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Title:
COMPOSITION CONTAINING INORGANIC PARTICLE, METHOD FOR FORMATION OF INORGANIC LAYER, AND PLASMA DISPLAY PANEL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/149748
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a composition containing an inorganic particle. The composition comprises: an organic compound (A1) which has a terpene skeleton and has a viscosity of 10,000 to 1,000,000 mPa s at 25˚C; and an inorganic particle. The content of the organic compound (A1) is 50 to 95 mass% relative to the total amount of organic compounds contained in the composition.

Inventors:
TANAKA HIROYUKI (JP)
KOBAYASHI YUUJI (JP)
YAMADA NAOKI (JP)
KOBAYASHI HIROMI (JP)
SUGAWARA SHOKO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/059820
Publication Date:
December 11, 2008
Filing Date:
May 28, 2008
Export Citation:
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Assignee:
HITACHI CHEMICAL CO LTD (JP)
TANAKA HIROYUKI (JP)
KOBAYASHI YUUJI (JP)
YAMADA NAOKI (JP)
KOBAYASHI HIROMI (JP)
SUGAWARA SHOKO (JP)
International Classes:
H01J9/02; C09J1/02; H01J9/227; H01J11/02
Foreign References:
JP2004025305A2004-01-29
JP2007217603A2007-08-30
JPH03273069A1991-12-04
JP2006289497A2006-10-26
Attorney, Agent or Firm:
HASEGAWA, Yoshiki et al. (Ginza First Bldg. 10-6,Ginza 1-chome, Chuo-k, Tokyo 61, JP)
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Claims:
 テルペン骨格を有し、且つ、25℃における粘度が10,000~1,000,000mPa・sである有機化合物(A1)と、
 無機粒子と、を含む無機粒子含有組成物であって、
 前記有機化合物(A1)の含有量が、前記無機粒子含有組成物中に含まれる有機化合物全量に対して50質量%~95質量%である、無機粒子含有組成物。
 前記有機化合物(A1)が、下記構造式(1)で表わされるイソボルニルシクロヘキサノールである、請求項1に記載の無機粒子含有組成物。
 前記無機粒子含有組成物中に含まれる有機化合物は、300℃で10分間加熱したときの加熱残分が1質量%以下である、請求項1又は2に記載の無機粒子含有組成物。
 25℃における粘度が10,000~1,000,000mPa・sであり、且つ、300℃で10分間加熱したときの加熱残分が1質量%以下である有機化合物(A2)と、
 無機粒子と、を含む無機粒子含有組成物であって、
 前記有機化合物(A2)の含有量が、前記無機粒子含有組成物中に含まれる有機化合物全量に対して50質量%~95質量%である、無機粒子含有組成物。
 下記一般式(2)で表される化合物を更に含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の無機粒子含有組成物。
[式(2)中、Xは、ハロゲン原子、水素原子、炭素数1~20のアルキル基、炭素数3~10のシクロアルキル基、アミノ基若しくは炭素数1~20のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基、アミノ基、メルカプト基、炭素数1~10のアルキルメルカプト基、アルキル基の炭素数が1~10のカルボキシアルキル基、炭素数1~20のアルコキシ基、又は、複素環からなる基を示し、m及びnは、mが2以上の整数であり、nが0以上の整数であり、且つ、m+n=6を満たすように選ばれる整数であり、nが2以上の整数の時、2以上のXは各々同一であっても異なるものであってもよい。]
 基板上に、請求項1~5のいずれか一項に記載の無機粒子含有組成物を塗工して無機粒子含有組成物層を設ける工程と、
 前記無機粒子含有組成物層を加熱する工程と、
を備える、無機物層の形成方法。
 前記基板が、プラズマディスプレイ用基板であり、前記無機粒子がガラス粒子であり、前記無機物層としてプラズマディスプレイ用誘電体層を形成する、請求項6に記載の無機物層の形成方法。
 前記基板が、プラズマディスプレイ用基板であり、前記無機粒子が蛍光体粒子であり、前記無機物層としてプラズマディスプレイ用蛍光体層を形成する、請求項6に記載の無機物層の形成方法。
 請求項7に記載の無機物層の形成方法により形成されたプラズマディスプレイ用誘電体層、及び/又は、請求項8に記載の無機物層の形成方法により形成されたプラズマディスプレイ用蛍光体層を備える、プラズマディスプレイ。
Description:
無機粒子含有組成物、無機物層 形成方法及びプラズマディスプレイパネル

 本発明は、無機粒子含有組成物、無機物 の形成方法及びプラズマディスプレイパネ に関する。

 平板ディスプレイの1つとして、プラズマ 放電により発光する蛍光体の層を設けること によって多色表示を可能にしたプラズマディ スプレイパネル(以下PDPと記す)が知られてい 。PDPは、ガラスからなる平板状の前面板と 面板とが互いに平行かつ対向して配設され 両者はその間に設けられたバリアリブによ 一定の間隔に保持されており、前面板、背 板及びバリアリブに囲まれた空間で放電す 構造になっている。このような空間には、 示のための電極、誘電体層、蛍光体層等が 設され、放電によって封入ガスから発生す 紫外線によって蛍光体が発光させられ、こ 光を観察者が視認できるようになっている

 ところで、上述の電極、誘電体層、蛍光体 の作製は従来、以下のように行われている まず、電極、誘電体又は蛍光体の材料とし 、金属若しくは金属酸化物の粒子、誘電体 ガラスフリット等のガラス粒子又は蛍光体 子を有機高分子バインダと溶剤との混合物 分散させたスラリー液又はペーストをそれ れ用意し、これをスクリーン印刷、ダイコ ティング等の塗布方法によってガラス基板 に塗布し、その後塗膜を焼成することによ 樹脂成分などの有機物を除去して電極、誘 体層又は蛍光体層が形成される(例えば、特 許文献1を参照)。

特開平11-349349号公報

 上記方法で用いられる有機高分子バイン は、良好な塗膜形成のためには有効である 、以下の問題点を有している。すなわち、 機高分子バインダを分解させるためには、 温が必要であり、多大なエネルギーを要す 。また、有機高分子バインダを使用すると 分解生成物が電気炉内の壁に堆積する問題 ある。更に、有機高分子バインダが分解中 炭化するなどして残存すると、気泡や膨れ 発生したり、放電中に徐々に気化して放電 性に悪影響を及ぼしたりするなどの問題が じることがある。

 本発明は、上記事情に鑑みてなされたも であり、所望の無機体或いは無機物層を従 よりも低エネルギーで形成できるとともに 機化合物に起因する悪影響を低減すること 可能な無機粒子含有組成物を提供すること 目的とする。本発明はまた、かかる無機粒 含有組成物を用いる無機物層の形成方法、 び、かかる無機物層の形成方法によって形 された無機物層を備えるプラズマディスプ イを提供することも目的とする。

 上記課題を解決する本発明の第1の無機粒 子含有組成物は、テルペン骨格を有し、且つ 、25℃における粘度が10,000~1,000,000mPa・sであ 有機化合物(A1)と、無機粒子とを含む無機粒 含有組成物であって、有機化合物(A1)の含有 量が、上記無機粒子含有組成物中に含まれる 有機化合物全量に対して50質量%~95質量%であ ことを特徴とする。

 なお、本発明において、テルペン骨格を するとは、イソプレン単位の倍数である構 を有することを意味する。

 本発明における有機化合物の粘度は、例 ば、JIS Z 8803、JIS K7117に準拠した方法によ り25℃で測定することができる。

 本発明の無機粒子含有組成物によれば、 記構成を有することにより、良好な塗膜を 成できるとともに、テルペン骨格を有する 記有機化合物(A1)が比較的低温で除去可能で あることから、塗膜を焼成するに際して有機 化合物の含有量を従来よりも小さくすること ができる。よって、本発明の無機粒子含有組 成物によれば、従来よりも低エネルギーで所 望の無機体或いは無機物層を形成でき、且つ 、有機化合物に起因する悪影響を低減するこ とが可能となる。また、電気炉内の壁に堆積 する分解生成物の量を低減することも可能と なる。なお、有機化合物(A1)の含有量が、上 無機粒子含有組成物中に含まれる有機化合 全量に対して50質量%未満であると、良好な 膜を形成することが困難となり、95質量%を えると、塗工が困難となる。

 本発明の第1の無機粒子含有組成物において は、組成物の粘度を好適な範囲に設定しやす い点で、上記有機化合物が、下記構造式(1)で 表わされるイソボルニルシクロヘキサノール であることが好ましい。

 また、本発明の第1の無機粒子含有組成物 において、無機粒子含有組成物に含まれる有 機化合物は、300℃で10分間加熱したときの加 残分が1質量%以下であることが好ましい。 の場合、焼成して得られる無機体或いは無 物層において、有機化合物に起因する悪影 を更に低減することができる。

 また、上記課題を解決する本発明の第2の 無機粒子含有組成物は、25℃における粘度が1 0,000~1,000,000mPa・sであり、且つ、300℃で10分間 加熱したときの加熱残分が1質量%以下である 機化合物(A2)と、無機粒子とを含む無機粒子 含有組成物であって、有機化合物(A2)の含有 が、上記無機粒子含有組成物中に含まれる 機化合物全量に対して50質量%~95質量%である とを特徴とする。

 本発明の第1及び第2の無機粒子含有組成物 、下記一般式(2)で表される化合物を更に含 ことが好ましい。
式(2)中、Xは、ハロゲン原子、水素原子、炭 数1~20のアルキル基、炭素数3~10のシクロアル キル基、アミノ基若しくは炭素数1~20のアル ル基で置換されていてもよいフェニル基、 フチル基等のアリール基、アミノ基、メル プト基、炭素数1~10のアルキルメルカプト基 アルキル基の炭素数が1~10のカルボキシアル キル基、炭素数1~20のアルコキシ基、又は、 素環からなる基を示し、m及びnは、mが2以上 整数であり、nが0以上の整数であり、且つ m+n=6を満たすように選ばれる整数であり、n 2以上の整数の時、2以上のXは各々同一であ ても異なるものであってもよい。

 本発明の第1及び第2の無機粒子含有組成 は、プラズマディスプレイパネルの電極、 電体層又は蛍光体層を形成するために用い れることが好ましい。

 また、本発明は、基板上に本発明の第1又 は第2の無機粒子含有組成物から形成される 機粒子含有組成物層を設ける工程と、無機 子含有組成物層を加熱する工程とを備える 機物層の形成方法を提供する。

 本発明の無機物層の形成方法によれば、 発明の第1又は第2の無機粒子含有組成物を いることにより、基板上に所望の無機物層 低エネルギーで形成することができる。ま 、本発明の無機物層の形成方法によれば、 機化合物に起因する悪影響が十分低減され 無機物層を形成することが可能となる。

 本発明の無機物層の形成方法においては 上記基板が、プラズマディスプレイ用基板 あり、上記無機粒子がガラス粒子であり、 記無機物層としてプラズマディスプレイ用 電体層を形成することができる。

 また、本発明の無機物層の形成方法にお ては、上記基板が、プラズマディスプレイ 基板であり、上記無機粒子が蛍光体粒子で り、上記無機物層としてプラズマディスプ イ用蛍光体層を形成することができる。

 本発明はまた、上記本発明の無機物層の 成方法により形成されたプラズマディスプ イ用誘電体層、及び/又は、上記本発明の無 機物層の形成方法により形成されたプラズマ ディスプレイ用蛍光体層を備えるプラズマデ ィスプレイを提供する。

 また、本発明は、基板上に、無機粒子と てガラス粒子を含有する本発明の第1又は第 2の無機粒子含有組成物から形成される無機 子含有組成物層を設ける工程と、無機粒子 有組成物層を焼成する工程とを備える無機 の形成方法により形成された誘電体層を提 する。

 また、本発明は、基板上に、無機粒子と て金属粒子又は金属酸化物粒子を含有する 発明の第1又は第2の無機粒子含有組成物か 形成される無機粒子含有組成物層を設ける 程と、無機粒子含有組成物層を焼成する工 とを備える無機層の形成方法により形成さ た電極を提供する。

 また、本発明は、プラズマディスプレイ ネル用背面基板上に、無機粒子として蛍光 粒子を含有する本発明の第1又は第2の無機 子含有組成物から形成される無機粒子含有 成物層を設ける工程と、無機粒子含有組成 層を焼成する工程とを備える無機層の形成 法により形成された蛍光体層を提供する。

 また、本発明は、本発明の電極、本発明 誘電体層又は本発明の蛍光体層を備えるプ ズマディスプレイパネルを提供する。

 本発明によれば、所望の無機体或いは無 物層を従来よりも低エネルギーで形成でき とともに有機化合物に起因する悪影響を低 することが可能な無機粒子含有組成物を提 することができる。また、本発明によれば 本発明の無機粒子含有組成物を用いる無機 層の形成方法、及び、本発明の無機物層の 成方法によって形成された無機物層を備え プラズマディスプレイを提供することがで る。また、本発明によれば、本発明の無機 子含有組成物を用いることで、従来よりも エネルギーで形成可能な電極、誘電体層及 蛍光体、並びに、これらの電極、誘電体層 は蛍光体を備えるプラズマディスプレイを 供することができる。

本発明に係る誘電体層の形成方法の一 施形態を説明するための模式断面図である 本発明に係る蛍光体層の形成方法の一 施形態を説明するための模式断面図である 本発明のプラズマディスプレイパネル 示す要部断面図である。 テルソルブMTPHと溶剤(B)又は溶剤(C)とを 混合した混合物の粘度と、溶剤(B)又は溶剤(C) の添加量との関係を示す図である。

 以下、必要に応じて図面を参照しつつ、 発明の好適な実施形態について詳細に説明 る。なお、図面中、同一要素には同一符号 付すこととし、重複する説明は省略する。 た、図面の寸法比率は図示の比率に限られ ものではない。

<無機粒子含有組成物>
 本発明の第1の実施形態に係る無機粒子含有 組成物は、テルペン骨格を有し、且つ、25℃ おける粘度が10,000~1,000,000mPa・sである有機 合物(A1)(以下、有機化合物(A1)と略称する場 もある)と、無機粒子とを含む。また、本実 形態の無機粒子含有組成物は、本発明の効 を損なわない範囲で、上記有機化合物(A1)以 外の有機化合物からなる溶剤を含有してもよ い。

 本実施形態においては、有機化合物(A1)とし て、下記構造式(1)で表わされるイソボルニル シクロヘキサノールを用いることが好ましい 。

 上記式(1)で表わされるイソボルニルシク ヘキサノールとしては、「テルソルブMTPH」 (日本テルペン化学社製、商品名)が商業的に 手可能である。

 また、有機化合物(A1)は、300℃で10分間加 したときの加熱残分が1質量%以下であるも が好ましい。なお、加熱環境は、大気中で る。このような有機化合物(A1)を用いた場合 焼成して得られる無機体において、有機化 物に起因する悪影響を更に低減することが きる。上記条件を満足する有機化合物(A1)と しては、上記式(1)で表わされるイソボルニル シクロヘキサノールが挙げられる。

 本実施形態の無機粒子含有組成物におけ 有機化合物(A1)の含有量は、無機粒子含有組 成物全量を基準として20~95質量%が好ましく、 30~90質量%がより好ましく、40~90質量%が更によ り好ましく、40~60質量%が最も好ましい。有機 化合物(A1)の含有量を上記範囲内とすること より、範囲外の場合に比べて均一な塗膜を 成しやすくなるという効果が得られやすく る。

 また、本実施形態の無機粒子含有組成物 おける有機化合物(A1)の含有量は、無機粒子 含有組成物中に含まれる有機化合物全量を基 準として50~95質量であるが、55~95質量%が好ま く、60~90質量%がより好ましく、70~90質量%が に好ましい。有機化合物(A1)の含有量を上記 範囲内とすることにより、範囲外の場合に比 べて均一な塗膜を形成しやすくなるという効 果が得られやすくなる。

 無機粒子としては、形成する無機体或い 無機物層の用途に応じて適宜選択すればよ 、例えば、金属粒子、金属酸化物粒子、ガ ス粒子、蛍光体粒子などが挙げられる。金 粒子としては、金粉、銀粉などが挙げられ 。また、これら粒子に結着材として後述す ガラス粒子を添加してもよい。金属酸化物 子としては、酸化ルテニウム、酸化銅、酸 錫、ITOなどが挙げられる、また、これら粒 に結着材として後述するガラス粒子を添加 てもよい。

 金属粒子及び金属酸化物粒子の平均粒径 、0.01~20μmが好ましく、0.1~10μmがより好まし い。

 ガラス粒子は、低融点であることが好ま く、その軟化点が300~600℃の範囲内にあるこ とが好ましい。ガラス粒子の軟化点が300℃未 満であると、有機化合物(A1)が完全に除去さ ない段階でガラス粒子が溶融し、これによ 有機物が残留して着色などの問題が生じや くなる傾向がある。一方、この軟化点が600 を超えるとガラス基板に歪みなどが発生し すくなる傾向がある。

 ガラス粒子としては、例えば、酸化鉛、酸 ホウ素、酸化ケイ素系(PbO-B 2 O 3 -SiO 2 系)、酸化鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素、酸 アルミニウム系(PbO-B 2 O 3 -SiO 2 -Al 2 O 3 系)、酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素系(Z nO-B 2 O 3 -SiO 2 系)、酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素、 化アルミニウム系(ZnO-B 2 O 3 -SiO 2 -Al 2 O 3 系)、酸化鉛、酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化 イ素系(PbO-ZnO-B 2 O 3 -SiO 2 系)、酸化鉛、酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化 イ素、酸化アルミニウム系(PbO-ZnO-B 2 O 3 -SiO 2 -Al 2 O 3 系)、酸化ビスマス、酸化ホウ素、酸化ケイ 系(Bi 2 O 3 -B 2 O 3 -SiO 2 系)、酸化ビスマス、酸化ホウ素、酸化ケイ 、酸化アルミニウム系(Bi 2 O 3 -B 2 O 3 -SiO 2 -Al 2 O 3 系)、酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化ホウ素 酸化ケイ素系(Bi 2 O 3 -ZnO-B 2 O 3 -SiO 2 系)、酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化ホウ素 酸化ケイ素、酸化アルミニウム系(Bi 2 O 3 -ZnO-B 2 O 3 -SiO 2 -Al 2 O 3 系)等のガラス粒子が挙げられる。これらは 独で又は2種類以上を組み合わせて使用され 。

 ガラス粒子の平均粒径は、0.01~20μmが好ま しく、0.1~10μmがより好ましい。

 蛍光体粒子としては、金属酸化物を主体と る蛍光体が挙げられ、赤色発色の蛍光体と ては、例えば、Y 2 O 2 S:Eu、Zn 3 (PO 4 ) 2 :Mn、Y 2 O 3 :Eu、YVO 4 :Eu、(Y,Gd)BO 3 :Eu等が挙げられる。青色発色の蛍光体として は、例えば、ZnS:Ag、ZnS:Ag,Al、ZnS:Ag,Ga,Al、ZnS:Ag ,Cu,Ga,Cl、ZnS:Ag + In 2 O 3 、Ca 2 B 5 O 9 Cl:Eu 2+ 、(Sr,Ca,Ba,Mg) 10 (PO 4 ) 6 Cl 2 :Eu 2+ 、Sr 10 (PO 4 ) 6 Cl 2 :Eu 2+ 、BaMgAl 14 O 23 :Eu 2+ 、BaMgAl 16 O 26 :Eu 2+ 等が挙げられる。緑色発色の蛍光体としては 、例えば、ZnS:Cu、Zn 2 SiO 4 :Mn、ZnS:Cu + Zn 2 SiO 4 :Mn、Gd 2 O 2 S:Tb、Y 3 Al 5 O 12 :Ce、ZnS:Cu,Al、Y 2 O 2 S:Tb、ZnO:Zn、ZnS:Cu,Al + In 2 O 3 、LaPO 4 :Ce,Tb、BaO・6Al 2 O 3 :Mn等が挙げられる。

 蛍光体粒子の平均粒径は、0.01~20μmが好ま しく、0.1~10μmがより好ましい。

 本実施形態の無機粒子含有組成物が無機 子として金属粒子又は金属酸化物粒子を含 場合、かかる無機粒子含有組成物は電極の 成に好適なものとなる。また、ガラス粒子 含む場合、かかる無機粒子含有組成物は誘 体層の形成に好適なものとなる。また、蛍 体粒子を含む場合、かかる無機粒子含有組 物は蛍光体層の形成に好適なものとなる。

 本実施形態の無機粒子含有組成物におけ 無機粒子の含有量は、基板に対する塗工性 向上できる観点から、組成物全量を基準と て5~80質量%が好ましく、10~70質量%がより好 しく、10~60質量%が更により好ましく、30~50質 量%が最も好ましい。

 本実施形態の無機粒子含有組成物は、塗 の平坦性の点で、沸点が150~250℃の範囲にあ る溶剤(以下、溶剤(B)という場合もある。)を に含むことが好ましい。なお、本明細書に いて溶剤の沸点は、大気圧下での値を指す

 沸点が150~250℃の範囲にある溶剤としては 、例えば、ホロン(沸点:198℃)、シクロヘキサ ノン(沸点:155℃)、メチルシクロヘキサノン( 点:170℃)等のケトン系溶剤、メチルフェニル エーテル(沸点:153℃)、エチルフェニルエーテ ル(172℃)、メトキシトルエン(沸点:172℃)、ベ ジルエチルエーテル(沸点:189℃)、ジエチレ グリコールジメチルエーテル(沸点:160℃)、 エチレングリコールジエチルエーテル(沸点 :188℃)、ジエチレングリコールモノメチルエ テル(沸点:194℃)、ジエチレングリコールモ ブチルエーテル(沸点:231℃)、ジエチレング コールモノブチルエーテルアセテート(沸点 :247℃)、エチレングリコールモノブチルエー ル(沸点:171℃)、エチレングリコールモノイ アミルエーテル(沸点:181℃)等のエーテル系 剤、1-ヘキサノール(沸点:157℃)、1-ヘプタノ ール(沸点:176℃)、2-ヘプタノール(沸点:160℃) 3-ヘプタノール(沸点:156℃)、1-オクタノール (沸点:195℃)、2-オクタノール(沸点:179℃)、2- チル-1-ヘキサノール(沸点:184℃)、シクロヘ サノール(沸点:161℃)、1-メチルシクロヘキサ ノール(沸点:155℃)、2-メチルシクロヘキサノ ル(沸点:165℃)、3-メチルシクロヘキサノー (沸点:173℃)、4-メチルシクロヘキサノール( 点:174℃)、フルフリルアルコール(沸点:170℃) 、エチレングリコール(沸点:198℃)、プロピレ ングリコール(沸点:187℃)、1,2-ブチレングリ ール(沸点:191℃)、ヘキシレングリコール(沸 :197℃)、3-メチル-3-メトキシブタノール(沸 :174℃)等のアルコール系溶剤、3-メトキシ-3- チル-1-ブチルアセテート(沸点:188℃)、エチ ングリコールモノアセテート(沸点:182℃)、 エチレングリコールモノブチルエーテルア テート(沸点:247℃)等のアセテート系溶剤、 ロピレンカーボネート(沸点:241℃)等の環状 ーボネート系溶剤、γ-ブチロラクトン(沸点 :204℃)等のラクトン系溶剤、N-メチル-2-ピロ ドン(沸点:202℃)等のピロリドン系溶剤、α- ネン(沸点:156℃)、β-ピネン(沸点:161℃)、リ ネン(沸点:177℃)、ターピネオール(沸点:217℃ )、ジヒドロターピネオール(沸点:207℃)、ジ ドロターピニルアセテート(沸点:220℃)等の ルペン系溶剤、ジメチルホルムアミド(沸点: 153℃)、ジメチルスルホキシド(沸点:189℃)な が挙げられる。これらは単独で又は2種以上 組み合わせて用いることができる。

 これらの中でも、シクロヘキサノール、 ーピネオール、ジヒドロターピネオール、 ヒドロターピニルアセテート等の脂環式基 水酸基又はエステル基とを有する化合物が ましく、ターピネオール、ジヒドロターピ オール、ジヒドロターピニルアセテート等 テルペンアルコール又はテルペンエステル のテンルペン系溶剤を含有させることがよ 好ましい。これにより、基板上に塗布され 本発明の無機粒子含有組成物を乾燥したと に、基板面の温度分布に起因して発生する 厚のばらつきなどのムラをより確実に低減 ることができる。

 ターピネオールは、ガムテレビン油から誘 された、下記式で示されるα-,β-,γ-ターピ オールの異性体混合物であり、「ターピネ ールC」(日本テルペン化学社製、商品名)が 業的に入手可能である。

 ジヒドロターピネオールは、下記式で示さ る、ガムテレビン油から誘導されるターピ オールに水素添加した化合物であり、日本 ルペン化学より商業的に入手可能である。

 ジヒドロターピニルアセテートは、下記式 示される、ガムテレビン油から誘導される ーピネオールに水素添加及びエステル化し 化合物であり、日本テルペン化学より商業 に入手可能である。

 乾燥後の塗膜にムラが発生するのを防止 る観点から、本発明の無機粒子含有組成物 おける溶剤(B)の含有量は、組成物に含まれ 有機化合物全量(有機化合物(A1)を含む)に対 て3~48質量%であることが好ましく、3~43質量% であることがより好ましく、3~38質量%である とが特に好ましく、8~28質量%であることが も好ましい。

 また、本実施形態の無機粒子含有組成物 おいては、塗膜の乾燥性を制御する目的で 沸点が150℃未満の溶剤(以下、溶剤(C)という 場合もある。)を更に含有させてもよい。更 、本実施形態の無機粒子含有組成物は、乾 後の塗膜にムラが発生するのを防止しつつ 膜の乾燥時間を更に短縮する観点から、上 溶剤(B)に加えて沸点が150℃未満の溶剤(C)を 用することができる。

 沸点が150℃未満の溶剤としては、例えば アルコール系有機溶剤(メタノール、エタノ ール、イソプロピルアルコール、n-ブチルア コール等)、芳香族系有機溶剤(ベンゼン、 ルエン、キシレン等)、ケトン系溶剤(アセト ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル ケトン等)、エーテル系溶剤(テトラヒドロフ ン、ジオキサン、エチレングリコールモノ チルエーテル、エチレングリコールモノエ ルエーテル)、酢酸エチル、メチルプロピル ジグリコール、ヘキシルカルビトール、ブチ ルプロピレンジグルコール、ベンジルアルコ ール、ブチルカルビトール、DBEシンナー(デ ポン株式会社:商品名)、シクロヘキサン、メ チルシクロヘキサン、シクロヘキサノン等が 挙げられる。

 本実施形態の無機粒子含有組成物におけ 溶剤の含有量は、特に制限されないが、有 化合物(A1)と混合したときの混合物の25℃に ける粘度が500~50000mPa・sとなるように設定す ることが好ましく、1000~25000mPa・sとなるよう 設定することがより好ましく、1000~10000mPa・ sとなるように設定することが特に好ましく 更に、無機粒子含有組成物における粘度が 述する範囲となるように設定することが好 しい。

 例えば、有機化合物(A1)としてテルソルブ MTPHと無機粒子とからなる無機粒子含有組成 では、塗工可能な粘度に調整することは困 である。そこで、溶剤(B)又は溶剤(C)を用い 粘度を調整することが好ましいが、粘度低 及び粘度低下率が大きい溶剤は、添加量の かな違いによる粘度変化が大きいため、粘 制御を厳密に管理する必要があるので好ま くない。粘度制御の容易性の観点から、溶 (B)又は溶剤(C)の配合により無機粒子含有組 物の粘度を調整する場合は、添加量を増加 ても、粘度低下及び粘度低下率が小さくな ものを選択することが好ましい。

 図4は、有機化合物(A1)としてのテルソル MTPHと上記溶剤(B)又は上記溶剤(C)とを混合し ときの混合物の25℃における粘度と、溶剤(B )又は溶剤(C)の添加量との関係を示す図であ 。ここで、X軸の溶剤(B)又は溶剤(C)の添加量 は、テルソルブMTPHと上記溶剤(B)又は上記溶 剤(C)との混合物中の溶剤(B)又は溶剤(C)の質量 %を示す。また、図4中、aはn-ヘキサン、bはジ エチレングリコールモノブチルエーテルアセ テート、cはメチルシクロヘキサン、dはシク ヘキサン、eはジヒドロターピニルアセテー ト、fはシクロヘキサノール、gはターピネオ ル(「ターピネオールC」)、hはジヒドロター ピネオールを混合したときのそれぞれの混合 物の粘度変化を示すグラフである。

 テルソルブMTPHと、n-ヘキサン、シクロヘ サン、メチルシクロヘキサン等の溶剤(C)と 混合系では、溶剤(C)を20質量%程度配合する 混合物の粘度が500mPa・s以下となり、添加量 の増加に伴う粘度低下率(図4におけるグラフ 傾き)も大きい。それに対して、テルソルブ MTPHと、シクロヘキサノール、ターピネオー 、ジヒドロターピネオール、ジヒドロター ニルアセテート等の脂環式基と水酸基又は ステル基とを有する化合物等の溶剤(B)との 合系では、溶剤(B)を30質量%程度配合しても 合物の粘度は500mPa・s以上を保ち、添加量の 加に伴う粘度低下率は小さい。

 このような傾向から、溶剤(B)の中でもシ ロヘキサノール、ターピネオール、ジヒド ターピネオール、ジヒドロターピニルアセ ート等の脂環式基と水酸基又はエステル基 を有する化合物を用いることが粘度制御の 易性の点で好ましい。なお、本実施形態に いては、溶剤(B)及び溶剤(C)のうちから複数 を組み合わせることにより、粘度制御の容 性と塗膜の乾燥性制御との両立を図ること 可能である。

 本実施形態の無機粒子含有組成物が、上 溶剤(B)及び上記溶剤(C)からなる群より選択 れる1種以上の溶剤を含む場合、係る溶剤の 含有量は、組成物に含まれる有機化合物全量 に対して3~30質量%であることが好ましい。

 また、本実施形態の無機粒子含有組成物は 下記一般式(2)で表わされる化合物を更に含 ことが好ましい。この場合、無機粒子含有 成物の塗膜を焼成した後に有機化合物の残 量を更に低減することができる。
式(2)中、Xは、ハロゲン原子、水素原子、炭 数1~20のアルキル基、炭素数3~10のシクロアル キル基、アミノ基若しくは炭素数1~20のアル ル基で置換されていてもよいフェニル基、 フチル基等のアリール基、アミノ基、メル プト基、炭素数1~10のアルキルメルカプト基 アルキル基の炭素数が1~10のカルボキシアル キル基、炭素数1~20のアルコキシ基、又は、 素環からなる基を示し、m及びnは、mが2以上 整数であり、nが0以上の整数であり、且つ m+n=6を満たすように選ばれる整数であり、n 2以上の整数の時、2以上のXは各々同一であ ても異なるものであってもよい。

 上記一般式(2)で表わされる化合物として 、例えば、カテコール、レゾルシノール(レ ゾルシン)、ヒドロキノン、2-メチルカテコー ル、3-メチルカテコール、4-メチルカテコー 、2-エチルカテコール、3-エチルカテコール 4-エチルカテコール、2-プロピルカテコール 、3-プロピルカテコール、4-プロピルカテコ ル、2-n-ブチルカテコール、3-n-ブチルカテコ ール、4-n-ブチルカテコール、2-tert-ブチルカ コール、3-tert-ブチルカテコール、4-tert-ブ ルカテコール、3,5-di-tert-ブチルカテコール のアルキルカテコール、2-メチルレゾルシノ ール、4-メチルレゾルシノール、5-メチルレ ルシノール(オルシン)、2-エチルレゾルシノ ル、4-エチルレゾルシノール、2-プロピルレ ゾルシノール、4-プロピルレゾルシノール、2 -n-ブチルレゾルシノール、4-n-ブチルレゾル ノール、2-tert-ブチルレゾルシノール、4-tert- ブチルレゾルシノール等のアルキルレゾルシ ノール、メチルヒドロキノン、エチルヒドロ キノン、プロピルヒドロキノン、tert-ブチル ドロキノン、2,5-di-tert-ブチルヒドロキノン のアルキルヒドロキノン、ピロガロール、 ロログルシンなどが挙げられる。これらの でも、特にヒドロキノンが好ましい。これ は単独で又は2種以上を組み合わせて用いる ことができる。

 上記一般式(2)で表わされる化合物を用い 場合、その含有量は、組成物に含まれる有 化合物全量に対して0.01~10質量%が好ましく 0.05~5質量%がより好ましく、0.1~2質量%が更に り好ましい。上記一般式(2)で表わされる化 物の含有量を上記範囲内とすることにより 範囲外の場合に比べて塗膜焼成後の有機化 物の残重量をより有効に低減することがで る。

 本実施形態の無機粒子含有組成物は、25 における粘度が1000~100000mPa・sであることが ましく、2000~60000mPa・sであることがより好ま しく、2500~50000mPa・sであることが特に好まし 。無機粒子含有組成物の粘度が1000mPa・sよ 小さい場合は、無機粒子含有組成物の保存 に無機粒子が沈降しやすくなり、一方、粘 が100000mPa・sより大きい場合は、塗膜の平坦 が低下する傾向がある。

 また、本実施形態の無機粒子含有組成物 に含まれる有機化合物は、300℃で10分間加 したときの加熱残分が1質量%以下であること が好ましい。

 本実施形態の無機粒子含有組成物には、 機粒子含有組成物中に含まれる有機化合物 300℃で10分間加熱したときの加熱残分が1質 %以下となる範囲内であれば、必要に応じて 、例えば、有機バインダ樹脂、染料、発色剤 、可塑剤、顔料、重合禁止剤、表面改質剤、 安定剤、密着性付与剤、熱硬化剤等を添加す ることができる。

 但し、重量平均分子量が5000~1000000の有機 インダ樹脂を添加した場合、無機粒子含有 成物中に含まれる有機化合物の300℃で10分 加熱したときの加熱残分を1質量%以下にする のは困難である。そのため、重量平均分子量 が5000~1000000の有機バインダ樹脂を添加する場 合、その含有量は、無機粒子含有組成物中に 含まれる有機化合物全量を基準として、0~1質 量%とすることが好ましく、0~0.5質量%とする とがより好ましく、0質量%(すなわち添加し いこと)が特に好ましい。

 本実施形態の無機粒子含有組成物は、例 ば、有機化合物(A1)を上記溶剤と混合し、次 いで、上記無機粒子を添加し、これらを公知 の混合手段により混合することにより調製す ることができる。

 本発明の第2の実施形態に係る無機粒子含 有組成物は、25℃における粘度が10,000~1,000,000 mPa・sであり、且つ、300℃で10分間加熱したと きの加熱残分が1質量%以下である有機化合物( A2)(以下、有機化合物(A2)と略称する場合もあ )と、無機粒子とを含み、有機化合物(A2)の 有量が、無機粒子含有組成物中に含まれる 機化合物全量に対して50質量%~95質量%である また、本実施形態の無機粒子含有組成物は 本発明の効果を損なわない範囲で、上記有 化合物(A2)以外の溶剤を含有してもよい。

 上記有機化合物(A2)としては、テルペン系 化合物が好ましく、上記式(1)で表わされるイ ソボルニルシクロヘキサノールがより好まし い。

 第2の実施形態に係る無機粒子含有組成物 に含まれる無機粒子及びその含有量、有機化 合物(A2)以外の溶剤及びその含有量、その他 添加剤については、上述した第1の実施形態 係る無機粒子含有組成物におけるものと同 にすることができる。

 また、第2の実施形態に係る無機粒子含有 組成物の粘度は、上述した第1の実施形態に る無機粒子含有組成物の場合と同様の範囲 することが好ましい。

 第2の実施形態に係る無機粒子含有組成物 は、例えば、有機化合物(A2)を上記溶剤と混 し、次いで、上記無機粒子を添加し、これ を公知の混合手段により混合することによ 調製することができる。

<誘電体層及び蛍光体層の形成方法、誘電 層及び蛍光体層、並びにプラズマディスプ イパネル(PDP)>
 次に、本発明の無機物層の形成方法の具体 として、誘電体層及び蛍光体層の形成方法 好適な実施形態について説明する。本実施 態に係る誘電体層の形成方法は、基板上に 無機粒子としてガラス粒子を含む上述の本 明の無機粒子含有組成物から形成される無 粒子含有組成物層を設ける工程と、その組 物層を加熱する工程とを有するものである 以下、PDP用前面基板を構成する前面ガラス 板上に誘電体層を形成する実施形態につい 図1を参照しつつ説明する。図1は、本実施 態の誘電体層の形成方法を説明するための 式断面図である。

 図1(a)に示すように、先ず、表示電極52が けられた前面ガラス基板40を用意する。

 次に、図1(b)に示すように、前面ガラス基 板40の電極52が設けられている側に本発明の 機粒子含有組成物を塗布し乾燥して、無機 子含有組成物層1を形成する。本実施形態に いては、無機粒子として上述した低融点の ラス粒子を含有する無機粒子含有組成物を いることが好ましい。この場合の無機粒子 有組成物層1は、ガラス含有組成物層である 。

 塗布方法としては、例えば、スクリーン 刷、ナイフコート法、ロールコート法、ス レーコート法、グラビアコート法、バーコ ト法、ダイコート法、カーテンコート法等 挙げられる。乾燥温度としては、特に制限 無いが、60℃~350℃が好ましく、100℃~350℃が より好ましく、150℃~300℃が特に好ましい。 燥時間は1分間~2時間程度とすることが好ま く、1分間~1時間程度とすることが好ましい なお、この加熱乾燥工程において、有機化 物は90質量%以上除去されることが好ましく 95質量%以上除去されることがより好ましく 99%質量以上除去されることが特に好ましい 乾燥工程において、有機化合物の残留物低 及び無機粒子の変色を抑制できる観点から 加熱雰囲気の酸素濃度を10体積%以下とする とが好ましく、0~5体積%とすることがより好 しく、0~3体積%とすることが特に好ましい。 加熱機器内の酸素濃度は自然状態では大気中 の酸素濃度と同等の約20体積%である。この酸 素濃度を10体積%以下とする手段としては、加 熱機器内を窒素、又はアルゴン、ヘリウム、 ネオン等の不活性ガスで置換すること、真空 ポンプを用いることなどが挙げられ、その酸 素濃度は可能なかぎり低い値であることが好 ましい。酸素濃度の測定は、酸素濃度計によ り容易に行なうことができ、市販の酸素濃度 計としては、酸素濃度計LC-750L(東レエンジニ リング社製)等が挙げられる。

 次に、前面ガラス基板40上に設けられた 機粒子含有組成物層1を焼成して焼結体であ 誘電体層70を得る(図1(c)を参照)。焼成方法 しては、例えば、電気炉中に基板と上記無 粒子含有組成物層との積層体を収容して加 する方法、ホットプレート上に上述の積層 を載置して加熱する方法等が挙げられる。

 焼成温度は、上記無機粒子含有組成物層 十分に焼結する温度であれば特に限定され いが、最高温度が300~700℃であることが好ま しく、300~600℃であることがより好ましく、40 0℃~600℃であることが特に好ましい。焼成時 は、5分間~2時間程度が好ましい。また、焼 は大気中で実施されることが好ましい。

 上記の焼成工程を経ることにより、無機 子含有組成物層中の有機成分は揮発し、無 成分のみの誘電体層が形成されると考えら る。

 本実施形態の誘電体層の形成方法によれ 、本発明の無機粒子含有組成物から無機粒 含有組成物層1を形成し、これを乾燥するこ とにより、焼成に際して無機粒子含有組成物 層1に含まれる有機成分を従来よりも少なく きることから、より低エネルギーで焼成工 を完了して良好な誘電体層を形成すること でき、また電気炉などへの分解生成物の堆 を十分低減することが可能となる。

 本実施形態の誘電体層の形成方法により られる基板上に誘電体層を備えた積層体は PDP用前面基板(PDP用基板)として好適に用い ことができる。

 次に、本発明に係る蛍光体層の形成方法 好適な実施形態について説明する。本実施 態に係る蛍光体層の形成方法は、基板上に 無機粒子として蛍光体粒子を含む上述の本 明の無機粒子含有組成物から形成される無 粒子含有組成物層を設ける工程と、その組 物層を加熱する工程とを有するものである 以下、PDP用背面ガラス基板上に蛍光体層を 成する実施形態について図2を参照しつつ説 明する。図2は、本実施形態の蛍光体層の形 方法を説明するための模式断面図である。

 まず、アドレス電極54が設けられた背面 ラス基板41を用意する。次に、背面ガラス基 板41の電極54が設けられている側に背面誘電 層72を形成する。形成した誘電体層72上に、 リアリブ80を形成する(図2(a)を参照)。

 次に、隣り合うバリアリブ80の間隙に、 機粒子として蛍光体粒子を含む本発明に係 無機粒子含有組成物を塗布し、無機粒子含 組成物層1’を形成する(図2(b)を参照)。

 塗布方法としては、例えば、スクリーン 刷、ナイフコート法、ロールコート法、ス レーコート法、グラビアコート法、バーコ ト法、ダイコート法、カーテンコート法、 ィスペンサー塗布法等が挙げられる。

 次に、無機粒子含有組成物層1’を乾燥し 、焼成することにより無機物層としての蛍光 体層90を形成する(図2(c)を参照)。

 乾燥温度としては、特に制限は無いが、6 0~200℃程度とすることが好ましく、乾燥時間 1分間~1時間程度とすることが好ましい。

 焼成方法としては、例えば、電気炉中に 面基板と上記無機粒子含有組成物層との積 体を収容して加熱する方法、ホットプレー 上に上述の積層体を載置して加熱する方法 が挙げられる。

 焼成温度は、上記無機粒子含有組成物層 の有機成分が完全に除去される温度であれ 特に限定されないが、最高温度が300~700℃で あることが好ましく、300~600℃であることが り好ましい。焼成時間は、5分間~2時間程度 好ましい。また、焼成は大気中で実施され ことが好ましい。

 また、本実施形態の蛍光体層の形成方法 おいては、無機粒子含有組成物層1’の乾燥 条件を、酸素濃度が10体積%以下、好ましくは 0~5体積%、より好ましくは0~3体積%である雰囲 下、150~350℃、好ましくは170~300℃、より好 しくは200~280℃での加熱とすることにより、 機化合物をほぼ全量除去することが可能で る。この場合、焼成工程を省略することが き、工程が簡略化された蛍光体層の形成方 が実現可能となる。

 本実施形態においては、不活性ガス雰囲 下で加熱することが好ましい。また、加熱 度は、150~300℃程度とすることが好ましく、 加熱時間は、1分間~1時間程度とすることが好 ましい。具体的な条件としては、例えば、250 ℃、30分間加熱する条件が挙げられる。

 本実施形態の蛍光体層の形成方法によれ 、焼成に際して無機粒子含有組成物層に含 れる有機化合物由来の不純物を従来よりも なくできることから、有機化合物由来の不 物の残留による蛍光体層90の性能低下を抑 することができる。また、本実施形態の蛍 体層の形成方法によれば、焼成工程を省略 ることができ、工程が簡略化された蛍光体 の形成方法が実現可能となる。

 本実施形態の蛍光体層の形成方法により られる蛍光体層を備えた積層体200は、PDP用 面基板(PDP用基板)として好適に用いること できる。

 次に、本実施形態の方法により形成され 誘電体層及び蛍光体層を備えたPDPの一実施 態について図3を参照しつつ説明する。

 図3は、本発明によるPDPの一実施形態を示 す部分斜視図である。図3に示すPDP300は、PDP 前面基板100と、PDP用背面基板200とで主とし 構成される。PDP用前面基板100は、積層体3と 積層体3における前面誘電体層70の表面を覆 ように設けられた保護層71とで構成されて る。積層体3は、主に前面ガラス基板40と帯 の表示電極52と前面誘電体層70とを順に積層 て構成されている。前面誘電体層70は、本 明の無機粒子含有組成物から形成される無 粒子含有組成物層を加熱して得られるもの ある。PDP用背面基板200は、背面ガラス基板41 と、背面ガラス基板41上に設けられた帯状の ドレス電極54と、背面ガラス基板41及びアド レス電極54上に設けられた背面誘電体層72と 背面誘電体層72上に設けられたバリアリブ80 、バリアリブ80の壁面及び背面誘電体層72の 表面を覆うように形成された蛍光体層90とで として構成されている。蛍光体層90は、本 明の無機粒子含有組成物から形成される無 粒子含有組成物層を加熱して得られるもの ある。そして、PDP用前面基板100とPDP用背面 板200とは、保護層71とバリアリブ80とが互い 密着するように貼り合わされて、蛍光体層9 0及び保護層71で囲まれた放電空間76が形成さ ている。なお、PDP300において、ガラス基板4 0、41、保護層71、背面誘電体層72、バリアリ 80、及び電極52、54等の構成部材は、従来公 の材料及び方法で形成することができる。 面誘電体層72は、本発明の無機物層の形成方 法により形成されていてもよい。

 このように構成されるPDP300は、前面誘電 層70及び蛍光体層90が従来よりも低エネルギ ーで形成され、有機化合物に起因する悪影響 が十分低減されているため、放電特性、製造 コスト及び環境の点で優れたものである。

 また、本実施形態においては、電極52を 発明の無機粒子含有組成物を用いて形成し もよい。この場合、基板40上に、無機粒子と して上述した金属粒子又は金属酸化物粒子を 含有する無機粒子含有組成物を塗布して無機 粒子含有組成物層を形成し、これを乾燥し、 焼成することにより電極を形成することがで きる。

 塗布方法としては、例えば、スクリーン 刷、ナイフコート法、ロールコート法、ス レーコート法、グラビアコート法、バーコ ト法、ダイコート法、カーテンコート法等 挙げられる。乾燥温度としては、特に制限 無いが、60~200℃程度とすることが好ましく 乾燥時間は1分間~1時間程度とすることが好 しい。

 焼成方法としては、例えば、電気炉中に 板と上記無機粒子含有組成物層との積層体 収容して加熱する方法、ホットプレート上 上述の積層体を載置して加熱する方法等が げられる。

 焼成温度は、上記無機粒子含有組成物層 十分に焼結する温度であれば特に限定され いが、最高温度が300~700℃であることが好ま しく、300~600℃であることがより好ましい。 成時間は、5分間~2時間程度が好ましい。ま 、焼成は大気中で実施されることが好まし 。

 上記のように、電極、誘電体層又は蛍光 層が本発明の無機粒子含有組成物を用いて 成されたPDPを用いたプラズマディスプレイ 、表示特性、製造コスト及び環境の点で優 たものとなる。特に、電極、誘電体層及び 光体層のすべてが本発明の無機粒子含有組 物を用いて形成された場合、表示特性、製 コスト及び環境の点で更に優れたものとな 。

 以下、実施例によって本発明を更に詳細 説明するが、本発明はこれらの実施例に限 されるものではない。

<無機粒子含有組成物の作製>
(実施例1)
 先ず、撹拌機、還流冷却機、不活性ガス導 口及び温度計を備えたフラスコに、イソボ ニルシクロヘキサノール「テルソルブMTPH」 (日本テルペン化学社製、商品名)を77質量部 及び、「ターピネオールC」(日本テルペン化 学社製、商品名、沸点217℃)を23質量部仕込み 、撹拌しながら、これを窒素ガス雰囲気下で 80℃に昇温し、80℃±2℃に保ちながら3時間撹 を続け、均一な溶液とした。その後、室温 で冷却し溶液を取り出した。得られた溶液 25℃における粘度は5700mPa・sであった。

 なお、テルソルブMTPHの25℃における粘度 、678,000mPaであり、300℃における10分間の加 残分は0.028質量%であった。また、ターピネ ールCの25℃における粘度は、35mPaであり、30 0℃における10分間の加熱残分は0.020質量%であ った。

 次に、上記で得られた溶液57.7質量部に、ZnO -B 2 O 3 -SiO 2 -Al 2 O 3 系ガラスフリット42.3質量部を加え、ビーズ ルを用いて15分間混合、分散した。続いて、 この分散液を、30μm角の開口部を有する濾布 通過させて濾過し、実施例1の無機粒子含有 組成物の溶液を調製した。得られた無機粒子 含有組成物溶液の25℃における粘度は、17000mP a・sであった。

(実施例2)
 先ず、撹拌機、還流冷却機、不活性ガス導 口及び温度計を備えたフラスコに、イソボ ニルシクロヘキサノール「テルソルブMTPH」 (日本テルペン化学社製、商品名)を84質量部 及び、「ターピネオールC」(日本テルペン化 学社製、商品名、沸点217℃)を16質量部仕込み 、撹拌しながら、これを窒素ガス雰囲気下で 80℃に昇温し、80℃±2℃に保ちながら3時間撹 を続け、均一な溶液とした。その後、室温 で冷却し溶液を取り出した。得られた溶液 25℃における粘度は16800mPa・sであった。

 次に、上記で得られた溶液57.7質量部に、ZnO -B 2 O 3 -SiO 2 -Al 2 O 3 系ガラスフリット42.3質量部を加え、ビーズ ルを用いて15分間混合、分散した。続いて、 この分散液を、30μm角の開口部を有する濾布 通過させて濾過し、実施例2の無機粒子含有 組成物の溶液を調製した。得られた無機粒子 含有組成物溶液の25℃における粘度は、50200mP a・sであった。

(実施例3)
 先ず、撹拌機、還流冷却機、不活性ガス導 口及び温度計を備えたフラスコに、イソボ ニルシクロヘキサノール「テルソルブMTPH」 (日本テルペン化学社製、商品名)を57質量部 及び、「ターピネオールC」(日本テルペン化 学社製、商品名、沸点217℃)を43質量部仕込み 、撹拌しながら、これを窒素ガス雰囲気下で 80℃に昇温し、80℃±2℃に保ちながら3時間撹 を続け、均一な溶液とした。その後、室温 で冷却し溶液を取り出した。得られた溶液 25℃における粘度は340mPa・sであった。

 次に、上記で得られた溶液57.7質量部に、ZnO -B 2 O 3 -SiO 2 -Al 2 O 3 系ガラスフリット42.3質量部を加え、ビーズ ルを用いて15分間混合、分散した。続いて、 この分散液を、30μm角の開口部を有する濾布 通過させて濾過し、実施例3の無機粒子含有 組成物の溶液を調製した。得られた無機粒子 含有組成物溶液の25℃における粘度は、1100mPa ・sであった。

(実施例4)
 先ず、撹拌機、還流冷却機、及び温度計を えたフラスコに、日本テルペン製イソボル ルシクロヘキサノール「テルソルブMTPH」80 量部、和光純薬工業製シクロヘキサノール2 0質量部を仕込み、撹拌しながら、窒素ガス 囲気下で60℃に昇温し、60℃±2℃に保ちなが 1時間撹拌を続け、均一に分散した。その後 、室温まで冷却し溶液を取り出した。溶液の 粘度は8700mPa・sであった。

 次に、上記で得られた溶液65質量部に、緑 発色の蛍光体:Zn 2 SiO 4 :Mn(最大粒径15μm)35質量部を加え、ビーズミル を用いて15分間混合、分散した。続いて、こ 分散液を、30μm角の開口部を有する濾布に 過させて濾過し、実施例4の無機粒子含有組 物を調製した。得られた無機粒子含有組成 の粘度は、20200mPa・sであった。

(実施例5)
 先ず、撹拌機、還流冷却機、不活性ガス導 口及び温度計を備えたフラスコに、イソボ ニルシクロヘキサノール「テルソルブMTPH」 (日本テルペン化学社製、商品名)を80質量部 及び、「ターピネオールC」(日本テルペン化 学社製、商品名、沸点217℃)を20質量部仕込み 、撹拌しながら、これを窒素ガス雰囲気下で 80℃に昇温し、80℃±2℃に保ちながら3時間撹 を続け、均一な溶液とした。その後、室温 で冷却し溶液を取り出した。得られた溶液 25℃における粘度は18850mPa・sであった。

 次に、上記で得られた溶液に、ヒドロキノ 2質量部を加え、コンディショニングミキサ ーMX201(シンキー(株)製)を用いて10分間混合し 完全に溶解した。この溶液57.7質量部に、ZnO -B 2 O 3 -SiO 2 -Al 2 O 3 系ガラスフリット42.3質量部を加え、ビーズ ルを用いて15分間混合、分散した。続いて、 この分散液を、30μm角の開口部を有する濾布 通過させて濾過し、実施例5の無機粒子含有 組成物の溶液を調製した。得られた無機粒子 含有組成物溶液の25℃における粘度は、43000mP a・sであった。

(比較例1)
 撹拌機、還流冷却機、不活性ガス導入口及 温度計を備えたフラスコに、「ターピネオ ルC」(日本テルペン化学製、商品名、沸点21 7℃)を92質量部仕込み、撹拌しながら、懸濁 合法によって得られた重量平均分子量700,000 ポリメタクリル酸エチル8質量部を加えた。 これを窒素ガス雰囲気下で120℃に昇温し、120 ℃±2℃に保ちながら3時間撹拌を続け、ポリ タクリル酸エチルを溶解した。その後、室 まで冷却し樹脂溶液を取り出した。得られ 樹脂溶液の25℃における粘度は3700mPa・sであ た。

 次に、上記で得られた樹脂溶液55.5質量部( 形分8質量部)に、ZnO-B 2 O 3 -SiO 2 -Al 2 O 3 系ガラスフリット44.5質量部を加え、ビーズ ルを用いて15分間混合、分散した。続いて、 この分散液を、30μm角の開口部を有する濾布 通過させて濾過し、比較例1の無機粒子含有 組成物の溶液を調製した。得られた無機粒子 含有組成物溶液の25℃における粘度は、11000mP a・sであった。

(比較例2)
 撹拌機、還流冷却機、不活性ガス導入口及 温度計を備えたフラスコに、イソボルニル クロヘキサノール「テルソルブMTPH」(日本 ルペン化学社製、商品名)を5質量部、「ター ピネオールC」(日本テルペン化学製、商品名 沸点217℃)を90質量部仕込み、撹拌しながら エチルセルロース10cp(和光純薬製)5質量部を 加えた。これを窒素ガス雰囲気下で120℃に昇 温し、120℃±2℃に保ちながら3時間撹拌を続 、エチルセルロースを溶解した。その後、 温まで冷却し樹脂溶液を取り出した。得ら た樹脂溶液の25℃における粘度は32000mPa・sで あった。

 次に、上記で得られた樹脂溶液55.5質量部( 形分5質量%)に、ZnO-B 2 O 3 -SiO 2 -Al 2 O 3 系ガラスフリット44.5質量部を加え、ビーズ ルを用いて15分間混合、分散した。続いて、 この分散液を、30μm角の開口部を有する濾布 通過させて濾過し、比較例2の無機粒子含有 組成物の溶液を調製した。得られた無機粒子 含有組成物溶液の25℃における粘度は、60000mP a・sであった。

 上記の実施例及び比較例で示した粘度は 25℃の温度下でE型粘度計(東機産業社製、型 番:EHD型)の20rpmの回転速度で測定した値であ 。

 上記で得られた実施例1~5及び比較例1~2の 機粒子含有組成物溶液について、以下に示 方法に基づいて塗膜状態及び熱重量分析に る重量変化を評価した。得られた結果を表2 に示す。

[塗膜状態の評価]
 ガラス板上に、実施例1~5及び比較例1~2の無 含有組成物溶液を、アプリケータ(テスター 産業製)を用いてウエット膜厚が50μmとなるよ うに塗布し、塗布後の塗膜表面に発生するゆ ず肌状のゆらぎの消失時間を測定した。そし て、以下の評価基準に基づいて塗膜状態を評 価した。
A:30秒以内に消失(平坦性に優れる)。
B:1分以内に消失(平坦性に問題なし)。
C:1分以内に消失しない(平坦性に問題あり)。

[乾燥後の塗膜状態の評価]
 ガラス板上に、実施例1~5及び比較例1~2の無 粒子含有組成物溶液を、アプリケータ(テス ター産業製)を用いてウエット膜厚が50μmとな るように塗布し、積層体をそれぞれ得た。続 いて、これらの積層体を150℃の乾燥機中で30 間乾燥した。そして、以下の評価基準に基 いて塗膜状態を評価した。
A:均一で平坦な塗膜が形成されている。
B:表面に僅かなムラが確認される。
C:ベナールセル(六角形状の対流渦状ムラ)が 生。

[有機化合物の加熱残分評価]
 実施例1~5及び比較例1~2における無機粒子を 合する前の溶液を、ソーダガラス製、直径4 5mm、肉厚2mmの時計皿上に約1gを秤量し、300℃ 乾燥機中で10分間乾燥し、乾燥後残留物の 量を測定し、下記の式により有機化合物の 熱残分をそれぞれ計算した。
有機化合物の加熱残分(%)=(加熱後の溶液重量/ 加熱前の溶液重量)×100

[塗膜を300℃で10分間加熱した後の熱重量分析 ]
 ガラス板上に、実施例1~5及び比較例1~2の無 粒子含有組成物溶液を、アプリケータ(テス ター産業製)を用いてウエット膜厚が50μmとな るように塗布し、積層体をそれぞれ得た。続 いて、これらの積層体を300℃の乾燥機中で10 間乾燥した。乾燥後の無機粒子含有組成物 塗膜をスパチュラを用いてかきとり、これ 測定試料とし、熱重量分析(TG)にて600℃まで 昇温したときの重量減少率を求めた。なお、 この重量減少率の値が小さいことは、無機粒 子含有組成物の焼成時の分解生成物が少ない ことを表す。重量減少率の値が小さくなるほ ど、電気炉内の壁等への分解生成物堆積を低 減できる効果はより大きくなる。
熱重量分析の測定条件は以下のとおりである 。
測定機器:TG/DTA-6200(エスアイアイ・ナノテク ロジー社製)
昇温速度:5℃/min
測定温度:20~600℃
雰囲気:空気中、200ml/min
サンプリング量:10mg

 また、重量減少率は下記式により算出した

[塗膜を150℃で30分間加熱した後の熱重量分析 ]
 ガラス板上に、実施例1~5及び比較例1~2の無 粒子含有組成物溶液を、アプリケータ(テス ター産業製)を用いてウエット膜厚が50μmとな るように塗布し、積層体をそれぞれ得た。続 いて、これらの積層体を150℃の乾燥機中で30 間乾燥した。乾燥後の無機粒子含有組成物 塗膜をスパチュラを用いてかきとり、これ 測定試料とし、熱重量分析(TG)にて600℃まで 昇温したときの重量減少率を上記式により求 めた。なお、熱重量分析の測定条件は前記し た条件と同様である。

 表2に示すように、実施例1~5の無機粒子含 有組成物溶液は、良好な塗膜を形成できると ともに、乾燥によって比較例1及び2に比べて り多くの有機成分が除去されることが分か 。また、表2に示すように、実施例5の無機 子含有組成物溶液によれば、高温での加熱 件で乾燥する場合、実施例1~4の無機粒子含 組成物溶液に比べて有機化合物の加熱残分 より低減できることが分かる。実施例1~5の 機粒子含有組成物溶液によれば、焼成時に 要なエネルギーを低減できるとともに、焼 時に電気炉内に堆積する分解生成物の量を 減することができ、電気炉への負担を軽減 ることが可能となる。

 本発明によれば、所望の無機体或いは無 物層を従来よりも低エネルギーで形成でき とともに有機化合物に起因する悪影響を低 することが可能な無機粒子含有組成物を提 することができる。また、本発明によれば 本発明の無機粒子含有組成物を用いる無機 層の形成方法、及び、本発明の無機物層の 成方法によって形成された無機物層を備え プラズマディスプレイを提供することがで る。また、本発明によれば、本発明の無機 子含有組成物を用いることで、従来よりも エネルギーで形成可能な電極、誘電体層及 蛍光体層、並びに、これらの電極、誘電体 又は蛍光体層を備えるプラズマディスプレ を提供することができる。