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Title:
ELECTRONIC ELEMENT DRIVING CIRCUIT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/004715
Kind Code:
A1
Abstract:
A driving circuit (1) for an IGBT (10) comprises an H bridge circuit (80) using first to fourth switching elements (Q1-Q4). A control unit (20) switches the states of the switching elements from a first state in which the first and fourth switching elements (Q1, Q4) are set to be in an on state and the second and third switching elements (Q2, Q3) are set to be in an off state to a second state in which the first and fourth switching elements (Q1, Q4) are set to be in an off state and the second and third switching elements (Q2, Q3) are set to be in an on state when receiving an order to make the IGBT (10) transit from an on state to an off state. With the structure of the driving circuit (1) described above, reverse bias can be applied to the IGBT (10) by use of a single power source (15).

Inventors:
MIYAZAKI YUJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/063270
Publication Date:
January 08, 2009
Filing Date:
July 03, 2007
Export Citation:
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Assignee:
MITSUBISHI ELECTRIC CORP (JP)
MIYAZAKI YUJI (JP)
International Classes:
H02M1/08
Foreign References:
JPS5787626A1982-06-01
JPS5913422A1984-01-24
JPS579256A1982-01-18
JPH05276761A1993-10-22
JPH1032976A1998-02-03
JPH1155936A1999-02-26
Other References:
See also references of EP 2164155A4
Attorney, Agent or Firm:
FUKAMI, Hisao et al. (Nakanoshima Central Tower 22nd Floor, 2-7, Nakanoshima 2-chome, Kita-ku, Osaka-sh, Osaka 05, JP)
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Claims:
 制御電極に与えられる信号に応じて第1、第2の主電極間に流れる主電流を制御する電力素子の駆動回路であって、
 第1のノードと第2のノードとの間に接続される電源と、
 前記制御電極を前記第1、第2のノードの一方に選択的に接続し、前記第2の主電極を前記第1、第2のノードの一方に選択的に接続するように構成されるスイッチマトリックス回路と、
 前記電力素子のオン/オフの切換を行なうための入力信号に応じて前記スイッチマトリクス回路を制御する制御部とを備え、
 前記制御部は、前記入力信号が前記電力素子をオン状態からオフ状態に遷移させる変化をした場合には、前記制御電極を前記第1のノードに接続し、かつ、前記第2の主電極を前記第2のノードに接続する第1の状態から、前記制御電極を前記第2のノードに接続し、かつ、前記第2の主電極を前記第1のノードに接続する第2の状態に、前記スイッチマトリクス回路の状態を切換える、電力素子の駆動回路。
 前記スイッチマトリクス回路は、
  前記制御電極および前記第1のノード間に接続される第1のスイッチ素子と、
  前記制御電極および前記第2のノード間に接続される第2のスイッチ素子と、
  前記第2の主電極および前記第1のノード間に接続される第3のスイッチ素子と、
  前記第2の主電極および前記第2のノード間に接続される第4のスイッチ素子とを含み、
 前記制御部は、前記第1の状態では、前記第1、第4のスイッチ素子をオン状態にし、かつ、前記第2、第3のスイッチ素子をオフ状態にし、前記第2の状態では、前記第1、第4のスイッチ素子をオフ状態にし、かつ、前記第2、第3のスイッチ素子をオン状態にする、請求の範囲1記載の電力素子の駆動回路。
 前記スイッチマトリクス回路は、前記第1のスイッチ素子と並列に接続される抵抗をさらに含み、
 前記制御部は、前記入力信号が前記電力素子をオン状態からオフ状態に遷移させる変化をした場合には、前記スイッチマトリクス回路の状態を一時的に前記第2の状態にした後、前記第3のスイッチ素子をオン状態に維持し、かつ、前記第1、第2、第4のスイッチ素子をオフ状態にする、請求の範囲2記載の電力素子の駆動回路。
 前記スイッチマトリクス回路は、前記第4のスイッチ素子と並列に接続される抵抗をさらに含み、
 前記制御部は、前記入力信号が前記電力素子をオン状態からオフ状態に遷移させる変化をした場合には、前記スイッチマトリクス回路の状態を一時的に前記第2の状態にした後、前記第2のスイッチ素子をオン状態に維持し、かつ、前記第1、第3、第4のスイッチ素子をオフ状態にする、請求の範囲2記載の電力素子の駆動回路。
 前記スイッチマトリクス回路は、前記第3のスイッチ素子と並列に、前記第4のスイッチ素子がオン状態のときに前記電源によって逆方向にバイアスされるように接続されるダイオードをさらに含み、
 前記制御部は、前記入力信号が前記電力素子をオフ状態からオン状態に遷移させる変化をした場合には、前記第1のスイッチ素子をオン状態にし、かつ、前記第2~第4のスイッチ素子をオフ状態にした後、前記スイッチマトリクス回路の状態を前記第1の状態にする、請求の範囲2記載の電力素子の駆動回路。
 前記スイッチマトリクス回路は、前記第2のスイッチ素子と並列に、前記第1のスイッチ素子がオン状態のときに前記電源によって逆方向にバイアスされるように接続されるダイオードをさらに含み、
 前記制御部は、前記入力信号が前記電力素子をオフ状態からオン状態に遷移させる変化をした場合には、前記第4のスイッチ素子をオン状態にし、かつ、前記第1~第3のスイッチ素子をオフ状態にした後、前記スイッチマトリクス回路を前記第1の状態にする、請求の範囲2記載の電力素子の駆動回路。
 前記スイッチマトリクス回路は、前記第1のスイッチ素子と並列に、前記第2のスイッチ素子がオン状態のときに前記電源によって逆方向にバイアスされるように接続されるダイオードをさらに含み、
 前記制御部は、前記入力信号が前記電力素子をオン状態からオフ状態に遷移させる変化をした場合には、前記第3のスイッチ素子をオン状態にし、かつ、前記第1、第2、第4のスイッチ素子をオフ状態にした後、前記スイッチマトリクス回路の状態を前記第2の状態にする、請求の範囲2記載の電力素子の駆動回路。
 前記スイッチマトリクス回路は、前記第4のスイッチ素子と並列に、前記第3のスイッチ素子がオン状態のときに前記電源によって逆方向にバイアスされるように接続されるダイオードをさらに含み、
 前記制御部は、前記入力信号が前記電力素子をオン状態からオフ状態に遷移させる変化をした場合には、前記第2のスイッチ素子をオン状態にし、かつ、前記第1、第3、第4のスイッチ素子をオフ状態にした後、前記スイッチマトリクス回路の状態を前記第2の状態にする、請求の範囲2記載の電力素子の駆動回路。
 前記制御部は、前記入力信号が前記電力素子をオン状態からオフ状態に遷移させる変化をした場合には、前記第1、第3のスイッチ素子をオン状態にし、かつ、前記第2、第4のスイッチ素子をオフ状態にした後、前記スイッチマトリクス回路の状態を前記第2の状態にする、請求の範囲2記載の電力素子の駆動回路。
 前記制御部は、前記入力信号が前記電力素子をオン状態からオフ状態に遷移させる変化をした場合には、前記第2、第4のスイッチ素子をオン状態にし、かつ、前記第1、第3のスイッチ素子をオフ状態にした後、前記スイッチマトリクス回路の状態を前記第2の状態にする、請求の範囲2記載の電力素子の駆動回路。
 前記制御部は、前記入力信号が前記電力素子をオフ状態からオン状態に遷移させる変化をした場合には、前記第1、第3のスイッチ素子をオン状態にし、かつ、前記第2、第4のスイッチ素子をオフ状態にした後、前記スイッチマトリクス回路の状態を前記第1の状態にする、請求の範囲2記載の電力素子の駆動回路。
 前記制御部は、前記入力信号が前記電力素子をオフ状態からオン状態に遷移させる変化をした場合には、前記第2、第4のスイッチ素子をオン状態にし、かつ、前記第1、第3のスイッチ素子をオフ状態にした後、前記スイッチマトリクス回路の状態を前記第1の状態にする、請求の範囲2記載の電力素子の駆動回路。
 前記第1のノードから前記第3のスイッチ素子を経由して前記第2の主電極に至る経路上、および前記制御電極から前記第2のスイッチ素子を経由して前記第2のノードに至る経路上の少なくとも一方に設けられ、前記第1、第2のノード間の電圧の一部を分担する定電圧部をさらに備える、請求の範囲2記載の電力素子の駆動回路。
 前記電力素子は、センス電極をさらに含み、
 前記主電流の一部は、前記第1の主電極および前記センス電極間を流れ、
 前記駆動回路は、前記第2のノードおよび前記センス電極間に接続される電流検出抵抗と、前記電流検出抵抗に生じる電圧を監視する電圧監視部とをさらに備える、請求の範囲1記載の電力素子の駆動回路。
 前記駆動回路は、前記電流検出抵抗と並列に接続される第5のスイッチ素子をさらに備え、
 前記制御部は、前記入力信号が前記電力素子をオン状態からオフ状態に遷移させる変化をした場合に、前記第5のスイッチ素子をオン状態にする、請求の範囲14記載の電力素子の駆動回路。
 前記電源は、前記電力素子をオン状態に遷移させるのに必要十分な電圧を出力する単一の直流電源である、請求の範囲1記載の電力素子の駆動回路。
Description:
電力素子の駆動回路

 本発明は、電力用の半導体素子をオン/オ フさせるための駆動回路に関する。

 電力用の半導体素子は、制御電極に入力 れた電圧または電流信号によって、主電流 オン/オフ制御を行なう。電圧信号によって オン/オフ制御を行なう電圧駆動形の電力素 には、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)な どがあり、また電流信号によってオン/オフ 御する電流駆動型の電力素子にはバイポー トランジスタなどがある。

 これらの電力素子では、オン状態からオ 状態に切り替えるとき、制御電極(ゲート電 極またはベース電極)と主電極(ソース電極ま はエミッタ電極)との間に逆バイアスをかけ ることが多い。この理由は、電圧駆動形の電 力素子では、ノイズなどの影響を受けないよ うに確実にオフ状態にするためであり、また 電流駆動形の素子では、主電流のターンオフ 時間を短縮するためである。逆バイアスを印 加するための駆動回路として、以下の第1、 2の従来技術が知られている。

 第1の従来技術は、順バイアス用、逆バイ アス用に2電源を用いるものである(特開平07-1 31971号公報(特許文献1)の明細書段落[0003]およ 図8参照)。電力素子としてIGBTを用いる場合 オン用スイッチ素子としてのオントランジ タ、オン抵抗、オフ用スイッチ素子として オフトランジスタ、及びオフ抵抗を直列接 して、これを順バイアス電源と逆バイアス 源との直列接続でなる主ゲート電源に接続 、オン抵抗とオフ抵抗との接続点をIGBTのゲ ートに接続してゲート駆動回路を構成する。 ここで、オントランジスタをオンにすれば、 順バイアス電源、オントランジスタ、オン抵 抗、IGBTのゲート、IGBTのエミッタ、順バイア 電源の経路で順バイアス電流が流れて、こ IGBTをターンオンする。一方、オフトランジ スタをオンにすれば、逆バイアス電源、IGBT エミッタ、IGBTのゲート、オフ抵抗、オフト ンジスタ、逆バイアス電源の経路で逆バイ ス電流が流れて、このIGBTをターンオフする 。

 また、第2の従来技術は、単電源と共に充電 用のコンデンサを設け、このコンデンサを擬 似的な電源として用いるものである(特開平09 -140122号公報(特許文献2)参照)。この技術では ベース端子とエミッタ端子の間にダイオー を接続し、ベース端子とコレクタ端子の間 抵抗を接続したP形トランジスタをパルス電 源の入力端子間に並列接続し、第1の抵抗を してP形トランジスタのエミッタ端子をIGBTの ゲート端子に接続すると共に、コンデンサと 定電圧ダイオードより成る並列回路を介して P形トランジスタのコレクタ端子をIGBTのゲー 端子に接続してある第2の抵抗に接続してゲ ート駆動回路を構成する。ダイオードと第1 抵抗を介してIGBTのゲート端子にパルス電源 らの正バイアスを印加すると第2の抵抗を介 してコンデンサも充電される。正バイアスが オフとなるとP形トランジスタはオンとなる で、このP形トランジスタと第2の抵抗を介し てコンデンサに蓄積されている電荷は放電さ れ、IGBTのゲート端子に逆バイアスが印加さ る。

特開平07-131971号公報

特開平09-140122号公報

 しかしながら、上記の第1の従来技術は、 2電源を用いているので、単電源の場合に比 ると余分なスペースとコストを必要とする また、上記の第2の従来技術についても、擬 的な電源として用いられるコンデンサには 駆動しようとする電力素子のゲート容量に べて十分に大きな容量が必要になるので、 電源だけの場合に比べるとスペースとコス が余分にかかる。

 さらに、上記第1、第2の従来技術に共通 る問題点として、単電源だけの場合に比べ 駆動回路に高い耐電圧性能が求められる点 挙げられる。具体的には、第1の従来技術で 、順バイアス電源の電源電圧と逆バイアス 源の電源電圧とを合計した電圧が駆動回路 印加されるので、駆動回路の構成部品には この合計の電圧に耐えるだけの性能が必要 なる。また、第2の従来の技術では、電力素 子を順方向にバイアスする電圧とコンデンサ の充電電圧との合計の電圧が電源によって供 給されるので、このコンデンサの充電電圧の 分だけ高い耐電圧性能が駆動回路に要求され る。

 本発明は、上述のような課題を解決する めになされたものであり、その目的は、新 な電源を追加することなく、単一の電源だ で、電力素子の制御電極に逆バイアスを印 することが可能な駆動回路を提供すること ある。

 本発明は、制御電極に与えられる信号に じて第1、第2の主電極間に流れる主電流を 御する電力素子についての駆動回路である その基本的構成は、第1のノードと第2のノー ドとの間に接続される電源と、制御電極を第 1、第2のノードの一方に選択的に接続し、第2 の主電極を前記第1、第2のノードの一方に選 的に接続するように構成されるスイッチマ リックス回路と、前記電力素子のオン/オフ の切換を行なうための入力信号に応じて前記 スイッチマトリクス回路を制御する制御部と を備える。制御部は、入力信号が電力素子を オン状態からオフ状態に遷移させる変化をし た場合には、制御電極を第1のノードに接続 るとともに第2の主電極を前記第2のノードに 接続する第1の状態から、前記制御電極を前 第2のノードに接続するとともに前記第2の主 電極を前記第1のノードに接続する第2の状態 、前記スイッチマトリクス回路の状態を切 える。

 本発明によれば、第1の状態から第2の状 への切り替えによって、電力素子の制御電 と第2の主電極との間に印加される電圧の極 が変わり、逆バイアスを印加できる。

本発明の実施の形態1として、IGBT10の駆 動回路1について、その基本的構成を示す回 図である。 図1に示す駆動回路1について、入力信 SG0に応じた状態の変化を表わすタイムチャ トである。 IGBT10および駆動回路1と、負荷16および 源18を含む主回路との接続関係を示す回路 である。 バイポーラトランジスタを用いて構成 た一例である電力素子の駆動回路1aを示す 路図である。 バイポーラトランジスタを用いて構成 た他の例の電力素子の駆動回路1bを示す回 図である。 MOSFETを用いて構成した一例である電力 子の駆動回路1cを示す回路図である。 MOSFETを用いて構成した他の例の電力素 の駆動回路1dを示す回路図である。 本発明の実施の形態2として、IGBT10の駆 動回路2aの構成を示す回路図である。 図8の駆動回路2aについて、入力信号SG0 応じた状態の変化を表わすタイムチャート ある。 図8に示す1ショットパルス発生回路30a 具体的構成の一例を示す回路図である。 図10に示す1ショットパルス発生回路30a について、入力信号SG0に応じた状態の変化を 示すタイムチャートである。 図8に示す駆動回路2aの変形例である駆 動回路2bの構成を示す回路図である。 図12の駆動回路2bについて、入力信号SG 0に応じた状態の変化を表わすタイムチャー である。 図12に示す1ショットパルス発生回路30b の具体的構成の一例を示す回路図である。 図14に示す1ショットパルス発生回路30b について、入力信号SG0に応じた状態の変化を 示すタイムチャートである。 本発明の実施の形態3として、IGBT10の 動回路3aの構成を示す回路図である。 図16の駆動回路3aについて、入力信号SG 0に応じた状態の変化を表わすタイムチャー である。 図16に示す遅延回路40aの具体的構成の 例を示す回路図である。 図18に示す遅延回路40aについて、入力 号SG0応じた状態の変化を表わすタイムチャ トである。 図16に示す駆動回路3aの変形例である 動回路3bの構成を示す回路図である。 図20の駆動回路3bについて、入力信号SG 0に応じた状態の変化を表わすタイムチャー である。 図20に示す遅延回路40bの具体的構成の 例を示す回路図である。 図22に示す遅延回路40bについて、入力 号SG0に応じた状態の変化を表わすタイムチ ートである。 本発明の実施の形態4として、IGBT10の 動回路4aの構成を示す回路図である。 図24の駆動回路4aについて、入力信号SG 0に応じた状態の変化を表わすタイムチャー である。 図24に示す駆動回路4aの変形例である 動回路4bの構成を示す回路図である。 図26の駆動回路4bについて、入力信号SG 0に応じた状態の変化を表わすタイムチャー である。 本発明の実施の形態5として、IGBT10の 動回路5aの構成を示す回路図である。 図28の駆動回路5aについて、入力信号SG 0に応じた状態の変化を表わすタイムチャー である。 図28に示す遅延回路40cの具体的構成の 例を示す回路図である。 図30に示す遅延回路40cについて、入力 号SG0に応じた状態の変化を表わすタイムチ ートである。 図28に示す駆動回路5aの変形例である 動回路5bの構成を示す回路図である。 図32の駆動回路5bについて、入力信号SG 0に応じた状態の変化を表わすタイムチャー である。 本発明の実施の形態6として、センスIG BT10aの駆動回路6の構成を示す回路図である。 図34の駆動回路6について、入力信号SG0 に応じた状態の変化を表わすタイムチャート である。 図34の駆動回路6の比較例として、セン スIGBT10aの駆動回路100の構成を示す回路図で る。 本発明の実施の形態7として、センスIG BT10aの駆動回路7の構成を示す回路図である。 図37に示す制御IC50bの具体的構成の一 を示す回路図である。 図37の駆動回路7について、入力信号SG0 に応じた状態の変化を表わすタイムチャート である。 本発明の実施の形態8として、センスIG BT10aの駆動回路8の構成を示す回路図である。 図40の駆動回路8について、入力信号SG0 に応じた状態の変化を表わすタイムチャート である。

符号の説明

 1~8 駆動回路、10 IGBT(電力素子),10a セン IGBT(電力素子)、11 電源ノード(第1のノード) 、12 接地ノード(第2のノード)、15 電源、20,2 0a~20j 制御部、50a,50b 制御IC、70 比較器(電圧 監視部)、74 ツェナダイオード(定電圧部)、80  スイッチマトリクス回路、C コレクタ電極( 第1の主電極)、E エミッタ電極(第2の主電極) G ゲート電極(制御電極)、S センス電極、IC  コレクタ電流(主電流)、Q1~Q6 スイッチ素子 SG0 入力信号、R1,R4 抵抗、D1~D4 ダイオード 、RD 電流検出抵抗。

 以下、本発明の実施の形態について図面 参照して詳しく説明する。なお、同一また 相当する部分には同一の参照符号を付して その説明を繰り返さない。

 ここで、以下の各実施の形態では、電力 子としてIGBTを例に挙げて説明しているけれ ども、MOSFETまたはバイポーラトランジスタを 駆動するための駆動回路についても、IGBTの 動回路についての各実施の形態を適用する とができる。具体的には、MOSFETの場合には 以下の説明においてエミッタ電極をソース 極と読替え、コレクタ電極をドレイン電極 読替えればよく、また、バイポーラトラン スタの場合には、以下の説明でゲート電極 ベース電極に読替えればよい。なお、本明 書でバイポーラトランジスタとは、ベース 流によってオン/オフ制御を行なう通常のPNP またはNPN形のバイポーラトランジスタを意 する。

 また、以下の説明では、IGBTの導電形とし て一般的なNチャネルを用いているけれども たとえば、PチャネルのMOSFETまたはPNP形のバ ポーラトランジスタの駆動回路についても NチャネルのIGBTの駆動回路についての各実 の形態を適用することができる。Pチャネル たはPNP形の場合には、以下の説明で電源お びダイオードの極性を反対にし、各スイッ 素子として用いられるMOSFETのソース電極と ミッタ電極とを反対にし、また、各スイッ 素子として用いられるバイポーラトランジ タのエミッタ電極とコレクタ電極とを反対 すればよい。

 [実施の形態1]
 図1は、本発明の実施の形態1として、IGBT10 駆動回路1について、その基本的構成を示す 路図である。NチャネルのIGBT10では、第1の 電極であるコレクタ電極Cから第2の主電極で あるエミッタ電極Eに流れる主電流が、制御 極であるゲート電極Gとエミッタ電極Eとの間 に印加される電圧によって制御される。

 図1に示すように、IGBT10の駆動回路1は、 1および第2のノード11,12の間に設けられる単 の直流電源15と、接続ノードP1とIGBT10のゲー ト電極Gとの間に設けられるゲート抵抗RGと、 接続ノードP1とノード11との間に設けられる 1のスイッチ素子Q1と、接続ノードP1とノード 12との間に設けられる第2のスイッチ素子Q2と ノード11とIGBT10のエミッタ電極Eに接続され 接続ノードP2との間に設けられる第3のスイ チ素子Q3と、接続ノードP2とノード12との間 設けられる第4のスイッチ素子Q4とを含む。 イッチ素子Q1~Q4によって構成される回路は わゆるHブリッジと呼ばれる回路である。

 ここで、電源15の出力電圧Vccは、IGBT10を ン状態に遷移させるのに必要十分な電圧に しい。IGBTの場合、通常15ボルトに設定され 。なお、ゲート抵抗RGは、IGBT10をオン/オフ せるときにゲート電極に流入またはゲート 極から流出する電流を制限するために設け れる。

 実施の形態1では、ノード11が電源15の正 側であり、ノード12が電源15の負極側である ノード12は、駆動回路1の基準電位を決める 動回路用の接地GND1に接続される。したがっ て、ノード11の電位は電源電圧Vccになり、ノ ド12の電位は基準電位0になる。そこで、以 では、ノード11を電源ノード11と記載し、ノ ード12を接地ノード12と記載する場合がある

 さらに、IGBT10の駆動回路1は、信号入力ノ ードSinから入力される入力信号SG0の論理レベ ルに応じて、これらのスイッチ素子Q1~Q4のオ /オフの状態を第1、第2の状態に切替える制 部20を含む。ここで、入力信号SG0の論理レ ルには、ハイ(H)レベルとロー(L)レベルとが り、各実施の形態では、Hレベルの入力信号S G0が、IGBT10をオン状態に遷移(ターンオン)さ る指令に対応し、Lレベルの入力信号SG0が、I GBTをオフ状態に遷移(ターンオフ)させる指令 対応する。制御部20は、入力信号SG0がHレベ のとき、スイッチ素子Q1~Q4の状態をそれぞ 、オン状態、オフ状態、オフ状態、オン状 にする。このときのスイッチ素子Q1~Q4の状態 を第1の状態と呼ぶ。また、制御部20は、入力 信号SG0がLレベルのとき、スイッチ素子Q1~Q4の 状態をそれぞれ、オフ状態、オン状態、オン 状態、オフ状態にする。このときのスイッチ 素子Q1~Q4の状態を第2の状態と呼ぶ。

 図2は、図1に示す駆動回路1について、入 信号SG0に応じた状態の変化を表わすタイム ャートである。図2において、横軸は時間を 示し、縦軸は上から順に、入力信号SG0の論理 レベル、スイッチ素子Q1~Q4のオン/オフの状態 、接続ノードP1の電位V(P1)、IGBT10のエミッタ 極Eの電位V(E)、IGBT10のゲート電極Gの電位V(G) IGBT10のゲート・エミッタ間の電圧VGE、およ IGBT10の駆動電流IDを示す。

 ここで、ゲート・エミッタ間電圧VGEは、I GBT10のエミッタ電極Eの電位を基準にするとき のゲート電極Gの電位を表わす。また、駆動 流IDとは、IGBT10のゲート電極Gを順方向およ 逆方向にバイアスするために、駆動用の電 15から供給される電流をいう。本明細書では 、駆動電流IDをIGBT10のターンオン時間または ーンオフ時間内で一定の平均電流で近似す 。また、本明細書の図面では、電圧波形が 数関数的に変化する部分については直線で 似して表わす。

 以下、図1、図2を参照して、駆動回路1の動 について説明する。
 図2の時刻T1では、入力信号SG0がLレベルから Hレベルに切換わる。これに応じて、制御部20 は、スイッチ素子Q1~Q4の状態を第2の状態から 第1の状態に切換える。第1の状態では、接続 ードP1が電源ノード11に接続され、接続ノー ドP2が接地ノード12に接続されるので、接続 ードP1の電位V(P1)は、0からVccに変化し、接続 ノードP2に接続されたIGBTのエミッタ電極Eの 位V(E)は、Vccから0に変化する。この結果、IGB T10には、エミッタ電極Eの電位に対してゲー 電極Gの電位が正になる順バイアス電圧がか って、IGBT10はターンオンする。

 図2に示すように、IGBT10のゲート電極Gの 位V(G)は、次の時刻T2までの間にVccまで徐々 変化する。この時刻T1~T2のターンオン時間は 、IGBT10のゲート容量およびゲート抵抗RGの抵 値などによって決まる時定数による。ゲー 電極Gの電位V(G)の変化に伴って、ゲート・ ミッタ間電圧VGEも、-VccからVccまで次第に変 する。

 次の時刻T3では、入力信号SG0がHレベルか Lレベルに切換わる。これに応じて、制御部 20は、スイッチ素子Q1~Q4の状態を第1の状態か 第2の状態に切換える。第2の状態では、接 ノードP1は接地ノード12に接続され、接続ノ ドP2は電源ノード11に接続されるので、接続 ノードP1の電位V(P1)は、Vccから0に変化し、接 ノードP2に接続されたIGBTのエミッタ電極Eの 電位V(E)は、0からVccに変化する。この結果、I GBT10には、エミッタ電極Eの電位に対してゲー ト電極Gの電位が負になる逆バイアス電圧が かり、IGBT10はターンオフする。

 このターンオフの場合も、IGBT10のゲート 極Gの電位V(G)は、次の時刻T4までの間に次第 に0まで変化し、これに伴って、ゲート・エ ッタ間電圧VGEがVccから-Vccまで次第に変化す 。時刻T3~T4のターンオフ時間は、前述のタ ンオン時間と同様に、IGBT10のゲート容量お びゲート抵抗RGの抵抗値などによって決まる 時定数による。

 次の時刻T5では、IGBT10をターンオンさせ ため、再び入力信号SG0がLレベルからHレベル に切換わるのに応じて、制御部20は、スイッ 素子Q1~Q4の状態を第2の状態から第1の状態に 切換える。前述の時刻T1~T2の場合と同様に、 刻T5~T6で、ゲート電極GはVccまで次第に変化 、ゲート・エミッタ間電圧VGEは-VccからVccま で次第に変化する。

 このように、スイッチ素子Q1~Q4を含む回 は、入力信号SG0に応じて、IGBT10のゲート電 Gとノード11,12とが選択的に接続し、IGBT10の ミッタ電極Eとノード11,12とが選択的に接続 るスイッチマトリクス回路80として機能する 。このノード11,12との接続の切り替えに伴っ 、IGBT10のゲート電極Gおよびエミッタ電極E 、充電、放電が行われる。ゲート・エミッ 間電圧VGEが正にバイアスされたときには、 ート電極Gの電位がエミッタ電極Eの電位に対 して正になるように電荷が蓄積され、ゲート ・エミッタ間電圧VGEが正から負に変わると、 ゲート・エミッタ間に蓄積された電荷は放電 されて、逆にゲート電極Gの電位がエミッタ 極の電位に対して負になるように充電され 。駆動回路1のスイッチ素子Q1~Q4を図2のよう 制御する場合には、このような充放電の電 は、電源15によって駆動電流IDとして供給さ れる。

 ここで、ゲート・エミッタ間電圧VGEを0か らVccにまで充電するために、電源15が供給す 平均電流の大きさをI1とし、このI1を基準に して駆動電流IDを評価する。そうすると、図2 に示すように、時刻T1~T2および時刻T5~T6のタ ンオン時間では、ゲート・エミッタ間電圧VG Eは-VccからVccまで変化するので、駆動電流ID 大きさはI1×2になる。また、時刻T3~T4のター オフ時間では、ゲート・エミッタ間電圧VGE Vccから-Vccまで変化するので、駆動電流IDの きさはI1×2になる。

 図3は、IGBT10および駆動回路1と、負荷16お よび電源18を含む主回路との接続関係を示す 路図である。

 図3に示すように、IGBT10は、エミッタ電極 Eに接続されるノード13、およびコレクタ電極 Cに接続されるノード14を介して、主回路に接 続される。主回路用の接地GND2は、ノード13に 接続され、主回路の負荷16の一端は、ノード1 4に接続される。負荷16の他端は、主回路の電 源18の正極に接続され、電源18の負極は接地GN D2に接続される。IGBT10がターンオンしたとき IGBT10のコレクタ電極Cからエミッタ電極Eに れるコレクタ電流ICは、主回路の電源18から 荷16を通って供給される。ここで、駆動回 用の接地GND1は、接地GND2とは接続せずに、フ ローティングにする。

 次に、スイッチ素子Q1~Q4の具体的な構成例 ついて説明する。
 図4、図5は、バイポーラトランジスタを用 て構成した例である、電力素子の駆動回路1a ,1bを示す回路図であり、図6、図7は、MOSFETを いて構成した例である、電力素子の駆動回 1c,1dを示す回路図である。

 図4に示す駆動回路1aの場合、スイッチ素 Q1~Q4は、それぞれNPN形、PNP形、NPN形、PNP形 バイポーラトランジスタによって構成され 。以下、スイッチ素子Q1~Q4を構成するバイポ ーラトランジスタを、それぞれ、バイポーラ トランジスタQ1~Q4と、簡略化して記載する。

 図4において、バイポーラトランジスタQ1~ Q4がNPN形の場合は、エミッタ電極が低電圧側 接続され、コレクタ電極が高電圧側に接続 れる。PNP形の場合は、エミッタ電極が高電 側に接続され、コレクタ電極が低電圧側に 続される。具体的には、バイポーラトラン スタQ1,Q3のコレクタ電極は、電源ノード11に 接続され、バイポーラトランジスタQ1,Q2のエ ッタ電極は、接続ノードP1に接続される。 た、バイポーラトランジスタQ3,Q4のエミッタ 電極は、接続ノードP2(IGBT10のエミッタ電極E) 接続され、バイポーラトランジスタQ2,Q4の レクタ電極は、接地ノード12に接続される。 さらに、バイポーラトランジスタQ1,Q2の制御 極であるベース電極G1,G2は、バイポーラト ンジスタQ1,Q2に制御信号SG1を入力するための 接続ノードP3に接続され、バイポーラトラン スタQ3,Q4のベース電極G3,G4は、バイポーラト ランジスタQ3,Q4に制御信号SG2を入力するため 接続ノードP4に接続される。

 ここで、図4の制御部20aは、分岐ノードP5 接続ノードP4との間に接続されるインバー 24を含む。分岐ノードP5は、信号入力ノードS inおよび接続ノードP3と接続される。したが て、信号入力ノードSinから入力された入力 号SG0は分岐ノードP5で分岐され、接続ノード P3には、入力信号SG0が制御信号SG1として供給 れ、接続ノードP4には、入力信号SG0の論理 ベルをインバータ24によって反転させた制御 信号SG2が供給される。

 この結果、入力信号SG0がHレベルのとき、 バイポーラトランジスタQ1~Q4の状態は、図1で 説明した第1の状態になって、IGBT10がオン状 に遷移する。逆に、入力信号SG0がLレベルの き、バイポーラトランジスタQ1~Q4の状態が 1で説明した第2の状態になって、IGBT10がオフ 状態に遷移する。

 図5に示す駆動回路1bは、バイポーラトラ ジスタQ3,Q4がそれぞれNPN形、PNP形であるの 代えて、それぞれPNP形、NPN形にする点と、 ンバータ24を含まずに、入力信号SG0と同じ論 理レベルの制御信号SG2をバイポーラトランジ スタQ3,Q4に供給する点とにおいて、図4に示す 駆動回路1aと異なる。駆動回路1bでは、バイ ーラトランジスタQ3,Q4の導電形の変更に伴っ て、バイポーラトランジスタQ3のエミッタ電 が電源ノード11に接続され、コレクタ電極 接続ノードP2に接続される。また、バイポー ラトランジスタQ4のコレクタ電極は接続ノー P2に接続され、エミッタ電極は接地ノード12 に接続される。ここで、バイポーラトランジ スタQ3,Q4の導電形と各ゲート電極G3,G4に入力 れる制御信号SG2の論理レベルとの両方が図4 駆動回路1aと反対であるので、バイポーラ ランジスタQ3,Q4の入力信号SG0に応じたオン/ フ動作は、図4の駆動回路1aの場合と同様に る。図5のその他の構成については、図4に示 す駆動回路1aと同様であるので、説明を繰り さない。

 また、図6、図7に示す駆動回路1c,1dは、ス イッチ素子Q1~Q4をMOSFETによって構成している において、それぞれ図4、図5に示す駆動回 1a,1bと相違する。したがって、図4、図5につ ての説明で、バイポーラトランジスタのベ ス電極、エミッタ電極およびコレクタ電極 、それぞれMOSFETのゲート電極、ソース電極 よびドレイン電極と読み替え、パイポーラ ランジスタのNPN形およびPNP形を、それぞれM OSFETのNチャネルおよびPチャネルと読み替え ば、図4、図5での説明は、図6、図7に示す駆 回路1c,1dにも妥当するので、説明を繰り返 ない。

 上述のとおり、実施の形態1の駆動回路1,1 a~1dによれば、単一の電源15を用いて、スイッ チ素子Q1~Q4を切り替えることによって、IGBT10 ゲート電極Gに順バイアスおよび逆バイアス の両方のバイアス電圧を印加することができ る。また、電源15の出力は、IGBT10をターンオ させるのに必要十分な電圧でよい。前述の 2の従来技術では、逆バイアス印加に用いる コンデンサの充電電圧を加えた電圧を電源か ら供給していたのに対して、実施の形態1で 、より少ない出力電圧でIGBT10のゲート電極G 逆バイアスを印加することができる。この め、実施の形態1の駆動回路1,1a~1dでは、前 の第1、第2の従来技術で必要とされるような 高い耐電圧性能を必要としない。

 [実施の形態2]
 IGBTなどの電力素子のターンオフ時に逆バイ アスを印加する場合は、逆バイアスを印加し ない場合に比べて、概略4倍の駆動電流が必 になる。このため、駆動用電源には比較的 きな電流容量が必要になり、駆動回路の各 イッチ素子にも電流容量の大きなものが必 になる。また、電力素子のターンオン時間 増加するので、スイッチングロスが増大す 。電力素子のスイッチングスピードを速め ために、ゲート抵抗またはベース抵抗の抵 値を小さくすると、かえって、駆動電流の ーク値が増加するので、さらに大きな電流 量の駆動用電源が必要になる。

 実施の形態2では、上記の問題を解決する ために、IGBT10をターンオフするときに、一時 的に第2の状態にした後、電源15を通らない経 路でIGBT10のエミッタ電極Eとゲート電極Gを接 することによって、ゲート電極Gとエミッタ 電極Eとの間に蓄積された電荷を放電させる これによって、ターンオン時の駆動電流IDを 減少させる。以下、図8~図15を参照して詳し 説明する。

 図8は、本発明の実施の形態2として、IGBT1 0の駆動回路2aの構成を示す回路図である。図 8に示す駆動回路2aは、図4に示す駆動回路1aを 変形したものである。駆動回路2aが図4の駆動 回路1aと異なる点は、バイポーラトランジス Q3のゲート電極と接続ノードP4との間に接続 される1ショットパルス発生回路30aをさらに む点と、バイポーラトランジスタQ4のエミッ タ電極およびコレクタ電極間に接続される抵 抗R4をさらに含む点である。ここで、1ショッ トパルス発生回路30aは、駆動回路2aの制御部2 0cに含まれ、入力されるパルス信号がLレベル からHレベルに変化するとき、この立上りエ ジをトリガにして、Hレベルの1ショットパル スを出力する。1ショットパルス発生回路30a 具体的構成の一例は図10を参照して後述する 。また、抵抗R4の抵抗値は、オン状態のバイ ーラトランジスタQ1~Q4のエミッタ・コレク 間抵抗よりも十分に大きく設定される。

 図9は、図8の駆動回路2aについて、入力信 号SG0に応じた状態の変化を表わすタイムチャ ートである。図9において、横軸は時間を示 、縦軸は上から順に、入力信号SG0の論理レ ル、バイポーラトランジスタQ1~Q4のオン/オ の状態、IGBT10のゲート・エミッタ間電圧VGE および駆動電流IDを示す。

 図8、図9を参照して、駆動回路2aの動作につ いて説明する。
 図9の時刻T1では、入力信号SG0がLレベルから Hレベルに切換わる。このとき、入力信号SG0 制御信号SG1として供給されるバイポーラト ンジスタQ1,Q2は、それぞれオン状態、オフ状 態になり、入力信号SG0を反転した制御信号SG2 が供給されるバイポーラトランジスタQ4はオ 状態になる。

 一方、1ショットパルス発生回路30aは、制 御信号SG2がHレベルからLレベルに変化する立 りエッジでは、1ショットパルスを発生せず 、出力はLレベルのままである。したがって バイポーラトランジスタQ3はオフ状態を維持 する。この結果、バイポーラトランジスタQ1~ Q4の状態が図1で説明した第1の状態になるの 、IGBT10のゲート電極Gに順バイアスが印加さ 、IGBT10がターンオンする。時刻T1~T2のター オン時間で、ゲート・エミッタ間電圧VGEは 0からVccに変化する。

 時刻T3で入力信号SG0がHレベルからLレベル に切換わる。このとき、Lレベルの入力信号SG 0が供給されるバイポーラトランジスタQ1,Q2は 、それぞれオフ状態、オン状態になり、Hレ ルの制御信号SG2が供給されるバイポーラト ンジスタQ4はオフ状態になる。

 一方、1ショットパルス発生回路30aは、制 御信号SG2がLレベルからHレベルに変化するの 、この立上りエッジをトリガにして、Hレベ ルの1ショットパルスを発生する。1ショット ルス発生回路30aの出力は、次の時刻T4でLレ ルに戻る。このパルス出力を受けて、時刻T 3~T4の間の一時的な期間だけ、バイポーラト ンジスタQ3がオン状態になるので、バイポー ラトランジスタQ1~Q4の状態が一時的に第2の状 態になる。この結果、IGBT10のゲート電極Gに バイアスが印加され、IGBT10はターンオフす 。このとき、IGBT10のゲート・エミッタ間電 VGEは、Vccから-Vccまで次第に変化する。この きの駆動電流IDはI1×2である。

 時刻T4では、バイポーラトランジスタQ1,Q3 ,Q4がオフ状態になるので、電源ノード11とIGBT 10との間が開放される。一方、バイポーラト ンジスタQ2はオン状態であるので、IGBT10の ミッタ電極Eから、バイポーラトランジスタQ 4に並列接続された抵抗R4、オン状態のバイポ ーラトランジスタQ2、およびゲート抵抗RGを に経由して、IGBT10のゲート電極Gに至る放電 路19が形成される。

 電源15を経由しないこの放電経路19に放電 電流が流れることによって、時刻T3~T4の間にI GBT10のゲート・エミッタ間に蓄積された電荷 放電される。この放電は、図2のT5~T6の場合 異なり、電源15によって駆動されて生じる のでない。時刻T5でゲート・エミッタ間電圧 VGEが0になると、放電が完了する。時刻T4~T5の 放電時間は、バイパス用の抵抗R4の抵抗値、 ート抵抗RGの抵抗値およびIGBT10のゲート容 などによって決まる時定数による。

 次の時刻T6では、再び入力信号SG0がLレベ からHレベルに切換わるので、時刻T1の場合 同様に、バイポーラトランジスタQ1~Q4の状 が第1の状態になって、IGBT10のゲート電極Gに 順バイアスがかかり、IGBT10はターンオンする 。ここで、ターンオンの開始時点で、ゲート ・エミッタ間に蓄積された電荷の放電が既に 完了しており、ゲート・エミッタ間電圧VGEが 0になっている。したがって、時刻T6~T7のター ンオン時間でのゲート・エミッタ間電圧VGEの 変化量は、0からVccまでのVccであり、図2の時 T5~T6に示す実施の形態1の場合の半分になる この結果、ターンオン時に電源15が供給す 駆動電流IDはI1になり、実施の形態1の場合の 半分になる。

 このように、実施の形態2の駆動回路2aで 、一時的に第2の状態にした後に、IGBT10のゲ ート・エミッタ間に蓄積された電荷を、電源 15を経由しない放電経路19を介して放電させ 、ゲート・エミッタ間電圧VGEを0に戻すこと よって、IGBT10のターンオン時の駆動電流ID 減少させることができる。さらに、ターン ン時のゲート・エミッタ間電圧VGEの変化量 減少するので、IGBT10のターンオン時間も短 させることができる。

 図10は、図8に示す1ショットパルス発生回 路30aの具体的構成の一例を示す回路図である 。

 図10に示すように、1ショットパルス発生 路30aは、入力側ノード31と中間ノード33との 間に接続されたコンデンサ32と、中間ノード3 3と出力側ノード37との間に直列に接続された 2個のインバータ36a,36bと、中間ノード33と接 GND1(接地ノード12)との間で互いに並列に接続 された抵抗34およびダイオード35とを含む。1 ョットパルス発生回路30aの入力側ノード31 、接続ノードP4に接続され、出力側ノード37 バイポーラトランジスタQ3のベース電極G3に 接続される。

 ここで、コンデンサ32および抵抗34によっ て構成される回路はいわゆる微分回路であり 、入力側ノード31の信号が微分されて中間ノ ド33に生成される。ただし、中間ノード33の 電位V(33)が接地GND1に対して負になる場合は、 ダイオード35に順方向が流れるので、中間ノ ド33の電位V(33)はほぼ0に制限される。また 図10で直列接続された2個のインバータ36a,36b 、入力された電圧波形を矩形波に整形する ッファとして用いられる。

 図11は、図10に示す1ショットパルス発生 路30aについて、入力信号SG0に応じた状態の 化を示すタイムチャートである。図11におい て、横軸は時間を示し、縦軸は上から順に、 入力信号SG0の論理レベル(信号入力ノードSin 電位V(Sin))、入力側ノード31の電位V(31)、中間 ノード33の電位V(33)、出力側ノード37の電位V(3 7)、およびバイポーラトランジスタQ3の動作 態を示す。

 図10、図11を参照して、時刻T1,T4では、入 信号SG0が、Lレベル(0)からHレベル(Vcc)に切換 わるので、入力側ノード31の電位V(31)はVccか 0に変化する。このとき、微分信号として中 ノード33に生成される負電位はダイオード35 によって制限されるので、中間ノード33の電 V(33)はダイオード35の順方向降下電圧だけ低 下する。

 一方、時刻T2,T5では、入力信号SG0に応じ 入力側ノード31の電位V(31)は0からVccに変化す るので、微分信号として中間ノード33に生成 れる電位V(33)はVccまで上昇した後、0に徐々 戻る。この結果、中間ノード33の電位V(33)が インバータ36aの閾値電圧Vt1以上になる、時刻 T2~T3および時刻T5~T6で、出力側ノード37にHレ ル(電源電圧Vcc)のパルス信号が出力される。 このパルス出力を受けて、バイポーラトラン ジスタQ3がオン状態になる。ここで、1ショッ トパルスのパルス幅に対応する、時刻T2~T3、 刻T5~T6の時間は、コンデンサ32の容量と抵抗 34の値の積である微分回路の時定数で決まる

 図12は、図8に示す駆動回路2aの変形例で る駆動回路2bの構成を示す回路図である。図 12の駆動回路2bは、図8の1ショットパルス発生 回路30aおよび抵抗R4に代えて、接続ノードP3 バイポーラトランジスタQ2のベース電極G2と 間に接続される1ショットパルス発生回路30b と、バイポーラトランジスタQ1のコレクタ電 とエミッタ電極との間に接続される抵抗R1 を含む点で、図8に示す駆動回路2aと相違す 。ここで、1ショットパルス発生回路30bは、 動回路2bの制御部20dに含まれ、入力される ルス信号がHレベルからLレベルに変化すると き、この立下りエッジをトリガにして、一時 的にLレベルになってHレベルに戻るようなLレ ベルの1ショットパルスを出力する。1ショッ パルス発生回路30bの具体的構成の一例は図1 4を参照して後述する。また、抵抗R1の抵抗値 は、オン状態のバイポーラトランジスタQ1~Q4 エミッタ・コレクタ間抵抗よりも十分に大 く設定される。

 図13は、図12の駆動回路2bについて、入力 号SG0に応じた状態の変化を表わすタイムチ ートである。図13において、横軸は時間を し、縦軸は上から順に、入力信号SG0の論理 ベル、バイポーラトランジスタQ1~Q4のオン/ フの状態、IGBT10のゲート・エミッタ間電圧VG E、および駆動電流IDを示す。

 以下、図12、図13を参照して、駆動回路2b 動作について説明する。ここで、図13は、 9の駆動回路2aのタイムチャートと比較して バイポーラトランジスタQ2の波形とバイポー ラトランジスタQ3の波形とが入れ替わってい 点が異なる。そこで、以下の説明では、バ ポーラトランジスタQ2,Q3の動作について主 説明し、駆動回路2aと同様の点については説 明を繰り返さない。

 図13の時刻T1で、入力信号SG0がLレベルか Hレベルに切換わる。このとき、、入力信号S G0が反転されて供給されるバイポーラトラン スタQ3は、オフ状態に遷移する。一方、1シ ットパルス発生回路30bは、入力信号SG0がLレ ベルからHレベルに変化する立上りエッジで 、1ショットパルスを発生せず、出力はHレベ ルのままである。したがって、バイポーラト ランジスタQ2はオフ状態を維持する。この結 、バイポーラトランジスタQ1~Q4の状態が第1 状態になって、IGBT10がターンオンする。

 時刻T3で、入力信号SG0がHレベルからLレベ ルに切換わると、バイポーラトランジスタQ3 オン状態になる。一方、1ショットパルス発 生回路30bは、入力信号SG0がHレベルからLレベ に変化するので、この立下りエッジをトリ にして、Lレベルの1ショットパルスを発生 る。1ショットパルス発生回路30bの出力は、 の時刻T4でHレベルに戻る。このパルス出力 受けて、バイポーラトランジスタQ2は、時 T3~T4の間でオン状態になるので、バイポーラ トランジスタQ1~Q4の状態が一時的に第2の状態 になって、IGBT10がターンオフする。

 時刻T4では、バイポーラトランジスタQ1,Q2 ,Q4がオフ状態になるので、接地ノード12とIGBT 10との間が開放される。一方、バイポーラト ンジスタQ3はオン状態であるので、IGBT10の ミッタ電極Eから、オン状態のバイポーラト ンジスタQ3、バイパス用の抵抗R1、およびゲ ート抵抗RGを順に経由して、IGBT10のゲート電 Gに至る放電経路19が形成される。電源15を 由しないこの放電経路19に放電電流が流れる ことによって、時刻T3~T4の間にIGBT10のゲート エミッタ間に蓄積された電荷が放電される

 このように、図12の駆動回路2bにおいても 、一時的に第2の状態にした後に、IGBT10のゲ ト・エミッタ間に蓄積された電荷を、電源15 を経由しない放電経路19を介して放電させる で、図12の駆動回路2bは図8の駆動回路2aと同 様の効果を奏する。

 図14は、図12に示す1ショットパルス発生 路30bの具体的構成の一例を示す回路図であ 。

 図14に示す1ショットパルス発生回路30bは 抵抗34およびダイオード35が、中間ノード33 電源ノード11(電源電圧Vcc)との間に接続され る点で、図10に示す1ショットパルス発生回路 30aと異なる。また、ダイオード35の極性につ ては、図14では、電源ノード11にダイオード 35のカソードが接続され、中間ノード33にダ オード35のアノードが接続される。このよう に、中間ノード33が抵抗34を介して電源ノー 11に接続されるので、入力側ノード31の電位V (31)が変化しない場合には、中間ノード33の電 位V(33)は、Vccに固定される。入力側ノード31 電位V(31)が変化すると、その微分信号を電源 電圧Vccに重ね合わせた電位が、中間ノード33 生成される。中間ノード33の電位V(33)が電源 電圧Vccを超える場合は、ダイオード35に順方 が流れるので、中間ノード33の電位V(33)は、 ほぼVccに制限される。

 図15は、図14に示す1ショットパルス発生 路30bについて、入力信号SG0に応じた状態の 化を示すタイムチャートである。図15におい て、横軸は時間を示し、縦軸は上から順に、 入力信号SG0の論理レベル(入力側ノード31の電 位V(31)と同じ)、中間ノード33の電位V(33)、出 側ノード37の電位V(37)、およびバイポーラト ンジスタQ2の動作状態を示す。

 図14、図15を参照して、時刻T1,T4で、入力 号SG0に応じて入力側ノード31の電位V(31)が0 らVccに切換わるとき、ダイオード35によって 電圧の上昇が制限されるので、中間ノード33 電位V(33)はわずかにダイオード35の順方向降 下電圧だけ上昇する。時刻T2,T5で、入力側ノ ド31の電位V(31)がVccから0に切換わるときは 中間ノード33の電位V(33)は、0まで低下してか らVccに徐々に戻る。中間ノード33の電位V(33) 、インバータ36aの閾値電圧Vt1以下となる時 T2~T4および時刻T5~T6で、出力側のノードに0の 電位、すなわちLレベルのパルス信号が発生 る。このパルス出力を受けて、バイポーラ ランジスタQ2がオン状態になる。

 上述の実施の形態2では、図4に示す駆動 路1aを変形した駆動回路2a,2bの構成を示した れども、図5~図7に示す駆動回路1b~1dを変形 ても同様の作用効果を奏する電力素子の駆 回路を実現することができる。ここで、NPN のバイポーラトランジスタまたはNチャネル MOSFETに1ショットパルス発生回路が接続され る場合には、図10に示す1ショットパルス発生 回路30aが用いられ、PNP形のバイポーラトラン ジスタまたはPチャネルのMOSFETに1ショットパ ス発生回路が接続される場合には、図14に す1ショットパルス発生回路30bが用いられる

 [実施の形態3]
 実施の形態3は、IGBT10をターンオフするとき の駆動電流IDの低減を目的とする。具体的に 、スイッチ素子Q1~Q4の状態を第1の状態から 2の状態に切換えるとき、スイッチ素子Q2,Q3 いずれか一方についてオン状態になるタイ ングを遅延させる。そして、この間に電源1 5を経由しないでIGBT10のエミッタ電極Eとゲー 電極Gとが接続することによって、ゲート・ エミッタ間に蓄積した電荷を放電させるもの である。以下、図16~図23を参照して詳しく説 する。

 図16は、本発明の実施の形態3として、IGBT 10の駆動回路3aの構成を示す回路図である。 16に示す駆動回路3aは、図4に示す駆動回路1a 変形したものである。図16に示す駆動回路3a が図4に示す駆動回路1aと異なる点は、バイポ ーラトランジスタQ4のエミッタ電極とコレク 電極との間に接続されたダイオードD4をさ に含む点と、バイポーラトランジスタQ3のゲ ート電極G3と接続ノードP4との間に接続され 遅延回路40aをさらに含む点である。ここで ダイオードD4のカソードがバイポーラトラン ジスタQ4のエミッタ電極に接続され、ダイオ ドD4のアノードがコレクタ電極に接続され 。したがって、第2の状態でバイポーラトラ ジスタQ3がオン状態となったとき、ダイオ ドD4は逆方向にバイアスされて導通しない。 また、遅延回路40aは、駆動回路3aの制御部20e 含まれ、入力されるパルス信号がLレベルか らHレベルに切換わるときの立上りエッジを 延させる機能を有する。遅延回路40aの具体 構成例については、図18を参照して後述する 。

 図17は、図16の駆動回路3aについて、入力 号SG0に応じた状態の変化を表わすタイムチ ートである。図17において、横軸は時間を し、縦軸は上から順に、入力信号SG0の論理 ベル、バイポーラトランジスタQ1~Q4のオン/ フの状態、IGBT10のゲート・エミッタ間電圧VG E、および駆動電流IDを示す。

 以下、図16、図17を参照して、駆動回路3aの 作について説明する。
 図17の時刻T1で、入力信号SG0がLレベルからH ベルに切換わるとき、入力信号SG0が供給さ るバイポーラトランジスタQ1,Q2は、それぞ オン状態、オフ状態になり、入力信号SG0を 転した制御信号SG2が供給されるバイポーラ ランジスタQ4はオン状態になる。一方、制御 信号SG2がHレベルからLレベルに変化する立下 エッジでは、遅延回路40aによる遅延は生じ いので、遅延回路40aに接続されるバイポー トランジスタQ3は、時刻T1から遅れることな くオフ状態に遷移する。この結果、バイポー ラトランジスタQ1~Q4の状態が図1で説明した第 1の状態になるので、IGBT10のゲート電極Gに順 イアスが印加されて、IGBT10がターンオンす 。時刻T1~T2のターンオン時間で、ゲート・ ミッタ間電圧VGEは-VccからVccに変化する。

 次に、時刻T3で、入力信号SG0がHレベルか Lレベルに切換わる。このとき、バイポーラ トランジスタQ1,Q2は、それぞれオフ状態、オ 状態になり、入力信号SG0を反転した制御信 SG2が供給されるバイポーラトランジスタQ4 オフ状態になる。一方、時刻T3で制御信号SG2 がLレベルからHレベルに変化するとき、遅延 路40aは、制御信号SG2の立上りを時刻T4まで 延させて出力する。この出力を受けて、バ ポーラトランジスタQ3は、時刻T4までオフ状 を維持し、時刻T4でオン状態に遷移する。

 バイポーラトランジスタQ3がオン状態に るまでの時刻T3~T4では、バイポーラトランジ スタQ1,Q3,Q4がオフ状態であるので、電源ノー 11とIGBT10との間は開放される。一方、バイ ーラトランジスタQ2はオン状態であるので、 IGBT10のゲート電極Gから、ゲート抵抗RG、オン 状態のバイポーラトランジスタQ2、および順 向のダイオードD4を順に経由して、IGBT10の ミッタ電極Eに至る放電経路19が形成される 電源15を経由しないこの放電経路19に放電電 が流れることによって、IGBT10のゲート・エ ッタ間に蓄積された電荷が放電される。図2 に示す時刻T3~T4の場合と異なり、この放電は 源15によって駆動されて生じるものでない ゲート・エミッタ間電圧VGEが0になると放電 完了する。放電が完了するまでの時間は、 ート抵抗RGの抵抗値およびIGBT10のゲート容 などによって決まる時定数による。

 時刻T4でバイポーラトランジスタQ3がオン 状態に遷移すると、バイポーラトランジスタ Q1~Q4の状態は第2の状態になるので、IGBT10のゲ ート電極Gに逆バイアスが印加される。図17で は、時刻T4の時点で既に放電が完了して、ゲ ト・エミッタ間電圧VGEが0になっているので 、時刻T4~T5で、ゲート・エミッタ間電圧VGEは0 から-Vccまで変化する。

 上記のように、実施の形態3では、時刻T3~ T5のターンオフ期間は、時刻T3~T4の第1の期間 時刻T4~T5の第2の期間とを含む。第1の期間で は、電源15を経由しない経路でIGBT10のゲート エミッタ間に蓄積された電荷が放電される したがって、この放電は、電源15によって 動されるものでない。第1の期間に続く第2の 期間では、電源15によって駆動電流IDが供給 れて、IGBT10に逆バイアスが印加される。第1 期間でゲート・エミッタ間に蓄積された電 の放電が完了していると、第2の期間でのゲ ート・エミッタ間電圧VGEの変化量はVccになる ので、ターンオフに必要な駆動電流IDはI1と り、図2のT3~T4に示す実施の形態1の場合の半 になる。このように、実施の形態3の駆動回 路3aは、ターンオフに要する駆動電流IDを減 させることができる。

 時刻T6では、再び入力信号SG0がLレベルか Hレベルに切換わるので、時刻T1の場合と同 に、バイポーラトランジスタQ1~Q4の状態が 1の状態になって、IGBT10のゲート電極Gに順バ イアスがかかり、IGBT10はターンオンする。実 施の形態3では、ターンオン時については、 ート・エミッタ間に蓄積された電荷を放電 せる過程を取り入れていないので、必要な 動電流IDはI1×2となって、図2のT5~T6に示す実 の形態1の場合と同じである。

 図18は、図16に示す遅延回路40aの具体的構成 の一例を示す回路図である。
 図18に示すように、遅延回路40aは、入力側 ード41と中間ノード44との間に接続された抵 42と、中間ノード44と出力側ノード47との間 直列接続されたバッファ用の2個のインバー タ46a,46bと、抵抗42と並列に接続されるダイオ ード43と、中間ノード44と接地ノード12(接地GN D1)との間に接続されるコンデンサ45とを含む ダイオード43の極性については、カソード 入力側ノード41に接続され、アノードが中間 ノード44に接続される。遅延回路40aの入力側 ード41は、接続ノードP4に接続され、出力側 ノード47は、バイポーラトランジスタQ3のベ ス電極G3に接続される。

 図19は、図18に示す遅延回路40aについて、 入力信号SG0応じた状態の変化を表わすタイム チャートである。図19において、横軸は時間 示し、縦軸は上から順に、入力信号SG0の論 レベル(信号入力ノードSinの電位V(Sin))、入 側ノード41の電位V(41)、中間ノード44の電位V( 44)、出力側ノード47の電位V(47)、およびバイ ーラトランジスタQ3の動作状態を示す。

 図18、図19を参照して、時刻T1,T4では、入 信号SG0が、Lレベル(0)からHレベル(Vcc)に切換 わるのに応じて、入力側ノード41の電位V(41) Vccから0に変化する。この電位V(41)の立下り には、ダイオード43に順方向電流が流れるの で、中間ノード44の電位V(44)は、入力側ノー 41の電位V(41)の変化に追随してVccから0まで変 化する。

 一方、時刻T2,T5では、入力側ノード41の電 位V(41)が0からVccに変化する。このとき、ダイ オード43は、逆方向にバイアスされて非導通 態である。したがって、抵抗42およびコン ンサ45によって構成される積分回路の効果に よって、中間ノード44に生成される信号の立 りエッジがなまり、中間ノード44の電位V(44) は0からVccまで徐々に上昇する。この結果、 間ノード44の電位V(44)がインバータ46aの閾値 圧Vt1以上になる時刻T3,T6以降で、出力側ノ ド47の電位V(47)がVccになり、バイポーラトラ ジスタQ3がオン状態になる。

 このように、遅延回路40aでは、図19の時 T2~T3および時刻T5~T6の遅延時間だけ、出力側 ード47の電位V(47)の立上りのタイミングが、 入力側ノード41の電位V(41)の立上りのタイミ グよりも遅延する。この遅延時間は、コン ンサ45の容量と抵抗42の抵抗値の積である積 回路の時定数で決まる。

 図20は、図16に示す駆動回路3aの変形例で る駆動回路3bの構成を示す回路図である。 20の駆動回路3bは、図16のダイオードD4と遅延 回路40aとに代えて、バイポーラトランジスタ Q1のコレクタ電極とエミッタ電極との間に接 されたダイオードD1と、接続ノードP3とバイ ポーラトランジスタQ2のベース電極G2との間 接続された遅延回路40bとを含む点において 図16の駆動回路3aと相違する。ここで、ダイ ードD1のカソードがバイポーラトランジス Q1のコレクタ電極に接続され、ダイオードD1 アノードがエミッタ電極に接続される。し がって、第2の状態でバイポーラトランジス タQ2がオン状態となったとき、ダイオードD1 逆方向にバイアスされて導通しない。また 図20の遅延回路40bは、駆動回路3bの制御部20f 含まれ、入力されるパルス信号がHレベルか らLレベルに切換わるときの立下りエッジを 延させるものである。遅延回路40bの具体的 成の一例は図22を参照して後述する。

 図21は、図20の駆動回路3bについて、入力 号SG0に応じた状態の変化を表わすタイムチ ートである。図21において、横軸は時間を し、縦軸は上から順に、入力信号SG0の論理 ベル、バイポーラトランジスタQ1~Q4のオン/ フの状態、IGBT10のゲート・エミッタ間電圧VG E、および駆動電流IDを示す。

 以下、図20、図21を参照して、駆動回路3b 動作について説明する。ここで、図21は、 17の駆動回路3aについてのタイムチャートと 較して、バイポーラトランジスタQ2の波形 バイポーラトランジスタQ3の波形とが入れ替 わっている点で異なる。そこで、以下の説明 では、バイポーラトランジスタQ2,Q3の動作に いて主に説明し、駆動回路3aと同様の動作 ついては説明を繰り返さない。

 図21の時刻T1で、入力信号SG0がLレベルか Hレベルに切換わる。このとき、入力信号SG0 反転させた制御信号SG2が供給されるバイポ ラトランジスタQ3は、オフ状態に遷移する 一方、バイポーラトランジスタQ2のベース電 極G2には、遅延回路40bの出力が供給される。 こで、入力信号SG0がLレベルからHレベルに 化する立上りエッジでは、遅延回路40bによ 立上りのタイミングの遅延は生じないので 時刻T1にバイポーラトランジスタQ2はオフ状 に遷移する。

 時刻T3で、入力信号SG0がHレベルからLレベ ルに切換わるのに応じて、バイポーラトラン ジスタQ3はオン状態に遷移する。一方、遅延 路40bは、入力信号SG0がHレベルからLレベル 変化する立下りのタイミングを時刻T4まで遅 延させて出力する。この出力を受けたバイポ ーラトランジスタQ2は、時刻T4までオフ状態 維持し、時刻T4でオン状態に遷移する。

 バイポーラトランジスタQ2がオン状態に 移するまでの時刻T3~T4では、バイポーラトラ ンジスタQ1,Q2,Q4がオフ状態であるので、接地 ード12とIGBT10との間が開放される。一方、 イポーラトランジスタQ3はオン状態であるの で、IGBT10のゲート電極Gから、ゲート抵抗RG、 順方向のダイオードD1、およびオン状態のバ ポーラトランジスタQ3を順に経由して、IGBT1 0のエミッタ電極Eに至る放電経路19が形成さ る。電源15を経由しないこの放電経路19に放 電流が流れることによって、IGBT10のゲート エミッタ間に蓄積された電荷が放電される

 時刻T4でバイポーラトランジスタQ2がオン 状態に遷移すると、バイポーラトランジスタ Q1~Q4の状態は第2の状態になるので、IGBT10のゲ ート電極Gに逆バイアスが印加される。

 このように、駆動回路3bは、図16の駆動回 路3aと同様に、ターンオフ期間の最初の時刻T 3~T4の間に、IGBT10のゲート・エミッタ間に蓄 された電荷を電源15を経由しない経路で放電 させておくことによって、ターンオフに要す る駆動電流IDを減少させることができる。

 図22は、図20に示す遅延回路40bの具体的構成 の一例を示す回路図である。
 図22に示す遅延回路40bは、ダイオード43のア ノードを入力側ノード41に接続し、カソード 中間ノード44に接続する点で、図18に示す遅 延回路40aと異なる。このようにダイオード43 極性が図18と異なるために、入力側ノード41 にパルス信号が入力されたとき、図18の遅延 路40aでは、立上りのタイミングが遅延した に対して、図22の遅延回路40bでは、立下り タイミングが遅延する。

 図23は、図22に示す遅延回路40bについて、 入力信号SG0に応じた状態の変化を表わすタイ ムチャートである。図23において、横軸は時 を示し、縦軸は上から順に、入力信号SG0の 理レベル(入力側ノード41の電位V(41)と同じ) 中間ノード44の電位V(44)、出力側ノード47の 位V(47)、およびバイポーラトランジスタQ2の 動作状態を示す。

 図22、図23を参照して、時刻T1,T4で、入力 号SG0に応じて入力側ノード41の電位V(41)が0 らVccに切換わる。このとき、この電位V(41)の 立上り時には、ダイオード43に順方向電流が れるので、中間ノード44の電位V(44)は、入力 側ノード41の電位V(41)の変化に追随して0からV ccまで変化する。

 一方、時刻T2,T5で、入力側ノード41の電位 V(41)はVccから0に変化する。この電位V(41)の立 り時には、中間ノード44に生成される信号 立上りエッジがなまり、中間ノード44の電位 V(44)はVccから0まで徐々に下降する。この結果 、中間ノード44の電位V(44)がインバータ46aの 値電圧Vt1未満になる時刻T3,T6以降で、出力側 ノード47の電位V(47)が0になり、バイポーラト ンジスタQ3がオン状態になる。すなわち、 刻T2~T3および時刻T5~T6の遅延時間だけ、出力 ノード47の電位V(47)の立下りのタイミングが 、入力側ノード41の電位V(41)の立下りのタイ ングよりも遅延する。

 上述の実施の形態3では、図4に示す駆動 路1aを変形した駆動回路3a,3bの構成を示した 、図5~図7に示す駆動回路1b~1dを変形しても 様の作用効果を奏する電力素子の駆動回路 実現することができる。ここで、遅延回路 NPN形のバイポーラトランジスタまたはNチャ ルのMOSFETに接続される場合には、図18に示 遅延回路40aが用いられ、遅延回路がPNP形の イポーラトランジスタまたはPチャネルのMOSF ETに接続される場合には、図22に示す遅延回 40bが用いられる。

 また、スイッチ素子Q1~Q4としてMOSFETを用 る場合には、MOSFETを寄生ダイオードを放電 路19として利用できる。したがって、バイポ ーラトランジスタQ1~Q4を用いる図16、図20の場 合と異なり、スイッチ素子Q1,Q4と並列にダイ ードD1,D4をさらに接続しなくてもよい。

 また、実施の形態3は、実施の形態2と組 合わせることができる。この場合、IGBT10の ーンオン時の駆動電流IDの低減およびターン オン時間の短縮という実施の形態2の効果と ターンオフ時の駆動電流IDの低減という実施 の形態3の両方の効果を奏する。また、ター オンとターンオフの両方で駆動電流が低減 きるので、駆動用の電源15およびスイッチ素 子Q1~Q4について電流容量の小さなものを用い ことができ、コスト上のメリットがある。

 [実施の形態4]
 実施の形態4は、実施の形態3とは逆にIGBT10 ターンオンするときの駆動電流IDの低減を目 的とする。具体的方法は、実施の形態3と類 したものであり、スイッチ素子Q1~Q4の状態を 第1の状態から第2の状態に切換えるとき、ス ッチ素子Q1,Q4のいずれか一方についてオン 態になるタイミングを遅延させる。そして この間に電源15を経由しないでIGBT10のエミッ タ電極Eとゲート電極Gとが接続することによ て、ゲート・エミッタ間に蓄積した電荷を 電させるものである。以下、図24~図27を参 して詳しく説明する。

 図24は、本発明の実施の形態4として、IGBT 10の駆動回路4aの構成を示す回路図である。 24に示す駆動回路4aは、図4に示す駆動回路1a 変形したものである。図24に示す駆動回路4a が図4に示す駆動回路1aと異なる点は、バイポ ーラトランジスタQ3のエミッタ電極およびコ クタ電極間に接続されたダイオードD3をさ に含む点と、バイポーラトランジスタQ4のゲ ート電極G4と接続ノードP4との間に接続され 遅延回路40bをさらに含む点である。ここで ダイオードD3のカソードがバイポーラトラン ジスタQ3のコレクタ電極に接続され、ダイオ ドD3のアノードがエミッタ電極に接続され 。したがって、第1の状態でバイポーラトラ ジスタQ4がオン状態となったとき、ダイオ ドD3は逆方向にバイアスされて導通しない。 また、遅延回路40bは、駆動回路4aの制御部20g 含まれ、図20、図22を参照して既に説明した ように、入力されるパルス信号がHレベルか Lレベルに切換わるときの立下りエッジを遅 させる。

 図25は、図24の駆動回路4aについて、入力 号SG0に応じた状態の変化を表わすタイムチ ートである。図25において、横軸は時間を し、縦軸は上から順に、入力信号SG0の論理 ベル、バイポーラトランジスタQ1~Q4のオン/ フの状態、IGBT10のゲート・エミッタ間電圧VG E、および駆動電流IDを示す。

 以下、図24、図25を参照して、駆動回路4aの 作を説明する。
 図25の時刻T1以前で、バイポーラトランジス タQ1~Q4のオン/オフの状態は図1で説明した第2 状態なので、IGBT10には、ゲート電極Gの電位 がエミッタ電極Eの電位に対して負となるよ に逆バイアスが印加されている。

 時刻T1で、入力信号SG0がLレベルからHレベ ルに切換わると、入力信号SG0が供給されるバ イポーラトランジスタQ1,Q2は、それぞれオン 態、オフ状態になり、入力信号SG0を反転し 制御信号SG2が供給されるバイポーラトラン スタQ3はオフ状態になる。一方、時刻T1では 制御信号SG2がHレベルからLレベルに変化する で、遅延回路40bは、制御信号SG2の立下りを 刻T2まで遅延させて出力する。この出力を けて、バイポーラトランジスタQ4は、時刻T2 でオフ状態を維持し、時刻T2でオン状態に 移する。

 バイポーラトランジスタQ4がオン状態に るまでの時刻T1~T2の期間は、バイポーラトラ ンジスタQ2~Q4がオフ状態であるので、接地ノ ド12とIGBT10との間が開放される。一方、バ ポーラトランジスタQ1はオン状態であるので 、IGBT10のエミッタ電極Eから、順方向のダイ ードD3、オン状態のバイポーラトランジスタ Q1、およびゲート抵抗RGを順に経由して、IGBT1 0のゲート電極Gに至る放電経路19が形成され 。電源15を経由しないこの放電経路19に放電 流が流れることによって、IGBT10のゲート・ ミッタ間に蓄積された電荷が放電される。 2に示す時刻T1~T2の場合と異なり、この放電 電源15によって駆動されて生じるものでな 。ゲート・エミッタ間電圧VGEが0になると放 が完了する。放電が完了するまでの時間は ゲート抵抗RGの抵抗値およびIGBT10のゲート 量の積などによって決まる時定数による。

 次に時刻T2でバイポーラトランジスタQ4が オン状態に遷移すると、バイポーラトランジ スタQ1~Q4の状態は図1で説明した第1の状態に るので、IGBT10のゲート電極Gに順バイアスが 加される。図25では、時刻T2の時点で既に放 電が完了して、ゲート・エミッタ間電圧VGEが 0になっているので、時刻T2~T3で、ゲート・エ ミッタ間電圧VGEは0からVccまで変化する。

 このように、実施の形態4では、時刻T1~T3 ターンオン期間は、時刻T1~T2の第1の期間と 刻T2~T3の第2の期間とを含む。第1の期間では 、電源15を経由しない経路でIGBT10のゲート・ ミッタ間に蓄積された電荷が放電されるの 、電源15によって駆動電流IDが供給されない 。第1の期間に続く第2の期間では、電源15に って駆動電流IDが供給されて、IGBT10に順バイ アスが印加される。第1の期間でゲート・エ ッタ間に蓄積された電荷の放電が完了して ると、第2の期間でのゲート・エミッタ間電 VGEの変化量はVccになるので、ターンオンに 要な駆動電流IDはI1となり、図2のT1~T2に示す 実施の形態1の場合の半分になる。このよう 、実施の形態4ではターンオンに要する駆動 流IDを減少させることができる。

 次に、時刻T4で、入力信号SG0がHレベルか Lレベルに切換わると、入力信号SG0が供給さ れるバイポーラトランジスタQ1,Q2は、それぞ オフ状態、オン状態になり、入力信号SG0を 転した制御信号SG2が供給されるバイポーラ ランジスタQ3はオン状態になる。一方、制 信号SG2がLレベルからHレベルに変化する立上 りエッジでは、遅延回路40bによる遅延は生じ ないので、遅延回路40bに接続されるバイポー ラトランジスタQ4は、時刻T4から遅れること くオフ状態に遷移する。この結果、バイポ ラトランジスタQ1~Q4の状態が第2の状態にな ので、IGBT10のゲート電極Gに逆バイアスが印 されて、IGBT10がターンオフする。

 実施の形態4では、ターンオフ時について は、前述の実施の形態3と異なり、ゲート・ ミッタ間に蓄積された電荷を放電させる過 を取り入れていない。したがって、時刻T4~T5 のターンオフ時間に電源15から供給される駆 電流IDはI1×2となって、実施の形態1の場合 同じである。

 時刻T6で、再び入力信号SG0がLレベルからH レベルに切換わるので、時刻T1~T3の場合と同 の経過で、時刻T8までにIGBT10のターンオン 完了する。

 図26は、図24に示す駆動回路4aの変形例で る駆動回路4bの構成を示す回路図である。 26の駆動回路4bは、図24のダイオードD3と遅延 回路40bに代えて、バイポーラトランジスタQ2 コレクタ電極とエミッタ電極との間に接続 れたダイオードD2と、接続ノードP3とバイポ ーラトランジスタQ1のベース電極G1との間に 続された遅延回路40aとを含む点において、 24の駆動回路4aと相違する。ここで、ダイオ ドD2のカソードがバイポーラトランジスタQ2 のエミッタ電極に接続され、ダイオードD2の ノードがバイポーラトランジスタQ2のコレ タ電極に接続される。したがって、第1の状 でバイポーラトランジスタQ1がオン状態と ったとき、ダイオードD2は逆方向にバイアス されて導通しない。また、遅延回路40aは、駆 動回路4bの制御部20hに含まれ、図16、図18を参 照して既に説明したように、入力されるパル ス信号がLレベルからHレベルに切換わるとき 立上りエッジを遅延させる。

 図27は、図26の駆動回路4bについて、入力 号SG0に応じた状態の変化を表わすタイムチ ートである。図27において、横軸は時間を し、縦軸は上から順に、入力信号SG0の論理 ベル、バイポーラトランジスタQ1~Q4のオン/ フの状態、IGBT10のゲート・エミッタ間電圧VG E、および駆動電流IDを示す。

 以下、図26、図27を参照して、駆動回路4b 動作について説明する。ここで、図27では 図25の駆動回路4aについてのタイムチャート 比較して、バイポーラトランジスタQ1の波 とバイポーラトランジスタQ4の波形とが入れ 替わっている点が異なる。そこで、以下の説 明では、バイポーラトランジスタQ1,Q4の動作 ついて主に説明し、駆動回路4aと同様の動 については説明を繰り返さない。

 図27の時刻T1で、入力信号SG0がLレベルか Hレベルに切換わるのに応じて、入力信号SG0 反転させた制御信号SG2が供給されるバイポ ラトランジスタQ4はオン状態になる。一方 遅延回路40bは、制御信号SG2がLレベルからHレ ベルに変化する立上りのタイミングを時刻T2 で遅延させて出力し、この出力を受けたバ ポーラトランジスタQ1は、時刻T2までオフ状 態を維持し、時刻T2でオン状態に遷移する。

 バイポーラトランジスタQ1がオン状態に るまでの時刻T1~T2の期間は、バイポーラトラ ンジスタQ1~Q3がオフ状態であるので、電源ノ ド11とIGBT10との間が開放される。一方、バ ポーラトランジスタQ4はオン状態であるので 、IGBT10のエミッタ電極Eから、オン状態のバ ポーラトランジスタQ4、順方向のダイオード D2、およびゲート抵抗RGを順に経由して、IGBT1 0のゲート電極Gに至る放電経路19が形成され 。電源15を経由しないこの放電経路19に放電 流が流れることによって、IGBT10のゲート・ ミッタ間に蓄積された電荷が放電される。

 時刻T2でバイポーラトランジスタQ1がオン 状態に遷移すると、バイポーラトランジスタ Q1~Q4の状態は第1の状態になるので、IGBT10のゲ ート電極Gに順バイアスが印加される。

 時刻T4で、入力信号SG0がHレベルからLレベ ルに切換わると、バイポーラトランジスタQ4 オフ状態になる。このとき、入力信号SG0がH レベルからLレベルに変化する立下りエッジ は、遅延回路40aによる遅延は生じないので 時刻T4から遅れることなくバイポーラトラン ジスタQ1はオフ状態に遷移する。

 このように、駆動回路4bは、図24の駆動回 路4aと同様に、ターンオン期間の最初の時刻T 1~T2の間に、IGBT10のエミッタ電極Eに蓄積され 電荷を電源15を経由しない経路で放電させ おくことによって、ターンオンに要する駆 電流IDを減少させることができる。

 上述の実施の形態4では、図4に示す駆動 路1aを変形した駆動回路4a,4bの構成を示した 、図5~図7に示す駆動回路1b~1dを変形しても 様の作用効果を奏する電力素子の駆動回路 実現することができる。ここで、遅延回路 NPN形のバイポーラトランジスタまたはNチャ ルのMOSFETに接続される場合には、図18に示 遅延回路40aが用いられ、遅延回路がPNP形の イポーラトランジスタまたはPチャネルのMOSF ETに接続される場合には、図22に示す遅延回 40bが用いられる。

 また、スイッチ素子Q1~Q4としてMOSFETを用 る場合には、MOSFETを寄生ダイオードを放電 路19として利用できる。したがって、バイポ ーラトランジスタQ1~Q4を用いる図24、図26の場 合と異なり、スイッチ素子Q2,Q3と並列にダイ ードD2,D3をさらに接続しなくてもよい。

 また、実施の形態4は、実施の形態3と組 合わせることができる。この場合、IGBT10の ーンオフ時の駆動電流IDの低減という実施の 形態3の効果と、ターンオン時の駆動電流IDの 低減という実施の形態4の両方の効果を奏す 。また、ターンオンとターンオフの両方で 動電流が低減できるので、駆動用の電源15お よびスイッチ素子Q1~Q4について電流容量の小 なものを用いることができ、コスト上のメ ットがある。

 [実施の形態5]
 実施の形態5は、IGBT10のターンオン時および ターンオフ時の両方の駆動電流IDを低減する とを目的とする。具体的には、入力信号SG0 応じて、スイッチ素子Q1~Q4の状態を第1、第2 の状態に切換えるとき、スイッチ素子Q1,Q3を ン状態にし、かつ、スイッチ素子Q2,Q4をオ 状態にするか、または、スイッチ素子Q1,Q3を オフ状態にし、かつ、スイッチ素子Q2,Q4をオ 状態にするかの、いずれかの状態にする。 して、この間に、電源15を経由しない経路 IGBT10のゲート電極Gとエミッタ電極Eとを接続 して、ゲート・エミッタ間に蓄積した電荷を 放電させるものである。以下、図28~図33を参 して詳しく説明する。

 図28は、本発明の実施の形態5として、IGBT 10の駆動回路5aの構成を示す回路図である。 28に示す駆動回路5aは、図6に示す駆動回路1c 変形したものである。図28に示す駆動回路5a が図6に示す駆動回路1cと異なる点は、接続ノ ードP4とインバータ24の出力端との間に接続 れる遅延回路40cをさらに含む点である。こ で、遅延回路40cは、駆動回路5aの制御部20iに 含まれ、入力されるパルス信号の立上り、立 下りの両方のタイミングを遅延させる。遅延 回路40cの具体的構成例については、図30を参 して後述する。

 図29は、図28の駆動回路5aについて、入力 号SG0に応じた状態の変化を表わすタイムチ ートである。図29において、横軸は時間を し、縦軸は上から順に、入力信号SG0の論理 ベル、スイッチ素子Q1~Q4を構成するMOSFETのオ ン/オフの状態、IGBT10のゲート・エミッタ間 圧VGE、および駆動電流IDを示す。以下では、 スイッチ素子Q1~Q4を構成するMOSFETを、それぞ 、MOSFETQ1~Q4と、簡略化して記載する。

 次に、図28、図29を参照して、駆動回路5aの 作を説明する。
 図29の時刻T1で、入力信号SG0がLレベルからH ベルに切換わるとき、入力信号SG0が供給さ るMOSFETQ1,Q2は、それぞれオン状態、オフ状 になる。一方、遅延回路40cには、入力信号SG 0を反転させた制御信号SG2が供給される。遅 回路は、HレベルからLレベルに変化する制御 信号SG2の立下りのタイミングをT2まで遅延さ て出力する。この出力を受けて、MOSFETQ3,Q4 、それぞれ、時刻T2までオン状態、オフ状態 を維持し、時刻T2でオフ状態、オン状態に遷 する。

 時刻T1~T2の間は、MOSFETQ2,Q4がオフ状態であ るので、接地ノード12とIGBT10との間は開放さ る。一方、MOSFETQ1,Q3はオン状態であるので IGBT10のエミッタ電極Eから、オン状態のMOSFETQ 3、オン状態のMOSFETQ1、およびゲート抵抗RGを に経由して、IGBT10のゲート電極Gに至る放電 経路19aが形成される。電源15を経由しないこ 放電経路19aに放電電流が流れることによっ 、IGBT10のゲート・エミッタ間に蓄積された 荷が放電される。図2に示す時刻T1~T2の場合 異なり、この放電は電源15が駆動して生じ ものでない。ゲート・エミッタ間電圧VGEが0 なると放電が完了する。放電が完了するま の時間は、ゲート抵抗RGの抵抗値およびIGBT1 0のゲート容量などによって決まる時定数に る。

 時刻T2でMOSFETQ3,Q4が、それぞれオフ状態、 オン状態に遷移すると、MOSFETQ1~Q4の状態は第1 の状態になるので、IGBT10のゲート電極Gに順 イアスが印加される。図29では、時刻T2の時 で既に放電が完了して、ゲート・エミッタ 電圧VGEが0になっているので、時刻T2~T3で、 ート・エミッタ間電圧VGEは0からVccまで変化 する。

 時刻T4で、入力信号SG0がHレベルからLレベ ルに切換わるとき、MOSFETQ1,Q2は、それぞれオ 状態、オン状態になる。一方、遅延回路40c 、LレベルからHレベルに変化する制御信号SG 2の立上りのタイミングをT5まで遅延させて出 力する。この出力を受けて、MOSFETQ3,Q4は、そ ぞれ、時刻T5までオフ状態、オン状態を維 し、時刻T5でオン状態、オフ状態に遷移する 。

 時刻T4~T5の間は、MOSFETQ1,Q3がオフ状態であ るので、電源ノード11とIGBT10との間は開放さ る。一方、MOSFETQ2,Q4はオン状態であるので IGBT10のゲート電極Gから、ゲート抵抗RG、オ 状態のMOSFETQ2、およびオン状態のMOSFETQ4順に 由して、IGBT10のエミッタ電極Eに至る放電経 路19bが形成される。電源15を経由しないこの 電経路19bに放電電流が流れることによって IGBT10のゲート・エミッタ間に蓄積された電 が放電される。実施の形態1で説明した図2 時刻T3~T4の場合と異なり、この放電は電源15 よって駆動されて生じるものでない。ゲー ・エミッタ間電圧VGEが0になると放電が完了 する。

 時刻T5でMOSFETQ3,Q4が、それぞれオン状態、 オフ状態に遷移すると、MOSFETQ1~Q4の状態は第2 の状態になるので、IGBT10のゲート電極Gに逆 イアスが印加される。図29では、時刻T5の時 で既に放電が完了して、ゲート・エミッタ 電圧VGEが0になっているので、時刻T5~T6で、 ート・エミッタ間電圧VGEは0から-Vccまで変 する。

 時刻T7で入力信号SG0が再びLレベルからHレ ベルに切換わる。時刻T7~T9のターンオン期間 駆動回路5aの動作は、時刻T1~T3と同様である 。

 上述のように、実施の形態5では、時刻T1~ T3、時刻T7~T9のターンオン期間、および時刻T4 ~T6のターンオフ期間の両方とも、これらの期 間の最初の放電期間で、ゲート電極Gまたは ミッタ電極Eに蓄積された電荷が、電源15を 由しない経路で放電され、ゲート・エミッ 間電圧VGEの絶対値が減少する。その後、電 15から駆動電流IDを供給して、ゲート電極Gと エミッタ電極Eとの間に順方向または逆方向 バイアス電圧VGEを印加するので、駆動用の 源15によるゲート・エミッタ間電圧VGEの変化 量を減少させることができる。この結果、実 施の形態5の駆動回路5aは、ターンオンおよび ターンオフに必要な駆動電流IDを減少させる とができる。放電期間中に放電が完了して ゲート・エミッタ間電圧VGEが0まで戻ってい るときには、駆動電流IDはターンオフ、ター オンのいずれの場合もI1になって、実施の 態1の半分になる。

 図30は、図28に示す遅延回路40cの具体的構成 の一例を示す回路図である。
 図30に示す遅延回路40cは、入力側ノード41と 中間ノード44との間に接続されるダイオード4 3を取り除いた点で、図18、図22に示す遅延回 40a,40bと異なる。このようにダイオード43を り除いたために、入力側ノード41にパルス 号が入力されたとき、遅延回路40a,40bでは、 れぞれ立上り、立下りのタイミングが遅延 るのに対して、図30の遅延回路40cでは、立 り、立下りのいずれのタイミングも遅延す 。

 図31は、図30に示す遅延回路40cについて、 入力信号SG0に応じた状態の変化を表わすタイ ムチャートである。図31において、横軸は時 を示し、縦軸は上から順に、入力信号SG0の 理レベル(信号入力ノードSinの電位V(Sin))、 力側ノード41の電位V(41)、中間ノード44の電 V(44)、出力側ノード47の電位V(47)、およびMOSFE TQ3,Q4の動作状態を示す。

 図30、図31を参照して、時刻T1,T4では、入 信号SG0がLレベル(0)からHレベル(Vcc)に切換わ るのに応じて、入力側ノード41の電位V(41)がVc cから0に立ち下がる。このとき、抵抗42およ コンデンサ45によって構成される積分回路の 効果によって、中間ノード44に生成される電 V(44)は、Vccから0まで徐々に下降する。同様 、時刻T3,T7で、入力信号SG0に応じて入力側 ード41の電位V(41)が0からVccに立ち上がるとき 、中間ノード44に生成される電位V(44)は0からV ccまで徐々に上昇する。

 この結果、中間ノード44の電位V(44)がイン バータ46aの閾値電圧Vt1以上になる時刻T2以前 時刻T4~T6、時刻T8以降で、出力側ノード47の 位V(47)がVccになる。すなわち、時刻T1~T2、時 刻T3~T4、時刻T5~T6、および時刻T7~T8の遅延時間 だけ、出力側ノード47の電位V(47)の立上り、 下りのタイミングが、入力側ノード41の電位 V(41)の立上り、立下りのタイミングよりも遅 する。この遅延時間は、コンデンサ45の容 と抵抗42の抵抗値の積である積分回路の時定 数で決まる。したがって、MOSFETQ3,Q4がオン/オ フするタイミングも、入力信号SG0の論理レベ ルの切換わりのタイミングよりもこの遅延時 間だけ遅延する。

 図32は、図28に示す駆動回路5aの変形例で る駆動回路5bの構成を示す回路図である。 32の駆動回路5bは、遅延回路40cの設置場所を 分岐ノードP5と接続ノードP3との間に変更し た点で、図28の駆動回路5aと相違する。ここ 、図32の遅延回路40cは、駆動回路5bの制御部2 0jに含まれ、図30を参照して既に説明したよ に、入力されるパルス信号の立上り、立下 のいずれのタイミングも遅延させるもので る。

 図33は、図32の駆動回路5bについて、入力 号SG0に応じた状態の変化を表わすタイムチ ートである。図33において、横軸は時間を し、縦軸は上から順に、入力信号SG0の論理 ベル、MOSFETQ1~Q4のオン/オフの状態、IGBT10の ート・エミッタ間電圧VGE、および駆動電流ID を示す。

 以下、図32、図33を参照して、駆動回路5b 動作について説明する。ここで、図33は、 29の駆動回路5aについてのタイムチャートと 較して、バイポーラトランジスタQ1,Q2の波 とバイポーラトランジスタQ3,Q4の波形とが入 れ替わっている点が異なる。そこで、以下の 説明では、駆動回路5aと異なる動作について 明し、駆動回路5aと同様の動作については 明を繰り返さない。

 図33の時刻T1で、入力信号SG0がLレベルか Hレベルに切換わるとき、MOSFETQ3,Q4は、それ れオフ状態、オン状態になる。遅延回路40c 出力を受けるMOSFETQ1,Q2は、時刻T2になってか 、それぞれオン状態、オフ状態に遷移する

 時刻T1~T2の間は、MOSFETQ2,Q4はオン状態であ るので、IGBT10のエミッタ電極Eから、オン状 のMOSFETQ4、オン状態のMOSFETQ2、およびゲート 抗RGを順に経由して、IGBT10のゲート電極Gに る放電経路19cが形成される。電源15を経由 ないこの放電経路19cに放電電流が流れるこ によって、IGBT10のゲート・エミッタ間に蓄 された電荷が放電される。時刻T2でMOSFETQ1,Q2 、それぞれオン状態、オフ状態に遷移する 、MOSFETQ1~Q4の状態は第1の状態になるので、I GBT10のゲート電極Gに順バイアスが印加される 。

 一方、時刻T4で、入力信号SG0がHレベルか Lレベルに切換わるとき、MOSFETQ3,Q4は、それ れオン状態、オフ状態になる。MOSFETQ1,Q2は 遅延回路40cの出力を受けるので、時刻T5にな ってから、それぞれオフ状態、オン状態に遷 移する。

 時刻T4~T5の間は、MOSFETQ1,Q3はオン状態であ るので、IGBT10のゲート電極Gから、ゲート抵 RG、オン状態のMOSFETQ1、およびオン状態のMOSF ETQ3を順に経由して、IGBT10のエミッタ電極Eに る放電経路19dが形成される。電源15を経由 ないこの放電経路19に放電電流が流れること によって、IGBT10のゲート・エミッタ間に蓄積 された電荷が放電される。時刻T5でMOSFETQ1,Q2 、それぞれオフ状態、オン状態に遷移する 、MOSFETQ1~Q4の状態は第2の状態になるので、IG BT10のゲート電極Gに逆バイアスが印加される

  このように、駆動回路5bは、図28の駆動 路5aと同様に、ターンオン、ターンオフの 間の最初に、IGBT10のゲート電極Gまたはエミ タ電極Eに蓄積された電荷を電源15を経由し い経路で放電させておくことによって、駆 電流IDを減少させることができる。また、 述の実施の形態5では、図6に示す駆動回路1c 変形した駆動回路5a,5bの構成を示したが、 4、図5、図7に示す駆動回路1a,1b,1dを変形して も同様の作用効果を奏する電力素子の駆動回 路を実現することができる。

 [実施の形態6]
 実施の形態6では、本発明の駆動回路を電流 検出電極(センス電極)を有する電力素子に適 する。

 たとえば、エミッタ電極の一部がセンス 極として分離された構造のIGBT(センスIGBT)で は、センス電極にコレクタ電流に応じた電流 (センス電流)が流れる。したがって、このセ ス電流の大きさを検出することによってコ クタ電流を監視することができ、過電流保 などに利用することができる。近年、盛ん 開発されているIPM(Intelligent Power Module)では 、このようなセンス電極付きの電力素子がし ばしば利用される。

 センス電極付きの電力素子に逆バイアス 印加する場合、前述の第1、第2の従来技術 駆動回路では、センス電極と駆動回路との 続が複雑になるという問題がある。たとえ 、センスIGBTに2電源を用いる第1の従来技術 駆動回路を適用するとき、センス電流を検 するための電流検出抵抗を、駆動回路用の 地GND1に接続することができない。電流検出 抗は、順バイアス用の電源の負極、逆バイ ス用の電源の正極、およびIGBTのエミッタ電 極を結ぶ基準線に接続する必要がある。従来 技術では、このような基準線を接地GND1と別 設ける必要がある。また、電流検出抵抗に じる電圧を比較器によって基準電源と比較 るときには、基準電源の接地側もこの基準 に接続する必要がある。これに対して、本 明の駆動回路では、上記の電流検出抵抗お び基準電源の接地側は接地GND1に接続できる いう利点がある。以下、図34~図36を参照し 詳しく説明する。

 図34は、本発明の実施の形態6として、IGBT 10の駆動回路6の構成を示す回路図である。図 34に示す駆動回路6は、図6に示す駆動回路1cを 変形したものである。

 駆動回路6は、IGBT10に代えて、センス電極 を有するセンスIGBT10aに適用する点で、図6の 動回路1cと異なる。センスIGBT10aは、コレク 電流ICの大部分が流れる主要部10bと、主要 10bのエミッタ電極Eと分離されたセンス電極S を有するセンス部10cとを含む。センス電極S は、コレクタ電流ICの一部が流れる。センス IGBT10aの主要部10bおよびセンス部10cは共通の レクタ電極Cを有し、また、主要部10bおよび ンス部10cのゲート電極Gは相互に接続される 。センスIGBT10aのゲート電極Gがゲート抵抗RG 介して接続ノードP1に接続される点と、エミ ッタ電極Eが接続ノードP2に接続される点につ いては、駆動回路6は、図6の駆動回路1cと同 である。

 また、駆動回路6は、信号入力ノードSinと 分岐ノードP5との間に接続される制御IC(Integra ted Circuits)50aと、センス電極Sと接地ノード12 の間に接続される電流検出抵抗RDと、電流 出抵抗RDと並列に接続される第5のスイッチ 子Q5としてのNチャネルのMOSFETと、MOSFETQ5の制 御電極(ゲート電極)と分岐ノードP5との間に 続されるインバータ72と、一方の入力端がセ ンス電極Sに接続される比較器70と、比較器70 他方の入力端と接地ノード12との間に接続 れる基準電源71と、接続ノードP2とMOSFETQ3の ース電極との間に接続されるツェナダイオ ド74とをさらに含む点において、図6の駆動 路1cと相違する。

 ここで、ツェナダイオード74のカソード 、MOSFETQ3のソース電極に接続され、アノード が接続ノードP2に接続される。図1で説明した 第2の状態では、電源電圧Vccは、電源ノード11 から、MOSFETQ3、センスIGBT10a、およびMOSFETQ2を 由して、接地ノード12に至る経路に印加さ る。ツェナダイオード74は、この経路に印加 される電源電圧Vccの一部を分担する定電圧部 として機能する。この結果、センスIGBT10aの ミッタ電極Eとゲート電極G間に印加される逆 バイアス電圧VGEを減少させることができる。 接続ノードP1とMOSFETQ2のソース電極との間に カソードが接続ノードP1側になるようにツェ ナダイオード74を接続してもよい。

 また、比較器70は、電流検出抵抗RDに生じ る検出電圧VRDと基準電源71の電源電圧ER1とを 較して、検出電圧VRDが電源電圧ER1以上のと Hレベルの信号を出力し、検出電圧VRDが電源 電圧ER1より小さいときはLレベルの信号を出 する。このように、比較器70は、検出電圧VRD を監視する電圧監視部として機能する。

 また、MOSFETQ5は、そのゲート電極がイン ータ72を介して出力ノード57に接続される。 たがって、入力信号SG0がLレベルに切換わっ て、出力ノード57の電位V(57)が0であるとき、 ンバータ72からHレベルの信号が供給されて ン状態に遷移する。この結果、電流検出抵 RDの両端がオン状態のMOSFETQ5を介して導通す るので、検出電圧VRDが0になる。このように 入力信号SG0がLレベルのときは、センス電流I Sの大きさによらず、検出電圧VRDが0になり、 較器70はLレベルの信号を出力する。

 本来ならば、入力信号SG0がLレベルのとき は、センスIGBT10aがターンオフして、コレク 電流ICおよびセンス電流ISは0になるはずであ る。しかしながら、センスIGBT10aのゲート電 Gがバイアスされた状況では、チップ構造に 因する寄生抵抗のため、エミッタ電極Eとセ ンス電極Gとの間の抵抗値が小さくなってし う。センスIGBT10aに逆バイアスが印加された 合には、エミッタ電極Eの電位のほうがセン ス電極Sの電位より高くなるので、この寄生 抗を介して電流検出抵抗RDに電流が流れるこ とがある。この結果、検出電圧VRDが電源電圧 ER1以上になると、比較器70の出力がHレベルに なるという誤動作が生じる。そこで、このよ うな誤動作を回避するために、MOSFETQ5が設け れている。

 また、駆動回路6の制御部を構成する制御 IC50aは、入力信号SG0を増幅して出力するため コントロールアンプ54(図38参照)を含む。コ トロールアンプ54は、入力ノード51を介して 信号入力ノードSinと接続され、出力ノード57 介して分岐ノードP5と接続され、入力ノー 52を介して比較器70の出力端と接続される。 た、コントロールアンプ54は、電源ノード11 および接地ノード12(接地GND1)と接続され、電 電圧Vccが供給される。コントロールアンプ5 4は、比較器70の出力がLレベルのとき、増幅 れた制御信号SG0を出力ノード57から出力する が、比較器70の出力がHレベルになった後は、 制御信号SG0の出力にかかわらずLレベルの信 を出力して、制御信号SG0を無効にする。

 図35は、図34の駆動回路6について、入力 号SG0に応じた状態の変化を表わすタイムチ ートである。図35において、横軸は時間を示 し、縦軸は上から順に、入力信号SG0の論理レ ベル、出力ノード57の電位V(57)、接続ノードP1 の電位V(P1)、センスIGBT10aのエミッタ電極Eの 位V(E)、センスIGBT10aのゲート電極Gの電位V(G) ゲート・エミッタ間電圧VGE、センスIGBT10aの コレクタ電流IC、および電流検出抵抗RDにか る電圧VRDを示す。

 以下、図34、図35を参照して、駆動回路6 動作を時間の経過の順に説明する。以下の 明では、図6の駆動回路1cと異なる部分の動 を主に説明し、共通する部分については説 を繰り返さない。

 図35の時刻T1以前の状態は、入力信号SG0が Lレベルのときの定常状態である。このとき 制御ICの出力ノード57の電位V(57)が0であるの 応じて、MOSFETQ1~Q4の状態は図1で説明した第2 の状態である。このとき、接続ノードP1の電 V(P1)およびセンスIGBT10aのゲート電極Gの電位 V(G)は0になり、前述の実施の形態1の図2の場 と同様であるが、接続ノードP2の電位V(P2)は 図2の場合と異なり、ツェナダイオード74の めにツェナ電圧Vzだけ低くなってVcc-Vzにな 。

 この結果、ゲート・エミッタ間電圧VGEは Vz-Vccになり、その絶対値をVzだけ図2の場合 り小さくすることができる。したがって、 バイアス方向の耐電圧の低いIGBTに対しても 、実施の形態6の駆動回路6を適用することが 能になる。

 次の時刻T1では、入力信号SG0がLレベルか Hレベルに切換わる。このとき、制御IC50aの 力ノード57の電位V(57)が0からVccになるので MOSFETQ1~Q4の状態は、図1で説明した第1の状態 変化する。第1の状態では、接続ノードP1の 位V(P1)は0からVccに変化し、エミッタ電極Eの 電位はVcc-Vzから0に変化するので、ゲート電 Gに順バイアスが印加され、ゲート電極Gの電 位V(G)は0からVccまで次第に上昇する。この結 、ゲート・エミッタ間電圧VGEは、Vz-VccからV ccまで次第に変化する。

 ゲート・エミッタ間電圧VGEが、センスIGBT 10aの閾値電圧Vt2を超えた時刻T2で、センスIGBT 10はターンオンしてコレクタ電流ICが流れる コレクタ電流の一部はセンス電極Sから電流 出抵抗RDを流れるので、電流検出抵抗RDにか かる検出電圧VRDは、0からV2に変化する。図36 は、V2が電源電圧ER1より小さい場合を例示 ているので、比較器70はLレベルの信号を出 し、コントロールアンプ54によって、入力信 号SG0が無効にされることはない。

 時刻T3で、入力信号SG0がHレベルからLレベ ルに切換わると、制御IC50aの出力ノード57の 位V(57)はVccから0になる。このとき、MOSFETQ1~Q4 の状態が第2の状態に変化するので、ゲート エミッタ間電圧VGEは、VccからVz-Vccまで次第 変化する。この結果、センスIGBT10aの主要部1 0bには逆バイアスが印加される。センス部10c ゲート電極Gとセンス電極Sとの間の電圧は0 ある。

 また、時刻T3で出力ノード57の電位V(57)がV ccから0になると、出力ノード57とインバータ7 2を介して接続されるMOSFETQ5は、オン状態に遷 移する。この結果、電流検出抵抗RDに生じる 出電圧VRDは0になる。したがって、比較器70 出力は、センス電流ISの大きさによらずにL ベルになり、誤動作によって、コントロー アンプ54が制御信号SG0を無効にすることが い。

 時刻T4で、ゲート・エミッタ間電圧VGEが 値電圧Vt2を下回ると、コレクタ電流ICはオン 状態のI2からオフ状態の0に戻る。

 図36は、図34の駆動回路6の比較例として センスIGBT10aの駆動回路100の構成を示す回路 である。

 図36に示す駆動回路100は、単一の電源15に 代えて、2電源15a,15bが設けられている点と、M OSFETQ1~Q4から成るHブリッジの構成に代えて、M OSFETQ1,Q2の2個のスイッチ素子が設けられてい 点とにおいて、図34の駆動回路6と相違する したがって、駆動回路6では、MOSFETQ3,Q4に制 信号SG0を供給するための分岐ノードP5が設 られているのに対して、MOSFETQ3,Q4を有さない 駆動回路100では、分岐ノードP5が設けられて ない。

 また、図34の駆動回路6では、電流検出抵 RDおよび基準電源71の負極が接地GND1(接地ノ ド12)に接続されている。これに対して、図3 6の駆動回路100では、電流検出抵抗RDおよび基 準電源71の負極が、2電源15a,15bの間のノード10 2およびセンスIGBT10aのエミッタ電極Eを結ぶ基 準線104に接続されている。この点で、駆動回 路100は、図34の駆動回路6と異なる。2電源15a,1 5bが設けられる駆動回路100では、電流検出抵 RDに生じる電圧VRDを接地GND1に基準にして測 することができず、2電源15a,15bの間のノー 102を基準にしなればならないからである。 施の形態6の駆動回路6は、比較例の駆動回路 100と異なり、接地GND1と分離された基準線104 設ける必要がないので、センス電極Sと駆動 路100との接続が簡単になる。

 [実施の形態7]
 実施の形態7の駆動回路7は、実施の形態6の 動回路6に実施の形態3の駆動回路3a,3b、実施 の形態4の駆動回路4a,4bの構成を組み合わせた ものである。以下、図37~図39を参照して詳し 説明する。

 図37は、本発明の実施の形態7として、セ スIGBT10aの駆動回路7の構成を示す回路図で る。図37に示す駆動回路7は、図34の駆動回路 6を変形したものであり、下記の第1~第4の点 、図34の駆動回路6と異なる。

 第1に、駆動回路7では、MOSFETQ3,Q4の導電形 をそれぞれ、PNP形、NPN形に変更している。

 第2に、駆動回路7は、接続ノードP4とイン バータ24とが設けられた図34の回路構成に代 て、接続ノードP4を設けずに、MOSFETQ3のゲー 電極G3と分岐ノードP5との間に接続された遅 延回路40dと、MOSFETQ4のゲート電極G4と分岐ノ ドP5との間に接続された遅延回路40eとを含む 。

 第3に、駆動回路7は、分岐ノードP5と接続 ノードP3との間に接続された抵抗76と、セン IGBT10aのゲート電極Gと接地GND1との間に接続 れたNチャネルのMOSFETQ6とをさらに含む。

 第4に、駆動回路7は、図34の制御IC50aに代 て、センスIGBT10aのゲート電極Gに接続され 入力ノード61、およびMOSFETQ6のゲート電極に 続される出力ノード67をさらに有する制御IC 50bを含む。

 ここで、上記の遅延回路40dは、図22の遅 回路40bを変形したものである。遅延回路40d 、コンデンサ45に代えて、MOSFETQ3のゲート・ ース間容量を利用している点と、バッファ のインバータ46a,46bを設けずに、MOSFETQ3がそ バッファ機能を果たしている点で、遅延回 40bと異なる。遅延回路40dの機能は、図22の 延回路40bの機能と同様であり、入力される 号の立下りエッジをなまらせることによっ 、そのタイミングを遅延させるものである 図37で、抵抗42、ダイオード43、およびMOSFETQ3 のゲート電極G3に接続される中間ノード44aは 図22の中間ノード44に対応する。

 また、遅延回路40eは、図18の遅延回路40a 変形したものであり、コンデンサ45に代えて 、MOSFETQ4のゲート・ソース間容量を利用して る点と、バッファ用のインバータ46a,46bを設 けずに、MOSFETQ4がそのバッファ機能を果たし いる点で、遅延回路40aと異なる。遅延回路4 0eの機能は、図22の遅延回路40aの機能と同様 あり、入力されるパルス信号の立上りエッ をなまらせることによって、そのタイミン を遅延させるものである。図37で、抵抗42、 イオード43、およびMOSFETQ4のゲート電極G4に 続される中間ノード44bは、図18の中間ノー 44に対応する。

 また、図37において、MOSFETQ3,Q4の寄生ダイ オードは、それぞれ、図24に示す実施の形態4 の駆動回路4aに含まれるダイオードD3、およ 図16に示す実施の形態3の駆動回路3aに含まれ るダイオードD4として機能する。

 図38は、図37に示す制御IC50bの具体的構成 一例を示す回路図である。制御IC50bは、前 の入力ノード61および出力ノード67と、MOSFETQ 6のオン/オフを制御するための制御回路60と さらに含む点で、図34に示す制御IC50aと異な 。

 制御IC50bの制御回路60は、比較器62、基準 源68、NAND回路63、NPN形のバイポーラトラン スタ64、および抵抗65を含む。これらの構成 素の接続について説明する。

 まず、比較器62の一方の入力端は入力ノ ド61を介してセンスIGBT10aのゲート電極Gに接 され、他方の入力端は基準電源68の正極に 続される。基準電源68の負極は接地GND1に接 される。また、NAND回路63の一方の入力端は 較器62の出力端に接続され、他方の入力端は インバータ69を介して入力ノード51に接続さ る。また、バイポーラトランジスタ64のゲー ト電極はNAND回路63の出力端に接続され、エミ ッタ電極は接地ノード12(接地GND1)に接続され 。バイポーラトランジスタ64のコレクタ電 66は、抵抗65を介して電源ノード11(電源電圧V cc)に接続されるとともに、出力ノード67を介 てMOSFETQ6のゲート電極に接続される。ここ 、比較器62は、センスIGBT10aのゲート電極Gの 位V(G)が基準電源68の電源電圧ER2以下のときH レベルの信号を出力し、ゲート電極Gの電位V( G)が電源電圧ER2を超えるときLレベルの信号を 出力するものである。

 次に、制御回路60の動作について説明す 。制御回路60は、センスIGBT10aをターンオフ る際に、センスIGBT10aのゲート電極Gの電位V(G )が、基準電源68の電源電圧ER2以下になったと き、MOSFETQ6をオンさせて、IGBT10aのゲート・エ ミッタ間電圧VGEをすばやく低下させて、確実 にセンスIGBT10aをターンオフさせるためのも である。

 この機能を実現するために、制御回路60 、入力信号SG0がLレベル(インバータ69の出力 Hレベル)であり、かつ、比較器の出力がHレ ル(ゲート電極Gの電位V(G)が電源電圧ER2以下) である場合に、NAND回路63がLレベルの信号を 力するように構成されている。上記の場合 外では、NAND回路63は、Hレベルの信号をバイ ーラトランジスタ64のベース電極に出力す 。そして、NAND回路63の出力がLレベルのとき バイポーラトランジスタ64がオフ状態にな ので、抵抗65を介して電源ノード11に接続さ たコレクタ電極66の電位はVccになる。一方 NAND回路63の出力がHレベルのとき、バイポー トランジスタ64はオン状態になるので、バ ポーラトランジスタ64のコレクタ電極66の電 は0になる。

 ここで、MOSFETQ6のゲート電極は、バイポ ラトランジスタ64のコレクタ電極66に接続さ ているので、MOSFETQ6は、バイポーラトラン スタ64のコレクタ電極66の電位がVccの場合に ン状態になる。すなわち、入力信号SG0がLレ ベルであり、かつ、比較器の出力がHレベル( ート電極Gの電位V(G)が電源電圧ER2以下)であ 場合に、MOSFETQ6はオン状態になる。このと 、オン状態のMOSFETQ6を介して、IGBT10aと接地 ードとの間が導通する。したがって、IGBT10a ターンオフ時に、ゲート・エミッタ間電圧V GEのすばやい低下が実現できる。

 図39は、図37の駆動回路7について、入力 号SG0に応じた状態の変化を表わすタイムチ ートである。図39において、横軸は時間を示 し、縦軸は上から順に、入力信号SG0の論理レ ベル、出力ノード57の電位V(57)、中間ノード44 aの電位V(44a)、中間ノード44bの電位V(44b)、MOSFE TQ1~Q4のオン/オフの状態、接続ノードP1の電位 V(P1)、センスIGBT10aのゲート電極Gの電位V(G)、 ミッタ電極Eの電位V(E)、ゲート・エミッタ 電圧VGEを示す。

 以下、図37~図39を参照して、駆動回路7の 作について説明する。以下の説明では、図3 4の駆動回路6と異なる部分の動作を主に説明 、共通する部分については説明を繰り返さ い。

 図39の時刻T1で、入力信号SG0がLレベルか Hレベルに切換わり、制御IC50bの出力ノード57 の電位V(57)が0からVccに変化する。これによっ て、MOSFETQ1,Q2は、それぞれオン状態、オフ状 に遷移するので、接続ノードP1の電位V(P1)は 、時刻T1で0からVccに変化する。

 ここで、時刻T1での電位V(57)の立上りエッ ジでは、遅延回路40aの中間ノード44aの電位V(4 4a)は遅延せずに0からVccまで変化するので、MO SFETQ3は、時刻T1でオフ状態に遷移する。これ 対して、遅延回路40bの中間ノード44bの電位V (44b)は、図19の電位V(44)の変化と同様に、徐々 に0からVccまで変化するので、MOSFETQ4は、中間 ノード44bの電位(44b)がMOSFETQ4の閾値電圧Vt4に する時刻T2まで遅れてオン状態に遷移する。

 MOSFETQ4がオン状態に遷移するまでの時刻T1 ~T2の間には、センスIGBT10aのエミッタ電極Eか 、順方向のツェナダイオード74、MOSFETQ3の寄 生ダイオードD3、オン状態のMOSFETQ1、および ート抵抗RGを順に経由して、センスIGBT10aの ート電極Gに至る放電経路が形成される。そ て、電源15を経由しないこの放電経路に放 電流が流れることによって、IGBT10のゲート エミッタ間に蓄積された電荷が放電される このとき、センスIGBT10aのエミッタ電極Eは、 順方向のツェナダイオード74およびMOSFETQ3の 生ダイオードD3を介して電源ノード11に接続 れるので、図39に示すように、エミッタ電 Eの電位V(E)は、時刻T1でVccに変化する。そし 、ゲート電極Gの電位V(G)は、放電経路を介 た放電によってエミッタ電極Eの電位V(E)であ るVccに徐々に近づいていく。この結果、セン スIGBT10aのゲート・エミッタ間電圧VGEは、Vz-Vc cから徐々に変化し、時刻T2までに放電が完了 すると0まで変化する。

 時刻T2で、MOSFETQ4がオン状態に遷移すると 、MOSFETQ1~Q4は図1で説明した第1の状態になる で、センスIGBT10aのエミッタ電極Eの電位V(E) 0になる。また、ゲート・エミッタ間電圧VGE 、0からVccまで徐々に変化して、センスIGBT10 aに順バイアスが印加される。

 次の時刻T3で、入力信号SG0がHレベルからL レベルに切換わり、制御IC50bの出力ノード57 電位V(57)がVccから0に変化する。これによっ 、MOSFETQ1,Q2は、それぞれオフ状態、オン状態 に遷移するので、接続ノードP1の電位V(P1)は Vccから0に変化する。

 時刻T3での電位V(57)の立下りエッジでは、 遅延回路40bの中間ノード44bの電位V(44b)は遅延 せずにVccから0まで変化する。したがって、MO SFETQ4は、時刻T3でオフ状態に遷移する。これ 対して、遅延回路40aの中間ノード44aの電位V (44a)は、図23の電位V(44)の変化と同様に、徐々 にVccから0まで変化する。したがって、MOSFETQ3 は、中間ノード44aの電位(44a)がMOSFETQ3の閾値 圧Vt3に達する時刻T5まで遅れてオン状態に遷 移する。

 MOSFETQ3がオン状態に遷移するまでの時刻T3 ~T5の期間では、センスIGBT10aのゲート電極Gか 、ゲート抵抗RG、オン状態のMOSFETQ2、MOSFETQ4 寄生ダイオードD4を順に経由して、センスIG BT10aのエミッタ電極Eに至る放電経路が形成さ れる。そして、電源15を経由しないこの放電 路に放電電流が流れて、IGBT10のゲート・エ ッタ間に蓄積された電荷が放電される。こ とき、センスIGBT10aのエミッタ電極Eが、MOSFE TQ4の寄生ダイオードD4を介して接地GND1(接地 ード12)に接続されるので、図39に示すように 、エミッタ電極Eの電位V(E)は、時刻T3~T5の間 0を維持する。そして、ゲート電極Gの電位V(G )は、この放電経路を介した放電によってエ ッタ電極Eの電位V(E)である0に徐々に近付い いく。

 ところが、制御IC50bの制御回路60の効果に よって、ゲート電極Gの電位V(G)が電源電圧ER2 下となる時刻T4で、MOSFETQ6がオン状態になっ て、ゲート電極Gの電位V(G)は速やかに0に変化 する。ゲート電極Gの電位V(G)が0の状態は、入 力信号SG0がLレベルからHレベルに切換わる時 T6まで続く。この結果、ゲート・エミッタ 電圧VGEは、時刻T3からT4まではVccから徐々に 下し、時刻T4になった時点で速やかに0まで 下する。

 次の時刻T5で、MOSFETQ3がオン状態に遷移す ると、MOSFETQ1~Q4は図1で説明した第2の状態に るので、センスIGBT10aのエミッタ電極Eの電位 V(E)はVcc-Vzになる。この結果、ゲート・エミ タ間電圧VGEは、0からVz-Vccまで変化して、セ スIGBT10aの主要部10bに逆バイアスが印加され る。

 このように、実施の形態7の駆動回路7に れば、時刻T1からのセンスIGBT10aのターンオ の場合には、実施の形態4の場合と同様に、 め時刻T1~T2の間に電源15を経由しない経路で ゲート・エミッタ間に蓄積された電荷を放電 させておく。これによって、センスIGBT10aの ーンオンに要する駆動電流IDを減少させるこ とができる。

 また、時刻T3からのターンオフの場合に 、実施の形態3の場合と同様に、予め時刻T3~T 4の間に電源15を経由しない経路でゲート・エ ミッタ間に蓄積された電荷を放電させておく 。これにより、センスIGBT10aのターンオフに する駆動電流IDを減少させることができる。

 [実施の形態8]
 実施の形態8の駆動回路8は、実施の形態7の 動回路7に実施の形態2の駆動回路2の構成を み合わせたものである。以下、図40、図41を 参照して詳しく説明する。

 図40は、本発明の実施の形態8として、セ スIGBT10aの駆動回路8の構成を示す回路図で る。図40に示す駆動回路8は、分岐ノードP5と 遅延回路40dとの間に接続された微分回路30cと 、MOSFETQ4のソース電極とドレイン電極との間 接続された抵抗R4とをさらに含む点で、図37 の駆動回路7と相違する。ここで、微分回路30 cは、図14の1ショットパルス発生回路30bを変 したものであり、バッファ用のインバータ36 a,36bを設けずに、MOSFETQ3がそのバッファ機能 果たしている点で、図14の1ショットパルス 生回路30bと異なる。また、抵抗R4は、図8に す実施の形態2の駆動回路2aの抵抗R4に対応す るものである。また、図40で、コンデンサ32 抵抗34、ダイオード35、および遅延回路40dの 力端に接続される中間ノード33は、図14の1 ョットパルス発生回路30bの中間ノード33に対 応する。

 図41は、図40の駆動回路8について、入力 号SG0に応じた状態の変化を表わすタイムチ ートである。図41において、横軸は時間を示 し、縦軸は上から順に、入力信号SG0の論理レ ベル、出力ノード57の電位V(57)、中間ノード33 の電位V(33)、中間ノード44aの電位V(44a)、MOSFETQ 1~Q4のオン/オフの状態、接続ノードP1の電位V( P1)、センスIGBT10aのゲート電極Gの電位V(G)、エ ミッタ電極Eの電位V(E)、ゲート・エミッタ間 圧VGEを示す。

 以下、図40、図41を参照して、駆動回路8 動作について説明する。ここで、図41のタイ ムチャートを図39の駆動回路7についてのタイ ムチャートと比較すると、入力信号SG0に応じ たMOSFETQ1,Q2,Q4のオン/オフのタイミングの点で は、図41は図39と共通する。一方、駆動回路8 は微分回路30cが設けられているために、図4 1のMOSFETQ3のオン/オフのタイミングが図39と異 なる。そこで、微分回路30cおよびMOSFETQ3に関 する部分について、まず説明する。

 出力ノード57の電位V(57)の立上り、立下り に応じて、微分回路30cの中間ノード33の電位V (33)は図41に示すように変化する。この波形変 化は、図15に示す、1ショットパルス発生回路 30bの中間ノード33の電位V(33)の波形変化と同 である。すなわち、図41において、時刻T1,T7 電位V(57)の立上りエッジでは、中間ノード33 の電位V(33)の波形は電源電圧Vccからほとんど 化しない。これに対して、時刻T3,T9の電位V( 57)の立下りエッジでは、電位V(33)の波形は、V ccから0まで低下した後、Vccに徐々に戻るよう な微分波形を示す。

 この中間ノード33に接続される遅延回路40 dは、入力される電位V(33)の立下りをなまらせ た電位V(44)を中間ノード44に生成する。すな ち、図41において、時刻T3,T9の電位V(33)の立 りで、電位V(44a)の立下りは、電位V(33)の立下 りよりも緩やかに変化する。この結果、MOSFET Q3は、中間ノード44aの電位V(44a)がMOSFETQ3の閾 電圧Vt3よりも低くなる時刻T5~T6および時刻T11 ~T12で、オン状態に遷移する。言い換えると MOSFETQ3は、時刻T3,T9で、HレベルからLレベル 変化する電位V(57)の立下りエッジをトリガに して、その立下りよりも遅れた時刻T5,T11で一 時的にオン状態に遷移する。その後、時刻T6, T11でオフ状態に戻るように動作する。

 次に、このようなMOSFETQ3のオン/オフ動作 応じた、センスIGBT10aのゲート電極Gの電位V( G)、エミッタ電極Eの電位V(E)、ゲート・エミ タ間電圧VGEの変化について、図39に示す駆動 回路7の場合と異なる点を説明する。

 図41の時刻T2~T3では、MOSFETQ1~Q4の状態が図1 で説明した第1の状態になる。定常状態にな たときのゲート電極Gの電位V(G)、エミッタ電 極Eの電位V(E)、ゲート・エミッタ間電圧VGEの 大きさは、図39に示す駆動回路7の時刻T2~T3 場合と同様である。

 時刻T3で、入力信号SG0がHレベルからLレベ ルに切換わると、MOSFETQ1,Q2,Q4は、それぞれオ 状態、オン状態、オフ状態に遷移するのに して、MOSFETQ3は、時刻T5までオフ状態を維持 し、時刻T5にオン状態に遷移する。時刻T3~T5 MOSFETQ1~Q4の状態は、図39に示す駆動回路7の時 刻T3~T5の場合と同様であり、ゲート電極Gの電 位V(G)、エミッタ電極Eの電位V(E)、およびゲー ト・エミッタ間電圧VGEの変化も図39と同様で る。

 時刻T5で、MOSFETQ3がオン状態になると、MOS FETQ1~Q4の状態が図1で説明した第2の状態にな ので、センスIGBT10aのエミッタ電極Eの電位V(E )は、Vcc-Vzになり、IGBT10aの主要部10bには、ゲ ト・エミッタ間電圧VGEとして、Vz-Vccの逆バ アスが印加される。このとき、ゲート電極G の電位V(G)は、MOSFETQ6がオン状態であるので、 接地GND1の電位である0を維持する。

 時刻T6でMOSFETQ3がオフ状態になった後、次 に入力信号SG0がLレベルからHレベルに切換わ 時刻T7までの間、センスIGBT10aのエミッタ電 Eから、抵抗R4、オン状態のMOSFETQ2、および ート抵抗RGを順に経由して、センスIGBT10aの ート電極Gに至る放電経路が形成される。そ て、電源15を経由しないこの放電経路に放 電流が流れることによって、IGBT10のゲート エミッタ間に蓄積された電荷が放電される この放電によって、センスIGBT10aのエミッタ 極Eの電位V(E)はVcc-Vzから0まで徐々に変化し ゲート・エミッタ間電圧VGEもVz-Vccから0まで 徐々に変化する。この変化は、実施の形態2 おける図9の時刻T4~T6の変化に対応するもの ある。

 時刻T7で入力信号SG0がLレベルからHレベル に切換わると、MOSFETQ1,Q2は、それぞれオン状 、オフ状態に遷移し、スイッチ素子Q3,Q4は フ状態のまま変化しない。すでに時刻T7まで に、センスIGBT10aのゲート・エミッタ間に蓄 された電荷の放電が完了しているので、セ スIGBT10aのゲート電極Gの電位V(G)、エミッタ 極Eの電位V(E)、およびゲート・エミッタ間電 圧VGEの各値は0のままで変化しない。

 次の時刻T8で、MOSFETQ4がオン状態に遷移す ると、MOSFETQ1~Q4の状態が第1の状態になるので 、センスIGBT10aに順バイアスが印加され、ゲ ト電極Gの電位V(G)、およびゲート・エミッタ 間電圧VGEは0からVccまで変化する。

 このように、実施の形態8の駆動回路8に いても、実施の形態7と同様に、予め電源15 経由しない経路でゲート・エミッタ間に蓄 された電荷を放電させるので、センスIGBT10a ターンオンおよびターンオフに要する駆動 流IDを減少させることができる。

 今回開示された実施の形態はすべての点 例示であって制限的なものでないと考えら るべきである。本発明の範囲は上記した説 ではなくて請求の範囲によって示され、請 の範囲と均等の意味および範囲内でのすべ の変更が含まれることが意図される。