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Patent Searching and Data


Title:
EDIBLE OIL-AND-FAT COMPOSITION
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/044859
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is an edible oil-and-fat composition which can be used in the cooking with heat to produce a heat-cooked food having good taste and smell. Specifically disclosed is an edible oil-and-fat composition characterized by comprising a palm olein having an iodine value of 64 or greater and a corn oil.

Inventors:
KAMEGAI TAKESHI (JP)
EJIRI REIKO (JP)
IWASAWA TETSURO (JP)
KASAI MICHIO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/068058
Publication Date:
April 09, 2009
Filing Date:
October 03, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NISSHIN OILLIO GROUP LTD (JP)
KAMEGAI TAKESHI (JP)
EJIRI REIKO (JP)
IWASAWA TETSURO (JP)
KASAI MICHIO (JP)
International Classes:
A23D9/00; A23L5/10
Domestic Patent References:
WO2004080208A12004-09-23
WO2006035900A12006-04-06
Foreign References:
JP2003119488A2003-04-23
JP2006097011A2006-04-13
JP2003125734A2003-05-07
Attorney, Agent or Firm:
KUMAKURA, Yoshio et al. (Shin-Tokyo Bldg. 3-1, Marunouchi 3-chome, Chiyoda-k, Tokyo 55, JP)
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Claims:
 ヨウ素価が64以上のパームオレイン及びコーン油を含むことを特徴とする食用油脂組成物。
 食用油脂組成物全体におけるパームオレイン、及びコーン油の合計量が50~100質量%の範囲にある、請求項1に記載の食用油脂組成物。
 パームオレイン及びコーン油の質量比が、10:90~80:20の範囲にある、請求項1又は2に記載の食用油脂組成物。
 前記パームオレインのヨウ素価が、64~80の範囲にある、請求項1~3のいずれか1項に記載の食用油脂組成物。
 少なくとも一部が光透過性である容器に充填されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の食用油脂組成物。
 前記容器の容積が、2リットル以下である、請求項5に記載の食用油脂組成物。
 ヨウ素価が64以上のパームオレイン及びコーン油を、10:90~80:20の質量比で含み、かつ食用油脂組成物全体における該パームオレイン及びコーン油の合計が50~100質量%の範囲であることを特徴とする食用油脂組成物。
 パームオレイン及びコーン油を含有する食用油脂組成物であって、容積が2リットル以下の少なくとも一部が光透過性である容器に充填されていることを特徴とする食用油脂組成物。
 さらにカロテンを含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の食用油脂組成物。
 さらにコエンザイムQ10を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の食用油脂組成物。
 さらにトコトリエノール類を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の食用油脂組成物。
 請求項1~11のいずれか1項に記載する食用油脂組成物を使用して、食品材料を加熱調理することを特徴とする加熱調理食品の製造方法。
 請求項1~11のいずれか1項に記載する食用油脂組成物を使用して製造されたことを特徴とする食品。
Description:
食用油脂組成物

 本発明は食用油脂組成物、特に、味及び いが良好な加熱調理食品を作ることができ 食用油脂組成物に関する。

(発明の背景)
 食用油脂は、食品を加熱加工する際に用い 加熱媒体として、又は調味料として幅広く いられている。これら油脂組成物が従来よ 有する解決すべき課題として、酸化劣化に る臭気の発生の問題が挙げられる。
 酸化劣化は、照明や高温にさらされた場合 より促進される。このような問題は、特に 用油脂の貯蔵安定性を考慮する際に、解決 べき重要な問題として認識されている。
 この問題を解決するために種々の検討がな れており、以下の特許文献では、食用油脂 収容する容器に、紫外線吸収剤を添加し、 器中の食用油脂の光酸化による明所臭の発 を抑制している。

特開平7-322819号公報

 しかしながら、材質の異なる食用油脂の収 容器のすべてに、紫外線剤を添加して、成 することは難しかった。また、劣化条件に かれる前の油脂組成物を用いて味及び臭い 良好な加熱調理食品を作ることができるこ については、何ら検討されていなかった。
食用油脂が、フライ等の加熱調理の製造に用 いられることが多い関係上、劣化条件におか れた後だけでなく、劣化条件におかれる前に おいても、味及び臭いが良好な加熱調理食品 を作ることができる食用油の開発が望まれて きた。

 本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、特定 パームオレイン及びコーン油を組み合わせ 油脂組成物を用いることにより、味及び臭 が良好な加熱調理食品を作ることができる とを見出し、本発明に至ったものである。
 すなわち本発明は、ヨウ素価が64以上のパ ムオレイン及びコーン油を含むことを特徴 する食用油脂組成物に関する。
 また、本発明は、ヨウ素価が64以上のパー オレイン及びコーン油を、10:90~80:20の質量比 で含み、かつ食用油脂組成物全体における該 パームオレイン及びコーン油の合計が50~100質 量%の範囲であることを特徴とする食用油脂 成物に関する。
 また、本発明は、パームオレイン及びコー 油を含有する食用油脂組成物であって、容 が2リットル以下の少なくとも一部が光透過 性である容器に充填されていることを特徴と する食用油脂組成物に関する。
 また、本発明は、上記のいずれかの食用油 組成物を使用して、食品材料を加熱調理す ことを特徴とする加熱調理食品の製造方法 関する。
 さらに、本発明は、上記のいずれかの食用 脂組成物を使用して製造されたことを特徴 する食品に関する。

 本発明の食用油脂組成物は、パームオレ ン、コーン油及び必要に応じてその他の成 を配合することにより得ることができる。 下に各成分及びその配合量等について詳細 説明する。

パームオレイン
 本発明において、「パームオレイン」とは アブラヤシの果実から採取した油を分別・ 製して得られる、食用に適した液体油を意 する。
 本発明の食用油脂組成物においては、上記 ームオレインのうち、ヨウ素価が64以上の の、好ましくは64~80の範囲にあるもの、さら に好ましくは65~72の範囲にあるもの、最も好 しくは66~72の範囲にあるものを選択するこ が好ましい。ヨウ素価を64以上にすることで 、味及び臭いが良好な加熱調理食品を作るこ とができる食用油脂組成物を得ることができ る。
 ここで、上記ヨウ素価は、例えば、「社団 人 日本油化学会 基準油脂分析試験法2.3.4. 1-1996」等の方法により容易に測定することが できる。
 また、本発明において使用するパームオレ ンは、構成脂肪酸として炭素数が18であり 不飽和結合を少なくとも一つ有する脂肪酸 、パームオレインの全構成脂肪酸中に、好 しくは58~68質量%、さらに好ましくは60~65質量 %、最も好ましくは62~65質量%含むものが使用 きる。パームオレインの構成脂肪酸が、上 の範囲であることにより、味及び臭いがさ に良好な加熱調理食品を作ることができる 用油脂組成物を得ることができる。

 上記のようなパームオレインは、パーム油 ら分別して得ることができる。具体的には アブラヤシの果房を蒸気で処理した後、圧 法により採油する。採油された油は、遠心 離を行い繊維や夾雑物を取り除き、乾燥す 。その後、脱ガム、脱酸、脱色、脱臭の精 を経る。精製方法として、化学的精製や物 的精製等があるが、いずれを用いることも 能である。
 パームオレインを得るためのパーム油の分 方法は、特に限定が無く、通常は冷却によ 自然分別法を用いるが、界面活性剤や溶剤 より分別する方法を用いることが可能であ 。パームオレインは、パーム油を分別して られる、中融点部分又は低融点部分である( 高融点部分は、一般にパームステアリンと呼 ばれる)。この分別は2回分別、3回分別でも良 く、複数回分別処理して得られる低融点部分 、特に上記の方法を用いて測定したヨウ素価 が、上記の範囲にあるものを回収して、本発 明の食用油脂組成物に使用することができる 。

コーン油
 本発明に使用するコーン油には、一般に流 している食用のコーン油を使用することが きる。
 また、本発明において使用するコーン油は 構成脂肪酸として炭素数が18であり、不飽 結合を少なくとも一つ有する脂肪酸を、コ ン油の全構成脂肪酸中に、好ましくは60~100 量%、さらに好ましくは70~95質量%、最も好ま くは75~90質量%含むものが使用できる。コー 油の構成脂肪酸が、上記の範囲であること より、味及び臭いがさらに良好な加熱調理 品を作ることができる食用油脂組成物を得 ことができる。

その他の成分
 本発明の食用油脂組成物については、本発 の目的を逸脱しない範囲において、食用油 通常使用される他の油、添加剤等を任意に 合することができる。
 前記油は、通常使用される食用油、例えば サフラワー油、グレープシードオイル、大 油、ひまわり油、菜種油、綿実油、ごま油 太白ごま油、米油、落花生油、オリーブ油 アマニ油、エステル交換油脂、中鎖脂肪酸 構成脂肪酸とする油脂、及び中鎖脂肪酸と 鎖脂肪酸とを構成脂肪酸とする油脂等が挙 られる。特に、他の油を多く配合する場合 は、サフラワー油、ひまわり油、太白ごま 、中鎖脂肪酸を構成脂肪酸とする油脂、及 中鎖脂肪酸と長鎖脂肪酸とを構成脂肪酸と る油脂を使用することが好ましい。
 前記添加剤としては、例えば、酸化防止剤 栄養強化剤、乳化剤、着色成分、及び消泡 等が挙げられる。
 酸化防止剤としては、例えば、トコフェロ ル類、トコトリエノール類、カロテン、フ ボン誘導体、没食子酸誘導体、カテキン及 そのエステル、セサモール、テルペン類等 挙げられる。
 栄養強化剤としては、トコフェロール類、 コトリエノール類、植物ステロール、植物 テロールのエステル、γ-オリザノール、ア タキサンチン、コエンザイムQ10、カロテン カプサイシン、及びカプシエイト等が挙げ れる。
 本明細書において、トコフェロール類とし は、α-トコフェロール、β-トコフェロール γ-トコフェロール、及びδ-トコフェロール が挙げられる。また、トコトリエノール類 しては、α-トコトリエノール、β-トコトリ ノール、γ-トコトリエノール、及びδ-トコ リエノール等が挙げられる。
 乳化剤としては、例えば、ポリグリセリン 肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノ イン酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、 ルビタン脂肪酸エステル、ポリソルベート グリセリンモノ脂肪酸エステル、グリセリ モノ脂肪酸エステルの有機酸エステル、プ ピレングリコール脂肪酸エステル、及びレ チン等が挙げられる。
 消泡剤としては、微粉末シリカ、及びシリ ーン等が挙げられる。
 前記その他の成分の中でも、カロテンを含 ことがより好ましい。カロテンとしては、 えば、α-カロテン、β-カロテン等が挙げら る。カロテンを含むことにより、さらに夜 の視力維持や、皮膚・粘膜の健康維持の効 が期待される。
 また、食用油脂組成物は、コエンザイムQ10 含むことがより好ましい。コエンザイムQ10 含むことにより、食用油脂組成物に対して さらに抗酸化作用、抗加齢作用等のより高 効果を付与することが期待される。さらに 食用油脂組成物は、トコトリエノール類を むことがより好ましい。トコトリエノール を含むことで、トコトリエノール類の有す 油脂に対する抗酸化作用により、食用油脂 成物の臭いや風味の劣化をさらに抑制でき 。また、さらに、生体内での抗酸化作用、 レステロール低下作用、動脈硬化症改善作 を期待することができる。

食用油脂組成物の配合
 本発明の食用油脂組成物は、上記パームオ イン、コーン油及び必要に応じて他の成分 含む。各成分の配合量は特に制限を受けな が、本発明の目的を達成するためには、以 の量で配合されることがより好ましい。
 本発明の食用油脂組成物は、パームオレイ 及びコーン油の合計量が、好ましくは50~100 量%、さらに好ましくは70~100質量%、最も好 しくは90~100質量%である。食用油脂組成物全 におけるこれら2成分の配合量を50質量%以上 とすることにより、味及び臭いがさらに良好 な加熱調理食品を作ることができる食用油脂 組成物を得ることができる。
 また、本発明の食用油脂組成物においては パームオレインとコーン油の質量比が、パ ムオレイン:コーン油=10:90~80:20の範囲である ことが好ましく、20:80~80:20の範囲であること より好ましく、25:75~75:25の範囲にあること さらにより好ましく、30:70~70:30の範囲にある ことが最も好ましい。パームオレインとコー ン油の質量比が10:90~80:20の範囲にあることに り、味及び臭いがさらに良好な加熱調理食 を作ることができる食用油脂組成物を得る とができる。
 食用油脂組成物がカロテンを含む場合には 食用油脂組成物全体において、1~600ppm、好 しくは1~400ppm、さらに好ましくは5~300ppm含む この範囲でカロテンを含むことにより、前 カロテンを含むことによる効果を、より効 よく得ることができる。
 食用油脂組成物がコエンザイムQ10を含む場 には、食用油脂組成物全体において、好ま くは0.1~200ppm含む。この範囲でコエンザイム Q10を含むことにより、前記コエンザイムQ10を 含むことによる効果を、より効率よく得るこ とができる。
 食用油脂組成物がトコトリエノール類を含 場合には、食用油脂組成物全体において、 ましくは50~900ppm含む。この範囲でトコトリ ノール類を含むことにより、前記トコトリ ノール類を含むことによる効果を、より効 よく得ることができる。
 なお、前記カロテン、コエンザイムQ10及び コトリエノール類の量は、本発明の食用油 組成物を構成するパームオレイン及び菜種 に、これら成分が元々含まれる場合には、 の元々含まれる量も上記数値の計算におい 加算される。従って、これら成分を新たに 加することなく、上記数値が達成される場 がある。また、前記カロテン、コエンザイ Q10及びトコトリエノール類を添加剤として 合して、前記数値を達成することももちろ 可能である。

食用油脂組成物の製造方法
 本発明の食用油脂組成物の製造方法は特に 定されず、上記パームオレイン、コーン油 び必要に応じて上記他の成分を撹拌混合す 。これら成分の配合順序は特に限定されず 必要に応じて混合時に加熱してもよい。

本発明の食用油脂組成物の商品形 態
 本発明の食用油脂組成物は、いかなる商品 態を取ることも可能である。ここで、商品 態とは、食用油脂組成物その物を輸送、貯 及び販売する際に取られる形態のことを指 。本発明の食用油脂組成物の商品形態は、 えば、プラスチック性ボトル、金属性缶、 ロー包装等の形態を取ることができる。ま 、本発明の食用油脂組成物は光に曝された に使用しても、味及び臭いがさらに良好な 熱調理食品を作ることができるので、少な とも一部が光透過性である容器に充填する とが可能である。ここで、少なくとも一部 光透過性である容器とは、少なくとも容器 一部が、蛍光灯の下で内容物を目視で確認 きる程度の透過性を有する容器のことをい 。具体的には、容器の一部又は全部が、着 されていないPET、着色されていないラミコ 、及び着色されていないガラス等の素材を 用している容器を挙げることができる。
このような容器の中でも、とりわけその容器 の容積が2リットル以下、好ましくは0.5~1.5リ トルである。このような容器に充填するこ により、家庭での使用に適した食用油を提 することができる。

本発明の食用油脂組成物を用いた 加熱調理食品の製造方法
 本発明の食用油脂組成物を用いて、加熱調 食品を製造することが可能である。加熱調 食品は、具体的には、焼き物(例えば焼き肉 、お好み焼き等)、炒め物(例えば焼きそば、 菜炒め等)、揚げ物(フライ食品)(天ぷら、コ ロッケ、魚フライ、トンカツ)等が代表的な のとしてあげられる。また、食用油脂組成 を離型油として使用することも、本発明に ける加熱調理食品の製造方法に含まれる。
 具体的な製造方法としては、調理器具中に 用油脂組成物を適量加え、加熱し、食品材 を添加して焼く、炒める又は揚げる等の加 処理を行う。食用油脂組成物の量、加熱温 及び加熱時間については、使用する食品の 類、調理の方法等により適宜変化させるこ が可能である。

本発明の食用油脂組成物を使用し て製造された食品
 本発明の食用油脂組成物を用いた食品は、 味料や前記加熱調理食品の製造方法により られた食品(焼き物、炒め物、揚げ物)、煮 、和え物等が挙げられる。
 食品中の本発明の食用油脂組成物の含有量 しては、例えば、調味料においては10~80質 %、焼き物においては1~20質量%、炒め物にお ては1~20質量%、揚げ物においては1~40質量%、 物において1~10質量%、和え物においては5~50 量%を例示することができる。

 本発明の食用油脂組成物は、曝光条件下 置かれたもの(曝光油)だけでなく、曝光条 下に置く前のもの(未曝光油)を使用しても、 味及び臭いが良好な加熱調理食品を作ること ができる。

 以下に、実施例を用いて本発明をさらに 細に説明する。尚、以下の実施例が本発明 範囲を何ら制限しないことは言うまでもな 。

 以下実施例において、「%」及び「部」と 言うときには、他に記載のない限り「質量% 及び「質量部」を意味するものとする。尚 ヨウ素価の値は、「社団法人 日本油化学会  基準油脂分析試験法2.3.4.1-1996」の方法によ 測定した値である。

本発明の食用油脂組成物を用いた 揚げ物の製造、及び油の曝光の有無による揚 げ物の臭い、味の評価
(1)使用する油及び本発明の油脂組成物の調製
 本実施例において、パームオレインとして ームオレイン[ヨウ素価68](INTERCONTINENTAL SPECI ALTY FATS,SDN .BHD社製、全構成脂肪酸中の不飽 結合を少なくとも一つ有する炭素数18の脂 酸含量63.1質量%)を、コーン油として日清オ リオ(株)社製(商品名:日清コーン油、全構成 肪酸中の不飽和結合を少なくとも一つ有す 炭素数18の脂肪酸含量86.5質量%)を使用した
 本発明の油脂組成物の調製においては、上 パームオレイン及びコーン油を用いて、以 の表1に記載する配合量で、本発明の油脂組 成物を調製した。調製方法は、本明細書にお いて記載した内容に準拠した。
(2)揚げ物の製造方法
 以下の表1に記載する油について、未曝光油 と、以下の要領で得た曝光油を用いて揚げ物 を製造した。具体的には、未曝光油と曝光油 を用いてアジフライを作成した。
 アジフライについては、各油1000gを180℃ま 加熱し、パン粉の付いた冷凍アジを4分間揚 ることによりアジフライを製造した。

(3)曝光条件
 下記の表1に記載する各食用油脂組成物を、 着色されていないPET容器(油1000g充填用)に1000g 充填した。当該食用油脂組成物を充填した着 色されていないPET容器を、蛍光灯を用いて700 0ルクスの光に16時間曝し、曝光油を得た。
(4)製造した揚げ物の評価
 10人のパネルによる実食調査により行った 各サンプルについて実食を行い、臭い及び について、以下の評価基準に基づき評価を った。
●臭い
10~8 :魚の臭みを感じない
8未満~6:魚の臭みを抑える
6未満~4:やや魚の臭みがある
4未満  :魚の臭みが大きい
●味
◎   : 魚の臭みが無く、旨みが広がる
○   : やや後味に魚の臭みが残る
△   : 後味に魚の臭みが残る
×   : 魚の臭みが口に広がる

(5)評価結果
 上記表1に記載するように、本発明に係る食 用油脂組成物を用いて製造したアジフライは 、臭い及び味ともに比較例の油を用いた場合 と比較して良好であることがわかる。また、 本発明の食用油脂組成物については、曝光し た後のもの(曝光油)を使用してフライをして 、未曝光油を使用してフライした場合と同 度のフライの臭い、及び味を維持できるこ がわかった。

トコトリエノール類及びコエンザ イムQ10の量の測定
 以下の表2に記載する配合の食用油脂組成物 について、トコトリエノール類及びコエンザ イムQ10の量を測定した。ここで、測定をした トコトリエノール類の量は、α-トコトリエノ ール量、β-トコトリエノール量、γ-トコトリ エノール量、及びδ-トコトリエノール量の合 計量である。
 なお、パームオレインは、日清オイリオグ ープ(株)試作品で、ヨウ素価が69であり、全 構成脂肪酸中の不飽和結合を少なくとも一つ 有する炭素数18の脂肪酸含量が63.4質量%のも を使用した。コーン油は、日清オイリオグ ープ(株)社製の商品名日清コーン油で、全構 成脂肪酸中の不飽和結合を少なくとも一つ有 する炭素数18の脂肪酸含量が86.5質量%のもの 使用した。油脂中のトコトリエノール類及 コエンザイムQ10の量は、HPLCで測定した。