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Patent Searching and Data


Title:
ELECTRONIC DOCUMENT PROCESSING SYSTEM, METHOD, AND PROGRAM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/144796
Kind Code:
A1
Abstract:
An encryption technique which enables an important part of an electronic document kept secret to be printed on a paper medium or the like and the user to read it and is capable of the uniform management of data is provided. An electronic document processing system (900) comprises a digital image generating section (15) for generating digital images in a predetermined range of the electronic document, an image encryption section (11) for generating encrypted images by converting at least some areas of the generated digital images, a data encryption section (21) for generating encrypted data by extracting the data included in the predetermined range out of data constituting the electronic document to encrypt the data, an encrypted data storage section (22) for storing the encrypted data, and an encrypted electronic document generating section (23) for replacing the data included in the predetermined range of the electronic document with the encrypted images to generate an encrypted electronic document.

Inventors:
INAMI YASUHARU (JP)
NAGASHIMA MUTSUMU (JP)
KURAKI KENSUKE (JP)
ANAN TAIZO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/059910
Publication Date:
December 03, 2009
Filing Date:
May 29, 2008
Export Citation:
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Assignee:
PFU LTD (JP)
FUJITSU LTD (JP)
INAMI YASUHARU (JP)
NAGASHIMA MUTSUMU (JP)
KURAKI KENSUKE (JP)
ANAN TAIZO (JP)
International Classes:
G09C5/00; G06F21/60; G06F21/62; H04L9/14; H04N1/44
Domestic Patent References:
WO2008053576A12008-05-08
Foreign References:
JP2000332984A2000-11-30
JP2000315998A2000-11-14
JP2002300408A2002-10-11
Attorney, Agent or Firm:
MATSUKURA, Hidemi et al. (JP)
Hidemi Matsukura (JP)
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Claims:
 電子ドキュメントにおける所定の範囲について、画素の集合としてのデジタル画像を生成するデジタル画像生成手段と、
 前記デジタル画像生成手段によって生成された前記デジタル画像のうち、少なくとも一部の領域を、鍵情報を用いて変換することで、暗号化画像を生成する画像暗号化手段と、
 前記電子ドキュメントを構成するデータのうち、前記所定の範囲に含まれるデータを抽出し、抽出されたデータについて、鍵情報を用いてデータ暗号化を行うことで、暗号化データを生成するデータ暗号化手段と、
 前記暗号化データを保存する暗号化データ保存手段と、
 前記電子ドキュメントのうち前記所定の範囲に含まれるデータを前記暗号化画像で置換することで、暗号化電子ドキュメントを生成する暗号化電子ドキュメント生成手段と、
 を備える、電子ドキュメント処理システム。
 前記電子ドキュメントが描画出力されたイメージにおいて指定された、画像暗号化の対象となる画像暗号化対象領域の入力を受け付ける入力受付手段と、
 前記入力受付手段によって受け付けられた前記画像暗号化対象領域に基づいて、前記電子ドキュメント内におけるデータの各要素のうち、前記描画出力されたイメージにおいて該要素の描画イメージの少なくとも一部が前記画像暗号化対象領域に入る要素を全て含む範囲を、前記デジタル画像生成手段による画像化の対象となる前記所定の範囲として特定する画像化対象範囲特定手段と、
 を更に備える、請求項1に記載の電子ドキュメント処理システム。
 前記暗号化データ保存手段は、前記電子ドキュメントのヘッダ領域、フッタ領域、コメント領域または拡張領域に前記暗号化データを追加することで、前記暗号化データを保存する、
 請求項1または2に記載の電子ドキュメント処理システム。
 前記暗号化データ保存手段は、前記暗号化画像に、ステガノグラフィ、電子透かしまたは該画像のメタ情報として、前記暗号化データを追加する、
 請求項1または2に記載の電子ドキュメント処理システム。
 前記画像暗号化手段は、暗号化の対象となる領域の画像を、鍵情報を用いて処理画像に変換し、前記処理画像の画素値を規則的に変換することで、復号の際に暗号化位置の特定に用いられる規則性を有する変換画像を含む、前記暗号化画像を生成する、
 請求項1から4の何れか一項に記載の電子ドキュメント処理システム。
 電子ドキュメントにおける所定の範囲のデータが、該所定の範囲について生成されたデジタル画像の少なくとも一部が変換されたことで生成された暗号化画像によって置換された電子ドキュメントを処理するための、電子ドキュメント処理システムであって、
 前記所定の範囲のデータが暗号化されることで生成された暗号化データを取得する暗号化データ取得手段と、
 前記暗号化データ取得手段によって取得された暗号化データを、鍵情報を用いて復号することで、復号済データを生成するデータ復号手段と、
 前記電子ドキュメントに含まれる前記暗号化画像を前記復号済データで置換することで、復号済電子ドキュメントを生成する復号済電子ドキュメント生成手段と、
 を備える、電子ドキュメント処理システム。
 前記電子ドキュメントから前記暗号化画像を取得する暗号化画像取得手段と、
 前記暗号化画像取得手段によって取得された前記暗号化画像を、鍵情報を用いて復号することで、復号済のデジタル画像を生成する画像復号手段と、
 前記暗号化画像を含む電子ドキュメントが閲覧目的で出力される場合に、前記暗号化画像に代えて、前記画像復号手段によって復号されたデジタル画像を出力する、復号済デジタル画像出力手段と、
 を更に備える、請求項6に記載の電子ドキュメント処理システム。
 前記画像復号手段は、前記暗号化画像のうち画素値が規則的に変換されている暗号化位置を検出し、前記暗号化位置と鍵情報とに基づいて前記暗号化画像をデジタル画像に復号する、
 請求項7に記載の電子ドキュメント処理システム。
 前記暗号化データ取得手段は、前記電子ドキュメントのヘッダ領域、フッタ領域、コメント領域または拡張領域から、前記暗号化データを取得する、
 請求項6から8の何れか一項に記載の電子ドキュメント処理システム。
 前記暗号化データ取得手段は、前記暗号化画像に含まれるステガノグラフィ、電子透かしまたは該画像のメタ情報から、前記暗号化データを取得する、
 請求項6から8の何れか一項に記載の電子ドキュメント処理システム。
 コンピュータによって、
 電子ドキュメントにおける所定の範囲について、画素の集合としてのデジタル画像を生成するデジタル画像生成ステップと、
 前記デジタル画像生成ステップで生成された前記デジタル画像のうち、少なくとも一部の領域を、鍵情報を用いて変換することで、暗号化画像を生成する画像暗号化ステップと、
 前記電子ドキュメントを構成するデータのうち、前記所定の範囲に含まれるデータを抽出し、抽出されたデータについて、鍵情報を用いてデータ暗号化を行うことで、暗号化データを生成するデータ暗号化ステップと、
 前記暗号化データを保存する暗号化データ保存ステップと、
 前記電子ドキュメントのうち前記所定の範囲に含まれるデータを前記暗号化画像で置換することで、暗号化電子ドキュメントを生成する暗号化電子ドキュメント生成ステップと、
 が実行される、電子ドキュメント処理方法。
 電子ドキュメントにおける所定の範囲のデータが、該所定の範囲について生成されたデジタル画像の少なくとも一部が変換されたことで生成された暗号化画像によって置換された電子ドキュメントを処理するための、電子ドキュメント処理方法であって、コンピュータによって、
 前記所定の範囲のデータが暗号化されることで生成された暗号化データを取得する暗号化データ取得ステップと、
 前記暗号化データ取得ステップで取得された暗号化データを、鍵情報を用いて復号することで、復号済データを生成するデータ復号ステップと、
 前記電子ドキュメントに含まれる前記暗号化画像を前記復号済データで置換することで、復号済電子ドキュメントを生成する復号済電子ドキュメント生成ステップと、
 が実行される、電子ドキュメント処理方法。
 コンピュータを、
 電子ドキュメントにおける所定の範囲について、画素の集合としてのデジタル画像を生成するデジタル画像生成手段と、
 前記デジタル画像生成手段によって生成された前記デジタル画像のうち、少なくとも一部の領域を、鍵情報を用いて変換することで、暗号化画像を生成する画像暗号化手段と、
 前記電子ドキュメントを構成するデータのうち、前記所定の範囲に含まれるデータを抽出し、抽出されたデータについて、鍵情報を用いてデータ暗号化を行うことで、暗号化データを生成するデータ暗号化手段と、
 前記暗号化データを保存する暗号化データ保存手段と、
 前記電子ドキュメントのうち前記所定の範囲に含まれるデータを前記暗号化画像で置換することで、暗号化電子ドキュメントを生成する暗号化電子ドキュメント生成手段と、
 として機能させる、電子ドキュメント処理プログラム。
 電子ドキュメントにおける所定の範囲のデータが、該所定の範囲について生成されたデジタル画像の少なくとも一部が変換されたことで生成された暗号化画像によって置換された電子ドキュメントを処理するための、電子ドキュメント処理プログラムであって、コンピュータを、
 前記所定の範囲のデータが暗号化されることで生成された暗号化データを取得する暗号化データ取得手段と、
 前記暗号化データ取得手段によって取得された暗号化データを、鍵情報を用いて復号することで、復号済データを生成するデータ復号手段と、
 前記電子ドキュメントに含まれる前記暗号化画像を前記復号済データで置換することで、復号済電子ドキュメントを生成する復号済電子ドキュメント生成手段と、
 として機能させる、電子ドキュメント処理プログラム。
Description:
電子ドキュメント処理システム 方法およびプログラム

 本発明は、電子ドキュメントを暗号化す ための技術に関する。

 印刷物の暗号化を扱った技術として、ま 画像全体を複数のブロックに分割し、入力 スワード(暗号鍵)から得られるパラメータ 基づき分割ブロックの画像を並び替え、さ にパラメータで指定されるブロックの画像 白黒反転およびミラー反転して画像を暗号 する技術がある(特許文献1を参照)。暗号化 像を復号する際は、画像の外側に位置決め の枠を付加しパスワード(復号鍵)を入力後、 暗号化と逆の手順で元の画像を復号する。

 また、バイナリデータを表す所定の大きさ 白黒の方形をマトリックス状に並べ、印刷 に埋め込む技術がある(特許文献2を参照)。 らに、復号の際に画像化された位置がわか ように、印刷物には位置決め用のシンボル マトリックスの所定の位置に付加される。 の位置決めシンボルを基準として、スキャ やカメラなどで画像を撮影し埋め込まれた 報を復号する。

特開平8-179689号公報

特許第2938338号公報

 従来、情報漏洩を防止するための技術と て、電子ドキュメント全体をバイナリデー として暗号化し、権限のあるユーザ(復号パ スワードを知っているユーザ)にのみ平文を 覧可能とする技術がある。しかし、このよ な技術では、重要な部分を秘匿した状態で 媒体等に印刷して情報を閲覧させることが 来ない。このような問題に対応可能な技術 して、従来、電子ドキュメントの重要な部 を黒く塗りつぶす技術が用いられ、製品化 れている。しかし、このような技術では、 報の漏洩を防止するために、塗りつぶされ 部分のデータは完全に削除され、一旦塗り ぶしを行うと、そのデータから元のデータ 復元することは出来ない。このため、デー ベース等でドキュメントを管理する場合に 重要な部分が塗りつぶされたデータと、重 な部分が塗りつぶされていないデータ(元の ータ)とを二重で管理する必要がある。

 本発明は、上記した問題に鑑み、電子ド ュメントの重要な部分を秘匿した状態で紙 体等に印刷して閲覧させることが可能であ 、且つデータの一元管理が可能な電子ドキ メントの暗号化技術を提供することを課題 する。

 本発明は、上記した課題を解決するため 、以下の手段を採用した。即ち、本発明は 電子ドキュメントにおける所定の範囲につ て、画素の集合としてのデジタル画像を生 するデジタル画像生成手段と、前記デジタ 画像生成手段によって生成された前記デジ ル画像のうち、少なくとも一部の領域を、 情報を用いて変換することで、暗号化画像 生成する画像暗号化手段と、前記電子ドキ メントを構成するデータのうち、前記所定 範囲に含まれるデータを抽出し、抽出され データについて、鍵情報を用いてデータ暗 化を行うことで、暗号化データを生成する ータ暗号化手段と、前記暗号化データを保 する暗号化データ保存手段と、前記電子ド ュメントのうち前記所定の範囲に含まれる ータを前記暗号化画像で置換することで、 号化電子ドキュメントを生成する暗号化電 ドキュメント生成手段と、を備える、電子 キュメント処理システムである。

 ここで、電子ドキュメントとは、文書(テ キスト)、図表、イラスト等の何らかの情報 含むデータをいう。これらの電子ドキュメ トは、例えば文書作成アプリケーション、 計算アプリケーション、イラスト作成アプ ケーション等によって作成される。デジタ 画像生成手段は、電子ドキュメントにおけ 所定の範囲について、該電子ドキュメント 表示または印刷する際のイメージに基づい 、画素の集合としてのデジタル画像(例えば ビットマップデータ)を生成する。

 ここで、所定の範囲には、少なくとも画 としての暗号化(以下、「画像暗号化」と称 する)を行いたい部分、即ち電子ドキュメン が表示や印刷出力された際に内容を秘匿し い部分が含まれる。本発明では、このよう 所定の範囲をデジタル画像化することで、 像暗号化による情報の閲覧制限を行うこと 可能となっている。画像暗号化では、デジ ル画像の全体を暗号化する必要はなく、デ タル画像内の、内容の閲覧を制限したい少 くとも一部の領域について暗号化すればよ 。なお、本発明において、画像暗号化とは 画像において、鍵情報に基づいて、少なく も画像を分割して並べ替える(スクランブル) 処理を含む画像処理を行うことで、画像を閲 覧した者が、処理前の画像がどのような画像 であったか容易には判別出来なくすることを 指す。

 閲覧を制限したい領域を含む暗号化画像 生成されると、暗号化電子ドキュメント生 手段がデータを暗号化画像で置換する。こ ようにすることで、閲覧権限を有さない者 対して重要な情報の閲覧を制限しつつ、閲 権限を有する者に対しては、復号鍵を用い 元のデジタル画像を復号することで、情報 閲覧を許可することが可能となる。本発明 係る電子ドキュメント処理システムによれ 、暗号化された情報は画像であるため、重 な情報のみを暗号化した状態でディスプレ 等に表示したり、紙媒体に印刷して回覧し りすることが可能であり、更に、必要なと に暗号化された部分を元に戻す(復号する) とが可能である。

 この技術によれば、黒塗り処理等が行わ た電子ドキュメントとオリジナルの電子ド ュメントとの二重管理の必要が無くなり、 ータの一元管理が可能となる。また、紙媒 等に印刷した場合であっても、スキャナ等 用いて取り込んだ画像から元の画像へ復号 ることが可能である。しかし、秘匿したい 囲を画像化して暗号化した場合、電子ドキ メントに含まれる各要素(テキストやレイア ウト等)はまとめて画像化されているため、 号を行うことでドキュメントの閲覧は可能 あるが、このままではドキュメントの編集( えば、テキストやレイアウト等の変更)をす ることが困難となる。

 このため、本発明では、秘匿したい情報 ついて、更にデータ暗号化が行われる。こ で、本発明において、データ暗号化とは、 子ドキュメントを構成する情報(データ)を 鍵情報に基づいて処理することで、処理前 情報が容易に取得されることを困難にする とを指す。暗号化データが生成されると、 号化データ保存手段が暗号化データを保存 る。このようにすることで、権限を有さな 者が重要な情報を取得することを制限しつ 、必要な場合には、適切な鍵情報を用いて 号化データから暗号化前のデータを復元し 、暗号化された部分についても容易に編集 能な電子ドキュメントを復号することが出 る。

 即ち、本発明によれば、表示や印刷出力 おいて暗号化画像を出力しつつ、必要な際 は暗号化前の完全な電子ドキュメントを復 して編集可能な、暗号化電子ドキュメント 生成することが可能となる。また、本発明 係る電子ドキュメント処理システムによっ 生成される暗号化電子ドキュメントには、 号化画像が含まれるため、印刷出力等によ て電子ドキュメントとしての情報が失われ 複製物についても、スキャナ等で撮像して 像復号が可能な装置に取り込み、適切な鍵 報を用いて画像復号を行うことによって、 要な情報の閲覧を行うことが可能である。 に、本発明に係る電子ドキュメント処理シ テムによれば、暗号化前の電子ドキュメン の復元、および印刷された紙媒体等からの 号の何れについても可能であるために、用 によって暗号化に用いる技術を選択しなけ ばならないといった作業が不要となり、ユ ザは、暗号化後の電子ドキュメントの取り いを意識することなく、少ない作業で暗号 電子ドキュメントの作成を行うことが出来 。

 但し、データ暗号化の対象となるデータ 、画素の集合としてのデジタル画像と異な 、所定の単位で区切られた情報の要素の集 である。このため、画素単位で暗号化範囲 詳細に指定できるデジタル画像の画像暗号 と異なり、データ暗号化では、任意の範囲 ついてのみ暗号化することが困難である場 がある。例えば、文字列の最小単位(要素) あり、文字コードによって定義される1つの 字を、更に細かく分割して一部をデータ暗 化することや、1つの画像の一部領域のみを バイナリデータの暗号技術を用いてデータ暗 号化することは困難である。

 このため、本発明に係る電子ドキュメン 処理システムは、前記電子ドキュメントが 画出力されたイメージにおいて指定された 画像暗号化の対象となる画像暗号化対象領 の入力を受け付ける入力受付手段と、前記 力受付手段によって受け付けられた前記画 暗号化対象領域に基づいて、前記電子ドキ メント内におけるデータの各要素のうち、 記描画出力されたイメージにおいて該要素 描画イメージの少なくとも一部が前記画像 号化対象領域に入る要素を全て含む範囲を 前記デジタル画像生成手段による画像化の 象となる前記所定の範囲として特定する画 化対象範囲特定手段と、を更に備えてもよ 。

 ここで、電子ドキュメント内におけるデ タの要素とは、電子ドキュメントを描画す 際に描画イメージを構成する要素として、 れ以上分割されること無く用いられるもの あり、例えば、電子ドキュメントに含まれ 文字や画像等がこれにあたる。画像暗号化 象領域を指定する際には、画素単位での指 が可能となるため、画像暗号化対象領域が ある要素をまたがって指定される場合があ 。この場合、画像暗号化においては、指定 れた画像暗号化対象領域を正確に暗号化し 一部のみが領域に含まれる要素については 領域に含まれる部分のみ画像暗号化すれば い。しかし、電子ドキュメントを、要素を 成するデータの集合と捉えた場合、1の要素 を構成するデータを、画像暗号化対象領域の 画素単位の指定に従って分割することは困難 である。

 本発明は、電子ドキュメントが描画出力 れたイメージにおける範囲であって、要素 描画イメージの少なくとも一部が前記画像 号化対象領域に入る要素を全て含む範囲を デジタル画像生成手段による画像化の対象 なる前記所定の範囲として特定することで 要素をまたがるような画像暗号化対象領域 指定が行われた場合にも、重要な情報を正 にデータ暗号化することを可能としている

 また、本発明は、電子ドキュメントにお る所定の範囲のデータが、該所定の範囲に いて生成されたデジタル画像の少なくとも 部が変換されたことで生成された暗号化画 によって置換された電子ドキュメントを処 するための、電子ドキュメント処理システ であって、前記所定の範囲のデータが暗号 されることで生成された暗号化データを取 する暗号化データ取得手段と、前記暗号化 ータ取得手段によって取得された暗号化デ タを、鍵情報を用いて復号することで、復 済データを生成するデータ復号手段と、前 電子ドキュメントに含まれる前記暗号化画 を前記復号済データで置換することで、復 済電子ドキュメントを生成する復号済電子 キュメント生成手段と、を備える、電子ド ュメント処理システムである。

 本発明では、閲覧時に暗号化画像を表示 ることで重要な情報の閲覧を制限する電子 キュメントにおいて、この暗号化画像を復 する代わりに、暗号化画像と対応する範囲 データがデータ暗号化されることで生成さ た暗号化データを取得して復号する。この うにして生成された復号済データで暗号化 像を置換することで、本発明は、暗号化画 によって閲覧制限を行っている電子ドキュ ントにおいても、必要な場合にデジタル画 化前の電子ドキュメントを復元し、ドキュ ントの編集を行うことを可能とした。

 なお、本発明に係る電子ドキュメント処 システムでは、保存されている暗号化デー を復号することで、編集可能な電子ドキュ ントを復元することが可能であるが、電子 キュメントの閲覧のみが目的である場合に 、暗号化画像から復号された復号済のデジ ル画像を出力することとしてもよい。

 即ち、本発明に係る電子ドキュメント処 システムは、前記電子ドキュメントから前 暗号化画像を取得する暗号化画像取得手段 、前記暗号化画像取得手段によって取得さ た前記暗号化画像を、鍵情報を用いて復号 ることで、復号済のデジタル画像を生成す 画像復号手段と、前記暗号化画像を含む電 ドキュメントが閲覧目的で出力される場合 、前記暗号化画像に代えて、前記画像復号 段によって復号されたデジタル画像を出力 る、復号済デジタル画像出力手段と、を更 備えてもよい。

 また、前記暗号化データ保存手段は、前 電子ドキュメントのヘッダ領域、フッタ領 、コメント領域または拡張領域に前記暗号 データを追加することで、前記暗号化デー を保存してもよいし、前記暗号化データ取 手段は、前記電子ドキュメントのヘッダ領 、フッタ領域、コメント領域または拡張領 から、前記暗号化データを取得してもよい 暗号化データは、暗号化電子ドキュメント 復号する際に、簡易に取得することが可能 方法で保存されることが好ましい。暗号化 ータを電子ドキュメント自体に追加するこ で、暗号化電子ドキュメントを復号する際 、対応する暗号化データを簡易に取得する とが出来る。

 なお、電子ドキュメント内の複数の領域 ついて暗号化データが生成された場合には 暗号化データ保存手段は、画像暗号化対象 域または画像化対象範囲と暗号化データと 関連付けて保存することが好ましい。関連 けは、画像暗号化対象領域または画像化対 範囲と暗号化データとに識別情報を付加す 方法や、暗号化データに画像暗号化対象領 または画像化対象範囲の位置情報を付加す 方法等を採用することが出来る。

 また、前記暗号化データ保存手段は、前 暗号化画像に、ステガノグラフィ、電子透 しまたは該画像のメタ情報として、前記暗 化データを追加してもよいし、前記暗号化 ータ取得手段は、前記暗号化画像に含まれ ステガノグラフィ、電子透かしまたは該画 のメタ情報から、前記暗号化データを取得 てもよい。このようにすることで、単一の 子ドキュメント内で複数の領域について暗 化データが生成された場合にも、識別情報 位置情報を用いた関連付けを行う必要なく 画像暗号化対象領域または画像化対象範囲 対応する暗号化データを特定することが出 る。

 なお、暗号化データ保存手段は、ネット ーク等を介して接続されたサーバ装置等に 暗号化データを保存してもよいし、暗号化 ータ取得手段は、このサーバ装置から暗号 データを取得してもよい。このような場合 も、識別情報や位置情報を用いた関連付け 行う必要がある。また、サーバ装置に暗号 データを保存する場合には、サーバ装置へ アクセス権をユーザ毎に制御することで、 クセス権によって、編集可能な電子ドキュ ントの復元を許可するか否かの制御を行う とが出来る。

 ここで、前記画像暗号化手段は、暗号化 対象となる領域の画像を、鍵情報を用いて 理画像に変換し、前記処理画像の画素値を 則的に変換することで、復号の際に暗号化 置の特定に用いられる規則性を有する変換 像を含む、前記暗号化画像を生成し、前記 像復号手段は、前記暗号化画像のうち画素 が規則的に変換されている暗号化位置を検 し、前記暗号化位置と鍵情報とに基づいて 記暗号化画像をデジタル画像に復号する。 号化処理時に画素値が規則的に変換される とで、復号化処理時に、この規則性に基づ て暗号化位置を検出することが出来、精度 高い復号が可能となる。

 更に、本発明は、コンピュータが実行す 方法、又はコンピュータを上記各手段とし 機能させるためのプログラムとしても把握 ることが可能である。また、本発明は、そ ようなプログラムをコンピュータその他の 置、機械等が読み取り可能な記録媒体に記 したものでもよい。ここで、コンピュータ が読み取り可能な記録媒体とは、データや ログラム等の情報を電気的、磁気的、光学 、機械的、または化学的作用によって蓄積 、コンピュータ等から読み取ることができ 記録媒体をいう。

 本発明によって、電子ドキュメントの重 な部分を秘匿した状態で紙媒体等に印刷し 閲覧させることが可能であり、データの一 管理を行うことが可能であり、更に復号後 容易に編集を行うことが可能な電子ドキュ ント処理技術が提供される。

実施形態に係る電子ドキュメント処理 ステムのハードウェア構成の概略を示す図 ある。 実施形態に係る電子ドキュメント処理 ステムの機能構成の概略を示す図である。 実施形態における暗号化処理の流れを すフローチャートである。 実施形態において、領域指定のために 示される電子ドキュメントのプレビュー画 を示す図である。 実施形態において、画像暗号化対象領 域が選択される様子を示す図である。 実施形態において、画像化対象範囲が 特定される様子を説明する図である。 実施形態において、画像化対象範囲が デジタル画像化され、デジタル画像に含まれ る画像暗号化対象領域が暗号化された暗号化 画像を示す図である。 実施形態における、データ暗号化の流 れを示す図である。 実施形態において生成された暗号化電 子ドキュメントの内容を示す図である。 実施形態において生成された暗号化電 子ドキュメントの表示イメージを示す図であ る。 実施形態において、画像暗号化対象領 域が選択され、最終的に暗号化電子ドキュメ ントが生成される流れを示すための図Aであ 。 実施形態において、画像暗号化対象領 域が選択され、最終的に暗号化電子ドキュメ ントが生成される流れを示すための図Bであ 。 実施形態において、画像暗号化対象領 域が選択され、最終的に暗号化電子ドキュメ ントが生成される流れを示すための図Cであ 。 実施形態における復号化処理の流れを すフローチャートである。 実施形態において、暗号化画像の選択 ために表示される暗号化画像のプレビュー 面を示す図である。 実施形態における紙媒体情報復号化処 の流れを示すフローチャートである。 暗号化処理および復号化処理の処理概 要(その1)を示す図である。 暗号化処理および復号化処理の処理概 要(その2)を示す図である。 第1の態様における暗号化処理の概要 示す図である。 暗号化領域を選択する例を示す図であ る。 暗号鍵の入力例を示す図である。 画像変換部におけるスクランブル処理 の一例を示す図である。 画像変換部におけるスクランブル処理 の他の例を示す図である。 スクランブル処理における微小領域の 形の変形例を示す図である。 画像変換部における圧縮処理を示す図 である。 変換データを画像化する処理を示す図 である。 画素値変換部における画素値変換処理 の例(その1)を示す図である。 画素値変換部における画素値変換処理 の例(その2)を示す図である。 暗号化処理で用いる位置決めマーカー の例を示す図である。 暗号化画像の例を示す図である。 グレースケールの画像を暗号化した例 である。 第1の態様における復号化処理の概要 示す図である。 位置決めマーカーから暗号化領域を検 出する過程を示す図である。 暗号化領域検出処理の流れを示すフロ ーチャートである。 暗号化位置が検出された例を示す図で ある。 第2の態様の全体イメージを示す図で る。 第2の態様における暗号化処理の概要 示す図である。 第2の態様における復号化処理の概要 示す図である。 暗号化領域の検出方法を説明するため の図である。 暗号化位置(横方向)の検出方法を説明 るための図である。 暗号化位置の検出を誤った例を示す図 である。 第3の態様における暗号化処理の概要 示す図である。 第3の態様における復号化処理の概要 示す図である。

 本発明の実施の形態について、図面に基 いて説明する。なお、本実施形態では、本 明に係るシステムを、暗号化および復号の 方の機能を備えた電子ドキュメント処理シ テムとして説明しているが、本発明に係る 子ドキュメント処理システムは、暗号化の 能を備えた暗号化システム、または復号の 能を備えた復号システムとして実施されて よい。

 図1は、実施形態に係る電子ドキュメント 処理システムのハードウェア構成の概略を示 す図である。電子ドキュメント処理システム 900は、コンピュータ100と、コンピュータ100に 接続されたスキャナ106およびプリンタ107とを 備える。ここで、コンピュータ100は、CPU(Centr al Processing Unit)101、RAM(Random Access Memory)102等 の主記憶装置、HDD(Hard Disk Drive)103等の補助 憶装置、ROM(Read Only Memory)104、ディスプレイ 108等の表示装置、マウス110/キーボード111等 入力装置、およびネットワークインターフ ース105を有するコンピュータであり、ネッ ワークインターフェース105には、LAN等のネ トワークを介してスキャナ106およびプリン 107が接続されている。なお、図1に示した例 は、スキャナ106およびプリンタ107は、ネッ ワークインターフェース105を介して接続さ ているが、スキャナ106およびプリンタ107は USB(Universal Serial Bus)等、他のインターフェ スを介して接続されてもよい。

 図2は、本実施形態に係る電子ドキュメン ト処理システム900の機能構成の概略を示す図 である。図1に示されたコンピュータシステ は、HDD103から読み出され、RAM102に展開され 電子ドキュメント処理プログラムをCPU101が 行することで、ユーザがマウス110やキーボ ド111等を用いてシステムに指示を与えるた のインターフェースをディスプレイ108等に 力するユーザインターフェース出力部25と、 ユーザ等による入力を受け付ける入力受付部 26と、ユーザによって指定された領域に基づ て画像化の対象範囲を特定する画像化対象 囲特定部24と、描画情報に基づいて画像化 象範囲のデジタル画像を生成するデジタル 像生成部15と、生成されたデジタル画像の少 なくとも一部を暗号化することで暗号化画像 を生成する画像暗号化部11と、画像化対象範 のデータを抽出してデータ暗号化するデー 暗号化部21と、暗号化データ保存部22と、暗 号化電子ドキュメント生成部23と、生成され 暗号化電子ドキュメント等を出力する出力 12と、を備える電子ドキュメント処理シス ム900として機能する。

 図1に示されたコンピュータシステムは、 更に、暗号化された暗号化画像を復号するた めに、HDD103から読み出され、RAM102に展開され た電子ドキュメント処理プログラムをCPU101が 実行することで、電子ドキュメントまたは紙 媒体から暗号化画像を取得する暗号化画像取 得部13と、暗号化画像に対応する暗号化デー を取得する暗号化データ取得部27と、デー 復号化部28と、復号済電子ドキュメント生成 部29と、取得されたデジタル画像の少なくと 一部を復号することで復号済のデジタル画 を生成する画像復号化部14と、を備える電 ドキュメント処理システム900として機能す 。なお、入力受付部26、ユーザインターフェ ース出力部25、出力部12、等の各機能部は、 号化画像の復号化処理においても用いられ 。

 デジタル画像生成部15は、電子ドキュメ トにおける画像化対象範囲について、画素 集合としてのデジタル画像を生成する。よ 具体的には、デジタル画像生成部15は、描画 情報に基づいて、画素形式によるデジタル画 像を生成する。描画情報とは、電子ドキュメ ントをディスプレイに表示または紙媒体に印 刷等するための、文字や書式情報、レイアウ ト等を指定する情報である。デジタル画像生 成部15は、描画情報に係る電子ドキュメント 紙媒体等へ印刷した場合またはディスプレ 108等へ表示した場合のイメージを、所謂ビ トマップ形式のデジタル画像へ変換する。 子ドキュメントを表示または印刷した場合 イメージをビットマップ形式の画像として 成することで、画像暗号化部11による画像 暗号化を施すことが可能となる。

 画像暗号化部11は、デジタル画像生成部15 によって生成されたデジタル画像における暗 号化の対象となる部分領域を指定する暗号化 領域指定部31と、指定された部分領域の画像 、暗号鍵に基づいて処理画像に変換する画 変換部32と、変換された処理画像の画素値 規則的に変換することによって、復号の際 部分領域の位置の特定に用いられる規則性 有する変換画像を生成する画素値変換部33と を有する。画像暗号化部11による暗号化処理 詳細については後述する。本実施形態では デジタル画像生成部15によって生成された ジタル画像のうち、暗号化の対象となる領 の画像を、鍵情報を用いて処理画像に変換 、処理画像の画素値を規則的に変換するこ で、復号の際に暗号化位置の特定に用いら る規則性を有する変換画像を含む、暗号化 像を生成する。

 データ暗号化部21は、電子ドキュメント 構成するデータのうち、画像化対象範囲に まれるデータを抽出し、抽出されたデータ ついて、鍵情報(本実施形態では、暗号鍵お び復号鍵として、共通鍵を用いる)を用いて データ暗号化を行うことで、暗号化データを 生成する。データの暗号化の方式は、一般に 用いられるバイナリデータの暗号方式から適 宜採用されてよい。具体的には、AES(Advanced E ncryption Standard)や、DES(Data Encryption Standard)等 の方式に従ってデータの暗号化を行うことが 可能である。暗号方式は、実施の形態に応じ て適宜最適なものが採用されることが好まし く、採用される暗号方式を選定するにあたっ ては、暗号の強度や、暗号処理にかかる処理 負荷等を考慮することが好ましい。また、ド キュメントの利用形態によっては、非対称鍵 を用いる暗号方式が採用されてもよい。

 画像復号化部14は、暗号化画像取得部13に よって取得された暗号化画像における復号の 対象となる領域を指定する復号化領域指定部 (暗号化領域検出部)142と、指定された復号化 域のうち画素値が規則的に変換されている 号化位置を検出する暗号化位置検出部143と 検出された暗号化位置と復号鍵とに基づい 前記復号化領域をデジタル画像に復号する 像逆変換部144とを有する。画像復号化部14 よる復号化処理の詳細については後述する 本実施形態では、画像復号化部14は、暗号化 画像取得部13によって取得された暗号化画像 、鍵情報を用いて復号することで、復号済 デジタル画像を生成する。この際、例えば 媒体から撮像した情報を復号する場合等、 号化領域を指定する情報が取得できない場 には、画像復号化部14は、暗号化画像のう 画素値が規則的に変換されている暗号化位 を検出し、この暗号化位置と鍵情報とに基 いて暗号化画像をデジタル画像に復号する

 図3は、本実施形態における暗号化処理の 流れを示すフローチャートである。本フロー チャートに示された処理は、文書作成アプリ ケーションや表計算アプリケーション等を用 いて作成された何らかの電子ドキュメントが 、ユーザによって暗号化の対象として指定さ れたことを契機として開始される。

 ステップS101およびステップS102では、電 ドキュメントが表示され、画像暗号化対象 域および鍵情報の入力が受け付けられる。 ーザインターフェース出力部25は、ユーザに よって指定された電子ドキュメントをHDD等か ら読み出してRAMに展開し、ドキュメントに含 まれるテキスト情報やフォント情報、図表、 イラスト、およびこれらのレイアウト情報等 を解釈して描画情報を生成する。そして、ユ ーザインターフェース出力部25は、ユーザに 像暗号化対象領域を選択させるために、描 情報に基づくプレビュー画面600を生成し、 ィスプレイ108に表示させる(ステップS101)。

 図4は、本実施形態において、領域指定の ために表示される電子ドキュメントのプレビ ュー画面600を示す図である。プレビュー画面 600には、画像暗号化対象領域の選択に用いら れる電子ドキュメントのイメージ601が表示さ れ、入力受付部26は、マウス110等の入力機器 用いた範囲指定操作による、暗号化の対象 なる画像暗号化対象領域の指定を受け付け (ステップS102)。本実施形態では、例えば、 ィスプレイ108に表示されたイメージ601上の 暗号化対象の矩形領域602の左上頂点とした 位置でマウス110の主ボタンを押し込み、そ まま矩形領域602の右下頂点としたい位置ま マウス操作によってディスプレイ108上のポ ンタ603を移動させ、主ボタンを解放するこ で、暗号化対象の領域を指定することが出 る。但し、暗号化対象としたい領域の選択 法は、その他の方法が用いられてもよい。

 また、本実施形態では、画像暗号化対象 域に、プレビュー画面に表示されている要 の一部を含めることが出来る。図5Aは、本 施形態において、画像暗号化対象領域が選 される様子を示す図である。図5Aに示された 例では、文字列「firmware」のうち「w」の全体 と、「m」および「a」の夫々の一部とが、画 暗号化対象領域として選択される。

 なお、本実施形態では、後述する暗号化 像と暗号化データとの関連付け処理を行う とによって、単一の電子ドキュメント内に 数の暗号化画像を含ませることが出来る。 のため、電子ドキュメントが複数ページに る場合には、ページ一覧としての所謂サム イル604を表示することで、ユーザによる一 性を高めることとしてもよい。

 暗号化対象領域が指定されると、ユーザ ンターフェース出力部25は、鍵情報の入力 促すダイアログをディスプレイ108に表示す (図示は省略する)。ここで、入力受付部26は ユーザに新たな鍵情報を入力するか、以前 入力した鍵情報から選択させることで、今 指定された領域の暗号化に用いる鍵情報を け付ける(ステップS102)。その後、処理はス ップS103へ進む。

 ステップS103では、画像化対象範囲が特定 される。画像化対象範囲特定部24は、ユーザ よって選択された画像暗号化対象領域に基 いて、デジタル画像の生成の対象となる画 化対象範囲を特定する。図5Bは、本実施形 において、画像化対象範囲が特定される様 を説明する図である。画像化対象範囲特定 24は、ステップS102で選択された画像暗号化 象領域の座標情報やサイズ情報等、電子ド ュメントにおける領域を特定することが出 る情報と、表示された電子ドキュメントの メージに含まれるテキストや図形等の各要 の、該イメージにおける表示位置を示す位 情報と、を比較する。そして、画像化対象 囲特定部24は、イメージ上に表示されている 各要素の少なくとも一部が画像暗号化対象領 域に含まれている要素を全て特定し、この要 素の表示イメージ全体が範囲に含まれるよう に、画像化対象範囲を特定する。画像化対象 範囲は、画像暗号化対象領域と同様に、座標 情報やサイズ情報等、電子ドキュメントにお ける範囲を特定することが出来る情報を用い て特定される。図5Bの例では、ユーザによっ 、表示イメージ上で文字列「firmware」のう 「w」の全体と、「m」および「a」の夫々の 部とが画像暗号化対象領域として選択され 「m」「w」「a」の表示イメージ全体が範囲 含まれるように、画像化対象範囲が特定さ る。その後、処理はステップS104へ進む。

 ステップS104では、画像化対象範囲のデジ タル画像が生成される。デジタル画像生成部 15は、描画情報に基づいて、ステップS103で特 定された画像化対象範囲の印刷または表示イ メージのビットマップデータを作成すること で、デジタル画像を生成する。なお、この際 、電子ドキュメント全体の表示イメージに対 する画像暗号化対象領域を特定可能な情報( 標情報やサイズ情報等)と、電子ドキュメン 全体の表示イメージに対する画像化対象範 を特定可能な情報(座標情報やサイズ情報等 )との関係から、デジタル画像(画像化対象範 に相当)に対する画像暗号化対象領域の領域 指定情報が算出される。

 ここで、領域指定情報は、デジタル画像 の暗号化領域または復号化領域を指定する めの位置情報等を含む情報である。暗号化 域/復号化領域を指定するために用いられる 情報としては、デジタル画像中の位置を示す 位置情報や、サイズ情報、ベクトル情報等が ある。暗号化領域/復号化領域は、これらの 報の何れか一つ以上を用いて指定される。 えば、後述する暗号化処理では、矩形の暗 化領域/復号化領域を指定するために、3点の 位置情報を用いる。位置情報は、一般にx軸 、該x軸に直交するy軸とを用いて、cm、イン 、ピクセル等の単位を用いて表すことが出 る(図3を参照)。また、デジタル画像の幅ま は長さを単位として、x軸およびy軸におけ デジタル画像の端からの位置を割合(%)で示 てもよい。他に、デジタル画像の全てのピ セルに対して番号を割り当て(例えば、左上 ピクセルから右下のピクセルまで連番を割 当てる)、この番号を用いて位置を特定する 方法等も考えられる。デジタル画像の生成お よび領域指定情報の算出が完了すると、処理 はステップS105へ進む。

 ステップS105では、デジタル画像中の画像 暗号化対象領域の暗号化が行われる。画像暗 号化部11は、デジタル画像中の、ステップS102 で指定された画像暗号化対象領域を、ステッ プS102で受け付けられた暗号鍵および算出さ た領域指定情報に基づいて暗号化すること 、暗号化画像を生成する。図5Cは、本実施形 態において、画像化対象範囲がデジタル画像 化され、デジタル画像に含まれる画像暗号化 対象領域が暗号化された暗号化画像を示す図 である。図5Cの例によれば、文字列「firmware のうち、「mwa」を含む全体が画像化対象範 としてデジタル画像が生成され、このうち 「w」の全体と、「m」および「a」の夫々の 部を含む領域が画像暗号化対象領域として 号化される。暗号化処理の詳細については 述する。その後、処理はステップS106へ進む

 ステップS106およびステップS107では、画 化対象範囲に含まれるデータが抽出され、 のデータが暗号化される。データ暗号化部21 は、ステップS103で特定された画像化対象範 に含まれるデータを抽出する(ステップS106) そして、データ暗号化部21は、抽出されたデ ータを暗号化することで、暗号化データを生 成する(ステップS107)。

 図5Dは、本実施形態における、データ暗 化の流れを示す図である。図5Dに示された例 によれば、文字列「firmware」のうちの「mwa」 描画するためのテキスト情報等が抽出され ステップS102で入力された鍵情報を用いて暗 号化される。本実施形態では、画像暗号化と データ暗号化に同一の鍵情報を用いるが、異 なる鍵を用いることとしてもよい。但し、画 像暗号化とデータ暗号化に同一の鍵を用いる ことで、ユーザに鍵の違いを意識させること 無く、簡易に暗号化および復号の処理を行う ことが可能となる。その後、処理はステップ S108へ進む。

 ステップS108では、電子ドキュメントに暗 号化データが追加される。暗号化データ保存 部22は、ステップS107で生成された暗号化デー タを、例えばファイルヘッダ等の、電子ドキ ュメントのメタデータ領域に追加する。これ によって、画像暗号化された部分の情報のテ キスト情報、フォント情報等が、完全な形で 復元可能に電子ドキュメント内に格納される 。なお、暗号化データの追加方法は、電子ド キュメントのフォーマットによって適宜最適 な方法が採用されることが好ましい。具体的 には、電子ドキュメントがPDF(Portable Document  Format)である場合には、非表示のコメント情 として追加する方法が採用可能である。ま 、電子ドキュメントに、独自に定義したXML(E xtensible Markup Language)タグを付加して追加す 方法が用いられてもよい。その後、処理は テップS109へ進む。

 但し、暗号化データは、暗号化画像に追 されることで、電子ドキュメントに追加さ てもよい。暗号化データが追加された暗号 画像は、ステップS109において、暗号化の対 象となったデータと置換される。暗号化画像 に暗号化データを含ませる方法としては、暗 号化画像のデータ内にメタデータとして含ま せる方法や、暗号化画像のイメージ内にステ ガノグラフィまたは電子透かしとして含ませ る方法がある。より具体的には、暗号化画像 をブロックに分割し、特定の色についての平 均階調データをブロック毎に割り出し、隣り 合うブロック同士の平均階調データの高低関 係を0または1と定義して、バイナリデータを め込む技術を用いることが出来る。その他 も、人間が知覚しにくい方法で画像イメー 内にデータを埋め込む方法として、潜像を いる方法や、所定のフィルタによって検出 能なパターンを用いる方法、等が知られて り、実施の形態に応じて適宜最適な方法を 用して、暗号化画像に暗号データを含ませ ことが出来る。

 また、暗号化データは、電子ドキュメン が表示または印刷等された際に暗号化デー の存在が視覚的に認識可能な方法で、電子 キュメントに追加されてもよい。暗号化デ タは、例えば、電子ドキュメントのイメー の隅に表示されるバーコードやOCR読み取り 能な情報として追加することが出来る。

 なお、電子ドキュメントに暗号化データ 追加される際には、暗号化画像と暗号化デ タとの関連付けが行われる。例えば、暗号 画像のデータヘッダと、暗号化データとの 々に、同一の識別子を追加する方法や、暗 化データに、暗号化画像のドキュメント内 おける位置を示す情報を追加する方法等に って、関連付けを行うことが出来る。関連 けは、その他の方法によって行われてもよ 。これによって、単一の電子ドキュメント に複数の暗号化画像が含まれる場合にも対 可能となる。

 ステップS109では、電子ドキュメント中の 画像化対象範囲のデータが暗号化画像で置換 される。暗号化電子ドキュメント生成部23は ステップS103で特定された画像化対象範囲の データを、ステップS105で生成された暗号化 像で置換する。このようにすることで、本 ローチャートに示された暗号化処理で最終 に生成される暗号化電子ドキュメントが表 されるときには、ユーザが選択した画像暗 化対象領域が含まれる画像化対象範囲には 元の電子ドキュメントで表示されていた内 に代えて、対応する暗号化画像が表示され こととなる。

 図5Eは、本実施形態において生成された 号化電子ドキュメントの内容を示す図であ 。図5Eに示された例によれば、文字列「firmwa re」のうち、画像化対象範囲に含まれる「mwa のテキストデータが暗号化画像で置換され 更に除かれたテキストデータ「mwa」がバイ リデータとして暗号化された暗号化データ 電子ドキュメント内に追加されていること 分かる。その後、処理はステップS110へ進む 。

 ステップS110およびステップS111では、電 ドキュメントに画像暗号化対象領域の領域 定情報が追加され、生成された暗号化電子 キュメントが出力される。暗号化電子ドキ メント生成部23は、暗号化画像における画像 暗号化対象領域の位置を示す領域指定情報を 、電子ドキュメントのファイルヘッダまたは 暗号化画像のデータヘッダ等、メタデータ領 域に追加するか、暗号化画像のイメージ内に ステガノグラフィまたは電子透かしとして含 ませる(ステップS110)。そして、出力部12は、 テップS108からステップS110までの処理で生 された、暗号化画像を含む電子ドキュメン を、暗号化電子ドキュメントとしてHDD103等 記憶装置へ出力する(ステップS111)。なお、 力部12は、暗号化電子ドキュメントを、プリ ンタ107を用いて紙媒体へ印刷出力してもよい 。

 図5Fは、本実施形態において生成された 号化電子ドキュメントの表示イメージを示 図である。図5Eに示された暗号化電子ドキュ メントをディスプレイ108へ表示出力またはプ リンタ107を用いて紙媒体へ印刷出力すると、 暗号化前(図5Aを参照)に、テキスト情報やフ ント情報が解釈されることで文字列「mwa」 表示されていた箇所には、図5Cに示された暗 号化画像が表示される。その後、本フローチ ャートに示された処理は終了する。

 上記説明では、図5Aから図5Fに示した図を 用いて、電子ドキュメント中の文字列部分が 選択された場合についてより詳細に説明した が、選択範囲に写真やイラスト等の画像が含 まれる場合も、処理の内容は概ね同様である 。図6Aから図6Cは、本実施形態において、画 暗号化対象領域が選択され、最終的に暗号 電子ドキュメントが生成される流れを示す めの図である。図6Aから図6Cによれば、画像 号化対象領域が写真やイラスト等の画像の 部と文字列の一部とを夫々含む場合に、少 くとも一部が画像暗号化対象領域に含まれ 文字と写真・イラスト等の全てが画像化対 範囲として特定されて(図6Aを参照)、デジタ ル画像化されることが分かる。そして、画像 暗号化部11は、画像化対象範囲のデジタル画 のうち、画像暗号化対象領域に相当する部 を画像暗号化し、データ暗号化部21は、画 化対象範囲に含まれる文字列および画像を ータ暗号化する(図6Bを参照)。最後に、暗号 データ保存部22による暗号化データの追加 理と、暗号化電子ドキュメント生成部23によ る、生成された暗号化画像を用いた置換処理 と、が行われ、暗号化電子ドキュメントが生 成される(図6Cを参照)。

 図7は、本実施形態における復号化処理の 流れを示すフローチャートである。本フロー チャートに示された処理は、図3に示された 理等によって生成された暗号化電子ドキュ ントが、ユーザによって復号の対象として 定されたことを契機として開始される。な 、この際、ユーザは、電子ドキュメントの 理モードとして、閲覧モードおよび編集モ ドの何れかを指定してドキュメントを指定 る。

 ステップS201およびステップS202では、電 ドキュメントが表示され、暗号化画像の選 および鍵情報の入力が受け付けられる。ユ ザインターフェース出力部25は、ユーザによ って指定された電子ドキュメントをHDD等から 読み出して描画情報を生成する。そして、ユ ーザインターフェース出力部25は、ユーザに 号化画像を選択させるために、描画情報に づくプレビュー画面600bを生成し、ディスプ レイ108に表示させる(ステップS201)。

 図8は、本実施形態において、暗号化画像 の選択のために表示される暗号化画像のプレ ビュー画面600bを示す図である。プレビュー 面600bには、暗号化画像の選択に用いられる 号化電子ドキュメントのイメージ601bが表示 され、ユーザは、マウス110等の入力機器を用 いて暗号化電子ドキュメントに含まれるデジ タル画像を選択することで、復号の対象とな る暗号化画像602bを簡易に指定することが出 る。暗号化画像は、暗号化電子ファイル内 埋め込まれた画像部分であるため、クリッ 操作によって簡単に選択することが出来る

 復号の対象となる暗号化画像602bが指定さ れると、ユーザインターフェース出力部25は 鍵情報の入力を促すダイアログをディスプ イ108に表示する(図示は省略する)。入力受 部26は、ユーザに新たな鍵情報(復号鍵)を入 するか、以前に入力した鍵情報から選択さ ることで、今回指定された領域の復号に用 る鍵情報を受け付ける(ステップS202)。その 、処理はステップS203へ進む。

 ステップS203では、暗号化電子ドキュメン トを開く際にユーザによって指定されたモー ドが閲覧モードであるか否かが判定される。 本実施形態では、電子ドキュメントを開く際 に指定可能な処理モードは閲覧モードまたは 編集モードであるため、閲覧モードが指定さ れていない場合は、編集モードが指定されて いることとなる。ユーザによって指定された 処理モードが閲覧モードであると判定された 場合、処理はステップS204へ進む。指定され 処理モードが閲覧モードではなく編集モー であると判定された場合、処理はステップS2 11へ進む。

 ステップS204では、暗号化画像中の復号対 象領域を示す領域指定情報が取得される。暗 号化画像取得部13は、ユーザ操作によって指 された電子ドキュメントから、領域指定情 を取得する(領域指定情報は、暗号化電子ド キュメントの生成処理において、ステップS11 0で追加された位置から取得される)。その後 処理はステップS205へ進む。

 ステップS205では、復号が行われる。画像 復号化部14は、暗号化画像中の、ステップS204 で取得された領域指定情報によって示された 復号対象領域を、ステップS202で入力された 号鍵に基づいて復号することで、暗号化が 除されたデジタル画像を生成する。但し、 号対象領域は自動選択されてもよい。画像 号化部14は、暗号化処理の際に画素値が規則 的に変換されたことによって復号化領域の画 像が有する規則性や、復号化領域の位置を特 定するために付加されたマーカー等に基づい て、暗号化画像中の復号対象領域の検出およ び位置特定をすることが出来る。復号化処理 の詳細については後述する。その後、処理は ステップS206へ進む。

 ステップS206およびステップS207では、電 ドキュメント中の暗号化画像が復号済画像 置換され、生成された復号済電子ドキュメ トが出力される。出力部12は、ステップS202 選択された暗号化画像が、ステップS205で生 されたデジタル画像で置換された復号済電 ドキュメントを、ディスプレイ等へ出力す (HDD103等の記憶装置へ出力してもよい)。こ ようにすることで、復号前にユーザが選択 た暗号化画像が表示されていた位置には、 号化画像に代えて、内容を判読できる復号 のデジタル画像が表示されることとなる。 の後、本フローチャートに示された処理は 了する。

 ステップS211およびステップS212では、選 された暗号化画像に対応する暗号化データ 取得され、復号される。暗号化データ取得 27は、ステップS202で選択された暗号化画像 関連付けられた暗号化データを、電子ドキ メントのファイルヘッダ等、ステップS108で 加された位置から索出して取得する(ステッ プS211)。なお、暗号化データは、暗号化画像 含まれるステガノグラフィ、電子透かしま は該画像のメタ情報から取得される場合も る。そして、データ復号化部28は、取得さ た暗号化データを復号することで、暗号化 の平文データ(復号済データ)を復元する(ス ップS212)。データの復号は、暗号化において 用いられた暗号方式(上記AESやDES等)および鍵 報に基づいて行うことが可能である。その 、処理はステップS213へ進む。

 ステップS213では、電子ドキュメント中の 暗号化画像が復号済データで置換される。復 号済電子ドキュメント生成部29は、ステップS 202で選択された暗号化画像を、ステップS212 生成された復号済データで置換する。この うにすることで、本フローチャートに示さ た復号化処理で最終的に生成される復号済 子ドキュメントが表示される場合、ユーザ 選択した暗号化画像が表示されていた部分 は、暗号化画像に代えて、テキスト情報、 ォント情報等の、暗号化処理が行われる前 元の電子ドキュメントを構成していた各要 に基づいて、編集可能な復号済データが表 されることとなる。その後、処理はステッ S214へ進む。

 ステップS214およびステップS215では、電 ドキュメントから暗号化データが削除され 復号済電子ドキュメントが出力される。復 済電子ドキュメント生成部29は、電子ドキュ メントのファイルヘッダから暗号化データを 削除し(ステップS214)、出力部12は、ステップS 214までの処理で生成された、暗号化前の元の 状態に復元されて編集可能となった電子ドキ ュメントを、復号済電子ドキュメントとして HDD103等の記憶装置へ出力する(ステップS215)。 その後、本フローチャートに示された処理は 終了する。

 図9は、本実施形態における紙媒体情報復 号化処理の流れを示すフローチャートである 。本フローチャートに示された処理は、暗号 化電子ドキュメントが印刷出力された紙媒体 から復号を行うために、ユーザがスキャナ106 やデジタルカメラ等、紙媒体を撮像可能な装 置を用いてドキュメントのイメージを取得し たことを契機として開始される。

 ステップS301では、ドキュメントのイメー ジが取得される。ユーザは、スキャナ106やデ ジタルカメラ等、紙媒体を撮像可能な装置に 復号したい暗号化画像が記録された紙媒体を セットした上で、コンピュータ100のインター フェースを通じて取得開始の指示を与える。 指示の入力を受け付けた暗号化画像取得部13 、スキャナ106等を制御して紙媒体を撮像さ 、撮像結果をデジタル画像に変換すること 、紙媒体上の情報を暗号化画像として取得 る。その後、処理はステップS302へ進む。

 ステップS302では、復号が行われる。画像 復号化部14は、ドキュメントのイメージ中の 暗号化された領域を検出し、この領域を復 することで、暗号化が解除されたデジタル 像を生成する。取得されたドキュメントの メージに含まれる暗号化部分には、画像暗 化の際に付された規則性やマーカが付され いるため、復号対象領域は自動的に選択さ る。復号化処理の詳細については後述する その後、処理はステップS303へ進む。

 ステップS303では、復号済のドキュメント のイメージが出力される。コンピュータ100は 、CPU101が紙媒体情報復号プログラムを実行す ることで、ステップS302で生成されたデジタ 画像を出力する。その後、本フローチャー に示された処理は終了する。

 このように、暗号化部分を自動的に検出 、検出された領域を復号することで、復号 を知るユーザのみに対して暗号化部分に記 された情報を閲覧させるようにすることが 能である。但し、スキャナによるイメージ 取り込み後に、プレビュー画面600bを表示し 、ユーザが選択した領域に従って復号化領域 を決定することとしてもよい。ユーザによっ て選択された領域に、上記復号化領域の自動 検出処理を加味することで、復号精度を向上 させることが出来る。

 本実施形態に拠れば、紙媒体に印刷可能 電子ドキュメントとしての利便性を損なわ に、重要な情報の漏洩を防止することが可 となる。

 また、本実施形態に係る電子ドキュメン 処理システム900によれば、暗号化前の電子 キュメントの復元、および印刷された紙媒 等からの復号の何れについても可能である めに、用途によって暗号化に用いる技術を 択しなければならないといった作業が不要 なり、ユーザは、暗号化後の電子ドキュメ トの取り扱いを意識することなく、少ない 業で暗号化電子ドキュメントの作成を行う とが出来る。

 なお、上記説明した実施形態では、暗号 データは、暗号化電子ドキュメントに追加 れることで保存されるが、暗号化データは HDD103等の補助記憶装置に、暗号化電子ドキ メントとは独立したデータとして保存され もよいし、ネットワークを介して接続され サーバ(図示は省略する)に保存されてもよ 。暗号化データを暗号化電子ドキュメント 外に保存する場合、暗号化データは、暗号 電子ドキュメントを識別可能な情報と関連 けられて保存される必要がある。例えば、 キュメントのヘッダに識別子を追加し、こ 識別子と関連付けて、暗号化データを保存 る。

 なお、異なる領域の暗号化に対して、異 る暗号鍵を使用することで、暗号鍵による クセスコントロールや、セキュリティレベ が設定された電子ドキュメント暗号化を行 ことが可能である。

 <暗号化部および復号化部>
 次に、上記実施形態における、画像暗号化 および画像復号化部による暗号化処理およ 復号化処理の概要を説明する。ここで説明 る暗号化部11および復号化部14は、上記実施 形態における画像暗号化部11および画像復号 部14に相当する。データ暗号化部21およびデ ータ復号化部28による処理は、上記説明した おり、AES等に代表されるバイナリデータ暗 化技術を用いて暗号化することが出来る。

 図10は、暗号化処理および復号化処理の 理概要(その1)を示す図である。図10において 、暗号化部11(第1乃至第3の各態様においては それぞれ暗号化部11A、11B、11Cという。)は、 入力されたデジタル画像と暗号化方法を示す 暗号鍵とに基づいて、前記デジタル画像の一 部を暗号化した暗号化画像を出力する。プリ ンタ出力部12は、暗号化部11により暗号化さ たデジタル画像を紙などの印刷可能な物理 媒体に印刷する。スキャナ(カメラ)読み込み 部13は、プリンタ出力部12により出力された 刷画像を、スキャナまたはカメラを用いて み込む。

 そして、復号化部14(第1乃至第3の各態様 おいては、それぞれ復号化部14A、14B、14Cと う。)は、プリンタ出力部12により出力され 印刷画像と入力された復号鍵とにより復号 画像を得る。この入力された復号鍵が正し 場合に限り暗号化画像を適切に復号でき、 号化部11による暗号化で隠された情報を見る ことができる。

 図11は、暗号化処理および復号化処理の 理概要(その2)を示す図である。図11に示した ように、本発明を適用した第1の態様乃至第3 態様における暗号化処理および復号化処理 、暗号化部11により暗号化されたデジタル 像をプリンタやスキャナを介さずに電子文 画像のまま復号化部14に入力し、復号化画像 を得ることも可能である。

 次に、本発明を適用した第1の態様乃至第 3の態様をそれぞれ説明する。まず、本発明 適用した第1の態様について説明する。

 図12は、第1の態様における暗号化処理の 要を示す図である。図12において、暗号化 11Aは、暗号化領域決定部31、画像変換部32、 素値変換部33およびマーカー付加部34を備え ている。

 暗号化領域指定部31は、暗号化したい領 を含む入力画像から暗号化する領域を選択 る。

 図13は、暗号化領域を選択する例を示す である。すなわち、暗号化領域指定部31は、 図13の(A)に示すように、暗号化したい領域を むデジタル画像(入力画像)41から暗号化する 領域42を選択する。この領域42が後述する画 変換部32および画素値変換部33の処理により 図13の(B)に示したように変換画像43に変換さ れ、デジタル画像41が変換画像43を含む暗号 画像44に変換される。

 図12の説明に戻る。暗号化領域指定部31に より暗号化する領域42が選択されると、画像 換部32において暗号化する領域42および暗号 鍵を入力し、暗号鍵に対応する変換方法で暗 号化する領域42の画像を視覚的に変換する。 の際の変換パラメータは、入力の暗号鍵か 得られるバイナリデータにより作成する。

 図14は、暗号鍵の入力例を示す図である 図14に示した例は、暗号鍵と、暗号鍵により 生成されるバイナリデータの例である。例え ば、暗号鍵としての数値「1234」は、バイナ データ「100011010010」として入力され、暗号 としての文字列「ango」は、バイナリデータ 01100001011011100110011101101111」として入力され 。

 画像変換方法として、本第1の態様では、 画像を微小領域に分割して微小領域を並べ替 える処理(スクランブル処理という。)による 換方法と、画像を圧縮処理することによる 換方法の2つを示す。

 まず、スクランブル処理について説明す 。スクランブル処理は、まず、選択された 域42の画像を一定の大きさの微小領域に分 して、次に、暗号鍵から得られるバイナリ ータにより微小領域の並び替えを行なう。

 図15は、画像変換部におけるスクランブ 処理の一例を示す図である。図15の(A)に示し たように、まず暗号化領域指定部31により選 された領域42を縦方向に分割し、暗号鍵61の バイナリ列の各ビットを分割された領域42の 界に左から順に対応させ、ビットが「1」の 場合は隣り合う分割列を交換し、ビットが「 0」の場合は何もしない処理を左側から順に なう。分割境界の数に対してバイナリ列の ット数が足りない場合は、足りなくなった 置から同じバイナリ列を繰り返して領域42の 右端まで交換処理を行なう。

 続いて、図15の(B)に示すように、上記交 処理を行なった画像領域62を横方向に分割し 、暗号鍵61のバイナリ列の各ビットを分割さ た画像領域62の境界に上から順番に対応さ 、縦分割で行ったのと同様の交換処理を行 位で上から順に行なう。

 すると、図15の(C)に示すように、各分割 像に交換処理を行った結果、元の領域42がス クランブル処理された処理画像であるスクラ ンブル画像63が得られる。

 このスクランブル処理例の拡張法として 横方向、縦方向ともに2度以上行なうことも でき、また2度目以降の交換において分割領 の大きさを変えることも可能である。さら 、横方向と縦方向で分割領域の交換に別の イナリ列を用いることもできる。これらの 張法は、入力画像のサイズが小さく、かつ 号鍵のビット長が長い場合に、異なる暗号 から全く同じ処理画像が生成されてしまう を防ぐ手段として特に有効である。

 図16は、画像変換部におけるスクランブ 処理の他の例を示す図である。図15を用いて 説明したスクランブル処理とはまた別のスク ランブル処理法として、図16に示したように 小領域単位で画素の交換を行う方法も可能 ある。すなわち、入力画像を矩形状の微小 域に分割し、分割された微小領域同士を交 する。これにより、上述の横方向と縦方向( 行と列)の交換による方法よりもスクランブ の場合の数が多くなり、暗号強度を高める とができる。

 図17は、スクランブル処理における微小 域の形の変形例を示す図である。さらにス ランブル処理の際の微小領域の形は、図16に 示した四角形の他に、例えば図17の(A)に示し ような三角形を用いることも可能である。 た図17の(B)に示したように、形や大きさの なる微小領域を共存させることもできる。

 次に、画像を圧縮処理することによる変 方法について説明する。

 図18は、画像変換部における圧縮処理を す図である。入力画像41が二値画像の場合に 、まず図18の(A)に示したように暗号化領域指 部31により選択された領域42の画像を圧縮し て、図18の(B)に示したようなバイナリ列71を 成する。ここでの圧縮法は、ファクシミリ 置での二値画像データ転送の際に用いられ ランレングス圧縮や、二値画像の標準圧縮 式であるJBIG(Joint Bi-level Image experts Group)圧 縮など、あらゆる圧縮方式が適用可能である 。

 図19は、変換データを画像化する処理を す図である。図18に示したような領域42の圧 に続いて、変換圧縮データであるバイナリ 71の各ビットを、図19(B)に示したように、ビ ットが「0」ならば「白」、ビットが「1」な ば「黒」である指定サイズの方形に拡大し 方形画像(処理画像)81を作成し、暗号化する 画像の領域42に白黒の方形画像81として配列 せる。

 変換圧縮データ(バイナリ列71)を選択され た領域42の画像内に収まるよう配列させたい 合、方形画像81のサイズは選択された領域42 の圧縮率に依存してくる。例えば圧縮率が1/4 以下であれば方形画像81のサイズは高々2×2ピ クセルであり、1/16以下ならば高々4×4ピクセ である。

 一方、予め方形画像81のサイズを指定し かつ圧縮データを選択された領域42の画像内 に収めたい場合は、最初の画像圧縮処理にお いて方形画像81のサイズに依存した圧縮率を 成する必要がある。例えば方形を4×4ピクセ ルのサイズにする場合は1/16以上の圧縮率が 要となる。この場合には、選択された領域42 の情報を予め落として圧縮する方法や、非可 逆な圧縮方式を用いる方法が有効である。

 上記の圧縮データを拡大して画像化する 号化処理により、例えば低解像度のカメラ 暗号化画像を読み取った場合でも拡大され 白黒のブロックを認識できるため、暗号化 像を正しく復号できる。

 図12の説明に戻る。画素値変換部33では、 画像変換部32で変換された処理画像63内の画 を一定の間隔を置いて変換し、変換画像43が 概ね格子状の縞模様を成すようにする。

 図20は、画素値変換部における画素値変 処理の例(その1)を示す図である。画素値変 部33では、画像変換部32により領域42がスク ンブルされた処理画像63の画素を、一定の間 隔で変換し、暗号化画像44が全体として概ね 子状の縞模様を成すようにする。例えば図2 0に示したように、図20の(A)に示したスクラン ブル画像63を(B)に示した市松模様(チェッカー 模様)画像91の有色部分で反転処理するような 変換を実行することにより、(C)に示したよう に暗号化画像44が全体として概ね格子状の縞 様を成す変換画像92が得られる。これによ 、生成される縞状の模様は、暗号化画像44を 復号する際に暗号化領域内の各画素の詳細な 位置を検出するために用いられる。

 これらの一連の処理に関して、別の変換 実施することも可能である。例えば画素値 反転する処理は、指定の値を加算する処理 あってもよい。

 また、図20の(B)に示した市松模様画像91は 、(A)に示したスクランブル画像63と略同サイ であるが、スクランブル画像63より小さい イズを用いることにより、スクランブル画 63の周辺以外の中心部分のみ反転処理するよ うにしてもよい。

 図21は、画素値変換部における画素値変 処理の例(その2)を示す図である。また、画 値を変換する領域42は、図21の(A)から(C)に示 たように種々の形状を適用することが可能 ある。画素値変換は小領域間の境界位置を 精度に検出することを目的とした処理であ ため、例えば図21の(A)のように境界部分の 画素値変換することも考えられる。また、 21の(B)のように微小領域に対して少しずつず らしながら画素値変換を行うことで、変換と 非変換の境界がより細かい間隔で現れるため 、復号化処理において暗号化画像44の画素位 をさらに詳細に検出できる。また、図21の(C )ように微小領域の境界が交差する部分のみ 画素値変換を行えば、紙などに印刷した画 をスキャナやカメラで読み込んで復号する の画質の劣化を最小限に抑えることができ 。

 ここで、微小領域の形が均一な大きさの 角形ではなく、図17に示したように三角形( 17の(A))や異なる大きさ、形が共存する場合( 図17の(B))は、上述の変換例に限らず形状に応 じた方法で画素値変換を行う必要があること を追記しておく。

 上述したように、本発明においては、暗 化位置を表す規則的な模様を、特許文献1の ように入力画像に上書きして生成するのでは なく、入力画像の画素値を変換することで生 成している。したがって、従来の技術のよう に暗号化画像の端部分の画像情報が位置検出 のために犠牲にされることがなく、元の画像 情報に位置検出情報を共存させる形で効率よ く暗号化を行なえる。

 なお、模様を構成する部分に何らかの画 情報が含まれるとその規則性が多少崩れて まうが、後述の復号化部14の処理で述べる うに暗号化画像全体の統計的な性質を用い ことで暗号化位置を検出することができる

 図12の説明に戻る。マーカー付加部34では 、画素値変換部33で変換処理された変換画像9 2の四隅のうち、例えば右下以外の三箇所に 置決めマーカーを付加し暗号化画像44を作成 する。

 マーカー付加部34は、暗号化された領域42 の位置を特定するための位置決めマーカーを 、変換画像92の四隅のうち例えば右下以外の 箇所に配置する。

 図22は、暗号化処理で用いる位置決めマ カーの例を示す図である。本第1の態様で用 る位置決めマーカーは、図22の(A)に示すよ に丸十字の形をしたものとする。位置決め ーカーの形をより広く言えば、実線の円ま は多角形とその周と交わる複数の線で構成 れるものであればよい。このような例とし 、図22の(B)の位置決めマーカーのように漢字 の「田」の形をしたものや、(C)の位置決めマ ーカーのように中心から三つの線が円周に向 かって放射線状に出ているもの、(D)の位置決 めマーカーのように線が途中で切れているも の、などが挙げられる。

 また、位置決めマーカーの色の構成は、 も単純には背景が白で前景を黒にすればよ が、これに限らず変換画像92の色(画素値)分 布に応じて適宜変更しても差し支えない。ま た背景と前景に決まった色を指定するのでは なく、背景の色はデジタル画像41のままで前 の画素値を反転するなどして位置決めマー ーを形作る方法も考えられる。このように れば、位置決めマーカー部分の入力画像情 も保持されたまま画像の暗号化を行なえる

 図23は、暗号化画像の例を示す図である 以上の暗号化部11Aの処理により、最終的に 図23に示すような暗号化画像44が生成される 暗号化画像44には、変換画像92と位置決めマ ーカー121が含まれる。

 さらに、本第1の態様の暗号化方法におい て、画像変換部32で「微小領域を並べ替える 理(スクランブル処理)」を用いた場合は、 値画像だけでなくグレースケールやカラー 画像に対しても暗号化処理を適用できる。

 図24は、グレースケールの画像を暗号化 た例である。図24において、(A)に示したグレ ースケール画像131は、暗号化部11Aの処理によ り、(B)に示すように変換画像133と位置決めマ ーカー134を含む暗号化画像132が生成される。

 次に、復号化部14Aの説明を行なう。

 図25は、第1の態様における復号化処理の 要を示す図である。図25において、復号化 14Aは、マーカー検出部141、暗号化領域検出 142、暗号化位置検出部143および画像逆変換 144を備えている。

 マーカー検出部141は、一般的な画像認識 術を用いて、上述のマーカー付加部34によ 付加した位置決めマーカーの位置を暗号化 像から検出する。検出方法としては、パタ ンマッチングや図形の連結性に関する解析 どが適用可能である。

 暗号化領域検出部142は、マーカー検出部1 41により検出された3つの位置決めマーカーの 位置関係に基づいて、暗号化されている画像 の領域を検出する。

 図26は、位置決めマーカーから暗号化領 を検出する過程を示す図である。図26の(A)に 示されたように、マーカー検出部141によって 暗号化画像151から少なくとも3つの位置決め ーカー152が検出されると、(B)に示すように 1つの暗号化領域153を検出することができる すなわち、3つの位置決めマーカー152は、長 方形の暗号化領域153の四隅に配置されている ため、これら3つの点(位置決めマーカー152の 置)を線で結んで得られる図形はおおよそ直 角三角形になる。そこで、位置決めマーカー 152が3つ以上検出された場合は、3つの位置決 マーカー152の位置関係が直角三角形に近い 状で構成される領域を含み、3つの位置決め マーカー152の位置を4つの角部分のうち3つの 部分とする長方形を暗号化領域153とする。 お、検出位置決めマーカー152の数が2つ以下 の場合は、対応する暗号化領域153を特定でき ないため、暗号化画像は存在しないとして復 号化処理を終了する。

 図27は、暗号化領域検出処理の流れを示 フローチャートである。暗号化領域検出部14 2で実行される暗号化領域検出処理は、まず ステップS1601において、マーカー検出部141に よって検出された位置決めマーカー152の数を 変数nに代入し、ステップS1602において、暗号 化領域153の検出用フラグreg_detectに0を代入す 。

 そして、ステップS1603において、位置決 マーカー152の数が代入された変数nが3以上で あるか否かを判断し、変数nが3以上でなけれ 、すなわち変数nが2以下であれば(ステップS 1603:No)、本暗号化領域検出処理を含む復号化 理を終了する。

 他方、変数nが3以上であれば(ステップS160 3:Yes)、ステップS1604において、マーカー検出 141によって検出された位置決めマーカー152 うちの3つの位置決めマーカー152を選択し、 ステップS1605において、その選択した3つの位 置決めマーカー152の位置関係が略直角三角形 であるか否かを判断する。

 選択した3つの位置決めマーカー152の位置 関係が略直角三角形でなければ(ステップS1605 :No)、ステップS1606において、マーカー検出部 141によって検出された位置決めマーカー152の 3点の組み合わせが全て終了したか否かを判 し、終了していなければ(ステップS1606:No)、 テップS1604に戻って他の3点を選択し、終了 た場合(ステップS1606:Yes)、ステップS1608に進 む。

 他方、選択した3つの位置決めマーカー152 の位置関係が略直角三角形であれば(ステッ S1605:Yes)、ステップS1607において、検出用フ グreg_detectに1を代入する。

 そして、ステップS1608において、検出用 ラグreg_detectに1が代入されているか、すなわ ち、3点の位置関係が直角三角形となる3つの 置決めマーカー152を検出することができた 否かを判断し、reg_detectに1が代入されてい ば(ステップS1608:Yes)、暗号化位置検出部143の 処理に進み、reg_detectに1が代入されていなけ ば(ステップS1608:No)、本暗号化領域検出処理 を含む復号化処理を終了する。

 図25の説明に戻る。暗号化位置検出部143 、暗号化画像151の復号を正確に行なうため 、暗号化領域検出部142により検出された暗 化領域153の端の部分が規則的な画素分布を すことを利用して、周波数解析やパターン ッチングなどにより暗号化領域153内の各画 の詳細な位置を検出する。この検出は、画 値変換部33の画素値変換(反転)処理により暗 化画像151の全体が周期的な模様を成すとい 性質を利用する。

 一つの検出方法として、まず模様の周期( 幅)を画像の横方向および縦方向に関して高 フーリエ変換(Fast Fourier Transform:FFT)などの 波数解析法で求め、その後テンプレートマ チングなどによりの境界位置(オフセット)を 検出する方法が考えられる。

 また、暗号化画像にエッジ検出フィルタ( ラプラシアンフィルタ等)をかけると境界部 が直線状になる性質を利用して、境界位置 ハフ変換により検出することも可能である

 図28は、暗号化位置が検出された例を示 図である。暗号化されたデジタル画像41が複 雑である場合は、暗号化画像44の周期性が著 く損なわれる部分が出てくる可能性もある このような場合、模様の周期と境界位置の 算に用いる画像領域を周期性の比較的強い 分に限定して暗号化位置検出を行なう方法 有効である。

 図25の説明に戻る。画像逆変換部144は、 号化位置検出部143により検出された暗号化 置情報とユーザにより入力された復号鍵と 用いて、暗号化画像44を復号鍵に対応する方 法で画像変換部32による変換処理の逆変換処 を実行し、復号化画像を生成する。復号の 理手順は、暗号化処理と逆の手順で実現さ るため説明を省略する。以上が本発明を適 した第1の態様についての説明である。

 次に、本発明を適用した第2の態様につい て説明する。

 図29は、第2の態様の全体イメージを示す である。第2の態様は、暗号化処理の前に、 暗号化画像183の復号の妥当性を検証するため の特定のチェック用マーク182を、暗号化する 領域181の任意の場所に付加して(図29の(A))暗 化を行ない(図29の(B))、暗号化画像183を復号 た後に事前に付加したチェック用マーク182 復号化画像184から検出されれば正しく復号 れたとして復号化処理を終了する(図29の(C)) 。チェック用マーク182が検出されない場合( 29の(D))は、暗号化位置を補正し、チェック マーク182が検出されるまで、または指定の 準を満たすまで復号化処理を繰り返す。

 図30は、第2の態様における暗号化処理の 要を示す図である。図30において、暗号化 11Bは、暗号化領域決定部31、チェック用マー ク付加部192、画像変換部32および画素値変換 33を備えている。

 第1の態様と同様、暗号化領域指定部31は 暗号化したい領域を含む入力画像から暗号 する領域を選択する。

 そして、チェック用マーク付加部192は、 号化画像183の復号の妥当性を検証するため 特定のチェック用マーク182を暗号化する領 181の任意の場所に付け加える。チェック用 ーク182は、なるべく画像情報が少ない画素 布の平坦な領域に付加するのが望ましい。

 指定位置にチェック用マーク182を付け加 た後、第1の態様と同様、画像変換部32にお て暗号化する領域181および暗号鍵を入力し 暗号鍵に対応する変換方法で暗号化する領 181の画像を視覚的に変換し、画素値変換部3 3では、画像変換部32で変換された処理画像内 の画素を一定の間隔を置いて変換し、変換画 像が概ね格子状の縞模様を成すようにする。

 図31は、第2の態様における復号化処理の 要を示す図である。図31において、復号化 14Bは、暗号化領域検出部201、暗号化位置検 部143、画像逆変換部144、チェック用マーク 出部204および暗号化位置補正部205を備えて る。

 まず初めに、暗号化領域検出部201は、暗 化画像183の大まかな領域を検出する。暗号 部11Bの暗号化処理により、暗号化画像183の 素分布はおおよそ市松模様状になっている め、それぞれ横方向と縦方向に関してFFTな の周波数解析を行なうと、縞の周期に対応 る周波数のパワーが際立って強くなる。

 図32は、暗号化領域の検出方法を説明す ための図である。図32の(A)に示したように、 暗号化画像211を周波数解析すると、(B)に示す ように、ある周波数(その周波数の整数倍の 波数)のパワーが突出する領域を「周期性強 214と表現している。暗号化領域内では画素 布の周期性が強くなる傾向にあるため、こ により大まかな暗号化領域と縞模様の周期 検出することができる。

 図31の説明に戻る。暗号化位置検出部143 、暗号化領域検出部201による暗号化の大ま な領域を特定した後、暗号化領域をさらに 確に検出し、同時に暗号化領域内の各画素 詳細な位置を検出する。位置検出の一例と て、まず暗号化領域検出部201で求めた縞模 の周期と画素絶対値差分の分布により画素 変換の境界位置(オフセット)を求め、そこか らさらに画素絶対値差分が相対的に大きい領 域を絞り込む方法が考えられる。また、第1 態様の暗号化位置検出部143と同様、暗号化 置検出にハフ変換を用いることも可能であ 。

 図33は、暗号化位置(横方向)の検出方法を 説明するための図である。上述のような暗号 化領域の検出処理を横方向、縦方向それぞれ に行なうと、図33のように暗号化位置221が検 される。

 図31の説明に戻る。画像逆変換部144は、 号化位置情報と復号鍵を用いて第1の態様と 様の方法を行ない復号化画像を生成する。

 チェック用マーク検出部204は、画像逆変 部144で復号した復号化画像からチェック用 ークの検出を試みる。検出方法は第1の態様 におけるマーカー検出処理と同様であるため 説明を省略する。そして、チェック用マーク が検出された場合は復号化画像を出力して処 理を完了する。チェック用マークが検出され ない場合は暗号化位置補正部205において暗号 化位置を補正し、チェック用マークが検出さ れるまで、または指定の基準を満たすまで復 号化処理(画像逆変換処理)をやり直す。

 図34は、暗号化位置の検出を誤った例を す図である。図34に示したように、暗号化画 像の端を見落としてしまう場合(取りこぼし イン231)が考えられる。そこで、チェック用 ーク221の検出に失敗した場合は、暗号化位 を表すラインを左右端と上下端に追加また 削除して画像逆変換処理を行ない、チェッ 用マーク221が検出できるかどうかを各々検 する。ラインをどのように追加または削除 てもチェック用マーク221を検出できない場 は、復号化画像を出力せずに処理を終了す 。以上が本発明を適用した第2の態様につい ての説明である。

 次に、本発明を適用した第3の態様につい て説明する。本発明の第3の実施形態では、 1の態様で示した暗号化領域を特定する位置 めマーカーと、第2態様の復号化画像の妥当 性を判断するためのチェック用マークの両方 を用いて画像の暗号化、復号を行なう。これ ら位置検出用の位置決めマーカーと復号化画 像確認用のチェック用マークの2種類を用い ことで、正しい復号鍵が入力された場合の 像復号誤りを低減できる。

 図35は、第3の態様における暗号化処理の 要を示す図である。図35において、暗号化 11Cは、暗号化領域決定部31、チェック用マー ク付加部192、画像変換部32、画素値変換部33 よびマーカー付加部34を備えている。

 まず暗号化領域指定部31で暗号化する画 領域を選択し、チェック用マーク付加部192 第2の態様と同様の方法で復号検証用のチェ ク用マークを付け加える。チェック用マー を付加した後、画像変換部32と画素値変換 33において、第1の態様1および2と同様の方法 で画像処理を行ない画像を暗号化し、マーカ ー付加部34で暗号化領域検出用の位置決めマ カーを第1の態様と同様の方法で付加する。 これら各処理の内容は、第1の態様または第2 態様と同様であるため説明を省略する。

 図36は、第3の態様における復号化処理の 要を示す図である。図36において、復号化 14Cは、マーカー検出部141、暗号化領域検出 142、暗号化位置検出部143、画像逆変換部144 チェック用マーク検出部204および暗号化位 補正部205を備えている。

 まずマーカー検出部141において第1の態様 と同様の方法で位置決めマーカーを検出し、 続く暗号化領域検出部142で第1の態様と同様 方法で暗号化領域を検出する。さらに暗号 位置検出部143において、第1の態様と同様の 法で暗号化領域内の各画素の詳細な位置を 出する。また、画像逆変換部144、チェック マーク検出部204および暗号化位置補正部205 実行される各処理手順は、第2の態様と同様 であるため説明を省略する。以上が本発明を 適用した第3の態様についての説明である。