Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
DONEPEZIL-CONTAINING PATCH PREPARATION AND PACKAGING THEREOF
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/145177
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a donepezil-containing patch preparation, etc., with which discoloration of the adhesive layer over time is controlled. Disclosed is a donepezil-containing patch preparation that has an adhesive layer containing donepezil and an acrylic adhesive on at least one side of a support, where the water content of said adhesive layer is 1000 ppm or more. It is preferable that the water content of the adhesive layer be 8000 ppm or less, and 7000 ppm or less is more preferable.

Inventors:
SEKIYA JUNICHI (JP)
HANATANI AKINORI (JP)
TERASHI SACHIKO (JP)
NISHI SUMIYO (JP)
AKEMI HITOSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/059588
Publication Date:
December 03, 2009
Filing Date:
May 26, 2009
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
NITTO DENKO CORP (JP)
SEKIYA JUNICHI (JP)
HANATANI AKINORI (JP)
TERASHI SACHIKO (JP)
NISHI SUMIYO (JP)
AKEMI HITOSHI (JP)
International Classes:
A61K31/4465; A61K9/70; A61K47/32; A61P25/28; A61P43/00; B65D81/24; B65D81/26
Domestic Patent References:
WO2007129427A12007-11-15
WO2003032960A12003-04-24
WO2007129712A12007-11-15
WO2008044336A12008-04-17
WO2006082728A12006-08-10
WO2008021113A22008-02-21
WO2008066184A12008-06-05
WO2008066185A12008-06-05
Foreign References:
JP2007217328A2007-08-30
Other References:
See also references of EP 2279739A4
Attorney, Agent or Firm:
INABA, Yoshiyuki et al. (JP)
Yoshiyuki Inaba (JP)
Download PDF:
Claims:
 支持体の少なくとも片面にドネペジルとアクリル系粘着剤とを含む粘着剤層を有し、該粘着剤層の含水率が1000ppm以上である、
ドネペジル含有貼付製剤。
 前記粘着剤層の含水率が、8000ppm以下である、
請求項1に記載のドネペジル含有貼付製剤。
 前記粘着剤層の含水率が、7000ppm以下である、
請求項1に記載のドネペジル含有貼付製剤。
 支持体の少なくとも片面にドネペジルとアクリル系粘着剤とを含む粘着剤層を有するドネペジル含有貼付製剤が透湿防止袋中に封入され、且つ、該粘着剤層の含水率が1000ppm以上にコントロールされた、
包装体。
 前記粘着剤層の含水率が、8000ppm以下にコントロールされた、
請求項4に記載の包装体。
 前記粘着剤層の含水率が、7000ppm以下にコントロールされた、
請求項4に記載の包装体。
 前記透湿防止袋中に、前記貼付製剤および乾燥剤が封入された、
請求項4~6のいずれか1項に記載の包装体。
Description:
ドネペジル含有貼付製剤および の包装体

 本発明は、ドネペジル含有貼付製剤およ その包装体に関する。

 塩基性薬物であるドネペジルは、アセチ コリンエステラーゼ阻害作用を有し、抗ア ツハイマー型認知症薬として使用されてい 。アルツハイマー型認知症患者には、高齢 が多く、高齢者には経口剤の嚥下が困難な も多い。また、アルツハイマー型認知症の 状が進行した患者でも、経口剤の服薬が困 となる場合がある。これらのような場合に 、ドネペジルの経皮非経口投与が有用であ 。

 かかるドネペジルの経皮非経口投与を実 するものとして、例えば、特開平11-315016号 報(特許文献1)、WO2003/032960号パンフレット( 許文献2)、およびWO2006/082728号パンフレット( 許文献3)などには、支持体上にドネペジル 含む粘着剤層を有するドネペジル含有貼付 剤が開示されている。

 しかしながら、本発明者らの知見によれ 、上記従来のドネペジル含有貼付製剤は、 期保存時に、粘着剤層の変色(色相、彩度、 明度などの変化)が生じることが見出された このような粘着剤層の変色は、その変化量 わずかであり貼付製剤の有効性に何ら悪影 を及ぼすものでなくても、患者に品質劣化 惹起させ、その使用を躊躇わせるなどの不 合を引き起こし得る。しかも、上記従来の ネペジル含有貼付製剤の粘着剤層は、通常 フレッシュな状態において肉眼で白色~薄黄 (薄茶色)を呈し、粘着剤層の変色が患者に めて鋭敏に認知され易い傾向にある。その め、ドネペジルを含有する粘着剤層の経時 な変色を抑制する技術の確立が切望されて たものの、そのメカニズムについて未だ十 に解明されていなかった。

 一方、貼付製剤の技術分野においては、 期保存時に粘着剤層の変色が生じ得ること 知られており、これを抑制する技術として 例えば、特許第3124069号(特許文献4)や特開平 11-047233号公報(特許文献5)、特表2006-523637号公 (特許文献6)、特表2003-530422号公報(特許文献7 )が知られている。しかしながら、これらは ドネペジル含有貼付製剤の経時的な変色を ら示唆しておらず、また、ドネペジル含有 付製剤への適用を何ら示唆していない。

 他方、特開平03-034923号公報(特許文献8)に 、エストラジオールの経皮吸収性および長 安定性を高める目的で、貼付剤の粘着剤中 水分含有率を1.0質量%以下としたエストラジ オール含有貼付剤が開示されている。さらに 、WO1998/030210号パンフレット(特許文献9)には 硝酸イソソルビドの経皮吸収性を高める目 で、粘着性組成物中の水分含有率を0.5質量% 下とした硝酸イソソルビド貼付製剤が開示 れている。しかしながら、これらは、ドネ ジル含有貼付製剤の経時的な変色を何ら示 しておらず、また、ドネペジル含有貼付製 への適用を何ら示唆していない。

特開平11-315016号公報

WO2003/032960号パンフレット

WO2006/082728号パンフレット

特許第3124069号

特開平11-047233号公報

特表2006-523637号公報

特表2003-530422号公報

特開平03-034923号公報

WO1998/030210号パンフレット

 本発明は、粘着剤層の経時的な変色が抑 されたドネペジル含有貼付製剤、およびそ 包装体を提供することを目的とする。また 本発明は、粘着剤層からのドネペジルの放 性に優れるドネペジル含有貼付製剤、およ その包装体を提供することを目的とする。

 本発明者らは、ドネペジル含有貼付製剤 粘着剤層における経時的な変色のメカニズ について鋭意検討した結果、アクリル系粘 剤とドネペジルとを含む粘着剤層において 、その経時的な変色が粘着剤層の含水率と 意な相関関係にあることを見出し、かかる 着剤層の含水率を適度にコントロールする とにより、粘着剤層の経時的な変色を抑制 きることを見出し、さらには、粘着剤層か のドネペジルの放出性の劣化が抑制され得 ことを見出し、本発明を完成するに至った

 すなわち、本発明は、以下(1)~(7)を提供する 。
(1)支持体の少なくとも片面にドネペジルとア クリル系粘着剤とを含む粘着剤層を有し、該 粘着剤層の含水率が1000ppm以上である、ドネ ジル含有貼付製剤。
(2)前記粘着剤層の含水率が、8000ppm以下であ 、上記(1)に記載のドネペジル含有貼付製剤
(3)前記粘着剤層の含水率が、7000ppm以下であ 、上記(1)に記載のドネペジル含有貼付製剤
(4)支持体の少なくとも片面にドネペジルとア クリル系粘着剤とを含む粘着剤層を有するド ネペジル含有貼付製剤が透湿防止袋中に封入 され、且つ、該粘着剤層の含水率が1000ppm以 にコントロールされた、包装体。
(5)前記粘着剤層の含水率が、8000ppm以下にコ トロールされた、上記(4)に記載の包装体。
(6)前記粘着剤層の含水率が、7000ppm以下にコ トロールされた、上記(4)に記載の包装体。
(7)前記透湿防止袋中に、前記貼付製剤および 乾燥剤が封入された、上記(4)~(6)のいずれか1 に記載の包装体。

 また、本発明は、以下(8)~(14)をも提供する
(8)支持体の少なくとも片面にドネペジルとア クリル系粘着剤とを含む粘着剤層を有するド ネペジル含有貼付製剤が透湿防止袋中に封入 され、該粘着剤層の含水率が1000ppm以上であ 、包装体。
(9)支持体の少なくとも片面にドネペジルとア クリル系粘着剤とを含む粘着剤層を有するド ネペジル含有貼付製剤と乾燥剤とが透湿防止 袋中に封入され、該粘着剤層の含水率が1000pp m以上である、包装体。
(10)前記粘着剤層の含水率が、8000ppm以下であ 、上記(8)または(9)に記載の包装体。
(11)前記粘着剤層の含水率が、7000ppm以下であ 、上記(8)または(9)に記載の包装体

(12)支持体の少なくとも片面にドネペジルと クリル系粘着剤とを含む粘着剤層を有する ネペジル含有貼付製剤を、該粘着剤層の含 率が1000ppm以上となるようにコントロールし 、該粘着剤層の経時的な変色を抑制する方 。
(13)支持体の少なくとも片面にドネペジルと クリル系粘着剤とを含む粘着剤層を有する ネペジル含有貼付製剤を、該粘着剤層の含 率が8000ppm以下となるようにコントロールし 、該粘着剤層からのドネペジルの放出性の 化を抑制する方法。
(14)支持体の少なくとも片面にドネペジルと クリル系粘着剤とを含む粘着剤層を有する ネペジル含有貼付製剤を、該粘着剤層の含 率が7000ppm以下となるようにコントロールし 、該粘着剤層からのドネペジルの経時的な 出性の劣化を抑制する方法。

 本発明によれば、粘着剤層の経時的な変 を抑制することができるので、経時安定性 よび信頼性が高められたドネペジル含有貼 製剤を実現することができる。また、より ましい態様では、粘着剤層からのドネペジ の放出性に優れ、さらには、その経時的な 化を抑制できる。したがって、薬物利用率 有効に高められ、これにより、QOL(クオリテ ィー オブ ライフ)および経済性が高められ 。

 以下、本発明をその好適な実施形態に即し 説明する。
 本実施形態のドネペジル含有貼付製剤は、 持体と、支持体の少なくとも片面に形成さ た粘着剤層とを有する。

(支持体)
 支持体は、粘着剤層を安定して支持可能な のであれば、その素材や形状は特に限定さ ないが、粘着剤層中のドネペジルを透過さ てその配合割合を低下させないもの(すなわ ち、ドネペジルに対して不透過性を有する材 料)が好ましい。

 支持体の具体例としては、ポリエステル( 例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)な )、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレ ン、ポリプロピレン、エチレン-酢酸ビニル 重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ア オノマー樹脂などの単独フィルム、金属箔 およびこれらの1種または2種以上の単独フィ ルムを積層したラミネートフィルムなどが挙 げられるが、これらに特に限定されない。

 粘着剤層との投錨性(密着性)を向上させる 点から、支持体として、多孔性フィルムや 多孔性フィルムを他のフィルムや金属箔に ミネートしたものを用いてもよい。多孔性 ィルムの具体例としては、紙、織布、不織 (例えば、ポリエステル不織布、ポリエチレ テレフタレート不織布など)の他、ポリエス テル、ナイロン、サラン(商品名)、ポリエチ ン、ポリプロピレン、エチレン-酢酸ビニル 共重合体、ポリ塩化ビニル、エチレン-アク ル酸エチル共重合体、ポリテトラフルオロ チレン、金属箔、ポリエチレンテレフタレ トなどの単独フィルム、およびこれらの1種 たは2種以上のフィルムを積層したラミネー トフィルムなどを、機械的に穿孔処理したも のなどが挙げられる。これらのなかでも、支 持体に柔軟性を付与する観点から、多孔性フ ィルムとしては、紙、織布、不織布(例えば ポリエステル不織布、ポリエチレンテレフ レート不織布など)が好ましい。このような 孔性フィルムを採用する場合、その厚みは 特に限定されないが、通常、10~500μm程度が ましく、プラスタータイプや粘着テープタ プのような薄手の貼付製剤の場合は、1~200μ m程度が好ましい。また、織布や不織布を用 る場合は、投錨力の向上の観点から、これ の目付量を5~30g/m 2 とすることが好ましい。

 支持体の総厚みは、特に限定されないが 好ましくは2~200μm、より好ましくは10~50μmで ある。2μm未満であると、自己支持性などの 扱性が低下する傾向にあり、200μmを超える 、柔軟性や追従性が低下して使用時に違和 (ごわごわ感)を生じさせる傾向にある。

 支持体と粘着剤層との投錨性を向上させ ために、支持体を上記材質からなる無孔性 ィルムと多孔性フィルムとのラミネートフ ルムから構成し、その多孔性フィルム側に 着剤層を形成することが好ましい。

(粘着剤層)
 粘着剤層は、少なくとも、ドネペジルおよ アクリル系粘着剤を含むものである。この 着剤層は、上述した支持体の少なくとも片 に設けられていればよく、例えば、支持体 両面に設けられていても構わない。

 ここで、ドネペジルとは、2-[(1-ベンジル- 4-ピペリジニル)メチル]-5,6-ジメトキシインダ ン-1-オン(フリー体)((±)-2-[(1-benzylpiperidin-4-yl)m ethyl]-5,6-dimethoxyindan-1-one)だけでなく、その薬 的に許容される塩およびエステルも含む概 である。すなわち、粘着剤層に含まれるド ペジルは、ドネペジル(フリー体)、その薬 的に許容される塩若しくはエステルのいず であってもよい。経皮吸収性を高める観点 らは、粘着剤層は、ドネペジル(フリー体)を 含むことが好ましい。なお、以下においては 、特に断わらない限り、ドネペジルおよび/ たは塩酸ドネペジルを総称して、「ドネペ ル」という。

 粘着剤層におけるドネペジルの含有割合 、特に限定されないが、粘着剤層の総量に し、1~30質量%の範囲が好ましく、より好ま くは3~20質量%の範囲である。ドネペジルの含 有割合が1質量%に満たないと、治療に有効な の放出が期待できず、また、30質量%を超え と、治療効果に限界が生じるとともに、経 的に不利となる傾向にある。

 粘着剤層中に含まれるアクリル系粘着剤 、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含 ものを意味する。ここで、「(メタ)アクリル 」とは、アクリルまたはメタクリルを意味す る。アクリル系粘着剤は、(メタ)アクリル酸 どの極性基(例えば、カルボキシル基)を有 るモノマーを必須成分として共重合させた 重合体であることが好ましく、さらに、(メ )アクリル酸アルキルエステルを主成分(主 る構成単位)とするものがより好ましい。

 アクリル系粘着剤は、架橋処理のし易さ 人間の皮膚への接着性、薬物溶解性などの 点から、(メタ)アクリル酸アルキルエステ (第1モノマー成分)と架橋反応に関与できる 能基を有するビニルモノマー(第2モノマー成 分)との共重合体、或いは、この共重合体に らに他のモノマー(第3モノマー成分)が共重 した共重合体が、好ましい。このように構 すると、共重合させるモノマーの種類や比 によって粘着特性や薬物溶解度などを制御 きるので、設計の自由度を高めることがで る。

 上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル( 1モノマー成分)の具体例としては、例えば アルキル基の炭素数が1~18の直鎖状、分岐鎖 または環状アルキル基(例えば、メチル、エ チル、プロピル、ブチル、ペンチル、へキシ ル、シクロヘキシル、へプチル、オクチル、 2-エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデ ル、ドデシル、トリデシルなど)である(メ )アクリル酸アルキルエステルが挙げられる これらのなかでも、アルキル基の炭素数が4 ~18の直鎖状、分岐鎖状または環状アルキル基 (例えば、ブチル、ペンチル、へキシル、シ ロヘキシル、へプチル、オクチル、2-エチル ヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ド デシル、トリデシルなど)である(メタ)アクリ ル酸アルキルエステルが好ましい。また、常 温で粘着性を与えるためには、重合体のガラ ス転移温度を低下させるモノマー成分の使用 がより好ましく、そのようなものとしては、 例えば、アルキル基の炭素数が4~8の直鎖状、 分岐鎖状または環状アルキル基(例えば、ブ ル、ペンチル、へキシル、シクロヘキシル へプチル、オクチル、2-エチルヘキシルなど 、好ましくは、ブチル、2-エチルヘキシル、 クロヘキシル、特に好ましくは2-エチルヘ シル)である(メタ)アクリル酸アルキルエス ルが挙げられる。これらのなかでも、アク ル酸ブチル、アクリル酸2-エチルへキシル、 メタクリル酸2-エチルへキシル、アクリル酸 クロへキシル、メタクリル酸シクロへキシ が特に好ましく、アクリル酸2-エチルへキ ルが最も好ましい。なお、第1モノマー成分 、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせ 用いることができる。

 上記の架橋反応に関与できる官能基を有 るビニルモノマー(第2モノマー成分)におい 、架橋反応に関与できる官能基としては、 えば、水酸基、カルボキシル基、ビニル基 挙げられ、これらのなかでも、水酸基およ カルボキシル基が好ましい。第2モノマー成 分の具体例としては、例えば、(メタ)アクリ 酸ヒドロキシエチルエステル、(メタ)アク ル酸ヒドロキシプロピルエステル、(メタ)ア クリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マ レイン酸、メサコン酸、シトラコン酸、グル タコン酸が挙げられる。これらのなかでも、 入手容易性の観点から、アクリル酸、メタク リル酸、アクリル酸ヒドロキシエチルエステ ル(特に、アクリル酸2-ヒドロキシエチル)が ましく、アクリル酸が最も好ましい。なお 第2モノマー成分は、1種を単独でまたは2種 上を組み合わせて用いることができる。

 上記の他のモノマー(第3モノマー成分)は 主として、粘着剤層の凝集力調整やドネペ ルの溶解性・放出性の調整などのために使 される。このような第3モノマー成分の具体 例として、例えば、酢酸ビニル、プロピオン 酸ビニルなどのビニルエステル類;メチルビ ルエーテル、エチルビニルエーテルなどの ニルエーテル類;N-ビニル-2-ピロリドン、N-ビ ニルカプロラクタムなどのビニルアミド類;( タ)アクリル酸メトキシエチルエステル、( タ)アクリル酸エトキシエチルエステル、(メ タ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエス ルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシエステ ル;ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、 α-ヒドロキシメチルアクリレートなどのヒド ロキシル基含有モノマー(第3モノマー成分と ての使用なので架橋点とはしない);(メタ)ア クリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミ 、N-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-メチロ ル(メタ)アクリルアミドなどのアミド基を する(メタ)アクリル酸誘導体;(メタ)アクリル 酸アミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸 メチルアミノエチルエステル、(メタ)アク ル酸t-ブチルアミノエチルエステルなどの( タ)アクリル酸アミノアルキルエステル;(メ )アクリル酸メトキシエチレングリコールエ テル、(メタ)アクリル酸メトキシジエチレ グリコールエステル、(メタ)アクリル酸メト キシポリエチレングリコールエステル、(メ )アクリル酸メトキシポリプロピレングリコ ルエステルなどの(メタ)アクリル酸アルコ シアルキレングリコールエステル;(メタ)ア リロニトリル;スチレンスルホン酸、アリル ルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレ ト、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンス ルホン酸、アクリルアミドメチルスルホン酸 などのスルホン酸を有するモノマー;ビニル ペリドン、ビニルピリミジン、ビニルピペ ジン、ビニルピロール、ビニルイミダゾー 、ビニルオキサゾール、ビニルモルホリン どのビニル基含有モノマーが挙げられる。 れらのなかでも、ビニルエステル類、ビニ アミド類が好ましく、より具体的には、ビ ルエステル類としては酢酸ビニルが好まし 、ビニルアミド類としてはN-ビニル-2-ピロリ ドンが好ましい。なお、第3モノマー成分は 1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用 いることができる。

 これらのなかでも、アクリル系粘着剤は アクリル酸2-エチルへキシルエステル/アク ル酸/N-ビニル-2-ピロリドンの共重合体、ア リル酸2-エチルへキシルエステル/アクリル 2-ヒドロキシエチルエステル/酢酸ビニルの 重合体、アクリル酸2-エチルへキシルエス ル/アクリル酸の共重合体が好ましく、アク ル酸2-エチルへキシルエステル/アクリル酸/ N-ビニル-2-ピロリドンの共重合体がより好ま い。

 アクリル系粘着剤が、(メタ)アクリル酸 ルキルエステル(第1モノマー成分)と、架橋 応に関与できる官能基を有するビニルモノ ー(第2モノマー成分)との共重合体である場 、その共重合割合は、(メタ)アクリル酸アル キルエステル(第1モノマー成分):架橋反応に 与できる官能基を有するビニルモノマー(第2 モノマー成分)=99~85:1~15の質量比であることが 好ましく、99~90:1~10の質量比であることがよ 好ましい。

 また、アクリル系粘着剤が、(メタ)アク ル酸アルキルエステル(第1モノマー成分)と 架橋反応に関与できる官能基を有するビニ モノマー(第2モノマー成分)と、これら以外 他のモノマー(第3モノマー成分)との共重合 である場合、その共重合割合は、(メタ)アク リル酸アルキルエステル(第1モノマー成分): 橋反応に関与できる官能基を有するビニル ノマー(第2モノマー成分):これら以外の他の ノマー(第3モノマー成分)=40~94:1~15:5~50の質量 比であることが好ましく、50~89:1~10:10~40の質 比であることがより好ましい。

 アクリル系粘着剤のガラス転移温度は、 重合組成によっても異なるが、貼付製剤と ての粘着性の観点から、通常、-100~-10℃で ることが好ましく、-90~-20℃がより好ましい

 粘着剤層におけるアクリル系粘着剤の含 割合は、特に限定されないが、粘着剤層の 量に対し、10~90質量%の範囲が好ましく、よ 好ましくは20~80質量%の範囲であり、さらに ましく30~70質量%の範囲である。

 上記のアクリル系粘着剤は、常法にした い、従来公知の手法を適宜採用して製造す ことができる。アクリル系粘着剤の重合方 としては、特に限定されないが、例えば、 記の各種モノマーを、重合開始剤(例えば、 過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニト リルなど)を添加した溶媒(例えば、酢酸エチ など)中で、50~70℃で5~48時間反応させる方法 が挙げられる。

 粘着剤層は、上記のアクリル系粘着剤以 に、他の粘着剤を含有していてもよい。他 粘着剤としては、例えば、シリコーンゴム ポリイソプレンゴム、ポリイソブチレンゴ 、スチレン-ブタジエンゴム、スチレン-イ プレン-スチレンブロック共重合体ゴム、ス レン-ブタジエン-スチレンブロック共重合 ゴムなどのゴム系粘着剤;シリコーン系粘着 ;ポリビニルアルコール、ポリビニルアルキ ルエーテル、ポリ酢酸ビニルなどのビニル系 高分子粘着剤などが挙げられるが、これらに 特に限定されない。ゴム系粘着剤としては、 ポリイソブチレン、スチレン・ジエン・スチ レンブロック共重合体(例えば、スチレン・ タジエン・スチレンブロック共重合体(SBS)、 スチレン・イソプレン・スチレンブロック共 重合体(SIS)など)が好ましい。これらの他の粘 着剤は、1種を単独でまたは2種以上を組み合 せて用いることができる。

 粘着剤層は、使用時におけるソフト感の 与、皮膚から剥離する際の皮膚接着力に起 する痛みや皮膚刺激性の軽減などの観点か 、液状成分を含有していてもよい。ドネペ ルの経皮吸収性、保存安定性を向上させる 的で、或いは、粘着剤に対するドネペジル 溶解性を高める目的で、液状成分を配合し もよい。液状成分は、それ自体室温で液状 あれば、特に制限なく使用できるが、可塑 作用を示し、上記の粘着剤を構成する粘着 ポリマーと相溶するものが好ましい。

 液状成分は、粘着剤層との相溶性の観点 ら、有機液状成分であることが好ましい。 機液状成分の具体例としては、例えば、脂 酸アルキルエステル(例えば、炭素数1~4の低 級1価アルコールと炭素数12~16の飽和または不 飽和の脂肪酸とのエステルなど); 炭素数8~10 飽和または不飽和の脂肪酸(例えば、カプリ ル酸(オクタン酸、C8)、ペラルゴン酸(ノナン 、C9)、カプリン酸(デカン酸、C10)、ラウリ 酸(C12)など);エチレングリコール、ジエチレ グリコール、トリエチレングリコール、ポ エチレングリコール、プロピレングリコー 、ポリプロピレングリコールなどのグリコ ル類;オリーブ油、ヒマシ油、スクアレン、 ラノリンなどの油脂類;酢酸エチル、エチル ルコール、ジメチルデシルスルホキシド、 シルメチルスルホキシド、ジメチルスルホ シド、ジメチルホルムアミド、ジメチルア トアミド、ジメチルラウリルアミド、ドデ ルピロリドン、イソソルビトール、オレイ アルコールなどの有機溶剤;液状の界面活性 ;ジイソプロピルアジぺ-ト、フタル酸エス ル、ジエチルセバケートなどの可塑剤類;流 パラフィンなどの炭化水素類が挙げられる また、これらの他に、エトキシ化ステアリ アルコール、グリセリンエステル(室温で液 状のもの)、ミリスチン酸イソトリデシル、N- メチルピロリドン、オレイン酸エチル、オレ イン酸、アジピン酸ジイソプロピル、パルミ チン酸オクチル、1,3-プロパンジオール、グ セリンなども挙げられる。これらのなかで 、製剤の安定性などの観点から、脂肪酸ア キルエステル、飽和脂肪酸、炭化水素類、 機溶剤が好ましく、より好ましくは脂肪酸 ルキルエステルである。これらの有機液状 分は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わ せて用いることができる。

 有機液状成分は、アクリル系粘着剤との 溶性などの観点から、脂肪酸アルキルエス ルが好ましく、より好ましくは炭素数1~4の 級1価アルコールと炭素数12~16の飽和または 飽和の脂肪酸とのエステルである。ここで 炭素数12~16の飽和または不飽和の脂肪酸は 和脂肪酸が好ましく、また、炭素数1~4の低 1価アルコールは直鎖でも分岐鎖でもよい。 素数12~16の脂肪酸の好適な例としては、ラ リン酸(C12)、ミリスチン酸(C14)、パルミチン (C16)などが挙げられ、炭素数1~4の低級1価ア コールの好適な例としては、イソプロピル ルコール、エチルアルコール、メチルアル ール、プロピルアルコールなどが挙げられ 。特に好ましい脂肪酸アルキルエステルの 体例としては、例えば、ミリスチン酸イソ ロピル、ラウリン酸エチル、パルミチン酸 ソプロピルが挙げられる。

 なお、脂肪酸アルキルエステルを使用す 場合、ドネペジルの経皮吸収性向上の観点 ら、脂肪酸アルキルエステルとともに炭素 8~10の脂肪酸および/またはグリセリンを併 してもよい。

 粘着剤層における液状成分の含有割合は 特に限定されないが、粘着剤層の総量に対 、10~80質量%が好ましく、より好ましくは20~7 0質量%であり、さらに好ましくは30~60質量%で る。配合量が10質量%未満であると、粘着剤 の可塑化が不充分なために良好なソフト感 得られず、皮膚刺激性の低減効果が十分に られない場合があり、逆に80質量%であると 粘着剤が有する凝集力によっても液状成分 粘着剤中に保持できず、粘着剤層表面にブ ーミングして粘着力が弱くなり過ぎて、貼 使用中に皮膚面から製剤が脱落する可能性 高くなる。

 粘着剤層は、金属塩化物を含有していて よい。粘着剤層が金属塩化物を含むことで 貼付製剤をヒト皮膚に貼付した状態で、粘 剤層の凝集力の低下が軽減され、粘着剤層 剥離する際の凝集破壊が生じ難いものとな 。

 金属塩化物の具体例としては、例えば、 トリウム、カリウムなどのアルカリ金属の 化物;カルシウム、マグネシウムなどのアル カリ土類金属の塩化物;塩化アルミニウム、 化第一スズ、塩化第二鉄などが挙げられる 、これらに特に限定されない。安全性およ 粘着剤層の凝集力低下抑制能に優れる観点 ら、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩 アルミニウム、塩化第一スズ、塩化第二鉄 好ましく、塩化ナトリウム、塩化カルシウ がより好ましく、塩化ナトリウムが特に好 しい。これらの金属塩化物は、1種を単独で たは2種以上を組み合わせて用いることがで きる。

 粘着剤層における金属塩化物の含有割合 、特に限定されないが、粘着剤層の総量に し、0.1~20質量%の範囲が好ましく、より好ま しくは0.5~15質量%、最も好ましくは1~10質量%で ある。この配合量が0.1質量%未満であると、 着剤層の凝集力低下を抑制する効果が不充 となる場合があり、逆に20質量%部を超える 、抑制効果はあるものの粘着剤(粘着性ポリ ー)中に均一に分散出来ず、製剤が外観不良 を引き起こすことがある。

 上記の金属塩化物は、粘着剤層の形成過 で、金属を含有する無機塩基で塩酸ドネペ ルを溶媒中で混合攪拌して中和することに って生じさせてもよい。これにより金属塩 物を添加しなくても金属塩化物を含む薬物 有液を調製することができ、このような金 塩化物を含む薬物含有液を使用することで 最終的な粘着剤層中に金属塩化物とドネペ ルが共存する。かかる金属を含有する無機 基としては、例えば、水酸化ナトリウム、 酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化 グネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水 カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム どのアリカリ金属やアルカリ土類金属の無 塩基などが挙げられるが、これらに特に限 されない。副生成物を生じ難いという観点 ら、アリカリ金属またはアルカリ土類金属 水酸化物が好ましく、より好ましくは水酸 ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マ ネシウムであり、水酸化ナトリウムが特に ましい。なお、金属を含有する無機塩基で 酸ドネペジルを中和して金属塩化物を生成 せた後、こうして得られた薬物(ドネペジル )含有液にさらに金属塩化物を添加してもよ 。

 粘着剤層は、必要に応じて、架橋剤を含 していてもよい。架橋剤の具体例としては 例えば、過酸化物(例えば、過酸化ベンゾイ ル(BPO))、金属酸化物(例えば、メタケイ酸ア ミン酸マグネシウム)、多官能性イソシアネ ト化合物、有機金属化合物(例えば、ジルコ ニウムアラニネート、亜鉛アラニネート、酢 酸亜鉛、グリシンアンモニウム亜鉛、チタン 化合物)、金属アルコラート(例えば、テトラ チルチタネート、テトライソプロピルチタ ート、アルミニウムイソプレピレート、ア ミニウムsec-ブチレート)、および金属キレ ト化合物(例えば、ジプロポキシビス(アセチ ルアセトナート)チタン、テトラオクチレン リコールチタン、アルミニウムイソプロピ ート、エチルアセトアセテートアルミニウ ジイソプロピレート、アルミニウムトリス( チルアセトアセテート)、アルミニウムトリ ス(アセチルアセトネート))などが挙げられる が、これらに特に限定されない。これらのな かでも、ドネペジルの存在下で効率的に架橋 を形成し得るという観点から、過酸化物、金 属酸化物、有機金属化合物、金属アルコラー ト、金属キレート化合物が好ましく、より好 ましくは金属アルコラート、金属キレート化 合物である。適度な架橋密度の架橋構造が得 られ易いという観点から、エチルアセトアセ テートアルミニウムジイソプロピレートなど の金属キレート化合物が特に好ましい。これ らの架橋剤は、1種を単独でまたは2種以上を み合わせて用いることができる。

 粘着剤層における架橋剤の含有割合は、 用する架橋剤や粘着剤の種類および配合量 よって異なり、特に限定されないが、一般 、粘着剤100質量部に対し、0.1~1.0質量部が好 ましく、より好ましくは0.1~0.6質量部であり さらに好ましくは0.2~0.5質量部である。0.1質 部より少ないと、架橋点が少なすぎて粘着 層に充分な凝集力が付与できず、剥離時に 集破壊に起因する糊残りや強い皮膚刺激が 現するおそれがあり、1.0質量部より多いと 凝集力は大きいが充分な皮膚接着力が得ら なくなる場合があり、また、未反応の架橋 の残留によって皮膚刺激がおこるおそれが る。

 粘着剤層は、必要に応じて、抗酸化剤や 種顔料、各種充填剤、安定化剤、薬物溶解 助剤、薬物溶解抑制剤などの添加剤を含有 ていてもよい。そのような安定化剤または 酸化剤としては、例えば、アスコルビン酸 たはその金属塩もしくはエステル、イソア コルビン酸またはその金属塩、エチレンジ ミン四酢酸またはその金属塩、システイン アセチルシステイン、2-メルカプトベンズ ミダゾール、3(2)-t-ブチル-4-ヒドロキシアニ ール、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、 テトラキス[3-(3’,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロ シフェニル)プロピオン酸]ペンタエリトリ ール、3-メルカプト-1,2-プロパンジオール、 コフェロール、酢酸トコフェロール、ルチ 、クエルセチン、ヒドロキノン、ヒドロキ メタンスルフィン酸金属塩、次亜リン酸、 タ重亜硫酸金属塩、重亜硫酸ナトリウム、 硫酸金属塩およびチオ硫酸金属塩などが挙 られるが、これらに特に限定されない。な 、これらは、1種を単独でまたは2種以上を み合わせて用いることができる。かかる安 化剤または抗酸化剤の総含有量は、粘着剤 の総量に対し、0.0005~5質量%の範囲が好まし 、より好ましくは0.001~3質量%の範囲であり、 さらに好ましくは0.01~1質量%の範囲である。

 粘着剤層の厚みは、特に限定されないが 20~300μmが好ましく、より好ましくは30~300μm あり、さらに好ましくは50~300μmである。粘 剤層の厚みが20μm未満であると、十分な粘 力を得ること、および有効量のドネペジル 含有させることが困難になる傾向にあり、 方、粘着剤層の厚みが300μmを超えると、塗 困難になる傾向にある。

 粘着剤層は、経時的な変色を抑制して経 安定性および信頼性を高めるためには、含 率が1000ppm以上であることが好ましい。ここ で、粘着剤層の含水率とは、カールフィッシ ャー電量滴定法により測定される、粘着剤層 中に含まれる水の質量割合(粘着剤層の総質 に対する水の質量の割合)を意味し、本明細 においては、後述する実施例に記載の測定 件で測定される値である。

 本実施形態のドネペジル含有貼付製剤に いては、アクリル系粘着剤を主成分として む粘着剤層を採用しているところ、この粘 剤層に含まれるアクリル系粘着剤は、粘着 層の含水率を容易に1000ppm以上にコントロー ル可能とする役割を有する。その理由は定か ではないが、アクリル系粘着剤が、基本骨格 に極性基-COO-を有するので、ゴム系粘着剤を 成分とする粘着剤層などに比して水分に対 る親和性が高いからであると推察される。 して、本発明者らの知見によれば、このよ な粘着剤層の含水率の変化が、その経時的 変色と相関関係にあることが新たに見出さ 、かかる粘着剤層の含水率を1000ppm以上にコ ントロールすることにより、粘着剤層の経時 的な変色を抑制できることが確認された。ま た、アクリル系粘着剤は、前述の架橋反応に 関与できる官能基を有するビニルモノマー( 2モノマー成分)や他のモノマー(第3モノマー 分)の官能基が他の粘着剤層成分と反応する 等して、粘着剤層の着色を生じさせる可能性 があるが、そのような粘着剤層の着色を容易 に抑制できる点で、このようなアクリル系粘 着剤を含む粘着剤を用いた場合に、特に有利 である。

 粘着剤層の含水率の上限は、特に限定さ ないが、粘着剤層からのドネペジルの放出 に優れる貼付製剤を実現する観点から、8000 ppm以下であることが好ましく、より好ましく は7000ppm以下である。粘着剤層からのドネペ ルの放出性は、粘着剤層の含水率がある範 では明確な傾向は認められないが、予期せ ことに、粘着剤層の含水率を8000ppm以下にコ トロールすることにより、ドネペジルの放 率が特に高い高性能な貼付製剤を実現する とができる。また、粘着剤層からのドネペ ルの放出性が経時的に劣化する理由は明ら でなかったが、予期せぬことに、粘着剤層 含水率を7000ppm以下にコントロールすること により、その経時的な劣化を抑制することが でき、長期保管後においてもドネペジルの放 出性に優れる貼付製剤を実現することができ る。

 粘着剤層の含水率を、上記範囲内に調整 る方法は、特に限定されず、公知の手法を 宜選択することができる。粘着剤層の含水 は、外部環境(雰囲気)の相対湿度に依存し 変動し、時間の経過とともに、その温湿度 おける平衡含水率に収束する。すなわち、 部環境(雰囲気)の相対湿度が高いと、粘着剤 層が水分を吸収・吸着するなどして、粘着剤 層の含水率が上昇する。逆に、外部環境(雰 気)の相対湿度が低いと、粘着剤層への水分 吸着が抑制されるとともに粘着剤層から水 が放出されるなどして、粘着剤層の含水率 減少する。したがって、外部環境(雰囲気) 温度および/または相対湿度を調整すること より、粘着剤層の含水率をコントロールす ことができる。なお、外部環境(雰囲気)の 度および相対湿度の調整は、公知の空調設 で適宜行うことができる。

 例えば、ドネペジル含有貼付製剤の製造 程において、打ち抜き加工や包装段階の雰 気を温度20±10℃および相対湿度30±10%RHに保 、このような環境下で30分~48時間保持する とにより、粘着剤層の含水率を約1000ppm以上 好ましくは約1000~8000ppm、より好ましくは約1 000~7000ppm、もっとも好ましくは約2000~5000ppm程 にコントロールすることができる。

(剥離ライナー)
 ドネペジル含有貼付製剤は、粘着剤層の粘 面を使用直前まで保護する観点から、粘着 層上に剥離ライナーを有することが好まし 。すなわち、上記のドネペジル含有貼付製 は、支持体の少なくとも片面に粘着剤層が 層され、且つ、その粘着剤層の粘着面(支持 体に積層した面と反対の面)上に剥離ライナ が積層された構成であることが好ましい。

 剥離ライナーは、公知のものを適宜選択 て用いることができる。剥離ライナーの具 例としては、例えば、それ自体が剥離性の いプラスチックフィルムや、剥離ライナー の基材の表面に剥離処理剤からなる剥離層 積層されたもの、剥離ライナー用の基材の 面に前記剥離性の高いプラスチックフィル が剥離層として積層されたものなどが挙げ れるが、これらに特に限定されない。前記 剥離層は、例えば、前記剥離ライナー用の 材上に、前記剥離処理剤または前記剥離性 高いプラスチックフィルムの素材をコーテ ングまたはラミネートすることにより形成 ることができる。なお、剥離ライナーの剥 面は、剥離ライナー用の基材の片面のみに 成されていても、両面に形成されていても い。

 剥離ライナー用の基材としては、例えば ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム ポリイミドフィルム、ポリプロピレンフィ ム、ポリエチレンフィルム、ポリカーボネ トフィルム、ポリエステル(PETを除く)フィル ムなどのプラスチックフィルムや、これらの フィルムに金属を蒸着した金属蒸着プラスチ ックフィルム;和紙、洋紙、クラフト紙、グ シン紙、上質紙などの紙類;不織布、布など 繊維質材料による基材;金属箔などが挙げら れるが、これらに特に限定されない。

 剥離処理剤としては、例えば、長鎖アル ル基含有ポリマー、シリコーンポリマー(シ リコーン系剥離剤)、フッ素系ポリマー(フッ 系剥離剤)などが挙げられるが、これらに特 に制限されない。

 それ自体が剥離性の高いプラスチックフ ルムの具体例としては、例えば、ポリエチ ン(低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエ チレンなど)、ポリプロピレン、エチレン-プ ピレン共重合体などのエチレン-α-オレフィ ン共重合体(ブロック共重合体またはランダ 共重合体)の他、これらの混合物からなるポ オレフィン系樹脂によるポリオレフィン系 ィルム;テフロン(登録商標)製フィルムなど 挙げられるが、これらに特に限定されない

 剥離ライナーの総厚みは、特に限定され いが、通常、200μm以下が好ましく、より好 しくは25~100μmである。

 なお、剥離ライナーを用いずに、ドネペ ル含有貼付製剤の支持体の裏面にシリコー 系ポリマー、フッ素系ポリマーまたはワッ スなどの背面処理剤を塗布し、これを巻き ってロール状の形態とすることもできる。

(製造方法)
 ドネペジル含有貼付製剤の製造方法は、特 限定されないが、例えば、少なくともドネ ジルとアクリル系粘着剤とを含む調合物を 製し、この調合物を支持体上に塗布して成 する方法が簡便である。

 より具体的には、ドネペジル、アクリル 粘着剤および必要に応じて金属塩化物や安 化剤、架橋剤などを溶媒に溶解または分散 せて調合物(溶液または分散液)を調製し、 のようにして得られた調合物を、支持体の なくとも片面上に塗布し乾燥して成膜する とにより、粘着剤層を支持体の表面上に形 した後、必要に応じ、上述した保護用の剥 ライナーを粘着剤層上に設けることにより 製造することができる。また、上記の調合 を、上述した保護用の剥離ライナーの少な とも片面上に塗布し、乾燥して成膜するこ により粘着剤層を剥離ライナーの表面上に 成した後、剥離ライナーの粘着剤層上に支 体を接着させることにより、製造すること できる。

 上記の調合物の調製時に使用する溶媒と ては、例えば、酢酸エチル、トルエン、ヘ サン、2-プロパノール、メタノール、エタ ール、水などが挙げられるが、これらに限 されない。なお、架橋剤を添加した後、こ らの溶媒を粘度調整のために使用すること できる。

 必要に応じて、粘着剤層に架橋処理を施 てもよい。粘着剤層の架橋処理は、例えば 化学的架橋処理(例えば、架橋剤を用いた架 橋処理)や物理的架橋処理(例えば、γ線のよ な電子線照射や紫外線照射による架橋処理) どが知られており、当該技術分野で一般的 行われている手法により行うことができる なお、粘着剤層の架橋処理は、ドネペジル 悪影響を及ぼし難いという観点から、架橋 を用いた化学的架橋処理が好ましい。

 架橋剤を用いた化学的架橋処理を施す場 、粘着剤層に、水酸基、カルボキシル基、 ニル基などの架橋反応に関与できる官能基 導入されていることが好ましい。架橋反応 関与できる官能基の導入は、それ自体公知 方法で行うことができる。例えば、上記ア リル系粘着剤への導入は、アクリル系粘着 の合成の際に、ヒドロキシエチル(メタ)ア リレートなどの水酸基を有するモノマー、 クリル酸やマレイン酸などのカルボキシル を有するモノマーなどを添加して共重合さ るなどで行うことができる。なお、粘着剤 の化学的架橋処理は、アクリル系粘着剤の 成の際に、ジビニルベンゼンやジメタクリ 酸エチレングリコールなどの2以上のビニル を有するモノマーなどを添加して共重合さ ることで、共重合反応時に分子間または分 内架橋を生じさせる方法で行ってもよい。

 架橋剤を用いた化学的架橋処理を施す場 、成膜後の粘着剤層に架橋を促進するため 、架橋反応温度以上に加熱して保管する工 、すなわち、エージング処理(熟成工程)を うことが好ましい。このときの温度条件お び処理時間は、架橋剤の種類などに応じて 宜選択され、特に限定されないが、通常、60 ~90℃程度で12~96時間程度であり、より好まし は60~80℃程度で24~72時間程度である。

(ドネペジル含有貼付製剤)
 本実施形態のドネペジル含有貼付製剤は、 アルツハイマー型認知症薬として用いるこ ができる。また、その他の用途としては、 脳血管性認知症、片頭痛予防などが挙げら るが、これらに特に限定されない。

 ドネペジル含有貼付製剤の投与量および投 方法としては、患者の年齢、体重、症状な により異なるが、通常、成人に対して、ド ペジルまたは塩酸ドネペジル2~150mgを含有す る貼付製剤を、皮膚5~120cm 2 に1~7日間程度貼り付けるのが好ましい。

 なお、ドネペジル含有貼付製剤の形状は 皮膚に貼り付け可能なものであれば、特に 定されない。すなわち、貼付製剤とは、例 ば、テープ状、シート状、マトリックス型 リザーバー型、膜放出制御型などが含まれ 概念である。

(ドネペジル含有貼付製剤が封入された包装 )
 本実施形態の包装体は、上記のドネペジル 有貼付製剤を透湿防止袋中に封入すること より粘着剤層の含水率が約1000ppm以上,好ま くは約1000~8000ppm,より好ましくは約1000~7000ppm コントロールされたものである。

 透湿防止袋は、水分の透過を抑制して袋 の湿度を略一定に維持するものであり、一 に広く使用されているもののなかから、適 選択して用いることができる。以下、透湿 止袋の具体例として、(A)物理的強度を付与 る層/(B)水分を遮断する層/(C)シーラント層 層構成を有する積層フィルムについて説明 る。

 (A)物理的強度を付与する層の具体例とし は、例えば、ポリエステル、高密度ポリエ レン、ポリプロピレン、ポリアミド、塩化 ニルなどが挙げられる。この(A)物理的強度 付与する層の厚みは、好ましくは、10~100μm 度である。

 (B)水分を遮断する層の具体例としては、 えば、アルミ箔などの金属箔が挙げられる この(B)水分を遮断する層の厚みは、好まし は、5~90μm程度である。

 (C)シーラント層の具体例としては、例え 、メチルアクリレート・ブタジエン・アク ロニトリルの共重合体などのポリアクリロ トリル系樹脂、低密度ポリエチレン、エチ ン酢酸ビニル共重合体、エチレンビニルア コール共重合体などが挙げられる。ポリア リロニトリル系樹脂は、ドネペジルに対し 低吸着性であるため、ドネペジルの製剤中 含有量の安定化に有効である。(C)シーラン 層の厚みは、好ましくは、10~100μm程度であ 。上記の厚みは、ドネペジル含有経皮吸収 剤を安定に保存するため特に好ましいもの ある。

 透湿防止袋の好ましい態様は、(A)物理的 度を付与する層/(B)水分を遮断する層/(C)シ ラント層が、PETフィルム/アルミニウム箔/ポ リアクリロニトリル系樹脂フィルムである積 層フィルムであり、厚みが6μm以上のアルミ ウム箔を採用することが所望の防湿効果が 揮される。このような透湿防止袋を用い、 リアクリロニトリル系樹脂フィルムを内側 してドネペジル含有貼付製剤を封入するこ により、長期保管しても、製造直後の粘着 層の含水率を略一定に維持することができ 。

 そして、粘着剤層の含水率が約1000ppm以上 、好ましくは約1000~8000ppm、より好ましくは約 1000~7000ppm程度に調整されたドネペジル含有貼 付製剤を、上記の透湿防止袋中に封入するこ とにより、粘着剤層の含水率を長期に亘って 略一定にコントロールすることが可能となる 。

 また、透湿防止袋中に硫酸マグネシウム シリカ、ゼオライトなどの乾燥剤を同封す ことによって、粘着剤層の含水率を封入前 りも低くコントロールすることもできる。 えば、粘着剤層の含水率が1000ppm以上に調整 されたドネペジル含有貼付製剤を、上記の透 湿防止袋中に乾燥剤と同封することにより、 粘着剤層の含水率を1000~8000ppmにコントロール することも可能である。但し、透湿防止袋中 の粘着剤層の含水率が極端に低下すると、粘 着剤層の変色が生じ得るので、使用する乾燥 剤の性能に応じてその使用量を適宜調整する ことが好ましい。

 以下、実施例及び比較例を挙げて、本発 をさらに詳細に説明するが、本発明はこれ に限定されるものではなく、その要旨を逸 しない範囲内において適宜変更して実施可 である。なお、以下においては、別段の断 がない限り、「部」及び「%」は、「質量部 」及び「質量%」を各々意味する。

 以下、実施例および比較例における各種物 の測定方法、及び、実施例および比較例に 使用する塗工原反の製造例を記す。
<ドネペジルの放出率>
 日本薬局方一般試験法 溶出試験法第2法(パ ドル法)に基づき、下記の条件下で、ドネペ ルの放出率(%;試験片に含まれるドネペジル 質量に対する、溶出したドネペジルの質量 合)を測定した。
 試験液   :pH4.0 酢酸・酢酸ナトリウム緩 液
       (0.05mol/L)
       (酢酸ナトリウム三水和物54.44gを蒸 留水3000m
                Lに溶解させ,さらに 酸を加えてpH3.95~4.0
        4とした後、蒸留水で全量を8000mL した。)
 試験液量  :900mL
 温度    :32℃
 パドル回転数:50rpm
 溶出時間  :4時間
 HPLC条件:カラム Inertsil(登録商標) ODS-2
        (GLサイエンス社製)
        (4.6mmI.D.×15cm、5μm)
 移動相   :10mM 1-デカンスルホン酸ナトリ ム水溶液/アセ
        トニトリル/70%過塩素酸=650/350/1( 積
        比)
        (1-デカンスルホン酸ナトリウム 度は移動相全体に対
         して10mMとした。)
 カラム温度 :35℃
 検出波長  :UV(271nm)
 試料注入量 :50μL
 流速    :1.4mL/min
 保持時間  :11.0分

<粘着剤層の含水率>
 未包装のものについては、製造(調温調湿) 後のドネペジル含有貼付製剤を速やかに温 23±2℃および相対湿度40±5%RHに制御された環 下に置き、7.5cm2に打ち抜き加工して、試験 を作製した。その後、試験片から剥離ライ ーを除去して水分気化装置へ投入した。な 、上記の処理は、製造(調温調湿)後から1分 内に完了させた。

 一方、包装体については、温度23±2℃お び相対湿度40±5%RHに制御された環境下で、包 装体を開封し、取り出したドネペジル含有貼 付製剤を同様に7.5cm2に打ち抜いて、試験片を 作製した。その後、試験片から剥離ライナー を除去して水分気化装置へ投入した。なお、 上記の処理は、包装体の開封から1分以内に 了させた。

 そして、水分気化装置内で試験片を140℃ 加熱し、これにより発生した水分を、窒素 キャリヤーとして滴定フラスコへと導入し カールフィッシャー電量滴定法により、粘 剤層の含水率(ppm;粘着剤層の総質量に対す 、水分の質量割合)を測定した。

<塗工原反の製造例>
 まず、不活性ガス雰囲気下、アクリル酸2- チルへキシル75部、N-ビニル-2-ピロリドン22 、アクリル酸3部およびアゾビスイソブチロ トリル0.2部を、酢酸エチル中60℃にて溶液 合させてアクリル系粘着剤の酢酸エチル溶 (粘着剤固形分:28%)を得た。次に、このアク ル系粘着剤とドネペジルとを下記の配合組 で混合し、酢酸エチルで粘度調整して塗工 を得た。

配合組成
 ドネペジル(フリー塩基)               7.57質量%
 アクリル系粘着剤                  40.53質量%
 ミリスチン酸イソプロピル              50.00質量%
 塩化ナトリウム                   1.16質量%
 水酸化ナトリウム                   0.01質量%
 メタ重亜硫酸ナトリウム               0.50質量%
 アスコルビン酸                   0.05質量%
 エチルアセトアセテートアルミニウムジイ プロピレート0.18質量%
                          (合計 100質量%)

 得られた塗工液を、ポリエチレンテレフ レート(PET)製の剥離ライナー上に乾燥後の みが150μmとなるように塗布した後、乾燥し 、剥離ライナー上に粘着剤層を成膜した。 いで、PET不織布とPETフィルムの積層フィル からなるPET支持体のPET不織布面に、剥離ラ ナーの粘着剤層を貼り合わせ、その後、70℃ 48時間保管することにより、PETフィルム/粘着 剤層/PET不織布・PETフィルムの3層構成の塗工 反を得た。

実施例1および比較例1
 上記の塗工原反を、23℃30%RHに制御された環 境下に3時間以上放置した後、40cm 2 に打ち抜いて実施例1のドネペジル含有貼付 剤を製造した。また、23℃75%RHで制御された 境下に放置すること以外は、実施例1と同様 にして、比較例1のドネペジル含有貼付製剤 製造した。得られた実施例1および比較例1の ドネペジル含有貼付製剤について、製造直後 の粘着剤層の含水率およびドネペジルの放出 率を測定した。表1に、結果を示す。

 表1に示す通り、外部環境の相対湿度によ り粘着剤層の含水率が変動することが確認さ れた。また、ドネペジルの放出性が粘着剤層 の含水率に影響し、具体的には、粘着剤層の 含水率が高いと、ドネペジルの放出性が低く なることが確認された。

実施例2~5および比較例2~5
 実施例1のドネペジル含有貼付製剤を、40℃7 5%RHの恒温器で一定時間加湿することにより 実施例2~5および比較例2~5のドネペジル含有 付製剤を製造した。得られた実施例2~5およ 比較例2~5のドネペジル含有貼付製剤につい 、製造直後の粘着剤層の含水率および粘着 層のドネペジルの放出率を測定した。表2に 結果を示す。

 表2に示す通り、粘着剤層の含水率が8000pp m以下である実施例2~5のドネペジル含有貼付 剤は、ドネペジルの放出率が80%を超えるも であり、粘着剤層の含水率が8000ppmを超える 較例2~5のドネペジル含有貼付製剤に比して ドネペジルの放出性に優れることが確認さ た。

実施例6~9および比較例6~9
 PETフィルム(厚み12μm)/アルミニウム箔(厚み7 μm)/ポリアクリロニトリル系樹脂フィルム(厚 み30μm)の3層積層フィルムを用い、ポリアク ロニトリル系樹脂フィルム層を内側にして 上記の実施例2~5および比較例2~5のドネペジ 含有貼付製剤を封入(包装)し、さらに長期保 管(40℃、2ヶ月間)して、透湿防止袋中にドネ ジル含有貼付製剤が封入された、実施例6~9 よび比較例6~9の包装体を製造した。その後 得られた実施例6~9および比較例6~9の包装体 開封してドネペジル含有貼付製剤を取り出 、長期保管後の粘着剤層の含水率および粘 剤層のドネペジルの放出率を測定した。表3 に、結果を示す。

 表3に示す通り、実施例6~9および比較例6~9 の包装体においては、いずれもドネペジル含 有貼付製剤の粘着剤層の含水率が、略一定に (±20%程度の増減幅の範囲に)コントロールさ ていた。

 また、粘着剤層の含水率が7000ppm以下であ る実施例6~9のドネペジル含有貼付製剤は、長 期保管後もドネペジルの放出率が80%を超える ものであり、粘着剤層の含水率が7000ppmを超 る比較例6~9のドネペジル含有貼付製剤に比 て、ドネペジルの放出性に優れることが確 された。

 しかも、粘着剤層の含水率が7000ppm以下に コントロールされた実施例6~9のドネペジル含 有貼付製剤は、比較例6~9のドネペジル含有貼 付製剤に比して、ドネペジルの放出性の経時 的な劣化が抑制されていることが確認された 。

参考例1、実施例10および11、なら に比較例10
 上記の塗工原反を、実施例1と同様に処理し て、粘着剤層の含水率が3195ppmである参考例1 ドネペジル貼付製剤を製造した。
 次に、実施例6と同じ3層積層フィルムを用 、参考例1のドネペジル貼付製剤と乾燥剤で る硫酸マグネシウム5gとを同様に封入(包装) し、さらに長期保管(40℃、1ヶ月間)して、透 防止袋中にドネペジル含有貼付製剤が封入 れた、実施例10の包装体を製造した。その 、得られた実施例10の包装体を開封してドネ ペジル含有貼付製剤を取り出し、長期保管後 の粘着剤層の含水率を測定したところ、2580pp mであった。
 次いで、乾燥剤を使用しないこと以外は実 例10と同様にして、実施例11の包装体を製造 した。実施例10と同様に長期保管後の粘着剤 の含水率を測定したところ、3333ppmであった 。
 さらに、乾燥剤としてゼオライト5gを使用 ること以外は実施例10と同様にして、比較例 10の包装体を製造した。実施例10と同様に長 保管後の粘着剤層の含水率を測定したとこ 、415ppmであった。

 次に、各々のドネペジル含有貼付製剤につ 、CIE1976(L * a * b * )表色系(エルスター・エースター・ビースタ 表色系 JIS Z 8729)により表される色彩値(L * ,a * ,b * )を測定した。そして、参考例1のドネペジル 有貼付製剤の色彩値(L * s,a * s,b * s)を基準点として、実施例10および11ならびに 比較例10のドネペジル含有貼付製剤の色彩値( L * 1,a * 1,b * 1)との色差(△E * ab1)を、下記式1にしたがって算出した。表4に 、結果を示す。
 △E * ab1={(L * 1-L * s)  2 +(a * 1-a * s)  2 +(b * 1-b * s)  2 } 1/2  ・・・ (式1)

 表4に示す通り、粘着剤層の含水率が1000pp m以上である実施例10および11のドネペジル含 貼付製剤は、肉眼で白色に近い色合いの外 が実現でき、しかも、比較例10のドネペジ 含有貼付製剤に比して、経時的な変色が抑 されていることが確認された。

 本発明のドネペジル含有貼付製剤および 装体は、品質安定性、経時安定性、薬物利 率及び経済性に優れ、QOL(クオリティー オ  ライフ)を高めることができるので、非経 投与、特に経皮投与による抗アルツハイマ 型認知症、抗脳血管性認知症、片頭痛予防 の医薬用途において、広く且つ有効に利用 能である。