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Patent Searching and Data


Title:
CITRULLINE-CONTAINING BEVERAGE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/105325
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a beverage which can exert various useful functions of arginine, is easy to drink and has excellent stability. Specifically disclosed is a beverage containing 0.5 to 10% by weight of citrulline, 0.1 to 40% by weight of a sugar and 0.1 to 5% by weight of an organic acid.

Inventors:
SAKAI YASUSHI (JP)
KAMIMURA AYAKO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/053013
Publication Date:
September 04, 2008
Filing Date:
February 22, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KYOWA HAKKO KOGYO KK (JP)
SAKAI YASUSHI (JP)
KAMIMURA AYAKO (JP)
International Classes:
A23L2/52; A23L2/00; A61K9/08; A61K31/198; A61K47/12; A61K47/26; A61P3/00; A61P9/08; A61P9/12; A61P25/00; A61P37/00; A61P39/06; A23L1/30
Domestic Patent References:
WO2007000985A12007-01-04
WO2005107735A22005-11-17
WO2006034586A12006-04-06
WO2003088947A12003-10-30
WO2007023931A12007-03-01
Foreign References:
US20060147602A12006-07-06
US20020193342A12002-12-19
US20050256192A12005-11-17
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Claims:
 シトルリン0.5~10重量%、糖類0.1~40重量%および有機酸0.1~5重量%を含有する飲料。
 pHが2~5である請求項1記載の飲料。
 糖類がブドウ糖、果糖またはショ糖である請求項1または2記載の飲料。
 有機酸がクエン酸、リンゴ酸またはアスコルビン酸である請求項1~3のいずれか1項記載の飲料。
Description:
シトルリン含有飲料

 本発明は、シトルリン、糖類および有機 を含有する飲料に関する。

 シトルリンは生体内のタンパク質を構成 るアミノ酸ではないが、尿素回路の中間体 一つであり、アルギニンから血管拡張作用 有する物質として知られる一酸化窒素(NO)と ともに生成し、さらにアスパラギン酸と縮合 してアルギニンに再生される。シトルリンに はアンモニア代謝促進(非特許文献1)や血管拡 張による血流改善(非特許文献2)、血圧低下( 特許文献3)、神経伝達(非特許文献4)、免疫賦 活(非特許文献5)、活性酸素消去(特許文献1)な どの有用な作用が知られている。

 一方、アルギニンには成長ホルモン分泌促 作用が報告されている(非特許文献6)。成長 ルモンには、タンパク質合成、糖代謝、脂 代謝などを促進する作用があることから、 ルギニンの摂取により筋肉増強、創傷治癒 進が期待される。また、アルギニンはNOの 料であり、アルギニンからNO合成酵素の作用 によりNOが生成する。実際に、アルギニン摂 による血管拡張(非特許文献7)、血圧上昇抑 (非特許文献8)、性的機能改善(非特許文献9) どの効果が報告されている。また、その他 、アルギニンには、免疫賦活(非特許文献10) 、インスリン分泌(非特許文献11)、アンモニ 解毒(非特許文献12)、ポリアミン合成促進(非 特許文献13)など、動物やヒトで経口摂取され ることにより発揮される効果が数多く知られ ている。このため、該効果を期待して、アル ギニンを医薬品や機能性食品等の形態で摂取 することが行われている。

特開2002-226370号公報 「セル バイオケミストリー アンド フ ァンクション(Cell Biochemistry & Function)」 2003年、第21巻、p.85-91 「ヨーロピアン ジャーナル オブ ファ ーマコロジー(European Journal of Pharmacology)」 2001年、第431巻、p.61-69 「ジャーナル オブ クリニカル インベ スティゲーション(Journal of Clinical Investigatio n)」、1991年、第88巻、p.1559-1567 「ガストロエンテロロジー(Gastroenterology) 」、1997年、第112巻、p.1250-1259 「ザ ジャーナル オブ バイオロジカル  ケミストリー(The journal ob biological chemistry )」、1994年、第269巻、p.9405-9408 「ジャーナル オブ ラボラトリー アン ド クリニカル メディシン(Journal of Laborator y & Clinical Medicine)」、2000年、第135巻、p.2 31-237 「ジャーナル オブ ザ アメリカン カ ッジ オブ カルディオォジー(Journal of the American College of Cardiology)」、2000年、第35巻 p.706-713 「ラボラトリー インベスティゲーショ (Laboratory Investigation)」、1993年、第68巻、p.17 4-184 「ビー ジェイ ユー インターナショナ ル(BJU International)」、1999年、第83巻、p.269-273 「サージェリー(Surgery)」、1990年、第108 、p.331-336、336-337 「ジャーナル オブクリニカル インベ ティゲーション(Journal of Clinical Investigation) 」、1966年、第45巻、p.1487-1502 「ニュー イングランド ジャーナル オ ブ メディシン(New England Journal of Medicine)」 、1957年、第256巻、p.941-943 「ニュートリション(Nutrition)」、1999年、 第15巻、p.563-569

 アルギニンが有する種々の有用な機能を 揮させることができ、飲みやすく安定性に れた飲料の開発が望まれている。

 そこで本発明者らは種々検討の結果、アル ニンの代りにシトルリンを用い、さらに糖 、有機酸の含有量を最適化して製造した飲 が、体内にアルギニンを供給することがで 、かつ飲みやすく安定性に優れることを見 し、本発明を完成させた。
 すなわち本発明は、以下の(1)~(4)に関する。
(1)シトルリン0.5~10重量%、糖類0.1~40重量%およ 有機酸0.1~5重量%を含有する飲料。
(2)pHが2~5である上記(1)の飲料。
(3)糖類がブドウ糖、果糖またはショ糖である 上記(1)または(2)の飲料。
(4)有機酸がクエン酸、リンゴ酸またはアスコ ルビン酸である上記(1)~(3)のいずれか1項の飲 。

 本発明により、アルギニンが有する種々 有用な機能を発揮させることができ、飲み すく安定性に優れた飲料を提供することが きる。

 本発明で用いられるシトルリンとしては、L -シトルリンおよびD-シトルリンがあげられる が、L-シトルリンが好ましい。
 シトルリンは、化学的に合成する方法、発 生産する方法等により取得することができ 。また、シトルリンは、市販品を購入する とにより取得することもできる。
 シトルリンを化学的に合成する方法として 、例えば、J. Biol. Chem.  122 , 477 (1938)、J. Org. Chem.  6 , 410 (1941)に記載の方法があげられる。

 L-シトルリンを発酵生産する方法としては 例えば、特開昭53-075387号公報、特開昭63-06809 1号公報に記載の方法があげられる。
 また、L-シトルリンおよびD-シトルリンは、 シグマ-アルドリッチ社等より購入すること できる。
 本発明では、シトルリンの代りにシトルリ の塩を用いてもよい。

 シトルリンの塩としては、酸付加塩、金属 、アンモニウム塩、有機アミン付加塩、ア ノ酸付加塩等があげられる。
 酸付加塩としては、塩酸塩、硫酸塩、硝酸 、リン酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、マレイ 酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸 、乳酸塩、α-ケトグルタル酸塩、グルコン 塩、カプリル酸塩、アジピン酸塩、コハク 塩、酒石酸塩、アスコルビン酸塩等の有機 塩があげられる。

 金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム 等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カ シウム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミ ウム塩、亜鉛塩等があげられる。
 アンモニウム塩としては、アンモニウム、 トラメチルアンモニウム等の塩があげられ 。
 有機アミン付加塩としては、モルホリン、 ペリジン等の塩があげられる。

 アミノ酸付加塩としては、グリシン、フェ ルアラニン、リジン、アスパラギン酸、グ タミン酸等の塩があげられる。
 上記のシトルリンの塩のうち、クエン酸塩 リンゴ酸塩、アスコルビン酸塩が好ましく いられるが、他の塩、または2以上の塩を適 宜組み合わせて用いてもよい。
 本発明で用いられる糖類としては、飲料の 造に用いられるものであれば特に制限され こともなく、単糖類、二糖類、オリゴ糖類 多糖類、糖アルコール、甘味料のいずれで 良い。該糖類としては、例えばブドウ糖、 糖、ショ糖、麦芽糖、トレハロース、キシ トール、エリスリトール、還元水飴、デキ トリン、でんぷん、ソルビトール、マルチ ール、スクラロース、アスパルテーム、ア スルファムK、ステビア、サッカリンナトリ ウム、グリチルリチン二カリウム、ソーマチ ンがあげられるが、ブドウ糖、果糖、ショ糖 が好ましい。

 本発明で用いられる有機酸としては、飲料 製造に用いられるものであれば特に制限さ ない。該有機酸としては、例えば酢酸、マ イン酸、フマル酸、クエン酸、リンゴ酸、 酸、α-ケトグルタル酸、グルコン酸、カプ ル酸、アジピン酸、コハク酸、酒石酸、ア コルビン酸等があげられるが、クエン酸、 ンゴ酸、アスコルビン酸が好ましい。
 本発明では、有機酸の代りに有機酸の塩を いてもよい。有機酸の塩としては飲料の製 に用いられるものであれば特に制限される ともないが、通常ナトリウム塩等のアルカ 金属塩が使用される。

 本発明の飲料は、シトルリン、糖類、有機 を添加する以外は、一般的な飲料の製造方 により製造することができる。
 本発明の飲料は、通常の飲料に加える酸味 、抗酸化剤等の保存料、着色料、香料や各 添加剤を添加しても良い。また、健康機能 増強を期待して、ビタミンやミネラルや各 の機能成分を添加しても良い。また、二酸 炭素を圧入して、炭酸飲料としてもよい。

 酸味料としては、飲料に使用できるもので れば特に制限されないが、例えばクエン酸 酒石酸、リンゴ酸があげられる。
 抗酸化剤としては、飲料に使用できるもの あれば特に制限されないが、例えばトコフ ロール、アスコルビン酸、塩酸システイン L-アスコルビン酸ステアリン酸エステルが げられる。

 着色剤としては、飲料に使用できるもので れば特に制限はされないが、例えば食用黄 5号、食用赤色2号、食用青色2号、カロチノ ド色素、トマト色素があげられる。
 香料としては、飲料に使用できるものであ ば特に制限されないが、例えばレモンフレ バー、レモンライムフレーバー、グレープ ルーツフレーバー、アップルフレーバーが げられる。

 本発明の飲料に含まれるシトルリンの濃度 しては、通常は0.5~10重量%、好ましくは1~10 量%、より好ましくは2~10重量%である。
 本発明の飲料に含まれる糖類の濃度として 、通常は1~40重量%、好ましくは2~30重量%、よ り好ましくは5~20重量%である。
 本発明の飲料に含まれる有機酸の濃度とし は、通常は0.1~5重量%、好ましくは0.1~2重量% より好ましくは0.2~1重量%である。

 また、本発明の飲料のpHとしては、通常は2~ 5、好ましくは3~4であり、上記した有機酸、 機酸、炭酸水素ナトリウム等のpH調整剤で飲 料のpH調整を行う。
 シトルリンは経口吸収された後に体内でア ギニンに変換されることから、本発明の飲 を摂取することにより、アルギニンが有す 種々の有用な機能を発揮させることができ また、飲料中のシトルリン、糖類、有機酸 上記の濃度とすることにより、飲みやすく 定性に優れた飲料を提供することができる

 以下に、シトルリンが経口投与後に体内で ルギニンに変換されること(試験例1)、本発 の飲料を摂取した後の体感(試験例2)、本発 の飲料の保存安定性(試験例3、4)および味( 験例5)について調べた試験例を示す。
試験例1
 試験には、SDラット(オス、6週齢、日本エス エルシー社より購入)を用いた。飼育条件は 室温22±2℃、湿度35±15%、飼料および水は自 摂取とした。

 L-シトルリン(協和醗酵工業社製)を蒸留水 に完全に溶解し、L-シトルリン投与群5匹に体 重1kgあたりL-シトルリンが0.5gとなるよう経口 投与し、対象群5匹には蒸留水のみを経口投 した。ネンブタール注射液(大日本製薬社製) による麻酔状態下において、投与前、投与後 5分、10分、15分、30分、1時間、2時間、4時間 に、門脈および腹下大静脈から採血した。 清中のL-シトルリン濃度およびL-アルギニン 度をHPLCで測定した結果を表1に示す。

 表1より、経口投与したL-シトルリンが速や に体内に吸収され、かつ体内でL-アルギニ に変換されることが明らかとなった。
試験例2
 被験者2名に対し、実施例1の飲料を毎日1本 つ1週間摂取させた。摂取後において、被験 者1名に「飲酒や運動した翌日の体調が良か た」「起床時、手指の先が温かく感じられ 」、被験者1名に「夜、体が冷えず寝つきが かった」との体感が得られた。
試験例3
 実施例1、比較例2および3の飲料について味 官能試験を実施した。結果を表2に示す。

 表2より、L-アルギニンを含有する比較例3の 飲料とL-シトルリンを含有する実施例1の飲料 はほぼ同じpHであるにも関わらず、飲みやす に大きな違いがあることが明らかとなった

 また、実施例1の飲料におけるクエン酸濃度 を種々変化させて味覚官能試験を実施した結 果、クエン酸濃度が0.2重量%から1重量%の場合 、特に飲みやすいことが明らかとなった。な お、クエン酸濃度が0.2重量%の場合の飲料のpH は3.6、クエン酸濃度が1重量%の場合の飲料のp Hは3.06であった。
試験例4
 実施例1および比較例1の飲料をそれぞれ蓋 きの試験管に入れて、95℃、15分煮沸滅菌し 後、60℃で2週間保存し、pHおよびメイラー 反応の指標となる吸光度(OD460nm)を測定した なお、吸光度の測定は飲料を蒸留水で10倍希 釈して行なった。結果を表3に示す。

 表3より、比較例1の飲料と比較して、クエ 酸を含有する実施例1の飲料は保存安定性が 上することが明らかとなった。
試験例5
 実施例1および比較例2の飲料をそれぞれ蓋 きの試験管に入れて、95℃、15分煮沸滅菌し 。それぞれ煮沸前と煮沸後のpHおよびメイ ード反応の指標となる吸光度(OD460nm)を測定 た。なお、吸光度の測定は飲料を蒸留水で10 倍希釈して行なった。結果を表4に示す。

 表4より、L-アルギニンを含有する比較例2の 飲料と比較して、L-シトルリンを含有する実 例1の飲料は安定であることが明らかとなっ た。

 以下に、本発明の実施例を示す。

 シトルリンを含有する飲料
 以上の成分を蒸留水に溶解して全体を30mlと した。本飲料のpHは3.54であった。

比較例1
 実施例1のクエン酸を蒸留水に置き換えた飲 料を製造した。本飲料のpHは5.4であった。
比較例2
 実施例1のL-シトルリンをL-アルギニン(協和 酵工業社製)に置き換えた飲料を製造した。 本飲料のpHは9.74であった。
比較例3
 比較例2のクエン酸を1.5gに増量した飲料を 造した。本飲料のpHは3.88であった。

 本発明により、アルギニンが有する種々 有用な機能を発揮させることができ、飲み すく安定性に優れた飲料を提供することが きる。