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Title:
DISPLAY DEVICE FOR INJECTION MOLDING APPARATUS
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/149742
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a display device for an injection molding apparatus, which melts a resin both with a melting heat generated by the rotation of a screw (13) and by a heater mounted in a cylinder (11). The display device is characterized in that the energy quantity of the neighborhood of the inner wall of the cylinder (11), that is, at least one of a temperature, a heat flow speed and a heat flow rate is calculated on the basis of the detected temperature values of temperature detectors (A-1 to E-2) arranged along the axial direction of the cylinder (11) and is displayed to correspond to the axial position of the cylinder (11). The energy quantity is displayed by continuous lines indicating the numerical values, arrows, bar graphs and numerical values. Alternatively, the energy quantity is displayed by a plurality of lines.

Inventors:
OKADA NORITAKA (JP)
ONISHI MASASHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/059795
Publication Date:
December 11, 2008
Filing Date:
May 28, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SUMITOMO HEAVY INDUSTRIES (JP)
OKADA NORITAKA (JP)
ONISHI MASASHI (JP)
International Classes:
B29C45/17; B29C45/78
Domestic Patent References:
WO2005021237A12005-03-10
Foreign References:
JPH07276377A1995-10-24
JPH07290531A1995-11-07
JP2002172666A2002-06-18
JP2005103875A2005-04-21
JP2005288894A2005-10-20
JPH0631795A1994-02-08
JPH11268091A1999-10-05
JP2002361701A2002-12-18
Attorney, Agent or Firm:
ITOH, Tadahiko (Yebisu Garden Place Tower20-3, Ebisu 4-chom, Shibuya-ku Tokyo, JP)
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Claims:
 スクリュの回転によって樹脂を混練しながら溶融熱を発生させるとともに、シリンダに設けられたヒータにより該シリンダ内の該樹脂に熱を供給するよう構成された射出成形機の表示装置であって、
 前記シリンダの軸方向に沿って配置された温度検出器による温度検出値に基づいて算出された前記シリンダの内壁近傍のエネルギー量を前記シリンダの軸方向位置に対応させて表示することを特徴とする射出成形機の表示装置。
 請求項1記載の射出成形機の表示装置であって、
 前記エネルギー量は、前記シリンダの軸方向に沿った位置での数値を表す連続線で表示されることを特徴とする射出成形機の表示装置。
 請求項2記載の射出成形機の表示装置であって、
 前記連続線は、異なる時刻、若しくは、前記シリンダの径方向の異なる位置に対応して複数本表示されることを特徴とする射出成形機の表示装置。
 請求項3記載の射出成形機の表示装置であって、
 前記シリンダの断面の温度分布を表示することを特徴とする射出成形機の表示装置。
 請求項1記載の射出成形機の表示装置であって、
 前記エネルギー量は、前記シリンダの軸方向に沿った位置での数値を表す矢印で表示されることを特徴とする射出成形機の表示装置。
 請求項1記載の射出成形機の表示装置であって、
 前記エネルギー量は、前記シリンダの軸方向に沿った位置での数値を表す棒グラフで表示されることを特徴とする射出成形機の表示装置。
 請求項1記載の射出成形機の表示装置であって、
 前記エネルギー量は、前記シリンダの軸方向に沿った位置での数値として表示されることを特徴とする射出成形機の表示装置。
 請求項1記載の射出成形機の表示装置であって、
 前記エネルギー量は、温度、熱流束、熱流量のうちの少なくとも一つであることを特徴とする射出成形機の表示装置。
 請求項1又は8記載の射出成形機の表示装置であって、
 前記エネルギー量は、前記ヒータの作動指令値と前記温度検出器からの前記温度検出値とに基づいて推定された推定値であることを特徴とする射出成形機の表示装置。
 請求項1又は8記載の射出成形機の表示装置であって、
 前記エネルギー量は、予め温度設定条件及び成形条件より算出されたシミュレーション値に基づいて算出された推定値であることを特徴とする射出成形機の表示装置。
 請求項1又は8記載の射出成形機の表示装置であって、
 前記シリンダの軸方向に沿った複数の位置の温度設定値と、前記シリンダの内壁近傍のエネルギー量を表すグラフとが同時に表示されることを特徴とする射出成形機の表示装置。
 請求項1又は8記載の射出成形機の表示装置であって、
 前記シリンダの軸方向に沿った複数の位置の温度検出値と、該複数の位置における前記シリンダの内壁近傍のエネルギー量を表すグラフとが同時に表示され、
 前記グラフ中のエネルギー量を表す位置は、前記シリンダの前記複数の位置に対応していることを特徴とする射出成形機の表示装置。
 請求項1又は8記載の射出成形機の表示装置であって、
 前記シリンダの後端側に冷却シリンダが設けられ、
 該冷却シリンダの所定の位置の温度検出値と、前記シリンダの内壁近傍のエネルギー量を表すグラフとが同時に表示されることを特徴とする射出成形機の表示装置。
 請求項1又は8記載の射出成形機の表示装置であって、
 前記射出成形機は、前記シリンダにおいて溶融した樹脂を射出するためのプランジャを備えたプリプラ式射出成形機であることを特徴とする射出成形機の表示装置。
 請求項14記載の射出成形機の表示装置であって、
 前記シリンダは前記スクリュを内包するシリンダであることを特徴とする射出成形機の表示装置。
 請求項14記載の射出成形機の表示装置であって、
 前記シリンダは前記プランジャを内包するシリンダであることを特徴とする射出成形機の表示装置。
 スクリュの回転によって樹脂を混練しながら溶融熱を発生させるとともに、シリンダに設けられたヒータにより該シリンダ内の該樹脂に熱を供給するよう構成された射出成形機の表示装置であって、
 前記シリンダの軸方向に沿って配置された温度検出器による温度検出値に基づいて算出された前記シリンダのエネルギー量を前記シリンダの軸方向位置に対応させた複数本の線で表示することを特徴とする射出成形機の表示装置。
 請求項17記載の射出成形機の表示装置であって、
 前記複数本の連続線のうち少なくとも一本は、前記シリンダの内壁近傍のエネルギー量を表すことを特徴とする射出成形機の表示装置。
 請求項17又は18記載の射出成形機の表示装置であって、
 前記エネルギー量は、温度又は熱流束であることを特徴とする射出成形機の表示装置。
 請求項17又は18記載の射出成形機の表示装置であって、
 前記エネルギー量は、前記ヒータの作動指令値と前記温度検出器からの前記温度検出値と熱流量とに基づいて推定された推定値であることを特徴とする射出成形機の表示装置。
 請求項17又は18記載の射出成形機の表示装置であって、
 前記エネルギー量は、予め温度設定条件及び成形条件より算出されたシミュレーション値に基づいて算出された推定値であることを特徴とする射出成形機の表示装置。
 請求項17又は18記載の射出成形機の表示装置であって、
 前記シリンダの断面の温度分布を表示することを特徴とする射出成形機の表示装置。
 請求項17又は18記載の射出成形機の表示装置であって、
 前記射出成形機は、前記シリンダにおいて溶融した樹脂を射出するためのプランジャを備えたプリプラ式射出成形機であることを特徴とする射出成形機の表示装置。
 請求項23記載の射出成形機の表示装置であって、
 前記シリンダは前記スクリュを内包するシリンダであることを特徴とする射出成形機の表示装置。
 スクリュの回転によって樹脂を混練しながら溶融熱を発生させるとともに、シリンダに設けられたヒータにより該シリンダ内の該樹脂に熱を供給するよう構成された射出成形機の表示装置であって、
 前記シリンダの軸方向に沿って配置された温度検出器による温度検出値に基づいて算出された前記シリンダのエネルギー量を前記シリンダの軸方向位置に対応させた複数本の線で表示することを特徴とする射出成形機の表示装置。
Description:
射出成形機の表示装置

  本発明は射出成形機の表示装置に係り 特にシリンダ内で樹脂を溶融して射出する 出成形機の表示装置に関する。

 射出成形において樹脂成形品の品質を維 するために、射出装置におけるシリンダ内 の樹脂の溶融状態を監視し管理することが 要である。シリンダ内の樹脂の溶融状態は 脂の温度により把握することができるが、 脂の温度を直接測定することはできないた 、シリンダ内の樹脂に与えられるエネルギ を算出して樹脂の温度を推定することが提 されている。シリンダ内の樹脂に与えられ エネルギーの算出は、シリンダ壁の温度や クリュのトルク等の測定値に基づいて行わ る。

 シリンダ内の樹脂の挙動を把握するため 、シリンダの設定温度に対応した温度プロ ァイルを線グラフで表示し、且つシリンダ 軸方向における温度プロファイルを伝熱解 によって求めることが提案されている(例え ば、特許文献1参照。)。

 また、射出成形機の制御装置に設けられ 表示器に実測温度を表示する際に、実測温 を数値表示するとともに、当該数値表示を 度制御時における動作モードの種類に対応 せた異なる色により表示することが提案さ ている(例えば、特許文献2参照。)。

 さらに、シリンダ内のスクリュの溝内にお る樹脂温度プロファイル及びスクリュ軸方 の樹脂温度分布を求めてグラフィック表示 ることが提案されている(例えば、特許文献 3参照。)。

特開2005-10387号公報

特開2002-172666号公報

特開平6-31795号公報

 従来の射出成形機の表示装置における表 では、予め求めてあるシリンダの温度プロ ァイルをグラフ表示したり、単にシリンダ 限られた測定点における測定温度を表示す だけであり、シリンダの軸方向の各位置に けるエネルギー量としての温度、熱流束、 量を示すものではない。すなわち、従来の 示では、シリンダの実際の温度と内部の樹 の温度(樹脂の溶融状態)とが一定の対応関 にあるという前提の下で、シリンダの温度 けでシリンダ内の樹脂の状態を推定してい 。

 しかし、実際には、シリンダの温度と内 の樹脂の温度(樹脂の溶融状態)とは一定の 応関係にはなく、シリンダ壁内での熱の伝 方向やシリンダの軸方向の温度分布によっ 変化する。したがって、単にシリンダの温 や温度プロファイルを表示するだけでは、 リンダ内の樹脂の状態を精確に把握するこ はできない。また、シリンダ壁の温度と内 の樹脂の温度との関係は、シリンダ壁を通 するエネルギー量に依存しており、シリン の温度のみでは内部の樹脂温度を精確に把 することはできない。さらに、シリンダの 部の温度設定を変更することにより、シリ ダの他の部分の温度がどのように影響を受 るかを推測することはできない。

 本発明は上述の問題に鑑みなされたもの あり、シリンダ内の樹脂の状態を容易に且 精確に把握することのできる射出成形機の 示装置を提供することを目的とする。

 上述の目的を達成するために、本発明の つの面によれば、スクリュの回転によって リンダ内の樹脂を混練しながら溶融熱を発 させるとともに、該シリンダに設けられた ータにより該シリンダ内の該樹脂に熱を供 するよう構成された射出成形機の表示装置 あって、前記シリンダの軸方向に沿って配 された温度検出器による温度検出値に基づ て算出された前記シリンダの内壁近傍のエ ルギー量を前記シリンダの軸方向位置に対 させて表示することを特徴とする射出成形 の表示装置が提供される。

 上述の射出成形機の表示装置において、 記エネルギー量は、前記シリンダの軸方向 沿った位置での数値を表す連続線で表示さ ることが好ましい。前記連続線は、異なる 刻、若しくは、前記シリンダの径方向の異 る位置に対応して複数本表示されることと てもよい。また、上述の射出成形機の表示 置は、前記シリンダの断面の温度分布表示 ることとしてもよい。

 また、上述の射出成形機の表示装置にお て、前記エネルギー量は、前記シリンダの 方向に沿った位置での数値を表す矢印で表 されることとしてもよい。あるいは、前記 ネルギー量は、前記シリンダの軸方向に沿 た位置での数値を表す棒グラフで表示され こととしてもよい。また、前記エネルギー は、前記シリンダの軸方向に沿った位置で 数値として表示されることとしてもよい。

 また、上述の射出成形機の表示装置にお て、前記エネルギー量は、温度、熱流束、 流量のうちの少なくとも一つであることが ましい。前記エネルギー量は、前記ヒータ 作動指令値と前記温度検出器からの前記温 検出値とに基づいて推定された推定値であ こととしてもよい。あるいは、前記エネル ー量は、予め温度設定条件及び成形条件よ 算出されたシミュレーション値に基づいて 出された推定値であることとしてもよい。

 また、上述の射出成形機の表示装置にお て、前記シリンダの軸方向に沿った複数の 置の温度設定値と、前記シリンダの内壁近 のエネルギー量を表すグラフとが同時に表 されることが好ましい。あるいは、前記シ ンダの軸方向に沿った複数の位置の温度検 値と、該複数の位置における前記シリンダ 内壁近傍のエネルギー量を表すグラフとが 時に表示され、前記グラフ中のエネルギー を表す位置は、前記シリンダの前記複数の 置に対応していることとしてもよい。また 前記シリンダの後端側に冷却シリンダが設 られ、該冷却シリンダの所定の位置の温度 出値と、前記シリンダの内壁近傍のエネル ー量を表すグラフとが同時に表示されるこ としてもよい。

 また、本発明による射出成形機の表示装 において、前記射出成形機は、前記シリン において溶融した樹脂を射出するためのプ ンジャを備えたプリプラ式射出成形機であ こととしてもよい。前記シリンダは前記ス リュを内包するシリンダであることとして よい。また、前記シリンダは前記プランジ を内包するシリンダであることとしてもよ 。

 また、上述の目的を達成するために、本 明の他の面によれば、スクリュの回転によ て樹脂を混練しながら溶融熱を発生させる ともに、シリンダに設けられたヒータによ 該シリンダ内の該樹脂に熱を供給するよう 成された射出成形機の表示装置であって、 記シリンダの軸方向に沿って配置された温 検出器による温度検出値に基づいて算出さ た前記シリンダのエネルギー量を前記シリ ダの軸方向位置に対応させた複数本の線で 示することを特徴とする射出成形機の表示 置が提供される。

 上述の射出成形機の表示装置において、 記複数本の連続線のうち少なくとも一本は 前記シリンダの内壁近傍のエネルギー量を すことが好ましい。また、前記エネルギー は、温度又は熱流束であることとしてもよ 。さらに、前記エネルギー量は、前記ヒー の作動指令値と前記温度検出器からの前記 度検出値と熱流量とに基づいて推定された 定値であることとしてもよい。また前記エ ルギー量は、予め温度設定条件及び成形条 より算出されたシミュレーション値に基づ て算出された推定値であることとしてもよ 。また、前記シリンダの断面の温度分布が 示されてもよい。さらに、前記射出成形機 、前記シリンダにおいて溶融した樹脂を射 するためのプランジャを備えたプリプラ式 出成形機であることとしてもよい。前記シ ンダは前記スクリュを内包するシリンダで ることとしてもよい。

 また、本発明の更に他の面によれば、ス リュの回転によって樹脂を混練しながら溶 熱を発生させるとともに、シリンダに設け れたヒータにより該シリンダ内の該樹脂に を供給するよう構成された射出成形機の表 装置であって、前記シリンダの軸方向に沿 て配置された温度検出器による温度検出値 基づいて算出された前記シリンダのエネル ー量を前記シリンダの軸方向位置に対応さ た複数本の線で表示することを特徴とする 出成形機の表示装置が提供される。

 本発明によれば、表示装置の表示内容に りシリンダ内の樹脂の状態を容易に把握す ことができる。これにより、シリンダ内の 脂の状態に応じてシリンダの各部の目標設 温度を容易に設定することができる。また シリンダ内の樹脂の状態を所望の状態にす ためにはシリンダの温度設定をどのように ればよいかを容易に判断することができる

射出装置の断面図である。 加熱シリンダの温度を制御するための 度制御装置の構成を示す図である。 図2に示す加熱シリンダの軸方向に垂直 な面に沿った断面図である。 シリンダの内壁温度をシリンダの軸方 に沿って表示した表示画面を示す図である シリンダの内壁温度をシリンダの軸方 に沿って表示した表示画面を示す図である シリンダの内壁熱流束をシリンダの軸 向に沿って表示した表示画面を示す図であ 。 シリンダの各ゾーンにおける内壁熱流 とシリンダの断面における温度分布とをシ ンダの軸方向に沿って表示した表示画面を す図である。 シリンダの軸方向に沿った内壁温度と リンダの断面における温度分布とをシリン の軸方向に沿って表示した表示画面を示す である。 シリンダの軸方向に沿ったシリンダ温 とシリンダの断面における温度分布とをシ ンダの軸方向に沿って表示した表示画面を す図である。 シリンダの各ゾーンにおける内壁熱流 量を表示した表示画面を示す図である。 シリンダの各ゾーンにおける内壁熱流 量を表示した表示画面の他の例を示す図であ る。 シリンダの各ゾーンにおける内壁熱流 量を表示した表示画面を示す図である。 シリンダの境界面(内壁面及び冷却シ ンダの側端面、金型タッチ面、外表面)の法 方向における熱流束を求めるための推定器 原理構成図である。 シリンダの温度を求めるための推定器 の原理構成図である。 シリンダの境界面(内壁面及び冷却シ ンダの側端面、金型タッチ面、外表面)の法 方向における熱流束を求めるための推定器 原理構成図である。 シリンダに多数の温度センサを取り付 けることを示す図である。 プリプラ式射出成形機の射出装置の一 例を示す断面図である。

符号の説明

 10 射出装置
 11 加熱シリンダ
 12 ホッパ
 13 スクリュ
 14 冷却シリンダ
 14a 冷却水パイプ
 14b 熱電対
 30,50,60,70,80,85,90,90A,95 表示画面
 31,51,61,81,86,91,91A グラフ
 32-37 棒グラフ領域
 38-43 数値表示領域
 71,96 熱流量表示領域
 72,82 コンター図
 105 射出ノズル
 h1,h2,h3,h4 ヒータ
 21~24 ゾーン
 130 コントローラ
 135 表示入力装置
 140,150,160 推定器
 142,152,162 モデル
 144,154,164 フィルタ
 A-1~K-1,A-2~k-2 温度センサ
 200 射出装置
 202 樹脂計量部
 204 樹脂射出部
 206 スクリュ用シリンダ
 208 スクリュ
 210,218 ヒータ
 212 プランジャ用シリンダ
 214 プランジャ
 216 プランジャ駆動部
 301 温度制御部
 302-1~302-4 スイッチ
 303 電源
 351 温度検出値表示部
 352 温度設定部

 まず、本発明が適用可能な射出成形機の 出装置及び加熱シリンダについて図1乃至図 3を参照しながら説明する。図1は射出装置10 断面図である。

 射出装置10は、加熱シリンダ(単にシリン とも称する)11と加熱シリンダ11の中で回転 び前後移動可能なスクリュ13を有する。シリ ンダ11の先端には、ノズル口106が形成された 出ノズル105が設けられる。シリンダ11の後 は冷却シリンダ14に接続されており、スクリ ュ13は冷却シリンダ14を貫通してシリンダ11内 に延在する。冷却シリンダ14の壁内には、冷 水が流れる冷却水パイプ14aが形成されてい 。冷却シリンダ14の所定の位置に樹脂供給 112が形成される。樹脂供給口112には、接続 113を介してホッパ12が接続され、ホッパ12内 樹脂ペレット115が接続筒113及び樹脂供給口1 12を通ってシリンダ11内に供給される。また シリンダ11の外周には、面状のバンドヒータ h1,h2,h3が取り付けられている。バンドヒータh 1,h2,h3に通電することによりシリンダ11内で樹 脂ペレット115を加熱し、溶融させることがで きる。

 スクリュ13は、フライト部102、フライト 102の前端に設けられたスクリュヘッド107及 シール部108を有する。フライト部102は、ス リュ13本体の外周面に螺旋状に形成されたフ ライト103を有し、フライト103によって螺旋状 の溝104が形成される。また、フライト部102に は後方から前方にかけて順に、ホッパ12から 下した樹脂ペレット115が供給され前方に送 れる送りゾーンS1、供給された樹脂ペレッ 115を圧縮しながら溶融させる圧縮ゾーンS2、 及び溶融させられた樹脂を一定量計量する計 量ゾーンS3が形成される。なお、加熱シリン 11のゾーン分割は、送りゾーンS1,圧縮ゾー S2,計量ゾーンS3の3つのゾーンに限ることな 、3つ以上のゾーンに分割してバンドヒータ 各ゾーンに独立に設けることとしてもよい

 計量工程時にスクリュ13を正方向に回転 せると、樹脂ペレット115は樹脂供給口112か 送りゾーンS1に供給され、溝104内を前進(図 おける左方に移動)させられる。それに伴っ 、スクリュ13が後退(図における右方に移動) させられ、樹脂がスクリュヘッド107の前方に 蓄えられる。なお、溝104内の樹脂は、送りゾ ーンS1においてペレットの形状のままであり 圧縮ゾーンS2において半溶融状態になり、 量ゾーンS3において完全に溶融させられて液 状になる。そして、射出工程時に、スクリュ 13を前進させると、スクリュヘッド107の前方 蓄えられた液状の樹脂は、射出ノズル105か 射出され、金型装置の固定金型のキャビテ 空間に充填される。

 図2は、上述の加熱シリンダ11の温度を制 するための温度制御装置の構成を示す図で る。図2に示すように、加熱シリンダ11及び 出ノズル105は、冷却シリンダ14から射出ノ ル105に至る長手方向沿って、4つのゾーンに 分されている。ここでは、備えられたヒー に対応して4つのゾーンを冷却シリンダ14に 接したゾーンから順に、第1のゾーン21、第2 のゾーン22、第3のゾーン23、第4のゾーン24と する。したがって、ノズル105は第4のゾーン 24を形成している。なお、冷却シリンダ14は 冷却水パイプ14aに冷却水を流すことで、ホ パ12及びその近傍を冷却するために設けられ るシリンダであり、ホッパ12の周囲を一定の 度以下に維持するために設けられている。 お、冷却シリンダ14には温度を検出するた の熱電対14bが埋め込まれている。

 第1乃至第3のゾーン21~23には、図1に示す うに、個別に通電されるバンドヒータh1,h2,h3 が加熱シリンダ11の外周に配置されている。 た、図示はしていないが、ノズル105の周囲 もヒータが設けられており、ノズル105を加 している。このヒータをヒータh4と称する ととする。また、図2に示す例では、第1のゾ ーン21に、径方向に1組の温度センサである温 度センサA-1,A-2が配置されており、同様に、 2のゾーン22には、1組の温度センサである温 センサB-1,B-2が配置され、第3のゾーン23にも 1組の温度センサである温度センサC-1,C-2が配 されている。更に、第4のゾーン24には、2組 の温度センサである温度センサD-1,D-2;E-1,E-2が 設けられている。なお、各ゾーンに設けられ た一対の温度センサのうち、シリンダ11の外 面に近いほうの温度センサA-2~E-2は少なくと も一個設けられていればよい。また、冷却シ リンダ14にも、冷却シリンダの温度を検出す ために温度センサX-1(図1の14bに相当)が設け れている。

 各組の温度センサの加熱シリンダ11及び ズル105に対する位置は、同様であるので、 3に示す温度センサA-1,A-2を例に取って説明す る。温度センサA-1は加熱シリンダ11の内壁近 の温度を検出するために、加熱シリンダ11 内壁近傍までの深さを有する孔内に埋設さ ている。温度センサA-2は、温度センサA-1よ ヒータh1に近い位置に埋設されている。温度 センサA-1とA-2とは、加熱シリンダ11の同一断 上で、半径方向に互いに異なる位置に設け れており、図3(a)に示す例では、温度センサ A-1とA-2とは半径方向に反対側の位置、即ち、 180°離れた位置に設けられている。

 図3(b)に示すように、周方向内における同 一の位置であり、同一ヒータ領域内で軸方向 にずらした位置に、温度センサA-1とA-2とを設 けてもよい。この場合、内壁近傍の温度セン サA-1とそれより外側の温度を検出する温度セ ンサA-2とは、それぞれの配設孔に設けられる 。その結果、一つの配設孔に一つの温度セン サを配置することができるので、温度センサ の組み付けやメンテナンスが容易となる。

 また、図3(c)に示すように、周方向内にお ける同一の位置であり、軸方向にも同一の位 置に温度センサA-1とA-2とを設けてもよい。こ の場合、内壁近傍の温度センサA-1とそれより 外側の温度を検出する温度センサA-2とが、同 一の配設孔に設けられる。その結果、径方向 の熱移動量を正確に検出することができ、内 壁近傍の熱流束を正確に把握することができ る。

 以上のように、本実施例では、射出ノズ 105及び加熱シリンダ11の長手方向に沿って 一ヒータによるゾーン内に複数の温度セン が設けられ、また、同一断面の異なった深 に複数の温度センサが設けられている。

 図2に示すように、各組の温度センサ(例 ば、A-1,A-2)は、コントローラ130に接続されて いる。コントローラ130は、各温度センサから の入力信号が与えられ、検出値に基づいて演 算を行い、演算結果を操作量としてPWM信号、 アナログ信号などの形で出力する温度制御部 301、当該操作量に基づいてオンオフを行うス イッチ302-1~302-4、及び、スイッチ302-1~302-4を して、第1乃至第4のゾーン21~24に設けられた ータh1,h2,h3,h4に通電する電源303とを備えて る。

 温度制御部301は、温度センサからの検出 を表示すると共に温度設定値を入力して温 制御部301に与える表示入力装置(単に表示装 置とも称する)135に接続されている。表示入 装置135は、好ましくはディスプレイ装置で り、図示されたような表示設定画面を表示 る。図示された表示設定画面には、各ゾー における温度センサからの検出値、即ち、 度検出値をゾーン毎に表示する温度検出値 示部351、各ゾーンの温度を設定値として設 する温度設定部352などが表示される。

 表示設定画面には、各温度センサの検出 度が全て表示され、また、表示装置135には ノズル105及び加熱シリンダ11の各ゾーンの 度制御を同一ゾーン内に設置された複数の 度センサのうち、どの温度センサを用いて 御するかを選択できるスイッチが具備され いる。

 一方、温度制御部301は、表示装置135で選 された温度センサの検出温度と、設定され 温度の差に基づいて制御演算を行い、演算 果を操作量として、各ゾーンのヒータに対 して設けられたスイッチ302-1~302-4に出力す 。即ち、温度制御部301からの操作量は、ス ッチ302-1~302-4のオン期間を決定する信号であ り、スイッチ302-1~302-4がオンしている時間の 合を表すオン・デューティを制御する。こ 結果、各ゾーンにおける通電時間が制御さ 、ノズル105及び加熱シリンダ11の選択され 温度センサが配置された位置の温度が設定 れた温度に保たれる。

 図2に示す温度センサA-1~E-2と、コントロ ラ130と、表示入力装置135とにより、後述す ように加熱シリンダ11の各部の熱流束又は熱 流量を表示して加熱シリンダ11内の樹脂の状 を表示する表示装置が構成される。

 なお、上述の射出成形機はシリンダ内の 出部材であるスクリュにより、樹脂の溶融 計量、射出が行われるいわゆるスクリュ式 出成形機であるが、本発明はこれに限るこ なく、樹脂の溶融とは別に、射出部材であ プランジャにより射出を行い、計量部材で るスクリュによって計量を行う、いわゆる リプラ式射出成形機にも適用することがで る。プリプラ式射出成形機は広く用いられ いる成形機であり、図17に示すように、樹 計量部202と樹脂射出部204とが別個に設けら た射出装置200を備えている。

 樹脂計量部202では、スクリュ用シリンダ2 06内で計量部材であるスクリュ208が回転する とで、ヒータ210からの熱が加えられながら 脂が混練され溶融される。スクリュ用シリ ダ206内で溶融された樹脂は、スクリュ208の 転により計量されて、樹脂射出部204に送ら る。

 樹脂射出部204において、溶融樹脂はプラ ジャ用シリンダ212に供給される。プランジ 用シリンダ212内には射出部材であるプラン ャ214が内包されている。プランジャ214は、 ランジャ駆動部216により駆動されてプラン ャ用シリンダ212内で往復動することで、そ 前側に供給された溶融樹脂を金型に向けて 出する。なお、プランジャ用シリンダ212に ヒータ218が設けられ、プランジャ用シリン 212に供給された溶融樹脂が射出されるまで 脂を加熱して溶融状態を維持している。

 次に、本発明の一実施形態による射出成 機の表示装置における表示例について説明 る。以下の説明は、上述の射出成形機のシ ンダ11内の樹脂の状態を把握するための表 例を説明するものとし、表示は表示装置135 行われるものとする。また、シリンダ11はゾ ーンZ1~Z4までの4つの領域に分割され、かつシ リンダ11の先端のノズル部分はゾーンZ15a及び Z15bの2つの領域に分割され、各ゾーンに温度 ンサが設けられているものとする。

 ここで、表示装置135は必ずしも射出成形 の設定操作モニタでなくてもよく、射出成 機とは別に備えられた通常のPCであっても い。また、複数の射出成形機の運転状態を 理する集中管理装置であってもよい。

 図4はシリンダ11の内壁温度をシリンダ11 軸方向に沿って表示した表示画面30を示す図 である。図4に示す表示画面30の上部には、シ リンダ11の内壁温度を示すグラフ31が表示さ ている。グラフ31において、横軸はシリンダ 11の軸に沿った位置を表しており、シリンダ1 1の後端から先端のノズル部分までが表示さ る。グラフ31の縦軸は、後述する推定方法に より算出された内壁温度を表している。グラ フ31の横軸において、左側がシリンダのノズ 側であり、右側が冷却シリンダ14側である ここでは、内壁温度とは、シリンダ11の内壁 で樹脂に接触する部分の近傍の温度(図3に示 温度センサA-1の位置の温度)を示している。 グラフ31では、シリンダ11の軸方向に沿って 続して内壁温度が示されているが、実際の 度検出値は温度センサA-1~E-2により得られる 出値のみであり、それ以外の位置での内壁 度は多項式を用いた補間式で求められた推 値である。

 なお、グラフ31の中に示された各縦線は その下に示されているゾーンZ1~Z15bにおける 度センサの位置を示している。例えば、Z1 いう表示の真上にある縦線はゾーンZ1内に設 けられた温度センサA-1のシリンダ軸方向に沿 った位置を示している。

 図4において、内壁温度を示すグラフ31の 方には、シリンダ11の内外両壁の中間部分( 3に示すセンサA-2の位置)の温度が各ゾーン に棒グラフ領域32~37内に示されている。各棒 グラフ領域32~37の中には棒グラフで示す温度 数値も示されている。また、各棒グラフ領 32~37の下には、シリンダ11の内外両壁の中間 部分の温度の設定値を示す数値表示領域38~43 設けられており、シリンダ11の内外両壁の 間部分の温度の設定値が各ゾーン毎に数値 示されている。

 また、外壁近傍に温度センサを設け、そ の検出値を表示してもよい。この場合、ヒ タにより近い外壁近傍の温度を把握するこ ができる。外壁近傍の温度はヒータに速く 答するので、ヒータの制御性を向上させる とができる。

 ゾーンZ1では、内外両壁の中間部分の温 が170℃になるように設定され(設定値170℃)、 実際の内外両壁の中間部分の温度は棒グラフ 及び数値により170℃となっていることが示さ れている。また、ゾーンZ2では、内外両壁の 間部分の温度が190℃になるように設定され( 設定値190℃)、実際の内外両壁の中間部分の 度は棒グラフ及び数値により190℃となって ることが示されている。また、ゾーンZ3では 、内外両壁の中間部分の温度が200℃になるよ うに設定され(設定値200℃)、実際の内外両壁 中間部分の温度は棒グラフ及び数値により2 00℃となっていることが示されている。さら 、ゾーンZ4においては、内外両壁の中間部 の温度が200℃になるように設定され(設定値2 00℃)、実際の内外両壁の中間部分の温度は棒 グラフ及び数値により200℃となっていること が示されている。ゾーンZ15a及びZ15bにおいて 、内外両壁の中間部分の温度が200℃になる うに設定され(設定値200℃)、実際の内外両 の中間部分の温度は棒グラフ及び数値によ 200℃となっていることが示されている。

 図4に示す例ではシリンダ11の温度が各ゾ ンにおいて設定値と同じになっている。シ ンダ11の内壁の推定温度のグラフ31を参照し ながら設定を行うことができる。

 このように、軸方向に配設されたヒータh 1~h3のそれぞれに、1組の温度センサが取り付 られているので、1つのヒータが加熱するゾ ーンの温度を、軸方向において1箇所で推定 て、推定値に基づいてグラフ31が表示される 。このため、例えば、図1及び図2の例におい は、ヒータh1により制御される第1のゾーン2 1が温度センサA-1,A-2の推定領域となる。

 さらにまた、グラフ31で表示された内壁 推定温度と、棒グラフ領域32~37に表示されて いる温度センサの検出値とを比較することが できる。例えば、内外壁面の中間部分や外壁 近傍の温度センサの検出値が同一の値であっ たとしても、樹脂の溶融状態が安定している とは限らない。そこで、グラフ31で表示され 内壁の推定温度と、棒グラフ領域32~37に表 されている温度センサの検出値とを比較す ことで、径方向においてシリンダ内部の温 のほうがが高いか、あるいは低いかを把握 ることができる。例えば、ゾーンZ3では、棒 グラフ領域34に示された温度が200℃であるの 対し、グラフ31で示される内壁の推定温度 約210℃であり、内壁近傍の温度、すなわち 脂の温度が高いことが示されている。この うにして、シリンダの軸方向に沿った内壁 推定温度の変動を把握することで、温度分 の繰り返し安定性を確認でき、樹脂の溶融 態の安定性を把握することができる。

 なお、温度設定値の下には保温設定温度 示されている。図4において、保温設定温度 は100℃に設定されている。保温設定温度は射 出成形機の運転を休止した際にシリンダ11内 樹脂を予熱しておく温度である。保温設定 度の下には、温度の監視範囲が示されてい 。ここでは温度の監視範囲は20℃に設定さ ている。また、温度の監視範囲の下には、 ゾーンで温度監視を行うか否か示されてい 。図4に示す例では、ゾーンZ1,Z2,Z4,Z15a,Z15bに いて温度監視を行っており「入」が表示さ ている。一方、ゾーンZ3では温度監視は行 ない設定となっており、「入」は表示され いない。

 以上の表示の他に、シリンダ11が冷えて る状態でのスクリュ13の運転を防止するため に、スクリュ冷間起動防止時間が「15分」に 定されていることが表示されている。また 異常時ヒータ処理が「保温」に設定されて り、射出成形機の異常時のシリンダ11を保 にすることが表示されている。

 以上のように、図4に示す表示画面では、 グラフ31においてシリンダ11の内壁温度がシ ンダ11の軸方向位置に対応して連続線で示さ れており、グラフ31を見ることによりシリン 11内の樹脂の温度、すなわちシリンダ11内の 樹脂の状態を容易に把握することができる。 すなわち、シリンダ11の内壁温度は、シリン 11の内壁近傍のエネルギー量を表す値に相 し、したがって、シリンダ11内の樹脂のエネ ルギー量を表す値に相当する。

 図5はシリンダ11の内壁温度をシリンダ11 軸方向に沿って表示した表示画面50を示す図 である。図5に示す表示画面50の上部には、シ リンダ11の内壁温度を示すグラフ51が表示さ ている。グラフ51は図4に示すグラフ31と同じ であり、連続線が複数本(図5では2本)示され いる点が異なる。2本の連続線のうち、実線 示す連続線は図4に示すグラフ31の連続線と じ現時刻での内壁温度を示す線であり、点 で示す連続線は現時刻より15分前の内壁温 を示す線である。すなわち、グラフ51には現 時点における内壁温度に加えて過去の時点で の内壁温度を示すことができる。これにより 、シリンダ11の内壁温度の推移、すなわちシ ンダ11内の樹脂の状態の推移を容易に認識 ることができる。

 なお、表示画面50におけるグラフ51以外の 表示内容は、図4に示す表示画面30と同様であ り、その説明は省略する。

 図6はシリンダ11の内壁熱流束をシリンダ1 1の軸方向に沿って表示した表示画面60を示す 図である。図6に示す表示画面60の上部には、 シリンダ11の内壁熱流束を示すグラフ61が表 されている。グラフ61において、横軸はシリ ンダ11の軸方向位置を表し、縦軸は内壁近傍 おける熱流束を表している。グラフ61の横 において、左側がシリンダのノズル側であ 、右側が冷却シリンダ14側である。グラフ61 に示された縦線は、ゾーンの区切りを示す であり、例えばZ1という表示とZ2という表示 の間にある縦線は、シリンダ軸方向における ゾーンZ1とゾーンZ2の間の境界の位置を示し いる。

 内壁熱流束とは、シリンダ11の内壁で樹 に接触する部分における熱量の移動を示す である。グラフ61では、シリンダ11の軸方向 沿って連続して内壁熱流束が示されている 、内壁熱流束がプラス側にある部分ではシ ンダ11の外側から内側に向かって熱が移動 ていることが示され、内壁熱流束がマイナ 側にある部分ではシリンダ11の内側から外側 に向かって熱が移動していることが示されて いる。言い換えれば、内壁熱流束がプラス側 にある部分ではシリンダ11(ヒータ)から樹脂 熱が移動していることが示され、内壁熱流 がマイナス側にある部分では樹脂からシリ ダ11に熱が移動していることが示されている 。また、グラフ61において、内壁熱流束を示 連続線がプラス側になった部分の面積S1,S2 、シリンダ11内から樹脂に供給された熱流量 を表すこととなり、内壁熱流束を示す連続線 がマイナス側になった部分の面積S3,S4は、シ ンダ11内の樹脂からシリンダ11に移動した熱 流量を表すこととなる。

 以上のように、グラフ61を見ることによ 、シリンダ11の各部における熱の移動方向や 移動の速さ、及び移動した熱量を容易に把握 することができ、シリンダ11内の樹脂の状態 容易に判断することができる。すなわち、 ラフ61における内壁熱流束は、シリンダ11の 内壁近傍のエネルギー量を表す値に相当し、 したがって、シリンダ11内の樹脂のエネルギ 量を表す値に相当する。

 なお、シリンダ11の内壁熱流束は、推定 により演算された推定値である。推定器の 算により内壁熱流束を求める方法について 後述する。また、表示画面60におけるグラフ 61以外の表示内容は、図4に示す表示画面30と 様であり、その説明は省略する。

 図7はシリンダ11の各ゾーンにおける熱流 とシリンダ11の断面における温度分布とを リンダ11の軸方向に沿って表示した表示画面 70を示す図である。図7に示す表示画面70の上 には、シリンダ11の各ゾーンにおける熱流 を表わす数値が示された熱流量表示領域71と 、シリンダ11の断面における等温線が示され 分布図、即ち、コンター図72とが表示され いる。コンター図72において、等温線で囲ま れた部分は色分けされているが、図7では便 上網掛けにより区別されており、網掛けの 類により色分けが示されている。コンター 72内に示された縦線は、ゾーンの区切りを示 す線であり、例えばZ1という表示とZ2という 示の間にある縦線は、シリンダ軸方向にお るゾーンZ1とゾーンZ2の間の境界の位置を示 ている。

 熱流量表示領域71において、シリンダ11の 各ゾーンにおける熱流量が数値で示されてい る。熱流量の数値がプラスのゾーンでは、シ リンダ11の外側から内側に向かって熱が移動 ていることが示され、熱流量の数値がマイ スのゾーンでは、シリンダ11の内側から外 に向かって熱が移動していることが示され いる。言い換えれば、熱流量の数値がプラ のゾーンではシリンダ11から樹脂に対して熱 が供給されていることが示され、熱流量の数 値がマイナスのゾーンではシリンダ11に熱が げていることが示されている。

 熱流量表示領域71に示された熱流量の値 コンター図72とを見ることにより、シリンダ 11の各部における熱の移動方向及び熱流量と リンダ11内の温度分布を容易に把握するこ ができ、シリンダ11内の樹脂の状態を容易に 判断することができる。すなわち、熱流量表 示領域71に示された熱流量の値とコンター図7 2とは、シリンダ11の内壁近傍のエネルギー量 を表す値に相当し、したがって、シリンダ11 の樹脂のエネルギー量を表す値に相当する

 なお、熱流量表示領域71に示された熱流 の値は、推定器により演算された推定値で る。推定器の演算により熱流量を求める方 については後述する。また、表示画面70にお ける熱流量表示領域71及びコンター図72以外 表示内容は、図4に示す表示画面30と同様で り、その説明は省略する。また、図7では、 温線で囲まれた領域を色分け表示している 、等温線毎に色分け表示してもよい。

 図8はシリンダ11の軸方向に沿った内壁温 とシリンダ11の断面における温度分布とを リンダ11の軸方向に沿って表示した表示画面 80を示す図である。図8に示す表示画面80の上 には、シリンダ11の軸方向に沿った内壁温 を示すグラフ81と、シリンダ11の断面におけ 等温線が示されたコンター図82とが表示さ ている。コンター図82は図7に示すコンター 72と同様であり、等温線で囲まれた部分は色 分けされているが、図8では便宜上網掛けに り区別されており、網掛けの種類により色 けが示されている。コンター図82内に示され た縦線は、ゾーンの区切りを示す線であり、 例えばZ1という表示とZ2という表示の間にあ 縦線は、シリンダ軸方向におけるゾーンZ1と ゾーンZ2の間の境界の位置を示している。

 グラフ81は、図4に示すグラフ31と同様で るが、もう一つの横軸として時間軸が設け れ、時間軸により過去の時点での内壁温度 表示されている。グラフ81において、実線は 現時点での内壁温度を示し、点線は10分前の 点での内壁温度を示し、一点鎖線は20分前 時点での内壁温度を示している。また、必 しも点線や一点鎖線での相違だけでなく、 分けして表示してもよい。この場合、モニ から離れた場所からでも線の種類を容易に 断することができ、誤認を防止することが きる。

 グラフ81に示された現在及び過去の内壁 度とコンター図82とを見ることにより、シリ ンダ11の各部における温度の推移を容易に把 することができ、シリンダ11内の樹脂の状 を容易に判断することができる。すなわち グラフ81に示された内壁温度とコンター図82 は、シリンダ11の内壁近傍のエネルギー量 表す値に相当し、したがって、シリンダ11内 の樹脂のエネルギー量を表す値に相当する。

 なお、グラフ81に示された内壁温度の値 、推定器により演算された推定値である。 定器の演算により内壁温度を求める方法に いては後述する。また、表示画面80における グラフ81及びコンター図82以外の表示内容は 図4に示す表示画面30と同様であり、その説 は省略する。

 図9はシリンダ11の軸方向に沿ったシリン 温度とシリンダ11の断面における温度分布 をシリンダ11の軸方向に沿って表示した表示 画面85を示す図である。図9に示す表示画面85 上部には、シリンダ11の軸方向に沿ったシ ンダ温度を示すグラフ86と、シリンダ11の断 における等温線が示されたコンター図82と 表示されている。コンター図82は図7に示す ンター図72と同様であり、等温線で囲まれた 部分は色分けされているが、図8では便宜上 掛けにより区別されており、網掛けの種類 より色分けが示されている。

 グラフ86は、図4に示すグラフ31と同様で るが、もう一つの横軸としてシリンダ内壁 からの距離を表わす軸が設けられている。 れにより、グラフ86には、シリンダ内壁面か ら異なる距離におけるシリンダ温度が示され ている。グラフ86における実線はシリンダ内 面に相当する位置(距離はゼロ)での内壁温 を示し、点線はシリンダ内壁面から10mm程度 距離におけるシリンダ温度を示し、一点鎖 はシリンダ内壁面から20mm程度の距離におけ るシリンダ温度を示している。また、この場 合も図8と同様に、必ずしも点線や一点鎖線 の相違だけでなく、色分けして表示しても い。この場合、モニタから離れた場所から も線の種類を容易に判断することができ、 認を防止することができる。

 グラフ86に示された複数の距離における リンダ温度とコンター図82とを見ることによ り、シリンダ11の内部における温度の推移を 易に把握することができ、シリンダ11内の 脂の状態を容易に判断することができる。 なわち、グラフ86に示されたシリンダ温度と コンター図82とは、シリンダ11の内壁近傍の ネルギー量を表す値に相当し、したがって シリンダ11内の樹脂のエネルギー量を表す値 に相当する。

 なお、グラフ86に示された温度の値は、 定器により演算された推定値である。推定 の演算により温度を求める方法については 述する。また、表示画面85におけるグラフ86 びコンター図82以外の表示内容は、図4に示 表示画面30と同様であり、その説明は省略 る。

 図10はシリンダ11の各ゾーンにおける熱流 量を表示した表示画面90を示す図である。図1 0に示す表示画面90の上部には、シリンダ11の ゾーンにおける熱流量を表わすグラフ91が 示されている。グラフ91は、シリンダ11の各 ーンにおける熱流量を矢印で表わしている 矢印の位置はその下に示されるゾーン内の リンダ軸方向位置を示している。矢印の向 は熱の移動方向を示し、矢印の大きさは熱 量の大きさを示している。なお、ゾーンZ15a 及びZ15bにおける熱流量は小さいため、矢印 はなく星型で示されており、ゾーンZ1におけ る矢印は先端がグラフの範囲を超えているた め矢印の先端が途切れた状態で示されている 。これらの矢印は図7の熱流量の数値に対応 ている。

 熱流量の矢印がプラス側に向いている(下 向き)ゾーンでは、シリンダ11の外側から内側 に向かって熱が移動していることが示され、 熱流量の矢印がマイナス側に向いている(上 き)のゾーンでは、シリンダ11の内側から外 に向かって熱が移動していることが示され いる。言い換えれば、熱流量の矢印がプラ 側に向いているゾーンではシリンダ11から樹 脂に熱が供給されていることが示され、熱流 量の矢印がマイナス側に向いているゾーンで は樹脂からシリンダ11に対して熱が移動して ることが示されている。

 グラフ91に示された熱流量の矢印を見る とにより、シリンダ11の各部における熱の移 動方向及び熱流量を容易に把握することがで き、シリンダ11内の樹脂の状態を容易に判断 ることができる。すなわち、グラフ91に示 れた熱流量の矢印は、シリンダ11の内壁近傍 のエネルギー量を表す値に相当し、したがっ て、シリンダ11内の樹脂のエネルギー量を表 値に相当する。

 グラフ91の中に示された各縦線は、その に示されているゾーンZ1~Z15bにおける温度セ サの位置を示している。例えば、Z1という 示の真上にある縦線はゾーンZ1内に設けられ た温度センサA-1のシリンダ軸方向に沿った位 置を示している。

 なお、矢印により表わされる熱流量の値 、推定器により演算された推定値である。 定器の演算により熱流量を求める方法につ ては後述する。また、表示画面90における ラフ91以外の表示内容は、図4に示す表示画 30と同様であり、その説明は省略する。

 図11はシリンダの各ゾーンにおける内壁 流量を表示した表示画面の他の例を示す図 ある。図11に示す表示画面90Aの上部には、シ リンダ11の各ゾーンにおける熱流量を表わす ラフ91Aが表示されている。グラフ91Aは、シ ンダ11の各ゾーンにおける熱流量を棒グラ で表わしている。棒グラフの位置はその下 示されるゾーン内のシリンダ軸方向位置を しており、対応する温度センサが設けられ 位置である。グラフ91Aの縦軸のプラス(+)側 びマイナス(-)側は熱の移動方向を示し、棒 ラフの高さは熱流量の大きさを示している なお、ゾーンZ15a及びZ15bにおける熱流量が小 さくゼロに近いため、棒グラフは表示されて いない。また、ゾーンZ1における熱流量の値 グラフの範囲を超えているため棒グラフの 端が途切れた状態で示されている。これら 棒グラフは図7の熱流量の数値に対応してい る。

 熱流量の棒グラフがプラス側(下向き)に びているゾーンでは、シリンダ11の外側から 内側に向かって熱が移動していることが示さ れ、熱流量の棒グラフがマイナス側(上向き) 延びているゾーンでは、シリンダ11の内側 ら外側に向かって熱が移動していることが されている。言い換えれば、棒グラフがプ ス側に延びているゾーンではシリンダ11から 樹脂に熱が供給されていることが示され、熱 流量の棒グラフがマイナス側に延びているゾ ーンでは樹脂からシリンダ11に対して熱が移 していることが示されている。

 プラス側に延びている棒グラフとマイナ 側に延びている棒グラフとを例えば色分け たり、異なる網掛けパターンを付けて表示 ることにより、棒グラフが示された位置に ける熱の移動方向を瞬時に認識することが きる。図11ではプラス側に延びた棒グラフ マイナス側に延びた棒グラフとで、ハッチ グの方法を異ならせている。

 グラフ91Aに示された熱流量の棒グラフを ることにより、シリンダ11の各部における の移動方向及び熱流量を容易に把握するこ ができ、シリンダ11内の樹脂の状態を容易に 判断することができる。すなわち、グラフ91A に示された熱流量の棒グラフは、シリンダ11 内壁近傍のエネルギー量を表す値に相当し したがって、シリンダ11内の樹脂のエネル ー量を表す値に相当する。

 グラフ91Aの中に示された各縦線は、その に示されているゾーンZ1~Z15bにおける温度セ ンサの位置を示している。例えば、Z1という 示の真上にある縦線はゾーンZ1内に設けら た温度センサA-1のシリンダ軸方向に沿った 置を示している。

 なお、棒グラフにより表わされる熱流量 値は、推定器により演算された推定値であ 。推定器の演算により熱流量を求める方法 ついては後述する。また、表示画面90Aにお るグラフ91A以外の表示内容は、図4に示す表 示画面30と同様であり、その説明は省略する

 図12はシリンダ11の各ゾーンにおける熱流 量を表示した表示画面95を示す図である。図1 2に示す表示画面95の上部には、シリンダ11の ゾーンにおける熱流量の数値を表わす熱流 表示領域96が設けられている。熱流量表示 域96には、シリンダ11の各ゾーンにおける熱 量が数値で表示されている。数値符号は熱 移動方向を示し、数値の絶対値の大きさは 流量の大きさを示している。熱流量表示領 96に表示された熱流量は、図10において矢印 で示す熱流量と同じであり、数値で示したも のであり、図7の熱量の数値と同じである。

 熱流量表示領域96に示された熱流量の符 及び絶対値を見ることにより、シリンダ11の 各部における熱の移動方向及び熱流量を容易 に把握することができ、シリンダ11内の樹脂 状態を容易に判断することができる。すな ち、熱流量表示領域96に示された熱流量の 値は、シリンダ11の内壁近傍のエネルギー量 を表す値に相当し、したがって、シリンダ11 の樹脂のエネルギー量を表す値に相当する

 なお、数値により表わされる熱流量の値 、推定器により演算された推定値である。 定器の演算により熱流量を求める方法につ ては後述する。また、表示画面95における 域96以外の表示内容は、図4に示す表示画面30 と同様であり、その説明は省略する。

 次に、シリンダ11の内壁温度及び熱流量 推定する推定方法について説明する。

 図13はシリンダ11の境界面(内壁面及び冷 シリンダ14の側端面、金型タッチ面、外表面 )の法線方向における熱流束を求めるための 定器140の原理構成図である。推定器140はコ トローラ130内の電子回路及び/又はソフトウ ア・プログラムにより構成され、シリンダ1 1のモデル142とフィルタ144とを含む。

 ここで、コントローラは必ずしも射出成 機の各駆動部を制御するコントローラと同 の制御装置内に設ける必要はない、例えば 射出成形機の制御装置とは別に備えられた 常のPCであってもよい。また、複数の射出 形機の運転状態を管理する集中管理装置の ニタであってもよい。

 推定器140には、シリンダ11の伝熱特性が め記憶させてある。あるいは、特定のシリ ダに適合するように、その特定のシリンダ 伝熱特性に基づいて推定器140を作成する。 リンダ11の伝熱特性は、シリンダ11全体を有 個の領域に分割して表現し、少なくとも「 領域の温度」、「各領域の温度の時間微分 、「各領域と樹脂、スクリュとの間の熱流 」、「大気の温度」、「シリンダを加熱す ヒータのオン・デューティ」を含む物理量 定量的関係を以下の線形代数方程式(1)で表 したものである。この線形代数方程式(1)が デル142に相当する。

 
 
 上記線形代数方程式において、各記号は以 の要素を表わす。

 θ 1 ・・・θ n :各領域の温度
 Qi 1 ・・・Qi m :各領域と樹脂、スクリュとの間の熱流量
 θ a :大気の温度
 η 1 ・・・η p :シリンダを加熱するヒータのオン・デュー ィ(動作時間)
 t:時刻
 C:各領域の熱容量
 α:各領域間の熱伝導係数
 R i :樹脂、スクリュと直接熱接触している領域 表わす行列
 α o :大気への放熱の熱伝達係数(シリンダカバー 熱電対の特性、取り付け状態も表わす)
 Q h :各ヒータが定格動作で各領域を加熱する能 (ヒータの発熱分布、配置、熱接触状態も表 す)
 推定器140において、シリンダ11のモデル142 、現在のシリンダ11の各領域の温度の推定値 を保持する。そして、推定器140は、この「各 領域の温度」と、「各領域と樹脂、スクリュ との間の熱流量」、「大気の温度」、「シリ ンダを加熱するヒータのオン・デューティ」 とから、上述のシリンダ11の伝熱特性を示す (1)を用いて「各領域の温度の時間微分」を 出する。ここで、各領域θに対応するn個の 域は、熱流量Qに対応するm個の領域を囲む うに配置されている。また、ヒータのオン デューティηはヒータの数に対応してp個配 されている。そして、算出された「各領域 温度の時間微分」と後述する「各領域の温 の補正データ」に応じて、モデル142自らが 持している「各領域の温度」の推定値を増 させる。この「各領域の温度」の推定値を いて、内挿又は外挿により内壁及び任意の さの位置での温度を計算し、表示すること できる。これにより、図4~図9の31,51,81,86やコ ンター図72,82に示された温度をモニタに表示 ることができる。

 「各領域の温度の補正データ」と「熱流 」は、フィルタ144により得られる。フィル 144は、「全体の温度の検出値」と、モデル1 42が保持している「各領域の温度」の推定値 うち当該検出値に対応する領域の温度の推 値との偏差を取り込む。「全体の温度の検 値」としては、ノズル及び加熱シリンダに えられた温度センサの検出値が用いられる そして、フィルタ144は、「各領域と樹脂、 クリュとの間の熱流量」及び「各領域の温 の補正データ」をモデル142に出力する。フ ルタ144は、微分・積分計算を行うことがで ることが好ましい。ここで出力された「各 域と樹脂、スクリュとの間の熱流量」を用 て、図6、図7、図10、図11、図12のグラフ61,91 や表示領域71,96に表された熱流束や熱流量を ニタに表示することができる。

 なお、モデルによって作成された各領域 対応するように、各温度センサの検出値を 間し、各領域の温度の検出値を算出しても い。この場合、全ての領域において偏差を めることができる。

 以上のように、シリンダ11の境界面(内壁 及び冷却シリンダ14の側端面、金型タッチ 、外表面)の法線方向における熱流束は、シ ンダ11を加熱するヒータの動作指令値(オン デューティの指令値)と温度センサからの温 度検出値とに基づいて推定器140により推定さ れる。ここで算出された「熱流量」と「温度 の推定値」を用いて、表示入力装置135のモニ タに表示する。さらに、実際の加熱シリンダ で検出された温度検出値も表示入力装置135の モニタに表示させることができる。

 また、シリンダ11の境界面における熱流 は、上述のように推定器により求めること 限られず、例えば温度設定条件及び成形条 に基づいて熱解析や樹脂流動解析等のシミ レーションを行い、シミュレーションで求 られた値を基に算出することとしてもよい

 図14はシリンダ11の温度を求めるための推 定器150の他の原理構成図である。推定器150は コントローラ130内の電子回路及び/又はソフ ウェア・プログラムにより構成され、シリ ダ11のモデル152とフィルタ154とを含む。

 推定器150には、シリンダ11の伝熱特性が め記憶させてある。あるいは、特定のシリ ダに適合するように、その特定のシリンダ 伝熱特性に基づいて推定器150を作成する。 リンダ11の伝熱特性は、シリンダ11全体を有 個の領域に分割して表現し、少なくとも「 領域の温度」、「各領域の温度の時間微分 、「各領域と樹脂、スクリュとの間の熱流 」、「大気の温度」、「シリンダを加熱す ヒータのオン・デューティ」を含む物理量 定量的関係を上述の線形代数方程式(1)で表 したものである。この線形代数方程式(1)が デル152に相当する。

 推定器150において、シリンダ11のモデル15 2は、現在のシリンダ11の内壁領域を除く全領 域での「各領域の温度」の推定値を保持する 。そして、推定器150は、この内壁領域以外の 「各領域の温度」と内壁領域の「各領域の温 度」の検出値、「大気の温度」、「シリンダ を加熱するヒータのオン・デューティ」とか ら、上述のシリンダ11の伝熱特性を示す式(1) 用いて内壁領域以外の「各領域の温度の時 微分」を算出する。そして、算出された内 領域以外の「各領域の温度の時間微分」と 述する「各領域の温度の補正データ」に応 て、モデル152自らが保持している内壁領域 外の「各領域の温度」の推定値を増減させ 。この「各領域の温度」の推定値を用いて 図7、図8、図9のコンター図72,82に表された リンダ11の軸方向断面の温度分布をモニタに 表示することができる。

 また、内壁領域の「各領域の温度」の検 値を時間微分し、その結果と内壁領域の「 領域の温度」の検出値及び内壁領域以外の 各領域の温度」の推定値、「大気の温度」 「シリンダを加熱するヒータのオン・デュ ティ」とから、同様に、シリンダ11の伝熱 性を示す式(1)を用いて「各領域と樹脂、ス リュとの間の熱流量」を算出する。ここで 出された「熱流量」を用いて、図6、図7、図 10、図11、図12のグラフ61,91及び表示領域71,96 表された熱流束若しくは熱流量をモニタに 示することができる。また、図4~図9のグラ 31,51,81,86及びコンター図72,82で示される内壁 度若しくはシリンダ温度は、内壁近傍に配 された温度センサの検出値を用いて表示さ る。

 「各領域の温度の補正データ」はフィル 154により得られる。フィルタ154は、「全体 温度の検出値」と、モデル152が保持してい 「各領域の温度」の推定値のうち当該検出 に対応する領域の温度の推定値との偏差を り込む。「全体の温度の検出値」としては ノズル及び加熱シリンダに備えられた温度 ンサの検出値が用いられる。そして、フィ タ154は、「各領域の温度の補正データ」を デル152に出力する。フィルタ154は、微分・ 分計算を行うことができる構成とすること 好ましい。

 なお、モデルによって作成された各領域 対応するように、各温度センサの検出値を 間し、各領域の温度の検出値を算出しても い。この場合、全ての領域において偏差を めることができる。

 以上のように、シリンダ11の温度は、シ ンダ11を加熱するヒータの動作指令値(オン デューティの指令値)と温度センサからの温 検出値とに基づいて推定器150により推定さ る。そして、モデル152にて算出された「熱 量」だけでなく「熱流束」を表示する。ま 、「温度の推定値」と「温度の検出値」を いて、内挿、外挿により内壁及び任意の深 の位置における温度を計算し、モニタに表 する。さらに、実際の加熱シリンダで検出 れた温度検出値も表示入力装置135のモニタ 表示させることができる。

 また、シリンダ11の境界面における熱流 は、上述のように推定器により求めること 限られず、例えば温度設定条件及び成形条 に基づいて熱解析や樹脂流動解析等のシミ レーションを行い、シミュレーションで求 られた値を基に算出することとしてもよい

 図15はシリンダ11の境界面(内壁面及び冷 シリンダ14の側端面、金型タッチ面、外表面 )の法線方向における熱流束を求めるための 定器160の原理構成図である。推定器160はコ トローラ130内の電子回路及び/又はソフトウ ア・プログラムにより構成され、シリンダ1 1のモデル162とフィルタ164とを含む。

 ここで、コントローラは必ずしも射出成 機の各駆動部を制御するコントローラと同 の制御装置内に設ける必要はない、例えば 射出成形機の制御装置とは別に備えられた 常のPCであってもよい。また、複数の射出 形機の運転状態を管理する集中管理装置の ニタであってもよい。

 推定器160には、シリンダ11の伝熱特性が め記憶させてある。あるいは、特定のシリ ダに適合するように、その特定のシリンダ 伝熱特性に基づいて推定器160を作成する。 リンダ11の伝熱特性は、シリンダ11全体を有 個の領域に分割して表現し、少なくとも「 領域の温度」、「各領域の温度の時間微分 、「各領域と樹脂、スクリュとの間の熱流 」を含む物理量の定量的関係を以下の線形 数方程式(2)で表現したものである。この線 代数方程式(2)がモデル162に相当する。

 
 
 上記線形代数方程式において、各記号は以 の要素を表わす。

 θ i1 ・・・θ in :シリンダの内側(内壁近傍)の各領域の温度
 θ o1 ・・・θ on :シリンダの外側(外壁近傍)の各領域の温度
 Qi 1 ・・・Qi m :シリンダの内側の各領域と樹脂、スクリュ の間の熱流量
 t:時刻
 C:シリンダの内側の各領域の熱容量
 α i :シリンダの内側の各領域間の熱伝導係数
 α o :シリンダの外側の各領域間の熱伝導係数
 R i :樹脂、スクリュと直接熱接触している領域 表わす行列
 推定器160において、シリンダ11のモデル162 、現在のシリンダ11の内側(内壁近傍)の各領 の温度の推定値を保持する。そして、推定 160は、「シリンダの内側の各領域の温度」 び「シリンダの外側の各領域の温度」と、 各領域と樹脂、スクリュとの間の熱流量」 とから、上述のシリンダ11の伝熱特性を示 式(2)を用いて「シリンダの内側の各領域の 度の時間微分」を算出する。ここで、外側 領域温度θoに対応するn個の領域は、内側の 域温度θiに対応するm個の領域、及び熱流量 Qに対応するm個の領域を囲むように配置され いる。そして、算出された「シリンダの内 の各領域の温度の時間微分」と後述する「 領域の温度の補正データ」に応じて、モデ 162自らが保持している「シリンダの内側の 領域の温度」の推定値を増減させる。この 各領域の温度」の推定値を用いて、内挿又 外挿により内壁及び任意の深さの位置での 度を計算し、表示することができる。これ より、図4~図9の31,51,81,86やコンター図72,82に 示された温度をモニタに表示することができ る。

 「シリンダの内側の各領域の温度の補正 ータ」と「熱流量」は、フィルタ164により られる。フィルタ164は、「全体の温度の検 値」と、モデル162が保持している「シリン の内側の各領域の温度」の推定値のうち当 検出値に対応する領域の温度の推定値との 差を取り込む。「全体の温度の検出値」と ては、ノズル及び加熱シリンダに備えられ 温度センサの検出値が用いられる。そして フィルタ164は、「シリンダの内側の各領域 樹脂、スクリュとの間の熱流量」及び「シ ンダの内側の各領域の温度の補正データ」 モデル162に出力する。フィルタ164は、微分 積分計算を行うことができることが好まし 。ここで出力された「シリンダの内側の各 域と樹脂、スクリュとの間の熱流量」を用 て、図6、図7、図10、図11、図12のグラフ61,91 や表示領域71,96に表された熱流束や熱流量を ニタに表示することができる。

 なお、モデルによって作成された各領域 対応するように、各温度センサの検出値を 間し、各領域の温度の検出値を算出しても い。この場合、全ての領域において偏差を めることができる。

 以上のように、シリンダ11の境界面(内壁 及び冷却シリンダ14の側端面、金型タッチ )の法線方向における熱流束は、温度センサ らの温度検出値に基づいて推定器160により 定される。ここで算出された「熱流量」と 温度の推定値」を用いて、表示入力装置135 モニタに表示する。さらに、実際の加熱シ ンダで検出された温度検出値も表示入力装 135のモニタに表示させることができる。

 また、ここでは図1及び図2に示すように 軸方向に配設されたヒータh1~h3のそれぞれに 、1組の温度センサが取り付けられている例 ついて説明した。しかしながら、軸方向に いて1つのヒータに複数組の温度センサを配 してもよい。例えば、ヒータh1に対して、 数組の温度センサA-1,A-2を配置してもよい。 の場合、ヒータh1が制御する第1のゾーン21 複数の推定領域に分割される。したがって 一つのゾーン内でも、複数の推定領域で温 を把握することができるようになる。この 合、各推定領域毎に温度を表示するように てもよい。

 より具体的には、図16に示すように、加 シリンダ11及び射出ノズル105は、冷却シリン ダ14から射出ノズル105に至る長手方向に沿っ 、4つのゾーンに区分される。ここでは、4 のゾーンを冷却シリンダ14に隣接したゾーン から順に、第1のゾーン21、第2のゾーン22、第 3のゾーン23、第4のゾーン24と称する。したが って、ノズル105は第4のゾーン24を形成してい る。なお、冷却シリンダ14はホッパ12及びそ 近傍を冷却するために設けられるシリンダ あり、ホッパ12の周囲を一定の温度以下に維 持するために設けられている。

 第1乃至第3のゾーン21~23には、図1に示す うに、個別に通電されるバンドヒータh1,h2,h3 が加熱シリンダ11の外周に配置されている。 た、図示はしていないが、ノズル105の周囲 もヒータが設けられており、ノズル105を加 している。このヒータをヒータh4と称する ととする。また、図15に示す例では、第1の ーン21に、長手方向に3組の温度センサA-1,A-2; B-1,B-2;C-1,C-2が配置されており、同様に、第2 ゾーン22には、3組の温度センサD-1,D-2;E-1,E-2;F -1,F-2が配置され、第3のゾーン23にも3組の温 センサG-1,G-2;H-1,H-2;I-1,I-2が配置されている。 更に、第4のゾーン24には、2組の温度センサJ- 1,J-2;K-1,K-2が設けられている。

 このように、加熱シリンダ11に多数の温 センサを配置してその実測値から熱流量や 流束を演算により求めることとしてもよい

 本発明は上述の具体的に開示された実施 に限られず、本発明の範囲を逸脱すること く様々な変形例及び改良例がなされるであ う。

 本出願は2007年5月31日に出願された日本特 許出願第2007-144405号及び第2007-144406号に基づ ものであり、その全内容はここに援用され 。

 本発明は、表示装置を有する射出成形機 適用可能である。