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Patent Searching and Data


Title:
DIAPHRAGM AND SPEAKER UNIT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/081503
Kind Code:
A1
Abstract:
A diaphragm and a speaker unit which can prevent generation of abnormal sound by suppressing rolling phenomenon. The speaker unit has a diaphragm. The diaphragm includes a portion for supporting a voice coil, and a sound emitting portion formed continuously to one end thereof. The voice coil supporting portion has a shape extending reversely to the sound emitting direction. The sound emitting portion includes a step portion having a surface substantially perpendicular to the sound emitting direction, and a bent portion having a cross-section bent toward the inside of the voice coil supporting portion from one end of the step portion. Consequently, the voice coil supporting portion is movable to describe an arc having a radius substantially equal to the radius of curvature at the bent portion of the voice coil supporting portion and a basic point substantially identical to the center of the bent portion in the bending direction as the voice coil moves in the sound emitting direction or in the reverse direction. Rolling phenomenon can thereby be retarded, the voice coil supporting portion can be prevented from colliding against a magnetic circuit when the speaker unit is driven and generation of abnormal sound can be prevented.

Inventors:
FURUTO AKIHIKO (JP)
KONUMA SINSUKE (JP)
Application Number:
PCT/JP2006/326039
Publication Date:
July 10, 2008
Filing Date:
December 27, 2006
Export Citation:
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Assignee:
PIONEER CORP (JP)
PIONEER TOHOKU CORP (JP)
FURUTO AKIHIKO (JP)
KONUMA SINSUKE (JP)
International Classes:
H04R9/04; H04R9/00
Foreign References:
JP2002078079A2002-03-15
Attorney, Agent or Firm:
NAKAMURA, Toshinobu et al. (3rd Floor Oak Building Kyobashi,16-10, Kyobashi 1-chome, Chuou-ku, Tokyo 31, JP)
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Claims:
 ボイスコイルを支持するためのボイスコイル支持部と、前記ボイスコイル支持部の一端に連なって形成された放音部と、を備え、
 前記ボイスコイル支持部は、音響放射方向に対し逆方向に延在した形状を有し、
 前記放音部は、前記音響放射方向に対し略垂直な面を有する段部と、前記段部の一端から前記ボイスコイル支持部の内側に向かって湾曲した断面湾曲状の湾曲部と、を備えることを特徴とする振動板。
 前記放音部は、前記音響放射方向に向かって湾曲した形状を有し、
 前記放音部の外周端には、被取付部に取り付けるための取付部が設けられ、
 前記放音部の頂部は、前記放音部の中心より外側に配置されていることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の振動板。
 前記放音部は長軸及び短軸を含む形状を有し、
 前記放音部には、前記長軸又は前記短軸から前記放音部の外周端に向かって補強用リブが形成されていることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載の振動板。
 ボイスコイルを支持するためのボイスコイル支持部と、前記ボイスコイル支持部の一端に連なって形成された放音部と、を備える振動板と、磁気回路と、を備え、
 前記磁気回路の中央には、前記ボイスコイル支持部が配置され、
 前記ボイスコイル支持部は、音響放射方向に対し逆方向に延在した形状を有し、
 前記放音部は、前記音響放射方向に対し略垂直な面を有する段部と、前記段部の一端から前記ボイスコイル支持部の内側に向かって湾曲した断面湾曲状の湾曲部と、を備えることを特徴とするスピーカー装置。
 請求の範囲第4項に記載のスピーカー装置を備えることを特徴とする携帯機器。
Description:
振動板及びスピーカー装置

 本発明は、携帯機器等に好適に用いるこ が可能なスピーカー装置における、振動板 構造に関する。

 従来より、長方形の振動板を有し、かか 振動板の中央に直線状のボイスコイルを配 して構成される、リッフェル型のスピーカ が知られている。例えば、特許文献1には、 この種の構成を有するスピーカーが記載され ている。

 特許文献1に記載のスピーカーは、平行に 且つ磁束方向が逆となる磁気ギャップを設け た上下2つの磁気回路と、これら磁気回路に 合した断面コの字状のフレームと、略中央 てボイスコイルを支持し、且つ外周がフレ ムによって支持される振動板と、ボイスコ ルの下方に配置され、且つ外周がフレーム 取り付けられたダンパーと、によって構成 れている。かかる構成により、横幅を狭く た細長構造を採用しても、最低共振周波数f0 を低くすることができ、音圧周波数特性等を 向上できるとされている。

特開平11-187484号公報

 上記の特許文献1に記載のスピーカーでは 、ボイスコイルが振動板によって支持されて いるので、音響放射方向に対するボイスコイ ルの支持力は大きいものと考えられる。一方 、ボイスコイルの側面は支持されていないの で、音響放射方向と略直交する方向(即ち、 気ギャップ内における磁束の向き)に対する イスコイルの支持力はそれ程強くないもの 考えられる。このため、このスピーカーの 動時には、ボイスコイル及び振動板等を含 振動体が前記磁束の向きに沿って横揺れし くなっている(ローリング現象)。

 よって、このスピーカーにおいて、その うなローリング現象が生じた場合には、か るローリング現象が原因となり、ボイスコ ルが磁気回路を構成する磁石やプレート等 衝突し、異常音が発生してしまう、といっ 課題がある。

 なお、このスピーカーでは、振動板に対 てボイスコイルが接合されている。このた 、ボイスコイル、中心(ボイスコイルボビン に相当)と振動板とを振動体としてみた場合 は、振動体そのものの剛性が乏しく、また ボイスコイルを振動板に取り付ける際、振 板を一旦反転させてボイスコイルを振動板 取り付ける必要があり、その取付作業が困 である、といった課題も存在する。

 本発明が解決しようとする課題としては 上記のようなものが例として挙げられる。 発明は、ローリング現象を抑止して異常音 発生を防止すること、出力音圧レベルの向 を図ること、最低共振周波数f0を下げるこ 、などを可能とする振動板及びそれを用い スピーカー装置を提供することを課題とす 。

 請求項1に記載の発明は、振動板であって 、ボイスコイルを支持するためのボイスコイ ル支持部と、前記ボイスコイル支持部の一端 に連なって形成された放音部と、を備え、前 記ボイスコイル支持部は、音響放射方向に対 し逆方向に延在した形状を有し、前記放音部 は、前記音響放射方向に対し略垂直な面を有 する段部と、前記段部の一端から前記ボイス コイル支持部の内側に向かって湾曲した断面 湾曲状の湾曲部と、を備えることを特徴とす る。

本発明の実施例に係るスピーカー装置 正面図。 本実施例に係るスピーカー装置の断面 。 本実施例に係る振動板の断面図。 比較例及び本実施例の振動板の動作を 明するための振動板の断面図。 本発明のスピーカー装置を用いた各種 帯電話機の平面図及び斜視図。

符号の説明

 5 振動板
 6 ボイスコイル
 30 磁気回路
 31 振動体
 70a 第1の磁気ギャップ
 70b 第2の磁気ギャップ
 51 ボイスコイル支持部
 52 放音部
 52a 頂部
 52c 段部
 52d 湾曲部
 52x 内周端
 52r 補強用リブ
 53 取付部
 100 スピーカー装置
 800、900 携帯電話機

 本発明の1つの実施形態では、振動板は、 ボイスコイルを支持するためのボイスコイル 支持部と、前記ボイスコイル支持部の一端に 連なって形成された放音部と、を備える。前 記ボイスコイル支持部は、音響放射方向に対 し逆方向に延在した形状を有する。前記放音 部は、前記音響放射方向に対し略垂直な面を 有する段部と、前記段部の一端から前記ボイ スコイル支持部の内側に向かって湾曲した断 面湾曲状の湾曲部と、を備える。

 上記の振動板は、ボイスコイルを支持す ためのボイスコイル支持部と、ボイスコイ 支持部の一端に連なって形成された放音部 、を備える。ボイスコイル支持部は、音響 射方向に対し逆方向に延在した形状を有す 。

 特に、振動板では、放音部は、音響放射 向に対し略垂直な面を有する段部と、その 部の一端からボイスコイル支持部の内側に かって湾曲した断面湾曲状の湾曲部と、を える。

 これにより、振動板では、ボイスコイル 持部の可動範囲が段部と湾曲部によって規 される。よって、振動板が振動する時には 湾曲部の湾曲方向の略中心がボイスコイル 持部が動く際の基点となる。また、ボイス イルが音響放射方向又はその逆方向へ移動 るのに伴って、ボイスコイル支持部の湾曲 の曲率半径を略半径として且つ当該湾曲部 湾曲方向の略中心を基点として、ボイスコ ル支持部は円弧を描くように可動する。こ ため、振動板では、ローリング現象が生じ としても、ボイスコイル支持部の横揺れの を極めて小さくすること、当該横揺れしに くすること、が夫々可能になり、ローリン 現象を生じ難くすることができる。その結 、振動板と、磁気回路とを備え、ボイスコ ル支持部が磁気回路の中央部に配置される 成を有するスピーカー装置では、その駆動 に、ボイスコイル支持部が磁気回路に衝突 るのを回避でき、異常音が発生することを 止できる。

 上記の振動板の一つの態様では、前記放 部は、前記音響放射方向に向かって湾曲し 形状を有し、前記放音部の外周端には、被 付部に取り付けるための取付部が設けられ 前記放音部の頂部は、前記放音部の中心よ 外側に配置されている。

 これにより、振動板における有効振動面 (実質的に振動に寄与する放音部の面積)が きくなり、出力音圧レベルを大きくするこ ができる。また、振動板のコンプライアン (振動板のスチフネスの逆数)が大きくなり、 最低共振周波数f0を下げることができる。

 上記の振動板の他の態様では、前記放音 は長軸及び短軸を含む形状を有し、前記放 部には、前記長軸又は前記短軸から前記放 部の外周端に向かって補強用リブが形成さ ている。好適な例では、補強用リブは、音 放射方向又はその逆方向に窪む形状を有す のが好ましい。

 これにより、振動板の振動方向(音響放射 方向)において、振動板のコンプライアンス 大きくなり、最低共振周波数f0を下げること ができる。また、振動板の剛性が大きくなり 、ローリング現象の発生を抑止できる。

 本発明の他の実施形態では、上記のスピ カー装置を備える携帯機器(例えば、携帯電 話機など)を構成することができる。

 以下、図面を参照して本発明の好適な実 例について説明する。

 [スピーカー装置の構成]
 図1及び図2等を参照して、本発明の実施例 係るスピーカー装置100の構成について説明 る。

 図1は、本発明の実施例に係るスピーカー 装置100の正面図を示す。図2は、図1の切断線A -A’に沿ったスピーカー装置100の断面図であ 、特にスピーカー装置100の中心軸L1を通る 置で切断した断面図を示す。

 スピーカー装置100は、携帯機器用スピー ー、或いはマイクロスピーカーとして好適 用いられる。スピーカー装置100は、主とし 、一対の第1のプレート1a及び1bと、一対の グネット2a及び2bと、一対の第2のプレート3a び3bと、を有する内磁型の磁気回路30と、振 動板5及びボイスコイル6を有する振動体31と 磁気回路30及び振動体31を支持するフレーム4 と、を備えて構成される。なお、以下では、 各マグネット、及び各第1又は各第2のプレー を区別する場合にはそれぞれマグネット2a は第1のプレート1aのように表記すると共に それらを特に区別しない場合には、マグネ ト2又は第1のプレート1のように表記する。

  (磁気回路の構成)
 磁気回路30は、一対の第1のプレート1a及び1b 、一対のマグネット2a及び2bと、並びに一対 第2のプレート3a及び3bをその構成部材とし、 その構成部材の各構成は次の通りである。

 一対の第1のプレート1a及び1bの各々は、 直方体状及び略角型棒状の形状を有し、所 の距離をおいて対向配置されている。第1の レート1aと第1のプレート1bの間には、第1の 気ギャップ70aが形成されている。第1の磁気 ギャップ70a内に生じる磁束の方向は、例えば 矢印Y2方向に設定されている。

 一対のマグネット2a及び2bの各々は、略直 方体状及び略角型棒状の形状を有し、一定の 距離をおいて対向した状態で、一対の第1の レート1a及び1bの各々の上面に取り付けられ いる。

 一対の第2のプレート3aと3bは、略直方体 及び略角型棒状の形状を有している。また 一対の第2のプレート3aと3bは、一定の距離を おいて対向した状態で配置されている。第2 プレート3aはマグネット2aの上面に取り付け れ、第2のプレート3bはマグネット2bの上面 取り付けられている。第2のプレート3aと第2 プレート3bの間には、第2の磁気ギャップ70b 形成されている。第2の磁気ギャップ70b内に 生じる磁束の方向は、第1の磁気ギャップ70a における磁束の方向と逆向きであり、第2の 気ギャップ70bと、第1の磁気ギャップ70aとに 生じる磁力の大きさは相対的にほぼ同一の大 きさに設定されている。図2には、磁束の向 として、第1の磁気ギャップ70a内における磁 の方向が矢印Y2、第2の磁気ギャップ70b内に ける磁束の方向が矢印Y3として、例示され いる。

  (振動体の構成)
 振動体31は、振動板5及びボイスコイル6をそ の構成部材とし、その構成部材の各構成は次 の通りである。

 振動板5は、対向し合う直線部と対向し合 う曲線部とを備える外形を有している。また 、振動板5は、長軸L20及び短軸L21で規定され 細長の外形を有し、ボイスコイル6を支持す ボイスコイル支持部51と、音波を放射する 割を担う放音部52と、後述するフレーム4の 取付部4aに取り付けるための取付部53と、を える。

 ボイスコイル支持部51は、振動板5の短軸L 21の方向の中央部に且つ放音部52の内側に配 されている。ボイスコイル支持部51は、音響 放射方向Y1に対し逆方向に延在した形状を有 ると共に、長軸L20の方向に延在した細長形 を有する。また、ボイスコイル支持部51は 袋状又は凹状の断面形状を有する。ボイス イル支持部51は、その短軸L21の方向に一定幅 の間隙を有し、その間隙は略直方体状の空間 を形成している。かかる間隙の幅は、磁束密 度を大きくするため、できる限り狭い値に設 定されているのが好ましく、例えば約0.2mm程 に設定される。また、ボイスコイル支持部5 1は、その長軸L20の方向に所定の間隔をおい 、前記間隙幅より大きな間隙幅を有する膨 み部分51aを備える。膨らみ部分51aの間隙は 円柱状の空間を形成している。これにより ボイスコイル支持部51の剛性を大きくするこ とができる。放音部52は、ボイスコイル支持 51の一端(外周端)に連なって形成され、音響 放射方向Y1に向かって湾曲した形状を有する 取付部53は、放音部52の外周端に設けられて いる。以上の基本構成を有する振動板5は、 イスコイル支持部51が磁気回路30の中央部に 置された状態で、且つ取付部53がフレーム4 被取付部4aに取り付けられ、フレーム4に支 されている。なお、本発明の実施例に係る 動板5の特徴的な構成については後述する。

 ボイスコイル6は、一対のプラス及びマイ ナスのリード線(図示略)を有し、長円状及び 状の平面形状を形成するように巻かれてい 。また、ボイスコイル6は、互いに平行にな るよう配置される、第1の平行部6aと第2の平 部6bとを有する。第1の平行部6aは一方向に延 在し、第2の平行部6bは第1の平行部6aと一定の 間隙6dを置いて対向するように配置されてい 。ボイスコイル6は、ボイスコイル支持部51 に配置され、当該ボイスコイル支持部51に り支持される。そして、第1の平行部6aは、 1の磁気ギャップ70a内に位置している一方、 2の平行部6bは、第2の磁気ギャップ70b内に位 置している。

 ここで、ボイスコイル6のプラス側のリー ド線はL(又はR)チャンネル信号の入力配線で り、マイナス側のリード線はグランド(GND:接 地)信号の入力配線である。各リード線は、 示しないアンプ側の各出力配線にも電気的 接続される。このため、ボイスコイル6には その各リード線を通じてアンプ側から信号 び電力(以下、単に「音声電流」とも称する )が夫々入力される。なお、かかる構成を有 るボイスコイル6では音声電流が周回するよ に流れるため、第1の平行部6aに流れる音声 流の向きと、第2の平行部6bに流れる音声電 の向きとは相対的に逆向きとなる。

  (フレームの構成)
 フレーム4は、細長形状を有すると共に振動 体31の放音部52を取り囲む形状を有する。好 な例では、フレーム4は、成形加工が容易な 脂材料にて形成されていることが好ましい フレーム4は、その上端部に、振動板5の外 部(取付部)53が取り付けられる被取付部4aを える。また、フレーム4は、その中央部に、 動板5のボイスコイル支持部51を挿入する為 細長形状の開口4bを備えている。

 以上の構成を有するスピーカー装置100で 、アンプ側から出力された音声電流は、ボ スコイル6の一対のプラス及びマイナスのリ ード線を通じて、当該ボイスコイル6へ入力 れてボイスコイル6に音声電流が流される。 イスコイル6に音声電流が流されることで、 第1の磁気ギャップ70a内でボイスコイル6の第1 の平行部6aに電磁気力(ローレンツ力)が作用 ると共に、第2の磁気ギャップ70b内でボイス イル6の第2の平行部6bに電磁気力(ローレン 力)が作用する。この電磁気力がボイスコイ 6の駆動力となり、その駆動力が振動板5に わることで、振動板5が音響放射方向Y1又は の逆方向に動き、振動板5の放音部52から音 放射方向Y1に音波が放射される。

 [振動板の構成]
 次に、図3を参照して、本発明の実施例に係 る振動板5の特徴的な構成について詳述する

 図3は、図1の切断線B-B’に沿った振動板5 断面図であり、短軸L21の方向に沿った振動 5の断面図である。

 振動板5の基本的な構成は上述した通りで あり、特に、本実施例では、放音部52の内周 側が特徴的な形状を有する。

 具体的には、放音部52は、その内周端側52 xに、音響放射方向Y1に対し略垂直な面を有す る段部52c(破線にて囲まれる部分)と、段部52c 一端(内周端)からボイスコイル支持部51の内 側(中心軸L2側)に向かって湾曲した断面湾曲 の湾曲部52d(破線にて囲まれる部分)と、を備 える。

 かかる構成により、本実施例では、後述 る比較例と比較して、ローリング現象が生 難くなっている。この点について、図4を参 照して説明する。

 図4(a)は、本実施例に係る振動板5の短軸L2 1の方向に沿った要部断面図であり、特に、 ピーカー装置100の駆動時における振動板5の きを説明するための説明図である。図4(b)は 、図4(a)に対応する比較例に係る振動板5xの短 軸L21方向に沿った要部断面図であり、特に、 スピーカー装置の駆動時における振動板5xの きを説明するための説明図である。

 まず、比較例に係る振動板5xの構成につ て簡単に説明する。なお、以下では、本実 例に係る振動板5と同一の要素については同 の符号を付し、その説明は省略する。

 比較例に係る振動板5xは、ボイスコイル6 支持するボイスコイル支持部511と、音波を 射する役割を担う放音部522と、フレーム4の 被取付部4aに取り付けるための取付部53(図示 )と、を備える。放音部522の内周端522x(破線 て囲まれる部分)は、ボイスコイル支持部511 の内側(中心軸L2側)に向かって湾曲した断面 曲形状を有する。以下では、説明の便宜上 放音部522の「内周端522x」を、放音部522の「 曲部522x」と呼称する。

 ここで、比較例に係る振動板5xと、本実 例に係る振動板5とを比較した場合、図4(a)及 び(b)に示すように、比較例に係る放音部522の 湾曲部522xの曲率半径R2は、本実施例に係る振 動板5の湾曲部52dの曲率半径R1と比べて大きい 。さらに、比較例に係る放音部522の湾曲部522 xは、本実施例の放音部52の内周端52xに設けら れる段部52cを有しない点で、振動板5の湾曲 52dに対し異なっている。このため、比較例 係る振動板5xでは、湾曲部522xによって、ボ スコイル支持部51xの可動範囲が規定される

 このような構成を有する比較例では、図4 (b)に示すように、スピーカー装置の駆動時に 、ボイスコイル6が音響放射方向Y1又はその逆 方向へ移動するのに伴って、放音部522の湾曲 部522xの曲率半径R2を略半径とし、当該湾曲部 522xの湾曲方向Y20の略中心P2を基点として、ボ イスコイル支持部511は円弧L11を描くように可 動する。

 ここで、比較例の振動板5xは、放音部522 湾曲部522xの曲率半径R2が大きいことに加え 本実施例の放音部52の内周端52x側に設けられ る段部52cを有していない。そのため、振動板 5xが振動する時には、その短軸方向への、ボ スコイル支持部511の横揺れの幅L30が大きく ってしまう。そのため、比較例の振動板5x 備えるスピーカー装置において、そのロー ング現象の発生が原因となり、ボイスコイ 支持部511が磁気回路30(図示略)と衝突し、異 音が発生してしまう、といった課題がある

 これに対して、本実施例では、上述した うに、放音部52は、その内周端52x側に、音 放射方向Y1に対し略垂直な面を有する段部52c と、段部52cの一端(内周端)からボイスコイル 持部51の内側に向かって湾曲した断面湾曲 の湾曲部52dと、を備える。

 これにより、本実施例に係る振動板5では 、ボイスコイル支持部51の可動範囲が段部52c 湾曲部52dによって規定される。よって、本 施例では、図4(a)に示すように、スピーカー 装置100の駆動時には、湾曲部52dの湾曲方向Y21 の略中心P1がボイスコイル支持部51が動く際 基点となる。つまり、ボイスコイル6が音響 射方向Y1又はその逆方向へ移動するのに伴 て、放音部52の湾曲部52dの曲率半径R1(<R2) 略半径として且つ当該湾曲部52dの湾曲方向Y2 1の略中心P1を基点として、ボイスコイル支持 部51は円弧L10を描くように可動する。このた 、本実施例では、ローリング現象が生じた しても、ボイスコイル支持部51の横揺れの を極めて小さくすること、当該横揺れしに くすること、が夫々可能になり、ローリン 現象を生じ難くすることができる。即ち、 実施例では、振動板5の短軸L21の方向への、 イスコイル支持部51の可動範囲、言い換え ば、ボイスコイル支持部51の横揺れ幅L31(< 較例に係る横揺れ幅L30)が極めて小さくなり 、ローリング現象が生じ難くなる。その結果 、本実施例では、ボイスコイル支持部51が磁 回路30に衝突するのを回避でき、異常音が 生することを防止できる。

 また、本実施例に係る振動板5では、放音 部52は音響放射方向Y1に向かって湾曲した形 を有している。また、放音部52の外周端には 、フレーム4の被取付部4aに取り付けるための 取付部53が設けられている。さらに、放音部5 2の頂部52aは、図3に示すように、放音部52の 心を通る直線L5より外側に配置されている。 なお、直線L5は、放音部52において、ボイス イル支持部51の略中心を通る直線(中心軸)L2 、取付部53の略中心を通る直線L3とを結ぶ直 L4の中心を通る直線である。

 これにより、振動板5における有効振動面 積(実質的に振動に寄与する放音部52の面積) 大きくなり、出力音圧レベルを大きくする とができる。また、振動板5のコンプライア ス(振動板5のスチフネスの逆数)が大きくな 、最低共振周波数f0を下げることができる

 さらに、本実施例に係る振動板5では、放 音部52は長軸L20及び短軸L21を含む形状を有し 放音部52には、長軸L20又は短軸L21から放音 52の外周端に向かって補強用リブ52rが形成さ れている。これにより、振動板5の振動方向( 響放射方向Y1)において、振動板5のコンプラ イアンスが大きくなり、最低共振周波数f0を げることができる。また、長軸方向L20にお る振動板5の剛性が大きくなり、ローリング 現象の発生を抑止できる。

 なお、好適な例では、補強用リブ52rは、 3に示すように、音響放射方向Y1に対し逆方 (又は音響放射方向Y1)に窪む形状を有する。 また、短軸L21の方向に設けられた補強用リブ 52rは、長軸L20に対して対称的な形状を有する と共に、長軸L20の方向に対して斜め方向に延 在する形状を有する。また、長軸L20の方向に 設けられた補強用リブ52rは、短軸L21に対して 対称的な形状を有する。また、長軸L20の方向 に設けられた複数の補強用リブ52rのうち、少 なくとも1つの補強用リブ52rは、長軸L20に対 て対称的な形状を有すると共に、長軸L20の 向に対して斜め方向に延在する形状を有す 。なお、本発明では、補強用リブ52rの形状 、放音部52における補強用リブ52rの設定数な どについて特に限定はしない。

 [携帯電話機への適用例]
 次に、本発明の実施例に係るスピーカー装 100を、携帯電話機内の受信部及着信部に適 した例について説明する。

 図5(a)は、この携帯電話機800の構成を示す 概略平面図である。同図に例示の携帯電話機 800は、ケース800gの表側に設けられた、複数 操作ボタン800aと、画像を表示するための表 部800bと、受話口800c及び送話口800dと、ケー 800gの裏側に設けられ、着信アラーム音を鳴 らす機能を有する着信部800eと、ケース800gの 側面に設けられた送受信アンテナ800fと、を 備えて構成される。以上の構成を有する携帯 電話機800では、スピーカー装置100がケース800 g内に搭載され、例えば受話口800c及び着信部8 00eに対応する位置に各々設けられる。

 また、本発明では、図5(b)に示されるよう な、携帯電話機900の側面側にスピーカー装置 100を設けることも可能である。

 なお、本発明では、このような携帯電話 以外にも、各種の携帯機器に対して本発明 実施例に係るスピーカー装置100を好適に用 ることができる。

 本発明は、携帯機器用スピーカー又は電 機器などに搭載されるマイクロスピーカー して利用することができる。