Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
CONDUCTIVE ELASTOMER MATERIAL, AND CONDUCTIVE SHEET AND CONDUCTIVE SEAMLESS BELT EACH MADE OF THE MATERIAL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/084360
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a conductive elastomer material from which a molded material having good conductivity and excellent bending resistance can be obtained. This conductive elastomer material is capable of reducing variations in in-plane electrical resistivity of sheet-like molded articles. Specifically disclosed is a conductive elastomer material which is characterized by being obtained by dispersing carbon nanotubes into a base component which is composed only of a thermoplastic elastomer. The conductive elastomer material is also characterized in that the carbon nanotubes have a diameter of 30-300 nm and an aspect ratio of 10-1000, and 0.01-10 parts by mass of the carbon nanotubes are blended per 100 parts by mass of the base component.

Inventors:
MINAGOSHI AKIRA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/071817
Publication Date:
July 09, 2009
Filing Date:
December 01, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
SUMITOMO RUBBER IND (JP)
MINAGOSHI AKIRA (JP)
International Classes:
C08L101/00; C08J5/18; C08K7/06; C08L67/00; H01B1/00; H01B1/24
Foreign References:
JP2006225648A2006-08-31
JP2007154157A2007-06-21
Attorney, Agent or Firm:
OWADA, Kazumi (11-20 Nishitemma 1-chome,Kita-ku, Osaka-sh, Osaka 47, JP)
Download PDF:
Claims:
 熱可塑性エラストマーのみからなるベース成分にカーボンナノチューブが分散されており、該カーボンナノチューブは直径30~300nmで且つアスペクト比が10~1000であり、前記ベース成分100質量部に対してカーボンナノチューブが0.01~10質量部の割合で配合されていることを特徴とする導電性エラストマー材料。
 前記ベース成分の熱可塑性エラストマーはポリエステル系熱可塑性エラストマーのみからなる請求項1に記載の導電性エラストマー材料。
 請求項1または請求項2に記載の導電性エラストマー材料がシート状に押出成形されたものであり、体積抵抗率が10 11 ω・cm以下、シート面における体積抵抗率のバラツキが10 1 ω・cm以内である導電性シート。
 請求項1または請求項2に記載の導電性エラストマー材料がシームレスベルトとして押出成形されたものであり、体積抵抗率が10 11 ω・cm以下で且つシート面における体積抵抗率のバラツキが10 1 ω・cm以内である導電性シームレスベルト。
 荷重1/2 1b、屈曲角度135度、屈曲速度175cpmでの屈曲試験において、破断までの屈曲回数が30000回以上である耐屈曲性を有する請求項4に記載の導電性シームレスベルト。
Description:
導電性エラストマー材料、該材 からなる導電性シートおよび導電性シーム スベルト

 本発明は、導電性エラストマー材料、該 料からなる導電性シートおよび導電性シー レスベルトからなり、導電性フィラーとし カーボンナノチューブを含むものである。

 従来、樹脂に導電性を付与する方法として 、例えば、金属酸化物や導電性カーボンブ ックなどの導電性フィラーを樹脂に配合す 方法が提供されている。
 この方法で良好な導電性を得るためには、 電性フィラーを比較的多く配合する必要が ったことから、ベース樹脂本来の物性が変 するなど種々の問題が生じていた。
 そこで、導電性フィラーの配合量を少なく ても良好な導電性を発揮できる樹脂材料が 討されてきている。
 例えば、特開2005-54095号公報(特許文献1)には 、カーボンを2種以上の樹脂混合物中に分散 せてなることを特徴とする導電性樹脂材料 提案されている。
 特に、カーボンとしては直径1μm以下のカー ボンナノチューブまたは気相成長カーボン繊 維に代表される繊維状カーボンを用いること が好ましい旨記載されている。かつ、該特許 文献1では、カーボンの配合量が材料全体の0. 01~10質量%という少量であっても体積抵抗率が 10 10 ω・cm以下の良好な導電性が得られることが 載されている。

 しかし、特許文献1に記載のように、導電 性フィラーの配合量を少なくしても、フィル ム等のシート状物に成形したときに、導電性 フィラーの分散状態によりシート面内におけ る電気抵抗のばらつきが大きくなったり、シ ートの耐屈曲性が悪くなったりするという問 題がある。

特開2005-54095号公報

 本発明は、前記問題に鑑みてなされたも であり、カーボンナノチューブを導電性フ ラーとして配合し、シート状に成形した場 に、分散状態が均一となり、電気抵抗のバ ツキが少なく、かつ耐屈曲性に優れたもの することを課題としている。

 本発明は、前記課題を解決するために、 可塑性エラストマーのみからなるベース成 にカーボンナノチューブが分散されており 該カーボンナノチューブは直径30~300nmで且 アスペクト比が10~1000であり、前記ベース成 100質量部に対してカーボンナノチューブが0 .01~10質量部の割合で配合されていることを特 徴とする導電性エラストマー材料を提供して いる。

 本発明では、カーボンナノチューブを分散 せるベース成分として、熱可塑性エラスト ーのみを用いている。
 熱可塑性エラストマーはゴムのような耐久 、弾性、柔軟性と樹脂のような成形性を併 持つため、シート状物とした場合に耐屈曲 に優れたものとすることができる。
 前記ベース成分となる熱可塑性エラストマ としては、公知の熱可塑性エラストマーを 用でき、例えば、ポリエステル系熱可塑性 ラストマー、スチレン系熱可塑性エラスト ー、塩素化ポリエチレン、塩化ビニル系熱 塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性 ラストマー、ウレタン系熱可塑性エラスト ー、アミド系熱可塑性エラストマー等が挙 られる。

 前記した熱可塑性エラストマーのなかでも 特に、ポリエステル系熱可塑性エラストマ のみを用いることが好ましい。
 これは、本発明者が熱可塑性エラストマー 種類を変えて実験を繰り返した結果、ポリ ステル系熱可塑性エラストマーの1種のみを ベース成分とした場合、カーボンナノチュー ブが均一に分散し、かつ、カーボンナノチュ ーブを分散させて作成したシートの耐屈曲性 が良好となることを知見したことに基づく。

 また、熱可塑性エラストマー、特に、ポリ ステル系熱可塑性エラストマーに、導電性 ィラーとして分散させるカーボンナノチュ ブについては、その太さが電気抵抗のばら きやシートの耐屈曲性に大きな影響を与え いることを見出し、配合するカーボンナノ ューブを、その直径が30~300nmで、アスペク 比が10以上であるのものに限定することによ り前記問題点を解決できることを知見した。
 なお、カーボンナノチューブとして多層カ ボンナノチューブを用いる場合、その直径 最も外側のカーボンナノチューブの直径を す。

 よって、本発明で用いるカーボンナノチュ ブは直径を30~300nmとしている。カーボンナ チューブの直径が30nmより小さいと、本発明 導電性エラストマー材料を押出成形して得 シート状成形物において、面内の体積抵抗 のばらつきが大きくなる。一方、カーボン ノチューブの直径が300nmより大きいと、シ ト状成形物の耐屈曲性が悪くなる。
 カーボンナノチューブは直径は、より好ま くは、30~200nm、特に、30~100nmが好ましい。

 また、カーボンナノチューブは、そのアス クト比(長さL/直径D)を10~1000としている。こ はアスペクト比が10より小さくなると少量 添加で十分な導電パスを形成することが難 くなる恐れがあり、アスペクト比が1000より きくなると本発明の導電性エラストマー材 からなるシート状成形物の耐屈曲性が悪く るからである。
 カーボンナノチューブのアスペクト比は、 り好ましくは10~500、特に、10~100が好ましい

 カーボンナノチューブとしては、蜂の巣状 結合した炭素原子が平面状に広がってなる ラフェンシート1層が筒状になった単層カー ボンナノチューブ、2層以上が同心円状に筒 になった多層カーボンナノチューブおよび れらがコイル状になったものが挙げられる 本発明においては、カーボンナノチューブ おいて単層構造と多層構造が混在していて 構わない。
 また、部分的にカーボンナノチューブの構 を有する炭素材料も使用することができる
さらに、カーボンナノチューブの片側が閉じ た形をしたカーボンナノホーン、その頭部に 穴があいたコップ型のナノカーボン物質、両 側に穴があいたカーボンナノチューブなども 用いることができる。

 本発明に用いられるカーボンナノチューブ 、市場で入手可能なものを用いてもよいし 当該分野で公知の任意の方法によって製造 れたものであってもよい。
 カーボンナノチューブの製造方法としては アーク放電法、レーザー蒸発法、気相成長 、二酸化炭素の接触水素還元法、CVD法、一 化炭素を高温高圧化で鉄触媒と共に反応さ て気相で成長させるHiPco法などが挙げられ 。

 カーボンナノチューブの配合量は、前記の うに、熱可塑性エラストマー100質量部に対 て0.01~10質量部としている。これは、カーボ ンナノチューブの配合量が0.01質量部より少 いと所望の導電性を得ることが困難である 方、カーボンナノチューブの配合量が10質量 部より多いとシート状成形物とした際に、そ の耐屈曲性が悪くなりやすいことに因る。
 前記カーボンナノチューブの配合量は、よ 好ましくは0.5~5質量部である。

 本発明の導電性エラストマー材料におい は、前記成分以外に本発明の目的に反しな 限り他の成分が配合されていてもよい。例 ば、充填剤、軟化剤、相容化剤、老化防止 、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料 難燃剤、中和剤、造核剤または気泡防止剤 の添加剤を適宜配合してもよい。

 本発明の導電性エラストマー材料は公知の 法で製造することができる。
 具体的には、例えば、熱可塑性エラストマ とカーボンナノチューブ(所望により他の添 加剤)を1軸もしくは2軸押出機またはニーダー 等に投入し、熱可塑性エラストマーの種類に 応じた温度、例えば150~250℃に加熱しながら 可塑性エラストマー中にカーボンナノチュ ブを分散させる。ヘンシェルミキサー、ス パーミキサーまたはタンブラー型ミキサー の混練機を用いて、一部の成分またはすべ の成分を予め混練しておいてもよい。

 本発明の導電性エラストマー材料を種々の 状に成形することにより導電性エラストマ 成形物を得ることができる。
 成型方法としては特に限定されず、例えば 出成形、圧縮成形、真空成形、ブロー成形 射出成形またはインフレーション成形等の 知の成形方法を用いてよい。なかでも、押 成形を行うことが好ましい。押出成形を用 れば連続成形することができるため量産性 優れているからである。
 特に、押出成形した導電性シートまたはシ ムレスの導電性ベルトとすることが好まし 。

 よって、本発明は、前記導電性エラストマ 材料がシート状に押出成形されたものであ 、体積抵抗率が10 11 ω・cm以下、シート面における体積抵抗率の ラツキが10 1 ω・cm以内である導電性シートを提供してい 。該導電性シートは、静電防止フィルム等 して好適に用いられる。

 また、本発明は、前記導電性エラストマー 料がシームレスベルトとして押出成形され ものであり、体積抵抗率が10 11 ω・cm以下で且つシート面における体積抵抗 のバラツキが10 1 ω・cm以内である導電性シームレスベルトを 供している。
 該導電性シームレスベルトは、電子写真方 または静電印刷方式にて画像形成を行う画 形成装置、例えば複写機、ファクシミリま はプリンタ等を構成する部材として用いら ることが好ましい。該導電性シームレスベ トとしは、搬送ベルト、転写ベルト、中間 写ベルト、定着ベルト、現像ベルトまたは 光体基体用ベルト等が挙げられる。

 前記のように、本発明の導電性エラストマ 材料は、カーボンナノチューブの配合量を 可塑性エラストマー100質量部に対して0.01~10 質量部としているため、該熱可塑性エラスト マー材料からなる成形物は、その体積抵抗率 を10 11 ω・cm以下とすることができる。
 下限値は応用される用途などにより異なる め一概には言えないが、前記カーボンナノ ューブの配合量から10 4 ω・cm以上程度となる。
 前記シート状の成形物の体積抵抗率は、よ 好ましくは10 6 ~10 10 ω・cmである。

 前記本発明の導電性シートおよび導電性シ ムレスベルトでは、その面内における体積 抗率のバラツキを10 1 ω・cm以内に抑えることができる。該体積抵 率のバラツキとは、成形物の面内において 数箇所で測定した体積抵抗率のうち最大の 積抵抗率と最小の体積抵抗率の差を指す。
 このように、面内における体積抵抗率のバ ツキを10 1 ω・cm以内に抑えることが出来るのは、カー ンナノチューブとして、直径30~300nmで且つア スペクト比が10~1000のものを用い、ベース成 として熱可塑性エラストマーのみを用いる とにより、該熱可塑性エラストマー中に前 カーボンナノチューブを均一に分散される とが出来ることに因る。
 前記面内の体積抵抗率のバラツキは、より ましくは3.5ω・cm以内である。

 また、本発明の導電性シームレスベルトで 、ベース成分として熱可塑性エラストマー みを用いると共に、前記直径およびアスペ ト比を有するカーボンナノチューブを均一 配合しているため、その耐屈曲性を高める とができる。
 具体的には、幅15mm、長さ150mm、厚さ100μmの 電性シートでは,(株)安田精機製作所製のMIT 折度試験機にて、雰囲気温度23℃、相対湿 55%の恒温恒湿条件下で、荷重1/2 lb、屈曲角 135度、屈曲速度175cpmの条件で繰返し屈曲さ 、破断するまでの回数を計測した結果、破 までの屈曲回数が30000回以上である耐屈曲 を有する。

 本発明の導電性エラストマー材料では直径3 0~300nm、アスペクト比が10~1000であるカーボン ノチューブという特定の導電性フィラーを い、かつ、ベース材料は熱可塑性エラスト ーのみとしていることにより、耐屈曲性に れた成形物が得られ、かつ成形物の面内に ける電気抵抗のばらつきを抑えることがで る。
 かつ、カーボンナノチューブの配合量を熱 塑性エラストマー100質量部に対して0.01~10質 量部と少量としているため、体積抵抗率を10 11 ω・cm以下という良好な導電性を得ることが きる。そのため、ベースとなる熱可塑性樹 の物性を変化させることがなく、また無色 明な成形物を製造することも可能となる。
 されに、本発明の導電性エラストマー料は 出成形することができるので、連続的な成 が可能であり、量産にも優れている。

 以下、本発明の実施形態を説明する。
 導電性エラストマー材料は、ポリエステル 熱可塑性エラストマーに直径30~300nmのカー ンナノチューブが分散されている。
 カーボンナノチューブの配合量は前記ポリ ステル系熱可塑性エラストマー100質量部に して0.01~10質量部の範囲で配合すれば良いが 、本実施形態では0.5~5質量部の割合で配合し いる。
 前記のように、カーボンナノチューブの直 は30~300nmの範囲であれば良いが、本実施形 では直径30~100nmとしている。
 該カーボンナノチューブは、そのアスペク 比が10~1000の範囲であれば良いが、本実施形 態では10~100としている。

 ベース材料として、前記ポリエステル系熱 塑性エラストマーの1種のみを用いている。
 該ポリエステル系熱可塑性エラストマーは 導電性エラストマー材料に対して要求され 特性に応じて、硬度、弾性率、成形性など 当なグレードのものを使用することができ 。
 ポリエステル系熱可塑性エラストマーとし は、例えば、ポリエステルポリエーテル系 可塑性エラストマーまたはポリエステルポ エステル系熱可塑性エラストマー等が挙げ れ、複数種を混合しても良い。
 なかでも、ポリエステル系熱可塑性エラス マーとしては、高融点ポリエステル構成成 と低融点ソフトセグメント構成成分とから る熱可塑性エラストマーが好ましい。
 より具体的には、高融点ポリエステル構成 分だけで重合体を形成した場合の融点が150 以上であり、低融点ソフトセグメント構成 分のみで測定した場合の融点ないし軟化点 80℃以下であるポリエステル系熱可塑性エ ストマーが好ましい。
 とくに、ポリエステル系熱可塑性エラスト ーとしては、芳香環を有するポリエステル らなるハードセグメントとポリエーテルお び/またはポリエステルからなるソフトセグ メントとから構成される共重合体が好ましい 。

 芳香環を有するポリエステルからなるハー セグメントの構成成分として、テレフタル 、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸 2,6-ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカ ルボン酸またはそのエステルと炭素数が1~25 グリコールまたはそのエステル形成性誘導 とを用いることができる。
 前記酸性成分としてはテレフタル酸を用い ことが好ましい。このテレフタル酸を単独 用いることがより好ましいが、その他の酸 分と必要に応じて組み合わせることもでき 。テレフタル酸とその他の酸成分を組み合 せて用いる場合、テレフタル酸が全酸成分 70モル%以上、好ましくは75モル%以上占める とが好適である。
 前記炭素数が1~25のグリコールとしてはエチ レングリコール、1,4-ブタンジオール等が挙 られる。
 なかでも、芳香環を有するポリエステルか なるハードセグメントの構成成分としては リブチレンテレフタレートが好ましい。

 前記ポリエーテルからなるソフトセグメン としては、例えばポリ(エチレンオキサイド )グリコール、ポリ(テトラメチレンオキサイ )グリコール等のポリアルキレンエーテルグ リコールが挙げられる。アルキレン部分の炭 素数は、前記例示化合物における2および4に らず、2~20であれば好ましく、2~10であれば り好ましい。
 ポリエステルポリエーテル系熱可塑性エラ トマーにおいて、ポリエーテルからなるソ トセグメントは全質量の15質量%~75質量%を占 めることが好ましい。
 ポリエステルポリエーテル系熱可塑性エラ トマーにおいてはソフトセグメントである 子鎖の弾性率が低温低湿状態と高温高湿状 との間で変化しにくく安定しているため、 発明の導電性樹脂材料における抵抗値の環 依存性がより小さくなるという利点がある

 前記ポリエステルからなるソフトセグメン としてはラクトン類を用いることが好まし 。ラクトン類のなかでもカプロラクトンが も好ましいが、その他としてエナンラクト またはカプリロラクトン等も使用すること でき、これらのラクトン類の2種以上を併用 することもできる。
 ポリエステル系熱可塑性エラストマーにお て、芳香族ポリエステルとラクトン類との 重合割合は用途に応じて選定され得るが、 準的な比率としては質量比で芳香族ポリエ テル/ラクトン類が97/3~5/95、より一般的には 95/5~30/70の範囲である。

 また、前記導電性エラストマー材料には、 発明の目的に反しない限り、前記熱可塑性 ラストマーとカーボンナノチューブ以外に 加剤が配合してもよい。
 例えば、機械的強度を改善するために充填 等を配合することができる。充填剤として 、例えば、シリカ,カーボンブラック、クレ ー、タルク、炭酸カルシウム、二塩基性亜リ ン酸塩(DLP)、塩基性炭酸マグネシウム、アル ナ等の粉体を挙げることができる。
 充填剤は導電性エラストマー材料全質量の1 5質量%以下で配合するのが好ましい。これは 填剤の配合は導電性エラストマー材料の引 強度および引裂強度等の改善には有効であ ものの、余り多く配合すると導電性エラス マー材料の柔軟性が低下するためである。

 また、例えば適度な柔軟性と弾性を与える めに軟化剤を配合してもよい。
 軟化剤としてはオイルや可塑剤が挙げられ 。オイルとしては、例えばパラフィン系、 フテン系、芳香族系等の鉱物油や炭化水素 オリゴマーからなるそれ自体公知の合成油 またはプロセスオイルを用いることができ 。合成油としては、例えばα-オレフィンと オリゴマー、ブテンのオリゴマー、エチレ とα-オレフィンとの非晶質オリゴマーが好 しい。可塑剤としては、フタレート系、ア ペート系、セパケート系、ホスフェート系 ポリエーテル系、ポリエステル系等の可塑 が挙げられ、より具体的には例えばジオク ルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP) 、ジオクチルセパケート(DOS)、ジオクチルア ペート(DOA)等が挙げられる。

 前記軟化剤の配合量は特に限定されない 、熱可塑性エラストマー100質量部に対し50~4 00質量部が好ましく、50~200質量部がさらに好 しい。軟化剤の配合量が前記範囲よりも少 いと軟化剤を添加した効果が得られ難く、 方で軟化剤を前記範囲より多く配合すると 形物にしたときに軟化剤がブリードしやす なるためである。

 本発明の導電性エラストマー材料は、例え 、以下の方法で製造している。
 ポリエステル系熱可塑性エラストマー、カ ボンナノチューブ、所望により他の添加剤 2軸押出機に投入し、200~250℃に加熱しなが 熱可塑性樹脂中にカーボンナノチューブを 散させる。得られた導電性エラストマー材 は後からの成形工程を考えてペレット状に ておくのがよい。

 得られた本発明の導電性エラストマー材料 単軸押出機を用いて200~250℃で例えばシート 状またはシームレスベルト状に押出すことに より、導電性シームレスベルトとしている。
 前記導電性シームレスベルトは、その体積 抗率が10 11 ω・cm以下であり、面内における体積抵抗率 バラツキが10 1 ω・cm以内である。さらに、後述する実施例 記載した耐屈曲性試験において、破断まで 屈曲回数が30,000回を超えるものである。

 以下、実施例を用いて本発明を詳述する。 お、本発明は下記実施例に限定されるもの はない。
 「実施例1,2、比較例2,3」
 ポリエステル系熱可塑性エラストマーおよ カーボンナノチューブを下記表に記載の割 (表中の数値は質量部を示す。)で配合し、2 押出機を用いて250℃の温度で溶解・混練し 分散させながら押出した後、ペレット状に 、導電性エラストマー材料を得た。
 作成したペレット状の導電性エラストマー 料を150mm幅のTダイを取り付けた単軸押出機 用いて250℃で押出して、厚み100μmのシート 作成した。

「比較例1」
 カーボンナノチューブを配合せず、熱可塑 エラストマーを2軸押出機を用いて250℃の温 度で溶解して押出した後、ペレット状にした 。
 作成したペレットを150mm幅のTダイを取り付 た単軸押出機を用いて250℃で押出して、厚 100μmのシートを作成した。

「比較例4」
 熱可塑性エラストマーの代わりに熱可塑性 脂であるポリブチレンナフタレートを用い 以外は実施例1と同様の方法で厚み100μmのシ ートを作成した。

 表中の各成分としては、下記のものを用い 。
・熱可塑性エラストマー:ポリエステル系熱 塑性エラストマー(東レ・デュポン(株)製「 イトレル2781(商品名)」)
・熱可塑性樹脂:ポリブチレンナフタレート( 洋紡績(株)製「ペルプレンP560(商品名)」
・カーボンナノチューブA:直径=10nm、アスペ ト比50
・カーボンナノチューブB:直径=50nm、アスペ ト比40
・カーボンナノチューブC:直径=100nm、アスペ ト比20
・カーボンナノチューブD:直径=400nm、アスペ ト比20

 実施例1,2および比較例1~4で作成したシート ついて下記物性の測定を行った。結果は表1 に示す。
(1)体積抵抗率の測定
 体積抵抗率は、三菱化学(株)製Hiresta-up(MCP-HT 450)、URプローブを用いて、雰囲気温度23℃、 対湿度55%の恒温恒湿条件下、電圧100Vで測定 した。
 作成したシートの押出方向に対して垂直方 で2点、押出方向に10cm間隔で7点の計14点を 定し、それらの平均値を体積抵抗率とし、 の値を以下の基準に従って判定した。
 ○:体積抵抗率≦10 11 ω・cm
 ×:体積抵抗率>10 11 ω・cm

(2)体積抵抗率の面内バラツキ
 (1)で測定した体積抵抗率14点の最大値と最 値の差をとって面内バラツキとし、その値 以下の基準に従って判定した。
 ○:最大値-最小値≦10 1
 ×:最大値-最小値>10 1
 なお、比較例1については、熱可塑性エラス トマーのみから構成され、カーボンナノチュ ーブを含まないので体積抵抗率が10 11 ω・cmを超えることから、「-」と記載した。

(3)耐屈曲性
 シートを押出方向に幅15mm、長さ150mmの短冊 に打抜きサンプルを作成した。
 このサンプルを(株)安田精機製作所製のMIT 折度試験機にて、雰囲気温度23℃、相対湿度 55%の恒温恒湿条件下で、荷重1/2 lb、屈曲角 135度、屈曲速度175cpmの条件で繰返し屈曲さ 、破断するまでの回数を計測した。破断ま の屈曲回数により、以下の基準に従って判 した。
 ○:破断までの屈曲回数>30,000回
 ×:破断までの屈曲回数≦30,000回

 カーボンナノチューブの直径が10nmと30nmよ 小さい比較例2では、成形物における面内の 積抵抗率のばらつきが大きくなることが確 できた。
 カーボンナノチューブの直径が400nmと300nmよ り大きい比較例3では、成形物の耐屈曲性が くなることが確認できた。
 熱可塑性エラストマーの代わりに熱可塑性 脂を用いた比較例4では、成形物の耐屈曲性 が悪くなることが確認できた。
 それに対し、カーボンナノチューブの直径 30~300nmの範囲にある実施例1及び実施例2では 、成形物は耐屈曲性に優れ、かつ面内におけ る電気抵抗のばらつきが小さいことが確認で きた。