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Patent Searching and Data


Title:
A/D CONVERSION DEVICE AND SERVO CONTROL DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/145318
Kind Code:
A1
Abstract:
A feedback control device (100) includes a phase compensation unit (13) which performs a phase compensation in accordance with a phase delay generated in a time A/D conversion circuit (11) which converts an inputted analog signal into digital data and in a digital signal correction unit (12) which corrects the digital data when necessary.

Inventors:
HASHIMOTO YUKIE (JP)
WATANABE TAKAMOTO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/059897
Publication Date:
December 03, 2009
Filing Date:
May 29, 2009
Export Citation:
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Assignee:
OLYMPUS CORP (JP)
DENSO CORP (JP)
HASHIMOTO YUKIE (JP)
WATANABE TAKAMOTO (JP)
International Classes:
H03M1/12; G05B11/36; H03M1/50
Foreign References:
JP2001222325A2001-08-17
JP2003046390A2003-02-14
Attorney, Agent or Firm:
TANAI Sumio et al. (JP)
Sumio Tanai (JP)
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Claims:
 入力されるアナログ信号をデジタルデータに変換し出力するA/D変換回路と、前記デジタルデータを補正処理してデジタル信号を出力するデジタル信号補正部と、
 前記A/D変換回路と前記デジタル信号補正部において生じる前記アナログ信号に対する前記デジタル信号の位相遅れ量に応じて位相補償する位相補償部とを備えるA/D変換装置。
 前記A/D変換回路は、
 入力信号と出力信号との遅延時間が、印加される電源又は電流源の大きさに応じて変化する論理素子からなる反転回路が複数個連結されると共に、前記反転回路の1つに対してパルス信号の走行を開始させる起動信号が入力されるパルス走行回路と、
 前記反転回路の各々からの出力信号に基づき前記パルス走行回路内での前記パルス信号の走行位置を検出し、前記走行位置に応じたデータを発生する走行位置検出構造と、
 前記走行位置検出構造から出力される前記データに基づき、前記入力されるアナログ信号に応じて変化する前記電源又は前記電流源の大きさに対応するデジタルデータを生成するデジタルデータ生成構造とを有し、
 前記入力されるアナログ信号から前記デジタルデータの遅延特性が特定される請求項1に記載のA/D変換装置。
 前記位相補償部では、
 入力される特性設定信号に基づいて前記位相補償の特性が変更される請求項1記載のA/D変換装置。
 前記デジタル信号補正部では、
 入力される特性設定信号に基づいて前記補正処理の特性が変更され、前記補正処理による遅延特性が特定される請求項1記載のA/D変換装置。
 前記A/D変換回路から出力されるデータの状態に基づいて、前記デジタル信号補正部の補正処理の特性と前記位相補償部の位相補償特性とを関連付けて変更する上位コントローラとを備える請求項1に記載の前記A/D変換装置。
 請求項1に記載の前記A/D変換装置をフィードバック制御ループ内に挿入するサーボ制御装置。
 前記A/D変換装置は、
 前記フィードバック制御ループ内におけるフィードバック路に挿入され、フィードバック信号の位相補償処理をする請求項6に記載のサーボ制御装置。
Description:
A/D変換装置、およびサーボ制御 置

 本発明は、A/D変換装置、およびこれを活 したサーボ制御装置に関する。本願は、2008 年5月30日に、日本に出願された特願2008-143314 に基づき優先権を主張し、その内容をここ 援用する。

 A/D変換回路は、アナログ値を出力する各 センサからの情報をデジタル信号処理する に利用され、検出回路、制御回路などを備 る各種装置で利用されている。デジタルカ ラなどのコンシューマ機器に組み込まれて る従来のA/D変換回路は、各種センサから入 されるアナログ信号を基準電圧と比較する とにより、電圧信号を2値化してデジタル信 号に変換する構成である。さらに、アナログ 信号の変化が微小な場合には、オペアンプ等 のアナログ増幅回路を用いて必要な電圧レン ジを確保するべくアナログ信号を増幅させた 後に、A/D変換回路で2値化してデジタル信号 得ている。

 このようなアナログ演算回路とA/D変換回 の組み合わせによるA/D変換装置は、品質的 題とコスト的課題を有する。まず、品質的 題では、アナログ増幅回路固有の温度特性 よって増幅率や利得などの回路特性が変動 、出力されるデジタル信号値の精度の確保 困難な事や、アナログ増幅回路の駆動に必 な定常電流により、A/D変換装置全体の消費 力が増加することがあげられる。また、コ ト的課題では、アナログ増幅回路に必要な ランジスタが、デジタル回路において一般 に用いられるMOS(Metal Oxide Semiconductor)型ト ンジスタに比べて素子サイズが大きくなる め、1チップに集積させる際の回路面積が増 するのでコストを削減させることが困難で ることがあげられる。一方、応用面におけ システムの高性能化に伴い、A/D変換装置の 精細化が必要とされ、より高いbit分解能が 求されている。

 このような要求に対し、特許文献1に開示さ れている時間A/D変換回路は、リングディレイ ライン、カウンタ、ラッチ回路、パルスセレ クタ、エンコーダ、減算回路から成り立つパ ルス位相差を符号化する機能を、全てデジタ ル回路で構成する。この技術によると、高い bit分解能をディレイラインの拡張などで実現 できる構成の為、アナログ増幅回路を用いず に、デジタル回路のみで所望のbit分解能を得 ることができる。
 さらに、アナログ増幅回路を用いないこと より、アナログ回路特有の温度特性に影響 れる回路特性の変化が抑えられて品質が確 されるだけでなく、省電力化や高集積化に る低コスト化が図れるという効果がある。

特開平5-259907号公報

 ところで時間A/D変換回路をサーボ制御装置 フィードバックループ内に用いる際に、サ ボ制御装置におけるフィードバック制御シ テムが不安定となり発振する現象が生じる 合がある。
 この現象は、時間A/D変換回路単体、ならび 時間A/D変換回路から出力される信号を補正 る補正回路などで生じる信号処理遅延によ てフィードバック信号に生じる位相遅れが 因となり、フィードバック制御システムを 定に制御するための課題となっている。

 本発明は、上記の事情を考慮してなされ ものであり、その目的は、A/D変換回路によ A/D変換処理とA/D変換回路が出力する信号を 正するデジタル信号補正処理によって発生 る位相遅れ量を補償する位相補償機能を有 るA/D変換装置を提供することにある。

 本発明は、入力されるアナログ信号をデ タルデータに変換し出力するA/D変換回路と 前記デジタルデータを補正処理してデジタ 信号を出力するデジタル信号補正部と、を するA/D変換装置において、前記A/D変換回路 前記デジタル信号補正部において生じる前 アナログ信号に対する前記デジタル信号の 相遅れ量に応じて位相補償する位相補償部 備えるA/D変換装置である。

 また、本発明の前記A/D変換回路は、パル 走行回路と、走行位置検出構造と、デジタ データ生成構造を有することが望ましい。 記パルス走行回路は、入力信号と出力信号 の遅延時間が印加される電源又は電流源の きさに応じて変化する論理素子からなる反 回路が複数個連結されると共に、前記反転 路の1つに対してパルス信号の走行を開始さ せる起動信号が入力される。前記走行位置検 出構造は、前記反転回路の各々からの出力信 号に基づき前記パルス走行回路内での前記パ ルス信号の走行位置を検出し、前記走行位置 に応じたデータを発生する。前記デジタルデ ータ生成構造は、前記走行位置検出構造で出 力される前記データに基づき、前記入力され るアナログ信号に応じて変化する前記電源又 は前記電流源の大きさに対応するデジタルデ ータを生成する。前記A/D変換回路では、前記 入力されるアナログ信号から前記デジタルデ ータの遅延特性が特定される。

 また、本発明の前記位相補償部では、入 される特性設定信号に基づいて前記位相補 の特性が変更されることが望ましい。

 また、本発明の前記デジタル信号補正部 は、入力される特性設定信号に基づいて前 補正処理の特性が変更され、前記補正処理 よる遅延特性が特定されることが望ましい

 また、本発明の前記A/D変換回路は、前記A /D変換回路から出力されるデータの状態に基 いて、前記デジタル信号補正部の補正処理 特性と前記位相補償部の位相補償特性とを 連付けて変更する上位コントローラとをさ に備えることが望ましい。

 本発明では、前記A/D変換装置をフィード ック制御ループ内に挿入するサーボ制御装 をも提供可能である。

 また、本発明の前記A/D変換装置は、前記 ィードバック制御ループ内におけるフィー バック路に挿入され、フィードバック信号 位相補償処理をすることが望ましい。

 本発明のA/D変換装置は、A/D変換回路とデ タル信号補正部において生じるアナログ信 に対するデジタル信号の位相遅れ量に応じ 位相補償する位相補償部を備える。これに り、A/D変換処理で生じる誤差信号を補正す 信号処理を行う機能と、変換・補正処理に ける信号の遅延を補償する位相補償機能を する。従って、入力されたアナログ信号をA /D変換回路でデジタル信号に変換し、後段の ジタル信号補正部でデジタル信号のばらつ を補正し、遅延時間の変動を位相補償部に いて適応的に位相補償を行うことができる

 また、上記発明において、本発明のA/D変 回路は、パルス走行回路と、走行位置検出 造と、デジタルデータ生成構造を有しても い。この場合、前記パルス走行回路は、入 信号と出力信号との遅延時間が印加される 源又は電流源の大きさに応じて変化する論 素子からなる反転回路が複数個連結される 共に、前記反転回路の1つに対してパルス信 号の走行を開始させる起動信号が入力される 。前記走行位置検出構造は、前記反転回路の 各々からの出力信号に基づき前記パルス走行 回路内での前記パルス信号の走行位置を検出 し、前記走行位置に応じたデータを発生する 。前記デジタルデータ生成構造は、前記走行 位置検出構造で出力される前記データに基づ き、前記入力されるアナログ信号に応じて変 化する前記電源又は前記電流源の大きさに対 応するデジタルデータを生成する。前記A/D変 換回路は、前記入力されるアナログ信号から 前記デジタルデータの遅延特性が特定される 。従って、時間A/D変換型のA/D変換回路をA/D変 換回路として適用して、分解精度の高いA/D変 換処理を行うことができる。また、入力され たアナログ信号をA/D変換回路でデジタル信号 に変換する際の遅延時間を特定することがで きる。

 また、上記発明において、本発明の位相 償部では、入力される特性設定信号に基づ て位相補償の特性が変更されてもよい。従 て、特性設定信号を入力して位相補償部の 性を変更できる。また、デジタル回路で構 する位相補償部の融通性を活用でき、ルー ゲインの異なる装置においても、時間A/D変 装置のハード構成を変更することなく対応 きる。

 また、上記発明において、本発明のデジ ル信号補正部では、入力される特性設定信 に基づいて補正処理の特性が変更され、補 処理による遅延特性が特定されてもよい。 って、特性設定信号を入力してデジタル信 補正部の特性を変更することができる。ま 、デジタル信号補正部の特性を変更しても ジタル信号補正部での遅延時間を特定でき 位相補償部で遅延時間に応じた位相補償を うことができる。

 また、上記発明において、本発明のA/D変 回路が、A/D変換回路から出力されるデータ 状態に基づいて、デジタル信号補正部の特 と位相補償部の特性とを関連付けて変更す 上位コントローラとをさらに備えてもよい 従って、入力された信号の状況に応じて、 ジタル信号補正部の特性と位相補償部の特 とを適応的に変更することができるので、A /D変換装置に異常値の入力信号が入力された とを検出して、異常信号の影響を低減させ 処理を適応的に行うことができる。また、 ステムの特性が変動する場合でも、変動に じた制御が可能である。

 また、本発明のサーボ制御装置では、上 のA/D変換装置をフィードバック制御ループ に挿入してもよい。従って、入力されたア ログ信号をA/D変換回路でデジタル信号に変 し、後段のデジタル信号補正部でデジタル 号のばらつきを補正し、位相補償部で適応 に位相補償を行った後、サーボ制御装置の ィードバック制御ループ内に挿入すること できる。

 また、本発明のA/D変換装置では、フィー バック制御ループ内におけるフィードバッ 路に挿入され、フィードバック信号の位相 償の処理をしてもよい。従って、位相補償 路において、A/D変換処理に係る信号遅延を み補償によって補償するので、信号遅延量 少なくすることができ、遅れの少ないフィ ドバック制御信号を生成することができる また、さまざまな外乱信号を検出したセン からの検出信号が入力されても、A/D変換装 は、適応的な外乱抑制処理を行うことがで 、サーボ制御装置を安定にさせることがで る。

第1実施形態に係る、フィードバック制 御装置を示すブロック図である。 第1実施形態に係る、時間A/D変換回路を 示すブロック図である。 第1実施形態に係る、時間A/D変換回路の動作 関してアナログ入力信号V in とパルス走行回路1におけるパルス信号StartP 伝搬遅延時間の関係を示したグラフである 第1実施形態に係る、時間A/D変換回路 動作に関して、入力されるCLK信号CKsと、そ 周期に応じて出力されるデジタルデータDT(n) についての関係を示したタイミングチャート である。 第1実施形態に係る、デジタル信号補正 部を示すブロック図である。 第1実施形態に係る、位相補償部のゲ ン特性を示すグラフである。 第1実施形態に係る、位相補償部の位 特性を示すグラフである。 第1実施形態に係る、位相補償部を示す ブロック図である。 第1実施形態に係る、PID補償部を示す ロック図である。 第1実施形態に係る、PID補償部の各補 要素の特徴を示している。 図8の(a)は第1実施形態に係る、フィー バック制御装置のゲイン特性を示すグラフ ある。また、図8の(b)は第1実施形態に係る、 フィードバック制御装置の位相特性を示すグ ラフである。 第2実施形態に係る、フィードバック制 御装置を示すブロック図である。 第2実施形態に係る、位相補償部を示 ブロック図である。 第2実施形態に係る、上位コントロー 24に入力されたデジタル信号が記憶される 力信号テーブルのデータ構成およびデータ を示す概略図である。 第2実施形態に係る、サンプル数選択 ーブルのデータ構成およびデータ例を示す 略図である。 第2実施形態に係る、変数テーブルの ータ構成およびデータ例を示す概略図であ 。 第2実施形態に係る、上位コントロー の処理を示すフローチャートである。 第3実施形態に係る、フィードバック 御装置を示すブロック図である。 第3実施形態に係る、位相補償部を示 ブロック図である。 第3実施形態に係る、上位コントロー の処理で参照する各種テーブルである。 第3実施形態に係る、上位コントロー の処理を示すフローチャートである。

<第1実施形態>
 以下、本発明の第一実施形態について図面 参照しつつ説明する。

 図1は、本発明のフィードバック制御装置 100のブロック図である。フィードバック制御 装置100は、制御対象部51と、センサ52と、A/D(A nalog/Digital)変換装置10と、加算器53と、PID(Propo rtional/Integral/ Differential)補償部54と、D/A(Digital /Analog)変換部55と、ドライバ回路56とを備える 。フィードバック制御装置100において、制御 対象部51は、入力される操作量に応じて制御 れ、制御された結果により所定の物理量を 御出力として出力する制御対象を示す。こ 制御対象部51から出力される制御出力は、 ィードバック制御系によって制御され、フ ードバック制御装置100に入力される所望の 標値に応じて出力されるセンサ52は、制御対 象部51に取り付けられ、制御対象部51の制御 力となる物理量を検出し、アナログ信号に 換して出力する。センサ52において検出され る物理量は、位置や速度、加速度などの情報 であり、検出される情報に応じたセンサが選 択され用いられる。

 A/D変換装置10には、センサ52が検出し出力 したアナログ信号が入力される。そして、前 記A/D変換装置10は、前記アナログ信号をデジ ル信号に変換し、変換されたデジタル信号 対してデジタル信号処理を行い出力する。 算部53は、フィードバック制御装置100に入 される制御対象部51の制御出力における所望 の目標値から、A/D変換装置10で出力される制 対象部51からフィードバックされた信号の を減算し、その差を偏差として出力する。

 PID補償部54は、加算部53から入力される偏 差を入力信号とし、既定値で定められる演算 処理によって演算された結果を操作量として 出力する。PID補償部54において定められる演 処理は、制御システムのコントローラとし 用いられるPID演算処理である。D/A変換部55 、PID補償部54から入力されるデジタル信号を アナログ信号に変換し出力する。ドライバ回 路56は、入力される信号に基づいて制御対象 51に必要な分の操作量を出力する。

 なお、ドライバ回路56に入力される操作 はパルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)方式 どを利用して変調された信号に変換される とがある。このような変換によってPWM変調 式のように操作量をパルス信号で示すこと でき、アナログ量としての操作量を制御対 に与える必要がない。従って、上記のよう パルス信号で入力できる場合には、D/A変換 55を用いてアナログ値に変換せずにパルス信 号をドライバ回路56に入力することもできる

 また、フィードバック制御装置100におけ A/D変換装置10は、時間A/D変換回路11と、デジ タル信号補正部12と、位相補償部13とを備え 。A/D変換装置10において、時間A/D変換回路11 は、入力されるアナログ信号が入力される そして、時間A/D変換回路11は、入力された ナログ信号を量子化して、デジタル信号に 換して出力する。時間A/D変換回路11が出力す るデジタル信号には、量子化時に付加される 量子化誤差、信号変換誤差、量子化時の非直 線性誤差などが含まれる。デジタル信号補正 部12には、時間A/D変換回路11が出力するデジ ル信号が入力される。そして、デジタル信 補正部12は、入力されたデジタル信号に含ま れる誤差信号の補正処理を行い、補正された 信号を出力する。位相補償部13は、A/D変換装 10に設けてある、時間A/D変換回路11での変換 処理およびデジタル信号補正部12での信号処 において付加される入力信号に対する位相 れ量、すなわち入力されたアナログ信号に するA/D変換装置10から出力されるデジタル 号の位相遅れ量を、定められた演算処理に って補償して位相遅れ量を低減したデジタ 信号として出力する。

 次に、A/D変換装置10における時間A/D変換回 11について説明する。図2は、A/D変換装置10に おける時間A/D変換回路11のブロック図である 時間A/D変換回路11において、パルス走行回 1は、否定論理積回路1aと複数のインバータ 路1b~1z(INV)とを備える。否定論理積回路1aは 一方の入力端にパルス信号StartPを受けて動 する起動用反転回路であり、他方の入力端 は、否定論理積回路1aの出力に直列に接続さ れる複数のインバータ回路1b~1z(INV)の最後段 インバータの出力が接続され、パルス走行 路1がリング状に連結接続される周回回路と る。また、否定論理積回路1a(NAND)と複数の ンバータ回路1b~1z(INV)の電源端子には、電源 イン1POWを介して時間A/D変換回路11の入力端 INPが接続されている。そして、入力端子INP 入力されるアナログ入力信号V in の電圧によってそれぞれの回路の遅延時間が 変化することで周回回路を循環するパルスの 周回周期が変化する。カウンタ2は、パルス 行回路1から入力される周回周期情報を有す 信号を検出し、循環するパルスの周回数を 測する。ラッチ回路3は、カウンタ2から入 される信号を、クロック信号のタイミング 保持する。

 エンコーダ4は、パルス走行回路1におい 巡回するパルスの位置を検出し、パルスの 置情報を2進数に変換し出力する。ラッチ回 5は、エンコーダ4からの出力信号を、クロ ク信号のタイミングで保持する。ラッチ回 6は、下位bitに対してはラッチ回路5からの出 力信号を、上位bitに対してはラッチ回路3か の出力信号を割り当て、それぞれ入力され 信号をクロック信号のタイミングで保持す 。演算器7は、第1の入力端に入力されるラッ チ回路6への入力信号から、第2の入力端に入 されるラッチ回路6からの出力信号を減算し て出力する。

 続いて時間A/D変換回路11の動作について説 する。時間A/D変換回路11において、パルス走 行回路1は、1個の否定論理積回路1a(NAND)およ 複数のインバータ回路1b~1z(INV)からなるリン 状に構成された周回回路である。そして、 ング状に構成された周回回路に沿ってパル 信号StartPを周回させる。パルス走行回路1で は、時間A/D変換回路11に入力されるアナログ 力信号V in の値に応じて、周回回路を構成する否定論理 積回路1a(NAND)と複数のインバータ回路1b~1z(INV) のそれぞれの遅延時間が連続的に変化して、 パルス信号StartPの周回速度も連続的に変化す る。カウンタ2は、パルス走行回路1内でのパ ス信号StartPが、否定論理積回路1a(NAND)およ インバータ回路1b~1z(INV)からなる周回回路を 回した回数を計測し、2進数のデジタルデー タとして出力する。ラッチ回路3は、カウン 2から入力されるデジタルデータを、サンプ ング周期を示すCLK信号CKsに同期して保持す 。

 一方、エンコーダ4は、パルス走行回路1内 のパルス信号StartPの位置が、パルス走行回 1を構成する否定論理積回路1a(NAND)およびイ バータ回路1b~1z(INV)のどの位置で周回してい かをCLK信号CKsに同期して検出し、検出した の位置を2進数のデジタルデータとして出力 する。エンコーダ4で検出されるパルス走行 路1内でのパルス信号StartPの位置は、入力さ るアナログ入力信号V in の値によって変化する周回周期と、サンプリ ング周期を示すCLK信号CKsに同期して検出され る周期とが非同期であるため、検出されるご とに変化する。ラッチ回路5は、エンコーダ4 ら入力されるデジタルデータをCLK信号CKsに 期して保持する。

 ラッチ回路6は、ラッチ回路3から入力され デジタルデータを上位ビット、ラッチ回路5 ら入力されるデジタルデータを下位ビット して割付け、CLK信号CKsに同期して保持する ラッチ回路6に入力されたデジタルデータを 上位bitと下位bitとして合成することにより、 CLK信号CKsの周期でサンプリングされたアナロ グ入力信号V in に応じた2進数のデジタルデータx(k)が生成さ る。演算器7は、1周期前のCLK信号CKs(k)でサ プリングされてラッチ回路6にて保持され出 されるデジタルデータx(k)を、ラッチ回路4 よびラッチ回路5がラッチ回路6に入力するデ ジタルデータx(k+1)から減算し、そしてA/D変換 回路から出力するデジタルデータDT(k)を生成 、外部の後段回路に出力する。上述した時 A/D変換回路11は、アナログ入力信号V in に対応したデジタルデータDT(n)を、CLK信号CKs 周期に応じて周期的に出力(DT(1)、DT(2)、DT(3) 、・・・、DT(n))する。

 図3Aは、アナログ入力信号V in とパルス走行回路1におけるパルス信号StartP 伝搬遅延時間の関係を示したグラフである このグラフによるとアナログ入力信号V in の電位が高いほど、パルス走行回路1内を巡 するパルス信号StartPの伝搬遅延時間が短く る。図3Bは、入力されるCLK信号CKsと、その周 期に応じて出力されるデジタルデータDT(n)に いての関係を示したタイミングチャートで る。このタイミングチャートによると入力 れるCLK信号CKsの立ち上がりのタイミングで デジタルデータDT(n)を出力するラッチ回路6 出力が変化し、時間A/D変換回路11の出力信 として出力される。この時間A/D変換回路11の A/D変換処理で、サンプリング周期3クロック の遅延が発生する。

 図4を参照し、A/D変換装置10におけるデジ ル信号補正部12について説明する。図4は、A /D変換装置10における時間A/D変換回路11の出力 に接続されるデジタル信号補正部12及びデジ ル信号補正部12と時間A/D変換回路11の接続構 成を示すブロック図である。デジタル信号補 正部12は、直線性補正部12aと移動平均部12bと 備えている。デジタル信号補正部12におい 、直線性補正部12aは、時間A/D変換回路11にお けるアナログ信号の量子化処理時に付加され ている非直線性誤差を演算処理により補正し て、直線性が改善された信号として再生し出 力する。また、直線性補正部12aは、デジタル 入力信号に対して、直線性を改善させる特性 を直線近似によって規定し、直線性が改善さ れたデジタル出力信号に変換する直線性補正 の演算処理を行う。この直線性補正処理は、 入力される情報ごとに動作中に処理を切り替 えることなく継続して行われる。入力される データの周期、すなわち時間A/D変換回路11の ンプリング周期に応じた遅延時間が固定的 発生する。

 移動平均部12bは、時間A/D変換回路11にお るアナログ信号の量子化処理時に付加され いる量子化誤差、変換誤差を演算処理によ 平均化し、入力される信号に含まれるラン ム性の外乱情報を低減させる。また、移動 均部12bは、順次入力される情報(サンプル)に 基づいて所望の数の情報(サンプル)における 均値を演算する移動平均処理を行う。この 動平均処理による遅延時間は、平均化処理 行うサンプル数に依存し、サンプリング周 のサンプル数倍の遅延時間が発生する。こ らの処理により、デジタル信号補正部12は 時間A/D変換回路11で生じる非線形な特性を補 正し、線形な特性で出力する。

 図5、図6を参照し、位相補償部13について 説明する。図5A、図5Bは、所望する位相補償 13の周波数応答特性を示し、縦軸はそれぞれ ゲイン特性と位相特性を示すグラフである。 この図に示されるグラフの横軸は、処理され る信号における周波数を示す周波数軸であり 、その単位はHz(ヘルツ)である。また、縦軸 、単位がdB(デシベル)のゲインと、単位が度 位相角がそれぞれ示される。図5A、図5Bで示 される周波数特性は、入力される信号の高域 成分のゲインを高くし、入力される信号の位 相を進める「進み補償」の特性を示している 。この周波数特性を、連続時間系における伝 達関数F(s)で表すと次式(1)になる。

 式(1)において、sはラプラス演算子であり、 αは式(2)で示される変数であり、T m は式(3)で示される変数である。

 式(2)において、φ m は、最大の位相進み角の値(位相進み量)を示 。

 式(3)において、f m は、最大の位相進み角を示す周波数を示す。 なお、f m は、後述する図8のフィードバック制御装置10 0の一巡伝達関数の周波数特性から、フィー バック制御の安定性判定によって得られた イン交差周波数を設定する。図5A、図5Bに示 れるグラフには、ゲイン交差周波数f m が15Hz(ヘルツ)であり、そのゲイン交差周波数 f m における位相進み角φ m が45度であることが示されている。このよう 連続時間系の伝達特性を用いて、所望の位 補償特性を特定することができる。

 次に連続時間系で示される伝達特性を、 散時間系の処理(デジタルフィルタ)で実現 る際の近似方法として双一次変換処理を利 した場合について説明する。以下の式(4)は 前述の式(1)で示される伝達関数を双一次変 によって、離散時間系での伝達関数F(z)に変 した式である。

 式(4)において、zは進み演算子であり、z -1 は遅れ演算処理を意味する。T s はサンプリング周期(秒)である。以下の式(5) 、サンプリング周波数f s (Hz:ヘルツ)と、サンプリング周期T s (秒)との関係を示す式である。なお、サンプ ング周波数f s は、時間A/D変換回路11におけるサンプリング 波数と同じ値である。

 また、次式(6)~式(8)によって定義される変 数を用いることによって、前述の式(4)は、式 (9)に変換することができる。

 図6は、図5で示された位相補償特性をデジ ルフィルタで構成するときの位相補償部13の ブロック図である。位相補償部13において、 算器13aと13c、13fは、それぞれゲインa 0 とa 1 、b 1 を入力された信号に乗算して出力する。1サ プル遅延素子13bと13eは、それぞれ入力され 入力信号からサンプリング周波数の1クロッ 分遅らせた出力信号を出力する。加算器13d 、3つの入力端子から入力される各信号を加 算して出力する。

 次に、位相補償部13における構成要素の 続について説明する。乗算器13aは、入力端 が入力端子13xに接続され、出力端子が加算 13dの第1の入力端子に接続される。1サンプル 遅延素子13bは、入力端子が入力端子13xに接続 され、出力端子が乗算器13cの入力端子に接続 される。乗算器13cは、入力端子が1サンプル 延素子13bの出力端子に接続され、出力端子 加算器13dの第2の入力端子に接続される。1サ ンプル遅延素子13eは、入力端子が出力端子13y に接続され、出力端子が乗算器13fの入力端子 に接続される。乗算器13fは、入力端子が1サ プル遅延素子13eの出力端子に接続され、出 端子が加算器13dの第3の入力端子に接続され 。加算器13dは、第1の入力端子が乗算器13aの 出力端子に接続され、第2の入力端子が乗算 13cの出力端子に接続され、第3の入力端子が 算器13fの出力端子に接続され、出力端子が 力端子13yに接続される。この位相補償部13 、前述の式(9)で示される伝達関数の特性を している。

 以上に示されたA/D変換装置10では、入力 れるアナログ信号に対して、デジタル変換 れて出力されるデジタル信号としての位相 れ量を、定められた演算処理によって補償 て位相遅れ量を低減したデジタル信号とし 出力することができる。

 続いて、上記のA/D変換装置10のフィード ック制御装置100への適応について説明する フィードバック制御装置100の構成要素の中 、信号周波数に依存する特性を有するもの 、上記のA/D変換装置10のほかに、制御対象部 51とPID補償部54がある。制御対象部51の周波数 特性は、実際の動作における動作特性から、 特徴的な動作に着目しシステムの同定を行っ てモデル化することができ、システムが同定 されたモデルの特性に基づいて制御対象部51 代表する特性として定義することができる

 次に、図7を参照し、周波数特性を有する PID補償部54について説明する。図7Aは、PID補 部54のブロック図である。PID補償部54は、3つ の補償演算要素とそれらの補償演算要素が出 力する操作量を加算する加算部54dを備える。 3つの補償演算要素には、P補償部54aと、I補償 部54bと、D補償部54cとがあり、各補償演算要 が出力する操作量は、加算部54dによって線 結合により構成されている。P補償部54aは偏 に比例した操作量を出力し、I補償部54bは偏 差を積分した操作量を出力し、D補償部54cは 差を微分した操作量を出力する。

 図7Bは、各補償要素の特徴を示している フィードバック制御システムにおける過渡 性は、P補償部54aとD補償部54cの作用により改 善され、システムの目標値までの応答性を速 くする働きがある。フィードバック制御シス テムにおける定常特性は、I補償部54bの作用 より改善され、目標からずれる偏差をなく 、目標値と制御出力とを一致させる働きが る。フィードバック制御システムにおける 衰性は、D補償部54cの作用により改善され、 乱や雑音などの要因により発生する制御出 の振動的な変動を抑制する働きがある。一 、P補償部54aにおける比例ゲインやD補償部54 cにおける微分ゲインが大きすぎると制御シ テムが不安定になることがある。各補償演 要素はそれぞれ異なる特性を持ち、それら 特性を組み合わせたPID補償としてフィード ック制御システムに利用され、過渡特性と 常特性、減衰性のバランスをとってシステ の総合特性を改善させる。PID補償部54は、前 述のA/D変換装置10における位相補償部13の特 設定と独立して特性を設定することができ 。

 次に、フィードバック制御装置100の動作 ついて示す。フィードバック制御装置100に いて、制御対象部51には、目的対象を制御 るために適切な制御量の制御信号が入力さ る。そして、制御対象部51は、入力された制 御量に応じて制御を行う。制御対象部51には 制御出力を示す物理量を検出し出力するた のセンサ52が取り付けられている。センサ52 には、A/D変換装置10が接続され、センサ52が 出した物理量がアナログ信号としてA/D変換 置10に入力される。そして、A/D変換装置10は 力されたアナログ信号をデジタル信号に変 し、加算器53に入力する。

 加算器53は入力される制御目標値に対し A/D変換装置10から入力されるデジタル信号( ィードバック信号)を減算して偏差を求め、 の偏差を加算器53に接続されているPID補償 54に入力する。PID補償部54には、D/A変換部55 接続され、入力された偏差にPID補償処理に って制御対象51への操作量を示す情報を生成 し、PID補償部54は、生成された情報を、D/A変 部55に入力する。D/A変換部55は、入力された 情報をアナログ値に変換して、D/A変換部55に 続されたドライバ回路56に入力する。ドラ バ回路56は、入力されるアナログ値で示され た制御量をドライバ回路56に接続された制御 象51に入力する。

 また、A/D変換装置10において、時間A/D変 回路11には、センサ52から入力されるアナロ 信号が入力され、時間A/D変換回路11はアナ グ信号をデジタルデータに変換してデジタ 信号補正部12に入力する。デジタル信号補正 部12は、入力されたデジタルデータを直線性 償部12aで直線性補償処理して、直線性補償 行われた信号を移動平均処理部12bで移動平 処理して、デジタル信号補正部12に接続さ た位相補償部13に入力する。位相補償部13に 、移動平均処理が行われた信号が入力され 時間A/D変換回路11とデジタル信号補正部12で 生じる位相遅れを位相補償部13が位相補償処 して、補償されたデジタル信号として出力 る。

 上記のフィードバック制御装置100におけ A/D変換装置10、制御対象部51とPID補償部54の 波数特性と、他の要素の定数ゲインの値を 算することによって、フィードバック制御 置100の周波数特性(一巡伝達関数)を求める とができる。フィードバック制御装置100に けるフィードバック制御システムの周波数 性を決定する際に、それぞれの定数は、フ ードバック制御システムの安定性と応答性 バランスを加味して決められる。

 続いて、フィードバック制御装置100におけ フィードバック制御システムの安定性を判 する方法について説明する。フィードバッ 制御システムの安定性を判定する方法には いくつかの方法が知られている。ここでは 連続時間系における周波数特性を利用した 定方法を利用して、その安定性について判 する。その判定方法によると、フィードバ ク制御システムを安定とするには、システ 全体(一巡伝達関数)のゲイン特性が0dB(デシ ル)付近のゲイン交差周波数f m において、位相特性における位相余裕PM(Phase Margin)を得る必要がある。位相余裕PMは、ゲ ン交差周波数f m における位相が、位相遅れ量180度(位相角度-1 80度)を基準とした進み角の値として表される 。位相の進み角は、位相遅れ量180度よりも進 ませることで得ることができる。ここで、フ ィードバック制御システムの安定性を判断す る場合の閾値の値を0度とすると、フィード ック制御システムが安定の場合は位相余裕 0度を越える値(正の値)を示し、フィードバ ク制御システムが不安定の場合は位相余裕 0度以下(負の値)を示す。

 図8を参照し、フィードバック制御装置100 においてA/D変換装置10を用いたフィードバッ 制御システムの安定性判定について説明す 。図8の(a)及び(b)は、フィードバック制御装 置100の一巡伝達関数の周波数特性を示し、縦 軸はそれぞれゲイン特性と位相特性を示す。 横軸は、フィードバック制御システムにおけ る信号周波数を示す周波数軸であり、その単 位はHz(ヘルツ)である。また、縦軸は、単位 dB(デシベル)のゲインと、単位が度の位相角 それぞれ示される。

 グラフ8a1とグラフ8b1は、フィードバック 御システムの安定性判定では不安定と判定 れる状態が示されている。このような状態 フィードバック制御システムでは、異常な 振が生じることがある。このグラフ8a1とグ フ8b1で示される状態は、A/D変換装置10にお る位相補償を行っていない状態が示されて る。グラフ8a1で示されるゲインの値が0dB(デ ベル)を示すゲイン交差周波数fm(約15Hz(ヘル ))において、グラフ8b1で示される位相の値 、ほぼ180度である。すなわち位相余裕角が ぼ0度であり、位相余裕が確保できていない 態であることが示されている。

 ここで、時間A/D変換装置10の位相補償部13 での位相補償機能を利用して、フィードバッ ク制御装置100におけるフィードバック制御シ ステムの安定度を確保できるように位相補償 量を設定する。

 時間A/D変換装置10で行う位相補償において 図8の(a)のグラフ8a1で示された位相遅れ量を 準とする。この基準状態として示されるグ フ8a1が示す次の値が位相補償量を求める条 となる。その値は、システムを安定とする めに必要な位相の進み量φ m と、その位相の進み量を規定するゲイン交差 周波数f m とである。ここでは、図8で示されるグラフ ら、必要とされる位相の進み量φ m とゲイン交差周波数f m は、次式(10)と式(11)で示される条件が示され いる。

 式(10)、式(11)に示された条件に基づき前述 式(1)から式(9)を参照し、位相補償部13の位相 進み補償処理の変数を求める。連続系の伝達 関数F(s)の変数αとT m は、式(10)と式(11)で示された位相の進み量φ m とゲイン交差周波数f m で示されたφ m とにしたがって、式(2)と式(3)とに示された関 係式を用いて求めることができる。

 図8は、上記の変数によって、A/D変換装置10 おける位相補償部13において位相補償を行 、フィードバック制御装置100の一巡伝達関 を見直した周波数応答特性のグラフ8a2とグ フ8b2を示すグラフである。グラフ8a2とグラ 8b2は、位相補償によって位相余裕が確保で ていることを示している。前述したとおりA/ D変換装置10によって位相進み補償を行う前に 示されたグラフ8a1においては、ゲイン交差周 波数15Hz(ヘルツ)付近において位相余裕は、ほ ぼ0度である。グラフ8a1で示される特性に対 て位相補償によって特性が見直されたグラ 8a2とグラフ8b2では、A/D変換装置10による位相 進み補償の効果によって、位相補償前のゲイ ン交差周波数f m であった15Hz(ヘルツ)付近で、約45度位相を進 せることができ、位相補償によって見直さ た特性での一巡伝達特性における新たなゲ ン交差周波数f 1 である25Hz(ヘルツ)付近において、約25度の位 余裕が得られたことが示されている。

 以上に示されたように、フィードバック 御装置100のフィードバック路に配置されたA /D変換装置10において信号の位相を進める「 み補償」を行うことにより、フィードバッ 制御特性を改善し、安定性が確保すること できる。制御対象部51に対する制御特性の補 償を、PID補償部54と分けてフィードバック路 配置したA/D変換装置10で行うことにより、 ィードバック量と制御目標値から操作量を 成する際に、フィードバック量と制御目標 に対してそれぞれ独立させた位相特性を持 せることが可能となり、フィードバック制 特性を決定する際の自由度をあげることが きる。入力されたアナログ信号を時間A/D変 回路11でデジタル信号に変換し、後段のデジ タル信号補正部12でデジタル信号のばらつき 補正し、位相補償部13で適切な位相補償を うにより、より正確なA/D変換装置10を提供す ることが可能となる。

<第2実施形態>
 第2実施形態では、A/D変換装置20における位 補償部の特性が変更可能な実施形態につい 説明する。

 図9を参照し、位相補償の特性が変更可能 なフィードバック制御装置200について説明す る。図9は、フィードバック制御装置200のブ ック図である。フィードバック制御装置200 、制御対象部51と、センサ52と、A/D変換装置2 0と、加算器53と、PID補償部54と、D/A変換部55 、ドライバ回路56とを備える。先に示された 図1と同じ機能を有する部材には同じ符号を け、その説明は図1の説明を参照し、異なる 成であるA/D変換装置20を中心に以下に説明 行う。

 フィードバック制御装置200において、制 対象部51の状態を示す制御出力をセンサ52が 検出してアナログ信号で出力する。A/D変換装 置20は、センサ52が出力したアナログ信号を 力してデジタル信号に変換し、変換された ジタル信号に対して、その信号に応じた補 処理を行って出力する。加算部53は、フィー ドバック制御装置200に入力される制御対象部 51の制御出力の制御目標値から、A/D変換装置2 0を介してデジタル信号で出力されたフィー バック信号を減算し、その差を偏差として 力する。制御対象部51は、その偏差に応じた 操作量が入力され制御される。

 上記のようにフィードバック制御装置200 おけるフィードバック制御システムの制御 号の流れは、図1で示されたフィードバック 制御装置100に従っており、フィードバック路 に配置されるA/D変換装置20を介した負帰還の 号の流れとなる。フィードバック制御装置2 00は、フィードバック制御によって制御対象 51を逐次制御する。また、フィードバック に配置されるA/D変換装置20は、入力される信 号に応じて位相補償特性を切り替える機能を 有する。この機能を利用してフィードバック 制御装置200を安定化させる。

 続いてA/D変換装置20の各構成要素につい 説明する。デジタル信号補正部22には、時間 A/D変換回路11から出力されるデジタル信号が 力される。そして、デジタル信号補正部22 、入力されたデジタル信号に含まれる誤差 号に対して前述の図4を参照して説明した補 処理を行い、補正された信号を出力する。 た、デジタル信号補正部22は、接続される 位コントローラ24からの設定信号で示された 情報に基づいて特性を変更できる。デジタル 信号補正部22は、上位コントローラ24から設 信号が入力されると、入力された設定信号 示される情報を内部に備える半導体メモリ 等に配置される変数記憶部で記憶すること でき、記憶された情報に基づいて補正処理 行い、補正された信号を出力する。上位コ トローラ24から入力される設定信号には、移 動平均処理に使用される入力信号数(サンプ 数m)の情報が含まれる。

 A/D変換装置20において、位相補償部23は、 時間A/D変換回路11における変換処理、および ジタル信号補正部22における信号処理にお て付加される入力信号に対する位相遅れ量 すなわち入力されたアナログ信号に対して デジタル変換され出力されるデジタル信号 しての位相遅れ量を、定められた演算処理 よって補償して位相遅れ量を低減したデジ ル信号として出力する。

 図10を参照し、接続される上位コントロー 24によって設定変更される位相補償部23の動 について説明する。位相補償部23は、接続 れる上位コントローラ24から入力される設定 信号の情報に基づいて特性が変更される。位 相補償部23は、上位コントローラ24から設定 号が入力されると、入力された設定信号で される情報を内部に備える半導体メモリー 配置される変数記憶部で記憶することがで 、記憶された信号に基づいて補正処理を行 、補正された信号を出力する。位相補償部23 の特性は、先に示された位相補償部13と同じ 達関数で表すことができる。そして、その 達関数は前述の式(9)によって定められ、上 コントローラ24によって設定される変数a 0 、a 1 、b 1 の値によって前記伝達関数の特性が決定され る。位相補償部23には、上位コントローラ24 ら変数a 0 、a 1 、b 1 の値が入力され、入力された変数a 0 、a 1 、b 1 の値に基づいて式(9)の処理が行われる。

 上位コントローラ24は、演算処理部とRAM(R andom Access Memory)とROM(Read Only Memory)とEEPROM(El ectrically Erasable and Programmable Read Only Memory) とI/O(Input/Output)などを備えている。そして、 位コントローラ24は、演算処理を実行する 算処理部がRAMを一時的なワークエリアや、 定記憶領域や、プログラム領域として使用 ながら、ROMに書き込まれた基本プログラム 適宜実行し、I/Oを介して接続されている外 機器および内部機器などを制御している。 た、上位コントローラ24は、A/D変換装置20内 の記憶領域として備えるEEPROMを、処理プロ ラム、各種テーブルとしての情報、処理結 など情報の記憶領域として利用する。なお 上記演算処理部は、CPU((Central Processing Unit) またはDSP(Digital Signal Processor)によって実現 きる。

 この上位コントローラ24は、時間A/D変換 路11が出力するデジタル信号がI/Oを通して入 力されて、データとして取り込まれる。そし て、演算処理部において処理された結果に応 じて、デジタル信号補正部22および位相補償 23の特性を決定する制御変数の設定情報を 成する。上位コントローラ24は、生成した制 御変数を有する制御信号をデジタル信号補正 部22および位相補償部23に入力する。これに り、デジタル信号補正部22および位相補償部 23の特性が切り替えられる。

 続いて上位コントローラ24が行うデジタ 信号補正部22および位相補償部23の特性の切 替えを行ったときの効果について示す。こ では、例として、時間A/D変換回路11から出 される信号が所定外に大きな変化量を伴っ 信号であった場合を説明する。時間A/D変換 路11から出力されるデジタル信号に、急激に 変化する成分が含まれる場合、サンプル数を 変更しない移動平均処理では、出力に大きく 影響が現れる。この状態では、A/D変換装置20 らの出力値がばらついているように現れる そこで、上位コントローラ24が急激に変化 る成分の存在により所定外に大きな変化量 検出した場合に、デジタル信号補正部22での 移動平均処理のサンプル数を増やす。これに より、入力されたデジタル信号に含まれた所 定外に大きな変化量を伴った信号成分に対し 、より多くのサンプル数によって平均化処理 することができ、所定外に大きな急峻な信号 変化を抑圧することができる。また、所定外 に大きな急峻な変化を示す信号が、入力され るデジタル信号のサンプルごとにランダムで 発生する雑音のような信号であれば、サンプ ル数を増やした移動平均化処理による抑圧効 果はより大きくなる。この処理は、上位コン トローラ24が、時間A/D変換回路11から出力さ るデジタル信号を随時検出することで実施 きる。

 時間A/D変換回路11から入力されるデジタ 信号に対して、移動平均処理のサンプル数 変更されることにより、デジタル信号処理 22において、移動平均処理結果として出力さ れる信号における位相遅延量が変動する。そ こで、デジタル信号補正部22における移動平 処理のサンプル数変更にあわせて、この位 遅延量の変動による影響を低減させる補正 理を行うための変数を位相補償部23に設定 、位相補償処理の特性変更によって変動す 位相遅れ量を補正する。

 続いて上位コントローラ24による制御変 の生成処理について説明する。上位コント ーラ24は、入力信号テーブルを参照し、入力 された波高値の変化量を検出する。サンプル 時刻kにおける変化量δDT(k)は、直近のサンプ 時刻kに入力されたデジタル信号DT(k)の値と その1つ前のサンプル時刻(k-1)での処理によ て入力されたデジタル信号DT(k-1)の値との差 の絶対値によって規定される。変化量δDT(k) 次式(12)で示される。

 上位コントローラ24は、式(12)によって示 れる変化量δDT(k)の大きさに基づき、変化量 δDT(k)の大きさが予め定められた範囲によっ 規定される分類にしたがって、デジタル信 補正部22内部で行われる移動平均処理でのサ ンプル数mが決められる。

 次に、サンプル数mの値に応じて、デジタ ル信号補正部22および位相補償部23の特性を 定する変数を定める。特性を決定する変数 、それぞれ式(1)~式(9)を用いて求めることが きる。

 図11を参照して、A/D変換装置20における設 定情報を記憶する変数テーブルについて説明 する。図11Aは、上位コントローラ24に入力さ たデジタル信号が記憶される入力信号テー ルのデータ構成およびデータ例を示す概略 である。図示されるように、入力信号テー ルは、行と列からなる2次元の表示形式のデ ータであり、サンプリング番号k、デジタル ータDT(k)の各項目の列を有している。サンプ リング番号kには、上位コントローラに入力 れた時刻情報の代わりに入力されたデジタ データを一意に示す指標が記録される。ま 、デジタルデータDT(k)には、サンプリング番 号kに応じて入力されたデータの波高値を示 値が記録される。入力信号テーブルの行は 2行用意され、連続する2つのサンプリング番 号kと(k-1)で示されるデジタルデータDT(k)とDT(k -1)の値が記録される。そして、過去のサンプ リング番号(k-1)のデータは次のデータが記録 れる際に上書きされ、最新のサンプリング 号(k+1)が示すデジタルデータDT(k+1)が記録さ る。

 図11Bは、デジタル信号補正部22での移動 均処理のサンプル数を選択する際に参照さ るサンプル数選択テーブルのデータ構成お びデータ例を示す概略図である。図示され ように、サンプル数選択テーブルは、行と からなる2次元の表示形式のデータであり、 号、変化量閾値δDT_max、移動平均処理を行 サンプル数mの各項目の列を有している。サ プル数選択テーブルの各行は、変化量δxを 類する変化量閾値δDT_max、移動平均処理に いて選択される移動平均処理サンプル数mを している。変化量閾値δDT_maxは、上位コン ローラ24において検出された変化量δDT(k)の と対比され、変化量δDT(k)の大きさによる分 を行う時の閾値が示されている。変化量δDT (k)の値は変化量閾値δDT_maxと順に比較して、 化量δDT(k)の値がそれぞれの行に示される変 化量閾値δDT_max以下となる行の中で、最大の 化量閾値δDT_maxを示す行に示されるサンプ 数mが選択される。そして、選択されたサン ル数mによってデジタル信号補正部22におい 移動平均処理が行われる。ここでのサンプ 数mの列には、それぞれの変化量の大きさに 応じて予め設定された数値が記憶されている 。

 図11Cは、移動平均処理、位相補償処理を行 際に、デジタル信号補正部22、位相補償部23 に設定される設定情報が記憶される変数テー ブルのデータ構成およびデータ例を示す概略 図である。図示されるように、変数テーブル は、行と列からなる2次元の表示形式のデー であり、サンプリング周期T s 、ゲイン交差周波数f m 、移動平均処理を行うサンプル数m、位相補 処理を行うための位相進み量φ m 、連続時間系伝達関数の変数α、T m 、離散時間系伝達関数の変数a 0 、a 1 、b 1 の各項目の列を有している。変数テーブルの 行は、移動平均処理において選択されるサン プル数mに応じて選択される各変数を示して る。サンプリング周期T s と移動平均処理を行うサンプル数mとゲイン 差周波数f m から、次式(13)を用いて位相補償処理を行う めの位相進み量φ m を求めることができる。

 また、移動平均処理を行うサンプル数m、ゲ イン交差周波数f m 、位相補償処理を行うための位相進み量φ m 、次式(14)で示されるT fm の各値と前述された各関係式を用いて、連続 時間系伝達関数の変数α、T m 、離散時間系伝達関数の変数a 0 、a 1 、b 1 の各項目の値を決定することができる。

 式(14)におけるT fm は、ゲイン交差周波数f m の周期を示す。デジタル信号補正部22におけ 移動平均処理では選択されたサンプル数mが 適用され、位相補償部23における位相補償処 では変数a 0 、a 1 、b 1 が適用されそれぞれの処理が行われる。この ような変数テーブルを用いることで、デジタ ル信号補正部22における移動平均処理と位相 償部23における位相補償処理とにおいてそ ぞれの特性を合わせて設定することができ 。

 位相補償処理を行うための位相進み量φ m、 ゲイン交差周波数f m は、適用されるシステムの特性によって予め 定められる定数である。また、変数テーブル に記憶される情報は、共通で利用される定数 として用いられる場合には、予めそれぞれの 情報の標準値が設定され記憶されているもの とすることができる。

 上位コントローラ24によるA/D変換装置20の 特性変更処理について、図12のフローチャー を用いて説明する。最初に上位コントロー 24には、時間A/D変換回路11から出力されるデ ジタル信号が入力される。次いで、上位コン トローラ24は、サンプル時刻kの値と入力され たデジタル信号によって示される値(波高値) 、入力信号テーブルに記録する波高値入力 理を行う(ステップSa1)。そして、上位コン ローラ24は、入力信号テーブルを参照し、入 力された波高値の値DT(k)から波高値の変化量 DT(k)を求める。サンプル時刻kにおける変化 δDT(k)は、直近のサンプル時刻kに変換処理さ れたデジタル信号DT(k)の値と、その1つ前のサ ンプル時刻(k-1)での変換処理によって記録さ たデジタル信号DT(k-1)の値との差の絶対値|DT (k)-DT(k-1)|によって規定される。上位コントロ ーラ24は、サンプル数選択テーブルを参照し 変化量δDT(k)の大きさが、予め定められた範 囲で規定される分類にしたがって、デジタル 信号補正部22内部で行われる移動平均処理で サンプル数mを決定し、変数テーブルにその 値を記録する(ステップSa2)。

 上位コントローラ24は、変数テーブルに記 されたサンプル数mを参照し、上記で決定さ たサンプル数mに応じた位相の進み量φ m を決定し、変数テーブルにその値を記録する 。サンプル数mに応じた位相の進み量φ m は、前述の式(13)で示される演算処理によっ 求められる(ステップSa3)。上位コントローラ 24は、変数テーブルに記憶されたサンプル数m と位相の進み量φ m を参照し、位相補償部23で処理される位相進 補償処理の連続時間系での伝達関数の変数 とT m を決定し、変数テーブルにその値を記録する 。サンプル数mと位相の進み量φ m に応じた変数αとT m は、前述の式(2)と式(3)で示される演算処理に よって求められる(ステップSa4)。上位コント ーラ24は、変数テーブルに記憶された伝達 数の変数αとT m 、T s の値を参照し、位相補償部23で処理される位 進み補償処理の離散時間系での伝達関数の 数a 0 とa 1 、b 0 を決定し、変数テーブルにその値を記録する 。変数αとT m 、T s に応じた変数a 0 とa 1 、b 0 は、前述の式(6)~式(8)で示される演算処理に って求められる(ステップSa5)。

 上位コントローラ24は、変数テーブルに記 されたサンプル数mを参照し、決定された移 平均処理のサンプル数mを、デジタル信号補 正部22の特性設定信号としてデジタル信号補 部22に出力する。デジタル信号補正部22は、 入力されたサンプル数mを内部に備える記憶 に記録し、内部の変数記憶部に記録された ンプル数mに従い、m個のサンプルにおける移 動平均処理を行い、移動平均処理の結果を位 相補償部23に入力する(ステップSa6)。上位コ トローラ24は、変数テーブルに記憶された変 数a 0 とa 1 、b 0 を、位相補償部23の特性設定信号として位相 償部23に出力する。位相補償部23は、入力さ れた変数a 0 とa 1 、b 0 を内部に備える変数記憶部に記録し、内部の 変数記憶部に記録された変数a 0 とa 1 、b 0 に従い、デジタル信号補正部22から入力され 移動平均処理の結果に基づいて位相補償処 を行う。そして、位相補償部23は、位相補 処理の結果をA/D変換装置20の出力として出力 し、位相補償処理を終了する(ステップSa7)。

 上記のように、第2実施形態では、上位コ ントローラ24によって、時間A/D変換回路11の 力に応じてデジタル信号補正部22と位相補償 部23の特性を連動させて切り替えることがで る。その位相補償部23の特性の切り替えは 位相補償処理の特性を決定する変数を変更 ることにより、入力された信号の状況に応 て、デジタル信号補正部22、32の特性と位相 償部23、33の特性とを適応的に変更すること ができる。従って、A/D変換装置20、30に異常 の入力信号が入力されたことを検出して、 常信号の影響を低減させる処理を適応的に える。また、システムの特性が変動する場 でも、変動に応じた制御ができる。先に示 れた第1実施形態では、A/D変換装置10におけ 位相補償部13の特性は、予め定められる変数 によって定められ、A/D変換装置10を適用して る装置の動作中においてはA/D変換装置10の 償特性を固定して利用される実施形態であ 。また、第2実施形態では上位コントローラ2 4によりプログラマブルに任意に設定を変更 き、入力信号の状態に応じた適応制御が行 る。

<第3実施形態>
 第3実施形態では、A/D変換装置30における位 補償部の特性を決定する変数を変更させる とができる。

 図13は、フィードバック制御装置300のブ ック図について示している。図13を参照し、 位相補償の特性が変更可能なフィードバック 制御装置300について説明する。フィードバッ ク制御装置300は、制御対象部51、センサ52、A/ D変換装置30、加算器53、PID補償部54、D/A変換 55、ドライバ回路56を備える。先に示した図1 と同じ機能を有する部材には同じ符号を付け 、その説明は図1の説明を参照し、異なる構 であるA/D変換装置30を中心に以下に説明を行 う。

 フィードバック制御装置300において、セ サ52が、制御対象部51の状態を示す制御出力 を検出してアナログ信号で出力する。A/D変換 装置30は、センサ52が出力したアナログ信号 入力してデジタル信号に変換し、変換され デジタル信号にその信号に応じた補償処理 行って出力する。加算部53は、フィードバッ ク制御装置300に入力される制御対象部51の制 出力の制御目標値から、A/D変換装置30を介 てデジタル信号で出力されたフィードバッ 信号を減算し、その差を偏差として出力す 。制御対象部51は、その偏差に応じた操作量 が入力され制御される。

 上記のようにフィードバック制御装置300 おけるフィードバック制御システムの制御 号の流れは、図1で示されたフィードバック 制御装置100に従っており、フィードバック路 に配置されるA/D変換装置30を介した負帰還の 号の流れとなる。フィードバック制御装置3 00は、フィードバック制御によって制御対象 51を逐次制御する。また、フィードバック に配置されるA/D変換装置30は、入力される信 号に応じて位相補償特性を切り替える機能を 有する。この機能を利用してフィードバック 制御装置300を安定化させることができる。

 続いてA/D変換装置30の各構成要素につい 説明する。A/D変換装置30において、デジタル 信号補正部32は、時間A/D変換回路11から出力 れるデジタル信号を入力し、入力されたデ タル信号に含まれる誤差信号に対して図4を 照した補正処理を行い、補正された信号を 力する。また、デジタル信号補正部32は、 続されている上位コントローラ34からの設定 信号によって示された情報に基づいて特性を 変更できる。デジタル信号補正部32は、上位 ントローラ34から設定信号が入力されると 入力された設定信号で示される情報を内部 備える半導体メモリー等に配置される変数 憶部で記憶することができる。そして、デ タル信号補正部32は、記憶された情報に基づ いて補正処理を行い、補正された信号を出力 する。上位コントローラ34から入力される設 信号には、移動平均処理に使用される入力 号数(サンプル数m)の情報が含まれる。

 図14を参照し、第3実施形態に係る位相補 部33の構成について説明する。A/D変換装置30 において、位相補償部33は、時間A/D変換回路1 1における変換処理、およびデジタル信号補 部32における信号処理において付加される入 力信号に対する位相遅れ量、すなわち入力さ れたアナログ信号に対して、デジタル変換さ れ出力されるデジタル信号としての位相遅れ 量を、定められた演算処理によって補償して 位相遅れ量を低減したデジタル信号として出 力する。図14のブロック図には、位相補償部3 3の内部構成と上位コントローラ34との接続が 示されている。位相補償部33は、位相補償処 部33a、33b、33c、およびセレクタスイッチ33SW を備えている。

 位相補償部33において、位相補償処理部33a 、入力端子が位相補償部33の入力端子に接続 され、出力端子が位相補償処理部33bの入力端 子とセレクタスイッチ33SWの第1の入力端子に 続される。位相補償処理部33bは、入力端子 位相補償処理部33aの出力端子に接続され、 力端子が位相補償処理部33cの入力端子とセ クタスイッチ33SWの第2の入力端子に接続さ る。位相補償処理部33cは、入力端子が位相 償処理部33bの出力端子に接続され、出力端 がセレクタスイッチ33SWの第3の入力端子に接 続される。セレクタスイッチ33SWは、第1の入 端子が位相補償処理部33aの出力端子に接続 れ、第2の入力端子が位相補償処理部33bの出 力端子に接続され、第3の入力端子が位相補 処理部33cの出力端子に接続され、切り替え 御入力端子が上位コントローラ34に接続され 、出力端子がA/D変換装置30の出力端子に接続 れる。図に明示されていない、位相補償処 部33a、33b、33cは、それぞれの制御入力端子 上位コントローラ34に接続され、変数a 0 、a 1 、b 1 の値が予め設定される。

 位相補償処理部33a、33b、33cは、それぞれが 独で、図10で示した位相補償部23と同じ働き をする位相補償特性を有する構成要素である 。その制御変数は、第2実施形態で示した位 補償部23と同じ方法で求められ、上位コント ローラ34から初期化時にその変数a 0 、a 1 、b 1 が入力され設定される。設定される変数は、 位相補償処理部33a、33b、33cがそれぞれ同じ特 性となるように、同じ変数が設定される。セ レクタスイッチ33SWは、入力される各位相補 処理部から入力される信号を、上位コント ーラ34からの制御信号にしたがって選択して 出力する。

 上位コントローラ34は、前述の上位コン ローラ24と同じ構成によって実現でき、説明 は上位コントローラ24を参照することにする

 この上位コントローラ34には、時間A/D変 回路11が出力するデジタル信号がI/Oを通して 入力され、データとして取り込まれる。そし て、上位コントローラ34は、演算処理部にお て処理された結果に応じて、デジタル信号 正部32および位相補償部33の特性を決定する 制御変数としての設定情報を生成する。上位 コントローラ34は、生成した制御変数を有す 制御信号をデジタル信号補正部32および位 補償部33に出力し、出力された信号が上位コ ントローラ34に接続されるデジタル信号補正 32および位相補償部33に入力される。これに より、デジタル信号補正部32および位相補償 33の特性が切り替えられる。

 続いて、上位コントローラ34が生成する 御変数としてのサンプル数mの生成処理は、 述の上位コントローラ24での処理と同様で り、上位コントローラ24の処理を参照するこ ととする。

 デジタル信号補正部32に設定されるサン ル数mの値に応じて、位相補償部33の特性を 定する変数を予め定める。そして、定めら た変数は、用意される変数テーブル2に記憶 れる。この変数テーブル2には、デジタル信 号補正部32で発生する位相遅れ量に影響する ンプル数mの値ごとに、位相補償部33の位相 償特性を決定する変数としてセレクタスイ チ33SWの選択信号が設定され、その選択信号 が予め記憶される。

 図15を参照して、A/D変換装置30における各 種情報を記憶するテーブルについて説明する 。なお、入力信号テーブルとサンプル数選択 テーブルとは、前述の図11Aと図11Bを参照する こととし、ここでは、変数m記憶部と変数テ ブル2について説明する。

 変数mの記憶部は、デジタル信号補正部32 の移動平均処理におけるサンプル数mの値を 記憶する記憶部である。また、図15は、位相 償処理を行う際に、位相補償部33に設定さ る設定情報が記憶される変数テーブル2のデ タ構成およびデータ例を示す概略図である 図示されるように、変数テーブル2は、行と 列からなる2次元の表示形式のデータであり 番号、移動平均処理を行うサンプル数m、位 補償部33のセレクタスイッチ33SWの選択信号 各項目の列を有している。変数テーブル2の 行は、移動平均処理において選択されるサン プル数mに応じて選択される各変数を示して る。また、デジタル信号補正部32における移 動平均処理では選択されたサンプル数mと、 相補償部33における位相補償処理では位相補 償処理部の処理段数を選択するセレクタスイ ッチ33SWの入力選択信号との関連付けが行わ る入力選択変数SWが記憶される。

 上位コントローラ34によるA/D変換装置20の特 性変更処理について、図16のフローチャート 用いて説明する。以下に説明する特性変更 理では、位相補償部33における位相補償処 部33a、33b、33cの特性を設定しておくことが きる。さらに、必要な位相補償量を処理段 の数を切り替えることで変更できるので、 り返し行われる特性変更処理を簡素化でき 。この特性変更処理が行われる条件として 位相補償部33における位相補償処理部33a、33b 、33cの変数a 0 とa 1 、b 0 は予め設定されている必要があり、下記の処 理の間に変更されない定数とする。

 最初に、上位コントローラ34には、時間A/ D変換回路11から出力されるデジタル信号が入 力される。そして、上位コントローラ34は、 ンプル時刻kの値と入力されたデジタル信号 によって示される値(波高値)を、入力信号テ ブルに記録する波高値入力処理を行う(ステ ップSb1)。上位コントローラ34は、入力信号テ ーブルを参照し、入力された波高値の値DT(k) ら波高値の変化量δDT(k)を求める。サンプル 時刻kにおける変化量δDT(k)は、直近のサンプ 時刻kに変換処理されたデジタル信号DT(k)の と、その1つ前のサンプル時刻(k-1)での変換 理によって記録されたデジタル信号DT(k-1)の 値との差の絶対値|DT(k)-DT(k-1)|によって規定さ れる。上位コントローラ34は、サンプル数選 テーブルを参照し、変化量δDT(k)の大きさが 、予め定められた範囲で規定される分類にし たがって、デジタル信号補正部32内部で行わ る移動平均処理でのサンプル数mを決定し、 変数m記憶部にその値を記録する(ステップSb2) 。

 上位コントローラ34は、変数m記憶部に記 されたサンプル数mを参照し、決定された移 動平均処理のサンプル数mを、デジタル信号 正部32の特性設定信号としてデジタル信号補 正部32に出力する。デジタル信号補正部32は 入力されたサンプル数mを内部に備える記憶 に記録し、内部の変数記憶部に記録された ンプル数mに従い、m個のサンプルにおける 動平均処理を行い、移動平均処理の結果を 相補償部33に入力する(ステップSb3)。上位コ トローラ34は、変数mの記憶部に記憶された ンプル数mを参照する。また、上位コントロ ーラ34は、変数テーブル2を参照し、サンプル 数mの値に応じた入力選択変数SWを参照し、位 相補償部33の特性設定信号として入力選択変 SWを位相補償部33に入力する。位相補償部33 、入力された入力選択変数SWを内部に備え 変数記憶部に記録し、内部の変数記憶部に 録された入力選択変数SWにしたがって、セレ クタスイッチ33SWへの入力信号選択し、選ば た入力信号をセレクタスイッチ33SWの出力信 として出力する。位相補償部33を構成する 相補償処理部33a、33b、33cは、それぞれ入力 れる信号に対し設定されている定数での位 補償処理を行う。セレクタスイッチ33SWは、 ばれている入力に接続された位相補償処理 からの出力信号を位相補償部33の出力信号 して出力し、位相補償処理が行われた結果 A/D変換装置30の出力として出力し、位相補償 処理を終了する(ステップSb4)。

 上記のように、第3実施形態は、A/D変換装 置における位相補償部の特性を変更する際、 特性を変更しない位相補償処理の段数を切り 替えて位相補償部の特性を切り替える上位コ ントローラ34によって、時間A/D変換回路11の 力に応じてデジタル信号補正部32と位相補償 部33の特性を連動させて切り替えることがで る。その位相補償部33の特性の切り替えは 多段処理される位相補償処理の段数を切り えて行うことにより、切り替え時の信号の 続性を補償することができる。また、切り え時の処理を簡素化でき、演算処理部での 理負荷を軽減することができる。

 なお、本発明は、上記の各実施形態に限 されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱 ない範囲で変更可能である。本発明のフィ ドバック制御装置100、200、300は任意のシス ムに適応させることができ、任意のシステ の伝達特性はその装置固有であり、位相補 部13、23、33における位相補償量は、適応さ るシステムの伝達特性に応じて変更するこ ができる。時間A/D変換回路11における変換 理時間、デジタル信号補正部12、22、32にお る移動平均処理を行うサンプル数は、シス ムに応じて変更することができる。位相補 部13、23、33における位相補償特性は、その ステムに応じて構成することができ、本実 形態で示した構成および変数に限定される のではない。

 なお、時間A/D変換回路11におけるCLK信号CK sは、デジタル信号補正部12、22、32および位 補償部13、23、33における信号処理を行う周 を示すクロックを逓倍させたクロックとす ことも可能である。CLK信号CKsの周波数を早 することにより、時間A/D変換回路11の変換遅 延時間を低減させることができる。なお、時 間A/D変換回路11は、時間A/D変換型のA/D変換回 に制限されず、逐次比較型などの他の方式 よるA/D変換回路に置き換えることも可能で る。なお、第2実施形態において、予め定め られたサンプル数mの値ごとに、デジタル信 補正部22および位相補償部23の特性を決定す 変数を定め、定められた変数を変数テーブ として予め用意することもできる。そのと の変数テーブルは、サンプル数mの値ごとに デジタル信号補正部22および位相補償部23の 性を決定する変数を定められるテーブルと る。そして、各変数には、予め必要な定数 記憶させる。

 なお、第3実施形態において、位相補償部 33では、図に示した位相補償処理の段数は3段 として説明したが、さらに多くの段数を直列 に接続して、多段の処理を行った結果のなか から選択するようにすることも可能である。 これにより、位相補償処理1段の処理で実現 にくい特性も、多段処理により各位相補償 理部に分散させることにより、所定の特性 得ることができる。

 また、本発明のサーボ制御装置は、フィ ドバック制御装置100、200、300に対応する。 た、本発明のA/D変換装置は、A/D変換装置10 20、30に対応する。また、本発明のA/D変換回 は、時間A/D変換回路11に対応する。また、 発明のパルス走行回路は、パルス走行回路1 対応する。また、本発明の走行位置検出構 は、カウンタ2とエンコード3に対応する。 た、本発明のデジタルデータ生成構造は、 ッチ回路4、5、6および演算器7に対応する。 た、本発明のデジタル信号補正部は、デジ ル信号補正部12、22、32に対応する。また、 発明の位相補償部は、位相補償部13、23、33 対応する。また、本発明の上位コントロー は、上位コントローラ24、34に対応する。

 本発明によれば、入力されたアナログ信 をA/D変換回路でデジタル信号に変換し、後 のデジタル信号補正部でデジタル信号のば つきを補正し、遅延時間の変動を位相補償 において適応的に位相補償を行うことがで る。

 100 フィードバック制御装置
 10 A/D変換装置
 11 時間A/D変換回路
 12 デジタル信号補正部
 13 位相補償部
 51 制御対象
 52 センサ
 53 加算器
 54 PID補償部
 55 D/A変換部
 56 ドライバ回路