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Title:
CLUTCH DEVICE FOR MOTORCYCLE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/093529
Kind Code:
A1
Abstract:
A clutch device for a motorcycle, capable of being smoothly released. The clutch device (100) has a clutch housing (1), an output-side rotating body (2), a clutch section (3), a pressure plate (4), a diaphragm spring (5), and a release member (6). The diaphragm spring (5) has a spring section (51) and levers (52). The spring section (51) presses the pressure plate (4) at a position radially inward from the position at which the spring section (51) is supported by the output-side rotating body (2).

Inventors:
IMANISHI YOSHIO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/050542
Publication Date:
July 30, 2009
Filing Date:
January 16, 2009
Export Citation:
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Assignee:
EXEDY CORP (JP)
IMANISHI YOSHIO (JP)
International Classes:
F16D13/71; F16D13/52; F16D23/14
Foreign References:
JP2006316868A2006-11-24
JP2006316869A2006-11-24
JP2005249083A2005-09-15
JP2006170400A2006-06-29
JP2000027890A2000-01-25
JPS59200814A1984-11-14
Attorney, Agent or Firm:
SHINJYU GLOBAL IP (1-4-19 Minamimori-machi,Kita-ku, Osaka-shi, Osaka 54, JP)
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Claims:
 入力側部材から出力側部材に動力を伝達し、レリーズ機構を作動させることにより動力伝達を遮断するモータサイクル用クラッチ装置であって、
 前記入力側部材および出力側部材の一方に連結されたクラッチハウジングと、
 前記クラッチハウジングの内側に設けられ、前記入力側部材および前記出力側部材の他方に連結された回転体と、
 前記クラッチハウジングと前記回転体との間で動力伝達および遮断を行うための少なくとも1枚のプレート部材を有するクラッチ部と、
 前記プレート部材を押圧するためのプレッシャ部材と、
 前記回転体により軸方向に支持され前記回転体による支持位置よりも径方向内側で前記プレッシャ部材を押圧するスプリング部と、前記スプリング部から径方向内側に延び回転方向に並んで配置された複数のレバー部と、を有する第1弾性部材と、
 前記レリーズ機構の作動時に前記回転体側に駆動される部材であって前記レバー部と当接可能なレリーズ部材と、
を備えたモータサイクル用クラッチ装置。
 前記回転体は、前記クラッチ部が押し付けられるフランジ部と、前記フランジ部の前記クラッチ部と反対側に配置され前記スプリング部と当接する支持突起と、を有している、
請求項1に記載のモータサイクル用クラッチ装置。
 前記支持突起は、前記プレート部材の摩擦面の径方向中央と概ね同じ径方向位置に配置されている、
請求項2に記載のモータサイクル用クラッチ装置。
 前記第1弾性部材の押圧力より小さい力で前記プレッシャ部材を押圧可能な第2弾性部材をさらに備えた、
請求項1から3のいずれかに記載のモータサイクル用クラッチ装置。
 前記回転体は、軸方向に貫通した孔を有しており、
 前記プレッシャ部材は、軸方向に突出し前記孔を通る突出部と、前記突出部の先端に配置された接触部と、を有しており、
 前記第2弾性部材は、前記接触部と前記第1弾性部材との間に配置されている、
請求項4に記載のモータサイクル用クラッチ装置。
 前記回転体と前記プレッシャ部材との間に配置され、前記第1弾性部材の押圧力より小さい力で前記プレッシャ部材を前記クラッチ部から離す側に押圧するリターン部材をさらに備えた、
請求項1から3のいずれかに記載のモータサイクル用クラッチ装置。
 前記プレッシャ部材は、前記クラッチ部の前記レリーズ機構が配置されている側の反対側から前記クラッチ部に接触可能である、
請求項1から6のいずれかに記載のモータサイクル用クラッチ装置。
Description:
モータサイクル用クラッチ装置

 本発明は、クラッチ装置、特に、モータ イクルに用いられるクラッチ装置に関する

 一般に、自動二輪車やバギー等のモータ イクルでは、エンジンからトランスミッシ ンへ動力を伝達あるいは遮断するためにク ッチ装置が用いられている。このクラッチ 置は、クラッチハウジングと、出力側回転 と、クラッチ部と、プレッシャプレートと レリーズ機構と、を備えている。クラッチ ウジングはエンジンのクランク軸に連結さ ている。出力側回転体はトランスミッショ の入力軸に連結されている。クラッチ部は クラッチハウジングから出力側回転体への 力の伝達または遮断を行う。プレッシャプ ートはクラッチ部を押圧する。レリーズ機 はプレッシャプレートのクラッチ部への押 力を解除する。クラッチ部は、クラッチハ ジングに支持された複数の第1クラッチプレ ートと、出力側回転体に支持された複数の第 2クラッチプレートと、を有している。第1お び第2クラッチプレートは交互に配置されて いる。

 このクラッチ装置では、プレッシャプレ トによりクラッチ部が押圧されると、クラ チ部を介してクラッチハウジングから出力 回転体へ動力が伝達される。動力伝達状態 ら動力遮断状態にクラッチ装置の状態が切 替えられる際には、レリーズ機構によりプ ッシャプレートのクラッチ部への押圧力が 除される。プレッシャプレートのクラッチ への押圧力が解除されると、クラッチ部を してクラッチハウジングから出力側回転体 動力が伝達されなくなる。

 この種のクラッチ装置として、ダイヤフ ムスプリングを用いてプレッシャプレート 押圧するクラッチ装置が知られている(例え ば、特許文献1を参照)。このクラッチ装置で 、レリーズ部材を用いてダイヤフラムスプ ングのプレッシャプレートへの押圧力を解 している。

 動力伝達状態では、ダイヤフラムスプリン によりプレッシャプレートがクラッチ部に 圧されており、クラッチ部の複数のクラッ プレートが互いに圧接されている。操作者 クラッチレバーを握ると、動力伝達状態か 動力遮断状態にクラッチ装置の状態が切り えられる。具体的には、操作者がクラッチ バーを握ると、レリーズ部材が軸方向に移 する。レリーズ部材が軸方向に移動すると ダイヤフラムスプリングのプレッシャプレ トへの押圧力が解除され、第1および第2ク ッチプレート間の動力伝達が遮断される。

実公昭53-55051号公報

 特許文献1に記載のクラッチ装置では、ダ イヤフラムスプリングはピボット部材を介し て出力側回転体に支持されている。具体的に は、ダイヤフラムスプリングはピボット部材 と出力側回転体とに狭持されている。ダイヤ フラムスプリングとピボット部材との接点を 支点としてダイヤフラムスプリングがプレッ シャプレートを押圧している。

 しかし、ダイヤフラムスプリングがピボ ト部材と出力側回転体とに狭持されている め、ボルトによるダイヤフラムスプリング 締め付けが強いと、ダイヤフラムスプリン の姿勢を変化させる際にヒステリシスが発 し、ダイヤフラムスプリングの動作がレリ ズ動作に追従しにくくなる。すなわち、円 なレリーズ動作が妨げられる。

 一方、ボルトによるダイヤフラムスプリ グの締め付けが緩いと、ダイヤフラムスプ ングの支持部分にがたつきが発生し、ダイ フラムスプリングのプレッシャプレートへ 押圧力が小さくなる。この場合、クラッチ 置として十分な押圧力が得られないおそれ ある。

 以上より、ボルトによるダイヤフラムス リングの締め付けを強くしているのが実状 あるが、この場合、円滑なレリーズ動作が げられる。

 本発明の課題は、円滑なレリーズ動作を 現できるクラッチ装置を提供することにあ 。

 本発明に係るモータサイクル用クラッチ 置は、入力側部材から出力側部材に動力を 達し、レリーズ機構を作動させることによ 動力伝達を遮断するクラッチ装置である。 のクラッチ装置は、クラッチハウジングと 回転体と、クラッチ部と、プレッシャ部材 、第1弾性部材と、レリーズ部材と、を備え ている。クラッチハウジングは、入力側部材 および出力側部材の一方に連結されている。 回転体は、クラッチハウジングの内側に設け られ、入力側部材および出力側部材の他方に 連結されている。クラッチ部は、クラッチハ ウジングと回転体との間で動力伝達および遮 断を行うための少なくとも1枚のプレート部 を有している。プレッシャ部材はプレート 材を押圧する。第1弾性部材は、回転体によ 軸方向に支持されており、スプリング部と 数のレバー部とを有している。スプリング は、回転体による支持位置よりも径方向内 でプレッシャ部材を押圧する。複数のレバ 部は、スプリング部から径方向内側に延び おり、回転方向に並んで配置されている。 リーズ部材は、レリーズ機構の作動時に回 体側に駆動される部材であって、レバー部 当接可能である。

 弾性部材によりプレッシャ部材が押圧さ ると、プレッシャ部材によりプレート部材 押圧される。この結果、入力側部材からク ッチハウジングへ伝達された動力は、クラ チハウジングからクラッチ部のプレート部 および回転体を介して出力側部材に伝達さ る。この状態でレリーズ部材が回転体側に 動すると、レリーズ部材によりレバー部が 圧され、スプリング部のプレッシャ部材へ 押圧力が解除される。この結果、プレート 材から回転体への動力伝達が遮断される。

 このクラッチ装置では、回転体による支 位置よりも径方向内側でスプリング部がプ ッシャ部材を押圧している。つまり、スプ ング部は回転体とプレッシャ部材とにより 方向に挟み込まれていない。このため、ス リング部が弾性変形する際にスプリング部 支持部で余分なヒステリシスが発生せず、 滑なレリーズ動作を実現することができる

本発明の一実施形態に係るクラッチ装 の縦断面図。 クラッチ装置の正面図。 動力遮断状態のクラッチ装置の断面図 他の実施形態に係るクラッチ装置の縦 面図。 他の実施形態に係るクラッチ装置の縦 面図。

符号の説明

1 クラッチハウジング
2 出力側回転体(回転体の一例)
3 クラッチ部
4 プレッシャプレート(プレッシャ部材の一 )
5 ダイヤフラムスプリング(第1弾性部材の一 )
6 レリーズ部材
13 入力ギア(入力側部材の一例)
42 押圧突出部(突出部の一例)
51 スプリング部
52 レバー部
100 クラッチ装置
200 ドラグトルク用弾性部材(第2弾性部材の 例)
223 貫通孔(孔の一例)
224 支持突起
300 リターンスプリング(リターン部材の一例 )

 <全体構成>
 図1および図2を用いて、クラッチ装置100の 体構成について説明する。図1は動力伝達状 におけるクラッチ装置100の全体断面図であ 。図2はクラッチ装置100を軸方向外側から見 た図である。「軸方向外側」とは図1におけ 右方向を意味しており、「軸方向内側」と 図1における左方向を意味している。

 図1および図2に示すクラッチ装置100は、 ータサイクルに用いられる装置である。ク ッチ装置100は、エンジンのクランク軸から ランスミッションへ動力を伝達し、かつ、 リーズ動作により動力伝達を遮断するため 装置である。

 このクラッチ装置100では、レリーズ部材6 を軸方向内側に移動させることにより動力伝 達状態(クラッチオン)から動力遮断状態(クラ ッチオフ)にクラッチ装置100の状態が変化す 。つまり、クラッチ装置100は、いわゆるプ シュタイプのクラッチ装置である。レリー 部材6の軸方向外側にはレリーズ部材6を軸方 向に移動させるためのレリーズ機構(図示せ )が配置されている。

 図1および図2に示すように、クラッチ装 100は、クラッチハウジング1と、出力側回転 2(回転体の一例)と、クラッチ部3と、プレッ シャプレート4(プレッシャ部材の一例)と、ダ イヤフラムスプリング5(第1弾性部材の一例) 、レリーズ部材6と、を備えている。

 <クラッチハウジング>
 クラッチハウジング1は、円板部10と、筒状 11と、を有している。筒状部11は、円板部10 外周端部から軸方向外側に延びている。円 部10には複数の環状のゴム部材12を介して入 力ギア13がボルト14により装着されている。 の入力ギア13は、エンジン側のクランク軸に 固定された駆動ギア(図示せず)に噛み合って る。なお、ゴム部材12はエンジンからの振 を吸収するために設けられた部材である。 ム部材12の代わりに、例えばコイルスプリン グのような弾性部材を用いても良い。筒状部 11には、軸方向内側に凹む複数の凹部15が形 されている。

 <出力側回転体>
 出力側回転体2は、クラッチハウジング1の 周側に配置されている。出力側回転体2は、 筒状の出力側円筒部21と、円板状の出力側 板部22と、を有している。

 出力側円筒部21は、入力ギア13と同軸上で あって入力ギア13の軸方向外側に配置されて る。出力側円筒部21の内周面には、スプラ ン211が形成されている。このスプライン211 トランスミッションの入力軸(図示せず)と噛 み合っている。出力側円筒部21は、クラッチ ウジング1に対して回転可能であるが、クラ ッチハウジング1に対する軸方向位置は固定 れている。

 出力側円板部22は、出力側円筒部21から径 方向外側に向かって延びる環状の部分である 。出力側円板部22は、径方向外部に設けられ フランジ部221と、環状の突出部222と、を有 ている。フランジ部221はクラッチ部3に接触 可能になっている。突出部222は、軸方向内側 に突出しており、外面にスプライン222aを有 ている。出力側円板部22は、回転方向に等間 隔で配置され押圧突出部42が通る6つの貫通孔 223(孔の一例)を有している。

 出力側円板部22には径方向外側端部に軸方 外側に向かって突出する支持突起224および6 の爪部225が設けられている。この支持突起2 24は、環状の部分であり、ダイヤフラムスプ ング5を軸方向に支持している。具体的には 、支持突起224は、ダイヤフラムスプリング5 軸方向内側から接触可能である。支持突起22 4は、クラッチ部3(第1クラッチプレート31およ び第2クラッチプレート32)の摩擦面の径方向 央と概ね同じ径方向位置に配置されている
爪部225は、ダイヤフラムスプリング5の周方 移動を規制するための突起であり、支持突 224よりも径方向外側に配置されている。爪 225は周方向に等間隔に並べて配置されてい 。

 <クラッチ部>
 クラッチ部3は、クラッチハウジング1と出 側回転体2との間で動力の伝達および遮断を うための部分である。また、クラッチ部3は 、2枚の第1クラッチプレート31(プレート部材) と、1枚の第2クラッチプレート32(プレート部 )と、を有している。第1および第2クラッチ レート31および32は、環状の部材であり、軸 方向に交互に配置されている。第1クラッチ レート31の外周部には径方向外側に突出する 複数の係合突起311が形成されている。この係 合突起311がクラッチハウジング1の筒状部11に 形成された凹部15に噛み合っている。第1クラ ッチプレート31は軸方向両側に配置された摩 フェーシングを有している。第2クラッチプ レート32の内周部にはスプライン321が形成さ ている。このスプライン321が出力側回転体2 のスプライン222aと噛み合っている。第1クラ チプレート31と同様に、第2クラッチプレー 32は軸方向両側に配置された摩擦フェーシ グを有している。

 <プレッシャプレート>
 プレッシャプレート4は、クラッチ部3のレ ーズ部材6が配置されている側の反対側から ラッチ部3に接触可能である。すなわち、プ レッシャプレート4はクラッチ部3の第1クラッ チプレート31を押圧可能な部材である。また プレッシャプレート4は、第1クラッチプレ ト31を押圧することで、クラッチハウジング 1と出力側回転体2との間で動力伝達が可能と るようにクラッチ部3を作動させることがで きる。さらに、プレッシャプレート4は、出 側回転体2の軸方向内側に配置されている。 レッシャプレート4は、円板状の押圧円板部 41と、軸方向外側に向かって突出する6つの押 圧突出部42と、ダイヤフラムスプリング5に接 触可能な支持リング43(接触部の一例)と、を している。

 押圧円板部41は、出力側円筒部21の径方向 外側に配置されており、クラッチ部3の第1ク ッチプレート31に摩擦係合可能になってい 。押圧円板部41には潤滑油が通過可能な複数 の孔412が設けられている。押圧円板部41の径 向外部の内面には内側スプライン413が形成 れている。この内側スプライン413は突出部2 22の外周部に形成されたスプライン222aと噛み 合っている。

 押圧突出部42は、押圧円板部41の径方向内 側に配置されており、押圧円板部41から軸方 外側に向かって突出している。6つの押圧突 出部42は周方向に等間隔に配置されている。 圧突出部42は貫通孔223に挿入されている。

 支持リング43はダイヤフラムスプリング5 より軸方向外側に押圧される環状の部材で る。支持リング43は押圧突出部42の先端にボ ルト431により固定されている。支持リング43 は外周端部から軸方向内側に向かって突出 る突出部432が形成されている。図2に示すよ うに、支持リング43は内周から径方向外側に かって窪む複数の凹部433を有している。

 <ダイヤフラムスプリング>
 ダイヤフラムスプリング5は、プレッシャプ レート4を押圧するための部材であり、出力 回転体2と軸方向に対向するように配置され いる。ダイヤフラムスプリング5は、スプリ ング部51と、複数のレバー部52とを有してい 。

 スプリング部51はプレッシャプレート4を 方向外側に押圧するための環状の部分であ 。スプリング部51はフランジ部221のクラッ 部3と反対側の面に接触している。図2に示す ように、さらに、スプリング部51は2つの爪部 225の間に挿入可能な挿入突起53を外周に有し いる。複数の挿入突起53は等間隔に並べて 置されている。

 さらに、スプリング部51の径方向外部は 支持突起224に接触しており、スプリング部51 の径方向内部は、突出部432に接触している。 出力側回転体2はトランスミッションの入力 と噛み合ってしているため、軸方向の移動 規制されており、スプリング部51の径方向外 部の軸方向内側への移動が規制されている。

 レバー部52はスプリング部51の出力側回転 体2への押圧を解除するための部分である。 た、レバー部52はスプリング部51の内周から 方向内側に向かって延びるように形成され いる。さらに、レバー部52は2つの隣り合う 圧突出部42の間に配置されている。そして レバー部52は径方向内側端部でレリーズ部材 6に接触している。レバー部52は径方向内側に 向かって徐々に幅が狭くなるように形成され ている。ここで、クラッチ装置100が動力伝達 状態から動力遮断状態に変化する際には、ス プリング部51の支持突起224と接触している部 が梃子の原理における支点として、スプリ グ部51の支持リング43に接触している部分が 梃子の原理における作用点として、レバー部 52のレリーズ部材6と接触している部分が梃子 の原理における力点として機能する。

 <レリーズ部材>
 レリーズ部材6は、クラッチ部3の動力伝達 態と動力遮断状態とを切り替えるための環 の部材であり、ダイヤフラムスプリング5の 方向外側に配置されている。レリーズ部材6 には軸方向内側の面に軸方向内側に向かって 突出するレリーズ突出部61が形成されている このレリーズ突出部61はダイヤフラムスプ ング5のレバー部52の径方向内側端部と当接 ている。レリーズ部材6は外周から径方向外 に向かって突出する複数のレリーズ突起63 有している。このレリーズ突起63は支持リン グ43の凹部433に挿入されており、レリーズ突 63が凹部433に挿入されることでレリーズ部 6の周方向移動(レリーズ部材6と支持リング43 との相対回転)が規制されている。レリーズ 材6は、動力伝達状態を動力遮断状態に切り える際にレリーズ機構(図示せず)の作動に り軸方向内側に移動する。

 <動作>
 次に、図1~図3を用いてクラッチ装置100の動 について説明する。図3は動力遮断状態にお けるクラッチ装置100の断面図である。

 図1に示すように動力伝達状態では、ダイ ヤフラムスプリング5のスプリング部51の径方 向内部により支持リング43を介してプレッシ プレート4が軸方向外側に押圧されている。 この結果、プレッシャプレート4の押圧円板 41と出力側回転体2のフランジ部221との間に ラッチ部3が挟み込まれる。この状態では、 レッシャプレート4、2枚の第1クラッチプレ ト31および第2クラッチプレート32がそれぞ 摩擦係合している。

 エンジンのクランク軸に固定された駆動 ア(図示せず)から入力ギア13に動力が伝達さ れると、この動力は入力ギア13からクラッチ ウジング1に伝達される。クラッチハウジン グ1に伝達された動力はクラッチハウジング1 らクラッチ部3を介して出力側回転体2に伝 される。この結果、クラッチ装置100を介し エンジンからトランスミッションの入力軸 動力が伝達される。

 動力伝達状態を動力遮断状態に切り替え 際には、図3に示すように、レリーズ部材6 軸方向内側に移動させる。レリーズ部材6を 方向内側に移動させるとダイヤフラムスプ ング5のレバー部52の先端が軸方向内側に移 する。レバー部52の先端が軸方向内側へ移 すると、スプリング部51の支持リング43への 圧力が解除され、プレッシャプレート4が軸 方向内側へ移動可能となる。スプリング部51 支持突起224とプレッシャプレート4の支持リ ング43とにより軸方向に挟み込まれていない め、ダイヤフラムスプリング5の姿勢の変化 が円滑となり、レリーズ動作が円滑となる。

 プレッシャプレート4が軸方向内側へ移動 可能な状態では、プレッシャプレート4、2枚 第1クラッチプレート31、第2クラッチプレー ト32および出力側回転体2がそれぞれ相対回転 可能となる。この結果、エンジンからトラン スミッションへの動力伝達が解除される。

 <特徴>
 以上に説明したクラッチ装置100の特徴を以 にまとめる。

 (1)
 このクラッチ装置100では、出力側回転体2の 支持突起224によりダイヤフラムスプリング5 スプリング部51の外周部が軸方向に支持され ており、支持突起224の支持位置よりも径方向 内側でスプリング部51がプレッシャプレート4 (より詳細には、支持リング43)を押圧してい 。つまり、スプリング部51は支持突起224とプ レッシャプレート4の支持リング43とにより軸 方向に挟み込まれていない。このため、スプ リング部51が弾性変形する際にスプリング部5 1が支持されている部分で余分なヒステリシ (抵抗)が発生せず、円滑なレリーズ動作を実 現することができる。

 (2)
 このクラッチ装置100では、支持突起224がフ ンジ部221のクラッチ部3と反対側に配置され ているため、ダイヤフラムスプリング5から 持突起224に伝達される力と、プレッシャプ ート4からクラッチ部3を介してフランジ部221 に伝達される押付力と、が相殺されやすくな る。これにより、出力側回転体2の剛性を高 る必要がなくなり、出力側回転体2の軸方向 法を短縮することができる。つまり、クラ チ装置100の小型化が可能となる。

 (3)
 このクラッチ装置100では、第1クラッチプレ ート31および第2クラッチプレート32の摩擦面 径方向中央と概ね同じ径方向位置に支持突 224が配置されているため、ダイヤフラムス リング5から支持突起224に伝達される力と、 プレッシャプレート4からクラッチ部3を介し フランジ部221に伝達される押付力と、がよ 相殺されやすくなる。

 ここで、支持突起224の径方向の位置は、 擦面の径方向中央と完全に同じ場合が好ま いが、ダイヤフラムスプリング5から伝達さ れる力とプレッシャプレート4の押付力とが 殺される範囲内で摩擦面の径方向中央から れていてもよい。

 <他の実施形態>
 本発明の具体的構成は、前述の実施形態に 定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲 おいて種々の変更および修正が可能である

 なお、前述の実施形態の構成と実質的に じ機能を有する構成については、同じ符号 付し、その詳細な説明は省略する。

 (A)
 図4に示すように、ダイヤフラムスプリング 5と支持リング43との間に弾性部材200(第2弾性 材の一例)を配置しても良い。この弾性部材 200は、動力遮断時にドラグトルクを発生させ るための部材であり、例えば、軸方向に弾性 変形可能な複数の樹脂部材である。弾性部材 200により発生する弾性力は、ダイヤフラムス プリング5の押圧力よりも小さい。弾性部材20 0は、支持リング43の突出部432により径方向に 位置決めされており、動力伝達状態でスプリ ング部51と支持リング43との間に予め軸方向 圧縮された状態で配置されている。

 さらに、レリーズ部材6によりレバー部52 軸方向内側に押された状態(動力遮断状態) も、支持リング43とダイヤフラムスプリング 5との軸方向間で弾性部材200は圧縮されてい 。このため、動力遮断状態においてダイヤ ラムスプリング5の押圧力よりも小さい力で レッシャプレート4は軸方向外側に押圧され ている。動力遮断時の弾性部材200の押圧力は 、トランスミッションのギヤをニュートラル 位置から噛み合い位置に移動させる際にエン ジンが停止しない程度のドラグトルクが、ク ラッチ部3で発生するように設定されている

 この場合、弾性部材200を設けることで、 力遮断時にトランスミッションのギヤが低 で回転し、シンクロ機構がない場合でもニ ートラルから第1速への切り換えが円滑とな る。

 なお、この実施形態において弾性部材200 樹脂部材を用いたが、弾性部材200は、弾性 形可能な部材であればよく、例えばコイル プリングやコーンスプリングであってもよ 。

 (B)
 図5に示すように、クラッチ装置100にリター ンスプリング300をさらに設けても良い。この リターンスプリング300は、ダイヤフラムスプ リング5の押圧力よりも小さい荷重でプレッ ャプレート4を第1クラッチプレート31から離 側に押圧するための部材であり、例えばコ ルスプリングである。リターンスプリング3 00は、出力側回転体2とプレッシャプレート4 の間に配置されている。より詳細には、出 側回転体2の出力側円板部22の軸方向内側に 数の第1突出部29が形成されており、プレッ ャプレート4の軸方向外側の面に第2突出部49 第1突出部29に対向するように設けられてい 。リターンスプリング300の第1端部が第1突 部29に支持されており、第2端部が第2突出部4 9に支持されている。

 この場合、リターンスプリング300により 力側回転体2とプレッシャプレート4とが離 るように押圧されているために、動力伝達 態を動力遮断状態に切り替える際にプレッ ャプレート4が第1クラッチプレート31から離 やすくなる。つまり、リターンスプリング3 00は、動力遮断状態への切り換えを円滑に行 たい場合に有効である。

 (C)
 さらに、上記実施形態では、支持リング43 プレッシャプレート4とは別の部材であるが プレッシャプレート4と支持リング43とが一 で形成されていても良い。また、支持リン 43がダイヤフラムスプリング5のスプリング 51と当接しているが、レバー部52に当接する 構成であっても良い。

 本発明に係るクラッチ装置では、レリー 動作を円滑に行うことができるため、円滑 レリーズ動作が必要とされるモータサイク の分野で有用である。