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Title:
CLEANING AGENT FOR ELECTRONIC MATERIAL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/035089
Kind Code:
A1
Abstract:
This invention provides a cleaning agent for electronic materials such as magnetic disk substrates, flat panel display substrates, and photomask substrates, which can realize excellent particle removing properties by imparting a suitable level of etching properties without sacrificing the flatness of the surface of electronic material substrates such as magnetic disk substrates, flat panel display substrates, and photomask substrates and enhancing the dispersibility of particles desorbed from the surface of the substrates with a surfactant, whereby a very efficient high level cleaning, which can realize an improvement in yield in the production of the electronic materials and cleaning in a short time. The cleaning agent for electronic materials contains a surfactant (A) and is characterized by satisfying formula (1): V ≤ -38.7 x pH + 550 (1) wherein pH represents the pH value of the cleaning agent at 25˚C at an effective component concentration for use as a cleaning liquid; and V represents the redox potential of the cleaning agent at 25˚C at an effective component concentration for use as the cleaning liquid, mV (vs. SHE).

Inventors:
SUZUKI KAZUMITSU (JP)
SUGIYAMA AYAYO (JP)
KATSUKAWA YOSHITAKA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/066558
Publication Date:
March 19, 2009
Filing Date:
September 12, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SANYO CHEMICAL IND LTD (JP)
SUZUKI KAZUMITSU (JP)
SUGIYAMA AYAYO (JP)
KATSUKAWA YOSHITAKA (JP)
International Classes:
C11D17/00; B08B3/08; C11D1/02; C11D1/66; C11D3/04; C11D3/16; C11D3/37; H01L21/304
Domestic Patent References:
WO2007125634A12007-11-08
Foreign References:
JP2002069495A2002-03-08
JP2004217814A2004-08-05
JP2003119494A2003-04-23
JP2001070898A2001-03-21
JP2003142441A2003-05-16
JPH07161672A1995-06-23
Attorney, Agent or Firm:
SUGIMURA, Kenji et al. (3-2-1 Kasumigasek, Chiyoda-ku Tokyo, JP)
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Claims:
 界面活性剤(A)を含有してなる電子材料用洗浄剤であって、洗浄液として使用される場合の有効成分濃度における25℃でのpH及び酸化還元電位(V)[単位はmV、vsSHE]が下記数式(1)を満たすことを特徴とする電子材料用洗浄剤。
     V ≦ -38.7×pH+550     (1)
 洗浄液として使用される場合の有効成分濃度における25℃でのpHが1~13であり、前記電子材料が磁気ディスク用ガラス基板、フラットパネルディスプレイ基板又はフォトマスク基板である請求項1記載の洗浄剤。
 洗浄液として使用される場合の有効成分濃度における25℃でのpHが5~13であり、前記電子材料が磁気ディスク用アルミニウム基板である請求項1記載の洗浄剤。
 洗浄液として使用される場合の有効成分濃度が0.01~15質量%である請求項1~3のいずれか記載の洗浄剤。
 前記界面活性剤(A)が、アニオン性界面活性剤(A-2)又は(A-2)と非イオン性界面活性剤(A-1)との混合物である請求項4記載の洗浄剤。
 更にキレート剤(B)、還元剤(C)及びアルカリ成分(D)からなる群から選ばれる1種以上を含有する請求項2又は3記載の洗浄剤。
 前記キレート剤(B)がアミノポリカルボン酸(B-1)、ヒドロキシカルボン酸(B-2)、ホスホン酸(B-6)、縮合リン酸(B-7)及びその塩からなる群から選ばれる1種以上のキレート剤である請求項6記載の洗浄剤。
 前記還元剤(C)が、炭素数1~12のアルデヒド類、炭素数6~9のレダクトン類、炭素数1~30の脂肪族アミン、チオール系還元剤、硫黄のオキソ酸類及びリンのオキソ酸類からなる群から選ばれる1種以上の還元剤である請求項6記載の洗浄剤。
 界面活性剤(A)を含有してなる洗浄液であって、有効成分濃度が0.01~15質量%であり、25℃でのpH及び酸化還元電位(V)[単位はmV、vsSHE]が下記数式(1)を満たすことを特徴とする電子材料用洗浄液。
     V ≦ -38.7×pH+550     (1)
 前記pHが1~13であり、前記電子材料が磁気ディスク用ガラス基板、フラットパネルディスプレイ基板又はフォトマスク基板である請求項9記載の洗浄液。
 前記pHが5~13であり、前記電子材料が磁気ディスク用アルミニウム基板である請求項9記載の洗浄液。
 請求項9~11のいずれか記載の洗浄液中で電子材料を洗浄する電子材料の洗浄方法。
 研削工程後の洗浄工程、研磨工程後の洗浄工程又はテクスチャリング工程後の洗浄工程のいずれかの洗浄工程で磁気ディスク基板、フラットパネルディスプレイ基板又はフォトマスク基板を洗浄する請求項12記載の洗浄方法。
 前記研磨工程が、研磨剤としてアルミナ、コロイダルシリカ、酸化セリウム又はダイヤモンドのいずれかを用いる研磨工程及び/又はテクスチャリング工程である請求項13記載の洗浄方法。
 超音波洗浄、シャワー洗浄、スプレー洗浄、ブラシ洗浄、浸漬洗浄、浸漬揺動洗浄及び枚葉式洗浄からなる群から選ばれる少なくとも1種の洗浄方式を用いて行われる請求項12記載の洗浄方法。
 洗浄後の基板に対する水の接触角(25℃)が、20°以下である請求項12記載の洗浄方法。
請求項12記載の洗浄方法で電子材料を洗浄する工程を含む電子材料の製造方法。
Description:
電子材料用洗浄剤

 本発明は、電子材料用洗浄剤、更に詳し は磁気ディスク基板、フラットパネルディ プレイ基板及びフォトマスク基板等の電子 料用洗浄剤に関するものである。

 磁気ディスク基板、フラットパネルディス レイ基板及びフォトマスク基板等の電子材 の洗浄技術においては、製造工程で基板上 残存する微量の有機物汚れやガラスカレッ 及び砥粒等の不純物が電子材料の性能や歩 まりに大きく影響するため、その管理が極 て重要になってきている。特に洗浄対象と る不純物がより微粒子(パーティクル)化し きており、従来以上に更に界面へ付着し、 存しやすくなっていることから、高度洗浄 術の確立が急務となっている。
 このため、これらのパーティクルによる汚 を防止するために、例えば、特開平11-43791 公報、特開2001-276759号公報、および特開2002-2 12597号公報には、界面活性剤を用いて、パー ィクルの除去性を向上させる方法が提案さ ている。

 しかし、磁気ディスク用基板のうち、特 アルミ基板においては、その製造工程に、 板表面に非磁性層であるNi-Pメッキを施し、 その後アルミナスラリー及びコロイダルシリ カで研磨して鏡面仕上げする工程、並びにそ の後必要によりにダイヤモンドスラリー等を 用いて基板表面をテクスチャリングする工程 を含むところ、その工程中に研磨剤や研磨屑 が基板表面に強固に付着し、洗浄工程で十分 に除去できないといった問題がある。また、 磁気ディスク用基板の内、特にガラス基板に おいては、その製造工程に、酸化セリウムで 研磨し鏡面仕上げする工程及びその後必要に よりにダイヤモンドスラリー等を用いて基板 表面をテクスチャリングする工程を含むとこ ろ、その工程中に研磨剤や研磨屑が基板表面 に強固に付着し、洗浄工程で十分に除去でき ないといった問題がある。また、フラットパ ネルディスプレイ基板やフォトマスク基板の 製造工程においては、マザーガラスから必要 に応じて適切な大きさにガラス基板を切断す る際に発生するガラスの切粉(通称ガラスカ ット)や、クリーンルーム内に飛散している 工油等の有機物汚れや、基板表面又は端面 研磨する工程で使用する研磨剤若しくは研 屑等が基板表面に強固に付着し、洗浄工程 十分に除去できないといった問題がある。

 これらの研磨剤、研磨屑及び有機物汚れに 表されるパーティクルは、基板表面に強固 付着しているため、これらを十分に除去す ためには、基板又は研磨剤表面を僅かにエ チングし、パーティクルを液中に分散させ 更に液中に分散したパーティクルが基板表 に再付着しないようにする必要がある。こ で、特開平11-43791号公報には、研磨剤に対 る吸着量が5mg/m 2 以上であって数平均分子量が100,000以上の凝 剤及び界面活性剤を含有し、且つ10vol%水溶 の表面張力が30dyne/cm以下である洗浄剤組成 を用いて、洗浄対象となる研磨剤微粒子を 集、粗大化させることで再付着を防止する 法が提案されているが、粗大化した粒子が かに基板表面に付着した場合に深刻な問題 引き起こす恐れがあった。また、具体的な 分配合については記載されていなかった。 に、特開2001-276759号公報で提案されている洗 浄剤はフッ化水素及びオゾンを溶存した洗浄 液であるところ、該洗浄剤によれば基板表面 に強固に付着したパーティクルをエッチング により除去する効果は期待できるが、フッ素 イオンを含むため排水処理に多大なコストが かかり、また、エッチング性が強すぎるため 、洗浄時に基板の平坦性を損ねるという問題 があった。また、ガラス基板及び研磨粒子表 面のゼータ電位をマイナスにすることで、パ ーティクルの再付着を防止しているが、その 効果は不十分であった。その他、特開2002-2125 97号公報で提案されている洗浄剤では、アニ ン性界面活性剤を用いることでパーティク の再付着防止効果はある程度改善できるも の、エッチング性がほとんど無いため、パ ティクル除去性が不十分であり、洗浄性が 十分であった。

 従って、本発明の目的とするところは、 気ディスク基板、フラットパネルディスプ イ基板及びフォトマスク基板等の電子材料 板の表面の平坦性を損ねることなく適度な ッチング性を付与し、また界面活性剤を用 て基板表面から脱離したパーティクルの分 性を高めることで、優れたパーティクルの 去性を実現し、これにより、製造時におけ 歩留まり率の向上や短時間で洗浄が可能と る極めて効率的な高度洗浄を可能にする、 気ディスク基板、フラットパネルディスプ イ基板及びフォトマスク基板等の電子材料 の洗浄剤を提供することにある。

 本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意 討した結果、洗浄剤の使用時のpHによって ましい酸化還元電位があることを見出し、 発明に到達した。

 すなわち本発明は、
(第1発明)界面活性剤(A)を含有してなる電子材 料用洗浄剤であって、洗浄液として使用され る場合の有効成分濃度における25℃でのpH及 酸化還元電位(V)[単位はmV、vsSHE]が下記数式(1 )を満たすことを特徴とする電子材料用洗浄 ;
     V ≦ -38.7×pH+550     (1)
(第2発明)界面活性剤(A)を含有してなる洗浄液 であって、有効成分濃度が0.01~15質量%であり 25℃でのpH及び酸化還元電位(V)[単位はmV、vsS HE]が下記数式(1)を満たすことを特徴とする電 子材料用洗浄液;
     V ≦ -38.7×pH+550     (1)
(第3発明)前記洗浄液中で電子材料を洗浄する 電子材料の洗浄方法;
(第4発明)前記洗浄方法で電子材料を洗浄する 工程を含む電子材料の製造方法;である。

 本発明の洗浄剤は、磁気ディスク基板(特 に磁気ディスク用ガラス基板及びNi-Pメッキ 施された磁気ディスク用アルミニウム基板) フラットパネルディスプレイ基板及びフォ マスク基板等の電子材料の製造工程におい 問題となる微細なパーティクルの洗浄性に れ、電子材料表面にダメージを与えること く短時間かつ効率的な洗浄ができるといっ 特長を有する。

 本発明の第1発明の洗浄剤は、洗浄液として 使用される場合の有効成分濃度における25℃ のpHが、電子材料が磁気ディスク用ガラス 板、フラットディスプレイ基板又はフォト スク基板である場合、1~13であることが好ま く、1~5又は8~13であることが更に好ましく、 1~4又は9~13であることが特に好ましく、1~3又 10~13であることが最も好ましい。pHがこの範 にある場合、洗浄剤は、基板の平坦性を損 ることがなく、適度なエッチング性を有す と共に、微細なパーティクルの再付着防止 に優れた効果を発揮し易くなる。同様な効 の観点から、電子材料が磁気ディスク基板 アルミニウム基板である場合、前記pHは、5~ 13であることが好ましく、6~12であることが更 に好ましく、6.5~11であることが特に好ましく 、7~10であることが最も好ましい。
 尚、特に被洗浄物が後述の電子材料の研削 程又は研磨工程で使用される酸化セリウム 場合、洗浄液は酸性であることが好ましく 被洗浄物がアルミナ、コロイダルシリカ又 ダイヤモンドである場合、洗浄液はアルカ 性であることが好ましい。

 本発明の洗浄剤は界面活性剤(A)及び必要に り水(好ましくはイオン交換水又は超純水で あり以下の水についても同様)を含有する。
 本発明の洗浄剤の有効成分濃度は、通常1~10 0質量%、好ましくは2~50%(以下において、特に 定しない限り、%は質量%を表す)であり、洗 液として使用される場合は、通常は水で希 される。そして、本発明の洗浄剤が洗浄液 して使用される場合の有効成分濃度は、好 しくは0.01~15%、更に好ましくは0.05~10%である 。尚、洗浄剤の有効成分濃度が1~15%である場 は、そのままの濃度で洗浄液として使用し もよい。尚、本発明における有効成分とは 以外の成分をいう。

 本発明者らは、電子材料の洗浄性を向上さ るために、洗浄液の種々の物性値と洗浄性 の関係について鋭意検討した結果、洗浄液 pHと酸化還元電位が洗浄性に大きな影響を えることを見出し、洗浄液のpHと洗浄液の酸 化還元電位の上限値(効果を発揮できる上限 )について種々のデータを蓄積し、解析した 果、下記数式(1)を満たす酸化還元電位(V)[25 での値で単位はmV、vsSHE]を示す洗浄液を与 る組成の洗浄剤が従来よりも著しく改善さ た効果を発揮することがわかった。
     V ≦ -38.7×pH+550     (1)
例えば、pHが2のとき、酸化還元電位(V)は472.6m V以下であり、pHが5のときの(V)は356.5mV以下で り、pHが10のときの(V)は163.0mV以下であり、pH が13のときの(V)は46.9mV以下であると本発明の 果を発揮する。
 酸化還元電位(25℃)が、数式(1)を満たさない と、基板表面が著しくエッチングされ、表面 の平坦性を損ない、またパーティクルの除去 性が悪くなるため好ましくない。

 本発明の洗浄剤のうち、電子材料に対する 度なエッチング性及びパーティクルに対す 洗浄性の観点からは、数式(2)を満たす洗浄 が更に好ましく、数式(3)を満たす洗浄剤が に好ましい。
     V ≦ -38.7×pH+450     (2)
     V ≦ -38.7×pH+350     (3)

 本発明における酸化還元電位(V)は、下記の うな公知の方法で測定できる。
<酸化還元電位の測定方法>
 白金電極及び参照電極(塩化銀電極)で構成 れる酸化還元電位(ORP)複合電極(例えば、型 :PST-5421C、東亜ディーケーケー株式会社)を用 いて、25℃の液の電位値(V1)を測定する。液の 酸化還元電位(mV、vsSHE)は、電位値(V1)に参照 極(塩化銀電極)の単極電位差(199mV、25℃)を加 えることにより求められる。例えば、電位値 (V1)が-100mVの場合、酸化還元電位(mV、vsSHE)は-1 00+199=+99mVである。

 本発明の洗浄剤の必須成分である界面活 剤(A)としては、非イオン性界面活性剤(A-1) アニオン性界面活性剤(A-2)、カチオン性界面 活性剤(A-3)及び両性界面活性剤(A-4)が挙げら る。

 本発明の洗浄剤に用いる非イオン性界面 性剤(A-1)としては、アルキレンオキシド付 型非イオン性界面活性剤(A-1a)及び多価アル ール型非イオン界面活性剤(A-1b)等が挙げら る。

(A-1a)としては、高級アルコール(炭素数8~18) アルキレン(炭素数2~4)オキサイド(活性水素1 当たりの付加モル数1~30)付加物、アルキル( 素数1~12)フェノールエチレンオキサイド(活 水素1個当たりの付加モル数1~30)付加物、脂 酸(炭素数8~18)エチレンオキサイド(活性水素1 個当たりの付加モル数1~30)付加物、脂肪族ア ン(炭素数6~24)のアルキレンオキサイド付加 (活性水素1個当たりの付加モル数1~30)、ポリ プロピレングリコール(分子量200~4000)エチレ オキサイド(活性水素1個当たりの付加モル数 1~50)付加物、及びポリオキシエチレン(活性水 素1個当たりの付加モル数1~30)アルキル(炭素 1~20)アリルエーテル、ソルビタンモノラウレ ートエチレンオキサイド(付加モル数1~30)付加 物、ソルビタンモノオレートエチレンオキサ イド(付加モル数1~30)付加物等の多価(2~8価又 それ以上)アルコール(炭素数2~30)の脂肪酸(炭 素数8~24)エステルエチレンオキサイド付加物( 活性水素1個あたりの付加モル数1~30)等が挙げ られる。

(A-1b)としては、グリセリンモノステアレー ト、グリセリンモノオレート、ソルビタンモ ノラウレート、ソルビタンモノオレート等の 多価(2~8価又はそれ以上)アルコール(炭素数2~3 0)の脂肪酸(炭素数8~24)エステル、ラウリン酸 ノエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノ ルアミド等の脂肪酸アルカノールアミド等 挙げられる。

 (A-1)のうち、洗浄性の観点から、好まし のは(A-1a)であり、更に好ましいのは高級ア コール(炭素数10~16)アルキレン(炭素数2~3)オ サイド(活性水素1個当たりの付加モル数2~20) 加物、アルキルフェノールエチレンオキサ ド(活性水素1個当たりの付加モル数2~20)付加 物、及び脂肪族アミン(炭素数8~18)のアルキレ ンオキサイド付加物(活性水素1個当たりの付 モル数2~20)である。

 アニオン性界面活性剤(A-2)としては、高 子型アニオン性界面活性剤(A-2a)及び低分子 アニオン性界面活性剤(A-2b)が挙げられる。

 高分子型アニオン性界面活性剤(A-2a)とし は、スルホン酸(塩)基、硫酸エステル(塩)基 、リン酸エステル(塩)基、ホスホン酸(塩)基 びカルボン酸(塩)基からなる群から選ばれる 少なくとも1種の基を有し、1,000~800,000の重量 均分子量(以下、Mwと略記)を有する高分子型 アニオン性界面活性剤が挙げられる。高分子 型アニオン性界面活性剤は、通常、1分子中 少なくとも2個以上の繰り返し単位を有する (A-2a)の具体例としては、以下の(A-2a-1)~(A-2a-5 )等が挙げられる。

(A-2a-1)スルホン酸(塩)基を有する高分子型ア オン性界面活性剤:
 ポリスチレンスルホン酸、スチレン/スチレ ンスルホン酸共重合体、ポリ{2-(メタ)アクリ イルアミノ-2,2-ジメチルエタンスルホン酸} 2-(メタ)アクリロイルアミノ-2,2-ジメチルエ ンスルホン酸/スチレン共重合体、2-(メタ) クリロイルアミノ-2,2-ジメチルエタンスルホ ン酸/アクリルアミド共重合体、2-(メタ)アク ロイルアミノ-2,2-ジメチルエタンスルホン /(メタ)アクリル酸共重合体、2-(メタ)アクリ イルアミノ-2,2-ジメチルエタンスルホン酸/( メタ)アクリル酸/アクリルアミド共重合体、2 -(メタ)アクリロイルアミノ-2,2-ジメチルエタ スルホン酸/スチレン/アクリルアミド共重 体、2-(メタ)アクリロイルアミノ-2,2-ジメチ エタンスルホン酸/スチレン/(メタ)アクリル 共重合体、ナフタレンスルホン酸ホルムア デヒド縮合物、メチルナフタレンスルホン ホルムアルデヒド縮合物、ジメチルナフタ ンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、ア トラセンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合 、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮 物及びアニリンスルホン酸-フェノール-ホ ムアルデヒド縮合物等;

(A-2a-2)硫酸エステル(塩)基を有する高分子型 ニオン性界面活性剤:
 ポリ{2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー 硫酸エステル}、2-ヒドロキシエチルアクリ ート/2-ヒドロキシエチルアクリレート硫酸 ステル共重合体及び2-ヒドロキシエチルメタ クリレート/2-ヒドロキシエチルメタクリレー ト硫酸エステル共重合体、ポリ{2-ヒドロキシ エチル(メタ)アクリレート}の硫酸エステル化 物、ポリ{(メタ)アクリロイルオキシポリオキ シアルキレン硫酸エステル}、(メタ)アクリロ イルオキシポリオキシアルキレン硫酸エステ ル/アクリル酸共重合体及びセルロース、メ ルセルロース又はエチルセルロースの硫酸 ステル化物等;

(A-2a-3)リン酸エステル(塩)基を有する高分子 アニオン性界面活性剤:
 ポリ{2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー リン酸エステル}、2-ヒドロキシエチルアク レート/2-ヒドロキシエチルアクリレートリ 酸エステル共重合体及び2-ヒドロキシエチル メタクリレート/2-ヒドロキシエチルメタクリ レートリン酸エステル共重合体、ポリ{2-ヒド ロキシエチル(メタ)アクリレート}のリン酸エ ステル化物、ポリ{(メタ)アクリロイルオキシ ポリオキシアルキレンリン酸エステル}、(メ )アクリロイルオキシポリオキシアルキレン リン酸エステル/アクリル酸共重合体及びセ ロース、メチルセルロース又はエチルセル ースのリン酸エステル化物等;

(A-2a-4)ホスホン酸(塩)基を有する高分子型ア オン性界面活性剤:
 ポリ{(メタ)アクリロイルオキシエチルホス ェート}、2-ヒドロキシエチルアクリレート/ アクリロイルオキシエチルホスフェート共重 合体及び2-ヒドロキシエチルメタクリレート/ メタクリロイルオキシエチルホスフェート共 重合体、ナフタレンホスホン酸ホルムアルデ ヒド縮合物、メチルナフタレンホスホン酸ホ ルムアルデヒド縮合物、ジメチルナフタレン ホスホン酸ホルムアルデヒド縮合物、アント ラセンホスホン酸ホルムアルデヒド縮合物及 びアニリンホスホン酸-フェノール-ホルムア デヒド縮合物等;

(A-2a-5)カルボン酸(塩)基を有する高分子型ア オン性界面活性剤:
 ポリ(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸- レイン酸共重合体、(メタ)アクリル酸-イタ ン酸共重合体、(メタ)アクリル酸-フマル酸 重合体、(メタ)アクリル酸/酢酸ビニル共重 体及び2-ヒドロキシエチルメタクリレート/( タ)アクリル酸共重合体、ポリ{2-ヒドロキシ エチル(メタ)アクリレート}のカルボキシメチ ル化物、カルボキシメチルセルロース、カル ボキシメチルメチルセルロース、カルボキシ メチルエチルセルロース、安息香酸ホルムア ルデヒド縮合物及び安息香酸-フェノール-ホ ムアルデヒド縮合物等。

 (A-2a)のMwは、パーティクルの再付着防止 及び低泡性の観点等から、1,000~800,000が好ま く、1,200~400,000が更に好ましく、1,500~80,000が 特に好ましく、2,000~40,000が最も好ましい。本 発明におけるMwは、ゲルパーミエーションク マトグラフィー(以下、GPCと略記)によって ポリエチレンオキサイドを基準物質として40 ℃で測定される。具体的には、例えば、装置 本体:HLC-8120(東ソー株式会社製)、カラム:東ソ ー株式会社製TSKgel α6000、G3000 PWXL、検出器: 置本体内蔵の示差屈折計検出器、溶離液:0.5 %酢酸ソーダ・水/メタノール(体積比70/30)、溶 離液流量:1.0ml/分、カラム温度:40℃、試料:0.25 %の溶離液溶液、注入量:200μl、標準物質:東ソ ー(株)製TSK STANDARD POLYETHYLENE OXIDE、データ処 理ソフト:GPC-8020modelII(東ソー株式会社製)を用 いて測定される。

 低分子型アニオン性界面活性剤(A-2b)として 、低分子型スルホン酸系界面活性剤(A-2b-1) 低分子型硫酸エステル系界面活性剤(A-2b-2)、 低分子型脂肪酸系界面活性剤(A-2b-3)及び低分 型リン酸エステル系界面活性剤(A-2b-4)等の 子量(Mw又は構造に基づく計算値の分子量)が1 ,000未満のアニオン性界面活性剤が挙げられ 。
 アニオン性界面活性剤のうちのスルホン酸 界面活性剤(A-2b-1)としては、炭素数6~24のア コールのスルホコハク酸(モノ、ジ)エステ (塩)、炭素数8~24のα-オレフィンのスルホン 化物(塩)、炭素数8~14のアルキル基を有する ルキルベンゼンスルホン酸(塩)、石油スルホ ネート(塩)、トルエンスルホン酸(塩)、キシ ンスルホン酸(塩)及びクメンスルホン酸(塩) が挙げられる。(A-2b-1)の具体例としては、 オクチルスルホコハク酸(塩)、パラトルエン スルホン酸(塩)、オルトトルエンスルホン酸( 塩)、メタキシレンスルホン酸(塩)及びパラキ シレンスルホン酸(塩)等が挙げられる。

 低分子型硫酸エステル系界面活性剤(A-2b-2 )としては、炭素数8~18の脂肪族アルコールの 酸エステル(塩)、炭素数8~18の脂肪族アルコ ルのエチレンオキサイド1~10モル付加物の硫 酸エステル(塩)、硫酸化油(塩)、硫酸化脂肪 エステル(塩)及び硫酸化オレフィン(塩)等が げられる。(A-2b-2)の具体例としては、2-エチ ルヘキサノール硫酸エステル(塩)、オクタノ ル硫酸エステル(塩)、1,10-デカンジオールジ 硫酸エステル(塩)及びラウリルアルコールの チレンオキサイド(5モル)付加物のジ硫酸エ テル(塩)等が挙げられる。

 低分子型脂肪酸系界面活性剤(A-2b-3)とし は、炭素数8~18の脂肪酸(塩)及び炭素数8~18の 肪族アルコールのエーテルカルボン酸(塩) が挙げられる。(A-2b-3)の具体例としては、n- クタン酸(塩)、2-エチルヘキサン酸(塩)、n- ナン酸(塩)、イソノナン酸(塩)、オレイン酸( 塩)及びステアリン酸(塩)等が挙げられる。

 低分子型リン酸エステル系界面活性剤(A-2 b-4)としては、炭素数8~24の高級アルコールの ン酸(モノ、ジ)エステル(塩)及び炭素数8~24 高級アルコールのアルキレンオキサイド付 物のリン酸(モノ、ジ)エステル(塩)等が挙げ れる。(A-2b-4)の具体例としては、ラウリル ルコールモノリン酸エステル(塩)、ラウリル アルコールのエチレンオキサイド(5モル)付加 物のリン酸モノエステル(塩)及びオクチルア コールジリン酸エステル(塩)等が挙げられ 。

 (A-2)が塩を形成する場合の対イオンとし は特に制限は無いが、通常、アルカリ金属( トリウム及びカリウム)塩、アンモニウム塩 、1級アミン(メチルアミン、エチルアミン及 ブチルアミン等のアルキルアミン、モノエ ノールアミン並びにグアニジン等)塩、2級 ミン(ジメチルアミン、ジエチルアミン及び ブチルアミン等のジアルキルアミン並びに エタノールアミン等)塩、3級アミン{トリメ ルアミン、トリエチルアミン及びトリブチ アミン等のトリアルキルアミン、トリエタ ールアミン、N-メチルジエタノールアミン びに、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン (DBU)、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]-5-ノネン(DBN)又 は1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1H- イミダゾール、2-メチル-1H-イミダゾール、2- チル-1H-イミダゾール、4,5-ジヒドロ-1H-イミ ゾール、2-メチル-4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾ ル、1,4,5,6-テトラヒドロ-ピリミジン、1,6(4)- ヒドロピリミジン等}塩及び第4級アンモニ ム(テトラアルキルアンモニウム等)塩である 。これらの中で、基板への金属汚染の観点か ら、好ましいのはアンモニウム塩、1級アミ 塩、2級アミン塩、3級アミン塩及び第4級ア モニウム塩であり、特に好ましいのは3級ア ン塩及び第4級アンモニウム塩であり、最も 好ましいのはDBU、DBN、DABCO、N-メチルジエタ ールアミン、1H-イミダゾール、2-メチル-1H- ミダゾール及び2-エチル-1H-イミダゾールの である。

 アニオン性界面活性剤(A-2)のうち好ましい は、パーティクルの再付着防止性の観点か 高分子型アニオン性界面活性剤(A-2a)、低分 型スルホン酸系界面活性剤(A-2b-1)、低分子型 硫酸エステル系界面活性剤(A-2b-2)及び低分子 脂肪酸系界面活性剤(A-2b-3)であり、更に好 しいのは(A-2a)、(A-2b-1)及び(A-2b-2)、特に好ま いのはポリアクリル酸(塩)、ポリスチレン ルホン酸(塩)、ナフタレンスルホン酸ホルマ リン縮合物の塩、アクリルアミド-2-メチルプ ロパンスルホン酸/アクリル酸共重合体の塩 メタクリロイルオキシポリオキシアルキレ 硫酸エステル/アクリル酸共重合体の塩、オ チルベンゼンスルホン酸(塩)、パラトルエ スルホン酸(塩)、メタキシレンスルホン酸( )及び2-エチルヘキサノール硫酸エステル(塩) である。
 ここで、(A-2)は単独で用いてもよいし、2種 上を併用してもよい。パーティクルの分散 の観点から、2種以上を併用する方がより好 ましい。

 カチオン性界面活性剤(A-3)としては、4級 ンモニウム塩型の界面活性剤(A-3a){例えば、 アルキル(炭素数1~30)トリメチルアンモニウム 塩、ジアルキル(炭素数1~30)ジメチルアンモニ ウム塩、窒素環含有第4級アンモニウム塩、 リ(付加モル数2~15)オキシアルキレン(炭素数2 ~4)鎖含有第4級アンモニウム塩、アルキル(炭 数1~30)アミドアルキル(炭素数1~10)ジアルキ (炭素数1~4)メチルアンモニウム塩等}、及び ミン系界面活性剤(A-3b){例えば、炭素数3~90の 脂肪族3級アミン、炭素数3~90の脂環式(含窒素 ヘテロ環を含む)3級アミン及び炭素数3~90のヒ ドロキシアルキル基含有3級アミンの無機酸 又は有機酸塩等}等が挙げられる。

 両性界面活性剤(A-4)としては;ベタイン型 性界面活性剤(A-4a){例えば、アルキル(炭素 1~30)ジメチルベタイン、アルキル(炭素数1~30) アミドアルキル(炭素数1~4)ジメチルベタイン アルキル(炭素数1~30)ジヒドロキシアルキル( 炭素数1~30)ベタイン、スルフォベタイン型等} ;アミノ酸型両性界面活性剤(A-4b){例えば、ア ニン型[アルキル(炭素数1~30)アミノプロピオ ン酸型、アルキル(炭素数1~30)イミノジプロピ オン酸型等]、グリシン型[アルキル(炭素数1~3 0)アミノ酢酸型等]};及びアミノスルホン酸塩 両性界面活性剤(A-4c){例えば、アルキル(炭 数1~30)タウリン型両性界面活性剤等};等が挙 られる。

 界面活性剤(A)のうち、パーティクルの再 着防止性の観点から好ましいのは、アニオ 性界面活性剤(A-2)及び、非イオン性界面活 剤(A-1)と(A-2)の併用であり、更に好ましいの (A-1)と(A-2)の併用である。併用する場合の(A- 1)及び(A-2)の含有比率[(A-1)/(A-2)]は、洗浄性及 起泡性の観点から、好ましくは6以下、更に 好ましくは0.1~5、特に好ましくは0.2~0.8である 。

 本発明の洗浄剤における界面活性剤(A)の 有量は、本発明の洗浄剤の有効成分の質量 基づいて、1.5~100%が好ましく、2~90%が更に好 ましく、3~80%が特に好ましい。

 本発明の洗浄剤は、界面活性剤(A)以外に 更に以下のキレート剤(B)、還元剤(C)及びア カリ成分(D)からなる群から選ばれる1種以上 の成分を含有することができる。

 本発明の洗浄剤は、キレート剤(B)を含有 ることが、電子材料表面の洗浄性を向上で る観点及びエッチング性をコントロールで る観点から更に好ましい。また、本発明の 浄剤は、還元剤(C)を含有することにより電 材料表面に対するエッチング性をコントロ ルできるので、還元剤(C)を含有することが に好ましい。本発明の洗浄剤は、アルカリ 分(D)を含有することによりパーティクルに する洗浄性が更に向上する。

 キレート剤(B)としては、アミノポリカルボ 酸(塩)(B-1){例えば、エチレンジアミンテト 酢酸(塩)(EDTA)、ジエチレントリアミンペンタ 酢酸(塩)(DTPA)、トリエチレンテトラミンヘキ 酢酸(塩)(TTHA)、ヒドロキシエチルエチレン アミン三酢酸(塩)(HEDTA)、ジヒドロキシエチ エチレンジアミン四酢酸(塩)(DHEDDA)、ニトリ 酸酢酸(塩)(NTA)、ヒドロキシエチルイミノ二 酢酸(塩)(HIDA)、β-アラニンジ酢酸(塩)、アス ラギン酸ジ酢酸(塩)、メチルグリシンジ酢酸 (塩)、イミノジコハク酸(塩)、セリンジ酢酸( )、ヒドロキシイミノジコハク酸(塩)、ジヒ ロキシエチルグリシン(塩)、アスパラギン (塩)、グルタミン酸(塩)等};
ヒドロキシカルボン酸(塩)(B-2){例えば、ヒド キシ酢酸(塩)、酒石酸(塩)、クエン酸(塩)、 ルコン酸(塩)等};
シクロカルボン酸(塩)(B-3){例えば、ピロメリ ト酸(塩)、ベンゾポリカルボン酸(塩)、シク ロペンタンテトラカルボン酸(塩)等};
エーテルカルボン酸(塩)(B-4)(例えば、カルボ シメチルタルトロネート、カルボキシメチ オキシサクシネート、オキシジサクシネー 、酒石酸モノサクシネート、酒石酸ジサク ネート等);
その他カルボン酸(塩)(B-5){例えば、マレイン 誘導体、シュウ酸(塩)等};
ホスホン酸(塩)(B-6){例えば、メチルジホスホ 酸(塩)、アミノトリ(メチレンホスホン酸)( )、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸 (塩)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホス ホン酸)(塩)、ヘキサメチレンジアミンテトラ (メチレンホスホン酸)(塩)、プロピレンジア ンテトラ(メチレンホスホン酸)(塩)、ジエチ ントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)( )、トリエチレンテトラミンヘキサ(メチレ ホスホン酸)(塩)、トリアミノトリエチルア ンヘキサ(メチレンホスホン酸)(塩)、トラン -1,2-シクロヘキサンジアミンテトラ(メチレ ホスホン酸)(塩)、グリコールエーテルジア ンテトラ(メチレンホスホン酸)(塩)及びテト ラエチレンペンタミンヘプタ(メチレンホス ン酸)(塩)等};
縮合リン酸(塩)(B-7){例えば、メタリン酸(塩) トリポリリン酸(塩)、ヘキサメタリン酸(塩) };
等が挙げられる。

 尚、これらの塩としては、上述のアニオン 界面活性剤(A-2)で例示したものが挙げられ 。またこれらは1種又は2種以上を組み合わせ て使用してもよい。
 これらの内で基板のエッチング性コントロ ル及び洗浄性能の観点から好ましいのは、( B-1)、(B-2)、(B-6)、(B-7)及びこれらの塩であり 更に好ましいのは(B-1)、(B-6)、(B-7)及びこれ の塩、特に好ましいのはエチレンジアミン トラ酢酸(塩)(EDTA)、ジエチレントリアミンペ ンタ酢酸(塩)(DTPA)、ジヒドロキシエチルエチ ンジアミン四酢酸(塩)(DHEDDA)、アスパラギン 酸ジ酢酸(塩)、アスパラギン酸(塩)、グルタ ン酸(塩)、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホ ホン酸(塩)、エチレンジアミンテトラ(メチ ンホスホン酸)(塩)、メタリン酸(塩)、ヘキサ メタリン酸(塩)、最も好ましいのはエチレン アミンテトラ酢酸(塩)(EDTA)、1-ヒドロキシエ チリデン-1,1-ジホスホン酸(塩)、ヘキサメタ ン酸(塩)である。

 キレート剤(B)を使用する場合、基板のエ チング性コントロール及び洗浄性能の観点 ら、(B)の含有量は、本発明の洗浄剤の有効 分の質量に基づいて、好ましくは30%以下、 に好ましくは0.1~20%、特に好ましくは0.3~20% ある。

 還元剤(C)としては、有機還元剤(C-1)及び 機還元剤(C-2)が挙げられる。有機還元剤(C-1) しては、脂肪族有機還元剤(C-1a)、芳香族有 還元剤(C-1b)及びその他の有機還元剤(C-1c)が げられ、以下のものが例示できる。

 脂肪族有機還元剤(C-1a)としては、炭素数1~12 の有機酸類、炭素数1~12のアルデヒド類、炭 数6~9のレダクトン類及び炭素数1~30の脂肪族 ミン等が挙げられる。
 炭素数1~12の有機酸類としては、ギ酸、酢酸 、コハク酸、乳酸、リンゴ酸、酪酸、マレイ ン酸、2-オキソプロパン酸、マロン酸、没食 酸及びこれらの塩が挙げられる。
尚、前記(B-2)及び(B-5)も還元剤としての効果 有する。
 炭素数1~12のアルデヒド類としては、ホルム アルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオン アルデヒド及びビニルアルデヒド等が挙げら れる。
 炭素数6~9のレダクトン類としては、L-アス ルビン酸、イソアスコルビン酸、L-アスコル ビン酸硫酸エステル、L-アスコルビン酸リン エステル、L-アスコルビン酸2-グルコシド、 L-アスコルビン酸パルミチン酸エステル、テ ライソパルミチン酸L-アスコルビル、アス ルビン酸イソパルミネート、エリソルビン 、エリソルビン酸リン酸エステル、エリソ ビン酸パルミチン酸エステル、テトライソ ルミチン酸エリソビル及びこれらの塩等が げられる。

 炭素数1~30の脂肪族アミンとしては、炭素 数1~6のアルキルアミン、炭素数2~6のアルカノ ールアミン、炭素数2~5のアルキレンジアミン 、炭素数4~10の環状アミン、炭素数3~15のアミ ン化合物及び炭素数4~30のポリ(n=2~5)アルキ ン(炭素数2~6)ポリ(n=3~6)アミン等が挙げられ 。

 炭素数1~6のアルキルアミンとしては、モ アルキルアミン{メチルアミン、エチルアミ ン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、 ブチルアミン及びヘキシルアミン等}及び炭 数2~6のジアルキルアミン{ジメチルアミン、 チルメチルアミン、プロピルメチルアミン ブチルメチルアミン、ジエチルアミン、プ ピルエチルアミン及びジイソプロピルアミ 等}が挙げられる。

 炭素数2~6のアルカノールアミンとしては モノエタノールアミン、ジエタノールアミ 、トリエタノールアミン、ジメチルアミノ タノール、ジエチルアミノエタノール、N- チル-ジエタノールアミン、2-アミノ-2-メチ -1-プロパノール、N-(アミノエチル)エタノー アミン、N,N-ジメチル-2-アミノエタノール及 び2-(2-アミノエトキシ)エタノール等が挙げら れる。

 炭素数2~5のアルキレンジアミンとしては エチレンジアミン、プロピレンジアミン、 リメチレンジアミン、テトラメチレンジア ン及びヘキサメチレンジアミン等が挙げら る。

 炭素数4~10の環状アミンとしては、ピペリジ ン、ピペラジン及び1,4-ジアザビシクロ[2.2.2] クタン(DABCO)等が挙げられる。
 炭素数3~15のアミジン化合物としては、1,8- アザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン(DBU)、1,5-ジ ザビシクロ[4.3.0]-5-ノネン(DBN)等が挙げられ 。
 炭素数4~30のポリ(n=2~5)アルキレン(炭素数2~6) ポリ(n=3~6)アミンとしては、ジエチレントリ ミン、トリエチレンテトラミン、テトラエ レンペンタミン、ヘキサメチレンヘプタミ 、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサ チレン)トリアミン及びペンタエチレンヘキ サミン等が挙げられる。

 芳香族有機還元剤(C-1b)としては、炭素数7~12 の芳香族アルデヒド、炭素数6~9の芳香族アミ ン及び炭素数6~30のフェノール化合物等が挙 られる。
 炭素数7~12の芳香族アルデヒドとしては、ベ ンズアルデヒド及びシンナムアルデヒド等が 挙げられる。
 炭素数6~9の芳香族アミンとしては、p-フェ レンジアミン及びp-アミノフェノール等が挙 げられる。

 炭素数6~30のフェノール化合物としては、 一価フェノール及びポリフェノールが挙げら れる。一価フェノールとしては、3-ヒドロキ フラボン及びトコフェロール(α-、β-、γ-、 δ-、ε-又はη-トコフェロール等)等が挙げら る。ポリフェノールとしては、3,4,5-トリヒ ロキシ安息香酸、ピロカテコール、レゾル ノール、ヒドロキノン、ナフトレゾルシノ ル、ピロガロール及びフロログルシノール が挙げられる。

 その他の有機還元剤(C-1c)としては、リン 還元剤(例えば、トリス‐2‐カルボキシエ ルホスフィン等)、ボラン系錯体(例えば、ボ ラン-tert-ブチルアミン錯体、ボラン-N,N-ジエ ルアニリン錯体及びボラン-トリメチルアミ ン錯体等)、チオール系還元剤(例えば、L-シ テイン及びアミノエタンチオール等)及びヒ ロキシルアミン系還元剤(例えば、ヒドロキ シルアミン及びジエチルヒドロキシルアミン 等)等が挙げられる。尚、後述する(F3)及び(F4) として例示した糖類及び糖アルコールも有機 還元剤としての効果を有する。

 無機還元剤(C-2)としては、硫黄のオキソ酸 {例えば、亜硫酸(塩)、二亜硫酸(塩)、亜ジチ オン酸(塩)、チオ硫酸(塩)、ジチオン酸(塩)、 ポリチオン酸(塩)等}、リンのオキソ酸類{例 ば、亜リン酸(塩)、亜リン酸水素酸(塩)、次 リン酸(塩)等}、その他の無機還元剤(硫酸第 1鉄、塩化第2スズ、水酸化シアノホウ素ナト ウム及び水酸化ホウ素ナトリウム等)等が挙 げられる。
 これらの還元剤(C)を形成する塩としては、 記(A-2)で例示したものと同様のものが使用 きる。

 これらの還元剤(C)のうち、洗浄剤のエッチ グ性コントロール及び洗浄剤中のイオンに る基板の再汚染の観点から、炭素数1~12のア ルデヒド類、炭素数6~9のレダクトン類、炭素 数1~30の脂肪族アミン、チオール系還元剤、 黄のオキソ酸類及びリンのオキソ酸類が好 しく、ホルムアルデヒド、L-アスコルビン酸 (塩)、イソアスコルビン酸(塩)、エリソルビ 酸(塩)、モノエタノールアミン、ジエタノー ルアミン、N-メチル-ジエタノールアミン、L- ステイン、アミノエタンチオール、亜硫酸( 塩)、二亜硫酸(塩)、亜ジチオン酸(塩)、チオ 酸(塩)、亜リン酸(塩)、亜リン酸水素酸(塩) び次亜リン酸(塩)が更に好ましく、L-アスコ ルビン酸(塩)、L-システイン、亜硫酸(塩)、亜 ジチオン酸(塩)、亜リン酸(塩)、亜リン酸水 酸(塩)及び次亜リン酸(塩)が特に好ましい。
(C)が塩を形成する場合の対イオンとしては特 に制限は無いが、上記の(A-2)で例示したもの 同様のものを使用できる。
また(C)は単独で用いてもよいし、2種以上を 用してもよい。

 還元剤(C)を含有する場合、還元剤(C)の含 量は、洗浄剤の有効成分の質量に基づいて6 0%以下が好ましく、1~50%が更に好ましく、2~40% が特に好ましい。この範囲の含有量は、基板 のエッチング性をコントロールする点から好 ましい。

 アルカリ成分(D)としては、一般式(1)で表 れる第4級アンモニウム塩(D-1)、アンモニア( D-2)、前述の(C-1a)で例示した炭素数1~30の脂肪 アミン(D-3)、無機アルカリ(D-4)及びこれらの 混合物が挙げられる。尚、炭素数1~10の脂肪 アミン(D-3)は還元剤としての効果とアルカリ 成分としての効果の両方を有する。

 式中、R 1 、R 2 、R 3 及びR 4 は、それぞれ独立に炭素数1~24のアルキル基 は-(R 5 O)r-Hで表される基であり、R 5 は炭素数2~4のアルキレン基、rは1~6の整数を す。
 炭素数1~24のアルキル基としては、メチル、 エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキ シル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル 、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テト ラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘ プタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エ イコシル、ヘキコシル、ドコシル、トリコシ ル及びテトラコシル基等が挙げられる。炭素 数2~4のアルキレン基としては、エチレン、プ ロピレン及びブチレン等が挙げられる。rは1~ 3が好ましい。

 (D-1)の具体例としては、テトラメチルア モニウムハイドロキサイド、トリメチルエ ルアンモニウムハイドロキサイド、テトラ チルアンモニウムハイドロキサイド、トリ チルメチルアンモニウムハイドロキサイド テトラプロピルアンモニウムハイドロキサ ド、テトラブチルアンモニウムハイドロキ イド、テトラペンチルアンモニウムハイド キサイド、テトラヘキシルアンモニウムハ ドロキサイド、トリメチルエチルアンモニ ムハイドロキサイド及びテトラエチルアン ニウムハイドロキサイド、ヒドロキシエチ トリメチルアンモニウムハイドロキサイド ヒドロキシエチルトリエチルアンモニウム イドロキサイド、ジヒドロキシエチルジメ ルアンモニウムハイドロキサイド、トリヒ ロキシエチルメチルアンモニウムハイドロ サイド等が挙げられる。

 無機アルカリ(D-4)としては、水酸化リチ ム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム が挙げられる。

 (D)のうち、洗浄性の観点から、第4級アン モニウム塩(D-1)及び炭素数1~30の脂肪族アミン (D-3)が好ましく、テトラメチルアンモニウム イドロキサイド、トリメチルエチルアンモ ウムハイドロキサイド、テトラエチルアン ニウムハイドロキサイド、トリエチルメチ アンモニウムハイドロキサイド、モノエタ ールアミン、ジエタノールアミン、トリエ ノールアミン、N-メチル-ジエタノールアミ 、DBU、DBN及びこれらの併用が更に好ましい

 アルカリ成分(D)を含有する場合、洗浄性 観点等から、(D)の含有量は、本発明の洗浄 の有効成分の質量に基づいて好ましくは40% 下、更に好ましくは2~30%、特に好ましくは3~ 25%である。

 本発明の洗浄剤は、キレート剤(B)、還元剤( C)及びアルカリ成分(D)からなる群から選ばれ 1種以上を含有することが好ましく、(B)及び (C)の併用、又は(B)、(C)及び(D)の併用が更に好 ましい。
 本発明の洗浄剤がキレート剤(B)及び還元剤( C)を含有する場合の(B)および(C)の含有量の好 しい範囲は、(A)の質量に基づいて、(B)が0.1~ 60%、(C)が0.1~20%、更に好ましくは(B)が1~33%、(C) が0.5~13%、特に好ましくは(B)が3~27%、(C)が1~8% ある。

 本発明の洗浄剤は、界面活性剤(A)、水、 レート剤(B)、還元剤(C)及びアルカリ成分(D) 外に、本発明の洗浄剤の効果を損なわない 囲において、更に分散剤(E)、3価以上の多価 アルコール(F)、水溶性有機溶剤(G)及びその他 の添加剤(H)からなる群から選ばれる1種以上 成分を含有もしてもよい。

 分散剤(E)としては、従来から微粒子の分散 として使用されているもの、例えば、多糖 及びその誘導体(ヒドロキシエチルセルロー ス、カチオン化セルロース、ヒドロキシメチ ルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー ス、グァーガム、カチオン化グァーガム、キ サンタンガム、アルギン酸塩、カチオン化デ ンプン等);ポバール及びリン酸エステル{フィ チン酸、ジ(ポリオキシエチレン)アルキルエ テルリン酸、トリ(ポリオキシエチレン)ア キルエーテルリン酸等}等が挙げられる。尚 前記(A-2a)も分散剤としての効果を有する。
これら分散剤(E)を含有する場合、これらの分 散剤(E)の含有量は、本発明の洗浄剤の有効成 分の質量に基づいて、好ましくは10%以下、更 に好ましくは8%以下、特に好ましくは5%以下 ある。

 3価以上の多価アルコール(F)としては、以下 の(F1)~(F5)等が挙げられる。
(F1)脂肪族多価アルコール(グリセリン、トリ チロールエタン、トリメチロールプロパン ペンタエリスリトール等);
(F2)(F1)の脱水縮合物(ジグリセリン、トリグリ セリン、テトラグリセリン、ペンタグリセリ ン等); 
(F3)糖類、例えば単糖類{ペントース(アラビノ ース、キシロース、リボース、キシルロース 、リブロース等)、ヘキソース(グルコース、 ンノース、ガラクトース、フルクトース、 ルボース、タガトース等)、ヘプトース(セ ヘプツロース等)等}、二糖類(トレハロース サッカロース、マルトース、セロビオース ゲンチオビオース、ラクトース等)、及び三 類(ラフィノース、マルトトリオース等)等;
(F4)糖アルコール(アラビトール、アドニトー 、キシリトール、ソルビトール、マンニト ル、ズルシトール等);
(F5)トリスフェノール(トリスフェノールPA等);
並びにこれらのアルキレンオキシド(炭素数2~ 4)付加物(付加モル数1~7モル)等。
また、(F)は単独で使用しても、2種以上併用 てもよい。

 (F)の内、基板の腐食を防止する効果の高 点から、(F1)、(F2)、(F3)及び(F4)が好ましく、 グリセリン、サッカロース及びソルビトール が更に好ましい。

 (F)を含有する場合、その含有量は、洗浄 の有効成分の質量に基づいて、好ましくは3 0%以下、更に好ましくは20%以下、特に好まし は10%以下である。

 水溶性有機溶剤(G)としては、20℃における に対する溶解度(g/100gH 2 O)が3以上、好ましくは10以上の有機溶剤が挙 られる。
 例えば、スルホキシド{ジメチルスルホキシ ド、スルホラン、ブチルスルホン、3-メチル ルホラン、2,4-ジメチルスルホラン等};スル ン{ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、 ビス(2-ヒドロキシエチル)スルホン等};アミド {N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルホルム ミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチ ルプロピオンアミド等};ラクタム{N-メチル-2- ロリドン、N-エチル-2-ピロリドン、N-ヒドロ キシメチル-2-ピロリドン等};ラクトン{β-プロ ピオラクトン、β-ブチロラクトン、γ-ブチロ ラクトン、γ-バレロラクトン、δ-バレロラク トン等};アルコール{メタノ-ル、エタノ-ル、 ソプロパノ-ル等};グリコール及びグリコー エーテル{エチレングリコール、エチレング リコールモノメチルエーテル、トリエチレン グリコールモノメチルエーテル、エチレング リコールモノエチルエーテル、ジエチレング リコール、ジエチレングリコールモノメチル エーテル、ジエチレングリコールモノエチル エーテル、ジエチレングリコールモノブチル エーテル、ジエチレングリコールモノヘキシ ルエーテル、プロピレングリコール、プロピ レングリコールモノメチルエーテル、ジプロ ピレングリコールモノメチルエーテル、1,3- チレングリコール、ジエチレングリコール メチルエーテル、ジエチレングリコールジ チルエーテル、トリエチレングリコールジ チルエーテル、トリエチレングリコールジ チルエーテル等};オキサゾリジノン(N-メチル -2-オキサゾリジノン、3,5-ジメチル-2-オキサ リジノン等);ニトリル(アセトニトリル、プ ピオニトリル、ブチロニトリル、アクリロ トリル、メタクリルニトリル、ベンゾニト ル等);カーボネート(エチレンカーボネート プロピオンカーボネート等);ケトン(アセト 、ジエチルケトン、アセトフェノン、メチ エチルケトン、シクロヘキサノン、シクロ ンタノン、ジアセトンアルコール等);環状エ ーテル(テトラヒドロフラン、テトラヒドロ ラン等)等が挙げられる。
また(G)は単独で使用しても、2種以上併用し もよい。

 (G)の内で、洗浄性及び洗浄剤中の成分が 子材料表面に残留することを防止する観点 から、グリコール及びグリコールエーテル 好ましく、エチレングリコールモノメチル ーテル、ジエチレングリコールモノメチル ーテル、トリエチレングリコールモノメチ エーテル、ジエチレングリコールモノブチ エーテル及びジエチレングリコールモノヘ シルエーテルが更に好ましい。

 (G)を含有する場合、その含有量は、洗浄 の有効成分の質量に基づいて、80%以下、更 好ましくは50%以下、特に好ましくは20%以下 ある。

 その他の添加剤(H)としては、酸化防止剤 防錆剤、pH調整剤、緩衝剤、消泡剤、防腐 及びハイドロトロープ剤等が挙げられる。

 酸化防止剤としては、フェノール系酸化防 剤{2,6-ジ-t-ブチルフェノール、2-t-ブチル-4- トキシフェノール、2,4-ジメチル-6-t-ブチル ェノール等};アミン系酸化防止剤{モノオク ルジフェニルアミン、モノノニルジフェニ アミン等のモノアルキルジフェニルアミン; 4,4’-ジブチルジフェニルアミン、4,4’-ジペ チルジフェニルアミン等のジアルキルジフ ニルアミン;テトラブチルジフェニルアミン 、テトラヘキシルジフェニルアミン等のポリ アルキルジフェニルアミン;α-ナフチルアミ 、フェニル-α-ナフチルアミン等のナフチル ミン等};硫黄系化合物{フェノチアジン、ペ タエリスリトール-テトラキス-(3-ラウリル オプロピオネート)、ビス(3,5-tert-ブチル-4-ヒ ドロキシベンジル)スルフィド等};リン系酸化 防止剤{ビス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ペンタ リスリトールジホスファイト、フェニルジ ソデシルホスフィト、ジフェニルジイソオ チルホスファイト、トリフェニルホスファ ト等};等が挙げられる。
これらは、単独で使用しても、2種以上併用 てもよい。

 防錆剤としては、ベンゾトリアゾール、ト ルトリアゾール、炭素数2~10の炭化水素基を 有するベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾ ール、炭素数2~20の炭化水素基を有するイミ ゾール、炭素数2~20の炭化水素基を有するチ ゾール、2-メルカプトベンゾチアゾール等 含窒素有機防錆剤;ドデセニルコハク酸ハー エステル、オクタデセニルコハク酸無水物 ドデセニルコハク酸アミド等のアルキル又 アルケニルコハク酸;ソルビタンモノオレエ ート、グリセリンモノオレエート、ペンタエ リスリトールモノオレエート等の多価アルコ ール部分エステル等を挙げられる。
これらは単独で使用しても、2種以上併用し もよい。

 pH調整剤としては、無機酸(塩酸、硫酸、 酸、スルファミン酸及びリン酸等)、上記例 示した無機アルカリ(D-4)等が挙げられ、これ は単独で使用しても、2種以上併用してもよ い。

 緩衝剤としては、緩衝作用を有する有機酸 は無機酸及び/又はそれらの塩を用いること ができる。
有機酸としては、前記の(C-1a)で例示した炭素 数1~12の有機酸類等を挙げることができ、無 酸としては、例えばリン酸、ホウ酸等を挙 ることができる。また、これらの酸の塩と ては、上述のアニオン性界面活性剤(A-2)で例 示した塩と同様のものが挙げられる。
これらは単独で使用しても、2種以上併用し もよい。

 消泡剤としては、シリコーン消泡剤{ジメ チルシリコーン、フルオロシリコーン、ポリ エーテルシリコーン等を構成成分とする消泡 剤等}等が挙げられる。これらは単独で使用 ても、2種以上併用してもよい。

 防腐剤としては、トリアジン誘導体{ヘキサ ヒドロ-1,3,5-トリス(2-ヒドロキシエチル)-S-ト アジン等}、イソチアゾリン誘導体{1,2-ベン イソチアゾリン-3-オン、2-メチル-4-イソチ ゾリン-3-オン、5-クロロ-2-メチル-4-イソチア ゾリン-3-オン等}、ピリジン誘導体{ピリジン2 -ピリジンチオール-1-オキサイド(塩)等}、モ ホリン誘導体{4-(2-ニトロブチル)モルホリン 4,4-(2-エチル-2-ニトロトリメチレン)-ジモル リン等}、ベンズイミダゾール誘導体{2-(4-チ アゾリル)ベンズイミダゾール等}、その他の 腐剤{ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミノ) エチレン(ジメチルイミノ)エチレン]ジクロラ イド、p-クロロ-m-キシレノール、フェノキシ タノール、フェノキシプロパノール、アセ キシジメチルジオキサン、イソプロピルメ ルフェノール、テトラクロロイソフタロニ リル、ビスブロモアセトキシエタン、3-ヨ ド-2-プロピニルブチルカーバメート、2-ブロ モ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール等}等が挙げ られる。
これらは単独で使用しても、2種以上併用し もよい。

 ハイドロトロープ剤としては、レゾルシ 及びサリチル酸(塩)等が挙げられる。また これらの酸の塩としては、上述のアニオン 界面活性剤(A-2)で例示した塩と同様のものが 挙げられる。これらは単独で使用しても、2 以上併用してもよい。尚、スルホン酸系界 活性剤(A-2b-1)として例示したトルエンスルホ ン酸(塩)、キシレンスルホン酸(塩)及びクメ スルホン酸(塩)もハイドロトロープ剤として の効果を有する。

 その他の添加剤(H)を含有する場合、それ れの添加剤の含有量は、酸化防止剤、防錆 、緩衝剤、防腐剤及びハイドロトロープ剤 、洗浄剤の有効成分の質量に基づいて好ま くは10%以下、更に好ましくは8%以下、特に ましくは5%以下である。また消泡剤の添加量 は好ましくは2%以下、更に好ましくは1.5%以下 、特に好ましくは1%以下である。また、pH調 剤は洗浄剤の有効成分の質量に基づいて好 しくは90%以下、更に好ましくは85%以下、特 好ましくは80%以下である。また、その他の 加剤(H)の合計の含有量は、洗浄剤の有効成 の質量に基づいて90%以下、更に好ましくは85 %以下、特に好ましくは80%以下である。

 尚、前記(B)~(H)の間で、組成が同一で重複 する場合は、それぞれの成分が該当する添加 効果を奏する量を他の成分としての効果に関 わりなく使用するのではなく、他の成分とし ての効果も同時に得られることをも考慮し、 使用目的に応じて使用量を調整するものとす る。

 本発明の洗浄剤の有効成分の濃度は、使 時の作業性や運搬効率の観点から、前述の うに通常1~100%、好ましくは2~50%である。従 て、本発明の洗浄剤中の水の含有量は、通 99%以下、好ましくは50~98%である。

 本発明の洗浄剤は、界面活性剤(A)のみか なる場合を除き、(A)と、(B)~(H)及び水からな る群から選ばれる少なくとも1種の成分とを 合することによって製造されるが、前記数 (1)を満たす洗浄剤を得るためには以下のよ な方法で製造することが好ましい。

(1)界面活性剤(A)又は、(A)並びに必要により(B) ~(H)及び水からなる群から選ばれる少なくと 1種の成分を常温~80℃で混合したものの一部 採り、洗浄液として使用される場合の有効 分濃度にまで水で希釈した希釈液の25℃で pH及び酸化還元電位を測定し、pHと酸化還元 位(V)が数式(1)を満たすことを確認する。
(2)酸化還元電位が数式(1)を満たさない場合は 、酸化還元電位を低下させる成分、例えばキ レート剤(B)、還元剤(C)及び/又はアルカリ成 (D)等を添加して、pHと酸化還元電位が数式(1) を満たす様に酸化還元電位を調整する。
 尚、特定の範囲のpHを有する洗浄液を得る 合は、上記操作に加えて以下の方法でpH調整 を行う。
 上記(1)又は(2)の操作におけるpHが所望のpHの 範囲より低い場合は、pHを上昇させる成分、 えばアルカリ成分(D)、その他の添加剤(H)の ちのpH調整剤及び/又は界面活性剤(A-2)等を 加してpHを所望の範囲に調整する。
 上記(1)又は(2)の操作におけるpHが所望のpHの 範囲より高い場合は、pHを下降させる成分、 えばキレート剤(B)、還元剤(C)、その他の添 剤(H)のうちのpH調整剤及び/又は緩衝剤等を 加してpHを所望の範囲に調整する。

 本発明の洗浄剤の製造における混合溶解 置としては、特に限定されないが、櫂型羽 を装備した攪拌混合装置や螺旋型羽根を装 した攪拌混合装置等が使用できる。

 本発明の洗浄剤中のNa、K、Ca、Fe、Cu、Al、Pb 、Ni及びZn原子の各金属含有量は、金属汚染 防ぐ観点から、洗浄剤の有効成分の質量に づいて20ppm以下が好ましく、10ppm以下が更に ましく、5ppm以下が特に好ましい。
 これらの金属原子の含有量の測定方法とし は、公知の方法、例えば原子吸光法、ICP発 分析法及びICP質量分析法が利用できる。

 本発明の第2発明である電子材料用洗浄液は 、上記の洗浄剤を必要により水で希釈して洗 浄工程で使用する洗浄液であり、有効成分濃 度が0.01~15質量%で、且つ25℃でのpH及び酸化還 元電位(V)[単位はmV、vsSHE]が下記数式(1)を満た すことを特徴とする電子材料用洗浄液である 。
     V ≦ -38.7×pH+550     (1)
本発明の洗浄液中の成分や酸化還元電位の測 定法等は、前述の通りである。

 本発明の電子材料用洗浄液は、特に磁気 ィスク基板、フラットパネルディスプレイ 板及びフォトマスク基板等の洗浄液として 適であり、各電子材料に対して好ましいpH 範囲があることについては前述の通りであ 。

 本発明の洗浄剤の表面張力(25℃)は、電子 材料への洗浄剤のぬれ性の観点から、好まし くは65mN/m以下であり、更に好ましくは50mN/m以 下、特に好ましくは40mN/m以下である。本発明 における表面張力は、JIS K3362:1998の輪環法: 応ISO 304に従って測定できる。

 洗浄液の電気伝導率(mS/cm)は、パーティク ルの再付着防止性及びエッチング性の観点か ら、好ましくは0.2~10.0、更に好ましくは0.5~5.0 、特に好ましくは1.0~3.5である。

 本発明の第3発明である電子材料の洗浄方 法は、上記の洗浄液中で電子材料を洗浄する 洗浄方法であり、磁気ディスク基板(特にNi-P ッキを施したアルミニウム基板)、フラット パネルディスプレイ基板及びフォトマスク基 板等の洗浄方法として好適である。洗浄対象 物(汚れ)としては、油分(クーラント等)、人 からの汚れ(指紋、皮脂等)、可塑剤(ジオク ルフタレート等)、有機パーティクル等の有 物及び無機パーティクル[研磨剤(例えば、 ロイダルシリカ、アルミナ、酸化セリウム びダイヤモンド等)及び研磨屑(ガラスカレッ ト等)等]等の無機物が挙げられる。

 本発明の洗浄方法は、パーティクルの除去 に極めて優れていることから、磁気ディス 基板(特に好ましくは磁気ディスク用ガラス 基板及びNi-Pメッキが施された磁気ディスク アルミニウム基板)、フラットパネルディス レイ基板及びフォトマスク基板の製造工程 内、研磨剤、研磨屑及び研削屑等のパーテ クルの除去を目的とする洗浄工程で行うこ が好ましく、より具体的には研削工程後の 浄工程、研磨工程後の洗浄工程及び/又はテ クスチャリング工程後の洗浄工程での洗浄方 法として適用することが好ましい。
 また、大気中に浮遊する汚れ(パーティクル 及び有機物汚れ等)が基板表面に強固に付着 ることを防止する為に、上記の洗浄工程の 後において当該基板を本発明の洗浄液に浸 してもよい。
 前記の研磨工程が、研磨剤としてアルミナ コロイダルシリカ、酸化セリウム又はダイ モンドのいずれかを用いる研磨工程である 合、本発明の洗浄方法の効果が特に発揮さ やすい。

 本発明の洗浄方法における洗浄方式とし は、超音波洗浄、シャワー洗浄、スプレー 浄、ブラシ洗浄、浸漬洗浄、浸漬揺動洗浄 び枚葉式洗浄からなる群から選ばれる少な とも1種の洗浄方式が挙げられ、いずれの方 式であっても本発明の洗浄方法の効果が発揮 されやすい。

 本発明の洗浄剤を使用して洗浄する際の 浄温度(℃)としては、洗浄性の観点から、10 ~80℃が好ましく、15~70℃が更に好ましく、20~6 0℃が特に好ましい。

 尚、本発明の洗浄方法で洗浄された電子 料に対する水の接触角(25℃)は、好ましくは 20°以下であり、更に好ましくは1~15°、特に ましくは2~10°である。接触角がこの範囲に ると、磁性膜等をスパッタにより形成する 合に均一な膜が形成できるので、磁気特性 点から好ましい。尚、接触角の測定は、例 ば、全自動接触角計[協和界面科学(株)社製 PD-W]を用いて測定することができる。

 本発明の洗浄方法で洗浄した後の電子材料 面の表面粗さ(Ra)は、電子材料の表面平坦性 の観点から、好ましくは0.5nm以下、更に好ま くは0.001~0.3nm、特に好ましくは0.05~0.25nmであ る。
 尚、表面粗さ(Ra)は、エスアイアイ・ナノテ クノロジー社製、E-sweepを用いて下記の条件 測定できる。
 測定モード  :DFM(タッピングモード)
 スキャンエリア:10μm×10μm
 走査線数   :256本(Y方向スキャン)
 補正     :X,Y方向のフラット補正あり

 本発明の第4発明である電子材料の製造方 法は、前記の洗浄方法で電子材料を洗浄する 工程を含む電子材料の製造方法であり、特に 磁気ディスク基板、フラットパネルディスプ レイ基板及びフォトマスク基板の製造方法と して好適である。

[実施例]
 以下、実施例により本発明を更に詳細に説 するが、本発明はこれに限定されるもので ない。また、特に限定がない限り以下にお て部は質量部を示す。ポリマーのGPCによる 子量の測定条件は前述の方法により測定し 。尚、実施例及び比較例で用いた超純水は 抵抗値が18Mω以上のものである。

[製造例1]
 撹拌装置及び温度制御装置付きの容積1リッ トルのステンレス製オートクレーブに、ラウ リルアルコール200部(1.1モル部)及びテトラメ ルアンモニウムハイドロキサイド(以下、TMA Hと略記)の25%水溶液10部(0.027モル部)を仕込み 100℃、4kPa以下の減圧下で30分間脱水した。 チレンオキサイド(以下、EOと略記)430部(9.8 ル部)を、反応温度を100℃に制御しながら、3 時間かけて滴下した後、100℃で3時間熟成し 粗生成物を得た。この粗生成物を2.6kPa以下 減圧下に、150℃で2時間保持して、残存するT MAHを分解及び除去し、ノニオン性界面活性剤 であるラウリルアルコールEO9モル付加物(A-1-1 )630部を得た。

[製造例2]
 撹拌装置及び温度制御装置付きの容積1リッ トルのステンレス製オートクレーブに、ラウ リルアミン185部(1.0モル部)及び25%TMAH水溶液3.6 部(0.01モル部)を仕込み、100℃、4kPa以下の減 下で30分間脱水した。EO264部(6.0モル部)を、 応温度を100℃に制御しながら、3時間かけて 下した後、100℃で3時間熟成し、粗生成物を 得た。この粗生成物を2.6kPa以下の減圧下、150 ℃で2時間保持して、残存するTMAHを分解及び 去し、ノニオン性界面活性剤であるラウリ アミンEO6モル付加物(A-1-2)445部を得た。

[製造例3]
 撹拌装置及び温度制御装置付きの容積1リッ トルのステンレス製オートクレーブに、クミ ルフェノール212部(1.0モル部)及び25%TMAH水溶液 2.9部(0.008モル部)を仕込み、100℃、4kPa以下の 圧下で30分間脱水した。EO352部(8.0モル部)を 反応温度を100℃に制御しながら、3時間かけ て滴下した後、100℃で3時間熟成し、粗生成 を得た。この粗生成物を2.6kPa以下の減圧下 150℃で2時間保持して、残存するTMAHを分解及 び除去し、ノニオン性界面活性剤であるクミ ルフェノールEO8モル付加物(A-1-3)560部を得た

[製造例4]
 温調及び攪拌が可能な反応容器にイソプロ ルアルコール300部及び超純水100部を仕込み 窒素置換後、75℃に昇温した。撹拌下で、 クリル酸の75%水溶液407部及びジメチル2,2’- ゾビスイソブチレートの15%イソプロピルア コール溶液95部を3.5時間かけてそれぞれ同 に滴下した。滴下終了後、75℃で5時間撹拌 た後、系内が固化しないように超純水を間 的に投入し、イソプロピルアルコールが検 できなくなるまで水とイソプロピルアルコ ルの混合物を留去した。得られたポリアク ル酸水溶液をDBU(約450部)でpHが7になるまで中 和し、超純水で濃度調整することにより、ア ニオン性界面活性剤であるポリアクリル酸DBU 塩(A-2-1)の40%水溶液を得た。尚、(A-2-1)のMwは10 ,000であった。

[製造例5]
 温調及び還流が可能な撹拌装置付き反応容 にエチレンジクロライド100部を仕込み、攪 下、窒素置換した後に90℃まで昇温し、エ レンジクロライドを還流させた。スチレン12 0部と、予め2,2’-アゾビスイソブチロニトリ 1.7部をエチレンジクロライド20部に溶かし 開始剤溶液を、それぞれ別々に6時間かけて 応容器内に同時に滴下し、滴下終了後更に1 時間重合を行った。重合後、窒素シール下で 20℃に冷却した後、温度を20℃にコントロー しながら無水硫酸105部を10時間かけて滴下し 、滴下終了後更に3時間スルホン化反応させ 。反応後、溶媒を留去して固化させた後、 純水345部を投入して溶解し、ポリスチレン ルホン酸水溶液を得た。得られたポリスチ ンスルホン酸水溶液を25%TMAH水溶液(約400部) pHが7になるまで中和し、超純水で濃度調整 ることにより、アニオン性界面活性剤であ ポリスチレンスルホン酸TMAH塩(A-2-2)の40%水溶 液を得た。尚、(A-2-2)のMwは、40,000、スルホン 化率は97%であった。

[製造例6]
 撹拌装置付き反応容器にナフタレンスルホ 酸21部及び超純水を10部仕込み、37%ホルムア ルデヒド8部を80℃で3時間かけて滴下した。 下終了後、105℃に昇温して25時間反応させた 後、室温(約25℃)まで冷却して水浴中、25℃に 調整しながらDBUを徐々に加え、pH6.5に調製し (DBU約15部使用)。超純水を加えて固形分を40% に調整して、アニオン性界面活性剤であるナ フタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のDBU塩 (A-2-3)の40%水溶液を得た。尚、(A-2-3)のMwは、5, 000であった。

[製造例7]
 アクリル酸の75%水溶液407部の代わりに、ア リルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸227 、アクリル酸78部及び超純水131部からなる70 %モノマー水溶液436部を使用したこと以外は 製造例4と同様に重合後イソプロピルアルコ ルが検出できなくなるまで水とイソプロピ アルコールの混合物を留去して、アクリル ミド-2-メチルプロパンスルホン酸/アクリル 酸共重合体水溶液を得た。得られたアクリル アミド-2-メチルプロパンスルホン酸/アクリ 酸共重合体水溶液を25℃に調整しながらDBUを 徐々に加えてpH6.5に調製し(DBU約280部使用)超 水で濃度調整することにより、アニオン性 面活性剤であるアクリルアミド-2-メチルプ パンスルホン酸/アクリル酸共重合体DBU塩(A-2 -4)の40%水溶液を得た。尚、(A-2-4)のMwは8,000で った。

[製造例8]
 アクリル酸の75%水溶液407部の代わりに、メ クリロイルオキシポリオキシアルキレン硫 エステルナトリウム塩の50%水溶液[三洋化成 (株)社製、エレミノールRS-30]320部及びアクリ 酸145部からなる65%モノマー水溶液465部を使 したこと以外は、製造例4と同様に重合後イ ソプロピルアルコールが検出できなくなるま で水とイソプロピルアルコールの混合物を留 去して、メタクリロイルオキシポリオキシア ルキレン硫酸エステルナトリウム塩/アクリ 酸共重合体水溶液を得た。得られた共重合 水溶液を固形分濃度10%になるように超純水 希釈した後、陽イオン交換樹脂「アンバー イトIR-120B」(オルガノ株式会社製)を用いて 溶液中のナトリウムイオンが1ppm以下になる で除去した。尚、ナトリウム含量はICP発光 析装置(VARIAN社製、Varian730-ES)を用いて測定 た。得られたメタクリロイルオキシポリオ シアルキレン硫酸エステル/アクリル酸共重 体を25℃に調整しながら25%TMAH水溶液(約600部 )でpHが7になるまで中和し、超純水で濃度調 することにより、アニオン性界面活性剤で るメタクリロイルオキシポリオキシアルキ ン硫酸エステル/アクリル酸共重合体TMAH塩(A- 2-5)の10%水溶液を得た。尚、(A-2-5)のMwは9,000で あった。

[製造例9]
 オクチルベンゼンスルホン酸136部及び超純 245部を1Lのビーカーに仕込み、均一になる で溶解した。得られたオクチルベンゼンス ホン酸水溶液をDBN(約65部)でpHが7になるまで 和し、超純水で濃度調整することにより、 ニオン性界面活性剤であるオクチルベンゼ スルホン酸DBN塩(A-2-6)の40%水溶液を得た。

[製造例10]
 2-エチルヘキサン酸144部及び超純水300部を1L のビーカーに仕込み、均一になるまで溶解し た。得られた2-エチルヘキサン酸水溶液をジ タノールアミン(約105部)でpHが7になるまで 和し、超純水で濃度調整することにより、 ニオン性界面活性剤である2-エチルヘキサン 酸ジエタノールアミン塩(A-2-7)の40%水溶液を た。

[製造例11]
 攪拌装置及び温度制御装置付きのガラス製 応装置に2-エチルヘキサノール256部を仕込 、攪拌下で0℃まで冷却し、系内温度を0℃に 保ちながらクロロスルホン酸229部を3時間か て滴下し、硫酸エステルを得た。更に48%水 化カリウム水溶液(約230部)でpHが7になるまで 中和し、超純水で濃度調製することにより、 アニオン性界面活性剤である2-エチルヘキサ ール硫酸エステルカリウム塩(A-2-8)の40%水溶 液を得た。

[実施例1~56]、[比較例1~8]
 表1~表8に記載の各成分を、表1~表8に記載の 合部数で、1Lのビーカー中で室温(約20℃)で 一撹拌・混合して実施例1~56及び比較例1~8の 洗浄剤を作製し、実施例1~26及び比較例1~5の 浄剤についてはそのままの濃度(希釈倍率1) 洗浄液として評価し、実施例27~56及び比較例 6~8の洗浄剤については超純水で10倍に希釈し 洗浄液として以下の評価方法に基づいて評 した。結果を表1~表8に示す。
 尚、表中に記載の超純水以外の各成分の配 部数は有効成分換算の値である。また、表 に記載の超純水の量は、製造例1~11で得た界 面活性剤及びTMAHの水溶液中の超純水を含む である。

 また、表1~表8中のキレート剤(B)、還元剤(C) アルカリ成分(D)及び水溶性有機溶剤(G)の略 は下記の通りである。
   EDTA:エチレンジアミンテトラ酢酸
   HEDP:1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホ ン酸
   HMP:ヘキサメタリン酸ナトリウム
   AA:アスコルビン酸
   Cys:L-システイン
   次亜リン酸1Na:次亜リン酸モノナトリウ 塩
   MDEA:N-メチルジエタノールアミン
   TMAH:テトラメチルアンモニウムハイドロ サイド
   DEA:ジエタノールアミン
   DBU:1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン
   DEG-B:ジエチレングリコールモノブチルエ ーテル

 得られた洗浄液の25℃でのpHをpHメーター( 堀場製作所社製、M-12)で測定した。酸化還元 位及び表面張力は前述の方法により測定し 。また、以下の方法により洗浄性-1~6、表面 平坦性-1~3、エッチング性-1~3、接触角-1~3及び 分散性を評価した。

<洗浄性評価-1> 
 研磨剤としての市販のコロイダルシリカス リー(粒径約30nm)及び研磨布を用いて、3.5イ チのNi-Pメッキされた磁気ディスク用基板を 研磨した後、超純水で表面をリンス、窒素で ブローすることにより、汚染基板を調製した 。上記調製した各洗浄液1,000部を1Lガラス製 ーカーにとり、調製した汚染基板を浸漬し 超音波洗浄機(200kHz)内で、30℃、5分間洗浄を 行った。洗浄後、基板を取り出し、超純水で 十分にリンスを行った後、窒素ガスでブロー して乾燥し、下記の評価基準に従い、基板表 面の洗浄性を微分干渉顕微鏡(Nikon社製、OPTIPH OT-2、倍率400倍)で評価した。尚、本評価は大 からの汚染を防ぐため、クラス1,000(FED-STD-20 9D、米国連邦規格、1988年)のクリーンルーム で実施した。
  ◎:ほぼ完全に除去できている。
  ○:ほとんど洗浄できている。
  △:若干粒子が残留している。
  ×:ほとんど洗浄できていない。

<洗浄性評価-2>
 研磨剤として市販のアルミナスラリー(粒径 約0.4μm)を用いた以外は、洗浄性評価-1と同様 に評価した。

<洗浄性評価-3>
 研磨剤としての市販の酸化セリウムスラリ (粒径約100nm)及び研磨布を用いて、2.5インチ の磁気ディスク用ガラス基板を研磨した後、 超純水で表面をリンス、窒素でブローするこ とにより、汚染基板を調製した以外は、洗浄 性評価-1と同様に評価した。

<洗浄性評価-4>
 研磨剤として市販のコロイダルシリカスラ ー(粒径約30nm)を用いた以外は、洗浄性評価- 3と同様に評価した。

<洗浄性評価-5>
 市販のガラス基板(コーニング社製、ガラス 板#1737、10cm×10cm)上にガラス板を切断(破断)し た際のガラス粉5mgを散布し、105℃のホットプ レート(PMC Industries社製、デジタルホットプ ートシリーズ730)上で1時間加熱したものを汚 染基板として用いた以外は、洗浄性評価-1と 様に評価した。

<洗浄性評価-6>
 市販のガラス基板(コーニング社製、ガラス 板#1737、10cm×10cm)にモデル汚染物質としてn-ト リアコンタン(東京化成工業社製)10mgを70℃の ットプレート(PMC Industries社製、デジタルホ ットプレートシリーズ730)上で1分間融着させ ことにより、汚染基板を調製した。洗浄液1 00gを200mlのガラス製ビーカーに採り、調製し 汚染基板を浸漬し、超音波洗浄機(200kHz)内 、30℃、5分間洗浄を行った。洗浄後、基板 取り出し、超純水で十分にリンスを行った 、窒素ガスでブローして乾燥し、上記洗浄 評価-1と同様の評価基準に従い、基板表面の 洗浄性を微分干渉顕微鏡(Nikon社製、OPTIPHOT-2 倍率400倍)で評価した。尚、本評価は大気か の汚染を防ぐため、クラス1,000(FED-STD-209D、 国連邦規格、1988年)のクリーンルーム内で 施した。

<表面平坦性-1>
 20mlのガラス製容器に各洗浄液を10ml採り、30 ℃に温調した後、Ni-Pメッキされた磁気ディ ク用アルミニウム基板を2cm×2cmの大きさにカ ットした基板を入れ、30℃で20分間浸漬して 浄した。洗浄後、ピンセットを用いて基板 取り出し、超純水で十分にリンスして洗浄 を除去した後、室温下(25℃)、窒素でブロー ることで基板を乾燥した。乾燥した基板表 の表面粗さ(Ra)を原子間力顕微鏡(エスアイ イ・ナノテクノロジー株式会社製、E-Sweep)を 用いて測定し、表面平坦性を評価した。尚、 試験前の基板の表面粗さ(Ra)は、0.25nmであっ 。

<表面平坦性-2>
 20mlのガラス製容器に各洗浄液を10ml採り、30 ℃に温調した後、磁気ディスク用ガラス基板 を1cm×1cmの大きさにカットした基板を入れ、3 0℃で20分間浸漬して洗浄した。洗浄後、ピン セットを用いて基板を取り出し、超純水で十 分にリンスして洗浄液を除去した後、室温下 (25℃)、窒素でブローすることで基板を乾燥 た。乾燥した基板表面の表面粗さ(Ra)を原子 力顕微鏡(エスアイアイ・ナノテクノロジー 株式会社製、E-Sweep)を用いて測定し、表面平 性を評価した。尚、試験前の基板の表面粗 (Ra)は、0.20nmであった。

<表面平坦性-3>
 20mlのガラス製容器に各洗浄液を10ml採り、30 ℃に温調した後、市販のガラス基板(コーニ グ社製、ガラス板#1737、10cm×10cm)を1cm×1cmの きさにカットした基板を入れ、30℃で20分間 漬して洗浄した。洗浄後、ピンセットを用 て基板を取り出し、超純水で十分にリンス て洗浄液を除去した後、室温下(25℃)、窒素 でブローすることで基板を乾燥した。乾燥し た基板表面の表面粗さ(Ra)を原子間力顕微鏡( スアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製 E-Sweep)を用いて測定し、表面平坦性を評価 た。尚、試験前の基板の表面粗さ(Ra)は、0.50 nmであった。

<エッチング性-1>
 1Lのポリプロピレン製容器に各洗浄液100部 採り、その中に3.5インチのNi-Pメッキされた 気ディスク用アルミニウム基板1枚を入れ、 上部にポリ塩化ビニリデン製フィルムをかけ て水分が蒸発しないように密閉し、23℃に温 された室内で12時間静置した。静置後、各 浄液を採取し、ICP発光分析装置(VARIAN社製、V arian730-ES)で洗浄液中のNi含量を測定した。尚 予め試験前の各洗浄液についても同様にNi 量を測定しておき、その差を求めることで 験中に溶出したNi含量(ppm)を求めた。この溶 したNi含量が多いほど、エッチング性が高 。

<エッチング性-2>
 1Lのポリプロピレン製容器に各洗浄液100部 採り、その中に2.5インチの磁気ディスク用 ラス基板1枚を入れ、上部にポリ塩化ビニリ ン製フィルムをかけて水分が蒸発しないよ に密閉し、23℃に温調された室内で12時間静 置した。静置後、各洗浄液を採取し、ICP発光 分析装置(VARIAN社製、Varian730-ES)で洗浄液中のN i含量を測定した。尚、予め試験前の各洗浄 についても同様にSi含量を測定しておき、そ の差を求めることで試験中に溶出したSi含量( ppb)を求めた。この溶出したSi含量が多いほど 、エッチング性が高い。

<エッチング性-3>
 50mlのポリプロピレン製容器に洗浄液10部を り、50℃に温調した後、市販のガラス基板( ーニング社製、ガラス板#1737、10cm×10cm)を2cm ×2cmの大きさにカットした基板を入れ、50℃ 24時間浸漬・静置した後、洗浄液を採取し、 ICP発光分析装置(VARIAN社製、Varian730-ES)で洗浄 中のSi含量を測定した。尚、予め試験前の 浄液についても同様にSi含量を測定しておき 、その差を求めることで試験中に溶出したSi 量(ppb)を求めた。この溶出したSi含量が多い ほど、エッチング性が高い。

<接触角測定-1>
 上記洗浄性試験-1で評価した直後の基板に いて、全自動接触角計[協和界面科学(株)社 、PD-W]を用いて、水に対する接触角(25℃、1 後)を測定した。

<接触角測定-2>
 上記洗浄性試験-3で評価した直後の基板に いて、全自動接触角計[協和界面科学(株)社 、PD-W]を用いて、水に対する接触角(25℃、1 後)を測定した。

<接触角測定-3>
 上記洗浄性試験-5で評価した直後の基板に いて、全自動接触角計[協和界面科学(株)社 、PD-W]を用いて、水に対する接触角(25℃、1 後)を測定した。

<分散性評価>
 50mlのガラス製容器に各洗浄液を30部採り、 れに前記洗浄性評価-4で使用した市販のコ イダルシリカスラリー(粒径約30nm)0.3部を加 てマグネティックスターラーを用いて1分間 拌した。5分間静置した後、動的光散乱式粒 径分布測定装置[(株)堀場製作所社製、LB-550V] 用いて粒径(メジアン粒径)を測定した。粒 が小さい程分散性に優れる。

 表1~表8の結果から、本発明の洗浄剤は、 種基板表面に付着するパーティクルの除去 が極めて優れることがわかった。また、エ チング性試験の結果から、本発明の洗浄剤 、適度なエッチング性を有するが、洗浄後 基板表面の平坦性にはほとんど変化を与え いので、洗浄時に基板表面荒れを引き起こ 心配がなく、基板表面に強固に付着したパ ティクルについても非常に有効であること わかった。更に、本発明の洗浄剤は洗浄後 基板表面の水の接触角を低くできることか 、極めて清浄な基板表面を実現できるとい た効果も奏することがわかった。

 本発明の洗浄剤は、パーティクルの洗浄 に優れているため、磁気ディスク基板(サブ ストレート基板、磁気ディスク及び磁気ヘッ ド等)、フラットパネルディスプレイ基板(液 パネル用基板、カラーフィルター基板、ア イ基板、プラズマディスプレイ用基板及び 機ELディスプレイ用基板等)、フォトマスク 板、シリコンウェハ、光学レンズ、プリン 配線基板、光通信用ケーブル、LED、太陽電 用基板及び水晶振動子等の電子材料用の洗 剤として好適に使用することができる。