Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
ENERGY STORAGE DEVICE, METHOD FOR MANUFACTURING SAME, AND APPARATUS EQUIPPED WITH SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/125540
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a highly reliable energy storage device in which catalyst metal and substrate metal are prevented from being ionized and flowing out into an electrolytic solution and a reaction current is prevented from flowing in a carbon nanotube electrode. The energy storage device comprises at least a pair of electrode bodies composed of a positive electrode and a negative electrode, and an electrolytic solution. At least one of the electrode bodies is configured by forming a layer of carbon nanotubes on an electric conductor. On the surface of the electric conductor, a joined region in which one end of each of carbon nanotubes is joined and electrically connected to the electric conductor and an unjoined region in which the end of each of carbon nanotubes is not joined thereto exist, and the carbon nanotube one end of which is connected to the joined region is pushed over sideways to thereby cover the surface of the unjoined region.

Inventors:
ASARI TAKUMA
KUMAGAI HIRONORI
HAYASHI SHIGEO
HASHIMOTO YASUHIRO
Application Number:
PCT/JP2009/001116
Publication Date:
October 15, 2009
Filing Date:
March 12, 2009
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
PANASONIC CORP (JP)
ASARI TAKUMA
KUMAGAI HIRONORI
HAYASHI SHIGEO
HASHIMOTO YASUHIRO
KAWASHIMA TAKAHIRO
International Classes:
H01G9/00; B82Y99/00; H01G11/06; H01G11/22; H01G11/36; H01G11/86; H01M2/26; H01M4/133; H01M4/1393; H01M4/58; H01M4/587; H01M4/62; H01M4/66; H01M10/0566; H01M10/0585; H01M10/0587; H01M10/36
Foreign References:
JP2007266548A2007-10-11
JP2008044099A2008-02-28
Attorney, Agent or Firm:
PATENT CORPORATE BODY ARCO PATENT OFFICE (JP)
Patent business corporation Owner old patent firm (JP)
Download PDF:
Claims:
 陽極と負極からなる少なくとも一対の電極体と、電解液とを含むエネルギー蓄積デバイスであって、
 前記電極体の少なくとも1つは、導電体上にカーボンナノチューブの層が形成されたものであり、
 前記導電体の表面には、カーボンナノチューブの一端が前記導電体と結合して電気的に接続している結合領域と、カーボンナノチューブの末端が結合していない非結合領域とが存在し、
 前記結合領域に一端が接続したカーボンナノチューブは横倒しにされて、前記非結合領域の表面を被覆している、ことを特徴とするエネルギー蓄積デバイス。
 前記カーボンナノチューブの層の体積密度が0.1~1.5g/ccである、請求項1に記載のエネルギー蓄積デバイス。
 前記少なくとも一対の電極体が捲回して含まれており、
 前記電極体に接続されたリード線と平行な方向のストライプ状に、前記非結合領域が形成されている、請求項1又は2に記載のエネルギー蓄積デバイス。
 前記少なくとも一対の電極体が捲回せずに含まれており、
 前記電極体に接続されたリード線と平行な方向のストライプ状に、前記非結合領域が形成されている、請求項1又は2に記載のエネルギー蓄積デバイス。
 前記カーボンナノチューブの長さをA、前記非結合領域の幅をBとすると、A/B≧1の関係を満足する、請求項1~4のいずれかに記載のエネルギー蓄積デバイス。
 前記非結合領域においては、前記導電体の表面に撥水膜が設けられている、請求項1~5のいずれかに記載のエネルギー蓄積デバイス。
 前記撥水膜はフッ素系材料からなる、請求項6に記載のエネルギー蓄積デバイス。
 前記エネルギー蓄積デバイスが電気二重層キャパシタである、請求項1~7のいずれかに記載のエネルギー蓄積デバイス。
 陽極と負極からなる少なくとも一対の電極体と、電解液とを含むエネルギー蓄積デバイスを製造する方法であって、
 導電体の表面に、カーボンナノチューブの一端が前記導電体と結合して電気的に接続している結合領域と、カーボンナノチューブの末端が結合していない非結合領域とを形成する第一工程と、
 前記結合領域に一端が接続したカーボンナノチューブを横倒しにして、前記非結合領域の表面を被覆することで前記電極体の少なくとも1つを形成する第二工程と、
 得られた電極体を電解液に含浸する第三工程と、を含む製造方法。
 第一工程は、前記結合領域のみに触媒金属層を設けた後、前記触媒金属層上に、化学的気相成長法によりカーボンナノチューブを合成することにより行う、請求項9に記載の製造方法。
 前記結合領域のみに前記触媒金属層を設けるために、前記導電体をパターニングマスクで被覆して前記触媒金属層の形成工程を実施する、請求項10に記載の製造方法。
 前記結合領域のみに前記触媒金属層を設けるために、前記導電体をパターニングマスクで被覆することで前記非結合領域のみに撥水膜を形成し、その後、ディップコーティング法又はスピンコーティング法によって前記触媒金属層の形成工程を実施する、請求項10に記載の製造方法。
 請求項1~8のいずれかに記載のエネルギー蓄積デバイスを搭載したことを特徴とする、電子機器。
 請求項1~8のいずれかに記載のエネルギー蓄積デバイスを搭載したことを特徴とする、輸送デバイス。
Description:
エネルギー蓄積デバイス、その 造方法及びそれを搭載した装置

 本発明は、エネルギー蓄積デバイス、そ 製造方法、及び、それを搭載した装置に関 るものである。



 エネルギーデバイスは、エネルギー蓄積デ イスとエネルギー発電デバイスに大きく分 ることができる。従来、エネルギー蓄積デ イスとして代表的なものに、電気化学キャ シタ、及び、電池があり、それぞれの特徴 生かした市場において既に使用されている 電気化学キャパシタにはさらに、活性炭を 極性電極として用い、活性炭細孔表面と電 液との界面に形成される電気二重層のみを 用した電気二重層キャパシタや、硝酸ルテ ウムなど連続的に価数が変化する遷移金属 化物やドーピング可能な導電性高分子を用 たレドックスキャパシタなどがある。また 池は、活物質のインターカレーションや化 反応を利用し充放電が可能な二次電池と、 本的に1度放電してしまえば再充電不可能な 一次電池に大別される。


 このような種々のエネルギー蓄積デバイス てに共通する最も基本的な構成は、その原 上エネルギーを放出可能な電極活物質であ 。さらに、電極活物質に蓄積されたエネル ーを外部に取り出すため、電子伝導性を持 電極活物質と電気的に接続された集電体(導 電体)も必要となる。集電体は、電極活物質 エネルギーを高効率で伝播する必要がある め、一般的にアルミニウム、銅、ステンレ など非常に抵抗の低い金属材料が用いられ 。硫酸水溶液など金属腐食性を持つ電解液 使用する場合には、導電性を付与したゴム 材料などが用いられる場合もある。


 近年、エネルギー蓄積デバイスの用途が大 く広がるに従い、より低抵抗で、大電流の 電が可能な優れた特性を持つものが要求さ てきている。これらの特性は、まずエネル ー蓄積デバイスの中で原理的に最も抵抗の い電気二重層キャパシタに求められ、電極 物質と集電体の接合面に炭素系導電層を設 ることによって実現された。電気二重層キ パシタにおいては、電極活物質中の電子抵 が他の二次電池と比較して低いため、電極 物質と集電体間の接触抵抗がデバイスの抵 に対して無視できないほどの割合を占めて たからである。現状では同様な傾向がリチ ム2次電池においても追求されようとしてい る。


 これらの問題を解決する手段として、一端 集電体に接続したカーボンナノチューブを 極活物質に用いたエネルギー蓄積デバイス 検討されている(例えば特許文献1等を参照) カーボンナノチューブは直径が最小0.4nmで 長さが最大4mmの中空状炭素材料である。こ の一端を基板に接続したカーボンナノチュ ブ電極は従来のペレット型電極と異なり、 電補助材や結着材を必要としないので活物 体積率が100%であり、基板である集電体と接 しているため電気抵抗が非常に低い特徴が る。さらに、カーボンナノチューブは理想 表面積が2625m 2 /gと極めて高く、特に電気二重層キャパシタ の応用に適している。


 しかしながら、カーボンナノチューブ電極 は、カーボンナノチューブ合成時に使用し 触媒金属が導電体上に残存しているため、 ネルギー蓄積デバイスとして電極に電圧を 加すると、触媒金属や、導電体を構成する 属がイオン化して電解液中に流出し、反応 流が流れ、エネルギー蓄積デバイスの信頼 を低下させる問題があった。このため、上 のような構造を持つエネルギー蓄積デバイ においてカーボンナノチューブ電極を適用 ることはきわめて困難であった。


 特許文献1では、基板の電極形成領域に形成 されたカーボンナノチューブからなる分極性 電極を備えた電気二重層キャパシタにおいて 、電極形成領域内に所定領域を除いてカーボ ンナノチューブを形成することが記載されて いる。これは、電解液がカーボンナノチュー ブ内部に含浸しやすくすることによって、初 期の充放電から高い静電容量を得ることと、 低温度でも高い静電容量を得ることを目的と したものと記載されている。形成されたカー ボンナノチューブが横倒しにされて未形成領 域の表面を被覆する構造や、金属のイオン化 による反応電流を起因としたエネルギー蓄積 デバイスの信頼性低下の問題についてはまっ たく記載されていない。


 特許文献2では、エネルギー蓄積デバイスで はなく、トランジスタ等の電子デバイスの製 造において、基板表面の絶縁膜上に複数の電 極を形成し、一の電極上にカーボンナノチュ ーブを垂直配向させて形成した後、そのカー ボンナノチューブの根元を固定したままカー ボンナノチューブを他の電極の側に倒すこと が記載されている。これは、カーボンナノチ ューブを電極間の配線材料として使用するこ とによって、基板上の2電極間を確実に接続 ることを目的としたものと記載されている カーボンナノチューブを電極活物質として 用することや、エネルギー蓄積デバイスに いては記載されておらず、そのため、電解 中の金属のイオン化による反応電流を起因 したエネルギー蓄積デバイスの信頼性低下 問題についてもまったく記載されていない

特開2005-259760号公報

特開2006-228818号公報



 本発明が解決しようとする技術的な課題は 前記問題点を解決するためのものであり、 ーボンナノチューブを電極活物質として含 電極体を有するエネルギー蓄積デバイスで って、カーボンナノチューブ電極に電圧を 加した際に、触媒金属や、基板たる導電体 構成する金属がイオン化して電解液中に流 し、反応電流が流れるのを防止して、信頼 を向上させたエネルギー蓄積デバイス、そ 製造方法、及び、それを搭載した装置を提 することを目的とするものである。



 本発明者らは、カーボンナノチューブ電極 おいて触媒金属や基板金属が電解液中に流 して反応電流が流れるのは、触媒金属や基 金属が電解液に露出しているためと推測し 鋭意研究した。その結果、基板の表面に、 ーボンナノチューブが形成された結合領域 、形成されていない非結合領域とを設けた えで、結合領域上のカーボンナノチューブ 層を圧縮してカーボンナノチューブを横倒 にすることにより、圧縮されたカーボンナ チューブ層が非結合領域を含む基板表面を 覆する構成を採用することによって上記課 を解決できることを見出し、本発明に至っ 。


 すなわち第一の本発明は、陽極と負極から る少なくとも一対の電極体と、電解液とを むエネルギー蓄積デバイスであって、前記 極体の少なくとも1つは、導電体上にカーボ ンナノチューブの層が形成されたものであり 、前記導電体の表面には、カーボンナノチュ ーブの一端が前記導電体と結合して電気的に 接続している結合領域と、カーボンナノチュ ーブの末端が結合していない非結合領域とが 存在し、前記結合領域に一端が接続したカー ボンナノチューブは横倒しにされて、前記非 結合領域の表面を被覆している、ことを特徴 とするエネルギー蓄積デバイスに関する。


 好ましくは、前記カーボンナノチューブの の体積密度が0.1~1.5g/ccである。


 好ましくは、前記少なくとも一対の電極体 捲回して含まれており、前記電極体に接続 れたリード線と平行な方向のストライプ状 、前記非結合領域が形成されている。


 好ましくは、前記少なくとも一対の電極体 捲回せずに含まれており、前記電極体に接 されたリード線と平行な方向のストライプ に、前記非結合領域が形成されている。


 好ましくは、前記カーボンナノチューブの さをA、前記非結合領域の幅をBとすると、A/ B≧1の関係を満足する。


 好ましくは、前記非結合領域においては、 記導電体の表面に撥水膜が設けられている


 好ましくは、前記撥水膜はフッ素系材料か なる。


 好ましくは、前記エネルギー蓄積デバイス 電気二重層キャパシタである。


 第二の本発明は、陽極と負極からなる少な とも一対の電極体と、電解液とを含むエネ ギー蓄積デバイスを製造する方法であって 導電体の表面に、カーボンナノチューブの 端が前記導電体と結合して電気的に接続し いる結合領域と、カーボンナノチューブの 端が結合していない非結合領域とを形成す 第一工程と、前記結合領域に一端が接続し カーボンナノチューブを横倒しにして、前 非結合領域の表面を被覆することで前記電 体の少なくとも1つを形成する第二工程と、 得られた電極体を電解液に含浸する第三工程 と、を含む製造方法に関する。


 好ましくは、第一工程は、前記結合領域の に触媒金属層を設けた後、前記触媒金属層 に、化学的気相成長法によりカーボンナノ ューブを合成することにより行う。


 好ましくは、前記結合領域のみに前記触媒 属層を設けるために、前記導電体をパター ングマスクで被覆して前記触媒金属層の形 工程を実施する。


 好ましくは、前記結合領域のみに前記触媒 属層を設けるために、前記導電体をパター ングマスクで被覆することで前記非結合領 のみに撥水膜を形成し、その後、ディップ ーティング法又はスピンコーティング法に って前記触媒金属層の形成工程を実施する


 第三の本発明は、前記エネルギー蓄積デバ スを搭載したことを特徴とする、電子機器 又は、輸送デバイスに関する。



 本発明のエネルギー蓄積デバイスは、上述 た構成を採用することによって、触媒金属 基板金属がイオン化し、電解液中に流出し 反応電流が流れるのを防止することができ 。


 これによって、カーボンナノチューブ電極 含むエネルギー蓄積デバイスにおいて電解 への金属流出反応を防止し、長期信頼性を 上させることができる。さらには、反応電 が少なくなることからエネルギー蓄積デバ スに大電流の充放電が可能になる。


 本発明のエネルギー蓄積デバイスは以上の 果を奏するものであるので、カーボンナノ ューブ電極を備えたエネルギー蓄積デバイ を、無線通信装置を備えた携帯型装置、情 処理端末等の電子機器又は輸送デバイス等 搭載する条件が整ったことになる。特に大 流の放電が可能になったことから、瞬間的 エネルギー消費が激しい携帯電話に代表さ る無線通信機能を備えた携帯型装置や、ノ トパソコンに代表される情報処理端末の動 時間を向上させ、またハイブリッド自動車 代表される輸送デバイスの加速性能を向上 せることができる。



導電体上に結合領域と非結合領域が形 され、結合領域上のカーボンナノチューブ 層が圧縮されて、カーボンナノチューブが 結合領域の表面を被覆している状態を示す 面概念図。 導電体上に結合領域と非結合領域が形 され、結合領域上のカーボンナノチューブ 層が圧縮されていない状態を示す断面概念 。 導電体上に非結合領域が形成されず、 面にカーボンナノチューブの層が形成され 圧縮されていない状態を示す断面概念図。 図2の状態の断面SEM写真。 導電体上に結合領域と非結合領域が形 され、結合領域上のカーボンナノチューブ 層が圧縮されていない状態を示す図。(a)は 面図で、(b)は断面図。 導電体上に結合領域と非結合領域が形 され、結合領域上のカーボンナノチューブ 層が圧縮されていない状態を示す上面図。( a)は格子模様を示し、(b)は円上の格子模様を す。 触媒Fe層を全面に形成したAl箔と、触媒 層を形成していないAl箔における、電極電位( 横軸)に対する電解液との反応電流(縦軸)を示 したグラフ (a)は捲回型構造のエネルギー蓄積デバ ス素子において電極体を捲回する際の状態 示す斜視図。(b)は捲回型構造のエネルギー 積デバイスにおいて、捲回した電極体を封 部材と一体化して金属ケースへ挿入する際 状態を示す斜視図。 積層型構造のエネルギー蓄積デバイス 構成を示す図。(a)は斜視図で、(b)は断面図 積層型エネルギー蓄積デバイス素子を 複数個組み合わせた大型の積層型エネルギー 蓄積デバイス素子の構成を示す斜視図。

符号の説明

 10 非結合領域が形成され、圧縮されたカー ボンナノチューブ電極
 20 非結合領域が形成され、圧縮されていな いカーボンナノチューブ電極
 30 非結合領域が形成されず、圧縮されてい ないカーボンナノチューブ電極
 11、21、31 カーボンナノチューブ合成触媒 属粒子
 12、22、32、42 カーボンナノチューブ
 13、23、33、43、53、64 導電体
 44 非結合領域が形成され、圧縮されていな いカーボンナノチューブ
 45 非結合領域が形成されず、圧縮されてい ないカーボンナノチューブ
 50 非結合領域が形成された未捲回状態のカ ーボンナノチューブ電極
 51 非結合領域
 52、63 カーボンナノチューブの層
 54 リード線
 60 所定のパターンで非結合領域が形成され た未捲回状態のカーボンナノチューブ電極
 80、90 エネルギー蓄積デバイス
 81、91 エネルギー蓄積デバイス素子
 82、92 陽極側リード線
 83、93 陽極
 84、94 陰極側リード線
 85、95 陰極
 86、96 セパレータ
 87 封口部材
 88 金属ケース
 97 ラミネートケース



 本発明は、電気二重層キャパシタ、電気化 キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ、 チウムイオン二次電池、有機電池、酸化金 や導電性高分子を用いた擬似容量キャパシ 等を含むエネルギー蓄積デバイス全般にお て適用可能なものである。電極体がカーボ ナノチューブからなる層を導電体上に形成 てなるものである限り、本発明におけるエ ルギー蓄積デバイスは特に限定されない。 下、前記電極体をカーボンナノチューブ電 ともいう。


 電気二重層キャパシタ又は電気化学キャパ タでは、正負極ともに、カーボンナノチュ ブを用いることが可能である。


 リチウムイオン二次電池では、通常、正極 してコバルト酸リチウム等のリチウム酸化 属、シリコン化合物、又は、リチウム金属 用いられ、負極としてグラファイト等が用 られている。この場合、負極に用いられて るグラファイトの代わりに同じグラフェン 造を持つカーボンナノチューブを使用し、 極では活物質の担持材料としてカーボンナ チューブを用いることが可能である。


 リチウムイオンキャパシタでは、正極とし 活性炭が、負極としてグラファイトが提案 れていることから、正負極ともに、カーボ ナノチューブを用いることが可能である。


 有機電池では、電極の少なくとも一方の活 質に有機材料を用いることが提案されてお 、当該有機材料の担持材料としてカーボン ノチューブを用いることが可能である。


 上述のとおり本発明においては、カーボン ノチューブそのものが電極活物質として機 するものであってもよいし、他の電極活物 のための担持材料として機能するものであ てもよい。


 カーボンナノチューブの平均直径は約0.1~100 nmの範囲にあるが、イオン半径0.074nmのリチウ ムイオンや、イオン半径約0.5nmの電解質イオ がその内部に侵入することを考えると、0.1~ 10nmの範囲が望ましく、さらに望ましくは、0. 1~5nmの範囲である。


 カーボンナノチューブ間の距離は短いほう 、高密度となるため好ましいが、電解液中 電解質イオンが移動するのに十分な距離に 整する。


 本発明において、カーボンナノチューブ電 は、導電体の表面にカーボンナノチューブ 層が形成されたものである。このカーボン ノチューブの層は、垂直配向したカーボン ノチューブの層を導電体表面に形成した後 圧縮されたものである。


 当該導電体の表面には、結合領域と非結合 域とが形成されている。前記結合領域では カーボンナノチューブの一端が、直接又は 媒金属を介して、前記導電体と結合して電 的に接続している。一方、前記非結合領域 は、カーボンナノチューブの末端は結合し いないが、結合領域に一端が接続したカー ンナノチューブが横倒しにされて、横倒し なったカーボンナノチューブが、その側面 よって、前記非結合領域の導電体表面を被 している。


 好ましくは、導電体と、これと接続してい カーボンナノチューブの一端とのあいだに 、触媒金属が介在している。この場合、両 は電気的接続を取っているのでカーボンナ チューブは電極活物質として機能する。こ で、カーボンナノチューブの他端(前記導電 体と結合している一端とは反対側の末端)は 記導電体と結合しておらず、導電体との電 的な接続は実質的に確保されていない。


 導電体表面上にカーボンナノチューブを合 する工程としては、化学的気相成長法、レ ザーアブレーション法、アーク放電、溶液 電解合成法等がある。好ましくは、導電体 面に触媒金属層を設けた後、当該触媒金属 上に、化学的気相成長法によりカーボンナ チューブを合成する方法が好ましい。合成 件によっては触媒金属がカーボンナノチュ ブの先端に移動することもあるが、その場 でもカーボンナノチューブの一端と導電体 電気的接続は保持されている。


 カーボンナノチューブの保持材でもある導 体としては金属箔を用いることができ、通 アルミニウム箔を用いるが、印加される最 電位によっては銅箔、ステンレス箔、鉄、 ッケル、クロム、タングステンでもよいし 必要によっては異種金属を張り合わせたク ッド材を使用することもできる。この場合 は、カーボンナノチューブ側、すなわち内 側の金属のみが集電体としての機能を果た 。また、ブチレンゴムなどの導電性ゴムを いることも可能である。


 触媒金属としてはニッケル、鉄、コバルト 銅、イットリウム、ロジウム、パラジウム クロム、亜鉛、シリコン、硫黄、金、ボロ 等が挙げられるが、この材料選択はカーボ ナノチューブとその合成方法によって決定 れる。カーボンナノチューブ合成時の加熱 しくは予備加熱により触媒金属粒子が肥大 する。その際の触媒金属粒子径と合成され カーボンナノチューブ径には相関関係があ と一般的に言われている。カーボンナノチ ーブ径として1~100nmを所望する場合は、最大 印加温度時の触媒金属粒子径は1~100nmである とが望ましい。例えば触媒金属を真空蒸着 形成する場合は、触媒金属層の膜厚は0.1~10nm にすることが望ましい。


 以下では図面を参照しつつ本発明を説明す 。

 本発明の一実施形態は、少なくとも一対の 極体を捲回して含む捲回型構造のエネルギ 蓄積デバイスに関する。


 図8(a)は当該実施形態における捲回型構造の エネルギー蓄積デバイス素子において電極体 を捲回する際の状態を示す斜視図であり、図 8(b)は捲回した電極体を封口部材と一体化し 金属ケースへ挿入する際の状態を示す斜視 である。この図8(a)及び(b)において、エネル ー蓄積デバイス素子81は陽極側リード線82を 接続した陽極83と陰極側リード線84を接続し 陰極85とをその間にセパレータ86を介在させ 捲回することにより構成されている。そし このエネルギー蓄積デバイス素子81の陽極 リード線82と陰極側リード線84にはゴムより る封口部材87が取り付けられ、さらにこの ネルギー蓄積デバイス素子81は駆動用電解液 を含浸させた後、アルミニウムより構成され た有底円筒状の金属ケース88内に収納される この収納により、金属ケース88の開口部に 口部材87が位置し、そしてこの金属ケース88 開口部に横絞り加工とカーリング加工を施 ことにより封口部材87が金属ケース88の開口 部に封着されて金属ケース88の開口部を封口 て、エネルギー蓄積デバイス80を構成する

 セパレータは、エネルギー蓄積デバイスの 類には原理的に依存しないが、特にリフロ 対応が必要とされる場合には、耐熱性が要 される。耐熱性が必要ない場合にはポリプ ピレン等の合成高分子系の材料を、耐熱性 必要な場合にはセルロース系の材料を用い ことができる。


 電解液は、エネルギー蓄積デバイスの種類 よって異なる材料を選ぶ必要がある。溶媒 しては、使用電圧範囲によって電気化学的 解が起こらないよう、適切な電位窓を持っ ものを選択する。一般的なプロピレンカー ネート、エチレンカーボネート、エチルメ ルカーボネート、あるいはそれらの混合溶 を用いることができる。はんだ付けのため リフロー対応が必要となる場合には、リフ ー時に電解液が沸騰しないよう、スルフォ ンなどの高沸点溶媒を用いる。


 電解質としては、様々な公知の材料、例え 電気二重層キャパシタ用途としてはテトラ チルアンモニウムテトラフルオロボレート リチウムイオン二次電池用途としてはリチ ムペンタフルオロフォスフェート等を用い ことができる。これらイオン性電解質のイ ン直径に対応する直径を持つカーボンナノ ューブを合成することにより、単位重量あ りのエネルギー密度がもっとも大きなエネ ギー蓄積デバイスを作製することが可能に る。


 図5は、導電体上にカーボンナノチューブを 形成した直後の状態を示す上面図である。こ の後、カーボンナノチューブの層を圧縮する ことによって、本発明における陽極又は陰極 を構成することになる。通常、この段階では リード線は接続されていないが、説明を容易 にするため、導電体53にリード線54が接続さ ている状態を図示している。図5では、導電 53の結合領域上に電極活物質であるカーボ ナノチューブの層(圧縮前)52が形成されてい 。導電体53は、通常、図5に示すように左右 が短辺で上下辺が長辺の、長方形のシート あるが、リード線54が位置する左辺を中心 、右辺の方向に向けて捲回される。


 導電体53の表面には、リード線54と平行な方 向に、ストライプ状に、複数の非結合領域51 形成されている。ここで、「リード線と平 な方向」とは、図5における縦方向を指す。 非結合領域51をリード線と平行な方向に設け ことによって集電効率が向上するため好ま い。ただし、「平行」とは厳密な意味で平 を求めるものではなく、前記の利点を発揮 きるものであれば多少の傾き(例えば30°程 )はあってもよい。図5の導電体53は、陽極又 陰極を構成する際、左辺から右辺にむけて 回されるので、左辺が捲回の中心軸に近く る。


 本発明において「非結合領域」とは、図4又 は図5における断面図で示すように、圧縮前 段階において、表面にカーボンナノチュー がまったく存在しない領域のことをいう。 該領域は、カーボンナノチューブ合成に必 な触媒金属が非結合領域51に形成されておら ず、このためにカーボンナノチューブが形成 されていない領域であってもよいし、また、 全面的に形成されたカーボンナノチューブ層 の一部を、カミソリ等の刃等を用いて除去す ることで形成された領域であってもよい。


 図3は、非結合領域を形成せずに導電体表面 の全面にカーボンナノチューブを形成した状 態(圧縮前)の断面模式図を示している。導電 33の全面に形成された触媒金属31からカーボ ンナノチューブ32が形成されている。


 一方、図2は、図5の断面図を拡大した模式 であり、非結合領域を形成して、導電体表 の結合領域のみにカーボンナノチューブを 成した状態(圧縮前)の断面模式図を示してい る。カーボンナノチューブ合成に必要な触媒 金属21を、導電体23上に、上面から見てスト イプ状に形成し、その触媒金属21を起点とし て、導電体23表面の結合領域のみにカーボン ノチューブ22を形成している。この場合、 面に触媒金属を形成した図3の場合に比べて 媒金属量が非結合領域面積に従って減少し いるため、その割合だけ電解液との反応電 が少なくなる1つめの利点がある。


 図7はこの利点を証明するものであり、触媒 Fe層を全面に形成したAl箔と、触媒層を形成 ていないAl箔における、電極電位(横軸)に対 る電解液との反応電流(縦軸)を示したグラ である。このグラフから、触媒Feが全面に形 成されていると、Ag/Ag+参照電極に対する電位 が+1.0V付近である点から急激に反応電流が高 なっているが、Al箔ではそのような現象は 察されないことが分かる。


 この現象は、FeがAg/Ag+参照電極に対して+1.29 8V(理化学辞典におけるイオン化傾向を参照) イオン化しFe 2+ となり、電解液中に流失することから説明で きる。またAlは+2.462Vでイオン化するため、+1. 0V付近では反応電流量はFeに比べて格段に小 い。ただし、エネルギー蓄積デバイスに印 する電圧が高くなればAlもイオン化するので 、電解液に露出しているAl箔表面を、カーボ ナノチューブ層や撥水膜等によって被覆す ことで、電解液との接触を防止することが ましい。


 ところで、カーボンナノチューブの成長メ ニズムとして最もよく提案されているのが カーボンナノチューブの原料ガス供給律速 デルである。このモデルによると、触媒金 粒子間の間隔は20nm未満であり、カーボンナ ノチューブの高さ100nm~1cmと比較すると非常に 狭い。そのために、合成の進行に伴いカーボ ンナノチューブの高さが増加するとともに、 カーボンナノチューブ層の上方から進入する 原料ガスはカーボンナノチューブの根元に位 置する触媒金属粒子に到達しにくくなる。そ れによって、カーボンナノチューブの成長レ ートが合成時間とともに低下する。具体的に は、図3のように非結合領域を形成せずに導 体表面の全面にカーボンナノチューブを形 する場合、合成時間30分で、カーボンナノチ ューブの高さは約20μmにしかならない。


 一方、図2のように非結合領域を形成して、 導電体表面の結合領域のみにカーボンナノチ ューブを形成した場合、非結合領域の上方を 通じて、カーボンナノチューブの根元に位置 する触媒金属粒子に原料ガスが到達しやすく なる。そのため、カーボンナノチューブの成 長レートの経時的低下の問題を回避すること ができる。具体的には、結合領域の幅:非結 領域の幅=1:1、合成時間30分の条件で、カー ンナノチューブの高さは3倍の約60μmに達し 。図4は、この条件でカーボンナノチューブ 合成した際の断面SEM写真である。


 以上から、非結合領域を形成すると、形成 ない場合を基準にして、カーボンナノチュ ブの合成量が3/2=1.5倍になったことが分かる 。これは、例えばエネルギー蓄積デバイスと して電気二重層キャパシタを作製した場合の エネルギー密度が1.5倍になる2つめの利点が ることを示す。


 以上から、非結合領域を形成すると、エネ ギー蓄積デバイスにおいて生じる反応電流 を低減して信頼性を向上させるだけではな 、エネルギー密度も向上するという利点が ることが分かる。


 本発明では、図2又は図5で示すように、結 領域のみにおいて、カーボンナノチューブ 一端が導電体と結合して電気的に接続する うにカーボンナノチューブの層を形成した 、その層を圧縮することで当該カーボンナ チューブを横倒しにして、前記非結合領域 導電体表面を被覆する。これによって、導 体の表面に、圧縮されたカーボンナノチュ ブの層が形成されることになる。


 図1は、カーボンナノチューブの層が圧縮さ れて、カーボンナノチューブが非結合領域の 表面を被覆している状態を概念的に示してい る。なお、触媒金属粒子は結合領域の表面の みに形成されており、非結合領域の表面には 形成されていないことが、反応電流抑制の観 点から好ましい。


 カーボンナノチューブの層を圧縮して非結 領域の表面を被覆することによって、電解 と導電体が直接接触して、電圧印加した際 電解液が分解するのを防止することができ 。また、カーボンナノチューブ層の減少に る電気容量の低下を最小限にすることがで る。また、圧縮によりカーボンナノチュー 層の厚みが低下するため電極間距離を短く ることができ、これによってイオン抵抗が 下し、パワー密度が上昇するというメリッ も生じる。


 カーボンナノチューブの層を圧縮する方法 しては、垂直配向したカーボンナノチュー の層を表面に形成した導電体を、ロール間 を規定した2本のロールの間に移動させるこ とにより高密度化・圧延を行う、ロールロー ルプレスの方法;垂直配向したカーボンナノ ューブの層を表面に形成した導電体を固定 の上に保持して、上方から機械式プレスま は油圧式プレスを用いて圧力を規定して平 板を押し付ける、プレス機を用いた方法;垂 配向したカーボンナノチューブの層を表面 形成した導電体を溶液中に浸漬し、これを き上げる際の表面張力と重力によりカーボ ナノチューブを一方向に配向させ、その後 液を乾燥させる、溶液圧縮の方法等が挙げ れる。


 以上のようにして圧縮されると、カーボン ノチューブの層は体積密度が0.1~1.5g/ccに達 る。一方、カーボンナノチューブを合成し 直後におけるカーボンナノチューブの層の 積密度は、通常、0.01~0.10g/cc程度である。ま 、最密なグラフェン構造を保持したグラフ イトの体積密度は1.5g/ccであるため、圧縮に より最大でその値まで到達するものと考えら れる。


 非結合領域においては、導電体の表面に、 ッ素系材料、シラン系材料等からなる撥水 が設けられていることが好ましい。これに って、電解液と導電体が直接接触しないよ にして電解液の分解の問題を回避できる。


 この非結合領域を、リード線と平行な方向 ストライプ状に、好ましくは導電体の上辺 ら下辺に至るまで、多数設けることによっ 、電解液の反応電流量を低減し、エネルギ 蓄積デバイスの信頼性の低下を防止するこ ができる。


 図2において、カーボンナノチューブの長さ をA、非結合領域の幅(結合領域間の間隔)をB すると、A/B≧1の関係を満足することが好ま い。この場合、非結合領域はすべて、横倒 になったカーボンナノチューブで被覆され ことになるため、非結合領域において導電 が電解液に露出することがなくなり、反応 流の発生を抑制することができる。また、 ーボンナノチューブ間の接触により生じる 子抵抗が低下するのでエネルギー蓄積デバ スの内部抵抗を減少させることができる。 だし、カーボンナノチューブの厚みAが長す ぎても、反応電流の抑制効果は少ない。


 非結合領域51の形成方法としては、カーボ ナノチューブ合成前の段階であらかじめ処 をしておく方法Aと、カーボンナノチューブ 成後に形成する方法Bの2つがある。


 方法Aでは、導電体上に、カーボンナノチュ ーブ成長に必要な触媒金属層を形成する工程 において、触媒金属が存在しない領域を導電 体上に設ける。具体的には、触媒金属層をパ ターニング形成することにより、カーボンナ ノチューブ層を形成する領域にのみ、触媒金 属層を設けるようにする。触媒金属層のパタ ーニング形成方法としては、インクジェット プリンティングにより所定パターンで触媒金 属層を直接形成する方法;所定パターンを持 パターニングマスクで導電体を被覆したう で、当該導電体に対して、真空蒸着、スパ タリング等の物理的気相成長法や、メッキ ディップコーティング法、スピンコーティ グ法によって触媒金属層を形成する方法;所 パターンを持つパターニングマスクで導電 を被覆したうえで、当該導電体の非結合領 に対して、真空蒸着等の物理的気相成長法 ウェットコーティング法等によって撥水膜 形成し、この撥水膜が形成された導電体の 合領域(撥水膜が形成されていない領域)に して、ディップコーティング法によって触 金属層を形成する方法、等がある。


 方法Bでは、カーボンナノチューブ層を導電 体上の全面に形成した後に、一部のカーボン ナノチューブを機械的に剥離・除去すること で非結合領域を形成する方法がある。この場 合、金属線や、カミソリ等の刃、粘着テープ 等を用いればよい。


 本発明の別の実施形態は、少なくとも一対 電極体を捲回せずに含む非捲回型構造の単 型又は積層型エネルギー蓄積デバイスに関 る。


 図9(a)は当該実施形態における積層型構造の エネルギー蓄積デバイス90の構成を示す斜視 であり、図9(b)は同エネルギー蓄積デバイス 90を積層化した状態を示す断面図である。こ 図9(a)及び(b)において、エネルギー蓄積デバ イス素子91は陽極側リード線92を接続した陽 93と陰極側リード線94を接続した陰極95とを の間にセパレータ96を介在させて積層するこ とにより構成されている。そして、このエネ ルギー蓄積デバイス素子91は駆動用電解液を 浸させた後、アルミニウム箔により構成さ たラミネートケース97内に収納し密封され 、エネルギー蓄積デバイス90を構成する。


 図10は、図9(a)の積層型エネルギー蓄積デバ ス素子を複数個組み合わせた大型の積層型 ネルギー蓄積デバイス素子の構成を示す斜 図である。エネルギー蓄積デバイス素子91 複数個組み合わされ、大型の積層型エネル ー蓄積デバイス素子101を構成する。この素 は、まとめられた陽極側リード線92とまとめ られた陰極側リード線94により、エネルギー 貯蓄・放出を行うことができる。


 図6(a)と図6(b)は、本実施形態において使用 能な、導電体上にカーボンナノチューブを 成した直後の状態を示す上面図である。図6( a)と図6(b)では、カーボンナノチューブ層63は 電体64の全面に形成されているのではなく 非結合領域が所定パターンで形成されてい 。図6(a)では、カーボンナノチューブ層63の 上方からみた形状が方形であり、非結合領 が縦横方向の格子模様を形成している。こ 場合、格子模様は、縦横方向のものだけで なく、筋交い状のものであってもよい。図6( b)では、カーボンナノチューブ層63の、上方 らみた形状が円であり、非結合領域がその 以外の領域からなっている。


 また、本実施形態では、図5で捲回型エネル ギー蓄積デバイスの場合について示したもの と同様に、リード線と平行な方向に、ストラ イプ状に、非結合領域を形成することが好ま しい。この場合、図6(a)と図6(b)と比較すると 結合領域が少ないためにエネルギー密度が く、かつ集電効率が向上する。


 非捲回型エネルギー蓄積デバイスにおける 結合領域の意義、その横幅、そのピッチ、 の形成方法等は捲回型エネルギー蓄積デバ スの場合と同様である。



 以下に実施例を掲げて本発明を詳細に説明 るが、本発明はこれら実施例に限定される のではない。


 (実施例1)
 スリット幅400μm、スリット間の距離400μmの 模様のパターニングマスクで、導電体であ アルミニウム箔(厚さ15μm)を被覆した状態で 、カーボンナノチューブ合成の触媒金属とな るFeを、1nmの膜厚となるよう電子ビーム蒸着 た。これによって導電体表面に、400μm幅、4 00μm間隔のストライプ状にFe膜を形成した。


 このアルミニウム箔に対して、エチレンを 素源とし、620℃雰囲気下でプラズマCVDを行 て、Fe膜表面に、平均厚みが403μmのカーボ ナノチューブ層を形成した。これによって アルミニウム箔表面において、400μm幅、400μ m間隔のストライプ状に、カーボンナノチュ ブのバンドルを垂直に形成した。すなわち 当該バンドルの一端がアルミニウム箔と接 していた。


 このようにしてカーボンナノチューブが形 されたアルミニウム箔をロールプレスにか て、カーボンナノチューブのバンドルを圧 した。これにより、カーボンナノチューブ 横倒しにし、非結合領域の表面がカーボン ノチューブによって被覆されるようにした なお、前述の圧縮は、ロールプレス装置を いて100mm幅に対し、加圧力を100tonfとして、4 0m/minの送り速度で、ロール間を数回繰り返し て通して実施した。


 この後、図5で示したように各アルミニウム 箔にリード線を接続して、陽極及び陰極を製 造した。両極間にセパレータを介在させて捲 回し、電解液に含浸後、ケースに収納して捲 回型のエネルギー蓄積デバイスを製造した。


 +1.0Vでの反応電流を測定したところ、13μAで あった。なお、反応電流は、所定電圧を印加 して10分後に測定された電流と定義した。


 (実施例2)

 形成するカーボンナノチューブ層の平均厚 を522μmに変更した点以外は、実施例1と同様 にして捲回型のエネルギー蓄積デバイスを製 造した。+1.0Vでの反応電流は11μAであった。


 (実施例3)
 400μm角の凸型正方形、正方形間の距離400μm 縦横方向の格子状のパターニングマスクで 導電体であるアルミニウム箔(厚さ15μm)を被 覆した状態で、アルミニウム箔上に撥水膜を 形成し乾燥させた。なお、撥水膜は、トルエ ン希釈変性ポリプロピレン(三井化学(株)ユニ ストールR-200)を塗布後に電気炉中170℃で5分 の加熱を計2回繰り返して形成した。


 次いで、カーボンナノチューブ合成の触媒 属となるFeの膜をディップコーティング法 より形成するために、このアルミニウム箔 酢酸鉄のエタノール溶液に浸漬し、4cm/minの 度で引き上げ、400℃で30min乾燥させた。こ して導電体表面に、400μm角の正方形が400μm 隔で並んでいる形状でFe膜を形成した。


 このアルミニウム箔に対して、エチレンを 素源とし、620℃雰囲気下でプラズマCVDを行 て、Fe膜表面に、平均厚みが407μmのカーボ ナノチューブ層を形成した。これによって アルミニウム箔表面において、400μm角の正 形が400μm間隔で並んでいる形状で、カーボ ナノチューブのバンドルを垂直に形成した


 このようにしてカーボンナノチューブが形 されたアルミニウム箔をロールプレスにか てカーボンナノチューブのバンドルを圧縮 た。これにより、、カーボンナノチューブ 横倒しにし、非結合領域の表面がカーボン ノチューブによって被覆されるようにした


 この後、図5で示したように各アルミニウム 箔にリード線を接続して、陽極及び陰極を製 造した。両極間にセパレータを介在させて捲 回し、電解液に含浸後、ケースに収納して捲 回型のエネルギー蓄積デバイスを製造した。

 +1.0Vでの反応電流は10μAであった。


 (実施例4)
 400μm角の正方形スリット、スリット間の距 400μmの縦横方向の格子状のパターニングマ クで、導電体であるアルミニウム箔(厚さ15 m)を被覆した状態で、カーボンナノチューブ の触媒金属となるFeを、1nmの膜厚となるよう 子ビーム蒸着した。これによって導電体表 に、400μm角の正方形が400μm間隔で並んでい 形状でFe膜を形成した。


 このアルミニウム箔に対して、エチレンを 素源とし、620℃雰囲気下でプラズマCVDを行 て、Fe膜表面に、平均厚みが410μmのカーボ ナノチューブ層を形成した。これによって アルミニウム箔表面において、400μm角の正 形が400μm間隔で並んでいる形状で、カーボ ナノチューブのバンドルを垂直に形成した


 このようにしてカーボンナノチューブが形 されたアルミニウム箔をロールプレスにか てカーボンナノチューブのバンドルを圧縮 た。これにより、カーボンナノチューブを 倒しにし、非結合領域の表面がカーボンナ チューブによって被覆されるようにした。


 この後、図5で示したように各アルミニウム 箔にリード線を接続して、陽極及び陰極を製 造した。両極間にセパレータを介在させて積 層し、電解液に含浸後、ラミネートケースで 圧着し、これに収納することで積層型のエネ ルギー蓄積デバイスを製造した。

 +1.0Vでの反応電流は10μAであった。


 (実施例5)
 パターニングマスクとして、400μm直径の円 スリット、円形スリット間の最小距離400μm ある円形の格子状のパターニングマスクを 用すること以外は、実施例4と同様にして、 積層型のエネルギー蓄積デバイスを製造した 。ただし、カーボンナノチューブ層の平均厚 みは409μmであった。

 1.0Vでの反応電流は9μAであった。


 (比較例1)
 パターニングマスクを使用せずにカーボン ノチューブ層を導電体全面に形成すること 外は、実施例1と同様にして、捲回型のエネ ルギー蓄積デバイスを製造した。カーボンナ ノチューブ合成の条件や反応時間は同じであ ったが、カーボンナノチューブの厚みはわず か113μmであった。+1.0Vでの反応電流は42μAで った。


 (比較例2)
 パターニングマスクを使用せずにカーボン ノチューブ層を導電体全面に形成すること 外は、実施例4と同様にして、積層型のエネ ルギー蓄積デバイスを製造した。カーボンナ ノチューブ合成の条件や反応時間は同じであ ったが、カーボンナノチューブの厚みはわず か121μmであった。+1.0Vでの反応電流は38μAで った。


 (比較例3)
 パターニングマスクを使用せずにカーボン ノチューブ層を導電体全面に形成し、カー ンナノチューブの層の圧縮をせず、それら 外は実施例1と同様にして、捲回型のエネル ギー蓄積デバイスを製造した。カーボンナノ チューブ合成の条件や反応時間は同じであっ たが、カーボンナノチューブの厚みはわずか 118μmであった。+1.0Vでの反応電流は55μAであ た。


 (参考例)

 スリット幅400μm、スリット間の距離400μmの 模様のパターニングマスクで、導電体であ アルミニウム箔(厚さ15μm)を被覆した状態で 、カーボンナノチューブ合成の触媒金属とな るFeを、1nmの膜厚となるよう電子ビーム蒸着 た。これによって導電体表面に、400μm幅、4 00μm間隔のストライプ状にFe膜を形成した。


 このアルミニウム箔に対して、エチレンを 素源とし、620℃雰囲気下でプラズマCVDを行 て、Fe膜表面に、平均厚みが518μmのカーボ ナノチューブ層を形成した。これによって アルミニウム箔表面において、400μm幅、400μ m間隔のストライプ状に、カーボンナノチュ ブのバンドルを垂直に形成した。


 このようにして形成されるカーボンナノチ ーブのバンドルを圧縮せずに、図5で示した ように各アルミニウム箔にリード線を接続し て、陽極及び陰極を製造した。両極間にセパ レータを介在させて捲回し、電解液に含浸後 、ケースに収納して捲回型のエネルギー蓄積 デバイスを製造した。

 +1.0Vでの反応電流は19μAであった。

 以上から、本発明によって従来例よりも1/3 上も反応電流の低い信頼性の高いエネルギ 蓄積デバイスを提供することが可能である とが判明した。



 本発明に係るエネルギー蓄積デバイスは、 電流の放電が可能なため、携帯電話に代表 れる無線通信機能を備えた携帯型装置、液 ディスプレイ等の表示装置、コンピュータ の情報処理端末等の電子機器や、自動車や 転車等の輸送デバイス、埋め込み型人工心 等の医療デバイス等におけるエネルギー源 は補助電源として有用である。




 
Previous Patent: ACCELERATION SENSOR

Next Patent: WO/2009/125606