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Title:
CATALYST FOR DECOMPOSITION OF DINITROGEN MONOXIDE AND METHOD FOR PROCESSING DINITROGEN MONOXIDE-CONTAINING GAS
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/081799
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a novel catalyst for decomposition of dinitrogen monoxide which enables to efficiently decompose and remove dinitrogen monoxide without containing an expensive component such as a noble metal. Also disclosed is a method for processing a dinitrogen monoxide-containing gas using such a catalyst. Specifically disclosed is a catalyst for decomposition of dinitrogen monoxide which contains a component A containing at least one element selected from group 2 elements (such as CaCO3), a component B containing at least one element selected from group 3, 4 and 14 elements (such as CeO2), and a component C containing nickel (namely, NiO).

Inventors:
KITAGUCHI SHINYA (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/074904
Publication Date:
July 10, 2008
Filing Date:
December 26, 2007
Export Citation:
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Assignee:
NIPPON CATALYTIC CHEM IND (JP)
KITAGUCHI SHINYA (JP)
International Classes:
B01J23/78; B01D53/94
Foreign References:
US5705136A1998-01-06
JPS49102591A1974-09-27
JP2005262180A2005-09-29
JP2002537970A2002-11-12
JP2007152263A2007-06-21
Attorney, Agent or Firm:
HATTA & ASSOCIATES (11-9Nibancho, Chiyoda-k, Tokyo 84, JP)
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Claims:
 2族元素から選ばれる少なくとも1種を含むA成分と、3族、4族および14族元素から選ばれる少なくとも1種を含むB成分と、また、ニッケル元素を含有するC成分とを触媒成分として含有する亜酸化窒素分解用触媒。
 前記亜酸化窒素分解用触媒を550~650℃で40~60時間熱エージング処理した後の前記触媒中の前記C成分における酸化ニッケル(NiO)の結晶子径は、1nm以上~50nm以下である請求項1記載の亜酸化窒素分解用触媒。
 前記B成分/前記C成分の質量比(酸化物基準)が1/99~50/50である請求項1または2記載の亜酸化窒素分解用触媒。
 前記B成分の原料の化合物と前記C成分の原料の化合物とを実質的に均一に混合した後、前記A成分の原料の化合物を加えて調製してなる請求項1、2または3記載の亜酸化窒素分解用触媒。
 請求項1の亜酸化窒素分解用触媒を用いて亜酸化窒素含有ガスを処理することを特徴とする亜酸化窒素含有ガスの処理方法。
 前記亜酸化窒素含有ガスが、N 2 Oのほかに、NOとNO 2 を含有するガスである請求項5記載の亜酸化窒素含有ガスの処理方法。
 前記亜酸化窒素含有ガスを処理するにあたり、該ガスを請求項1ないし4のいずれか1項に記載の亜酸化窒素分解用触媒で処理した後、処理後のガスにアンモニアまたは尿素を添加して脱硝処理を行うことを特徴とする、請求項5または6に記載の亜酸化窒素含有ガスの処理方法。
Description:
亜酸化窒素分解用触媒および亜 化窒素含有ガスの処理方法

 本発明は、亜酸化窒素分解用触媒および 酸化窒素含有ガスの処理方法に関する。

 燃焼排ガスや化学プラントなどから排出さ る各種産業排ガス中に含まれる亜酸化窒素( N 2 O)は、成層圏で分解して一酸化窒素を生成し また高い温室効果を示すことから、その効 的な分解除去方法の開発が望まれている。 えば、アンモニアの接触酸化による硝酸製 プロセスにおいて亜酸化窒素が副生するこ が知られており、世界各地にある硝酸プラ トから発生する亜酸化窒素を分解除去でき ば地球温暖化の防止を促進することが可能 なる。

 そこで、亜酸化窒素を触媒に接触させて分 除去する方法として、酸化アルミニウムや 化ジルコニウムのような担体にパラジウム ニッケル、コバルトなどを担持した触媒を いる方法(特許文献1)、疎水性アルミナにル ニウムおよび/またはロジウムと酸化ジルコ ニウムなどとを担持した触媒を用いる方法( 許文献2)、また、酸化ロジウムや酸化コバル トと、マンガン化合物と、アルカリまたはア ルカリ土類金属化合物とを含有する触媒を用 いる方法(特許文献3)などが提案されている。

特開昭63-7826号公報

特開平6-142517号公報

特開平6-106027号公報

 本発明の目的は、亜酸化窒素を効率よく 解除去し得る新規な亜酸化窒素分解用触媒 およびこの触媒に亜酸化窒素を含むガスを 触させて亜酸化窒素を効率よく分解除去す 亜酸化窒素含有ガスの処理方法を提供する とにある。

 本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意研 を進めた結果、以下に示すA成分、B成分お びC成分を含有する亜酸化窒素分解用触媒を いることにより、上記目的を達成できるこ を見出し、本発明を完成するに至った。
A成分:2族元素から選ばれる少なくとも1種の 素
B成分:3族、4族および14族元素から選ばれる少 なくとも1種の元素
C成分:ニッケル元素よりなる
 すなわち、本発明の亜酸化窒素分解用触媒 、2族元素から選ばれる少なくとも1種を含 A成分と、3族、4族および14族元素から選ばれ る少なくとも1種を含むB成分と、また、ニッ ル元素よりなるC成分とを触媒成分として含 有するものである。

 本発明の亜酸化窒素含有ガスの処理方法 、上記亜酸化窒素分解用触媒を用いて亜酸 窒素含有ガスを処理することからなるもの ある。

 本発明に係る亜酸化窒素分解用触媒(以下 、単に「触媒」ということもある。)は、2族 素から選ばれる少なくとも1種を含むA成分 、3族、4族および14族元素から選択される少 くとも1種を含むB成分と、ニッケル元素よ なるC成分とを触媒成分として含有する。

 これにより、本発明の亜酸化窒素分解用 媒は、高性能であって、亜酸化窒素を高い 去率をもって分解除去することができる。 たがって、本発明の亜酸化窒素分解用触媒 用いることにより、亜酸化窒素含有ガスを 率よく浄化することができる。

 また、本発明の亜酸化窒素分解用触媒は 貴金属などの高価な金属成分を用いた従来 亜酸化窒素分解用触媒に匹敵する高い亜酸 窒素分解性能を示す。そのため本発明の亜 化窒素分解用触媒は、貴金属などの高価な 属成分を用いないので、安価である。

 本発明の亜酸化窒素分解用触媒を構成す A成分は、2族元素から選ばれる少なくとも1 、好ましくはMg、Ca、SrおよびBaから選ばれ 少なくとも1種、より好ましくはMgおよびCaか ら選ばれる少なくとも1種である。

 また、本発明の2族元素から選ばれる少な くとも1種を含むA成分は、当該元素の少なく も1種を含む単体、または化合物として本発 明の触媒に含まれてもよい。これら2族元素 ら選ばれる少なくとも1種を本発明に係る触 に含まれる態様、すなわちA成分は、特に限 定されるものではないが、酸化物、炭酸塩、 硫酸塩などとして本発明の触媒に含まれるこ とがより好ましい。A成分の作用効果の一つ して、触媒の耐熱性を向上させる機能を有 る。

 上記A成分の具体例としては、酸化マグネ シウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウ ム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸 カルシウム、酸化ストロンチウム、炭酸スト ロンチウム、硫酸ストロンチウム、酸化バリ ウム、炭酸バリウム、硫酸バリウムなどが挙 げられる。これらのうち、酸化マグネシウム 、酸化カルシウムおよび炭酸カルシウムがよ り好ましく、酸化マグネシウムおよび炭素カ ルシウムがさらにより好ましく、なかでも炭 酸カルシウムは触媒の耐熱性改善に効果が高 いため特に好ましい。炭酸カルシウムは、熱 に対して比較的安定であり、600℃程度の比較 的低温の反応条件で使用する場合は、触媒成 分中に炭酸カルシウムの形態で存在する。

 本発明の触媒中のA成分の含有量は、各元 素の酸化物基準で、亜酸化窒素分解用触媒の 全体の質量(100質量%)に対して10~89.9質量%、好 しくは50~79.5質量%である。10質量%未満では 耐熱性改善効果が十分でなく、一方、89.9質 %を超えると、C成分である酸化ニッケルの 有率が低下して高い亜酸化窒素分解効率が られ難くなる。

 なお、また本明細書における「酸化物基 」とは、一価の酸化物および二価の酸化物 含む酸化物換算であり、以下説明するB成分 、およびC成分の酸化物基準も同様である。

 本発明に係るB成分は、3族、4族および14 元素から選ばれる少なくとも1種、好ましく YやLa、Ce、Ndなどのランタノイド元素(3族)、 Ti、Zr(4族)、それに、Si、Sn(14族)から選ばれる 少なくとも1種、より好ましくはY、Ce、La、Zr よびSiから選ばれる少なくとも1種である。

 また、本発明の3族、4族および14族元素か ら選ばれる少なくとも1種を含むB成分は、当 元素を少なくとも1種含む単体、または化合 物として本発明の触媒に含まれてもよい。こ れら3族、4族および14族元素から選ばれる少 くとも1種を含む態様、すなわちB成分は、特 に限定されるものではないが、酸化物である のが好ましい。B成分は、その作用効果と一 として、C成分である酸化ニッケルの粒子成 を抑制する機能を有している。

 上記B成分の具体例としては、酸化イット リウム、酸化セリウム、酸化ランタン、酸化 ジルコニウムおよび酸化ケイ素を挙げること ができる。

 本発明の触媒中のB成分の含有量は、各元 素の酸化物基準で、亜酸化窒素分解用触媒の 全体の質量(100質量%)に対して0.1~30質量%、好 しくは0.5~20質量%である。含有量が0.1質量%未 満では、酸化ニッケルの粒子成長抑制効果が 十分得られなくなる。また、30質量%を超えて も、添加による効果はそれ以上得られない。

 本発明のニッケル元素を含むC成分は、ニッ ケル単体、またはニッケル化合物として本発 明の触媒に含まれてもよい。また、具体的に は、本発明のニッケル元素を含むC成分は、 成分に酸化ニッケル(NiO)が含まれていること が好ましく、酸化ニッケルがより好ましい。 酸化ニッケルはNiOであるが、NiOの機能を損な わない範囲で、Ni 3 O 4 、NiO 2 やその他のニッケル酸化物が含まれていても よい。さらに、酸化ニッケルは、他の金属酸 化物との混合物として存在しても、あるいは 、他の金属と固溶体または複合酸化物を形成 してもよい。

 本発明において「主成分に酸化ニッケル( NiO)が含まれている」とは、主成分として酸 ニッケル(NiO)を含むことをいい、酸化ニッケ ル(NiO)のみからなる、実質的に酸化ニッケル( NiO)からなる、の双方を含む概念である。場 によっては、触媒の特性を向上させるため 、酸化ニッケル(NiO)以外の元素が含まれてい てもよい。なお、実質的に酸化ニッケル(NiO) らなるとは、0.1~5質量%程度以下の不純物の 入が許容されることを意味する。例えば、 池材料向けのニッケル原料としてコバルト 亜鉛等を数%添加したものが販売されており 、これらを使用することも可能である。

 本発明の触媒中のC成分の含有量は、酸化 ニッケルとして、亜酸化窒素分解用触媒の全 体の質量(100質量%)に対して10~89.9質量%、好ま くは20~50質量%である。10質量%未満では、当 触媒の単位容積当りの性能が低くなり、所 の処理性能を得るためには、触媒の使用量 多くなって好ましくない。また、89.9質量% 超えると、A成分の含有量が少なくなり耐熱 改善の効果が十分得られなくなる。

 本発明の触媒中におけるA成分、B成分お びC成分の含有量は、上述のとおり、A成分:B 分(酸化物換算):C成分(酸化物換算)=10~89.9%:0.1 ~30%:10~89.9%(質量)(合計100%)である。

 本発明の触媒の形状は、特に制限される のではなく公知の形状であれば特に制限さ ることはなく、例えば、ペレット状、粉末 、タブレット状など挙げられる。

 本発明に係る触媒の全細孔容積は、0.1~0.5 cc/gが好ましく、0.15~0.4cc/gがより好ましく、0. 2~0.35cc/gが特に好ましい。

 本発明に係る触媒のBET比表面積は、3~200m 2 /gが好ましく、5~150m 2 /gがより好ましく、7~50m 2 /gが特に好ましい。

 上記のA成分、B成分およびC成分を含む本 明の触媒のなかでも、亜酸化窒素含有ガス 処理する際の温度範囲での熱履歴を経た後 、C成分である酸化ニッケル(NiO)の結晶粒子 凝集が少ない、すなわち、酸化ニッケル(NiO )の結晶子径が小さいものが、亜酸化窒素の 解性能などの点から好ましい。具体的には 550~650℃で40~60時間熱エージング処理後の前 触媒中の成分Cにおける酸化ニッケル(NiO)の 晶子径が1~50nm以下であるものが好ましく、55 0~600℃で40~48時間熱エージング処理後の前記 媒中の成分Cにおける酸化ニッケル(NiO)の結 子径が、15nm以上~45nm以下のものがより好ま い。

 上記「600℃で48時間熱エージング処理」 は、触媒サンプルを電気炉内に置き、空気 囲気下、600℃で48時間のエージング処理に供 することを意味する。エージング処理後、サ ンプルを取り出し、粉末X線回折分析を行い 回折パターンから、酸化ニッケル(NiO)の結晶 子径をシェラー(scherrer)の式にしたがって求 る。

 上記熱エージング処理後の酸化ニッケル 結晶子径が50nm以下となる触媒は、例えば、 B成分とC成分との割合(酸化物の質量基準)を1/ 99~50/50とすることにより得られる。したがっ 、本発明の触媒において、B成分/C成分の質 比(酸化物換算)は、好ましくは1/99~50/50であ 、より好ましくは10/90~30/70である。B成分の 合が少ないと、使用条件下において酸化ニ ケルの粒子成長を招き、その結果、触媒性 が低下しやすくなる。また、B成分の割合が 多いと、A成分やC成分の含有比率が低下する め、本発明の効果が得られ難くなる。

 本発明の触媒の調製工程について下記に すが、本発明の趣旨に反しない限り、下記 製方法に限定されるものではない。

 本発明に係るA成分、B成分およびC成分の 料の化合物(例えば粉末状の原料の化合物) 、適量の水と、さらに必要により成形助剤 どを十分に混合し、所望形状に成形した後 0.1~50時間、30~150℃で乾燥し、300~900℃、好ま くは400~700℃の範囲で1~10時間、空気中また 酸素雰囲気中で焼成する。この際、原料の 合物の一部、例えば、B成分およびC成分の原 料の化合物に水を所定量添加し(さらに必要 より成形助剤などを)、所望の形状に成形し 後、上記と同様の条件で乾燥、焼成するこ によってB成分およびC成分の各元素を含む 合体を調製した後に、A成分の原料の化合物 水とを当該複合物に所定量添加し、さらに 要により成形助剤などを添加して、所望形 に成形した後、上記と同様の条件で乾燥・ 成して本発明の触媒を調製してもよい。

 前述のとおり、B成分は、C成分の一例で る酸化ニッケルの粒子成長を抑制する効果 有していることから、酸化ニッケルの近傍 存在させることが好ましい。したがって、B 分の原料の化合物およびC成分の原料の化合 物を実質的に均一に混合するか、あるいは、 両者の固溶体を作製した後に、A成分の原料 混合し、上記の方法と同様にして、所望の 状に成形し、乾燥して、300~700℃、好ましく 400~600℃の範囲で焼成して調製するのが好ま しい。

 上記のように、B成分の原料の化合物とC成 の原料の化合物とを、予め均一混合物や固 体などとして複合させるのが好ましいが、 のような複合体(例えば複合物粉末)の調製方 法には特に制限はなく、一般に用いられてい る、物理混合法、含浸担持法、それに、噴霧 熱分解法、共沈法、均一沈殿法、表面析出法 、ゾルゲル法や固相反応法などを用いること ができる。具体的には、以下の方法が例示さ れる。
(1)B成分の原料の化合物およびC成分の原料の 合物を共に粉末状で十分混合し、700~1000℃ 焼成して複合体を調製する(方法1)。
(2)B成分の原料の化合物またはC成分の原料の 合物のどちらか一方を溶液として混合し、4 00~800℃で焼成して複合体を調製する(方法2)。
(3)B成分の原料の化合物およびC成分の原料の 合物のどちらも溶液として混合し、アルカ または酸の添加などにより、pHが5~9になる うに調製し加水分解反応によって共沈させ ろ過洗浄した後、400~800℃で焼成し複合体を 製する(方法3)。

 本明細書における「実質的に均一に混合 る」は、複合酸化物、緻密な混合酸化物、 たは固溶体を形成させるためであり、具体 には上記(方法1)~(方法3)の少なくとも一つの 方法や、上記各成分を剪断混練できるもの例 えば、押出機、バンバリーミキサー、ローラ ー、ニーダーなどを用いて混練する、または 当該剪断混練の後に焼成する方法をいい、混 練するための装置は、上記各成分を剪断混練 できるものであれば上記例示に限らず特に制 限はない。

 これらのなかでも、方法(2)および方法(3) 好適に用いられる。B成分の原料としては、 各元素の酸化物、水酸化物、炭酸塩などの固 体粉末として添加するより、塩化物、硝酸塩 、酢酸塩などの水溶性塩やゾル状物を用いて C成分と複合せしめて均一混合物や複合酸化 、あるいは固溶体を形成させるのがよい。

 上記方法(2)および方法(3)において、焼成 度は400~800℃が好ましく、より好ましくは500 ~700℃である。焼成温度が400℃未満では、粒 成長抑制効果が得られにくくなり、一方、 成温度が800℃を超えると、得られる複合体 比表面積が小さくなり好ましくない。

 上記アルカリは特に制限されることはな 、例えば、アンモニアなどを水に溶解させ 使用することができる。

 本発明に係る成形助剤としては、特に制 が無く公知のものを使用することができ、 えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレ グリコール、メチルセルロース、グリセリ 、澱粉等の有機結合剤等が挙げられる。

 本発明に係るA成分の原料の化合物は、上 記触媒の調製工程において、各元素(すなわ 、2族元素から選ばれる少なくとも1種の元素 )の硝酸塩、塩化物、水酸化物、酢酸塩を形 し得るものであればいずれでもよく、当該 元素の硝酸塩、塩化物、水酸化物、酢酸塩 どを用いることができる。例えば、硝酸塩 塩化物を加水分解して水酸化物を経たり、 るいは、そのまま添加して触媒成分調製工 で熱処理により酸化物となるものを用いて よい。さらに、前駆体として触媒成分調製 に存在せしめ、触媒成分の使用環境におい 、例えば、酸化物となる化合物もA成分の原 の化合物として用いることができる。具体 には、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウ 、硫酸マグネシウム、酸化カルシウム、炭 カルシウム、硫酸カルシウム、酸化ストロ チウム、炭酸ストロンチウム、硫酸ストロ チウム、酸化バリウム、炭酸バリウム、硫 バリウムなどが挙げられ、市販のものでも 成して用いてもよい。また、本発明に係るA 成分の原料の化合物は、A成分、B成分、およ C成分の原料の化合物の合計を100質量%とす と、10~89.9質量%添加することが好ましく、50~ 79.5質量%添加することがより好ましい。

 本発明に係るB成分の原料の化合物は、上 記触媒調製工程において、各元素(少なくと 3族、4族および14族元素から選ばれる少なく も1種の元素)の酸化物以外に、炭酸塩、水 化物、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩や ゾル状物などの酸化物の前駆体など、触媒 製工程において、酸化物となり得るもので ればいずれも使用することができる。具体 には、酸化イットリウム、酸化セリウム、 化ランタン、酸化ジルコニウムおよび酸化 イ素、硝酸ランタン六水和物、オキシ硝酸 ルコニウム二水和物、シリカゾル(日産化学 業株式会社製スノーテックスS)、硝酸セリ ム六水和物などが挙げられ、市販のもので 合成して用いてもよい。また、本発明に係 B成分の原料の化合物は、A成分、B成分、お びC成分の原料の化合物の合計を100質量%とす ると、酸化物換算で0.1~30質量%添加すること 好ましく、0.5~20質量%添加することがより好 しい。

 本発明に係るC成分の原料の化合物は、酸 化ニッケルのほかに、触媒調製工程において 、酸化ニッケルとなり得るものであればいず れも用いることができる。例えば、炭酸ニッ ケル、硝酸ニッケル、塩化ニッケル、水酸化 ニッケル、酢酸ニッケルなどを用いることが でき、市販のものでも合成して用いてもよい 。

 また、本発明に係るC成分の原料の化合物 は、A成分、B成分、およびC成分の原料の化合 物の合計を100質量%とすると、酸化物換算で10 ~89.9質量%添加することが好ましく、20~50質量% 添加することがより好ましい。

 また、本発明に係るA成分、B成分、およ C成分の原料の化合物の形状は特に制限され ものではなく、粉末状、粒子状、ペレット 、タブレット状など公知のものを使用する とができる。

 本発明において使用される亜酸化窒素分 用触媒は、A成分と、B成分と、C成分とを触 成分として含有するものであり、触媒成分 そのままペレット状やハニカム状に押し出 成形して三次元構造体としてもよく、耐火 三次元構造体上に前記触媒成分を塗布担持 てもよい。すなわち、本願発明に係る触媒 、本発明に係るA成分とB成分とC成分とから る触媒成分とを含有するものであり、他に 火性三次元構造体や耐火性無機酸化物を含 でもよい。

 本発明の触媒および耐火性三次元構造体 形状については特に制限はなく、円柱状、 ング状、球状、板状、ハニカム状、その他 体に成形されたものなど適宜選択すること できる。この触媒および耐火性三次元構造 の成形は、一般的な成形方法、例えば、打 成形法、押出成形法などによって行うこと できる。球状触媒の場合、その平均粒径は 通常、1~10mmである。ハニカム状触媒の場合 、いわゆるモノリス構造体と同様であり、 出成形法やシート状素子を巻き固める方法 どにより製造される。そのガス通過口(セル 形状)の形は6角形、4角形、3角形またはコル ーション形のいずれであってもよい。セル 度(セル数/単位断面)は、通常、25~800セル/平 インチ(×2.5cm)である。

 また、本発明の触媒は、上記のような形 から適宜選択した所定の形状を有する耐火 無機酸化物の上に担持して、使用してもよ 。この耐火性無機酸化物としては、この種 触媒の調製に一般に用いられている、例え 、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニ などのほかに、Si、Ti、Zrなどの2種以上から なる複合酸化物などを使用することができる 。

 上記触媒成分を被覆する耐火性三次元構 体としては、ハニカム構造体などの耐熱性 次元構造体が挙げられるが一体成型のハニ ム構造体が好ましく、例えば、モノリスハ カム構造体、メタルハニカム構造体、プラ ハニカム構造体等、また、三次元一体構造 ではなくても、ペレット構造体等も挙げる とができる。

 モノリス構造体としては、通常、セラミ クハニカム構造体と称されるものであれば く、特に、コージエライト、ムライト、α- ルミナ、ジルコニア、チタニア、リン酸チ ン、アルミニウムチタネート、ベタライト スポンジュメン、アルミノシリケート、マ ネシムシリケートなどを材料とするハニカ 構造体が好ましく、なかでもコージエライ 質のものが特に好ましい。その他、ステン ス鋼、Fe-Cr-Al合金などの酸化抵抗性の耐熱 金属を用いて一体構造体としたものが用い れる。

 本発明の触媒は、250~900℃、好ましくは350 ~700℃、より好ましくは400~600℃の範囲の反応 度で使用するのに適している。すなわち、 発明の亜酸化窒素分解用触媒は、250~900℃の 比較的低い温度範囲において、高い亜酸化窒 素分解性能を示す。本発明の触媒を用いるこ とにより、高価な白金族金属を用いなくても 、500℃以下の比較的低温でも亜酸化窒素を効 果的に分解することができる。また、通常の 酸化ニッケル系触媒は耐熱性に問題があって 、上記のような使用条件においては、粒子成 長を起こして、著しい熱劣化を招くが、本発 明の触媒においては、このような粒子成長を 効果的に抑制することができる。

 本発明の「600℃で48時間熱エージング処 」は、例えば、特に350~500℃の反応温度とな 硝酸プラントのテールガス処理を想定した 速耐久条件を考慮しており、600℃で48時間 エージング処理後における、酸化ニッケル(N iO)の結晶子径が50nm以下であれば、白金系触 に匹敵する優れた低温活性を維持すること できる。

 本発明の亜酸化窒素含有ガスの処理方法 は、上記説明した本発明の亜酸化窒素分解 触媒を用いて亜酸化窒素含有ガス中の亜酸 窒素を分解除去するものである。

 本発明に係る亜酸化窒素含有ガスとして 、流動層ボイラ、下水汚泥焼却炉等の固定 焼装置、乗用車やトラック等の輸送機関、 れに、アジピン酸、グリオキザール、硝酸 を製造する化学プラント等から排出される 酸化窒素含有ガスが挙げられる。

 本発明に係る亜酸化窒素含有ガス中の亜酸 窒素のガス濃度は、通常、0.01~10容量%であ 、好ましくは0.02~0.5容量%である。亜酸化窒 含有ガス中には、亜酸化窒素以外の成分と て、窒素、酸素、二酸化炭素、一酸化炭素 水、水素、アンモニア、NOx(NO、NO 2 )、SOxなどが含まれていてもよい。

 本発明の亜酸化窒素含有ガスの処理方法は 亜酸化窒素を直接窒素と酸素とに分解する のであり、炭化水素、一酸化炭素、水素や ンモニアのような還元剤を添加しなくても 酸化窒素含有ガスを処理することができる 反応温度は、250~900℃、好ましくは350~700℃ より好ましくは400~600℃である。また、空間 度(SV)は、1,000~50,000hr -1 、好ましくは2,000~20,000hr -1 である。さらに、反応圧は1~40bar、好ましく 1~20barである。

 本発明の亜酸化窒素分解用触媒は、NOx(NO、N O 2 )の共存下でも、優れた亜酸化窒素分解性能 示す。したがって、本発明の処理方法によ ば、亜酸化窒素と共にNOx(NO、NO 2 )を含むガス中の亜酸化窒素を効率よく分解 去できる。従来の亜酸化窒素分解用触媒で 、NOxが共存すると亜酸化窒素分解性能が低 することが知られており、通常、前処理でNO xを除去してから亜酸化窒素を処理する方法 選ばれていた。NOx存在下の亜酸化窒素分解 能の低下要因は明らかではないが、吸脱着 度の違いによる反応阻害やNOxから派生する 酸化窒素の副生等が考えられる。

 一般に亜酸化窒素分解反応は高温になる ど反応は促進されるのに対し、NOxのアンモ アによる選択的脱硝反応は温度が高くなる ど不利となるため、400℃以下、好ましくは3 00℃以下で処理される。したがって、従来の 段でNOxを除去してから亜酸化窒素を処理す 方法は熱効率的に好ましくない。例えば、 酸プラントのテールガスに適用する場合に5 00℃の排ガスを脱硝反応に適した温度に冷却 てから再び昇温して亜酸化窒素分解反応に した温度に昇温するというように非経済的 処理方法となっている。これに対し、本発 の触媒を用いると、亜酸化窒素を分解して らNOxを除去することができるため、亜酸化 素とNOxとを含む排ガスを熱効率的に有利に 理することができる。

 したがって、本発明の亜酸化窒素含有ガス 処理方法の一つは、亜酸化窒素とNOx(NO、NO 2 )とを含む排ガスを、本発明の触媒成分また 触媒に接触させて、排ガス中の亜酸化窒素 分解する工程、次に、処理後のガスにアン ニアまたは尿素を加えて、残存するNOx(NO、NO 2 )を分解除去(脱硝処理)する工程を含むことが 好ましい。亜酸化窒素分解工程での温度は、 250~900℃、好ましくは350~700℃、より好ましく 400~600℃であり、脱硝処理工程の温度は、150 ~500℃、好ましくは200~450℃、より好ましくは2 50~350℃である。

 排ガス中のNOとNO 2 との濃度比は、特に限定されず、NOx濃度とし て0.0001~0.5容量%であり、好ましくは0.3容量%以 下である。

 上記脱硝処理工程は、脱硝処理に一般に いられている条件下に実施することができ 。アンモニアの添加量は、アンモニア/NOxの モル比が0.3/1~3/1、好ましくは0.5/1~1.5/1の範囲 で適宜選択することができる。尿素の添加 はアンモニアのモル数の1/2であることが好 しい。脱硝触媒としては、チタニア、アル ナ、シリカ、ゼオライトなどの担体成分とV 、Cu、W、Mo、Feなどの酸化物とを組み合わせ ものを使用することができる。

 本発明の亜酸化窒素含有ガスの処理方法は 例えば、硝酸製造プラントのテールガスの 理に好適である。硝酸の製造には、原料の ンモニアを850℃以上の高温で接触酸化してN Oとし、さらに酸化してNO 2 変換してから吸収塔で水に吸収させて硝酸を 製造するプロセスが知られている。この硝酸 プラントのテールガスとは、硝酸を吸収させ た後のガスであり、テールガスは膨張タービ ンを経て外気に排出される。アンモニアを高 温で酸化する際に亜酸化窒素が副生する。硝 酸プラントのテールガスの代表的な組成は、 亜酸化窒素が0.03~0.35容量%、NOxが0.01~0.35容量% 酸素が1~4容量%、また、水が0.3~2容量%である 。なお、上記テールガスは、膨張タービンの 手前でプロセス熱交換により、ガスの温度は 350~500℃、圧力は4~11barとなっている。

 本発明の有利な実施態様を示している以下 実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説 する。
(実施例1)
 硝酸ランタン六水和物64gを水150gに溶解した 液を炭酸ニッケル400gに添加して混合し、150 で10時間乾燥した後、600℃で5時間空気雰囲 下で焼成してB成分/C成分の質量比(酸化物換 )が10/90の粉末状の複合体(a)を得た。得られ 複合体(a)200gと酸化マグネシウム800gとを、 量の水と成形助剤(澱粉)とを添加しつつ、ニ ーダーで混合した後、押出成形機で直径5mm、 長さ5mmのペレット状に成形し、150℃で3時間 燥してから500℃で2時間空気雰囲気下にて焼 して触媒(1)を得た。このペレット状触媒(1) 組成は、A成分/B成分/C成分(MgO/La 2 O 3 /NiO)=80:2:18(質量%)であった。
(実施例2)
 硝酸セリウム六水和物297gを水300gに溶解し 液を水酸化ニッケル600gに添加して混合し150 で10時間乾燥した後、600℃で5時間空気雰囲 下で焼成してB成分/C成分の質量比(酸化物換 算)が20/80の粉末状の複合体(b)を得た。得られ た複合体(b)500gと炭酸カルシウム500gとを、適 の水と成形助剤(澱粉)とを添加しつつ、ニ ダーで○~○時間混合した後、押出成形機で 径5mm、長さ5mmのペレット状に成形し150℃で3 時間乾燥してから500℃で2時間空気雰囲気下 て焼成して触媒(2)を得た。このペレット状 媒(2)の組成は、A成分/B成分/C成分(CaCO 3 /CeO 2 /NiO)=50:10:40(質量%)であった。
(実施例3~5)
 実施例2において、各成分の配合比を変更し た以外は実施例2と同様にして、表1に示す組 の触媒(3)~(5)を得た。
(実施例6、7)
 実施例2において、複合体(b)の焼成温度を400 ℃と700℃とに変更した以外は実施例2と同様 して、表1に示す組成の触媒(6)、(7)を得た。
(実施例8)
 実施例4において、硝酸セリウム六水和物の 代わりにシリカゾル(日産化学工業株式会社 スノーテックスS)を使用した以外は実施例4 同様にして、表1に示す組成の触媒(8)を得た
(実施例9)
 実施例2において、硝酸セリウム六水和物の 代わりにオキシ硝酸ジルコニウム二水和物を 使用した以外は実施例2と同様にして、表1に す組成の触媒(9)を得た。
(実施例10)
 硝酸ニッケル六水和物800gと硝酸セリウム六 水和物58gとを水2000gに溶解して撹拌しながら ンモニア水を徐々に滴下してpH=8に調整して 、そのまま一晩放置した。次に沈殿物をろ過 洗浄し150℃で10時間乾燥し700℃で5時間焼成し てB成分/C成分の質量比(酸化物換算)が10/90の 末状の複合体(c)を得た。以下、実施例4と同 にして、表1に示す組成の触媒(10)を得た。
(実施例11、12)
 実施例10において、B成分/C成分の質量比を 更して複合体を調製した以外は実施例10と同 様にして、表1に示す組成の触媒(11)および触 (12)を得た。
(比較例1)
 硝酸ニッケル六水和物を水に溶解したもの 酸化アルミニウム(α-Al 2 O 3 )とを、適量の成形助剤(澱粉)とを添加しつつ 、ニーダーでよく混合した後、押出成形機で 直径5mm、長さ5mmのペレット状に成形し150℃で 3時間乾燥してから500℃で2時間空気雰囲気下 て焼成して比較触媒(1)を得た。この比較触 (1)の組成は、Al 2 O 3 /NiO=80:20(質量%)であった。
(比較例2)
 比較例1において、硝酸ニッケル六水和物の 代わりに、炭酸ニッケルを450℃で焼成した粉 体を用いた以外は比較例1と同様にして、表1 示す組成の比較触媒(2)を得た。
(比較例3)
 比較例2において、酸化アルミニウムの代わ りに炭酸カルシウムを用いた以外は比較例2 同様にして、表1に示す組成の比較触媒(3)を た。この比較触媒(3)は、A成分とC成分とか なり、B成分を欠くものである。
(比較例4、5)
 比較例1において、硝酸ニッケル六水和物の 代わりに硝酸ロジウム水溶液または塩化パラ ジウム水溶液を用いた以外は比較例2と同様 して、表1に示す組成の比較触媒(4)、(5)を得 。
(結晶子径の測定)
 触媒(1)~(12)および比較触媒(1)~(3)を、電気炉 て600℃で48時間空気雰囲気で熱エージング 理を実施した後、X線回折法にて酸化ニッケ の結晶子径を測定した。熱エージング前新 触媒の結晶子径についても同様に測定し結 を表1に示した。
(性能評価方法)
 上記触媒(1)~(12)120mlを内径30mmのガラス製反 管に充填した。この触媒層に下記組成の合 ガスを下記条件下に導入した。
<合成ガス組成>
 亜酸化窒素(N 2 O):1000ppm、酸素(O 2 ):3容量%、水(H 2 O):1容量%、残り:窒素(N 2 )
<反応条件>
 処理温度:500℃、反応圧:5bar、空間速度(SV):2, 500hr -1
 上記合成ガスを導入してから1時間経過後、 上記触媒層の入口および出口における合成ガ ス中の亜酸化窒素(N 2 O)濃度を非分散赤外線式N 2 O計(日本サーモエレクトロン(株)製、Model 46C- HL)により測定し、次式に従ってN 2 O除去率を算出した。結果を表1に示す。

 同様にして電気炉で600℃で48時間熱処理 ージングした触媒についても前記反応条件 処理性能を測定し結果を表1に示した。

 本発明の触媒(1)~(12)は、比較触媒(1)~(3)と 較して、新品および熱処理加速エージング において優れた性能を有している。また、 価な白金族系触媒である比較触媒(4)、(5)と 較しても遜色ない性能である。

 次に、触媒(2)~(4)および比較触媒(4)、(5)に ついて前記反応条件で、合成ガスに窒素酸化 物(NO)を500ppm添加した以外は同様にして、窒 酸化物共存下の亜酸化窒素分解性能を測定 、結果を表2に示した。本発明の触媒(2)~(4)は 、比較例触媒(4)、(5)と比較して、NOx共存下に おいても良好な亜酸化窒素分解性能を有して いる。

 なお、本出願は、2006年12月26日に出願さ た日本国特許出願第2006‐349135号に基づいて り、その開示内容は、参照により全体とし 引用されている。

 本発明の亜酸化窒素分解用触媒および亜 化窒素含有ガスの処理方法は、汚泥焼却炉 の燃焼排ガスや硝酸製造プロセス等の化学 ラントから排出される亜酸化窒素を除去す のに用いることができる。