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Patent Searching and Data


Title:
TRANSPARENT CONDUCTIVE FILM AND METHOD FOR PRODUCING TRANSPARENT CONDUCTIVE FILM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/139880
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a transparent conductive film containing a single-walled carbon nanotube and a fullerene.

Inventors:
KITANO TAKAHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/057924
Publication Date:
November 20, 2008
Filing Date:
April 24, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KURARAY CO (JP)
KITANO TAKAHIRO (JP)
International Classes:
H01B5/14; B05D5/12; B05D7/24; B82B1/00; C09D5/24; H01B13/00; C01B31/02
Foreign References:
JP2005255985A2005-09-22
JP2003218361A2003-07-31
JP2001199715A2001-07-24
JP2006019239A2006-01-19
JP2007059360A2007-03-08
JP2002335004A2002-11-22
JP2005146259A2005-06-09
JP2005142088A2005-06-02
JP2007094442A2007-04-12
JP2004202948A2004-07-22
JP2005255985A2005-09-22
Other References:
See also references of EP 2154690A4
APPLIED SURFACE SCIENCE, vol. 252, 2005, pages 425 - 429
Attorney, Agent or Firm:
UDAKA, Katsuki (14 Kandasakumacho,1-chome, Chiyoda-k, Tokyo 25, JP)
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Claims:
 単層カーボンナノチューブ及びフラーレンを有する
ことを特徴とする透明導電膜。
 単層カーボンナノチューブとフラーレンとが同一層中に含まれる
ことを特徴とする請求項1の透明導電膜。
 単層カーボンナノチューブを含む層とフラーレンを含む層とが異なる層である
ことを特徴とする請求項1の透明導電膜。
 単層カーボンナノチューブを含む層の上にフラーレンを含む層が設けられてなる
ことを特徴とする請求項1又は請求項3の透明導電膜。
 単層カーボンナノチューブ100質量部に対してフラーレンが10~1000質量部である
ことを特徴とする請求項1~請求項4いずれかの透明導電膜。
 フラーレンは極性基を有する
ことを特徴とする請求項1~請求項5いずれかの透明導電膜。
 フラーレンはOH基を有する
ことを特徴とする請求項1~請求項6いずれかの透明導電膜。
 透明導電膜を80℃で14日間保持した後の表面抵抗値をR1(ω/□)、80℃で14日間保持前の表面抵抗値をR0(ω/□)とした場合、表面抵抗値の増加率[(R1-R0)/R0×100]が30以下である
ことを特徴とする請求項1~請求項7いずれかの透明導電膜。
 透明導電膜であって、
 前記透明導電膜を80℃で14日間保持した後の表面抵抗値をR1(ω/□)、80℃で14日間保持前の表面抵抗値をR0(ω/□)とした場合、表面抵抗値の増加率[(R1-R0)/R0×100]が30以下である
ことを特徴とする透明導電膜。
 単層カーボンナノチューブ及びフラーレンを含む塗料を塗布する工程を有する
ことを特徴とする透明導電膜の製造方法。
 単層カーボンナノチューブを含む塗料を塗布する単層カーボンナノチューブ含有塗料塗布工程と、
 フラーレンを含む塗料を塗布するフラーレン含有塗料塗布工程とを有する
ことを特徴とする透明導電膜の製造方法。
 請求項1~請求項11いずれかの透明導電膜の製造方法である
ことを特徴とする請求項10又は請求項11の透明導電膜の製造方法。
 
 
Description:
透明導電膜および透明導電膜の 造方法

 本発明は透明導電膜に関するものである

 近年、液晶ディスプレイに代表される薄 表示デバイスの市場拡大により、透明導電 の需要が急増している。尚、透明導電膜は 極として用いられる。又、抵抗膜方式のタ チパネルを構成する部材として用いられる 又、電磁波シールド膜として用いられる。 の他にも様々な用途で用いられている。こ 種の透明導電膜は、一般的には、InSn酸化物 (ITO)などの金属酸化物で出来ている。そして これらの透明導電膜はスパッタリング等の 式メッキの方法で作製されている。従って これらの方法による成膜には高温が必要で る。この為、耐熱性に乏しい樹脂基板の使 には制約が大きい。更には、成膜に真空雰 気を要する。この為、基板が大きくなるに って、巨大な成膜装置が必要となる。従っ 、成膜コストが高く付く。又、In等は希少 ことから、入手が困難である。この為、コ トも高い。

 このようなことから、ITOに代わる代替技 が提案されている。特に、湿式コーティン 、即ち、塗布技術が提案された。中でも、 ーボンナノチューブ塗膜が注目されている( 非特許文献1)。

 しかしながら、カーボンナノチューブを いた透明導電膜は、高温下で長時間放置す と、導電性が低下すると言う大きな問題点 認められた。

 この問題点、即ち、高温耐久性を改良す 方法として、カーボンナノチューブからな 導電膜上に保護層を設ける方法が提案され いる(特許文献1,2)。

 例えば、特許文献1にあっては、ポリカー ボネート、ポリアミド、ポリエチレンテレフ タレート、アクリル樹脂等の保護層を設ける ことが提案されている。

 特許文献2にあっては、ポリエチレン、ポリ プロピレン、ポリ塩化ビニル、スチレン樹脂 、ポリウレタン、ポリイミド、ポリカーボネ ート、ポリエチレンテレフタレート、セルロ ース、ゼラチン、キチン、ポリペプチド、多 糖類、ポリヌクレオチド、及びそれらの混合 物からなる群より選択される材料の保護層を 設けることが提案されている。

特開2004-202948号公報

特開2005-255985号公報 Applied Surface Science 252(2005)425-429

 しかしながら、上記特許文献の技術では 高温耐久性が十分なものでは無いことが判 て来た。

 従って、本発明が解決しようとする課題 、高温耐久性に優れた、即ち、高温下に放 されても、導電性・透明性が高い透明導電 を低廉なコストで提供することである。

 前記の課題は、
 単層カーボンナノチューブ及びフラーレン 有する
ことを特徴とする透明導電膜によって解決さ れる。

 例えば、単層カーボンナノチューブ及びフ ーレンを同一層中に含む
ことを特徴とする透明導電膜によって解決さ れる。

 又は、単層カーボンナノチューブを含む層 フラーレンを含む層とが別々に設けられて る
ことを特徴とする透明導電膜によって解決さ れる。

 例えば、単層カーボンナノチューブを含む の上にフラーレンを含む層が設けられてな
ことを特徴とする透明導電膜によって解決さ れる。

 又、上記の透明導電膜であって、単層カ ボンナノチューブ100質量部に対してフラー ンが10~1000質量部であることを特徴とする透 明導電膜によって解決される。

 又、上記の透明導電膜であって、フラー ンは極性基を有することを特徴とする透明 電膜によって解決される。

 又、上記の透明導電膜であって、フラー ンはOH基を有することを特徴とする透明導 膜によって解決される。

 又、上記の透明導電膜であって、基材と 層カーボンナノチューブを含む層との間に ードコート層が設けられてなることを特徴 する透明導電膜によって解決される。

 又、上記の透明導電膜であって、透明導 膜を80℃で14日間保持した後の表面抵抗値を R1(ω/□)、80℃で14日間保持前の表面抵抗値をR 0(ω/□)とした場合、表面抵抗値の増加率[(R1-R 0)/R0×100]が30以下であることを特徴とする透 導電膜によって解決される。

 又、透明導電膜を80℃で14日間保持した後の 表面抵抗値をR1(ω/□)、80℃で14日間保持前の 面抵抗値をR0(ω/□)とした場合、表面抵抗値 の増加率[(R1-R0)/R0×100]が30以下である
ことを特徴とする透明導電膜によって解決さ れる。

 又、前記の課題は、単層カーボンナノチュ ブ及びフラーレンを含む塗料を塗布する工 を有する
ことを特徴とする透明導電膜の製造方法によ って解決される。

 又、単層カーボンナノチューブを含む塗料 塗布する単層カーボンナノチューブ含有塗 塗布工程と、
 フラーレンを含む塗料を塗布するフラーレ 含有塗料塗布工程とを有する
ことを特徴とする透明導電膜の製造方法によ って解決される。

 本発明になる透明導電膜は、高温下に置 れていても、フラーレンの存在によって、 電性・透明性の性能が低下し難い。すなわ 、高温耐久性に優れている。

 更に、耐擦傷性に優れている。すなわち 単層カーボンナノチューブの膜中あるいは 上にフラーレンを存在させた場合、単層カ ボンナノチューブ間の凹凸が埋められるよ になる。この為、保護層を設けなくても、 滑性が向上する。そして、耐擦傷性に優れ ものになる。

 又、単層カーボンナノチューブとフラー ンとを含有する塗料は、フラーレンの存在 よって、単層カーボンナノチューブの分散 が良い。従って、高濃度な単層カーボンナ チューブを塗布して導電膜を構成する場合 その塗布作業性が良い。例えば、溶媒とし 水あるいはアルコール類が用いられても、 層カーボンナノチューブの分散性に優れて る。又、フラーレン(分散剤)が少量でも、 層カーボンナノチューブの分散性が非常に れている。この為、この塗料を塗布して出 た導電膜の透明性および導電性に優れてい 。

本発明の透明導電膜の概略図 本発明の透明導電膜の概略図

 本発明は透明導電膜である。この透明導 膜は、単層カーボンナノチューブ及びフラ レンを有する。この形態は、単層カーボン ノチューブとフラーレンとが同一層中に含 れる場合(図1参照)と、別々の層に含まれる 合(図2参照)とが有る。別々の層に含まれる 合は、単層カーボンナノチューブを含む層 上にフラーレンを含む層が設けられる。本 明で好ましいフラーレンは極性基(官能基) 持つフラーレンである。中でも、OH基を持つ フラーレンである。フラーレン量は、好まし くは、単層カーボンナノチューブ100質量部に 対して10~1000質量部である。特に、好ましく 、単層カーボンナノチューブ100質量部に対 て20~100質量部である。それは、フラーレン 多すぎると、透光率が低下する恐れが有る 逆に、少なすぎると、高温耐熱性が低下す 恐れが有るからによる。単層カーボンナノ ューブは、特に、湿式酸化処理されたもの ある。中でも、50%以上の硝酸、又は硝酸と 酸との混酸によって24時間以上還流させる湿 式酸化処理されたものである。そして、好ま しくは、アーク放電法によって得られた単層 カーボンナノチューブが用いられる。又、波 長532nmのレーザ照射で検出されるラマン強度 布特性において、ラマンシフトが1340±40カ ザである範囲にラマン散乱光の強度に第1の 収を有すると共に、ラマンシフトが1590±20 イザである範囲にラマン散乱光の強度に第2 吸収を有し、かつ、0<(前記第1の吸収の強 度)/(前記第2の吸収の強度)≦0.03の条件を満た す単層カーボンナノチューブが好ましく用い られる。又、単層カーボンナノチューブは、 バンドル状態で存在し、1.5μmを越えた長さの バンドルの数が1.5μm以下の長さのバンドルの 数よりも多いものが好ましい。或いは、バン ドル状態で存在し、前記バンドルの長さが単 一長のものでは無い所定の分布を有するもの であり、前記所定の分布はバンドルの長さ0.5 μm毎の度数分布における最頻値が1.5μmを越え たものであるものが好ましい。中でも、バン ドル状態で存在し、前記バンドルの長さが単 一長のものでは無い所定の分布を有するもの であり、前記所定の分布はバンドルの長さ0.5 μm毎の度数分布における最頻値が1.5μmを越え たものであると共に、1.5μmを越えた長さのバ ンドルの数が1.5μm以下の長さのバンドルの数 よりも多いものが好ましい。

 単層カーボンナノチューブとフラーレン が同一層(導電膜)中に含まれる場合(図1参照 )、この導電膜は、単層カーボンナノチュー とフラーレンと溶媒とを含む塗料(単層カー ンナノチューブ分散液)を塗布することで作 製される。単層カーボンナノチューブとフラ ーレンとの割合は、分散性能などの観点から 、単層カーボンナノチューブ100質量部に対し てフラーレンが、特に、10~1000質量部である そして、フラーレン濃度は、特に、1~100000ppm (好ましくは、10ppm以上、更には100ppm以上。100 00ppm以下、更には5000ppm以下。)である。単層 ーボンナノチューブ分散液は、溶媒として 各種のものが用いられる。但し、水、アル ール(特に、炭素数が7以下の脂肪族アルコー ル)、或いはこれ等の混合液が好ましい。特 、水を少なくとも含む溶媒が好ましい。そ て、溶媒はpHが7を越えたものが好ましい。 なわち、アルカリ性の溶媒が好ましい。単 カーボンナノチューブ分散液は、次のよう して作製される。すなわち、先ず、単層カ ボンナノチューブとフラーレンと溶媒とが 合される。この混合は、同時でも順次でも い。次いで、混合液に超音波を照射して分 させる。又、好ましくは、更に、長さ1.5μm 下のバンドルを形成している単層カーボン ノチューブを取り除く除去工程を有する。 、より透明性の高い導電膜を得る為、分散 を遠心分離(例えば、1000G以上で10000G以下(更 は、3000G以上。5000G以下)の条件で遠心分離) る。そして、上澄み液を回収する。

 単層カーボンナノチューブとフラーレン が別々の層に含まれる場合(図2参照)、各々 塗料を同時塗布(重層塗布)あるいは順次塗 することで作製される。尚、単層カーボン ノチューブやフラーレンに関しては上記技 思想が準用される。

 塗布には、スプレーコート、バーコート ロールコート、インクジェット法、スクリ ンコート等の各種の塗布方法を用いること 出来る。そして、塗布工程の後、塗膜中に まれる溶媒を乾燥させる工程が行なわれる 乾燥には、例えば加熱炉を用いることが出 る。又、遠赤外炉を用いることが出来る。 、超遠赤外炉を用いることが出来る。その にも、乾燥に使用される適宜な装置を用い ことが出来る。

 本発明で用いられるフラーレンは如何な フラーレンでも良い。例えば、C60,C70,C76,C78, C82,C84,C90,C96等が挙げられる。勿論、これ等の 複数種のフラーレンの混合物でも良い。尚、 導電膜の高温耐久性の観点から、C60が、特に 、好ましい。かつ、C60は入手し易い。更には 、単層カーボンナノチューブに対する分散能 力も高い。尚、C60のみでは無く、C60と他の種 類のフラーレン(例えば、C70)との混合物でも い。

 フラーレンは、その内部に、適宜、金属 子が内包されたものでも良い。

 フラーレンは、例えば水酸基(OH基)、カル ボキシル基、エポキシ基、エステル基、アミ ド基、スルホニル基、エーテル基などの官能 基(極性基)を持つフラーレンが好ましい。

 又、フェニル-C61-プロピル酸アルキルエ テル、フェニル-C61-ブチル酸アルキルエステ ルを持つフラーレンでも良い。又、水素化フ ラーレンでも良い。

 但し、上述した通り、OH基(水酸基)を持つ フラーレンが、特に、好ましい。それは、導 電膜の高温耐久性が優れているからである。 又、単層カーボンナノチューブの分散性が高 いからである。尚、水酸基の量が少ないと、 上記特長が低下する。逆に、多すぎると、合 成が困難である。従って、水酸基の量はフラ ーレン1分子当り5~30個が好ましい。特に、8~15 個が好ましい。

 ここで、フラーレンが単層カーボンナノ ューブの分散性を高める理由は次のような とであろうと考えている。フラーレンに含 れるベンゼン環とカーボンナノチューブの 壁を構成するグラフェンシートとは、π-π 互作用によって、物理的に吸着している。 して、フラーレンが、見掛け上、単層カー ンナノチューブの官能基として作用する。 の為、単層カーボンナノチューブの分散性 高くなったと考えている。尚、上記におい 、「見掛け上」と説明したのは、フラーレ と単層カーボンナノチューブとは、化学結 しておらず、物理的に結合(吸着)しているか らによる。そして、前記π-π相互作用が、従 提案の界面活性剤による作用に比べて大き 。すなわち、フラーレンが単層カーボンナ チューブに強く吸着していて、単層カーボ ナノチューブの分散性を高めている。

 さて、溶媒が極性基を持つ溶媒であれば 極性基を持つフラーレンを用いる方が好ま いことは理解される。なぜならば、極性基 持つフラーレンは、無極性溶媒よりも、極 溶媒(例えば、水やアルコール)に溶けやす からである。従って、単層カーボンナノチ ーブの分散性の観点からすると、上述の如 の極性基を持つフラーレンを用いることが ましい。

 ところで、単層カーボンナノチューブ分 液を塗料として用いる場合、環境負荷の低 や作業環境向上の観点から、溶媒には水(又 は/及びアルコール)を用いることは好ましい そして、このような溶媒を用いた場合、溶 とフラーレンとの相性から、フラーレンは 例えば水酸基(OH基)、カルボキシル基、エポ キシ基、エステル基、アミド基、スルホニル 基、エーテル基などの官能基(極性基)を持つ ラーレンであることが好ましい。特に、水 アルコールは、OH基を持つことから、OH基( 酸基)を持つフラーレンが、特に、好ましい

 フラーレンの濃度は1ppm~100000ppmが好まし 。特に、10ppm~10000ppmが好ましい。中でも、100 ppm~5000ppmが好ましい。それは、フラーレン濃 が高すぎると、液粘度が高くなり過ぎ、塗 が困難になるからである。逆に、低すぎる 、単層カーボンナノチューブの分散性向上 が大きく無いからである。

 本発明で用いられるカーボンナノチュー は、単層カーボンナノチューブである。そ 理由は、多層カーボンナノチューブや他の 知の炭素材料に比べて導電性が高いからで る。単層カーボンナノチューブは、湿式酸 されたものが好ましい。それは、溶媒に対 る分散性が向上するからである。湿式酸化 あれば格別な制限は無い。但し、塩酸、硝 、硫酸、燐酸などの無機酸、或いはこれら 混酸が好ましく用いられる。特に、50%以上 硝酸、或いは硝酸と硫酸の混酸を用いるの 好ましい。硝酸と硫酸との混酸を用いる場 、水、硝酸および硫酸の混酸水溶液全体に する体積比率をa(vol%),b(vol%),c(vol%)とすると 0.20≦{a/(a+b+c)}≦0.40,0.20≦{b/(b+c)}≦0.30を満た ものがより好ましい。湿式酸化の反応条件 ついても格別な制限は無い。但し、有効な 処理を施す為には、反応温度が85℃以上で ることが好ましい。反応時間は24時間以上、 更には48時間以上であることが好ましい。

 本発明で用いられる単層カーボンナノチ ーブは、如何なる手法で製造されたもので 良い。例えば、アーク放電法、レーザ蒸発 、化学気相蒸着法などで得られる。但し、 晶性の観点から、アーク放電法で得られた 層カーボンナノチューブが好ましい。そし 、アーク放電法は単層カーボンナノチュー を高収率で得ることが出来る。

 本発明で用いられる単層カーボンナノチ ーブは、純度の高いものが好ましい。純度 低いと透光率が低下するからである。純度 上げるには公知の方法を用いることが出来 。具体的には、乾式酸化により炭素微粒子 燃焼により除去した後、塩酸などの酸溶液 浸漬し、金属触媒を除去する方法が挙げら る。又、湿式酸化によりアモルファスカー ンを分解した後、ろ過により金属微粒子と 素微粒子を取り除く方法が挙げられる。本 明においては、後者の精製方法が好ましい 前者より純度が向上するからである。

 単層カーボンナノチューブの純度はラマン ペクトル測定によって確認できる。具体的 は、カーボンナノチューブを構成する主成 であるグラフェンシート由来の吸収強度と それ以外の炭素材料由来の吸収強度との比 よってカーボンナノチューブの純度を確認 きる。例えば、アーク放電によって作製さ た単層カーボンナノチューブを波長532nmの ーザを照射して測定した場合、ラマンシフ が1340±40カイザである範囲に、ラマン散乱光 の強度に第1の吸収を有する。又、ラマンシ トが1590±20カイザである範囲に、ラマン散乱 光の強度に第2の吸収を有する。ここで、第1 吸収は、グラフェンシート由来の吸収であ 。第2の吸収は、炭素原子のSP 3 軌道由来の吸収であると謂われている。そし て、第1の吸収強度に対して第2の吸収強度が さい方が、カーボンナノチューブの純度は い。

 そして、本発明における単層カーボンナノ ューブは次のような条件を満たすものであ ことが好ましい。すなわち、波長532nmのレ ザを照射して検出されるラマン強度分布特 において、ラマンシフトが1340±40カイザであ る範囲に、ラマン散乱光の強度に第1の吸収 有する。かつ、ラマンシフトが1590±20カイザ である範囲に、ラマン散乱光の強度に第2の 収を有する。前記第1の吸収の強度をID、前 第2の吸収の強度をIGとした場合、式(1)を満 したものが好ましい。特に、式(2)を満たし ものが好ましい。すなわち、ID/IGの値が0.03 下の場合は、純度が高く、透明性・導電性 共に優れたものであった。
  式(1)  0<ID/IG≦0.03
  式(2)  0<ID/IG≦0.02

 単層カーボンナノチューブは、分散液中( 更には、導電膜中)において、バンドルを形 していることが好ましい。本発明において バンドルとは、単層カーボンナノチューブ 、側壁同士のファンデアワールス力によっ 、複数本、重なり合っている状態(形状)を意 味する。尚、公知の方法で作成された単層カ ーボンナノチューブはバンドル状態で得られ 、このバンドルの長さは或る分布を持ってい る。しかしながら、次のような特徴を有する ものが特に好ましい。すなわち、単層カーボ ンナノチューブは、そのバンドルの長さに或 る分布があり、この分布に特徴が有る。例え ば、長さが1.5μmを越えたバンドルの数が、長 さが1.5μm以下のバンドルの数よりも多い。好 ましくは、長さが2.0μm以上のバンドルの数が 、長さが1.5μm以下のバンドルの数よりも多い 。更に好ましくは、長さが2.5μm以上のバンド ルの数が、長さが1.5μm以下のバンドルの数よ りも多い。或いは、バンドルの長さ0.5μm毎の 度数分布(度数分布表または度数分布図)にお る最頻値が1.5μmを越えたものである。好ま くはバンドルの長さの度数分布における最 値が2.0μmを越えたものである。更に好まし はバンドルの長さの度数分布における最頻 が2.5μmを越えたものである。そして、バン ルが上記特徴の分布を持つ場合、透明性・ 電性が共に優れたものであった。

 塗料を構成する為の溶媒は、一般の塗料 用いられる溶媒であれば良い。但し、沸点 200℃以下(好ましい下限値は25℃、更には30 )の溶媒が好ましい。低沸点溶剤が好ましい は、塗工後の乾燥が容易であるからによる 具体的には、水や、メタノール、エタノー 、ノルマルプロパノール、イソプロパノー などのアルコール化合物(特に、炭素数が7 下のアルコール、特に脂肪族アルコール)、 いはこれ等の混合物が好ましい。水を用い 場合、pHが7を越えたアルカリ性を示すもの 特に好ましい。それは、水酸基含有フラー ンの溶解性が高い。この為、より高濃度の 層カーボンナノチューブ分散液が得られる 他にも、例えばアセトン、メチルエチルケ ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキ ノン等のケトン系化合物を用いることも出 る。又、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブ ル、乳酸エチル、酢酸メトキシエチルなど エステル系化合物を用いることも出来る。 、ジエチルエーテル、エチレングリコール メチルエーテル、エチルセロソルブ、ブチ セロソルブ、フェニルセロソルブ、ジオキ ン等のエーテル系化合物を用いることも出 る。又、トルエン、キシレンなどの芳香族 合物を用いることも出来る。又、ペンタン ヘキサンなどの脂肪族化合物を用いること 出来る。又、塩化メチレン、クロロベンゼ 、クロロホルムなどのハロゲン系炭化水素 用いることも出来る。又、これらの混合物 用いることも出来る。

 単層カーボンナノチューブ分散液が塗布 れる基材は、格別な制限は無い。例えば、 ィスプレイ等で用いられる透明電極などの く、透明性の要求される用途では、透明な 材(フィルム或いはシート若しくは厚みが前 記フィルム・シートより厚い板など)が好ま い。例えば、アクリル樹脂、ポリエステル 脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン 脂、スチレン-アクリル酸共重合体、塩化ビ ル系樹脂、ポリオレフィン、ABS(アクリロニ トリル-ブタジエン-スチレン共重合体)、ビニ ルアルコール樹脂、シクロオレフィン系樹脂 、セルロース樹脂などを用いることが出来る 。その他にも、無機ガラスなどを用いること も出来る。但し、フレキシブルな特性に優れ ている有機樹脂製が好ましい。前記基材の表 面(導電層が設けられる側の表面および/また 導電層が設けられる側とは反対側の裏面)に は、必要に応じて、ハードコート層、防汚層 、防眩層、反射防止層、粘着層、着色層など が設けられる(積層される)。基材の厚さは、 的によって決まる。但し、一般的には、10μ m~10mm程度の厚さである。尚、透明導電膜の傷 付きを防ぐ為、透明導電膜上に保護層を設け ることも出来る。但し、本発明になるものは 、耐擦傷性に優れていることから、保護層が 無くても良い。すなわち、単層カーボンナノ チューブの膜中あるいは膜上にフラーレンを 存在させておくことによって、単層カーボン ナノチューブ間の凹凸が埋められる。この為 、保護層を設けなくても平滑性が向上する。 この結果、耐擦傷性が向上したものと考えて いる。又、基材上にハードコート層、単層カ ーボンナノチューブとフラーレンとを含む透 明導電膜、保護層からなる層構成であっても 良い。

 本発明の透明導電膜は、透明電極に用い 為、透明性と導電性とが必要である。具体 には、全光線透過率が80%以上で、かつ、表 抵抗値が5000ω/□以下であることが好ましい 。更には、全光線透過率が80%以上で、かつ、 表面抵抗値が3000ω/□以下であることがより ましい。特に、全光線透過率が80%以上で、 つ、表面抵抗値が1000ω/□以下であることが ましい。中でも、全光線透過率が80%以上で かつ、表面抵抗値が200ω/□以下であること 好ましい。尚、ここで言う全光線透過率は 層カーボンナノチューブを含む導電膜のみ らず基材を含めた全光線透過率を表す。

 又、透明導電膜を80℃で14日間保持した後 の表面抵抗値をR1(ω/□)、80℃で14日間保持前 表面抵抗値をR0(ω/□)とした場合、表面抵抗 値の増加率[(R1-R0)/R0×100]が、好ましくは、30 下である。更に好ましくは20以下である。勿 論、0が最も好ましい。

 そして、上記した特長の透明導電膜は、 ッチパネル用電極基板に利用できる。又、 子ペーパーの電極基板に利用できる。又、 晶ディスプレイの電極基板に利用できる。 、プラズマディスプレイの電極基板に利用 きる。その他にも各種の分野のものに利用 きる。

 以下、具体的な実施例を挙げて本発明を 明する。尚、本発明が下記の実施例に限定 れるものでないことは当然のことである。

  [実施例1]
 [工程1]
 アーク放電法によって単層カーボンナノチ ーブを作成した。この作成された単層カー ンナノチューブを63%硝酸にて85℃で2日間反 (湿式酸化)させた。この後、濾過によって 層カーボンナノチューブを精製・回収した

 尚、この精製単層カーボンナノチューブ バンドルの長さを調べた。その結果、0.5μm の度数分布における最頻値は1.5μmから2.0μm での範囲に在った。そして、バンドルの長 が1.5μmを越えた単層カーボンナノチューブ バンドルの数の全体に占める割合は73%であ た。バンドルの長さが1.5μm以下である単層 ーボンナノチューブのバンドルの数の全体 占める割合は27%であった。又、得られた単 カーボンナノチューブのラマン測定を行っ (波長532nm、装置名:HoloLab5000 株式会社島津 作所製)処、ID/IGは0.013であった。

 そして、上記のようにして得られた単層 ーボンナノチューブ10mgと、水酸基含有フラ ーレン(商品名 ナノムスペクトラ D-100 フロ ンティアカーボン社製:フラーレンはC60から るフラーレンのみである。)10mgと、水酸化ナ トリウム(和光純薬工業社製)1mgと、水5mlと、 タノール5mlとを混合した。

 [工程2]
 上記工程1で得られた混合液に超音波を照射 した。すなわち、超音波装置(ULTRASONIC HOMOGENI ZER MODEL UH-600SR、エスエムテー社製)を用いて 、混合液に超音波を1分間に亘って照射し、 音波分散を行なった。これにより、単層カ ボンナノチューブ分散液を得た。

 [工程3]
 上記工程2で得られた単層カーボンナノチュ ーブ分散液をハードコート付ポリカーボネー ト基板上にバーコート法により塗布した。そ の厚さはウェット膜厚で50μmである。この後 80℃で3分間乾燥させ、図1タイプの透明導電 膜付ポリカーボネート板を得た。

  [実施例2]
 実施例1において、水酸基含有フラーレンを 1mg、水酸化ナトリウムを0.1mgとした以外は実 例1と同様に行い、透明導電膜付ポリカーボ ネート板を得た。

  [実施例3]
 実施例1において、水酸基含有フラーレンを 100mg、水酸化ナトリウムを10mgとした以外は実 施例1と同様に行い、透明導電膜付ポリカー ネート板を得た。

  [実施例4]
 [工程1]
 実施例1で得られた単層カーボンナノチュー ブ10mgと、水酸化ナトリウム20mgと、オクチル ェノールポリエチレングリコールエーテル( 東京化成社工業株式会社製)10mgと、水10gとを 合後、1分間に亘って超音波照射(装置名ULTRA SONIC HOMOGENIZER MODEL UH-600SR、エスエムテー社 )した。これにより、単層カーボンナノチュ ーブ分散液を得た。

 そして、この単層カーボンナノチューブ 散液を、ハードコート付ポリカーボネート 板上に、スプレーコート法により塗布した その厚さはウェット膜厚で50μmである。こ 後、メタノールで表面を洗浄した後、80℃で 3分間乾燥させ、透明導電膜を構成した。

 [工程2]
 次いで、水酸基含有フラーレン(商品名 ナ ムスペクトラ D-100 フロンティアカーボン 製)10mgと、水酸化ナトリウム(和光純薬工業 製)1mgと、水10gとを混合後、1分間超音波照 (装置名ULTRASONIC HOMOGENIZER MODEL UH-600SR、エス エムテー社製)した。これにより、フラーレ 溶液を得た。

 そして、このフラーレン溶液を、上記透 導電膜上に、フラーレン溶液のウェット膜 が50μmになるようスプレーコートした。こ 後、メタノールで表面を洗浄した後、80℃で 3分間乾燥させて透明導電膜を構成し、図2タ プの透明導電膜付ポリカーボネート板を得 。

  [比較例1]
 実施例1で得られた単層カーボンナノチュー ブ10mgと、水酸化ナトリウム20mgと、オクチル ェノールポリエチレングリコールエーテル( 東京化成社工業株式会社製)10mgと、水10gとを 合後、1分間超音波照射(装置名ULTRASONIC HOMOG ENIZER MODEL UH-600SR、エスエムテー社製)した。 これにより、単層カーボンナノチューブ分散 液を得た。

 この単層カーボンナノチューブ分散液を ハードコート付ポリカーボネート基板上に ウェット膜厚が50μmになるようにスプレー ートした。この後、メタノールで表面を洗 した。そして、80℃で3分間乾燥させ、透明 電膜を形成した。

  [比較例2]
 比較例1で得られた透明導電膜上に更にポリ エステル樹脂(商品名:バイロン660 東洋紡社 )を膜厚50nmになるようにスプレーコートした 以外は比較例1と同様に行った。

  [特性]
 上記各例で得られた透明導電膜付ポリカー ネート板の全光線透過率(装置名 直読ヘー コンピュータ、スガ試験機社製)を測定した 。又、表面抵抗値(装置名 ロレスタ-FP、ダイ アインスツルメンツ社製)を測定した。その 果を、表1に記す。

 又、80℃で14日間保存した後、表面抵抗値 を測定した。この結果も表1に示す。

 更に、チーズクロス12枚を重ねたものを 直径0.6mmの金属棒の先端に取り付けた。これ を、透明導電膜に500gの荷重を掛けて接触さ 、その状態で転写層の表面を10回往復させた 。この後、表面抵抗値を測定した。この結果 (擦傷試験後の表面抵抗値)を表1に示す。

                  表1
* Xは測定限界値以上。
* 増加率=(高温試験後の表面抵抗値/高温試験 前の表面抵抗値)×100

 これによれば、本発明の透明導電膜は、透 性に優れていることが判る。
 かつ、導電性にも優れており、特に、その 温時における劣化が低く、耐久性に優れて ることが判る。
 更に、透明導電膜の耐擦傷性が高く、保護 が無くても使用できる。

 例えば、透明電極、タッチパネル部材、 磁波シールド材として有利に利用できる。