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Patent Searching and Data


Title:
DECORATIVE PART
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/110090
Kind Code:
A1
Abstract:
Conventional decorative parts have the drawback that although a conductive material is provided on the entire surface of an insulation area so that an ornamental part appears to be in metallic color, electric current flows through the interior of the conductive material to thereby cause loss of electromagnetic wave applied to the ornamental part, resulting in failure to realize satisfactory antenna performance. Accordingly, a semimetal layer or semiconductor layer of 5 nm or greater thickness, 65% or below average transmittance at 400 to 800 nm and 20% or higher average reflectance is formed on the surface of a member. Thus, there can be realized a decorative part exhibiting satisfactory metallic luster without blocking of electromagnetic wave.

Inventors:
IZUMO MASAO (JP)
IMAIZUMI MASARU (JP)
OGAWA MIZUKI (JP)
ONISHI HIROSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/054154
Publication Date:
September 11, 2009
Filing Date:
March 07, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MITSUBISHI ELECTRIC CORP (JP)
IZUMO MASAO (JP)
IMAIZUMI MASARU (JP)
OGAWA MIZUKI (JP)
ONISHI HIROSHI (JP)
International Classes:
C23C30/00; C23C26/00; H01Q1/24; H04M1/23; H05K9/00
Foreign References:
JP3955084B22007-08-08
JP2002173340A2002-06-21
JP2008024254A2008-02-07
Attorney, Agent or Firm:
OIWA, Masuo et al. (JP)
Masuo Oiwa (JP)
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Claims:
 部材の表面に、膜厚が5nm以上で、波長400nm~800nmの可視光域における平均透過率が65%以下かつ平均反射率が20%以上である半導体層または半金属層を形成したことを特徴とする加飾部品。
 前記半導体層または半金属層は、平均透過率が5%以下かつ平均反射率が40%以上であることを特徴とする請求項1記載の加飾部品。
 前記半導体層または半金属層が、10 3 S/m以下の導電率を有することを特徴とする請求項1または2記載の加飾部品。
 前記半導体層または半金属層は、ゲルマニウムGe、ケイ素Si、アルファースズα-Sn、セレンSe、テルルTeの群から選ばれる一つの物質で構成されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の加飾部品。
 前記半導体層または半金属層の上に、高い硬度を有した透過性の材料からなる保護層を設けたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一つに記載の加飾部品。
 前記半導体層または半金属層と前記保護層の間に、透過性の樹脂からなる中間層を設けたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一つに記載の加飾部品。
 請求項1ないし6のいずれか一つに記載の加飾部品を用いたことを特徴とする電子機器の筐体。
Description:
加飾部品

 この発明は、電磁波を送受信する電子機 の筐体などに使用される加飾部品に関する のである。

 従来のこの種の加飾部品においては、絶 材料に導電材料の粒子が互いに接触しない うに蒸着することにより金属光沢を得てい (例えば、特許文献1)。

特開2003-298326号公報

 電磁波を送受信する装置においては、電 波を遮蔽することなくアンテナの性能を十 に確保するために、金属部品の適用が制限 れていた。一方、装置のデザイン性を高め ために、金属光沢を呈する加飾部品が求め れていた。前記特許文献1は絶縁材料に導電 材料の粒子が互いに接触しないよう不連続蒸 着を行うことにより装飾部にて金属光沢を得 ていた。しかしながら、従来の加飾部品にお いては、装飾部が金属色に見えるよう絶縁部 の全面に導電材料が形成されているが、導電 材料の内部には電流が流れるため装飾部に照 射される電磁波が損失を生じ、十分なアンテ ナ特性が得られないという問題があった。

 この発明は、前記の問題を解決するため 電磁波を遮蔽することなく、金属光沢を呈 る加飾部品を提供することを目的とする。

 この発明に係る加飾部品は、部材の表面 、膜厚が5nm以上で、膜厚400nm~800nmにおける 均透過率が65%以下かつ平均反射率が20%以上 ある半導体層または半金属層を形成したも である。

 この発明の加飾部品によれば、従来のよ に導電材料を用いた場合に比べて電磁波の 過を遮断することがなく、携帯電話等の電 機器の筐体として、金属光沢を確保した上 所定のアンテナ特性を容易に確保すること できる上、従来の不連続蒸着に比して、半 体膜もしくは半金属膜の膜厚の制限が実用 ほとんど存在しないため製造が容易で製造 ストが低減される。

この発明の実施の形態1に係る加飾部品 を示す断面図である。 Geの透過率特性を説明する図である。 Geの反射率特性を説明する図である。 Siの透過率特性を説明する図である。 従来の加飾部品を説明する断面図であ 。 電磁波の透過損を検討するための計算 デルを説明する図である。 電磁波の透過損を計算した結果を説明 る図である。 この発明の実施の形態2に係る加飾部品 を示す断面図である。 この発明の実施の形態3に係る加飾部品 を示す断面図である。

符号の説明

1 基材、2 半導体層または半金属層、3 下地 層、4 保護層、5 中間層、
40 装飾部、41 絶縁部、42 導電材料。

実施の形態1.
 図1はこの発明の実施の形態1に係る加飾部 を示す断面図で、携帯電話筐体の意匠を構 する部品である。基材1の表面に半導体層ま は半金属層2が形成されている。
基材1を構成する材料は、例えば、ポリカー ネート樹脂(PC樹脂)、アクリロニトリル・ブ ジエン・スチレン樹脂(ABS樹脂)、PC樹脂とABS 樹脂のポリマーアロイ(PC+ABS樹脂)、ポリメタ リル酸メチル(PMMA樹脂)、ポリアミド樹脂(PA 脂)などの樹脂、またはガラス繊維などのフ ィラーを配合した樹脂などの絶縁体である。
また、半導体層または半金属層2としてはゲ マニウムGe、ケイ素Si、アルファースズα-Sn セレンSe、テルルTeが代表として挙げられ、 属光沢を呈するものであれば、特に制限は いが、電磁波に影響を及ぼさない範囲とし 、半導体または半金属の導電率が10 3 S/m以下であれば、より好ましい。
ここで、半金属とは、金属性伝導を示すが、 通常の金属より電気抵抗が大きい元素をいう 。長周期型周期表においては、ホウ素Bとア タチンAtを結ぶ斜めの線が金属と非金属との 境界線であり、この境界線付近の元素、即ち ホウ素B、炭素C、ケイ素Si、リンP、ゲルマニ ムGe、ヒ素As、セレンSe、スズSn、テルルTe、 ビスマスBi、ポロニウムPo、アスタチンAt)の ち、半導体(Ge、Si、α-Sn、Se、Te)を除くもの 意味する。

 半導体層または半金属層2は、例えば、真空 蒸着にて形成することができる。形成方法の 一例を挙げる。真空蒸着装置の所定位置に基 材1を設置し、蒸着材料として粒状のGeをタン グステンにて形成されたフィラメントに設置 する。真空蒸着装置を真空排気し、所定の真 空度に到達した状態で、タングステンフィラ メントに通電を行い、Geを一気に蒸発させ、 材1上に堆積させ半導体層または半金属層2 形成する。
このような薄膜形成方法は、いわゆる、フラ ッシュ蒸着と呼ばれる方法で、基材に対する 熱影響を抑制することが可能で、樹脂基材へ の薄膜形成に適している。この他、真空蒸着 においては、材料を電子ビームにて溶融させ る方法もあるが、一般的には、蒸発材料の輻 射熱が大きいため、熱影響をきらう基材を用 いる場合には大きな真空槽が必要になる。
また、上記フラッシュ蒸着に際し、イオンガ ンやアンテナ式ボンバード装置を用いて、基 材1の表面をアルゴン(Ar)イオンや酸素(O 2 )イオン等にて照射すると、半導体層または 金属層2の膜密着性が向上し、好ましい。こ で、アンテナ式ボンバード装置とは蒸着室 円形コイルを設け、これを電極としてチャ バー全体にプラズマを生成させる装置を言 。

 図2は基材をガラスとした場合のGeの透過率 性を示す図で、横軸は波長(nm)、縦軸は透過 率(T%)であり、特性曲線11~17が各々Ge膜厚1nm、3 nm、5nm、10nm、20nm、40nm、100nmに対する透過率 性を示している。
図2から分かるように、Geは膜厚の増加と共に 透過率が低下することが分かる。膜厚が5nmよ り厚くなると、波長400nm~800nmの可視光域での 均透過率が65%以下となる。発明者らの調査 よれば、Ge膜厚が5nm程度から弱い金属光沢 呈し始め、100nmではっきりとした金属光沢を 呈するようになる。よって、金属光沢を呈す る加飾としては400nm~800nmの可視域での平均透 率が65%以下の場合に実現され、好ましくは5 %程度以下となる。

 図3は基材をガラスとした場合のGeの反射率 性を示す図で、横軸は波長(nm)、縦軸は透過 率(T%)であり、特性曲線21~29が各々Ge膜厚1nm、3 nm、5nm、10nm、1000nm、400nm、100nm、20nm、40nmに対 する反射率特性を示している。1000nmと400nmに する特性曲線25,26はほとんど重なっている
上述の通り、発明者らの調査によれば、Ge膜 が5nm程度から弱い金属光沢を呈し始め、100n mではっきりとした金属光沢を呈するように る。よって、金属光沢を呈する加飾として 400nm~800nmの可視域での平均反射率が20%以上の 場合に実現され、好ましくは40%程度以上とな る。

 図4は基材をガラスとした場合のSiの透過率 性を示す図で、横軸は波長(nm)、縦軸は透過 率(T%)であり、特性曲線31~38が各々Si膜厚1nm、3 nm、5nm、10nm、20nm、40nm、100nm、400nmに対する透 過率特性を示している。
図4から分かるように、SiはGeと違い、40nm以上 の膜厚では干渉の影響を生じ、波長帯によっ ては膜厚の増加と共に透過率が増加する。こ のことは、加飾で言えば、色コントロールは 不安定であるが、見る角度によって色が変化 しうるという特徴を有することを意味する。

 これら半導体層または半金属層2により加飾 を行うと次のようなメリットが生ずる。すな わち、従来、部品の加飾は、部品表面にアル ミニウムAlやスズSnのような金属材料を形成 ることにより行われてきた。その理由は、 属膜の場合、上記Geにて説明したように、膜 厚の増加と共に透過率が低下し金属光沢を呈 する特性を有しているため、加飾の際の膜厚 制御が容易となるからである。
しかしながら、これら加飾部品を携帯電話の 筐体として使用する場合には以下のような問 題が生ずる。すなわち、近年の携帯電話の筐 体はデザイン性を重視することから、携帯電 話と基地局との間で電波を送受信するための アンテナが筐体の内部に配置されていること が多く、金属膜を形成した加飾部品は使用が 制限され、筐体外観のデザイン面で制約とな っていた。最近、この問題を解消するために 、上述したようにこれら金属膜を島状に形成 する、いわゆる、不連続蒸着技術が開発され 、実用化されてきている。

 図5は従来のアンテナ装置における装飾部を 表わす断面図であり、40は装飾部、41は絶縁 、42は導電材料の粒子を表わす。従来のアン テナ装置における装飾部40においては、導電 料42は粒子状で互いに接触しないように形 されているため、一部電波は導電材料42、絶 縁部41を透過することになる。
しかしながら、装飾部40が金属色に見えるよ 絶縁部41の全面に導電材料42が形成されてお り、導電材料42の内部には電流が流れるため 飾部40に照射される電磁波が損失を生じ、 分なアンテナ特性が得られないという問題 あった。また、一般的には、蒸着物質が不 続となるのは、~数10Å以下程度の極く薄膜 おいてであり、通常、100Åを超えるような 厚においてはこれら島が接触してしまうこ から、アンテナ特性が損なわれるようにな 。
従って、一般的には、前述の不連続蒸着には 厚みの制限が存在する。膜厚に制限が存在す ると、携帯電話の筐体のような矩形部材、曲 面を有する部材の全面に均一に膜形成するこ とが困難で、歩留まりの低下に繋がる。この 他、レーザや露光技術を用いて金属膜にパタ ーン形成し不連続を実現する方法も考えられ るが、コストが上昇するため、適用範囲は制 限される。

 この発明にかかる加飾部品はこのような 題を解決することを目的として開発された のである。すなわち、従来の導電材料に変 て半導体膜もしくは半金属膜を用いるため 加飾部品が電磁波の透過を遮断することが く、携帯電話の筐体として、金属光沢を確 した上で所定のアンテナ特性を容易に確保 ることができる。また、従来の不連続蒸着 比して、半導体膜もしくは半金属膜の膜厚 制限が実用上ほとんど存在しないため製造 容易で製造コストが低減されるという利点 ある。

 金属膜、半導体膜と電磁波との透過、遮 の関係は概ね以下のように理解することが きる。すなわち、携帯電話にて使用される 磁波はセンチ波、極超短波と呼ばれ、波長 囲で言うと概ね1mm~1m程度である。金属膜の 合、これら電磁波が照射されると、自由電 がバリアを作り(分極作用)、膜中への進入 防ぐ。そのため、電磁波は金属膜により反 されることになる。一方、半導体膜の場合 金属膜のような自由電子を持たないため、 属膜にて生じる分極作用が生じることはな 。半導体においては、例えば、Siが約1.1eV(波 長1127nmの電磁波が持つエネルギーに相当)、Ge が約0.7eV(波長1850nmの電磁波が持つエネルギー に相当)のバンドギャップを有し、バンドギ ップに相当する波長より長い波長の電磁波 吸収されることがないため、これら半導体 表面に形成しても、携帯電話にて使用され 電磁波は筐体を透過することが可能となる

 図7は電磁波を十分に透過させるために必要 な半導体または半金属に求められる導電率に ついて検討した結果である。図6に示した1次 の計算モデルに基づき、左方からの平面波 半導体層または半金属層(誘電率εr、導電率 σ)に垂直に入射した場合の透過損T(dB)を算出 た。ただし半導体層または半金属層の厚さ 100nmとした。なお、誘電率εrは1、16、50の場 合について求めたが、透過損T(dB)に対してほ んど影響しない。電磁波を十分に透過し、 帯電話としての機能を満足する透過損T(dB) しきい値を-0.1dB以下とすると、半導体また 半金属に求められる導電率は10 3 S/m以下であることが分かる。本実施の形態で 説明したGeまたはSiの導電率はそれぞれ2.1S/m(a t 300K)、3.16×10 -4 S/m(at 300K)であり、いずれも10 3 S/mよりはるかに低い。

 なお、上記実施の形態においては基材1を構 成する材料として樹脂の一例を挙げたが、基 材1は上記に挙げた樹脂に限らず、その他の 可塑性樹脂または熱硬化性樹脂、さらには ラスやセラミックスなどの他の絶縁体でも に問題はなく、同様の効果を奏することは うまでもない。
 また、半導体層または半金属層2の成膜方法 として真空蒸着法を用いた方法につき説明し たが、半導体層または半金属層2の製法とし はこれに限られることはなく、部品表面に 的損傷を与えない方法であればいずれの方 でも良く、スパッタ法、イオンプレーティ グ法、スピンコート法などの物理的方法や CVD法、メッキ法などの化学的方法を用いる とも可能であることは言うまでもない。
 さらに、上記実施の形態においては半導体 または半金属層2が単層である場合について 説明したが、電磁波を遮断しない範囲であれ ば、半導体層または半金属層は積層しても良 く、例えば、SiとGeの多層構造とする場合や SiとGeを同時蒸着する場合等が挙げられる。
 さらに、上記実施の形態においては、携帯 話の筐体への適用例を示したが、この発明 かかる加飾部品の適用はかかる例に留まる とはなく、例えばカメラ、携帯用音楽再生 、携帯用ゲーム機、携帯用の通信機、ラジ 、テレビ、ノート型パソコン、ノート型ワ プロ、ビデオカメラ、電子手帳、各種の赤 線式または無線式リモートコントローラ、 卓、自動車用電子制御機器など、各種電磁 を送受信する電子機器に適用することが可 であることは言うまでもない。
 Ge、Siを代表とする半導体は電磁波のみなら ず、近赤外~遠赤外光を透過する特性を有す ため、例えば、赤外線センサーを利用する 器の筐体としても同様の効果を奏すること 言うまでもない。

 以上のように、この発明に係る加飾部品 、部材の表面に、膜厚が5nm以上で、波長400n m~800nmの可視光域における平均透過率が65%以 かつ平均反射率が20%以上である半導体層ま は半金属層を形成して構成されているため 従来のように導電材料を用いた場合に比べ 電磁波の透過を遮断することがなく、携帯 話等の電子機器の筐体として、金属光沢を 保した上で所定のアンテナ特性を容易に確 することができる上、従来の不連続蒸着に して、半導体膜もしくは半金属膜の膜厚の 限が実用上ほとんど存在しないため製造が 易で製造コストが低減されるという利点が る。

実施の形態2.
 図8はこの発明の実施の形態2に係る加飾部 を示す断面図で、基材1の表面上に下地層3が 設けられ、その上に半導体層または半金属層 2が設けられている。半導体層または半金属 2の上にはさらに保護層4が設けられ半導体層 または半金属層2を保護している。下地層3が けられたのは、基材1と半導体層または半金 属層2との密着性を向上させるためである。 の構成は実施の形態1にて示した場合と同じ ある。

 下地層3は、特に、基材1が樹脂の場合に効 が大きく、通常、アンダーコートと呼ばれ 各種樹脂材料を用いることができる。保護 4はオーバーコートまたはハードコートとも ばれ、比較的高い硬度を有した透過性の材 が用いられる。
 この発明に係る構成とすることで、実施の 態1にて示した効果に加え、半導体層または 半金属層2の密着性が向上した加飾部品が実 される。

実施の形態3.
 図9はこの発明の実施の形態3に係る加飾部 を示す断面図で、実施の形態2にて示した構 に加え、半導体層または半金属層2と保護層 4の間に中間層5が設けられたものである。他 構成は実施の形態1にて示した場合と同じで ある。中間層5はミドルコートとも呼ばれ、 導体層または半金属層2と保護層4との密着性 を向上させるとともに、顔料を添加すること で、外観を変化させることを目的としたもの である。中間層5には透過性の各種樹脂を用 ることができる。
 この発明に係る構成とすることで、実施の 態2にて示した効果に加え、保護層4の密着 が向上するとともに、デザイン性に優れた 飾部品が実現される。