Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
COMPOSITE MATERIAL FOR ELECTRICAL/ELECTRONIC COMPONENT, ELECTRICAL/ELECTRONIC COMPONENT, AND METHOD FOR PRODUCING COMPOSITE MATERIAL FOR ELECTRICAL/ELECTRONIC COMPONENT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/078775
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a composite material for electrical/electronic components, wherein an insulting coating film substantially composed of a single layer is formed on at least a part of a metal base. This composite material is used as a material for an electrical/electronic component that is formed by blanking. The composite material for electrical/electronic components is characterized in that a metal layer is interposed between the metal base and the insulating coating film so that the separation width of the insulating coating film at an end portion of the composite material after blanking is less than 10 μm. Also disclosed are an electrical/electronic component formed by using such a composite material, and a method for producing such a composite material for electrical/electronic components.

Inventors:
SUGAHARA CHIKAHITO (JP)
ZAMA SATORU (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/074959
Publication Date:
July 03, 2008
Filing Date:
December 26, 2007
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
FURUKAWA ELECTRIC CO LTD (JP)
SUGAHARA CHIKAHITO (JP)
ZAMA SATORU (JP)
International Classes:
C23C26/00; B32B15/08
Foreign References:
JP2004197224A2004-07-15
Attorney, Agent or Firm:
IIDA, Toshizo (1-10 Shimbashi 3-chome, Minato-k, Tokyo 04, JP)
Download PDF:
Claims:
 打ち抜き加工されて形成される電気電子部品の材料として用いられる、金属基材上の少なくとも一部に実質的に1層の絶縁皮膜が設けられた電気電子部品用複合材料であって、前記金属基材と前記絶縁皮膜との間に、前記打ち抜き加工後の材料端部における前記絶縁被膜の剥離幅が10μm未満となるように金属層が介在されていることを特徴とする電気電子部品用複合材料。
 前記金属基材が、銅系金属材料または鉄系金属材料により構成されていることを特徴とする請求項1記載の電気電子部品用複合材料。
 前記金属基材の厚さが、0.04~0.4mmであることを特徴とする請求項1または2に記載の電気電子部品用複合材料。
 前記金属層が、Ni、Zn、Fe、Cr、Sn、Si、およびTiからなる群から選択される金属またはこれらの金属間の合金により構成されることを特徴とする請求項1記載の電気電子部品用複合材料。
 前記金属層の厚さが、0.001~1μmであることを特徴とする請求項4記載の電気電子部品用複合材料。
 前記絶縁皮膜が熱硬化性樹脂で形成されたことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の電気電子部品用複合材料。
 請求項1~6のいずれか1項に記載の電気電子部品用複合材料の打ち抜き加工後に、前記金属基材上の少なくとも一部に前記絶縁皮膜が残存するように形成されたことを特徴とする電気電子部品。
 前記電気電子部品が、打ち抜き加工後、前記絶縁皮膜が設けられていない箇所に湿式の後処理が行われて形成されたことを特徴とする請求項7記載の電気電子部品。
 請求項1~6のいずれか1項に記載の電気電子部品用複合材料の製造方法であって、金属基材表面に、前記金属基材と前記絶縁皮膜との密着性を向上させる金属層を、めっきにより設けることを特徴とする電気電子部品用複合材料の製造方法。
 
Description:
電気電子部品用複合材料、電気 子部品および電気電子部品用複合材料の製 方法

 本発明は、金属基材上に絶縁皮膜が設け れた電気電子部品用複合材料、電気電子部 および電気電子部品用複合材料の製造方法 関する。

 金属基材上に電気的な絶縁皮膜(本発明に おいて、単に「絶縁皮膜」ともいう。)が設 られた絶縁皮膜付きの金属材料は、例えば 路基板等におけるシールド材料として利用 れている。この金属材料は、筐体、ケース カバー、キャップなどに用いることが好適 あり、とりわけ、素子内蔵用低背化(内部空 の高さをより低くすること)筐体に用いるこ とが特に好適であるとされている。

 また、絶縁皮膜付きの金属材料の、金属 材と絶縁皮膜との密着性を高める方法とし は、金属基材の表面にカップリング剤を塗 する方法や、金属基材の表面にデンドライ 状結晶を有しためっき層を形成する方法が られている。

 金属基材上に絶縁皮膜が設けられた金属 料を、上記電気電子部品用の材料として適 する場合、この材料は、金属基材上に絶縁 膜が設けられているため、金属基材と絶縁 膜とをその界面を含めた箇所で打ち抜き加 等の加工を施してコネクタ接点等を形成す ことにより、上記コネクタ接点を狭ピッチ 配置することも可能となり、様々な応用が えられる。

 ところで、従来の材料は金属基材と絶縁 膜との界面を含めた箇所で打ち抜き加工等 加工を施したところ、加工した箇所におい 金属基材と絶縁皮膜との間に数μm~数十μm程 度のわずかな隙間ができることがある。この 様子を図2に斜視図により概略的に示す。図2 おいて、2は電気電子部品、21は金属基材、2 2は絶縁皮膜であり、金属基材21の打ち抜き加 工面21aの近傍で金属基材21と絶縁皮膜22との に隙間23が形成されている。この傾向は、上 記打ち抜き加工の際のクリアランスが大きい ほど(例えば上記金属基材の厚さに対して5%以 上では)、より強まる。上記打ち抜き加工の のクリアランスを小さくすることは実際上 度があるため、上記被加工体が微細化する どこの傾向が強まると換言することもでき 。

 このような状態になると、経年変化など より金属基材21から絶縁皮膜22が完全に剥離 してしまうこととなり、金属基材21上に絶縁 膜22を設けても意味がなくなる。一方、微 加工後に絶縁皮膜を後付けするのは極めて 間がかかり、製品のコストアップにつなが ため実用的ではない。さらに、形成された 気電子部品の金属露出面(例えば打ち抜き加 面21a)をコネクタ接点等として使用したい場 合、金属露出面(例えば打ち抜き加工面21a)に っき等で金属層を後付けすることも考えら るが、めっき液に浸漬した際に隙間23から っき液が浸入して金属基材21から絶縁皮膜22 剥離することを助長してしまうおそれがあ 。

 また、金属基材と絶縁皮膜との密着性を める方法として、金属基材の表面にカップ ング剤を塗布する方法を適用しようとする 合、カップリング剤の液寿命が短いため、 の管理に細心の注意をはらう必要があると う問題がある。また、金属基材表面全体に 質な処理を施すことが難しいため、前記し 微細な隙間に対しては効果がないことがあ 。金属基材の表面にデンドライト状結晶を しためっき層を形成する方法を適用しよう する場合、形成されるめっき層の結晶状態 制御するためには限定されためっき条件で っきを施す必要があり、管理に細心の注意 はらう必要がある。また、十分な密着性を るためにはめっき厚さを1μmより厚くする必 要があるため、経済的にも好ましくない。

 本発明は、金属基材と絶縁皮膜との界面 含めた箇所で打ち抜き加工等の加工を施し も金属基材と絶縁皮膜との密着性が高い状 を保つ電気電子部品用複合材料を提供し、 わせてこの電気電子部品用複合材料により 成される電気電子部品およびこの電気電子 品用複合材料の製造方法を提供することを 題とする。

 本発明者等が鋭意検討した結果、金属基材 に特定の金属層を介して絶縁皮膜を設ける 、前記金属層の結晶状態や厚さによらず、 属基材と絶縁皮膜との密着性が十分に得ら ることを知見し、さらに検討を進めて本発 を完成させるに至った。
 すなわち本発明は、以下の第1~9の解決手段 提供するものである。

 本発明の第1の解決手段は、打ち抜き加工 されて形成される電気電子部品の材料として 用いられる、金属基材上の少なくとも一部に 実質的に1層の絶縁皮膜が設けられた電気電 部品用複合材料であって、前記金属基材と 記絶縁皮膜との間に、前記打ち抜き加工後 材料端部における前記絶縁被膜の剥離幅が10 μm未満となるように金属層が介在されている ことを特徴としている。

 本発明の第2の解決手段は、第1の解決手 において、前記金属基材が、銅系金属材料 たは鉄系金属材料により構成されているこ を特徴としている。

 本発明の第3の解決手段は、第1または第2 解決手段において、前記金属基材の厚さが 0.04~0.4mmであることを特徴としている。

 本発明の第4の解決手段は、第1の解決手 において、前記金属層が、Ni、Zn、Fe、Cr、Sn Si、およびTiからなる群から選択される金属 またはこれらの金属間の合金により構成され ることを特徴としている。

 本発明の第5の解決手段は、第4の解決手 において、前記金属層の厚さが、0.001~1μmで ることを特徴としている。

 本発明の第6の解決手段は、第1から第5ま のいずれかの解決手段において、前記絶縁 膜が熱硬化性樹脂で形成されたことを特徴 している。

 本発明の第7の解決手段は、前記第1から 6までのいずれかの解決手段に記載された電 電子部品用複合材料の打ち抜き加工後に、 記金属基材上の少なくとも一部に前記絶縁 膜が残存するように形成されたことを特徴 している。

 本発明の第8の解決手段は、第7の解決手 において、前記電気電子部品が、打ち抜き 工後、前記絶縁皮膜が設けられていない箇 に湿式の後処理が行われて形成されたこと 特徴としている。

 本発明の第9の解決手段は、前記第1から 6までのいずれかの解決手段に記載された電 電子部品用複合材料の製造方法であって、 属基材表面に、前記金属基材と前記絶縁皮 との密着性を向上させる金属層を、めっき より設けることを特徴としている。

 本発明において、打ち抜き加工後の材料 部における絶縁被膜の剥離幅は、クリアラ ス5%の金型を用いて5mm×10mmの矩形状に試料 打抜いた後、赤インクを溶かした水溶液中 浸漬して測定されたものである。

 さらに、本発明において、以下の構成を併 することで、金属基材と絶縁皮膜との密着 が高い状態を保つ電気電子部品用複合材料 さらに容易に得ることができる。
(1)金属基材を銅系金属材料または鉄系金属材 料により構成すること。
(2)金属基材の厚さを0.04~0.4mmとすること。
(3)金属層をNi、Zn、Fe、Cr、Sn、Si、Tiから選択 れる金属またはこれらの金属間の合金によ 構成すること。
(4)金属層の厚さを0.001~1μmとすること。

 本発明の上記及び他の特徴及び利点は、 宜添付の図面を参照して、下記の記載から り明らかになるであろう。

本発明の好ましい実施態様の電気電子 品用複合材料の一例を示す断面図である。 金属基材と絶縁皮膜との間に隙間が形 された状態の一例を斜視図により示す概念 である。

 以下に、本発明の好ましい実施態様を説明 る。
 本発明の好ましい実施態様の電気電子部品 複合材料の断面図の一例を図1に示す。図1 示すように、この電気電子部品用複合材料1 、金属基材11上に絶縁皮膜12が設けられてお り、金属基材11と絶縁皮膜12との間に、両者 密着性を向上させる金属層13が設けられてい る。この金属層13は、金属基材11および絶縁 膜12との密着性が高めるもので、打ち抜き加 工等による加工性に優れた電気電子部品用複 合材料1を実現することができる。

 図1において、絶縁皮膜12は金属基材11の 面の一部と金属基材11の下面の全体に設けら れている例を示すが、これはあくまでも一例 であって、絶縁皮膜12は金属基材11の上面全 および下面全体に設けられていてもよく、 属基材11の上面の一部および下面の一部に設 けられていてもよい。すなわち、金属基材11 の少なくとも一部に絶縁皮膜12が設けられ いればよい。

 金属基材11としては、導電性などの観点 、銅系金属材料または鉄系金属材料を用い ことが好ましい。銅系金属材料としては、 ん青銅(Cu-Sn-P系)、黄銅(Cu-Zn系)、洋白(Cu-Ni-Zn )、コルソン合金(Cu-Ni-Si系)などの銅基合金 適用可能なほか、無酸素銅、タフピッチ銅 りん脱酸銅なども適用可能である。また、 系金属材料としては、SUS(Fe-Cr-Ni系)、42アロ (Fe-Ni系)などの鉄基合金が適用可能である。

 金属基材11の厚さは、0.04mm以上が好まし 。金属基材の厚さが薄すぎると電気電子部 として十分な強度が確保できないためであ 。また、あまり厚いと打ち抜き加工の際に リアランスの絶対値が大きくなり、打ち抜 部のダレが大きくなるため、厚さは0.4mm以下 とすることが好ましく、0.3mm以下とすること さらに好ましい。このように、金属基材11 厚さの上限は、打ち抜き加工等による加工 影響(クリアランス、ダレの大きさ等)を考慮 して決定される。

 絶縁皮膜12は、適度な絶縁性を有するこ が好ましいため、エポキシ系樹脂などの樹 を用いることが好ましい。特に耐熱性が求 られる用途では、ポリイミド系樹脂、ポリ ミドイミド系樹脂などの耐熱樹脂で形成さ ることが好ましい。このような耐熱性樹脂 中でも熱硬化性樹脂であることがさらに好 しい。

 絶縁皮膜12の材料としては、上記のとお 合成樹脂等の有機材料を用いることが加工 の点などから好ましいが、電気電子部品用 合材料1の要求特性等に応じて、絶縁皮膜12 材料を適宜選択することができる。例えば 成樹脂等の有機材料を基礎としてこれに基 以外の添加物(有機物、無機物いずれも可)を 添加したものや無機材料なども採用すること ができる。

 金属基材11の表面に金属層13を介して絶縁皮 膜12を設ける方法には、金属基材上の絶縁を する箇所に、(a)接着剤付き耐熱性樹脂フィ ムを配し、前記接着剤を誘導加熱ロールに り溶融し、次いで加熱処理して反応硬化接 する方法、(b)樹脂または樹脂前駆体を溶媒 溶解したワニスを塗布し、溶媒を揮発させ 次いで加熱処理して反応硬化接合する方法 どが挙げられる。本発明の実施形態に係る 気電子部品用複合材料1においては、前記(b) の方法を用いることが、接着剤の影響を考慮 しなくてもよくなる点で好ましい。
 なお、上記(b)の方法の具体例は、絶縁電線 製造方法などでは一般的な技術であり、特 平5-130759号公報などでも知られている。当 公報においては絶縁被覆を複数層設けてお 、当該公報は本発明の参考技術として取り われる。

 ここで、前記(b)の方法は繰り返してもよ 。このようにすると、溶媒の揮発が不十分 なるおそれが少なくなり、絶縁皮膜12と金 層13との間に気泡などが発生するおそれを低 減することができ、絶縁皮膜12と金属層13と 密着性をさらに高めることができる。この うにしても、複数回に分けて形成された樹 硬化体が実質的に同一のものであれば、金 層13上に実質的に1層の絶縁皮膜12を設けるこ とができる。

 また、金属基材11の面の一部に絶縁皮膜12 を設けたい場合には、金属基材11の表面に金 層13を設けた後に、例えば、塗装部をオフ ット(平版)印刷やグラビア(凹版)印刷のロー コート法設備を応用した方法、或いは感光 耐熱樹脂の塗工と紫外線や電子線によるパ ーン形成と樹脂硬化技術を応用する方法、 らには回路基板における露光現象エッチン 溶解による微細パターン形成技術の樹脂皮 への応用などから、樹脂皮膜の形成精度レ ルに応じた製造工法を採用することができ 。このようにすることで、金属基材11の面 うち必要な部分のみに絶縁皮膜12を設けるこ とが容易に実現可能となり、金属基材11を他 電気電子部品または電線等と接続するため 絶縁皮膜12を除去することが不要となる。

 絶縁皮膜12の厚さは、薄すぎると絶縁効 が期待できず、厚すぎると打ち抜き加工が 難になるため、2~20μmが好ましく、3~10μmがさ らに好ましい。

 金属層13は、金属基材11と絶縁皮膜12との密 性を向上させるために設けられる。金属基 11と絶縁皮膜12との密着性は打ち抜き加工後 の材料端部における絶縁被膜の剥離幅が10μm 満であり、5μm未満とすることがさらに好ま しい。
 金属層13は、電気めっき、化学めっき等の 法で形成されることが好ましく、Ni、Zn、Fe Cr、Sn、Si、Tiから選択される金属またはこれ らの金属間の合金(Ni-Zn合金、Ni-Fe合金、Fe-Cr 金など)により構成することが好ましい。

 金属層13をめっきにより形成する場合は 湿式めっきでも乾式めっきでもよい。前記 式めっきの例としては電解めっき法や無電 めっき法が挙げられる。前記乾式めっきの としては物理蒸着(PVD)法や化学蒸着(CVD)法が げられる。

 金属層13の厚さは、薄すぎると金属層13と 金属基材11および絶縁皮膜12との密着性が向 せず、厚すぎると金属層13と金属基材11およ 絶縁皮膜12との密着性向上効果が飽和する けでなく、製造コスト増大にもつながるた 、0.001~1μmが好ましく、0.005~0.5μmがさらに好 しい。

 また、電気電子部品用複合材料1を打ち抜 き加工等により加工した後、絶縁皮膜12が設 られていない箇所に湿式の後処理が行われ もよい。絶縁皮膜12が設けられていない箇 とは、例えば図1における金属基材11の側面 、金属基材11の上面の一部の絶縁皮膜12が設 られている部分以外の箇所などを意味する ここで用いられる湿式処理としては、例え 、湿式めっき(Niめっき、Snめっき、Auめっき 等)、水系洗浄(酸洗い、アルカリ脱脂等)、溶 剤洗浄(超音波洗浄等)などが挙げられる。例 ば、湿式めっきにより後付け金属層を設け ことにより、金属基材11の表面を保護する とができるが、本実施形態の電気電子部品 複合材料1は、金属基材11と絶縁皮膜12との密 着性を向上させた結果、めっき等の後加工に より後付け金属層(図示せず)を設けても絶縁 膜12が金属基材11から剥離しない利点がある 。

 ここで、後付け金属層の厚さは金属層13 厚さにかかわらず適宜決定されるが、金属 13と同様に0.001~1μmの範囲にしてもよい。後 け金属層として用いられる金属は、電気電 部品の用途により適宜選択されるが、電気 点、コネクタなどに用いられる場合は、Au、 Ag、Cu、Ni、Snまたはこれらを含む合金である とが好ましい。

 本発明によれば、金属基材と絶縁皮膜と 間に、前記金属基材と前記絶縁皮膜との密 性を向上させる金属層が介在されているた 、金属基材と絶縁皮膜との界面(具体的には 金属基材と金属層との界面および金属層と絶 縁皮膜との界面)を含めた箇所で打ち抜き加 等の加工を施しても金属基材と絶縁皮膜と 密着性が高い状態を保ち、打ち抜き加工等 よる加工性に優れた電気電子部品用複合材 を得ることができる。

 また、本発明の電気電子部品は、金属基 上の少なくとも一部に絶縁皮膜が設けられ 電気電子部品用複合材料が打ち抜き加工等 より加工されて金属基材上の一部に絶縁皮 が残存するように形成された電気電子部品 あって、電気電子部品用複合材料として金 基材と絶縁皮膜との密着性を向上させる金 層が介在された材料を用いているため、金 基材に絶縁皮膜が金属層を介して密着し、 ち抜き加工等による加工性に優れた電気電 部品を容易に得ることができる。

 さらに、本発明の電気電子部品は、金属 材と絶縁皮膜とが密着しているため、絶縁 膜が設けられていない箇所にめっき等の後 工により後付け金属層を容易に設けること 可能となり、この電気電子部品を狭ピッチ 配置して用いても、絶縁皮膜が金属基材か 剥離することを原因とする絶縁不良などを こすことがない。

 また、本発明の電気電子部品用複合材料 製造方法は、金属基材表面に、前記金属基 と絶縁皮膜との密着性を向上させる金属層 、めっき等により設けることにより、金属 材と絶縁皮膜との界面(具体的には金属基材 と金属層との界面および金属層と絶縁皮膜と の界面)を含めた箇所で打ち抜き加工等の加 を施しても、金属基材と絶縁皮膜との密着 が高い状態を保ち、打ち抜き加工等による 工性に優れた電気電子部品用複合材料を容 に得ることができる。

 以下、実施例に基づき本発明をさらに詳 に説明するが、本発明は、これらに限定さ るものではない。

[実施例1]
(試料)
 厚み0.1mm、幅10mmの金属条(金属基材)に電解 脂、酸洗処理をこの順に施した後、Niめっき 、Znめっき、Feめっき、Crめっき、Snめっき、N i-Zn合金めっき、Ni-Fe合金めっき、Fe-Cr合金め き、Siめっき、Tiめっきを、それぞれのめっ きで0.001μm、0.005μm、0.01μm、0.05μm、0.1μm、0.5 μm、1.0μm施し、次いで各条の絶縁を要する箇 所に絶縁コーティング層を設けて本発明例の 電気電子部品用複合材料を製造した。金属条 にはJIS合金C5210R(リン青銅、古河電気工業(株) 製)を用いた。なお、めっき厚は、蛍光X線膜 計SFT-3200(セイコープレシジョン(株)製)を用 て10点の平均値により測定した。
 また、比較例として、これとは別に、電解 脂、酸洗処理をこの順に施した後、めっき 施さずに絶縁を要する箇所に絶縁コーティ グ層を設けて電気電子部品用複合材料を製 した。

 (各種条件)
 前記電解脱脂処理は、クリーナー160S(メル ックス(株)製)を60g/l含む脱脂液中において、 液温60℃で電流密度2.5A/dm 2 の条件で30秒間カソード電解して行った。
 前記酸洗処理は、硫酸を100g/l含む酸洗液中 室温で30秒間浸漬して行った。

 前記Niめっきは、スルファミン酸ニッケル40 0g/l、塩化ニッケル30g/l、ホウ酸30g/lを含むめ き液中において、液温55℃で電流密度10A/dm 2 の条件で所定のめっき厚になるようにめっき 槽長とライン速度を調整して行った。
 前記Znめっきは、硫酸亜鉛350g/l、硫酸アン ニウム30g/lを含むめっき液中において、液温 45℃で電流密度20A/dm 2 の条件で所定のめっき厚になるようにめっき 槽長とライン速度を調整して行った。
 前記Feめっきは、硫酸鉄400g/l、硫酸アンモ ウム50g/l、尿素80g/lを含むめっき液中におい 、液温60℃で電流密度30A/dm 2 の条件で所定のめっき厚になるようにめっき 槽長とライン速度を調整して行った。
 前記Crめっきは、無水クロム酸250g/l、硫酸2. 5g/lを含むめっき液中において、液温55℃で電 流密度20A/dm 2 の条件で所定のめっき厚になるようにめっき 槽長とライン速度を調整して行った。
 前記Snめっきは、硫酸スズ55g/l、硫酸100g/lを 含むめっき液中において、液温25℃で電流密 2A/dm 2 の条件で所定のめっき厚になるようにめっき 槽長とライン速度を調整して行った。
 前記Ni-Zn合金めっきは、塩化ニッケル75g/l、 塩化亜鉛30g/l、塩化アンモニウム30g/l、チオ アン化ナトリウム15g/lを含むめっき液中にお いて、液温25℃で電流密度0.2A/dm 2 の条件で所定のめっき厚になるようにめっき 槽長とライン速度を調整して行った。
 前記Ni-Fe合金めっきは、硫酸ニッケル250g/l 硫酸鉄50g/l、ホウ酸0g/lを含むめっき液中に いて、液温50℃で電流密度5A/dm 2 の条件で所定のめっき厚になるようにめっき 槽長とライン速度を調整して行った。
 前記Fe-Cr合金めっきは、硫酸鉄40g/l、硫酸ク ロム120g/l、塩化アンモニウム55g/l、ホウ酸40g/ lを含むめっき液中において、液温45℃で電流 密度20A/dm 2 の条件で所定のめっき厚になるようにめっき 槽長とライン速度を調整して行った。
 前記SiめっきおよびTiめっきは、巻取式スパ ッタリング装置SPW-069((株)アルバック製)を用 、PVD法により行った。

 前記絶縁コーティング層は、ワニス(流動 状塗布物)を塗装装置の矩形状吐出口から走 する金属基材表面に垂直に吐出し、次いで30 0℃で30秒間加熱して形成した。前記ワニスに はn-メチル2-ピロリドンを溶媒とするポリア ドイミド(PAI)溶液(東特塗料(株)製)を用い、 脂厚が8~10μmの範囲となるように形成した。 お、n-メチル2-ピロリドンを溶媒とするポリ イミド(PI)溶液(荒川化学工業(株)製)、メチル チルケトンを溶媒とするエポキシ樹脂溶液( 大日本塗料(株)製)を用いて樹脂厚が8~10μmの 囲となるように形成したサンプルも得たが 同様の結果が得られた。

 (評価結果)
 得られた電気電子部品用複合材料について 打抜き加工性の評価を行った。前記打抜き 工性の評価は、クリアランス5%の金型を用 て5mm×10mmの矩形状に試料を打抜いた後、赤 ンクを溶かした水溶液中に浸漬し、打抜き の材料端部における樹脂の剥離幅が、5μm未 の場合を◎、5μm以上10μm未満の場合を○、1 0μm以上の場合を×とした。その結果を表1に す。

 表1に示されるように、比較例の試料No.71 、下地めっき処理を施していないため、樹 の打抜き性が劣る。これに対し本発明の試 No.1~70では、樹脂の打抜き性が優れるため、 精密プレス加工用途に適する。特にNiめっき たはZnめっきを施した試料No.1~14は、めっき が薄い領域においても優れた効果が得られ 。

 [実施例2]
 金属条としてJIS合金C7701R(洋白、三菱電機メ テックス(株)製)を用いた他は、実施例1と同 に行った。その結果を表2に示す。

 表2に示されるように、比較例の試料No.142 は、下地めっき処理を施していないため、樹 脂の打抜き性が劣る。これに対し本発明の試 料No.72~141では、樹脂の打抜き性が優れるため 、精密プレス加工用途に適する。特にNiめっ またはZnめっきを施した試料No.72~85は、めっ き厚が薄い領域においても優れた効果が得ら れる。すなわち、実施例1と同様、実施例2の 料No.72~141は、樹脂の打抜き性が優れるため 精密プレス加工用途に適することがいえる

 [実施例3]
 金属条としてSUS304-CPS(ステンレス、日新製 (株)製)を用いた他は、実施例1と同様に行っ 。その結果を表3に示す。

 表3に示されるとおり、比較例の試料No.213 は、下地めっき処理を施していないため、樹 脂の打抜き性が劣る。これに対し本発明の試 料No.143~212では、樹脂の打抜き性が優れるた 、精密プレス加工用途に適する。特にNiめっ きまたはZnめっきを施した試料No.143~156は、め っき厚が薄い領域においても優れた効果が得 られる。すなわち、実施例1、実施例2と同様 実施例3の試料No.143~212は、樹脂の打抜き性 優れるため、精密プレス加工用途に適する とがいえる。

産業上の利用の可能性

 本発明の電気電子部品用複合材料は、金 基材と絶縁皮膜との界面を含めた箇所で打 抜き加工等の加工を施しても金属基材と絶 皮膜との密着性が高い状態を保つので、打 抜き加工等による加工性に優れた電気電子 品用複合材料として好適である。

 本発明をその実施態様とともに説明した 、我々は特に指定しない限り我々の発明を 明のどの細部においても限定しようとする のではなく、添付の請求の範囲に示した発 の精神と範囲に反することなく幅広く解釈 れるべきであると考える。

 本願は、2006年12月27日に日本国で特許出願 れた特願2006-350874、及び2007年12月25日に日本 で特許出願された特願2007-333315に基づく優 権を主張するものであり、これらはいずれ ここに参照してその内容を本明細書の記載 一部として取り込む。