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Title:
CONTROL METHOD FOR DIE CUSHION DEVICE AND DIE CUSHION
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/035043
Kind Code:
A1
Abstract:
Intended is to control a die cushion device for a press machine on the basis of the results of calculations which were made by calculating at least one of the moving stroke and the moving velocity of a slide on the basis of the rotation stroke of a rotary member and approximate formulas (M1, M2, M3 and M4). Thus, the die cushion device for the press machine can suppress the cost, as might otherwise be invited by providing a detector newly, and can downsize the software for controlling the die cushion device, so that the die cushion can be easily and usefully controlled in its operation.

Inventors:
ONISHI DAI (JP)
FUJITA YUTAKA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/066437
Publication Date:
March 19, 2009
Filing Date:
September 11, 2008
Export Citation:
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Assignee:
IHI CORP (JP)
ONISHI DAI (JP)
FUJITA YUTAKA (JP)
International Classes:
B21D24/02; B30B15/02
Foreign References:
JPH0287597U1990-07-11
JP2006075866A2006-03-23
JP2007090389A2007-04-12
JPH0386396A1991-04-11
JP2006315074A2006-11-24
Attorney, Agent or Firm:
SHIGA, Masatake et al. (MarunouchiChiyoda-ku, Tokyo 20, JP)
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Claims:
 回転部材の回転に応じて移動するスライドに連動して、ダイクッション装置の動作を制御する制御手段であって、
 前記回転部材の回転量と、前記スライドの移動量及び移動速度の少なくとも一方との関係を示す近似式を求め、
 検出した前記回転部材の回転量と、前記近似式とに基づいて、前記ダイクッション装置の動作を制御するダイクッション装置の制御方法。
 前記スライドの移動経路のうち、一部の領域について前記近似式を求める請求項1に記載のダイクッション装置の制御方法。
 前記一部の領域から外れた前記スライドの移動経路について、前記近似式より次数の低い第2近似式を設定する請求項2に記載のダイクッション装置の制御方法。
 前記スライドの移動経路を複数に分割し、分割した各移動経路毎に前記近似式をそれぞれ求める請求項1から3のいずれか一項に記載のダイクッション装置の制御方法。
 前記近似式を最小二乗法で求める請求項1から3のいずれか一項に記載のダイクッション装置の制御方法。
 前記近似式を最小二乗法で求める請求項4に記載のダイクッション装置の制御方法。
 回転部材の回転に応じて移動するスライドに連動して移動するダイクッション装置であって、
 前記回転部材の回転量と、前記スライドの移動量及び移動速度の少なくとも一方との関係を示す近似式を記憶する記憶装置と、
 前記回転部材の回転量を検出する検出装置と、
 前記検出装置の検出結果と、記憶された前記近似式とに基づいて、前記ダイクッション装置の移動を制御する制御装置とを有するダイクッション装置。
 前記近似式は、前記スライドの移動経路のうち、一部の領域について求められている請求項7に記載のダイクッション装置。
 前記一部の領域から外れた前記スライドの移動経路について、前記近似式より次数の低い第2近似式が設定されている請求項8に記載のダイクッション装置。
 前記近似式は、前記スライドの移動経路を複数に分割した各移動経路毎にそれぞれ求められている請求項7から9のいずれか一項に記載のダイクッション装置。
 前記回転部材の回転運動を前記スライドの直線運動に変換する回転駆動機構は、クランク軸を備える請求項7から9のいずれか一項に記載のダイクッション装置。
 前記回転部材の回転運動を前記スライドの直線運動に変換する回転駆動機構は、クランク軸を備える請求項10に記載のダイクッション装置。
Description:
ダイクッション装置及びダイク ションの制御方法

 本発明は、プレス機械においてスライドの 面に固定された上金型と共にワークを挟み ークのしわ押さえ圧力を発生するためのダ クッション装置及びダイクッションの動作 御方法に関する。
 本願は、2007年9月11日に日本に出願された特 願2007-235279号に基づき優先権を主張し、その 容をここに援用する。

 ダイクッション装置は、上金型と下金型と 間でワークを挟んで成型するプレス機械に いて、上金型と共にワークの端部を挟むこ によって、ワークのしわ押さえ圧力を発生 せるための機構である。ダイクッション装 は、一般に、ダイクッションを上下動させ ためのピストンを有する1本または複数本の シリンダで駆動され、シリンダに出入りする 空気や油の流量をバルブで制御することによ り、目的のクッションモーションを得る。プ レス機械のダイクッション装置において、そ のダイクッション装置の動作制御は、ダイク ッションの位置及び速度と、上金型が固定さ れた、上下に昇降移動可能なスライドの位置 及び速度が適切な関係となるように、スライ ド位置データ、スライド速度データに基づい て行われている(例えば、特許文献1)。
 上記データを検出する方法として、位置検 器、速度検出器をプレス機械に設置するこ により、前記スライドのスライド位置デー 、スライド速度データを検出する方法があ 。また、前記スライドがクランク軸と連動 て駆動する場合には、クランク軸回転角デ タを回転角検出器によって検出する。その 転角データとスライドの昇降位置とを対応 せた角度位置データを利用して、クランク 回転角データを入力とすることによって、 記角度位置データからスライドの位置を導 する方法もある(例えば、特許文献2参照)。

特開2006-142312号公報

特許第3620991号公報

 しかしながら、上記データを検出する方法 おいて、位置検出器、速度検出器により上 データを検出する方法は、既設のプレス機 がそれらの検出器を備えていない場合に、 置検出器、速度検出器を取り付けなくては らない。既設のプレス機械において、それ の検出器を設置する位置、スペースがない 合、検出器の取り付けは困難であり、それ の検出器を設置するコストもかかる。例え 、工場の生産ラインに同型の既設プレス機 複数台設置されている場合は、その台数分 コストが、さらにかかる。
 また、クランク軸回転角データを入力とし 前記角度位置データからスライドの位置を 出する方法では、回転角データとスライド 昇降位置を対応させた角度位置データを角 位置データ記憶手段(メモリ)に記憶してお 必要があり、ダイクッション装置を制御す ソフトの容量が膨大になる。さらに、前記 度位置データからスライドの速度を導出す 場合も、回転角データとスライドの昇降速 を対応させた角度位置データが、別に必要 なり無駄にメモリの記憶容量を消費してし う。

 本発明は、上述する問題点に鑑みてなさ たもので、プレス機械のダイクッション装 において、検出器を新たに設置するという ストを抑え、かつ、ダイクッション装置を 御するソフトのスリム化を図り、ダイクッ ョンの動作制御を容易かつ有用に行うこと 目的とする。

 上記の課題を解決するために、本発明は、 転部材の回転に応じて移動するスライドに 動して、ダイクッション装置の動作を制御 る制御手段であり、前記回転部材の回転量 、前記スライドの移動量及び移動速度の少 くとも一方との関係を示す近似式を求め、 出した前記回転部材の回転量と、前記近似 とに基づいて、前記ダイクッション装置の 作を制御する制御方法を採用する。
 この制御方法を採用することで、回転部材 回転量と近似式とに基づいて、スライドの 動量及び移動速度の少なくとも一方を算出 る。それらの算出結果に基づいて、ダイク ション装置の動作を制御し、スライドの移 と連動させることができる。

 また、本発明は、前記スライドの移動経路 うち、一部の領域について前記近似式を求 るという工程を含む制御方法を採用する。
 この制御方法を採用することで、スライド 移動経路の全経路について近似式を求める 程を含む必要はなく、ダイクッション装置 動作を制御するための有用な領域(例えば、 ワーク(被成型物)を成型する成型領域)に関す る近似式を求めることができる。

 そして、本発明は、前記一部の領域から外 た前記スライドの移動経路について、前記 似式より次数の低い第2近似式を設定する工 程を含む制御方法を採用する。
 この制御方法を採用することで、ダイクッ ョン装置の動作を制御するための有用な領 から外れた領域の近似式を簡易的に設定す ことができ、近似式の設定作業を容易に行 ことができる。

 そして、本発明は、前記スライドの移動経 を複数に分割し、分割した各移動経路ごと 前記近似式をそれぞれ求めるという工程を む制御方法を採用する。
 この制御方法を採用することで、分割した 動経路ごとの近似式に基づいて、分割した 域に応じたダイクッション装置の動作を制 し、高精度な制御を実現できる。

 そして、本発明は、前記近似式を最小二乗 で求めるという工程を含む制御方法を採用 る。
 この制御方法を採用することで、回転部材 回転量とスライドの位置及び速度の対応関 を有効に表す近似式を求めることができる

 そして、本発明は、回転部材の回転に応じ 移動するスライドに連動して移動するダイ ッション装置に関する。この装置は、前記 転部材の回転量と、前記スライドの移動量 び移動速度の少なくとも一方との関係を示 近似式を記憶する記憶装置と、前記回転部 の回転量を検出する検出装置を備え、かつ 前記検出装置の検出結果と、記憶された前 近似式とに基づき、前記ダイクッション装 の移動を制御する制御装置を備える。
 この構成にすることで、ダイクッション装 は、検出装置により検出された回転部材の 転量と記憶装置に記憶された近似式とに基 いて、スライドの移動量及び移動速度の少 くとも一方を算出する。それらの算出結果 基づき、制御装置によってダイクッション 置の動作を制御してスライドの移動と連動 せることができる。

 そして、本発明において、前記近似式は、 記スライドの移動経路のうち、一部の領域 ついて求められている。
 この構成にすることで、ダイクッション装 は、ダイクッション装置の動作を制御する めの有用な領域について動作制御をさせる とができる。

 そして、本発明は、前記一部の領域から外 た前記スライドの移動経路について、前記 似式より次数の低い第2近似式が設定されて いる。
 この構成にすることで、ダイクッション装 の動作を制御するための有用な領域から外 た領域についてダイクッション装置の動作 御を容易にさせることができる。

 そして、本発明おいて、前記近似式は、前 スライドの移動経路を複数に分割した各移 経路ごとにそれぞれ求められている。
 この制御方法により、分割した移動経路ご の近似式に基づいて、分割した領域に応じ ダイクッション装置の動作を制御し、高精 にワークを成型することができる。

 さらに、本発明において、前記運回転部材 回転動を前記スライドの直線運動に変換す 回転駆動機構は、クランク軸を備えていて よい。
 この構成にすることで、本発明は、回転運 をプーリとベルトとボールねじから成る装 とによってスライドの直線運動に変換する 転駆動機構等と比較して、部品点数が少な すむ。

 本発明では、回転部材の回転量と近似式と 基づいて、スライドの移動量及び移動速度 少なくとも一方を算出し、それらの算出結 に基づいて、ダイクッション装置の動作を 用に制御することができる。
 また、本発明では、回転部材の回転量と近 式とに基づいて、スライドの移動量及び移 速度を算出することができるため、既設の レス機械に、新たな位置検出器、速度検出 を設置するコストを削減することができる
 さらに、本発明では、記憶装置に求めた近 式を記憶しておけば、前述した回転角デー とスライドの昇降位置等とを対応させた膨 な量の角度位置データを記憶装置に記憶し おく必要がなくなり、ダイクッション装置 制御するソフトをスリム化できる。

本発明の実施形態におけるダイクッシ ン装置と、このダイクッション装置を備え プレス機械の概略図である。 本発明の実施形態における回転部材の 回転量と近似式とに基づいて得られた結果と 、実測データとを比較した図である。 本発明の実施形態における回転部材の 回転量と近似式とに基づいて得られた結果と 、実測データとを比較した図である。

符号の説明

2…クランク軸(回転部材)、4…スライド、10 …ダイクッション装置、18…制御装置、19… 憶装置、31…回転角検出器(検出装置)、40… 転駆動機構、M1,M2,M3,M4…近似式

 次に、本発明の実施形態を図1~図2に基づ て説明する。また、各図面において同一の 材には同一の参照符号が付されている。

 図1に、本発明の実施形態におけるダイクッ ション装置10と、このダイクッション装置10 備えたプレス機械1の概略構成を示す。
 プレス機械1は、回転駆動機構40と、上金型5 を有するスライド4と、ボルスタ7を介して下 型8を支持するベッド6と、ダイクッション 置10とを有している。
 回転駆動機構40は、クランク軸(回転部材)2 、コネクティングロッド3と、メーンモータ3 0と、クランク軸2の回転量の検出を可能にす 回転角検出器31とを有している。

 図1に示すプレス機械1において、クラン 軸2の偏心部にコネクティングロッド3が連結 されている。回転駆動機構40において、メー モータ30によって回転駆動されるクランク 2の回転運動が、コネクティングロッド3を介 して往復直線運動に変換され、コネクティン グロッド3の下端に連結されたスライド4及び 金型5を上下に昇降させる。このとき、クラ ンク軸2の回転角が回転角検出器31で検出され 、その検出データが、制御装置18に送信され 。回転角検出器31として、光学式ロータリ ンコーダやレゾルバ等が使用可能である。 た、スライド4の下部には上金型5が取り付け られており、上金型5の下方には下金型8が設 されている。本実施形態では、スライド4が 上下動されると、上金型5と下金型8の間に挿 されたワークWがプレス加工される。

 プレス機械1には、上金型5と共にワークW 端縁をはさみ、ワークWのしわ押さえ圧力を 発生するためのダイクッション装置10が搭載 れている。このダイクッション装置10は、 降可能であり、ワークWをブランクホルダ12 上面で支持するとともにワークWの加工時に 金型5と共にワークWを挟んで降下するダイ ッション11と、ダイクッション11を昇降駆動 る昇降駆動機構15と、昇降駆動機構15の駆動 を制御する制御装置18と、記憶装置19とを備 る。

 ダイクッション11は、ワークWが載置され ブランクホルダ12と、ブランクホルダ12を上 端で支持し、ボルスタ7を貫通してベッド6の 部まで延びるクッションピン13と、クッシ ンピン13を下方から支持するクッションパッ ド14とからなる。したがって、ブランクホル 12、クッションピン13及びクッションパッド 14は同時に上下動する。また、通常、ブラン ホルダ12は、金型の種類に応じて交換され 。

 昇降駆動機構15は、ダイクッション11を上 下動させるシリンダ16と、シリンダ16を駆動 るシリンダ駆動源17とからなる。シリンダ駆 動源17から供給される油圧や空気圧などの流 でシリンダ16が駆動され、ダイクッション11 がシリンダ16により上下に駆動される。した って、ワークWがプレス加工されるときに、 ダイクッション11の最上部(ブランクホルダ12) と上金型5の間にワークWが挟まれることによ 、ワークWのしわ押さえが行われる。

 制御装置18は、スライド4の動作に応じてダ クッション11が適切な位置となるようシリ ダ駆動源17を制御する。
 記憶装置19は、データを記憶する媒体を有 た記憶装置であり、データの記録、保存が 能である。記憶装置19には、予め求められた 、クランク軸2の回転量とスライド4の位置及 速度との相関関係を示す近似式が記憶され おり、制御装置18との間でデータのやり取 をすることができる。
 制御装置18は、回転角検出器31からの検出デ ータと、記憶装置19に記憶されている近似式 に基づいて、クランク軸2の回転と連動して いるスライド4の位置及び速度と、ダイクッ ョン11の位置及び速度とが所定の関係となる ように、シリンダ駆動源17へ制御指令を与え 。

 プレス機械1の前後には、プレス間のワーク 搬送のために、入側ワーク搬送装置20と出側 ーク搬送装置21とが設置されている。
  入側ワーク搬送装置20は、把持部22と、ア ム23と、把持部22及びアーム23を共に駆動さ る入側駆動機構24とを備えている。入側ワ ク搬送装置20は、未加工のワークWを把持部22 で把持し、アーム23によって移動させ、ブラ クホルダ12上に置く動作を行い、未加工の ークWをプレス機械1に搬入する。
 出側ワーク搬送装置21は、把持部25と、アー ム26と、把持部25及びアーム26を共に駆動させ る出側駆動機構27とを備えている。出側ワー 搬送装置21は、加工後のワークWを把持部25 把持して、アーム26によって移動させ、ブラ ンクホルダ12上から取り除く動作を行い、加 後のワークWをプレス機械1から搬出する。 側ワーク搬送装置20および出側ワーク搬送装 置21として、産業用ロボットや専用のトラン ファー装置が使用される。

 次に、上記のダイクッション装置10の動作 ついて説明する。
 本実施形態のダイクッション装置10におけ ダイクッション11の動きは、制御装置18によ てワークWを成型する1サイクルの間に、次 示すように制御される。
  1サイクルの始めでは、ダイクッション11 上昇しており、入側ワーク搬送装置20が未加 工のワークWをダイクッション11最上部のブラ ンクホルダ12上に設置する。
 制御装置18は、回転角検出器31で検出された クランク軸2の回転量と、スライド4の位置と 関係を示す近似式によって、スライド4の下 降位置を算出し、上金型5がワークWに接触す 直前にダイクッション11を下方に予備加速 せ、上金型5とダイクッション11とがワークW 挟むことによって発生する衝撃を緩和させ 。上金型5がワークWに接触した後、スライ 4が下降する動きに押され、ダイクッション1 1も下降する。このとき、制御装置18は、スラ イド4の下降速度を回転角検出器31で検出され たクランク軸2の回転量と、スライド4の速度 関係する近似式から算出し、シリンダ駆動 17に供給される油圧等の流量等を制御する とによって、上金型5とブランクホルダ12の で適切なしわ押さえ力を発生させる。スラ ド4が下死点を通過して上昇に転じた後、ダ クッション11は、上金型5との距離を離しつ 所定の位置まで上昇する。スライド4が上昇 し、ダイクッション11との間隔が所定の離間 離に達した後、出側ワーク搬送装置21が加 後のワークWを拾い上げ、その後、空になっ ブランクホルダ12が始めの位置まで上昇し 1サイクルが終了する。

 次に、上述したスライド4の位置及び速度に 関係する近似式を求める工程について説明す る。
 始めに、本実施形態のプレス機械1を1サイ ル動作させて、クランク軸2の回転量と、ス イド4の位置及びスライド4の速度との対応 係を実測する。クランク軸2の回転量は、回 角検出器31により検出し、スライド4の位置 び速度は、位置検出器、速度検出器により 出し、記録する。位置検出器、速度検出器 、プレス機械1に既設の位置検出器、速度検 出器があればそれらを用いてもよい。しかし 、前記検出器がない場合は、別途それに準じ る検出手段(例えば、位置計測センサ、速度 測センサ等)を用いて検出する。ここで、近 式を算出する場合、実測データはある程度 いほうが好ましい。
 そして、近似式は、最小二乗法により、上 実測データとモデル関数とから得られる理 値の差の二乗和が最小となるモデルのパラ ータが決定され、算出される。

 上記近似式は、プレス機械1の作業工程1サ クルのすべての領域について、最小二乗法 より算出すると、求められた近似式の次数 高次となり(例えば五次式、六次式等)、モデ ル関数のパラメータが多く必要となることか ら導出が困難となる。また、プレス機械1の 業工程1サイクルの全領域のうち、ダイクッ ョン装置10において動作制御の精度が求め れる領域は、ワークWを加工する領域である
 そこで、本実施形態では、近似式をスライ 4の移動経路の一部である、ダイクッション 装置10の動作を制御するための有用な領域(ワ ークWをプレス加工し成型する領域、以下、 型領域と呼ぶ)について求める。本実施形態 は、成型領域に着目し、近似する領域を限 することで、全領域について一つの式で近 式を求める必要はなく、また、近似する領 の範囲を狭めることで、最小二乗法で求め れる近似式の次数を小さく抑えることがで る。結果として、成型領域において、ダイ ッション装置10の精度の良い動作制御が可 になり、また、近似式の次数を抑えること できる為、最小二乗法により有効な近似式 求めることができる。

 さらに、上記成型領域以外の領域(以下、 非成型領域と呼ぶ)では、それがワークWの非 工時であるため、ダイクッション装置10の 作に関して、緻密な制御は要求されない。 って、非成型領域の近似式は、成型領域の 似式と比べて次数が少なくても、ダイクッ ョン装置10の動作の制御には問題はない。し たがって、非成型領域に用いる近似式は、簡 易的に設定することができ、近似式の設定作 業を容易に行うことができる。

 次に、本実施形態において、上述した最小 乗法により求められる近似式について、図2 A及びBに基づいて説明する。
 また、以下に挙げる近似式に使用した*印は 、×印(掛ける)と同義である。

 図2A及びBは、クランク軸2の回転量(記号θで 表す)と、最小二乗法により求められた近似 とに基づいて、算出された計算結果と、実 データとを比較した図である。
 図2A及びBで示されるグラフ上において、実 は近似式で求められた計算結果を表し、点 は実測データを表す。また、図2A及びBで示 れるグラフは、成型領域(θ 0 1 )を点線で区切ることにより、視認性を向上 せている。
 図2Aに示されるグラフは、縦軸がスライド4 位置を示し、横軸がクランク軸2の回転量を 示す。縦軸は、スライド4が下死点に達した 置をゼロで表す。
 図2Bに示されるグラフは、縦軸がスライド4 速度を示し、横軸がクランク軸2の回転量を 示す。縦軸は、スライド4が下方に移動する 度を負の符号で表し、スライド4が上方に移 する速度を正の符号で表す。

 図2Aについて詳細に説明する。
 図2Aに示す成型領域(θ 0 ≦θ<θ 1 )において、近似式は、最小二乗法を用いて 下に示す三次の式(f(θ))として導出されてい 。
 f(θ)=θ 2 (C1+C2*θ) …(M1)
 また、非成型領域(θ<θ 0 )において、近似式は、最小二乗法を用いて 下に示す一次の式(f´(θ))として導出されて る。
 f´(θ)=C3*θ+C4 …(M2)
 ここで、各々C1~C4は、最小二乗法にて求め れた定数を表す。

 図2Aより、非成型領域(θ<θ 0 )において、ダイクッション装置10の動作は一 次の近似式M2に基づいて制御され、成型領域( θ 0 ≦θ<θ 1 )においては、ダイクッション装置10の動作は 三次の近似式M1に基づいて制御される。した って、図2Aに示すグラフでは、近似式M2は、 クランク軸2の回転量が、θ=θ 0 となった時点で、近似式M1と切り換えられる また、非成型領域(θ 1 ≦θ)において、θ 1 はスライド4の下死点を示すため、スライド4 下死点を通過後、上昇する運動を行う。こ とき、本実施例では、近似式M1によって非 型領域(θ 1 ≦θ)が良好に近似されていることから、新た に近似式を導出する必要はなく、近似式M1を いる。
 その結果、成型領域(θ 0 ≦θ<θ 1 )において、近似式M1により算出される計算結 果は、精度良く位置の実測データに近似され ていることが観察される。したがって、成型 領域では、高精度でダイクッション装置10の 作を制御でき、非成型領域では、その領域 要求される精度に応じた制御が可能となる

 図2Bについて説明する。
 図2Bに示す成型領域(θ 0 ≦θ<θ 1 )において、近似式は、最小二乗法を用いて 下に示す二次の式(g(θ))として導出されてい 。
 g(θ)=θ(C5+C6*θ) …(M3)
 また、非成型領域(θ<θ 0 )において、近似式は、以下に示す零次の式(g ´(θ))として導出されている。
 g´(θ)=C7 …(M4)
 ここで、各々C5~C7は、最小二乗法にて求め れた定数を表す。

 図2Bより、非成型領域(θ<θ 0 )において、ダイクッション装置10の動作は零 次の近似式M4に基づいて制御され、成型領域( θ 0 ≦θ<θ 1 )においては、ダイクッション装置10の動作は 二次の近似式M3に基づいて制御される。した って、図2Bに示すグラフでは、近似式M4は、 クランク軸2の回転量が、θ=θ 0 となった時点で、近似式M3と切り換えられる また、非成型領域(θ 1 ≦θ)において、本実施例では、近似式M3によ て非成型領域(θ 1 ≦θ)が良好に近似されていることから、新た に近似式を導出する必要はなく、近似式M3を いることができる。
 その結果、成型領域(θ 0 ≦θ<θ 1 )において、近似式M3により算出される計算結 果は、精度良く速度の実測データに近似され ていることが観察される。したがって、成型 領域では、高精度でダイクッション装置10の 作を制御でき、非成型領域では、その領域 要求される精度に応じた制御が可能となる

 上述の実施形態では、プレス機1のクラン ク軸2の回転量と、成型領域、非成型領域に じて切り換え可能な近似式とに基づいて、 ライド4の移動量及び移動速度の少なくとも 方を算出することができる。さらに、それ の算出結果に基づいて、ダイクッション装 10の動作は制御され、スライド4の移動と連 することができる。

 したがって、本実施形態では、クランク軸2 の回転量と近似式とに基づいて、スライド4 移動量及び移動速度の少なくとも一方を算 することにより、それらの算出結果に基づ て、ダイクッション装置10の動作を有用に制 御することができる。
 また、本実施形態では、クランク軸2の回転 量と近似式とに基づいて、スライド4の移動 及び移動速度を算出することができるため 既設のプレス機械に、新しい位置検出器、 度検出器を設置するコストを削減すること できる。
 さらに、本実施形態では、記憶装置19に求 た近似式を記憶しておけば、前述した回転 データとスライド4の昇降位置等とを対応さ た膨大な量の角度位置データを記憶装置19 記憶しておく必要がなくなり、ダイクッシ ン装置10を制御するソフトをスリム化できる 。

 以上、本発明の好適な実施形態について 明した。ただし、本発明は上記実施形態に 定されない。上述した実施形態に示した各 成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であ て、本発明の主旨から逸脱しない範囲にお て設計要求等に基づき種々変更可能である

 例えば、上記実施形態では、成型領域と 成型領域とについて近似式を導出すると説 した。しかしながら、近似式は全領域につ て導出してもよい。また、成型領域につい 、さらに複数に分割し、分割した領域毎に 似式を求めてもよい。それにより、分割し 領域ごとの近似式に基づき、それらの領域 応じたダイクッション装置10の動作を制御 ることで、より高精度な制御を実現できる

 また、本実施形態では、スライド4の位置 及び速度の両方について近似式を求めると説 明した。しかしながら、本発明は、回転部材 の回転量とスライドの位置または速度の一方 との相関関係を示す近似式を求めれば実現可 能である。例えば、回転部材の回転量とスラ イド4の位置に関係する近似式から、スライ 位置を算出し、そのスライド位置を時間微 することによりスライド速度が算出可能と る。また、反対に、算出されたスライド速 の積分を行うことにより、スライド位置が 出可能となる。

 また、本実施形態では、近似式を導出す 方法として、最小二乗法を用いると説明し 。しかしながら、本発明の近似式は、回転 材の回転量とスライドの位置及び速度の少 くとも一方との相関関係を示す式を導出す 方法であればよいため、本発明の近似式を 出する方法は最小二乗法に限定されない。

 また、上記実施形態では、回転部材は、 ランク軸2として説明した。しかしながら、 本発明にかかる回転部材は、回転部材の回転 移動をスライド4の直線運動に変換するもの あればよく、例えば、プーリとベルトとボ ルねじから成る装置であってもよい。この 合、回転部材はプーリであり、回転量はプ リの回転量を用いることで、本発明を実現 きる。

 更に、上記実施形態では、位置検出器、 度検出器が設置されていない構成を説明し 。しかしながら、位置検出器、速度検出器 プレス機に設置されていても、本発明は適 可能である。回転部材の回転量と近似式と 基づいた制御(フィードフォワード制御)と 位置検出器、速度検出器から検出される値 基づく制御(フィードバック制御)とをあわせ て用いることにより、より高精度にダイクッ ション装置の動作を制御することができる。

 本発明によれば、プレス機械のダイクッ ョン装置において、回転部材の回転量と近 式とに基づいて、スライドの移動量及び移 速度の少なくとも一方を算出し、それらの 出結果に基づいて、ダイクッション装置の 作を有用に制御することができる。また、 転部材の回転量と近似式とに基づいて、ス イドの移動量及び移動速度を算出すること できるため、既設のプレス機械に、新たな 置検出器、速度検出器を設置するコストを 減することができる。さらに、記憶装置に めた近似式を記憶しておくことにより、前 した回転角データとスライドの昇降位置等 を対応させた膨大な量の角度位置データを 憶装置に記憶する必要がなくなるため、ダ クッション装置を制御するソフトをスリム できる。