Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
COATED ELECTRODE AND ORGANIC ELECTROLYTE CAPACITOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/078777
Kind Code:
A1
Abstract:
A capacitor electrode which can be industrially manufactured and has a high conductivity, high strength and excellent uniformity is provided. A capacitor using such capacitor electrode is also provided. A coated electrode is provided with a collector composed of an aluminum etching foil, which has a thickness of 20-45μm, an apparent density of 2.00-2.54g/cm3 and many through holes that penetrate the front and rear surfaces having an air permeability of 20-120s; and an electrode layer, which is formed by coating the collector with a coating material containing a substance that can reversibly support lithium ions and anions as an active material.

Inventors:
MARUMO CHISATO (JP)
MATSUMOTO KENICHI (JP)
TOYOMASU YUKA (JP)
OHSHIMA MAKOTO (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/074967
Publication Date:
July 03, 2008
Filing Date:
December 26, 2007
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
NIPPON MICRO COATING KK (JP)
MARUMO CHISATO (JP)
MATSUMOTO KENICHI (JP)
TOYOMASU YUKA (JP)
OHSHIMA MAKOTO (JP)
International Classes:
H01G11/12; H01G11/28; H01G11/42; H01G11/44; H01G11/50; H01G11/62; H01G11/70; H01M4/13; H01M4/139; H01M4/62; H01M4/66; H01M4/80; H01M50/105
Domestic Patent References:
WO2004097867A22004-11-11
WO2006112068A12006-10-26
WO2003003395A12003-01-09
WO2005031773A12005-04-07
Foreign References:
JP2005129924A2005-05-19
Other References:
See also references of EP 2099043A4
Attorney, Agent or Firm:
OHI, Masahiko (4 Kanda Surugadai 3-chom, Chiyoda-ku Tokyo 62, JP)
Download PDF:
Claims:
 厚さが20~45μm及び見掛密度が2. 00~2. 54g/cm で、透気度20~120sの表裏面を貫通する多数の貫通孔を有するアルミニウムエッチング箔よりなる集電体と、この集電体上に、活物質として、リチウムイオン及びアニオンを可逆的に担持可能な物質を含有する塗料が塗布されることによって形成された電極層とを有することを特徴とする塗布電極。
 前記集電体の貫通孔の80%以上が、孔径1~30μmであることを特徴とする請求項1に記載の塗布電極。
 前記電極層は、その厚さが20~200μmで、前記集電体の片面または両面に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の塗布電極。
 前記塗料が、水系バインダーを含むことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれかに記載の塗布電極。
 正極、負極及びリチウムイオンを移送可能な電解質を備えた有機電解質キャパシタであって、
 前記正極は、請求項1~請求項4のいずれかに記載の塗布電極よりなり、
 前記負極は、負極活物質として、リチウムイオンを可逆的に担持可能な物質を含有し、表裏面を貫通する多数の貫通孔を有する集電体と、この集電体上に形成された負極活物質層とを有し、当該負極にリチウムを電気化学的に担持させていることを特徴とする有機電解質キャパシタ。
 前記電解質を含む電解液が、リチウム塩の非プロトン性有機溶媒溶液であることを特徴とする請求項5に記載の有機電解質キャパシタ。
 正極及び負極からなる電極対を積層することにより構成されていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の有機電解質キャパシタ。
 正極及び負極からなる電極対を巻回することにより構成されていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の有機電解質キャパシタ。
Description:
塗布電極及び有機電解質キャパ タ

 本発明は、塗布電極及びそれを利用した エネルギー密度、高パワー密度の有機電解 キャパシタに関する。特に、表裏面に多数 貫通孔を有する集電体上に電極層が形成さ てなる塗布電極及びそれを用いる高エネル ー密度、高パワー密度のリチウムイオンの 動を伴う有機電解質キャパシタに関する。

 近年、太陽光発電または風力発電などに るクリーンエネルギーの貯蔵・供給システ や、電気自動車またはハイブリッド電気自 車などに用いられる電源などの新しい電源 ステムの開発が盛んに行われている。この うな新しい電源システムにおいて、従来、 電池として鉛電池やニッケル・カドミウム 池などが広く用いられてきたが、これらに わる電源として、高エネルギー密度で、か 、高出力密度のものが求められるようにな てきた。

 このような要求に応える蓄電源または駆 電源として、リチウムイオン電池や電気二 層キャパシタが注目されている。しかし、 チウムイオン電池はエネルギー密度が高い のの、出力特性、サイクル寿命及び安全性 点で問題がある。

 一方、電気二重層キャパシタは、放電容 は電池に比べ小さいものの、出力特性に優 、数万サイクル以上の充放電にも耐える長 命を有するため、携帯電話やデジタルカメ などのメモリーバックアップ用電源として く利用されている。しかし、一般的な電気 重層キャパシタのエネルギー密度は3~5Wh/l程 度で、リチウムイオン電池に比べて二桁程度 小さいため、少なくとも10~20Wh/lのエネルギー 密度が要求されるハイブリッド電気自動車な どの駆動電源用としては、実用化が進展して いないのが現状である。

 また、最近においては、高エネルギー密度 かつ、高出力特性を求められる用途に対応 る蓄電源として、リチウムイオンの移動を う有機電解質蓄電源として、表裏を貫通す 孔を備えた正極集電体及び負極集電体とリ ウムを可逆的に担持可能な負極活物質を用 、負極と負極に対向して配置されたリチウ を電気化学的に接触させることにより、負 活物質にリチウムを担持させる有機電解質 ャパシタが提案されている(特許文献1およ 特許文献2参照)。

国際公開WO/2003/003395号パンフレット

国際公開WO/2005/031773号パンフレット

 このような有機電解質キャパシタにおい は、集電体に表裏面を貫通する孔を設ける とにより、リチウムイオンは、電極集電体 遮断されることなく、電極の表裏面間を移 できるようになる。そのため、積層枚数の いセル構造において、貫通孔を通じて、リ ウムイオンを、リチウム近傍に配置された 極だけでなく、リチウムから離れて配置さ た負極にも、電気化学的に担持させること 可能となる。

 この有機電解質キャパシタに用いられる 電体としては、表裏面を貫通する孔を有す 多孔質金属箔、例えば、エキスパンドメタ 、パンチングメタル、金属網、発泡体、ま はエッチングにより貫通孔を付与した多孔 エッチング箔等が挙げられる。

 また、正極集電体としては、その電気化 的特性と軽量化の観点から、アルミニウム 材を加工したエキスパンドメタル、パンチ グメタル、電解エッチング箔、ケミカルエ チング箔等を利用することが検討され、一 、負極集電体としては、ステンレス、銅、 ッケル等の材質から成るエキスパンドメタ 、パンチングメタル、電解エッチング箔、 ミカルエッチング箔等を利用することがが 討されている。

 しかしながら、正極集電体としてアルミ ウム製のエキスパンドメタルを用いた場合 は、基材の強度が低いため、塗工工程また スリット工程におけるテンションにより、 材の切断あるいは変形が生じるなどの問題 あった。

 また、アルミニウム製のエキスパンドメ ル、パンチングメタル等は、多孔質基材の 面に酸化皮膜が形成されているため、基材 直接電極塗料を塗工した場合には、基材と 接触抵抗が高く、電気抵抗の低い電極を製 することができないという問題があった。

 さらに、従来のアルミニウム電解エッチ グ箔においては、微細な貫通孔を有する、 さ100μm未満の多孔質箔を工業的に製造する とは困難であり、従って、厚さ100μm以上の ルミニウム電解エッチング箔では、透気度 低い(貫通性の低い)ものしか製造すること できなかった。

 上述のように、従来、工業的に製造可能 多孔質金属集電体、例えば、エキスパンド タルのような表裏面を貫通する孔を有する 電体上に塗工した電極は、厚さが同等の無 金属箔電極と比べ、引っ張り強度が低く、 切れが発生し易く、歩留まりが低くなる。 のため、塗工中の基材の切断を防止するよ 、塗工スピードを低く抑えることが必要と り、その結果、生産性が低下する、という 題があった。

 また、電極の電気抵抗を低下させるため 、導電層を下塗りし、その上に電解塗料を るという工程を経なければならず、処理工 が増えて煩雑化する、という問題があった  

 本発明は、以上の問題に鑑みて為された のであり、その目的は、工業的に生産が可 で、導電性が高くかつ高強度で、均一性に れた塗布電極を提供することにある。

 本願発明の他の目的は、その電極を利用 て、高エネルギー密度、高出力かつ低抵抗 リチウムイオンの移動を伴う有機電解質キ パシタを提供することにある。

 上記目的を達成するべく、本発明の塗布電 は、厚さが20~45μm及び見掛密度が2. 00~2. 54g /cm で、透気度20~120sの表裏面を貫通する多数の 通孔を有するアルミニウムエッチング箔よ なる集電体と、この集電体上に、活物質と て、リチウムイオン及びアニオンを可逆的 担持可能な物質を含有する塗料が塗布され ことによって形成された電極層とを有する とを特徴とする。

 本発明の塗布電極においては、前記集電 の貫通孔の80%以上が、孔径1~30μmであること が好ましい。

 また、本発明の塗布電極においては、前 電極層は、その厚さが20~200μmで、前記集電 の片面または両面に形成されていることが ましい。

 また、本発明の塗布電極においては、前 塗料が、水系バインダーを含むことが好ま い。

 本発明の有機電解質キャパシタは、正極、 極及びリチウムイオンを移送可能な電解質 備えた有機電解質キャパシタであって、
 前記正極は、上記の塗布電極よりなり、
 前記負極は、負極活物質として、リチウム オンを可逆的に担持可能な物質を含有し、 裏面を貫通する多数の貫通孔を有する集電 と、この集電体上に形成された負極活物質 とを有し、当該負極にリチウムを電気化学 に担持させていることを特徴とする。

 本発明の有機電解質キャパシタにおいて 、前記電解質を含む電解液が、リチウム塩 非プロトン性有機溶媒溶液であることが好 しい。

 また、本発明の有機電解質キャパシタに いては、正極及び負極からなる電極対を積 することにより構成されていてもよい。

 また、本発明の有機電解質キャパシタに いては、正極及び負極からなる電極対を巻 することにより構成されていてもよい。

本発明に係る有機電解質キャパシタの 実施例の構成を示す説明図である。 図1に示す電極ユニットをラミネートフ ィルム20,21で外装した構成を示す説明図であ 。。 本発明に係る有機電解質キャパシタの の実施例を略示した説明図である。

符号の説明

 1 電極ユニット
 2 負極
 3 正極
 4,5,6 セパレータ
 7 リチウム箔
 8 負極集電体
 9 正極集電体
20,21 ラミネートフィルム
22,23 端子
30 正極
31 負極
32 セパレータ
33 ユニット

 以下、本発明について詳細に説明する。 ず、本発明の第1 の発明である塗布電極及 その製造方法について説明し、次に、本発 の第2の発明である当該塗布電極を用いたキ ャパシタについて説明する。以下は、本発明 の好適実施例であり、本願発明はこれに限定 されるものではない。

 1. 塗布電極
 本発明に係る塗布電極は、厚さが20~45μm 、 見掛密度が2. 00~2. 54g/cm 、透気度20~120sの表裏面を貫通する多数の貫 孔を有するアルミニウムエッチング箔より る集電体と、その表面または表裏面上に形 された電極層とからなるものであり、電極 は、活物質としてリチウムイオン及びアニ ンを可逆的に担持可能な物質を含有する塗 を塗布することによって形成される。

 集電体として使用されるエッチング箔は 硬質箔または軟質箔のいずれでもよいが、 工工程において変形が残り難い点では、硬 箔は軟質箔よりも好ましい。

 エッチング箔の厚さは、20~45μmであり、好 しくは20~40μm、より好ましくは20~35μmである
 また、エッチング箔の引っ張り強度は、20~2 50N/mm 、好ましくは40~200N/mm 、より好ましくは60~200N/mm である。
 エッチング箔の厚さが過大である場合には 電極全体の厚さが大きくなり、電極全体に める活物質の量が低下するので、得られる ャパシタのエネルギー密度またはパワー密 が低下するばかりか、塗工工程での作業性 低下する。一方、エッチング箔の厚さが過 である場合には、電極の強度が低下し、基 切れの原因となるため、塗工工程における 留まりが低下する。従って、本発明者らは 意研究を重ねた結果、上記最適値を得るに った。

 エッチング箔の見掛密度は、2. 00~2. 54g/cm であり、好ましくは2.30~2.54g/cm である。
 エッチング箔の見掛密度が過大である場合 は、貫通孔を通過するリチウムイオンの移 速度が遅くなり、好ましくない。一方、エ チング箔の見掛密度が過小である場合には エッチング箔の強度が低下し、好ましくな 。
 また、エッチング箔の透気度は、20~120sであ り、好ましくは20~60sである。
 エッチング箔の透気度が過大である場合に 、エッチング箔の強度が低下し、好ましく い。また、塗工時に液成分だけが貫通孔を 過し、相分離が起きて作業性が低下する場 がある。一方、エッチング箔の透気度が過 である場合には、貫通孔を通過するリチウ イオンの移動速度が遅くなり、好ましくな 。
 また、エッチング箔の貫通孔のうち、1~30μm の孔径を有するものの割合が全貫通孔の80%以 上であることが好ましく、より好ましくは85% 以上である。
 この割合が80%未満である場合には、貫通孔 通過するリチウムイオンの移動速度が遅く り、好ましくない。

 上記集電体の表面または表裏面に形成さ る電極層を得るための塗料は、活物質を含 し、必要に応じて導電材及びバインダーを 有するものである。

 正極活物質としては、リチウムイオン及 /またはテトラフルオロボレートなどのアニ オンを可逆的に担持できるものであればよく 、例えば、これらに限定されないが、コーク ス、ピッチ、樹脂、ヤシ殻、おがくずなどの 植物を原料とし、水蒸気、二酸化炭素または 水酸化カリウムなどを用いて賦活した各種活 性炭や、導電性高分子、ポリアセン系物質、 細孔直径2~50nmのメソポアが顕著に発達したメ ソポアカーボン等を用いることができる。

 導電材としては、例えば、これらに限定さ ないが、アセチレンブラック、ケッチェン ラック等のカーボンブラック類、黒鉛等の 素系物質などを用いることができる。
 導電材の混合比は、上記活物質の電気伝導 、電極形状等により異なるが、活物質に対 て2~20wt%が好ましい。

 バインダーとしては、後述の有機系電解 に不溶性のものであればよく、例えば、こ に限定されないが、水を分散媒若しくは溶 として用いる水系樹脂、または、アルコー やN-メチルピロリドン等の有機溶剤を分散 若しくは溶剤として用いる非水系樹脂を用 ることができる。具体的には、SBR系バイン ー樹脂、カルボキシルメチルセルロース系 脂などは水系樹脂であり、フェノール樹脂 メラミン樹脂は組成により水系樹脂として 非水系樹脂としても用いることができる。 た、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ チレン樹脂などは、エマルジョン化するこ により、水系樹脂として用いることができ 。また、代表的な非水系樹脂として、ポリ フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン等 含フッ素系樹脂、ポリイミド樹脂、ポリア ド・イミド共重合樹脂を用いることもでき 。

 バインダー樹脂の混合比は、上記活物質 対して、1~20wt%、好ましくは2~10wt%、より好 しくは2~8wt%である。

 好適な実施例において、電極層の厚さは 片面で、20~200μm、好ましくは30~100μm、より ましくは40~80μmである。正極電極層の厚さ 、キャパシタセルのエネルギー密度を確保 きるように、負極電極層の厚さとのバラン で適宜設計されるが、正極電極層の厚さを さくするほど、活物質の有効活用が可能と り出力密度を向上できる利点があるが、厚 が過小の場合には、キャパシタセルのエネ ギー密度が低下するため好ましくない。ま 、工業的生産性も考慮する必要がある。そ で、本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果 上記厚さが好適であることを見出した。

 次に、本発明に係る塗布電極の製造方法に いて説明する。
 本発明に係る塗布電極は、多数の貫通孔を するアルミニウムエッチング箔からなる集 体上に、活物質としてリチウムイオン及び/ またはアニオンを可逆的に担持可能な物質を 含有する塗料を塗布することによって得られ 、より詳細には、アルミニウム原箔を電解エ ッチングすることにより、集電体を製造する 工程と、得られた集電体の表面に、活物質と してリチウムイオン及びアニオンを可逆的に 担持可能な物質を含有する塗料を直接塗布す ることにより、電極層を形成する工程とによ って得られる。

 電解エッチング工程で使用するアルミニ ム原箔は、例えば、これに限定されないが 幅が500mm程度、厚さが25~60μm程度、純度99. 9 9%程度の軟質箔または硬質箔である。アルミ ウム原箔に電解エッチングを行う前に、ア ミニウム原箔の脱脂または自然酸化膜を除 することにより、表面状態を均一化するた の前処理を行うことが好適である。この前 理としては、トリクロルエチレン脱脂、ア カリ洗浄、鉱酸処理、または交流若しくは 極電解洗浄などによる処理を利用すること でき、これらの処理を行った後、十分に純 で洗浄する。

 前処理を施したアルミニウム原箔は、塩 、食塩などの塩化物水溶液からなるエッチ グ液槽に浸漬され、直流または交流、ある はそれを交互に使用して電解エッチングさ る。電解エッチングの進行度及びエッチン による孔形状は、箔の硬度、温度、液濃度 pH 、電流の種類、電流密度、通電電気量、 電極構造などのパラメータにより影響され、 それらを制御することにより、所望の透気度 及び孔径を得ることができる。例えば、結晶 方向が揃ったアルミニウム軟質箔を用いて、 直流エッチングを行うことにより、孔径の小 さい貫通孔が深さ方向に整列したエッチング 箔を得ることができる。

 電解エッチング工程により、アルミニウ 箔の表面には粉末状のアルミニウム、塩素 オン及び不純物などが付着している。これ は硝酸などで純化処理されて除去され、そ 後、十分に純水洗浄される。

 このようにして得られたアルミニウムエッ ング箔は、厚さが20~45μm 、見掛密度が2. 00 ~2. 54g/cm 、透気度20~120sとなり、原箔と比較して、そ 表面積が20~100倍程度に達する。

 次に、得られたアルミニウムエッチング の表面に、活物質としてリチウムイオン及 アニオンを可逆的に担持可能な物質を含有 る塗料を直接塗布する。この塗料の塗布方 としては、例えば、縦型のダイコーターに る塗工方式を利用することができ、この方 によれば、アルミニウムエッチング箔の片 または両面に塗工することが可能である。

 ここで注意すべき点は、上記塗料を、アル ニウムエッチング箔上に直接塗布できる点 ある。従来のアルミニウムエキスパンドメ ル、アルミニウムパンチングメタルなどの ルミニウム多孔質集電体では、基材表面に 化被膜が形成されているので、導電性を高 るためにアルミニウム多孔質集電体上に、 ずカーボン等の導電材を含む導電層を塗布 、その上に塗料を塗布していた。しかし、 発明では、エッチング箔は、厚さが20~45μm  、見掛密度が2. 00~2. 54g/cm 、透気度20~120sの表裏面を貫通する貫通孔を し、エッチングにより表面酸化膜が除去さ ているか極めて薄くなっているため、その 面に直接塗料を塗布しても高い密着性が得 れ、電極層との接触抵抗を低く抑えること できる。従って、従来のような導電層の塗 工程を省略することができ、製造工程を大 に簡略化することに成功したのである。

 本発明においては、アルミニウムエッチ グ箔の貫通孔の80%以上が1~30μmの孔径を有す る場合には、塗布工程において、塗料が貫通 孔を通過しないように塗料の粘度を適当に調 整することができ、横型のダイコーター、コ ンマコーターなどの塗工方式によっても塗工 処理が可能になる。

 また、本発明に用いられるエッチング箔 、同じ厚さの従来のエキスパンドメタルと 較し、引っ張り強度が高いため、塗工処理 に箔切れが発生しにくい。さらに、貫通孔 孔径がエキスパンドメタルより小さいため 電極面の均質性も優れている。結果として 信頼性の高い塗布電極を製造することがで る。

 2. 有機電解質キャパシタ
 本発明に係る有機電解質キャパシタは、例 ば、上記の塗布電極からなる正極と、表裏 を貫通する貫通孔を有する銅、ステンレス ニッケル等の箔よりなる集電体の表面また 表裏面上に、活物質としてリチウムイオン 可逆的に担持可能な物質を含有する塗料を 布することによって電極層が形成されてな 負極と、正極及び負極が互いに直接接触し いようにするためのセパレータとからなり キャパシタ内部はリチウムイオンを移送可 な電解液で満たされる。

 図1は、本発明に係る有機電解質キャパシ タの一実施例の構成を示す説明図である。正 極3及び負極2がセパレータ4,5,6を介して積層 れることによって電極ユニット1 を構成す 。電極ユニット1 の最外部には、リチウム 7が配置されている。ここで、リチウム箔7は 、上記正極及び負極集電体と同様の多数の貫 通孔を有する多孔質集電体上に貼着されるこ とが好ましい。このようなリチウム集電体と 負極とは、キャパシタ内部または外部におい て電気的に接続される。

 リチウム集電体と負極とがキャパシタ内 で接続される場合には、以下に説明する電 液を注入すると共に、すべての負極とリチ ム集電体とが電気化学的に接触し、リチウ 集電体から電解液中にリチウムイオンが溶 し、負極集電体8及び正極集電体9の貫通孔 通じて、スムーズに移動し、すべての負極 担持される。

 負極の活物質としては、これに限定され いが、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛などの ラファイト、コークス、ピッチ、熱硬化性 脂、ヤシ殻または樹木などを出発原料とす 種々の炭素材料、炭素繊維、ポリアセン系 質、錫酸化物、珪素酸化物等を用いること できる。直径の小さいリチウムイオンの移 を効率的に実行するために、これらの材料 特定の条件下で炭化または加工処理を行う が好ましい。また、必要に応じて、アセチ ンブラック、ケッチェンブラック、黒鉛等 導電材を適宜添加してもよい。

 上記の負極の活物質は、粉末状、粒状、 繊維状等に加工された後、バインダー樹脂 混合されて負極に塗布され、これにより、 極活物質層が形成される。ここで、バイン ー樹脂として、水系のSBR系樹脂、アクリル 脂、溶剤系のポリフッ化ビニリデン樹脂等 用いることができる。

 電解液は、電解質と、それを溶解させる溶 とからなる。ここで、電解液に求められる 件は、リチウムイオンを移送可能で、高電 でも電気分解を起こさず、リチウムイオン 安定に存在できるということである。この うな電解質としては、LiI、LiClO 、LiAsF 、LiBF 、LiPF 等のリチウム塩が好ましい。
 また、溶媒としては、例えば、これに限定 れないが、エチレンカーボネート、プロピ ンカーボネート、ジメチルカーボネート、 エチルカーボネート、γ-ブチロラクトン、 セトニトリル、ジメトキシエタン、テトラ ドロフラン、ジオキソラン、塩化メチレン スルホラン等の非プロトン性有機溶媒また これらの二種以上の混合液を用いることが ましい。
 電解質及び溶媒は、充分に脱水した状態で 合して電解液とする。電解液中の電解質の 度は、電解液の内部抵抗を小さくするため 、少なくとも0. 1モル/l以上とし、好ましく は0. 5~1. 5モル/lの範囲とする。

 図2は、図1に示す電極ユニットをラミネ トフィルム20,21で外装した構成を示す説明図 である。図2において、図1と同一部材は同一 号で示す。すべての正極3の一方の端部に接 続する端子22と、すべての負極2の反対方向の 端部に接続する端子23が、外装容器の外部に びるように設けられている。外装材として 、キャパシタの小型化及び軽量化の観点か 、アルミニウムと、ナイロン、ポリプロピ ン等の高分子材料とのラミネートフィルム 用いたものが好ましい。

 本発明に係る有機電解質キャパシタの外 容器としては、アルミラミネートフィルム 他にも鉄、アルミニウム等の金属ケース、 ラスチックケース、あるいはそれらを積層 た複合ケース等を用いることができる。ま 、外装容器の形状は、特に限定されず、用 に応じて、円筒型、箱型、平板型、その他 意の形状とすることができる。

 図3は、本発明に係る有機電解質キャパシ タの他の実施例を略示した説明図である。正 極30と、負極31とがセパレータ32を介して、巻 回されてユニット33を構成する。このユニッ 33が外装容器に挿入され、上記した電解液 満たされ封止されて、有機電解質キャパシ が形成される。

 以下、本発明に係る塗布電極及びそれを ったキャパシタの特性を調べる実験を行っ ので説明する。

 (実験1)
 アルミニウムエキスパンドメタル、アルミ ウムパンチングメタル及びアルミニウム電 エッチング箔を集電体として用いて塗布電 を製造し、各塗布電極の特性を調べる実験 行った。

 以下に示すそれぞれの集電体上に、比表面 1740m 2 /g 、平均粒径5μmのヤシ殻活性炭87重量部、 セチレンブラック粉体4重量部、SBR系バイン ー6重量部、カルボキシメチルセルロース3 量部にイオン交換水を加えて混合し調製し 固形分濃度30%の塗料を、縦型ダイ方式の両 塗工機を用いて、塗工速度2m/minの条件で両 同時塗工を行い、200℃で、24時間減圧乾燥し た。

 尚、集電体の透気度の測定には、JIS P8117に 準拠したB型ガーレ式デンソメータを用いた ここで、試験片のサイズは、約50mm×約130mmで 、実際の測定は直径28. 7mmで有効面積が645mm の円形領域で行った。この有効面積を100mlの 気が透過するのに要する時間(s)を透気度の とした。

 また、孔径の測定は、エキスパンドメタ 及びパンチングメタル基材の場合には、ス ール付きの光学顕微鏡で実測した値とし、 解エッチング箔の場合には、乾式粒子画像 析装置Morphologi G2(シスメックス株式会社製) を用いて、片側から光を照射し、反対側の透 過光の広がりからデータ処理により円形と仮 定した口径を算出し、試料の口径分布を求め た。

  比較例1
 アルミニウムエキスパンドメタル
 製法:硬質アルミニウム箔に、ブレードで切 れ目を入れた後、延伸し、圧延することによ り作製した。
 厚さ:40μm
 線径:0. 2mm
 口径:長径1. 8mm、短径0. 9mm
 基材幅:500mm
 塗布厚:151μm
  比較例2
 アルミパンチングメタル
 製法:硬質のアルミニウム箔にパンチングダ イにより機械的に孔を開けた後、プレス加工 することにより作製した。
 厚さ:40μm
 孔径:1mm
 基材幅:500mm
 塗布厚:151μm
  比較例3
 アルミニウム電解エッチング箔
 製法:アルミニウム軟質箔を塩酸エッチング 浴で電解エッチングすることにより作製した 。
 厚さ:100μmの軟質箔
 基材幅:500mm
 塗布厚:150μm
  実施例1
 アルミニウム電解エッチング箔
 製法:アルミニウム硬質箔を塩酸エッチング 浴で電解エッチングすることにより作製した 。
 厚さ:40μmの硬質箔
 基材幅:500mm
 塗布厚:152μm
  実施例2
 アルミニウム電解エッチング箔
 製法:アルミニウム硬質箔を塩酸エッチング 浴で電解エッチングすることにより作製した 。
 厚さ:45μmの硬質箔
 基材幅:500mm
 塗布厚:150μm

 表1に実験結果を示す。ここで、比較例1 び比較例2についての透気度は、開口率及び 径が大きいため、本測定方法では測定不能 あった。

 表1の実験結果から、比較例1~比較例3と、 実施例1及び実施例2とを比較すると、実施例1 及び実施例2に係る塗布電極は、比較例1~比較 例3に係る塗布電極より体積抵抗が非常に小 いことが理解される。

 (実験2)
 上記の塗布電極を正極として用い、以下の 法により有機電解質キャパシタを作製し、 の特性を調べる実験を行った。

 負極用の電極の製造:
 負極集電体として、幅300mm、厚さ20μm、開口 率45%、孔径2. 0mm×0. 9mm、目付け量110mg/m の銅エキスパンドメタルを用い、その上に、 比表面積16m /g、平均粒径4μmのカーボン粉末87重量部、ア チレンブラック粉体4重量部、SBR系バインダ ー6重量部、カルボキシメチルセルロース3重 部にイオン交換水を加えて混合し調製した 形分濃度35%のスラリーを、縦型ダイ方式の 面塗工機を用いて、塗工速度2m/minで両面同 塗工を行い、200℃で、24時間減圧乾燥する とにより、負極用の電極を製造した。

 キャパシタの製造:
 正極として、実験1で得られた塗布電極を、 塗工部が98×128mm、未塗工部が98×15mmとなるよ 切断して得られた、98×143mmの電極を用い、 極として、上記の負極用の電極を、塗工部 100×130mm、未塗工部が100×15mmとなるよう切断 して得られた、100×145mmの電極を用い、それ を、正極集電体の接続端子の溶接部と、負 集電体の接続端子の溶接部とが、反対側に るように配置し、厚さ50μmのセパレータを介 して、セパレータ-負極-セパレータ-正極の順 番で積層(セパレータ22枚、負極11枚、正極10 )し、4辺をテープ止めして電極ユニットを作 製した。この電極ユニットの最外層は、両側 とも負極となり、その更に外側にセパレータ が配置されている。

 次に、厚さ260μmのリチウム金属箔を、負 活物質当たり550mAh/gとなるよう切断し、厚 40μmのステンレス網に圧着した後、上記電極 ユニットの上側のセパレータ上に負極と対向 して1 枚配置した。

 次いで、上記電極ユニットの正極集電体 端子溶接部(10枚)へ、予めシール部分にシー ラントフィルムを熱融着した、幅50mm、長さ50 mm、厚さ0. 2mmのアルミニウム製正極端子を重 ねて超音波溶接した。また、電極ユニットの 負極集電体の端子溶接部(11枚)及びリチウム 属箔集電体(1枚)へ、予めシール部分にシー ントフィルムを熱融着した幅50mm、長さ50mm、 厚さ0. 2mmの銅製負極端子を重ねて抵抗溶接 た。

 そして、電極ユニット全体を、外装アルミ ミネートフィルム2枚で挟み、その外装アル ミラミネートフィルム端子部2辺と他の1辺と 熱融着した後、プロピレンカーボネート溶 にLiPF を溶解して1モル/ lの濃度とした電解液を真 含浸させ、残りの1辺を減圧下で熱融着し、 真空封止して、ラミネート型キャパシタを形 成した。仕様ごとに10セルずつ作製した。

 作製したキャパシタは室温に静置しておく とによりプレドープが進行する。各キャパ タのうちの1セルを1日おきに分解し、リチ ム金属が完全に無くなっているかを調べ、 レドープ所要日数を確認した。プレドープ 完了したことを確認したキャパシタから、 様ごとに1個を選択し、セル電圧が3. 8Vにな まで2Aの定電流を印加し、その後、3. 8Vの 電圧を印加して、1時間の定電流-定電圧充電 を行った。
 次いで、1Aの定電流でセル電圧が2. 2Vにな まで放電した。この3. 8V-2. 2Vのサイクルを り返し、3回目の放電において、セル容量及 びエネルギー密度を評価した。その結果を表 2に示す。

 表2の実験結果から、比較例4及び比較例5 、実施例3及び実施例4とを比較すると、実 例3及び実施例4に係るキャパシタは、比較例 4及び比較例5に係るキャパシタに比較して内 抵抗が非常に小さいことが理解される。ま 、比較例6と実施例3及び実施例4とを比較す と、実施例に係るキャパシタは、比較例に るキャパシタに比較してプレドープに要す 時間が短く、エネルギー密度も高いことが 解される。以上の実験より、正極としては 実施例1に係る電極が好適であることが理解 される。

 (実験3)
 アルミニウムエキスパンドメタル及びアル ニウム電解エッチング箔のそれぞれに、電 層用の塗料を、直接塗布した場合及び導電 料を下塗りしてから塗布した場合の電極の 性の差を調べる実験を行った。

 導電塗料としては、炭素粉末(平均粒径4. 5μm)95重量部、カルボキシメチルセルロース5 重量部から成る固形分濃度30%の水系スラリー (粘度500mPa ・s)を使用した。

 電極層用の塗料としては、比表面積2030m /g、平均粒径4μmのフェノール系活性炭87重量 、アセチレンブラック粉体4重量部、SBR系バ インダー6重量部、カルボキシメチルセルロ ス3重量部にイオン交換水を加えて混合した 形分濃度35%のスラリーを使用した。

 電極層用の塗料を直接塗工する場合は、 側合わせた塗布厚目標値150μmで、縦型ダイ 式の両面塗工機を用いて、塗工速度3m/min  両面同時塗工を行い、その後、200℃で、24時 間減圧乾燥して、100mの塗布電極を得た。一 、導電塗料を下塗りする場合は、先ず、導 塗料を両側合わせた塗布厚目標値20μmで、縦 型ダイ方式の両面塗工機を使って、塗工速度 4m/min で両面同時塗工を行い、200℃で24時間 圧乾燥させた後、その上に電極層用の塗料 、両側合わせた塗布厚目標値150μmで、縦型 イ方式の両面塗工機を使って、塗工速度3m/mi n で両面同時塗工を行い、200℃で24時間減圧 燥し、100mの塗布電極を得た。下塗り導電層 の厚みは20±2μmの精度であった。実験条件は 記のとおりである。

  比較例7
 アルミニウムエキスパンドメタル
 製法:硬質アルミニウム箔に、ブレードで切 れ目を入れた後、延伸し、圧延することによ り作製した。
 厚さ:30μm
 線径:0. 2mm
 開口率:46%
 基材幅:500mm
 導電塗料の下塗り:無し
 電極層塗布厚:150μm
  比較例8
 アルミニウムエキスパンドメタル
 製法:硬質アルミニウム箔に、ブレードで切 れ目を入れた後、延伸し、圧延することによ り作製した。
 厚さ:30μm
 線径:0. 2mm
 開口率:46%
 基材幅:500mm
 導電塗料の下塗り塗布厚:20μm
 電極層塗布厚:151μm
  実施例5
 アルミニウム電解エッチング箔
 製法:アルミニウム硬質箔を塩酸エッチング 浴で電解エッチングすることにより製作した 。
 厚さ:30μmの硬質エッチング箔
 孔径:貫通孔の80%以上が1~30μm
 基材幅:500mm
 導電塗料の下塗り:無し
 電極層塗布厚:152μm
  実施例6
 アルミニウム電解エッチング箔
 製法:アルミニウム硬質箔を塩酸エッチング 浴で電解エッチングすることにより製作した 。
 厚さ:30μmの硬質エッチング箔
 孔径:貫通孔の80%以上が1~30μm
 基材幅:500mm
 導電塗料の下塗り塗布厚:20μm
 電極層塗布厚:150μm

 表3の実験結果から、比較例7及び比較例8 、実施例5及び実施例6とを比較すると、実 例5及び実施例6に係る塗布電極は、比較例7 び比較例8に係る塗布電極より体積抵抗が非 に小さいことが理解される。また、実施例5 と実施例6とを比較すると、両者は体積抵抗 同等であることが理解される。従って、こ 実験結果から、本発明に係る塗布電極の形 において、導電塗料の下塗り塗工工程を省 することが可能であり、下塗りをしなくて 体積抵抗が小さい塗布電極が得られること 確認された。

 (実験4)
 図3に示す構成に従って巻回円筒型のキャパ シタを作製し、そのセル容量及びエネルギー 密度を評価する実験を行った。

 実験で使用したキャパシタは以下のよう 作製した。

 先ず、キャパシタの正極として、実施例5 に係る塗布電極を、54mm×345mm(塗工部330mm、未 工部15mm)に切断したもの使用し、負極とし 、実験2で作製した負極用の電極を、56×376mm( 塗工部361mm、未塗工部15mm)に切断したものを 意した。

 次いで、正極電極の未塗工部に、幅4mm、 さ50mm、厚さ0. 1mmのアルミニウム製端子を また負極電極の未塗工部に、幅4mm、長さ50mm 厚さ0. 1mmの銅製端子を、両端子がそれぞれ 反対側に出るように溶接した。

 さらに、セパレータとして、厚さ35μmの ルロース/レーヨン混合不織布を用いて円筒 に巻回し、電極巻回ユニットを作製した。

 次いで、厚さ260μm、幅50mmのリチウム金属 箔を、負極活物質当たり550mAh/gとなるように 断し、厚さ25μmの銅メッシュに圧着したも を、電極巻回ユニットの最外周に、ポリイ ドテープで貼り付け、銅メッシュの先端を 製負極端子に溶接した。

 そして、ユニットを、内径18mm、高さ650mmの 筒に挿入し、プロピレンカーボネート溶媒 LiPF を溶解して1モル/ lの濃度とした電解液を注 し、正極端子をアルミキャップに溶接し、 極端子をニッケルメッキしたスチール缶に 接し、キャップ部を封止して巻回円筒型の ャパシタを作製した。このようにして、巻 円筒型のキャパシタを合計で2個作製した。

 実験4での使用に先立ち、巻回円筒型のキ ャパシタを7日間室温で放置した後、1個のキ パシタを分解し、リチウム金属が完全に無 なっていることを確認した。これは、プレ ープが完了したことを示す。他のキャパシ に対して、セル電圧が3. 8Vになるまで1Aの 電流を印加し、その後、3. 8Vの定電圧を印 して、1時間の定電流- 定電圧充電を行った 次いで、1Aの定電流でセル電圧が2. 2Vにな まで放電した。この3. 8V-2. 2Vのサイクルを 返し、3回目の放電において、セル容量及び エネルギー密度を評価した。その結果を表4 示す。

 表4の実験結果から、巻回円筒型のキャパ シタにおいても、積層型と同様に高いエネル ギー密度が得られることが理解される。

 以上説明したように、本発明に係る塗布電 は、工業的に生産が可能で、導電性が高く つ高強度で、均一性に優れたものである。
 また、本発明に係る有機電解質キャパシタ 、高エネルギー密度を保持すると同時に、 出力、低内部抵抗、高信頼性を有するもの あり、また、製造工程を簡略化することが きるので、高い生産性が得られるものであ 。

 上記の実施例は、本発明の実施例の一部 過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するも ではない。例えば、活性物質層バインダー 特定の組み合わせ、特定の正極活物質、特 の負極活物質を用いることにより、以上の 果をさらに最適化若しくは向上させること 可能である。

 本発明は、電気自動車、ハイブリッド電 自動車、燃料電池車、電動自転車、電動ス ーター、電動車椅子などの駆動用蓄電源ま は補助用蓄電源として有効に利用可能であ 。また、例えば、ソーラーエネルギーの蓄 装置、風力発電の蓄電装置などの各種エネ ギー貯蔵装置、あるいは、無停電電源装置 家庭用電気器具の蓄電源、各種産業機械用 蓄電源としても用いることができるが、こ らに限定されるものではなく、さらに広範 分野への応用が可能である。これらの応用 び変形はすべて本願発明の態様に含まれる のである。