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Patent Searching and Data


Title:
CLAD SHEET AND PROCESS FOR MANUFACTURING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/132864
Kind Code:
A1
Abstract:
A process for manufacturing a clad sheet having a cladding layer containing at least nickel, chromium, silicon and phosphorus bonded to a sheet-shaped base material of stainless steel or nickel based alloy. The process for forming the cladding layer involves the pressure bonding step of performing pressure bonding, to the above base material, of a mixed powder consisting of an alloy powder containing at least one substance selected from among chromium, silicon and phosphorus as a component thereof and a nickel powder acting as a binder for pressure bonding of the alloy powder to the base material.

Inventors:
MOCHIZUKI CHITOSHI (JP)
YOSHIDA TAKASHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/052952
Publication Date:
November 06, 2008
Filing Date:
February 21, 2008
Export Citation:
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Assignee:
IHI CORP (JP)
MOCHIZUKI CHITOSHI (JP)
YOSHIDA TAKASHI (JP)
International Classes:
B22F7/04; B23K35/40; B23K35/14; B23K35/30; C22C19/05
Foreign References:
JP2004025251A2004-01-29
JPH09225679A1997-09-02
JP2005186127A2005-07-14
JP2003181685A2003-07-02
JP2001150126A2001-06-05
JP3168158B22001-05-21
JP3017978B12000-03-13
JP2000218389A2000-08-08
JP2000218390A2000-08-08
JP2004025251A2004-01-29
JP2004082218A2004-03-18
JP2005186127A2005-07-14
Other References:
See also references of EP 2156919A4
Attorney, Agent or Firm:
SHIGA, Masatake et al. (Marunouchi Chiyoda-k, Tokyo 20, JP)
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Claims:
ステンレス鋼またはニッケル基合金からなるシート状の基材に対して、少なくともニッケル、クロム、シリコン、リンを含むクラッド層が接合されたクラッドシートの製造方法であって、
 前記クラッド層を形成する工程は、クロム、シリコン、リンのうち少なくともいずれかの物質を成分として含む合金粉末と、前記合金粉末を前記基材に対して圧着するためのバインダーとして機能するニッケル粉末とが混合された混合粉末を、前記基材に対して圧着する圧着工程を有するクラッドシートの製造方法。
前記混合粉末に前記ニッケル粉末が10重量%以上含まれている請求項1記載のクラッドシートの製造方法。
前記ニッケル粉末形状は、複数の突起を有する請求項1記載のクラッドシートの製造方法。
前記混合粉末の総和の組成比率は、クロムが13~18重量%、シリコンが3~4重量%、リンが4~7重量%であり、残りがニッケル及び不可避不純物である請求項1記載のクラッドシートの製造方法。
前記クラッド層を形成する工程は、前記圧着工程後にクラッドシートを加熱する加熱工程を有する請求項1記載のクラッドシートの製造方法。
前記合金粉末として、少なくともBNi-7相当組成粉末を用いる請求項5記載のクラッドシートの製造方法。
ステンレス鋼またはニッケル基合金からなるシート状の基材と、
 該基材のいずれかの面あるいは両面全体に融着されるとともにニッケル、クロム、シリコン、リンのうち少なくともいずれかの物質を成分として含む合金相及びニッケル相を有するクラッド層と
 を備えるクラッドシート。
前記合金相は、組成の異なる2種以上の金属相から成る請求項7記載のクラッドシート。
前記金属相のうちの1種は、前記ニッケル相よりも溶融温度が低い請求項8記載のクラッドシート。
前記クラッド層の全体の組成比率は、クロムが13~18重量%、シリコンが3~4重量%、リンが4~7重量%であり、残りがニッケル及び不可避不純物である請求項7記載のクラッドシート。
Description:
クラッドシート及びその製造方

 本発明は、クラッドシート及びその製造方 に関するものであり、特に、ステンレス鋼 らなるシート状の基材にクラッド層が接合 れたクラッドシート及びその製造方法に関 る。
 本願は、2007年4月25日に出願された特願第200 7-115490号に対し優先権を主張し、その内容を こに援用する。

 従来から、耐食性を有するロウ材としては 特許文献1~4に記載されているような合金粉 が知られている。このようなロウ材は、例 ば、EGR(Exhaust Gas Recirculation)システムに用 られるEGRクーラにて金属材同士をロウ付け る材料等として、様々な場所におけるロウ けに用いられている。
 ところで、通常、上記ロウ材は、樹脂を含 接着剤とともに金属材のロウ付けする箇所 のみに塗布等により配置される。接着剤に まれる樹脂は、炭素成分を含むため、加熱 れることによって炭化しロウ付け部に残留 ることにより接合強度を低下させる。この め、ロウ付けの接合工程(真空熱処理)より に、樹脂を除去する脱脂処理を行う必要が った。
 また、接着剤を用いずにロウ材を配置する 法としては、アモルファスのロウ材シート ロウ付けする箇所に配置する方法もあるが この場合には、切断加工処理や形状加工処 等のロウ材シートを配置箇所に応じて形状 合わせるための加工工程が必要となる。ま 、ロウ材シートは、湾曲部等の三次元曲面 に配置することが容易でないため、適用で るロウ付け箇所が限られ、金属材のロウ付 加工に制約が生じる場合がある。

 一方で、金属粉末をシート状の基材に対し 圧着する圧延処理が知られている(特許文献 5~7参照)。このような圧延処理では、接着剤 用いることなく基材に対して金属粉末を付 させることができる。

特許第3168158号公報

特許第3017978号公報

特開2000-218389号公報

特開2000-218390号公報

特開2004-25251号公報

特開2004-82218号公報

特開2005-186127号公報

 ところで、上述のような圧延処理を応用す ことによって、接着剤を用いることなく合 粉末を金属材に圧着させることができれば ロウ付けの接合工程における脱脂処理を省 したり、ロウ材シートを加工し接合箇所に 置する工程を省略することが可能となり、 合工程を短縮できたり、金属材の加工の自 度が高まる等のメリットが生じる。
 しかしながら、耐食性を有するロウ材であ 上記合金粉末は非常に堅く、圧延ローラに って金属材に対して圧着させようとしても 金属材に対して固着させることが困難であ た。この他にも、一般的に合金からなる粉 は非常に堅く、従来の圧延処理によって金 材に対して固着させることが困難であった

 本発明は、上述する問題点に鑑みてなされ もので、耐食性あるいはロウ付け性を有す 合金粉末をシート状の基材(金属材)に対し 圧着する場合に、合金粉末を基材に対して 実に圧着させることを目的とする。
 また、ロウ付けの接合工程における脱脂処 やロウ材シートの加工処理及び配置が省略 能で、かつ、耐食性及びロウ付け性を兼ね えたクラッドシートを提供する。

 上記目的を達成するために、本発明のク ッドシートの製造方法は、ステンレス鋼ま はニッケル基合金からなるシート状の基材 対して、少なくともニッケル、クロム、シ コン、リンを含むクラッド層が接合された ラッドシートの製造方法であって、前記ク ッド層を形成する工程は、クロム、シリコ 、リンのうち少なくともいずれかの物質を 分として含む合金粉末と、前記合金粉末を 記基材に対して圧着するためのバインダー して機能するニッケル粉末とが混合された 合粉末を、前記基材に対して圧着する粉末 延による圧着工程を有する。

 このような特徴を有する本発明のクラッド ートの製造方法によれば、クロム、シリコ 、リンのうち少なくともいずれかの物質を 分として含む合金粉末と、ニッケルからな ニッケル粉末との混合粉末が、基材に対し 圧着される。
 クロムは、クラッドシートの耐食性を向上 せるのに有効であり、シリコン及びリンは ウ付け性を向上させるのに有効である。こ ようなクロム、シリコン、リンのうち少な ともいずれかの物質を成分として含む合金 末は、すなわち耐食性あるいはロウ付け性 有する合金粉末である。この合金粉末は延 が低いため、延性の高いニッケル粉末と混 し、ニッケル粉末をバインダーとして基材 対して圧着される。
 なお、本発明において、少なくともクロム シリコン、リンを含むクラッド層とは、ク ム、シリコン、リンのいずれかあるいは複 を成分として含む合金相を有するものや、 ロム、シリコン、リン単体の金属相を有す ものを含む。

 また、本発明のクラッドシートの製造方 においては、上記混合粉末に上記ニッケル 末が10重量%以上含まれているという構成を 用することができる。

 また、本発明のクラッドシートの製造方 においては、上記ニッケル粉末形状が、複 の突起を有するという構成を採用すること できる。

 また、本発明のクラッドシートの製造方 においては、前記混合粉末の総和の組成比 は、クロムが13~18重量%、シリコンが3~4重量% 、リンが4~7重量%であり、残りがニッケル及 微量の不可避不純物であるという構成を採 することができる。

 また、本発明のクラッドシートの製造方法 おいて、前記クラッド層を形成する工程で 、上記圧着工程後にクラッドシートを加熱 る加熱工程を有し、クラッド層を構成する 着相のうち、溶融温度の低い金属粉を溶融 せ、基材に対し該クラッド層を形成させる いう構成を採用することができる。
 また、上記構成を採用する場合には、本発 のクラッドシートの製造方法においては、 記合金粉末として、少なくともBNi-7のよう 融点が900℃以下の組成粉末を用いるという 成を採用することができる。
 例えば、900℃でBNi-7粉末を溶融させ、クラ ド層が形成されたクラッドシートでは、ニ ケル相が存在しているため、延性を有して り、プレス成形等の塑性加工を容易に行う とができる。プレス成形等により3次元的に 形されたクラッドシートを用い、1000℃程度 の温度でロウ付け処理を行うと、前記合粉末 の総和の組成比率がクラッド層を構成する合 金相の平均組成比率に近づき、耐食性が向上 する効果を有する。

 次に、本発明のクラッドシートは、ステ レス鋼からなるシート状の基材と、該基材 いずれかの面あるいは両面全体に融着され とともにニッケル、クロム、シリコン、リ を含む合金相及びニッケル相を有するクラ ド層とを備える。

 このような特徴を有する本発明のクラッド ートによれば、基材に対し、ニッケル、ク ム、シリコン、リンのうち少なくともいず かの物質を成分として含む金属相及びニッ ル相を有する2種以上の金属相から構成され るクラッド層が融着し接合されているため、 樹脂のような炭素成分を含んだ接着剤を用い る必要がない。
 クロムは、クラッドシートの耐食性を向上 せるのに有効な物質である。また、シリコ 及びリンは融点を下げロウ付け性を向上さ るのに有効な物質である。このためニッケ 、クロム、シリコン、リンを含む合金相を するクラッド層は、耐食性あるいはロウ付 性を有する。一方、ニッケル相は、延性の い純金属であるニッケルからなる金属相で る。このため、ニッケル相を有するクラッ 層は、加工性に優れている。

 また、本発明のクラッドシートにおいては 前記金属相は、組成の異なる2種以上の金属 相から成るという構成を採用することができ る。
 また、上記構成を採用する場合には、前記 属のうち1種は、前記ニッケル相よりも溶融 温度が低く、例えば溶融温度が1150℃以下で るという構成を採用することができる。

 また、本発明のクラッドシートにおいて 、前記クラッド層の全体の組成比率は、ク ムが13~18重量%、シリコンが3~4重量%、リンが 4~7重量%であり、残りがニッケル及び不可避 純物であるという構成を採用することがで る。

 本発明のクラッドシートの製造方法によれ 、クロム、シリコン、リンのうち少なくと いずれかの物質を成分として含む合金粉末 、延性の高い純金属であるニッケルからな 金属粉末であるニッケル粉末との混合粉末 、基材に対して圧着される。このため、ニ ケル粉末がバインダーとして機能し、合金 末が基材に対して確実に固着される。
 よって、本発明のクラッドシートの製造方 によれば、耐食性あるいはロウ付け性を有 る合金粉末をシート状の基材に対して圧着 る場合に、合金粉末を基材に対して確実に 着させることが可能となる。

 また、本発明のクラッドシートによれば、 のような特徴を有する本発明のクラッドシ トによれば、基材にニッケル、クロム、シ コン、リンを含む合金相及びニッケル相を するクラッド層が融着、すなわち接着剤を いずに接合されている。
 つまり、本発明のクラッドシートは、耐食 及びロウ付け性を兼ね備えており、ロウ付 の接合工程における脱脂処理及びロウ付け ートを加工して配置する処理を省略するこ ができる。
 また、クラッド層が、延性の高いニッケル を含んでいるため、ニッケル相を含まない 合と比較してクラッドシートの加工の自由 が向上する。

本発明の一実施形態のクラッドシート 斜視図である。 本発明の一実施形態のクラッドシート 拡大断面図である。 ニッケル粉末の形状を説明するための 式図である。 本発明の一実施形態のクラッドシート 製造するための製造装置の概略構成を示し 模式図である。

符号の説明

 1……クラッドシート、2……金属板(基材) 、3……クラッド層、F……混合粉末、F1…… 金粉末、F2……ニッケル粉末、F3……シリコ 粉末、F4……BNi-7粉末、Y1……合金相、Y2… ニッケル相、Y3……合金相(溶融温度が最も い相)

 以下、図面を参照して、本発明に係るク ッドシート及びその製造方法の一実施形態 ついて説明する。なお、以下の図面におい 、各部材を認識可能な大きさとするために 各部材の縮尺を適宜変更している。

 図1は、本実施形態のクラッドシート1の 視図である。また、図2は、本実施形態のク ッドシート1の拡大断面図である。この図に 示すように、本実施形態のクラッドシート1 、基材となるシート状の金属板2と、該基材 両面全体に圧着されるクラッド層3とによっ て構成されている。

 金属板2は、SUS(ステンレス鋼)によって形成 れており、好適にはSUS304、SUS316、SUS410ある はSUS444によって形成される。また、クラッ 層3は、ニッケル、クロム、シリコン、リン を含む合金相Y1と、ニッケル相Y2と、BNi-7(JIS 格:Z3265)が溶融した後に固化した合金相Y3(溶 温度が最も低い相)とから構成されている。
 なお、クラッド層3には、ニッケル、クロム 、シリコン、リンの他、不可避不純物(不図 )が含まれている。

 合金相Y1は、クロム、シリコン及びリンを 分として含み、かつ、残部がニッケルによ て形成された合金粉末が部分的に溶融する とによって形成される相である。
 クロムは、クラッドシート1の耐食性を向上 させるのに有効な物質である。また、シリコ ン及びリンは、クラッドシート1のロウ付け を向上させるのに有効な物質である。この うなクロム、シリコン、リンを成分として む合金相Y1がクラッド層3に存在することに って、本実施形態のクラッドシート1は、耐 性及びロウ付け性を兼ね備えたものとなる

 ニッケル相Y2は、延性の高い純金属であ ニッケルからなる金属粉末の一部が溶融さ ることによって形成される相である。この うな延性の高い純金属であるニッケルから る相がクラッド層3に存在することによって 本実施形態のクラッドシート1は、プレスや 曲げ等の加工の自由度が高いものとなる。

 合金相Y3は、上述のように、BNi-7が溶融する ことによって形成されるものであり、合金相 Y1、ニッケル相Y2の間に充填されている。そ て、合金相Y3の融点は、合金相Y1及びニッケ 相Y2と比較して最も低く、1150°以下である とが好ましい。このような合金相Y3が溶融さ れることによって、基材である金属板2とク ッド層3とが融着されている。すなわち、本 施形態のクラッドシート1においては、金属 板2とクラッド層3とが接着剤を必要とするこ なく接合されている。
 なお、BNi-7は、周知のように、JIS規格(Z3265; ッケルロウ)で規定されている13~15重量%程度 のクロムと9.7~10.5重量%程度のリンを含むニッ ケル基合金である。

 このように、クラッド層3は、クロム、シ リコン及びリンを成分として含み、かつ、残 部がニッケルによって形成された合金粉末が 部分的に溶融することによって形成される合 金相Y1と、BNi-7(合金)が溶融することによって 形成される合金相Y3とを備えている。すなわ 、クラッド層3は、組成の異なる2つの合金 を備えている。

 また、クラッド層3全体を平均化して得ら れるクラッド層3の組成比率は、クロムが13重 量%、シリコンが4重量%、リンが6重量%で、残 がニッケル及び不可避不純物となっている

 このように構成された本実施形態のクラッ シート1は、クラッド層3に13重量%のクロム 含まれている。そして、クラッド層3が金属 2の両面全体に形成されている。このため、 クラッド層3が耐食性を発揮し、クラッドシ ト1そのものが腐食することを防止する。
 また、本実施形態のクラッドシート1は、ク ラッド層3に4重量%のシリコンと、6量%のリン 含まれている。このため、クラッド層3は、 十分なロウ材強度を有するとともに低温での ロウ付けが可能なものとなっている。すなわ ち、クラッド層3は、優れたロウ付け性を有 ている。
 つまり、本実施形態のクラッドシート1は、 耐食性及びロウ付け性を兼ね備えた。よって 、別途ロウ材シート等を配置する必要はなく 、ロウ付けシートを加工して配置する処理を 省略することができる。

 さらに、本実施形態のクラッドシート1に おいては、延性の高いニッケル相Y2がクラッ 層3に存在している。このため、本実施形態 のクラッド層3は、例えば、上述のニッケル クロム、シリコン、リン及び不可避不純物 同一の組成比率にて均一に混ぜ合わされた ラッド層と比較して軟化される。このため 本実施形態のクラッドシート1は、加工の自 度が高いものとなる。

 また、本実施形態のクラッドシート1におい ては、クラッド層3が基材となる金属板2に対 て融着されている。すなわち、接着剤を用 ることなく金属板2とクラッド層3とが接合 れている。
 このため、本実施形態のクラッドシート1を ロウ付けする際の接合工程において脱脂処理 を省略することができる。

 また、本実施形態のクラッドシート1にお いては、上述のように、クラッド層3が金属 2の両面全体に形成されている。このため、 ラッドシート1全体が耐食性を備えたものと なっている。従来は、金属板のロウ付け箇所 のみにロウ材が付着形成あるいはロウ材シー トが配置されるため、ロウ材が付着形成され ていない部分あるいはロウ材シートが配置さ れていない部分の耐食性を確保するために、 金属板自体の厚みを厚くしていた。これに対 して本実施形態のクラッドシート1は全体が 食性を有しているため、金属板自体の厚み 抑えることができる。よって、例えば、ク ッドシート1を用いて製造される装置等を小 かつ軽量化することができる。

 次に、クラッドシート1の製造方法につい て説明する。

 図4は、クラッドシート1の製造装置の概 構成を示した模式図である。この図に示す うに、製造装置は、圧延ローラ10A,10B、ベル フィーダ20A,20B及び加熱炉30備えている。

 圧延ローラ10A,10Bは、互いの周面が所定間隔 を隔てて平行対峙するように配置されており 、その間に上記金属板2が上方から下方に向 て介挿されるようになっている。
 ベルトフィーダ20A,20Bは、圧延ローラ10A,10B 上方に設置されている。ベルトフィーダ20A 、圧延ローラ10Aの上方に設置されており、 延ローラ10Aの周面上に混合粉末Fを供給する また、ベルトフィーダ20Bは、圧延ローラ10B 上方に設置されており、圧延ローラ10Bの周 上に混合粉末Fを供給する。
 加熱炉30は、圧延ローラ10A,10Bの下方に設置 れており、圧延ローラ10A,10Bから送出された 金属板2を、後述するBNi-7粉末の融点近傍の温 度で加熱する。

 ベルトフィーダ20A,20Bから圧延ローラ10A,10 Bに供給される混合粉末Fは、合金粉末F1とニ ケル粉末F2とシリコン粉末F3と、BNi-7粉末F4と が混合されている。

 合金粉末F1は、クロムを29重量%、シリコ を4重量%及びリンを6重量%成分として含み、 つ、残部がニッケルによって形成されてい 。この合金粉末F1は、延性の低い金属粉末 あり、例えばガスアトマイズ法によって形 されている。この合金粉末F1には、上述のよ うにクロム、シリコン、リンが成分として含 まれている。

 ニッケル粉末F2は、延性の高い純金属で るニッケルからなる金属粉末であり、合金 末F1を金属板2に対して圧着させるためのバ ンダーとて機能する。ニッケル粉末F2は、図 3に示すように、例えば、複数の突起を有し カーボニルNi粉が好ましい。このような形状 のニッケル粉末F2を用いることによって、突 部分によりニッケル粉末F2と合金粉末F1との 接着性が向上し、より強固に合金粉末F1を金 板2に対して圧着させることができる。この ようなニッケル粉末F2は、混合粉末Fに10重量% 以上含まれている。

 シリコン粉末F3は、シリコンからなる金 粉末で、クラッド層3の成分比率を調整する め、すなわちクラッド層3に含まれるシリコ ンを増加させるために加えられる。

 なお、混合粉末の総和の組成比率は、上 したクラッド層3全体の組成比率と同一であ り、クロムが13重量%、シリコンが4重量%、リ が6重量%で、残部がニッケル及び不可避不 物となっている。

 そして、上述のように構成された製造装置 おいて、混合粉末Fは、ベルトフィーダ20A,20 Bから各圧延ローラ10A,10Bの周面上に供給され 。各圧延ローラ10A,10Bの周面上に供給された 混合粉末Fは、圧延ローラ10A,10Bのさらなる回 によって金属板2の各面に圧延(圧着)される すなわち、圧延ローラ10A,10Bによって、混合 粉末Fを金属板2に対して圧着する圧着工程が われる。
 ここで、本実施形態においては、混合粉末F にニッケル粉末F2が含まれている。このため 圧延ローラ10A,10Bによって圧延されることに よってニッケル粉末F2が変形して、合金粉末F 1を金属板2に対して固着するためのバインダ として機能する。よって、従来のように樹 が含まれた接着剤を用いることなく、クロ 、シリコン及びリンを成分として含む合金 末F1を金属板2に対して圧着することができ 。

 続いて、両面全体に混合粉末Fが圧着された 金属板2は、加熱炉30においてBNi-7粉末F4の融 近傍の温度にて加熱される。この加熱によ て、融点の最も低いBNi-7粉末F4が溶融する。
 なお、BNi-7粉末が溶融されることによって 金粉末F1、ニッケル粉末F2は部分的に溶融す 。またシリコン粉末F3はBNi-7粉末の溶融に伴 って溶融する。このように各粉末F1~F4が溶融 れた後、冷却することによって、図2に示す ように、合金相Y1、ニッケル相Y2及び合金相Y3 を有するクラッド層3が形成される。
 なお、クラッドシート1はロウ付けの際に再 加熱(真空熱処理)され、複数の金属相から構 されているクラッド層は均一化される方向 進む。

 以上の工程によって、図1及び図2において した、本実施形態のクラッドシート1が製造 れる。
 このような本実施形態のクラッドシート1の 製造方法によれば、耐食性及びロウ付け性を 発揮する合金粉末F1と、延性して接着性を発 するニッケル粉末F2とが混合された混合粉 Fが金属板2に対して圧着される。したがって 、耐食性及びロウ付け性を有する合金粉末F1 金属板2に対して圧着する場合に、合金粉末 F1を金属板2に対して確実に固着させることが 可能となる。

 また、本実施形態のクラッドシート1の製 造方法においては、混合粉末Fにニッケル粉 F2が10重量%以上含まれている。このような場 合には、合金粉末F1が金属板2に対して良好に 固着する。このため、本実施形態のクラッド シート1の製造方法によれば、合金粉末F1を良 好に金属板2に対して固着させることができ 。

 また、本実施形態のクラッドシート1の製 造方法においては、ニッケル粉末F2が例えば 複数の突起を有したカーボニルNi粉である め、突起部分によりニッケル粉末F2と合金粉 末F1との接着性が向上し、より強固に合金粉 F1を金属板2に対して固着させることができ 。このように、より強固に合金粉末F1を金 板2に対して固着させることによって、混合 末Fが金属板2から剥離することをより抑制 ることが可能となる。

 また、本実施形態のクラッドシート1の製 造方法においては、BNi-7粉末F4を溶融するこ によってクラッド層3を形成している。このB Ni-7粉末は、融点(900℃程度)が低い。このため 、加熱温度を900℃程度に抑えることができ、 クロムやシリコンや酸化してしまうことを抑 制することができる。

 そして、このようなクラッドシートの製造 法では、溶融温度の低い粉末(BNi-7粉末F4)の を溶かしてクラッド層を形成したため、ク ッド層には、ニッケル相が分散して存在し 状態となっている。その結果、本実施形態 クラッドシートの製造方法にて製造された ラッドシート1は、クラッド層が延性を有し 、プレス成形や曲げ成形等の塑性加工を行う ことができ、クラッド層の剥離または脱落が 無い状態で、3次元形状等の複雑な形状に成 することができる。
 また、製造方法によって製造された本実施 態のクラッドシート1は、ロウ付け時に再加 熱されることにより、クラッド層の組成の不 均一状態(ニッケル相が分散しており、組成 均一ではない)が解消され、組成が均一化さ ることにより、ニッケル相の存在比率は減 し、合金化が進行して耐食性が向上する。 た、ニッケル相の存在比率が減少すること より、延性は低下するが強度が向上すると う特徴をもつ。

 以上、添付図面を参照しながら本発明に るクラッドシート及びその製造方法の好適 実施形態について説明したが、本発明は上 実施形態に限定されないことは言うまでも い。上述した実施形態において示した各構 部材の諸形状や組み合わせ等は一例であっ 、本発明の主旨から逸脱しない範囲におい 設計要求等に基づき種々変更可能である。

 例えば、上記実施形態においては、クラッ 層3及び混合粉末Fにおける組成比率が、ク ムが13重量%、シリコンが4重量%、リンが6重 %で、残部がニッケルであるとして説明した しかしながら、本発明はこれに限定される のではない。
 例えば、クロムについては、クラッド層3及 び混合粉末Fに13~18重量%含まれていれば、ク ッド層3が特に良好な耐食性を発揮する。ま 、シリコンについては、クラッド層3及び混 合粉末Fに3~4重量%、リンについては、クラッ 層3及び混合粉末Fに4~7重量%含まれていれば クラッド層3が特に良好なロウ付け性を発揮 する。このため、上記範囲内に各成分が収ま るように組成を変化させるのは任意である。 一例としては、混合粉末Fを、20重量%の合金 末F1と、30重量%のニッケル粉末F2と、シリコ 粉末F3と、40重量%のBNi-7粉末F4と、7重量%の ロム粉末とによって構成することもできる この場合には、クラッド層3及び混合粉末Fの 組成比率は、クロムが19重量%、シリコンが5 量%、リンが5重量%で、残部がニッケルとな 。そして、このような場合であっても、上 実施形態のクラッドシート1及びその製造方 と同様の効果を奏することができる。
 また、上記実施形態においては、3種の粉末 を混合することによって混合粉末Fとした。 かしながら、本発明はこれに限定されるも ではなく、例えば2種の粉末を混合して混合 末として用いても良い。このような場合に 、ニッケル粉末と、溶融温度が1150℃以下の 金属粉末(例えば、溶融温度900℃以下のBNi-7粉 末)とを混合することによって、所定の組成 率の混合粉末とする。
 なお、上記実施形態では、混合粉末Fに含ま れる粉末のうち最も融点が低いものはBNi-7粉 F4であったため、加熱炉30における加熱温度 をBNi-7粉末F4の融点に合わせた。しかしなが 、混合粉末がさらに融点の低い粉末を含ん いる場合には、加熱炉30における加熱温度は 、最も融点が低い粉末に合わせる。

 また、上記実施形態においては、金属板2 の両面にクラッド層3が形成されているもの して説明した。しかしながら、本発明はこ に限定されるものではなく、金属板2のいず か片面にのみクラッド層3が形成されていて も良い。

 また、上記実施形態において、製造装置 、ベルトフィーダ20A,20Bを用いて混合粉末F 圧延ローラ10A,10Bに供給した。しかしながら 本発明はこれに限定されるものではなく、 合粉末Fを圧延ローラ10A,10Bに定量供給でき ものであれば良い。例えば、ベルトフィー 20A,20Bの替わりに、スクリューフィーダやロ ルフィーダを用いても良い。