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Patent Searching and Data


Title:
DISPLAY ELEMENT AND ITS FABRICATION METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/072323
Kind Code:
A1
Abstract:
A display element (10) comprises an upper substrate (first substrate) (2), a lower substrate (second substrate) (3), and a conductive liquid (16) enclosed in a display space (S) formed between the upper substrate (2) and the lower substrate (3) so as to be movable. In the display element (10), an electrode member (f) is provided inside the display space (S), the electrode member (f) being so configured that a predetermined voltage can be applied and being used for filling up the conductive liquid (16). By applying the predetermined voltage to the electrode member (f), the conductive liquid (16) is filled up in the inner side of the display space (S).

Inventors:
NAKANO SHINICHI
MIYATA AKIO
TERANISHI TOMOKO
MATSUOKA TOSHIKI
DEGUCHI KAZUHIRO
Application Number:
PCT/JP2008/064207
Publication Date:
June 11, 2009
Filing Date:
August 07, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SHARP KK (JP)
NAKANO SHINICHI
MIYATA AKIO
TERANISHI TOMOKO
MATSUOKA TOSHIKI
DEGUCHI KAZUHIRO
International Classes:
G02F1/17
Foreign References:
JP2006113369A2006-04-27
JP2004252444A2004-09-09
JPH1039800A1998-02-13
Attorney, Agent or Firm:
IKEUCHI SATO & PARTNER PATENT ATTORNEYS (OAP TOWER8-30, Tenmabashi 1-chome,Kita-ku, Osaka-shi, Osaka 26, JP)
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Claims:
表示面側に設けられた第1の基板と、所定の表示用空間が前記第1の基板との間に形成されるように、当該第1の基板の非表示面側に設けられた第2の基板と、前記表示用空間の内部に移動可能に封入された導電性液体とを具備し、前記導電性液体を移動させることにより、前記表示面側の表示色を変更可能に構成された表示素子であって、
 前記表示用空間の内部に、所定の電圧を印加可能に構成されるとともに、前記導電性液体を充填するための電極部材を設け、
 前記電極部材に対して、前記所定の電圧を印加することにより、前記表示用空間の内部側に前記導電性液体を充填させた、
 ことを特徴とする表示素子。
前記導電性液体及び前記電極部材に対して、電気的に絶縁された状態で、前記第1及び第2の基板の一方の基板側に設けられるとともに、前記表示用空間の内部で前記導電性液体を移動させるための移動用の電極を備え、
 前記電極部材に対して、前記電極との間に所定の電位差が生じるように、所定の電圧を印加することにより、前記表示用空間の内部側に前記導電性液体を充填させた請求項1に記載の表示素子。
複数の第1の電極が、前記第1及び第2の基板の一方側で所定の配列方向に沿って設けられ、
 複数の第2の電極及び複数の第3の電極が、互いに交互に、かつ、前記複数の第1の電極と交差するように、前記第1及び第2の基板の他方側に設けられ、
 前記複数の第1の電極は、それぞれ複数の信号電極として用いられ、
 前記複数の第2の電極は、それぞれ複数の基準電極及び複数の走査電極の一方の電極として用いられ、
 前記複数の第3の電極は、それぞれ複数の基準電極及び複数の走査電極の他方の電極として用いられ、
 前記複数の基準電極に接続されるとともに、前記複数の各基準電極に対して、所定の基準電圧を印加する基準電圧印加部と、
 前記複数の信号電極に接続されるとともに、前記複数の各信号電極に対して、前記表示面側に表示される情報に応じた信号電圧を印加する信号電圧印加部と、
 前記複数の走査電極に接続されるとともに、前記基準電圧印加部が前記複数の各基準電極に対して、前記基準電圧を印加しているときに、前記複数の各走査電極に対して、前記導電性液体が前記表示用空間の内部を移動するのを阻止する非選択電圧と、前記導電性液体が前記信号電圧に応じて、前記表示用空間の内部を移動するのを許容する選択電圧との一方の電圧を印加する走査電圧印加部とを備えている請求項1に記載の表示素子。
複数の画素領域が、前記表示面側に設けられるとともに、
 前記複数の各画素領域は、前記信号電極と前記走査電極との交差部単位に設けられ、かつ、前記各画素領域では、前記表示用空間が仕切壁にて区切られている請求項3に記載の表示素子。
前記複数の画素領域が、前記表示面側でフルカラー表示が可能な複数の色に応じてそれぞれ設けられている請求項4に記載の表示素子。
複数の前記電極部材が、前記画素領域を挟むように、前記表示用空間の内部に設けられている請求項4または5に記載の表示素子。
前記電極部材は、前記画素領域の長手方向と平行になるように、前記表示用空間の内部に設けられている請求項4~6のいずれか1項に記載の表示素子。
前記電極部材に対して、前記基準電極及び前記走査電極の少なくとも一方との間に所定の電位差が生じるように、所定の電圧を印加することにより、前記画素領域単位に前記導電性液体を充填させた請求項4~7のいずれか1項に記載の表示素子。
前記基準電極及び前記走査電極の表面上には、誘電体層が積層されている請求項3~8のいずれか1項に記載の表示素子。
前記表示用空間の内部には、前記導電性液体と混じり合わない絶縁性流体が当該表示用空間の内部を移動可能に封入されている請求項1~9のいずれか1項に記載の表示素子。
表示面側に設けられた第1の基板と、所定の表示用空間が前記第1の基板との間に形成されるように、当該第1の基板の非表示面側に設けられた第2の基板と、前記表示用空間の内部に移動可能に封入された導電性液体とを具備し、前記導電性液体を移動させることにより、前記表示面側の表示色を変更可能に構成された表示素子の製造方法であって、
 前記第1及び第2の基板のうち一方の基板側に、前記表示用空間の内部で前記導電性液体を移動させるための移動用の電極を形成する形成工程と、
 前記電極と電気的に絶縁され、かつ、所定の電圧を印加可能に構成されるとともに、前記導電性液体を充填するための電極部材を設置する設置工程と、
 前記電極部材に対して、前記電極との間に所定の電位差が生じるように、所定の電圧を印加した状態で、前記一方の基板上で前記導電性液体を充填させる充填工程と
 を備えていることを特徴とする表示素子の製造方法。
前記形成工程の後に、前記表示面側に設けられる複数の画素領域に応じて、前記表示用空間を区切る仕切壁を前記一方の基板側に配置する配置工程を行い、
 前記設置工程では、前記画素領域の長手方向と平行になるように、前記電極部材を設置し、
 前記充填工程では、前記一方の基板上に、前記導電性液体を前記画素領域単位に充填させる請求項11に記載の表示素子の製造方法。
Description:
表示素子、及びその製造方法

 本発明は、導電性液体を移動させること より、画像や文字などの情報を表示する表 素子、及びその製造方法に関する。

 近年、表示素子では、エレクトロウェッ ィング方式の表示素子に代表されるように 外部電界による導電性液体の移動現象を利 して、情報の表示を行うものが開発され、 用化されている。

 具体的にいえば、上記のような従来の表 素子では、例えば特開2004-252444号公報に記 されているように、第1及び第2の電極と、第 1及び第2の基板と、これら基板間に形成され 表示用空間の内部に封入されるとともに、 定の色に着色された導電性液体としての着 液滴とが設けられている。そして、この従 の表示素子では、着色液滴に対し第1及び第 2の電極を介在させて電界印加を行うことに り、着色液滴の形状を変化させて表示面側 表示色を変更するようになっていた。

 また、この従来の表示素子では、第1の基 板上に、着色液滴に対して電気的に絶縁され た状態で、第1及び第2の電極を並設するとと に、これらの第1及び第2の電極と対向する うに、第2の基板側に第3の電極を設ける。さ らに、第1の電極の上方に遮光用のシェード 設置することにより、第1の電極側及び第2の 電極側をそれぞれ非有効表示領域側及び有効 表示領域側に設定して、第1及び第3の電極間 たは第2及び第3の電極間に電位差が生じる うに電圧印加を行うことが提案されている そして、この従来の表示素子では、着色液 の形状を変化させる場合に比べ、着色液滴 第1の電極側または第2の電極側に高速に移動 させて、表示面側の表示色も高速に変更可能 とされていた。

 しかしながら、上記のような従来の表示素 では、表示用空間の内部に、導電性液体を 易に封入することができずに、表示素子の 産性を向上させるのが難しいという問題点 あった。すなわち、上記表示用空間は、一 的に1~2mm 3 程度の大きさであり、従来の表示素子では、 上記のような小さな空間の内部に、例えば0.3 μL程度の導電性液体を適切に充填する作業を 実施する必要があり、大変な手間及び時間を 要した。この結果、従来の表示素子では、そ の生産性を向上し難かった。

 上記の課題を鑑み、本発明は、表示用空 の内部に導電性液体を容易に封入すること できる生産性に優れた表示素子、及びその 造方法を提供することを目的とする。

 上記の目的を達成するために、本発明にか る表示素子は、表示面側に設けられた第1の 基板と、所定の表示用空間が前記第1の基板 の間に形成されるように、当該第1の基板の 表示面側に設けられた第2の基板と、前記表 示用空間の内部に移動可能に封入された導電 性液体とを具備し、前記導電性液体を移動さ せることにより、前記表示面側の表示色を変 更可能に構成された表示素子であって、
 前記表示用空間の内部に、所定の電圧を印 可能に構成されるとともに、前記導電性液 を充填するための電極部材を設け、
 前記電極部材に対して、前記所定の電圧を 加することにより、前記表示用空間の内部 に前記導電性液体を充填させたことを特徴 するものである。

 上記のように構成された表示素子では、 記電極部材が表示用空間の内部に設けられ とともに、当該電極部材に対して、所定の 圧を印加することによって、導電性液体は 示用空間の内部側に充填される。これによ 、上記従来例と異なり、表示用空間の内部 導電性液体を容易に封入することができ、 示素子の生産性を向上させることができる

 また、上記表示素子において、前記導電性 体及び前記電極部材に対して、電気的に絶 された状態で、前記第1及び第2の基板の一 の基板側に設けられるとともに、前記表示 空間の内部で前記導電性液体を移動させる めの移動用の電極を備え、
 前記電極部材に対して、前記電極との間に 定の電位差が生じるように、所定の電圧を 加することにより、前記表示用空間の内部 に前記導電性液体を充填させることが好ま い。

 この場合、電極部材と電極との間でエレ トロウェッティング現象を発生させること でき、導電性液体を上記一方の基板上に保 させ、導電性液体を表示用空間の内部側に 実に充填させることができる。

 また、上記表示素子において、複数の第1の 電極が、前記第1及び第2の基板の一方側で所 の配列方向に沿って設けられ、
 複数の第2の電極及び複数の第3の電極が、 いに交互に、かつ、前記複数の第1の電極と 差するように、前記第1及び第2の基板の他 側に設けられ、
 前記複数の第1の電極は、それぞれ複数の信 号電極として用いられ、
 前記複数の第2の電極は、それぞれ複数の基 準電極及び複数の走査電極の一方の電極とし て用いられ、
 前記複数の第3の電極は、それぞれ複数の基 準電極及び複数の走査電極の他方の電極とし て用いられ、
 前記複数の基準電極に接続されるとともに 前記複数の各基準電極に対して、所定の基 電圧を印加する基準電圧印加部と、
 前記複数の信号電極に接続されるとともに 前記複数の各信号電極に対して、前記表示 側に表示される情報に応じた信号電圧を印 する信号電圧印加部と、
 前記複数の走査電極に接続されるとともに 前記基準電圧印加部が前記複数の各基準電 に対して、前記基準電圧を印加していると に、前記複数の各走査電極に対して、前記 電性液体が前記表示用空間の内部を移動す のを阻止する非選択電圧と、前記導電性液 が前記信号電圧に応じて、前記表示用空間 内部を移動するのを許容する選択電圧との 方の電圧を印加する走査電圧印加部とを備 ていることが好ましい。

 この場合、優れた生産性及び信頼性を有 るマトリクス駆動方式の表示素子を構成す ことができる。

 また、上記表示素子において、複数の画素 域が、前記表示面側に設けられるとともに
 前記複数の各画素領域は、前記信号電極と 記走査電極との交差部単位に設けられ、か 、前記各画素領域では、前記表示用空間が 切壁にて区切られてもよい。

 この場合、表示面側の複数の各画素にお て導電性液体を移動させることにより、表 面側での表示色を画素単位に変更すること できる。

 また、上記表示素子において、前記複数 画素領域が、前記表示面側でフルカラー表 が可能な複数の色に応じてそれぞれ設けら てもよい。

 この場合、複数の各画素において対応す 導電性液体が適切に移動されることにより カラー画像表示を行うことができる。

 また、上記表示素子において、複数の前 電極部材が、前記画素領域を挟むように、 記表示用空間の内部に設けられてもよい。

 この場合、画素領域の内部側で導電性液 を確実に充填させることができる。

 また、上記表示素子において、前記電極 材は、前記画素領域の長手方向と平行にな ように、前記表示用空間の内部に設けられ いることが好ましい。

 この場合、導電性液体が充填される領域 大きくすることができ、導電性液体の表示 空間の内部への封入をより容易に行うこと できる。

 また、上記表示素子において、前記電極 材に対して、前記基準電極及び前記走査電 の少なくとも一方との間に所定の電位差が じるように、所定の電圧を印加することに り、前記画素領域単位に前記導電性液体を 填させてもよい。

 この場合、電極部材と基準電極及び走査 極の少なくとも一方との間でエレクトロウ ッティング現象を発生させることができ、 素領域単位に導電性液体を確実に封入する とができる。

 また、上記表示素子において、前記基準 極及び前記走査電極の表面上には、誘電体 が積層されていることが好ましい。

 この場合、誘電体層が導電性液体に印加 る電界を確実に大きくして、当該導電性流 の移動速度をより容易に向上することがで る。

 また、上記表示素子において、前記表示 空間の内部には、前記導電性液体と混じり わない絶縁性流体が当該表示用空間の内部 移動可能に封入されていることが好ましい

 この場合、導電性液体の移動速度の高速 を容易に図ることができる。

 また、本発明の表示素子の製造方法は、表 面側に設けられた第1の基板と、所定の表示 用空間が前記第1の基板との間に形成される うに、当該第1の基板の非表示面側に設けら た第2の基板と、前記表示用空間の内部に移 動可能に封入された導電性液体とを具備し、 前記導電性液体を移動させることにより、前 記表示面側の表示色を変更可能に構成された 表示素子の製造方法であって、
 前記第1及び第2の基板のうち一方の基板側 、前記表示用空間の内部で前記導電性液体 移動させるための移動用の電極を形成する 成工程と、
 前記電極と電気的に絶縁され、かつ、所定 電圧を印加可能に構成されるとともに、前 導電性液体を充填するための電極部材を設 する設置工程と、
 前記電極部材に対して、前記電極との間に 定の電位差が生じるように、所定の電圧を 加した状態で、前記一方の基板上で前記導 性液体を充填させる充填工程とを備えてい ことを特徴とするものである。

 上記のように構成された表示素子の製造 法では、形成工程において、上記移動用の 極が一方の基板側に形成された後、上記電 部材が設置工程によって設置される。その 、充填工程において、電極部材に対して、 極との間に所定の電位差が生じるように、 定の電圧を印加することにより、導電性液 は表示用空間の内部側に充填される。これ より、上記従来例と異なり、表示用空間の 部に導電性液体を容易に封入することがで 、表示素子の生産性を向上させることがで る。

 また、上記表示素子の製造方法において、 記形成工程の後に、前記表示面側に設けら る複数の画素領域に応じて、前記表示用空 を区切る仕切壁を前記一方の基板側に配置 る配置工程を行い、
 前記設置工程では、前記画素領域の長手方 と平行になるように、前記電極部材を設置 、
 前記充填工程では、前記一方の基板上に、 記導電性液体を前記画素領域単位に充填さ ることが好ましい。

 この場合、表示面側に設けられる複数の 画素において、適切な導電性液体を容易に 入することが可能となり、優れた表示性能 有する表示素子を簡単に構成することがで る。

 本発明によれば、表示用空間の内部に導 性液体を容易に封入することができる生産 に優れた表示素子、及びその製造方法を提 することが可能となる。

本発明の第1の実施形態にかかる表示素 子、及び画像表示装置を説明する平面図であ る。 表示面側から見た場合での図1に示した 上部基板側の要部構成を示す拡大平面図であ る。 非表示面側から見た場合での図1に示し た下部基板側の要部構成を示す拡大平面図で ある。 (a)及び(b)は、それぞれ非CF着色表示時 びCF着色表示時における、図1に示した表示 子の要部構成を示す断面図である。 図4に示した基準電極、走査電極、誘電 体層、及び電極部材の形成工程を説明する図 である。 図4に示したリブ、及び撥水膜の形成工 程を説明する図である。 図4に示した導電性液体の充填工程を説 明する図である。 図4に示したカラーフィルタ層及び撥水 膜の形成工程を説明する図である。 図4に示した信号電極の形成工程、及び 表示素子の最終の製造工程を説明する図であ る。 上記画像表示装置の動作例を説明する 図である。 非表示面側から見た場合における、本 発明の第2の実施形態にかかる表示素子に設 られた下部基板側の要部構成を示す拡大平 図である。 (a)及び(b)は、それぞれ非CF着色表示時 びCF着色表示時における、図11に示した表示 素子の要部構成を示す断面図である。

 以下、本発明の表示素子、及びその製造 法の好ましい実施形態について、図面を参 しながら説明する。尚、以下の説明では、 ラー画像表示を表示可能な表示部を備えた 像表示装置に本発明を適用した場合を例示 て説明する。また、各図中の構成部材の寸 は、実際の構成部材の寸法及び各構成部材 寸法比率等を忠実に表したものではない。

 [第1の実施形態]
 図1は、本発明の第1の実施形態にかかる表 素子、及び画像表示装置を説明する平面図 ある。図1において、本実施形態の画像表示 置1では、本発明の表示素子10を用いた表示 が設けられており、この表示部には矩形状 表示面が構成されている。すなわち、表示 子10は、図1の紙面に垂直な方向で互いに重 合うように配置された上部基板2及び下部基 板3を備えており、これらの上部基板2と下部 板3との重なり部分によって上記表示面の有 効表示領域が形成されている(詳細は後述。)

 また、表示素子10では、複数の信号電極4 互いに所定の間隔をおいて、かつ、X方向に 沿ってストライプ状に設けられている。また 、表示素子10では、複数の基準電極5及び複数 の走査電極6が、互いに交互に、かつ、Y方向 沿ってストライプ状に設けられている。こ ら複数の信号電極4と、複数の基準電極5及 複数の走査電極6とは、互いに交差するよう 設けられており、表示素子10では、信号電 4と走査電極6との交差部単位に、複数の各画 素領域が設定されている。

 また、これら複数の信号電極4、複数の基 準電極5、及び複数の走査電極6は、互いに独 して、第1の電圧としてのHigh電圧と、第2の 圧としてのLow電圧との間の所定の電圧範囲 の電圧が印加可能に構成されている(詳細は 後述。)。

 さらに、表示素子10では、後に詳述する うに、上記複数の各画素領域が仕切壁にて 切られるとともに、複数の画素領域が、上 表示面側でフルカラー表示が可能な複数の に応じてそれぞれ設けられている。そして 表示素子10では、マトリクス状に設けられた 複数の画素(表示セル)毎に、エレクトロウェ ティング現象にて後述の導電性液体を移動 せ、表示面側での表示色を変更するように っている。

 また、複数の信号電極4、複数の基準電極 5、及び複数の走査電極6では、各々一端部側 表示面の有効表示領域の外側に引き出され 、端子部4a、5a、及び6aが形成されている。

 複数の信号電極4の各端子部4aには、配線7 aを介して信号ドライバ7が接続されている。 号ドライバ7は、信号電圧印加部を構成する ものであり、画像表示装置1が文字及び画像 含んだ情報を表示面に表示する場合に、複 の各信号電極4に対して、情報に応じた信号 圧Vgを印加するように構成されている。

 複数の基準電極5の各端子部5aには、配線8 aを介して基準ドライバ8が接続されている。 準ドライバ8は、基準電圧印加部を構成する ものであり、画像表示装置1が文字及び画像 含んだ情報を表示面に表示する場合に、複 の各基準電極5に対して、所定の基準電圧Vs 常時印加するように構成されている。

 また、複数の走査電極6の各端子部6aには 配線9aを介して走査ドライバ9が接続されて る。走査ドライバ9は、走査電圧印加部を構 成するものであり、画像表示装置1が文字及 画像を含んだ情報を表示面に表示する場合 、複数の各走査電極6に対して、走査電圧Vd 印加するように構成されている。

 また、走査ドライバ9では、基準ドライバ 8が複数の各基準電極5に対して基準電圧Vsを 加しているときに、複数の各走査電極6に対 て、上記導電性液体が移動するのを阻止す 非選択電圧と、導電性液体が信号電圧Vgに じて移動するのを許容する選択電圧との一 の電圧を走査電圧Vdとして印加するようにな っている。そして、画像表示装置1では、走 ドライバ9が例えば図1の左側から右側の各走 査電極6に対して、選択電圧を順次印加する とにより、ライン毎の走査動作が行われる うに構成されている(詳細は後述。)。

 また、信号ドライバ7、基準ドライバ8、 び走査ドライバ9には、直流電源または交流 源が含まれており、対応する信号電圧Vg、 準電圧Vs、及び走査電圧Vdを供給するように っている。

 また、基準ドライバ8は、基準電圧Vsの極 を所定の時間(例えば、1フレーム)毎に切り えるように構成されている。さらに、走査 ライバ9は、基準電圧Vsの極性の切り替えに 応して、走査電圧Vdの各極性を切り替える うに構成されている。このように、基準電 Vs及び走査電圧Vdの各極性が所定の時間毎に り替えられるので、基準電極5及び走査電極 6に対して常時同じ極性の電圧を印加すると に比べて、これらの基準電極5及び走査電極6 での電荷の局在化を防ぐことができる。さら に、電荷の局在化に起因する表示不良(残像 象)や信頼性(寿命低下)の悪影響を防止する とができる。

 また、表示素子10には、複数の電極部材f 互いに所定の間隔をおいて、かつ、複数の 号電極4とそれぞれ対向するように、X方向 沿ってストライプ状に設けられている。こ らの電極部材fは、所定の電圧を印加可能に 成されるとともに、導電性液体を充填する めのものであり、後に詳述するように、表 素子10の製造工程において、上記導電性液 を充填するときにのみ、電圧印加が行われ ようになっている。言い換えれば、電極部 fは、表示動作に寄与しない、すなわち導電 液体の移動に寄与しない電極部材であり、 電性液体の充填作業時に電源(図示せず)が 続されて、所定の電圧が印加されるように 成されている。

 一方、信号電極4、基準電極5、及び走査 極6は、後述の表示用空間の内部で導電性液 を移動させるための移動用の電極を構成し いる。

 ここで、図2~図4も参照して、表示素子10 画素構造について具体的に説明する。

 図2は表示面側から見た場合での図1に示 た上部基板側の要部構成を示す拡大平面図 あり、図3は非表示面側から見た場合での図1 に示した下部基板側の要部構成を示す拡大平 面図である。図4(a)及び図4(b)は、それぞれ非C F着色表示時及びCF着色表示時における、図1 示した表示素子の要部構成を示す断面図で る。なお、図2及び図3では、図面の簡略化の ために、上記表示面に設けられた複数の画素 のうち、図1の左上端部に配設された9個の画 を図示している。

 図2~図4において、表示素子10は、表示面 に設けられた第1の基板としての上記上部基 2と、上部基板2の背面側(非表示面側)に設け られた第2の基板としての上記下部基板3とを えている。また、表示素子10では、上部基 2と下部基板3が互いに所定の間隔をおいて配 置されることにより、これら上部基板2及び 部基板3の間に所定の表示用空間Sが形成され ている。また、この表示用空間Sの内部には 上記導電性液体16及びこの導電性液体16と混 り合わない絶縁性のオイル17が当該表示用 間Sの内部で上記X方向(図4の左右方向)に移動 可能に封入されており、導電性液体16は後述 有効表示領域P1側または非有効表示領域P2側 に移動できるようになっている。

 導電性液体16には、例えば溶媒としての と、溶質としての所定の電解質を含んだ水 液が用いられている。具体的には、例えば1m mol/Lの塩化カリウム(KCl)の水溶液が導電性液 16に用いられている。また、導電性液体16に 、例えば自己分散型の顔料にて黒色に着色 れたものが使用されている。具体的にいえ 、導電性液体16には、カーボンブラックや ニリンブラックなどの顔料に対し、分散安 化添加物を使用せず、当該顔料自身に分散 を向上させるための改質処理を施した自己 散型の顔料が例えば0.1wt%添加されている。 のような自己分散型の顔料を用いることに り、導電性液体16中における顔料の粒子の分 散安定性を著しく向上させている。その結果 、導電性液体16の駆動特性を安定化させ、良 な駆動特性を得られるものとしている。

 また、導電性液体16は黒色に着色されて るので、当該導電性液体16は、各画素におい て、光の透過を許容または阻止するシャッタ ーとして機能するようになっている。つまり 、表示素子10の各画素では、後に詳述するよ に、導電性液体16が表示用空間Sの内部を基 電極5側(有効表示領域P1側)または走査電極6 (非有効表示領域P2側)にスライド移動するこ とによって表示色が黒色またはRGBのいずれか の色に変更されるよう構成されている。

 また、オイル17には、例えば側鎖高級ア コール、側鎖高級脂肪酸、アルカン炭化水 、シリコーンオイル、マッチングオイルか 選択された1種または複数種からなる無極性 、かつ、無色透明なオイルが用いられてい 。また、このオイル17は、導電性液体16のス ライド移動に伴って、表示用空間Sの内部を 動するようになっている。

 上部基板2には、無アルカリガラス基板な どの透明なガラス材またはアクリル系樹脂な どの透明な合成樹脂等の透明な透明シート材 が用いられている。また、上部基板2の非表 面側の表面には、カラーフィルタ層11及び撥 水膜12が順次形成されており、さらには第1の 電極としての上記信号電極4が撥水膜12上に設 けられている。

 また、下部基板3には、上部基板2と同様 、無アルカリガラス基板などの透明なガラ 材またはアクリル系樹脂などの透明な合成 脂等の透明な透明シート材が用いられてい 。また、下部基板3の表示面側の表面には、 2の電極としての上記基準電極5及び第3の電 としての上記走査電極6が設けられており、 さらに、これらの基準電極5及び走査電極6を うように、誘電体層13が形成されている。 た、この誘電体層13の表示面側の表面には、 Y方向及びX方向にそれぞれ平行となるように けられたリブ14a1、14a2及び14bが設けられて る。

 また、下部基板3では、複数の各電極部材 fが撥水膜15上で、Y方向に沿って配置された ブ14a1、14a2との間に設置されている。また、 各電極部材fは、上述したように、信号電極4 対向するように設置されており、画素領域P (図2)の長手方向(X方向)と平行になるように、 表示用空間Sの内部に設けられている。

 また、下部基板3では、誘電体層13、リブ1 4a1、14a2、14b、及び電極部材fを覆うように、 水膜15が設けられている。但し、この撥水 15は、電極部材fと導電性液体16とを電気的に 絶縁することはなく、電極部材fが導電性液 16と接触するのを許容している。

 また、下部基板3の背面側(非表示面側)に 、例えば白色の照明光を発光するバックラ ト18が一体的に組み付けられており、透過 の表示素子10が構成されている。このように 、バックライト18が用いられているので、本 施形態の表示素子10では、外光が不十分な 合や夜間などでも、適切な表示動作を行う とができる。また、本実施形態では、調光 囲が大きく、かつ、高精度な階調制御を簡 に行える高輝度な表示素子10を容易に構成す ることができる。

 カラーフィルタ(Color Filter)層11には、赤 (R)、緑色(G)、及び青色(B)のカラーフィルタ 11r、11g、及び11bと、遮光膜としてのブラッ マトリクス部11sとが設けられており、RGBの 色の画素を構成するようになっている。つ り、カラーフィルタ層11では、図2に例示す ように、RGBのカラーフィルタ部11r、11g、11b Y方向に沿って順次設けられるとともに、各 3つのカラーフィルタ部11r、11g、11bがX方向 沿って設けられており、X方向及びY方向にそ れぞれ3個及び3個、合計9個の画素が配設され ている。

 また、表示素子10では、図2に例示するよ に、各画素領域Pにおいて、画素の有効表示 領域P1に対応する箇所にRGBのいずれかのカラ フィルタ部11r、11g、及び11bが設けられ、非 効表示領域P2に対応する箇所にブラックマ リクス部11sが設けられている。つまり、表 素子10では、上記表示用空間Sに対し、ブラ クマトリクス部(遮光膜)11sによって非有効表 示領域P2(非開口部)が設定され、そのブラッ マトリクス部11sに形成された開口部(つまり いずれかのカラーフィルタ部11r、11g、及び1 1b)によって有効表示領域P1が設定されている

 また、表示素子10では、カラーフィルタ 11r、11g、11bの各面積は、有効表示領域P1の面 積に対し、同一または若干大きい値が選択さ れている。一方、ブラックマトリクス部11sの 面積は、非有効表示領域P2の面積に対し、同 または若干小さい値が選択されている。尚 図2では、隣接する画素の境界部を明確にす るために、隣接する画素に応じた2つのブラ クマトリクス部11s間の境界線を点線にて示 ているが、実際のカラーフィルタ層11では、 ブラックマトリクス部11s間の境界線は存在し ない。

 また、表示素子10では、上記仕切壁とし のリブ14a1、14a2、14bにより表示用空間Sが画 領域P単位に区切られている。すなわち、表 素子10では、各画素の表示用空間Sは、図3に 例示するように、互いに対向する2組のリブ14 a1、14a2と、互いに対向する2つのリブ14bとに って区画されている。つまり、互いに対向 る2組のリブ14a1、14a2によって画素領域P(図2) X方向での寸法が規定され、互いに対向する 2つのリブ14bによって画素領域PのY方向での寸 法が規定されている。

 さらに、表示素子10では、リブ14a1、14a2、 14bによって導電性液体16が隣接する画素領域P の表示用空間Sの内部に流入するのが防がれ いる。すなわち、リブ14a1、14a2、14bには、例 えば光硬化性樹脂が用いられており、これら のリブ14a1、14a2、14bでは、隣接する画素間で 電性液体16の流入出が防止されるように、 電体層13からの突出高さが決定されている。

 尚、上記の説明以外に、リブ14a1、14a2、14 bに代えて、例えば下部基板3上で枠状に構成 れたリブを画素単位に設けてもよい。また 隣接する画素領域Pどうしが気密に区切られ るように、上記枠状に構成されたリブの先端 部を上部基板2側に密接させてもよい。この うにリブの先端部を上部基板2側に密接させ 場合には、当該リブを貫通するように信号 極4を設けることで表示用空間Sの内部に信 電極4を設置すればよい。

 撥水膜12、15には、透明な合成樹脂、好ま しくは電圧印加時に導電性液体16に対し親水 となる、例えば厚さ60nmのフッ素系樹脂が使 用されている。これにより、表示素子10では 上部基板2及び下部基板3の表示用空間S側の 表面側での導電性液体16との間の濡れ性(接 角)を大きく変化させることができ、導電性 液体16の移動速度の高速化を図ることができ 。また、誘電体層13は、透明な高誘電体膜 例えば厚さ350nmの窒化シリコン(SiNx)膜によっ て構成されている。

 基準電極5及び走査電極6には、酸化インジ ム系(ITO)、酸化スズ系(SnO 2 )、または酸化亜鉛系(AZO、GZO、あるいはIZO)な どの透明な電極材料が用いられている。これ らの各基準電極5及び各走査電極6は、スパッ 法等の公知の成膜方法により、例えば厚さ1 00nmで下部基板3上に帯状に形成されている。

 信号電極4には、X方向に平行となるよう 配置された線状配線が用いられている。ま 、信号電極4は、撥水膜12上で、各画素領域P Y方向でのほぼ中心部を通るように設置され ており、導電性液体16を挿通して、当該導電 液体16に直接的に接触するように構成され いる。これにより、表示素子10では、表示動 作時での導電性液体16の応答性の向上が図ら ている。

 また、信号電極4の表面には、例えばフッ 素系樹脂からなる透明な撥水膜(図示せず)が 層されており、導電性液体16の移動を円滑 行わせるようになっている。但し、この撥 膜は、信号電極4と導電性液体16とを電気的 絶縁することはなく、導電性液体16の応答性 向上を阻害しないようになっている。

 尚、上記の説明以外に、上部基板2の非表 示面側の表面上に、カラーフィルタ層11、信 電極4、及び撥水膜12を順次積層する構成で よい。

 また、この信号電極4には、導電性液体16 対して電気化学的に不活性な材料が使用さ ており、当該信号電極4に上記信号電圧Vg(例 えば、40V)が印加されたときでも、導電性液 16と電気化学反応を極力生じないように構成 されている。これにより、信号電極4の電気 解の発生を防いで、表示素子10の信頼性及び 寿命を向上させることができる。

 具体的にいえば、信号電極4には、金、銀 、銅、白金、及びパラジウムの少なくとも一 つを含んだ電極材料が用いられている。また 、信号電極4は、上記金属材料からなる細線 カラーフィルタ層11上に固定したり、スクリ ーン印刷法などを用いて、カラーフィルタ層 11上に金属材料を含んだ導電性ペースト材な のインク材を載置したりすることで形成さ ている。

 さらに、信号電極4では、その形状が画素 の有効表示領域P1の下方に設けられた基準電 5の透過率を用いて、定められている。具体 的にいえば、信号電極4では、75%~95%程度の基 電極5の透過率に基づき、有効表示領域P1の 積に対し、当該有効表示領域P1上での信号 極4の占有面積が30%以下、好ましくは10%以下 より好ましくは5%以下となるように、信号 極4の形状は決定されている。

 電極部材fには、X方向に平行となるよう 配置された線状配線が用いられており、電 部材fは、信号電極4の下方で、各画素領域P Y方向でのほぼ中心部を通るように設置され いる。

 また、この電極部材fは、導電性液体16と 触するようになっているため、信号電極4と 同様に、導電性液体16に対して電気化学的に 活性な材料が用いられている。具体的には 例えばスクリーン印刷法を用いて、金、銀 銅、白金、及びパラジウムの少なくとも一 を含んだ電極材料を誘電体層13上に形成す ことにより、電極部材fは、表示用空間Sの内 部に設置されている。これにより、電極部材 fの電気分解の発生が防がれて、表示素子10の 信頼性及び寿命を向上させることができるよ うになっている。また、電極部材fの形状に 、信号電極4のものと同一の形状が選択され いる。

 ここで、図5~図9を参照して、本実施形態 表示素子10の製造工程を具体的に説明する

 図5は図4に示した基準電極、走査電極、 電体層、及び電極部材の形成工程を説明す 図であり、図6は図4に示したリブ、及び撥水 膜の形成工程を説明する図である。図7は図4 示した導電性液体の充填工程を説明する図 あり、図8は図4に示したカラーフィルタ層 び撥水膜の形成工程を説明する図である。 9は、図4に示した信号電極の形成工程、及び 表示素子の最終の製造工程を説明する図であ る。

 図5(a)において、下部基板3には、例えば さ0.7mmの無アルカリガラス基板が用いられて おり、スパッタ法にて膜厚100nmのITO膜を下部 板3の表面上に成膜することによって下部基 板3側の電極形成工程が行われて、基準電極5 び走査電極6が形成される。また、これらの 基準電極5及び走査電極6は、画素領域Pの長手 方向で互いに交互となるように設けられる。

 その後、図5(b)に示すように、誘電体層13 形成工程が行われる。つまり、下部基板3、 基準電極5、及び走査電極6の上方に、誘電体 13として例えばCVD法を用いて、窒化シリコ 膜を成膜した。この誘電体層13の膜厚は、例 えば350nmである。

 そして、図5(c)に示すように、誘電体層13 表面上に対して、例えばスクリーン印刷法 よって、金を含んだ導電性ペースト材など インク材を載置することで電極部材fを形成 した。この電極部材fは、基準電極5及び走査 極6と直交するように、画素領域PのY方向の 央部に、かつ画素領域Pの長手方向(X方向)に 沿って設けられている。また、電極部材fの 体的な幅寸法(Y方向の寸法)は、例えば10μmで ある。

 次に、図6(a)において、リブ14a1、14a2、14b 形成工程が行われる。具体的には、例えば ォトリソ法を用いて、誘電体層13の表面上 対して、UV硬化樹脂を用いたリブ14a1、14a2、1 4bを画素領域P単位に形成した。これにより、 表示面側に設けられる複数の画素領域Pに応 て、表示用空間Sを区切るリブ(仕切壁)14a1、1 4a2、14bを下部基板(一方の基板)3側に設置する 設置工程が完了される。

 尚、画素領域Pの具体的なX方向及びY方向 寸法は、それぞれ2.7mm及び1.8mmである(表示 空間SのX方向及びY方向の寸法に相当)。また リブ14a1、14a2、14bでは、誘電体層13からの高 さ寸法は例えば350μmであり、X方向及びY方向 の各幅寸法は例えば50μmである。

 その後、図6(b)に示すように、撥水膜15の 膜工程が行われる。すなわち、誘電体層13 電極部材f、及びリブ14a1、14a2、14bの各表面 対し、例えばフッ素系樹脂材をディッピン 法によって塗布して、80℃で30分間焼成する とにより、撥水膜14を成膜した。撥水膜15の 膜厚は、例えば60nmである。これにより、導 性液体16が保持される前の下部基板3側の中 基板Sb1が完成される。また、下部基板3側で 、電極部材fも含めて撥水膜15で被覆されて るので、導電性液体16が接触する部分が撥 状態とされて、導電性液体16の移動を円滑に 行わせることが可能となっている。

 続いて、図7(a)に例示するように、中間基 板Sb1に対して、導電性液体16を充填する充填 程が行われる。具体的にいえば、この充填 程では、例えば基準電極5にDC8Vを印加し、 査電極6及び電極部材fに0V、つまりGNDに接地 た状態で行われるようになっており、基準 極5と電極部材fとの間でエレクトロウェッ ィング現象を発生させた状態で実施される

 また、充填工程では、中間基板Sb1におい 、リブ14a1、14a2、14bで区画された各画素領 P内に、例えばn-ドデカンを使用したオイル17 (図示せず)を満たした状態で、図7(a)に例示し たように、ディスペンサー装置のノズルNを 用して、例えば上記自己分散型の顔料が添 された塩化カリウム(KCl)の水溶液を用いた導 電性液体16が導入される。これにより、導電 液体16及びオイル17(図示せず)が保持された 部基板3側の最終的な完成基板Sb2が得られる 。

 また、充填工程では、上述したように、 レクトロウェッティング現象を発生させた 態で行われるので、導電性液体16は、基準 極5及び電極部材fが設けられた下部基板3側 確実に充填されることができ、画素領域P単 に導電性液体16を確実に封入することがで る。さらに、電極部材fが画素領域Pの長手方 向と平行になるように設けられているので、 導電性液体16が充填される領域を大きくする とができ、導電性液体16の表示用空間Sの内 への封入をより容易に行うことができる。

 尚、各画素領域Pへの導電性液体16の具体 な充填量は、例えば0.32μLである。また、上 記ディスペンサー装置のノズルNの内径は、 えば100μmである。

 また、上記の説明以外に、基準電極5及び 走査電極6の双方にDC10Vを印加し、電極部材f 接地したり、電極部材fにDC10Vを印加し、基 電極5及び走査電極6の双方を接地したりする ことで、導電性液体16の充填工程を実施して よい。このような電圧印加を行った場合に 、下部基板3側全面を親水性とすることがで き、より確実に、かつ、より容易に導電性液 体16を充填できる。つまり、基準電極5及び走 査電極6の一方を電圧印加または接地する場 に比べて、画素領域Pに対するノズルNの設置 精度が低い場合、つまりノズルNの位置ズレ 多少許容した状態でも、導電性液体16を画素 領域P単位に封入できる。

 また、図8(a)において、上部基板2には、 えば厚さ0.7mmの無アルカリガラス基板が用い られており、例えばフォトリソグラフィ法を 用いて、カラーフィルタ部11r、11g、11bとブラ ックマトリクス部11sとを上部基板2の表面上 積層することによってCF形成工程が行われて 、カラーフィルタ層11が形成される。このカ ーフィルタ層11には、感光性樹脂(例えば、 反応性アクリルモノマー)と対応する顔料と が用いられており、例えば2μm程度の膜厚と れている。

 そして、図8(b)に示すように、撥水膜12の 膜工程が行われる。すなわち、カラーフィ タ層11の表面に対し、例えばフッ素系樹脂 をディッピング法によって塗布して、80℃で 30分間焼成することによって、撥水膜12を成 した。撥水膜12の膜厚は、例えば60nmである

 次に、図9(a)に示すように、上部基板2側 電極形成工程が行われる。つまり、カラー ィルタ層11の表面上に対して、例えば金から なる細線を固定することにより、信号電極4 設置される。

 そして、図9(b)に示すように、導電性液体 16及びオイル17を保持した下部基板3に対し、 えばUV接着剤を用いて、上部基板2を上方か 組み付けて一体化することにより、表示素 10が完成される。尚、上部基板2と下部基板3 との間の離間(ギャップ)寸法は、例えば400μm ある。

 また、この上部基板2と下部基板3とを一 化する工程では、上記充填工程から引き続 て、上記エレクトロウェッティング現象を 生させた状態で行われており、各画素領域P に充填された導電性液体16が隣接する画素 域Pに移動するのを極力防がれた状態で実施 れる。

 ここで、図10も参照して、上記のように 成された本実施形態の画像表示装置1の表示 作について具体的に説明する。

 図10は、上記画像表示装置の動作例を説 する図である。

 図10において、基準ドライバ8は、全ての 基準電極5に対して、常にHigh電圧(第1の電圧 )を基準電圧Vsとして印加する。また、走査ド ライバ9は、例えば同図の左側から右側に向 う所定の走査方向で、走査電極6に対して、 査電圧Vdとして上記選択電圧を順次印加す 。具体的には、走査ドライバ9は、走査電極6 に対して、選択電圧としてLow電圧(第2の電圧) を順次印加して選択ラインとする走査動作を 行う。この選択ラインでは、信号ドライバ7 外部からの画像入力信号に応じて、対応す 信号電極4に対して、High電圧またはLow電圧を 信号電圧Vgとして印加する。これにより、選 ラインの各画素では、導電性液体16が有効 示領域P1側または非有効表示領域P2側に移動 れて、表示面側の表示色が変更される。

 また、走査ドライバ9は、Low電圧が印加さ れない残りの全ての走査電極6に対してHigh電 を上記非選択電圧として印加して、非選択 インとする。これにより、非選択ラインの 画素では、導電性液体16が有効表示領域P1側 または非有効表示領域P2側で静止され、表示 側の表示色が変更されない。

 上記のような表示動作を行う場合、基準 極5、走査電極6、及び信号電極4への印加電 の組み合わせは、表1に示されるものとなる 。さらに、導電性液体16の挙動及び表示面側 表示色は、表1に示すように、印加電圧に応 じたものとなる。なお、表1では、High電圧、 びLow電圧をそれぞれ"H"、及び"L"にて略記し いる(後掲の表2でも同様。)。

 <選択ラインでの動作>
 選択ラインでは、信号電極4に対して例えば High電圧が印加されているときでは、基準電 5と信号電極4との間では、共にHigh電圧が印 されているので、これらの基準電極5と信号 極4との間には、電位差が生じていない。一 方、信号電極4と走査電極6との間では、走査 極6に対して、Low電圧が印加されているので 、電位差が生じている状態となる。このため 、導電性液体16は、信号電極4に対して、電位 差が生じている走査電極6側に表示用空間Sの 部を移動する。この結果、導電性液体16は 図4(b)に例示したように、非有効表示領域P2 に移動した状態となり、オイル17を基準電極 5側に移動させて、バックライト18からの照明 光がカラーフィルタ部11rに達するのを許容す る。これにより、表示面側での表示色は、カ ラーフィルタ部11rによる赤色表示(CF着色表示 )の状態となる。また、画像表示装置1では、 接するRGBの3つの全画素において、それらの 導電性液体16が非有効表示領域P2側に移動し 、CF着色表示が行われたときに、当該RGBの画 素からの赤色光、緑色光、及び青色光が白色 光に混色して、白色表示が行われる。

 一方、選択ラインにおいて、信号電極4に 対してLow電圧が印加されているときでは、基 準電極5と信号電極4との間では、電位差が生 、信号電極4と走査電極6との間には、電位 が生じていない。従って、導電性液体16は、 信号電極4に対して、電位差が生じている基 電極5側に表示用空間Sの内部を移動する。こ の結果、導電性液体16は、図4(a)に例示したよ うに、有効表示領域P1側に移動した状態とな 、バックライト18からの照明光がカラーフ ルタ部11rに達するのを阻止する。これによ 、表示面側での表示色は、導電性液体16によ る黒色表示(非CF着色表示)の状態となる。

 <非選択ラインでの動作>
 非選択ラインでは、信号電極4に対して例え ばHigh電圧が印加されているときでは、信号 極4、基準電極5、及び走査電極6の全ての電 がHigh電圧となり、これらの電極間には電位 が生じていない。それ故、導電性液体16は 状の位置、すなわち基準電極5側または走査 極6側から移動せずに、静止した状態で維持 される。この結果、表示色は、現状の黒色表 示またはCF着色表示から変更されずに維持さ る。

 同様に、非選択ラインにおいて、信号電 4に対してLow電圧が印加されているときでも 、導電性液体16は現状の位置に静止した状態 維持されて、現状の表示色で維持される。 なわち、基準電極5及び走査電極6の双方に して、High電圧が印加されているので、基準 極5と信号電極4との間の電位差及び走査電 6と信号電極4との間の電位差は、共に同じ電 位差が生じるからである。

 以上のように、非選択ラインにおいては 信号電極4がHigh電圧及びLow電圧のいずれか 電圧であっても、導電性液体16は移動せずに 、静止して、表示面側での表示色は変化しな い。

 一方、選択ラインにおいては、信号電極4 への印加電圧に応じて、上述のように、導電 性液体16を移動させることができ、表示面側 の表示色を変更させることができる。

 また、画像表示装置1では、表1に示した 加電圧の組み合わせによって、選択ライン の各画素での表示色は、例えば図10に示すよ うに、各画素に対応する信号電極4への印加 圧に応じて、カラーフィルタ部11r、11g、11b よるCF着色(赤色、緑色、あるいは青色)また 導電性液体16による非CF着色(黒色)となる。 た、走査ドライバ9が、例えば走査電極6の 択ラインを図10の左から右へ走査動作を行う 場合、画像表示装置1の表示部での各画素の 示色もまた同図10の左から右に向かって順次 変化することとなる。したがって、走査ドラ イバ9による選択ラインの走査動作を高速で うことにより、画像表示装置1において、表 部での各画素の表示色も高速に変化させる とが可能となる。さらに、選択ラインの走 動作に同期させて信号電極4への信号電圧Vg 印加を行うことにより、画像表示装置1では 、外部からの画像入力信号に基づいて、動画 像を含んだ種々の情報を表示することが可能 となる。

 また、基準電極5、走査電極6、及び信号 極4への印加電圧の組み合わせは、表1に限定 されるものではなく、表2に示すものでもよ 。

 すなわち、基準電極5には、基準ドライバ 8から常にLow電圧(第2の電圧)を基準電圧Vsとし て印加する。走査電極6には、走査ドライバ9 より図1の左側から順次1本ずつHigh電圧(第1 電圧)を上記選択電圧として印加して選択ラ ンとする走査動作を行う。また、走査ドラ バ9は、High電圧が印加されない残りの全て 走査電極6に対してLow電圧を上記非選択電圧 して印加して、非選択ラインとする。信号 極4には、信号ドライバ7により外部からの 像入力信号に応じて、High電圧またはLow電圧 信号電圧Vgとして印加する。

 <選択ラインでの動作>
 選択ラインでは、信号電極4に対して例えば Low電圧が印加されているときでは、基準電極 5と信号電極4との間では、共にLow電圧が印加 れているので、これらの基準電極5と信号電 極4との間には、電位差が生じていない。一 、信号電極4と走査電極6との間では、走査電 極6に対して、High電圧が印加されているので 電位差が生じている状態となる。従って、 電性液体16は、信号電極4に対して、電位差 生じている走査電極6側に表示用空間Sの内 を移動する。この結果、導電性液体16は、図 4(b)に例示したように、非有効表示領域P2側に 移動した状態となり、オイル17を基準電極5側 に移動させて、バックライト18からの照明光 カラーフィルタ部11rに達するのを許容する これにより、表示面側での表示色は、カラ フィルタ部11rによる赤色表示(CF着色表示)の 状態となる。また、表1に示した場合と同様 、隣接するRGBの3つの全画素において、CF着 表示が行われたときには、白色表示が行わ る。

 一方、選択ラインにおいて、信号電極4に 対してHigh電圧が印加されているときでは、 準電極5と信号電極4との間では、電位差が生 じ、信号電極4と走査電極6との間には、電位 が生じていない。従って、導電性液体16は 信号電極4に対して、電位差が生じている基 電極5側に表示用空間Sの内部を移動する。 の結果、導電性液体16は、図4(a)に例示した うに、有効表示領域P1側に移動した状態とな り、バックライト18からの照明光がカラーフ ルタ部11rに達するのを阻止する。これによ 、表示面側での表示色は、導電性液体16に る黒色表示(非CF着色表示)の状態となる。

 <非選択ラインでの動作>
 非選択ラインでは、信号電極4に対して例え ばLow電圧が印加されているときでは、信号電 極4、基準電極5、及び走査電極6の全ての電極 がLow電圧となり、これらの電極間には電位差 が生じていない。それ故、導電性液体16は現 の位置、すなわち基準電極5側または走査電 極6側から移動せずに、静止した状態で維持 れる。この結果、表示色は、現状の黒色表 またはCF着色表示から変更されずに維持され る。

 同様に、非選択ラインにおいて、信号電 4に対してHigh電圧が印加されているときで 、導電性液体16は現状の位置に静止した状態 で維持されて、現状の表示色で維持される。 すなわち、基準電極5及び走査電極6の双方に して、Low電圧が印加されているので、基準 極5と信号電極4との間の電位差及び走査電 6と信号電極4との間の電位差は、共に同じ電 位差が生じるからである。

 以上のように、表2に示した場合でも、表 1に示した場合と同様に、非選択ラインにお ては、信号電極4がHigh電圧及びLow電圧のいず れかの電圧であっても、導電性液体16は移動 ずに、静止して、表示面側での表示色は変 しない。

 一方、選択ラインにおいては、信号電極4 への印加電圧に応じて、上述のように、導電 性液体16を移動させることができ、表示面側 の表示色を変更させることができる。

 また、本実施形態の画像表示装置1では、 表1及び表2に示した印加電圧の組み合わせ以 に、信号電極4への印加電圧を、High電圧ま はLow電圧の2値だけではなく、これらのHigh電 圧とLow電圧との間の電圧を、表示面側に表示 される情報に応じて変化させることもできる 。すなわち、画像表示装置1では、信号電圧Vg を制御することにより、階調表示が可能とな る。これにより、表示性能に優れた表示素子 10を構成することができる。

 以上のように構成された本実施形態の表 素子10では、上記電極部材fが表示用空間Sの 内部に設けられるとともに、当該電極部材f 対し、0V(所定の電圧)を印加することによっ 、導電性液体16は表示用空間Sの内部側に充 されている。これにより、上記従来例と異 り、表示用空間Sの内部に導電性液体16を容 に封入することができ、表示素子10の生産 (生産効率)を向上させることができる。

 また、本実施形態では、基準電極5と電極 部材fとの間でエレクトロウェッティング現 を発生させた状態で、導電性液体16の充填工 程を実施しているので、導電性液体16を下部 板(一方の基板)3上に保持させ、導電性液体1 6を表示用空間Sの内部側に確実に充填させる とができる。

 また、本実施形態の表示素子10では、複 の基準電極(第2の電極)5及び複数の走査電極( 第3の電極)6が、互いに交互に、かつ、複数の 信号電極4と交差するように、下部基板(第2の 基板)3側に設けられている。また、本実施形 の表示素子10では、信号ドライバ(信号電圧 加部)7、走査ドライバ(走査電圧印加部)8、 び基準ドライバ(基準電圧印加部)9が信号電 4、走査電極6及び基準電極5に対して、信号 圧、走査電圧(選択電圧または非選択電圧)、 及び基準電圧を印加するようになっている。 これにより、本実施形態では、優れた生産性 及び信頼性を有するマトリクス駆動方式の表 示素子を構成することができる。

 [第2の実施形態]
 図11は、非表示面側から見た場合における 本発明の第2の実施形態にかかる表示素子に けられた下部基板側の要部構成を示す拡大 面図である。図12(a)及び図12(b)は、それぞれ 非CF着色表示時及びCF着色表示時における、 11に示した表示素子の要部構成を示す断面図 である。図において、本実施形態と上記第1 実施形態との主な相違点は、画素領域を挟 ように、表示用空間の内部に複数の電極部 を設けた点である。なお、上記第1の実施形 と共通する要素については、同じ符号を付 て、その重複した説明は省略する。

 つまり、図11に示すように、本実施形態 は、各画素領域PはX方向に平行に設けられた リブ14bと、Y方向に平行に設けられたリブ14a により、区画されており、各画素領域Pでは 2本の電極部材fが画素領域Pを挟むように表 用空間Sの内部に設けられている。詳細には 、電極部材fはリブ14a、14bのY方向での隙間に 置されるように誘電体層13上に形成された のであり、画素領域Pの長手方向(X方向)に平 となるように設けられている。

 そして、本実施形態の表示素子10では、 12(a)に例示するように、導電性液体16がカラ フィルタ部11rと基準電極5との間で保持され ると、バックライト19からの光が導電性液体1 6により遮光されて、黒色表示(非CF着色表示) 行われる。一方、図12(b)に例示するように 導電性液体16がブラックマトリクス部11sと走 査電極6との間で保持されると、バックライ 19からの光は導電性液体16に遮光されること く、カラーフィルタ部11rを通過することに り、赤色表示(CF着色表示)が行われる。

 以上の構成により、本実施形態では、上 第1の実施形態と同様な作用・効果を奏する ことができる。また、本実施形態では、2本 電極部材fが、画素領域Pを挟むように、表示 用空間Sの内部に設けられているので、画素 域Pの内部側で導電性液体16を確実に充填さ ることができる。

 尚、上記の実施形態はすべて例示であっ 制限的なものではない。本発明の技術的範 は特許請求の範囲によって規定され、そこ 記載された構成と均等の範囲内のすべての 更も本発明の技術的範囲に含まれる。

 例えば、上記の説明では、カラー画像表 を表示可能な表示部を備えた画像表示装置 本発明を適用した場合について説明したが 本発明は文字及び画像を含んだ情報を表示 る表示部が設けられた電気機器であれば何 限定されるものではなく、例えば電子手帳 のPDAなどの携帯情報端末、パソコンやテレ などに付随する表示装置、あるいは電子ペ パーその他、各種表示部を備えた電気機器 好適に用いることができる。

 また、上記の説明では、導電性液体への 界印加に応じて、当該導電性液体を移動さ るエレクトロウェッティング方式の表示素 を構成した場合について説明したが、本発 の表示素子は、これに限定されるものでは く、外部電界を利用して、表示用空間の内 で導電性液体を動作させることにより、表 面側の表示色を変更可能な電界誘導型の表 素子であれば何等限定されるものではなく 電気浸透方式、電気泳動方式、誘電泳動方 などの他の方式の電界誘導型表示素子に適 することができる。

 但し、上記各実施形態のように、エレク ロウェッティング方式の表示素子を構成す 場合の方が、導電性液体を低い駆動電圧で 速に移動させることが可能となる。しかも 3つの電極を設けて、導電性液体をスライド 移動させているので、導電性液体の形状を変 化させるものに比べて、表示面側の表示色の 切換速度の高速化及び省力化を容易に図るこ とができる。また、エレクトロウェッティン グ方式の表示素子では、導電性液体の移動に 応じて表示色が変更されるので、液晶表示装 置等と異なり、視野角依存性がない点でも好 ましい。さらには、画素毎にスイッチング素 子を設ける必要がないので、構造簡単で高性 能なマトリクス駆動方式の表示素子を低コス トで構成できる点でも好ましい。しかも、液 晶層などの複屈折材料を用いていないので、 情報表示に使用される、バックライトからの 光や外光の光利用効率に優れた高輝度な表示 素子を容易に構成できる点でも好ましい。

 また、上記の説明では、バックライトを えた透過型の表示素子を構成した場合につ て説明したが、本発明はこれに限定される のではなく、拡散反射板などの光反射部を する反射型や、前記光反射部とバックライ とを併用した半透過型の表示素子にも適用 ることができる。

 また、上記の説明では、信号電極(第1の 極)を上部基板(第1の基板)側に設けるととも 、基準電極(第2の電極)及び走査電極(第3の 極)を下部基板(第2の基板)側に設けた場合に いて説明した。しかしながら、本発明は、 示用空間の内部に、所定の電圧を印加可能 構成されるとともに、導電性液体を充填す ための電極部材を設けて、当該電極部材に して、所定の電圧を印加することにより、 示用空間の内部側に前記導電性液体を充填 せるものであれば、電極の設置数、設置箇 などは上記のものに何等限定されない。具 的にいえば、例えば第1の電極を第2の基板 やリブ上に設けるとともに、第2の電極及び 3の電極を第1の基板側に設けてもよい。

 また、上記の説明では、基準電極(第2の 極)及び走査電極(第3の電極)を有効表示領域 及び非有効表示領域側にそれぞれ設置した 合について説明したが、本発明はこれに限 されるものではなく、第2の電極及び第3の 極を非有効表示領域側及び有効表示領域側 それぞれ設置してもよい。

 また、上記の説明では、基準電極(第2の 極)及び走査電極(第3の電極)を下部基板(第2 基板)の表示面側の表面に設けた場合につい 説明したが、本発明はこれに限定されるも ではなく、絶縁材料からなる上記第2の基板 の内部に埋設した第2及び第3の電極を用いる ともできる。このように構成した場合には 第2の基板を誘電体層として兼用させること ができ、当該誘電体層の設置を省略すること ができる。さらに、誘電体層を兼用した第1 び第2の基板上に第1の電極を直接的に設け、 表示用空間の内部に当該第1の電極を設置す 構成でもよい。

 また、上記の説明では、透明な電極材料 用いて基準電極(第2の電極)及び走査電極(第 3の電極)を構成した場合について説明したが 本発明は第2及び第3の電極のうち、画素の 効表示領域に対向するように設置される一 の電極だけを透明な電極材料によって構成 ればよく、有効表示領域に対向されない他 の電極には、アルミニウム、銀、クロム、 の他の金属などの不透明な電極材料を使用 ることができる。

 また、上記の説明では、帯状の基準電極( 第2の電極)及び走査電極(第3の電極)を用いた 合について説明したが、本発明の第2及び第 3の電極の各形状はこれに何等限定されない 例えば透過型に比べて、情報表示に用いら る光の利用効率が低下する反射型の表示素 では、線状や網状などの光ロスが生じ難い 状としてもよい。

 また、上記の説明では、信号電極(第1の 極)に線状配線を用いた場合について説明し が、本発明の第1の電極はこれに限定される ものではなく、網状配線などの他の形状に形 成された配線も使用することができる。

 但し、上記の各実施形態のように、透明 透明電極が用いられた第2及び第3の電極の 過率を用いて、第1の電極の形状を定める場 の方が、不透明な材料を使用して第1の電極 を構成したときでも、当該第1の電極の影が 示面側に現れるのを防ぐことができ、表示 位が低下するのを抑えることができる点で ましく、さらには線状配線を用いた場合に 、上記表示品位の低下を確実に抑えること できる点でより好ましい。

 また、上記の説明では、塩化カリウムの 溶液を導電性液体に用いるとともに、金、 、銅、白金、及びパラジウムの少なくとも つを用いて、信号電極(第1の電極)を構成し 場合について説明したが、本発明は表示用 間の内部に設置されて、導電性液体と接触 る第1の電極に、当該導電性液体に対して電 気化学的に不活性な材料を用いたものであれ ば何等限定されない。具体的にいえば、導電 性液体には、塩化亜鉛、水酸化カリウム、水 酸化ナトリウム、アルカリ金属水酸化物、酸 化亜鉛、塩化ナトリウム、リチウム塩、リン 酸、アルカリ金属炭酸塩、酸素イオン伝導性 を有するセラミックスなどの電解質を含んだ ものを使用することができる。また、溶媒に は、水以外に、アルコール、アセトン、ホル ムアミド、エチレングリコールなどの有機溶 媒を使用することもできる。さらに、本発明 の導電性液体には、ピリジン系、脂環族アミ ン系、または脂肪族アミン系などの陽イオン と、フッ化物イオンやトリフラート等のフッ 素系などの陰イオンとを含んだイオン液体( 温溶融塩)を使用することもできる。

 但し、上記の各実施形態のように、所定 電解質を溶かした水溶液を導電性液体に使 する場合の方が、取扱性に優れるとともに 製造が簡単な表示素子を容易に構成するこ ができる点で好ましい。

 また、本発明の第1の電極(信号電極)及び 極部材には、例えばアルミニウム、ニッケ 、鉄、コバルト、クロム、チタン、タンタ 、ニオブあるいはそれらの合金などの導電 を有する金属を用いた電極本体と、この電 本体の表面を覆うように設けられた酸化被 とを備えた不動態を使用することができる

 但し、上記の各実施形態のように、金、 、銅、白金、及びパラジウムの少なくとも つを第1の電極及び電極部材に用いる場合の 方が、イオン化傾向の小さい金属を使用する こととなり、当該電極の簡略化を図りつつ、 導電性液体との間での電気化学反応を確実に 防ぐことが可能となって信頼性の低下が防が れた長寿命な表示素子を容易に構成すること ができる点で好ましい。また、イオン化傾向 の小さい金属は導電性液体との間の界面に生 じる界面張力を比較的小さくすることができ ることから、導電性液体を移動させないとき では、その固定位置で当該導電性液体を安定 した状態で容易に保持できる点でも好ましい 。

 また、上記の説明では、無極性のオイル 用いた場合について説明したが、本発明は れに限定されるものではなく、導電性液体 混じり合わない絶縁性流体であればよく、 えばオイルに代えて、空気を使用してもよ 。また、オイルとして、シリコーンオイル 脂肪系炭化水素などを使用することができ 。

 但し、上記の各実施形態のように、導電 液体と相溶性がない無極性のオイルを用い 場合の方が、空気と導電性液体とを用いる 合よりは、無極性のオイル中で導電性液体 液滴がより移動し易くなって、当該導電性 体を高速移動させることが可能となり、表 色を高速に切り換えられる点で好ましい。

 また、上記の説明では、黒色に着色され 導電性液体及びカラーフィルタ層を用いて RGBの各色の画素を表示面側に設けた場合に いて説明したが、本発明はこれに限定され ものではなく、複数の画素領域が、表示面 でフルカラー表示が可能な複数の色に応じ それぞれ設けられているものであればよい 具体的には、RGB、シアン(C)、マゼンタ(M)、 びイエロー(Y)のCMY、またはRGBYCなどに着色 れた複数色の導電性液体を用いることもで る。

 また、上記の説明では、カラーフィルタ を上部基板(第1の基板)の非表示面側の表面 形成した場合について説明したが、本発明 これに限定されるものではなく、第1の基板 の表示面側の表面や下部基板(第2の基板)側に カラーフィルタ層を設置することもできる。 このように、カラーフィルタ層を用いる場合 の方が、複数色の導電性液体を用意する場合 に比べて、製造簡単な表示素子を容易に構成 できる点で好ましい。また、このカラーフィ ルタ層に含まれたカラーフィルタ部(開口部) びブラックマトリクス部(遮光膜)により、 示用空間に対し、有効表示領域及び非有効 示領域をそれぞれ適切に、かつ、確実に設 することができる点でも好ましい。

 本発明は、表示用空間の内部に導電性液 を容易に封入することができる生産性に優 た表示素子、及びその製造方法に対して有 である。




 
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