Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
DIELECTRIC CERAMIC COMPOSITION AND MULTILAYER CERAMIC CAPACITOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/102608
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a dielectric ceramic material used for a multilayer ceramic capacitor, namely a dielectric ceramic composition having a high resistivity which can be fired together with an internal electrode mainly composed of Ni at a temperature not more than 1200˚C. This dielectric ceramic composition mainly contains a tungsten bronze type complex oxide represented by the chemical composition: (K1-xNax)Sr2Nb5O15 (wherein 0 ≤ x < 0.2), while containing, as minor components, 0.05-20 parts by mole of R (R is at least one element selected from the group consisting of Y, La, Pr, Nd, Sm, Eu, Gd, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Yb and Lu) and 0.05-40 parts by mole of M (M is at least one element selected from the group consisting of Mn, V, Li, Si, Ni, Cr, Co, Fe, Zn, Mg and Zr) per 100 parts by mole of the main component.

Inventors:
TAKEDA TOSHIKAZU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/051234
Publication Date:
August 28, 2008
Filing Date:
January 29, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
MURATA MANUFACTURING CO (JP)
TAKEDA TOSHIKAZU (JP)
International Classes:
C04B35/00; H01B3/12; H01G4/12; H01G4/30
Domestic Patent References:
WO2006114914A12006-11-02
Foreign References:
JP2006008498A2006-01-12
JPH11240759A1999-09-07
JP2003020275A2003-01-24
Attorney, Agent or Firm:
KODA, Kazuyuki (Yao-minami Garden Terrace84-2, Wakabayashi-cho 1-chom, Yao-shi Osaka 38, JP)
Download PDF:
Claims:
 組成式(K 1-x Na x )Sr 2 Nb 5 O 15 (ただし、0≦x<0.2)で表されるタングステンブロンズ型複合酸化物を主成分として含む誘電体セラミック組成物であって、前記主成分100モル部に対して、0.05~20モル部のR(ただし、Rは、Y、La、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luからなる群より選ばれた少なくとも1種)と、0.05~40モル部のM(ただし、Mは、Mn、V、Li、Si、Ni、Cr、Co、Fe、Zn、Mg、Zrからなる群より選ばれた少なくとも1種)とを、副成分として含む、誘電体セラミック組成物。
 前記主成分におけるSrのうち一部が、BaおよびCaからなる群より選ばれた少なくとも1種により置換されている、請求項1に記載の誘電体セラミック組成物。
 積層された複数の誘電体セラミック層と、前記複数の誘電体セラミック層の間に配置された複数の内部電極と、前記複数の内部電極に電気的に接続された外部電極と、を備え、前記誘電体セラミック層は、請求項1または請求項2に記載の誘電体セラミック組成物によって形成され、前記内部電極の主成分がNiである、積層セラミックコンデンサ。
                                                                                
Description:
誘電体セラミック組成物及び積 セラミックコンデンサ

 本発明は、一般的には誘電体セラミック組 物及び積層セラミックコンデンサに関し、 定的には、タングステンブロンズ構造を有 るKSr 2 Nb 5 O 15 を基本組成とする誘電体セラミック組成物、 及びこの誘電体セラミック組成物を用いた積 層セラミックコンデンサに関する。

 本発明の主用途である積層セラミックコ デンサは、以下のようにして製造されるの 一般的である。

 まず、所望のパターンで内部電極となる 電材料がその表面に付与された、誘電体セ ミック原料を含むセラミックグリーンシー が用意される。

 次に、上述した導電材料を付与したセラ ックグリーンシートを含む複数のセラミッ グリーンシートが積層され、熱圧着され、 れによって一体化された生の積層体が作製 れる。

 次に、この生の積層体は焼成されること よって、焼結後の積層体が得られる。この 層体の内部には、上述した導電材料から構 された内部電極が形成されている。

 次いで、特定の内部電極に電気的に接続 れるように、積層体の外表面上に外部電極 形成される。外部電極は、たとえば、導電 金属粉末およびガラスフリットを含む導電 ペーストを積層体の外表面上に付与し、焼 付けることによって形成される。このよう して、積層セラミックコンデンサが完成さ る。

 積層セラミックコンデンサの製造原価を げるために、その内部電極の材料として価 の安いNiが用いられることが望まれる。内 電極の材料としてNiを用いる場合、Niは卑金 であることから、積層体の焼成時におけるN iの酸化を防ぐために、焼成時の雰囲気を還 雰囲気にする必要がある。

 還元雰囲気にて積層体を焼成するためには 誘電体セラミック材料に耐還元性が求めら る。耐還元性を有し、かつ優れた電気特性 有する材料として、国際公開第WO2006/114914号 パンフレット(以下、特許文献1という)には、 KSr 2 Nb 5 O 15 系セラミック組成物が開示されている。この セラミック組成物は、結晶構造がタングステ ンブロンズ構造であり、ペロブスカイト構造 を有するチタン酸バリウムとは全く異なるも のである。

国際公開第WO2006/114914号パンフレット

 特許文献1のKSr 2 Nb 5 O 15 系セラミック組成物は、主成分がNiである内 電極を有する積層セラミックコンデンサに いて、優れた誘電率を示している。

 しかしながら、特許文献1のKSr 2 Nb 5 O 15 系セラミック組成物は、誘電率εは高いもの 、抵抗率ρがまだ不十分であった。このた 、駆動電圧の高い環境においては、動作が 安定になることが懸念された。

 本発明は、このような問題点に鑑み、な れたものであって、十分な抵抗率を示す誘 体セラミック組成物、およびそれを用いた 層セラミックコンデンサを提供することを 的としている。

 すなわち、本発明の誘電体セラミック組成 は、組成式(K 1-x Na x )Sr 2 Nb 5 O 15 (ただし、0≦x<0.2)で表されるタングステン ロンズ型複合酸化物を主成分として含む誘 体セラミック組成物であって、上記の主成 100モル部に対して、0.05~20モル部のR(ただし Rは、Y、La、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er 、Tm、Yb、Luからなる群より選ばれた少なくと も1種)と、0.05~40モル部のM(ただし、Mは、Mn、V 、Li、Si、Ni、Cr、Co、Fe、Zn、Mg、Zrからなる群 より選ばれた少なくとも1種)とを、副成分と て含む。

 また、本発明の誘電体セラミック組成物 、主成分におけるSrのうち一部が、Baおよび Caからなる群より選ばれた少なくとも1種によ り置換されていてもよい。

 さらに、本発明は、上述したいずれかの 電体セラミック組成物を誘電体セラミック を形成するために用いた積層セラミックコ デンサにも向けられる。

 すなわち、本発明の積層セラミックコン ンサは、積層された複数の誘電体セラミッ 層と、この複数の誘電体セラミック層の間 配置された内部電極と、この複数の内部電 に電気的に接続された外部電極と、を備え 積層セラミックコンデンサにおいて、上記 誘電体セラミック層が上述したいずれかの 電体セラミック組成物によって形成され、 部電極の主成分がNiである。

 本発明の誘電体セラミック組成物によれ 、副成分であるRとMとの相乗作用により、 い誘電率εを保ちつつ、十分に高い抵抗率ρ 得ることができる。したがって、駆動電圧 高い用途においても安定した特性を有する 層セラミックコンデンサを得ることができ 。

本発明の一実施形態による積層セラミ クコンデンサを模式的に示す断面図である

符号の説明

 1:積層セラミックコンデンサ、2:セラミッ ク積層体、3:誘電体セラミック層、4,5:内部電 極、8,9:外部電極

 まず、本発明の誘電体セラミック組成物 主要な用途である、積層セラミックコンデ サについて説明する。図1は一般的な積層セ ラミックコンデンサの構成を示す断面図であ る。

 積層セラミックコンデンサ1は、直方体状 のセラミック積層体2を備えている。セラミ ク積層体2は、複数の積層された誘電体セラ ック層3と、複数の誘電体セラミック層3間 界面に沿って形成された複数の内部電極4お び5とを備えている。内部電極4および5は、 ラミック積層体2の外表面にまで到達するよ うに形成されている。セラミック積層体2の 方の端面6にまで引き出される内部電極4と他 方の端面7にまで引き出される内部電極5とが セラミック積層体2の内部において、誘電体 セラミック層3を介して静電容量を取得でき ように交互に配置されている。

 内部電極4および5の導電材料の主成分は コスト低減の点から、ニッケルまたはニッ ル合金であることが好ましい。

 前述した静電容量を取り出すために、セ ミック積層体2の外表面上であって、端面6 よび7上には、内部電極4および5のいずれか 定のものに電気的に接続されるように、外 電極8および9がそれぞれ形成されている。外 部電極8および9に含まれる導電材料としては 内部電極4および5の場合と同じ導電材料を いることができ、さらに、銀、パラジウム 銀-パラジウム合金なども用いることができ 。外部電極8および9は、上記の金属または 金の粉末にガラスフリットを添加して得ら た導電性ペーストを付与し、焼き付けるこ によって形成される。

 また、外部電極8および9上には、必要に じて、ニッケル、銅などからなる第1のめっ 層10および11がそれぞれ形成され、さらにそ の上には、半田、錫などからなる第2のめっ 層12および13がそれぞれ形成される。

 次に、本発明の誘電体セラミック組成物 詳細について説明する。

 主成分である(K 1-x Na x )Sr 2 Nb 5 O 15 (ただし、0≦x<0.2)は、タングステンブロン 型の結晶構造を有し、これはチタン酸バリ ムに代表されるペロブスカイト構造とは全 異なるものである。

 主成分における各Kサイト、Srサイト、Nbサ ト、Oサイトのモル比は、基本的に1:2:5:15で るが、タングステンブロンズ構造を保持で る限りは、多少増減しても構わない。ただ 、組成式を(KSr 2 ) m Nb 5 O 15 とするとき、mが1.16より大きくなるか、また 0.96より小さくなると、焼結性が悪くなるた め好ましくない。

 副成分であるRは、主成分100モル部に対し 、0.05~20モル部含有される。また、副成分で るMは、主成分100モル部に対し、0.05~40モル部 含有される。MとRのうち、いずれか一方でも くと、抵抗率ρの向上の効果が低下する。 た、RまたはMの含有量が上記範囲の上限値を 超えると、異相の出現により、抵抗率ρが低 する。

 なお、主成分におけるKサイトは、Naで置 されないことが望ましいが、置換量が20モ %未満の範囲内でNaで置換されるのであれば 換されてもよい。仮にNaの置換量が20モル%以 上となると、誘電率が下がるばかりか、RとM の相乗作用による抵抗率向上の効果が抑制 れる。

 主成分におけるSrサイトは、その一部がBa および/またはCaで置換されてもよい。置換の 許容量は要求特性に応じて適宜設計できるも のであるが、許容量の上限値は、BaとCaとの 計で70モル%程度である。

 本発明の誘電体セラミック組成物の製造方 は、公知の方法が採用されてもよい。例え 、本発明の誘電体セラミック組成物は、酸 物粉末や炭酸化物等の出発原料を混合し、 られた混合粉体を熱処理合成する固相法に り得られる。また、本発明の誘電体セラミ ク組成物は、蓚酸法、水熱合成法、加水分 法などの湿式合成法によって製造されても い。一般的には、まず、タングステンブロ ズ型化合物KSr 2 Nb 5 O 15 の粉末を合成し、この合成によって得られた 主成分としての粉末にMnO、Y 2 O 3 等の副成分を混合して成形し、焼成する方法 が採用される。ただし、KSr 2 Nb 5 O 15 の粉末を合成する際に、予め主成分の素原料 に対して副成分の素原料を混合しておくこと により、副成分で変性されたKSr 2 Nb 5 O 15 の粉末を得て、この得られた粉末をセラミッ ク原料粉末としてもよい。

 以下、本発明の誘電体セラミック組成物 よびそれを用いた積層セラミックコンデン の実施例について、実験例1~2にて説明する

 [実験例1]
 本実験例は、主成分(KSr 2 Nb 5 O 15 )に対して、副成分のRおよびMの元素種と含有 量を変化させることによる電気特性への影響 を調べたものである。作製した試料の試料番 号は1~35であり、各試料の組成と電気特性の 定結果を表1に示す。以下、詳細に説明する

 まず、主成分の出発原料として、K 2 CO 3 、SrCO 3 、Nb 2 O 5 を準備し、これらの出発原料を、組成式:KSr 2 Nb 5 O 15 で表わされる組成になるように秤量し、溶媒 中でボールミルにて混合した上で、乾燥後、 1000℃にて2時間熱処理合成することにより、K Sr 2 Nb 5 O 15 からなる主成分粉末を得た。

 主成分100モル部に対して表1の試料番号1~35 示すR含有モル部、R元素の内訳、M含有モル 、M元素の内訳になるように、上記の主成分 末に対し、Y 2 O 3 、La 2 O 3 、Pr 6 O 11 、Nd 2 O 3 、Sm 2 O 3 、Eu 2 O 3 、Gd 2 O 3 、Tb 2 O 3 、Dy 2 O 3 、Ho 2 O 3 、Er 2 O 3 、Tm 2 O 3 、Yb 2 O 3 、Lu 2 O 3 、MnO、V 2 O 5 、Li 2 CO 3 、SiO 2 、NiO、Cr 2 O 3 、CoO、Fe 2 O 3 、ZnO、MgO、ZrO 2 の粉末を秤量した。これらの粉末を溶媒中で ボールミルにて混合した後、乾燥して、試料 番号1~35のセラミック原料粉末を得た。

 次いで、試料番号1~35のセラミック原料粉 末に、ポリビニルブチラール系バインダ及び エタノールを添加した後、ボールミルによっ て湿式混合してセラミックスラリーをそれぞ れ調製した。そして、それぞれのセラミック スラリーをドクターブレード法によりシート 状に成形し、厚み8μmの矩形状のセラミック リーンシートを得た後、試料毎にセラミッ グリーンシート上に、Niを主成分とする導電 性ペーストを印刷し、内部電極用の導電性ペ ースト膜を形成した。

 引き続き、各試料のセラミックグリーンシ トそれぞれについて、図1に示すように導電 性ペースト膜が引き出されて外部に露出して いる端部が互い違いになるように複数枚積層 し、生の積層体を得た。これらの生の積層体 を、N 2 ガス雰囲気中において350℃の温度に加熱し、 バインダを分解、燃焼させた後、酸素分圧10 -9 ~10 -12 MPaのH 2 -N 2 -H 2 Oガスからなる還元性雰囲気中において表1に す温度で2時間焼成して、セラミック積層体 を得た。その後、各試料の積層体の両端面に B 2 O 3 -SiO 2 -BaO系のガラスフリットを含有するAgペースト をそれぞれ塗布し、N 2 ガス雰囲気において800℃の温度で焼き付け、 内部電極と電気的に接続された外部電極を形 成した。

 このようにして、試料番号1~35の積層セラミ ックコンデンサの試料を得た。これらの積層 セラミックコンデンサの外径寸法は、幅が3.2 mm、長さが4.5mm、厚さが0.5mmであり、内部電極 間に介在する誘電体セラミック層の厚みは6μ mであった。また、有効誘電体セラミック層 層数は5であり、一層当たりの対向電極の面 は2.5×10 -6 m 2 であった。

 上記各試料について、自動ブリッジ式測 器を用い、25℃、周波数1kHz、1Vrmsの条件下 静電容量C及び誘電損失D.F.をそれぞれ測定し 、得られた静電容量Cから誘電率εを算出した 。また、各試料について、絶縁抵抗計を用い 、25℃において30Vの直流電圧を1分間印加し、 絶縁抵抗Rを測定し、得られた絶縁抵抗Rから 抗率ρを算出した。この結果を表1に示す。

 表1に示す結果によれば、試料番号1~35の ち、RおよびMの含有量が本発明の範囲内にあ る試料では、還元性雰囲気中において1200℃ 下の温度でNiを主成分とする内部電極と誘電 体セラミック層とを同時に焼成することがで き、高い誘電率εおよび高い抵抗率ρを有す 積層セラミックコンデンサが得られた。

 これに対し、RおよびMの含有量のうちい れかが本発明の範囲外である試料番号1、6、 13および26の積層セラミックコンデンサでは 抵抗率ρのlog(ρ/ω・m)値が9.5未満と低い値に った。

 [実験例2]
 本実験例は、主成分(KSr 2 Nb 5 O 15 )に対して副成分のRおよびMを含有させた組成 において、Kサイトの一部をNaで置換すること による電気特性への影響を調べたものである 。作製した試料の試料番号は101~123であり、 試料の組成と電気特性の測定結果を表2に示 。以下、詳細に説明する。

 まず、組成式:(K 1-x Na x )Sr 2 Nb 5 O 15 におけるxの値が表2の試料番号101~123に示すx 値になるように、主成分の出発原料として K 2 CO 3 、Na 2 CO 3 、SrCO 3 、Nb 2 O 5 を秤量し、これらの出発原料を溶媒中でボー ルミルにて混合した上で、乾燥後、1000℃に 2時間熱処理合成することにより、(K 1-x Na x )Sr 2 Nb 5 O 15 の主成分粉末を得た。

 主成分100モル部に対して表2の試料番号101~12 3に示すR含有モル部、R元素の内訳、M含有モ 部、M元素の内訳になるように、上記の主成 粉末に対し、Y 2 O 3 、La 2 O 3 、Nd 2 O 3 、Eu 2 O 3 、Gd 2 O 3 、Dy 2 O 3 、Ho 2 O 3 、Er 2 O 3 、Yb 2 O 3 、MnO、V 2 O 5 、Li 2 CO 3 、SiO 2 、NiO、Cr 2 O 3 、CoO、Fe 2 O 3 、ZnO、MgO、ZrO 2 の粉末を秤量した。これらの粉末を溶媒中で ボールミルにて混合した後、乾燥して、試料 番号101~123のセラミック原料粉末を得た。

 次いで、試料番号101~123のセラミック原料粉 末を用いて、実験例1と同じ工程を経て、生 積層体を得た。これらの生の積層体を、N 2 ガス雰囲気中において350℃の温度に加熱し、 バインダを分解、燃焼させた後、酸素分圧10 -9 ~10 -12 MPaのH 2 -N 2 -H 2 Oガスからなる還元性雰囲気中において表3に す温度で2時間焼成して、セラミック積層体 を得た。

 得られたセラミック積層体に、実験例1と 同じ工程を経て、内部電極と電気的に接続さ れた外部電極を形成した。このようにして、 試料番号101~123の積層セラミックコンデンサ 試料を得た。

 上記の各試料について、実験例1と同じ方 法にて、誘電率ε、誘電損失D.F.、25℃抵抗率 を評価した。この結果を表2に示す。

 表2に示す結果によれば、本発明の組成範 囲内にある試料番号102~104、106~110、112~116では 、還元性雰囲気中において1200℃以下の温度 Niを主成分とする内部電極と誘電体セラミッ ク層とを同時に焼成することができ、高い誘 電率εおよび高い抵抗率ρを有する積層セラ ックコンデンサが得られた。

 これに対し、Naの置換量xが0.2以上である 料番号117~123の積層セラミックコンデンサで は、RおよびMの含有量が本発明の範囲内であ にもかかわらず、抵抗率ρのlog(ρ/ω・m)値が 9.5未満と低い値になった。なお、Naの置換量x が0.2以上であり、かつ、Rの含有量が本発明 範囲外である試料番号111の積層セラミック ンデンサでも、抵抗率ρのlog(ρ/ω・m)値が9.5 満と低い値になった。

 今回開示された実施の形態と実施例はす ての点で例示であって制限的なものではな と考慮されるべきである。本発明の範囲は 上の実施の形態と実施例ではなく、請求の 囲によって示され、請求の範囲と均等の意 および範囲内でのすべての修正や変形を含 ものであることが意図される。

 本発明の誘電体セラミック組成物は、高い 電率εを保ち、かつ、十分に高い抵抗率ρを 有するので、駆動電圧の高い積層セラミック コンデンサに適用可能である。