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Title:
COMPOSITION FOR CLEANING AND RUST PREVENTION AND PROCESS FOR PRODUCING SEMICONDUCTOR ELEMENT OR DISPLAY ELEMENT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/013987
Kind Code:
A1
Abstract:
A composition for cleaning and rust prevention which is for use in the step of producing, e.g., a semiconductor element having a metallic wiring containing copper. The composition comprises: an anticorrosive component comprising any of pyrazole, pyrazole derivatives such as 3,5-dimethylpyrazole, 1,2,4-triazole, triazole derivatives, aminocarboxylic acid compounds such as iminodiacetic acid and ethylenediaminedipropionic acid hydrochloride, and disulfides such as diisopropyl disulfide and diethyl disulfide; and a detergent component comprising any of ammonium fluoride, tetramethylammonium fluoride, ammonium acetate, acetic acid, glyoxylic acid, oxalic acid, ascorbic acid, 1,2-diaminopropane, and dimethylacetamide. Also provided is a process for producing a semiconductor element or the like using the composition for cleaning and rust prevention.

Inventors:
SHIMADA KENJI (JP)
MATSUNAGA HIROSHI (JP)
ABE KOJIRO (JP)
YAMADA KENJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/062109
Publication Date:
January 29, 2009
Filing Date:
July 03, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MITSUBISHI GAS CHEMICAL CO (JP)
SHIMADA KENJI (JP)
MATSUNAGA HIROSHI (JP)
ABE KOJIRO (JP)
YAMADA KENJI (JP)
International Classes:
H01L21/304; C11D7/32; C11D7/34; C23G1/04; H01L21/3205; H01L21/768
Foreign References:
JP2006083376A2006-03-30
JP2005286058A2005-10-13
Attorney, Agent or Firm:
OHTANI, Tamotsu (Bridgestone Toranomon Bldg. 6F.25-2, Toranomon 3-chome,Minato-k, Tokyo 01, JP)
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Claims:
 銅を含む金属配線を有する半導体素子または表示素子の製造工程に用いられ、防食剤成分と洗浄剤成分とを含有し、
 前記防食剤成分が、ピラゾール、3,5-ジメチルピラゾール、3,5-ピラゾールジカルボン酸一水和物、ピラゾール-1-カルボキサミジン塩酸塩、3-アミノ-5-ヒドロキシピラゾール、1-フェニルピラゾール、3-アミノ-4-フェニルピラゾール、1,2,4-トリアゾール、4-アミノ-3,5-ジメチル-1,2,4-トリアゾール、イミノ二酢酸、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、エチレンジアミン二プロピオン酸塩酸塩、ジイソプロピルジスルフィド、ジブチルジスルフィドおよびジエチルジスルフィドからなる群から選択される少なくとも1種であり、
 前記洗浄剤成分が、フッ化アンモニウム、フッ化テトラメチルアンモニウム、酢酸アンモニウム、酢酸、グリオキシル酸、シュウ酸、アスコルビン酸、1,2-ジアミノプロパンおよびジメチルアセトアミドからなる群から選択される少なくとも1種である洗浄防食用組成物。
 前記防食剤成分の濃度が0.001~5質量%であり、前記洗浄剤成分の濃度が0.01~90質量%である請求項1に記載の洗浄防食用組成物。
 基板上に、導電用配線となる銅を含む導電薄膜と配線間の絶縁を行う層間絶縁膜とを順次形成し、その表面にフォトレジストを塗布して感光層を形成し、これに選択的露光および現像処理を施してレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクとしてエッチング処理を施した後、レジストをアッシングして除去することにより配線パターンを形成する配線パターン形成工程と、
 エッチング処理後のエッチング残渣を洗浄処理により除去する洗浄処理工程と、
 前記洗浄処理後に加熱処理を施す加熱処理工程と、
 前記加熱処理により露出した配線パターンの表面に拡散防止膜を形成する拡散防止膜形成工程と、を含み、
 前記洗浄処理工程における洗浄処理に、請求項1記載の洗浄防食用組成物を用い、
 前記加熱処理工程における加熱処理の条件が、圧力0.001~600Pa、温度100℃~300℃である半導体素子または表示素子の製造方法。
Description:
洗浄防食用組成物および半導体 子または表示素子の製造方法

 本発明は、半導体素子または表示素子の 造工程において、被処理物表面のエッチン 残渣を除去し、銅や銅合金を含む金属配線 変質を防止し、かつ、成膜工程における成 前に金属配線上に付着した防食剤を容易に 去できる洗浄防食用組成物、および該洗浄 食用組成物を用いた半導体素子または表示 子の製造方法に関する。

 高集積化されたLSIなどの半導体素子の製 方法としては、一般にリソグラフィー法が 用されている。このリソグラフィー法によ 半導体素子を製造する場合には、通常下記 ような一連の工程が適用される。まず、シ コンウェハなどの基板上に、導電用配線素 となる金属膜などの導電薄膜や配線間の絶 を行う目的のシリコン酸化膜などの層間絶 膜が形成される。その後、その表面にフォ レジストを均質に塗布して感光層を設け、 れに選択的露光および現像処理を施して所 のレジストパターンを形成する。次いで、 のレジストパターンをマスクとして下層部 薄膜に選択的エッチング処理を施すことに り該薄膜に所望の配線パターンを形成する そして、レジストパターンを完全に除去す という一連の工程がとられている。

 近年、半導体素子は高集積化が進み、パ ーン加工寸法の超微細化が必要となってき いる。これに伴い上記選択的エッチング処 においてはドライエッチング法が主流とな てきている。ドライエッチング処理におい は、形成されたパターン周辺部に、ドライ ッチングガス、レジスト、被加工膜および ライエッチング装置内の処理室部材などに 因する残渣(以下、「エッチング残渣」と称 する)が生成することが知られている。この ッチング残渣が、特にヴィアホール内部お びその周辺部に残存すると、高抵抗化を招 たり、電気的に短絡が生じたりするなどの ましくない事態が生じる。

 このように回路の微細化が進んできたた 、配線素材も従来多用されてきたアルミニ ムを主成分とする素材では抵抗が高すぎ、 路を指定の速度で動作させることが困難と ってきた。そこで、アルミニウムより電気 抗が小さくマイグレーション特性にも優れ 銅の利用が高まりつつある。

 しかし、銅は絶縁材料に接すると絶縁材 に拡散しその絶縁性を低下させてしまう。 のため、銅の拡散を防止する膜(以下、「拡 散防止膜」と称する)を設けなければならな 。エッチング残渣を除去すると銅配線の一 が露出するので、この後の工程で露出して る銅の上に上記拡散防止膜を形成する必要 ある。しかし、エッチング残渣を除去して が露出すると、銅は非常に変質し易いので 散防止膜で保護されるまでに腐食や酸化な を起こす。具体例を以下に挙げる。

 一般的に、洗浄直後に洗浄液を有機溶媒 超純水でリンスする工程があるが、超純水 容易に大気中の二酸化炭素を吸収し弱酸性 示す。この弱酸性の水で銅を洗浄した場合 銅の腐食が観察される。また、大気中に銅 放置した場合、大気中の酸素の作用により 面が酸化される。このように変質した銅は 気抵抗の上昇や拡散防止金属膜との密着力 低下、変質が腐食の場合にはボイドの発生 どを招く。近年、微細化が進展してきたこ により、これまで許容されていたこのよう わずかな変質でも半導体素子の性能に大き 影響を与え、不良の原因になっている。こ した不良を防止する方法として露出した銅 変質を防ぐ防食剤を付着させることが考え れる。

 銅表面の腐食防止に有効な防食剤は、拡 防止膜を堆積させる工程で変質した銅と同 く電気抵抗の上昇や拡散防止膜との密着力 低下、ボイドの発生などの原因となる。従 て、付着させた防食剤を実用上問題ない程 までに確実に取り除く必要があるが、防食 の除去は容易ではない。また、防食剤を銅 面から取り除いてから拡散防止膜を堆積す までに長時間大気中に銅が露出すると変質 起こるので、防食剤の除去は拡散防止膜を 積する直前でなければ効果がない。

 このように高精度、高品質の半導体素子 得るためには、洗浄液によりエッチング残 を除去した直後から、表面に拡散防止膜を 積させる直前まで腐食を含めた銅の変質を え、拡散防止膜を形成する工程で清浄な銅 面を露出させることが極めて重要である。 って、エッチング残渣の除去能力があり、 ッチング残渣を除去した直後から、表面に 散防止膜を堆積させる直前まで銅の変質を え、さらに拡散防止膜を堆積する時には清 な銅表面を提供する洗浄と防食を兼ね備え 洗浄液が求められている。

 従来、銅配線に対応した洗浄液として、 ッ化アンモニウム、極性有機溶剤、水およ エポキシポリアミドからなる洗浄液(特開200 2-289569号公報)が提案されている。しかし、こ の技術では洗浄中の変質を防いだとしても、 洗浄後の変質まで防ぐことはできない。すな わち、前述の銅配線の変質を防止することは できない。

 銅配線に対応した防食剤を含む洗浄液と て、1、3-ジカルボニル化合物を防食剤とし 含有する洗浄液(特表2005-502734号公報)が提案 されている。しかし、この洗浄液では洗浄直 後に行われる超純水や有機溶媒でリンスする 工程が必要で、このとき防食剤も除去されて しまう。よって、洗浄後の腐食を防ぐことは できない。

 これらの技術以外にも銅配線に対応した 食剤を含有する洗浄液として、ベンゾトリ ゾール化合物、ビニルカルボン酸や還元剤 防食剤として含む洗浄液(特開2001-22096号公 、特開2003-35963号公報、特開2003-167360号公報) どが提案されている。前述の通り、防食剤 エッチング残渣を除去した直後から拡散防 膜を堆積する直前まで銅配線を保護し、拡 防止膜を堆積する直前で完全に脱離された 合にのみ銅配線の変質防止効果が得られる すなわち、防食剤を用いる場合には洗浄中 防食だけでなく適切なタイミングでの防食 の除去を行わなければ高品位の半導体素子 得ることができない。これら前述の技術で 防食剤の除去方法に関しての開示もしくは 唆する記載は一切ない。

 特開2002-97584号公報には、半導体ウェハー 上の銅配線の防食剤として、プリン、ニコチ ン酸等の窒素原子を含む六員環を有する複素 環式化合物を添加した洗浄液が記載されてい る。これら防食剤は除去されない、または、 該銅配線上にシリコン窒化膜を製膜する際に 除去されることにはなっているが、洗浄後か らシリコン窒化膜の製膜までに起こる銅配線 の防食に関しての開示および示唆は一切ない 。

 特開2001-279231号公報には、ビピリジル、 フェノール、ビニルピリジン、サリチルア ドキシム、7-ヒドロキシ-5-メチル-1,3,4-トリ ザインドリジン、2-アミノ-1,3,4-チアジアゾ ル等の複素五員環を有する化合物を銅配線 防食剤として含有する液体が提案されてい 。しかし、この技術は研磨工程における技 であり、残渣除去工程から拡散防止膜を堆 させる直前までの銅配線の腐食を抑制する とを目的としたものではない。

 特開2000-282096号公報、特開2005-333104号公報 には、イミダゾール類、チアゾール類、およ びトリアゾール類を防食剤として含有した洗 浄液が開示されているが、防食剤の除去方法 に関する開示はない。

 以上から、エッチング残渣を除去してか 銅配線表面に拡散防止膜を堆積させる直前 で腐食を含めた銅の変質を抑え、拡散防止 を堆積するときには防食剤成分を容易に除 し清浄な銅表面を提供できる洗浄液が強く 望されている。

 本発明は、銅を含む金属配線を有する半導 素子または表示素子の製造工程において、 ッチング処理後に被処理物表面に強固に付 したエッチング残渣を半導体素子または表 素子上の金属配線、層間絶縁膜などにダメ ジを与えずに除去できる「洗浄性」と、得 れた清浄な金属配線を腐食から防止する「 食性」と、金属配線が拡散防止膜で覆われ 直前に所定の処理で防食剤成分が金属配線 から容易に除去される「易除去性」とを発 する洗浄防食用組成物を提供する。
 また、該洗浄防食用組成物を用いて、エッ ング残渣を洗浄除去しながら銅を含む金属 線の変質を防ぐことが可能な半導体素子ま は表示素子の製造方法を提供する。

課題を解決するため手段

 上記課題を解決すべく本発明者らは、種 の洗浄剤成分および防食剤成分について検 を行ったところ、特定のピラゾール誘導体 トリアゾール誘導体、アミノカルボン酸類 よびジスルフィド化合物のいずれかの防食 と特定の洗浄剤との組み合わせが、既述の 洗浄性」、「防食性」および「易除去性」 満足することを見出し本発明に至った。

 すなわち、本発明は下記の通りである。
 銅を含む金属配線を有する半導体素子また 表示素子の製造工程に用いられ、防食剤成 と洗浄剤成分とを含有し、
 前記防食剤成分が、ピラゾール、3,5-ジメチ ルピラゾール、3,5-ピラゾールジカルボン酸 水和物、ピラゾール-1-カルボキサミジン塩 塩、3-アミノ-5-ヒドロキシピラゾール、1-フ ニルピラゾール、3-アミノ-4-フェニルピラ ール、1,2,4-トリアゾール、4-アミノ-3,5-ジメ ル-1,2,4-トリアゾール、イミノ二酢酸、ヒド ロキシエチレンジアミン三酢酸、グリコール エーテルジアミン四酢酸、ヒドロキシエチル イミノ二酢酸、トリエチレンテトラミン六酢 酸、エチレンジアミン二プロピオン酸塩酸塩 、ジイソプロピルジスルフィド、ジブチルジ スルフィドおよびジエチルジスルフィドから なる群から選択される少なくとも1種であり
 前記洗浄剤成分が、フッ化アンモニウム、 ッ化テトラメチルアンモニウム、酢酸アン ニウム、酢酸、グリオキシル酸、シュウ酸 アスコルビン酸、1,2-ジアミノプロパンおよ びジメチルアセトアミドからなる群から選択 される少なくとも1種である洗浄防食用組成 である。

 また、基板上に、導電用配線となる銅を含 導電薄膜と配線間の絶縁を行う層間絶縁膜 を順次形成し、その表面にフォトレジスト 塗布して感光層を形成し、これに選択的露 および現像処理を施してレジストパターン 形成し、このレジストパターンをマスクと てエッチング処理を施した後、レジストを ッシングして除去することにより配線パタ ンを形成する配線パターン形成工程と、
 エッチング処理後のエッチング残渣を洗浄 理により除去する洗浄処理工程と、
 前記洗浄処理後に加熱処理を施す加熱処理 程と、
 前記加熱処理により露出した配線パターン 表面に拡散防止膜を形成する拡散防止膜形 工程と、を含み、
 前記洗浄処理工程における洗浄処理に、請 項1記載の洗浄防食用組成物を用い、
 前記加熱処理工程における加熱処理の条件 、圧力0.001~600Pa、温度100℃~300℃である半導 素子または表示素子の製造方法である。

ドライエッチング後に形成されたエッ ング残渣の状態を模式的に示した部分断面 である。1:導電薄膜2:炭化シリコン膜3:Low-k 4:エッチング残渣

[1.洗浄防食用組成物]
 本発明の洗浄防食用組成物は、所定の防食 成分と所定の洗浄剤成分とを含む。以下、 れらについて説明する。

(防食剤成分)
 本発明に係る防食剤成分は、洗浄剤成分と もに混合されるものであるので、洗浄を阻 してはならず、かつ所定の処理(減圧加熱) より清浄な金属配線表面を確保するために 全に除去されなければならない。防食剤成 が金属配線だけでなく洗浄対象の一つであ 金属配線酸化物にも付着してしまうと十分 洗浄能力が得られない。よって、清浄な金 配線に選択的に付着する防食剤成分を選択 る必要がある。また、防食剤成分が金属配 と強く結合すると、減圧加熱によって金属 線表面からの除去が困難になる。よって、 度な力で付着する性質を有する防食剤成分 選択する必要がある。

 本発明に使用される防食剤成分(防食剤) しては、まず、窒素原子を2個または3個含ん だ複素環を有し、その窒素の少なくとも2つ 隣り合っている化合物またはその誘導体が げられ、具体的には、ピラゾールまたは特 のピラゾール誘導体や1,2,3-トリアゾール誘 体、1,2,4-トリアゾール誘導体などの特定の リアゾール誘導体を使用する。または、特 のアミノポリカルボン酸類、特定のジスル ィド化合物を使用する。これらの防食剤成 は単独、又は2種以上を組み合わせて使用し もよい。

 洗浄防食用組成物中の防食剤成分の濃度 0.001~5質量%であることが好ましく、0.005~3質 %であることがより好ましい。防食剤成分の 濃度が0.001質量%以上の場合、銅配線の防食効 果を充分なものとすることができ、5質量%以 の場合、防食効果と経済性とのバランスを ることができる。

 ピラゾールまたは特定のピラゾール誘導体 特定のトリアゾール誘導体としては、ピラ ール、ピラゾール-1-カルボキサミジン塩酸 、3,5-ジメチルピラゾール、3,5-ピラゾール カルボン酸一水和物、3-アミノ-5-ヒドロキシ ピラゾール、1-フェニルピラゾール、3-アミ -4-フェニルピラゾール、1,2,3-トリアゾール 1,2,4-トリアゾール、3-アミノ-1,2,4-トリアゾ ル、4-アミノ-1,2,4-トリアゾール、4-アミノ-3, 5-ジメチル-1,2,4-トリアゾールのいずれかを使 用する。
 これらのうち好ましくは、ピラゾール-1-カ ボキサミジン塩酸塩、3,5-ジメチルピラゾー ル、3,5-ピラゾールジカルボン酸一水和物、3- アミノ-5-ヒドロキシピラゾール、1-フェニル ラゾール、3-アミノ-4-フェニルピラゾール 1,2,4-トリアゾール、および4-アミノ-3,5-ジメ ル-1,2,4-トリアゾールである。また、最も好 ましくは、3,5-ジメチルピラゾールである。

 特定のアミノポリカルボン酸類としては エチレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチ ンジアミン三酢酸、グリコールエーテルジ ミン四酢酸、イミノ二酢酸、ヒドロキシエ ルイミノ二酢酸、トリエチレンテトラミン 酢酸、ジアミノシクロヘキサン四酢酸、ジ チレントリアミン五酢酸、およびエチレン アミン二プロピオン酸塩酸塩のいずれかを 用する。これらのうち好ましくは、イミノ 酢酸、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸 グリコールエーテルジアミン四酢酸、ヒド キシエチルイミノ二酢酸、トリエチレンテ ラミン六酢酸、およびエチレンジアミン二 ロピオン酸塩酸塩であり、特に好ましくは イミノ二酢酸、ヒドロキシエチレンジアミ 三酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢 、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、トリエ レンテトラミン六酢酸、およびエチレンジ ミン二プロピオン酸塩酸塩である。

 特定のジスルフィド化合物としては、ジ チルジスルフィド、ジイソプロピルジスル ィド、ジブチルジスルフィドのいずれかを 用する。なかでも好ましくは、ジエチルジ ルフィドおよびジイソプロピルジスルフィ で、特に好ましくは、ジエチルジスルフィ である。

 防食剤成分は、清浄な金属配線に選択的 、かつ適度な力で付着するように選択する 要がある。一般的に窒素、酸素、硫黄は銅 錯体を形成しやすい。上記した化合物は銅 錯体を形成し防食効果を示すと推察される また、立体障害や電子密度により適度な結 力に抑えられていると推察される。上記の うな防食剤成分としては、例えば、200℃程 で脱離するようなものを使用することが好 しい。

 本発明に係る防食剤成分は、上記特定の防 剤成分を水溶液、または水溶性有機溶媒中 混合した状態で、後述する洗浄剤成分中に 加することができる。
 水溶性有機溶媒としては、N、N-ジメチルホ ムアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチ -2-ピロリドン、γ-ブチロラクトン、エチレ グリコールモノメチルエーテル等を例示す ことができるが、これらに限定されるもの はない。

(洗浄剤成分)
 洗浄剤成分(洗浄剤)としては、フッ化アン ニウム、フッ化テトラメチルアンモニウム 酢酸アンモニウム、酢酸、グリオキシル酸 シュウ酸、アスコルビン酸、1,2-ジアミノプ パンおよびジメチルアセトアミドのいずれ を使用する。なかでも好ましくは、フッ化 ンモニウム、フッ化テトラメチルアンモニ ム、酢酸アンモニウム、酢酸、1,2-ジアミノ プロパンである。

 洗浄防食用組成物中の洗浄剤成分の濃度 0.01~90質量%であることが好ましく、0.03~86質 %であることがより好ましい。濃度が0.01質 %以上の場合、洗浄効果を充分なものとする とができ、90質量%以下の場合、洗浄効果と 済性とのバランスを図ることができる。

 本発明の洗浄防食用組成物は、上記特定 防食剤成分および洗浄剤成分(それぞれの成 分は特定の溶媒中に混合されていてもよい) 混合することで得られる。なお、洗浄防食 組成物には、所望により本発明の目的を損 わない範囲で従来から洗浄液に使用されて る添加剤を配合してもよい。

 本発明の洗浄防食用組成物が適用できる 導体素子および表示素子は、配線材料とし Cuを主成分としているものであれば特に限 されるものではない。例えば、シリコン、 晶質シリコン、ポリシリコン、ガラスなど 基板材料;酸化シリコン、窒化シリコン、炭 シリコン及びこれらの誘導体などの絶縁材 ;チタン、窒化チタン、タンタル、窒化タン タルなどのバリア材料;銅を主成分とし、タ グステン、チタン-タングステン、アルミニ ム、アルミニウム合金、クロム、クロム合 などを含む配線材料を含む半導体素子およ 表示素子や、ガリウム-砒素、ガリウム-リ 、インジウム-リン等の化合物半導体や、ク ム酸化物などの酸化物半導体などが挙げら る。

[2.半導体素子または表示素子の製造方法]
 本発明の半導体素子または表示素子の製造 法は、基板上に、導電用配線となる銅を含 導電薄膜と配線間の絶縁を行う層間絶縁膜 を順次形成し、その表面にフォトレジスト 塗布して感光層を形成し、これに選択的露 および現像処理を施してレジストパターン 形成し、このレジストパターンをマスクと てエッチング処理を施した後、レジストを ッシングして除去することにより配線パタ ンを形成する配線パターン形成工程と、エ チング処理後のレジストおよびエッチング 渣を洗浄処理により除去する洗浄処理工程 、洗浄処理後に加熱処理を施す加熱処理工 と、加熱処理により露出した配線パターン 表面に拡散防止膜を形成する拡散防止膜形 工程と、を含む。

 洗浄処理工程における洗浄処理には、本発 の洗浄防食用組成物を用いる。
 洗浄処理の温度は、20~50℃の範囲であるこ が好ましく、エッチングの条件や使用され 半導体基体により適宜選択すればよい。

 洗浄処理には必要に応じて超音波を併用 ることができる。洗浄処理により、半導体 体上のエッチング残渣を除去した後のリン 液としては、アルコールのような有機溶剤 使用する必要はなく、水でリンスするだけ 十分である。洗浄処理後でも、配線パター の露出部分は、防食剤成分が適度な付着力( 後述の加熱処理で除去される程度の付着力) 覆っているため、その後長期に保存しても 食効果を発現し続けることができる。

 加熱処理工程における加熱処理では、後 拡散防止膜形成工程で拡散防止膜を形成す 前に、防食剤成分を実用上問題ない程度ま に脱離させる必要がある。そのために、加 処理時に所定の減圧度にする必要があり、 の圧力は0.001~600Paとする。脱離を行う際の 力が600Paを超える場合、防食剤成分が実用上 問題ない程度まで除去できず銅表面に残存し てしまう。また、600Pa超で完全に脱離する化 物を本発明の目的とする防食剤成分として 用した場合、大気圧で25℃程度の条件でも 部防食剤の脱離が起こり、防食効果が不十 となる場合がある。実用的な観点から、脱 を行う際の圧力の下限は0.001Paとする。

 上記記載の減圧下において、本発明に係る 食剤成分を実用上問題ない程度までに脱離 せるため温度(加熱処理温度)は、100℃~300℃ あり、好ましくは120℃~280℃で、より好まし くは150℃~250℃である。
 温度が100℃未満で完全に脱離する場合、大 圧で25℃程度の条件でも一部防食剤の脱離 起こり、防食効果が不十分となる。300℃を えなければ脱離しない場合、防食剤を脱離 る工程で半導体素子にダメージを与えてし う。

 なお、上記配線パターン形成工程で適用 れる各層の形成条件や材料、エッチング条 などは従来一般的に知られる技術を適用で る。また、拡散防止膜形成工程における拡 防止膜の材料や形成方法も従来一般的に知 れる技術を適用できる。

 次に実施例および比較例により本発明を らに具体的に説明する。ただし、本発明は れらの実施例によりなんら制限されるもの はない。

(半導体素子の製造)
 下記のようにして、半導体素子を製造した
 まず、図1に示すように、銅配線となる導電 薄膜1上にCVD法により炭化シリコン膜2と層間 縁膜であるLow-k膜3とを順に堆積させた。そ 後、レジストを塗布し通常のフォト技術を いてレジストを加工した。ドライエッチン 技術を使用してLow-k膜3と炭化シリコン膜2を 所望のパターンにエッチング加工してビアホ ールを形成しレジストをアッシングにより除 去して、半導体素子を作製した。作製後の半 導体素子のビアホール内壁には、エッチング 残渣4が付着していた。

[実施例1~20および比較例1~20]
 下記洗浄剤成分に、下記表1及び表2に示す 食剤成分を混合して、実施例1~20および比較 1~20の洗浄防食用組成物を作製した。これら の洗浄防食用組成物を用いて、下記評価を行 った。

(洗浄剤成分)
A液;フッ化アンモニウム0.4質量%、グリオキシ ル酸0.03質量%、水 残部
B液;酢酸12質量%、酢酸アンモニウム15.2質量% ジメチルアセトアミド57.5質量%、フッ化アン モニウム1質量%、水 残部
C液;シュウ酸3.4質量%、アスコルビン酸0.05質 %、水 残部
D液;1,2-ジアミノプロパン0.1質量%、フッ化テ ラメチルアンモニウム0.5質量%、酢酸1.5質量% 、水 残部

(評価1:洗浄性)
 図1に示した半導体素子を各洗浄防食用組成 物に浸漬し、25℃で2分間浸漬した後、超純水 でリンスして乾燥した。上記工程を経た後、 走査型電子顕微鏡(SEM、日立ハイテクノロジ ズ社製S-5500)で表面状態を観察し、洗浄性と て、エッチング残渣の除去性、銅配線体の 食およびLow-k材料のダメージについて評価 た。

(評価2:防食性)
 防食剤の防食能力を確かめるために、全面 銅膜をメッキにて形成したシリコンウェハ 各洗浄防食用組成物中に25℃で2分間浸漬し 後、超純水でリンスして乾燥した。その後 このシリコンウェハを、二酸化炭素を溶解 せた超純水(比抵抗0.2Mω・cm、以下、炭酸水 称する)に25℃で5分間浸漬した。得られた銅 表面をSEMで観察し、銅の腐食を判断した。銅 が腐食しているものは防食剤が機能していな いと考えられる。

(評価3:防食性)
 防食剤成分による銅の変質を抑制する能力 確かめるために、全面に銅膜をメッキにて 成したシリコンウェハを各洗浄防食用組成 中に25℃で2分間浸漬した後、超純水でリン して乾燥した。この後、3日間22℃、湿度45% クリーンルーム内で放置した後、X線光電子 分光装置(XPS、VG Scientific社製)にて銅の状態 測定した。

(評価4:易除去性)
 防食剤成分の銅表面からの脱離性(除去性) 確かめるために、下記実験を行った。まず 全面に銅膜をメッキにて形成したシリコン ェハを下記表1~表3で示した洗浄防食用組成 の中で評価2において効果が見られたものに2 5℃で2分間浸漬した後、超純水でリンスして 燥した。この銅膜を0.1Paの減圧下200℃で5分 加熱した。その後、炭酸水に25℃で5分間浸 し銅表面をSEMで観察した。評価2で効果が見 られた洗浄防食用組成物は銅の表面に炭酸水 による銅の腐食を防止する膜を形成する。保 護膜が付着した銅膜を減圧加熱することによ り保護膜が銅表面から除去されていれば、続 けて炭酸水に浸漬した場合、銅表面に腐食が 観察されるはずである。よって、評価2ではSE M観察で銅に腐食が見られないことが好まし 結果であったが、評価4ではSEM観察で銅に腐 が見られることが好ましい結果と判断され 。

 上記表中の各評価指標は下記の通りである なお、評価が「◎」および「○」であれば 実用上問題ないレベルである。
(評価1のエッチング残渣除去性)
 ◎:完全に除去された。
 ○:ほぼ完全に除去された。
 △:一部残存していた。
 ×:大部分残存していた。

(評価1の銅の防食性)
 ◎:腐食が全く認められなかった。
 ○:腐食がほとんど認められなかった。
 △:クレーター状あるいはピット状の腐食が 認められた。
 ×:銅層の全面にあれが認められ、さらに銅 の後退が認められた。

(評価1のLow-k材料のダメージ)
 ◎:形状の変化が全く認められなかった。
 ○:形状の変化がほとんど認められなかった 。
 △:形状の変化が少し認められた。
 ×:大きな形状の変化が認められた。

(評価2)
 ◎:腐食が全く認められなかった。
 ○:腐食がほとんど認められなかった。
 △:クレーター状あるいはピット状の腐食が 認められた。
 ×:銅層の全面にあれが認められ、さらに銅 の後退が認められた。

(評価3)
 ◎:銅の変質物が全く観察されなかった。
 ○:銅の変質物がほとんど観察されなかった 。
 △:銅の変質物が少し観察された。
 ×:多くの銅の変質物が観察された。

(評価4)
 ◎:銅層の全面に腐食が認められた。
 ○:銅層の一部に腐食が認められた。
 △:腐食がほとんど認められなかった。
 ×:腐食が全く認められなかった。

 表1に示したように、実施例1~20において 、洗浄液(洗浄剤成分)の性能を損なわず、洗 浄後の銅表面の保護効果も優れており、減圧 加熱により容易に取り除くことができた。