Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
COLOR COMPOSITION, METHOD FOR PRODUCING COLOR FILTER, AND COLOR FILTER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/078407
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a color composition which is used in a method for producing a color filter which comprises a step of forming a color coating film on a substrate by using the color composition, a step of curing a part of the color coating film which is to be a filter segment or black matrix by irradiating the part with a laser having a wavelength of 340-380 nm, and a step of forming a filter segment or black matrix by removing the uncured part of the color coating film. The color composition contains a pigment, a transparent resin, a monomer having an ethylenically unsaturated double bond and a photopolymerization initiator, and the ratio of the weight (M) of the monomer having an ethylenically unsaturated double bond relative to the weight (P) of the transparent resin, namely M/P, is not less than 0.12 but not more than 1.35.

Inventors:
TANAKA HIDEYO
SHIGEMORI ISAO
IIDA YUSUKE
IWASAKI MARI
SUNAHARA KENRO
MIYAMURA MORIHIDE
IKEDA TAKESHI (JP)
AOKI EISHI (JP)
HARADA GENKI (JP)
SATO AZUMI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/072865
Publication Date:
June 25, 2009
Filing Date:
December 16, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
TOYO INK MFG CO (JP)
TOPPAN PRINTING CO LTD (JP)
TANAKA HIDEYO
SHIGEMORI ISAO
IIDA YUSUKE
IWASAKI MARI
SUNAHARA KENRO
MIYAMURA MORIHIDE
IKEDA TAKESHI (JP)
AOKI EISHI (JP)
HARADA GENKI (JP)
SATO AZUMI (JP)
International Classes:
G03F7/027; G02B5/20; G03F7/004; G03F7/031
Domestic Patent References:
WO2007102386A12007-09-13
Foreign References:
JP2007011231A2007-01-18
JP3912405B22007-05-09
JP2007204657A2007-08-16
JP2007249046A2007-09-27
JP2005099488A2005-04-14
JP2007163890A2007-06-28
JP2006201730A2006-08-03
JP2003156617A2003-05-30
Attorney, Agent or Firm:
SUZUYE, Takehiko et al. (1-12-9 Toranomo, Minato-kuTokyo 01, JP)
Download PDF:
Claims:
 基板上に着色組成物を用いて着色塗膜を形成する工程と、前記着色塗膜のフィルタセグメントまたはブラックマトリックスとなる部分に、波長340~380nmのレーザを照射して硬化させる工程と、前記着色塗膜の未硬化部分を除去してフィルタセグメントまたはブラックマトリックスを形成する工程とを具備するカラーフィルタの製造方法に用いられる着色組成物であって、顔料、透明樹脂、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーおよび光重合開始剤を含有し、かつ、前記透明樹脂の重量(P)に対するエチレン性不飽和二重結合を有するモノマーの重量(M)の比(M/P)が、0.12以上1.35以下の範囲にあることを特徴とする着色組成物。
 レーザ光源が波長343nmの固体(YAG)レーザ、351nm(XeF)エキシマレーザ、355nmの固体(YAG)レーザ、または375nmの半導体レーザのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の着色組成物。
 エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーの重量(M)に対する光重合開始剤の重量(I)の比(I/M)が、0.20以上1.00以下の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の着色組成物。
 さらに、重合禁止剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の着色組成物。
 重合禁止剤が1,4-ヒドロキノンおよび、またはアルキルヒドロキノン系化合物である請求項4に記載の着色組成物。
 顔料が青色顔料であり、光重合開始剤がオキシムエステル系光重合開始剤であり、さらに多官能チオールを含有することを特徴とする請求項1に記載の着色組成物。
 オキシムエステル系光重合開始剤が、下記式(1)又は(2)で表される化合物であることを特徴とする請求項6に記載の着色組成物。
〔式(1)および式(2)において、X 1 ~X 6 は、水素原子、炭素数1~12の環状、直鎖状、または分岐状のアルキル基、またはフェニル基を示し、各アルキル基およびフェニル基は、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルコキシル基、またはフェニル基の群のなかから選ばれる置換基で置換されていてもよい。〕
 前記エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーが6つ以上のエチレン性不飽和二重結合を有する多官能モノマーであることを特徴とする請求項1に記載の着色組成物。
 基板上に、請求項1に記載の着色組成物を用いて着色塗膜を形成する工程と、前記着色塗膜のフィルタセグメントまたはブラックマトリックスの形成予定領域に、波長340~380nmのレーザを照射して硬化させる工程と、前記着色塗膜の未硬化部分を除去してフィルタセグメントまたはブラックマトリックスを形成する工程とを具備することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
 前記フィルタセグメントまたはブラックマトリックスを形成する工程が、着色塗膜の未硬化部分を除去した後に、さらに、基板の着色塗膜面側または背面側から基板に活性エネルギー線を照射する工程を具備することを特徴とする請求項9に記載のカラーフィルタの製造方法。
 前記レーザの1パルス当たりのエネルギー密度が0.1mJ/cm 2 以上10000mJ/cm 2 以下で、パルス幅が0.1nsec以上30000nsec以下であることを特徴とする請求項9に記載のカラーフィルタの製造方法。
 前記レーザの周波数が1Hz以上50000Hz以下であることを特徴とする請求項9に記載のカラーフィルタの製造方法。
 請求項9~12のいずれかに記載の方法により形成された、ブラックマトリクスおよび/または少なくとも1色以上のフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタ。
Description:
着色組成物、カラーフィルタの 造方法およびカラーフィルタ

 本発明は、カラー液晶表示装置、カラー 像管素子等に用いられるカラーフィルタの 造に使用される着色組成物、該着色組成物 用いたカラーフィルタの製造方法、および 方法で製造されたカラーフィルタに関する

 液晶ディスプレイ(LCD)を構成するカラー ィルタは、ガラス等の透明な基板の表面に2 以上の異なる色相の微細な帯(ストライプ) のフィルタセグメントを平行または交差し 配置したもの、あるいは微細なフィルタセ メントを縦横一定の配列で配置したものか なっている。フィルタセグメントは、数ミ ロン~数100ミクロンと微細であり、しかも色 毎に所定の配列で整然と配置されている。

 カラーフィルタを構成するフィルタセグ ントまたはブラックマトリックスは、ガラ 基板などに感光性材料を塗布し、余剰の溶 を乾燥除去したあと、画素形成のためのフ トマスクを介しプロキシミティ露光(紫外光 源露光)などで活性エネルギー線を照射し、 化(ネガ型)またはアルカリ溶解度を高め(ポ 型)、アルカリ溶液などで溶解する部分を除 することにより形成されている。これを例 ば赤、緑、青の各色について繰り返すこと より、カラーフィルタが作製される。

 近年、カラー液晶表示装置は、液晶カラ テレビやカーナビゲーション用および液晶 示装置一体型のノートパソコンとして大き 市場を形成するに至っており、省エネ、省 ペースという特徴を活かしたデスクトップ ソコン用のモニターおよびテレビとしても 及し始めている。従来のCRT(陰極線菅テレビ ジョン)に代わる表示装置として注目されて るが、現状では液晶表示装置の色再現特性 CRTのそれよりも劣っている。そこで、各色 フィルタセグメントが配置されたカラーフ ルタにおいては、高色再現性の要求が高ま ている。

 また、コントラスト向上のため、カラー ィルタの各色のフィルタセグメント間にブ ックマトリックスが配置されるのが一般的 あるが、このブラックマトリックスの形成 料は、近年、環境問題、低反射化、低コス 化の観点から、金属クロム製ブラックマト ックスに代わり、樹脂に遮光性の色素を分 させた樹脂製ブラックマトリックスが着目 れている。しかしながら、樹脂製ブラック トリックスにおいては、金属クロム製ブラ クマトリックスに比べ、遮光性(光学濃度) 低いという問題点がある。

 カラーフィルタの色再現特性向上および ラックマトリックスの遮光性向上のために 、感光性着色組成物中の色素の含有量を多 するか、あるいは、膜厚を厚くする必要が る。しかし、色素の含有量を多くする方法 は、フォトリソ方式によるパターン化ブロ スにおいて感度低下、現像性・解像性が悪 する等の問題が発生する。膜厚を厚くする 法では、膜底部まで露光光が届かず、パタ- ン形状が不良となる等の問題が発生する。

 このような問題を解決するため、感光性 色組成物の高感度化が必要であり、特開2003 -156842号公報には、(1)樹脂への反応性二重結 の付与、(2)光重合開始剤、増感剤の選択あ いは増量、(3)モノマーの選択あるいは増量 が開示されている。

 しかしながら、樹脂の二重結合の付与や 重合開始剤、増感剤およびモノマーの選択 けでは、感度向上には限界がある。特に、 重合開始剤を増量すると、光重合開始剤特 の色による着色、耐熱性の低下、光透過率 減少、解像力の低下等が生じる。また、モ マーを増量すると、タック等の問題が生じ 。

 一方、近年のカラーフィルタを使った製 の大型化に伴い、フィルタセグメントおよ ブラックマトリックス形成のためのフォト スクも大型化を余儀なくされ、製造コスト 増大に繋がっている。

 一般に使用されるプロキシミティ露光法( 紫外光源露光法)では、大型基板を処理する は基板サイズに合せた大サイズの高額なフ トマスクを必要とするが、レーザ露光法で フォトマスクの小型化もしくはマスクレス 可能であり、コスト低減が期待できる。

 特許第3912405号公報には、露光光源に波長 405nmの半導体レーザを用いて硬化性組成物の 討がなされているが、波長340~380nmのレーザ マッチングさせた着色組成物は十分に検討 なされておらず、従来の着色組成物を用い 、波長340~380nmのレーザにて露光した場合で 、高感度で、かつ優れたパターン形状を得 ことができなかった。また、カラーフィル の色再現特性向上およびブラックマトリッ スの遮光性向上のために、着色組成物中の 素の含有量を多くする、あるいは、膜厚を くした場合は、より困難であった。

 また、一般にレーザ露光法においては、 ーザにて着色組成物からなる着色塗膜を露 した場合、着色塗膜の表面が塗膜内部に比 硬化し易く、塗膜内で硬化度合いの差が生 、その差によっては、塗膜表面剥がれ、塗 表面シワおよび主にブラックマトリックス おいては基板との密着性低下等の問題があ た。

 表面剥がれとは、着色塗膜を現像した際 硬化の進んだ塗膜表面のみが塗膜から剥離 る現象のことを意味する。また、塗膜表面 ワとは、着色塗膜現像後の焼成時、熱によ 塗膜が収縮するが、前記の硬化度合いの差 より、塗膜表面に波状のシワが発生する現 のことを意味する。

 これらの問題は、近年求められているカ ーフィルタの色再現特性向上およびブラッ マトリックスの遮光性向上のために、着色 成物中の色素の含有量を多くする、あるい 、膜厚を厚くした場合、より顕著に発生す 。

 一方、特開2003-156617号公報には、ブラッ マトリックスの基板との密着性を向上させ 目的で、基板の背面側から基板に活性エネ ギー線を照射する手法が検討されているが 露光方式がレーザ露光方式ではなく、また ラックマトリックスの密着性向上に関する 討のみであった。

 また、特開平11-174221号公報には、各着色 膜の作製工程に、現像前に各着色塗膜を表 側から紫外光源露光し、各着色塗膜にパタ ンを描く第1露光工程と、現像後に各着色塗 膜を焼成する前に、各着色塗膜を再び紫外光 源露光する第2露光工程を有するカラーフィ タの製造方法を開示しており、尚、前記2露 工程の紫外光源露光は、各着色塗膜の表面 からでも、透明基板を介した裏面側からで 、さらには、表裏両面側から行っても良い している。

 本発明の目的は、特定の波長のレーザ露 方式において、色素含有量が高い、あるい 膜厚が厚くとも高感度であると共に、パタ ン形状に優れ、塗膜表面剥がれおよび塗膜 面シワの発生がなく、また基板との密着性 高いフィルタセグメントおよびブラックマ リックスを形成可能な着色組成物、そのよ な着色組成物を用いたカラーフィルタの製 方法、及びそのような方法により製造され カラーフィルタを提供することにある。

 本発明の第1の態様によると、基板上に着 色組成物を用いて着色塗膜を形成する工程と 、前記着色塗膜のフィルタセグメントまたは ブラックマトリックスとなる部分に、波長340 ~380nmのレーザを照射して硬化させる工程と、 前記着色塗膜の未硬化部分を除去してフィル タセグメントまたはブラックマトリックスを 形成する工程とを具備するカラーフィルタの 製造方法に用いられる着色組成物であって、 顔料、透明樹脂、エチレン性不飽和二重結合 を有するモノマーおよび光重合開始剤を含有 し、かつ、前記透明樹脂の重量(P)に対するエ チレン性不飽和二重結合を有するモノマーの 重量(M)の比(M/P)が、0.12以上1.35以下の範囲に る着色組成物が提供される。

 本発明の第2の態様によると、基板上に、 本発明の第1の態様に係る着色組成物を用い 着色塗膜を形成する工程と、前記着色塗膜 フィルタセグメントまたはブラックマトリ クスの形成予定領域に、波長340~380nmのレー を照射して硬化させる工程と、前記着色塗 の未硬化部分を除去してフィルタセグメン またはブラックマトリックスを形成する工 とを具備するカラーフィルタの製造方法が 供される。

 本発明の第3の態様によると、本発明の第 2の態様に係る方法により形成された、ブラ クマトリクスおよび/または少なくとも1色以 上のフィルタセグメントを具備するカラーフ ィルタが提供される。

 以下、本発明の着色組成物について説明 る。

 本発明の第1の実施形態に係る着色組成物 は、基板上に着色組成物を用いて着色塗膜を 形成する工程と、前記着色塗膜のフィルタセ グメントまたはブラックマトリックスとなる 部分に、波長340~380nmのレーザを照射して硬化 させる工程と、前記着色塗膜の未硬化部分を 除去してフィルタセグメントまたはブラック マトリックスを形成する工程を有するカラー フィルタの製造方法に用いられる着色組成物 であり、顔料、透明樹脂、エチレン性不飽和 二重結合を有するモノマーおよび光重合開始 剤を含有し、かつ、前記透明樹脂の重量(P)に 対するエチレン性不飽和二重結合を有するモ ノマーの重量(M)の比(M/P)が、0.12以上1.35以下 範囲にある着色組成物である。

 このような着色組成物によると、フォト スクの小型化もしくはマスクレスが可能で り、コスト低減が期待できるレーザ露光方 において、色素含有量が高い、あるいは膜 が厚くとも、高感度であると共に、パター 形状に優れたフィルタセグメントおよびブ ックマトリックスを形成することができる

 以下、かかる着色組成物の各成分につい 説明する。

(顔料)
 本発明の第1の実施形態に係る着色組成物に 含有される顔料としては、一般に市販されて いる有機顔料を用いることができ、形成する フィルタセグメントの色相に応じて、染料、 天然色素、無機顔料を併用することができる 。

 有機顔料としては、発色性が高く、且つ 熱性、特に耐熱分解性の高いものが好適に いられる。有機顔料は、1種を単独で、また は2種以上を混合して用いることができる。

 また、有機顔料は、ソルトミリング、ア ッドペースティング等により微細化したも であってもよい。

 以下に、本発明の第1の実施形態に係る着 色組成物に使用可能な有機顔料の具体例を、 カラーインデックス(C.I.)番号で示す。

 本発明の着色組成物を用いて赤色フィル セグメントを形成する場合には、C.I. Pigment  Red 7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、 81:2、81:3、122、123、146、149、168、177、178、179 184、185、187、192、200、202、208、210、216、220 223、224、226、240、254、255、264、272等の赤色 料を用いることができる。赤色着色組成物 は、黄色顔料、オレンジ色顔料を併用する とができる。

 本発明の第1の実施形態に係る着色組成物 を用いて緑色フィルタセグメントを形成する 場合には、C.I. Pigment Green 7、10、36、37、58 の緑色顔料を用いることができる。緑色着 組成物には黄色顔料を併用することができ 。

 本発明の第1の実施形態に係る着色組成物 を用いて青色フィルタセグメントを形成する 場合には、C.I. Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3 15:4、15:6、16、64、80等の青色顔料を用いる とができる。青色着色組成物には紫色顔料 併用することができる。

 本発明の第1の実施形態に係る着色組成物 を用いて黄色フィルタセグメントを形成する 場合には、C.I. Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6 10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34 35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55 、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94 、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、 113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、 127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、 154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、 170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、 181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、 214等の黄色顔料を用いることができる。

 本発明の第1の実施形態に係る着色組成物 を用いて紫色フィルタセグメントを形成する 場合には、C.I. Pigment Violet1、19、23、27、29、 30、32、37、40、42、50等の顔料を用いることが できる。

 本発明の第1の実施形態に係る着色組成物 を用いてマゼンタ色フィルタセグメントを形 成する場合には、C.I. Pigment Red 7、14、41、48 :1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、146、177、1 78、184、185、187、200、202、208、210、246、254、2 55、264、270、272等の顔料を用いることができ 。マゼンタ色着色組成物には黄色顔料を併 することができる。

 本発明の第1の実施形態に係る着色組成物 を用いてシアン色フィルタセグメントを形成 する場合には、C.I. Pigment Blue 15:1、15:2、15:3 、15:4、15:6、16、80等の顔料を用いることがで きる。

 本発明の第1の実施形態に係る着色組成物 を用いてオレンジ色フィルタセグメントを形 成する場合には、C.I. Pigment Orange 36、43、51 55、59、61、71、73等の顔料を用いることがで きる。

 本発明の第1の実施形態に係る着色組成物 を用いてブラックマトリックスを形成する場 合には、カーボンブラック、アニリンブラッ ク、アントラキノン系黒色顔料、ペリレン系 黒色顔料、具体的には C.I. ピグメントブラ ク1、6、7、12、20、31等を用いることができ 。黒色着色組成物には、赤色顔料、青色顔 、緑色顔料の混合物を用いることもできる 黒色顔料としては、価格、遮光性の大きさ らカーボンブラックが好ましく、カーボン ラックは、樹脂などで表面処理されていて よい。また、色調を調整するため、黒色着 組成物には、青色顔料や紫色顔料を併用す ことができる。

 本発明の第1の実施形態に係る着色組成物 では、その全不揮発成分中における顔料成分 の濃度は、充分な色再現性を得る観点から、 好ましくは10~90重量%であり、より好ましくは 15~85重量%であり、最も好ましくは20~80重量%で ある。顔料成分の濃度が、10重量%未満になる と、十分な色再現性を得にくくなり、90重量% を超えると顔料担体の濃度が低くなり、着色 組成物の安定性が悪化する傾向となる。

 着色組成物には、彩度と明度のバランス とりつつ良好な塗布性、感度、現像性等を 保するために、無機顔料を含有させること できる。無機顔料としては、酸化チタン、 酸バリウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜 黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム 赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑 、アンバー、チタンブラック、合成鉄黒、カ ーボンブラック等が挙げられる。無機顔料は 、1種を単独で、または2種以上を混合して用 ることができる。無機顔料は、顔料の合計 量を基準(100重量%)として、0.1~10重量%の量で 用いることができる。

 また、本発明の第1の実施形態に係る着色 組成物には、調色のため、耐熱性を低下させ ない範囲内で染料を含有させることができる 。染料は、顔料の合計重量を基準(100重量%)と して、0.1~10重量%の量で用いることができる

(透明樹脂)
 着色組成物に含有される透明樹脂は、可視 領域の400~700nmの全波長領域において透過率 好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上 樹脂である。透明樹脂としては、熱可塑性 脂、熱硬化性樹脂および感光性透明樹脂が まれ、これらを単独で用いることもできる 、2種以上混合して用いることが好ましい。

 熱可塑性樹脂としては、例えば、ブチラ ル樹脂、スチレン-マレイン酸共重合体、塩 素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、 ポリ塩化ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共 合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹 、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、ア キッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミ 樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セル ース類、ポリブタジエン、ポリエチレン、 リプロピレン、ポリイミド樹脂等が挙げら る。

 また、熱硬化性樹脂としては、例えば、 ポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジ 変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸 脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素 脂等が挙げられる。

 感光性透明樹脂としては、エチレン性不 和二重結合を有する樹脂であり、例えば、 酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応 の置換基を有する高分子に、イソシアネー 基、アルデヒド基、エポキシ基、カルボキ ル基等の反応性置換基を有する(メタ)アク ル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)ア クリロイル基、スチリル基等のエチレン性不 飽和二重結合を有する官能基を前記高分子に 導入した樹脂が挙げられる。具体的には、水 酸基を有するエチレン性不飽和単量体および 他のエチレン性不飽和単量体を共重合した共 重合体に、水酸基と反応可能な官能基及びエ チレン性不飽和二重結合を有する化合物を反 応させることにより得られるものがある。水 酸基と反応可能な官能基としては、イソシア ネート基、カルボキシル基等が挙げられるが 、特に反応性の点でイソシアネート基が好ま しく、イソシアネート基及びエチレン性不飽 和二重結合を有する化合物として具体的には 、2-アクリロイルエチルイソシアネート、2- タクリロイルエチルイソシアネート等が挙 られる。また、スチレン-無水マレイン酸共 合体やα-オレフィン-無水マレイン酸共重合 体等の酸無水物を含む高分子をヒドロキシア ルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有す (メタ)アクリル化合物によりハーフエステ 化したものも用いられる。

(エチレン性不飽和二重結合を有するモノマ )
 エチレン性不飽和二重結合を有するモノマ は、波長340~380nmのレーザを照射することに り硬化する成分である。

 エチレン性不飽和二重結合を有するモノ ーの例としては、2-ヒドロキシエチル(メタ) アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ) クリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレ ート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アク レート、ペンタエリスリトールトリ(メタ) クリレート、ペンタエリスリトールテトラ( タ)アクリレート、トリメチロールプロパン トリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリ ールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタ リスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カ プロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘ キサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニ (メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリ レート、エポキシ(メタ)アクリレート等の各 アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エ テル、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ )アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アク リレート化合物とヘキサメチレンジイソシア ネート等のジイソシアネート化合物との反応 物、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)ア リレート等の水酸基を有する(メタ)アクリ ート化合物とエチレングリコール等のグリ ール系化合物との反応物、(メタ)アクリル酸 、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリルア ド、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミ ド、アクリロニトリル等が挙げられる。モノ マーは、着色組成物の感度アップの観点から 、エチレン性不飽和二重結合を4~12個有する とが好ましく、6~12個がより好ましい。エチ ン性不飽和二重結合を有するモノマーは、 独でまたは2種類以上混合して用いることが できる。

 エチレン性不飽和二重結合を有するモノ ーの含有量は、顔料100重量部に対して、10~3 00重量部が好ましい。10重量部より少ないと 長340~380nmのレーザを用いた場合でさえも、 度が十分でなく、それを補うために露光エ ルギー(強さや時間)を上げる必要があり画素 荒れの原因となる場合がある。一方、300重量 部より多いと波長340~380nmのレーザを用いた場 合感度が強すぎ、画素の直線性が悪化したり 、画素の断面形状が悪化したりする場合があ る。より好ましくは10~200重量部である。

 また、透明樹脂の重量(P)に対するエチレ 性不飽和二重結合を有するモノマーの重量( M)の比(M/P)は、0.12~1.35が好ましい。M/Pが0.12よ 小さいと波長340~380nmのレーザを用いた場合 さえも、感度が十分でなく、画素のハガレ 生じる可能性が高く、それを補うために露 エネルギー(強さや時間)を上げる必要があ 画素荒れの原因となる場合がある。より好 しくは0.20以上であり、0.30以上が特に好まし い。一方、M/Pが1.35より大きいと、波長340~380n mのレーザを用いた場合、感度が強すぎ、画 形状が悪化する場合がある。より好ましく 1.25以下である。1.15以下が特に好ましい。

(光重合開始剤)
 光重合開始剤としては、4-フェノキシジク ロアセトフェノン、4-t-ブチル-ジクロロアセ トフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1-( 4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチ ルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキ ルフェニルケトン、2-メチル-1[4-(メチルチ )フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、 2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリ フェニル)-ブタン-1-オン等のアセトフェノ 系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾイン チルエーテル、ベンゾインエチルエーテル ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジ ジメチルケタール等のベンゾイン系光重合 始剤、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香 、ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベ ンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、 アクリル化ベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4'- メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフ ェノン系光重合開始剤、チオキサントン、2- ロロチオキサントン、2-メチルチオキサン ン、イソプロピルチオキサントン、2,4-ジイ プロピルチオキサントン等のチオキサント 系光重合開始剤、2,4,6-トリクロロ-s-トリア ン、2-フェニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)- s-トリアジン、2-(p-メトキシフェニル)-4,6-ビ (トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-トリ )-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン 2-ピペロニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s- リアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-ス リル-s-トリアジン、2-(ナフト-1-イル)-4,6-ビ (トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-メト シ-ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチ )-s-トリアジン、2,4-トリクロロメチル-(ピペ ニル)-6-トリアジン、2,4-トリクロロメチル(4 '-メトキシスチリル)-6-トリアジン等のトリア ジン系光重合開始剤、1-〔4-(フェニルチオ)フ ェニル〕-オクタン-1-オン-2-オンオキシム-O- セテート、1-〔4-(2-メチルフェニルチオ)フェ ニル〕-オクタン-1-オン-2-オンオキシム-O-ア テート、1-〔4-(2,4,6-トリメチルフェニルチオ )フェニル〕-オクタン-1-オン-2-オンオキシム- O-アセテート、1-〔4-(2-エチルフェニルチオ) ェニル〕-オクタン-1-オン-2-オンオキシム-O- セテート、1-〔4-(フェニルチオ)フェニル〕- オクタン-1-オン-2-オンオキシム-O-ベンゾエー ト、1-〔4-(2-メチルフェニルチオ)フェニル〕- オクタン-1-オン-2-オンオキシム-O-ベンゾエー ト、1-〔4-(2,4,6-トリメチルフェニルチオ)フェ ニル〕-オクタン-1-オン-2-オンオキシム-O-ベ ゾエート、1-〔4-(2-エチルフェニルチオ)フェ ニル〕-オクタン-1-オン-2-オンオキシム-O-ベ ゾエート、1,2-オクタジオン-1-[4-(フェニルチ オ)フェニル-、2-(O-ベンゾイルオキシム)]、1- 9-エチル-6-ベンゾイル-9.H.-カルバゾール-3- ル〕-オクタン-1-オンオキシム-O-アセテート 1-〔9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9.H.-カ バゾール-3-イル〕-エタン-1-オンオキシム-O- ンゾエート、1-〔9-エチル-6-(2,4,6-トリメチ ベンゾイル)-9.H.-カルバゾール-3-イル〕-エタ ン-1-オンオキシム-O-ベンゾエート、1-〔9-n-ブ チル-6-(2-エチルベンゾイル)-9.H.-カルバゾー -3-イル〕-エタン-1-オンオキシム-O-ベンゾエ ト、エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾ ル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(O-アセチルオ キシム)などのオキシムエステル系光重合開 剤、ボレート系光重合開始剤、カルバゾー 系光重合開始剤、アシルフォスフィンオキ イド系光重合開始剤、イミダゾール系光重 開始剤等が用いられる。光重合開始剤は、1 を単独で、または2種以上を混合して用いる ことができる。

 高感度化の観点からは、上記のなかでも キシムエステル系光開始剤が好ましい。オ シムエステル系光重合開始剤は紫外線を吸 することによってオキシムのN-O結合の解裂 おこり、イミニルラジカルとベンゾイロキ ラジカルやアルキロキシラジカルを生成す 。これらのラジカルは更に分解することに り活性の高いラジカルを生成するため、少 い露光量でパターンを形成させることがで る。

 光重合開始剤の含有量は、顔料100重量部 対して、5~200重量部が好ましい。5重量部よ 少ないと、波長340~380nmのレーザを用いた場 でさえも、感度が十分でなく、それを補う めに露光エネルギー(強さや時間)を上げる 要があり画素荒れの原因となる場合がある より好ましくは10重量部以上である。一方、 200重量部より多いと、波長340~380nmのレーザを 用いた場合、感度が強すぎ、画素の直線性が 悪化したり、画素の断面形状が悪化したりす る場合がある。より好ましくは150重量部以下 である。

 また、エチレン性不飽和二重結合を有す モノマーの重量(M)に対する光重合開始剤の 量(I)の比(I/M)が、0.20~1.00が好ましい。I/Mが0. 20より小さいと、波長340~380nmのレーザを用い 場合でさえも、感度が十分でなく画素のハ レが生じる可能性が高く、それを補うため 露光エネルギー(強さや時間)を上げる必要 あり画素荒れの原因となる場合がある。よ 好ましくは0.25以上であり、0.30以上が特に好 ましい。一方、I/Mが1.00より大きいと波長340~3 80nmのレーザを用いた場合、感度が強すぎ、 素形状が悪化する場合がある。より好まし は0.90以下であり、0.80以下が特に好ましい。

 上記光重合開始剤に増感剤を併用するこ が可能であり、増感剤としては、トリエタ ールアミン、メチルジエタノールアミン、 リイソプロパノールアミン、4-ジメチルア ノ安息香酸メチル、4-ジメチルアミノ安息香 酸エチル、4-ジメチルアミノ安息香酸イソア ル、安息香酸2-ジメチルアミノエチル、4-ジ メチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシル、N,N- ジメチルパラトルイジン、4,4'-ビス(ジメチル アミノ)ベンゾフェノン、4,4'-ビス(ジエチル ミノ)ベンゾフェノン、4,4'-ビス(エチルメチ アミノ)ベンゾフェノンなどのアミン系化合 物が挙げられる。これらの増感剤は、1種を 独で、または2種以上を混合して用いること できる。増感剤の含有量は、光重合開始剤1 00重量部に対して0.1~60重量部が好ましい。

 (多官能チオール)
 本発明の第1の実施形態に係る着色組成物は 、多官能チオールを含有させても良い。多官 能チオールとしては、チオール(SH)基を2個以 有する化合物であればよい。

 多官能チオールは上述の光重合開始剤と もに使用することにより、光照射後のラジ ル重合過程において、連鎖移動剤として働 、酸素による重合阻害を受けにくいチイル ジカルが発生するので、得られる着色組成 は高感度となる。特にSH基がメチレン、エ レン基等の脂肪族基に結合した多官能脂肪 チオールが好ましい。例えば、ヘキサンジ オール、デカンジチオール、1,4-ブタンジオ ルビスチオプロピオネート、1,4-ブタンジオ ールビスチオグリコレート、エチレングリコ ールビスチオグリコレート、エチレングリコ ールビスチオプロピオネート、トリメチロー ルプロパントリスチオグリコレート、トリメ チロールプロパントリスチオプロピオネート 、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプ トブチレート)、ペンタエリスリトールテト キスチオグリコレート、ペンタエリスリト ルテトラキスチオプロピオネート、トリメ カプトプロピオン酸トリス(2-ヒドロキシエ ル)イソシアヌレート、1,4-ジメチルメルカプ トベンゼン、2、4、6-トリメルカプト-s-トリ ジン、2-(N,N-ジブチルアミノ)-4,6-ジメルカプ -s-トリアジンなどが挙げられ、好ましくは エチレングリコールビスチオプロピオネー 、トリメチロールプロパントリスチオプロ オネート、ペンタエリスリトールテトラキ チオプロピオネートが挙げられる。

 これらの多官能チオールは、1種を単独で 、または2種以上を混合して用いることがで る。

 多官能チオールの含有量は、顔料100重量 に対して0.05~100重量部が好ましく、より好 しくは1.0~50.0重量部である。

 波長340~380nmのレーザを用いた場合でさえ 、0.05重量部未満では、連鎖移動剤の効果が 小さく、100重量部より多くても、重合開始機 能は向上しないうえ、現像性、密着性等が不 十分になる。

 波長310~380nmの領域の光を強く吸収する青色 料と、前述のオキシムエステル系光開始剤 多官能チオールを組み合わせた場合、波長3 40~380nmのレーザ露光方式において、高感度で りながら塗膜表面シワの発生がないフィル セグメントが得られる場合がある。この場 、使用するオキシムエステル系光重合開始 は下記式(1)または(2)で表される化合物であ ことが好ましい。

〔式(1)および式(2)において、X 1 ~X 6 は、水素原子、炭素数1~12の環状、直鎖状若 くは分岐状のアルキル基、又はフェニル基 示し、各アルキル基およびフェニル基は、 ロゲン原子、炭素数1~6のアルコキシル基お び、フェニル基の群のなかから選ばれる置 基で置換されていてもよい。〕
 本発明の式(1)における好ましい化合物の具 例としては、1-〔4-(フェニルチオ)フェニル -オクタン-1-オン-2-オンオキシム-O-アセテー ト、1-〔4-(2-メチルフェニルチオ)フェニル〕- オクタン-1-オン-2-オンオキシム-O-アセテート 、1-〔4-(2,4,6-トリメチルフェニルチオ)フェニ ル〕-オクタン-1-オン-2-オンオキシム-O-アセ ート、1-〔4-(2-エチルフェニルチオ)フェニル 〕-オクタン-1-オン-2-オンオキシム-O-アセテ ト、1-〔4-(フェニルチオ)フェニル〕-オクタ -1-オン-2-オンオキシム-O-ベンゾエート、1- 4-(2-メチルフェニルチオ)フェニル〕-オクタ -1-オン-2-オンオキシム-O-ベンゾエート、1- 4-(2,4,6-トリメチルフェニルチオ)フェニル〕- オクタン-1-オン-2-オンオキシム-O-ベンゾエー ト、1-〔4-(2-エチルフェニルチオ)フェニル〕- オクタン-1-オン-2-オンオキシム-O-ベンゾエー ト1,2-オクタジオン-1-[4-(フェニルチオ)フェニ ル-、2-(O-ベンゾイルオキシム)] 等を挙げる とができる。

 また、本発明の式(2)における好ましい化 物の具体例としては、1-〔9-エチル-6-ベンゾ イル-9.H.-カルバゾール-3-イル〕-オクタン-1- ンオキシム-O-アセテート、1-〔9-エチル-6-(2- チルベンゾイル)-9.H.-カルバゾール-3-イル〕 -エタン-1-オンオキシム-O-ベンゾエート、1-〔 9-エチル-6-(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-9.H.- ルバゾール-3-イル〕-エタン-1-オンオキシム- O-ベンゾエート、1-〔9-n-ブチル-6-(2-エチルベ ゾイル)-9.H.-カルバゾール-3-イル〕-エタン-1 -オンオキシム-O-ベンゾエート、エタノン,1-[9 -エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾー ル-3-イル]-,1-(O-アセチルオキシム)等を挙げる ことができる。

 これらのオキシムエステル系光重合開始 のうち、1,2-オクタジオン-1-[4-(フェニルチ ) フェニル-、2-(O-ベンゾイルオキシム)]、エ タノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H- ルバゾール-3-イル]-,1-(O-アセチルオキシム) 特に好ましい。

 本発明において、オキシムエステル系光 合開始剤は、他の光重合開始剤を1種または 2種以上と混合して使用することもできる。

(重合禁止剤)
 本発明の第1の実施形態に係る着色組成物に は、重合禁止剤を含有させても良い。重合禁 止剤は、組成物のゲル化防止など、安定化剤 として一般的に用いられるが、本発明におい ては、上記以外の目的として、露光時にマス クの回折光による感光を防ぐ目的で使用され る。マスク回折光による感光による不具合と しては、画素の断面形状がオーバーハングと なったり、パターンエッジ部に欠けが発生し たり、テーパー部分が長くなりすぎるという 不具合がある。

 感光性着色組成物に用いられる重合禁止 としては、カテコール、レゾルシノール、1 ,4-ヒドロキノン、2-メチルカテコール、3-メ ルカテコール、4-メチルカテコール、2-エチ カテコール、3-エチルカテコール、4-エチル カテコール、2-プロピルカテコール、3-プロ ルカテコール、4-プロピルカテコール、2-n- チルカテコール、3-n-ブチルカテコール、4-n- ブチルカテコール、2-tert-ブチルカテコール 3-tert-ブチルカテコール、4-tert-ブチルカテコ ール、3,5-ジ-tert-ブチルカテコール等のアル ルカテコール系化合物、2-メチルレゾルシノ ール、4-メチルレゾルシノール、2-エチルレ ルシノール、4-エチルレゾルシノール、2-プ ピルレゾルシノール、4-プロピルレゾルシ ール、2-n-ブチルレゾルシノール、4-n-ブチル レゾルシノール、2-tert-ブチルレゾルシノー 、4-tert-ブチルレゾルシノール等のアルキル ゾルシノール系化合物、メチルヒドロキノ 、エチルヒドロキノン、プロピルヒドロキ ン、tert-ブチルヒドロキノン、2,5-ジ-tert-ブ ルヒドロキノン等のアルキルヒドロキノン 化合物、トリブチルホスフィン、トリオク ルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフ ン、トリフェニルホスフィン、トリベンジ ホスフィンなどのホスフィン化合物、トリ クチルホスフィンオキサイド、トリフェニ ホスフィンオキサイドなどのホスフィンオ サイド化合物、トリフェニルホスファイト トリスノニルフェニルホスファイトなどの スファイト化合物、ピロガロール、フロロ ルシンなどが挙げられる。

 波長340~380nmのレーザを用いた場合、上記 合禁止剤の中では、カテコール、レゾルシ ール、1,4-ヒドロキノンとアルキルカテコー ル系化合物、アルキルレゾルシノール系化合 物、アルキルヒドロキノン系化合物が好適に 用いられる。特に好ましいものは1,4-ヒドロ ノンとアルキルヒドロキノン系化合物であ 。これら以外のものは、期待する効果が得 れない場合がある。

 上記重合禁止剤は、1種を単独で、または 2種以上を混合して用いることができる。

 重合禁止剤の含有量は、感光性組成物の 剤を除いた重量100重量部に対して0.01~0.4重 部が好ましい。0.01重量部より少ないと、波 340~380nmのレーザを用いた場合、回折光によ 感光を防止する効果が得られない場合があ 。より好ましくは0.05重量部以上である。一 方0.4重量部より多いと、波長340~380nmのレーザ を用いた場合、感光性組成物の感度が低下す る場合がある。より好ましくは0.3重量部以下 である。

 重合禁止剤は、一般に市販の透明樹脂や チレン性不飽和単量体中に微量に含まれて るが、本発明においては、市販の透明樹脂 エチレン性不飽和単量体中に含まれる重合 止剤とは別に上述の重合禁止剤を含ませる のである。したがって、ここでいう前記重 禁止剤の重量とは、安定性付与のために市 の前記透明樹脂やエチレン性不飽和単量体 に含まれる化合物を除いた重量である。

(任意成分)
 本発明の第1の実施形態に係る着色組成物に は、組成物の経時粘度を安定化させるために 貯蔵安定剤を含有させることができる。また 、透明基板との密着性を高めるためにシラン カップリング剤等の密着向上剤を含有させる こともできる。

 貯蔵安定剤としては、例えばベンジルト メチルクロライド、ジエチルヒドロキシア ンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸 、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエ ーテル、t-ブチルピロカテコール、テトラエ ルホスフィン、テトラフェニルフォスフィ などの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙 られる。貯蔵安定剤は、着色組成物中の顔 100重量部に対して、0.1~10重量部の量で用い ことができる。

 シランカップリング剤としては、ビニル リス(β-メトキシエトキシ)シラン、ビニル トキシシラン、ビニルトリメトキシシラン のビニルシラン類、γ-メタクリロキシプロ ルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシ ラン類、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチ ルトリメトキシシラン、β-(3,4-エポキシシク ヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β-(3, 4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキ シシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)メ チルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプ ロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシ プロピルトリエトキシシラン等のエポキシシ ラン類、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピル トリメトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-ア ミノプロピルトリエトキシシラン、N-β(アミ エチル)γ-アミノプロピルメチルジエトキシ シシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシ ラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン 、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシ シラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリエ トキシシラン等のアミノシラン類、γ-メルカ プトプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカ プトプロピルトリエトキシシラン等のチオシ ラン類等が挙げられる。シランカップリング 剤は、着色組成物中の顔料100重量部に対して 、0.01~10重量部、好ましくは0.05~5重量部の量 用いることができる。

 本発明の第1の実施形態に係る着色組成物 には、顔料を充分に組成物中に分散させ、ガ ラス基板等の透明基板上に乾燥膜厚が0.2~5μm なるように塗布してフィルタセグメントま はブラックマトリックスを形成することを 易にするために、溶剤を含有させることが きる。

 溶剤としては、例えば1,2,3-トリクロロプ パン、1,3-ブタンジオール、1,3-ブチレング コール、1,3-ブチレングリコールジアセテー 、1,4-ジオキサン、2-ヘプタノン、2-メチル-1 ,3-プロパンジオール、3,5,5-トリメチル-2-シク ロヘキセン-1-オン、3,5,5-トリメチルシクロヘ キサノン、3-エトキシプロピオン酸エチル、3 -メチル-1,3-ブタンジオール、3-メトキシ-3-メ ル-1-ブタノール、3-メトキシ-3-メチルブチ アセテート、3-メトキシブタノール、3-メト シブチルアセテート、4-ヘプタノン、m-キシ レン、m-ジエチルベンゼン、m-ジクロロベン ン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチル ホルムアミド、n-ブチルアルコール、n-ブチ ベンゼン、n-プロピルアセテート、N-メチル ロリドン、o-キシレン、o-クロロトルエン、 o-ジエチルベンゼン、o-ジクロロベンゼン、p- クロロトルエン、p-ジエチルベンゼン、sec-ブ チルベンゼン、tert-ブチルベンゼン、γ―ブ ロラクトン、イソブチルアルコール、イソ ロン、エチレングリコールジエチルエーテ 、エチレングリコールジブチルエーテル、 チレングリコールモノイソプロピルエーテ 、エチレングリコールモノエチルエーテル エチレングリコールモノエチルエーテルア テート、エチレングリコールモノターシャ ーブチルエーテル、エチレングリコールモ ブチルエーテル、エチレングリコールモノ チルエーテルアセテート、エチレングリコ ルモノプロピルエーテル、エチレングリコ ルモノヘキシルエーテル、エチレングリコ ルモノメチルエーテル、エチレングリコー モノメチルエーテルアセテート、ジイソブ ルケトン、ジエチレングリコールジエチル ーテル、ジエチレングリコールジメチルエ テル、ジエチレングリコールモノイソプロ ルエーテル、ジエチレングリコールモノエ ルエーテルアセテート、ジエチレングリコ ルモノブチルエーテル、ジエチレングリコ ルモノブチルエーテルアセテート、ジエチ ングリコールモノメチルエーテル、シクロ キサノール、シクロヘキサノールアセテー 、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコ ルジメチルエーテル、ジプロピレングリコ ルメチルエーテルアセテート、ジプロピレ グリコールモノエチルエーテル、ジプロピ ングリコールモノブチルエーテル、ジプロ レングリコールモノプロピルエーテル、ジ ロピレングリコールモノメチルエーテル、 イアセトンアルコール、トリアセチン、ト プロピレングリコールモノブチルエーテル トリプロピレングリコールモノメチルエー ル、プロピレングリコールジアセテート、 ロピレングリコールフェニルエーテル、プ ピレングリコールモノエチルエーテル、プ ピレングリコールモノエチルエーテルアセ ート、プロピレングリコールモノブチルエ テル、プロピレングリコールモノプロピル ーテル、プロピレングリコールモノメチル ーテル、プロピレングリコールモノメチル ーテルアセテート、プロピレングリコール ノメチルエーテルプロピオネート、ベンジ アルコール、メチルイソブチルケトン、メ ルシクロヘキサノール、酢酸n-アミル、酢酸 n-ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル 酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げ れ、これらを単独でもしくは混合して用い 。

 透明樹脂に顔料を分散する際には、適宜 界面活性剤、樹脂型顔料分散剤、色素誘導 等の分散剤が使用できる。分散剤は、顔料 分散に優れ、分散後の顔料の再凝集を防止 る効果が大きいので、分散剤を用いて顔料 透明樹脂および有機溶剤中に分散してなる 色組成物を用いた場合には、透明性に優れ カラーフィルタが得られる。顔料分散剤は 着色組成物中の顔料100重量部に対して、0.1~ 40重量部、好ましくは0.1~30重量部の量で用い ことができる。

 界面活性剤としては、例えば、ポリオキ エチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシ ベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン- アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキル ナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキル ジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム 、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウ リル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫 酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノー ルアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリ ル硫酸ナトリウム、スチレン-アクリル酸共 合体のモノエタノールアミン、ポリオキシ チレンアルキルエーテルリン酸エステルな のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレ オレイルエーテル、ポリオキシエチレンラ リルエーテル、ポリオキシエチレンノニル ェニルエーテル、ポリオキシエチレンアル ルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエ レンソルビタンモノステアレート、ポリエ レングリコールモノラウレートなどのノニ ン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム やそれらのエチレンオキサイド付加物など カオチン性界面活性剤;アルキルジメチルア ノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、 ルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤 また、フッ素系やシリコーン系の界面活性 が挙げられる。

 樹脂型顔料分散剤は、顔料に吸着する性 を有する顔料親和性部位と、透明樹脂と相 性のある部位とを有する樹脂であり、顔料 吸着して顔料の透明樹脂への分散を安定化 る働きをするものである。樹脂型顔料分散 として具体的には、ポリウレタン、ポリア リレートなどのポリカルボン酸エステル、 飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカ ボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸ア モニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミ 塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマ ドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エ テルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキ ンイミン)と遊離のカルボキシル基を有する ポリエステルとの反応により形成されたアミ ドやその塩などの油性分散剤、(メタ)アクリ 酸-スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸-( タ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン- マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール 、ポリビニルピロリドンなどの水溶性樹脂や 水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性 ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/ ロピレンオキサイド付加化合物、燐酸エス ル系等が用いられ、これらは単独でまたは2 以上を混合して用いることができる。

 市販の樹脂型顔料分散剤としては、ビッ ケミー社製のDisperbyk-101、103、107、108、110、 111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、 166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、 190、2000、2001、またはAnti-Terra-U、203、204、ま はBYK-P104、P104S、220S、またはLactimon、Lactimon- WSまたはBykumen等、日本ルーブリゾール社製の SOLSPERSE-3000、9000、13240、13650、13940、17000、1800 0、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、 32000、32500、32600、34750、36600、38500、41000、4109 0、53095等、エフカケミカルズ社製のEFKA-46、47 、48、452、LP4008、4009、LP4010、LP4050、LP4055、400 、401、402、403、450、451、453、4540、4550、LP4560 120、150、1501、1502、1503等が挙げられる。

 色素誘導体は、有機色素に置換基を導入 た化合物である。このような有機色素には 一般に色素とは呼ばれていないナフタレン 、アントラキノン系等の淡黄色の芳香族多 化合物も含まれる。色素誘導体としては、 開昭63-305173号公報、特公昭57-15620号公報、 公昭59-40172号公報、特公昭63-17102号公報、特 平5-9469号公報等に記載されているものを使 でき、これらは単独でまたは2種類以上を混 合して用いることができる。

(着色組成物の製法)
 本発明の第1の実施形態に係る着色組成物は 、顔料を、必要に応じて上記顔料分散剤と共 に透明樹脂および有機溶剤中に三本ロールミ ル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー 、アトライター等の各種分散手段を用いて微 細に分散し、光重合開始剤を添加して製造す ることができる。また、2種以上の色素を含 着色組成物は、各色素を別々に、透明樹脂 よび有機溶剤中に微細に分散したものを混 して製造することもできる。 
 着色組成物に対しては、遠心分離、焼結フ ルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5 μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗 粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒 および混入した塵の除去を行うことが好ま い。

 次いで、以上説明した着色組成物を用い 、本発明の第2の実施形態に係るカラーフィ ルタの製造方法について説明する。

 本発明の第2の実施形態に係るカラーフィ ルタの製造方法は、基板上に、前記着色組成 物を用いて着色塗膜を形成する工程と、前記 着色塗膜のフィルタセグメントまたはブラッ クマトリックスとなる部分に、波長340~380nmの レーザを照射して硬化させる工程と、前記着 色塗膜の未硬化部分を除去してフィルタセグ メントまたはブラックマトリックスを形成す る工程を有するものである。

 このようなカラーフィルタの製造方法に ると、特定の波長のレーザを短時間照射す ことにより、感光性着色組成物を極短時間 硬化させるため、小さなフォトマスクを使 して、もしくはマスクを用いないで、形状 優れたフィルタセグメントを低コストで形 することができる。

 以下、本実施形態に係るカラーフィルタ 製造方法の各工程について説明する。

(着色塗膜形成工程)
 着色塗膜形成工程では、スピンコート法や イコート法によって、本発明の着色組成物 塗布し、必要に応じて余分な溶剤を除去す ことにより、基板上に着色塗膜を形成する

 カラーフィルタの基板としては、可視光 対して透過率の高いソーダ石灰ガラス、低 ルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ 珪酸ガラスなどのガラス板や、ポリカーボ ート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチ ンテレフタレートなどの樹脂板が用いられ 。また、ガラス板や樹脂板の表面には、パ ル化後の液晶駆動のために、酸化インジウ 、酸化錫などからなる透明電極が形成され いてもよい。

(露光・硬化工程)
 露光・硬化工程では、前記着色塗膜のフィ タセグメントまたはブラックマトリックス なる部分に、波長340~380nmのレーザを照射し 硬化させる。具体的には、大サイズの基板 に形成された着色塗膜に、基板と比較して さいフォトマスクを介してレーザを照射し 前記着色塗膜のフィルタセグメントまたは ラックマトリックスとなる部分を硬化させ 。

 レーザの波長は、340~380nmが好ましい。340n mより短い波長のレーザを用いると光のエネ ギーが高くなりすぎ、塗膜の分解が引き起 される可能性がある。また380nmより長い波長 のレーザを用いると、光のエネルギーが弱く なりすぎ、塗膜の効果により長時間の露光が 必要となるため生産性が低下する。340~380nmの 波長を有するレーザ光源には、固体(YAG)レー では343nm、355nmが用いられ、エキシマレーザ では351nm(XeF)が用いられ、さらに半導体レー では375nmが用いられる。この中でも安定性、 コスト等の点から355nmがより好ましい。レー は1回あるいは複数回に分けて、着色塗膜に 照射することができる。着色塗膜は、膜を分 解しない程度の弱いエネルギーを与えて硬化 させることが必須である。

 本発明で用いられるレーザの1パルス当たり のエネルギー密度は0.1mJ/cm 2 以上10000mJ/cm 2 以下であることが好ましい。塗膜を十分に硬 化させるには、0.3mJ/cm 2 以上がより好ましく、0.5mJ/cm 2 以上が最も好ましく、アブレーション現象に より着色塗膜を分解させないようにするには 、1000mJ/cm 2 以下がより好ましく、100mJ/cm 2 以下が最も好ましい。

 また、パルス幅は0.1nsec以上30000nsec以下で あることが好ましい。アブレーション現象に より着色塗膜を分解させないようにするには 、0.5nsec以上がより好ましく、1nsec以上が最も 好ましく、スキャン露光の際に合わせ精度を 向上させるには、1000nsec以下がより好ましく 5nsec以上が最も好ましい。

 さらに、レーザの周波数は1Hz以上50000Hz以 下であることが好ましい。露光処理時間を短 くするには、10Hz以上がより好ましく、100Hz以 上が最も好ましく、スキャン露光の際に合わ せ精度を向上させるには、10000Hz以下がより ましく、1000Hz以下が最も好ましい。

(未硬化部分の除去工程)
 未硬化部分の除去工程では、前記着色塗膜 未硬化部分を除去してフィルタセグメント たはブラックマトリックスを形成する。未 化部分の除去に際しては、アルカリ現像液 して炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等 水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミ 、トリエタノールアミン等の有機アルカリ 用いることもできる。また、現像液には、 泡剤や界面活性剤を添加することもできる

 現像処理方法としては、シャワー現像法 スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、 ドル(液盛り)現像法等を適用することができ る。

(現像後露光工程)
 本発明の第2の実施形態に係るカラーフィル タの製造方法においては、必要に応じて、現 像後に、基板の塗膜面側及び背面側の少なく とも一方から露光を行っても良い。現像のた めの露光・硬化工程においては、塗膜表面は 十分硬化していても、塗膜内部は未硬化のま まである場合があるので、現像後に加熱焼成 を行うと、塗膜と基板の密着性が低下したり 、塗膜表面にしわが発生したりする場合があ る。青色着色塗膜の場合には、青色顔料が、 現像のための露光に用いられるレーザ光の吸 収が特に強いため、特にこの傾向が強い。こ の現象は、現像後に基板の塗膜面側及び/又 背面側から露光することにより、塗膜内部 硬化を進めることで解消される。

 現像後における基板の塗膜面側及び/又は 背面側からの露光工程は、基板の塗膜面側ま たは背面側から、活性エネルギー線を照射し 、着色塗膜底部の硬化を促進するものである 。活性エネルギー線としては、電子線、紫外 線、400~500nmの可視光および前記各種レーザを 使用することができる。電子線の線源には熱 電子放射銃、電界放射銃等が使用でき、紫外 線および400~500nmの可視光の線源(光源)には、 えば、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタル ライド灯、ガリウム灯、キセノン灯、カー ンアーク灯等を使用することができる。活 エネルギー線として、着色塗膜に対し透過 が高い波長のものを用いると、塗膜内部の 化に特に有効である。

 また、活性エネルギー線の照射は、基板 塗膜面側及び背面側の一方から行うことに らず、基板の塗膜面側及び背面側の両面か 行ってもよい。また、両面から行う場合に 、両面から同時に行ってもよいが、表面か 行った後に裏面から、或いは裏面から行っ 後に表面から行ってもよい。

 本発明の第3の実施形態に係るカラーフィ ルタは、本発明の第2の実施形態に係るカラ フィルタの製造方法により製造され、基板 に、上述の着色組成物から形成される、ブ ックマトリクスおよび/または少なくとも1色 以上のフィルタセグメントを備えるものであ る。フィルタセグメントの色は、赤色、緑色 、青色、黄色、紫色、マゼンタ色、シアン色 、オレンジ色などから2~6色程度選択される。 同色系の色で、濃度の違うフィルタセグメン トが形成されていてもよい。

 このようなカラーフィルタは、高品質で 安価であり、液晶表示装置等に好適に用い ことが出来る。

 以下に、実施例により本発明をより具体 に説明するが、本発明はその要旨を超えな 限り以下の実施例に限定されるものではな 。

 なお、実施例および比較例中、「部」お び「%」とは「重量部」および「重量%」を れぞれ意味する。

 まず、実施例および比較例で用いた非感 性樹脂溶液、感光性樹脂溶液および顔料分 体の調製について説明する。樹脂の分子量 、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ ィ)により測定したポリスチレン換算の重量 均分子量である。

(アクリル樹脂溶液の合成例)
 反応容器にシクロヘキサノン370部を入れ、 器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱し 、同温度でメタクリル酸20.0部、メチルメタ リレート10.0部、n-ブチルメタクリレート55.0 部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート15.0部 、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル4.0部の混 物を1時間かけて滴下して重合反応を行った 。滴下終了後、さらに80℃で3時間反応させた 後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシク ロヘキサノン50部に溶解させたものを添加し さらに80℃で1時間反応を続けて、アクリル 脂溶液を得た。

 室温まで冷却した後、アクリル樹脂溶液 2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥し て不揮発分を測定し、先に合成したアクリル 樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにシ クロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液 を調製した。得られたアクリル樹脂の重量平 均分子量Mwは40000であった。

(顔料分散体の調製)
 下記表1に示す組成の混合物を均一に撹拌混 合し、直径1mmのガラスビーズを用いて、サン ドミルで5時間分散した後、5μmのフィルタで 過し、赤色顔料分散体R-1、緑色顔料分散体G -1、青色顔料分散体B-1、および黒色顔料分散 BM-1を調製した。

 PR254:ジケトピロロピロール系顔料(C.I. Pigmen t Red 254)
  (チバ・ジャパン社製「イルガフォーレッ B-CF」)
 PR177:アントラキノン系顔料(C.I. Pigment Red 1 77)
  (チバ・ジャパン社製「クロモフタールレ ドA2B」)
 PG36:ハロゲン化銅フタロシアニン系顔料(C.I.  Pigment Green 36) 
  (東洋インキ製造社製「リオノールグリー 6YK」)
 PB15:6:ε型銅フタロシアニン顔料(C.I. Pigment  Blue 15:6)
  (BASF製「ヘリオゲンブルーL-6700F」)
 PY150:ニッケルアゾ錯体系顔料(C.I. Pigment Yel low 150)
  (ランクセス社製「E4GN」)
 CB  :カーボンブラック(C.I. Pigment Black 7)
  (三菱化学社製「MA11」)
 顔料分散剤:日本ルーブリゾール社製「ソル スパース20000」)
 アクリル樹脂溶液:先に調製したアクリル樹 脂溶液
 溶剤:シクロヘキサノン
[実施例1~32、比較例1~14]
 先に調製した顔料分散体R-1、G-1、B-1、BM-1を 含む、下記表2及び3に示す処方の混合物を均 になるように攪拌混合した後、1μmのフィル タで濾過して、各色着色組成物を得た。

 顔料分散体:先に調製した顔料分散体
 アクリル樹脂溶液:先に調製したアクリル樹 脂溶液
 光重合開始剤:下記表4に示す光重合開始剤
 モノマー:下記表5に示すモノマー
 多官能チオール:トリメチロールプロパント リスチオプロピオネート
 重合禁止剤1%溶液:メチルヒドロキノン(精工 化学社製「MH」)1重量%シクロヘキサノン溶液
 有機溶剤:シクロヘキサノン

[フィルタセグメントおよびブラックマトリ クスのパタ-ン形成]
 得られた各色着色組成物を10cm×10cmのガラス 基板上にスピンコータで約2μmの厚さに塗工 、70℃のオーブン内に15分間静置し、余剰の 剤を除去乾燥させた。次いで、着色組成物 膜から150μmの間隔を介して、フィルタセグ ントの場合は100μmのストライプ状のフォト スクを、ブラックマトリックスの場合は20μ mのストライプ状のフォトマスクをセットし 下記表6に示す光源を照射した。尚、露光量 コヒレント社製の「3シグマ(本体)PS-10(セン ヘッド)」を用いて測定した。さらに、2%の 酸ナトリウム水溶液からなる現像液により プレー現像して未露光部分を取り除いた後 イオン交換水で洗浄した。

[現像後露光・硬化工程]
 その後、一部の実施例については、基板の 膜面側または背面側から基板に向かって、 記表6に示す光源から、現像後の露光・硬化 を行った。このとき塗膜面側からの露光につ いては、各波長における露光量100mJ/cm 2 で照射した。背面からの露光については、各 波長における露光量5mJ/cm 2 で照射した。露光・硬化工程の有無、露光光 源、及び露光面について、下記表7~10に示す

 その後、この基板を230℃で30分加熱して 実施例1~32および比較例1~14に係る各色フィル タセグメント(赤、緑、青)およびブラックマ リックス(黒)を形成した。

 実施例及び比較例で得られた着色組成物 ついて、下記の方法で、感度、パターン形 を評価した。

[感度]
 上記実施例および比較例で得られたフィル セグメントあるいはブラックマトリックス パタ-ンがフォトマスクの画像寸法とおりに 仕上がる照射露光量をもってレジストの感度 とした。評価のランクは次の通りである。結 果を下記表7~10に示す。

 ◎:30mJ/cm 2 未満
 ○:30mJ/cm 2 以上60mJ/cm 2 未満
 △:60mJ/cm 2 以上100mJ/cm 2 未満
 ×:100mJ/cm 2 以上
[パターン形状評価] 
 上記実施、比較例にてフォトマスクの画素 法とおりに仕上がる照射露光量で形成され フィルタセグメントあるいはブラックマト ックスの(1)直線性については光学顕微鏡を いて、(2)断面形状については走査型電子顕 鏡(SEM)を用いて観察し、パターン形状を4段 で評価した。評価基準は、以下の通りであ 。結果を表7~10に示す。

 直線性
  ○:直線性良好
  △:部分的に直線性不良
  ×:直線性不良
  ××:画素がほとんど形成されない
 (2)断面形状
  ○:順テーパー形状(断面が台形で、1回目 露光した面が小さい)
  △:逆テーパー形状(断面が台形で、1回目 露光した面が大きい)
  ×:画素は出来ているが形状を判定するの 困難
  ××:画素がほとんど形成されない
[塗膜表面剥がれ&塗膜表面シワ]
 各色フィルタセグメントあるいはブラック トリックスの(1)塗膜表面剥がれおよび(2)塗 表面シワを光学顕微鏡を用いて観察した。 価基準は以下の通りであり、結果を下記表7 ~10に示す。

 (1)塗膜表面剥がれ
  ○:剥がれ発生なし
  △:部分的に剥がれ発生
  ×:剥がれ発生
 (2)塗膜表面シワ
  ○:シワ発生なし
  △:部分的にシワ発生
  ×:シワ発生
[基板との密着性]
 実施例25~32および比較例12~14に係るブラック マトリックスの密着性をプレッシャークッカ ー試験器を用いて、120℃、100%RH、2気圧の条 で50時間放置した後、JIS K5400に準じた基盤 付着性試験方法にて評価し、碁盤目100個中 剥離個数を測定した。評価基準は以下の通 であり、結果を下記表10に示す。

  ○:100個中の剥離個数が0個
  △:100個中の剥離個数が1個以上10個未満
  ×:100個中の剥離個数が10個以上

 上記表7~10に示すように、実施例1~32の着 組成物は、処方により多少の差異はあるが 感度、パタ-ン形状(直線性、断面形状)、塗 表面剥がれ、塗膜表面シワのいずれの評価 果においても実用上差し支えのないもので った。また、ブラックマトリックスの基板 の密着性については、現像後硬化工程を入 たもののほうが良い結果となった。一方、 較例1及び2の着色組成物は、透明樹脂の重量 (P)に対するエチレン性不飽和二重結合を有す るモノマーの重量(M)の比(M/P)が、0.12以上1.35 下の範囲外にあるため、また比較例3~14は、 源が波長340~380nmのレーザを用いておらず、 長308nmのエキシマレーザ、405nmの半導体レー ザ、および超高圧水銀を用いているため、感 度、パタ-ン形状(直線性、断面形状)、塗膜表 面剥がれ、塗膜表面シワのいずれかが不良で あり、全てが良好となるフィルタセグメント およびブラックマトリックスは得られなかっ た。