HAYASHI TAKAOMI (JP)
KITAGAWA HIDEO (JP)
YOSHIMURA NARITOSHI (JP)
SUZUKI TSUNEJI (JP)
HAYASHI TAKAOMI (JP)
KITAGAWA HIDEO (JP)
YOSHIMURA NARITOSHI (JP)
WO2006112000A1 | 2006-10-26 |
LUBINEAU, ANDRE. ET AL.: "Synthesis of polyhydroxylated cyclohexenyl sulfides and sulfoxides. Evaluation of their inhibitory activity on a- and beta-D-glucosidases", CARBOHYDRATE RESEARCH, vol. 320, no. 1-2, 1999, pages 49 - 60, XP004184162
See also references of EP 2266940A4
K. M. DRATHS; J. W. FROST, J. AM. CHEM. SOC., vol. 117, 1995, pages 2395 - 2400
KATSUMI KAKINUMA, TETRAHEDRON LETTERS, vol. 41, 2000, pages 1935 - 1938
C. A. HANSEN; J. W. FROST, J. AM. CHEM. SOC., vol. 124, 2002, pages 5926 - 5927
A. LUBINEAU; I. BILLAULT, CARBOHYDRATE RESEARCH, vol. 320, 1999, pages 49 - 60
Shinji Hayami (JP)
下記式(1) |
請求項1に記載のカテコールを製造する方法において、 下記式(2) |
請求項1または2に記載のカテコールを製造する方法において、 2-デオキシ-scyllo-イノソースを水素還元条件下加熱しながら反応させることにより(4S,5R,6S)-4,5,6-トリヒドロキシ-2-シクロヘキセン-1-オンを経由してカテコールを製造する方法。 |
請求項1乃至3いずれかに記載のカテコールを製造する方法において、 (4S,5R,6S)-4,5,6-トリヒドロキシ-2-シクロヘキセン-1-オンを水素還元条件下、加熱しながら反応させることによりカテコールを製造する方法。 |
請求項1乃至4いずれかに記載のカテコールを製造する方法において、 2-デオキシ-scyllo-イノソースを脱水して(4S,5R,6S)-4,5,6-トリヒドロキシ-2-シクロヘキセン-1-オンを製造し、さらに水素還元条件下、加熱しながら反応させることによりカテコールを製造する方法。 |
請求項1乃至5いずれかに記載のカテコールを製造する方法において、 (4S,5R,6S)-4,5,6-トリヒドロキシ-2-シクロヘキセン-1-オンを金属触媒存在下反応させることによりカテコールを製造する方法。 |
請求項6に記載のカテコールを製造する方法において、 前記金属触媒が白金属金属からなる群または鉄族金属からなる群から選択される金属を含む、カテコールを製造する方法。 |
請求項7に記載のカテコールを製造する方法において、 前記金属触媒がパラジウムを含む、カテコールを製造する方法。 |
請求項6乃至8いずれかに記載のカテコールを製造する方法において、 前記金属触媒に含まれる金属成分が活性炭、アルミナまたはゼオライトに担持されている、カテコールを製造する方法。 |
請求項1乃至9いずれかに記載のカテコールを製造する方法において、 (4S,5R,6S)-4,5,6-トリヒドロキシ-2-シクロヘキセン-1-オンを水溶液中反応させることによりカテコールを製造する方法。 |
請求項1乃至10いずれかに記載のカテコールを製造する方法において、 2-デオキシ-scyllo-イノソースからワンポットでカテコールを製造する方法。 |
請求項11に記載のカテコールを製造する方法において、 固体酸の存在下、2-デオキシ-scyllo-イノソースからカテコールを製造する方法。 |
請求項12に記載のカテコールを製造する方法において、 前記固体酸がゼオライト、活性白土及びナフィオン(登録商標)からなる群から選択される、カテコールを製造する方法。 |
請求項1に記載のカテコールを製造する方法において、 (4S,5R,6S)-4,5,6-トリヒドロキシ-2-シクロヘキセン-1-オンを水素で還元し、下記式(3) |
請求項14に記載のカテコールを製造する方法において、 2-デオキシ-scyllo-イノソースを加熱しながら脱水して(4S,5R,6S)-4,5,6-トリヒドロキシ-2-シクロヘキセン-1-オンとした後、金属触媒存在下、水素で還元して(2S,3R,4S)-2,3,4-トリヒドロキシシクロヘキサン-1-オンとしたのち、さらに加熱しながら脱水することでカテコールを製造する方法。 |
2-デオキシ-scyllo-イノソースを脱水して、(4S,5R,6S)-4,5,6-トリヒドロキシ-2-シクロヘキセン-1-オンを製造する方法。 |
(4S,5R,6S)-4,5,6-トリヒドロキシ-2-シクロヘキセン-1-オン。 |
(2S,3R,4S)-2,3,4-トリヒドロキシシクロヘキサン-1-オンを加熱しながら脱水反応させることでカテコールを製造する方法。 |
(4S,5R,6S)-4,5,6-トリヒドロキシ-2-シクロヘキセン-1-オンを水素で還元し、 (2S,3R,4S)-2,3,4-トリヒドロキシシクロヘキサン-1-オンを製造する方法。 |
下記式(4) |
本発明は、2-デオキシ-scyllo-イノソースか ら中間体(4S,5R,6S)-4,5,6-トリヒドロキシ-2-シク ヘキセン-1-オンを経由してカテコールを製 する新しい製法に関する。
カテコールは重合防止剤、医薬品、農薬 香料などの原料として、また酸化抑制剤や ム加硫剤として汎用的に用いられている物 であり、主にフェノールを過酸化水素で酸 することにより製造されている。しかし、 年の化石原料の高騰や枯渇の問題、温暖化 スとしての炭酸ガスの排出抑制の観点から 再生可能資源からの製造が切望されている
すでに様々な試みが行われており、例え 非特許文献1に有るように微生物によりD-グ コースからシキミ酸を経由して収率33%でカ コールを得る方法が知られている。
また非特許文献2に有るように、D-グルコー
から2-デオキシ-scyllo-イノソースを経由し、
酢酸中でヨウ化水素酸による還元的脱水反応
により収率59%でカテコールを得る方法が知ら
れている。
しかしながら、非特許文献2では高価で腐 食性の高いヨウ化水素酸を大量に使用しなけ ればならないという問題がある。そのため、 その腐食性により特殊な設備が必要であり、 工業的に生産するのが容易ではない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもの あり、その目的とするところは、汎用化学 であるカテコールを工業的に好適な方法に り生産可能とすることにある。
本発明によれば、下記式(1)で表される(4S,5R ,6S)-4,5,6-トリヒドロキシ-2-シクロヘキセン-1- ンからカテコールを製造する方法が提供さ る。
本発明において、以下の態様を含むことが
きる。
(1)上記のカテコールを製造する方法において
、下記式(2)で表される2-デオキシ-scyllo-イノ
ースを脱水して(4S,5R,6S)-4,5,6-トリヒドロキシ
-2-シクロヘキセン-1-オンを製造し、さらに水
素化反応および脱水反応を行うことでカテコ
ールを製造する方法。
(2)上記のカテコールを製造する方法において
、2-デオキシ-scyllo-イノソースを水素還元条
下加熱しながら反応させることにより(4S,5R,6
S)-4,5,6-トリヒドロキシ-2-シクロヘキセン-1-オ
ンを経由してカテコールを製造する方法。
(3)上記のカテコールを製造する方法において
、(4S,5R,6S)-4,5,6-トリヒドロキシ-2-シクロヘキ
ン-1-オンを水素還元条件下、加熱しながら
応させることによりカテコールを製造する
法。
(4)上記のカテコールを製造する方法において
、2-デオキシ-scyllo-イノソースを脱水して(4S,5
R,6S)-4,5,6-トリヒドロキシ-2-シクロヘキセン-1-
オンを製造し、さらに水素還元条件下、加熱
しながら反応させることによりカテコールを
製造する方法。
(5)上記のカテコールを製造する方法において
、(4S,5R,6S)-4,5,6-トリヒドロキシ-2-シクロヘキ
ン-1-オンを金属触媒存在下反応させること
よりカテコールを製造する方法。
(6)上記のカテコールを製造する方法において
、金属触媒が白金属金属からなる群または鉄
族金属からなる群から選択される金属を含む
、カテコールを製造する方法。
(7)上記のカテコールを製造する方法において
、金属触媒がパラジウムを含む、カテコール
を製造する方法。
(8)上記のカテコールを製造する方法において
、金属触媒に含まれる金属成分が活性炭、ア
ルミナまたはゼオライトに担持されている、
カテコールを製造する方法。
(9)上記のカテコールを製造する方法において
、(4S,5R,6S)-4,5,6-トリヒドロキシ-2-シクロヘキ
ン-1-オンを水溶液中反応させることにより
テコールを製造する方法。
(10)上記のカテコールを製造する方法におい
、2-デオキシ-scyllo-イノソースからワンポッ
でカテコールを製造する方法。
(11)上記のカテコールを製造する方法におい
、固体酸の存在下、2-デオキシ-scyllo-イノソ
スからカテコールを製造する方法。
(12)上記のカテコールを製造する方法におい
、固体酸がゼオライト、活性白土及びナフ
オン(登録商標)からなる群から選択される、
カテコールを製造する方法。
(13)上記のカテコールを製造する方法におい
、(4S,5R,6S)-4,5,6-トリヒドロキシ-2-シクロヘキ
セン-1-オンを水素で還元し、下記式(3)で表さ
れる(2S,3R,4S)-2,3,4-トリヒドロキシシクロヘキ
ン-1-オンを製造し、脱水反応させることで
テコールを製造する方法。
(14)上記のカテコールを製造する方法にお て、2-デオキシ-scyllo-イノソースを加熱しな ら脱水して(4S,5R,6S)-4,5,6-トリヒドロキシ-2- クロヘキセン-1-オンとした後、金属触媒存 下、水素で還元して(2S,3R,4S)-2,3,4-トリヒドロ キシシクロヘキサン-1-オンとしたのち、さら に加熱しながら脱水することでカテコールを 製造する方法。
また、本発明によれば、2-デオキシ-scyllo- イノソースを脱水して、(4S,5R,6S)-4,5,6-トリヒ ロキシ-2-シクロヘキセン-1-オンを製造する 法が提供される。
また、本発明によれば、(4S,5R,6S)-4,5,6-ト ヒドロキシ-2-シクロヘキセン-1-オンが提供 れる。
また、本発明によれば、(2S,3R,4S)-2,3,4-ト ヒドロキシシクロヘキサン-1-オンを加熱し がら脱水反応させることでカテコールを製 する方法が提供される。
また、本発明によれば、(4S,5R,6S)-4,5,6-ト ヒドロキシ-2-シクロヘキセン-1-オンを水素 還元し、(2S,3R,4S)-2,3,4-トリヒドロキシシクロ ヘキサン-1-オンを製造する方法が提供される 。
また、本発明によれば、下記式(4)で表さ る2,3,4,5-テトラヒドロキシ-シクロヘキサン- 1-オンを水素還元条件下に加熱しながら反応 せることでカテコールを製造する方法が提 される。
本発明によれば、(4S,5R,6S)-4,5,6-トリヒド キシ-2-シクロヘキセン-1-オンからカテコー を製造することができる。この方法によれ 、(4S,5R,6S)-4,5,6-トリヒドロキシ-2-シクロヘキ セン-1-オンのオレフィンの還元反応および2 子の水を脱水することによりカテコールを 造することができる。したがって、腐食性 試薬を使用せずに、マイルドな条件でカテ ールを得ることができ、環境負荷を低減し 工業的生産に適したカテコールの製造が実 可能となる。
本発明によれば、環境負荷を低減した工 的生産に適した方法により、汎用化学品で るカテコールを製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
本実施形態は、下記式(1)で表される(4S,5R,6S)
-4,5,6-トリヒドロキシ-2-シクロヘキセン-1-オ
からカテコールを製造する方法である。
この方法は、式(5)で表される反応により テコールを製造するものである。
具体的には、本実施形態は、(4S,5R,6S)-4,5,6 -トリヒドロキシ-2-シクロヘキセン-1-オンを 素還元条件下、加熱しながら反応させるこ によりカテコールを製造する方法である。
本実施形態は、ワンポットで(4S,5R,6S)-4,5,6 -トリヒドロキシ-2-シクロヘキセン-1-オンか カテコールを製造するものである。ここで うワンポットとは、いくつかの反応を同一 応容器で行うことを意味し、具体的には還 反応と脱水反応である。
(4S,5R,6S)-4,5,6-トリヒドロキシ-2-シクロヘ セン-1-オンからカテコールを製造するにあ り、「水素還元条件下」に反応するとは、 媒に溶解した(4S,5R,6S)-4,5,6-トリヒドロキシ-2- シクロヘキセン-1-オンを還元触媒とともに水 素雰囲気下に反応させることである。
溶媒として、反応の進行を妨げないもの あれば特に制限はないが、水あるいは、メ ノール、エタノール、ブタノール等のアル ール系溶媒、ヘキサン、トルエン、キシレ 等の炭化水素系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブ ル等のエステル系溶媒、ジイソプロピルエ テル、ジオキサン、エチレングリコールジ チルエーテル、テトラヒドロフラン等のエ テル系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタ 等のハロゲン系溶媒、アセトニトリル、ジ チルホルムアミド、ジメチルスルホキシド を挙げることができる。またこれら溶媒は 独で、あるいは2種以上の任意の比率での混 合溶媒として使用可能であるが、水を用いる のが好ましい。
(4S,5R,6S)-4,5,6-トリヒドロキシ-2-シクロヘ セン-1-オンの仕込みの濃度は、とくに限定 れないが、たとえば、1w/v%以上30w/v%以下とす ると好ましい。
本実施形態において「加熱しながら」と 、気温以上に反応温度を上昇させることで り、必要に応じて反応中に時間の経過とと に温度を変化させることも包含する概念で り、温度を変化させることにより、反応を 階的に進めることができる。通常の反応温 範囲として、30℃以上300℃以下である。反 温度が低いと脱水反応の反応速度が低下し 反応温度が高いと副反応が進行する。した って30℃以上300℃以下で加熱させることによ り、収率よくカテコールを製造することがで きる。より好ましくは35℃以上240℃以下であ 、さらに好ましくは70℃以上200℃以下とす 。こうすることにより、好適な反応速度で 水反応を進行させることができ、より収率 くカテコールを製造することができる。
反応時間は特に制限は無いが、数分から4 8時間、好ましくは30分から24時間の範囲であ 。こうすることにより、(4S,5R,6S)-4,5,6-トリ ドロキシ-2-シクロヘキセン-1-オンを確実に 元し、かつ、脱水させることができ、収率 くカテコールを製造することができる。
還元触媒としては、パラジウム、ロジウ 、ルテニウム、白金、イリジウムなどの白 属金属、及び、ニッケル、コバルトなどの 属金属から選択される金属、並びに、銅な の金属を用いることができる。これら金属 、単独で用いてもよいし、または活性炭、 リカゲル、アルミナ、グラファイト、珪藻 、軽石、モンモリロナイト、ゼオライトな に担持させてもよい。具体的な例としてパ ジウム/活性炭、パラジウム/シリカゲル、 ラジウム/アルミナ、パラジウム/ゼオライト 、ニッケル/アルミナ、銅/アルミナ、ルテニ ム/活性炭、ロジウム/活性炭、白金/活性炭 イリジウム/活性炭などが挙げられる。また 、その担持量は、通常、担体に対して0.01~50 量%の範囲である。こうすることにより、好 に還元反応を進行させることが可能となる 還元触媒の添加量は、0.1~10重量%の範囲にす ると好ましい。
水素雰囲気下とは、大気圧から10MPaまで 水素を含む気体で満たされた反応器の中で 応させることであり、好ましくは大気圧か 1MPaの間である。水素は単独あるいは窒素な と混合して使用することもできる。
(4S,5R,6S)-4,5,6-トリヒドロキシ-2-シクロヘ セン-1-オンの製造方法は後述するが、2-デオ キシ-scyllo-イノソースを脱水反応させること より製造することができる。
また、加熱することで無触媒でも反応が 能であるが、反応には反応を促進させるた に添加剤を加えることができる。添加剤と て酸、塩基やそれらの塩を用いることがで る。
用いられる酸としては、例えば塩化水素 臭化水素、硫酸、リン酸等の無機酸、ギ酸 酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、クエン酸 乳酸、安息香酸、トリフルオロ酢酸、p-ト エンスルホン酸、メタンスルホン酸、ドデ ルベンゼンスルホン酸等の有機酸、ゼオラ ト、シリカゲル、アルミナ、活性白土、ナ ィオン(登録商標)、イオン交換樹脂等の固体 酸等が挙げられる。酸の添加量は、1~2000重量 %の範囲にすると好ましい。
用いられる塩基としては、水酸化リチウ 、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭 ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナト ウム等の無機塩基、トリエチルアミン、ピ ジン、1,8-ジアザビシクロウンデセン等の有 機アミン塩基等を挙げることができる。
反応終了後カテコールを取得する方法と て、反応液から還元触媒や不均一な添加剤 ろ過で除いた後、ろ液を濃縮することで粗 製のカテコールを結晶として得ることがで る。粗精製のカテコールは蒸留や再結晶す ことでより精製されたカテコールとして取 することができる。また加熱した状態の反 液を、ある程度まで溶媒濃縮を行なった後 却することでカテコールを結晶として析出 せ、ろ過により取得することができる。ま 、カテコールが溶けにくい溶媒を加えるこ で結晶としてカテコールを析出させ、ろ過 より取得することもできる。さらに、反応 媒に適当な溶媒を加え、抽出することがで る。抽出液は前記と同様に処理することで より精製されたカテコールとして取得する とができる。
つづいて、本実施形態の効果について説 する。本発明者は鋭意検討した結果、2-デ キシ-scyllo-イノソースから得られる(4S,5R,6S)-4 ,5,6-トリヒドロキシ-2-シクロヘキセン-1-オン 水素化反応と脱水反応することで容易にカ コールが得られることを見いだした。
本実施形態の方法によれば、(4S,5R,6S)-4,5,6-
リヒドロキシ-2-シクロヘキセン-1-オンを水
雰囲気下加熱しながら反応させるため、ワ
ポットで水素添加による還元反応と脱水反
とを同時に行うことができる。これにより
理想的には基質と等モルの水素と、少量の
媒を用いることによりカテコールを製造す
ことができる。したがって、腐食性の試薬
使用せず、マイルドな条件で安価にカテコ
ルを製造することができ、工業的生産に適
た容易なカテコールの製造が実現可能とな
。
(第2の実施形態)
本実施形態は、下記式(2)で表される2-デ キシ-scyllo-イノソースを脱水して(4S,5R,6S)-4,5, 6-トリヒドロキシ-2-シクロヘキセン-1-オンを 造し、さらに水素化反応および脱水反応を うことでカテコールを製造する方法である この方法は、式(6)で表される反応によりカ コールを製造するものである。
具体的には、2-デオキシ-scyllo-イノソース を水素還元条件下加熱しながら反応させるこ とにより(4S,5R,6S)-4,5,6-トリヒドロキシ-2-シク ヘキセン-1-オンを経由してワンポットでカ コールを製造する方法である。
この方法では、2-デオキシ-scyllo-イノソー スを脱水して(4S,5R,6S)-4,5,6-トリヒドロキシ-2- クロヘキセン-1-オンを製造し、さらに水素 元条件下、加熱反応させることによりカテ ールを製造する。
本実施形態では、2-デオキシ-scyllo-イノソ ースからワンポットでカテコールを製造する 。
本実施形態において、2-デオキシ-scyllo-イ ノソースから(4S,5R,6S)-4,5,6-トリヒドロキシ-2- クロヘキセン-1-オンを経由してカテコール 製造するにあたり、「水素還元条件下、加 しながら反応させる」とは、加熱しながら 媒に溶解した2-デオキシ-scyllo-イノソースを 還元触媒とともに水素雰囲気下に反応させる ことである。
溶媒として、反応の進行を妨げないもの あれば特に制限はないが、水、メタノール エタノール、ブタノール等のアルコール系 媒、ヘキサン、トルエン、キシレン等の炭 水素系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等の ステル系溶媒、ジイソプロピルエーテル、 オキサン、エチレングリコールジメチルエ テル、テトラヒドロフラン等のエーテル系 媒、クロロホルム、ジクロロメタン等のハ ゲン系溶媒、アセトニトリル、ジメチルホ ムアミド、ジメチルスルホキシド等を挙げ ことができる。またこれら溶媒は単独で、 るいは2種以上の任意の比率での混合溶媒と して使用可能であるが、水を用いるのが好ま しい。
2-デオキシ-scyllo-イノソースの仕込みの濃 度は、とくに限定されないが、たとえば、1w/ v%以上30w/v%以下とすると好ましい。
本実施形態において「加熱しながら」と 、気温以上に反応温度を上昇させることで り、必要に応じて反応中に時間の経過とと に温度を変化させることも包含する概念で り、温度を変化させることにより、反応を 階的に進めることができる。通常の反応温 範囲として、30℃以上300℃以下である。反 温度が低いと脱水反応の反応速度が低下し 反応温度が高いと副反応が進行する。した って30℃以上300℃以下で加熱させることによ り、収率よくカテコールを製造することがで きる。より好ましくは60℃以上240℃以下であ 、さらに好ましくは70℃以上200℃以下とす 。こうすることにより、好適な反応速度で 水反応を進行させることができ、より収率 くカテコールを製造することができる。
反応時間は特に制限は無いが、数分から4 8時間、好ましくは1時間から24時間の範囲で る。こうすることにより、2-デオキシ-scyllo- ノソースを確実に脱水し、かつ、中間体の( 4S,5R,6S)-4,5,6-トリヒドロキシ-2-シクロヘキセ -1-オンを還元させることができ、収率よく テコールを製造することができる。
還元触媒としては、パラジウム、ロジウ 、ルテニウム、白金、イリジウムなどの白 属金属、及び、ニッケル、コバルトなどの 属金属から選択される金属、並びに、銅な の金属を用いることができる。これら金属 、単独で用いてもよいし、または活性炭、 リカゲル、アルミナ、グラファイト、珪藻 、軽石、モンモリロナイト、ゼオライトな に担持させてもよい。具体的な例としてパ ジウム/活性炭、パラジウム/シリカゲル、 ラジウム/アルミナ、パラジウム/ゼオライト 、ニッケル/アルミナ、銅/アルミナ、ルテニ ム/活性炭、ロジウム/活性炭、白金/活性炭 イリジウム/活性炭などが挙げられる。また 、その担持量は、通常、担体に対して0.01~50 量%の範囲である。こうすることにより、好 に還元反応を進行させることが可能となる 還元触媒の添加量は、0.1~10重量%の範囲にす ると好ましい。
水素雰囲気下とは、大気圧から10MPaまで 水素を含む気体で満たされた反応器の中で 応させることであり、好ましくは大気圧か 1MPaの間である。水素は単独あるいは窒素な と混合して使用することもできる。
また、加熱することで無触媒でも反応が 能であるが、反応には反応を促進させるた に添加剤を加えることができる。添加剤と て酸、塩基やそれらの塩を用いることがで る。
用いられる酸としては、例えば塩化水素 臭化水素、硫酸、リン酸等の無機酸、ギ酸 酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、クエン酸 乳酸、安息香酸、トリフルオロ酢酸、p-ト エンスルホン酸、メタンスルホン酸、ドデ ルベンゼンスルホン酸等の有機酸、ゼオラ ト、シリカゲル、アルミナ、活性白土、ナ ィオン(登録商標)、イオン交換樹脂等の固体 酸等が挙げられる。酸の添加量は、1~2000重量 %の範囲にすると好ましい。
用いられる塩基としては、水酸化リチウ 、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭 ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナト ウム等の無機塩基、トリエチルアミン、ピ ジン、1,8-ジアザビシクロウンデセン等の有 機アミン塩基等を挙げることができる。
また、ここでいうワンポットとは、いく かの反応を同一反応容器で行うことを意味 、具体的には還元反応と脱水反応である。
なお、本実施形態で用いられる2-デオキ -scyllo-イノソースはD-グルコースから発酵に って得られることが非特許文献2、非特許文 献3、および国際公開第2006/112000号パンフレッ トなどにより知られている。
反応終了後カテコールを取得する方法と て、反応液から還元触媒や不均一な添加剤 ろ過で除いた後、ろ液を濃縮することで粗 製のカテコールを結晶として得ることがで る。粗精製のカテコールは蒸留や再結晶す ことでより精製されたカテコールとして取 することができる。また加熱した状態の反 液を、ある程度まで溶媒濃縮を行なった後 却することでカテコールを結晶として析出 せ、ろ過により取得することができる。ま 、カテコールが溶けにくい溶媒を加えるこ で結晶としてカテコールを析出させ、ろ過 より取得することもできる。さらに、反応 媒に適当な溶媒を加え、抽出することがで る。抽出液は前記と同様に処理することで より精製されたカテコールとして取得する とができる。
つづいて、本実施形態の効果について説 する。
本実施形態によれば、2-デオキシ-scyllo-イ ノソースを水素還元条件下に加熱しながらワ ンポットで反応させることでカテコールを製 造することができる。これにより、再生可能 資源であるD-グルコースから腐食性の試薬を 用せず、安価にカテコールを製造すること できる。したがって、工業的生産に適した テコールの製造が実現可能となる。
また、本実施形態によれば、再生可能資 であるグルコースから発酵により容易に得 れる2-デオキシ-scyllo-イノソースを水素還元 条件下加熱しながら反応させることにより、 (4S,5R,6S)-4,5,6-トリヒドロキシ-2-シクロヘキセ -1-オンを経由して、カテコールを得ること できる。したがって、ワンポットで水素添 による還元反応と脱水反応とを同時に行っ 容易にカテコールを製造することができる
上述のように非特許文献2において、2-デ キシ-scyllo-イノソースを酢酸中でヨウ化水 による還元的脱水反応を行うことにより、 率59%でカテコールを得る方法が知られてい 。しかし、この反応では2-デオキシ-scyllo-イ ソースに対し2分子のヨウ化水素が必要とさ れる。すなわち、1分子のヨウ化水素がカル ニル基に付加し、ついでもう1分子のヨウ化 素と反応し、ヨウ素と水として脱離しなが 還元し、さらに脱水することでカテコール 生成すると考えられる。このため、高価で 食性の高いヨウ化水素酸を理想的な反応に いても2当量使用しなければならないという 問題があった。
一方、本実施形態の方法においては、理 的には基質と等モルの水素と、少量の触媒 必要とするのみである。また、(4S,5R,6S)-4,5,6 -トリヒドロキシ-2-シクロヘキセン-1-オンを 由するため、マイルドな条件でカテコール 合成することができる。したがって、腐食 の試薬を使用せず、安価かつ容易にカテコ ルを製造することができ、工業的生産に適 たカテコールの製造が実現可能となる。
また、本実施形態の方法では、金属触媒 用いて水素還元反応を実施することができ 。したがって、原料コストが安価にすみ、 業的生産に有利である。また、多量の腐食 の試薬を使用しないため、環境にもやさし 。
また、本実施形態の方法では、2-デオキ -scyllo-イノソースをワンポットで反応させる ことでカテコールを製造することができる。 したがって、各ステップの単離精製をする手 間を省き、工業的生産にさらに有利である。
さらに、本実施形態の方法により、再生 能資源であるグルコースなどから容易に製 される2-デオキシ-scyllo-イノソースを原料と し、汎用化学品であるカテコールを製造する ことができる。それにより、化石原料の使用 削減、温暖化ガスの排出抑制、地球温暖化防 止に有用である。
(第3の実施形態)
本実施形態は、2-デオキシ-scyllo-イノソース
を加熱しながら脱水して(4S,5R,6S)-4,5,6-トリヒ
ロキシ-2-シクロヘキセン-1-オンとした後、
属触媒存在下、水素で還元して下記式(3)で
される(2S,3R,4S)-2,3,4-トリヒドロキシシクロ
キサン-1-オンとしたのち、さらに加熱しな
ら脱水することでカテコールを製造する方
である。本実施形態の方法は、式(7)で示す
応によりカテコールを製造する。
第2の実施形態ではカテコールをワンポット
で製造する方法を例示した。本実施形態では
、以下の3つの工程をそれぞれ行って、カテ
ールを製造するものである。
(工程1)2-デオキシ-scyllo-イノソースから(4S,5R,6
S)-4,5,6-トリヒドロキシ-2-シクロヘキセン-1-オ
ンを製造する工程、
(工程2)(4S,5R,6S)-4,5,6-トリヒドロキシ-2-シクロ
キセン-1-オンから(2S,3R,4S)-2,3,4-トリヒドロ
シシクロヘキサン-1-オンを製造する工程。
(工程3)(2S,3R,4S)-2,3,4-トリヒドロキシシクロヘ
サン-1-オンからカテコールを製造する工程
<工程1>
工程1は、2-デオキシ-scyllo-イノソースを脱
して、(4S,5R,6S)-4,5,6-トリヒドロキシ-2-シクロ
ヘキセン-1-オンを製造する工程である。
2-デオキシ-scyllo-イノソースを脱水反応さ せて(4S,5R,6S)-4,5,6-トリヒドロキシ-2-シクロヘ セン-1-オンを製造するにあたり、反応温度 関しては、30℃以上300℃以下とすることに り実施可能である。反応温度が低いと脱水 応の反応速度が低下し、反応温度が高いと 反応が進行する。したがって30℃以上300℃以 下で加熱させることにより、収率よく(4S,5R,6S )-4,5,6-トリヒドロキシ-2-シクロヘキセン-1-オ を製造することができる。より好ましくは 100℃以上240℃以下の温度範囲とする。こう ることにより、好適な反応速度で脱水反応 進行させることができ、より収率よく(4S,5R, 6S)-4,5,6-トリヒドロキシ-2-シクロヘキセン-1- ンを製造することができる。
溶媒として、反応の進行を妨げないもの あれば特に制限はないが、水、メタノール エタノール、ブタノール等のアルコール系 媒、ヘキサン、トルエン、キシレン等の炭 水素系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等の ステル系溶媒、ジイソプロピルエーテル、 オキサン、エチレングリコールジメチルエ テル、テトラヒドロフラン等のエーテル系 媒、クロロホルム、ジクロロメタン等のハ ゲン系溶媒、アセトニトリル、ジメチルホ ムアミド、ジメチルスルホキシド等を挙げ ことができる。またこれら溶媒は単独で、 るいは2種以上の任意の比率での混合溶媒と して使用可能であるが、水を用いるのが好ま しい。
反応時間は特に制限は無いが、数分から4 8時間、好ましくは15分から24時間の範囲であ 。こうすることにより、2-デオキシ-scyllo-イ ノソースを確実に脱水し、収率よく(4S,5R,6S)-4 ,5,6-トリヒドロキシ-2-シクロヘキセン-1-オン 製造することができる。
加熱することで無触媒でも反応が可能で るが、反応促進のため添加剤として酸、塩 やそれらの塩を用いることができる。
用いられる酸としては、例えば塩化水素 臭化水素、硫酸、リン酸等の無機酸、ギ酸 酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、クエン酸 乳酸、安息香酸、トリフルオロ酢酸、p-ト エンスルホン酸、メタンスルホン酸、ドデ ルベンゼンスルホン酸等の有機酸、ゼオラ ト、シリカゲル、アルミナ、活性白土、ナ ィオン(登録商標)、イオン交換樹脂等の固体 酸等が挙げられる。酸の添加量は、1~2000重量 %の範囲にすると好ましい。
用いられる塩基としては、水酸化リチウ 、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭 ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナト ウム等の無機塩基、トリエチルアミン、ピ ジン、1,8-ジアザビシクロウンデセン等の有 機アミン塩基等を挙げることができる。
ただし、非特許文献3にあるように、2-デ キシ-scyllo-イノソースから2分子の水が脱水 ると1,2,4-トリヒドロキシベンゼンが生成す 。そのため、(4S,5R,6S)-4,5,6-トリヒドロキシ-2 -シクロヘキセン-1-オンを収率良く得るため は、反応温度と時間と触媒をコントロール る必要がある。より具体的には、高い温度 反応させるときは、弱い触媒あるいは無触 で短時間反応させ、低い温度であれば強い 媒を用い長時間反応させることで、1,2,4-ト ヒドロキシベンゼンの生成を抑えることが きる。
なお、触媒とは、上記の酸または塩基に 示される添加剤のことをいう。同一種類の 媒では、溶液中の濃度を高めることにより 強い触媒として反応させることができ、溶 中の濃度を低くすることにより、弱い触媒 して反応させることができる。また、異な 種類の触媒では、例えば水を溶媒としたと 溶液のpHが7から離れるほど強い触媒という とができ、pH7に近いものほど弱い触媒とい ことができる。このように、触媒を適宜変 させつつ、反応温度および時間をコントロ ルすることにより、収率よく(4S,5R,6S)-4,5,6- リヒドロキシ-2-シクロヘキセン-1-オンを合 することができる。
なお、本発明で用いられる2-デオキシ-scyl lo-イノソースの入手方法は第2の実施形態で 明したとおりである。
反応終了後(4S,5R,6S)-4,5,6-トリヒドロキシ-2 -シクロヘキセン-1-オンは、反応液を濃縮す ことで粗生成物を得ることができる。必要 応じ、pHを中性付近(pH6~8)に調整することが きる。また、不均一な添加剤を使用した場 、反応液からろ過で除き、同様にろ液を濃 することで粗精製物を得ることができる。 らに、粗精製物は、再結晶やシリカゲルカ ムで精製し、より高純度の(4S,5R,6S)-4,5,6-トリ ヒドロキシ-2-シクロヘキセン-1-オンを取得す ることができる。
<工程2>
工程2は、(4S,5R,6S)-4,5,6-トリヒドロキシ-2-シ
ロヘキセン-1-オンを金属触媒存在下水素で
元し、(2S,3R,4S)-2,3,4-トリヒドロキシシクロ
キサン-1-オンを製造する工程である。
ここでいう金属触媒としては、パラジ ム、ロジウム、ルテニウム、白金、イリジ ムなどの白金属金属、及び、ニッケル、コ ルトなどの鉄属金属から選択される金属、 びに、銅などの金属を用いることができる これら金属は、単独で用いてもよいし、ま は活性炭、シリカゲル、アルミナ、グラフ イト、珪藻土、軽石、モンモリロナイト、 オライトなどに担持させてもよい。具体的 例としてパラジウム/活性炭、パラジウム/シ リカゲル、パラジウム/アルミナ、パラジウ /ゼオライト、ニッケル/アルミナ、銅/アル ナ、ルテニウム/活性炭、ロジウム/活性炭、 白金/活性炭、イリジウム/活性炭などが挙げ れる。また、その担持量は、通常、担体に して0.01~50重量%の範囲である。還元触媒の 加量は、0.1~10重量%の範囲にすると好ましい
水素雰囲気下とは、大気圧から10MPaまで 水素を含む気体で満たされた反応器の中で 応させることであり、好ましくは大気圧か 1MPaの間である。水素は単独あるいは窒素な と混合して使用することもできる。
溶媒として、反応の進行を妨げないもの あれば特に制限はないが、水、メタノール エタノール、ブタノール等のアルコール系 媒、ヘキサン、トルエン、キシレン等の炭 水素系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等の ステル系溶媒、ジイソプロピルエーテル、 オキサン、エチレングリコールジメチルエ テル、テトラヒドロフラン等のエーテル系 媒、クロロホルム、ジクロロメタン等のハ ゲン系溶媒、アセトニトリル、ジメチルホ ムアミド、ジメチルスルホキシド等を挙げ ことができる。またこれら溶媒は単独で、 るいは2種以上の任意の比率での混合溶媒と して使用可能であるが、メタノールを用いる ことにより脱水反応を抑制することができ(2S ,3R,4S)-2,3,4-トリヒドロキシシクロヘキサン-1- ンを収率よく製造できるため好ましい。
(4S,5R,6S)-4,5,6-トリヒドロキシ-2-シクロヘ セン-1-オンの仕込みの濃度は、とくに限定 れないが、たとえば、1w/v%以上30w/v%以下とす ると好ましい。
また、反応には反応を促進させるために 加剤を加えることができる。添加剤として 、塩基やそれらの塩を用いることができる
用いられる酸としては、例えば塩化水素 臭化水素、硫酸、リン酸等の無機酸、ギ酸 酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、クエン酸 乳酸、安息香酸、トリフルオロ酢酸、p-ト エンスルホン酸、メタンスルホン酸、ドデ ルベンゼンスルホン酸等の有機酸、ゼオラ ト、シリカゲル、アルミナ、活性白土、ナ ィオン(登録商標)、イオン交換樹脂等の固体 酸等が挙げられる。酸の添加量は、1~2000重量 %の範囲にすると好ましい。
用いられる塩基としては、水酸化リチウ 、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭 ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナト ウム等の無機塩基、トリエチルアミン、ピ ジン、1,8-ジアザビシクロウンデセン等の有 機アミン塩基等を挙げることができる。
反応温度に関しては、室温(25℃)から300℃ まで実施可能であるが、好ましくは、60℃以 240℃以下の温度範囲とする。こうすること より、好適な反応速度で還元反応を進行さ ることができ、かつ、脱水反応の進行を抑 ことができる。したがって、より収率よく( 2S,3R,4S)-2,3,4-トリヒドロキシシクロヘキサン-1 -オンを製造することができる。
反応時間は特に制限は無いが、数分から4 8時間、好ましくは10分から24時間の範囲であ 。こうすることにより、(4S,5R,6S)-4,5,6-トリ ドロキシ-2-シクロヘキセン-1-オンを確実に 元させることができる。
(2S,3R,4S)-2,3,4-トリヒドロキシシクロヘキ ン-1-オンは、還元触媒をろ過により除去し ろ液を濃縮することで得ることができる。 要に応じ再結晶を行うことで、より純度の い(2S,3R,4S)-2,3,4-トリヒドロキシシクロヘキサ ン-1-オンを取得することができる。
<工程3>
工程3は、(2S,3R,4S)-2,3,4-トリヒドロキシシク
ヘキサン-1-オンを加熱しながら脱水反応さ
ることでカテコールを製造する工程である
溶媒として、反応の進行を妨げないもの あれば特に制限はないが、水、メタノール エタノール、ブタノール等のアルコール系 媒、ヘキサン、トルエン、キシレン等の炭 水素系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等の ステル系溶媒、ジイソプロピルエーテル、 オキサン、エチレングリコールジメチルエ テル、テトラヒドロフラン等のエーテル系 媒、クロロホルム、ジクロロメタン等のハ ゲン系溶媒、アセトニトリル、ジメチルホ ムアミド、ジメチルスルホキシド等を挙げ ことができる。またこれら溶媒は単独で、 るいは2種以上の任意の比率での混合溶媒と して使用可能であるが、水を用いるのが好ま しい。
(2S,3R,4S)-2,3,4-トリヒドロキシシクロヘキサ -1-オンの仕込みの濃度は、とくに限定され いが、たとえば、1w/v%以上30w/v%以下とする 好ましい。
また、反応には反応を促進させるために 加剤を加えることができる。添加剤として 、塩基やそれらの塩を用いることができる
用いられる酸としては、例えば塩化水素 臭化水素、硫酸、リン酸等の無機酸、ギ酸 酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、クエン酸 乳酸、安息香酸、トリフルオロ酢酸、p-ト エンスルホン酸、メタンスルホン酸、ドデ ルベンゼンスルホン酸等の有機酸、ゼオラ ト、シリカゲル、アルミナ、活性白土、ナ ィオン(登録商標)、イオン交換樹脂等の固体 酸等が挙げられる。酸の添加量は、1~2000重量 %の範囲にすると好ましい。
用いられる塩基としては、水酸化リチウ 、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭 ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナト ウム等の無機塩基、トリエチルアミン、ピ ジン、1,8-ジアザビシクロウンデセン等の有 機アミン塩基等を挙げることができる。
本実施形態において「加熱しながら」と 、気温以上に反応温度を上昇させることで り、必要に応じて反応中に時間の経過とと に温度を変化させることも包含する概念で り、温度を変化させることにより、反応を 階的に進めることができる。30℃以上300℃ 下で加熱させることをいう。反応温度が低 と反応速度が低下し、反応温度が高いと副 応が進行する。したがって30℃以上300℃以下 で加熱させることにより、カテコールを製造 することができる。より好ましくは、60℃以 240℃以下の温度範囲とし、さらに好ましく 70℃以上200℃以下とする。こうすることに り、好適な反応速度で脱水反応を進行させ ことができ、より収率よくカテコールを製 することができる。
反応時間は特に制限は無いが、数分から4 8時間、好ましくは10分から24時間の範囲であ 。こうすることにより、(2S,3R,4S)-2,3,4-トリ ドロキシシクロヘキサン-1-オンを確実に脱 させることができる。
反応終了後カテコールを取得する方法と て、反応液から還元触媒や不均一な添加剤 ろ過で除いた後、ろ液を濃縮することで粗 製のカテコールを結晶として得ることがで る。粗精製のカテコールは蒸留や再結晶す ことでより精製されたカテコールとして取 することができる。また加熱した状態の反 液を、ある程度まで溶媒濃縮を行なった後 却することでカテコールを結晶として析出 せ、ろ過により取得することができる。ま 、カテコールが溶けにくい溶媒を加えるこ で結晶としてカテコールを析出させ、ろ過 より取得することもできる。さらに、反応 媒に適当な溶媒を加え、抽出することがで る。抽出液は前記と同様に処理することで より精製されたカテコールとして取得する とができる。
つづいて、本実施形態の効果について説 する。
本実施形態によれば、2-デオキシ-scyllo-イ ノソースを脱水し、得られる(4S,5R,6S)-4,5,6-ト ヒドロキシ-2-シクロヘキセン-1-オンを還元 (2S,3R,4S)-2,3,4-トリヒドロキシシクロヘキサ -1-オンとしたのち、脱水することでカテコ ルを製造することができる。これにより、 ルコースなどの再生可能資源から汎用化学 として有用なカテコールを容易に製造する とができる
また、本実施形態の工程1の方法によれば 、2-デオキシ-scyllo-イノソースを加熱しなが 脱水して、(4S,5R,6S)-4,5,6-トリヒドロキシ-2-シ クロヘキセン-1-オンを製造することができる 。これにより、汎用化学品として有用なカテ コール製造に重要な中間体である、(4S,5R,6S)-4 ,5,6-トリヒドロキシ-2-シクロヘキセン-1-オン 容易に製造することができる。
より詳しく述べれば、2-デオキシ-scyllo-イ ノソースは、0.5Mリン酸水溶液中で加熱する とで2分子の水が脱水し、1,2,4-トリヒドロキ ベンゼンになることが知られている(非特許 文献3)。しかし、2-デオキシ-scyllo-イノソース を反応温度、時間と触媒などをコントロール して反応させることで、1分子の水が脱水し(4 S,5R,6S)-4,5,6-トリヒドロキシ-2-シクロヘキセン -1-オンとすることができる。すなわち、高い 温度で反応させるときは、弱い触媒あるいは 無触媒で短時間反応させ、低い温度で反応さ せるときは、強い触媒を用い長時間反応させ ることで、1,2,4-トリヒドロキシベンゼンの生 成を抑えることができる。したがって、汎用 化学品として有用なカテコール製造に重要な 中間体である、(4S,5R,6S)-4,5,6-トリヒドロキシ- 2-シクロヘキセン-1-オンを容易に製造するこ ができる。
また、本実施形態の工程2の方法によれば 、(4S,5R,6S)-4,5,6-トリヒドロキシ-2-シクロヘキ ン-1-オンを還元し、(2S,3R,4S)-2,3,4-トリヒド キシシクロヘキサン-1-オンを製造すること できる。これにより、汎用化学品として有 なカテコール製造に重要な中間体である(2S,3 R,4S)-2,3,4-トリヒドロキシシクロヘキサン-1-オ ンを容易に製造することができる。
従来、(4S,5R,6S)-4,5,6-トリヒドロキシ-2-シ ロヘキセン-1-オンとは、逆の立体を有する(4 R,5S,6R)-4,5,6-トリヒドロキシ-2-シクロヘキセン -1-オンは知られていた(非特許文献4など)。し かしながら、(4S,5R,6S)-4,5,6-トリヒドロキシ-2- クロヘキセン-1-オンの合成方法は知られて なかった。この物質はカテコールを製造す 目的において有用な中間体であり、その2重 結合が触媒存在下、水素で容易に還元され、 (2S,3R,4S)-2,3,4-トリヒドロキシシクロヘキサン- 1-オンとなること、さらに触媒存在下あるい 非存在下で脱水反応を行うことでカテコー を得ることができる。したがって、(4S,5R,6S) -4,5,6-トリヒドロキシ-2-シクロヘキセン-1-オ を製造可能とすることにより、汎用化学品 して有用なカテコールを容易に製造するこ が可能となる。
さらに、本実施形態の工程3の方法によれ ば、(2S,3R,4S)-2,3,4-トリヒドロキシシクロヘキ ン-1-オンを加熱しながら脱水反応させるこ でカテコールを製造することができる。こ により、グルコースなどの再生可能資源か 汎用化学品として有用なカテコールを製造 ることができる。
以上、本発明の実施形態について述べた 、これらは本発明の例示であり、上記以外 様々な構成を採用することもできる。
たとえば、第2の実施形態および第3の実 形態では、出発物質として、2-デオキシ-scyll o-イノソースを用いてカテコールを製造する 法について説明した。しかしながら、2-デ キシ-scyllo-イノソースに代えて下記式(4)で表 される2,3,4,5-テトラヒドロキシ-シクロヘキサ ン-1-オンを適用することも可能である。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に 明するが、本発明はこれらによって限定さ るものではない。
(実施例1)
<2-デオキシ-scyllo-イノソースからカテコー
の合成>
国際公開第2006/112000号パンフレット記載の
法により合成した2-デオキシ-scyllo-イノソー
150mgを0.5N酢酸3mLに溶解し、オートクレーブ
に仕込んだ。さらに5重量%Pd/C(パラジウム/
性炭)3mg(50重量%含水)を仕込み、反応器を窒
で置換した。0.35MPaの水素圧をかけ撹拌しな
ら100℃に加熱し、水素添加反応を19時間行
た。冷却後、窒素置換し、HPLCを用いて定量
析を行った。その結果、原料が消失し、カ
コールが収率56%で得られた。
HPLC分析条件;10mM酢酸水溶液/アセトニトリル=9
4/6、1.2mL/min.、UV=220nm、使用カラム ODS-AQ、内
没食子酸メチル
(実施例2)
<2-デオキシ-scyllo-イノソースからカテコー
の合成>
国際公開第2006/112000号パンフレット記載の
法により合成した2-デオキシ-scyllo-イノソー
150mgを水3mLに溶解し、オートクレーブ中に
込んだ。さらに5重量%Pd/C3mg(50重量%含水)を仕
込み、反応器を窒素で置換した。0.1MPaの水素
圧をかけ撹拌しながら170℃に加熱し、水素添
加反応を行った。反応途中、反応溶液を採取
し、HPLCを用いて分析したところ、(4S,5R,6S)-4,5
,6-トリヒドロキシ-2-シクロヘキセン-1-オンの
存在を確認した。合計4時間反応し、冷却後
窒素置換し、HPLCを用いて定量分析を行った
その結果、原料が消失し、カテコールが収
23%で得られた。分析条件は実施例1と同様に
行った。
(実施例3)
<2-デオキシ-scyllo-イノソースから(4S,5R,6S)-4,
5,6-トリヒドロキシ-2-シクロヘキセン-1-オン
合成>
国際公開第2006/112000号パンフレット記載の
法により合成した2-デオキシ-scyllo-イノソー
1.64gとイオン交換樹脂IR120B5mLを水13.6mL中に
え、20時間加熱還流した。反応終了後イオン
交換樹脂をろ別し、ろ液を減圧濃縮した。濃
縮残渣をシリカゲルカラム(酢酸エチル)で精
し、(4S,5R,6S)-4,5,6-トリヒドロキシ-2-シクロ
キセン-1-オンを604mg(収率41%)得た。
1
H-NMR(CD 3
OD);δ6.91(dd,1H,J=2.3,11.5Hz),6.02(dd,1H,J=2.7,11.5Hz),4.35
(dt,J=2.3,8.2Hz),3.57(dd,1H,J=8.2,11.5Hz)
13
C-NMR(CD 3
OD);δ200.18,153.32,127.51,79.93,78.12,73.06
(実施例4)
<(4S,5R,6S)-4,5,6-トリヒドロキシ-2-シクロヘキ
セン-1-オンから(2S,3R,4S)-2,3,4-トリヒドロキシ
クロヘキサン-1-オンの合成>
実施例3で得られた(4S,5R,6S)-4,5,6-トリヒドロ
シ-2-シクロヘキセン-1-オン 205mgをメタノー
ル3.5mLに溶解した。5重量%Pd/C20mg(50重量%含水)
加え、室温(25℃)で常圧(1気圧)水素添加を行
った。反応終了後、触媒をろ別し、ろ液を濃
縮し、(2S,3R,4S)-2,3,4-トリヒドロキシシクロヘ
サン-1-オンを198mg(収率96%)得た。
1
H-NMR(DMSO);δ5.21(d,1H,OH),4.91(d,1H,OH),4.87(d,1H,OH),3.88
(m,1H),3.63(m,1H),3.07(m,1H),2.48(m,1H),2.14(m,1H),1.33(m,1H
)
(実施例5)
<(2S,3R,4S)-2,3,4-トリヒドロキシシクロヘキサ
ン-1-オンからカテコールの合成>
実施例4で得られた(2S,3R,4S)-2,3,4-トリヒドロ
シシクロヘキサン-1-オン29.2mgを33w/v%リン酸
溶液1mLに溶解し、100℃で2時間加熱した。HPL
Cを用いて定量分析を行った結果、カテコー
が収率86%で得られた。HPLC分析条件;10mM酢酸
溶液/アセトニトリル=94/6、1.2mL/min.、UV=220nm
使用カラム ODS-AQ、内標 没食子酸メチル
(実施例6)
<2-デオキシ-scyllo-イノソースから(4S,5R,6S)-4,
5,6-トリヒドロキシ-2-シクロヘキセン-1-オン
合成>
国際公開第2006/112000号パンフレット記載の
法により合成した2-デオキシ-scyllo-イノソー
0.15gを0.5N酢酸水1.35mL中に加え、120℃で1時間
加熱した。反応終了後HPLCを用いて定量分析
行った結果、(4S,5R,6S)-4,5,6-トリヒドロキシ-2-
シクロヘキセン-1-オンが収率33%で得られた。
このとき44%の原料2-デオキシ-scyllo-イノソー
が回収された。HPLC分析条件;10mM酢酸水溶液/
セトニトリル=94/6、1.2mL/min.、UV=220nm、使用
ラム ODS-AQ、内標 没食子酸メチル
(実施例7)
<2-デオキシ-scyllo-イノソースから(4S,5R,6S)-4,
5,6-トリヒドロキシ-2-シクロヘキセン-1-オン
合成>
国際公開第2006/112000号パンフレット記載の
法により合成した2-デオキシ-scyllo-イノソー
0.05gを5N酢酸水1mL中に加え100℃で2時間加熱
た。反応終了後HPLCを用いて定量分析を行っ
結果、(4S,5R,6S)-4,5,6-トリヒドロキシ-2-シク
ヘキセン-1-オンが収率48%で得られた。この
き35%の原料2-デオキシ-scyllo-イノソースが回
された。HPLC分析条件;10mM酢酸水溶液/アセト
ニトリル=94/6、1.2mL/min.、UV=220nm、使用カラム
ODS-AQ、内標 没食子酸メチル
(実施例8)
<2-デオキシ-scyllo-イノソースから(4S,5R,6S)-4,
5,6-トリヒドロキシ-2-シクロヘキセン-1-オン
合成>
国際公開第2006/112000号パンフレット記載の
法により合成した2-デオキシ-scyllo-イノソー
0.5gとシリカゲル(メルク社製キーゼルゲル60
)100mgを水1mL中に加え150℃で2時間加熱した。
応終了後HPLCを用いて定量分析を行った結果
(4S,5R,6S)-4,5,6-トリヒドロキシ-2-シクロヘキ
ン-1-オンが収率50%で得られた。このとき15%
原料2-デオキシ-scyllo-イノソースが回収され
。HPLC分析条件;10mM酢酸水溶液/アセトニトリ
ル=94/6、1.2mL/min.、UV=220nm、使用カラム ODS-AQ
内標 没食子酸メチル
(実施例9)
<2-デオキシ-scyllo-イノソースからカテコー
の合成>
国際公開第2006/112000号パンフレット記載の
法により合成した2-デオキシ-scyllo-イノソー
150mgを水3mLに溶解し、オートクレーブ中に
込んだ。さらに5重量%Pd/C7mg(50重量%含水)を仕
込み、反応器を窒素で置換した。0.3MPaの水素
圧をかけ撹拌しながら130℃に加熱し、水素添
加反応を3時間行った。冷却後、窒素置換し
HPLCを用いて定量分析を行った。その結果、
料が消失し、カテコールが収率29%で得られ
。分析条件は実施例1と同様に行った。
(実施例10~16)
<2-デオキシ-scyllo-イノソースからカテコー
の合成>
実施例9で用いた5重量%Pd/Cの代わりに、表1
示す触媒を用い、さらに表1に示す反応温度
反応時間とした以外は実施例9と全く同様に
反応を行い、分析を行った。カテコール収率
と併せて表1に示す。
(実施例17)
<2-デオキシ-scyllo-イノソースからカテコー
の合成>
国際公開第2006/112000号パンフレット記載の
法により合成した2-デオキシ-scyllo-イノソー
150mgを水3mLに溶解し、オートクレーブ中に
込んだ。さらに5重量%Pd/C1.8mg(50重量%含水)を
込み、反応器を窒素で置換した。0.3MPaの水
圧をかけ撹拌しながら130℃に加熱し、水素
加反応を3時間行った。冷却後、窒素置換し
、HPLCを用いて定量分析を行った。その結果
原料が消失し、カテコールが収率39%で得ら
た。分析条件は実施例1と同様に行った。
(実施例18)
<2-デオキシ-scyllo-イノソースからカテコー
の合成>
国際公開第2006/112000号パンフレット記載の
法により合成した2-デオキシ-scyllo-イノソー
150mgを水3mLに溶解し、オートクレーブ中に
込んだ。さらに5重量%Pd/C1.5mg(50重量%含水)お
び硫酸155mgを仕込み、反応器を窒素で置換
た。0.3MPaの水素圧をかけ撹拌しながら70℃に
加熱し、水素添加反応を10時間行った。冷却
、窒素置換し、HPLCを用いて定量分析を行っ
た。その結果、原料が消失し、カテコールが
収率41%で得られた。分析条件は実施例1と同
に行った。
(実施例19~21)
実施例18で用いた硫酸の代わりに、表2に示
酸を用い、反応温度を90℃とした以外は実
例18と全く同様に反応を行い、分析を行った
。カテコール収率と併せて表2に示す。
(実施例22)
<2-デオキシ-scyllo-イノソースからカテコー
の合成>
国際公開第2006/112000号パンフレット記載の
法により合成した2-デオキシ-scyllo-イノソー
150mgを水3mLに溶解し、オートクレーブ中に
込んだ。さらに5重量%Pd/C1.6mg(50重量%含水)お
びゼオライトHβ(NEケムキャット(株))152mgを
込み、反応器を窒素で置換した。0.3MPaの水
圧をかけ撹拌しながら130℃に加熱し、水素
加反応を10時間行った。冷却後、窒素置換し
た後、再度170℃に加熱し、2時間攪拌した。
却後、HPLCを用いて定量分析を行った。その
果、原料が消失し、カテコールが収率57%で
られた。分析条件は実施例1と同様に行った
。
(実施例23)
固体酸として、ゼオライトHβの代わりに、
オライトHZSM5(NEケムキャット(株))155mgを用い
た以外は、実施例22と全く同様に反応を行い
分析を行った。結果を表3に示す。
(実施例24)
固体酸として、ゼオライトHβの代わりに、
性白土(和光純薬工業(株))153mgを用いた以外
、実施例22と全く同様に反応を行い、分析
行った。結果を表3に示す。
(実施例25)
固体酸として、ゼオライトHβの代わりに、
フィオン(登録商標)155mgを用いた以外は、実
施例22と全く同様に反応を行い、分析を行っ
。結果を表3に示す。