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Patent Searching and Data


Title:
CATIONIZED HYALURONIC ACID AND/OR SALT THEREOF, METHOD FOR PRODUCING THE SAME, AND HAIR MODIFYING AGENT, CUTICLE REPAIRING AGENT, SKIN MODIFYING AGENT AND COSMETIC PREPARATION EACH USING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/133267
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a cationized hyaluronic acid and/or a salt thereof, which contains a quaternary ammonium group-containing group, while having a cationization degree of 0.15-0.6.

Inventors:
ASAOKA KAZUNORI (JP)
FUJIKAWA SHUNICHI (JP)
KANEMITSU TOMOYUKI (JP)
SAKAMOTO WAKAKO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/057832
Publication Date:
November 06, 2008
Filing Date:
April 23, 2008
Export Citation:
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Assignee:
Q P CORP (JP)
ASAOKA KAZUNORI (JP)
FUJIKAWA SHUNICHI (JP)
KANEMITSU TOMOYUKI (JP)
SAKAMOTO WAKAKO (JP)
International Classes:
C08B37/08; A61K8/73; A61Q1/00; A61Q5/00; A61Q9/00; A61Q19/00
Domestic Patent References:
WO2007063725A12007-06-07
Foreign References:
JPH0687726A1994-03-29
JP2003238385A2003-08-27
JPS5545602A1980-03-31
JPS5536412A1980-03-14
JPH0648918A1994-02-22
JPH1036403A1998-02-10
JP2003064102A2003-03-05
JP3221533B22001-10-22
Other References:
BASF JAPAN: "Kation-sei Shoho ni Taio suru Hyaluronic Acid 'HA-Quat (Quat)'", FRAGRANCE JOURNAL, vol. 35, no. 6, 15 June 2007 (2007-06-15), pages 127 - 128, XP008127412
See also references of EP 2166022A4
Attorney, Agent or Firm:
OFUCHI, Michie et al. (Ogikubo TM Bldg.26-13, Ogikubo 5-chome,Suginami-k, Tokyo 51, JP)
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Claims:
 第四級アンモニウム基含有基を有し、かつ、カチオン化度が0.15~0.6である、カチオン化ヒアルロン酸および/またはその塩。
 前記第四級アンモニウム基含有基は下記一般式(1)で表される、請求項1に記載のカチオン化ヒアルロン酸および/またはその塩。
 ・・・・・(1)
 (式中、R 1 ~R 3 は独立して炭化水素基を表し、X - は1価の陰イオンを表す。)
 前記第四級アンモニウム基含有基は、-C(=O)O-の酸素原子に結合している、請求項1または2に記載のカチオン化ヒアルロン酸および/またはその塩。
 前記第四級アンモニウム基含有基は、ヒアルロン酸および/またはその塩に含まれるカルボキシル基を、第四級アンモニウム基を含有するカチオン化剤と反応させることにより得られる、請求項3に記載のカチオン化ヒアルロン酸および/またはその塩。
 前記カチオン化剤は、2,3-エポキシプロピルトリアルキルアンモニウムハライドおよび3-ハロゲノ-2-ヒドロキシプロピルトリアルキルアンモニウムハライドもしくはいずれか一方である、請求項4に記載のカチオン化ヒアルロン酸および/またはその塩。
 請求項1ないし5のいずれかに記載のカチオン化ヒアルロン酸および/またはその塩を含有する毛髪改質剤。
 前記カチオン化ヒアルロン酸および/またはその塩のカチオン化度が0.15~0.4である、請求項6に記載の毛髪改質剤。
 アウトバスタイプの毛髪用化粧料に使用され、
 前記カチオン化ヒアルロン酸および/またはその塩が、カチオン化度が0.15~0.4であり、かつ、0.2%水溶液の動粘度が5~50mm 2 /sである、請求項6に記載の毛髪改質剤。
 インバスタイプの毛髪用化粧料に使用され、
 カチオン化ヒアルロン酸および/またはその塩が、カチオン化度が0.4~0.6であり、かつ、0.2%水溶液の動粘度が1~20mm 2 /sである、請求項6に記載の毛髪改質剤。
 キューティクル修復剤として使用される、請求項6ないし9のいずれかに記載の毛髪改質剤。
 請求項6ないし10のいずれかに記載の毛髪改質剤を含有する化粧料。
 請求項1ないし5のいずれかに記載のカチオン化ヒアルロン酸および/またはその塩を含有する皮膚改質剤。
 請求項12に記載の皮膚改質剤を含有する化粧料。
 請求項1ないし5のいずれかに記載のカチオン化ヒアルロン酸および/またはその塩を含有する化粧料。
 ヒアルロン酸および/またはその塩を、塩基性含水媒体中でカチオン化剤と反応させる工程を含む、カチオン化ヒアルロン酸および/またはその塩の製造方法。
 前記反応させる工程の後、ナトリウム塩およびカリウム塩またはいずれか一方を前記反応液に添加して、該反応液中の固形物を溶解させる工程と、
 前記固形物を溶解させた前記反応液にアルコールを添加して、沈殿物を得る工程と、
をさらに含む、請求項15に記載のカチオン化ヒアルロン酸および/またはその塩の製造方法。
 前記反応させる工程は、前記塩基性含水媒体を30~70℃に加熱して行われる、請求項15または16に記載のカチオン化ヒアルロン酸および/またはその塩の製造方法。
 下記一般式(2)で表される、カチオン化ヒアルロン酸および/またはその塩。
 ・・・・・(2)
 (式中、R 4 ~R 9 は独立して、水素原子または第四級アンモニウム基含有基を表し(ただし、R 4 ~R 9 がいずれも水素原子を表す場合を除く。)、nは2~5000の数を示す。)
 カチオン化度が0.15~0.6である、請求項18に記載のカチオン化ヒアルロン酸および/またはその塩。
Description:
カチオン化ヒアルロン酸および/ またはその塩、およびその製造方法、ならび にこれを用いた毛髪改質剤、キューティクル 修復剤、皮膚改質剤および化粧料

 本発明は、カチオン化ヒアルロン酸およ /またはその塩およびその製造方法、ならび に、カチオン化ヒアルロン酸および/または の塩を用いた毛髪改質剤、キューティクル 復剤、皮膚改質剤および化粧料に関する。

 ヒアルロン酸は生体内の多くの組織(例え ば皮下組織、眼球、関節)に多く存在するム 多糖類であり、その高い保湿効果により、 粧料の成分として広く利用されている。例 ば、特許第3221533号明細書には、ヒアルロン を含有する毛髪処理剤が開示されている。

 ところで、毛髪や皮膚の表面は通常、マ ナスに帯電している。また、ヒアルロン酸 、カルボキシル基などのアニオン性官能基 有するため、通常、マイナスに帯電してい 。したがって、ヒアルロン酸を用いて毛髪 処理した場合、毛髪の表面およびヒアルロ 酸は共にマイナスに帯電しているので、両 は反発しあう。このため、ヒアルロン酸は 般に、毛髪や皮膚の表面に吸着しにくい。 のような背景から、毛髪や皮膚をはじめと る生体組織に良好に吸着して、高い保湿効 を発揮できるヒアルロン酸およびその塩が められている。

 本発明の目的は、生体組織への吸着性に れたカチオン化ヒアルロン酸および/または その塩およびその製造方法、ならびに、カチ オン化ヒアルロン酸および/またはその塩を いた毛髪改質剤、キューティクル修復剤、 膚改質剤および化粧料を提供することであ 。

 本発明の第1の態様のカチオン化ヒアルロン 酸および/またはその塩は、
 第四級アンモニウム基含有基を有し、かつ カチオン化度が0.15~0.6である。

 上記カチオン化ヒアルロン酸および/また はその塩において、前記第四級アンモニウム 基含有基は、下記一般式(1)で表されることが できる。

    ・・・・・(1)

 (式中、R 1 ~R 3 は独立して炭化水素基を表し、X - は1価の陰イオンを表す。)
 上記カチオン化ヒアルロン酸および/または その塩において、前記第四級アンモニウム基 含有基は、-C(=O)O-の酸素原子に結合している とができる。

 この場合、前記第四級アンモニウム基含 基は、ヒアルロン酸および/またはその塩に 含まれる前記カルボキシル基を、第四級アン モニウム基を含有するカチオン化剤と反応さ せることにより得ることができる。

 さらに、この場合、前記カチオン化剤は 2,3-エポキシプロピルトリアルキルアンモニ ウムハライドおよび3-ハロゲノ-2-ヒドロキシ ロピルトリアルキルアンモニウムハライド しくはいずれか一方であることができる。

 本発明の第2の態様の毛髪改質剤は、上記 カチオン化ヒアルロン酸および/またはその を含有する。

 上記毛髪改質剤において、前記カチオン ヒアルロン酸および/またはその塩のカチオ ン化度が0.15~0.4である。

 上記毛髪改質剤は、アウトバスタイプの毛 用化粧料に使用され、前記カチオン化ヒア ロン酸および/またはその塩が、カチオン化 度が0.15~0.4であり、かつ、0.2%水溶液の動粘度 が5~50mm 2 /sであることができる。

 上記毛髪改質剤は、インバスタイプの毛髪 化粧料に使用され、カチオン化ヒアルロン および/またはその塩が、カチオン化度が0.4 ~0.6であり、かつ、0.2%水溶液の動粘度が1~20mm 2 /sであることができる。

 上記毛髪改質剤は、キューティクル修復 として使用可能である。

 本発明の第3の態様の皮膚改質剤は、上記 カチオン化ヒアルロン酸および/またはその を含有する。

 本発明の第4の態様の化粧料は、上記皮膚 改質剤を含有する。

 本発明の第5の態様の化粧料は、上記カチ オン化ヒアルロン酸および/またはその塩を 有する。

 本発明の第6の態様のカチオン化ヒアルロ ン酸および/またはその塩の製造方法は、ヒ ルロン酸および/またはその塩を、塩基性含 媒体中でカチオン化剤と反応させる工程を む。

 上記カチオン化ヒアルロン酸および/または その塩の製造方法は、前記反応させる工程の 後、ナトリウム塩およびカリウム塩またはい ずれか一方を前記反応液に添加して、該反応 液中の固形物を溶解させる工程と、
 前記固形物を溶解させた前記反応液にアル ールを添加して、沈殿物を得る工程と、
をさらに含むことができる。

 上記カチオン化ヒアルロン酸および/また はその塩の製造方法において、前記反応させ る工程は、前記塩基性含水媒体を30~70℃に加 して行われることができる。

 本発明の第7の態様のカチオン化ヒアルロ ン酸および/またはその塩は、下記一般式(2) 表される。

 ・・・・・(2)

 (式中、R 4 ~R 9 は独立して、水素原子または第四級アンモニ ウム基含有基を表し(ただし、R 4 ~R 9 がいずれも水素原子を表す場合を除く。)、n 2~5000の数を示す。)
 上記カチオン化ヒアルロン酸および/または その塩は、カチオン化度が0.15~0.6であること できる。

 本発明において、「ヒアルロン酸」とは グルクロン酸とN-アセチルグルコサミンと 二糖からなる繰り返し構成単位を1以上有す 多糖類をいう。また、本発明において、ヒ ルロン酸および/またはその塩の「カチオン 化度」とは、ヒアルロン酸および/またはそ 塩の構成単位である上記二糖当たりの第四 アンモニウム基含有基の数(置換数)をいう。

 また、「ヒアルロン酸の塩」としては、 に限定されないが、薬学上許容しうる塩で ることが好ましく、例えば、ナトリウム塩 カリウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩、マグ シウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる

 上記カチオン化ヒアルロン酸および/また はその塩によれば、第四級アンモニウム基含 有基を有し、かつ、カチオン化度が0.15~0.6で ることにより、プラスの電荷を持ち、ヒア ロン酸の特性を維持する。これにより、生 組織への吸着性(例えば毛髪表面や皮膚表面 への吸着性)に優れ、保湿効果が高いため、 髪や皮膚等を滑らかにすることができる。 れにより、上記カチオン化ヒアルロン酸お び/またはその塩は、例えば、毛髪改質剤、 ューティクル修復剤、皮膚改質剤および化 料の成分として有用である。

図1は、試験例1において得られた、毛 1gに対する各試料の吸着量を示すグラフであ る。 図2は、試験例3において、カチオン化 が0.33(実施例18)のカチオン化ヒアルロン酸を 用いた処理により得られた毛髪の走査型電子 顕微鏡写真(倍率200倍)である。 図3は、試験例3において、蒸留水を用 た処理により得られた毛髪の走査型電子顕 鏡写真(倍率200倍)である。 図4は、試験例3において、カチオン化 が0.33(実施例18)のカチオン化ヒアルロン酸を 用いた処理により得られた毛髪の走査型電子 顕微鏡写真(倍率750倍)である。 図5は、試験例3において、蒸留水を用 た処理により得られた毛髪の走査型電子顕 鏡写真(倍率750倍)である。 図6は、試験例4において得られた、皮 に対する各試料の吸着量を示すグラフであ 。 図7は、実施例18のカチオン化ヒアルロン酸の 13 CNMRスペクトルを示す。 図8は、ヒアルロン酸(カチオン化度0)の 13 CNMRスペクトルを示す。

 以下、本発明の一実施形態に係るカチオ 化ヒアルロン酸および/またはその塩および その製造方法、ならびに、カチオン化ヒアル ロン酸および/またはその塩を用いた毛髪改 剤、キューティクル修復剤、皮膚改質剤お び化粧料について詳細に説明する。なお、 実施形態および後述する実施例において、 %」は「質量%」を意味する。

 1.カチオン化ヒアルロン酸および/またはそ 塩
 本実施形態に係るカチオン化ヒアルロン酸 よび/またはその塩は、第四級アンモニウム 基含有基を有し、かつ、カチオン化度が0.15~0 .6である。ここで、カチオン化度が0.15未満で は、生体組織(例えば毛髪や皮膚)への吸着力 大幅に低下するため、満足な保湿効果が得 れなくなる恐れがある。一方、カチオン化 が0.6を超えるものは、毛髪に吸着するが満 な保湿効果や滑らかさが得られなくなる恐 がある。

 さらに良好な吸着性および保湿効果を両 させて、毛髪のぱさつき感・ざらつき感お び皮膚のかさつき感をより少なくするため は、本実施形態に係るカチオン化ヒアルロ 酸および/またはその塩のカチオン化度は、 0.15~0.4であることが好ましい。

 なお、本明細書において、毛髪が「ぱさ く(dry)」とは、毛髪の水分が少なくて手触 が良くないことをいい、毛髪が「ざらつく(r ough)」とは、毛髪がざらざらしていて手触り 良くないことをいい、皮膚が「ぱさつく(dry )」とは、皮膚の水分が少なくて手触りが良 ないことをいう。

 1.1.第四級アンモニウム基含有基
 第四級アンモニウム基含有基は、第四級ア モニウム基を少なくとも一部に有する基で る。第四級アンモニウム基含有基は、例え 、下記一般式(1)で表される基であることが きる。

    ・・・・・(1)

 (式中、R 1 ~R 3 は独立して炭化水素基を表し、X - は1価の陰イオンを表す。)
 上記一般式(1)において、R 1 ~R 3 で表される炭化水素基としては、例えば、直 鎖状または分岐状のアルキル基、不飽和炭化 水素基、および芳香族炭化水素基が挙げられ 、アルキル基であることがより好ましい。こ こで、アルキル基としては、炭素数1~30(好ま くは炭素数1~6)のアルキル基が挙げられ、よ り好ましくは、メチル基、エチル基、n-プロ ル基、イソプロピル基などの炭素数1~3のア キル基である。

 また、上記一般式(1)において、X - で表される1価の陰イオンとしては、フッ素 オン、臭素イオン、塩素イオン、ヨウ素イ ンなどのハロゲンイオンが挙げられる。

 第四級アンモニウム基含有基は、原料であ ヒアルロン酸および/またはその塩(以下、 原料ヒアルロン酸および/またはその塩」と いう。)に含まれるカルボキシル基の水素原 子と置換することにより導入することができ る。すなわち、この場合、第四級アンモニウ ム基含有基は、本実施形態に係るカチオン化 ヒアルロン酸および/またはその塩に含まれ 基(-C(=O)O-)の酸素原子に結合していることが きる。なお、本実施形態に係るカチオン化 アルロン酸および/またはその塩において、 第四級アンモニウム基含有基が(-C(=O)O-)の酸 原子に結合していることは、核磁気共鳴( 13 CNMR)スペクトルの化学シフトの解析により、 素原子が第四級アンモニウム基含有基と結 した-C(=O)O-基の炭素原子に由来するピーク 存在により確認することができる。

 より具体的には、第四級アンモニウム基 有基は、原料ヒアルロン酸および/またはそ の塩のカルボキシル基(場合によってはさら 水酸基)を、第四級アンモニウム基を含有す カチオン化剤と反応させることにより得る とができる。ここで、カチオン化剤は、下 一般式(3)で表される2,3-エポキシプロピルト リアルキルアンモニウムハライドおよび下記 一般式(4)で表される3-ハロゲノ-2-ヒドロキシ ロピルトリアルキルアンモニウムハライド しくはいずれか一方であることが好ましい 原料ヒアルロン酸および/またはその塩とカ チオン化剤との反応については、製造方法の 欄で後述する。

 ・・・・・(3)

 (式中、R 1 ~R 3 は上記一般式(1)で定義した通りであり、Xは ロゲン原子を表す。)

   
 ・・・・・(4)

 (式中、R 1 ~R 3 は上記一般式(1)で定義した通りであり、X、Y 独立してハロゲン原子を表す。)
 上記一般式(3)および(4)において、X、Yで表 れるハロゲン原子としては、フッ素原子、 素原子、塩素原子、ヨウ素原子が挙げられ 。

 1.2.カチオン化度
 本実施形態に係るカチオン化ヒアルロン酸 よび/またはその塩のカチオン化度(第四級 ンモニウム基含有基の置換度)は、まず、セ ミクロケルダール法により、原料ヒアルロ 酸ナトリウムとカチオン化ヒアルロン酸の 素含有率を求め、この窒素含有率の増加分 基づいて、下記計算式から算出することに り得ることができる。

 原料ヒアルロン酸ナトリウムの窒素含有率N N (%)、カチオン化度(x)のカチオン化ヒアルロン 酸の窒素含有率N S (%)とすると、窒素含有率の増加分(N S ―N N )とカチオン化度(x)の関係は次の式で表すこ ができる。
N S ―N N (%)
=[14x/(カチオン化ヒアルロン酸の二糖単位の 子量)]×100
=[14x/(原料ヒアルロン酸ナトリウムの二糖単 の分子量)+129.5x]×100
=[14x/(401.3+129.5x)]×100
 よって、カチオン化度(第四級アンモニウム 基含有基の置換度)は、下記式から求めるこ ができる。

 カチオン化度(x)=[(N S ―N N )×401.3]/[1400-129.5×(N S ―N N )]
 また、原料ヒアルロン酸が未知であるカチ ン化ヒアルロン酸のカチオン化度は、上記 において、純度99%以上のヒアルロン酸ナト ウムを原料ヒアルロン酸ナトリウムとみな 、上記式から求めることができる。

 1.3.特性
 本実施形態に係るカチオン化ヒアルロン酸 よび/またはその塩は、生体組織(例えば、 髪,まつ毛,まゆ毛などの毛髪、ツメ、皮膚) の吸着性に優れている。本実施形態に係る チオン化ヒアルロン酸および/またはその塩 、生体組織の表面に塗布または接触して摂 させてもよいし、特に、頭髪、まつ毛、ま 毛などの毛髪や、顔、腕、手指、足、関節 どの皮膚への吸着性に優れているため、毛 や皮膚に塗布または接触させるのが好まし 。

 また、本実施形態に係るカチオン化ヒア ロン酸および/またはその塩の平均分子量は 、毛髪や皮膚の改質効果および化粧料への配 合のしやすさの点で、800万~250万であるのが り好ましく、5万~150万であるのがさらに好ま しい。

 1.4.カチオン化ヒアルロン酸および/または の塩の構造
 本実施形態に係るカチオン化ヒアルロン酸 よび/またはその塩は、下記一般式(2)で表さ れる構造を有することができる。

   
 ・・・・・(2)

 (式中、R 4 ~R 9 は独立して、水素原子または第四級アンモニ ウム基含有基を表し(ただし、R 4 ~R 9 がいずれも水素原子を表す場合を除く。)、n 2 ~5000の数を示す。)
 上記一般式(2)において、R 4 ~R 9 で表される第四級アンモニウム基含有基とし ては、例えば、下記一般式(5)で表される基が 挙げられる。

 ・・・・・(5)

 (式中、R 1 ~R 3 およびX - は上記一般式(1)で定義したとおりである。)
 R 1 ~R 3 およびX - でそれぞれ表される基は例えば、上記一般式 (1)においてR 1 ~R 3 およびX - でそれぞれ表される基として例示したもので あることができる。

 2.毛髪改質剤
 本発明の一実施形態に係る毛髪改質剤は、 記カチオン化ヒアルロン酸および/またはそ の塩を含有する。本実施形態に係る毛髪改質 剤に含まれる上記カチオン化ヒアルロン酸お よび/またはその塩のカチオン化度は0.15~0.6で あることが好ましく、0.15~0.4であることがよ 好ましい。カチオン化度が0.15未満では、毛 髪への吸着が不十分で、十分な保湿効果や滑 らかさが得られない恐れがある。カチオン化 度が0.6を超えるものは、毛髪に吸着するが満 足な保湿効果や滑らかさが得られなくなる恐 れがある。

 本実施形態に係る毛髪改質剤は例えば、 ューティクル修復剤として使用することが きる。

 本実施形態に係る毛髪改質剤の態様とし は、例えば、インバスタイプの毛髪用化粧 、アウトバスタイプの毛髪用化粧料が挙げ れる。本発明において、「アウトバスバス イプの毛髪用化粧料」とは、毛髪に付着さ た後、洗い流さないタイプの化粧料をいい 例えば、原液タイプヘアトリートメント、 アクリーム、ヘアスタイリング、ヘアワッ ス、ヘアジェル、ヘアフォーム(ヘアムース )、ヘアローション、ヘアスプレー、ヘアオ ル、ヘアトニック、養毛剤、パーマネント 、マスカラ、アイライナー、アイブロウ等 挙げられる。また、本発明において、「イ バスタイプの毛髪用化粧料」とは、毛髪に 着させた後、洗い流すタイプの化粧料をい 、例えば、シャンプー、リンス、リンス一 型シャンプー、ヘアコンディショナー、ヘ トリートメント、ヘアパック、マスカラク ンジング、ヘアカラー前処理液、カラーリ グ液等が挙げられる。

 本実施形態に係る毛髪改質剤がアウトバス イプの毛髪用化粧料に使用される場合、該 粧料に含まれるカチオン化ヒアルロン酸お び/またはその塩のカチオン化度が0.15~0.4で り、かつ、0.2%水溶液の動粘度が5~50mm 2 /sであることが好ましい。上記カチオン化度 よび動粘度を有するカチオン化ヒアルロン および/またはその塩をアウトバスタイプの 毛髪用化粧料に使用することにより、適度な 粘度を有し、かつ、毛髪への吸着力が優れて いるため、毛髪に潤いを付与し、感触を改善 し、かつ、洗い流さない状態において使用時 の毛髪のぱさつき感・ざらつき感を改善する ことができる。

 本実施形態に係る毛髪改質剤がインバスタ プの毛髪用化粧料に使用される場合、該化 料に含まれるカチオン化ヒアルロン酸およ /またはその塩のカチオン化度が0.4~0.6であ 、かつ、0.2%水溶液の動粘度が1~20mm 2 /sであることが好ましい。上記カチオン化度 よび動粘度を有するカチオン化ヒアルロン および/またはその塩をインバスタイプの毛 髪用化粧料に使用することにより、毛髪への 吸着力が非常に優れているため、毛髪に潤い を付与し、感触を改善し、かつ、洗い流した 後において使用時の毛髪のぱさつき感・ざら つき感を改善することができる。

 カチオン化ヒアルロン酸および/またはそ の塩の水溶液の動粘度は、ウベローデ粘度計 (柴田科学器械工業株式会社製)を用いて測定 ることができる。この際、流下秒数が200~100 0秒になるような係数のウベローデ粘度計を 択する。また、測定は30℃の恒温水槽中で行 ない、温度変化のないようにする。

 ウベローデ粘度計により測定された前記水 液の流下秒数と、ウベローデ粘度計の係数 の積により、動粘度(単位:mm 2 /s)を求めることができる。

 3.皮膚改質剤
 本発明の一実施形態に係る皮膚改質剤は、 記カチオン化ヒアルロン酸および/またはそ の塩を含有する。本実施形態に係る皮膚改質 剤に含まれる上記カチオン化ヒアルロン酸お よび/またはその塩のカチオン化度は0.15~0.6で あることが好ましく、0.3~0.6であることがよ 好ましい。カチオン化度が0.15未満では、皮 への吸着が不十分で、十分な保湿効果や滑 かさが得られない恐れがある。カチオン化 が0.6を超えるものは、皮膚に吸着するが満 な保湿効果や滑らかさが得られなくなる恐 がある。本実施形態に係る皮膚改質剤の態 としては、例えば、皮膚用化粧料が挙げら る。上記カチオン化度を有するカチオン化 アルロン酸および/またはその塩を皮膚用化 粧料に使用することにより、適度な粘度を有 し、かつ、皮膚への吸着力が優れているため 、皮膚に潤いを付与し、感触を改善し、かつ 、皮膚のかさつき感を改善することができる 。本実施形態に係る皮膚用化粧料の態様とし ては、例えば、洗顔料、洗浄料、化粧水(例 ば、美白化粧水)、クリーム(例えば、バニシ ングクリーム、コールドクリーム)、乳液、 容液、パック(例えば、ゼリー状ピールオフ イプ、ペースト状拭き取りタイプ、粉末状 い流しタイプ)、クレンジング、ファンデー ション、口紅、リップクリーム、リップグロ ス、リップライナー、頬紅、シェービングロ ーション、アフターサンローション、デオド ラントローション、ボディローション(ハン ケアローション、フットケアローションを む)、ボディオイル、石鹸、入浴剤が挙げら る。

 4.化粧料
 本発明の一実施形態に係る化粧料は、上記 髪改質剤または皮膚改質剤を含有する。本 施形態に係る化粧料は、上記カチオン化ヒ ルロン酸および/またはその塩を保湿剤とし て含有することができる。また、本実施形態 に係る化粧料は、上記カチオン化ヒアルロン 酸および/またはその塩を通常、0.001~5%含有す る。含有量が0.001%未満では、満足な保湿効果 や滑らかさが得られないため、使用時の毛髪 のぱさつき感・ざらつき感および皮膚のかさ つき感を改善することができない恐れがある 。含有量が5%を超えると、粘度が高くなりす 毛髪や皮膚全体に伸ばしにくくなる恐れが る。

 本実施形態に係る化粧料の態様は特に限 されないが、例えば、毛髪用化粧料、皮膚 化粧料、爪用化粧料が挙げられる。

 毛髪用化粧料としては、上述したインバ タイプの毛髪用化粧料およびアウトバスタ プの毛髪用化粧料が挙げられる。

 皮膚用化粧料としては、上述した事例な が挙げられる。

 爪用化粧料としては、例えば、ネイルト ートメント、ネイルリムーバーが挙げられ 。

 本実施形態に係る化粧料によれば、上記 チオン化ヒアルロン酸および/またはその塩 を含有することにより、生体組織への吸着性 に優れているため、優れた保湿効果を発揮す ることができる。特に、上記カチオン化ヒア ルロン酸および/またはその塩を含有するこ により、表面がマイナスに帯電している生 組織(例えば毛髪や皮膚)への吸着性に優れて いる。このため、特に毛髪の損傷部への親和 性が良好である。

 また、本実施形態に係る化粧料によれば 上記カチオン化ヒアルロン酸および/または その塩を含有することにより、適度な粘度に 調整されているため、使用時の毛髪のぱさつ き感・ざらつき感および皮膚のかさつき感を 改善することができる。

 したがって、本実施形態に係る化粧料に れば、上記カチオン化ヒアルロン酸および/ またはその塩を含有することにより、毛髪や 皮膚に潤いを与えることができ、かつ、例え ば毛髪のぱさつき感・ざらつき感や皮膚のか さつき感などを改善することができる。

 本実施形態に係る化粧料にはさらに、以 の成分が配合されていてもよい。前記成分 しては、例えば、カチオン化多糖類(例えば 、カチオン化ヒドロキシエチルセルロース、 カチオン化グアーガム、カチオン化澱粉、カ チオン化ローカストビーンガム、カチオン化 デキストラン、カチオン化キトサン、カチオ ン化ハチミツ等)、アニオン界面活性剤(例え 、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオ シアルキンアルキル硫酸エステル塩、アル ル硫酸エステル塩、オレフィンスルホン酸 、脂肪酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩 )、非イオン界面活性剤(例えば、ポリオキ エチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチ ン硬化ヒマシ油誘導体等)、陽イオン界面活 剤(例えば、アルキルトリメチルアンモニウ ム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、 アルキルピリジニウム塩、塩化ステアリルト リメチルアンモニウム等)、両性界面活性剤( えば、アルキルベタイン、アルキルアミド ロピルベタイン、イミダゾリニウムベタイ 、卵黄レシチン、大豆レシチン等)、油分( えば、シリコーン、シリコーン誘導体、流 パラフィン、スクワラン、ミツロウ、カル バロウ、オリーブ油、アボガド油、ツバキ 、ホホバ油、馬油等)、保湿剤(例えば、ヒア ルロン酸ナトリウム、加水分解ヒアルロン酸 、アセチル化ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ジ メチルシラノール、セラミド、フィトグリコ ーゲン、加水分解卵殻膜、トレハロース、グ リセリン、アテロコラーゲン、ソルビトール 、マルチトール、1,3-ブチレングリコール等) 高級脂肪酸(例えば、ラウリン酸、ベヘニン 酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステ アリン酸、オレイン酸等)、高級アルコール( えば、セチルアルコール、ステアリルアル ール、ベヘニルアルコール、イソステアリ アルコール、バチルアルコール等)、多価ア ルコール(例えば、グリセリン、ジグリセリ 、プロピレングリコール、ポリエチレング コール、ペンチレングリコール等)、増粘剤( 例えば、セルロースエーテル、カルボキシビ ニルポリマー、キサンタンガム、パルミチン 酸デキストリン等)、両性高分子樹脂化合物( えば、ベタイン化ジアルキルアミノアルキ アクリレート共重合体等)、カチオン性高分 子樹脂化合物(例えば、ビニルピロリドン/ジ チルアミノエチルメタクリレート共重合体 チオン化物、ポリジメチルジアリルアンモ ウムハライド型カチオン性ポリマー等)、防 腐剤(例えば、メチルパラベン、エチルパラ ン、ブチルパラベン、プロピルパラベン、 ェノキシエタノール等)、酸化防止剤(例えば 、トコフェノール、BHT等)、金属封鎖剤(例え 、エデト酸塩、エチドロン酸塩等)、紫外線 吸収剤(例えば、ベンゾフェノン誘導体、パ アミノ安息香酸誘導体、メトキシ桂皮酸誘 体等)、紫外線反射剤(例えば、酸化チタン、 酸化亜鉛等)、タンパク質加水分解物(例えば ケラチンペプチド、コラーゲンペプチド、 豆ペプチド、コムギペプチド、ミルクペプ ド、シルクペプチド、卵白ペプチド等)、ア ミノ酸(例えば、アルギニン、グルタミン酸 グリシン、アラニン、ヒドロキシプロリン システイン、セリン、L-テアニン等)、天然 エキス(クジンエキス、カジルエキス、テン カエキス、海草エキス、ユーカリエキス、 ーヤルゼリーエキス、ローズマリーエキス ブナの木エキス等)、その他の機能性成分( エンザイムQ10、アルブチン、ポリクオタニ ム―51、エラスチン、白金ナノコロイド、パ ルミチン酸レチノール、パンテノール、アラ ントイン、ジラウロイルグルタミン酸リシン ナトリウム等)、リン脂質ポリマー、香料、 素が挙げられる。

 5.カチオン化ヒアルロン酸および/またはそ 塩の製造方法
 本発明の一実施形態に係るカチオン化ヒア ロン酸および/またはその塩の製造方法は、 原料ヒアルロン酸および/またはその塩を塩 性含水媒体中でカチオン化剤と反応させる 程を含む。これにより、カチオン化度が0.15~ 0.6であるカチオン化ヒアルロン酸および/ま はその塩を得ることができる。

 本実施形態に係るカチオン化ヒアルロン および/またはその塩の製造方法によれば、 例えば、原料ヒアルロン酸および/またはそ 塩を水に溶解させてカチオン化剤と反応さ る場合と比較して、製造工程の効率を高め ことができる。

 5.1.カチオン化剤と反応させる工程
 本実施形態に係るカチオン化ヒアルロン酸 よび/またはその塩の製造方法において、原 料ヒアルロン酸および/またはその塩を塩基 含水媒体中でカチオン化剤と反応させる工 では、原料ヒアルロン酸および/またはその は、塩基性含水媒体中に分散させた状態で チオン化剤と反応させることが好ましい。 なわち、上記工程では、原料ヒアルロン酸 よび/またはその塩の大部分が塩基性含水媒 体に溶解しないで存在した状態において、原 料ヒアルロン酸および/またはその塩をカチ ン化剤と反応させる。このように、原料ヒ ルロン酸および/またはその塩を塩基性含水 体中に分散させた状態でカチオン化剤と反 させることにより、製造工程の効率を高め カチオン化剤の加水分解の進行を改善する とができる。

 分散させる工程においては、例えば、粉 状の原料ヒアルロン酸および/またはその塩 を塩基性含水媒体に添加して攪拌させること により行なうことができる。ここで、粉末状 のヒアルロン酸および/またはその塩はほと ど溶解することなく、塩基性含水媒体中に 散される。

 ここで、反応条件(時間、温度等)を調整 ることにより、カチオン化の度合いを調整 ることができる。

 また、反応時間は通常0.1~6時間であり、 応時間が0.1時間未満であると、カチオン化 十分に進行せず、一方、反応時間が6時間を えると、反応温度によっては、得られるヒ ルロン酸および/またはその塩が結着して固 まる場合がある。

 5.1.1.原料ヒアルロン酸および/またはその塩
 原料ヒアルロン酸および/またはその塩は一 般に、鶏冠、臍の緒、眼球、皮膚、軟骨等の 生物組織、あるいはストレプトコッカス属の 微生物等のヒアルロン酸生産微生物を培養し て得られる培養液等を原料として、これらの 原料から抽出(さらに必要に応じて精製)して られるものである。

 原料ヒアルロン酸および/またはその塩の 平均分子量は通常、800~300万であり、100万~200 であるのが好ましい。前記平均分子量の原 ヒアルロン酸を用いることにより、好まし は平均分子量800~250万、より好ましくは5万~1 50万のカチオン化ヒアルロン酸を得ることが きる。

 原料ヒアルロン酸および/またはその塩と しては、当該粗抽出物および精製物のいずれ を用いてもよいが、精製物、具体的にはヒア ルロン酸および/またはその塩の純度が90%(質 比)以上のものが好ましい。純度が90%以上の 原料ヒアルロン酸および/またはその塩を原 として用いた場合、保存中に色調や風味の 化の原因となり難いため、安定な化粧料が られる。

 5.1.2.加熱温度
 原料ヒアルロン酸および/またはその塩とカ チオン化剤との反応は、加熱下で行なうこと ができる。より具体的には、粉末状の原料ヒ アルロン酸および/またはその塩を、塩基性 水媒体中に攪拌しながら添加して得られた 散媒を加熱することができる。あるいは、 基性含水媒体を予め加熱し、これに原料ヒ ルロン酸および/またはその塩を添加し、温 を保持してもよい。

 ここで、塩基性含水媒体の加熱温度は70 以下であるのが好ましい。塩基性含水媒体 70℃以下に加熱することにより、1時間以内 加熱により、目的のカチオン化度を有する チオン化ヒアルロン酸および/またはその塩 得ることができる。ここで、加熱温度が70 を超えると、得られるカチオン化ヒアルロ 酸および/またはその塩に結着や褐変が生じ ことがある。また、塩基性含水媒体の加熱 度は30~70℃であるのがより好ましい。

 例えば、塩基性含水媒体の加熱温度を30~6 0℃にすることにより、1時間以内の加熱によ 、カチオン化度が0.15~0.4であるカチオン化 アルロン酸および/またはその塩を得ること できる。また、例えば、塩基性含水媒体の 熱温度を60~70℃にすることにより、1時間以 の加熱により、カチオン化度が0.4~0.6である カチオン化ヒアルロン酸および/またはその を得ることができる。

 5.1.3.カチオン化剤
 使用可能なカチオン化剤としては例えば、 記一般式(3)で表される2,3-エポキシプロピル トリアルキルアンモニウムハライド(グリシ ルトリアルキルアンモニウム塩)および上記 般式(4)で表される3-ハロゲノ-2-ヒドロキシ ロピルトリアルキルアンモニウムハライド の第四級アンモニウム基を含有するカチオ 化剤が挙げられる。かかるカチオン化剤は 独でも、あるいは二種以上を組み合わせて 用してもよい。

 なお、カチオン化剤の具体例としては、2 ,3-エポキシプロピルトリアルキルアンモニウ ムハライドとして、例えば、グリシジルトリ メチルアンモニウムクロリド,グリシジルト エチルアンモニウムクロリド,グリシジルト プロピルアンモニウムクロリド,グリシジル ジメチルオクチルアンモニウムクロリド,グ シジルジメチルデシルアンモニウムクロリ ,グリシジルジメチルラウリルアンモニウム ロリド,グリシジルジメチルステアリルアン モニウムクロリド等が挙げられる。

 また、3-ハロゲノ-2-ヒドロキシプロピル リアルキルアンモニウムハライドとしては 例えば、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルトリ メチルアンモニウムクロリド,3-クロロ-2-ヒド ロキシプロピルトリエチルアンモニウムクロ リド,3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルトリプロ ピルアンモニウムクロリド,3-クロロ-2-ヒドロ キシプロピルジメチルオクチルアンモニウム クロリド,3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルジメ チルデシルアンモニウムクロリド,3-クロロ-2- ヒドロキシプロピルジメチルラウリルアンモ ニウムクロリド,3-クロロ-2-ヒドロキシプロピ ルジメチルステアリルアンモニウムクロリド 等が挙げられる。

 なかでも、カチオン化剤は、3-クロロ-2- ドロキシプロピルトリメチルアンモニウム ロリドおよびグリシジルトリメチルアンモ ウムクロリドもしくはいずれか一方である とが好ましい。

 カチオン化剤の使用量は、所望するカチ ン化度により任意に選択することができる 、ヒアルロン酸1質量部に対し、カチオン化 剤0.5~4質量部であることが好ましく、1~3質量 であることがさらに好ましい。カチオン化 が0.5質量部未満では、カチオン化が十分に 行しない恐れがある。カチオン化剤が4質量 部を超えると、ヒアルロン酸が反応液中に溶 解してしまい、精製工程のハンドリングが悪 くなる恐れがある。

 本実施形態に係るカチオン化ヒアルロン および/またはその塩の製造方法によれば、 原料ヒアルロン酸および/またはその塩を塩 性含水媒体中で、第四級アンモニウム基含 基を含有するカチオン化剤と反応させる工 を含むことにより、ヒアルロン酸および/ま はその塩に含まれるカルボキシル基の水素 子を優先して、第四級アンモニウム基含有 と置換させることにより、第四級アンモニ ム基を優先してカルボニル基に結合させる とができる。

 5.1.4.塩基性含水媒体
 本発明において、含水媒体は、水を含む、 アルロン酸および/またはその塩の分散媒体 のことをいう。含水媒体に使用できる媒体は 、ヒアルロン酸および/またはその塩の溶解 が低いことが好ましい。含水媒体に使用で る媒体は特に限定されないが、例えば液体 あって、水に溶解する性質を有し、かつ、 粧料の製造工程において使用できるものが ましい。含水媒体に使用できる媒体として 、例えば、アルコール系媒体(例えば、メタ ール、エタノール、n-プロパノール、2-プロ パノールなど)、ケトン系媒体(例えば、アセ ン、メチルエチルケトンなど)、テトラヒド ロフラン、アセトニトリル等を挙げることが でき、これらを単独でまたは組み合わせて使 用することができる。このうち、沸点の低さ および価格の点で、アルコール系媒体である ことが好ましく、炭素数1~3の低級アルコール であることがより好ましく、エタノールであ ることがさらに好ましい。

 含水媒体の全量に対する水の割合は10~40 量%が好ましい。上記水の割合が40容量%を超 ると、ヒアルロン酸および/またはその塩が 分散状態を維持できず、含水媒体に溶解する ため、カチオン化が十分に進行しない恐れが あるうえに、液の粘度が上昇して攪拌が困難 になる場合があり、一方、含水量が10容量%未 満であると、カチオン化が進行しづらい場合 がある。

 塩基性含水媒体は、含水媒体に塩基を添 することにより得ることができる。塩基と ては、特に限定されないが、化粧料の製造 おいて使用できるものが好ましい。塩基と ては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化 リウムを例として挙げることができる。塩 の添加量は特に定めるものではないが、塩 の添加量が少ないと、ヒアルロン酸および/ またはその塩のカチオン化が進まず、製造効 率が低下することがある。一方、塩基の添加 量が多過ぎると、ヒアルロン酸および/また その塩のカチオン化および加水分解が促進 れるため、目的のカチオン化度および分子 に調整することが困難となることがある。

 5.2.固形物を溶解させる工程
 本実施形態に係るカチオン化ヒアルロン酸 よび/またはその塩の製造方法においては、 前記反応させる工程の後、ナトリウム塩およ びカリウム塩またはいずれか一方を前記反応 液に添加して、該反応液中の固形物を溶解さ せる工程をさらに含むことができる。ここで 、固形物は主に、カチオン化反応によって生 じた主生成物(カチオン化ヒアルロン酸およ /またはその塩)である。

 反応液中のナトリウム塩およびカリウム またはいずれか一方の濃度は、5~20%である とが好ましい。ナトリウム塩およびカリウ 塩またはいずれか一方の濃度が5%未満では、 次の沈殿物を得る工程で沈殿ができない恐れ がある。20%を超えると、次の沈殿物を得る工 程で、カチオン化ヒアルロン酸と一緒にナト リウム塩またはカリウム塩が沈殿してしまう 恐れがある。

 5.3.沈殿物を得る工程
 本実施形態に係るカチオン化ヒアルロン酸 よび/またはその塩の製造方法においては、 固形物を溶解させる工程の後、前記固形物を 溶解させた前記反応液にアルコールを添加し て、沈殿物を得る工程をさらに含むことがで きる。また、アルコールとしては例えば、メ タノール、エタノールが挙げられ、エタノー ルが好ましい。ここで、沈殿物は、カチオン 化反応によって生じた主生成物(カチオン化 アルロン酸および/またはその塩)である。す なわち、固形物を溶解させる工程の後、前記 固形物を溶解させた前記反応液にアルコール を添加して、沈殿物(カチオン化ヒアルロン および/またはその塩)を得ることにより、残 存するカチオン化剤およびナトリウム塩また はカリウム塩と分離して、カチオン化ヒアル ロン酸および/またはその塩を得ることがで る。

 沈殿物を得た後、必要に応じて、カチオ 化ヒアルロン酸および/またはその塩が溶解 しにくい溶媒(例えば、含水アルコール)で沈 物を洗浄してもよい。その後、沈殿物を乾 することにより、精製されたカチオン化ヒ ルロン酸および/またはその塩を得ることが できる。

 上述の固形物を溶解させる工程および沈 物を得る工程は複数回繰り返して行なって よい。

 6.実施例
 次に、本発明を以下の実施例、比較例およ 試験例に基づき、さらに詳細に説明する。 お、本発明はこれらに限定されるものでは い。なお、動粘度の測定は、上述した方法 より行なわれた。

 6.1.実施例1(本発明のカチオン化ヒアルロン の調製)
 1L容ビーカーに、ヒアルロン酸ナトリウム( ユーピー株式会社製、平均分子量200万)20g、 5%水酸化ナトリウム20mL、80%含水エタノール180 mL、およびグリシジルトリメチルアンモニウ クロリド(GTA(有効成分約80%、水分約20%))30mL 添加し、撹拌子を用いて撹拌しながら、40℃ で1時間反応させた。

 次に、デカンテーションにより液を除去 て、固形物(カチオン化ヒアルロン酸を含む )を得た。

 次いで、食塩水400mLを加え、固形物を溶 させた。固形物が完全に溶解したことを確 した後、エタノール600mLを添加して、カチオ ン化ヒアルロン酸を沈殿させた。デカンテー ションにより液を除去した後、80%含水エタノ ール500mLを添加して15分間撹拌し、さらに、 水エタノールをデカンテーションにより除 して沈殿物を得た。この操作を3回繰り返し 沈殿物に残存するカチオン化剤(GTA)および 塩を除去した。

 次いで、遠心分離処理を行なうことによ 含水エタノールをさらに除去した後、真空 燥機を用いて、60℃にて減圧で5時間加熱乾 を行った。

 これにより、白色粉末のカチオン化ヒアル ン酸20.5gを得た。このカチオン化ヒアルロ 酸の窒素含有率を測定し、上述の計算式に って求めたカチオン化度は0.27であった。ま 、このカチオン化ヒアルロン酸の0.2%(W/W)水 液を調製し、30℃における動粘度を測定し ところ、13.3mm 2 /sであった。

 なお、実施例1において、エタノールの添 加による沈殿処理を行わなかった場合、大量 のカチオン化剤がカチオン化ヒアルロン酸中 に残存した。

 6.2.実施例2(本発明のカチオン化ヒアルロン の調製)
 1L容ビーカーに、ヒアルロン酸ナトリウム( ユーピー株式会社製、平均分子量130万)20g、 5%水酸化ナトリウム20mL、65%含水エタノール180 mL、およびグリシジルトリメチルアンモニウ クロリド(GTA(有効成分約80%、水分約20%))30mL 添加し、撹拌子を用いて撹拌しながら、60℃ で1時間反応させた。

 次に、デカンテーションにより液を除去 て、固形物(カチオン化ヒアルロン酸を含む )を得た。

 次いで、食塩水400mLを加え、固形物を溶 させた。固形物が完全に溶解したことを確 した後、エタノール600mLを添加して、カチオ ン化ヒアルロン酸を沈殿させた。デカンテー ションにより液を除去した後、80%含水エタノ ール500mLを添加して15分間撹拌し、さらに、 水エタノールをデカンテーションにより除 して沈殿物を得た。この操作を3回繰り返し 沈殿物に残存するカチオン化剤(GTA)および 塩を除去した。

 次いで、遠心分離処理を行なうことによ 含水エタノールをさらに除去した後、真空 燥機を用いて、60℃にて減圧で5時間加熱乾 を行った。

 これにより、白色粉末のカチオン化ヒアル ン酸21.3gを得た。このカチオン化ヒアルロ 酸の窒素含有率を測定し、上述の計算式に って求めたカチオン化度は0.48であった。ま 、このカチオン化ヒアルロン酸の0.2%(W/W)水 液を調製し、30℃における動粘度を測定し ところ、2.3mm 2 /sであった。

 6.3.実施例3~20(カチオン化ヒアルロン酸の調 )
 カチオン化剤の量、反応時間、使用する水 化ナトリウムの量、含水媒体中の水の含有 、および反応温度を表1の通りとしたほかは 、実施例1と同様の方法にて、実施例3~20のカ オン化ヒアルロン酸を調製した。各実施例3 ~20で得られたカチオン化ヒアルロン酸のカチ オン化度および動粘度を表1に示した。なお 表1において、反応液中でカチオン化ヒアル ン酸の結着が全く生じなかった場合を「S」 、反応液中でカチオン化ヒアルロン酸の結着 がほとんど生じなかった場合を「A」、反応 中でカチオン化ヒアルロン酸の結着が少量 じた場合を「B」、反応液中でカチオン化ヒ ルロン酸の結着が相当量生じた場合を「C」 として示した。

 表1を参照すると、カチオン化剤の使用量 が80mlである場合(実施例7)、反応時間が9時間 超える場合(実施例12)、および反応温度が70 である場合(実施例20)、カチオン化は進行す るものの、反応液の状態が悪かった。

  一例として、実施例18のカチオン化ヒアル ロン酸の 13 CNMRスペクトル(観測周波数100.5MHz、内部標準 質:DSS(0ppm)、溶媒:重水)を図7に示す。一方、 較対照として、カチオン化度0であるヒアル ロン酸(キユーピー株式会社製、平均分子量20 0万)の 13 CNMRスペクトルを図8に示す。

 図7および図8の 13 CNMRスペクトルにおいて、170~180ppmに存在する ークは、(カチオン化)ヒアルロン酸の-C(=O)O- 基の炭素原子を示すピークであると考えられ る。

 図7に示すように、カチオン化ヒアルロン酸 の 13 CNMRスペクトルにおいて、図8のヒアルロン酸 はないピークが176ppm付近に確認された(図7 おいて丸で囲まれたピーク)。このことから 実施例18のカチオン化ヒアルロン酸の(-C(=O)O -)の酸素原子には第四級アンモニウム基含有 が結合していることが確認された。

 6.4.比較例(カチオン化ヒアルロン酸の調製)
 6.4.1.比較例1
 1L容ビーカーに、ヒアルロン酸ナトリウム( ユーピー株式会社製、平均分子量130万)20g、 5%水酸化ナトリウム15mL、80%含水エタノール190 mL、およびグリシジルトリメチルアンモニウ クロリド(GTA(有効成分約80%、水分約20%))4mLを 添加し、撹拌子を用いて撹拌しながら、40℃ 1時間反応させた。

 次に、デカンテーションにより液を除去 て、固形物(カチオン化ヒアルロン酸)を得 。

 次いで、食塩水400mLを加え、固形物を溶 させた。固形物が完全に溶解したことを確 した後、エタノール600mLを添加して、カチオ ン化ヒアルロン酸を沈殿させた。デカンテー ションにより液を除去した後、80%含水エタノ ール500mLを添加して15分間撹拌した後、含水 タノールをデカンテーションにより除去し 沈殿物を得た。この操作を3回繰り返し、沈 物に残存するカチオン化剤(GTA)および食塩 除去した。

 次いで、遠心分離処理を行なうことによ 含水エタノールをさらに除去した後、真空 燥機を用いて、60℃にて減圧で5時間加熱乾 を行った。

 これにより、白色粉末のカチオン化ヒアル ン酸19.5gを得た。このカチオン化ヒアルロ 酸の窒素含有率を測定し、上述の計算式に って求めたカチオン化度は0.03であった。ま 、このカチオン化ヒアルロン酸の0.2%(W/W)水 液を調製し、30℃における動粘度を測定し ところ、20.5mm 2 /sであった。

 6.4.2.比較例2
 1L容ビーカーに、ヒアルロン酸ナトリウム( ユーピー株式会社製、平均分子量130万)20g、 5%水酸化ナトリウム14mL、65%含水エタノール190 mL、およびグリシジルトリメチルアンモニウ クロリド(GTA(有効成分約80%、水分約20%))4mLを 添加し、撹拌子を用いて撹拌しながら、60℃ 1時間反応させた。

 次に、デカンテーションにより液を除去 て、固形物(カチオン化ヒアルロン酸)を得 。

 次いで、食塩水400mLを加え、固形物を溶 させた。固形物が完全に溶解したことを確 した後、エタノール600mLを添加して、カチオ ン化ヒアルロン酸を沈殿させた。デカンテー ションにより液を除去した後、80%含水エタノ ール500mLを添加して15分間撹拌した後、含水 タノールをデカンテーションにより除去し 沈殿物を得た。この操作を3回繰り返し、沈 物に残存するカチオン化剤(GTA)および食塩 除去した。

 次いで、遠心分離処理を行なうことによ 含水エタノールをさらに除去した後、真空 燥機を用いて、60℃にて減圧で5時間加熱乾 を行った。

 これにより、白色粉末のカチオン化ヒアル ン酸19.7gを得た。このカチオン化ヒアルロ 酸の窒素含有率を測定し、上述の計算式に って求めたカチオン化度は0.10であった。ま 、このカチオン化ヒアルロン酸の0.2%(W/W)水 液を調製し、30℃における動粘度を測定し ところ、17.5mm 2 /sであった。

 6.4.3.比較例3
 1L容ビーカーに、ヒアルロン酸ナトリウム( ユーピー株式会社製、平均分子量130万)20g、 5%水酸化ナトリウム20mL、85%含水エタノール180 mL、およびグリシジルトリメチルアンモニウ クロリド(GTA(有効成分約80%、水分約20%))40mL 添加し、撹拌子を用いて撹拌しながら、70℃ で1時間反応させた。次に、デカンテーショ により液を除去して、固形物(カチオン化ヒ ルロン酸)を得た。

 次いで、食塩水400mLを加え、固形物を溶 させた。固形物が完全に溶解したことを確 した後、エタノール600mLを添加して、カチオ ン化ヒアルロン酸を沈殿させた。デカンテー ションにより液を除去した後、80%含水エタノ ール500mLを添加して15分間撹拌した後、含水 タノールをデカンテーションにより除去し 沈殿物を得た。この操作を3回繰り返し、沈 物に残存するカチオン化剤(GTA)および食塩 除去した。

 次いで、遠心分離処理を行なうことによ 含水エタノールをさらに除去した後、真空 燥機を用いて、60℃にて減圧で5時間加熱乾 を行った。

 これにより、白色粉末のカチオン化ヒアル ン酸17.7gを得た。このカチオン化ヒアルロ 酸の窒素含有率を測定し、上述の計算式に って求めたカチオン化度は0.82であった。ま 、このカチオン化ヒアルロン酸の0.2%(W/W)水 液を調製し、30℃における動粘度を測定し ところ、1.3mm 2 /sであった。

 6.4.4.比較例4
 実施例1において、ヒアルロン酸を含水エタ ノールではなく、水に分散、溶解し、カチオ ン化を実施したところ、ゲル化を生じ、乾燥 することができず、カチオン化ヒアルロン酸 粉末を得ることができなかった。

 6.5.試験例1(毛髪吸着量の測定)
 本試験例においては、上記実施例1~24および 比較例1~3に記載した方法と同様の方法にて調 製された、所定のカチオン化度を有するヒア ルロン酸について、毛髪吸着量を測定した。

 6.5.1.試料
 毛髪吸着量を測定するにあたり、同一人物 人毛黒髪(株式会社ビューラックスから入手 )を使用した。

 本試験例においては、カチオン化度がそ ぞれ0.03(比較例1)、0.10(比較例2)、0.21(実施例 16)、0.33(実施例18)、0.41(実施例11)、0.56(実施例 4)、0.82(比較例3)のカチオン化ヒアルロン酸を 使用した。比較対照として、カチオン化され ていないヒアルロン酸ナトリウム(キユーピ 株式会社製、平均分子量:約150万)を用いた。

 6.5.2.試験方法
 6.5.2-1.ダメージ毛の作成
 以下の手順にてダメージ毛を作成した。

 人毛黒髪(株式会社ビューラックスから入 手)をPOE(2)ラウリル硫酸トリエタノールアミ 1%水溶液に1分間浸漬した。

 次に、この人毛黒髪を水で洗浄し、タオ ドライ後、ウエスパーで水分を除去し、ド イヤーで乾燥させた(洗浄処理)。

 次に、得られた人毛黒髪について、以下 手順にてブリーチ処理を行った。まず、5% 酸化水素水と2.5%アンモニア水とを1:1で混合 てブリーチ液を調製し、このブリーチ液に 毛黒髪を30℃で20分間浸漬させた(ブリーチ 理)。

 次いで、上記洗浄処理およびブリーチ処 を10回繰り返した。以上の手順により、ダ ージ毛を作成した。

 6.5.2-2.ダメージ毛への吸着処理
 各試料を用いて濃度0.005%の試料水溶液を調 した(各試料につき2検体を作成した)。次に この試料水溶液約1mLを抜き取り、0.45μmメン ブレンフィルターでろ過して、処理前のHPLC 定用サンプルとした。

 次いで、ホールピペットにて10mLの試料水 溶液を蓋付き試験管に取り、上記手順で作成 されたダメージ毛1gを精秤し、このダメージ 1gを恒温水槽に入れた試験管中の試料水溶 に10分間浸漬させた。

 続いて、毛髪を入れたままの試験管から 試料水溶液約1mLを抜き取り、0.45μmメンブレ ンフィルターでろ過し、処理後のHPLC測定用 ンプルとした。

 6.5.2-3.HPLC測定
 (i)HPLCの測定原理
 毛髪はマイナスに帯電しているのに対して カチオン化ヒアルロン酸はプラスに帯電し いる。このため、カチオン化ヒアルロン酸 毛髪に電気的に引き寄せられ吸着するため 試料水溶液中のカチオン化ヒアルロン酸の 度が低下する。この濃度低下量をHPLCにて測 定し、以下の式により、毛髪への吸着量を算 出することができる。

 (ii)HPLC分析条件
 カラム        :TSKガードカラムPWXL + TS KゲルGMPW×2
 カラム温度      :40℃
 測定波長       :210nm
 流速         :0.8mL/分
 試料注入量      :100μL
 分析時間       :40分
 移動相        :0.003mol/L リン酸緩衝液-0 .15mol/L NaCl(pH7.0)
 フォトダイオードアレイ:日本ウォーターズ 社製、996フォトダイオードアレイ
 HPLCシステム   :日本ウォーターズ社製、26 90セパレーションモジュール

 6.5.2-4.毛髪吸着量の測定方法
 (i)検量線の作成
 濃度既知の試料水溶液から、ピーク面積と 料濃度との相関を示す検量線を求め、試料 に検量線を作成した。

 (ii)試料水溶液中の試料濃度の算出
 (i)で求めた検量線から試料水溶液中の試料 度を算出し、処理前後における試料水溶液 の試料量を求めた。なお、試料水溶液中の 料量は、毛髪を浸漬させた試験管中10mL中の 試料量を算出し、毛髪1gに対する吸着量を算 した。

 6.5.3.試験結果
 6.5.3-1.毛髪吸着量
 HPLCの測定結果を図1に示した。図1によれば カチオン化ヒアルロン酸(HA)のカチオン化度 に比例して、毛髪への吸着量が増える傾向が 確認された。また、カチオン化ヒアルロン酸 のカチオン化度が0.15未満である場合、吸着 が比較的少ないことが明らかになった。そ 理由として、カチオン化ヒアルロン酸のカ オン化度が0.15未満である場合、毛髪に引き せられる力が弱いため、カチオン化ヒアル ン酸が毛髪に十分に吸着しないためである 推察される。

 6.6.試験例2(毛髪での官能評価)
 6.6.1.ダメージ毛の作成
 以下の手順にてダメージ毛を作成した。

 人毛黒髪(株式会社ビューラックスから入 手)をPOE(2)ラウリル硫酸トリエタノールアミ 1%水溶液に1分間浸漬した。

 次に、この人毛黒髪を水で洗浄し、タオ ドライ後、ウエスパーで水分を除去し、ド イヤーで乾燥させた(洗浄処理)。

 次に、得られた人毛黒髪について、以下 手順にてブリーチ処理を行った。まず、5% 酸化水素水と2.5%アンモニア水とを1:1で混合 てブリーチ液を調製し、このブリーチ液に 毛黒髪を30℃で20分間浸漬させた(ブリーチ 理)。

 次いで、上記洗浄処理およびブリーチ処 を10回繰り返した。以上の手順により、ダ ージ毛を作成した。

 6.6.2.評価方法(アウトバスタイプの毛髪用化 粧料)
 本試験例においては、カチオン化度がそれ れ0.03(比較例1)、0.10(比較例2)、0.21(実施例16) 、0.33(実施例18)、0.41(実施例11)、0.56(実施例4) 0.82(比較例3)のカチオン化ヒアルロン酸を使 用した。比較対照として、カチオン化度が0 あるヒアルロン酸ナトリウム(キユーピー株 会社製、平均分子量:約150万)を評価試料と て用いた。

 (i)まず、カチオン化ヒアルロン酸および チオン化されていないヒアルロン酸を用い 、1%試料水溶液(0.15g/15mL、中試験管)を調製 た。

 (ii)次いで、各1%試料水溶液に、上記6.6.1. 作成したダメージ毛の毛束を浸漬させた。 の1%試料水溶液を25℃で5分間放置後、試料 から毛束を取り出しドライヤーで乾燥させ 。

 (iii)5名の成人男女によって、処理後の各 束の手触りを評価した。評価は、同一サン ルについて2回繰り返してブラインドで行な い、計10回(No.1~10)の独立した評価試験とした

 親指と人指し指とで毛束を軽く挟み、根 から毛先まで指を動かした時の感触が、対 (蒸留水処理)と比較して良いかどうかを評 した。感触としては、保湿感・滑らかさ・ さつき感・ざらつき感の点で総合的に評価 た。また、本試験例で用いたダメージ毛は 毛先に近い部分ほどぱさついた(ざらついた) 手触りがあったため、その部分にも注意して 評価した。点数の付け方を表2に示す。

 6.6.3.評価方法(インバスタイプの毛髪用化粧 料)
 本試験例においては、評価試料(カチオン化 ヒアルロン酸またはヒアルロン酸ナトリウム )として6.6.2.で使用したものと同様のものを いた。

 (i)まず、カチオン化ヒアルロン酸および チオン化されていないヒアルロン酸を用い 、1%試料水溶液(0.15g/15mL、中試験管)を調製 た。

 (ii)次いで、各1%試料水溶液に、上記6.6.1. 作成したダメージ毛の毛束を浸漬させた後 この1%試料水溶液を40℃(恒温水槽)で5分間放 置した。次いで、1%試料水溶液から毛束を取 出し、流水で洗い流し、タオルドライした 、ドライヤーで乾燥させた。この工程(ii)を 3回繰り返した。

 (iii)評価は、6.6.2.の(iii)と同様に行った。 点数の付け方を表3に示す。

 6.6.4.評価結果
 評価結果を表4および表5に示す。なお、評 基準は以下の通りとした。

  S:平均2点以上
  A:平均1点以上2点未満
  B:平均0点以上1点未満
  C:平均0点未満

 表4において、「S」の評価となった4つの 料(カチオン化度がそれぞれ0.21(実施例16)、0 .33(実施例18)、0.41(実施例11)、0.56(実施例4)の チオン化ヒアルロン酸)に関しては、対照に べて保湿感があり手触りが滑らかであった けでなく、髪のまとまりが確認できた。特 、0.21(実施例16)、0.33(実施例18)、0.41(実施例1 1)の試料では、9割以上の評価者が非常に高い 保湿感や滑らかさを感じた。これに対して、 対照であるカチオン化度が0、0.03(比較例1)、0 .10(比較例2)の試料では、保湿感が得られず毛 髪がぱさつき、広がってしまっていた。0.82( 較例3)の試料では、満足な保湿感や滑らか が得られずにざらつきがみられた。したが て、カチオン化度が0.15~0.4である本発明のカ チオン化ヒアルロン酸は、アウトバスタイプ の毛髪用化粧料での使用により好適であるこ とが理解できる。

 表5において、「S」の評価となった4つの 料(カチオン化度がそれぞれ00.21(実施例16)、 0.33(実施例18)、0.41(実施例11)、0.56(実施例4)の チオン化ヒアルロン酸)に関しては、対照に 比べて保湿感があり手触りが滑らかであった だけでなく、髪のまとまりが確認できた。特 に、0.41(実施例11)、0.56(実施例4)の試料では、 9割以上の評価者が非常に高い保湿感や滑ら さを感じた。これに対して、対照であるカ オン化度が0、0.03(比較例1)、0.10(比較例2)の 料では、保湿感が得られず毛髪がぱさつき 広がってしまっていた。0.82(比較例3)の試料 は、満足な保湿感や滑らかさが得られずに らつきがみられた。したがって、カチオン 度が0.4~0.6である本発明のカチオン化ヒアル ロン酸は、インバスタイプの毛髪用化粧料で の使用により好適であることが理解できる。

 以上の結果から、カチオン化度が0.15~0.6 ある本発明のカチオン化ヒアルロン酸を使 することにより、ぱさついた(ざらついた)ダ メージヘアに潤いを与えて滑らかな手触りに できることが確認された。

 6.7.試験例3(毛髪の走査型電子顕微鏡写真撮 )
 本試験例においては、カチオン化度が0.33( 施例18)のカチオン化ヒアルロン酸を評価試 として使用し、比較対照として蒸留水を使 して、6.6.3.の(i)および(ii)と同様の方法にて ダメージ毛に対する処理を行なった。

 カチオン化度が0.33(実施例18)のカチオン ヒアルロン酸を用いて処理された毛髪の走 型電子顕微鏡写真を図2(倍率200倍)および図4( 倍率750倍)に示す。また、蒸留水を用いて処 された毛髪の走査型電子顕微鏡写真を図3(倍 率200倍)および図5(倍率750倍)に示す。

 図2および図4の写真では、毛髪のキュー ィクルの剥離が少なく、毛髪表面が比較的 らかになっているのが確認できる。一方、 3および図5の写真では、毛髪のキューティク ルが不規則に剥離して、毛髪表面に凹凸が生 じているのが確認できる。

 ダメージ毛を指先で触ると通常、ざらつ を感じる。これに対して、ダメージ毛に対 てカチオン化ヒアルロン酸を用いた処理に り得られた毛髪は、滑らかな感触を有する 図2~図5の写真の比較から、毛髪の感触の差 、キューティクル状態の差が影響している とが推察される。すなわち、ダメージ毛は ューティクルの剥離が生じているため、ざ ついた手触りを有するのに対して、カチオ 化ヒアルロン酸を用いた処理により得られ 毛髪は、キューティクルの剥離が修復され いるため、滑らかな手触りを有すると考え れる。

 カチオン化ヒアルロン酸によって、滑ら な手触りの毛髪を生じるメカニズムは以下 (i)および(ii)のように推察される。

 (i)まず、カチオン化ヒアルロン酸が、毛 の剥離したキューティクル間に入り込む。 こで、カチオン化ヒアルロン酸はカチオン されていないヒアルロン酸と比較して、よ 正に帯電しているため、カチオン化されて ないヒアルロン酸と比較して、通常負に帯 している毛髪表面のキューティクル間によ 速やかに入り込むことができる。

 (ii)次に、カチオン化ヒアルロン酸同士の 水素結合により、剥離したキューティクルが 下層のキューティクルに引き寄せられ、キュ ーティクル同士が接着することにより、キュ ーティクル層が整えられる結果、毛髪が滑ら かな手触りとなる。

 6.8.試験例4(皮膚吸着量の測定および官能評 )
 本試験例においては、上記実施例1~24に記載 した方法と同様の方法にて調製された、所定 のカチオン化度を有するヒアルロン酸につい て、皮膚吸着量を測定した。

 6.8.1.試料
 本試験例においては、カチオン化度がそれ れ0.03(比較例1)、0.21(実施例16)、0.33(実施例18 )、0.56(実施例4)、0.82(比較例3)のカチオン化ヒ アルロン酸を使用した。比較対照として、カ チオン化されていないヒアルロン酸ナトリウ ム(キユーピー株式会社製、平均分子量:約60 )を用いた。

 6.8.2.試験方法
 6.8.2-1.試料水溶液の調製
 ヒアルロン酸1%を含有した試料水溶液を調 した。

 6.8.2-2.ヒアルロン酸の皮膚への塗布
 前腕部の7cm×7cmの範囲内に試料水溶液0.5mLを 載せ、均一に塗布されるように指で広げ、3 間静置後、塗布部分を流速3L/分の流水で10秒 間洗い流し、塗布部分を自然乾燥した。

 6.8.2-3.官能評価
 乾燥肌などの肌荒れに悩んでいる5名の成人 男女(21~50歳)によって、皮膚への塗布後の保 感と手触りの滑らかさを評価した。評価は 同一サンプルについて2回繰り返してブライ ドで行ない、計10回(No.1~10)の独立した評価 験とした。

 指で触れた時の感触が、対照(蒸留水処理 )と比較して良いかどうかを評価した。感触 しては、保湿感・滑らかさ・かさつき感の で総合的に評価した。点数の付け方を表6に す。

 6.8.2-4.ヒアルロン酸の皮膚からの回収
 塗布部分に粘着テープを密着させゆっくり 剥がし、ヒアルロン酸を粘着テープに吸着 せる。次に、粘着テープを50mLの遠沈管に入 れ、クロロホルム/メタノール(1:1)混液20mLを いて、粘着テープからヒアルロン酸を分離 た。さらに、等量の蒸留水を加えて攪拌後 遠心分離を行い、水相部を回収した。得ら た水相部を減圧蒸留した後、蒸留水1mLを加 溶解し、0.45μmメンブレンフィルターでろ過 たものを、HPLC測定用サンプルとした。

 6.8.2-5.HPLC分析条件
 (i)HPLCの測定原理
 カラム        :TSKガードカラムPWXL + TS KゲルGMPW×2
 カラム温度      :40℃
 測定波長       :210nm
 流速         :0.8mL/分
 試料注入量      :100μL
 分析時間       :40分
 移動相        :0.003mol/L リン酸緩衝液-0 .15mol/L NaCl(pH7.0)
 フォトダイオードアレイ:日本ウォーターズ 社製、996フォトダイオードアレイ
 HPLCシステム   :日本ウォーターズ社製、26 90セパレーションモジュール

 6.8.2-6.皮膚吸着量の算出方法
 (i)検量線の作成
 濃度既知の試料水溶液から、ピーク面積とH PLC測定用サンプル中のヒアルロン酸量との相 関を示す検量線を求め、試料毎に検量線を作 成した。

 (ii)試料水溶液中の試料濃度の算出
 (i)で求めた検量線からHPLC測定用サンプル中 のヒアルロン酸量を求めた。

 6.8.3.試験結果
 6.8.3-1.官能評価
  評価結果を表7に示す。なお、表7において 、評価基準は以下の通りとした。

  S:平均2点以上
  A:平均1点以上2点未満
  B:平均0点以上1点未満
  C:平均0点未満

 表7において、「S」の評価となった3つの 料(カチオン化度がそれぞれ0.21(実施例16)、0 .33(実施例18)、0.56(実施例4)のカチオン化ヒア ロン酸)に関しては、対照に比べて手触りが 滑らかで、皮膚への高い保湿効果が確認され た。特に、0.33(実施例18)、0.56(実施例4)の試料 では、8割以上の評価者が非常に高い保湿感 滑らかさを感じた。これに対して、対照で るカチオン化度0や0.03(比較例1)の試料では、 皮膚への吸着感がなく、保湿感や滑らかさに 欠けた。0.82(比較例3)の試料では、皮膚への 着感はあるが、満足な保湿感や滑らかさが られずにかさついた。

 以上の結果から、カチオン化度が0.15~0.6 ある本発明のカチオン化ヒアルロン酸を使 することにより、皮膚に保湿感を与えて滑 かな手触りにできることが確認された。

 6.8.3-2.皮膚吸着量
 HPLCの測定結果を図6に示した。図6によれば カチオン化ヒアルロン酸(HA)のカチオン化度 に比例して、皮膚への吸着量が増える傾向が 確認された。また、カチオン化ヒアルロン酸 のカチオン化度が0.15未満である場合、吸着 が比較的少ないことが明らかになった。そ 理由として、カチオン化ヒアルロン酸のカ オン化度が0.15未満である場合、皮膚に引き せられる力が弱いため、カチオン化ヒアル ン酸が皮膚に十分に吸着しないためである 推察される。

 6.9.試験例6(化粧料の調製)
 本試験例では、化粧料として、以下に記す 方にて、実施例1で得られたカチオン化ヒア ルロン酸を配合したインバスタイプの毛髪用 化粧料(シャンプー)を調製した。

  カチオン化ヒアルロン酸(実施例1)            0.1%
  ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル 酸ナトリウム 11.0%
  ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン            4.0%
  ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド              2.0%
  エデト酸ナトリウム                    0.1%
  安息香酸ナトリウム                    0.2%
  香料、色素、防腐剤                      適量
  精製水                            残量
 本試験例によれば、実施例1で得られたカチ オン化ヒアルロン酸を配合することにより、 毛髪への吸着性に優れたシャンプーを得るこ とができた。

 6.10.試験例7(化粧料の調製)
 本試験例では、化粧料として、以下に記す 方にて、実施例2で得られたカチオン化ヒア ルロン酸を配合したインバスタイプの毛髪用 化粧料(リンス)を調製した。

  カチオン化ヒアルロン酸(実施例2)         0.3%
  セトステアリルアルコール               2.0%
  POE(5)セチルエーテル             1.0 %
  グリセリン                     3.0%
  1,3-ブチレングリコール             5.0%
  シリコーン油                     3.0%
  小麦加水分解物                   1.0%
  ヒドロキシステアリン酸               0.5%
  2-エチルヘキサン酸セチル             1.0%
  塩化ジステアリルジメチルアンモニウム         0.2%
  ベヘン酸ジメチルアミノプロピルアミド         0.5%
  香料、色素、防腐剤                   適量
  精製水                         残量
 本試験例によれば、実施例2で得られたカチ オン化ヒアルロン酸を配合することにより、 毛髪への吸着性に優れたリンスを得ることが できた。

 6.11.試験例8(化粧料の調製)
 本試験例では、化粧料として、以下に記す 方にて、実施例1で得られたカチオン化ヒア ルロン酸を配合したインバスタイプの毛髪用 化粧料(リンス一体型シャンプー)を調製した

  カチオン化ヒアルロン酸(実施例1)          0.2%
  イミダゾリウムベタイン型両性界面活性        16.0%
  ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド            4.0%
  塩化ステアリルトリメチルアンモニウム          2.0%
  N-ラウロイル-N-メチル-β-アラニンナトリ ム  1.0%
  シリコーン誘導体                    1.0%
  ポリオキシエチレンアルキルポリアミン          1.0%
  香料、色素、pH調整剤                  適量
  精製水                          残量
 本試験例によれば、実施例1で得られたカチ オン化ヒアルロン酸を配合することにより、 毛髪への吸着性に優れたリンス一体型シャン プーを得ることができた。

 6.12.試験例9(化粧料の調製)
 本試験例では、化粧料として、以下に記す 方にて、実施例2で得られたカチオン化ヒア ルロン酸を配合したインバスタイプの毛髪用 化粧料(ヘアコンディショナー)を調製した。

  カチオン化ヒアルロン酸(実施例2)         0.5%
  ステアリルアルコール                 4.0%
  セタノール                     1.5%
  ヒドロキシエチルウレア               1.0%
  ジメチコン                     2.0%
  加水分解シルク                   1.0%
  1,3-ブチレングリコール             1.0%
  グリセリン                     3.0%
  2-エチルヘキサン酸セチル             2.0%
  ミリスチン酸イソセチル               0.4%
  L-アルギニン                   0 .1%
  ポリオキシエチレン(4)ステアリルエーテ      1.0%
  ステアリン酸ジメチルアミノプロピルア ド      1.5%
  安息香酸ナトリウム                 0.3%
  香料、防腐剤                       適量
  精製水                         残量
 本試験例によれば、実施例2で得られたカチ オン化ヒアルロン酸を配合することにより、 毛髪への吸着性に優れたヘアコンディショナ ーを得ることができた。

 6.13.試験例10(化粧料の調製)
 本試験例では、化粧料として、以下に記す 方にて、実施例2で得られたカチオン化ヒア ルロン酸を配合したインバスタイプの毛髪用 化粧料(ヘアパック)を調製した。

  カチオン化ヒアルロン酸(実施例2)      1.0%
  セチルアルコール               2. 0%
  ステアリルアルコール              2.0%
  ステアリン酸硬化ヒマシ油            2.0%
  ミリスチン酸イソプロピル            1.0%
  臭化ステアリルトリメチルアンモニウム      3.0%
  塩化ジステアリルジメチルアンモニウム      2.0%
  1,3-ブチレングリコール         10.0%
  香料、防腐剤                    適量
  精製水                      残 量
 本試験例によれば、実施例2で得られたカチ オン化ヒアルロン酸を配合することにより、 毛髪への吸着性に優れたヘアパックを得るこ とができた。

 6.14.試験例11(化粧料の調製)
 本試験例では、化粧料として、以下に記す 方にて、実施例1で得られたカチオン化ヒア ルロン酸を配合したアウトバスタイプの毛髪 用化粧料(原液タイプヘアトリートメント)を 製した。

  カチオン化ヒアルロン酸(実施例1)      2.0%
  防腐剤                      適 量
  精製水                      残 量
 本試験例によれば、実施例1で得られたカチ オン化ヒアルロン酸を配合することにより、 毛髪への吸着性に優れた原液タイプヘアトリ ートメントを得ることができた。

 6.15.試験例12(化粧料の調製)
 本試験例では、化粧料として、以下に記す 方にて、実施例1で得られたカチオン化ヒア ルロン酸を配合したアウトバスタイプの毛髪 用化粧料(ヘアクリーム)を調製した。

  カチオン化ヒアルロン酸(実施例1)  0.5%
  ステアリン酸             2.0%
  ミツロウ               2.0%
  ワセリン               7.0%
  流動パラフィン           40.0%
  シリコンオイル            0.2%
  モノステアリン酸ソルビタン      1.0%
  ポリオキシエチレンセチレンエーテル  1 .5%
  トリエタノールアミン         1.0%
  1,3-ブチレングリコール      3.0%
  ポリグリコールアミン縮合物      2.0%
  防腐剤                  適量
  精製水                  残量
 本試験例によれば、実施例1で得られたカチ オン化ヒアルロン酸を配合することにより、 毛髪への吸着性に優れたヘアクリームを得る ことができた。

 6.16.試験例13(化粧料の調製)
 本試験例では、化粧料として、以下に記す 方にて、実施例1で得られたカチオン化ヒア ルロン酸を配合したアウトバスタイプの毛髪 用化粧料(ヘアワックス)を調製した。

  カチオン化ヒアルロン酸(実施例1)      0.5%
  イソステアリン酸PEG-20グリセリル    3.0 %
  ステアリン酸グリセリル            2.0%
  マイクロクリスタリンワックス          4.0%
  カルナウバロウ                3.0 %
  ベヘニルアルコール              3 .0%
  ステアリン酸                 1.0%
  ミネラルオイル                2.0 %
  水添ポリイソブテン              2 .0%
  フェニルトリメチコン              3.0%
  ジメチコン                  1.0%
  プロピルパラベン               0. 1%
  PVP                    1.0%
  プロピレングリコール              5.0%
  防腐剤                      適 量
  精製水                      残 量
 本試験例によれば、実施例1で得られたカチ オン化ヒアルロン酸を配合することにより、 毛髪への吸着性に優れたヘアワックスを得る ことができた。

 6.17.試験例14(化粧料の調製)
 本試験例では、化粧料として、以下に記す 方にて、実施例2で得られたカチオン化ヒア ルロン酸を配合したアウトバスタイプの毛髪 用化粧料(ヘアジェル)を調製した。

  カチオン化ヒアルロン酸(実施例2)      1.0%
  ポリビニルピロリドン              2.0%
  グリセリン                  5.0%
  エタノール                 20.0%
  ポリオキシエチレンオクチルドデシルエ テル  1.0%
  水酸化ナトリウム                  適量
  香料、キレート剤                  適量
  精製水                      残 量
 本試験例によれば、実施例2で得られたカチ オン化ヒアルロン酸を配合することにより、 毛髪への吸着性に優れたヘアジェルを得るこ とができた。

 6.18.試験例15(化粧料の調製)
 本試験例では、化粧料として、以下に記す 方にて、実施例2で得られたカチオン化ヒア ルロン酸を配合したアウトバスタイプの毛髪 用化粧料(ヘアフォーム(ヘアムース))を調製 た。

  カチオン化ヒアルロン酸(実施例2)      3.0%
  ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油          適量
  シリコーン油                 5.0%
  ジプロピレングリコール            7.0%
  エチルアルコール              15.0 %
  香料、防腐剤                    適量
  精製水                      残 量
 本試験例によれば、実施例2で得られたカチ オン化ヒアルロン酸を配合することにより、 毛髪への吸着性に優れたヘアフォームを得る ことができた。

 6.19.試験例16(化粧料の調製)
 本試験例では、化粧料として、以下に記す 方にて、実施例1で得られたカチオン化ヒア ルロン酸を配合したアウトバスタイプの毛髪 用化粧料(ヘアローション)を調製した。

  カチオン化ヒアルロン酸(実施例1)      1.0%
  ポリビニルピロリドン              4.0%
  エチルアルコール              30.0 %
  シリコーン誘導体               0. 5%
  グリセリン                  2.0%
  香料、防腐剤                    適量
  精製水                      残 量
 本試験例によれば、実施例1で得られたカチ オン化ヒアルロン酸を配合することにより、 毛髪への吸着性に優れたヘアローションを得 ることができた。

 6.20.試験例17(化粧料の調製)
 本試験例では、化粧料として、以下に記す 方にて、実施例1で得られたカチオン化ヒア ルロン酸を配合したアウトバスタイプの毛髪 用化粧料(ヘアカラー前処理液)を調製した。

  カチオン化ヒアルロン酸(実施例1)      0.5%
  イミダゾリニウムベタイン            1.0%
  ケラチン加水分解物              0 .5%
  グリシン                   0.5%
  POEラウリルエーテル            0.5%
  精製水                      残 量
 本試験例によれば、実施例1で得られたカチ オン化ヒアルロン酸を配合することにより、 毛髪への吸着性に優れたヘアカラー前処理液 を得ることができた。

 6.21.試験例18(化粧料の調製)
 本試験例では、化粧料として、以下に記す 方にて、実施例1で得られたカチオン化ヒア ルロン酸を配合したアウトバスタイプの毛髪 用化粧料(カラーリング剤)を調製した。

  カチオン化ヒアルロン酸(実施例1)      0.5%
  ベンジルアルコール              8 .0%
  クエン酸                   1.0%
  エタノール                 15.0%
  黒色401号                0.05%
  褐色201号                0.13%
  水酸化ナトリウム                  適量
  精製水                      残 量
 本試験例によれば、実施例1で得られたカチ オン化ヒアルロン酸を配合することにより、 毛髪への吸着性に優れたカラーリング剤を得 ることができた。

 6.22.試験例19(化粧料の調製)
 本試験例では、化粧料として、以下に記す 方にて、実施例1で得られたカチオン化ヒア ルロン酸を配合したアウトバスタイプの毛髪 用化粧料(パーマ液第2液)を調製した。

  カチオン化ヒアルロン酸(実施例1)      0.5%
  臭素酸ナトリウム               5. 0%
  シリコーンエマルション            1.0%
  クエン酸                   0.1%
  クエン酸ナトリウム              0 .5%
  精製水                      残 量
 本試験例によれば、実施例1で得られたカチ オン化ヒアルロン酸を配合することにより、 毛髪への吸着性に優れたパーマ液第2液を得 ことができた。

 6.23.試験例20(化粧料の調製)
 本試験例では、化粧料として、以下に記す 方にて、実施例1で得られたカチオン化ヒア ルロン酸を配合したアウトバスタイプの毛髪 用化粧料(水系マスカラ)を調製した。

  カチオン化ヒアルロン酸(実施例1)      0.5%
  イソプロピルアルコール            5.0%
  1,3-ブチレングリコール          5.0%
  水酸化カリウム                0.1 %
  酸化亜鉛                   0.1%
  顔料                     2.0%
  デキストリン                14.0%
  香料、防腐剤                    適量
  精製水                      残 量
 本試験例によれば、実施例1で得られたカチ オン化ヒアルロン酸を配合することにより、 毛髪への吸着性に優れた水系マスカラを得る ことができた。

 6.24.試験例21(化粧料の調製)
 本試験例では、化粧料として、以下に記す 方にて、実施例1で得られたカチオン化ヒア ルロン酸を配合した洗顔料を調製した。

  カチオン化ヒアルロン酸(実施例1)      1.0%
  グリセリン                  15.0%
  ポリエチレングリコール400         5. 0%
  ラウリン酸                  5.0%
  ミリスチン酸                 8.0%
  パルミチン酸                 9.0%
  ステアリン酸                18.0%
  ラウロイルメチルタウリンナトリウム      4.0%
  脂肪酸モノグリセリド              1.5%
  モノラウリン酸ポリグリセリル          1.0%
  水酸化カリウム                1.0 %
  リナロール                     量
  精製水                      残 量
 本試験例によれば、実施例1で得られたカチ オン化ヒアルロン酸を配合することにより、 皮膚への吸着性に優れた洗顔料を得ることが できた。

 6.25.試験例22(化粧料の調製)
 本試験例では、化粧料として、以下に記す 方にて、実施例1で得られたカチオン化ヒア ルロン酸を配合した化粧水を調製した。

  カチオン化ヒアルロン酸(実施例1)      0.2%
  ヒアルロン酸ナトリウム            0.2%
  加水分解ヒアルロン酸              0.2%
  オクタン酸セチル               0. 3%
  メトキシ桂皮酸オクチル           0 .15%
  酢酸トコフェロール              0 .1%
  EMALEX RWIS-158(イソステアリン酸PEG-58水添ヒ マシ油)2.0%
  Eldew PS-306(ラウロイルグルタミン酸ジ(オ チルドデシル/フィトステリル/ベヘニル))                 0.5%
  ブチルパラベン                0.1 %
  メチルパラベン                0.2 %
  1,3-ブチレングリコール          5.0%
  精製水                      残 量
 本試験例によれば、実施例1で得られたカチ オン化ヒアルロン酸を配合することにより、 皮膚への吸着性に優れた化粧水を得ることが できた。

 6.26.試験例23(化粧料の調製)
 本試験例では、化粧料として、以下に記す 方にて、実施例1で得られたカチオン化ヒア ルロン酸を配合した美白化粧水を調製した。

  カチオン化ヒアルロン酸(実施例1)      0.1%
  アセチル化ヒアルロン酸            0.1%
  アルブチン                  2.0%
  エラスチン                  0.1%
  コラーゲンペプチド              0 .1%
  エタノール                  9.0%
  ホホバ油                   0.1%
  ポリオキシエチレンメチルグルコシド      1.0%
  ジイソステアリン酸ポリグリセリル        0.2%
  クエン酸                   0.1%
  クエン酸ナトリウム              0 .2%
  グリチルリチン酸ジカリウム          0.1%
  エデト酸三ナトリウム              0.1%
  プロピルパラベン              0.05 %
  ブチルパラベン               0.05%
  メチルパラベン                0.1 %
  ペンチレングリコール              3.0%
  塩酸アルギニン                0.1 %
  4-メトキシサリチル酸カリウム        1.0%
  パラメトキシ桂皮酸2-エチルヘキシル     0.01%
  香料                       適
  精製水                      残 量
 本試験例によれば、実施例1で得られたカチ オン化ヒアルロン酸を配合することにより、 皮膚への吸着性に優れた美白化粧水を得るこ とができた。

 6.27.試験例24(化粧料の調製)
 本試験例では、化粧料として、以下に記す 方にて、実施例1で得られたカチオン化ヒア ルロン酸を配合した乳液を調製した。

  カチオン化ヒアルロン酸(実施例1)      0.3%
  ポリクオタニウム-51            0.1%
  プロピレングリコール              7.9%
  トレハロース                0.03%
  セラミド                   0.1%
  ミネラルオイル                3.0 %
  トリオクタノイン               1. 5%
  スクワラン                  1.0%
  ステアリン酸                 0.5%
  セテアリルアルコール              0.5%
  ラノリン                   0.3%
  パラフィン                  0.2%
  ステアリン酸ソルビタン            1.4%
  テトラオレイン酸ソルベース-30        1.0%
  ポリソルベート60              0.8%
  メチルパラベン                0.2 %
  プロピルパラベン               0. 1%
  エタノール                 0.01%
  フェノキシエタノール                適量
  カルボマー                  0.1%
  水酸化カリウム                0.1 %
  BHT                   0.02%
  トコフェロール                  適量
  EDTA-2ナトリウム           0.02%
  精製水                      残 量
 本試験例によれば、実施例1で得られたカチ オン化ヒアルロン酸を配合することにより、 皮膚への吸着性に優れた乳液を得ることがで きた。

 6.28.試験例25(化粧料の調製)
 本試験例では、化粧料として、以下に記す 方にて、実施例1で得られたカチオン化ヒア ルロン酸を配合したパック(ゼリー状ピール フタイプ)を調製した。

  カチオン化ヒアルロン酸(実施例1)      1.5%
  ポリ酢酸ビニルエマルジョン         17.0%
  ポリビニルアルコール            11 .0%
  ソルビトール                 5.0%
  ポリエチレングリコール400         5. 0%
  ホホバ油                   3.0%
  スクワラン                  2.5%
  POEソルビタンモノステアリン酸エステル    1.0%
  酸化チタン                  4.0%
  タルク                    8.0%
  エタノール                  8.0%
  ベルガモット                    適量
  パラベン                      量
  精製水                      残 量
 本試験例によれば、実施例1で得られたカチ オン化ヒアルロン酸を配合することにより、 皮膚への吸着性に優れたパック(ゼリー状ピ ルオフタイプ)を得ることができた。

 6.29.試験例26(化粧料の調製)
 本試験例では、化粧料として、以下に記す 方にて、実施例1で得られたカチオン化ヒア ルロン酸を配合したバニシングクリームを調 製した。

  カチオン化ヒアルロン酸(実施例1)       0.4%
  スクワラン                  11.0%
  ジメチコン                   1.0 %
  ベヘニルアルコール               3.0%
  ラウロイルグルタミン酸ジオクチルドデ ル    2.0%
  EMALEX GMS-50(ステアリン酸グリセリル(SE)) 8 .0%
  EMALEX 805(ステアリン酸PEG-5)      2.0%
  コエンザイムQ10              0.03%
  白金ナノコロイド               0. 01%
  プロピルパラベン                 0.1%
  プロピレングリコール               5.0%
  メチルパラベン                 0 .2%
  尿素                      5.0%
  精製水                        量
 本試験例によれば、実施例1で得られたカチ オン化ヒアルロン酸を配合することにより、 皮膚への吸着性に優れたバニシングクリーム を得ることができた。

 6.30.試験例27(化粧料の調製)
 本試験例では、化粧料として、以下に記す 方にて、実施例1で得られたカチオン化ヒア ルロン酸を配合したクレンジングクリームを 調製した。

  カチオン化ヒアルロン酸(実施例1)         0.5%
  ミネラルオイル                  30.0%
  パラフィン                     3.0%
  ミツロウ                       2.0%
  オクタン酸セチル                  25.0%
  ベヘニルアルコール                 5.0%
  ステアリン酸グリセリル               1.0%
  EMALEX 600di-ISEX(ジイソステアリン酸PEG-12) 3 .0%
  EMALEX 620(ステアレス-20)           1.0 %
  酢酸トコフェロール                 0.1%
  プロピルパラベン                  0.15%
  ステアロイルグルタミン酸Na             0.4%
  1,3-ブチレングリコール             3.0%
  メチルパラベン                  0.15%
  キサンタンガム                  10.0%
  精製水                         残量
 本試験例によれば、実施例1で得られたカチ オン化ヒアルロン酸を配合することにより、 皮膚への吸着性に優れたクレンジングクリー ムを得ることができた。

 6.31.試験例28(化粧料の調製)
 本試験例では、化粧料として、以下に記す 方にて、実施例1で得られたカチオン化ヒア ルロン酸を配合したファンデーションを調製 した。

  カチオン化ヒアルロン酸(実施例1)      0.2%
  エタノール                 10.0%
  メントール                 0.02%
  グリセリン                  5.0%
  BG                     3.0%
  ジメチコン                  2.0%
  トリオクタノイン               2. 0%
  ジメチルPABAオクチル           0.5%
  オキシベンゾン               0.05%
  カルボマー                  0.3%
  シリカ                    0.2%
  AMP                    0.2%
  メチルパラベン               0.16%
  フェノキシエタノール                適量
  トコフェロール               0.02%
  EDTA-2ナトリウム           0.01%
  精製水                      残 量
 本試験例によれば、実施例1で得られたカチ オン化ヒアルロン酸を配合することにより、 皮膚への吸着性に優れたファンデーションを 得ることができた。

 6.32.試験例29(化粧料の調製)
 本試験例では、化粧料として、以下に記す 方にて、実施例1で得られたカチオン化ヒア ルロン酸を配合したリップクリームを調製し た。

  カチオン化ヒアルロン酸(実施例1)      0.6%
  マイクロクリスタリンワックス          1.5%
  セレシン                  12.0%
  スクワラン                 10.0%
  デカメチルテトラシロキサン         10.0%
  リンゴ酸ジイソステアリル            5.0%
  キャンデリラロウ               2. 0%
  ワセリン                   8.0%
  ヒドロキシステアリン酸グリセリル        2.0%
  酢酸トコフェロール              0 .3%
  メントール                 0.05%
  トコフェロール                  適量
  流動パラフィン                  適量
  精製水                      残 量
 本試験例によれば、実施例1で得られたカチ オン化ヒアルロン酸を配合することにより、 皮膚への吸着性に優れたリップクリームを得 ることができた。

 6.33.試験例30(化粧料の調製)
 本試験例では、化粧料として、以下に記す 方にて、実施例1で得られたカチオン化ヒア ルロン酸を配合したシェービングローション を調製した。

  カチオン化ヒアルロン酸(実施例1)      0.5%
  ヒアルロン酸ジメチルシラノール        0.1%
  エタノール                 58.0%
  メントール                  0.1%
  プロピレングリコール              2.0%
  グリチルリチン酸二カリウム         0.05%
  香料                     0.1%
  精製水                      残 量
 本試験例によれば、実施例1で得られたカチ オン化ヒアルロン酸を配合することにより、 皮膚への吸着性に優れたシェービングローシ ョンを得ることができた。

 6.34.試験例31(化粧料の調製)
 本試験例では、化粧料として、以下に記す 方にて、実施例1で得られたカチオン化ヒア ルロン酸を配合したアフターサンローション を調製した。

  カチオン化ヒアルロン酸(実施例1)       0.5%
  エタノール                 11.04%
  BG                     4.16%
  オウゴンエキス                   適量
  ステアリルアルコール              0.72%
  アボカド油                  0.72%
  ステアリン酸                 0.02 %
  オリザノール                     適量
  ポリソルベート                0.2 3%
  PPG-6デシルテトラデセス-20       0.2%
  オクトキシノール-3             0.08 %
  メチルパラベン                0.1 4%
  プロピルパラベン               0. 07%
  カルボマー                  0.13%
  PVP                       適量
  水酸化カリウム                0.0 4%
  EDTA-2ナトリウム            0.01%
  トコフェロール                   適量
  精製水                        量
 本試験例によれば、実施例1で得られたカチ オン化ヒアルロン酸を配合することにより、 皮膚への吸着性に優れたアフターサンローシ ョンを得ることができた。

 6.35.試験例32(化粧料の調製)
 本試験例では、化粧料として、以下に記す 方にて、実施例1で得られたカチオン化ヒア ルロン酸を配合した入浴剤を調製した。

  カチオン化ヒアルロン酸(実施例1)      0.2%
  オクタン酸セチル              43.8 %
  オクチルドデセス-10            8.0%
  ブチルパラベン                0.2 %
  メチルパラベン                0.1 %
  グリセリン                  2.0%
  精製水                      残 量
 本試験例によれば、実施例1で得られたカチ オン化ヒアルロン酸を配合することにより、 皮膚への吸着性に優れた入浴剤を得ることが できた。