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Title:
INPUT/OUTPUT DEVICE USING WIND AS INFORMATION CARRIER AND INFORMATION TRANSFERRING DEVICE USING INPUT/OUTPUT DEVICE USING WIND AS INFORMATION CARRIER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/133280
Kind Code:
A1
Abstract:
An input/output device in which inputting and outputting can be made by using a wind as an information carrier on a screen on which a video is projected. The input/output device includes a screen (12) on which a video can be displayed and through which the wind can pass, an apparatus (11) for displaying the video on the screen (12), a wind detector (14) which is arranged at the back of the screen (12) in array and detects a wind (W1), and a wind output unit (15) for outputting a wind (W2). The screen (12) has a space portion between warp and weft and is woven like a net. The screen (12) is used for an input/output device (100) using a wind as an information carrier.

Inventors:
IDA SHINYA (JP)
SAWADA ERIKA (JP)
AWAJI TATSUHITO (JP)
SUGIMOTO MAKI (JP)
INAMI MASAHIKO (JP)
TAKIZAWA SETSUO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/057868
Publication Date:
November 06, 2008
Filing Date:
April 23, 2008
Export Citation:
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Assignee:
UNIV ELECTRO COMMUNICATIONS (JP)
TEIJIN NESTEX LTD (JP)
IDA SHINYA (JP)
SAWADA ERIKA (JP)
AWAJI TATSUHITO (JP)
SUGIMOTO MAKI (JP)
INAMI MASAHIKO (JP)
TAKIZAWA SETSUO (JP)
International Classes:
G06F3/01; A63J25/00; G03B21/00; G03B21/56; G06F3/041; A63J99/00
Foreign References:
JPH08334845A1996-12-17
JPH10312028A1998-11-24
JP3093012U2003-04-18
Attorney, Agent or Firm:
TSUNODA, Yoshisue et al. (1-64-8 Sasazuka, Shibuya-k, Tokyo 73, JP)
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Claims:
 映像の表示と風の通過とが可能であるスクリーンと、
 前記スクリーンに映像を表示する装置と、
 前記スクリーンの後方にアレイ状に配置された、風を検出する風検出部及び風を出力する風出力部とを備え、
 前記スクリーンは、経糸及び緯糸が空隙部を有して、ネット状に織成されている
 ことを特徴とする風を情報媒体とした入出力装置。
 前記風検出部からの検出信号の信号処理及び前記風出力部の制御を行う情報処理装置を備えたことを特徴とする請求項1に記載の風を情報媒体とした入出力装置。
 前記風検出部が、表面で風を受ける部材と、前記部材の裏面に形成された再帰性反射材と、前記部材に向けて光を出射させ、反射した戻り光を検出する検出装置とを備えて成ることを特徴とする請求項1に記載の風を情報媒体とした入出力装置。
 前記情報処理装置によって、前記風検出部で検出された風の3次元ベクトルが算出されることを特徴とする請求項2に記載の風を情報媒体とした入出力装置。
 映像の表示と風の通過とが可能であるスクリーンと、前記スクリーンに映像を表示する装置と、前記スクリーンの後方にアレイ状に配置された、風を検出する風検出部及び風を出力する風出力部とを備え、前記スクリーンは、経糸及び緯糸が空隙部を有して、ネット状に織成されている入出力装置を用いて、
 前記入出力装置と、入力又は出力が風を情報媒体として行われる装置との間で、情報の伝達が行われる
 ことを特徴とする風を情報媒体とした入出力装置を用いた情報伝達システム。
 前記入出力装置を双方の側に設けて、双方の前記入出力装置の間で相互に情報の伝達が行われることを特徴とする請求項5に記載の風を情報媒体とした入出力装置を用いた情報伝達システム。
 双方の前記入出力装置が、ネットワークを介して接続されていることを特徴とする請求項6に記載の風を情報媒体とした入出力装置を用いた情報伝達システム。
 前記スクリーンの背面に、少なくとも1つのカメラを備え、前記カメラによって前記スクリーンの前面のユーザの撮影が行われることを特徴とする請求項5に記載の風を情報媒体とした入出力装置を用いた情報伝達システム。
 前記スクリーンの脇に、複数のカメラを備え、前記複数のカメラによってそれぞれ撮影した映像を合成して、スクリーンの中央部に1つのカメラを設けて撮影した場合と同様の映像を作製することを特徴とする請求項5に記載の風を情報媒体とした入出力装置を用いた情報伝達システム。
Description:
風を情報媒体とした入出力装置 風を情報媒体とした入出力装置を用いた情 伝達システム

 本発明は、風を情報媒体とした入出力装 、風を情報媒体とした入出力装置を用いた 報伝達システムに係わる。

 風や息を媒体として用いたインタフェース は、様々なものが存在している。
 例えば、入力と出力のいずれか一方は風を 報媒体として行い、もう一方は風とは異な 情報媒体で行う構成がいくつか提案されて る。

 風を情報媒体として、情報を入力する構成 しては、例えば、息を検出すると共に、磁 センサで頭の位置を計測する構成(非特許文 献1参照)が提案されている。
 また、例えば、ヘッドマウントディスプレ を装着し、呼気センサ及び位置センサを備 たストローガンに息を吹き込む構成(非特許 文献2参照)が提案されている。
 また、例えば、息の入力をマイクで検出し ディスプレイに表示しているバーチャル環 を変化させる構成(非特許文献3参照)が提案 れている。
 また、例えば、サーモグラフィで息を認識 る構成(非特許文献4参照)や、板に取り付け ロータリーエンコーダで風の強さを検出す 構成(非特許文献5参照)も、提案されている

 風を情報媒体として、情報を出力する構成 しては、例えば、触覚の提示装置として風 利用する構成が提案されている(非特許文献 6参照)。この構成では、視覚や聴覚と皮膚感 (風覚と定義されている)を統合し、流れ場 の空間データを直感的に表現することを試 ている。
 また、例えば、映像が表示されているスク ーンを見ている観客に向けて、風を出力さ て、臨場感を持たせることが提案されてい (例えば、特許文献1や特許文献2を参照)。

 この他に、入力と出力とを、それぞれ風 情報媒体として行う構成が提案されている( 例えば、非特許文献7参照)。

[非特許文献1]S.Iga, and F.Higuchi, KiriFuki:Inhaling  and Exhauling Interaction with Visual Objects,Interna tionWorkshop on Entertainment Computing 2002 Workshop  Note,pp.119-126,2002
[非特許文献2]K.Asai, Y.Okuno, H.Kakuta and T.Takaya ma, Jellyfish:BlowingSoap Bubbles, Mixed Reality Space, Proc.ISMAR03,pp.358-359,2003
[非特許文献3]K.Hatano, D.Masui, and Hui-Wan Yen, T he Dimension Book, SIGGRAPH 2003 Emerging Technologies ,2003
[非特許文献4]M.Katsura and M.Inage, LivePic,ACM SIG GRAPH 2006 Emerging Technologies 2006/ SIGGRAPH 2006  Sketches,2006
[非特許文献5]K.Tominaga, S.Honda, T.Ohsawa, H.Shigen o, K.Okada, Y.Matsushita,”Friend Park”-expression of  the wind and the scent on Virtual Systems and Mul timedia,2001. Proceedings. Seventh International Confere nce on Publication,pp.507-515,2001
[非特許文献6]S.Iwaki, M.Kobayashi, A.Nakayama and Y .Shimada,NTT Cyber Solutions, UntetheredForce Feedback  Interface That Users Air Jets,ACMSIGGRAPH 2004 Emergin g technologies,2004
[非特許文献7]小坂崇之,服部進実,2006,Wind-Surrou nd System,インタラクシ
ョン2006,pp.187-188,2006
[特許文献1]特開平5-115619号公報
[特許文献2]特開平5-200163号公報

 従来提案されている構成では、入力と出力 いずれか一方は風で行っているが、もう一 は風とは異なる情報媒体で行っているため 風による情報を双方向でやり取りすること できない。
 また、上記非特許文献7に提案されている構 成では、風の入力はユーザのそばにあるエア フロセンサで行っているが、風の出力はユー ザの外側を囲むように配置されたファンから 行われており、入力と出力とがそれぞれ別々 の場所で行われている。

 また、非特許文献1や非特許文献2に提案さ ている構成では、使用時に、ヘッドマウン ディスプレイや風による情報伝達用の機器 を、体に装着する必要がある。
 従って、ユーザに負担がかかってしまう。

 本発明においては、映像を投影するスク ーン上において、風を情報媒体とした入力 出力とを共に行うことが可能な入出力装置 提供するものである。また、本発明におい は、この入出力装置を用いることによって 報伝達を行う、情報伝達システムを提供す ものである。

 本発明の入出力装置は、風を情報媒体と て入出力を行うものである。そして、映像 表示と風の通過とが可能であるスクリーン 、このスクリーンに映像を表示する装置と スクリーンの後方にアレイ状に配置された 風を検出する風検出部及び風を出力する風 力部とを備えている。また、スクリーンは 経糸及び緯糸が空隙部を有して、ネット状 織成されている。

 本発明の入出力装置において、風検出部か の検出信号の信号処理及び風出力部の制御 行う情報処理装置を備えた構成とすること 可能である。
 本発明の入出力装置において、風検出部が 表面で風を受ける部材と、この部材の裏面 形成された再帰性反射材と、部材に向けて を出射させ、反射した戻り光を検出する検 装置とを備えた構成とすることも可能であ 。
 本発明の入出力装置において、さらに、情 処理装置によって、風検出部で検出された の3次元ベクトルが算出される構成とするこ とも可能である。

 本発明の情報伝達システムは、上記本発 の入出力装置を用いて、情報伝達を行うシ テムである。そして、上記本発明の入出力 置と、入力又は出力が風を情報媒体として われる装置との間で、情報の伝達が行われ ものである。

 本発明の情報伝達システムにおいて、より ましくは、入出力装置を双方の側に設けて 双方の入出力装置の間で相互に情報の伝達 行われるようにシステムを構成する。
 また、この構成の情報伝達システムにおい 、さらに、双方の入出力装置がネットワー を介して接続された構成とすることができ 。

 上述の本発明の入出力装置によれば、映像 表示と風の通過とが可能であるスクリーン 、このスクリーンの後方にアレイ状に配置 れた、風を検出する風検出部及び風を出力 る風出力部とを備えていることにより、風 情報媒体として、情報の入力及び出力を行 ことができる。また、入力と出力とを、ス リーンという同じ界面を通して行うことが きる。そして、風検出部と風出力部がアレ 状に配置されていることにより、スクリー 上で、風の検出と風の出力とを、詳細に行 ことができる。
 従って、本発明の入出力装置によれば、風 情報媒体として、双方向の情報伝達を行う とができる。

 また、本発明の入出力装置によれば、ス リーンの後方に、風検出部及び風出力部を えているため、ユーザが身体に何かを装着 る必要がない。

 特に、風検出部が、表面で風を受ける部 と、この部材の裏面に形成された再帰性反 材と、部材に向けて光を出射させ、反射し 戻り光を検出する検出装置とを備えた構成 したときには、再帰性反射材によって反射 た戻り光が、入射光と同じ経路をたどる。 れにより、風を受ける部材と比較して検出 置(フォトリフレクタ等)が充分に小さい場 でも、戻り光を正しく検出することが可能 なる。即ち、従来は検出装置への入光量が ないために測定距離が短かったが、再帰性 射材を上記部材に設けることにより、測定 離を大幅に伸ばすことができる。さらに、 帰性反射材を設けることにより、ノイズの ない検出信号を得ることができる。

 特に、情報処理装置によって、風検出部 検出された風の3次元ベクトルが算出される 構成としたときには、入力された風の向きを 検出することが可能になる。これにより、入 出力装置の利用のバリエーションを広げるこ とが可能になる。

 上述の本発明の情報伝達システムによれば 上記本発明の入出力装置と、入力又は出力 風を情報媒体として行われる装置との間で 情報の伝達が行われるので、ユーザ同士の レコミュニケーションに風を情報媒体とし 用いることが可能になる。これにより、互 に、音声や映像では伝わらない温覚や触覚 風によって刺激することが可能である。
 また、離れた場所にある物体に対して風圧 与えることも可能になる。

本発明の一実施の形態の入出力装置の 略構成図(ブロック図)である。 図1のスクリーンの具体的な形態を示す 図である。 スクリーン通過前後の風速の関係を示 図である。 図1の入出力装置の具体的な形態のブロ ック図である。 図1の入出力装置の具体的な形態の一部 の正面図である。 図5の風検出部の内部の構成の一例を示 す図である。 図6の風検出部と図5の風出力部とを縦 並べた模式図である。 入力グループ内の座標の設定を示す図 ある。 3次元ベクトルを求める演算のアルゴリ ズムのフローチャートである。 バーチャル環境とのインタラクション に応用する場合の、入出力装置の一例のブロ ック図である。 本発明の入出力装置を用いてテレコミ ュニケーションを行う場合の、入出力装置の 一例のブロック図である。 図11の構成の入力側及び出力側におけ 処理のフローチャートである。

 本発明の一実施の形態として、風を情報媒 とした入出力装置の概略構成図(ブロック図 )を、図1に示す。
 この入出力装置100は、映像や画像を投射す プロジェクタ11と、映像や画像を表示する クリーン12と、音声を出力するスピーカー13 を有して、構成されている。

 スクリーン12は、映像や画像の表示と、風 入出力即ち風の通過とが、共に可能である うに構成する。
 入出力装置100の内部には、さらに、入力さ た風を検出する風検出装置14と、風を出力 る風出力装置15と、情報処理装置16とを備え いる。
 情報処理装置16は、風検出装置14で検出され た風のデータの信号処理、風出力装置15やプ ジェクタ11やスピーカー13の制御等を行う。

 ユーザからスクリーン12を通じて入力され 風W1は、風検出装置14によって検出される。
 風検出装置14において検出された、風W1の風 力や風向き等のデータは、信号として情報処 理装置16に送られる。
 風出力装置15は、情報処理装置16からの制御 により、風W2を出力する。
 風出力装置15から出力された風W2は、スクリ ーン12を経て外部に出て、スクリーン12の前 にいるユーザに達する。

 風を通すスクリーン12の構成の具体的な形 を、図2に示す。
 図2に示すように、経糸12A及び緯糸12Bによっ て、空隙部12Cが形成されて、これら経糸12A及 び緯糸12Bが織成されて、スクリーン12が構成 れている。
 このような構成となっているので、空隙部1 2Cを通じて、風を通すことができる。
 また、プロジェクタ等から経糸12A及び緯糸1 2Bに映像を照射して、経糸12A及び緯糸12によ て反射させることにより、スクリーン12に映 像を表示することができる。
 一方、空隙部12Cを通じて映像光を透過させ ことにより、映像を表示することも可能で る。

 経糸12Aと緯糸12Bの材質としては、例えば、 リエステル、ポリプロピレン、ポリエチレ 、塩化ビニル等の樹脂を使用することがで る。
 このようなスクリーン12として、例えば、 用新案登録第3093012号公報に記載された網戸 ットと同様の構造のものを使用することが きる。

 メッシュ数(2.54cm当たりの本数)が、それ れ200メッシュ、150メッシュ、100メッシュで る、スクリーン12の例について、スクリーン 12の仕様を、表1に示す。表1では、線(経糸12A び緯糸12B)の直径、開口率(空隙部12Cの面積 割合)、スクリーン12の厚さ、単位断面積当 りの透過容量、1辺の1mm辺りの繊維数(経糸12A 及び緯糸12Bの本数)を示している。

 表1に示した各例のスクリーン12と、20メッ ュのスクリーン12とについて、スクリーン12 前にファンを設置し、風速の損失を調べた 結果として、スクリーン通過前の風速とス リーン通過後の風速との関係を、図3に示す 。
 図3に示すように、メッシュ数が少ないほど 、風に対する抵抗が少なくなるため、風速の 損失が少ない。

 また、表1に示した各例のスクリーン12と 30メッシュのスクリーン(網戸)とについて、 プロジェクタからスクリーン12の表面で照度9 88ルクスとなる光を投影して、それぞれのス リーン12の輝度を測定した。輝度の測定結 を、表2に示す。

 表2に示すように、200メッシュ、100メッシュ 、150メッシュ、30メッシュの順番に輝度が高 った。100メッシュが150メッシュよりも輝度 高いのは、糸の太さが太いためであると考 られる。
 糸の太さが同じであれば、メッシュ数の多 方が高い輝度となる。

 風速と輝度との観点から、30メッシュ~200 ッシュの範囲が使いやすく、そのうち100メ シュ程度が特に使いやすいと考えられる。

 図1に示した風検出装置14及び風出力装置15 、スクリーン12の後ろ側に、それぞれアレイ 状に配置することが好ましい。
 このように風検出装置14及び風出力装置15を アレイ状に配置することにより、風W1が入力 れた場所の詳細な検出を可能にすると共に スクリーン12の所望の箇所から風W2を出力さ せることが可能になる。

 特に、風検出装置14をアレイ状に配列する とで、入力平面内の風の強さの分布を検出 ることが可能となる。
 また、複数個所同時に入力した場合でも検 することが可能となる。

 風検出装置14及び風出力装置15をアレイ状 に配置した、入出力装置100の具体的な形態を 図4及び図5に示す。図4はブロック図を示し、 図5は、風検出装置14及び風出力装置15のアレ の一部の正面図である。

 図4のブロック図に示すように、風検出装 置14及び風出力装置15が交互に配置され、そ ぞれの風検出装置14及び風出力装置15が情報 理装置16に接続されている。

 図5の正面図に示すように、風検出装置14が 部に設けられた風検出部14Aと、風出力装置1 5が内部に設けられた風出力部15Aとが、縦横 配置されている。
 水平方向では、風検出部14Aと風出力部15Aと 交互に配置され、上下方向では同じ部14A,15A が続いて配置されている。
 風検出部14Aと風出力部15Aとの間は、枠状の 材20によって隔てられている。

 風検出部14Aでは、入力された風W1を受け 板21が、枠状の部材20に対して僅かな隙間を って配置されている。そして、この板21は 管状の部材22に取り付けられており、管状の 部材22の中には枠状の部材20に取り付けられ シャフト23が通っている。これにより、シャ フト23を中心として、管状の部材22及び板21が 回転するようになっている。

 風出力部15Aでは、風W2を出力してスクリー 12に吹き出させる管24を2つずつ有している。
 なお、風出力部15Aの管24の数は、1つでも3つ 以上でも構わない。管24の数を複数として、 れぞれの管24の出力を独立に制御すること より、管24が1つのみの場合と比較して、風W2 の出力を細かく変化させやすくなる。

 なお、風検出部及び風出力部の配置は、図5 に示した配置に限らず、任意の配置が可能で ある。例えば、風出力部を横長にして、上下 方向に交互に並べても構わない。
 また、風出力部を風検出部と同じ大きさ(断 面積)にする、もしくは風検出部よりも大き しても構わない。風検出部及び風出力部を じ大きさとすると、例えば、市松状に配置 ることも可能になる。

 風検出部14Aの大きさは、例えば縦5cm×横5cm とする。
 各風検出部14Aを小さくすることにより、解 度が上がる。

 風検出部14Aの内部の構成の一例を、図6に示 す。
 図5の枠状の部材20で囲まれて成る、筐体の 部に、風検出装置14として、フォトリフレ タが設けられている。フォトリフレクタ14か らは、信号26として、板21の位置情報と風W1の 強度が出力される。
 風を受ける板21の裏面には、再帰性反射材25 を貼り付けてある。風検出装置14のフォトリ レクタが備えた発光部(発光ダイオード等) ら、赤外光IRが出射され、この赤外光IRが板2 1の裏面の再帰性反射材25で反射して、フォト リフレクタ(14)に戻る。これにより、板21まで の距離を計測して、板21の傾斜角度により風W 1の検出を行うことができる。

 このような構成とすると、板21、再帰性反 材25、フォトリフレクタ14とによって、比較 安価に風検出部14Aを構成することができる
 この風検出部(センサ)14Aをアレイ状に配置 ることにより、スクリーン12のほぼ全体の風 W1の計測を実現することができる。
 通常のフォトリフレクタでは、検出できる 離が短いために、風の計測を行うことは難 いが、計測対象に再帰性反射材を貼り付け ことにより、計測できる距離を大幅に延長 ることができるので、板21の大きさと比較 て、フォトリフレクタがかなり小さくても 反射光の検出が可能になる。

 なお、入力された風W1を受ける部材として 板21の代わりに、布を用いてもよい。そして 、布の裏面に再帰性反射材を設けることが可 能である。
 また、再帰性反射材25は、シート状のもの 板21に貼り付ける代わりに、スラリーを板21 塗布して乾燥させてもよい。

 また、赤外光IRを板21の裏面に貼り付けた再 帰性反射材25で反射させて、風W1の検出を行 代わりに、板21を回転させるシャフト23にロ タリーエンコーダ等の回転検出器を取り付 て、板21の回転・傾斜角度を検出しても構 ない。
 さらにまた、本発明において、風を計測す センサとしては、一般的な温度センサ、回 型の風速・風圧センサ等も使用可能である

 ここで、図6に示した風検出部14Aと、図5に した管24による風出力部15Aとを、縦に並べた 模式図を、図7に示す。
 フォトリフレクタ14からの信号26は、情報処 理装置16で信号処理されて、各風検出部14Aに 力された風W1の強度分布が算出される。

 風出力部15Aは、図5に示した管24を用いると 比較的安価に構成することができるが、そ 他の構成も可能である。
 その他、風出力部15A用の出力デバイスとし は、ブロア等のフィン型のデバイス、コン レッサ、シリンダのように空気を圧搾して し出す装置、等を使用することが可能であ 。
 例えば、風検出装置14に温度センサを用い 、風出力装置15にブロアを用いる、といった 構成も可能である。

 このように、スクリーン12の後方に風入 装置14と風出力装置15とを備えることによっ 、ユーザに特殊なデバイスの装着や把持を 制することなく、風を情報媒体とするイン フェースを構築することができる。

 風検出装置14においては、入力された風W1の 強度だけではなく、風W1の向きも検出できる 、より好ましい。
 そこで、先に示したような、2次元配列され た風検出装置14を用いて、入力された風W1の きを3次元ベクトルとして算出する方法を説 する。

 この算出方法では、基本的に、各風検出装 14に閾値を設定しておき、閾値を超えたデ タのみを抽出する。
 そして、このデータの隣接している範囲を 一つの入力グループとして、ラベリングす 。
 続いて、ラベリングされたそれぞれの入力 ループで、3次元ベクトルを算出する。
 グループ化することにより、スクリーン12 複数個所に同時に風W1が入力された場合でも 、それぞれの風W1の3次元ベクトルを求めるこ とができる。

 この算出方法を、以下に、詳細かつ具体的 説明する。
 上述のようにラベリングされた入力グルー 内の各風検出装置14に、図8に示すように、 置1から装置nまでの順番を付ける。また、 平方向をx方向とし、上下方向をy方向として 、2次元座標を設定する。
 そして、各入力グループにおいて、以下に す演算を行うことにより、3次元ベクトルを 求める。この演算のアルゴリズムのフローチ ャートを、図9に示す。

 図9のフローチャートでは、まず、ステップ S1において、設定された閾値を超えたデータ 抽出する。
 ステップS2において、隣接するアレイのデ タをグループ化する。
 以降は、グループ化したデータ毎に処理を う。まず、ステップS3において、入力され 風W1の重心を判別する。
 次に、ステップS4において、風W1の強さのベ クトルを計算する。これにより、各グループ で3次元ベクトルが得られる。

 図9のフローチャートのステップS3~ステップ S4における、計算方法の一例を、以下に説明 る。
 図8に示したグループ内の入力平面内におけ る装置iの2次元座標を(x i ,y i )とし、そこで検出した風の強さをa i とする。
 このとき、入力グループの中心座標C(x C ,y C )は、下記の式(1)で求めることができ、重心 標G(x G ,y G )は、下記の式(2)で求めることができる。

 また、入力平面に対して、奥行き方向に ってZ座標(原点は入力面)をとる。Z座標は、 下記の式(3)に示す3つ(最大値、積分値、平均 )の定義のいずれかを用いることが可能であ る。

 重心座標Gに、式(3)のいずれかのZ座標を加 した座標をG´とする。
 そして、下記の式(4)で示すCとG´とを結んだ ベクトルR G が、風の入力方向を近似した3次元ベクトル なる。

 また、入力グループのn個の装置のうち、風 の強さaが最も大きい装置の2次元座標をM(x M ,y M )として、重心座標G´の算出と同様に、式(3) いずれかのZ座標を加算した座標をM´とし、C とM´からも3次元ベクトルを算出することが きる。この場合に算出される3次元ベクトルR M を、下記の式(5)に示す。

 このようにして得られた3次元ベクトルか ら、入力された風W1の向きを検出することが きる。

 本発明の風を情報媒体とする入出力装置は 様々な応用が考えられる。
 応用例を、以下に示す。

 本発明の風を情報媒体とする入出力装置 応用して、例えば、バーチャル環境とのイ タラクションに、風を情報媒体として用い ことが可能になる。

 バーチャル環境とのインタラクションに応 する場合の、入出力装置の一例のブロック を、図10に示す。
 図10に示す入出力装置200は、図1に示した入 力装置100の構成に、さらに、映像を撮影す カメラ17と、音声を取得するマイク18とを、 備えている。これらカメラ17とマイク18も、 出力装置100内の情報処理装置16によって、制 御や取得した信号(映像信号、音声信号)の処 が行われる。
 図10では、入出力装置200とは別に、情報処 装置41を備えた情報処理部40が設けられ、入 力装置200の情報処理装置16と情報処理部40の 情報処理装置41とが接続されている。
 このように、入出力装置200の情報処理装置1 6とは別に、情報処理装置41を設けることによ り、情報処理装置41において、バーチャル環 に関わる膨大な計算処理を、高速に行うこ が可能になる。

 なお、バーチャル環境に関わる計算処理 量がそれほど多くない場合や、高速処理が 要でない場合等においては、情報処理部40 設けないで、入出力装置200の情報処理装置16 内で計算処理を行う構成としても良い。

 バーチャル環境の態様としては、ゲーム 、様々なシミュレーションが考えられる。

 例えば、ゲーム環境においては、人の吐き す息や風によって入力を実現し、更にその 力をも風とすることによって、入出力情報 一致を実現することができる。
 即ち、同じスクリーン12を通じて映像と風 入出力を行う、ゲームを構成することが可 になる。

 また、例えば、風洞のシミュレーションデ タ等に、風の入力によってインタラクティ な影響を与える、といったことも実現でき と考えられる。
 そして、同じスクリーン12を通じて映像と の入出力を行う、インタラクティブなシミ レーションシステムを構成することが可能 ある。

 好ましくは、例えば、情報処理部40の情報 理装置41内に、物理シミュレーションエンジ ンを作成し、この物理シミュレーションエン ジンを、使用用途に応じて、ゲーム環境や解 析のモデル等のデータを読み込めるように設 計する。これにより、多彩なバーチャル環境 に対応することが可能になる。
 そして、物理シミュレーションエンジンに して、入出力装置200から風入力情報を与え ことによって、シミュレーションを行い、 力として風出力情報を得ることができる。

 また、図10の入出力装置200において、カ ラ17と風検出装置(風センサ)14とを兼用した メラを構成することにより、記録した映像 風とを、同時に提示することが可能になる 例えば、飛行機からの空撮映像と一緒に臨 感の高い風を提示することが行える。

 本発明の風を情報媒体とする入出力装置を 用して、例えば、遠隔地とのテレコミュニ ーションを、映像や音声と風の入出力によ て実現するシステムを構成することができ 。
 この場合、風を情報媒体とする入出力装置 ネットワークで接続することにより、テレ ミュニケーションの手段として使用する。
 相互に風検出装置で入力された風の特性(風 速・風力・向き等)を計測し、他方へ風の特 の情報を送信する。各装置は、受信した他 の送風の情報を風出力装置によって再生す ことにより、風を使用したコミュニケーシ ンを成立させる。
 本発明に係る入出力装置では、風の検出と の出力との双方をスクリーン上で行ってい ため、実写のカメラ映像等とも親和性が高 。風検出装置と映像とのレジストレーショ を行うことで、互いの映像と同期した風を 示することが可能である。

 本発明の入出力装置を用いてテレコミュ ケーションを行う場合の、入出力装置の一 のブロック図を、図11に示す。また、入力 及び出力側における処理のフローチャート 、図12に示す。

 図11に示すように、それぞれの入出力装置20 0A,200Bは、図10に示した入出力装置200と同様に 、カメラ17とマイク18とを備えている。
 左のユーザA側の入出力装置200Aと、右のユ ザB側の入出力装置200Bとは、互いの情報処理 装置16の間を、回線で接続して信号をやり取 できるようにしている。
 回線としては、電話回線、ローカルエリア ットワーク等の有線や、無線を使用するこ ができる。そして、インターネット等のネ トワークを通じて信号や情報をやり取りす ように構成すれば、遠隔地とのコミュニケ ションを行うこともできる。

 次に、図12のフローチャートを参照して、 出力装置200A,200Bの入力側及び出力側におけ 処理を説明する。図中左半分は、入力側の 理を示している。また、右半分は、出力側 処理を示している。
 入力側の処理は、処理全体の入力ループと 光検出装置(センサ)14からの信号の処理を行 うセンサ処理ループとによって構成されてい る。
 まず、センサ処理ループに入り、ステップS 11において、風検出装置(センサ)14で入力され た風W1を検出する。
 次に、ステップS12において、検出された風W 1の信号に対して、アナログ信号からディジ ル信号へのA/D変換を行う。
 センサ処理ループを抜けて、ステップS13に いて、入力された風W1によるベクトルを計 する。この計算処理は、先に図9に示したフ ーチャートに従って行うことができる。
 次に、ステップS14において、カメラ17で画 もしくは映像を取得し、マイク18で音声情報 を取得する。
 次に、ステップS15において、得られたデー を送信する。
 出力側の処理は、処理全体の出力ループと データから風の出力用のアナログ信号を作 するD/A変換ループとによって構成されてい 。
 まず、ステップS21において、風の出力デー を受信する。
 続いて、D/A変換ループに入り、ステップS22 おいて、受信したデータに対して、ディジ ル信号からアナログ信号へのD/A変換を行う
 次に、D/A変換ループを抜けて、ステップS23 おいて、出力デバイス(例えばブロア)によ て風W2の出力を行う。
 また、ステップS24において、スクリーン12 画面への描画と、スピーカー13からの音声情 報の出力とを行う。

 このように入出力装置200A,200Bを用いること より、遠隔地のユーザ同士のテレコミュニ ーションに、風を情報媒体として使用する とが可能になる。
 これにより、音声や映像では伝わらない、 覚や触覚を、風によってユーザ同士が互い 刺激することが可能である。
 また、遠隔地にある物体に対して、風圧を えることが可能である。例えば、遠隔地に るケーキに刺したロウソクの炎を消すこと 可能になる。

 なお、本発明に係る入出力装置を用いて 情報の伝達を行う場合において、情報の伝 の態様によっては、他方の装置を入力のみ 入力装置もしくは出力のみ出力装置として 構わないが、少なくとも一方の装置は本発 に係る入出力装置とする。

 図に示した各入出力装置100,200,200A,200Bでは 装置の内部に検出信号の処理や風検出装置14 等の制御を行う情報処理装置16を備えていた
 本発明の入出力装置は、このような構成に 定されるものではなく、情報処理装置を入 力装置の外部に配置して、情報処理装置と 出力装置内の風検出装置や風出力装置とを 線又は無線で接続した構成とすることも可 である。

 さらに、本発明の風を情報媒体とする入出 装置を応用して、遠隔地とのテレコミュニ ーションを、映像や音声と風の入出力によ て実現するシステムを構成する場合におい 、カメラを様々な構成とすることが可能で る。
 例えば、スクリーンの背面に少なくとも1つ のカメラを備えた構成として、このカメラに よってスクリーンの前面にいるユーザを撮影 するように構成してもよい。
 メッシュのスクリーンを使用する場合には 薄いカーテン等と同様に、カメラを十分に クリーンに近づけることによって、スクリ ンの向こう側(即ち、ユーザ側)を撮影する とが可能である。このため、特殊な加工を わなくても、スクリーンの背面側(風検出部 び風出力部のある側)にカメラを配置するこ とが可能になる。
 このように構成した場合、スクリーンの前 にいるユーザからは、スクリーンに遮られ カメラが見えず、また、遠隔におけるユー の視点とカメラの視点とを一致させること できる、という利点を有する。

 また、スクリーンの背面に複数のカメラ 設置して、複数のカメラで撮影した映像を 成した映像を作成してもよい。複数のカメ で撮影した映像を合成することにより、画 の向上を図ることができる。

 さらにまた、スクリーンの脇に複数のカメ を設置して、これら複数のカメラから、あ かもスクリーンの中央部に1つのカメラが設 置されているかのような映像(スクリーンの 央部に1つのカメラを設けて撮影した場合と 様の映像)を、作製する構成としてもよい。
 この場合、例えば、スクリーンの脇に設置 た複数のカメラで撮影した映像に基づいて 視点内挿法(例えば、稲本奈穂,斎藤英雄,「 ッカーシーンにおける自由視点映像生成の めの視点内挿法」,日本バーチャルリアリテ ィ学会論文誌,Vol.7,No.4,2002,を参照)によって生 成した映像を用いてもよい。

 本発明は、上述の実施の形態に限定され ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない 囲でその他様々な構成が取り得る。

 本発明の入出力装置は、劇場等における映 及び風の提示、情報の入出力を行う装置、 た、ゲームやシミュレーション等のバーチ ル環境とのインタラクション、ユーザ同士 テレコミュニケーション等の用途に利用す ことができる。
 また、本発明の入出力装置を用いたシステ は、ユーザ同士のテレコミュニケーション に利用することができる。

引用符号の説明

11 プロジェクタ、12 スクリーン、12A 経 、12B 緯糸、12C 空隙部、13 スピーカー、14 風検出装置、14A 風検出部、15 風出力装置 15A 風出力部、16 情報処理装置、17 カメラ 18 マイク、21 板、23 シャフト、24 管、25 再帰性反射材、100,200,200A,200B 入出力装置、W 1,W2 風、IR 赤外光