NODA KIMINORI (JP)
YAMAGUCHI MASAYOSHI (JP)
UEHARA HIROSHI (JP)
NODA KIMINORI (JP)
YAMAGUCHI MASAYOSHI (JP)
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示差走査熱量計(DSC)で測定される融点が120~170℃であるプロピレン系重合体(A)を15~99質量%、示差走査熱量計(DSC)で測定される融点が120℃未満、または融点が観測されないプロピレン系重合体(B)を1~85質量%含むプロピレン系樹脂(ここで、成分(A)および成分(B)の合計量は100質量%である。)を100質量部、 架橋助剤(C)を0.1~5質量部 含むプロピレン系樹脂組成物に、電離性放射線を照射して架橋して得られる架橋体。 |
前記プロピレン系樹脂組成物が、前記プロピレン系樹脂100質量部に対して、さらに無機充填剤(D)を30~300質量部含む請求項1に記載の架橋体。 |
前記無機充填剤(D)が、金属水酸化物、金属炭酸塩および金属酸化物から選ばれる少なくとも1種である請求項2に記載の架橋体。 |
前記架橋助剤(C)が、トリアリルシアヌレートまたはトリアリルイソシアヌレートである請求項1~3の何れかに記載の架橋体。 |
前記プロピレン系重合体(A)が、プロピレン由来の構成単位を50~100モル%、プロピレン以外の炭素原子数2~20のα-オレフィン由来の構成単位を0~50モル%含み(ここで、プロピレン由来の構成単位と、プロピレン以外の炭素原子数2~20のα-オレフィン由来の構成単位との合計は100モル%である。)、 前記プロピレン系重合体(B)が、プロピレン由来の構成単位を40~100モル%、プロピレン以外の炭素原子数2~20のα-オレフィン由来の構成単位を0~60モル%含む(ここで、プロピレン由来の構成単位と、プロピレン以外の炭素原子数2~20のα-オレフィン由来の構成単位との合計は100モル%である。) 請求項1~3の何れかに記載の架橋体。 |
請求項1~3の何れかに記載のプロピレン系樹脂組成物を成形して成形物を製造する工程、および該成形物に電離性放射線を照射して架橋する工程を含む架橋体の製造方法。 |
請求項1~3の何れかに記載の架橋体からなる架橋成形体。 |
電線の絶縁体または電線シースである請求項7に記載の架橋成形体。 |
本発明は、架橋助剤を含むプロピレン系 脂組成物に電離性放射線を照射して得られ 架橋体および該架橋体の製造方法、ならび 該架橋体からなる架橋成形体に関する。
プロピレン系重合体は、エチレン系重合 (エチレン系エラストマー)よりも耐熱性、 械強度、耐傷付き性に優れた材料であり、 の成形体は幅広い用途に用いられている。 えば、プロピレン系重合体と無機充填剤、 に難燃剤とからなる成形体としては、耐傷 き性が要求される電線またはワイヤーハー スが知られている。また、一般のポリプロ レンと無機充填剤とから得られる成形体も 機械強度に優れている。
しかしながら、上述の成形体は、上記特 を有する反面、柔軟性に劣っている。この 題に対して、特許文献1には、ポリプロピレ ン系樹脂および無機系難燃剤からなる難燃性 ポリプロピレン系樹脂組成物が開示されてい るが、該樹脂組成物から得られる成形体は、 耐熱性が充分ではないという問題がある。
また、特許文献2には、ポリマー成分とし てプロピレン-エチレンブロックコポリマー よびポリオレフィン-ゴム熱可塑性エラスト ー、ならびに金属水酸化物を含有する難燃 樹脂組成物が開示されている。しかしなが 、前記難燃性樹脂組成物から得られる成形 は、耐摩耗性および耐熱性が充分ではない いう問題がある。
さらに、プロピレン系重合体は架橋するこ
が困難であるという問題がある。このため
高い耐熱性などの特性が必要とされる用途
は、過酸化物やシランあるいは電子線など
より架橋しやすいエチレン系重合体から得
れる架橋成形体や、エチレン系重合体と無
充填剤とから得られる架橋成形体が用いら
ている。しかしながら、前述の架橋成形体
、耐傷付き性に劣るという問題があり、耐
性および耐傷付き性が共に優れた架橋成形
は、未だに得られていない。
本発明の目的は、プロピレン系重合体を む樹脂組成物に、電離性放射線を照射して られる、耐熱性および耐傷付き性に優れた 橋体を提供することにある。また、本発明 目的は、前記架橋体からなる架橋成形体、 よび該架橋成形体を用いた電線の絶縁体ま は電線シースを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するべく 意研究を重ねた結果、特定のプロピレン系 合体と架橋助剤とを含むプロピレン系樹脂 成物に、電離性放射線を照射して架橋する とで、従来のポリプロピレンよりも、耐熱 に優れたプロピレン系樹脂組成物の架橋体 得られることを見出し、本発明を完成する 至った。
すなわち、本発明は以下の[1]~[8]に関する 。
[1]示差走査熱量計(DSC)で測定される融点 120~170℃であるプロピレン系重合体(A)を15~99 量%、示差走査熱量計(DSC)で測定される融点 120℃未満、または融点が観測されないプロ レン系重合体(B)を1~85質量%含むプロピレン系 樹脂(ここで、成分(A)および成分(B)の合計量 100質量%である。)を100質量部、架橋助剤(C)を 0.1~5質量部含むプロピレン系樹脂組成物に、 離性放射線を照射して架橋して得られる架 体。
[2]前記プロピレン系樹脂組成物が、前記 ロピレン系樹脂100質量部に対して、さらに 機充填剤(D)を30~300質量部含む前記[1]に記載 架橋体。
[3]前記無機充填剤(D)が、金属水酸化物、 属炭酸塩および金属酸化物から選ばれる少 くとも1種である前記[2]に記載の架橋体。
[4]前記架橋助剤(C)が、トリアリルシアヌ ートまたはトリアリルイソシアヌレートで る前記[1]~[3]の何れかに記載の架橋体。
[5]前記プロピレン系重合体(A)が、プロピ ン由来の構成単位を50~100モル%、プロピレン 以外の炭素原子数2~20のα-オレフィン由来の 成単位を0~50モル%含み(ここで、プロピレン 来の構成単位と、プロピレン以外の炭素原 数2~20のα-オレフィン由来の構成単位との合 は100モル%である。)、前記プロピレン系重 体(B)が、プロピレン由来の構成単位を40~100 ル%、プロピレン以外の炭素原子数2~20のα-オ レフィン由来の構成単位を0~60モル%含む(ここ で、プロピレン由来の構成単位と、プロピレ ン以外の炭素原子数2~20のα-オレフィン由来 構成単位との合計は100モル%である。)前記[1] ~[3]の何れかに記載の架橋体。
[6]前記[1]~[3]の何れかに記載のプロピレン 系樹脂組成物を成形して成形物を製造する工 程、および該成形物に電離性放射線を照射し て架橋する工程を含む架橋体の製造方法。
[7]前記[1]~[3]の何れかに記載の架橋体から なる架橋成形体。
[8]電線の絶縁体または電線シースである 記[7]に記載の架橋成形体。
本発明のプロピレン系樹脂組成物の架橋 および架橋成形体は、優れた耐傷付き性お び耐熱性を有する。さらに、前記プロピレ 系樹脂組成物が無機充填剤を含む場合には 難燃性に優れた架橋体および架橋成形体を ることができる。
以下、本発明の架橋体、該架橋体の製造 法、および該架橋体からなる架橋成形体に いて具体的に説明する。
〔架橋体〕
本発明の架橋体は、以下に説明するプロピ
ン系重合体(A)およびプロピレン系重合体(B)
らなるプロピレン系樹脂、ならびに架橋助
(C)を特定の割合で含むプロピレン系樹脂組
物に、電離性放射線を照射して架橋して得
れる。
<プロピレン系重合体(A)>
本発明で用いられるプロピレン系重合体(A)
しては、プロピレンの単独重合体、または
ロピレンとプロピレン以外の炭素原子数が2
~20のα-オレフィンの少なくとも1種との共重
体が挙げられる。ここで、プロピレン以外
炭素原子数2~20のα-オレフィンとは、エチレ
を含むプロピレン以外の炭素原子数2~20のα-
オレフィンである。
プロピレン以外の炭素原子数2~20のα-オレ フィンとしては、具体的には、エチレン、1- テン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1- ンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン 1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタ セン、1-エイコセンなどが挙げられるが、 チレンまたは炭素原子数4~10のα-オレフィン 好ましい。これらのα-オレフィンは、プロ レンとランダム共重合体を形成してもよく ブロック共重合体を形成してもよい。
プロピレン系重合体(A)の全構成単位中、 ロピレン由来の構成単位は、通常50~100モル% 、好ましくは50~95モル%、より好ましくは65~90 ル%、さらに好ましくは70~90モル%の割合で含 まれる。また、プロピレン系重合体(A)の全構 成単位中、上記α-オレフィン由来の構成単位 は、通常0~50モル%、好ましくは5~50モル%、よ 好ましくは10~35モル%、さらに好ましくは10~30 モル%の割合で含まれる。ここで、プロピレ 由来の構成単位と、上記α-オレフィン由来 構成単位との合計は100モル%であることが好 しい。
本発明で用いられるプロピレン系重合体( A)は、メルトフローレート(MFR;ASTM D1238、温度 230℃、荷重2.16kg)が、通常0.01~1000g/10分、好ま くは0.05~100g/10分、より好ましくは0.1~50g/10分 の範囲にある。
本発明で用いられるプロピレン系重合体( A)は、示差走査熱量計(DSC)で測定される融点(T m)が、120℃以上、好ましくは120~170℃、より好 ましくは125~165℃の範囲にある。
本発明で用いられるプロピレン系重合体( A)は、アイソタクチック構造、シンジオタク ック構造のどちらを有してもよいが、耐熱 などの点でアイソタクチック構造を有する とが好ましい。
また、必要に応じて2種類以上のプロピレ ン系重合体(A)を併用することができ、例えば 、融点および剛性の異なる2種類以上のプロ レン系重合体(A)を併用することができる。
また、プロピレン系重合体(A)としては、 熱性に優れるホモポリプロピレン(通常プロ ピレン以外の共重合成分が3モル%以下である 知のホモポリプロピレン)、耐熱性と耐衝撃 性とのバランスに優れるブロックポリプロピ レン(通常3~30質量%のn-デカン溶出ゴム成分を する公知のブロックポリプロピレン)、また は柔軟性と透明性とのバランスに優れるラン ダムポリプロピレン(示差走査熱量計(DSC)で測 定される融解ピークが120℃以上、好ましくは 125℃~150℃の範囲にある公知のランダムポリ ロピレン)を、目的の物性を得るために選択 て用いてもよく、また、これらを併用して よい。
本発明で用いられるプロピレン系重合体( A)は、例えば、マグネシウム、チタン、ハロ ンおよび電子供与体を必須成分として含有 る固体触媒成分、有機アルミニウム化合物 よび電子供与体からなるチーグラー触媒系 またはメタロセン化合物を触媒の一成分と て含有するメタロセン触媒系を用いて、プ ピレンを単独重合、あるいはプロピレンと 記α-オレフィンとを共重合させて製造でき 。
<プロピレン系重合体(B)>
本発明で用いられるプロピレン系重合体(B)
しては、プロピレンの単独重合体、または
ロピレンとプロピレン以外の炭素原子数が2
~20のα-オレフィンの少なくとも1種との共重
体が挙げられる。ここで、プロピレン以外
炭素原子数が2~20のα-オレフィンとしては、
ロピレン系重合体(A)の場合と同様のα-オレ
ィンが挙げられ、好ましいα-オレフィンも
様である。これらのα-オレフィンは、プロ
レンとランダム共重合体を形成してもよく
ブロック共重合体を形成してもよい。
プロピレン系重合体(B)の全構成単位中、 ロピレン由来の構成単位は、通常40~100モル% 、好ましくは40~99モル%、より好ましくは40~92 ル%、さらに好ましくは50~90モル%の割合で含 まれ、コモノマーとして用いられるプロピレ ン以外の炭素原子数2~20のα-オレフィン由来 構成単位は、通常0~60モル%、好ましくは1~60 ル%、より好ましくは8~60モル%、さらに好ま くは10~50モル%の割合で含まれる。ここで、 ロピレン由来の構成単位と、プロピレン以 の炭素原子数2~20のα-オレフィン由来の構成 位との合計は100モル%であることが好ましい 。
本発明で用いられるプロピレン系重合体( B)は、メルトフローレート(MFR;ASTM D1238、温度 230℃、荷重2.16kg)が、通常0.1~50g/10分の範囲に る。
本発明で用いられるプロピレン系重合体( B)は、示差走査熱量分析(DSC)で測定される融 (Tm)が、120℃未満であるか、または融点が観 されず、好ましくは、融点が100℃以下であ か、または融点が観測されない。ここで、 点が観測されないとは、-150~200℃の範囲に いて、結晶融解熱量が1J/g以上の結晶融解ピ クが観測されないことをいう。測定条件は 実施例記載のとおりである。
本発明で用いられるプロピレン系重合体( B)は、極限粘度[η]が、通常0.01~10dl/g、好まし は0.05~10dl/gの範囲にある。極限粘度[η]は、 ベローデ型粘度計を用いて、重合体試料を 解させた温度135℃のデカリン溶液の粘度を 定し、その測定値から求めることができる
プロピレン系重合体(B)は、 13 C-NMRで測定されるトリアドタクティシティ(mm 率)が好ましくは85%以上、より好ましくは85~ 97.5%、さらに好ましくは87~97%、特に好ましく 90~97%の範囲にある。トリアドタクティシテ (mm分率)がこの範囲にあると、特に柔軟性と 機械強度とのバランスに優れるため、本発明 に好適である。mm分率は、国際公開2004-087775 パンフレットの21頁7行目から26頁6行目まで 記載された方法を用いて測定することがで る。
プロピレン系重合体(B)の製造方法は特に 限されないが、オレフィンを、アイソタク ック構造またはシンジオタクチック構造で 体規則性重合できる公知の触媒、例えば、 体状チタン成分および有機金属化合物を主 分とする触媒、またはメタロセン化合物を 媒の一成分として用いたメタロセン触媒の 在下で、プロピレンを単独重合、あるいは ロピレンと上記α-オレフィンとを共重合さ て製造できる。また、オレフィンをアタク ック構造で重合することのできる公知の触 を用いて、プロピレンを単独重合、あるい 、プロピレンと上記α-オレフィンとを共重 させて製造できる。好ましくは、後述のよ に、メタロセン触媒の存在下、プロピレン プロピレン以外の炭素原子数2~20のα-オレフ ィンとを共重合させる製造できる。
上記のような特徴を有するプロピレン系 合体(B)の具体例としては、プロピレン・炭 原子数4~20のα-オレフィンランダム共重合体 (B-1)が挙げられる。以下に、本発明で好まし 用いられるプロピレン・炭素原子数4~20のα- オレフィンランダム共重合体(B-1)について詳 く説明する。
≪プロピレン・炭素原子数4~20のα-オレフィ
ンランダム共重合体(B-1)≫
本発明で好ましく用いられるプロピレン・
素原子数4~20のα-オレフィンランダム共重合
体(B-1)は、プロピレン由来の構成単位、およ
炭素原子数4~20のα-オレフィン由来の構成単
位を含むランダム共重合体であり、下記(a)お
よび(b)を満たす。
(a)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(GPC)によって測定される分子量分布(Mw/Mn)が1~3
である。
(b)融点(Tm)(℃)と、 13
C-NMRスペクトル測定によって求められる炭素
子数4~20のα-オレフィン由来の構成単位の含
有量M(モル%)とが、以下の関係式(1)を満たす
146exp(-0.022M)≧Tm≧125exp(-0.032M) (1)
プロピレン・炭素原子数4~20のα-オレフィン
ランダム共重合体(B-1)の融点(Tm)は、DSCにより
以下のように測定される。すなわち、試料を
アルミパンに詰め、100℃/分で200℃まで昇温
て200℃で5分間保持した後、10℃/分で-150℃ま
で降温し、次いで10℃/分で200℃まで昇温する
際に観察される吸熱ピークの温度が、融点(Tm
)である。この融点(Tm)は、通常120℃未満、好
しくは100℃以下、より好ましくは40~95℃の
囲、さらに好ましくは50~90℃の範囲にある。
融点(Tm)が前記範囲にあれば、特に柔軟性と
械強度とのバランスに優れた架橋成形体が
られる。また、架橋成形体表面のべたつき
抑えられるため、上記プロピレン系組成物
ら得られる本発明の架橋成形体は施工がし
すいという利点を有する。
プロピレン・炭素原子数4~20のα-オレフィン
ランダム共重合体(B-1)においては、さらに
(c)X線回折で測定した結晶化度が、好ましく
40%以下、より好ましくは35%以下である。
プロピレン・炭素原子数4~20のα-オレフィ ンランダム共重合体(B-1)において、プロピレ 由来の構成単位の含有量は、好ましくは50~9 5モル%、さらに好ましくは65~80モル%、炭素原 数4~20のα-オレフィン由来の構成単位の含有 量は、好ましくは5~50モル%、より好ましくは2 0~35モル%である。炭素原子数4~20のα-オレフィ ンとしては、特に1-ブテンが好ましく用いら る。ここで、プロピレン由来の構成単位と 上記α-オレフィン由来の構成単位との合計 100モル%であることが好ましい。
このようなプロピレン・炭素原子数4~20の α-オレフィンランダム共重合体は、例えば、 国際公開2004-087775号パンフレットに記載され いる方法などによって得られる。
<架橋助剤(C)>
本発明で用いられる架橋助剤(C)としては、
体的には、硫黄、p-キノンジオキシム、p,p'-
ジベンゾイルキノンジオキシム、N-メチル-N-4
-ジニトロソアニリン、ニトロソベンゼン、
フェニルグアニジン、トリメチロールプロ
ン-N,N’-m-フェニレンジマレイミド、ジビニ
ベンゼン、トリアリルシアヌレート(TAC)、
リアリルイソシアヌレート(TAIC)が好ましい
また、エチレングリコールジメタクリレー
、ジエチレングリコールジメタクリレート
ポリエチレングリコールジメタクリレート
トリメチロールプロパントリメタクリレー
、アリルメタクリレートなどの多官能性メ
クリレートモノマー;ビニルブチラート、ビ
ルステアレートなどの多官能性ビニルモノ
ーなどが挙げられる。これらの中では、ト
アリルシアヌレート(TAC)、トリアリルイソ
アヌレート(TAIC)が好ましい。
本発明における架橋助剤(C)の配合量は、 記プロピレン系樹脂100質量部に対して、0.1~ 5質量部、好ましくは0.5~5質量部、さらに好ま しくは0.5~4質量部である。架橋助剤(C)の配合 が前記範囲にあると、架橋性への効果が高 、耐傷付き性および耐熱性に優れる架橋体 製造することができる。
<無機充填剤(D)>
本発明で用いられるプロピレン系樹脂組成
には、任意成分として、さらに無機充填剤(
D)が含まれていてもよい。
本発明で用いられる無機充填剤(D)として 、特に制限はなく、例えば、金属水酸化物 金属炭酸塩(炭酸化物)、金属酸化物などの 属化合物;ガラス、セラミック、タルク、マ カなどの無機化合物などが幅広く用いられ 。これらの中では、金属水酸化物、金属炭 塩(炭酸化物)、金属酸化物が好ましく用い れる。特に、水酸化マグネシウムが好まし 。本発明において、無機充填剤(D)は、1種単 で用いてもよく、2種以上を併用してもよい 。
無機充填剤(D)の平均粒子径は、通常0.1~20 m、好ましくは0.5~15μmである。ここで、平均 子径はレーザー法により求めた値である。
また、本発明で使用される無機充填剤(D) 、ステアリン酸、オレイン酸などの脂肪酸; 有機シランなどにより表面処理されたもので あってもよく、上記平均粒子径を有する微粒 子が凝集体を形成したものであってもよい。
本発明における無機充填剤(D)の配合量は プロピレン系樹脂100質量部に対して、通常3 0~300質量部、好ましくは30~280質量部、さらに ましくは40~250質量部である。無機充填剤(D) 配合量が前記範囲にあると、耐傷付き性お び難燃性に優れた架橋体を得ることができ 。
<プロピレン系樹脂組成物の組成割合>
本発明の架橋体は、プロピレン系重合体(A)
15~99質量%、プロピレン系重合体(B)を1~85質量
%含むプロピレン系樹脂(ここで、プロピレン
重合体(A)およびプロピレン系重合体(B)の合
量は100質量%である。)を100質量部、架橋助
(C)を0.1~5質量部含むプロピレン系樹脂組成物
に、電離性放射線を照射して架橋して得られ
る。プロピレン系重合体(A)およびプロピレン
系重合体(B)の含有量が前記範囲にあると、機
械強度、耐熱性および耐傷付き性に優れた架
橋体を得ることができる。
≪プロピレン系重合体(B)として、プロピレ
・炭素原子数4~20のα-オレフィンランダム共
重合体(B-1)を用いる場合≫
プロピレン系重合体(B)として、プロピレン
炭素原子数4~20のα-オレフィンランダム共重
合体(B-1)を用いる場合には、上記プロピレン
樹脂は、プロピレン系重合体(A)を15~99質量%
好ましくは30~99質量%、より好ましくは40~99
量%、さらに好ましくは50~99質量%、特に好ま
くは50~98質量%;プロピレン・炭素原子数4~20
α-オレフィンランダム共重合体(B-1)を1~85質
%、好ましくは1~70質量%、より好ましくは1~60
量%、さらに好ましくは1~50質量%、特に好ま
くは2~50質量%(ここで、成分(A)および成分(B-1
)の合計量は100質量%である。)含む。
また、上記プロピレン系樹脂組成物は、 ロピレン系重合体(A)およびプロピレン・炭 原子数4~20のα-オレフィンランダム共重合体 (B-1)の合計100質量部、すなわち上記プロピレ 系樹脂100質量部に対して、架橋助剤(C)を0.1~ 5質量部、好ましくは0.5~5質量部、さらに好ま しくは0.5~4質量部含む。
≪無機充填剤(D)、およびプロピレン系重合
(B)として、プロピレン・炭素原子数4~20のα-
オレフィンランダム共重合体(B-1)を用いる場
≫
無機充填剤(D)を用いる場合であって、かつ
ロピレン・炭素原子数4~20のα-オレフィンラ
ンダム共重合体(B-1)を用いる場合には、上記
ロピレン系樹脂は、プロピレン系重合体(A)
15~99質量%、好ましくは30~99質量%、より好ま
くは40~99質量%、さらに好ましくは50~99質量%
特に好ましくは50~98質量%;プロピレン・炭素
原子数4~20のα-オレフィンランダム共重合体(B
-1)を1~85質量%、好ましくは1~70質量%、より好
しくは1~60質量%、さらに好ましくは1~50質量%
特に好ましくは2~50質量%(ここで、成分(A)お
び成分(B-1)の合計量は100質量%である。)含む
。
また、上記プロピレン系樹脂組成物は、 ロピレン系重合体(A)およびプロピレン・炭 原子数4~20のα-オレフィンランダム共重合体 (B-1)の合計100質量部、すなわち上記プロピレ 系樹脂100質量部に対して、架橋助剤(C)を0.1~ 5質量部、好ましくは0.5~5質量部、さらに好ま しくは0.5~4質量部、ならびにプロピレン系重 体(A)およびプロピレン・炭素原子数4~20のα- オレフィンランダム共重合体(B-1)の合計100質 部、すなわち上記プロピレン系樹脂100質量 に対して、無機充填剤(D)を30~300質量部、好 しくは30~280質量部、より好ましくは40~250質 部、さらに好ましくは50~250質量部、特に好 しくは60~250質量部含む。
また、上記プロピレン系樹脂組成物には 本発明の目的を損なわない範囲で、必要に じて、上記成分(A)、(B)、(C)および(D)以外の の成分として、他の合成樹脂、他のゴム;酸 化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、スリッ プ剤、アンチブロッキング剤、結晶核剤、顔 料、塩酸吸収剤、銅害防止剤などの添加物な どが含まれていてもよい。
上記の他の合成樹脂、他のゴム、添加物 どの配合量は、本発明の目的を損なわない 囲であれば特に限定されないが、例えば、 ロピレン系樹脂組成物100質量%(但し、架橋 剤(C)および無機充填剤(D)を除く。)に対して プロピレン系重合体(A)およびプロピレン系 合体(B)の合計、すなわち上記プロピレン系 脂が、60~100質量%となるように含まれる態様 が好ましく、80~100質量%となるように含まれ 態様がより好ましい。残部は、架橋助剤(C) 無機充填材(D)を除いた、上記の他の合成樹 、他のゴム、添加物などである。
<架橋>
上記プロピレン系樹脂組成物に電離性放射
を照射して架橋して得られる架橋体の製造
法としては特に制限なく、公知の方法を利
することができる。例えば、(i)プロピレン
重合体(A)、プロピレン系重合体(B)、架橋助
(C)および必要に応じて配合される上述の他
成分、または(ii)プロピレン系重合体(A)、プ
ロピレン系重合体(B)、架橋助剤(C)、無機充填
剤(D)および必要に応じて配合される上述の他
の成分を、押出機、ニーダーなどを用いて機
械的にブレンドした後、電離性放射線を所定
量照射する方法が挙げられる。
具体的には、本発明の架橋体の製造方法 、従来公知の溶融成形法などを用いて、上 プロピレン系樹脂組成物を種々の形状に成 して成形物を製造する工程、および該成形 に電離性放射線を照射して架橋する工程を む。このようにして、上記の本発明の架橋 を得ることができる。
従来公知の溶融成形法としては、例えば 押出成形、回転成形、カレンダー成形、射 成形、圧縮成形、トランスファー成形、粉 成形、ブロー成形、真空成形などが挙げら る。
また、上記電離性放射線としては、α線 β線、γ線、電子線、中性子線、X線などが用 いられる。これらの中ではコバルト-60のγ線 電子線が好ましく、特に電子線が好ましく いられる。また、電離性放射線の照射量は その種類にもよるが、例えば電子線を用い 場合、通常10~300kGy、好ましくは20~250kGyであ 。
<架橋体の物性>
本発明の架橋体は、無機充填剤(D)を配合し
い場合においては、加熱変形率が15%以下で
ることが好ましく、10%以下であることがよ
好ましい。また、耐傷付き性の評価基準で
る損失摩耗量が1.2mg以下であることが好ま
い。
また、本発明の架橋体は、無機充填剤(D) 配合する場合においては、加熱変形率が18% 下であることが好ましく、耐傷付き性の評 基準である損失摩耗量が1.0mg以下であるこ が好ましい。
加熱変形率は、ASTM D2240に準拠して、プ ス成形機により厚さ2mmのシートを作製し、 のシートを用いてJIS C3005に準拠して、温度1 80℃、荷重1.1kgで測定することができる。
また、耐傷付き性の評価基準である損失 耗量は、以下のようにして求めることがで る。スクレープ摩耗試験機(安田精機製作所 製)を用いて、重さ700gの重りを載せたSUS製の 耗圧子の先端に装着した、先端の形状が0.45 mmφのピアノ線により、プレス成形機で作製 た長さ40mm、幅1/4インチ、厚さ3mmの試験片の 面を擦って磨耗させる。前記の試験条件は 室温下、往復回数1000回、往復速度60回/分、 ストローク10mmである。このようにして摩耗 後の試験片の質量を測定し、その差を損失 耗量として求めることができる。なお、損 磨耗量の値が小さいほど耐傷付き性に優れ 。
〔架橋成形体〕
本発明の架橋成形体は、上記プロピレン系
脂組成物に電離性放射線を照射して架橋し
得られる架橋体からなる。前記架橋成形体
、他の材料からなる成形体との複合体、例
ば積層体などを形成してもよい。
上記架橋成形体は、例えば、電線の絶縁 または電線シースなどの被覆層;シート、日 用品、建材、雑貨、壁紙、ガスケット・表皮 材などの産業材;自動車部品、車両用内装材; 底やサンダルなどの履物;土木資材の用途に 好適に使用できる。一例として、前記電線の 絶縁体または電線シースなどの被覆層として 使用する場合は、従来公知の方法、例えば押 出成形などの方法により、導体の周囲に上記 プロピレン系樹脂組成物からなる被覆層を形 成した後に、電子線を照射して架橋すること により、電線の絶縁体または電線シースを得 ることができる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに 体的に説明するが、本発明はこれらの実施 に限定されるものではない。
<プロピレン系重合体(A)>
プロピレン系重合体(A)として、以下に記載
アイソタクチックブロックポリプロピレン:
b-PPを使用した。
プロピレン・エチレンブロック共重合体・・
・融点(Tm):160℃、MFR(温度230℃、荷重2.16kg):0.5g
/10分、エチレン由来の構成単位の含有量:14.3
ル%、n-デカン可溶分量;12質量%。
<プロピレン系重合体(B)>
プロピレン系重合体(B)として、以下に記載
プロピレン・1-ブテン共重合体(B-1):PBRを使
した。
プロピレン・1-ブテン共重合体・・・融点(Tm)
:75℃、MFR=7g/10分、1-ブテン由来の構成単位の
有量:26モル%、分子量分布(Mw/Mn):2.1、結晶化
(WAXD法);28%。
<架橋助剤(C)>
架橋助剤(C)として、トリアリルイソシアヌ
ート(TAIC)を使用した。
<無機充填剤(D)>
無機充填剤(D)として、水酸化マグネシウム(
Mg(OH) 2
、商品名:キスマ5B、協和化学(株)製)を使用し
た。
<エチレン系重合体(E)>
直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)(密度:923kg/m
3
、MFR(温度190℃、荷重2.16kg):2.0)を使用した。
<パーオキサイド(F)>
パーオキサイド(F)として、ジクミルパーオ
サイド(化薬アクゾ(株)製)(以下、「DCP」と
いう)を使用した。
<各成分の物性値の測定方法>
上記各成分の物性値は、以下のように測定
た。
(1)コモノマー(エチレン、1-ブテン)由来の構
成単位の含有量
13
C-NMRスペクトルの解析により求めた。
(2)メルトフローレート(MFR)
ASTM D1238に準拠して、温度230℃、2.16kg荷重
で測定した。
(3)融点(Tm)
示差走査熱量計(DSC)を用いて発熱・吸熱曲
を求め、昇温時のδHが1J/g以上の融解ピーク
頂点の位置の温度を融点(Tm)とした。
測定は、試料をアルミパンに詰め、100℃/ 分で200℃まで昇温して200℃で5分間保持した 、10℃/分で-150℃まで降温し、次いで10℃/分 200℃まで昇温する際の発熱・吸熱曲線より めた。
(4)分子量分布(Mw/Mn)
ポリスチレン換算によるGPC(ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー)によって、オル
ジクロロベンゼン溶媒を用いて、140℃で測
した。
(5)結晶化度
測定装置としてRINT2500(リガク社製)を用い、
X線源としてCuKαを用いて測定した広角X線プ
ファイルの解析により求めた。
<架橋体の評価項目>
(1)破断点強度(TS)、および破断点伸び(EL)
ASTM D2240に準拠して、プレス成形機により
さ2mmのプレスシートを作製し、このシート
用いてJIS K7113-2に準拠して、破断点強度(TS)
および破断点伸び(EL)を測定した。
(2)加熱変形率
ASTM D2240に準拠して、プレス成形機により
さ2mmのプレスシートを作製し、このシート
用いてJIS C3005に準拠して、温度180℃、荷重1
.1kgでの加熱変形率を測定した。
(3)耐傷付き性
スクレープ摩耗試験機(安田精機製作所製)
用いて、重さ700gの重りをのせたSUS製の摩耗
子の先端に装着した、先端の形状が0.45mmφ
ピアノ線により、プレス成形機で作製した
さ40mm、幅1/4インチ、厚さ3mmの試験片の表面
擦って摩耗させた際の、摩耗前後の試験片
質量を測定し、その差を損失摩耗量として
めた。なお、試験条件は、室温下、往復回
1000回、往復速度60回/分、ストローク10mmで
る。
[実施例1]
表1に記載の配合量で各原料樹脂成分をラボ
プラストミル(東洋精機(株)製)を用いて混練
た。次いで、プレス成形機によって、これ
厚さ2mmのシートに成形した(加熱:190℃、7分
冷却:15℃、4分、冷却速度約:40℃/分)。次い
、このシートに空気中で、加速電圧2000kV、
子線量100kGyの条件で電子線照射を行い、架
体を作製した。
次いで、破断点強度、破断点伸び、加熱 形率および耐傷付き性を評価した。評価結 を表1に示す。
[比較例1]
電子線照射による架橋を行わない以外は、
施例1と同様にして表1に記載の配合量から
る樹脂組成物を製造し、次いでシートを成
して物性評価を行った。評価結果を表1に示
。
[比較例2、比較例3]
プロピレン系重合体(B)として、プロピレン
1-ブテン共重合体を使用しない、すなわち
脂成分としてプロピレン系重合体(A)である
イソタクチックブロックポリプロピレンの
を使用した以外は、実施例1と同様にして表1
に記載の配合量からなる樹脂組成物を製造し
、次いでシートを成形して、比較例2は電子
照射を行い、比較例3は電子線照射を行うこ
なく物性評価を行った。評価結果を表1に示
す。
[比較例4]
表1に記載の配合量からなる樹脂組成物を、
温度120℃に設定した2本のロールで混練して
造し、次いでシートを成形した。その後、
度160℃に加熱したプレス成形機で30分間加熱
加圧し、パーオキサイド(F)による架橋体を得
た。評価結果を表1に示す。
表1において、「溶融」とはサンプルの耐 性が不足しているため、加熱変形率測定時 温度180℃で初期形状を維持せず、測定不能 あったことを示す。
本発明の架橋体は、樹脂成分としてプロ レン系重合体(A)であるアイソタクチックブ ックポリプロピレンのみを使用した架橋体 あるいはプロピレン系重合体(B)であるプロ レン・1-ブテン共重合体のみを使用した架 体と比較して、破断点強度および破断点伸 に優れ、また加熱変形率が小さいことから 熱性に優れることが明らかである。
[実施例2、比較例5]
表2に記載の配合量からなる樹脂組成物に変
更した以外は、実施例1と同様にして物性評
を行った。評価結果を表2に示す。
[比較例6]
プロピレン系重合体(A)およびプロピレン系
合体(B)に代えて、エチレン系重合体(E)を用
て、実施例1と同様にして表2に記載の配合
からなる樹脂組成物を製造し、次いでシー
を成形して物性評価を行った。評価結果を
2に示す。
[比較例7]
表2に記載の配合量からなる樹脂組成物を、
温度120℃に設定した2本のロールで混練して
造し、次いでシートを成形した。その後、
度160℃に加熱したプレス成形機で30分間加熱
加圧し、パーオキサイド(F)による架橋体を得
た。評価結果を表2に示す。
[比較例8、比較例9]
架橋助剤(C)を使用しなかった以外は、実施
1と同様にして表2に記載の配合量からなる
脂組成物を製造し、次いでシートを成形し
物性評価を行った。評価結果を表2に示す。
無機充填剤(D)(水酸化マグネシウム)を配 した樹脂組成物を架橋して得られた本発明 架橋体は、破断点強度および破断点伸びに れ、また加熱変形率が小さいことから耐熱 に優れることが明らかである。特に、プロ レン系重合体(A)およびプロピレン系重合体(B )に代えて、エチレン系重合体(E)を使用した 較例6と比較すると、その効果は顕著である
プロピレン系樹脂組成物に電離性放射線 照射して得られる本発明の架橋体は、電線 絶縁体、電線シース、日用品、建材、雑貨 壁紙、ガスケット・表皮材などの産業材、 動車部品、車両用内装材、靴底やサンダル どの履物、土木資材、発泡シート原反など 好適に使用することができる。
Next Patent: TRANSPARENT CONDUCTIVE FILM AND METHOD FOR PRODUCING TRANSPARENT CONDUCTIVE FILM