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Title:
CHIP-TYPE COIL COMPONENT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/016937
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a chip-type coil component wherein a coil resistance value is reduced by suppressing reduction of the inductance value of the coil as much as possible. Magnetic layers (20) constitute a laminated body. Internal electrodes (26) are laminated on the magnetic layers (20), respectively, and form a coil (L) by being connected to each other. An auxiliary internal electrode (30) is laminated on a magnetic layer (20) whereupon the internal electrode (26) is laminated. The auxiliary internal electrode (30) is connected in parallel to the internal electrode (26), which is laminated on the magnetic layer (20) different from the magnetic layer (20) whereupon the auxiliary internal electrode (30) is laminated.

Inventors:
MAEDA TOMOYUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/062494
Publication Date:
February 05, 2009
Filing Date:
July 10, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MURATA MANUFACTURING CO (JP)
MAEDA TOMOYUKI (JP)
International Classes:
H01F17/00; H01F17/04
Foreign References:
JPH0855725A1996-02-27
JPH0496814U1992-08-21
JPH02256208A1990-10-17
JPH04134808U1992-12-15
JPH11150034A1999-06-02
JPH04134807U1992-12-15
Attorney, Agent or Firm:
MORISHITA, Takekazu et al. (2-18 Minamihommachi 4-chome, Chuo-ku, Osaka-sh, Osaka 54, JP)
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Claims:
 複数の絶縁体層が積層されて構成された積層体と、
 前記絶縁体層上に積層されると共に、それぞれが接続されることによりコイルを形成している複数の内部電極と、
 前記内部電極が積層されている前記絶縁体層上に積層されている補助内部電極と、
 を備え、
 前記補助内部電極は、該補助内部電極が積層されている前記絶縁体層とは異なる前記絶縁体層上に積層されている前記内部電極に対して並列接続されていること、
 を特徴とするチップ型コイル部品。
 前記補助内部電極は、同一の前記絶縁体層上に積層されている前記内部電極と絶縁されていること、
 を特徴とする請求の範囲第1項に記載のチップ型コイル部品。
 前記補助内部電極は、同一の前記絶縁体層上に積層されている前記内部電極に接続されていること、
 を特徴とする請求の範囲第1項に記載のチップ型コイル部品。
 前記複数の内部電極は、ビアホール導体を介して接続されており、
 前記補助内部電極の一端は、前記補助内部電極が積層されている前記絶縁体層とは異なる前記絶縁体層上に積層されている前記内部電極に対して前記ビアホール導体を介して接続されていること、
 を特徴とする請求の範囲第3項に記載のチップ型コイル部品。
 前記補助内部電極は、積層方向から見たときに、前記複数の内部電極が積層されている領域内に配置されていること、
 を特徴とする請求の範囲第1項ないし請求の範囲第4項のいずれかに記載のチップ型コイル部品。
 前記補助内部電極は、積層方向に隣接する前記絶縁体層上に積層された前記内部電極に対して接続されていること、
 を特徴とする請求の範囲第1項ないし請求の範囲第5項のいずれかに記載のチップ型コイル部品。
 前記絶縁体層は、磁性体層であること、
 を特徴とする請求の範囲第1項ないし請求の範囲第6項のいずれかに記載のチップ型コイル部品。
Description:
チップ型コイル部品

 本発明は、コイルを内蔵したチップ型コ ル部品に関する。

 従来のチップ型コイル部品として、特許 献1に記載の積層チップインダクタが提案さ れている。以下に、図9を参照しながら従来 積層チップインダクタについて説明する。 9は、積層チップインダクタの分解斜視図で る。

 図9に示すように、積層チップインダクタ では、同じ形状を有する内部電極102が形成さ れた磁性体層101が、それぞれ2枚ずつ重ねて 置されている。同じ形状を有する2つの内部 極102は、最外層となる上下各2層を除いて、 その両端においてビアホール導体103を介して 互いに電気的に接続されている。更に、各内 部電極102は、ビアホール導体103を介して電気 的に直列接続されて、螺旋状のコイルLを形 している。なお、最外層となる上下各2層の 部電極102は、磁性体層101の一辺側に引き出 れるように、その一端が形成され、図示し い外部電極と接続されている。前記積層チ プインダクタによれば、同じ形状を有する2 つの内部電極102が並列接続されているので、 コイルLの抵抗値を低くすることができる。

 しかしながら、前記積層チップインダクタ は、同じ形状を有する内部電極102が形成さ た磁性体層101がそれぞれ2枚ずつ積層される ので、コイルLの軸長が長くなってしまう。 イルLのインダクタンス値は、軸長に反比例 るので、軸長が長くなると、積層チップイ ダクタのインダクタンス値が低下してしま 。また、コイルLの軸長が長くなるので、コ イルLの単位長さ当りに巻くことができるタ ン数が減少し、コイルLにおいて高いインダ タンス値を得ることができなくなる。

特開2001-358016号公報

 そこで、本発明の目的は、コイルのイン クタンス値を極力低下させることなく、コ ルの抵抗値を低減できるチップ型コイル部 を提供することである。

 本発明は、複数の絶縁体層が積層されて 成された積層体と、前記絶縁体層上に積層 れると共に、それぞれが接続されることに りコイルを形成している複数の内部電極と 前記内部電極が積層されている前記絶縁体 上に積層されている補助内部電極と、を備 、前記補助内部電極は、該補助内部電極が 層されている前記絶縁体層とは異なる前記 縁体層上に積層されている前記内部電極に して並列接続されていること、を特徴とす 。

 本発明によれば、異なる絶縁体層上に積 された内部電極に対して補助内部電極が並 接続されるので、コイルの抵抗値を低減す ことができる。更に、補助内部電極は、内 電極が積層されている絶縁体層上に積層さ ているので、補助内部電極の積層のために たな絶縁体層を追加する必要がない。すな ち、補助内部電極が設けられたとしても、 イルの軸長が変化しない。その結果、コイ のインダクタンス値が低下することが抑制 れる。

 本発明において、前記補助内部電極は、 一の前記絶縁体層上に積層されている前記 部電極と絶縁されていてもよい。

 本発明において、前記補助内部電極は、 一の前記絶縁体層上に積層されている前記 部電極に接続されていてもよい。

 本発明において、前記複数の内部電極は ビアホール導体を介して接続されており、 記補助内部電極の一端は、前記補助内部電 が積層されている前記絶縁体層とは異なる 記絶縁体層上に積層されている前記内部電 に対して前記ビアホール導体を介して接続 れていてもよい。

 本発明において、前記補助内部電極は、 層方向から見たときに、前記複数の内部電 が積層されている領域内に配置されていて よい。

 本発明において、前記補助内部電極は、 層方向に隣接する前記絶縁体層上に積層さ た前記内部電極に対して接続されていても い。

 本発明において、前記絶縁体層は、磁性 層であってもよい。

 本発明によれば、補助内部電極が異なる 縁体層上に積層された内部電極に対して並 に接続されているので、コイルのインダク ンス値を極力低減させることなく、コイル 抵抗値を低くすることができる。

本発明の一実施形態に係るチップ型コ ル部品の外観斜視図。 前記チップ型コイル部品の分解斜視図 前記チップ型コイル部品を積層方向上 から見たときの透視図。 図4(a)は、従来の積層チップインダクタ の等価回路図。図4(b)は、本発明の一実施形 に係るチップ型コイル部品の等価回路図。 第1の変形例に係るチップ型コイル部品 の分解斜視図。 第2の変形例に係るチップ型コイル部品 の磁性体層、内部電極及び補助内部電極の構 成を示した図。 第2の実験において作製した第3の試作 の分解斜視図である。 第2の実験において作製した第4の試作 の分解斜視図である。 従来の積層チップインダクタの分解斜 図。

(チップ型コイル部品の構成について)
 以下に、本発明の一実施形態に係るチップ コイル部品の構成について図面を参照しな ら説明する。図1は、チップ型コイル部品10 外観斜視図である。図2は、チップ型コイル 部品10の分解斜視図である。なお、以下では 積層方向を上下方向と規定する。また、チ プ型コイル部品10において、積層方向の上 面を上面と呼び、積層方向の下端面を下面 呼び、その他の面を側面と呼ぶ。

 チップ型コイル部品10は、図1に示すよう 、概略、積層体12及び外部電極14a,14bを備え いる。更に、積層体12は、コイルLを内蔵し いる。

 積層体12は、直方体状のブロックであり 図2に示すように、長方形状の複数の磁性体 (絶縁体層)22,20a,20b,20c,20d,20e,20f,24が積層され ることにより構成されている。なお、個別の 磁性体層20を指すときには、参照符号の後にa ないしfの符号を付して記載し、磁性体層20を 総称するときには、磁性体層20と記載する。 性体層20,22,24はそれぞれ、磁性体材料によ 作製される。磁性体材料の例としては、例 ば、透磁率が130程度のNi-Cu-Zn系のフェライト が挙げられる。

 コイルLは、その軸が上下方向と一致する ように積層体12内に設けられている。コイルL は、内部電極26a,26b,26c,26d,26e,26fがそれぞれ、 記磁性体層20a,20b,20c,20d,20e,20f上に積層され と共に、内部電極26a,26b,26c,26d,26e,26fが互いに 電気的に直列接続されることにより、構成さ れている。なお、個別の内部電極26を指すと には、参照符号の後にaないしfの符号を付 て記載し、内部電極26を総称するときには、 内部電極26と記載する。また、内部電極26が 性体層20上に積層されるとは、内部電極26が 性体層20上にスクリーン印刷により形成さ る場合の他、内部電極26が磁性体層20上に転 されるような場合も含む意味である。

 各内部電極26は、3/4ターンの長さを有し おり、その端部において上下方向に隣接す 磁性体層20に積層された内部電極26とビアホ ル導体Bを介して電気的に直列接続されてい る。より詳細には、内部電極26aと内部電極26b とは、ビアホール導体B1により電気的に接続 れている。内部電極26bと内部電極26cとは、 アホール導体B2により電気的に接続されて る。内部電極26cと内部電極26dとは、ビアホ ル導体B3により電気的に接続されている。内 部電極26dと内部電極26eとは、ビアホール導体 B4により電気的に接続されている。内部電極2 6eと内部電極26fとは、ビアホール導体B5によ 電気的に接続されている。これにより、螺 形状を有するコイルLが形成されている。な 、3/4ターンとは、長方形状の磁性体層20の4 の内の3辺に沿って「コ」字形状の電極が積 層されていることを示す。

 更に、最も上層に配置された内部電極26a 、引き出し部28aを含み、最も下層に配置さ た内部電極26fは、引き出し部28fを含んでい 。引き出し部28aは、図1に示す外部電極14aに 電気的に接続されている。また、引き出し部 28fは、図1に示す外部電極14bに電気的に接続 れている。これらの内部電極26及びビアホー ル導体Bは、例えば、銀により作製される。

 外部電極14a,14bは、コイルLと外部の回路 を電気的に接続するための端子としての役 を果たし、積層体12の互いに対向する側面に 形成される。外部電極14a,14bは、例えば、銀 極上にNiめっき及びSnめっきが施されて作製 れる。

 ところで、本実施形態に係るチップ型コ ル部品10では、コイルLの抵抗値を低減する めに、補助内部電極30a,30b,30c,30d,30e,30fが設 られている。なお、個別の補助内部電極30を 指すときには、参照符号の後にaないしfの符 を付して記載し、補助内部電極30を総称す ときには、補助内部電極30と記載する。以下 、補助内部電極30について説明する。

 補助内部電極30はそれぞれ、図2に示すよ に、内部電極26が積層されている磁性体層20 上の空き領域に積層されている。ただし、同 一の磁性体層20上に積層されている内部電極2 6と補助内部電極30とは互いに絶縁されている 。そして、補助内部電極30は、この補助内部 極30が積層されている磁性体層20とは異なる 磁性体層20上に積層されている内部電極26に して、ビアホール導体bにより電気的に接続 れている。より詳細には、補助内部電極30 、この補助内部電極30が積層されている磁性 体層20と上下方向に隣接する磁性体層20に積 されている内部電極26に対して、2つのビア ール導体bを介して電気的に並列接続されて る。以下に、内部電極26と補助内部電極30と の接続関係について詳細に説明する。

 補助内部電極30aは、ビアホール導体b1,b2 より内部電極26bに電気的に並列接続されて る。補助内部電極30bは、ビアホール導体b3,b4 により内部電極26cに電気的に並列接続されて いる。補助内部電極30cは、ビアホール導体b5, b6により内部電極26dに電気的に並列接続され いる。補助内部電極30dは、ビアホール導体b 7,b8により内部電極26eに電気的に並列接続さ ている。補助内部電極30eは、ビアホール導 b9,b10により内部電極26fに電気的に並列接続 れている。補助内部電極30fは、ビアホール 体b11,b12により内部電極26eに電気的に並列接 されている。

 以上のように、チップ型コイル部品10で 、各内部電極26に対して補助内部電極30が並 接続されるので、コイルLの抵抗値を低減す ることができる。更に、補助内部電極30は、 部電極26が積層されている磁性体層20の空き 領域に積層されているので、補助内部電極30 積層のために新たな磁性体層20を追加する 要がない。すなわち、補助内部電極30が設け られたとしても、コイルLの軸長が変化しな 。その結果、コイルLのインダクタンス値が 下することが抑制される。

 また、補助内部電極30は、図3に示すよう 、上方から見たときに、内部電極26からは 出すことなく内部電極26が積層された領域と 重なるように配置されている。図3は、チッ 型コイル部品10を上方から見たときの透視図 である。このように、補助内部電極30と内部 極26とが重なることにより、コイルLのコイ 径を大きくすることができ、コイルLのイン ダクタンス値を大きくすることができる。

  また、チップ型コイル部品10では、以下 に説明するように、補助内部電極30が設けら ているので、補助内部電極30が設けられて ないチップ型コイル部品に比べて良好な直 重畳特性を有するようになる。補助内部電 30は、例えば、銀により作製されている。銀 は非磁性体であるので、チップ型コイル部品 10では、磁性体層20の間に非磁性体層が設け れていることになる。その結果、チップ型 イル部品10は、補助内部電極30が設けられて ない閉磁路型のチップ型コイル部品に比べ 、良好な直流重畳特性を有するようになる

(従来の積層チップインダクタとの対比)
 以下に、チップ型コイル部品10が奏する効 をより明確なものとすべく、チップ型コイ 部品10の取得効率と、図9に示す従来の積層 ップインダクタの取得効率とを対比する。 得効率とは、コイルのインダクタンス値を 抗値で割った値である。

 図4(a)は、図9に示す従来の積層チップイ ダクタの等価回路図である。図4(b)は、図2に 示すチップ型コイル部品10の等価回路図であ 。なお、図4(a)では、磁性体層101が4層分だ 記載されており、図4(b)では、磁性体層20が3 分だけ記載されているが、実際には、従来 積層チップインダクタでは磁性体層101が14 積層されており、チップ型コイル部品10では 磁性体層20が6層積層されている。ただし、積 層数が変化しても取得効率が変化しないので 、以下では、説明の簡略のため、図4(a)及び 4(b)の等価回路図を用いて、取得効率の比較 行う。

 以下に、図4(a)に示す等価回路図と図9に す積層チップインダクタとの対応関係につ て説明する。LAは、1層目の磁性体層101と2層 の磁性体層101とのそれぞれに積層された内 電極102が有する合成インダクタンス値であ 。rAa+rAbは、1層目の磁性体層101に積層され 内部電極102が有する抵抗値である。rAc+rAdは 2層目の磁性体層101に積層された内部電極102 が有する抵抗値である。

 また、LBは、3層目の磁性体層101と4層目の 磁性体層101とのそれぞれに積層された内部電 極102が有する合成インダクタンス値である。 rBa+rBbは、3層目の磁性体層101に積層された内 電極102が有する抵抗値である。rBc+rBdは、4 目の磁性体層101に積層された内部電極102が する抵抗値である。

 次に、図4(b)に示す等価回路図と図2に示 チップ型コイル部品10との対応関係について 説明する。L1は、1層目の磁性体層20に積層さ た内部電極26が有するインダクタンス値で る。r2cは、2層目の磁性体層20に積層された 助内部電極30が有する抵抗値である。r1a+r1b 、1層目の磁性体層20に積層された内部電極26 が有する抵抗値である。より詳細には、r1bは 、補助内部電極30が並列接続されている部分 内部電極26の抵抗値であり、r1aは、残余の 分の内部電極26の抵抗値である。

 L2は、2層目の磁性体層20に積層された内 電極26が有するインダクタンス値である。r3c は、3層目の磁性体層20に積層された補助内部 電極30が有する抵抗値である。r2a+r2bは、2層 の磁性体層20に積層された内部電極26が有す 抵抗値である。r2bは、補助内部電極30が並 接続されている部分の内部電極26の抵抗値で あり、r2aは、残余の部分の内部電極26の抵抗 である。

 L3は、3層目の磁性体層20に積層された内 電極26が有するインダクタンス値である。r3a +r3bは、3層目の磁性体層20に積層された内部 極26が有する抵抗値である。

 以上のように構成された等価回路図におい 、以下の式(1)及び式(2)が成立するものと仮 する。
rAa=rAc=rBa=rBc=r1a=r2a=r3a=R1・・・(1)
rAb=rAd=rBb=rBd=r1b=r2c=r2b=r3c=r3b=R2・・・(2)

 式(1)及び式(2)が成立する場合、図4(a)に示 す等価回路図の合成抵抗値RdcI及び図4(b)に示 等価回路図の合成抵抗値RdcIIは、それぞれ 以下の式(3)及び式(4)に示す通りとなる。

RdcI=(R1+R2)/2×2=R1+R2・・・(3)
RdcII=(R1+R2)+(R1+R2/2)+(R1+R2/2)=3R1+2R2・・・(4)

 ここで、インダクタンス値は、コイルの き数の2乗に比例し、コイルの軸長に反比例 する。従って、図4(a)に示す等価回路図のイ ダクタンス値をLIとし、図4(b)に示す等価回 図のインダクタンス値をLIIとすると、LI及び LIIは、それぞれ式(5)及び式(6)に示す通りとな る。

LI=α・(2N) 2 /4λ=α・N 2 /λ・・・(5)
LII=α・(3N) 2 /3λ=α・3N 2 /λ・・・(6)

 なお、αは、係数である。また、図4(a)の 価回路図に示すコイルの軸長及び巻き数を4 λ及び2Nとし、図4(b)の等価回路図に示すコイ の軸長及び巻き数を3λ及び3Nとする。なお Nは、1層分の内部電極の長さ(ターン数)であ (例えば、3/4ターン)。

 式(3)ないし式(6)に基づいて、図4(a)の等価回 路図の取得効率X1と図4(b)の等価回路図の取得 効率X2とを求めると、X1及びX2は、それぞれ式 (7)及び式(8)に示す通りとなる。
X1=α・N 2 /[λ(R1+R2)]・・・(7)
X2=α・3N 2 /[λ(3R1+2R2)]・・・(8)

 式(7)及び式(8)によれば、X1<X2であるこ がわかる。以上より、図9に示す従来の積層 ップインダクタよりも本実施形態に係るチ プ型コイル部品10の方が、高い取得効率を していると言える。

(変形例)
 図5は、第1の変形例に係るチップ型コイル 品10'の分解斜視図である。なお、図5では、 2における構成要素に対応する構成要素につ いては、同じ参照符号を付してある。以下で は、第1の変形例に係るチップ型コイル部品10 'と図2に示すチップ型コイル部品10との相違 を中心に説明する。

 第1の変形例に係るチップ型コイル部品10' では、同一の磁性体層20上に積層された内部 極26と補助内部電極30とが接続されている。 更に、補助内部電極30の一端は、この補助内 電極30が積層されている磁性体層20とは異な る磁性体層20上に積層されている内部電極26 対して、内部電極26同士を接続するビアホー ル導体Bを介して接続されている。具体的に 、補助内部電極30aは、ビアホール導体b1の代 わりにビアホール導体B1を介して内部電極26b 接続されている。補助内部電極30bは、ビア ール導体b4の代わりにビアホール導体B2を介 して内部電極26cに接続されている。補助内部 電極30cは、ビアホール導体b5の代わりにビア ール導体B3を介して内部電極26dに接続され いる。補助内部電極30dは、ビアホール導体b7 の代わりにビアホール導体B4を介して内部電 26eに接続されている。補助内部電極30eは、 アホール導体b10の代わりにビアホール導体B 5を介して内部電極26fに接続されている。な 、各補助内部電極30の他端は、ビアホール導 体bを介して内部電極26に接続されている。

 また、磁性体層20f上に積層された補助内 電極30fは、内部電極26fに接続されており、 アホール導体b11の代わりにビアホール導体B 5を介して内部電極26eに接続されている。

 以上のような第1の変形例に係るチップ型 コイル部品10'によれば、内部電極26に補助内 電極30を並列接続するためのビアホール導 に、内部電極26同士を接続するためのビアホ ール導体Bを兼用しているので、ビアホール 体bの総数を減らすことができる。そのため チップ型コイル部品10'において生産性の向 及びコストダウンを図ることができる。

 また、第1の変形例に係るチップ型コイル 部品10'によれば、図2に示すチップ型コイル 品10に比べて、内部電極26と補助内部電極30 が並列接続されている部分の長さが長い。 のため、第1の変形例に係るチップ型コイル 品10'におけるr1b,r2b,r2c,r3cの抵抗値は、図2に 示すチップ型コイル部品10におけるr1b,r2b,r2c,r 3cの抵抗値よりも大きくなる。一方、第1の変 形例に係るチップ型コイル部品10'におけるr1a ,r2aの抵抗値は、図2に示すチップ型コイル部 10におけるr1a,r2aの抵抗値よりも小さくなる ここで、並列接続された部分における合成 抗値の増加量は、残余の部分における抵抗 の減少量よりも小さい。その結果、第1の変 形例に係るチップ型コイル部品10'の抵抗値Rdc IIは、図2に示すチップ型コイル部品10の抵抗 RdcIIよりも小さくなる。

 また、チップ型コイル部品10'では、チッ 型コイル部品10と同様に、補助内部電極30が 設けられているので、補助内部電極30が設け れていないチップ型コイル部品に比べて良 な直流重畳特性を有するようになる。

 図6は、第2の変形例に係るチップ型コイ 部品10''の磁性体層20'a,20'b、内部電極26'a,26'b 補助内部電極30'a1,30'a2の構成を示した図で る。図6に示すように、内部電極26'a,26'bは、 巻き状に積層されている。また、2つの補助 内部電極30'a1,30'a2が、同一の磁性体層20'aに積 層されている。これらの補助内部電極30'a1,30' a2は、積層される磁性体層20'aとは異なる磁性 体層20'b上に積層された内部電極26'bとビアホ ル導体を介して接続される。なお、内部電 26'が3層以上設けられている場合には、補助 内部電極30'a1,30'a2は、それぞれ異なる内部電 26'に接続されていてもよい。具体的には、 助内部電極30'a1が、補助内部電極30'a1が積層 された磁性体層20'よりも上方に配置された磁 性体層20'に積層された内部電極26'に接続され 、補助内部電極30'a2が、補助内部電極30'a2が 層された磁性体層20'よりも下方に配置され 磁性体層20'に積層された内部電極26'に接続 れていてもよい。

 チップ型コイル部品10''においても、チッ プ型コイル部品10と同様に、補助内部電極30' 設けられていないチップ型コイル部品に比 て良好な直流重畳特性を有するようになる

 また、補助内部電極30は、この補助内部 極30が積層されている磁性体層20と上下方向 隣接する磁性体層20に積層されている内部 極26に対して、2つのビアホール導体bを介し 電気的に並列接続されているが、補助内部 極30の接続方法はこれに限らない。補助内 電極30が接続される内部電極26は、この補助 部電極30が積層されている磁性体層20と上下 方向に隣接する磁性体層20に積層されている 部電極26以外の内部電極26であってもよい。

 また、補助内部電極30は、上方から見た きに、内部電極26と重なるものを例示したが 、この補助内部電極30は、内部電極26からは 出すように配置されていてもよい。

 また、チップ型コイル部品10,10'において 磁性体層20の一部が非磁性体層に置き換え れてもよい。この場合、コイルLの直流重畳 性が向上する。

 また、チップ型コイル部品10,10',10''にお て、磁性体層20,22,24の代わりに、ポリイミド 等の絶縁体層が用いられてもよい。

(実験結果)
 また、本願発明者は、チップ型コイル部品1 0,10',10''が奏する効果をより明確なものとす ために、以下に示す第1の実験及び第2の実験 を行った。

 第1の実験では、チップ型コイル部品10に いて取得効率が向上することを示すために 補助内部電極30が積層されていないチップ コイル部品(第1の試作品)と、補助内部電極30 が積層されたチップ型コイル部品10(第2の試 品)とを試作して、それぞれのインダクタン 値、抵抗値及び取得効率を計測した。

 まず、試作したチップ型コイル部品につ て説明する。第1の試作品及び第2の試作品 構成は以下の通りである。なお、第1の試作 と第2の試作品との相違点は、補助内部電極 30の有無のみである。

サイズ:2.00mm×1.25mm×0.85mm
磁性体層の材質:Ni-Cu-Zn系フェライト
磁性体層の透磁率:130
外部電極の材質:銀上にNiめっき及びSnめっき
内部電極及び補助内部電極の材質:銀
内部電極の長さ:3/4ターン
コイルLのターン数:6.5ターン

 以上のような第1の試作品及び第2の試作 におけるインダクタンス値、抵抗値及び取 効率は、表1に示すような値となった。

 表1によれば、補助内部電極30が積層され ことにより、第2の試作品のインダクタンス 値が第1の試作品のインダクタンス値に比べ わずかながら低下していることが理解でき 。しかしながら、第2の試作品の抵抗値が第1 の試作品の抵抗値よりも大きく低下している ことが理解できる。その結果、第2の試作品 取得効率が第1の試作品の取得効率よりも大 く向上していることが理解できる。以上よ 、補助内部電極30が設けられることにより チップ型コイル部品10の取得効率が向上する ことが理解できる。また、第1の実験の結果 り、チップ型コイル部品10',10''についても、 チップ型コイル部品10と同様に取得効率が向 していると言える。

 次に、第2の実験について図面を参照しな がら説明する。図7は、第2の実験において作 した第3の試作品の分解斜視図である。図8 、第2の実験において作製した第4の試作品の 分解斜視図である。なお、図8に示す第3の試 品に係るチップ型コイル部品10'aは、チップ 型コイル部品10'とコイルLのターン数が異な 点、及び、磁性体層20fが非磁性体層40fに置 換わっている点以外は同じ構成を有してい 。

 第2の実験では、チップ型コイル部品10'に おいて直流重畳特性が向上したことを示すた めに、補助内部電極30が積層されていない図7 に示すチップ型コイル部品50(第3の試作品)と 補助内部電極30が積層された図8に示すチッ 型コイル部品10'a(第4の試作品)とを試作して 、それぞれの抵抗値を計測すると共に、電流 が流れていないときにおけるそれぞれのイン ダクタンス値(第1のインダクタンス値)及び取 得効率(第1の取得効率)、300mAの電流が流れた きにおけるそれぞれのインダクタンス値(第 2のインダクタンス値)及び取得効率(第2の取 効率)を計測した。

 まず、試作したチップ型コイル部品につ て説明する。第3の試作品及び第4の試作品 構成は以下の通りである。なお、第3の試作 と第4の試作品との相違点は、補助内部電極 30の有無のみである。

サイズ:2.00mm×1.25mm×0.85mm
磁性体層の材質:Ni-Cu-Zn系フェライト
磁性体層の透磁率:130
非磁性体層の材質:Cu-Zn系フェライト
非磁性体層の位置:中央に1層
外部電極の材質:銀上にNiめっき及びSnめっき
内部電極及び補助内部電極の材質:銀
内部電極の長さ:5/6ターン
コイルLのターン数:9.5ターン

 以上のような第3の試作品及び第4の試作 における抵抗値、インダクタンス値及び取 効率は、表2に示すような値となった。

 表2によれば、第3の試作品では300mAの電流 を流すことにより、第2のインダクタンス値 、第1のインダクタンス値に比べて30%低下し いる。一方、第4の試作品では300mAの電流を すことにより、第2のインダクタンス値が、 第1のインダクタンス値から22%しか低下して ない。故に、第4の試作品のインダクタンス の低下率は、第3の試作品のインダクタンス 値の低下率よりも小さくなっていることがわ かる。以上より、補助内部電極30が設けられ ことにより、チップ型コイル部品10'aの直流 重畳特性が向上していることが理解できる。 また、第2の実験の結果より、チップ型コイ 部品10,10''についても、チップ型コイル部品1 0'aと同様に直流重畳特性が向上していると言 える。

 更に、第4の試作品は、第3の試作品に比 て、優れた直流重畳特性を有している。故 、第4の試作品は、電流が印加された状態で っても、第3の試作品よりも高いインダクタ ンス値を得ることができる。その結果、第4 試作品は、第3の試作品に比べて、高い第2の 取得効率を有することができる。以上より、 補助内部電極30が設けられることにより、電 が印加された状態においても、チップ型コ ル部品10'aは、チップ型コイル部品50に比べ 高い取得効率を得ることができることがわ る。なお、チップ型コイル部品10,10''につい ても、チップ型コイル部品10'aと同様に、電 が印加されている状態における取得効率が 上していると言える。

(製造方法について)
 以下に、チップ型コイル部品10の製造方法 ついて図1及び図2を参照しながら説明を行う 。

 まず、磁性体層20,22,24として用いられるセ ミックグリーンシートを作製する。例えば 酸化第二鉄(Fe 2 O 3 )を48.0mol%、酸化亜鉛(ZnO)を25.0mol%、酸化ニッ ル(NiO)を18.0mol%、酸化銅(CuO)を9.0mol%の比率で 量したそれぞれの材料を原材料としてボー ミルに投入し、湿式調合を行う。得られた 合物を乾燥してから粉砕し、得られた粉末 750℃で1時間仮焼する。得られた仮焼粉末を ボールミルにて湿式粉砕した後、乾燥してか ら解砕し、フェライトセラミック粉末を得る 。

 このフェライトセラミック粉末に対して 合剤(酢酸ビニル、水溶性アクリル等)と可 剤、湿潤材、分散剤を加えてボールミルで 合を行い、その後、減圧により脱泡を行う 得られたセラミックスラリーをドクターブ ード法により、シート状に形成して乾燥さ 、所望の膜厚のセラミックグリーンシート 作製する。

 次に、磁性体層20として用いられるセラ ックグリーンシートに対して、図2に示すビ ホール導体B,bを形成する。セラミックグリ ンシートにレーザビームなどを用いて貫通 を形成し、この貫通孔にAg,Pd,Cu,Auやこれら 合金などの導電ペーストを印刷塗布などの 法により充填することによって、ビアホー 導体B,bを形成する。

 次に、ビアホール導体B,bを形成したセラ ックグリーンシートの主面上に、導電性ペ ストをスクリーン印刷法やフォトリソグラ ィ法などの方法で塗布することにより、内 電極26及び補助内部電極30を形成する。

 次に、セラミックグリーンシートを積層 て、未焼成のマザー積層体を形成する。こ 際、セラミックグリーンシートは、所定枚 ずつ重ねて仮圧着される。そして、全ての 圧着が完了すると、静水圧などを利用して ザー積層体の本圧着を行う。

 次に、未焼成のマザー積層体を、個々の 層体にダイサー等によりカットする。これ より、直方体状の積層体を得る。

 次に、この積層体に、脱バインダー処理 び焼成を施す。これにより、焼成された積 体12を得る。

 次に、積層体12の表面に、例えば、浸漬 などの公知の方法により主成分が銀である 極ペーストを塗布及び焼き付けすることに り、図1に示すような形状を有する銀電極を 成する。

 最後に、焼き付けられた銀電極の表面に Niめっき及びSnめっき又はNiめっき及び半田 っきを施すことにより、外部電極14a,14bが完 成する。以上の工程を経て、図1に示すよう チップ型コイル部品10が完成する。

 なお、磁性体層20の一部を非磁性体層に置 換えた場合には、非磁性体層に用いられる ラミックグリーンシートを作製する必要が る。具体的には、このようなセラミックグ ーンシートは、以下のようにして作製され 。酸化第二鉄(Fe 2 O 3 )を48.0mol%、酸化亜鉛(ZnO)を43.0mol%、酸化銅(CuO) を9.0mol%の比率で秤量したそれぞれの材料を 材料としてボールミルに投入し、湿式調合 行う。得られた混合物を乾燥してから粉砕 、得られた粉末を750℃で1時間仮焼する。得 れた仮焼粉末をボールミルにて湿式粉砕し 後、乾燥してから解砕し、非磁性セラミッ 粉末を得る。

 この非磁性セラミック粉末に対して結合 (酢酸ビニル、水溶性アクリル等)と可塑剤 湿潤材、分散剤を加えてボールミルで混合 行い、その後、減圧により脱泡を行う。得 れたセラミックスラリーをドクターブレー 法により、シート状に形成して乾燥させ、 磁性体層に用いられるセラミックグリーン ートを作製する。

 なお、チップ型コイル部品10の製造方法 して、シート積層法について説明を行った 、チップ型コイル部品10の製造方法はこれに 限らない。例えば、逐次印刷積層法や転写積 層法によってチップ型コイル部品10を製造し もよい。

 また、チップ型コイル部品10において、 性体層20,22,24の代わりに、ポリイミド等の絶 縁体層が用いられた場合には、該絶縁体層は 、厚膜印刷法、スパッタリング法、CVD法の膜 形成方法及びフォトリソグラフィ技術等を組 み合わせて形成される。

 以上のように、本発明は、チップ型コイ 部品に有用であり、特に、コイルのインダ タンス値を極力低減させることなく、コイ の抵抗値を低くすることができる点で優れ いる。