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Patent Searching and Data


Title:
COMPOSITE MAGNETIC ANTENNA AND RF TAG, METAL PART AND METAL INSTRUMENT HAVING THE COMPOSITE MAGNETIC ANTENNA OR THE RF TAG
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/139148
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided are a composite magnetic antenna for communicating information by using a magnetic field component and a composite RF tag using the antenna.  The RF tag can be embedded into a metal while maintaining a sufficient communication sensitivity, which has been impossible in the conventional RF tag. The composite RF tag transmits/receives information by using electromagnetic induction.  The RF tag includes a magnetic antenna on which an IC is mounted, an insulating member and a metal or conductive member formed around the magnetic antenna.  The magnetic antenna has an electrode material formed in a coil shape around a magnetic core.  The insulating member is formed around the magnetic antenna excluding one end of the longitudinal direction of the coil.  The metal or the conductive member is formed outside the insulating member.

Inventors:
KOUJIMA JUN (JP)
KIMURA TETSUYA (JP)
DOI TAKANORI (JP)
SATO YOSHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/002060
Publication Date:
November 19, 2009
Filing Date:
May 12, 2009
Export Citation:
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Assignee:
TODA KOGYO CORP (JP)
KOUJIMA JUN (JP)
KIMURA TETSUYA (JP)
DOI TAKANORI (JP)
SATO YOSHIRO (JP)
International Classes:
H01Q7/08; G06K19/07; G06K19/077
Foreign References:
JP2004200829A2004-07-15
JP2003046321A2003-02-14
JP2007019891A2007-01-25
JP2007019891A2007-01-25
JP2002207980A2002-07-26
JP2004362342A2004-12-24
JP2005198255A2005-07-21
Other References:
See also references of EP 2280450A4
Attorney, Agent or Firm:
OKADA, KAZUHIKO (JP)
Kazuhiko Okada (JP)
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Claims:
 電磁誘導方式を利用し情報を送受信するための複合RFタグであり、該複合RFタグはICを実装した磁性体アンテナと該磁性体アンテナの周囲に形成された絶縁物と金属物又は導電物とからなり、前記磁性体アンテナは磁性体からなるコアを中心として電極材料がコイル状となるように形成され、前記絶縁物は磁性体アンテナのコイル長手方向の一端を除く周囲に形成され、前記金属物又は導電物は前記絶縁物の外側に形成されていることを特徴とする複合RFタグ。
 電磁誘導方式を利用し情報を送受信するための複合RFタグであり、該複合RFタグはICを実装した磁性体アンテナと該磁性体アンテナの周囲に形成された絶縁物と金属物又は導電物とからなり、前記磁性体アンテナは磁性体と非磁性体とからなるコアを中心として電極材料がコイル状となるように形成され、前記絶縁物は磁性体アンテナのコイル長手方向の一端を除く周囲に形成され、前記金属物又は導電物は前記絶縁物の外側に形成されている複合RFタグ。
 請求項1記載の複合RFタグにおいて、前記金属物又は導電物の形状が円形の場合、金属物又は導電物の内径が磁性体アンテナ断面の最長長さの1.0倍以上である複合RFタグ。
 請求項1記載の複合RFタグにおいて、前記金属物又は導電物の深さ方向の長さが、磁性体アンテナの長手方向の長さの1.0倍以上である複合RFタグ。
 電磁誘導方式を利用し情報を送受信するための複合磁性体アンテナであり、該複合磁性体アンテナは磁性体アンテナと該磁性体アンテナの周囲に形成された絶縁物と金属物又は導電物とからなり、前記磁性体アンテナは磁性体又は磁性体と非磁性体とからなるコアを中心として電極材料がコイル状となるように形成され、前記絶縁物は磁性体アンテナのコイル長手方向の一端を除く周囲に形成され、前記金属物又は導電物は前記絶縁物の外側に形成されている複合磁性体アンテナ。
 請求項1~4の何れかに記載の複合RFタグ又は請求項5記載の複合磁性体アンテナを設置した金属部品。
 請求項1~4の何れかに記載の複合RFタグ又は請求項5記載の複合磁性体アンテナを設置した金属工具。
Description:
複合磁性体アンテナ及びRFタグ 該複合磁性体アンテナ又はRFタグを設置した 金属部品、金属工具

 本発明は、磁界成分を利用して情報を通 するための磁性体アンテナ及びそれを用い RFタグに関するものであり、該磁性体アン ナは、コイル長手方向の一端を除く周囲を 属物あるいは導電物で囲まれるように形成 ることにより、従来のRFタグでは利用できな かった金属埋め込みでの利用を、十分な通信 感度を保ったままで可能とするものである。

 磁性体を使用し電磁波を送受信するアン ナ(以下、「磁性体アンテナ」という)は、 ア(磁性体)に導線を巻き線してコイルを作り 、外部から飛来する磁界成分を磁性体に貫通 させコイルに誘導させて電圧(または電流)に 換するアンテナであり、小型ラジオやTVに 広く利用されてきた。また、近年、普及し きたRFタグと呼ばれる非接触型の物体識別装 置に利用されている。

 周波数がより高くなると、RFタグにおい は、磁性体を使用せず識別対象物と平面が 行になる平面ループコイルがアンテナとし 使用され、さらに周波数が高くなると(UHF帯 マイクロ波帯)、RFタグを含めて磁界成分を 出するよりも、電界成分を検出する電界ア テナ(ダイポールアンテナや誘電体アンテナ )が広く使用されている。

 このような平面ループアンテナや電界ア テナは、金属物が接近すると、金属物にイ ージ(ミラー効果)ができて、アンテナと逆 相になるために、アンテナの感度が失われ という問題が生じる。

 一方、磁界成分を送受信するための磁性 アンテナであって、磁性層を中心とするコ に電極材料をコイル状に形成し、コイル状 電極材料を形成した一方又は両方の外側面 絶縁層を形成し、前記絶縁層の一方又は両 の外側面に導電層を設けた磁性体アンテナ 知られている(特許文献1)。該磁性体アンテ は、金属物に接触した場合であっても、ア テナとしての特性が維持されるものである また、タグ又は磁性体アンテナの設置状態 特定したタグ又はアンテナが知られている( 特許文献2~4)。

特開2007-19891号公報

特開2002-207980号公報

特開2004-362342号公報

特開2005-198255号公報

 前記特許文献1記載の方法では、特定方向 への金属貼り付け用途への対策は考えられて いるが、金属部品や金属工具などに埋め込ん だ場合、十分な感度を維持することができな い。

 また、前記特許文献2記載の方法では、対 象物の表面に設置することを目的としており 、対象物中に埋め込んで使用することは考慮 されていない。

 また、前記特許文献3及び4記載の方法で 、磁性体アンテナの周辺を磁性体で被覆す ことが記載されているが、フェライト材を 覆することで感度向上させることを目的と たもので、外部周辺の金属あるいは導体の 響を解決できるものではない。

 そこで、本発明は、小型で金属に開けた 径の穴に埋め込んだ状態でも、特性が維持 きる磁性体アンテナからなる複合RFタグあ いは複合磁性体アンテナを得ることを目的 する。

 前記技術的課題は、次の通りの本発明に って達成できる。

 即ち、本発明は、電磁誘導方式を利用し 報を送受信するための複合RFタグであり、 複合RFタグはICを実装した磁性体アンテナと 磁性体アンテナの周囲に形成された絶縁物 金属物又は導電物とからなり、前記磁性体 ンテナは磁性体からなるコアを中心として 極材料がコイル状となるように形成され、 記絶縁物は磁性体アンテナのコイル長手方 の一端を除く周囲に形成され、前記金属物 は導電物は前記絶縁物の外側に形成されて ることを特徴とする複合RFタグである(本発 1)。

 また、本発明は、電磁誘導方式を利用し 報を送受信するための複合RFタグであり、 複合RFタグはICを実装した磁性体アンテナと 磁性体アンテナの周囲に形成された絶縁物 金属物又は導電物とからなり、前記磁性体 ンテナは磁性体と非磁性体とからなるコア 中心として電極材料がコイル状となるよう 形成され、前記絶縁物は磁性体アンテナの イル長手方向の一端を除く周囲に形成され 前記金属物又は導電物は前記絶縁物の外側 形成されている複合RFタグである(本発明2)

 また、本発明は、本発明1記載の複合RFタ において、前記金属物又は導電物の形状が 形の場合、金属物又は導電物の内径が磁性 アンテナ断面の最長長さの1.0倍以上である 合RFタグである(本発明3)。

 また、本発明は、本発明1記載の複合RFタ において、前記金属物又は導電物の深さ方 の長さが、磁性体アンテナの長手方向の長 の1.0倍以上である複合RFタグである(本発明4 )。

 また、本発明は、電磁誘導方式を利用し 報を送受信するための複合磁性体アンテナ あり、該複合磁性体アンテナは磁性体アン ナと該磁性体アンテナの周囲に形成された 縁物と金属物又は導電物とからなり、前記 性体アンテナは磁性体又は磁性体と非磁性 とからなるコアを中心として電極材料がコ ル状となるように形成され、前記絶縁物は 性体アンテナのコイル長手方向の一端を除 周囲に形成され、前記金属物又は導電物は 記絶縁物の外側に形成されている磁性体ア テナである(本発明5)。

 また、本発明は、本発明1~4の何れかに記 の複合RFタグ又は本発明5記載の複合磁性体 ンテナを設置した金属部品である(本発明6)

 また、本発明は、本発明1~4の何れかに記 の複合RFタグ又は本発明5記載の複合磁性体 ンテナを設置した金属工具である(本発明7)

 本発明に係る複合RFタグ及び複合磁性体 ンテナは、金属物の小スペースの穴などに め込んだ状態でも通信感度の変動がなく、13 .56MHzのRFID用途として好適である。

 本発明に係る複合RFタグおよび複合磁性 アンテナは、小型であり、かつ外部影響、 に外部の金属あるいは導体の影響を無視で るので、携帯機器、容器、金属部品、基板 金属製工具、各種金型、印刷版や印刷ロー 、自転車や自動車などの車両、金属製冶具 ボルト、鋲などのマーカー等の各種用途に め込んだ状態で用いることができる。

本発明に係る複合RFタグの概念図であ 。 本発明に係る複合RFタグの断面図であ 。 本発明における磁性体アンテナの概念 である。 本発明における磁性体アンテナの概念 である。 本発明における磁性体アンテナの概念 である。 本発明における磁性体アンテナのコイ 部分の積層構成図である。

符号の説明

 1:スルーホール
 2:電極層(コイル電極)
 3:コイル開放端面
 4:コイル
 5:磁性層
 6:絶縁層
 7:導電層
 8:非磁性層
 17:磁性体アンテナ
 20:絶縁物
 30:金属物又は導電物
 a:磁性体アンテナの最長径
 b:金属物又は導電物の内径
 c:磁性体アンテナの長手方向の長さ
 d:金属物又は導電物の深さ方向の長さ

 まず、本発明に係る複合RFタグについて べる。

 本発明に係る複合RFタグは、ICを実装した 磁性体アンテナ(RFタグ)のコイル長手方向(磁 の開放面)の一端を除く周囲に絶縁物が形成 され、さらに、金属物又は導電物が前記絶縁 物の外側に形成されているものである。磁性 体アンテナは磁性体又は磁性体と非磁性体と からなるコアを中心として電極材料がコイル 状となるように形成されており、当該磁性体 アンテナにICを実装してRFタグとする。

 本発明に係る複合RFタグの概略図を図1(a)~ (d)、図2に示す。

 図に示すとおり、本発明に係る複合RFタ は、磁性体アンテナ17の周囲にコイル長手方 向の一端以外を金属物又は導電物30で囲むよ に配置し、さらに、磁性体アンテナと前記 属物又は導電物との間を絶縁物質20で充填 た構造となっている。

 本発明において金属物あるいは導電物の 面形状は、特に限定されるものではなく、 形、楕円形、三角形状、四角形、五角形、 角形などの多角形状、星形などのいずれの 状であっても良い。工業的な生産性を考慮 れば円形が好ましい。

 また、金属物あるいは導電物において、 性体アンテナのコイル長手方向の断面形状 図1(a)に示した円筒形以外にも図1(b)~(d)に示 ような底がないものや円錐形、底が半球で ってもよい。

 なお、金属物又は導電物は絶縁物の外側 面に形成される必要はなく、絶縁物の外側 面に形成した状態及び隙間が空いた状態で っても良い。例えば、二つ以上の湾曲した 属物又は導電物を互いの金属物又は導電物 接触しないように隙間を空けて形成した状 、二つ以上の板状の金属物又は導電物を互 の金属物又は導電物が接触しないように絶 物上に形成した状態、部分的に隙間を開け 状態、絶縁物の断面を円状とした場合に金 物又は導電物をC字状に形成した状態、絶縁 物の断面を四角形などの多角形状とした場合 に各角部に金属物又は導電物を形成した状態 等のいずれの状態であってもよい。また、前 記隙間が空いた状態であっても、複合RFタグ 少なくともいずれか一方の端部のみ金属物 は導電物が全面に形成された状態となって よい。

 本発明において、金属物又は導電物の形 が円形の場合、金属物又は導電物の内径(図 2のc)は磁性体アンテナ断面の最長長さ(図2のa )に対する比(c/a)が1.0倍以上であることが必要 であるが、1.1倍以上が好ましい。より好まし くは1.3倍以上である。

 また、金属物又は導電物の深さ方向の長 (図2のd)は、コアの長手方向の長さ(図2のb) 対する比(d/b)が1.0倍以上であることが好まし い。前記d/bが1.0未満の場合には十分な感度を 有することが困難となる。より好ましくは、 1.2倍以上である。

 また、金属物又は導電物の厚さは特に限 されるものではないが、0.5~2.0mm程度が好ま い。

 本発明における金属物としては、特に限 されるものではないが、一般的な金属製の イプ材料である、ステンレス、鉄、アルミ ウム、銅、真ちゅうなどがあげられる。導 物としては、カーボンなどの一般的な導電 材料やポリアセチレンなどの導電性高分子 料又はそれらの複合体が利用できる。

 本発明における絶縁物としては、樹脂、 ラスセラミックス、非磁性フェライトなど 用いればよい。樹脂としては、ポリイミド エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの耐熱 を有するものが好ましい。ガラスセラミッ スとしては、ホウケイ酸系ガラス、亜鉛系 ラス又は鉛系ガラス等が好ましい。非磁性 ェライトとしては、Zn系フェライトなどが ましい。また、樹脂、ガラスセラミックス び非磁性フェライトの2種以上を混合して用 てもよい。

 本発明においては磁性体アンテナにICを 装してRFタグとして用いるものである。一方 、ICを実装しない場合でも、アンテナとして いることが可能である。また、複合磁性ア テナに対して、磁性体アンテナのコイルリ ド端子に接続する配線を複合磁性体アンテ の外側まで延長し、複合磁性体アンテナの 部に設置したICチップと接続してもよい。

 次に、本発明における磁性体アンテナに いて述べる。

 本発明における磁性体アンテナの概略図 図3~図5に示す。

 図3に示す磁性体アンテナは、磁性層(コ )を中心として電極材料がコイル状(巻き線状 )となるように形成され、コイル状の電極材 を形成した一方又は両方の外側面に絶縁層 形成したことを基本構造とするものである

 本発明において、図3に示す磁性体アンテ ナは、図6に示すように磁性粉末をバインダ と混合した混合物をシート状にした単層あ いは複数の層を積層した磁性層5を形成し、 磁性層5にスルーホール1を開ける。前記ス ーホール1のそれぞれに電極材料を流し込み 且つ、スルーホール1と直角になる両面に、 スルーホール1と接続してコイル状(巻き線状) となるように電極層2を形成し、磁性層5が角 あるいは長方形のコアとなるようにコイル 形成する。このとき、コイル4を形成する磁 性層5の両端が磁性回路上開放となる構成と る。

 次いで、電極層を形成したコイル4の上下 面に絶縁層6を形成する。

 得られたシートを、所望の形状となるよ に、スルーホール1とコイル開放端面3で切 して一体焼成する、又は一体焼成後にスル ホール1とコイル開放端面3で切断することに よって製造することができる(LTCC技術)。

 図4に示す磁性体アンテナは、磁性層(コ )を中心として電極材料がコイル状(巻き線状 )となるように形成され、コイル状の電極材 を形成した一方又は両方の外側面に絶縁物 形成し、前記絶縁物の一方又は両方の外側 に導電層を設けたことを基本構造とするも である

 本発明において、図4に示す磁性体アンテ ナは、図6に示すように磁性粉末をバインダ と混合した混合物をシート状にした単層あ いは複数の層を積層した磁性層5を形成し、 磁性層5にスルーホール1を開ける。前記ス ーホール1のそれぞれに電極材料を流し込み 且つ、スルーホール1と直角になる両面に、 スルーホール1と接続してコイル状(巻き線状) となるように電極層2を形成し、磁性層5が角 あるいは長方形のコアとなるようにコイル 形成する。このとき、コイル4を形成する磁 性層5の両端が磁性回路上開放となる構成と る。

 次いで、電極層を形成したコイル4の上下 面に絶縁層6を形成する。

 さらに、前記絶縁層6の一方あるいは両方 の上面(外側面)に導電層7を形成する。

 得られたシートを、所望の形状となるよ に、スルーホール1とコイル開放端面3で切 して一体焼成する、又は一体焼成後にスル ホール1とコイル開放端面3で切断することに よって製造することができる(LTCC技術)。

 図5に示す磁性体アンテナは、本発明に係 る磁性体アンテナは、磁性体5と非磁性体8と らなるコアを中心とし、コアの外側に電極 料をコイル状(巻き線状)となるように形成 、コイル状の電極材料を形成した一方又は 方の外側面に絶縁層を形成することを基本 造とする。前記コアは、磁性体が非磁性体 分割された構造となっている。

 なお、図5に示す磁性体アンテナにおいて 、前記コアの断面において、全磁性体と全非 磁性体との面積の比(全磁性体/全非磁性体)が 1.0以下が好ましい。非磁性層が前記範囲を超 えて大きい場合には、コア内の磁性体の比率 が低下するため、磁性体アンテナの小型化に は不利である。より好ましい範囲は0.5以下、 さらに好ましくは0.2以下である。

 なお、図5に示す磁性体アンテナにおいて 、図5に示す磁性体アンテナのコアを形成す 磁性層の一つの断面積(S)と磁性体アンテナ 長さ(L)との比(S/L)は、0.3以下が好ましい。前 記面積比(S/L)が0.3を超える場合、反磁界の影 を低減することが困難となる。

 本発明において、図5に示すコアを有する 磁性体アンテナは、例えば、以下の方法によ って製造することができる。

 まず、磁性粉末及びバインダーを混合し 混合物をシート状にした単層あるいは複数 層を積層した磁性層を形成する。

 別に、非磁性粉末及びバインダーを混合 た混合物をシート状にした単層あるいは複 の層を積層した非磁性層を形成する。

 次に、図6に示すように、磁性層5と非磁 層8とを交互に、全体の厚みが所望の厚さと るように積層する。

 次いで、積層した磁性層及び非磁性層に 望の数のスルーホール1を開ける。前記スル ーホールのそれぞれに電極材料を流し込む。 また、スルーホールと直角になる両面に、ス ルーホールと接続してコイル状(巻き線状)と るように電極層2を形成する。スルーホール に流し込んだ電極材料と電極層によって、磁 性層が長方形のコアとなるようにコイルを形 成する。このとき、コイルを形成する磁性層 の両端が磁性回路上開放となる構成となる( 4の3)。

 次いで、図5に示すように電極層を形成し たコイルの上下面に絶縁層6を形成する。

 得られたシートを、所望の形状となるよ に、スルーホールとコイル開放端面で切断 て一体焼成する、又は一体焼成後にスルー ールとコイル開放端面で切断することによ て製造することができる(LTCC技術)。

 本発明における磁性体アンテナは、コアの 性体に、Ni-Zn系フェライトなどを用いるこ ができる。Ni-Zn系フェライトを使用する場合 は、Fe 2 O 3  45~49.5モル%、NiO 9.0~45.0モル%、ZnO 0.5~35.0モ %、CuO 4.5~15.0モル%であるような組成が好ま く、使用する周波数帯で材料としての透磁 が高く、磁性損失が低くなるようなフェラ ト組成を選択すると良い。必要以上に高い 磁率の材料にすると磁性損失が増えるので ンテナに適さなくなる。

 例えば、RFIDタグ用途では13.56MHzでの透磁 が70~120、民生FM放送受信用途では100MHzでの 磁率が10~30になるようなフェライト組成を選 択すると磁性損失が少ないので好ましい。

 また、本発明における磁性体アンテナは 絶縁層の外側面に電極材料でコイルリード 子とICチップ接続端子を形成してICを接続す る。

 前記ICチップ接続端子を形成した磁性体 ンテナは、電極層を形成したコイル4の少な とも一方の面の絶縁層6にスルーホール1を け、このスルーホール1に電極材料を流し込 、コイル4の両端と接続し、該絶縁層の表面 に電極材料でコイルリード端子とICチップ接 端子を形成して一体焼成して得ることがで る。

 また、本発明における磁性体アンテナは 絶縁層の外側面にコンデンサー電極を配置 、コンデンサー電極を配置した外側面にさ に絶縁層を設けてもよい。

 また、本発明における磁性体アンテナは 絶縁層の外側面に平行電極若しくはくし型 極を印刷してコンデンサーを形成し、コイ リード端子と並列もしくは直列に接続して よい。

 また、本発明における磁性体アンテナは コンデンサー電極を配置した外側面にさら 絶縁層を設け、該絶縁層の外側面にICチッ 接続端子を兼ねる電極を形成して該絶縁層 挟みこむようにコンデンサーを形成し、ICチ ップ接続端子と並列もしくは直列に接続して もよい。

 また、本発明における磁性体アンテナは 絶縁層の外側面にICチップが接続できる端 構造を有し、ICチップ接続端子とコイルリー ド端子とを並列若しくは直列に接続してもよ い。

 また、本発明における磁性体アンテナは 絶縁層の外側面に可変コンデンサーを設け 端子を形成し、コイルリード端子とコイル ード端子とを並列若しくは直列に接続して よい。

 本発明における磁性体アンテナは、コアの 性体にNi-Zn系フェライトなどを用いること できる。Ni-Zn系フェライトを使用する場合、 Fe 2 O 3  45~49.5モル%、NiO 9.0~45.0モル%、ZnO 0.5~35.0モ %、CuO 4.5~15.0モル%であるような組成が好ま く、使用する周波数帯で材料としての透磁 が高く、磁性損失が低くなるようなフェラ ト組成を選択すると良い。材料としての透 率があまり高すぎると磁性損失が増えるの アンテナに適さなくなる。

 例えば、RFIDタグ用途では13.56MHzでの透磁 が70~120、民生FM放送受信用途では100MHzでの 磁率が10~30になるようなフェライト組成を選 択すると磁性損失が少ないので好ましい。

 本発明における磁性体アンテナは、コア 非磁性体に、Zn系フェライトなどの非磁性 ェライト、ホウケイ酸系ガラス、亜鉛系ガ ス又は鉛系ガラス等のガラス系セラミック あるいは非磁性フェライトとガラス系セラ ックを適量混合したものなどを用いること できる。

 非磁性フェライトに使用するフェライト粉 には、焼結体の体積固有抵抗が10 8 ωcm以上になるようなZn系フェライト組成を選 択するとよい。Fe 2 O 3  45~49.5モル%、ZnO 17.0~22.0モル%、CuO 4.5~15.0モ %である組成が好ましい。

 ガラス系セラミックの場合、使用するガ ス系セラミック粉末には、線膨張係数が使 する磁性体の線膨張係数と大きく異ならな 組成を選択するとよい。具体的には磁性体 して用いる軟磁性フェライトの線膨張係数 の差が±5ppm/℃以内の組成である。

 次に、本発明に係る複合RFタグの製造方 について述べる。

 本発明に係る複合RFタグは、前述した方 によって作製したICを実装した磁性体アンテ ナに対して、長手方向の一端以外を導電物あ るいは金属物で取り囲むように配置し、空隙 を樹脂で埋めて形成してすることができる。 また、磁性体アンテナをディップ法などで樹 脂コートし、乾燥させた樹脂コート表面に金 属あるいは導体をペーストなどを用いて塗布 してもよい。

 本発明に係る複合RFタグは、金属部品、 属工具等の所定の形状の凹部に埋め込むこ ができる。あらかじめ、金属部品、金属工 などのアンテナ又はタグを設置したい対象 に所定の形状の凹部を形成しておけばよい

 なお、本発明に係る複合RFタグはリーダ 対してコイルの長手方向(磁束の開放面)が垂 直になるように設置することが好ましい。

<作用>
 本発明に係る磁性体アンテナは、外周を金 物もしくは導電物で囲むように形成するこ で金属物に埋め込む際に共振周波数などの 性ズレがなく使用環境の変化による通信感 の影響を最小限に抑えることができる。

 以下に添付図面を参照しながら、発明の 施の形態に基づいて本発明を詳細に説明す 。

[RFタグ1]
 磁性層用として、900℃焼結後に13.56MHzでの 料としての透磁率が100になるNi-Zn-Cuフェライ ト仮焼粉(Fe 2 O 3  48.5モル%、NiO 25モル%、ZnO 16モル%、CuO 10.5 ル%)100重量部、ブチラール樹脂8重量部、可 剤5重量部、溶剤80重量部をボールミルで混 しスラリーを製造した。出来たスラリーを クターブレードでPETフィルム上に150mm角で 焼結時の厚みが0.1mmになるようにシート成型 した。

 非磁性層用として、ホウケイ酸ガラス(SiO 2  86~89wt%、B 2 O 3  7~10wt%、K 2 O 0.5~7wt%)100重量部、ブチラール樹脂8重量部 可塑剤5重量部、溶剤80重量部をボールミル 混合しスラリーを製造した。出来たスラリ をドクターブレードでPETフィルム上に150mm角 で、焼結時の厚みがそれぞれ、0.05mmになるよ うにシート成型した。

 また、絶縁層用として同様に、Zn-Cuフェラ ト仮焼粉(Fe 2 O 3  48.5モル%、ZnO 41モル%、CuO 10.5モル%)100重量 、ブチラール樹脂8重量部、可塑剤5重量部 溶剤80重量部をボールミルで混合しスラリー を製造した。出来たスラリーをドクターブレ ードでPETフィルム上に磁性層と同様のサイズ と厚みでシート成型した。

 次に、図6に示すように、磁性層用グリー ンシートにスルーホール1を開けその中にAgペ ーストを充填して、かつスルーホール1と直 になる両面にAgペーストを印刷して10枚積層 、コイルを形成した。

 次に、図5に示すように、絶縁層6用グリ ンシートをコイル4の上下面に積層する。

 積層したグリーンシートをまとめて加圧 着させ、スルーホールとコイル開放端面3で 切断し、900℃で2時間、一体焼成して、横10mm 縦3mmのサイズのコイル巻き数23ターンの磁性 体アンテナ1を作製した。(図ではコイル巻き を簡略している。また、磁性層の積層枚数 図の簡略化のため3層で表している。以下の 他の図についても同様である。)

 さらに、該磁性体アンテナのコイル両端 RFタグ用ICを接続し、ICと並列にコンデンサ を接続して金属物あるいは導電物に囲まれ 状態で共振周波数を13.56MHzになるよう調整 てRFタグとした。

 得られたRFタグを外径6mm、内径5mm、長さ15 mmの金属管(ステンレス)に入れ込み磁性体ア テナの一端を金属管の淵に合わせて中心が なるよう配置し空隙をエポキシ樹脂で充填 、他方を金属板(ステンレス)でふたをして形 成した。

 このときの金属管の内径(図2のc)の磁性体 アンテナ断面の最長長さ(図2のa)に対する比(c /a)は1.4倍であり、金属管の深さ方向の長さ( 2のd)の磁性体アンテナの長手方向の長さ(図2 のb)に対する比(d/b)が1.5倍であった。

 高さ5cmの5cm角SUSブロックに開けた内径6mm 深さ15mmの凹部に、前記複合RFタグを設置す 前後で、以下の測定を行った。

[共振周波数の測定と調整方法]
 共振周波数は、アジレントテクノロジー株 会社製インピーダンスアナライザー4291Aで 定されるインピーダンスのピーク周波数を って共振周波数とした。

[通信距離の測定方法]
 通信距離は、外部金属物の影響が少ないペ 型のリーダ/ライタ(株式会社タカヤ製、製 名TR3-PA001/TR3-M001B)のアンテナのペン先を、作 製したRFタグの金属物あるいは導電物に覆わ ていない一端を向け、13.56MHzで通信が可能 限り離れた位置の時のアンテナとRFタグの距 離を通信距離とした。

[RFタグ2 比較例]
 実施例1と同様に製造した磁性体アンテナに そのままICを実装し、そのままの状態で共振 波数が13.56MHzに調整しRFタグとした。得られ たRFタグを前記SUSブロックにRFタグ1と同様に 置できるよう、エポキシ樹脂で被覆して評 した。

 表1に示すとおり、金属物で被覆しない複 合RFタグでは、金属物に埋め込んだ場合に通 できなかった。




 
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