ32を開き、ろ液パック54に蓄積 れた液体の一部を廃棄する制御部49は、「 4制御手段」に相当する。また、ろ液バルブ3 2を開くステップは、請求の範囲に記載の「 9ステップ」に相当する。

 施術時の血液浄化制御装置10は、第2給液 ック重量とろ液パック54の重量とにより、 化された血液の量を測定する。このように ろ液パック54の液体の一部を廃棄することに より、第2給液パック52の重量とろ液パック54 重量とのバランスが調整されるため、施術 のより正確な血液浄化量の計測が可能とな 。

 このように、本実施の形態の血液浄化回 では、血液回路および循環回路だけでなく 給液回路にも一連の手順において、プライ ング液を充填させることができる。さらに 一連の手順において、自動的に、第2給液パ ック52の重量とろ液パック54の重量とのバラ スが調整されるため、施術の準備のために 作者に要求される操作の負担をかけること く、安全な施術のための準備をすることが 能となる。

 制御部49は、血液ポンプ20を稼働させる(S1 0)。これにより、血液回路内をプライミング を循環させることにより、回路内に残存し いる空気を除くリサーキュレーションが行 れる。

 図15は、リサーキュレーション時の、本 施の形態に係る血液回路内のプライミング の流れを示す図である。図15に示すように、 本実施の形態に係る血液回路内をプライミン グ液が循環することにより、回路内に残存し ている空気は、リサーキュレーション・チャ ンバ60にトラップされる。このような、リサ キュレーションは施術開始まで継続される このように、血液ポンプ20を稼働させ、リ ーキュレーションを制御する制御部49は、請 求の範囲に記載の「リサーキュレーション制 御手段」に相当する。また、リサーキュレー ションは、環状である回路にプライミング液 を循環させるステップであり、請求の範囲に 記載の「第5ステップ」に相当する。

 本発明の血液浄化回路は、プライミング る際に血液回路を循環構造とするための循 回路に、リサーキュレーション・チャンバ 備える。このような血液浄化回路を取り付 た状態で、リサーキュレーション、すなわ 、血液回路内にプライミング液を循環させ ことにより、プライミング後になお血液回 内に残存している空気をリサーキュレーシ ン・チャンバにおいて捕捉し、収集するこ ができる。そして、リサーキュレーション チャンバを含む循環回路は、施術時には血 回路から取り外され廃棄されるため、リサ キュレーション・チャンバに収集された空 は、循環回路とともに廃棄される。

 したがって、循環回路にリサーキュレー ョン・チャンバを設けるだけで、プライミ グおよび施術という血液浄化に関連する一 の作業手順に、新たな手順を追加すること く、血液回路に残存している空気を除去す ことができる。したがって、操作者に負担 かけることなく、血液回路中の空気の除去 より確実にすることが可能となる。

 以上、本発明の一実施の形態について説 したが、本発明はこれに限定されるもので ない。

 例えば、実施の形態では、バイパスライ である抗凝固剤(バイパス)ライン90は、ろ過 器56にかかる圧力を低減させるため、脱血ラ ンを流れるプライミング液の圧力および返 ラインを流れるプライミング液の圧力の差 低減させるラインの一例として、ろ過器56 血液入口と血液ポンプ20との間に位置する抗 凝固分岐管66と、リサーキュレーション・チ ンバ60の排出口とをつなぐこととした。

 ろ過器56にかかる圧力を低減させるには バイパスラインの一端が、血液ポンプ20およ び補液ポンプ26によってろ過器56にかかる圧 を他のラインに逃がせばよい。ただし、バ パスラインは、リサーキュレーション時に 気が逆流しないように取り付けられる。

 血液回路と循環回路とにより形成される 状の回路は、返血バルブ34と血液ポンプ20と により、補液ライン82が接続される高圧側の インと、急速補液ラインが接続される低圧 のラインとに分かれる。バイパスラインは このような高圧側のラインと低圧側のライ とに接続される。

 すなわち、脱血ラインを流れるプライミ グ液の圧力および返血ラインを流れるプラ ミング液の圧力の差を低減させるラインと 、一端が、血液ポンプ取付部とろ過器56の 液入口との間、ろ過器56の血液出口と返血バ ルブ取付部との間(返血チャンバ58を含む)、 液ポンプ26と返血チャンバ58との間に接続し 他端が、脱血ラインの血液ポンプ20より上 側のライン、又は返血ラインの返血バルブ34 より下流側のラインのいずれかの部位に接続 していればよい。

 より具体的には、第1に、バイパスライン の一端が、血液ポンプ取付部とろ過器56の血 入口との間に接続する場合に、他端が、血 ポンプ取付部と脱血側継ぎ手68aとの間に接 し、他端が、循環ラインに接続し、返血バ ブ取付部と返血側継ぎ手70aとの間に接続し または、プライミング液排出(急速補液)ラ ン86に接続する場合がある。本発明の実施の 形態は、この場合に、他端が、循環ラインに 接続する一例である。

 第2に、バイパスラインの一端が、ろ過器 56の血液出口と返血バルブ取付部との間(返血 チャンバ58を含む)に接続し、他端が、血液ポ ンプ取付部と脱血側継ぎ手68aとの間に接続し 、他端が、循環ラインに接続し、返血バルブ 取付部と返血側継ぎ手70aとの間、または、プ ライミング液排出(急速補液)ライン86に接続 る場合がある。

 例えば、図16は、本発明の一変形例に係 血液浄化回路の構成を示す図であり、図16に 示す抗凝固剤(バイパス)ライン106は、返血チ ンバ58の流入口と、第1脱血ライン84とをつ ぐ。本変形例は、第2の場合に、他端が、血 ポンプ取付部と脱血側継ぎ手68aとの間に接 する一例である。

 第3に、バイパスラインの一端が、補液ポ ンプ26と返血チャンバ58との間に接続し、他 が、血液ポンプ取付部と脱血側継ぎ手68aと 間に接続し、他端が、循環ラインに接続し 返血バルブ取付部と返血側継ぎ手70aとの間 接続し、または、プライミング液排出(急速 液)ライン86に接続する場合がある。

 このようなバイパスラインは、施術中に 凝固剤を投入するためのラインとして転用 きるため、抗凝固剤の投入にふさわしい箇 を、その一端に選択すればよい。このよう 回路構成によっても、プライミング液を蓄 たパックを施術時に着脱することなく、一 の制御により、プライミングを自動的に実 することが可能である。

 バイパスラインの他端が接続するライン 、取り外しが容易な位置またはプライミン 液排出(急速補液)ライン86の排出口から離れ た位置が好ましい。

 取り外しが容易な位置の例がチャンバで る。バイパスラインの他端は、プライミン とリサーキュレーションの後に抗凝固剤注 装置を取り付けるために、ラインから取り される。そのため、取り外しが容易な位置 接続することにより、施術までの作業を容 にすることができる。

 また、プライミング液排出(急速補液)ラ ン86の開放端から離れた位置の例としては、 プライミング液排出(急速補液)ライン86以外 血液回路、すなわち、血液ポンプ取付部と 血側継ぎ手68aとの間、循環ラインの途中、 血バルブ取付部と返血側継ぎ手70aとの間が げられる。

 プライミング時、バイパスラインを通っ プライミング液は血液回路の一部を通った にプライミング液排出(急速補液)ライン86を 通って回路から排出される。そのため、バイ パスラインを通ったプライミング液は、血液 回路との接続口からプライミング液排出(急 補液)ライン86の開放端までを形成するライ のプライミングに利用される。したがって プライミング液排出(急速補液)ライン86の開 端から離れた位置とすることにより、プラ ミング液をより長いラインのプライミング 利用することができ、プライミング液を有 に利用することができる。

 (実施の形態2)
 本実施の形態の血液浄化制御装置は、図1に 示す実施の形態1の血液浄化制御装置10と同じ 機能構成を備え、図2および図3に示す実施の 態1と同じ回路構成である血液回路によるプ ライミングおよび患者の血液浄化を制御する 。

 本実施の形態の血液浄化制御装置と、実 の形態1の血液浄化制御装置10との違いは、 御方法記憶部48が記憶している自動プライ ングモード情報48aの内容、すなわち、血液 化制御装置10が備える制御部49がプライミン 時に実行する制御手順である。したがって 本実施の形態では、図17から図26までを参照 して、本実施の形態の血液浄化制御装置10が 行するプライミングの手順について説明す 。なお、本実施の形態の血液浄化制御装置1 0は、図19から図26に示すように抗凝固剤(バイ パス)ライン90に逆止弁37を備えている。

 図17は、本実施の形態において、自動プ イミングモードが選択された場合に、血液 化制御装置10が実行する自動プライミングの 手順を示すフローチャートである。

 本図は、操作者によって入力部12に入力 れた自動プライミングモードの選択を、血 浄化制御装置10のモード受付部16が受け付け 場合に、制御方法記憶部48から自動プライ ングモード情報48aを読み出し、読み出した 動プライミングモード情報48aを実行する制 部49が、血液浄化制御装置10が備える各ポン および各バルブを制御する手順を示す。

 また、図18は、本実施の形態のプライミ グ時の各手順での回路の状態をまとめて示 図である。さらに、図19から図26までは、プ イミング時の各手順での回路の状態を示す 路構成図である。

 以下、図17に示す各手順について説明す とともに、図18から図26までを参照して、各 順での対応する回路の状態を説明する。

 初期状態において、血液浄化制御装置10 は、図2および図3に示すような状態で血液浄 化回路が取り付けられており、プライミング 液は第1給液パック50のみに蓄えられているこ ととする。また、図18の初期状態に示すよう 、血液浄化制御装置10のすべてのポンプの 働が停止し、給液バルブ30とろ液バルブ32と 閉じ、返血バルブ34とプライミング液排出 ルブ36とが開放していることとする。具体的 な血液浄化回路の状態は、図19に示す状態で る。

 制御部49は、給液バルブ30を開く(S11)。こ により、血液浄化回路の状態は、図18に示 状態1となり、第1給液ライン72と、第2給液パ ック52とにプライミング液(以下、プライミン グの手順の説明では、単に「液体」という。 )が充填される。具体的な血液浄化回路の状 は、図20に示す状態になる。

 ここで、図20は、本実施の形態に係る血 浄化回路のプライミング時の状態のうち、 態1を示す図である。図20において、回路構 中にハッチングが施されている部分は、液 が充填されていること、すなわちプライミ グされた部分を示す。また、ハッチングが されていない部分は、液体が未だ充填され いないこと、すなわちプライミングされて ない部分を示す。また、図20において、ハッ チングが施されているバルブは閉じた状態で あることを示し、ハッチングが施されていな いバルブは開いた状態であることを示す。

 回路およびバルブに施されているハッチ グは、図21から図26までについても、同様の 状態を示す。そのため、各図でのこれらのハ ッチングに関する説明は省略する。

 さらに、図20においては、すべてのポン にハッチングが施されていない。これは、 べてのポンプが停止していることを示す。 21から図26までについても、同様に、停止し いるポンプにはハッチングが施されておら 、稼働しているポンプにはハッチングが施 れている。ポンプのハッチングに関しては こで説明したため、各図での説明は省略す 。

 ここから、図17に戻る。

 制御部49は、透析ポンプ22を20ミリリット /分で、ろ液ポンプ24を20ミリリットル/分で 補液ポンプ26を60ミリリットル/分で稼働さ 、返血バルブ34を閉じる(S12)。これにより、 液浄化回路の状態は、図18に示す状態2とな 、第2給液ライン74と、透析液ライン76と、 液ライン82とに液体が充填される。そして、 さらに返血チャンバ58にも液体が充填され始 る。具体的な血液浄化回路の状態は、図21 示す状態になる。このように、返血バルブ34 を閉め、補液ポンプ26を稼働させる制御部49 、請求の範囲に記載の「第1制御手段」に相 する。

 このステップ以降、給液バルブ30とろ液 ルブ32とは、計量センサからの測定結果に基 づいて独立に制御される。図18では、状態2か ら状態7までの給液バルブ30とろ液バルブ32と 開閉を「*」としており、それぞれが独立で 制御されることを示す。また、図22から図26 での血液浄化回路の状態を示す図では、給 バルブ30とろ液バルブ32とに点を施すことに り、それぞれが独立で制御されることを示 。

 制御部49は、透析ポンプ22とろ液ポンプ24 を停止させる(S13)。このとき、補液ポンプ26 は20ミリリットル/分で稼働しており、状態2 降の稼働を継続しているが、状態2よりその 出力を低下させている。これにより、血液 化回路の状態は、図18に示す状態3となり、 1返血ライン92と、ろ過器56の内側(血液回路 構成する部分)と、返血チャンバ58とに液体 充填される。具体的な血液浄化回路の状態 、図22に示す状態になる。このように、返 バルブ34を閉め、補液ポンプ26を稼働させる 御部49は、S12における制御を実行する制御 49と同様に、請求の範囲に記載の「第1制御 段」に相当する。

 制御部49は、血液ポンプ20を100ミリリット ル/分で稼働させる(S14)。このとき、補液ポン プ26は130ミリリットル/分で稼働しており、状 態3以降の稼働を継続し、状態3よりその送出 を増加させている。これにより、血液浄化 路の状態は、図18に示す状態4となり、第3脱 血ライン89と、第2脱血ライン88と、プライミ グ液排出(急速補液)ライン86と、抗凝固剤( イパス)ライン90とに液体が充填される。具 的な血液浄化回路の状態は、図23に示す状態 になる。このように、返血バルブ34を閉め、 液ポンプ26とともに血液ポンプ20を稼働させ る制御部49は、請求の範囲に記載の「第1制御 手段」に相当する。

 また、補液ポンプ26が送り出す流量は、 液ポンプ20が送り出す流量よりも大きい。補 液ポンプ26は第1返血ライン92の流量を調整し 血液ポンプ20は第2脱血ライン88の流量を調 する。そして、2つのポンプによってろ過器5 6の内側(血液回路部分)にかかる圧力は調整さ れるため、ろ過器56の内側にプライミング液 確実に充填することが可能になる。

 なお、抗凝固剤(バイパス)ライン90には、 液体がろ過器56からリサーキュレーション・ ャンバ60の方向のみに流れることのできる 止弁37が備え付けられている。このため、リ サーキュレーション・チャンバ60から抗凝固 (バイパス)ライン90に空気が流入してくるの を防ぐことができる。

 制御部49は、透析ポンプ22を140ミリリット ル/分で、ろ液ポンプ24を110ミリリットル/分 稼働させ、返血バルブ34を開く(S15)。このと 、血液ポンプ20は110ミリリットル/分で稼働 ており、状態4以降の稼働を継続し、状態4 りその送出力を増加させている。また、補 ポンプ26は140ミリリットル/分で稼働してお 、状態4以降の稼働を継続し、状態4よりその 送出力を増加させている。

 これにより、血液浄化回路の状態は、図1 8に示す状態5となり、第2返血ライン94と、第1 循環ライン96と、リサーキュレーション・チ ンバ60と、第2循環ライン98と、第1脱血ライ 84と、ろ過器56の外側(給液回路を構成する 分)と、ろ液ライン78とに液体が充填される 具体的な血液浄化回路の状態は、図24に示す 状態になる。

 このように、返血バルブ34が開いた状態 、補液ポンプ26を稼働させる制御部49は、請 の範囲に記載の「第2制御手段」に相当する 。

 またこのように、透析ポンプ22を稼働さ る制御部49、および透析ポンプ22とろ液ポン 24とを稼働させる制御部49は、それぞれ請求 の範囲に記載の「第3制御手段」に相当する

 透析ポンプ22とろ液ポンプ24とが同時に稼 働して、ろ過器56の外側をプライミングする 合、透析ポンプ22が送り出す流量は、ろ液 ンプ24が送り出す流量よりも大きい。透析ポ ンプ22はろ過器56の外側に送り込まれる流量 調整し、ろ液ポンプ24はろ過器56の外側から り出される流量を調整する。透析ポンプ22 方がろ液ポンプ24よりも多く送り出すことに より、ろ過器56外側に陽圧がかかる状態を維 することができる。したがって、ろ液ライ 78を介して空気がろ過器56の外側に取り込ま れることがない。また、返血バルブ34を開く とで、液体が返血チャンバ58から第2返血ラ ン94の方向に流れるため、第1返血ライン92 びろ過器56の内側の圧力が低下する。これに より、ろ過器56の外側の方が内側よりも圧力 高くなるため、ろ過器56の外側の液体が内 に流入する。この際に、ろ過器56の外側と内 側の間にある中空糸膜内に液体が流入するこ とで、中空糸膜内の空気を追い出すことがで きる。このように、ろ過器56内の空気を完全 追い出すことで、ろ過器56を確実にプライ ングすることが可能になる。

 制御部49は、血液ポンプ20と補液ポンプ26 を停止させる(S16)。このとき、透析ポンプ22 は130ミリリットル/分で稼働しており、状態5 降の稼働を継続しているが、状態5よりその 送出力を低下させている。また、ろ液ポンプ 24は100ミリリットル/分で稼働しており、状態 5以降の稼働を継続しているが、状態5よりそ 送出力を低下させている。これにより、血 浄化回路の状態は、図18に示す状態6となり ろ過器56の外側と、ろ液ライン78とに完全に 液体が充填され、ろ液パック54に液体が蓄積 れる。具体的な血液浄化回路の状態は、図2 5に示す状態になる。

 図25に示すように、このときの血液浄化 路では、ろ液バルブ32が開かれ、ろ液パック 54に蓄積された液体の一部が廃液タンク100に 棄される。このように、ろ液バルブ32を開 、ろ液パック54に蓄積された液体の一部を廃 棄する制御部49は、「第4制御手段」に相当す る。

 施術時の血液浄化制御装置10は、第2給液 ック重量とろ液パック54の重量とにより、 化された血液の量を測定する。このように ろ液パック54の液体の一部を廃棄することに より、第2給液パック52の重量とろ液パック54 重量とのバランスが調整されるため、施術 のより正確な血液浄化量の計測が可能とな 。以上で、血液浄化回路のすべてにプライ ング液が充填される。

 制御部49は、透析ポンプ22とろ液ポンプ24 を停止させ、血液ポンプ20を100ミリリット /分で稼働させ、プライミング液排出バルブ3 6を閉じる(S17)。これにより、血液回路内をプ ライミング液を循環させることにより、回路 内に残存している空気を除くリサーキュレー ションが行われる。

 図26は、実施の形態1における図15と同様 、リサーキュレーション時の、本実施の形 に係る血液回路内のプライミング液の流れ 示す図である。図26に示すように、本実施の 形態に係る血液回路内をプライミング液が循 環することにより、回路内に残存している空 気は、リサーキュレーション・チャンバ60に ラップされる。このような、リサーキュレ ションは施術開始まで継続される。このよ に、血液ポンプ20を稼働させ、リサーキュ ーションを制御する制御部49は、請求の範囲 に記載の「リサーキュレーション制御手段」 に相当する。

 本発明の血液浄化回路は、プライミング る際に血液回路を循環構造とするための循 回路に、リサーキュレーション・チャンバ 備える。このような血液浄化回路を取り付 た状態で、リサーキュレーション、すなわ 、血液回路内にプライミング液を循環させ ことにより、プライミング後になお血液回 内に残存している空気をリサーキュレーシ ン・チャンバにおいて捕捉し、収集するこ ができる。そして、血液浄化回路の脱血側 ぎ手68a、返血側継ぎ手70aがそれぞれ患者の 管に連絡され、リサーキュレーション・チ ンバを含む循環回路は、施術(血液浄化)時 は血液回路から取り外され廃棄されるため リサーキュレーション・チャンバに収集さ た空気は、循環回路とともに廃棄される。

 したがって、循環回路にリサーキュレー ョン・チャンバを設けるだけで、プライミ グおよび施術という血液浄化に関連する一 の作業手順に、新たな手順を追加すること く、血液回路に残存している空気を除去す ことができる。したがって、操作者に負担 かけることなく、血液回路中の空気の除去 より確実にすることが可能となる。

 なお、血液浄化処理の終了後、血液回路 廃棄することが必要になるが、このリサー ュレーション・チャンバを含む循環回路を に連結されていた血液回路に接続して廃棄 ることで、血液回路及び循環回路を廃棄す 際の液もれを防ぐことができる。

 本発明は、患者の血液を浄化するための ライミング操作を安全に且つ自動的に実行 ることが可能な、血液回路、血液浄化制御 置およびプライミング方法に適用できる。




 
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