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Patent Searching and Data


Title:
CELLULOSE GRANULES FOR CARRYING DRUG
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/078682
Kind Code:
A1
Abstract:
It is intended to reduce the grain size variation of cellulose granules which are in such a size as ensuring the addition thereof to a tobacco filter, can sufficiently carry a volatile drug, can easily allow the volatilization and are obtained by a method comprising an extrusion granulation step and a dressing step. As a cellulose fiber material, use is made of cellulose fibers having an average fiber length of 0.1 mm or more but not more than 0.5 mm and an average degree of polymerization of 400 or more but not more than 1200.

Inventors:
UCHIDA TOSHIYUKI (JP)
NUNOME YOSHIKAZU (JP)
SAITO HIDENAO (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/074656
Publication Date:
July 03, 2008
Filing Date:
December 21, 2007
Export Citation:
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Assignee:
RENGO CO LTD (JP)
UCHIDA TOSHIYUKI (JP)
NUNOME YOSHIKAZU (JP)
SAITO HIDENAO (JP)
International Classes:
B01J2/20; A24D3/14; A61L9/12; C09K3/00; D04H1/425; D04H1/64
Domestic Patent References:
WO2004106416A12004-12-09
Foreign References:
JP2004027428A2004-01-29
JPH01317538A1989-12-22
JP2004027428A2004-01-29
Other References:
See also references of EP 2042635A4
Attorney, Agent or Firm:
KAMADA, Bunji et al. (Nipponbashi 1-chome Chuo-ku, Osaka-sh, Osaka 73, JP)
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Claims:
 セルロース繊維材料とバインダーとの混練物を、押し出し造粒工程、球形整粒工程、及び乾燥工程に順に導入して得られる、平均粒径が1.5mm以下である薬剤担持用セルロース粒子であって、
 セルロース繊維材料として、平均繊維長が0.1mm以上0.5mm以下であり、平均重合度が400以上1200以下であるセルロース繊維を用いたことを特徴とする薬剤担持用セルロース粒子。
 上記セルロース繊維材料が、酸加水分解したセルロース繊維からなる、請求項1に記載の薬剤担持用セルロース粒子。
 嵩比重が0.35以上0.8以下である、請求項1又は2に記載の薬剤担持用セルロース粒子。
 請求項1乃至3のいずれかに記載の薬剤担持用セルロース粒子に揮散性薬剤を担持させた、タバコフィルター添加剤。
Description:
薬剤担持用セルロース粒子

 この発明は、香料などの揮散性薬剤を担 するセルロース粒子に関し、特に、タバコ フィルター内に保持させることにより、香 成分を放出させることが出来る薬剤担持用 ルロース粒子に関する。

 香料などの揮散性薬剤を担持するセルロ ス粒子は、十分な量の揮散性薬剤を担持す ことが出来、しかも揮散性薬剤の揮散量が 定していることが好ましい。

 このため、十分な量の揮散性薬剤を担持 るセルロース粒子は、粒子の外表面から内 に通じる孔を多く有する多孔質のものでな ればならない。また、揮散性薬剤の揮散量 安定させるためには、セルロース粒子の粒 が揃っていなければならない。さらに、タ コのフィルター内に保持させるには、平均 径が1.5mm以下という小さなものでなければ らない。

 ところで、従来、セルロース粒子として 解繊パルプとバインダー水溶液との混練物 、押し出し造粒工程、球形整粒工程、乾燥 程に順に導入して製造されたものが特許文 1に開示されている。この特許文献1に開示 れたセルロース粒子は、粒子の外表面から 部に通じる孔を多く有する多孔質のもので り、十分な量の揮散性薬剤を担持し、揮散 せることが出来る。

特開2004-27428号公報

 しかしながら、実際に上記特許文献1に開 示されたセルロース粒子で平均粒径が1.5mm以 という小さいものを得ようとした場合、繊 長の大きい解繊パルプを材料にしているた 、押し出し造粒工程の吐出部分でパルプが り造粒できなかったり、造粒できたとして 粒径が大きくばらついてしまい、粒径の揃 たものを得ることが出来なかった。

 そこでこの発明は、粒径の揃った平均粒 が1.5mm以下の薬剤担持用セルロース粒子を ようとするものである。

 この発明は、上記の課題を解決するため 、セルロース繊維材料として、平均繊維長 0.1mm以上0.5mm以下であり、平均重合度が400以 上1200以下であるセルロース繊維を用いたの ある。これにより、粒径の揃った平均粒径 1.5mm以下の薬剤担持用セルロース粒子が得ら れる。

 この発明の薬剤担持用セルロース粒子は 上記のように、平均粒径が1.5mm以下で、粒 が揃っているため、薬剤担持量と揮散量を 計通りに安定化させることが出来る。従っ 、香り成分を担持させた、この発明にかか 薬剤担持用セルロース粒子を、タバコのフ ルターに使用した場合、喫味が安定した品 のタバコを得ることができる。

押し出し造粒工程を実施するディスク レッターの一例を示す概念図 図1のディスクペレッターの断面図 (a)整粒工程を実施するマルメライザー 一例を示す概略図、(b)マルメライザーの円 の断面概略図 整粒工程でのペレットから球形粒子へ 変遷を示す概念図 この発明にかかるセルロース粒子の断 の例を示す概略図 この発明にかかるセルロース粒子を添 剤としたタバコの概念図 実施例8で用いる充填管の概略図 実施例8におけるそれぞれの温度での香 料の残存率を示すグラフ

符号の説明

11 ディスク
12 孔
13 ローラー
14 カッター
21 混練物
22 ペレット
25 円盤
26 凸部
27 溝
28 球形粒子
31 タバコ
32 フィルター
33 タバコフィルター添加剤
41 乾燥機
42 充填管
43 脱脂綿
44 セルロース粒子
45 ポンプ

 以下、この発明について詳細に説明する この発明は、セルロース繊維材料とバイン ーとの混練物を、押し出し造粒工程、球形 粒工程、及び乾燥工程に順に導入して得ら る、平均粒径が1.5mm以下の薬剤担持用セル ース粒子であって、セルロース繊維材料と て、平均繊維長が0.1mm以上0.5mm以下のセルロ ス繊維を用いたことを特徴とする薬剤担持 セルロース粒子である。

 上記のセルロース繊維材料に用いるセル ース繊維は、木材パルプやクラフトパルプ 溶解パルプなどの一般的なセルロース材料 微細化したものである。その方法としては 機械的に微細化する方法と、酸加水分解な の薬剤処理を行った後、機械的に細かく砕 て微細化したものである。機械的に微細化 る方法としてはカッティングミルやボール ルを使用する方法があり、セルロース材料 セルロース構造の一部が分子的にも分解さ て分子量が小さくなる。また、酸加水分解 どの薬剤処理を行った場合、セルロース材 の分子量はさらに小さくなり、さらに機械 に細かく砕く工程でも微細化しやすくなる これらの方法によりセルロース材料を微細 することにより、下記の平均繊維長と重合 の条件を満たすセルロース繊維材料を得る とができる。このようなセルロース繊維を いて得られるセルロース粒子は、繊維材料 繊維長が短く、強度が下がっているために し出し造粒工程において押し出しやすくな ので、セルロース粒子を製造しやすく、か 、単に機械的に叩解して解繊しただけのパ プ材料を用いたものよりも、粒径が揃った のとなる。

 また、特に、上記の酸加水分解を行った ルロース繊維は、機械的に微細化しただけ セルロース繊維材料よりも、分子量をさら 小さいものとすることができるので好まし 。また、酸加水分解を行ったセルロース繊 材料を用いると、最終的に得られる薬剤担 用セルロース粒子の粒径を揃えやすくなる 果もあるという点でも好ましい。この酸加 分解に用いる酸は、特に種類を限定される のではなく、硫酸や塩酸などの鉱酸を用い よい。これらの酸中にセルロース繊維を浸 させて、セルロースの分子を酸加水分解し その後、順に濾過、水洗、脱水、乾燥、粉 、篩別することで、この発明で用いるセル ース繊維材料が得られる。

 上記セルロース繊維の平均繊維長は、0.1m m以上であることが必要であり、0.17mm以上で ると好ましい。平均繊維長が長いほど、得 れるセルロース粒子の内部に空洞を多く生 やすくなる。このため、平均繊維長が0.1mm未 満であると、最終的に得られるセルロース粒 子の内部が密に詰まりすぎて内部に空間を生 じにくくなり、薬剤担持量が不十分なものと なってしまう。一方で、平均繊維長は0.5mm以 である必要があり、0.3mm以下であるとより ましい。個々の繊維の繊維長が、後述する し出し造粒工程で混練物を押し出す孔の孔 rより大きいと、繊維がひっかかって孔を閉 させてしまう可能性があるので、個々の繊 の繊維長は少なくとも孔の孔径以下である とが好ましい。得られる粒子の粒径はこの の孔径rに依存するため、繊維長は製造しよ うとする粒子の粒径よりも小さいものである ことが好ましい。平均繊維長が、製造しよう とするセルロース粒子の大きさに近づきすぎ ると、製造する粒子の粒径より長い繊維が含 まれる可能性が高くなり、求める粒径の粒子 が得られなくなってしまう。また、ここで示 す平均繊維長とは、「JAPAN TAPPI 紙パルプ試 方法No.52:2000 パルプ及び紙-繊維長試験方法 -光学的自動計測法」に準ずるカヤーニ社製: 維長測定装置「FiberLab」で測定して、求め れる長さ荷重平均繊維長を平均繊維長とし 示したものである。

 なお、この発明では、上記押し出し造粒 程に用いる孔の孔径が、後述するように最 0.5mmであり、その場合、用いる繊維の個々 繊維長は0.5mm以下でなければ、繊維同士が絡 まって凝集し、それらの繊維が孔を通らなく なってしまう。実際には個々の粒子の繊維長 には幅があるため、平均繊維長は孔の孔径よ りも小さいことが好ましい。ただし、平均繊 維長が長いほど粒子内部が粗くなり、薬剤を 担持できる内部の空間が多くなるため、孔の 閉塞を起こさない範囲では、薬剤担持量を増 加させるという点では、平均繊維長が長いほ ど好ましい。

 また、上記セルロース繊維の平均重合度 、400以上である必要があり、500以上である より好ましい。重合度が高いセルロースほ 一般に硬い繊維となり、繊維が硬いほど、 ルロース粒子としたときに粒子内で曲がり くいために内部に空洞を作りやすく、嵩比 が小さく、薬剤担持量が大きくなるためで る。平均重合度が400未満であると、得られ セルロース粒子が密になりすぎて、薬剤担 量が少なくなってしまう。一方で、平均重 度が高い繊維材料を用いるほど、得られる ルロース粒子の粒径にばらつきが大きくな 、平均重合度が1200を超えると、粒径のばら つきを抑えた粒子を得るこの発明の目的には 不的確なものとなってしまう。また、平均重 合度が900以下であるセルロース繊維を用いる と、得られるセルロース粒子の粒度のばらつ きをより抑えることができるため、特に好ま しい。なお、酸加水分解を行ったセルロース 繊維は、加水分解により分子が小さくなるの で、大体の場合平均重合度900以下とすること ができる。なお、ここで用いる平均重合度は 、日本薬局方第十四改正日本薬局方第二部医 薬品各条に記載されている結晶セルロースの 重合度測定方法を準用して測定することがで きる。このようなセルロース繊維としては、 例えば、日本薬局方に記載の粉末セルロース が挙げられる。

 なお、酸加水分解又は機械的微細化によ 分子を細かくしているため、平均繊維長が いセルロース繊維ほど、基本的には平均重 度が高い傾向にある。薬剤担持量を増加さ る目的で、平均繊維長の長いセルロース繊 を用いようとしても、平均重合度が高すぎ と上記のように問題が生じてしまう。この め、得られるセルロース粒子の用途に応じ 、薬剤担持量と粒径のばらつきとのバラン を考えて、用いるセルロース繊維の平均重 度と平均繊維長を選択することが好ましい

 なお、平均重合度が350以下で、かつ平均 維長が0.2mm以下である微結晶セルロースは 酸加水分解を行って製造するものであるが 平均重合度が低すぎるので、この発明に用 る上記セルロース繊維には含まれない。上 セルロース繊維の代わりにこれらの微結晶 ルロースを用いたセルロース粒子は、密に りすぎて薬剤担持量が不十分なものとなっ しまう欠点を有するためである。

 また、上記バインダーは、上記のセルロ ス繊維材料の個々の繊維を互いに固めるも である。このバインダーが糊の役割を果た て、それぞれの繊維を相互に接着させるこ で、薬剤を担持しても、繊維同士が離れて 体することがない粒子を形成する。このバ ンダーにより上記のセルロース繊維材料を める方法としては、バインダーを水に溶解 せてバインダー水溶液としてから上記セル ース繊維材料と混練して使用する方法と、 記セルロース繊維材料とバインダーとを混 した混合物に水を添加する方法とがある。 のバインダーは親水性高分子であることが ましく、このようなバインダーとしては、 体的には、澱粉、メチルセルロース、ヒド キシプロピルセルロース、ヒドロキシプロ ルメチルセルロース、カルボキシルメチル ルロース、アルギン酸、グアーガム、アラ アゴム、寒天、カラギーナン、ポリアクリ 酸、ポリビニルアルコール、ポリエチレン リコールなどの水溶性高分子が挙げられる なお、これらのバインダーは、1種又は2種 上を混合して用いてもよい。この中でも特 、ポリビニルアルコールを用いると、セル ースの繊維を接着させやすく、成型しやす 特徴がある。

 なお、得られる薬剤担持用セルロース粒 に色を付ける方法としては、上記バインダ 水溶液に着色剤を混合する方法や、上記セ ロース繊維材料とバインダーとの混合物に とともに着色剤を混合する方法や、染色し 繊維を混合する方法が挙げられる。

 上記のバインダー水溶液中の、上記バイ ダーの含有率は0.5重量%以上であると好まし く、1重量%以上であるとより好ましい。0.5重 %未満では、濃度が薄すぎて上記セルロース 繊維材料の接着力が不足し粒子の成型が困難 になる可能性があるためである。一方で、10 量%以下であると好ましく、8重量%以下であ とより好ましい。10重量%を超える濃度とす と、上記セルロース繊維材料同士を接着さ る接着力が高くなりすぎて、小径粒子同士 凝集し合って大径粒子が成型されたり、バ ンダーの粘度が高くなり、セルロース繊維 均一に付着せず、好ましくない。

 また、上記混合物に水を添加する場合の 水とバインダーとの重量混合比は、199:1~9:1 あると好ましく、99:1~92:8であるとより好ま い。199:1よりも水が多いと、バインダーが すぎて粒子の成型が困難になる可能性があ 、一方で、9:1よりもバインダーが多いと、 着力が高くなりすぎて好ましくない。

 上記のセルロース繊維材料と、上記バイ ダーとの重量混合比は、100:0.5~100:10である 好ましい。100:0.5よりも上記セルロース繊維 料が多いと、繊維同士を接着させる高分子 不足して粒子として固まらなくなるおそれ あり、一方で、100:10よりも上記セルロース 維材料が少ないと、得られるセルロース粒 の内部にできるべき空間が上記バインダー 埋まってしまい、薬剤担持量が少なくなり ぎてしまうおそれがある。

 上記セルロース繊維材料と上記バインダ 水溶液とを混練して混練物を得るには、一 的な混練機を用いて行ってよい。

 上記の混練物を、押し出し造粒工程、球 整粒工程、及び乾燥工程に、順に導入して 薬剤担持用セルロース粒子を得る。

 まず、上記の押し出し造粒工程とは、上 混練物を孔から押し出して柱状のペレット する工程で、湿式、または半乾式の押出造 機が使用できる。この孔から押し出す方法 しては、例えば、押出造粒機としてディス ペレッターを用いた押出造粒法を用いるこ ができる。このディスクペレッターとして 、例えば、図1及び図2のようなローラーデ スク式のものが挙げられる。これは、孔径r 孔12が複数設けられた、ディスク11と、その ディスク11の表面上を回転するローラー13と らなる装置である。このディスク11とローラ ー13との間に供給された混練物21を、ローラ 13の回転により圧縮し、ディスク11の孔12か 押し出すことで、柱状のペレット22を製造す る。なお、孔が円形であると、得られるペレ ットが円柱状で製造しやすくなるためより好 ましい。また、ディスクペレッターの中でも 、直径2mm以下の粒子の造粒に対応したファイ ンディスクペレッターが、この発明において 好適に用いられる。この場合、ディスク11の みはほぼ孔径rに等しい構造となる。

 押し出された混練物21は、ディスク11の底 面に接するように固定されたカッター14を用 て、孔径とほぼ同一の長さの柱状体になっ 時点で掻き取り、製造しようとする粒子に い大きさのペレット22としてもよい。また カッター14で掻き取るまでに十分に混練物を 押し出させて、孔径より高さが十分に長い柱 状の成形体であるペレット22としてもよいし カッター14を設けずに長くなったペレット 自重で折れて落ちるようにしてもよい。長 ペレットの場合、その長さは1cm~10cm程度のも のとなる。長い柱状のペレットとする場合は 、後述する整粒工程において、そのペレット を高さ方向に細かくして、孔径に近い粒径の 粒子とする。どちらの場合も、真球に近い粒 子を得る場合には、その粒径はペレットの太 さの径に近くなる。このペレットの太さの径 は、用いるファインディスクペレッターの孔 の孔径rにより決定される。

 このため、上記の孔の孔径rは、0.5mm以上 あると好ましく、0.7mm以上であるとより好 しい。0.5mm未満であると、セルロース繊維材 料が目詰まりしてしまう場合がある。一方で 、孔径rは1.5mm以下であると好ましく、1.3mm以 であるとより好ましい。1.5mmを超えると、 られる粒子の粒径が1.5mmを超える場合があり 、特にタバコフィルターに添加させるには不 的確となってしまう。

 なお、上記押し出し造粒工程を行う際に いる押出造粒機は、図1及び図2に記載のロ ラーディスク式のファインディスクペレッ ーが生産性、成型性の面で優れているが、 出表面に孔を有するダイへ向けて混練物を し出してペレットを形成する一般的な押出 粒機も使用可能である。

 次に、上記球形整粒工程とは、上記押し し造粒工程で得られた柱状のペレットを丸 て球状にし、かつ粒径を揃える工程である ペレットを丸める具体的な方法としては、 えばマルメライザー(登録商標)を用いてペ ットを転動させる球形整粒法が挙げられる このマルメライザーとは、図3のように、表 に、頂上部が平たい凸部26を形成する格子 の溝27を有し回転する円盤25の上でペレット2 2を転動させることで、ペレットの角を取り 丸める機械である。このマルメライザー全 の概略図を図3(a)に示し、図3(b)にその円盤25 断面図を示す。なお、図3(a)での溝27は、実 にはもっと間隔の細かいものとなるが、表 上溝27の底となる線のみを、間を広げて記 している。ペレット22は、遠心力により外周 壁にぶつかって内周に戻され、また遠心力に より外周壁にぶつかるという運動を繰り返す 。その間に、回転、公転をしつつ、凸部26と の間の溝27とにより衝撃を受け続けること 、この工程に導入するペレットの長さに関 らず、図4のようにペレット22は細かく折れ いく。さらに回転、転動させ続けることで ペレット22は角がとれていき、発生する粉の ほとんどが粒子にまぶされていき、元のペレ ットの太さに近い粒径の球形粒子28となる。

 上記の円盤25が有する格子状に並ぶ溝27と 溝27とのピッチPは、1mm以上5mm以下であると好 ましく、2mm以上3mm以下であるとより好ましい 。1mmより小さいと造粒物が球形になりにくく 、一方で、5mmより大きいと造粒物が円盤の回 転により壊れやすくなる。その円盤を回転さ せる際の回転数は、直径40cmでピッチ3mmの円 を使用する場合、200rpm以上であると好まし 。200rpm以下ではペレットが転がるだけで折 たり角がとれたりしにくく、球形になりに いためである。一方で、1000rpm以下であると ましい。1000rpmを超えると、ペレットや粒子 が砕けやすくなりすぎてしまい、球形に留ま らず、粒子がさらに細かく破壊されてしまう おそれがあるためである。なお、円盤の直径 が異なる場合は、円盤の外周の速度をあわせ ればよい。また、直径は20cmから100cm程度であ る。

 上記の球形整粒工程で丸めた直後の粒子 は、混練の際に用いた水溶液由来の水が多 含まれるので、これを除去する必要がある そこで球形整粒工程の後に、上記球形整粒 程で丸めた粒子を乾燥させる乾燥工程に導 し、この発明にかかる薬剤担持用セルロー 粒子を得る。

 なお、上記の乾燥工程で乾燥した粒子を 篩い分け工程に導入して、粒径の揃った粒 が伴う場合がある微粉末を除外しておくと り好ましい。この発明にかかる薬剤担持用 ルロース粒子は粒径が揃ったものであるが それらの粒子とは別に、整粒工程で角を落 したりペレットを折ったりする際に生じる 片が生じる。この破片は、上記の整粒工程 粒子にまぶされて粒子と一体化するが、一 は微粉末となって残る場合がある。この微 末が残る場合、除去しておかないと、結局 粒径がばらつくこととなってしまう。この い分け工程の具体的な方法は、一般的に用 られるメッシュによる篩い分けが用いられ 。そのメッシュの大きさは、得ようとする 子の平均粒径にもよるが、少なくとも粒径 0.4mm以下の微粉末を篩い落とすものである 好ましい。

 上記のように、押し出し造粒工程、整粒 程、及び乾燥工程を経て得られる薬剤担持 セルロース粒子は、図5の断面概略図のよう に、内部に空隙を有しており、それらの空隙 の多くが外部と繋がっている構造を有してい る。この薬剤担持用セルロース粒子は、外部 からこの空隙に揮散性薬剤を担持させること ができ、かつ、担持した揮散性薬剤を揮散さ せやすいものである。

 この発明にかかる薬剤担持用セルロース 子は、嵩比重が0.8以下であると好ましい。0 .8を超えると、粒子の内部が密になりすぎて て薬剤の担持量が不十分になってしまう。 際には上記の条件で製造するとほとんどの 合この嵩比重の条件を満たすものとなる。 方で、嵩比重を0.35未満とすることは構造上 難しく、ほとんどの場合は0.35以上となる。

 この発明にかかる薬剤担持用セルロース 子は、上記の押し出しを行う孔の孔径rに近 い粒径となる。この粒子は、押し出し造粒工 程で生じる直径rのペレットが、そのr前後の さで折れた後に、角がとれて丸くなること 得られるものだからである。その平均粒子 は、0.3mm以上であると好ましく、0.5mm以上で あるとより好ましい。0.3mm未満であると、粒 が小さすぎて内部に空間を有する余地が小 くなってしまう。また、タバコのフィルタ に添加する添加剤として用いる際には、平 粒子径が0.3mm以下であると、フィルターの 詰まりを起こし、タバコを吸う際の空気抵 が大きくなる場合がある。一方で、平均粒 径は1.5mm以下であると好ましく、1.2mm以下で るとより好ましい。1.5mmを超えると、単位 量あたりの外気と接する面積が小さくなり ぎ、担持した薬剤の揮散速度が低下しすぎ しまう場合がある。また、1.5mmを超えると、 大きすぎてタバコのフィルターに添加するの が困難となる。なお、ここで平均粒子径とは 、質量基準平均粒子径であり、ふるい分け法 により測定される値である。

 この発明にかかる薬剤担持用セルロース 子は、上記セルロース繊維材料として、平 繊維長が上記の通りで平均重合度が400以上1 200以下であるセルロース繊維を用いることに より、粒径のばらつきが小さいものとなる。 また、平均重合度が400以上900以下であるセル ロース繊維を用いると、特に粒径のばらつき が小さいものとなる。具体的には、ふるい分 け法により、ふるい分けした累積値が25wt%の 径(D25)、50wt%の粒径(D50)、75wt%の粒径(D75)を測 定し、D50を平均粒径とし、D25/D75を粒度分布 均一性として評価した。その粒径分布が0.5 上であると好ましく、0.6以上であるとより ましい。上記の条件と工程により製造され セルロース粒子は、ほとんどの場合この条 を満たすものとなる。粒子の元になるペレ トが、単一の孔径rの柱状であり、そのペレ トを整粒工程で転動させることでその孔径r に近い大きさで丸めることができるため、粒 径が揃ったものとなりやすいためである。な お、このD25/D75の値は高いほど粒径が揃って ることを示し、1であると理想的である。

 この発明にかかる薬剤担持用セルロース 子に薬剤を担持させる方法としては、例え 、粒子に薬剤を噴霧する方法、含浸する方 や、薬剤を包埋材とともに加熱・溶融して 持させる方法が挙げられる。この包埋材と 、常温で固体であり、かつ、加熱・溶融時 上記の薬剤と混合可能である物質であり、 体例としては、パラフィンワックス、ロジ 系樹脂、ゴム系樹脂などが挙げられる。こ 包埋材により薬剤の移行を抑制したり、揮 速度を制御したりすることが可能となる。 持させる揮散性薬剤は特に限定されないが 例えば、メントール、ハッカ油、リモネン オレンジ香料などの香料を用いると、担持 せた揮散性薬剤である香料が徐々に放出さ る粒子を得ることができる。

 このように上記揮散性薬剤を担持させた ルロース粒子は、紙巻きタバコのフィルタ に添加するタバコフィルター添加剤として いることができる。具体的には、図6のよう に、紙巻きタバコ31の口でくわえる側に設け アセタール繊維等で製造されるフィルター3 2の繊維中に、このタバコフィルター添加剤33 を分散させて用いる。または、フィルター部 分に空間を作り、その空間にタバコフィルタ ー添加剤33を充填して用いることもできる。 バコフィルター添加剤33をフィルター中に 加したタバコは、フィルターを通してタバ を吸うことで、タバコの香りとともに、タ コフィルター添加剤から揮散される上記揮 性薬剤の香り等を楽しむことができるもの なる。

 この発明にかかる薬剤担持用セルロース 子は、粒径が揃っているため、揮散性薬剤 添加しようとするものに添加する際に、添 する粒子の重量や体積を設計しておくこと 、添加する薬剤の合計量、及び揮散量を設 通りの一定の値にしやすくなる。すなわち タバコのフィルターに添加するにあたって タバコ一本あたりの薬剤添加量、ひいては 散性薬剤の揮散量のばらつきを抑えること でき、タバコを吸った際に感じる香味に強 が生じて味が変化する可能性を低くするこ ができる。

 この発明にかかる薬剤担持用セルロース粒 について、実施例を挙げてより具体的な内 を示す。
 まず、用いるセルロース繊維材料について 挙する。
・漂白クラフトパルプ……((日本製紙(株)製:L BKP)を機械的に粉砕し、平均繊維長0.6mm、平均 重合度1400としたもの(以下、「粉砕LBKP1」と 記する。)
・漂白クラフトパルプ……((日本製紙(株)製:L BKP)を機械的に粉砕し、平均繊維長0.4mm、平均 重合度1300としたもの(以下、「粉砕LBKP2」と 記する。)
・漂白クラフトパルプ……((日本製紙(株)製:L BKP)を機械的に粉砕し、平均繊維長0.27mm、平 重合度1100としたもの(以下、「粉砕LBKP3」と 記する。)
・酸加水分解した粉末セルロース……(日本 紙ケミカル(株)製:KCフロック W-50S、平均繊 長0.30mm、平均重合度830)(以下、「KC W-50S」と 表記する)
・酸加水分解した粉末セルロース……(日本 紙ケミカル(株)製:KCフロック W-50、平均繊維 長0.27mm、平均重合度810)(以下、「KC W-50」と 記する)
・酸加水分解した粉末セルロース……(日本 紙ケミカル(株)製:KCフロック W-100、平均繊 長0.21mm、平均重合度690)(以下、「KC W-100」と 表記する)
・酸加水分解した粉末セルロース……(日本 紙ケミカル(株)製:KCフロック W-200、平均繊 長0.17mm、平均重合度540)(以下、「KC W-200」と 表記する)
・酸加水分解した粉末セルロース……(日本 紙ケミカル(株)製:KCフロック W-400、平均繊 長0.15mm、平均重合度370)(以下、「KC W-400」と 表記する)
・微結晶セルロース……(メルク(株):Avicel、 均繊維長0.17mm、平均重合度200)(以下、「微結 晶セルロース」と表記する)

 なお、上記の平均繊維長はカヤーニ社製: 繊維長測定装置「FiberLab」により測定し、平 重合度は日本薬局方第十四改正日本薬局方 二部医薬品各条に記載されている結晶セル ースの重合度測定方法を準用し、銅エチレ ジアミン試液を溶媒とした毛細管粘度計を いて測定した。

<セルロース繊維材料の検討>
(実施例1)
 バインダー水溶液としてポリビニルアルコ ル水溶液(クラレ(株)製:PVA124、2.7重量%)を用 、セルロース繊維材料として平均繊維長0.27 mmの粉砕LBKP3を用い、バインダー樹脂とセル ース繊維材料との重量混合比が0.04:1となる 合で、高速攪拌造粒機((株)ダルトン製:SPG-25) に添加・混練して混練物を得た。なお、高速 攪拌造粒機はそれだけで造粒可能な装置であ るが、この例では単に混練のみ行った。

 この混練物を、押し出し造粒工程として 孔径1mmの円形孔を有するディスクを備えた ァインディスクペレッター((株)ダルトン製: PV-5)に投入し、直径約1mm、長さ約3cmの棒状ペ ットを得た。次に、整粒工程として、この 状ペレットを、マルメライザー((株)ダルト 製:Q-400)を用いて、回転数700rpmで7分間回転 せて整粒して球状粒子とした。さらに乾燥 程として、この球状粒子を、100℃に設定し 振動乾燥機((株)ダルトン製:MDV-1200)で乾燥さ 、平均粒子径が0.77mmのセルロース粒子を得 。このセルロース粒子の平均粒子径及び粒 分布の測定にあたっては、0.5mm、0.6mm、0.71mm 、0.85mm、1.00mm、1.18mm、1.40mm、1.70mmの目開き(JI S規格)のふるいでふるい分けした。このうち ふるい下累積値が25wt%の粒径(D25)、50wt%の粒 (D50)、75wt%の粒径(D75)を測定し、D50を平均粒 径とした。また、このセルロース粒子の粒 分布の均一性をD25/D75で表し、0.53となった

 得られたセルロース粒子について、メス リンダーで1Lあたりの重量を測定し、嵩比 を測定した。その結果を表1に示す。また、 料としてD-リモネン(ナカライテスク(株)製) 用いてセルロース粒子に浸漬させて、セル ース粒子1gあたりの香料担持量を測定した この香料担持量は、3角フラスコにセルロー 粒子10gをいれ、そこにD-リモネンを添加す とき、セルロース粒子が吸液しきれずに、 ラスコが香料で濡れ始める量を測定した。 の結果を表1に示す。

 さらに、香料としてメントール(長岡実業 (株)製)を用い、ワックス(日本精蝋(株)製:HNP9) とともに90℃で溶融混練したものにセルロー 粒子を浸漬させて担持させ、セルロース粒 1gあたりの包埋量を測定した。その結果を 1に示す。

(比較例1)
 実施例1の粉砕LBKP3の代わりに、繊維長0.6mm 粉砕LBKP1を用いて繊維混合物を得て、ファイ ンディスクペレッターに投入したところ、孔 径1mmの円形孔を閉塞させてしまい、セルロー ス粒子を得ることができなかった。

(比較例2)
 実施例1の粉砕LBKP3の代わりに、粉砕LBKP2を い、それ以外は実施例1と同様の手順により ルロース粒子を得た。その結果を表1に示す 。香料担持量と包埋量は実施例1とほぼ同等 あったが、D25/D75の粒度分布は0.5未満となり 粒度の分散は実施例1と比べて大きいものと なった。

(実施例2、3、4、5、比較例3)
 実施例1の粉砕LBKP3の代わりに、それぞれ酸 水分解したセルロースである、平均繊維長0 .30mmのKC W-50S(実施例2)、平均繊維長0.27mmのKC  W-50(実施例3)、平均繊維長0.21mmのKC W-100(実施 4)、平均繊維長0.17mmのKC W-200(実施例5)、平 繊維長0.15mmのKC W-400(比較例3)を用い、それ 外は実施例1の手順によりそれぞれセルロー 粒子を得て、同様の測定を行った。その結 を表1に示す。実施例2、実施例3、実施例4及 び実施例5では十分な量の薬剤を担持でき、 径も揃ったものとなったが、平均重合度が40 0未満である比較例3では、粒径が揃ったもの 、薬剤の担持量が大きく低下してしまった また、ワックスを用いた包埋を行ったとこ 、実施例2乃至5では包埋量を確保できたが 比較例3では、実施例5と比べても、包埋量が 大きく低下してしまった。

(比較例4)
 実施例1の粉砕LBKP3の代わりに、微結晶セル ースを用いて、実施例1と同様の手順により セルロース粒子を作成した。得られたセルロ ース粒子について、実施例1と同様の測定を った。その結果を表1に示す。嵩比重が高く 密になりすぎ、薬剤の担持量が大きく低下 てしまった。また、ワックスを用いた包埋 行ったところ、実施例5と比べても包埋量が 大きく低下してしまった。

<異なるバインダーによる粒子の製造>
(実施例6)
 バインダーとしてメチルセルロース(信越化 学(株)製:メトローズSM-400、表中「MC」と略記 る。)と、セルロース繊維材料として平均繊 維長0.27mmの酸加水分解したセルロースである KC W-50を用い、バインダーとセルロース繊維 料との重量混合比を0.02:1として、高速攪拌 粒機((株)ダルトン製:SPG-25)に添加・混合し 水をセルロースの1.6倍量添加・混練し、混 物を得た。この混練物を用いて、実施例1と 様の条件で押し出し造粒工程、整粒工程を ってセルロース粒子を得て、実施例1と同様 の測定を行った。その結果を表1に示す。こ セルロース粒子は十分な量の薬剤を担持で 、粒径も揃ったものとなった。

(実施例7)
 バインダーにヒドロキシプロピルメチルセ ロース(信越化学(株)製:メトローズ60SH-10000) 使用した以外は実施例1と同様の手順により セルロース粒子を得て、同様の測定を行った 。その結果を表1に示す。このセルロース粒 は十分な量の薬剤を担持でき、粒径も揃っ ものとなった。

<揮散性の測定>
(実施例8)
 実施例1で得たセルロース粒子を使用し、メ ントール(長岡実業(株)製)を含浸加工、包埋 工した粒子、オレンジ香料(日本香料薬品(株 )製)を含浸加工、包埋加工した粒子を作成し 。

(含浸加工)
 液体であるオレンジ香料は熱をかけずにそ ままの状態で、オレンジ香料5g中にセルロ ス粒子95gを投入し、均一に混合し、粒子を り出した。常温で固体であるメントールは 融点以上に加熱して融解させた状態で、メ トール5g中にセルロース粒子95gを投入し、均 一に混合した。その後冷却して粒子を取り出 した。

(包埋加工)
 ワックス(日本精蝋(株)製:HNP9)12gを90℃で融 させたものを二つ用意し、そこへ、それぞ 、オレンジ香料又はメントールを5g投入し、 均一に撹拌・溶融させる。次に、それぞれに セルロース粒子を83g投入し、均一に混合した 。いずれも、その後冷却し、粒子を取り出す 。

(担持した香料の揮散性の評価)
 タバコを想定して、図7のような充填管42の 径が8mmである装置を組んだ。充填管の入口 は、乾燥機41からの温風が供給可能に接続 れており、充填管の出口にはポンプ45が接続 されて空気を吸引可能となっている。充填管 42の中には、脱脂綿43を詰めた間に、試験体 あるセルロース粒子44を充填している。この 装置に、それぞれ30℃、50℃、70℃の温風を、 流量が35ml/2secとなるように流し、5分後にセ ロース粒子を取り出して、香料の残存率を 量変化により測定した。その結果を図8に示 。図中、メントールを「Me」と、オレンジ 料を「Or」と表記し、含浸加工によるものを 「含浸」と、包埋加工によるものを「包埋」 と表記した。タバコのフィルターの温度は吸 引時に上昇するが、それに相当する温度であ る、50℃、70℃で効率良く揮散している。ま 、包埋加工により香料を担持させることで 含浸加工により香料を担持させた場合より 揮散速度を遅くすることが可能となった。