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Title:
ELECTRONIC CIRCUIT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/148007
Kind Code:
A1
Abstract:
An electronic circuit communicates by means of inductive coupling between chips packaged in a stack. The electronic circuit receives signals from a transmitter, and recognizes the signal source and the signal destination. When the circuit is between the signal source and the signal destination it relays the received signals, and when the circuit is not between the signal source and the signal destination it does not relay said received signals and relays an inter‑chip communication signal by means of a repeater. It is thus possible to transmit data at high speed to a chip farther away than the dimensions of a coil using communication via inductive coupling between chips packaged in a stack.

Inventors:
KURODA TADAHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/059947
Publication Date:
December 10, 2009
Filing Date:
June 01, 2009
Export Citation:
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Assignee:
UNIV KEIO (JP)
KURODA TADAHIRO (JP)
International Classes:
H01L25/065; H01L25/07; H01L25/18; H04B5/02
Foreign References:
JP2006173986A2006-06-29
JP2007318003A2007-12-06
JP2005228981A2005-08-25
JP2001127672A2001-05-11
Attorney, Agent or Firm:
NAKAMURA KAZUO (JP)
Kazuo Nakamura (JP)
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Claims:
 誘導結合によって信号を送信する送信器を有する基板n(nは、1からN(Nは、N≧3の整数)の順に積層される基板の内1≦n≦N-2の1つを表す)と、
 前記送信器から送信される信号又は他の中継器から中継される信号を受信して該受信信号を誘導結合によって中継する中継器を有する基板n+x(xは、1≦x≦N-n-1の整数)と、
 前記中継器から中継される信号を受信する受信器を有する基板n+y(yは、x<y≦N-nの整数)と
を積層して備えることを特徴とする電子回路。
 前記中継器を有する基板は、有線を介して又はメモリに記憶されて、該基板の積層位置情報を有することを特徴とする請求項1記載の電子回路。
 前記積層位置情報は、前記基板の積層順を表す整数の2、3又は4を法とする剰余であることを特徴とする請求項2記載の電子回路。
 基板nから順に中継する中継器を有する少なくとも2枚の基板n+x1、n+x2(x1<x2)を備え、前記送信器が通信信号を送信してから、基板n+x1の中継器が中継し、基板n+x2の中継器が中継した後に、前記送信器は次の通信信号を送信することを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の電子回路。
 前記送信器、受信器及び中継器は、いずれもアンテナとしてのコイルに接続され、該コイルを介して誘導結合通信することを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の電子回路。
 前記中継器に接続される前記コイルは、送信及び受信に兼用されることを特徴とする請求項5記載の電子回路。
 前記中継器に接続される送信用コイル及び受信用コイルは、互いに同軸に配置されていることを特徴とする請求項5記載の電子回路。
 前記中継器には、送信用コイル及び受信用コイルが相互に干渉しない程度の距離をおいて接続されていることを特徴とする請求項5記載の電子回路。
 前記中継器を有する3枚以上の基板を備え、該各中継器には、1つの送信用コイルと2つの受信用コイル又は2つの送信用コイルと1つの受信用コイルが相互に干渉しない程度の距離をおいて3つの位置に該各基板毎に順にずらして接続されていることを特徴とする請求項8記載の電子回路。
 前記2つの受信用コイルのどちらかを選択又は2つの送信用コイルのどちらかを選択することによってデータを中継する方向を切換えることを特徴とする請求項9記載の電子回路。
 前記送信器は、接続される送信用コイルに、送信データに応じた所定の電流であって送信データが変化するときに変化する電流を流し、前記受信器は、接続される受信用コイルで受信する信号を検出するしきい値が、信号を検出したときに逆極性に変化するヒステリシス特性を有することを特徴とする請求項5記載の電子回路。
 前記送信器は、接続される送信用コイルに、送信データの変化に応じた極性のパルス電流を流し、前記受信器は、接続される受信用コイルで受信する信号を検出するしきい値が、双極性パルスの後半を検出したときに逆極性に変化するヒステリシス特性を有することを特徴とする請求項5記載の電子回路。
 前記送信器は、タイミングパルスを非同期送信し、データを同期送信し、
 前記受信器は、タイミングパルスを非同期受信し、データを同期受信することを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の電子回路。
 前記中継器を有する3枚以上の基板を備え、タイミングパルスについて、各中継器には、送信用コイルと受信用コイルとが相互に干渉しない程度の距離をおいて3つの位置に各基板毎に順にずらして接続されていることを特徴とする請求項13記載の電子回路。
 T2+τ2-T1≧Tsetup
ここで、
  T1:データ通信に要する時間
  T2:タイミングパルス通信に要する時間
  Tsetup:データ送信のセットアップ時間
  τ2:セットアップ時間確保のための受信タイミングパルス遅延時間
であることを特徴とする請求項13記載の電子回路。
 前記送信器は、前記中継器が中継する信号を受信して送信信号と比較して誤りを検出することを特徴とする請求項1乃至15いずれかに記載の電子回路。
 すべての前記中継器へ送るenable信号を有線通信によって送信し、個々の中継器へのdisable信号を誘導結合通信によって送信することを特徴とする請求項1乃至16いずれかに記載の電子回路。
 前記enable信号を送信する有線通信によって前記2、3又は4を法とする剰余である前記積層位置情報を送信することを特徴とする請求項17記載の電子回路。
 磁性体膜が前記送信用コイルが存在する領域に重ねて形成されることによって該送信用コイルに対して、中継順序が前の受信用コイルとの誘導性結合よりも中継順序が後の受信用コイルとの誘導性結合を大きくしたことを特徴とする請求項8乃至18いずれかに記載の電子回路。
 金属膜が前記送信用コイルが存在する領域に重ねて形成されることによって該送信用コイルに対して、中継順序が後の受信用コイルとの誘導性結合よりも中継順序が前の受信用コイルとの誘導性結合を小さくしたことを特徴とする請求項8乃至19いずれかに記載の電子回路。
 前記金属膜は、前記送信コイルが存在する領域の一部に重ねて形成されることによって中継順序が前の受信用コイルとの誘導性結合の減少の程度が調整されていることを特徴とする請求項20記載の電子回路。
 一辺に沿って複数のコイルを直線状に並べ、その一辺に対向する辺に沿って該コイルの2倍の間隔で複数の金属膜を直線状に並べた前記基板を複数備え、それら複数の基板を隣接基板に対して180度回転して積層して1つおきのコイルに金属膜を重ね、その2枚の基板をペアとして、前記コイル及び金属膜が並んでいる直線の方向に前記ペア単位でコイルの間隔だけ互い違いにずらせて積層されていることを特徴とする請求項20又は21記載の電子回路。
 積層される他の基板との間で誘導結合によって通信するコイルと該コイルに接続される中継器とを有する基板を備えることを特徴とする電子回路。
 
Description:
電子回路

 本発明は、積層されるIC(Integrated Circuit) アチップなどの基板間の通信を好適に行う とができる電子回路に関する。

 本発明者らは、LSI(Large Scale Integration)チ プのチップ上の配線により形成されるコイ を介して積層実装されるチップ間で誘導結 による通信を行う電子回路を提案している( 特許文献1~7、非特許文献1~3参照。)。

特開2005-228981号公報

特開2005-348264号公報

特開2006-050354号公報

特開2006-066454号公報

特開2006-105630号公報

特開2006-173986号公報

特開2006-173415号公報

D.Mizoguchi et al, "A 1.2Gb/s/pin Wireless Super connect based on InductiveInter-chip Signaling (IIS)," IEEE International Solid-State CircuitsConference (ISSC C’04), Dig. Tech. Papers, pp. 142-143, 517, Feb.200 4. N. Miura et al, "Analysisand Design of Transcei ver Circuit and Inductor Layout for Inductive Inter-c hipWireless Superconnect," Symposium on VLSI Circuits, Dig. Tech. Papers, pp.246-249, Jun. 2004. N. Miura et al, "CrossTalk Countermeasures in I nductive Inter-Chip Wireless Superconnect," inProc. IEE E Custom Integrated Circuits Conference (CICC'04), pp.  99-102, Oct.2004.

 磁界結合で通信できる距離は、コイルの 径程度である。

 コイルのサイズを大きくすれば、遠い距 と通信できる。しかし、コイルのサイズを きくすると、コイルのインダクタンス(L)が きくなり、寄生容量(C)も大きくなる。コイ の自己共振周波数はLとCの積の0.5乗に逆比 するから、コイルのサイズを大きくすると 己共振周波数が下がる。磁界結合でシンボ 間干渉を起さずに通信できるのは、信号の な周波数成分が自己共振周波数以下の周波 領域に存在する場合であるから、コイルの イズを大きくするとデータ転送速度が下が 。したがって、高速にデータ転送を行いた 場合、コイルのサイズを大きくできない。

 本発明は、上記問題点に鑑み、チップ等 基板が積層される電子回路において、誘導 合による通信によって、遠くの基板までデ タを高速に転送できる電子回路を提供する とを目的とする。

 請求項1記載の本発明の電子回路は、誘導 結合によって信号を送信する送信器を有する 基板n(nは、1からN(Nは、N≧3の整数)の順に積 される基板の内1≦n≦N-2の1つを表す)と、前 送信器から送信される信号又は他の中継器 ら中継される信号を受信して該受信信号を 導結合によって中継する中継器を有する基 n+x(xは、1≦x≦N-n-1の整数)と、前記中継器か ら中継される信号を受信する受信器を有する 基板n+y(yは、x<y≦N-nの整数)とを積層して備 えることを特徴とする。

 また、請求項2記載の本発明の電子回路は 、前記中継器を有する基板は、有線を介して 又はメモリに記憶されて、該基板の積層位置 情報を有することを特徴とする。

 また、請求項3記載の本発明の電子回路は 、前記積層位置情報は、前記基板の積層順を 表す整数の2、3又は4を法とする剰余であるこ とを特徴とする。

 また、請求項4記載の本発明の電子回路は 、基板nから順に中継する中継器を有する少 くとも2枚の基板n+x1、n+x2(x1<x2)を備え、前 送信器が通信信号を送信してから、基板n+x1 の中継器が中継し、基板n+x2の中継器が中継 た後に、前記送信器は次の通信信号を送信 ることを特徴とする。

 また、請求項5記載の本発明の電子回路は 、前記送信器、受信器及び中継器は、いずれ もアンテナとしてのコイルに接続され、該コ イルを介して誘導結合通信することを特徴と する。

 また、請求項6記載の本発明の電子回路は 、前記中継器に接続される前記コイルは、送 信及び受信に兼用されることを特徴とする。

 また、請求項7記載の本発明の電子回路は 、前記中継器に接続される送信用コイル及び 受信用コイルは、互いに同軸に配置されてい ることを特徴とする。

 また、請求項8記載の本発明の電子回路は 、前記中継器には、送信用コイル及び受信用 コイルが相互に干渉しない程度の距離をおい て接続されていることを特徴とする。

 また、請求項9記載の本発明の電子回路は 、前記中継器を有する3枚以上の基板を備え 該各中継器には、1つの送信用コイルと2つの 受信用コイル又は2つの送信用コイルと1つの 信用コイルが相互に干渉しない程度の距離 おいて3つの位置に該各基板毎に順にずらし て接続されていることを特徴とする。

 また、請求項10記載の本発明の電子回路 、前記2つの受信用コイルのどちらかを選択 は2つの送信用コイルのどちらかを選択する ことによってデータを中継する方向を切換え ることを特徴とする。

 また、請求項11記載の本発明の電子回路 、前記送信器は、接続される送信用コイル 、送信データに応じた所定の電流であって 信データが変化するときに変化する電流を し、前記受信器は、接続される受信用コイ で受信する信号を検出するしきい値が、信 を検出したときに逆極性に変化するヒステ シス特性を有することを特徴とする。

 また、請求項12記載の本発明の電子回路 、前記送信器は、接続される送信用コイル 、送信データの変化に応じた極性のパルス 流を流し、前記受信器は、接続される受信 コイルで受信する信号を検出するしきい値 、双極性パルスの後半を検出したときに逆 性に変化するヒステリシス特性を有するこ を特徴とする。

 また、請求項13記載の本発明の電子回路 、前記送信器は、タイミングパルスを非同 送信し、データを同期送信し、前記受信器 、タイミングパルスを非同期受信し、デー を同期受信することを特徴とする。

 また、請求項14記載の本発明の電子回路 、前記中継器を有する3枚以上の基板を備え タイミングパルスについて、各中継器には 送信用コイルと受信用コイルとが相互に干 しない程度の距離をおいて3つの位置に各基 板毎に順にずらして接続されていることを特 徴とする。

 また、請求項15記載の本発明の電子回路は T2+τ2-T1≧Tsetup
ここで、
  T1:データ通信に要する時間
  T2:タイミングパルス通信に要する時間
  Tsetup:データ送信のセットアップ時間
  τ2:セットアップ時間確保のための受信タ ミングパルス遅延時間
であることを特徴とする。

 また、請求項16記載の本発明の電子回路 、前記送信器は、前記中継器が中継する信 を受信して送信信号と比較して誤りを検出 ることを特徴とする。

 また、請求項17記載の本発明の電子回路 、すべての前記中継器へ送るenable信号を有 通信によって送信し、個々の中継器へのdisab le信号を誘導結合通信によって送信すること 特徴とする。

 また、請求項18記載の本発明の電子回路 、前記enable信号を送信する有線通信によっ 前記2、3又は4を法とする剰余である前記積 位置情報を送信することを特徴とする。

 また、請求項19記載の本発明の電子回路 、磁性体膜が前記送信用コイルが存在する 域に重ねて形成されることによって該送信 コイルに対して、中継順序が前の受信用コ ルとの誘導性結合よりも中継順序が後の受 用コイルとの誘導性結合を大きくしたこと 特徴とする。

 また、請求項20記載の本発明の電子回路 、金属膜が前記送信用コイルが存在する領 に重ねて形成されることによって該送信用 イルに対して、中継順序が後の受信用コイ との誘導性結合よりも中継順序が前の受信 コイルとの誘導性結合を小さくしたことを 徴とする。

 また、請求項21記載の本発明の電子回路 、前記金属膜は、前記送信コイルが存在す 領域の一部に重ねて形成されることによっ 中継順序が前の受信用コイルとの誘導性結 の減少の程度が調整されていることを特徴 する。

 また、請求項22記載の本発明の電子回路 、一辺に沿って複数のコイルを直線状に並 、その一辺に対向する辺に沿って該コイル 2倍の間隔で複数の金属膜を直線状に並べた 記基板を複数備え、それら複数の基板を隣 基板に対して180度回転して積層して1つおき のコイルに金属膜を重ね、その2枚の基板を アとして、前記コイル及び金属膜が並んで る直線の方向に前記ペア単位でコイルの間 だけ互い違いにずらせて積層されているこ を特徴とする。

 また、請求項23記載の本発明の電子回路 、積層される他の基板との間で誘導結合に って通信するコイルと該コイルに接続され 中継器とを有する基板を備えることを特徴 する。

 本発明によれば、チップ等の基板が積層 れる電子回路において、誘導結合による通 によって、遠くの基板までデータを高速に 送できる。

 また、従来の無線通信の場合は、信号が 方に指向性なく伝播するので、リピータの 現のためには、ネットワーク構造の階層モ ル(OSI参照モデル)における第1層の物理層か 第5層のセッション層までを用いた複雑な制 御を必要としているためにコストや処理時間 が大きい。

 磁界結合においても、信号はコイルの両 方向に伝播する。例えば、チップを積層し 、上のチップから受信した信号をリピート て下のチップに転送する場合にリピート転 する際に、信号(以下、この信号を「復唱」 と言う)が回り込んで再び自身の受信器に入 する。更に、転送された信号を下のチップ 更にもう一つ下のチップにリピート転送す 際の信号(以下、この信号を「応答」と言う) もさきほどの受信器に入力する。このような 復唱又は応答を、上のチップからの次のデー タだと理解して再びリピートすると、いつま でも応答がこだまのように往来してリピート 動作が続き、新しいデータを転送できないと いう問題があるが、本発明によりこれが解消 される。あるいは、新しいデータと前回のデ ータの復唱又は応答が同時に受信器に入力す ると、受信信号の品質(SN比)が劣化するとい 問題があるが、本発明によりこれが解消さ る。

図1は、実施例1による電子回路の構成 示す図である。 図2は、チップ上のコイルの配置例を示 す図である。 図3は、実施例1の動作を説明する図で る。 図4は、実施例1の各信号の波形を示す である。 図5は、実施例1の各信号の波形を示す である。 図6は、実施例2による受信器の構成を す図である。 図7は、チップ間のコイルの配置例を示 す図である。 図8は、実施例3による電子回路の構造 示す図である。 図9は、実施例3による電子回路の具体 な実現例を示す図である。 図10は、実施例3の各信号の波形を示す 図である。 図11は、実施例4による電子回路の構造 を示す図である。 図12は、実施例4による電子回路のコイ ル配置例を示す図である。 図13は、実施例4で配置されるコイルの 大きさと間隔を示す図である。 図14は、実施例5による電子回路の構造 を示す図である。 図15は、実施例6による電子回路の構造 を示す図である。 図16は、実施例6の変化例の構造を示す 図である。 図17は、実施例7による電子回路の構造 を示す図である。 図18は、実施例8による電子回路の構造 を示す図である。 図19は、実施例8による電子回路の構造 を説明する図である。 図20は、実施例8の変化例の構造を示す 図である。 図21は、実施例8の変化例の構造を示す 図である。 図22は、実施例8の変化例の構造を示す 図である。 図23は、実施例8の変化例の構造を示す 図である。 図24は、実施例9による送信器の構成を 示す図である。 図25は、実施例9の各信号の波形を示す 図である。 図26は、実施例10による送信器の構成 示す図である。 図27は、実施例10の各信号の波形を示 図である。 図28は、実施例10による受信器の構成 示す図である。 図29は、実施例11による送信器及び受 器の構成を示す図である。 図30は、実施例11の各部の波形を示す である。 図31は、実施例12による電子回路の構 を示す図である。 図32は、実施例12の各部の波形を示す である。 図33は、本発明の通信に用いるデータ 造の一例を示す図である。 図34は、本発明のenable信号の配線構造 一例を示す図である。

 以下、添付図面を参照しながら本発明を 施するための形態について詳細に説明する

 図1は、実施例1による電子回路の構成を す図である。ここでは、1つのチップの中継 を示している。実際には、この中継器が配 されているチップは中継器が配置されてい いチップと共に積層実装される。図1(a)は、 本実施例の中継器の全体を説明する図であり 、図1(b)は、その具体的な回路を示す図であ 。本実施例の中継器は、受信コイル10、受信 器20、制御回路40、送信器50、及び送信コイル 60から成る。

 受信コイル10は、対応する位置に積層実 された上又は下のチップの送信信号Txdataが ーからハイに変化する際には正のパルス電 が、送信信号Txdataがハイからローに変化す 際には負のパルス電圧が発生する。

 受信器20は、トランジスタ21、22、27~33、 ンバータ23、25、及び抵抗24、26から成る、非 同期受信回路で構成される。受信器20はヒス リシス比較器を構成しており、ゲート回路 ゲイン回路とヒステリシス回路から成る。 ート回路はトランジスタ21、22、インバータ 23、25、及び抵抗24、26からなり、disable(休止) 号によって受信パルスを遮断し受信器に信 が入力しないようにできる。ゲイン回路は ランジスタ27とトランジスタ28、及びトラン ジスタ29とトランジスタ31からなるインバー であって、受信コイル10から入力されるパル ス電圧VRを増幅する。パルス電圧VRが一定の きい値を超えると受信信号Rxdataが反転する ヒステリシス回路はインバータの出力に接 された、クロスカップルのPMOS32、33で構成さ れる。この回路が上記しきい値にヒステリシ スを与える機能を持っており、パルス電圧VR らディジタルデータを正しく復元すること 可能にしている。このヒステリシス回路は 持しているデータに応じて入力インバータ しきい値を変化させる。図4のVR波形中に点 で示したのは、トランジスタ27とトランジ タ28からなるインバータのしきい値の変化を 表している。初期状態で、受信信号Rxdataとし てローを保持していたヒステリシス回路は、 インバータのしきい値を高くする。入力に正 のパルスが入力されてこのしきい値を超える と受信信号Rxdataが反転し、ハイになる。ヒス テリシス回路により今度はインバータのしき い値が低くなり、次にしきい値を超える負の パルス電圧が入力されるまで受信信号Rxdataが 保持される。この繰り返しで正負のパルス電 圧から正しくディジタルデータを復元するこ とができる。

 制御回路40は、ここでは、この電子回路 中継器として機能するように制御する。ま 、制御回路40は、この電子回路が、データを 送信する送信器又はデータを受信する受信器 として機能するように制御することもできる し、必要に応じて、機能をこれら中継器、送 信器又は受信器の間で切換える制御をするこ ともできる。さらに、制御回路40は、送信器 び/又は受信器をenable(動作)とdisableとに切換 える制御をする。また、コイルが送信用と受 信用とに兼用される場合には、そのコイルと 送信器又は受信器との接続を切換える制御を する。

 送信器50は、トランジスタ51~54から成る、 非同期送信回路で構成される。これらを送信 信号Txdataで直接駆動し、送信信号Txdataと同様 の波形形状の送信電流ITを送信コイル60に流 。

 送信コイル60は、送信器50によって駆動さ れ、データ送信のために誘導磁界を発生する 。

 図2は、チップ上のコイルの配置例を示す 図である。図2(a)は、送受信コイル70が送信コ イルと受信コイルとを兼ねる例を示し、図2(b )は、受信コイル10と送信コイル60とを同軸に 置する例を示し、図2(c)は、受信コイル10と 信コイル60とを離れた位置に配置する例を す。図2(a)においては、同一のコイルを受信 と送信用に時間で切り替えて兼用している 図2(b)においては、受信コイル10を大きく、 信コイル60を小さくして同軸に配置する。 2(c)においては、送信コイル60で送信した信 が受信コイル10で無視できる程度に小さく受 信されるぐらい両者が離れていることが望ま しい。図2(a)や図2(b)は、図2(c)に比べてレイア ウト面積を小さくできるが、リピート送信の 影響が受信器に強く及ぶ点に注意しなければ ならない。本発明はこのいずれの配置でも実 現できる。

 図3は、実施例1の動作を説明する図であ 。図3は、コントロールチップ(ID=0)の下に16 のメモリチップを積層した場合の時点(1)~(6) 信号の伝播の様子を示している。ここでは 上下4つずつのチップ(計8つのチップ)まで通 信が届くと仮定する。例えば、コントロール チップが通信元(Sourceの意味でS)で、10番目の モリチップが通信先(Destinationの意味でD)と る。

 まず、(1)でコントロールチップが送信す 。次に(2)でメモリチップの1から4までが受 する。(3)でメモリチップ4がそのデータを再 (リピート)する。(4)でコントロールチップ メモリチップの1から8までが受信する。次に (5)でメモリチップ8がそのデータを再送する 、(6)でメモリチップの4から12までが受信す ので、データは通信先のチップ10に受信され る。以上のようにすれば、どれだけチップが 積層されていても、再送(リピート)を繰り返 ながら、データを目的地まで転送できる。 点(6)の次には時点(1)を続けることができる

 図4及び図5は、実施例1の各信号の波形を す図である。図4は、送信信号Txdata、送信コ イルに流れる送信電流IT、受信コイルに発生 る受信電圧VR、及び受信信号Rxdataの時点(1)~( 6)の波形を示す。図5は、コントロールチップ 、及びチップ4、8のデータ、送信電流、及び 信電圧の相互の関係を示す。注意すべき点 、例えばチップ4の受信コイルは、同じデー タを3回受信する点である。まずは、(2)でコ トロールチップからの送信データを受信し とき。次は、(4)でチップ4が再送したデータ 間近で受信したとき(復唱信号)。したがっ (図4は正確ではないが図5で示したように)、( 2)での受信信号電圧よりも(4)での受信信号電 は大きい(ただし、図2(c)の場合は送信コイ を受信コイルから遠く離して設置すれば、 の分リピート信号の受信を小さくできる)。 して3回目は(6)でチップ8が再送したデータ 受信したとき(ちょうど自分の声の山彦を聞 たのに喩えることができる)(応答信号)。こ は(2)のときと同じ受信信号電圧である。

 このように同じデータを繰り返し受信す が、新しいデータDm(先のデータが0ならば新 しいデータは1)を受信した直後に、その次の しいデータDm+1(Dmが1ならばDm+1は0)を受信す のに備えて、受信器(ヒステリシス回路)の入 力しきい値は図の点線で示すように変化する ので、上記のように受信データと同じ信号( 唱と応答)をその後2回続けて受信しても、受 信器の出力に変化はない。

 ここで、復唱と応答の信号がいずれもデ タ信号と同極でなければならない。例えば 送信コイルの巻く方向が受信コイルの巻く 向と反対になっていたり、コイルの巻く方 は同じでも逆向きの電流が流れるように送 器が設計されていると、リピート動作で復 や応答の信号が反転する。その結果、リピ タで再送するたびに、ディジタル信号値が 転して、正しくデータ転送できない。

 なお、メモリチップ12は、通信先のチッ 10を超える位置にあるので、データを受信す るが、リピート動作はしない。

 また、(4)でコントロールチップはリピー されて戻ってきたデータを受信するので、( 1)で送信したデータと比較することで、リピ ト動作が正しく行われたかどうかを検証で る。同様に、チップ4は(3)で送信したデータ を(6)で受信するので、リピート動作を検証で きる。誤りが検出された場合は、そのことを 通達してデータの送り直しをする。

 コントロールチップが次のデータを送信 きるのは、(6)が終了した後である。なぜな 、(5)でコントロールチップが新しいデータ 送信すると、(6)においてチップ4の受信コイ ルで、チップ8が再送したデータとコントロ ルチップが送信したデータが衝突し、通信 正しく行われないからである。つまり、(1) ら(6)までの操作を繰り返せば、SからDに次々 とデータ列を転送できる。

 この例ではDがチップ10でありチップ12は ピート動作をしないが、例えばDがチップ15 場合チップ12はリピート動作を(7)(不図示)で う。しかしその信号は(8)(不図示)でチップ8 までしか届かないので、(7)でコントロール ップが新しいデータを送信してそれが(8)で ップ4に届いても、チップ4で一つ前のデー と衝突することはない。

 コイルの配置が図2(a)の場合は、受信器が 送信器の出力信号を直接入力するので、復唱 の際に受信コイルに大きな受信信号を生じる 。また、図2(b)の場合も、受信コイルと送信 イルが強く磁界結合するので、復唱の際に 信コイルに大きな受信信号を生じる。コイ には容量成分も寄生するので、インダクタ スとキャパシタンスで受信信号が振動する 合があり、図4や図5の2番目の受信信号が負 極性にも振れて、誤動作の原因となり得る こうした問題は、復唱時には受信しないよ に制御回路が受信器をdisableすることで解決 きる。disableがローになると、受信コイルか らの信号が受信器に入力されない。

 図6は、実施例2による受信器の構成を示 図である。本実施例の受信器は、トランジ タ27~33、71~74、及びNAND回路75、76から成る。NM OSトランジスタ72とPMOSトランジスタ71のチャ ル幅とチャネル長は、NMOSトランジスタ28とPM OSトランジスタ27及びNMOSトランジスタ31とPMOS ランジスタ29のそれらと比が等しい、ある は同じサイズに設計されている。そのこと 、コイルに生じる微小な受信信号を高感度 増幅することができる。

 disable信号がローのときはNMOSトランジス 72がオンして、トランジスタ73、74の出力と 力がNMOSトランジスタ72のオン抵抗で接続さ て、コイルの中央の電位が受信器の入力感 が最も高くなる電位にバイアスされて信号 送が可能となる。disable信号がハイのときに 、NMOSトランジスタ72がオフしてPMOSトランジ スタ71がオンするため受信器の入力はともに ーになり、受信器の直流電流がカットされ 。このとき受信器の両出力は共にハイとな 、後段のNAND回路75、76から成るラッチでは のデータが保持される。図1の受信器のdisable 方法は高速に信号伝送に復帰できるという利 点があるものの、直流電力をdisable中にも消 するという欠点がある。本実施例のように て受信器をdisableすると、受信器の直流電力 カットすることができる。リピート動作に 与しないチップの受信器で待機電力を削減 ることができる。

 図7は、コイルを図2(c)のように配置した 合のチップ間のコイルの配置例を示す図で る。図7(a)は、2箇所の位置に送信コイルTxと 信コイルRxを、各中継チップ毎に交互に配 する例を示し、図7(b)は、3箇所の位置に送信 コイルTxと受信コイルRxを各中継チップ毎に にずらせて配置する例を示す。以下、中継 が配置されるチップを中継チップと呼ぶこ がある。

 図7(a)に示す例のように、下のチップの送 信コイルTxと同軸の位置に上のチップの受信 イルRxが配置され、下のチップの受信コイ Rxと同軸の位置に上のチップの送信コイルTx 配置される場合は、信号が先程の説明と同 にリピート信号が応答となり戻ってくる。

 この問題は、応答が帰ってくる頃には、 信器が動作しないように制御することで解 できる。しかし、複数のチップにまたがる イミング制御のために、データ転送速度が くなるなどの望ましくない効果を生じる場 もある。

 ところが、図7(b)に示すように、送信コイ ルTxの上のチップに対となる受信コイルRxが 置され、上のチップの送信コイルTxが下のチ ップの受信コイルRxとは遠く(上のチップの厚 さの2倍程度以上に)離れて配置された場合は 再送データが下のチップに戻ってくること ないので、図3の(3)の段階で次のデータを下 のチップが送信しても構わない。したがって 、高速にデータを転送することが容易にでき る。

 図8は、実施例3による電子回路の構造を す図である。例えば、図8に示すように、3組 のコイルを使って1つの通信チャネルを構成 れば、データを待たせることなく次々と送 することができ、データの転送速度を高く きる。その代わり3倍のチップ面積が必要に る。3組のコイルは、送信用と受信用と未使 用(disabled)のいずれかに、ボンディング配線 EEPROMなどを用いてプログラムできる。例え 、図8の場合、チップの積層位置に応じて3通 りのプログラムが必要になる。2本のボンデ ング配線を用いて、それぞれを電源電位に 続するか接地電位に接続するかで区別すれ 、4通りの組み合わせが作れるので、チップ 積層位置に関する情報をチップの実装段階 チップに与えることができる。あるいは、 ップに搭載されたEEPROMの2ビットにハイ又は ローを書き込めば、やはり4通りの組み合わ を作れるので、チップの積層位置に関する 報をチップの実装前のテストの段階でチッ に与えることができる。

 図9は、実施例3による電子回路の具体的 実現例を示す図である。受信コイルRxと下向 きリピート用送信コイルTxdと上向きリピート 用送信コイルTxuをチップの積層順位に応じて 配置する。例えば図9(a)の場合は、下から1番 と4番目、2番目と5番目がそれぞれ同じにな ように、3通りの配置パターンとなる。

 図9(b)に示すように、Txdを動作させTxuを未 使用にしてRxの出力を制御回路を介してTxdに 力すると、下向きのリピート動作を実現で る。また、図9(c)に示すように、Txuを動作さ せTxdを未使用にしてRxの出力を制御回路を介 てTxuに入力すると、上向きのリピート動作 実現できる。このように2つのTxのいずれか 方を使うことで、下向きのリピート動作及 上向きのリピート動作を容易に実現するこ ができる。

 ここでは、1つの受信コイルと2つの送信 イルを組み合わせる例を示したが、1つの送 コイルと2つの受信コイルを組み合わせて受 信コイルを選択的に動作させることで同様の 原理で同じ効果を奏することができる。具体 的には例えば図9におけるRxをTxとし、Txu、Txd Rxu、Rxdとすれば良い。

 上記説明では3組のコイルを使って1つの 信チャネルを構成した。通信したいコイル では誘導結合が十分大きくなければならな が、通信したくないコイル間では誘導結合 十分小さくなければならない。製造ばらつ なども考慮して、更に動作に余裕を入れた 場合は、上のチップの送信コイルと下のチ プの受信コイルとの間の距離を更に遠くす 必要がある。例えば4組のコイルを使って1つ の通信チャネルを構成しても良い。考え方は 全く同じでコイルの数を増やしただけである ので説明は省略するが、本発明の範囲内であ る。

 図10は、実施例3の各信号の波形を示す図 ある。図10は、送信電圧Txdata、送信電流IT、 受信電圧VR、及び受信信号Rxdataの時系列の波 を示す。こうした信号の伝播伝送を繰り返 ば、SからDにデータ列を転送できる。

 図11は、実施例4による電子回路の構造を す図である。本実施例は、複数のチップを にずらせて積層し、スペーサを介してから 複数のチップを逆方向に順にずらせて積層 、これを繰り返すものである。図11に示す うに、複数のチップをずらしながら積層す ことで、下に別のチップがある位置でワイ ボンディングをすることができるので、ボ ディングがチップに与える衝撃が緩和され チップの耐久性が向上し、チップを薄く出 る利点がある。それに比べて、例えば図18(b) に示すようにチップを交互にずらして積層す ると、下に別のチップがないところでボンデ ィングをすることになるので、ボンディング の衝撃が僅かであっても、チップが破損しや すくなり、チップを薄くするのが比較的難し くなる。また、電源線のように各チップに供 給されるワイヤボンディングをチップからチ ップへと効率良く連結していくことも可能に なり、限られた空間でより効率良くワイヤボ ンディングができる利点もある。一方で、例 えばチップ5にワイヤボンディングをするた の空間を作るために、チップ4とチップ5の間 にシリコンなどでできたスペーサを挿入する 必要があり、このために(以下に述べるよう )規則性が崩れる。

 図12は、実施例4による電子回路のコイル 置例を示す図である。図13は、実施例4で配 されるコイルの大きさと間隔を示す図であ 。図12は、このようにチップを積層した場 に、実施例3に示すように3組のコイルを使っ て1つの通信チャネルを構成した例を示す。 12(a)が下向きのリピート動作を実現した場合 で、図12(b)が上向きのリピート動作を実現し 場合である。また、図13は、3組のコイルの きさと間隔の例を示す。数字は、代表的な 例であり、この限りではない。

 図12と図9を比較すると、チップの積層順 に応じて、3組のコイルを送信用と受信用と 未使用(disable)のいずれかにプログラムするこ とで、下向き、又は、上向きのリピート動作 を実現できる点は共通している。プログラム は、ボンディング配線やEEPROMなどを用いるこ とで実施例3と同様に実施できる。

 図12が図9と異なる点は、スペーサの隣だ 、コイルのプログラムの仕方が変化し、他 チップでは同じプログラムになる点である

 さらに、スペーサを挟んだチップ間では 例えばチップ4とチップ5の間、又はチップ0 チップ1の間では、通信距離がそれ以外の場 合に比べて2倍に長くなる点である。そのた 、3つのコイルの中で両側のコイルは真ん中 コイルの2倍程度に大きくして、2倍の通信 離となるように設計する。こうすると、例 ばチップ1の送信信号は、チップ3や4まで届 かもしれないが、そこには受信コイルがな ので問題を生じない。

 真ん中のコイルを大きくしない理由は、 えばチップ3とチップ5の間(チップ3枚分の距 離)でクロストークを生じないようにするた である。もし、真ん中のコイルも両端のコ ルと同じ大きさに設計すると、真ん中のコ ルでも2つのチップの距離だけ送受信できる とになるので、例えば図12(a)でチップ5の送 コイルがチップ3の受信コイルに(同様に図12 (b)でチップ3の送信コイルがチップ5の受信コ ルに)クロストークとなり得るからである。 あるいは、このクロストークを十分に小さく するためには、両端にも真ん中と同じ小さい コイルを用意し、大きなコイルは2枚のチッ 距離用に、小さなコイルは1枚のチップ距離 にと使い分けた方がより確実になる。2つの コイルを用意して、距離に応じて使い分ける ことは、切替え用のトランジスタを送信回路 に追加するだけで容易にできる。

 図14は、実施例5による電子回路の構造を す図である。再送データが元のチップに戻 てこないようにするには、コイルの数を増 して距離を大きくとる方法の他に、磁性体 料を用いて磁界を増強したり、金属配線を いて磁界を減衰する方法もある。図14に示 ように磁性体材料でできた磁性体膜130を送 コイル60及び受信コイル10が存在する領域に ねて配置すると、誘導結合させたい送信コ ル60と受信コイル10の間(例えばTx1とRx2)の誘 結合を強めることができる。その結果、図7 (a)のような構成でもリピート転送でき、必要 なコイルの数を3組から2組に削減できる。こ で磁性体材料は、チップと垂直方向の透磁 に比べてチップと水平方向の透磁率が十分 大きいと上記効果が大きい。また、コイル 磁性体膜の間の距離が短いほど、効果が大 い。

 図15は、実施例6による電子回路の構造を す図である。本実施例は、金属配線を用い 通信信号の減衰をした場合の例であり、金 膜140を送信コイル60及び受信コイル10が存在 する領域に重ねて配置している。金属膜140に 渦電流が流れて磁界の変化を打ち消すので、 磁界結合が減衰される。例えばRx2のコイルを 第6配線層で形成し、遮断用のパターンを第1 線層で形成すると(もちろん6層と1層は一例 あって同様の上下関係の他の層を使っても い。両者の距離が短いほど、例えば6層と1 ではなくて4層と3層にした方が減衰効果は大 きい)、Tx3からRx2への結合を低減できる。こ 場合、Tx1からRx2への結合も低下するので注 を要する。例えば、金属膜140と受信コイル10 の間の距離を1μm、送信コイル60と受信コイル 10の間の距離を50μm(これは4層と3層を用いた 合に相当する)、送受信コイルの直径を50μm 金属膜140の直径を100μmとして電磁界解析シ ュレーションを行うと、金属膜140を挿入し ことで、誘導結合させたくないTx3とRx2の結 を元の0.01倍に大きく低減できることが確認 れている。また、誘導結合させたいTx1とRx2 結合も元の0.3倍に低減することも確認され いる。

 すなわち、Tx1とRx2の結合は通信が出来る 度に強くして、Tx3とRx2の結合は混信しない 度に弱くすべきである。この調整は、金属 と受信コイルの距離を変えることで調整で る。例えば4層と3層ではなく、6層と1層を用 いると、両者の距離が長くなり、Tx1とRx2の結 合は0.3よりも大きくなる。

 あるいは、図15(c)に示すように金属膜141 送受信コイルとの重なる面積を加減するこ で調整できる。両者の重なりが大きいほど 断効果が大きく結合は弱まる。

 また、図15(d)に示すように、金属膜142で る網目パターンの開口部を加減することで 減衰効果を調整できる。開口部が狭いほど 断効果が大きく結合は弱まる。

 図16は、実施例6の変化例の構造を示す図 ある。実施例6は、受信コイル10と同一の基 に金属膜140を重ねて形成したが、本変化例 、送信コイル60と同一の基板に金属膜150を ねて形成するものである。このように遮断 のパターンである金属膜150を例えば第6配線 で形成し、送信コイル60を第1配線層で形成 ても同様の効果が得られる。

 また、図15及び図16で示した実施例6は、 一構造のチップを180度回転したり、ずらし がら積層することでも容易に実現できる。 たがって、同じ構造のチップを積層して、 ータをリピート転送できる。

 図17は、実施例7による電子回路の構造を す図である。本実施例は、磁界減衰用の金 膜160を送信コイル60と受信コイル10の中間に 配置するものであり、これにより、誘導結合 させたくない結合を大きく低減できる一方で 、誘導結合させたい結合はあまり低減しない ようにできる。例えば、金属膜160と受信コイ ル10及び送信コイル60の間の距離を25μm、送信 コイル60と受信コイル10の間の距離を50μm、送 受信コイル10、60の直径を50μm、金属膜160の直 径を100μmとして電磁界解析シミュレーション を行うと、金属膜160を挿入したことで、誘導 結合させたくないTx5とRx3の結合を0.05に低減 きる一方で、誘導結合させたいTx1とRx3の結 を0.8にできることが確認されている。

 さらに、磁界減衰用の金属膜は、送受信 イルと比べて、一回り大きいサイズのとき 、信号対雑音比が最大になることも、電磁 解析シミュレーションで確認できている。

 図18は、実施例8による電子回路の構造を す図である。図18(a)は上面図、図18(b)は左側 面図、図18(c)は右側面図である。本実施例は 同一構造のチップを180度回転しながらずら て積層することで、リピート経路を実現す ものである。まず、1列に並んだ送受信コイ ル173及び、送受信コイル173の2倍の間隔で1列 並んだ金属膜174を有するチップ1である第1 板171を同一構造のチップ2である第2基板172に 対して180度回転しy方向にずらして積層すれ 、図18(b)に示すように、互いの送受信コイル 173と金属膜174を重ねて、かつ、ボンディング 配線のためのスペースを確保できる。同様に してチップ3とチップ4とを積層する。そして ップ3とチップ4に対してチップ1とチップ2を x方向にコイルの間隔だけずらして図18(c)に示 すように積層すれば、図19に示すリピート用 路を実現できる。

 図19に示すように(図18(c)と同じ)、2つの送 受信コイルの一方をTxに他方をRxに(時々に応 て)使い分けることにより、下方向のリピー ト動作と上方向のリピート動作のいずれも時 々刻々と変えて実現できる。送信コイルTx、 信コイルRx、金属膜180を示す。

 図19のように複数のリピートチャネルを 置する場合、同一チップで隣接チャネルの 信コイルTxと受信コイルRxの間の干渉が問題 なるが、送信コイルTxが送信するときは、 接する受信コイルRxをdisableにすることで解 できる。

 図19に示す例の場合、リピート方向が同 隣接チャネルの受信コイルRxと送信コイルTx 接近しているが、隣接チャネルの信号送受 が同期している場合は、隣接チャネルのRx disableにすればよい。

 一方、図19に示すように、リピート方向 反対の隣接チャネルとの境界において、2つ 受信コイルRxが接近していて、上下のチッ の送信コイルTxとのクロストークが問題とな る。例えば、チップ5のチャネル2の受信コイ Rxは真上のチップ3の送信コイルTxから信号 受信するが、斜め下のチップ7のチャネル3の 送信コイルTxからの信号が混信する可能性が る。同様に、チップ5のチャネル3の受信コ ルRxは真下のチップ7の送信コイルTxから信号 を受信するが、斜め上のチップ3のチャネル2 送信コイルTxからの信号が混信する可能性 ある。しかし、磁界減衰用の金属膜180を挿 することで、クロストークは大幅に低減す ことができ、コイルの配列ピッチをおよそ 分に小さくすることができることが電磁界 析シミュレーションで確認できている。

 また、図20に示す例のように2つのコイル つに金属膜190が重なるように配置すると、 ピート方向が同じ隣接チャネルの受信コイ Rxと送信コイルTxが接近しないようにできる 。

 さらに、図21や図22に示すように、磁性体 膜と金属膜を組み合わせて使うことで、こう した効果を増大させることもできる。

 図21は、磁性体膜130に金属膜140を併用す ものである。

 図22は、金属膜191を磁性体膜192でサンド ッチする構造を使用するものである。

 また、図23に示すように、同一基板内に 信コイルTx、受信コイルRx、及び金属膜194を 層実装すれば、同一構造のチップを180度回 しながら積層することができ、2組のコイル を用いて1つの通信路を形成できる。図8に示 例に比べて通信経路に必要なコイルの数を3 から2に削減できる。

 図24は、実施例9による送信器及び受信器 構成を示す図である。図25は、実施例9の各 号の波形を示す図である。本実施例の送信 は、遅延器81、EXOR回路82及びトランジスタ83 、84から成る。本実施例の受信器は、ヒステ シス比較器370であるトランジスタ371~376及び 分周回路380から成る。実施例3~8のように応答 が返ってくることのない場合には、図24に示 パルス送信器を用いてデータ送信・リピー が可能である。図25に示すようにパルス送 器は送信データの極性が反転するときにの 、その変化に応じてパルス幅τの電圧信号に よって三角波電流(IT)を流す。データ送信後 電流(IT)が流れ続ける実施例1(図1)の送信器に 比べて、送信電力を大幅に低減できる。なお 、図中の受信信号波形の傍の点線は非同期受 信器の入力しきい値を示す。信号を受信した 後、入力しきい値を一度下げてから元に戻す 。これにより、受信側でも送信データの極性 が反転するときにパルス幅τ/2のパルス信号 得て、これを分周して受信信号Rxdataを得る

 図26は、実施例10による送信器の構成を示 す図である。図26(a)は、送信器の構成を示し 図26(b)はパルス発生回路の構成を示す。本 施例の送信器は、パルス発生回路90、インバ ータ101、103、NOR回路102、104、及びトランジス タ105~108から成り、同期式送信器を構成する 実施例3~8のように応答が返ってくることの い場合には、図26に示す同期式送信器を用い てデータ送信・リピートが可能である。パル ス発生回路90は、インバータ91~93、及びNAND回 94から成る。パルス発生回路90は、クロック Txclkを入力してインバータ91~93による遅延に 当する期間のパルスを発生する。

 図27は、実施例10の各信号の波形を示す図 である。送信器はパルス発生回路90のパルス の期間の、送信データに応じた正又は負の ルスを送信コイル60に流す。したがって一 の電流を流し続ける実施例1(図1)の送信器と べて、著しく消費電力を削減することがで る。この場合、受信コイルに生じる微小電 信号(VR)は、図27に示すようになる。

 図28は、実施例10による受信器の構成を示 す図である。受信器は、抵抗111、112、トラン ジスタ113~120、125、NAND回路121、122、及びイン ータ123、124から成り、全体としてラッチつ 比較器を構成している。外部から受信クロ ク(同期信号)Rxclkをとり、受信信号Rxdataを出 力する。トランジスタ113、114が差動アンプの 差動対をなし、受信コイル10からの信号VRを ける。NAND回路121、122はラッチを形成してい 。差動アンプで受信したデータはトランジ タ115、116へ入力される受信クロックRxclkに 期してサンプリングされ、NAND回路121、122に りラッチされ、受信信号Rxdataが復元される この受信器はデータの再生にシステムのク ックを用いる同期式である。図27に示すよ に受信電圧信号の前半(又は後半)の波形の真 ん中で正負を判定してディジタル信号に変換 できる。図27の同期式受信器は、クロックが 加された際の充放電電力のみを消費するた 、信号が来ていない間も一定の電流を流し ける実施例1(図1)の非同期受信器に比べて、 著しく消費電力を削減することができる。

 図29は、実施例11による送信器及び受信器 の構成を示す図である。図30は、実施例11の 部の波形を示す図である。本実施例11は、デ ータ通信に実施例10(図27、図28)に示す同期送 器及び受信器を用い、受信データパルスの 出タイミングを取るためのクロック信号に 施例1(図1)に示す非同期送信器及び受信器を 用いて構成した例である。データについて、 受信コイル210、受信器220、制御回路230、送信 器250、及び送信コイル260を備える。クロック について、受信コイル310、受信器320、制御回 路330、遅延器228、送信器350、送信コイル360を 備え、さらに、クロックをτ1遅延させる遅延 器270を備える。

 クロックは図5のようにしてリピート伝送さ れる。受信クロック信号(4)が受信データパル スの前半の波形の真ん中で正負を判定できる ように、受信クロック信号の遅延量τ1を調整 してデータ送信タイミング(3)を遅らせる。デ ータ送信器では、クロック(6)が送信器を駆動 する時刻よりもセットアップ(Tsetup)時間以上 にデータ(5)が送信器に入力していなければ らない。データ通信に要する時間をT1、ク ック通信に要する時間T2とする(データ通信 とクロック通信用では送受信回路が異なる でT1とT2は一般に異なる)。クロック送信タイ ミング(1)を基準に各信号の伝播時間を求める と、図30に示すように、データ(5)はT1+τ1後に 着する。また、データ送信タイミング(6)はT 2+τ1+τ2後に到着する。したがって、
  (T2+τ1+τ2)-(T1+τ1)≧Tsetup すなわち
  τ2≧Tsetup+T1-T2
を満たすように、タイミング調整用遅延τ2の 遅延量を調整して、送信器のセットアップ時 間を確保する。

 τ2の値がマイナスの値になった場合は、 ロック送信器の前に(τ2の)遅延は不要であ 。

 図31は、実施例12による電子回路の構造を 示す図である。図32は、実施例12の各部の波 を示す図である。本実施例は、クロックに いて実施例3(図8)の構成を用い、データにつ て実施例1(図2(b))の構成を用いた例である。 クロックとデータが到達する最大通信距離が 異なり、クロックとデータが異なるチップで リピートされると、両者のタイミングをτ1で 調整し損じることになり、リピート動作を誤 る。実施例12はクロックについて複数コイル 用いて目標のチップ以外のチップに受信さ ないようにする。これにより、クロックと ータの同期を正確にとることができる。実 例9(図24)に示したパルス送信回路でクロッ を送信すると、送信コイルを流れる電流は 25のITのようになり、送信電力を大幅に削減 きる。クロックは、実施例1(図1)の非同期受 信回路で受信することができる。ただし、受 信パルス信号の後半(前半とは極性が逆)でク ック信号を受信することになるので、受信 ロックの反転信号をデータ同期受信器のタ ミングに使う。なお、図中の受信信号波形 傍の点線は非同期受信器の入力しきい値を す。ロー信号を受信した後は、入力しきい を比較的高い電位に変えることでノイズ耐 を高めながら、ハイ信号の受信に備える。

 図33は、本発明の通信に用いるデータ構 の一例を示す図である。ヘッダには、通信 チップが指定されている。チップが16枚ある 場合は、4ビットで表現できる。例えば10番目 のメモリチップは、1001で表せる。ヘッダの にデータ列のペイロードがある。この例で 、32ビットのデータ列である。

 図34は、基板の積層位置情報を有線によ プログラムする例を示す図である。各チッ は、自分がどの位置(何階)に実装されたかを チップIDとして知っている。例えば、ボンデ ング配線やチップに搭載された不揮発性メ リで、チップIDをプログラムできる。

 disableにした送受信回路は、次のデータ伝 送の前に一斉に復帰させる。復帰のタイミン グを知らせるenable信号は、図34(a)に示すよう コントロールチップ(不図示)から共通のボ ディング配線198を介してすべてのチップ197 ブロードキャストする。その後、再び各チ プ197に誘導結合通信でヘッダ情報が伝えら 、不要な送受信回路はdisableになる。

 このenable配線を利用して、更にチップの 層位置に関する情報をチップの実装段階で ップに与えることができる。図34(b)に示す では、各チップ197に備えた3つのパッドP1~P3(2 03、206、209)と電源との間に抵抗201、204、207及 びトランジスタ202、205、208を直列に接続して トランジスタ202、205、208のゲートにバー/detec tion信号を入力する。このどのパッド203、206 209にenable配線211をボンディングするかによ て、図34(b)に示すように、チップの積層位置 が下から1番目と4番目のように3で割って余り が1となる積層順位(すなわちmod3=1)か、2番目 5番目のように3で割って余りが2となる積層 位(すなわちmod3=2)か、3番目と6番目のように3 で割って余りが0となる積層順位(すなわちmod3 =0)かをチップに知らせることができる。すな わち、基板であるチップの積層順を表す整数 の3を法とする剰余を積層位置情報とするこ ができる。例えば、図34(b)に示すようにenable 配線211をパッドP3(209)にボンディングした場 、バー/detection信号をローにしてenable信号を ーにすると、D1とD2はハイになり、D3はロー なる。このようにして、enable配線211がどの ッド203、206、209にボンディングされたかを 気的に調べることができる。enable信号をロ にしたときにD3がローになるように、抵抗20 1、204、207の抵抗値は十分に高く選定する。 た、積層順位を調べるときにはenable信号と て直流電流が流れるが、バー/detection信号を イにすればトランジスタ202、205、208はオフ なり直流電流は流れなくなる。

 先の例では、チップ4、8、12がリピータ機 能を持つように、チップIDを使って設定し、 のチップはリピータ機能を持たない(つまり 受信信号が送信器に送られて再送されること はない)ようにプログラムできる。

 まず、ヘッダの4ビットを32のメモリチッ に送信する。つまり全部のメモリチップが ッダのデータを受信する。

 送受信器が非同期回路の場合は、図5に示 すように、リピータが再送するのは一度限り である。なぜなら、受信したデータをリピー トし、次のリピータが再送したデータが応答 のように戻ってきても、先程受信したデータ と同じデータなので、受信器の出力(つまり 信器の入力)は変わらないからである。

 送受信器が同期回路の場合は、同じデー を続けて送信するときも、送信器は送信コ ルに流れる電流を変化させ、磁場の変化を ずる。先程送信したデータの応答による磁 の変化が生じると、それが消えるまで、新 いデータを受信できない。したがって、送 信器が同期回路の場合は、再送動作は一回 限るように制御しなければならない。

 データの送受信を同期回路にした場合、 の同期タイミングを作るクロックの送受信 非同期回路で構成すれば、クロックは応答 複数回の信号にならないので、再送動作は 回に限られる。

 各チップがヘッダ情報を受け取った後に 各リピータは、データ再送をすべきかどう を以下のように判定する。もし、D<ID<S らば再送する。つまりそのリピータがDとS 間にあれば再送する。そうでなければ、再 しない。

 こうして、ペイロードデータ列の送受信 始める。

 各送受信器は、自分が送信先の場合のみ つまりID=Sの場合のみ、データを受信する。 ID>Sの場合は、送受信回路をdisableにしたり あるいは受信した信号を新しく取り込まな 。

 送信チップと受信チップと中継チップと 同じ構造のものであっても良い。

 なお、本発明は上記実施例に限定される のではない。また、以上の説明でデータは 離散信号であり、2値(ディジタル)又は多値 信号である。また、データは、制御信号な も含む。

 本発明は、コイルとこのコイルに接続さ る中継器とを有する1枚の基板から成るメモ リ等のチップである電子回路であっても良い 。この場合、複数のチップがパソコンのスロ ットに積層装着されて、チップ間の通信を誘 導結合によるものとすることができる。

 明細書、特許請求の範囲及び図面を含む2008 年 6月 3日に出願の日本特許出願2008-146248の 示は、そのまま参考として、ここにとり入 るものとする。
 本明細書で引用したすべての刊行物、特許 び特許出願は、そのまま参考として、ここ とり入れるものとする。

 21、22、27~33、51~54、71~74、83、84、91~93、105~10 8、113~120、125、202、205、208、371~376 トランジ タ
 10、210、310 受信コイル
 20、220、320 受信器
 23、25、101、103、123、124 インバータ
 24、25、111、112、201、204、207 抵抗
 40、230、330 制御回路
 50、250、350 送信器
 60、260、360 送信コイル
 70、173 送受信コイル
 75、76、121、122 NAND回路
 81、228、270 遅延器
 82 EXOR回路
 90 パルス発生回路
 102、104 NOR回路
 130、192 磁性体膜
 140、141、142、150、160、174、180、190、194 金 膜
 171 第1基板
 172 第2基板
 197 チップ
 198 ボンディング配線
 203、206、209 パッド
 211 enable配線
 370 ヒステリシス比較器
 380 分周回路
 Rx 受信コイル
 Tx 送信コイル
 




 
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