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Title:
CONVERTER APPARATUS, ROTARY ELECTRIC MACHINE CONTROLLER AND DRIVE UNIT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/084290
Kind Code:
A1
Abstract:
Overheating of a reactor in a converter for outputting a boosted battery voltage being prevented. A temperature range usable for boosting being expanded. Motor torque shocks due to overheat-prevention/protection operations being prevented. While a temperature of a reactor is not lower than a first specified value Th, ON/OFF of a booster switch element (3) is restricted. That is, in the converter comprising; a converter circuit (1) comprising boosted power supply means (3, 6) outputting a battery power as a secondary voltage Vuc after boosting the battery power by the reactor (2) connected to a battery (18) and by ON/OFF switching of a booster switch element (3) connected thereto; and controlling means (30v, 20v) for implementing a PWM control for ON/OFF of the booster switch element so as to make the secondary voltage match a target voltage Vuc*, the converter comprises a reactor temperature sensor (7), and the controlling means (30v, 20v) restricts boosting ON/OFF operations of the booster switch element when the reactor temperature rises to the first specified value or higher.

Inventors:
UECHI TATSUYUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/067176
Publication Date:
July 09, 2009
Filing Date:
September 24, 2008
Export Citation:
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Assignee:
AISIN AW CO (JP)
UECHI TATSUYUKI (JP)
International Classes:
H02M3/155; B60K6/20; B60L3/00; H02M7/48; H02P21/00; H02P21/13; H02P27/06; H02P27/08
Foreign References:
JP2004201463A2004-07-15
JP2007126007A2007-05-24
JP2008079447A2008-04-03
Attorney, Agent or Firm:
Vesta International Patent Office (Gifu-shi Gifu, 67, JP)
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Claims:
 1次側電源に接続されたリアクトル、および、該リアクトルに接続された昇圧スイッチング素子を含みオン,オフスイッチングにより前記1次側電源の電力を前記リアクトルで昇圧して2次電圧として出力する昇圧給電手段、を備えるコンバータ回路;および、前記2次電圧が2次目標電圧に合致するように前記昇圧スイッチング素子のオン,オフスイッチングをPWM制御するコンバータ制御手段;を備えるコンバータ装置において、
 コンバータ装置は更に、前記リアクトルの温度を検出する温度検出手段;を備え、前記コンバータ制御手段は、前記リアクトルの温度が第1所定値以上に上昇すると前記昇圧スイッチング素子による昇圧のためのPWM制御による前記オン,オフスイッチングを制限する;ことを特徴とするコンバータ装置。
 前記コンバータ制御手段は、前記リアクトルの温度が第1所定値以上に上昇したとき、前記2次目標電圧を所定のパターンで順次に下げるなまし処理を開始し、前記1次側電源の電圧又はその近くまで下げると、前記オン,オフスイッチングを停止する;請求項1に記載のコンバータ装置。
 前記コンバータ制御手段は、前記オン,オフスイッチングを停止した後、前記リアクトルの温度が第1所定値より低い第2所定値以下に低下したとき、前記オン,オフスイッチングを開始して前記2次目標電圧を所定のパターンで順次に上げるなまし処理を開始し、前記コンバータ制御手段に指示された2次目標電圧又はその近くまで上げる;請求項3に記載のコンバータ装置。
 前記コンバータ回路は、前記1次側電源の正極に一端が接続された前記リアクトル,該リアクトルの他端と前記1次側電源の負極の間をオン,オフする前記昇圧スイッチング素子,前記リアクトルの他端と負荷の正極の間をオン,オフする降圧スイッチング素子、および、各スイッチング素子に並列に接続された各ダイオードを含み;前記コンバータ制御手段は、前記昇圧スイッチング素子をオン,オフする昇圧用PWMパルスおよび前記降圧スイッチング素子をオン,オフする降圧用PWMパルスを含む電圧制御信号を前記コンバータ回路に与える;請求項1に記載のコンバータ装置。
 前記コンバータ制御手段は、前記リアクトルの温度が第1所定値以上に上昇すると、前記降圧スイッチング素子のPWM制御によるオン,オフスイッチングを制限する;請求項4に記載のコンバータ装置。
 前記昇圧スイッチング素子のオン,オフスイッチングの制限は、昇圧スイッチング素子のオンの停止かつオフの継続であり、前記降圧スイッチング素子のオン,オフスイッチングの制限は、高圧スイッチング素子のオフの停止かつオンの継続である、請求項5に記載のコンバータ装置。
 請求項6に記載のコンバータ装置;
 該コンバータ装置に接続され前記2次電圧を受け、回転電機と電力のやり取りを制御するインバータ;
 前記回転電機の目標トルクおよび回転速度に対応する前記2次目標電圧を導出する2次目標電圧決定手段;および、
 前記回転電機の目標トルク,回転速度および前記2次目標電圧に基づいて、該回転電機の出力トルクを前記目標トルクにするように、前記インバータを制御するモータ制御手段;
を備える回転電機制御装置。
 請求項7に記載の回転電機制御装置;および、該回転電機制御装置の前記インバータによって給電される前記回転電機であって、車輪を駆動する電動機;を備える駆動装置。
 第1回転電機;
 第2回転電機;
 前記第1回転電機と電力のやり取りをする第1インバータ;
 前記第2回転電機と電力のやり取りをする第2インバータ;
 1次側電源の正極に一端が接続されたリアクトル,該リアクトルの他端と前記1次側電源の負極の間をオン,オフする昇圧スイッチング素子,前記第1インバータおよび前記第2インバータと前記他端との間をオン,オフする降圧スイッチング素子、および、各スイッチング素子に並列に接続された各ダイオードを含み、各スイッチング素子のオン,オフにより発生する2次電圧を前記第1インバータおよび前記第2インバータに与えるコンバータ回路;
 第1回転電機の目標トルクおよび回転速度に対応する第1の2次目標電圧を導出する第1の2次目標電圧決定手段;
 第2回転電機の目標トルクおよび回転速度に対応する第2の2次目標電圧を導出する第2の2次目標電圧決定手段;
 前記第1の2次目標電圧と前記第2の2次目標電圧との高い方を前記コンバータ回路の2次目標電圧に設定し、前記2次電圧が該2次目標電圧に合致するように前記昇圧スイッチング素子および前記降圧スイッチング素子のオン,オフスイッチングをPWM制御するコンバータ制御手段;
 前記第1回転電機の目標トルク,回転速度および前記2次電圧に基づいて、前記第1回転電機の出力トルクを該目標トルクにするように、前記第1インバータを制御する第1モータ制御手段;
 前記第2回転電機の目標トルク,回転速度および前記2次電圧に基づいて、前記第2回転電機の出力トルクを該目標トルクにするように、前記第2インバータを制御する第2モータ制御手段;
 前記リアクトルの温度を検出する温度検出手段;および、
 前記リアクトルの温度が第1所定値以上に上昇すると前記昇圧スイッチング素子のPWM制御による前記オン,オフスイッチングを制限するコンバータ制御制限手段;
を備える駆動装置。
 前記コンバータ制御手段は、前記リアクトルの温度が第1所定値以上に上昇したとき、前記コンバータ回路の2次目標電圧を所定のパターンで順次に下げるなまし処理を開始し、前記1次側電源の電圧まで下げると、前記昇圧スイッチング素子の昇圧のための前記オン,オフスイッチングを停止する;請求項9に記載の駆動装置。
 前記コンバータ制御手段は、前記オン,オフスイッチングを停止した後、前記リアクトルの温度が第1所定値より低い第2所定値以下に低下したとき、前記オン,オフスイッチングを開始して前記コンバータ回路の2次目標電圧を所定のパターンで順次に上げるなまし処理を開始し、該2次目標電圧まで上げる;請求項10に記載の駆動装置。
 前記コンバータ制御手段は、前記リアクトルの温度が第1所定値以上に上昇すると、前記降圧スイッチング素子のPWM制御によるオン,オフスイッチングを制限する;請求項9に記載のコンバータ装置。
 前記昇圧スイッチング素子のオン,オフスイッチングの制限は、昇圧スイッチング素子のオンの停止かつオフの継続であり、前記降圧スイッチング素子のオン,オフスイッチングの制限は、高圧スイッチング素子のオフの停止かつオンの継続である、請求項12に記載のコンバータ装置。
 前記第1回転電機は、車輪を回転駆動する電動機であり、前記第2回転電機は該車輪を装備した車両のエンジンによって回転駆動される発電機である;請求項9乃至13のいずれか1つに記載の駆動装置。
Description:
コンバータ装置,回転電機制御装 置および駆動装置

 本発明は、1次側電源の電力を昇圧出力す るコンバータ装置に関し、更に、該コンバー タ装置を備えて電動機能と発電機能を兼ね備 えた回転電機と電力のやり取りをする回転電 機制御装置に関し、また、該回転電機と回転 電機制御装置とを備える駆動装置に関する。 本発明の回転電機制御装置および駆動装置は 例えば、電動機で車輪を駆動する電気自動車 (EV)、および、更にエンジンで駆動されてバ テリを充電する電動機を備える電気自動車(H EV)に使用することができる。

 特許文献1は、電動機を能率よく力行駆動 するための昇圧と電動機の回生電力でバッテ リを充電する降圧を行う双方向コンバータの 温度を検出し、昇圧用のスイッチングトラン ジスタの熱破壊を防止するために、PWM制御に よる該トランジスタのオン,オフスイッチン のキャリア周波数を下げて発熱の低下を図 とき、コンバータ内のリアクトルが発生す 騒音の、キャリア周波数の変更による音色 急変(騒音,違和感,異音)を抑制するために、 ャリア周波数を徐々に下げるコンバータ制 を記載している。特許文献2は、双方向コン バータのリアクトルの温度を検出して、マッ プ照合により、温度対応の騒音が少なくなる キャリア周波数を抽出し、該キャリア周波数 に、昇圧用のスイッチングトランジスタのPWM 制御によるオン,オフのキャリア周波数を定 る、コンバータ制御を記載している。特許 献3は、双方向コンバータのリアクトル温度 冷却水温を検出して、両温度の差が小さい( 冷却能力が低い)ときは、トルク指令値(目標 ルク)に制限を加えて温度上昇を抑制する、 車両上電動機のトルク制御が記載されている 。トルク指令値に制限を加えるときの急激な トルク変動(ショック)を抑制するために、温 検出データのステップ変化を緩やかに傾斜 たものに補正するなまし処理が記載されて る。

 車輪駆動モータは、要求される回転速度 囲およびトルク範囲が広いので、PWM制御に り精細に出力トルクおよびモータ速度を制 する場合、電源電圧が一定電圧であると、 動作範囲にわたるPWMパルスのキャリア周波 およびオンデューティ幅の制御が困難であ 、しかも、オンデューティ幅を小さくする 従ってモータ印加電圧に高調波成分が多く り、モータ損失(鉄損)が大きくなり、電力 失が上昇する。これらを改善するために、 圧コンバータを用いて、バッテリ(1次側電源 )電圧を昇圧して、モータ印加電圧をバッテ 電圧から上方に広い範囲に制御するモータ 御装置が用いられている。これにより、車 駆動モータの動作領域を、例えば図6に示す バッテリ電圧での動作領域」から、「昇圧 の動作領域」まで広げることが出来る。ま 、車両の制動時には車輪駆動モータを回生 ードに制御して、モータの回生電力を降圧 てバッテリを充電する昇圧機能を加えた、 方向コンバータを用いることにより、車両 行の経済性が向上する。特許文献1~3はいず も、双方向コンバータを用いる車両駆動装 を開示している。

 昇圧コンバータおよび双方向コンバータの ずれにおいても、リアクトルにとって熱的 最も厳しい条件とは、昇圧中かつモータ出 が大きい時である。この条件下でのリアク ル発熱の要因は、昇圧スイッチング素子を ン,オフすることによりリアクトルに流れる リプル電流と、バッテリからリアクトルを通 して、昇圧スイッチング素子又はダイオード を介してモータに出力する直流電流である。 従来はリアクトルの加熱を防止するために、 モータの目標トルクを制限する、あるいは該 直流電流を制限する手段を用いている。特許 文献3では、目標トルクを制限している。

特開2003-324942号公報

特開2004-135465号公報

特開2006-324942号公報

 リアクトルの温度上昇が速い高トルク出 かつ高速回転状態で目標トルクを制限する 、あるいは前記直流電流を制限すると、モ タの動作領域が高速かつ低トルクの領域と り、バッテリの地区流電流は制限されるが 高速領域で動作するため、昇圧電圧は制限 れず、昇圧によって生じるリップル電流は 限されない。よって、目標トルク制限ある は直流電流の制限による消費電力の低減に る過熱抑制効果が十分でない。すなわち短 間で十分にリアクトル過熱を抑えることは しい。また、リアクトルの昇温には時間遅 があるため、リアクトル過熱防止のための 標トルクの制限あるいは直流電流の制限は オーバシュートを見越して、耐熱限界温度 りもかなり低い保護開始温度で、リアクト 過熱防止のための目標トルクの制限あるい 直流電流の制限を開始する。その結果、保 開始温度が低い分、モータの動作範囲が狭 なり、リアクトルの昇圧使用範囲が狭くな 。1次側電源(バッテリ側)で直流電流を直接 限する場合は、バッテリの出力電流制御が 要であり、電動機制御システムのフェール ーフ(異常保護)制御が複雑になる。

 本発明は、リアクトルの過熱を防止する とを第1の目的とし、リアクトルを昇圧に使 用できる温度範囲を広くすることを第2の目 とし、リアクトルの過熱を防止するコンバ タの保護動作によるモータ出力の急激な変 すなわちショックを防止することを第3の目 とする。

 上記目的を達成するために本発明におい は、リアクトル温度を検出してそれが所定 (Th)以上の間、昇圧のためのPWM制御による昇 圧スイッチング素子のオン,オフを制限する これを実施する本発明のコンバータ装置は 次の(1)項のものである。

 (1)1次側電源(18,22)に接続されたリアクトル(2 )、および、該リアクトルに接続された昇圧 イッチング素子(3)を含みオン,オフスイッチ グにより前記1次側電源の電力を前記リアク トルで昇圧して2次電圧(Vuc)として出力する昇 圧給電手段(3,6)、を備えるコンバータ回路(1); および、前記2次電圧が2次目標電圧(Vuc*)に合 するように前記昇圧スイッチング素子のオ ,オフスイッチングをPWM制御するコンバータ 制御手段(30v,20v);を備えるコンバータ装置に いて、
 コンバータ装置は更に、前記リアクトルの 度を検出する温度検出手段(7);を備え、前記 コンバータ制御手段は、前記リアクトルの温 度が第1所定値(Th)以上に上昇すると前記昇圧 イッチング素子による昇圧のためのPWM制御 よる前記オン,オフスイッチングを制限する ;ことを特徴とするコンバータ装置。

 なお、理解を容易にするためにカッコ内 は、図面に示し後述する実施例の対応又は 当要素又は事項の符号を、例示として参考 でに付記した。以下も同様である。

 昇圧スイッチング素子による昇圧のため PWM制御による前記オン,オフスイッチングを 制限すると、リアクトル発熱の要因の1つで る「リプル」電流が少なくなり、これによ てリアクトルの発熱が低下し、その分、リ クトルの温度上昇が抑制される、あるいは アクトル温度が低下する。昇圧のための前 オン,オフスイッチングを制限している間は 昇圧を制限している分、2次電圧によって給 電される回転電機の、「昇圧時の動作領域」 (例えば図6)が、「バッテリ電圧での動作領域 」に収束する方向に狭まり、これが間接的に 回転電機トルク(通電電流)を下げることにな 、回転電機制御システムのフェールセーフ 御の複雑化を避けることができると共に、 リプル」電流低減による発熱低下の分、昇 のための前記オン,オフスイッチングの制限 を開始する前記第1所定値(Th)、すなわち保護 始温度を高くしてリアクトルの昇圧使用範 を広げることができる。

 (2)前記コンバータ制御手段(30v)は、前記 アクトル(2)の温度(RT)が第1所定値(Th)以上に 昇したとき、前記2次目標電圧を所定のパタ ンで順次に下げるなまし処理を開始し、前 1次側電源(18,22)の電圧又はその近くまで下 ると、前記オン,オフスイッチングを停止す (図5の(a));上記(1)に記載のコンバータ装置。

 該「なまし処理」により、昇圧のためのP WM制御による前記オン,オフスイッチングの制 限が緩やかに徐々に厳しくなるので、PWM制御 のオンデューティの変化が緩やかで、回転電 機トルクに急激な変化すなわちショックを生 じない。

 (3)前記コンバータ制御手段は、前記オン, オフスイッチングを停止した後、前記リアク トルの温度が第1所定値(Th)より低い第2所定値 (Tn)以下に低下したとき、前記オン,オフスイ チングを開始して前記2次目標電圧を所定の パターンで順次に上げるなまし処理を開始し 、前記コンバータ制御手段に指示された2次 標電圧又はその近くまで上げる(図5の(b));上 (3)に記載のコンバータ装置。

 昇圧のためのPWM制御による前記オン,オフ スイッチングの制限の解除は。リアクトル温 度(RT)が、第1所定値(Th)より低い第2所定値(Tn) 低下したときに開始するので、制限と解除 短時間で切換る不安定な状態が未然に回避 れる。また、2次目標電圧を所定のパターン で順次に上げる「なまし処理」により、昇圧 のためのPWM制御による前記オン,オフスイッ ングの制限が緩やかに徐々に解除されるの 、PWM制御のオンデューティの変化が緩やか 、回転電機トルクに急激な変化すなわちシ ックを生じない。

 (4)前記コンバータ回路(1)は、前記1次側電 源の正極に一端が接続された前記リアクトル (2),該リアクトルの他端と前記1次側電源の負 の間をオン,オフする前記昇圧スイッチング 素子(3),前記リアクトルの他端と負荷の正極 間をオン,オフする降圧スイッチング素子(4) および、各スイッチング素子に並列に接続 れた各ダイオード(5,6)を含み;前記コンバー 制御手段は、前記昇圧スイッチング素子を ン,オフする昇圧用PWMパルス(Pvf)および前記 圧スイッチング素子をオン,オフする降圧用 PWMパルス(Pvr)を含む電圧制御信号を前記コン ータ回路(1)に与える;上記(1)乃至(5)のいずれ か1つに記載のコンバータ装置。これによれ 回転電機を昇圧モードで力行駆動できると に、降圧モードで回生制御できる。

 (5)前記コンバータ制御手段は、前記リア トルの温度が第1所定値以上に上昇すると、 前記降圧スイッチング素子のPWM制御によるオ ン,オフスイッチングを制限する;上記(4)に記 のコンバータ装置。

 (6)前記昇圧スイッチング素子のオン,オフ スイッチングの制限は、昇圧スイッチング素 子のオンの停止かつオフの継続であり、前記 降圧スイッチング素子のオン,オフスイッチ グの制限は、高圧スイッチング素子のオフ 停止かつオンの継続である、上記(5)に記載 コンバータ装置。

 (7)上記(6)に記載のコンバータ装置(1,30v);
 該コンバータ装置に接続され前記2次電圧(Vu c*)を受け、回転電機(10m)と電力のやり取りを 御するインバータ(19m);
 前記回転電機の目標トルクおよび回転速度 対応する前記2次目標電圧を導出する2次目 電圧決定手段(30m);および、
 前記回転電機の目標トルク,回転速度および 前記2次目標電圧に基づいて、該回転電機の 力トルクを前記目標トルクにするように、 記インバータを制御するモータ制御手段(30m) ;
を備える回転電機制御装置。

 (8)上記(7)に記載の回転電機制御装置(1,30v, 19m,30m);および、該回転電機制御装置の前記イ ンバータ(19m)によって給電される前記回転電 であって、車輪を駆動する電動機(19m);を備 る駆動装置。

 (9)第1回転電機(10m);
 第2回転電機(10g);
 前記第1回転電機と電力のやり取りをする第 1インバータ(19m);
 前記第2回転電機と電力のやり取りをする第 2インバータ(19g);
 1次側電源の正極に一端が接続されたリアク トル(2),該リアクトルの他端と1次側電源の負 の間をオン,オフする昇圧スイッチング素子 (3),前記第1インバータおよび前記第2インバー タ(19m,19g)と前記他端との間をオン,オフする 圧スイッチング素子(4)、および、各スイッ ング素子に並列に接続された各ダイオード(5 ,6)を含み、各スイッチング素子(3,4)のオン,オ フにより発生する2次電圧を前記第1インバー および前記第2インバータに与えるコンバー タ(1);
 前記第1回転電機(10m)の目標トルクおよび回 速度に対応する第1の2次目標電圧(Vuc*m)を導 する第1の2次目標電圧決定手段(30m);
 前記第2回転電機(10g)の目標トルクおよび回 速度に対応する第2の2次目標電圧(Vuc*g)を導 する第2の2次目標電圧決定手段(30g);
 前記第1の2次目標電圧(Vuc*m)と前記第2の2次 標電圧(Vuc*g)との高い方を前記コンバータ回 の2次目標電圧(Vuc*)に設定し、前記2次電圧(V uc)が該2次目標電圧(Vuc*)に合致するように前 昇圧スイッチング素子および前記降圧スイ チング素子のオン,オフスイッチングをPWM制 するコンバータ制御手段(30v,20v);
 前記第1回転電機の目標トルク,回転速度お び前記2次電圧に基づいて、前記第1回転電機 の出力トルクを該目標トルクにするように、 前記第1インバータを制御する第1モータ制御 段(30m);
 前記第2回転電機の目標トルク,回転速度お び前記2次電圧に基づいて、前記第2回転電機 の出力トルクを該目標トルクにするように、 前記第2インバータを制御する第2モータ制御 段(30g);
 前記リアクトルの温度を検出する温度検出 段(7);および、
 前記リアクトルの温度が第1所定値(Th)以上 上昇すると前記昇圧スイッチング素子(3)のPW M制御による前記オン,オフスイッチングを制 するコンバータ制御制限手段(30);
を備える駆動装置。

 (10)前記コンバータ制御制限手段は、前記 リアクトルの温度が第1所定値(Th)以上に上昇 たとき、前記コンバータ回路の2次目標電圧 を所定のパターンで順次に下げるなまし処理 を開始し、前記1次側電源(18,22)の電圧又はそ 近くまで下げると、前記昇圧スイッチング 子(3)の昇圧のための前記オン,オフスイッチ ングを停止する(図5の(a));上記(9)に記載の駆 装置。

 (11)前記コンバータ制御制限手段は、前記 オン,オフスイッチングを停止した後、前記 アクトルの温度が第1所定値(Th)より低い第2 定値(Tn)以下に低下したとき、前記オン,オフ スイッチングを開始して前記コンバータ回路 の2次目標電圧を所定のパターンで順次に上 るなまし処理を開始し、該2次目標電圧又は の近くまで上げる(図5の(b));上記(10)に記載 駆動装置。

 (11)前記コンバータ制御制限手段は、前記 リアクトルの温度が第1所定値以上に上昇す と、前記降圧スイッチング素子のPWM制御に るオン,オフスイッチングを制限する;上記(9) に記載のコンバータ装置。

 (13)前記昇圧スイッチング素子のオン,オ スイッチングの制限は、昇圧スイッチング 子のオンの停止かつオフの継続であり、前 降圧スイッチング素子のオン,オフスイッチ グの制限は、高圧スイッチング素子のオフ 停止かつオンの継続である、上記(12)に記載 のコンバータ装置。

 (14)第1回転電機は、車輪を回転駆動する 動機であり、第2回転電機は該車輪を装備し 車両のエンジンによって回転駆動される発 機である;上記(9)乃至(13)のいずれか1つに記 の駆動装置。

図1は、発明の第1実施例の構成の概略 示すブロック図である。 図2は、図1に示すモータ制御装置30mの 能構成の概要を示すブロック図である。 図3は、図2に示すマイコンMPUの、モー 制御の概要を示すフローチャートである。 図4は、図1に示すコンバータ制御装置30 v内のマイコンによる、コンバータ回路1に対 る昇圧制御の概要を示すフローチャートで る。 図5(a)は図4に示す「昇圧比下げのなま 処理」(32)の内容を示すフローチャートであ 。図5(b)は図4に示す「昇圧比上げのなまし 理」(39)の内容を示すフローチャートである 図6は、コンバータ制御装置30vによるコ ンバータ制御CDCとモータ制御装置30m,30gによ モータ駆動制御MDCによって定まるモータ10m,1 0gの動作領域を示すグラフである。 図7は、図1に示すリアクトル2の温度変 の一例を示すグラフである。 図8(a)は第2実施例の「昇圧比下げのな し処理」の内容を示すフローチャートであ 。図8(b)は第2実施例の「昇圧比上げのなまし 処理」の内容を示すフローチャートである。

符号の説明

2:リアクトル
3:スイッチング素子(昇圧用)
4:スイッチング素子(降圧用)
5,6:ダイオード
7:温度センサ
10m,10g:電気モータ
11~13:3相のステータコイル
14m~16m:電流センサ
17m,17g:レゾルバ
18:車両上のバッテリ
21:1次電圧センサ
22:1次側コンデンサ
23:2次側コンデンサ
24:2次電圧センサ
Vdc:1次電圧(バッテリ電圧)
Vuc:2次電圧(昇圧電圧)
Vuc*:2次目標電圧

 本発明の他の目的および特徴は、図面を 照した以下の実施例の説明より明らかにな う。

 -第1実施例-
 図1に、本発明の第1実施例の概要を示す。 御対象回転電機である電気モータ10mは、こ 実施例では、車両に搭載されており車輪を 転駆動するための永久磁石形同期電動機で って、ロータに永久磁石を内蔵したもので り、ステータにはU相,V相及びW相の3相コイル 11~13がある。電気モータ10mには、電圧型イン ータ19mが、車両上のバッテリ18の電力を供 する。電気モータ10mのロータに、ロータの 極位置を検出するためのレゾルバ17mのロー が連結されている。レゾルバ17mは、そのロ タの回転角を表すアナログ電圧(回転角信号) SGθmを発生し、モータ制御装置30mに与える。

 車両上の蓄電池であるバッテリ18には、 両上の電装部が電源オンのときには、1次側 ンデンサ22が接続されて、バッテリ18と共に 1次側電源を構成する。電圧センサ21が、1次 コンデンサ22の電圧(車両上バッテリ18の電圧 )を表わす電圧検出信号Vdcをコンバータ制御 置30vに与える。この実施例では、電圧セン 21に、分圧抵抗を用いた。1次側電源の正極(+ ライン)には、双方向コンバータ回路1のリア トル2の一端が接続されている。

 コンバータ回路1には更に、該リアクトル 2の他端と1次側電源の負極(-ライン)の間をオ ,オフする昇圧スイッチング素子3,2次側コン デンサ23の正極と前記他端との間をオン,オフ する降圧スイッチング素子4、および、各ス ッチング素子3,4に並列に接続された各ダイ ード5,6がある。ダイオード5のアノードはリ クトル2の他端に、カソードは1次側電源の 極(-ライン)に接続されており、ダイオード6 アノードは2次側コンデンサ23の正極に、カ ードはリアクトル2の他端に接続されている 。スイッチング素子3,4のいずれにも、本実施 例では、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を用 いた。

 昇圧スイッチング素子3をオン(導通)にす と1次側電源(18,22)からリアクトル2を介して 圧スイッチング素子3に電流が流れ、これに よりリアクトル2が蓄電し、昇圧スイッチン 素子3がオフ(非導通)に切換るとリアクトル2 ダイオード6を通して2次側コンデンサ23に高 圧放電する。すなわち1次側電源の電圧より 高い電圧を誘起して2次側コンデンサ23を充 する。昇圧スイッチング素子3のオン,オフを 繰り返すことにより、2次側コンデンサ23の高 圧充電が継続する。すなわち、高い電圧で2 側コンデンサ23が充電される。一定周期でこ のオン,オフを繰り返すと、オン期間の長さ 応じてリアクトル2が蓄積する電力が上昇す ので、該一定周期の間のオン時間(オンデュ ーティ:該一定周期に対するオン時間比)を調 することによって、すなわちPWM制御によっ 、1次側電源18,22からコンバータ回路1を介し て2次側コンデンサ23に給電する速度(力行用 給電速度)を調整することが出来る。

 降圧スイッチング素子4をオン(導通)にす と、2次側コンデンサ23の蓄積電力が、降圧 イッチング素子4およびリアクトル2を通し 、1次側電源18,22に与えられる(逆給電:回生) この場合も、一定周期の間の降圧スイッチ グ素子4のオン時間を調整することによって すなわちPWM制御によって、2次側コンデンサ 23からコンバータ回路1を介して1次側電源18,22 に逆給電する速度(回生用の給電速度)を調整 ることができる。

 電圧型インバータ19mは、6個のスイッチン グトランジスタTr1~Tr6を備え、ドライブ回路20 mが並行して発生する6連の駆動信号の各連に ってトランジスタTr1~Tr6をオン(導通)駆動し 、2次側コンデンサ23の直流電圧(コンバータ 回路1の出力電圧すなわち2次電圧)を3連の、 相差が2π/3の交流電圧、すなわち3相交流電 に変換して、電気モータ10mの3相(U相,V相,W相) のステータコイル11~13のそれぞれに印加する これにより電気モータ10mのステータコイル1 1~13のそれぞれに各相電流iUm,iVm,iWmが流れ、電 気モータ10mのロータが回転する。6個のスイ チングトランジスタTr1~Tr6は、いずれもIGBTで ある。

 PWMパルスによるトランジスタTr1~Tr6のオン /オフ駆動(スイッチング)に対する電力供給能 力を高くしかつ電圧サージを抑制するために 、インバータ19mの入力ラインである、コンバ ータ回路1の2次側出力ラインには、大容量の2 次側コンデンサ23が接続されている。これに して1次側電源を構成する1次側コンデンサ22 は、小型かつ低コストの小容量のものであり 、1次側コンデンサ22の容量は、2次側コンデ サ23の容量よりもかなり小さい。電圧センサ 24が、コンバータ回路1の2次電圧Vucを検出し コンバータ制御装置30vに与える。電気モー 10mのステータコイル11~13に接続した給電線に は、ホールICを用いた電流センサ14m~16mが装着 されており、それぞれ、各相電流iUm,iVm,iWmを 出し電流検出信号(アナログ電圧)を発生し モータ制御装置30mに与える。

 図2に、モータ制御装置30mの機能構成を示 す。モータ制御装置30mは、本実施例では、マ イクロコンピュータ(以下マイコンと言う)MPU 主体とする電子制御装置であり、マイコンM PUと、ドライブ回路20m,電流センサ14~16,レゾル バ17,1次電圧センサ21および2次電圧センサ24と の間の、図示しないインターフェイス(信号 理回路)を含み、さらに、マイコンMPUと、前 車両上の図示しない車両走行制御システム メインコントローラとの間の、図示しない ンターフェイス(通信回路)も含む。

 図2を参照すると、レゾルバ17が与える回 角信号SG θに基づいて、モータ制御装置30m あるマイコンMPUが、電気モータ10mのロータ 回転角度(磁極位置)θおよび回転速度(角速 )ωを算出する。

 なお、正確にいうと、電気モータ10mのロ タの回転角度と磁極位置とは同一ではない 、両者は比例関係にあり比例係数が電気モ タ10mの磁極数pによって定まる。また、回転 速度と角速度とは同一ではないが、両者も比 例関係にあり比例係数が電気モータ10mの磁極 数pによって定まる。本書においては、回転 度θは磁極位置を意味する。回転速度ωは角 度を意味するが、回転速度を意味する場合 ある。

 図示しない車両走行制御システムのメイン ントローラが、モータ目標トルクTM*をモー 制御装置30mすなわちマイコンMPUに与える。 お、該メインコントローラは、前記車両の 速及びアクセル開度に基づいて車両要求ト クTO * を算出し、該車両要求トルクTO * に対応してモータ目標トルクTM*を発生して、 マイコンMPUに与える。マイコンMPUは、電気モ ータ10mの回転速度ωrpmをメインコントローラ 出力する。

 マイコンMPUは、トルク指令制限34によって 2次目標電圧Vuc*および回転速度ωに対応する 限トルクTM*maxを制限トルクテーブル(ルック アップテーブル)から読み出して、目標トル TM*がTM*maxを超えていると、TM*maxを目標トル T * に定める。TM*max以下のときには、モータ目標 トルクTM*を目標トルクT * に定める。このような制限を加えて生成した モータ目標トルクT * が、2次目標電圧算出43および出力演算35に与 られる。

 なお、制限トルクテーブルは、2次目標電 圧Vuc*および回転速度範囲内の電圧の各値を ドレスとし、該各値で電気モータ10mに生起 せることができる最大トルクを制限トルクTM *maxとして書込んだメモリ領域であり、本実 例ではマイコンMPU内の図示しないRAMの1メモ 領域を意味する。制限トルクTM*maxは、2次目 標電圧Vuc*が高いほど大きく、低いほど小さ 。また、回転速度ωが低いほど大きく、高い ほど小さい。

 上記マイコン内には、該制限トルクテー ルのデータTM*maxを書込んだ不揮発性メモリ あり、マイコンに動作電圧が印加されてマ コンが、自身および図1に示すモータ駆動シ ステムを初期化する過程で、不揮発性メモリ から読み出してRAMに書き込む。マイコンには その他の同様なルックアップテーブルが複数 あり後に言及するが、これらも、制限トルク テーブルと同様に、不揮発性メモリにあった 参照データが書き込まれた、RAM上のメモリ領 域を意味する。

 モータ制御装置30mすなわちマイコンMPUは 2次目標電圧算出43において、目標トルクT* 回転速度ωに基づいて「力行」か「回生」か を判定して、「力行」であると「力行」グル ープ内の、「回生」であると「回生」グルー プ内の、目標トルクT*に割り当てられた2次目 標電圧テーブルから、電動機10mの回転速度ω 割り当てられた2次目標電圧Vuc*mを読み出す

 「力行」グループの各2次目標電圧テーブ ルは、回転速度に対応付けた2次目標電圧値 格納したルックアップテーブルである。「 生」グループの各2次目標電圧テーブルも、 転速度に対応付けた2次目標電圧値を格納し たルックアップテーブルである。

 本実施例では、高トルク曲線にもとづい d-q座標上の、目標トルクに対応するd軸電流 id*およびq軸電流iq*を算出し、これらに基づ て各軸目標電圧Vd*,Vq*を算出し、そしてこれ を3相の各相制御電圧に変換するが、高トル ク曲線は、「力行」のものと「回生」のもの とは、非対称(絶対値が同一の目標トルクに して、id*,iq*の値が相異)であるので、仮に、 各目標トルク宛一つの2次目標電圧特性を「 行」用と「回生」用に共用すると、トルク 御精度が低下する。そこで本実施例では、 対値が同一の目標トルク宛ての2次目標電圧 性を、「力行」用と「回生」用の2つにして いる。

 モータ制御装置30mのマイコンMPUは、「出 演算」35において、電気モータ10mのロータ おける磁極対の方向にd軸を、該d軸と直角の 方向にq軸をそれぞれ採った、公知のd-q軸モ ル上のベクトル制御演算、によるフィード ック制御を行う。そこで該マイコンは、電 センサ14~16の電流検出信号iU,iV,iWをデジタル 換して読込み、電流帰還演算にて、公知の 定/回転座標変換である3相/2相変換を用いて 、固定座標上の3相電流値iU,iV,iWを、回転座標 上のd軸およびq軸の2相電流値id,iqに変換する

 1つのルックアップテーブルである第1高効 トルク曲線テーブルAが出力演算35にあり、 の第1高効率トルク曲線テーブルAには、モー タ速度ωおよびモータ目標トルクT * に対応付けられた、各モータ速度で各目標ト ルクT * を発生するための各d軸電流値idが書き込まれ ている。

 d軸電流idおよびq軸電流iqの各値に対応して 気モータの出力トルクが定まるが、1つの回 転速度値に対して、すなわち同一のモータ回 転速度において、同一トルクを出力するため のid,iqの組合せが無数にあり、定トルクカー 上にある。定トルクカーブ上に、最も電力 用効率が高い(最低電力消費の)id,iqの組合せ があり、そこが高効率トルク点である。複数 のトルクカーブ上の高効率トルク点を連ねる 曲線が、高効率トルク曲線であって各回転速 度に対して存在する。モータの回転速度宛て の高効率トルク曲線上の、与えられたモータ 目標トルクT * の位置のd軸電流idおよびq軸電流iqを目標電流 値として電気モータ10mの付勢を行うことによ り、目標トルクT * を電気モータ10mが出力し、しかもモータ付勢 の電力使用効率が高い。

 本実施例では、高効率トルク曲線を、d軸 の値を表す第1高効率トルク曲線Aと、q軸の値 を表わす第2高効率トルク曲線Bの、2系統に分 け、しかも、第1高効率トルク曲線Aは、力行 域に適用するものと回生領域に適用するも を対にしたものとし、いずれもモータ回転 度と目標トルクに対するd軸目標電流を現す ものである。

 第1高効率トルク曲線テーブルAは、目標ト クT * に宛てられた、最低電力消費で目標トルクを 発生するためのd軸目標電流を書込んだメモ 領域であり、力行用の力行テーブルA1と、回 生用の回生テーブルA2をあわせた1対で構成さ れている。力行用と回生用のいずれのテーブ ルを用いるかは、電気モータの回転速度ωと えられる目標トルクT * に基づいて、力行か回生かを判定し、判定結 果に従って決定する。

 ただし、電気モータ10mの回転速度ωが上昇 るのに伴ってステータコイル11~13に発生する 逆起電力が上昇し、コイル11~13の端子電圧が 昇する。これにともなってインバータ19か コイル11~13への目標電流の供給が難しくなり 、目標とするトルク出力が得られなくなる。 この場合、与えられたモータ目標トルクT * の定トルク曲線上で、曲線に沿ってδid,δiq分 、d軸電流idおよびq軸電流iqを下げることによ り、電力使用効率は低下するが、目標トルク T * を出力することができる。これが弱め界磁制 御といわれている。d軸弱め界磁電流δidは、 磁調整代演算により生成して、d軸電流指令 を算出し、q軸電流指令を算出する。d軸弱め 磁電流δidは、弱め界磁電流演算41が算出す 。その内容は後に説明する。

 マイコンMPUは、「出力演算」35の中のd軸電 指令の算出では、トルク指令制限によって 定した目標トルクT * に対応して第1高効率トルク曲線テーブルAか 読出したd軸電流値idから、d軸弱め界磁電流 δidを減算して、d軸目標電流id * を、id * =-id-δid、と算出する。

 q軸電流指令の算出では、出力演算35にある 2高効率トルク曲線テーブルBを用いる。第2 効率トルク曲線テーブルBは、高効率トルク 曲線の、q軸の値を表わす第2高効率トルク曲 Bを更に、d軸弱め界磁電流δidと対のq軸弱め 界磁電流δiqを減算したq軸目標電流を表わす 線に補正し、補正後の第2高効率トルク曲線 Bのデータ、を格納したものである。第2高効 トルク曲線テーブルBは、目標トルクT * およびd軸弱め界磁電流δidに宛てられた、最 電力消費で目標トルクを発生するためのd軸 目標電流、すなわち、補正後の第2高効率ト ク曲線Bの目標電流値、を書込んだメモリ領 であり、これも、力行用の力行テーブルB1 、回生用の回生テーブルB2をあわせた1対で 成されている。力行用と回生用のいずれを いるかは、電気モータの回転速度ωと目標ト ルクT * に基づいて、力行か回生かを判定し、判定結 果にしたがって決定する。

 q軸電流指令の算出では、目標トルクT * およびd軸弱め界磁電流δidに宛てられたq軸目 標電流iq * を、第2高効率トルク曲線テーブルBから読み してq軸電流指令とする。

 モータ制御装置30mのマイコンMPUは、出力演 35にて、d軸目標電流id * とd軸電流idとの電流偏差δid、及びq軸目標電 iq * とq軸電流iqとの電流偏差δiqを算出し、各電 偏差δid,δiqに基づいて、比例制御及び積分 御(フィードバック制御のPI演算)を行い、出 電圧としてのd軸電圧指令値vd * およびq軸電圧指令値vq * を算出する。

 次に、回転/固定座標変換である2相/3相変換 36にて、回転座標上の目標電圧vd * 及びvq * を、2相/3相変換に従って固定座標上の各相目 標電圧VU * ,VV * ,VW * に変換する。これは、電圧制御モードが2相 調であるときには、変調37を介してPWMパルス 発生50に送る。電圧制御モードが3相変調であ るときには、変調37の2相変調で3相変調モー の各相目標電圧VU * ,VV * ,VW * を2相変調のものに変換してPWMパルス発生50に 送る。電圧モードが、全相を矩形波通電とす る1pulseモードであるときには、変調37の1pulse 換で、3相変調モードの各相目標電圧VU * ,VV * ,VW * を各相矩形波通電とするものに変換してPWMパ ルス発生50に与える。

 PWMパルス発生50は、3相目標電圧VU * ,VV * ,VW * が与えられると、それら各値の電圧を出力す るための、PWMパルスMU,MV,MWに変換して、図1に 示されるドライブ回路20mに出力する。ドライ ブ回路20mは、PWMパルスMU,MV,MWに基づいて6連の 駆動信号を並行して発生し、各連の駆動信号 で、電圧型インバータ19のトランジスタTr1~Tr6 のそれぞれをオン/オフする。これにより、 気モータ10mのステータコイル11~13のそれぞれ に、VU * ,VV * およびVW * が印加され、相電流iU,iVおよびIWが流れる。2 変調モードの各相目標電圧が与えられると PWMパルス発生器は、2相はPWMパルスを発生し 残りの1相はオン又はオフ(定電圧出力)信号と する。1pulse変調モードの各相目標電圧が与え られると、各相を矩形波通電とする通電区間 信号を出力する。

 弱め界磁電流演算41は、弱め界磁制御のた のパラメータである電圧飽和指標mを算出す 。すなわち、d軸電圧指令値vd * 及びq軸電圧指令値vq * に基づいて、電圧飽和の程度を表す値として 、電圧飽和算定値δVを算出し、界磁調整代を 算出する。

 界磁調整代の算出では、δVを積算し、積 値σδVが正の値を採る場合、積算値σδVに比 例定数を乗算して弱め界磁制御を行うための d軸弱め界磁電流δidを算出し、正の値に設定 、電圧飽和算定値δV又は積算値σδVが零以 の値を採る場合、前記調整値δidおよび積算 σδVを零にする。調整値δidは、d軸電流指令 の算出およびq軸電流指令の算出において使 する。

 「2相/3相変換」36は、2相/3相変換の過程で 動機目標電圧Vm*を算出する。Vm*=√(Vd* 2 +Vq* 2 )、である。この電動機目標電圧Vm*と2次側コ デンサ23の電圧Vuc(電圧センサ24の電圧検出 )とから、変調制御42が、変調比 Mi=Vm*/Vuc*  算出する。変調制御42はさらに、電動機10mの 目標トルクT*,回転速度ωおよび変調比Miに基 て、変調モードを決定する。決定した変調 ードに応じて、該変調モードの各相目標電 の出力を、変調37に指示する。

 図2に示すマイコンMPUには、CPUの他に、デ ータを記録したり、各種のプログラムを記録 したりするためのRAM,ROMおよびフラッシュメ リが備わっており、ROM又はフラッシュメモ に格納されたプログラム,参照データおよび ックアップテーブルをRAMに書き込んで、該 ログラムに基づいて、図2に2点鎖線ブロッ で囲んで示す入力処理,演算および出力処理 行う。

 図3に、該プログラムに基づいてマイコン MPU(のCPU)が実行するモータ駆動制御MDCの概要 示す。動作電圧が印加されるとマイコンMPU 、自身およびPWMパルス発生50およびドライ 回路20mの初期化を行って、電動機10mを駆動 るインバータ19mを停止待機状態に設定する そして図示しない車両走行制御システムの インコントローラからのモータ駆動スター 指示を待つ。モータ駆動スタート指示が与 られると、マイコンMPUは、「開始処理」(ス ップ1)によって、内部レジスタに電動機制 の初期値を設定して、「入力読込み」(ステ プ2)で、入力信号又はデータを読み込む。 なわち、メインコントローラが与える第1目 トルクTM*,電流センサ14m~16mが検出した各相 流値iU,iV,iW、および、レゾルバ17の回転角信 SG θをデジタル変換により読込み、また、 述するコンバータ制御装置30vが与える、2次 電圧目標値Vuc*およびモータ駆動システムシ ットダウン要求信号Ssd(高レベルHが有意)を り込む。

 なお、以下においては、括弧内には、ス ップという語を省略して、ステップ番号の を記す。

 次にマイコンMPUは、シャットダウン要求 号Ssdがシャットダウン要求を意味する高レ ルHであると、モータ10mの駆動を停止するた めの出力信号、ならびに、図示しない車両走 行制御システムのメインコントローラに、モ ータ駆動の、駆動回路過熱による保護停止を 報知する警報信号Ssdm(高レベルHが有意)を生 して(3,16)、インバータ19mおよびメインコン ローラに出力する(12)。

 しかしシャットダウン要求信号Ssdがシャッ ダウン要求なしを意味する低レベルLである ときには、「入力読込み」(2)で読み込んだ回 転角信号SGθ(回転角データSGθ)に基づいて回 角度θおよび回転速度ωを算出する(4)。この 能を図2上には、角度,速度演算32として示し た。次にマイコンMPUは、読み込んだモータ目 標トルクTM * ,2次電圧上限値Vuc*maxおよび算出した回転速度 ωに対応する制限トルクTM*maxを制限トルクテ ブルから読み出して、読み込んだモータ目 トルクTM * がTM*maxを超えていると、TM*maxを目標トルクT * に定める。TM*max以下のときには、読み込んだ モータ目標トルクTM * を目標トルクT * に定める(5)。この機能を図2上には、トルク 令制限34として示した。つぎにマイコンMPUは 、「2次目標電圧算出」(6)で、電動機10が「力 行」運転か「回生」運転かを判定し、判定結 果に対応してグループを選択し、その中の、 目標トルクT*に対応付けられている2次目標電 圧テーブルから、現在の回転速度ωに割り当 られている2次目標電圧Vuc*を読み出す。「2 目標電圧算出」(6)の内容は、上述の、図2に 示す2次目標電圧算出43の内容と同様である。

 次にマイコンMPUは、読込んだ3相の電流検 出信号iU,IV,iWを、3相/2相変換により、2相のd 電流値idおよびq軸電流値に変換する(7)。こ 機能を図2上には、電流帰還31として示した 次にマイコンMPUは、d軸弱め界磁制御を行う めのd軸弱め界磁電流δidを算出する(8)。こ 機能を図2上には、弱め界磁電流演算41とし 示した。

 「出力演算」(9)の内容は、上述の、図2に 示す出力演算35の内容と同様である。該「出 演算」(9)で算出したd-q軸の電圧目標値Vd*,Vq* を、3相変調モードの各相目標電圧VU*,VV*,VW*に 変換する(10)。このとき電動機目標電圧Vm*も 出する。つぎの「変調制御」(11)で、変調比M iを算出し、変調比Mi,目標トルクT*および回転 速度ωに基いて、変調モードを決定する。

 変調モードを決定するために参照するパ メータには、目標トルクT*,回転速度ωおよ 変調比Miがある。マイコンMPUには、変調モー ド(3相変調,2相変調,1pulse)および変調比に対応 付けた変調閾値テーブル(ルックアップテー ル)があり、各変調閾値テーブルには、変調 ード境界の閾値(目標トルク値および回転速 度値)が格納されている。マイコンMPUは、現 の変調モード(3相変調,2相変調又は1pulse)と変 調比に対応する変調閾値テーブルを選択して それから、閾値を読み出して、目標トルクT* よび回転速度を閾値と対比して、次に採用 べき変調モードを決定する。

 次の「出力更新」(12)では、変調制御(11) 決定した変調モードの各相目標電圧をPWMパ ス発生50に出力する。次に、次の繰返し処理 タイミングになるのを待ってから(13)、再度 入力読込み」(2)に進む。そして上述の「入 読込み」(2)以下の処理を実行する。次の繰 し処理タイミングになるのを待っている間 、図示しない車両走行制御システムのメイ コントローラから停止指示があると、マイ ンMPUはそこでモータ回転付勢のための出力 停止する(14,15)。

 以上、車輪を回転駆動する電気モータ10m 動作を制御するモータ制御装置30mの制御機 を説明した。

 一方、車両上エンジンによって回転駆動 れる電動機10gは発電機又は発電動機といわ ることもあるが、本実施例では、電動機10g 、エンジンを始動するときにはエンジンを 動駆動する電気モータ(力行)であり、エン ンが始動するとエンジンによって回転駆動 れて発電する発電機(回生)である。この電動 機10gの力行および回生を制御するモータ制御 装置30gの機能および動作は、モータ制御装置 30mのものと同様であり、また、電動機10gに給 電するインバータ19gの構成および動作は、イ ンバータ19mと同様である。

 エンジンを始動するときに図示しないメイ コントローラから、正値の目標トルクTM * gが与えられ、モータ制御装置30gは、モータ 御装置30mの上述の制御動作と同様な制御動 を行う。エンジンが始動しその出力トルク 上昇するとメインコントローラが目標トル TM * gを、発電(回生)用の負値に切り換える。これ によりモータ制御装置30gは、電動機10gの出力 トルクが、負値の目標トルク(エンジンの目 負荷)となるように、インバータ19gを制御す 。この内容(出力制御演算)も、モータ制御 置30mの上述の出力制御演算と同様である。

 前述のように、コンバータ40の出力電圧で る2次電圧Vuc(2次側コンデンサ23の電圧)は、 め界磁電流δid,δiqの算出41および2相/3相変換 36にも用いられる。この2次電圧Vucは、1次側 源18,22の電力容量で達成可能な2次電圧最高 以下において、目標トルクTM * m,TM * gおよび回転速度に対応して、目標トルクが きいと高くまた回転速度が高いと高く、2次 圧Vucを調整するのが好ましい。この2次電圧 Vucの調整をコンバータ制御装置30vが実行する 。

 図1に示すコンバータ制御装置30vも、本実 施例では、マイコンを主体とする電子制御装 置であり、マイコンと、図示しないインター フェイス(信号処理回路)およびPWMパルス発生 含み、さらに、マイコンと、モータ制御装 30m,30gとの間の、図示しないインターフェイ ス(通信回路)も含む。コンバータ制御装置30v 、モータ制御装置30mが与える2次目標電圧Vuc *mと、モータ制御装置30gが与える2次目標電圧 Vuc*gの、高い方を2次目標電圧Vuc*として、該 標電圧Vuc*とコンバータ回路1の現在の出力電 圧すなわち2次電圧Vucに基づいて、フィード ック制御演算により、2次電圧Vucを目標電圧V uc*とするための制御出力Pvcを生成し、制御信 号Pvcを、コンバータ回路1の昇圧スイッチン 素子3をオン,オフ駆動する昇圧用のPWMパルス Pvfと、降圧スイッチング素子4をオン,オフ駆 する降圧用のPWMパルスPvrに変換して、ドラ ブ回路20vに出力する。ドライブ回路20vが、P WMパルスPvf,Pvrに基づいて昇圧スイッチング素 子3,降圧スイッチング素子4をオン,オフする なお、昇圧スイッチング素子3のオン期間に 降圧スイッチング素子4はオフ、降圧スイッ チング素子4のオン期間には、昇圧スイッチ グ素子3はオフとなるように、PWMパルスPvf,Pvr にはそれぞれにオフ期間(デッドタイム)が設 されている。このようなPWMパルスPvfおよびP vrによる昇圧スイッチング素子3および降圧ス イッチング素子4のオン,オフ駆動により、コ バータ回路1が出力する2次電圧Vucが目標電 Vuc*に制御される。

 図4に、コンバータ制御装置30vによるコン バータ回路1の出力電圧の制御すなわち2次電 制御、の概要を示す。動作電圧が印加され とコンバータ制御装置30vのマイコン(以下、 単にマイコンという)は、自身およびその内 のPWMパルス発生ならびにドライブ回路20vの 期化を行って、コンバータ回路1の昇圧,降圧 スイッチング素子3,4を共にオフにする。そし てモータ制御装置30m又は30gからのモータ駆動 スタート信号を待つ。モータ駆動スタート信 号が到来すると、マイコンは、「開始処理」 (21)によって、内部レジスタにコンバータ回 制御の初期値を設定する。このときモータ 御装置30mおよび30gへの出力となる2次目標電 データVuc*は、初期値0とし、モータ駆動シ テムシャットダウン要求信号Ssdは、シャッ ダウン要求なしを表す低レベルLとする。ま 、後述の「リアクトル2の過熱保護」PATで参 照するフラグレジスタFuiのデータを、昇圧可 を表すLに初期化する。なお、FuiのデータHは 昇圧禁止を意味する。

 次に、「入力読込み」(22)で、検出値およ びデータを読み込む。すなわち、電圧センサ 21,24の電圧検出信号Vdc,Vucおよびリアクトル2 温度を検出する温度センサ7の温度検出信号R Tを、A/D変換して読み込み、そして、モータ 御装置30mおよび30gが与える2次目標電圧Vuc*m よびVuc*gを読み込む。次の「2次目標電圧Vuc* 決定」(23)では、モータ制御装置30mおよび30g が与えた第1および第2の2次目標電圧Vuc*mおよ Vuc*gの、高い方を、コンバータ回路1の2次目 標電圧Vuc*に定める。

 次に「リアクトル2の過熱保護」PATに進ん で、フラグレジスタFuiのデータFuiおよびリア クトル温度RTを参照して(24,25)、昇圧可(Fui:L) あって、しかもリアクトル温度RTが第1所定 Th未満であると、「フィードバック制御演算 」(26)で、ステップ23で定めた2次目標電圧Vuc* 2次電圧Vucに基づいて、PI(比例・積分)フィ ドバック制御演算により、2次電圧Vucを2次目 標電圧Vuc*とするための制御出力Pvcを生成し 次の「上下アーム制御信号に変換」(27)で、 御信号Pvcを、コンバータ回路1の昇圧スイッ チング素子3(下アーム)をオン,オフ駆動する 圧用のPWMパルスPvfと、降圧スイッチング素 4(上アーム)をオン,オフ駆動する降圧用のPWM ルスPvrの各デューティPvf,Pvrに変換して、各 デューティのPWMパルスPvf,Pvrを発生してドラ ブ回路20vに出力する(28)。このとき、コンバ タ回路1の2次目標電圧Vuc*およびシャットダ ン要求信号Ssd(L:シャットダウン要求なし)を 、モータ制御装置30m,30gに出力する。ドライ 回路20vが、該PWMパルスPvf,Pvrに基づいて昇圧 イッチング素子3,降圧スイッチング素子4を ン,オフする。これにより、コンバータ回路 1が出力する2次電圧Vucが、2次目標電圧Vuc*又 略2次目標電圧Vuc*となる。

 モータの高トルク運転の長時間の継続や 高速値への急加速と低速値への急減速を交 に短周期で繰り返すなどの、極めて過酷な 荷がかかると、リアクトル2の発熱が大きく 、リアクトル2の温度が急速に上昇する。リ クトル2の温度RTが第1所定値Th以上になると マイコンは、「昇圧比下げのなまし処理」(3 2)を実行し、この処理によって、2次電圧Vucを バッテリ電圧Vdcまで順次に下げると、フラグ レジスタFuiのデータFuiを、昇圧禁止であるこ とを表すHに切換え、PWMパルス信号PvfおよびPv rを、昇圧スイッチング素子3(下アーム)をオ に維持し降圧スイッチング素子4(上アーム) オンに維持する信号LおよびHに定め(33)、そ て2次目標電圧Vuc*の値をバッテリ電圧すなわ ち1次側電源電圧Vdcに変更して(34)、PWMパルス 号PvfおよびPvrをドライブ回路20vに出力し、2 次電圧Vuc,2次目標電圧Vuc*およびシャットダウ ン要求信号(L:要求なし)をモータ制御装置30m,3 0gに出力する(28)。これによりコンバータ回路 1は昇圧を停止する。

 図5の(a)に、「昇圧比下げのなまし処理」 (32)の内容を示す。ここでは、まずこの時点 2次電圧Vucをなまし目標電圧Vuc*smの初期値と (41D)、なまし目標電圧Vuc*smを、dT周期でdVづ 順次に下げながら(43D,47D)、なまし目標電圧V uc*smを2次電圧として出力するための昇圧用の PWMパルスPvfと降圧用のPWMパルスPvrを生成して ドライブ回路20vに更新出力する(44D~46D)。これ を、なまし目標電圧Vuc*smがバッテリ電圧Vdc(1 側電源の電圧)になるまで継続する。なまし 目標電圧Vuc*smがVdc以下になると、「昇圧比下 げのなまし処理」を終了する(42Dからリター )。すなわち、図4のステップ33に進む。この まし処理により、PWMパルスPvf,Pvrの変化が緩 やかで、昇圧比の低下すなわち2次電圧Vucの 下が緩やかで、モータトルクの変化が緩や である。これによりトルクショック(モータ 力トルクの急減)を生じない。

 上述のなまし処理(32)および昇圧禁止(33) より、コンバータ回路1の出力電圧がバッテ 電圧Vdcになるので、モータ制御装置30m,30gの インバータ制御による、モータ10m,10gの動作 域が、図6に示す「昇圧時の動作領域」から バッテリ電圧での動作領域」に変わり、こ ではリアクトル2を通過する直流電流(バッ リ電流)が少なくなるので、リアクトル2での 電力損失が少なくなる。これに加えて、昇, 圧スイッチング素子3,4のオン,オフスイッチ グが無いので、リアクトル2を流れるリプル 電流が実質的になくなり、したがって高調波 電流が実質的に無くなって、リアクトル2の 調波電力損失が無くなる。これによって、 アクトル2の発熱量が大幅に低減し、リアク ル2の温度が低下する、又は、温度上昇が抑 制される。

 図4を再度参照する。昇圧禁止(33)を実行 た後では、「リアクトル2の過熱保護」PATに むたびに、リアクトル温度RTを参照する(24,3 5,38)。リアクトル温度RTが、第1所定値Thより い第3所定値Ta以上になると、昇圧用のPWMパ ス信号PvfのL(スイッチング素子3オフ指示)お び降圧用のPWMパルス信号PvrのH(スイッチン 素子4オン指示)は継続して、シャットダウン 要求信号Ssdを、シャットダウン要求を表すH 設定する(35,36)。そしてシャットダウン要求 号Ssd(H:シャットダウン要求)を、モータ制御 装置30m,30gに出力する(28)。シャットダウン要 信号Ssd(H)を受けたモータ制御装置30m,30gは、 インバータ19m,19gの制御を回生制御に切換え モータ10mおよび10gのインバータ19m,19gを介し 流れるモータ電流(回生)を順次に下げるな しをしてから、モータ電流を遮断する。す わち、インバータ19m,19gの全スイッチング素 をオフにする。そして、図示しない車両走 制御システムのメインコントローラに、モ タ駆動回路過熱による保護停止(をしたこと )を報知する警報信号Ssdm,Ssdg(高レベルHが有意 )を生成してメインコントローラに出力する

 リアクトル温度RTが、第3所定値Taに達せ 、第2所定値Tnを越えている間は、上述の昇 禁止を継続し、2次目標電圧Vuc*の値を1次側 源電圧Vdcに変更して(37)、モータ制御装置30m, 30gに出力する(28)。

 昇圧禁止を継続している間にリアクトル 度RTが低下して第2所定値Tn以下になったと には(38)、「昇圧比上げのなまし処理」(39)を 実行し、この処理によって、2次電圧Vucを2次 標電圧Vuc*(Vuc*mとVuc*gの高い方)まで順次に上 げると、フラグレジスタFuiのデータFuiを、昇 圧禁止なしを表すLに切換え(40)、PWMパルス信 PvfおよびPvrを、該2次目標電圧Vuc*を出力す デューティのパルスとして(26,27)、ドライブ 路20vに出力する(28)。これによりコンバータ 回路1は昇圧動作を回復し、PWMパルス信号Pvf よびPvrによる昇,降圧によって、モータ制御 置30m,30gが与えるVuc*mとVuc*gの高い方である2 目標電圧Vuc*又は略2次目標電圧Vuc*を出力す 。

 図5の(b)に、「昇圧比上げのなまし処理」 (39)の内容を示す。ここでは、まずこの時点 2次電圧Vuc(=Vdc)を初期値として(41U)、なまし 標電圧Vuc*smを、dT周期でdVづつ順次に上げな ら(43U,47U)、なまし目標電圧Vuc*smを2次電圧と して出力するための昇圧用のPWMパルスPvfと降 圧用のPWMパルスPvrを生成してドライブ回路20v に更新出力する(44U~46U)。これを、なまし目標 電圧Vuc*smが2次目標電圧Vuc*になるまで継続す 。なまし目標電圧Vuc*smが2次目標電圧Vuc*以 になると、「昇圧比上げのなまし処理」を 了する(42Uからリターン)。すなわち、図4の テップ38に進む。このなまし処理により、PWM パルスPvf,Pvrの変化が緩やかで、昇圧比の上 すなわち2次電圧Vucの上昇が緩やかで、モー トルクの変化が緩やかである。これにより ルクショック(モータ出力トルクの急増)を じない。

 上述のなまし処理(39)および昇圧禁止の解 除(40)により、コンバータ回路1の出力電圧が 質的に2次目標電圧Vuc*(Vuc*mとVuc*gの高い方) なるので、モータ制御装置30m,30gのインバー 制御による、モータ10m,10gの動作領域が、図 6に示す「バッテリ電圧での動作領域」から 昇圧時の動作領域」に戻り、ここでは十分 モータ電流が給電されるので、モータトル が所望値に復帰する。

 図7には、高速値への急加速(高負荷力行) 低速値への急減速(高負荷回生)を短周期で り返したときの、リアクトル温度RTと、コン バータ回路1の動作モードの変化を示す。リ クトル温度RTがTh以上に上昇したときの昇圧 止によりリアクトル温度RTが低下し、Tn以下 に低下したときの昇圧の開始により、急加速 /急減速を開始して数十分が経過するまで、 アクトル温度RTはTh程度以下にとどまった。 かし数十分が経過した時点でリアクトル温 RTがTaに急上昇し、システムシャットダウン が働き、リアクトル温度RTは、その後使用不 となる熱破壊温度より低い温度で低下に転 、シャットダウンから数十秒後には、昇圧 可領域(Tn以下)に低下した。図7に示すよう 、Tn<Th<Taである。

 この実験によれば、システムシャットダ ンから数分経過後に、図示しない車両走行 御システムのメインコントローラがモータ 御装置30m,30gにモータ駆動スタート指示を与 えると、前述のモータ駆動制御MDCおよびコン バータ制御CDCが開始される。なお、図7上に 、「昇圧比下げのなまし」および「昇圧比 げのなまし」の各期間を、広く示している 、本実施例では、いずれも数百msecの短期間 ある。

 -第2実施例-
 第2実施例のハードウエアは上述の第1実施 と同様であり、また、モータ制御装置30m,30g モータ駆動制御の内容も、第1実施例と同様 である。第2実施例のコンバータ制御装置30v コンバータ制御CDCの内容も、大筋は第1実施 のもの(図4)と同様であるが、第2実施例のコ ンバータ制御CDCの中の「昇圧比下げのなまし 処理」(32)および「昇圧比上げのなまし処理 (39)の内容が、第1実施例のものと異なる。

 図8の(a)および(b)に、第2実施例の「昇圧 下げのなまし処理」(32)および「昇圧比上げ なまし処理」(39)の内容を示す。図8の(a)に す第2実施例の「昇圧比下げのなまし処理」( 32)では、まずなまし処理開始時点の2次電圧Vu cと2次目標電圧Vuc*から、2次電圧Vucを2次目標 圧Vuc*とするための昇圧用のPWMパルスPvfと降 圧用のPWMパルスPvrのデューティPvf,Pvrを算出 (51D,52D)、昇圧用のPWMパルスPvfの昇圧デュー ィPvfを、なまし目標デューティPvfsの初期値 し、降圧用のPWMパルスPvrの降圧デューティP vrを、なまし目標デューティPvfrの初期値とす る(53D)。そして、なまし目標デューティPvfsを 、dT周期でdPdfづつ順次に下げながらかつ同時 になまし目標デューティPvfrを、dT周期でdPdr つ順次に上げながら(54D,57D)、なまし目標デ ーティPvfsの昇圧用のPWMパルスPvfとなまし目 デューティPvrsの降圧用のPWMパルスPvrを生成 してドライブ回路20vに更新出力する(56D)。こ を、なまし目標デューティPvfsが昇圧なしの 値Pvfo(Vuc=バッテリ電圧Vdcとなる値)になるま 継続する。なまし目標デューティPvfsが昇圧 しの値Pvfo以下になると、昇圧用のPWMパルス Pvfおよび降圧用のPWMパルスPvrのデューティを 昇圧なしの値PvfoおよびPvroにして(58D,59D)、「 圧比下げのなまし処理」を終了する(59Dから リターン)。すなわち、図4のステップ33に進 。このなまし処理により、PWMパルスPvf,Pvrの 化が緩やかで、昇圧比の低下すなわち2次電 圧Vucの低下が緩やかで、モータトルクの変化 が緩やかである。これによりトルクショック (モータ出力トルクの急減)を生じない。

 図8の(b)に示す第2実施例の「昇圧比上げ なまし処理」(39)では、なまし処理開始時点 2次電圧Vucと2次目標電圧Vuc*から、2次電圧Vuc を2次目標電圧Vuc*とするための昇圧用のPWMパ スPvfと降圧用のPWMパルスPvrのデューティPvf, Pvrを算出する(51U,52U)。算出した昇圧デューテ ィPvfおよび降圧デューティを終了目標値Pvfe よびPvreとする。そして、昇圧なしのデュー ィPvfoおよびPvroを、なまし目標デューティPv fsおよびPvrsの初期値として(53U)、なまし目標 ューティPvfsを、dT周期でdPdfづつ順次に上げ ながらかつ同時になまし目標デューティPvfr 、dT周期でdPdrづつ順次に下げながら(54U,57U) なまし目標デューティPvfsの昇圧用のPWMパル Pvfとなまし目標デューティPvrsの降圧用のPWM パルスPvrを生成してドライブ回路20vに更新出 力する(56U)。これを、なまし目標デューティP vfsが終了目標値Pvfe(Vuc=Vuc*となる値)になるま 継続する。なまし目標デューティPvfsが2次 標電圧Vuc*相当値Pvfe以上になると、昇圧用の PWMパルスPvfおよび降圧用のPWMパルスPvrのデュ ーティを2次目標電圧Vuc*相当値PvfeおよびPvre して(58U,59U)、「昇圧比上げのなまし処理」 終了する(59Uからリターン)。すなわち、図4 ステップ40に進む。このなまし処理により、 PWMパルスPvf,Pvrの変化が緩やかで、昇圧比の 昇すなわち2次電圧Vucの上昇が緩やかで、モ タトルクの変化が緩やかである。これによ トルクショック(モータ出力トルクの急減) 生じない。第2実施例のその他の機能および 作は、第1実施例と同様である。




 
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