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Patent Searching and Data


Title:
EPOXY SILICONE AND METHOD FOR PRODUCTION THEREOF, AND CURABLE RESIN COMPOSITION USING THE SAME AND USE THEREOF
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/133108
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is an epoxy silicone represented by the average compositional formula (3) and comprising at least a compound represented by the general formula (1) and a compound represented by the general formula (2), wherein a value [g/(a+b+c+d+e+f+g+h+i+j)] is 0.020 or less. (1) (2) (3)

Inventors:
KURODA YOSHITO (JP)
YOKOYAMA MASAKO (JP)
ODA HIROJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/057344
Publication Date:
November 06, 2008
Filing Date:
April 15, 2008
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Assignee:
ASAHI KASEI CHEMICALS CORP (JP)
ASAHI CHEMICAL IND (JP)
KURODA YOSHITO (JP)
YOKOYAMA MASAKO (JP)
ODA HIROJI (JP)
International Classes:
C08G77/38; C08G77/06; C08G77/14; C08L63/00; C08L83/06; G02B1/04; H01L23/29; H01L23/31
Domestic Patent References:
WO2007046399A12007-04-26
Foreign References:
JP2007246602A2007-09-27
JP2006213760A2006-08-17
JP2006213761A2006-08-17
JP2006213762A2006-08-17
US6313255B12001-11-06
JPH06263989A1994-09-20
JP2005171021A2005-06-30
JPH10182826A1998-07-07
JP2005523980A2005-08-11
JP2005529989A2005-10-06
JP3263177B22002-03-04
JPH07216308A1995-08-15
JPH10182826A1998-07-07
JP2005523980A2005-08-11
JP2005529989A2005-10-06
US6313255B12001-11-06
JP2005171021A2005-06-30
JPH0484444A1992-03-17
JP2005093569A2005-04-07
JP2007107713A2007-04-26
JP2007107714A2007-04-26
Other References:
"Izvestiya Akademii Nauk SSSR", SERIYA KHIMICHESKAYA, no. 2, 1977, pages 410 - 413, XP008142161
See also references of EP 2138525A4
Attorney, Agent or Firm:
INABA, Yoshiyuki et al. (Roppongi Hills Mori Tower6-10-1, Roppongi, Minato-ku, Tokyo 23, JP)
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Claims:
 下記一般式(1)で表される化合物及び下記一般式(2)で表される化合物を少なくとも含む、平均組成式(3)で表されるエポキシシリコーンであって、[g/(a+b+c+d+e+f+g+h+i+j)]の値が0.020以下の範囲であることを特徴とするエポキシシリコーン。
  
[ここで、R 1 は各々独立に、A)無置換又は置換された、鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位を有する、炭素数が1以上24以下及び酸素数が0以上5以下の1価の脂肪族有機基、B)無置換又は置換された芳香族炭化水素単位であって、必要に応じて無置換又は置換された、鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位を有する、炭素数が6以上24以下及び酸素数が0以上5以下の1価の芳香族有機基、C)無置換又は置換された、鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる脂肪族及び/又は芳香族炭化水素単位を有する、炭素数が5以上26以下、酸素数が0以上5以下、並びに珪素数が1である1価の有機基、からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の有機基を表す。
 R 2 は各々独立に、D)無置換又は置換された、鎖状、分岐状、環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位を有する炭素数が4以上24以下及び酸素数が1以上5以下からなるエポキシ基を含有する有機基を表す。
 R 3 は各々独立に、A)無置換又は置換された、鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位を有する、炭素数が1以上24以下及び酸素数が0以上5以下の1価の脂肪族有機基、B)無置換又は置換された芳香族炭化水素単位であって、必要に応じて無置換又は置換された、鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位を有する、炭素数が6以上24以下及び酸素数が0以上5以下の1価の芳香族有機基、C)無置換又は置換された、鎖状、分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構造からなる脂肪族及び/又は芳香族炭化水素単位を有する、炭素数が5以上26以下、酸素数が0以上5以下、並びに珪素数が1である1価の有機基、E)炭素-炭素2重結合を含む炭素数が2以上6以下の無置換又は置換された、鎖状及び分岐状なる群から選ばれる1種以上の構造からなる1価の脂肪族有機基、からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の有機基を表す。
 Xは炭素数が2以上6以下の無置換又は置換された、鎖状及び分岐状よりなる群から選ばれる1種以上の構造からなる2価の炭化水素基を表す。
 また、Yは各々独立に、炭素数が2以上6以下の無置換又は置換された、鎖状及び分岐状よりなる群から選ばれる1種以上の構造からなる2価の炭化水素基を表す。
 更に、Zは2価の炭化水素基Yとの結合を表す。
 式中のtは各々独立に0以上の整数、uは各々独立に3以上の整数、vは0以上の整数を表す。また、a、b、c、d、e、f、g、h、i、jは、エポキシシリコーン1モル中に存在する各構成単位のモル数を表し、a、e、fは0を越える値であり、b、c、d、g、h、i、jは各々0以上の値でe=a+d+iを満足する値である。
 一般式(1)及び(2)中の連鎖はランダムでもブロックでもよい。]
 マトリックス支援イオン化飛行時間型質量分析法にて測定した際に得られるピーク強度から下記式(I)によって算出される、前記一般式(1)で表される化合物の含有量[WA]に対する前記一般式(2)で表される化合物の含有量[WB]の比[WB]/[WA]の値が0.30以上3.00以下であることを特徴とする、請求項1記載のエポキシシリコーン。
 前記一般式(2)におけるvの値が0以上9以下であることを特徴とする、請求項1又は2記載のエポキシシリコーン。
 前記平均組成式(3)で表されるエポキシシリコーンの[(h+i+j)/(a+b+c+d+e+f+g+h+i+j)]の値が0.040以下の範囲であり、かつ前記式(I)によって定義される前記一般式(1)及び前記一般式(2)で表される化合物の含有量の比[WB]/[WA]の値が0.30以上3.00以下であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項記載のエポキシシリコーン。
 前記平均組成式(3)で表されるエポキシシリコーン中の分子量800以下の成分の含有率が10%以上90%以下の範囲であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項記載のエポキシシリコーン。
 エポキシ価が0.15以上0.50以下の範囲であることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項記載のエポキシシリコーン。
 請求項1から6のいずれか1項記載のエポキシシリコーン100質量部、エポキシ樹脂用硬化剤1質量部以上200質量部以下、を含むことを特徴とする硬化性樹脂組成物。
 硬化促進剤0.001質量部以上10質量部以下を更に含むことを特徴とする、請求項7記載の硬化性樹脂組成物。
 請求項1から6のいずれか1項記載のエポキシシリコーン100質量部、カチオン重合触媒0.001質量部以上10質量部以下、を含むことを特徴とする硬化性樹脂組成物。
 請求項7から9のいずれか1項記載の硬化性樹脂組成物からなる発光素子用封止材。
 請求項10記載の発光素子用封止材で封止された発光部品。
 請求項7から9のいずれか1項記載の硬化性樹脂組成物からなるレンズ。
 ヒドロシリル化触媒の存在下、下記一般式(4)で表されるオルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位に対し、下記一般式(5)で表される炭素-炭素2重結合を有するシリコーンを少なくとも含む下記平均組成式(6)で表される炭素-炭素2重結合を有するシリコーンと、炭素-炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物<A>を含むビニル化合物<B>と、の混合物を同時に付加させる1段の工程からなることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項記載のエポキシシリコーンの製造方法。
 [ここで、R 1 、R 2 、R 3 は上記と同様であり、R 4 は、各々独立に、炭素-炭素2重結合を含む炭素数が2以上6以下の無置換又は置換された、鎖状及び分岐状よりなる群から選ばれる1種以上の構造からなる1価の脂肪族有機基を表す。
 式中のt、u、vは上記と同様であり、k、l、m、n、o、p、qは炭素-炭素2重結合を有するシリコーン1モル中に存在する各構成単位のモル数を表し、kは0を越える値であり、l、m、n、o、p、qは各々0以上の値である。
 一般式(4)中の連鎖はランダムでもブロックでもよい。]
 ヒドロシリル化触媒の存在下、前記一般式(4)で表されるオルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位のモル数(r1)に対し、前記一般式(5)で表される炭素-炭素2重結合を有するシリコーンの炭素-炭素2重結合のモル数(r2)と、前記一般式(5)で表される炭素-炭素2重結合を有するシリコーン以外の平均組成式(6)で表される炭素-炭素2重結合を有するシリコーンの炭素-炭素2重結合のモル数(r3)と、前記炭素-炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物<A>の炭素-炭素2重結合のモル数(r4)と、前記炭素-炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物<A>以外のビニル化合物<B>の炭素-炭素2重結合のモル数(r5)と、が下記式(A1)~(A5)を同時に満足する範囲となるように各化合物を反応系に共存させて付加させることを特徴とする、請求項13記載のエポキシシリコーンの製造方法。
  0.10≦r2/r1≦0.75 ・・・式(A1)
  0.25≦r4/r1      ・・・式(A2)
  0≦r3            ・・・式(A3)
  0≦r5            ・・・式(A4)
  1≦(r2+r3+r4+r5)/r1≦5 ・・・式(A5)
 ヒドロシリル化触媒の存在下、下記一般式(4)で表されるオルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位に対し、炭素-炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物<A>を含むビニル化合物<B>を付加させる第1工程と、続いて下記一般式(5)で表される炭素-炭素2重結合を有するシリコーンを少なくとも含む下記平均組成式(6)で表される炭素-炭素2重結合を有するシリコーンを付加させる第2工程と、の2段の工程からなることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項記載のエポキシシリコーンの製造方法。
[ここで、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 は上記と同様である。また、式中のt、u、v、k、l、m、n、o、p、qも上記と同様である。
 一般式(4)中の連鎖はランダムでもブロックでもよい。]
 ヒドロシリル化触媒の存在下、前記第1工程において、前記一般式(4)で表されるオルガノハイドロジェンシリコーンのSiH単位のモル数(s1)に対して、前記炭素-炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物<A>の炭素-炭素2重結合のモル数(s2)と、前記炭素-炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物<A>以外のビニル化合物<B>の炭素-炭素2重結合のモル数(s3)と、が下記式(B1)~式(B3)を同時に満足する範囲で各化合物を反応系に共存させて付加させ、続いて前記第2工程において、前記(s1)~(s3)及び前記一般式(5)で表される炭素-炭素2重結合を有するシリコーンの炭素-炭素2重結合のモル数(s4)と、前記一般式(5)で表される炭素-炭素2重結合を有するシリコーン以外の平均組成式(6)で表される炭素-炭素2重結合を有するシリコーンの炭素-炭素2重結合のモル数(s5)と、が下記式(B4)~式(B6)を同時に満足する範囲で各化合物を反応系に共存させて付加させることを特徴とする、請求項15記載のエポキシシリコーンの製造方法。
  0≦s3            ・・・式(B1)
  0.25≦s2/s1≦0.90 ・・・式(B2)
  0.25≦(s2+s3)/s1≦0.90 ・・・式(B3)
  0≦s5            ・・・式(B4)
  0.10≦s4/s1      ・・・式(B5)
  1.0≦(s4+s5)/[s1-(s2+s3)]≦3.0・・・式(B6)
 
Description:
エポキシシリコーン及びその製 方法、並びに、それを用いた硬化性樹脂組 物とその用途

 本発明は、発光素子用封止材やレンズ等 用いられる硬化性樹脂組成物の主剤として 適に用いられるエポキシシリコーンに関す 。

 従来より、酸無水物系硬化剤を用いたエポ シ樹脂組成物は、透明な硬化物を与え、耐 性が高い発光ダイオードやフォトダイオー 等の発光素子の封止材料として好適に用い れてきた。しかしながら、近年、光半導体 高性能化が進み、封止用樹脂にも良好な透 性と高い耐熱性以外に、優れた耐光性、耐 化性、LEDのオン/オフサイクルに伴う温冷サ イクル時の耐クラック性を有する硬化物が要 求されるようになり、従来用いられてきたビ スフェノールA系エポキシ樹脂やビスフェノ ルF系エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂を主成 とする組成物では、十分な特性が得られな なっているのが実情である。
 シロキサン骨格を繰り返し単位とし、有機 にエポキシ基を有するエポキシシリコーン 、エポキシ樹脂が有する優れた透明性や耐 性を有するばかりでなく、シリコーンが有 る耐光性、耐酸化性、更には、柔軟性を併 もつことが期待されることから、高性能封 材として注目を集めている。
 例えば、特許文献1には、T構造を必須繰り し単位として含有し、1分子中の珪素原子に 合する全有機基に対してエポキシ基含有有 基を0.1~40モル%の範囲で含有するエポキシシ リコーンが提案されている。しかしながら、 T構造を主体とするエポキシシリコーンは脆 、発光素子封止材に求められる耐クラック を満足することは困難である。
 特許文献2には、ビニルシリコーン、水素化 シリル官能性シリコーン、及びオレフィンエ ポキシ化合物の反応生成物からなるエポキシ シロキサンが開示されている。また特許文献 3には、両末端水酸基オルガノポリシロキサ 、オルガノヒドロポリシロキサン、及びエ キシ基及びアルケニル基含有化合物の反応 成物からなるエポキシ基含有オルガノポリ ロキサンが開示されている。これらのポリ ロキサンは、紫外線硬化性剥離塗料組成物 して使用されており、光半導体等の光学用 への利用についてはかかる明細書中には何 記載はない。
 特許文献4及び5には、オルガノハイドロジ ンシクロシロキサンと、脂肪族不飽和基を するオルガノポリシロキサンの反応から得 れるオルガノハイドロジェンシリコン化合 のSiH結合の5~50%がアリルグリシジルエーテル 又はビニルシクロヘキシルエポキシドでヒド ロシリル化された、オルガノハイドロジェン シロキサン化合物及びその硬化コーティング への利用についての記載がある。このオルガ ノハイドロジェンシロキサン化合物の特徴は 、そのSiH単位が部分的にエポキシ化合物でヒ ドロシリル化を受け、一部のSiH単位が未反応 のまま残る点である。この未反応のSiH単位は 更なる架橋反応に利用され、剥離コーティン グ材等に使用されるが、光半導体等の光学用 途への利用についてはこれらの明細書中には 何ら記載はなされていない。
 特許文献6には、末端にビニル基を有するポ リオルガノシロキサンとSiH単位を有するオル ガノシロキサンオリゴマー、及び過剰のアル ケニル基含有エポキシ化合物の反応から得ら れる、末端にエポキシ基を複数有するテレケ リックシロキサンポリマーが開示されている 。このポリマーについても剥離コーティング 材としての用途が記載されているが、光半導 体等の光学用途への利用についてはこれらの 明細書中には何ら記載はない。
 特許文献7には、特定範囲の分子量を有しか つ1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有 るシリコーン化合物を含む組成物とその光 導体封止材への利用についての記載がある しかしながら、この樹脂組成物は耐光性が 充分であり、耐クラック性、密着性も満足 きるレベルにない。
 また、上記特許文献2~7には、シロキサン単 からなる環状構造とエポキシ単位を分子内 有するエポキシシリコーンの構造が開示さ ているが、ビシクロ構造については開示は く、その物性に関する記載や示唆も一切な れていない。

特許第3263177号公報

特開平7-216308号公報

特開平10-182826号公報

特表2005-523980号公報

特表2005-529989号公報

米国特許6313255号公報

特開2005-171021号公報

 本発明は、良好な透明性を有すると共に、 れた耐光性、耐熱性、耐熱変色性、更に、 熱サイクルにおける耐クラック性と密着性 有するエポキシシリコーン、素子やパッケ ジ材料との密着性に優れクラックの発生が く、長期にわたって輝度の低下を抑制可能 発光素子封止用硬化性樹脂組成物、並びに 該樹脂組成物を用いて形成された発光部品 提供することを目的とする。
 また、本発明は、射出成形に適し、硬化後 おいて硬質であり寸歩安定性にも優れた、 ンズ材料として好適な硬化性樹脂組成物を 供することを目的とする。

 上記点に鑑み、本発明者らが、シロキサ 骨格構造について鋭意検討した結果、シロ サン骨格からなる単環構造とビシクロ構造 を同時に有する、特定の骨格構造を有する ポキシシリコーンが上記課題を解決可能で ることを見出し、本発明を完成させるに至 た。

 即ち、本発明は以下のとおりである。
[1]
 下記一般式(1)で表される化合物及び下記一 式(2)で表される化合物を少なくとも含む、 均組成式(3)で表されるエポキシシリコーン あって、[g/(a+b+c+d+e+f+g+h+i+j)]の値が0.020以下 範囲であることを特徴とするエポキシシリ ーン。

[ここで、R 1 は各々独立に、A)無置換又は置換された、鎖 、分岐状及び環状よりなる構造群から選ば る1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単 位を有する、炭素数が1以上24以下及び酸素数 が0以上5以下の1価の脂肪族有機基、B)無置換 は置換された芳香族炭化水素単位であって 必要に応じて無置換又は置換された、鎖状 分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれ 1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位 を有する、炭素数が6以上24以下及び酸素数が 0以上5以下の1価の芳香族有機基、C)無置換又 置換された、鎖状、分岐状及び環状よりな 構造群から選ばれる1種以上の構造からなる 脂肪族及び/又は芳香族炭化水素単位を有す 、炭素数が5以上26以下、酸素数が0以上5以下 、並びに珪素数が1である1価の有機基、から る群から選ばれる少なくとも1種以上の有機 基を表す。
 R 2 は各々独立に、D)無置換又は置換された、鎖 、分岐状、環状よりなる構造群から選ばれ 1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位 を有する炭素数が4以上24以下及び酸素数が1 上5以下からなるエポキシ基を含有する有機 を表す。
 R 3 は各々独立に、A)無置換又は置換された、鎖 、分岐状及び環状よりなる構造群から選ば る1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単 位を有する、炭素数が1以上24以下及び酸素数 が0以上5以下の1価の脂肪族有機基、B)無置換 は置換された芳香族炭化水素単位であって 必要に応じて無置換又は置換された、鎖状 分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれ 1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位 を有する、炭素数が6以上24以下及び酸素数が 0以上5以下の1価の芳香族有機基、C)無置換又 置換された、鎖状、分岐状及び環状よりな 構造群から選ばれる1種以上の構造からなる 脂肪族及び/又は芳香族炭化水素単位を有す 、炭素数が5以上26以下、酸素数が0以上5以下 、並びに珪素数が1である1価の有機基、E)炭 -炭素2重結合を含む炭素数が2以上6以下の無 換又は置換された、鎖状及び分岐状なる群 ら選ばれる1種以上の構造からなる1価の脂 族有機基、からなる群から選ばれる少なく も1種以上の有機基を表す。
 Xは炭素数が2以上6以下の無置換又は置換さ た、鎖状及び分岐状よりなる群から選ばれ 1種以上の構造からなる2価の炭化水素基を す。
 また、Yは各々独立に、炭素数が2以上6以下 無置換又は置換された、鎖状及び分岐状よ なる群から選ばれる1種以上の構造からなる 2価の炭化水素基を表す。
 更に、Zは2価の炭化水素基Yとの結合を表す
 式中のtは各々独立に0以上の整数、uは各々 立に3以上の整数、vは0以上の整数を表す。 た、a、b、c、d、e、f、g、h、i、jは、エポキ シシリコーン1モル中に存在する各構成単位 モル数を表し、a、e、fは0を越える値であり b、c、d、g、h、i、jは各々0以上の値でe=a+d+i 満足する値である。
 一般式(1)及び(2)中の連鎖はランダムでもブ ックでもよい。]
[2]
 マトリックス支援イオン化飛行時間型質量 析法にて測定した際に得られるピーク強度 ら下記式(I)によって算出される、前記一般 (1)で表される化合物の含有量[WA]に対する前 記一般式(2)で表される化合物の含有量[WB]の [WB]/[WA]の値が0.30以上3.00以下であることを特 徴とする、上記[1]記載のエポキシシリコーン 。

[3]
 前記一般式(2)におけるvの値が0以上9以下で ることを特徴とする、上記[1]又は[2]記載の ポキシシリコーン。
[4]
 前記平均組成式(3)で表されるエポキシシリ ーンの[(h+i+j)/(a+b+c+d+e+f+g+h+i+j)]の値が0.040以 の範囲であり、かつ前記式(I)によって定義 れる前記一般式(1)及び前記一般式(2)で表さ る化合物の含有量の比[WB]/[WA]の値が0.30以上 3.00以下であることを特徴とする、上記[1]か [3]のいずれか記載のエポキシシリコーン。
[5]
 前記平均組成式(3)で表されるエポキシシリ ーン中の分子量800以下の成分の含有率が10% 上90%以下の範囲であることを特徴とする、 記[1]から[4]のいずれか記載のエポキシシリ ーン。
[6]
 エポキシ価が0.15以上0.50以下の範囲である とを特徴とする、上記[1]から[5]のいずれか 載のエポキシシリコーン。
[7]
 上記[1]から[6]のいずれか記載のエポキシシ コーン100質量部、エポキシ樹脂用硬化剤1質 量部以上200質量部以下、を含むことを特徴と する硬化性樹脂組成物。
[8]
 硬化促進剤0.001質量部以上10質量部以下を更 に含むことを特徴とする、上記[7]記載の硬化 性樹脂組成物。
[9]
 上記[1]から[6]のいずれか記載のエポキシシ コーン100質量部、カチオン重合触媒0.001質 部以上10質量部以下、を含むことを特徴とす る硬化性樹脂組成物。
[10]
 上記[7]から[9]のいずれか記載の硬化性樹脂 成物からなる発光素子用封止材。
[11]
 上記[10]記載の発光素子用封止材で封止され た発光部品。
[12]
 上記[7]から[9]のいずれか記載の硬化性樹脂 成物からなるレンズ。
[13]
 ヒドロシリル化触媒の存在下、下記一般式( 4)で表されるオルガノハイドロジェンシリコ ンのSiH単位に対し、下記一般式(5)で表され 炭素-炭素2重結合を有するシリコーンを少 くとも含む下記平均組成式(6)で表される炭 -炭素2重結合を有するシリコーンと、炭素- 素2重結合及びエポキシ基を有する化合物< A>を含むビニル化合物<B>と、の混合物 同時に付加させる1段の工程からなることを 特徴とする、上記[1]から[6]のいずれか記載の エポキシシリコーンの製造方法。

 

[ここで、R 1 、R 2 、R 3 は上記と同様であり、R 4 は、各々独立に、炭素-炭素2重結合を含む炭 数が2以上6以下の無置換又は置換された、 状及び分岐状よりなる群から選ばれる1種以 の構造からなる1価の脂肪族有機基を表す。
 式中のt、u、vは上記と同様であり、k、l、m n、o、p、qは炭素-炭素2重結合を有するシリ ーン1モル中に存在する各構成単位のモル数 を表し、kは0を越える値であり、l、m、n、o、 p、qは各々0以上の値である。
 一般式(4)中の連鎖はランダムでもブロック もよい。]
[14]
 ヒドロシリル化触媒の存在下、前記一般式( 4)で表されるオルガノハイドロジェンシリコ ンのSiH単位のモル数(r1)に対し、前記一般式 (5)で表される炭素-炭素2重結合を有するシリ ーンの炭素-炭素2重結合のモル数(r2)と、前 一般式(5)で表される炭素-炭素2重結合を有 るシリコーン以外の平均組成式(6)で表され 炭素-炭素2重結合を有するシリコーンの炭素 -炭素2重結合のモル数(r3)と、前記炭素-炭素2 結合及びエポキシ基を有する化合物<A> 炭素-炭素2重結合のモル数(r4)と、前記炭素- 炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物&l t;A>以外のビニル化合物<B>の炭素-炭素2 重結合のモル数(r5)と、が下記式(A1)~(A5)を同 に満足する範囲となるように各化合物を反 系に共存させて付加させることを特徴とす 、上記[13]記載のエポキシシリコーンの製造 法。
  0.10≦r2/r1≦0.75 ・・・式(A1)
  0.25≦r4/r1      ・・・式(A2)
  0≦r3            ・・・式(A3)
  0≦r5            ・・・式(A4)
  1≦(r2+r3+r4+r5)/r1≦5 ・・・式(A5)
[15]
 ヒドロシリル化触媒の存在下、下記一般式( 4)で表されるオルガノハイドロジェンシリコ ンのSiH単位に対し、炭素-炭素2重結合及び ポキシ基を有する化合物<A>を含むビニ 化合物<B>を付加させる第1工程と、続い 下記一般式(5)で表される炭素-炭素2重結合 有するシリコーンを少なくとも含む下記平 組成式(6)で表される炭素-炭素2重結合を有す るシリコーンを付加させる第2工程と、の2段 工程からなることを特徴とする、上記[1]か [6]のいずれか記載のエポキシシリコーンの 造方法。

 

[ここで、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 は上記と同様である。また、式中のt、u、v、 k、l、m、n、o、p、qも上記と同様である。
 一般式(4)中の連鎖はランダムでもブロック もよい。]
[16]
 ヒドロシリル化触媒の存在下、前記第1工程 において、前記一般式(4)で表されるオルガノ ハイドロジェンシリコーンのSiH単位のモル数 (s1)に対して、前記炭素-炭素2重結合及びエポ キシ基を有する化合物<A>の炭素-炭素2重 合のモル数(s2)と、前記炭素-炭素2重結合及 エポキシ基を有する化合物<A>以外のビ ル化合物<B>の炭素-炭素2重結合のモル (s3)と、が下記式(B1)~式(B3)を同時に満足する 囲で各化合物を反応系に共存させて付加さ 、続いて前記第2工程において、前記(s1)~(s3) 及び前記一般式(5)で表される炭素-炭素2重結 を有するシリコーンの炭素-炭素2重結合の ル数(s4)と、前記一般式(5)で表される炭素-炭 素2重結合を有するシリコーン以外の平均組 式(6)で表される炭素-炭素2重結合を有するシ リコーンの炭素-炭素2重結合のモル数(s5)と、 が下記式(B4)~式(B6)を同時に満足する範囲で各 化合物を反応系に共存させて付加させること を特徴とする、上記[15]記載のエポキシシリ ーンの製造方法。
  0≦s3            ・・・式(B1)
  0.25≦s2/s1≦0.90 ・・・式(B2)
  0.25≦(s2+s3)/s1≦0.90 ・・・式(B3)
  0≦s5            ・・・式(B4)
  0.10≦s4/s1      ・・・式(B5)
  1.0≦(s4+s5)/[s1-(s2+s3)]≦3.0・・・式(B6)

 本発明によれば、透明性、耐光性、耐熱性 耐熱変色性、耐クラック性、密着性を有し 発光素子封止材用途に好適なエポキシシリ ーン、該エポキシシリコーンを含有する発 素子封止用硬化性樹脂組成物、並びに、該 脂組成物を用いて形成された、素子やパッ ージ材料との密着性に優れクラックの発生 なく、長期にわたって輝度の低下が少ない 優れた発光ダイオード等の発光部品を提供 ることが可能となる。
 また、本発明によれば、射出成形に適し、 化後において硬質で寸歩安定性に優れた、 ンズ材料として好適な硬化性樹脂組成物を 供することが可能である。

 本発明におけるエポキシシリコーンは、 記一般式(1)で表される化合物及び下記一般 (2)で表される化合物を少なくとも含む平均 成式(3)で表されるものである。

[ここで、R 1 は各々独立に、A)無置換又は置換された、鎖 、分岐状及び環状よりなる構造群から選ば る1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単 位を有する、炭素数が1以上24以下及び酸素数 が0以上5以下の1価の脂肪族有機基、B)無置換 は置換された芳香族炭化水素単位であって 必要に応じて無置換又は置換された、鎖状 分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれ 1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位 を有する、炭素数が6以上24以下及び酸素数が 0以上5以下の1価の芳香族有機基、C)無置換又 置換された、鎖状、分岐状及び環状よりな 構造群から選ばれる1種以上の構造からなる 脂肪族及び/又は芳香族炭化水素単位を有す 、炭素数が5以上26以下、酸素数が0以上5以下 、並びに珪素数が1である1価の有機基、から る群から選ばれる少なくとも1種以上の有機 基を表す。
 R 2 は各々独立に、D)無置換又は置換された、鎖 、分岐状、環状よりなる構造群から選ばれ 1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位 を有する炭素数が4以上24以下及び酸素数が1 上5以下からなるエポキシ基を含有する有機 を表す。
 R 3 は各々独立に、A)無置換又は置換された、鎖 、分岐状及び環状よりなる構造群から選ば る1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単 位を有する、炭素数が1以上24以下及び酸素数 が0以上5以下の1価の脂肪族有機基、B)無置換 は置換された芳香族炭化水素単位であって 必要に応じて無置換又は置換された、鎖状 分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれ 1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位 を有する、炭素数が6以上24以下及び酸素数が 0以上5以下の1価の芳香族有機基、C)無置換又 置換された、鎖状、分岐状及び環状よりな 構造群から選ばれる1種以上の構造からなる 脂肪族及び/又は芳香族炭化水素単位を有す 、炭素数が5以上26以下、酸素数が0以上5以下 、並びに珪素数が1である1価の有機基、E)炭 -炭素2重結合を含む炭素数が2以上6以下の無 換又は置換された、鎖状及び分岐状なる群 ら選ばれる1種以上の構造からなる1価の脂 族有機基、からなる群から選ばれる少なく も1種以上の有機基を表す。
 Xは炭素数が2以上6以下の無置換又は置換さ た、鎖状及び分岐状よりなる群から選ばれ 1種以上の構造からなる2価の炭化水素基を す。
 また、Yは各々独立に、炭素数が2以上6以下 無置換又は置換された、鎖状及び分岐状よ なる群から選ばれる1種以上の構造からなる 2価の炭化水素基を表す。
 更に、Zは2価の炭化水素基Yとの結合を表す
 式中のtは各々独立に0以上の整数、uは各々 立に3以上の整数、vは0以上の整数を表す。
 また、a、b、c、d、e、f、g、h、i、jは、エポ キシシリコーン1モル中に存在する各構成単 のモル数を表し、a、e、fは0を越える値であ 、b、c、d、g、h、i、jは各々0以上の値でe=a+d +iを満足する値である。
 一般式(1)及び(2)中の連鎖はランダムでもブ ックでもよい。]

 ここで、平均組成式(3)において、h、i、jが 記式(1)、式(2)を同時に満足する場合には、 記のa、b、h、i、jは、式(3)を満足する範囲 ら選択される数値である。
  h+i≠0   ・・・式(1)
  j≠0     ・・・式(2)
  0≦b≦a+(h+i)+2j+2・・・式(3)

 また、上記のh、i、jが下記式(4)、式(5)を同 に満足する場合には、上記のa、bは下記式(6 )を満足する範囲から選択される数値である
  h+i=0   ・・・式(4)
  j=0     ・・・式(5)
  0≦b≦a+2 ・・・式(6)

 また、上記のh、i、jが各々下記式(1)、式(5) 同時に満足する場合には、上記のa、b、h、i は下記式(7)を満足する範囲から選択される数 値である。
  h+i≠0    ・・・式(1)
  j=0      ・・・式(5)
  0≦b≦a+(h+i)+2 ・・・式(7)

 更に、h、i、jが下記式(4)、式(2)を同時に満 する場合には、上記のa、b、jは下記式(8)を 足する範囲から選択される数値である。
  h+i=0      ・・・式(4)
  j≠0        ・・・式(2)
  0≦b≦a+2j+2 ・・・式(8)

 一般式(2)で表されるビシクロ構造は、本 明のエポキシシリコーンを硬化して得られ 硬化物が優れた耐光性、耐クラック性及び 着性を発揮する上で重要な役割を果たす成 である。一般式(1)で表される単環構造のみ は硬化後において十分な耐光性、耐クラッ 性及び密着性を得ることは難しい。硬化物 耐光性、耐クラック性及び密着性を更に優 たものとするためには、一般式(1)で表され 単環構造の化合物の含有量を[WA]、一般式(2) で表されるビシクロ構造を有する化合物の含 有量を[WB]としたときの、その比[WB]/[WA]の値 特定の範囲とすることが好ましい。

 本発明においては、一般式(1)で表される 合物と一般式(2)で表される化合物の含有量 比を算出する方法としてマトリックス支援 オン化飛行時間型質量分析法(以下、MALDI-TOF /MS)を用いるものとし、本発明のエポキシシ コーンをMALDI-TOF/MSにて測定して得られる一 式(1)及び一般式(2)の化合物のピーク強度を いて、[WB]/[WA]の値を下記式(I)によって算出 る。

 本発明においては、[WB]/[WA]の値は0.30以上 3.00以下とすることが好ましい。[WB]/[WA]の値 0.30未満である場合、或いは、3.00を越える場 合には、耐光性、耐クラック性、或いは、密 着性が不十分となる傾向にある。得られるエ ポキシシリコーンを硬化して得られる硬化物 の耐光性、耐クラック性と密着性が高まると 共に、更に耐熱性が高まる傾向にあるため、 [WB]/[WA]の値は、0.30以上1.50以下であることが り好ましく、0.40以上1.50以下であることが に好ましい。

 上記式(I)において、一般式(1)及び一般式( 2)の各々の構造に該当する質量とは、かかる 造を構成する元素が同位体を有する場合に 、各々の元素の同位体の質量の内、最も存 率の大きな同位体の質量を用いて算出され 値のことをいう。

 また、本発明において、一般式(1)及び(2) 相当するピークが複数個存在する場合には [WB]/[WA]の値は、各々の構造に相当する複数 ピーク強度の合計値を用いて算出する。た し、本発明において、一般式(1)及び一般式( 2)の各々の構造に該当する質量とナトリウム 質量23とを合計した質量に該当するピーク 最大強度に対して、3%以下の強度を有するピ ークは、ピーク強度の合計値の算出からは除 外する。

 以下に、MALDI-TOF/MSによる測定方法の具体的 法を記載する。
 室温にて0.1gのエポキシシリコーンを100mLの トラヒドロフランに溶解した溶液と、10mgの ジスラノールを1mLのテトラヒドロフランに溶 解した溶液とを、室温にて体積比で1対1の割 で均一に混合して溶液aを作製する。次いで 、10mgのヨウ化ナトリウムを10mLのアセトンに 解した溶液1μLを乗せたサンプルプレートに 溶液aを1μL滴下し、室温にて溶媒を蒸発後、 記測定条件でMALDI-TOF/MSにて測定を行う。

<測定条件>
  装置   :島津 AXIMA CFRplus
  レーザー :窒素レーザー(337nm)
  検出器形式:リニアモード
  イオン検出:正イオン(ポジティブモード)
  積算回数 :500回

 本発明のエポキシシリコーンの平均組成式( 3)について以下に詳細を説明する。
 本発明において、R 1 は各々独立に、A)無置換又は置換された、鎖 、分岐状及び環状よりなる構造群から選ば る1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単 位を有する、炭素数が1以上24以下及び酸素数 が0以上5以下の1価の脂肪族有機基、B)無置換 は置換された芳香族炭化水素単位であって 必要に応じて無置換又は置換された、鎖状 分岐状及び環状よりなる構造群から選ばれ 1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位 を有する、炭素数が6以上24以下及び酸素数が 0以上5以下の1価の芳香族有機基、C)無置換又 置換された、鎖状、分岐状及び環状よりな 構造群から選ばれる1種以上の構造からなる 脂肪族及び/又は芳香族炭化水素単位を有す 、炭素数が5以上26以下、酸素数が0以上5以下 、並びに珪素数が1である1価の有機基、から る群から選ばれる少なくとも1種以上の有機 基を表す。
 これらは、1種又は2種以上が混在した有機 であってよい。

 上記A)の無置換又は置換された、鎖状、分 状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種 上の構造からなる脂肪族炭化水素単位を有 る、炭素数が1以上24以下及び酸素数が0以上 5以下の1価の脂肪族有機基としては、例えば
 (A-1)メチル基、エチル基、プロピル基、イ プロピル基、ブチル基、イソブチル基、t-ブ チル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキ シル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基 、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ト リデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル 基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オク タデシル基等の脂肪族炭化水素からなる鎖状 の有機基、
 (A-2)シクロペンチル基、メチルシクロペン ル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘ シル基、ノルボルニル基等の環状単位を含 炭化水素からなる有機基、
 (A-3)メトキシエチル、エトキシエチル、プ ポキシエチル基、メトキシプロピル基、エ キシプロピル基、プロポキシプロピル基等 エーテル結合を含む有機基、等が挙げられ 。

 上記B)の無置換又は置換された芳香族炭 水素単位であって、必要に応じて無置換又 置換された、鎖状、分岐状及び環状よりな 構造群から選ばれる1種以上の構造からなる 肪族炭化水素単位を有する、炭素数が6以上 24以下及び酸素数が0以上5以下の1価の芳香族 機基としては、例えば、フェニル基、トリ 基、キシリル基、ベンジル基、α-メチルス リル基、3-メチルスチリル基、4-メチルスチ リル基等が挙げられる。

 上記C)の無置換又は置換された、鎖状、分 状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種 上の構造からなる脂肪族及び/又は芳香族炭 化水素単位を有する、炭素数が5以上26以下、 酸素数が0以上5以下、並びに珪素数が1である 1価の有機基としては、例えば、下記一般式(7 )、一般式(8)で表される有機基が挙げられる
     -CH 2 -CH-SiR 5 3   ・・・(7)
     -CH(CH 3 )-SiR 5 3  ・・・(8)
[ここで、R 5 は各々独立に、F)無置換又は置換された、鎖 、分岐状、環状よりなる構造群から選ばれ 1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位 を有する炭素数が1以上8以下及び酸素数が0以 上5以下の1価の脂肪族有機基、或いは、G)無 換又は置換された芳香族炭化水素単位と、 要に応じて無置換又は置換された、鎖状、 岐状、環状よりなる構造群から選ばれる1種 上の構造からなる脂肪族炭化水素単位を有 る炭素数が6以上8以下及び酸素数が0以上5以 下の1価の芳香族有機基、からなる群から選 れる少なくとも1種以上の有機基を表す。]

 以下に、R 5 の具体例について述べる。
 上記F)の無置換又は置換された、鎖状、分 状、環状よりなる構造群から選ばれる1種以 の構造からなる脂肪族炭化水素単位を有す 炭素数が1以上8以下及び酸素数が0以上5以下 の1価の脂肪族有機基としては、例えば、
 (F-1)メチル基、エチル基、プロピル基、イ プロピル基、ブチル基、イソブチル基、t-ブ チル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキ シル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基 、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ト リデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル 基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オク タデシル基等の脂肪族炭化水素からなる鎖状 の有機基、
 (F-2)シクロペンチル基、メチルシクロペン ル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘ シル基、ノルボルニル基等の環状単位を含 炭化水素からなる有機基、
 (F-3)メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ 、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブ キシ基、t-ブトキシ基等のアルコキシ基、メ トキシエチル、エトキシエチル、プロポキシ エチル基、メトキシプロピル基、エトキシプ ロピル基、プロポキシプロピル基等のエーテ ル結合を含む有機基、
等が挙げられる。

 更に、上記G)の無置換又は置換された芳 族炭化水素単位と、必要に応じて無置換又 置換された、鎖状、分岐状、環状よりなる 造群から選ばれる1種以上の構造からなる脂 族炭化水素単位を有する炭素数が6以上8以 及び酸素数が0以上5以下の1価の芳香族有機 としては、例えば、フェニル基、トリル基 キシリル基、ベンジル基、α-メチルスチリ 基、3-メチルスチリル基、4-メチルスチリル 等の芳香族炭化水素からなる有機基等が挙 られる。

 上記のR 1 には、前記の炭素数及び酸素数、必要に応じ て、珪素数の範囲内であれば、有機基として ヒドロキシル単位、アルコキシ単位、アシル 単位、カルボキシル単位、アルケニルオキシ 単位、アシルオキシ単位、フッ素や塩素等の ハロゲン原子、或いは、エステル結合、更に は、酸素原子や珪素原子を除く窒素、リン、 硫黄等のヘテロ原子を含んでいてもよい。ま た、これらは、1種又は2種以上が混在した有 基であってよい。

 次に、本発明における有機基R 2 について説明する。
 R 2 は無置換又は置換された、鎖状、分岐状、環 状よりなる構造群から選ばれる1種以上の構 からなる脂肪族炭化水素単位を有する炭素 が4以上24以下及び酸素数が1以上5以下からな るエポキシ基を含有する有機基であり、例え ば、下記一般式(9)~(14)等の構造が例示できる これらは、1種又は2種以上が混在した有機 であってよい。

 上記の一般式中のR 6 としては、例えば、-(CH 2 ) 2 -O-、-(CH 2 ) 3 -O-、-(CH 2 ) 4 -O-、-CH 2 -CH(CH 3 )-O-、-CH 2 -CH(CH 3 )-CH 2 -O-、-CH 2 -CH 2 -CH(CH 3 )-O-、-CH 2 -CH(CH 3 )-COO-、-CH 2 -CH 2 -COO-等のエーテル結合又はエステル結合を含 構造単位、-(CH 2 ) 2 -、-CH(CH 3 )-、-(CH 2 ) 3 -、-CH(CH 3 )-CH 2 -、-CH 2 -CH(CH 3 )-、-(CH 2 ) 4 -、-(CH 2 ) 5 -、-(CH 2 ) 6 -、-(CH 2 ) 7 -、-(CH 2 ) 8 -、-(CH 2 ) 9 -、-(CH 2 ) 10 -、-(CH 2 ) 11 -、-(CH 2 ) 12 -、-(CH 2 ) 13 -、-(CH 2 ) 14 -、-(CH 2 ) 15 -、-(CH 2 ) 16 -等の鎖状及び/又は分岐状からなる脂肪族炭 水素単位が例示できる。

 これらは1種又は2種以上が混在した有機 であってよい。更に、光学異性体が存在す 場合には、単独、或いは、2種以上の光学異 体が混在した有機基であってもよい。

 次に、本発明における有機基R 3 について説明する。
 R 3 は、各々独立に、A)無置換又は置換された、 状、分岐状及び環状よりなる構造群から選 れる1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素 単位を有する、炭素数が1以上24以下及び酸素 数が0以上5以下の1価の脂肪族有機基、B)無置 又は置換された芳香族炭化水素単位であっ 、必要に応じて無置換又は置換された、鎖 、分岐状及び環状よりなる構造群から選ば る1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単 位を有する、炭素数が6以上24以下及び酸素数 が0以上5以下の1価の芳香族有機基、C)無置換 は置換された、鎖状、分岐状及び環状より る構造群から選ばれる1種以上の構造からな る脂肪族及び/又は芳香族炭化水素単位を有 る、炭素数が5以上26以下、酸素数が0以上5以 下、並びに珪素数が1である1価の有機基、E) 素-炭素2重結合を含む炭素数が2以上6以下の 置換又は置換された、鎖状及び分岐状より る群から選ばれる1種以上の構造からなる1 の脂肪族有機基、からなる群から選ばれる なくとも1種以上の有機基を表す。

 ここで、本発明における「炭素-炭素2重 合」について説明する。本発明における「 素-炭素2重結合」とは脂肪族の炭素-炭素2重 合のことを指し、ベンゼン環やナフタレン 等の2重結合は含まない。

 上記のR 3 における、A)無置換又は置換された、鎖状、 岐状及び環状よりなる構造群から選ばれる1 種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位を 有する、炭素数が1以上24以下及び酸素数が0 上5以下の1価の脂肪族有機基、B)無置換又は 換された芳香族炭化水素単位であって、必 に応じて無置換又は置換された、鎖状、分 状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種 以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位を有 する、炭素数が6以上24以下及び酸素数が0以 5以下の1価の芳香族有機基、C)無置換又は置 された、鎖状、分岐状及び環状よりなる構 群から選ばれる1種以上の構造からなる脂肪 族及び/又は芳香族炭化水素単位を有する、 素数が5以上26以下、酸素数が0以上5以下、並 びに珪素数が1である1価の有機基は、前記と 様である。

 一方、上記E)の炭素-炭素2重結合を含む炭 素数が2以上6以下の無置換又は置換された、 状及び分岐状よりなる群から選ばれる1種以 上の構造からなる1価の脂肪族有機基として 、例えば、ビニル基、アリル基、イソプロ ニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ペ テニル基、ヘキセニル基等が挙げられる。 れらは、1種又は2種以上が混在した有機基で あってよい。

 上記のR 3 には、前記の炭素数及び酸素数、必要に応じ て、珪素数の範囲内であれば、有機基として ヒドロキシル単位、アルコキシ単位、アシル 単位、カルボキシル単位、アルケニルオキシ 単位、アシルオキシ単位、フッ素や塩素等の ハロゲン原子、或いは、エステル結合、更に は、酸素原子や珪素原子を除く窒素、リン、 硫黄等のヘテロ原子を含んでいてもよい。ま た、これらは、1種又は2種以上が混在した有 基であってよい。

 次に、本発明における有機基X、Y、Zについ 説明する。
 有機基X及びYは、後述する本発明のエポキ シリコーンの製造の際にヒドロシリル化に って生成する連結基であり、炭素数が2以上6 以下の無置換又は置換された、鎖状及び分岐 状よりなる群から選ばれる1種以上の構造か なる2価の炭化水素基である。具体的には、 えば、-(CH 2 ) 2 -、-(CH 2 ) 3 -、-(CH 2 ) 4 -、-(CH 2 ) 5 -、-(CH 2 ) 6 -、-CH(CH 3 )-、-CH 2 -CH(CH 3 )-、-CH(CH 3 )-CH 2 -等が例示できる。これらは、1種又は2種以上 が混在した有機基であってよい。

 Zは2価の炭化水素基Yとの結合を表し、具 的には-Y-Z-の構造で、上記に記載の-X-の炭 水素基を表す。

 本発明の一般式(1)及び一般式(2)を含む平均 成式(3)の有機基R 1 及びR 3 としては、本発明のエポキシシリコーンの耐 光性が良好となる、或いは、保存時の安定性 が高まる傾向にあるため、平均組成式(3)で表 されるエポキシシリコーンの全Si単位の合計 ル数に対する、ヒドロキシル単位、アルコ シ単位、アシル単位、カルボキシル単位、 ルケニルオキシ単位、アシルオキシ単位、 ッ素や塩素等のハロゲン原子、或いは、エ テル結合、更には、酸素原子や珪素原子を く窒素、リン、硫黄等のヘテロ原子を含む 機基が結合した珪素原子の合計モル数が、1 0%以下であることが好ましく、1%以下である とがより好ましく、全く含まないことが更 好ましい。

 一方、本発明のエポキシシリコーンを用 て硬化物を製造する際に、安定的に再現性 く硬化させることが可能となる傾向にある め、平均組成式(3)で表されるエポキシシリ ーンの全Si単位の合計モル数に対する、炭 -炭素2重結合を含む炭素数が2以上6以下の無 換又は置換された、鎖状及び分岐状なる群 ら選ばれる1種以上の構造からなる1価の脂 族有機基が結合した珪素原子の合計モル数 、10%以下であることが好ましく、5%以下であ ることがより好ましく、1%以下であることが に好ましく、全く含まないことが特に好ま い。

 また、本発明のエポキシシリコーンの耐光 が良好となると共に、耐熱変色性が向上す 傾向にあるため、本発明における一般式(1) び一般式(2)を含む平均組成式(3)の有機基R 1 及びR 3 としては、上記(A-1)、(A-2)、R 5 が(F-1)及び(F-2)であるC)からなる群から選択さ れることが好ましく、(A-1)及び(A-2)中の炭素 が1以上8以下、酸素数0からなる群から選択 れる有機基であることがより好ましく、(A-1) 及び(A-2)中の炭素数が1以上8以下、酸素数0か なる群から選択される無置換の鎖状の有機 であることが更に好ましく、メチル基であ ことが特に好ましい。

 本発明の一般式(1)で表される化合物及び一 式(2)で表される化合物を含む平均組成式(3) 表されるエポキシシリコーンにおける有機 R 2 としては、得られるエポキシシリコーンを硬 化させる際の硬化速度が高まる、或いは、エ ポキシシリコーンを用いて得られた硬化物の 耐光性が高まる傾向にあるため、R 6 が鎖状及び/又は分岐状からなる脂肪族炭化 素単位である一般式(10)~(14)で表されるもの 好ましく、R 6 が-(CH 2 ) 2 -である一般式(10)~(14)で表されるものがより ましく、R 6 が-(CH 2 ) 2 -である一般式(11)~(14)で表されるものが更に ましく、R 6 が-(CH 2 ) 2 -である一般式(12)で表されるものが特に好ま い。

 本発明における2価の炭化水素基Xとしては 本発明のエポキシシリコーンを用いて得ら る硬化物の耐光性及び耐熱変色性が高まる 向にあるため、-(CH 2 ) 2 -、-CH(CH 3 )-、からなる群から選ばれる1種以上の構造で あることが好ましく、-(CH 2 ) 2 -であることがより好ましい。

 一般式(1)及び(2)におけるt、uの値は、連 の数を表し、その連鎖はランダムであって ブロックであってもよい。本発明において tは各々独立に0以上の整数、また、uは各々 立に3以上の整数である。

 本発明においては、エポキシシリコーン 粘度が低減されて取り扱い性が高まる、或 は、エポキシシリコーン用いて得られた硬 物の耐熱変色性が向上する傾向にあるため 一般式(1)及び一般式(2)における(t+u)の値は10 以下であることが好ましく、tが1以下、且つ uが3以上7以下であることがより好ましく、t が0、且つ、uが3以上7以下であることが更に ましく、tが0、且つ、uが3以上5以下であるこ とが特に好ましい。

 上述の一般式(1)及び(2)におけるt、uの値 、前記のMALDI-TOF/MS測定により算出すること できる。

 本発明において、vは0以上の整数である 本発明のエポキシシリコーンを用いて得ら る硬化物の耐熱性が向上する、硬化剤との 溶性がよく透明で均一な硬化物が得られる 密着性が良好になる傾向にあるため、vの値 0以上9以下であることが好ましく、0以上6以 下であることがより好ましく、0以上3以下で ることが更に好ましく、0であることが特に 好ましい。

 本発明の平均組成式(3)において、a、b、c d、e、f、g、h、i、jは、エポキシシリコーン 1モル中に存在する各構成単位のモル数を表 、a、e、fは0を越える値であり、b、c、d、g、 h、i、jは各々0以上の値でe=a+d+iを満足する値 ある。

 本発明のエポキシシリコーンが保存時に いて変性反応や粘度変化を示さず、優れた 存安定性を示すと同時に、硬化後において れた耐クラック性を示すためには、エポキ シリコーン中に残存する未反応のSiH基の残 量を表す[g/(a+b+c+d+e+f+g+h+i+j)]の値が0.020以下 あることが必要であり、0.015以下であるこ が好ましく、0.010以下であることがより好ま しく、0.005以下であることが更に好ましい。

 分岐鎖の含有量を表す[(h+i+j)/(a+b+c+d+e+f+g+h +i+j)]の値は、エポキシシリコーンの取り扱い 性が向上し、更には硬化剤、硬化促進剤との 相溶性、均一混合性が良好となり、硬化後に おいて耐クラック性が良好となる傾向にある ため、0.040以下であることが好ましく、0.010 下であることがより好ましく、0であること 更に好ましい。

 また、本発明において、エポキシシリコ ンを用いて得られた硬化物の表面のベタツ が抑制される傾向にあるため、fは1以上で ることが好ましく、1.5以上であることがよ 好ましい。

 ここで、本発明の平均組成式(3)で表される ポキシシリコーンにおける[g/(a+b+c+d+e+f+g+h+i+ j)]、[(h+i+j)/(a+b+c+d+e+f+g+h+i+j)]、並びに、fの算 法について説明する。
 本発明の平均組成式(3)で表されるエポキシ リコーンにおける[g/(a+b+c+d+e+f+g+h+i+j)]、[(h+i+ j)/(a+b+c+d+e+f+g+h+i+j)]は、下記記載の方法によ 29 Si-NMR測定を行って得られるスペクトルパター ンから算出された積分値を元に、全Siに対す g及び(h+i+j)に該当する各構成単位の存在比 を算出することによって得られる値である
 一方、fは、上記のGPC測定により得られた数 平均分子量を、後述するエポキシ価の測定に より得られたエポキシ価を用いて、下記式(9) で算出される値である。
     f=(数平均分子量)/(100/エポキシ価) ・ ・式(9)

< 29 Si-NMRの測定方法>
 エポキシシリコーン0.15gを重水素化クロロ ルム1gに溶解して得られた溶液に、Cr(acac) 3 を0.015g、テトラメチルシランを10μL添加してN MR測定溶液とする。該NMR測定溶液を用いて、 ロトン完全デカップル条件における 29 Si-NMRの測定を積算回数4,000回にて実施する。

 本発明の平均組成式(3)で表されるエポキ シリコーンは、流動性等に起因する取り扱 性や加工性を向上させる観点から、該エポ シシリコーンの数平均分子量が、400以上1,00 0,000以下の範囲が好ましく、500以上500,000以下 の範囲がより好ましく、500以上100,000以下の 囲が更に好ましく、500以上50,000以下の範囲 更により好ましく、500以上10,000以下の範囲 特に好ましい。

 本発明において、エポキシシリコーンを いて得られた硬化物の耐クラック性、密着 、或いは、耐光性が高まる傾向にあるため 平均組成式(3)で表されるエポキシシリコー 中の分子量800以下の成分の含有率は10%以上9 0%以下であることが好ましく、15%以上80%以下 あることがより好ましく、20%以上75%以下で ることが更に好ましい。

 ここで、本発明における平均組成式(3)で表 れるエポキシシリコーンの数平均分子量と ポキシシリコーン中の分子量800以下の成分 含有率について説明する。
 平均組成式(3)で表されるエポキシシリコー 中の分子量は、溶離液としてクロロホルム 用い、標準物質として単分散ポリスチレン びスチレンモノマーを用いるゲルパーミエ ションクロマトグラフィー(GPC)測定によっ 得られる値である。具体的には、RI検出によ る溶出時間から求めた検量線を予め作成し、 測定試料溶液の溶出時間と検出強度から、上 記の検量線を用いて算出された数平均分子量 のことをいう。

 一方、平均組成式(3)で表されるエポキシ リコーン中の分子量800以下の成分の含有率 は、上記のGPC測定によって得られる溶出曲 において、エポキシシリコーンの溶出開始 と溶出終了点を結んで得られる該溶出ピー 面積(ピーク面積1)に対する、分子量800以下 相当するピークの面積(ピーク面積2)の比率 百分率で表記した数値[すなわち、(ピーク 積2)/(ピーク面積1)×100(%)で表される数値]の とをいう。

 本発明のエポキシシリコーンを用いて得 れる硬化物の耐熱性が高まる傾向にあるた 、エポキシシリコーンのエポキシ価は0.15以 上であることが好ましく、0.20以上であるこ がより好ましく、0.25以上であることが更に ましい。一方、エポキシシリコーンを用い 得られる硬化物の耐光性、耐熱変色性が高 る傾向にあるため、エポキシシリコーンの ポキシ価は0.50以下であることが好ましく、 0.48以下であることがより好ましく、0.46以下 あることが更に好ましい。

 本発明におけるエポキシ価とは、エポキシ リコーン100g中に存在するエポキシ単位の数 のことを指し、具体的には、以下の方法によ って測定される値のことをいう。
<エポキシ価の測定方法>
 樹脂試料をベンジルアルコールと1-プロパ ールに溶解する。この溶液にヨウ化カリウ 水溶液、ブロモフェノールブルー指示薬を 加した後、1規定塩酸にて滴定し、反応系内 青色から黄色になった点を当量点とする。 量点より、エポキシシリコーンのエポキシ を以下の式(10)に従って算出する。
  エポキシ価(当量/100g)=(V×N×F)/(10×W)・・・ (10)
 [ここで、W、V、N、Fは各々以下の値を表す
    W:試料の重量(g)、
    V:滴定量(mL)、
    N:滴定に使用した塩酸の規定度(N)、
    F:滴定に使用した塩酸のファクター   ]

 次に、本発明のエポキシシリコーンの製造 法について説明する。
 本発明のエポキシシリコーンは、以下の一 式(4)で表されるオルガノハイドロジェンシ コーンと、一般式(5)で表される炭素-炭素2 結合を有するシリコーンを少なくとも含む 均組成式(6)で表される炭素-炭素2重結合を有 するシリコーンと、炭素-炭素2重結合及びエ キシ基を有する化合物<A>を含むビニル 合物<B>とを付加させることによって製 されるものである。

 

[ここで、R 1 、R 2 、R 3 は上記と同様であり、R 4 は、各々独立に、炭素-炭素2重結合を含む炭 数が2以上6以下の無置換又は置換された、 状及び分岐状よりなる群から選ばれる1種以 の構造からなる1価の脂肪族有機基を表す。
 式中のt、u、vは上記と同様であり、k、l、m n、o、p、qは炭素-炭素2重結合を有するシリ ーン1モル中に存在する各構成単位のモル数 を表し、kは0を越える値であり、l、m、n、o、 p、qは各々0以上の値である。
 一般式(4)中の連鎖はランダムであってもブ ックであってもよい。]

 なお、平均組成式(6)において、o、p、qが各 下記式(11)、式(12)、を同時に満足する場合 は、上記のk、l、o、p、qは、式(13)を満足す 範囲から選択される数値である。
 o+p≠0・・・式(11)
 q≠0・・・式(12)
 0≦k+l≦o+p+2q+2・・・式(13)

 更に、上記のo、p、qが各々下記式(14)、式(15 )、を同時に満足する場合には、上記のk、lは 下記式(16)を満足する範囲から選択される数 である。
 o+p=0・・・式(14)
 q=0・・・式(15)
 0≦k+l≦2・・・式(16)

 また、上記のo、p、qが各々下記式(11)、式(15 )、を同時に満足する場合には、上記のk、l、 o、pは下記式(17)を満足する範囲から選択され る数値である。
 o+p≠0・・・式(11)
 q=0・・・式(15)
 0≦k+l≦o+p+2・・・式(17)

 更に、o、p、qが各々下記式(14)、式(12)、を 時に満足する場合には、上記のk、l、qは下 式(18)を満足する範囲から選択される数値で る。
 o+p=0・・・式(14)
 q≠0・・・式(12)
 0≦k+l≦2q+2・・・式(18)

 本発明において用いられる一般式(4)で表 れるオルガノハイドロジェンシリコーン、 般式(5)、並びに平均組成式(6)で表されるシ コーンの製造方法には特に限定はなく、従 公知の方法により製造された化合物を利用 ることが可能である。

 本発明において、平均組成式(6)で表され 炭素-炭素2重結合を有するシリコーンは、 シリコーンの一部が一般式(5)で表される炭 -炭素2重結合を有するシリコーンであっても よく、平均組成式(6)で表される炭素-炭素2重 合を有するシリコーンの全部が一般式(5)で される炭素-炭素2重結合を有するシリコー であってもよい。平均組成式(6)で表される 素-炭素2重結合を有するシリコーンの一部が 一般式(5)で表される炭素-炭素2重結合を有す シリコーンである場合、平均組成式(6)で表 れる炭素-炭素2重結合を有するシリコーン は、一般式(5)で表される炭素-炭素2重結合を 有するシリコーン以外に、直鎖状、環状、分 岐状、ラダー状、籠状等のいずれの構造の炭 素-炭素2重結合を有するシリコーンが含まれ いてもよい。

 一方、ビニル化合物<B>の一部が炭素- 炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物&l t;A>であってもよく、ビニル化合物<B> 全部が炭素-炭素2重結合及びエポキシ基を有 する化合物<A>であってもよい。

 本発明において用いることができる一般式( 4)の化合物としては、式中、tが各々独立に0 上の整数、uが各々独立に3以上の整数であっ て、R 1 が前記に記載の有機基であれば特に限定はな く、1種又は2種以上の混合物として用いるこ が可能である。

 本発明のエポキシシリコーンの耐光性が良 となる傾向にあるため、一般式(4)で表され オルガノハイドロジェンシリコーンとして 、R 1 が、無置換又は置換された、鎖状、分岐状及 び環状よりなる構造群から選ばれる1種以上 構造からなる脂肪族炭化水素単位を有する 炭素数が1以上24以下の1価の脂肪族有機基で る化合物が好ましく用いられ、この様な化 物としては、例えば、1,3,5-トリメチルシク トリシロキサン、1,3,5,7-テトラメチルシク テトラシロキサン、1,3,5,7,9-ペンタメチルシ ロペンタシロキサン、1,3,5,7,9,11-ヘキサメチ ルシクロヘキサシロキサン、1,3,5,7,9,11,13-ヘ タメチルシクロヘプタシロキサン、1,3,5,7,9,1 1,13,15-オクタメチルシクロオクタシロキサン 1,3,5,7,9,11,13,15,17-ノナメチルシクロノナシロ キサン、1,3,5,7,9,11,13,15,17,19-デカメチルシク デカシロキサン、1,3,5,7,9,11,13,15,17,19,21-ドデ メチルシクロデカシロキサン、1,1,3,5-テト メチルシクロトリシロキサン、1,1,3,5,5,7-ヘ サメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7-テ トラエチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9 -ペンタエチルシクロペンタシロキサン、1,3,5 ,7,9,11-ヘキサエチルシクロヘキサシロキサン 1,3,5,7,9,11,13-ヘプタエチルシクロヘプタシロ キサン等が例示できる。

 上記の内、本発明のエポキシシリコーンの 度が低減されて取り扱い性が高まる、或い 、本発明のエポキシシリコーン用いて得ら た硬化物の耐熱変色性や耐クラック性が向 する傾向にあるため、一般式(4)における(t+u )の値が10以下である化合物を用いることが好 ましく、tが1以下、且つ、uが3以上7以下であ 化合物を用いることがより好ましく、tが0 且つ、uが3以上7以下である化合物を用いる とが更に好ましく、tが0、且つ、uが3以上5以 下である化合物を用いることが更により好ま しく、tが0、uが3以上5以下であり、且つ、R 1 がメチル基ある化合物を用いることが特に好 ましく、1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシ キサンを用いることが最も好ましい。

 本発明における一般式(5)の化合物は、R 1 が前記と同様であり、R 4 が炭素-炭素2重結合を含む炭素数が2以上6以 の無置換又は置換された、鎖状及び分岐状 りなる群から選ばれる1種以上の構造からな 1価の脂肪族有機基を有する化合物である。 R 4 の有機基としては、例えば、ビニル基、アリ ル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソ ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等 が挙げられる。これらは、1種又は2種以上が 在した有機基であってよい。

 上記のR 1 には、前記の炭素数及び酸素数、必要に応じ て、珪素数の範囲内であれば、有機基として ヒドロキシル単位、アルコキシ単位、アシル 単位、カルボキシル単位、アルケニルオキシ 単位、アシルオキシ単位、フッ素や塩素等の ハロゲン原子、或いは、エステル結合、更に は、酸素原子や珪素原子を除く窒素、リン、 硫黄等のヘテロ原子を含んでいてもよい。

 一般式(5)の化合物としては、反応性が高く 再現性よくヒドロシリル化反応が行える傾 にあるため、R 4 として、ビニル基を有する化合物が好ましい 。

 一方、一般式(5)の化合物としては、本発 のエポキシシリコーンの耐光性、耐熱変色 良好となる、或いは、保存時の安定性が高 る傾向にあるため、一般式(5)の化合物中の Si単位の合計モル数に対する、ヒドロキシ 単位、アルコキシ単位、アシル単位、カル キシル単位、アルケニルオキシ単位、アシ オキシ単位、フッ素や塩素等のハロゲン原 、或いは、エステル結合、更には、酸素原 や珪素原子を除く窒素、リン、硫黄等のヘ ロ原子を含む有機基が結合した珪素原子の 計モル数が、10%以下であることが好ましく 1%以下であることがより好ましく、全く含ま ないことが更に好ましい。

 更に、R 1 が前記の上記A)の無置換又は置換された、鎖 、分岐状及び環状よりなる構造群から選ば る1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素単 位を有する、炭素数が1以上24以下及び酸素数 が0以上5以下の1価の脂肪族有機基中の(A-1)及 (A-2)からなる群から選択されることが好ま く、(A-1)及び(A-2)中の炭素数が1以上8以下、 素数0からなる群から選択される有機基であ ことがより好ましく、(A-1)及び(A-2)中の炭素 数が1以上8以下、酸素数0からなる群から選択 される無置換の鎖状の有機基であることが更 に好ましい。この様な化合物としては、例え ば、ジメチルビニルシロキシ末端ポリジメチ ルシロキサン、ジメチルビニルシロキシ末端 ジメチルシロキサン-メチルエチルシロキサ 共重合体、ジメチルビニルシロキシ末端ジ チルシロキサン-メチルオクチルシロキサン 重合体等が例示できる。更に、本発明にお る一般式(5)の化合物としては、R 1 がメチル基であることが特に好ましい。

 本発明において、一般式(5)におけるvは0 上の整数である。本発明のエポキシシリコ ンを用いて得られる硬化物の耐熱性が向上 る、硬化剤との相溶性がよく透明で均一な 化物が得られる、密着性が良好となる傾向 あるため、vの値は0以上9以下であることが ましく、0以上6以下であることがより好まし く、0以上3以下であることが更に好ましく、0 であることが特に好ましい。

 本発明における一般式(5)の化合物の好ま い例としては、v=0の場合の1,3-ジビニル-1,1,3 ,3-テトラメチルジシロキサン、v=1の場合の1,5 -ジビニル-1,1,3,3,5,5-ヘキサメチルトリシロキ ン、vの値が9以下であるジメチルビニルシ キシ末端ポリジメチルシロキサンが挙げら 、1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキ ンが特に好ましい。

 本発明における一般式(5)で表される炭素-炭 素2重結合を有するシリコーンを少なくとも む平均組成式(6)で表される炭素-炭素2重結合 を有するシリコーンの有機基R 1 及びR 4 は、前記と同様である。また、平均組成式(6) で表される炭素-炭素2重結合を有するシリコ ンのR 1 には、前記の炭素数及び酸素数、必要に応じ て、珪素数の範囲内であれば、有機基として ヒドロキシル単位、アルコキシ単位、アシル 単位、カルボキシル単位、アルケニルオキシ 単位、アシルオキシ単位、フッ素や塩素等の ハロゲン原子、或いは、エステル結合、更に は、酸素原子や珪素原子を除く窒素、リン、 硫黄等のヘテロ原子を含んでいてもよい。

 本発明のエポキシシリコーンの耐光性が 好となる、或いは、保存時の安定性が高ま 傾向にあるため、一般式(5)で表される炭素- 炭素2重結合を有するシリコーンを少なくと 含む平均組成式(6)で表される炭素-炭素2重結 合を有するシリコーン中の全Si単位の合計モ 数に対するヒドロキシル単位、アルコキシ 位、アシル単位、カルボキシル単位、アル ニルオキシ単位、アシルオキシ単位、フッ や塩素等のハロゲン原子、或いは、エステ 結合、更には、酸素原子や珪素原子を除く 素、リン、硫黄等のヘテロ原子を含む有機 が結合した珪素原子の合計モル数が、10%以 であることが好ましく、1%以下であること より好ましく、全く含まないことが更に好 しい。

 更に、R 1 が上記A)の無置換又は置換された、鎖状、分 状及び環状よりなる構造群から選ばれる1種 以上の構造からなる脂肪族炭化水素単位を有 する、炭素数が1以上24以下及び酸素数が0以 5以下の1価の脂肪族有機基中の(A-1)及び(A-2) らなる群から選択されることが好ましく、(A -1)及び(A-2)中の炭素数が1以上8以下、酸素数0 る群から選択される有機基であることがよ 好ましく、(A-1)及び(A-2)中の炭素数が1以上8 下、酸素数0なる群から選択される無置換の 鎖状の有機基であることが更に好ましく、有 機基がメチル基であるものが特に好ましい。

 本発明の一般式(5)で表される炭素-炭素2 結合を有するシリコーンを少なくとも含む 均組成式(6)で表される炭素-炭素2重結合を有 するシリコーンは、本発明のエポキシシリコ ーンを用いて得られた硬化物の耐熱性が向上 する、硬化剤との相溶性がよく透明で均一な 硬化物が得られる、密着性が良好となる傾向 にあるため、数平均分子量が180以上1,000以下 あることが好ましく、180以上800以下である とがより好ましく、180以上600以下であるこ 更に好ましい。

 また、本発明の一般式(5)で表される炭素- 炭素2重結合を有するシリコーンを少なくと 含む平均組成式(6)で表される炭素-炭素2重結 合を有するシリコーンの1モルを構成する各 位のモル数は、本発明のエポキシシリコー を製造する際のヒドロシリル化反応を安定 に、且つ、再現性よく進行させる観点から [q/(k+l+m+o+p+q)]の値が0.040以下であることが好 しく、qが0、且つ、[(o+p)/(k+l+m+o+p+q)]の値が0. 010以下であることがより好ましく、[(o+p+q)/(k+ l+m+o+p+q)]の値が0であることが更に好ましい。

 一方、本発明の製法により製造されたエ キシシリコーンを用いて得られる硬化物の 面のベタツキが抑制される傾向にあるため 一般式(5)で表される炭素-炭素2重結合を有 るシリコーンを少なくとも含む平均組成式(6 )で表される炭素-炭素2重結合を有するシリコ ーンの(k+n+p)の値が1以上であることが好まし 、1.5以上であることがより好ましく、1.8以 であることが更に好ましい。

 ここで、一般式(5)で表される炭素-炭素2重 合を有するシリコーンを少なくとも含む平 組成式(6)で表される炭素-炭素2重結合を有す るシリコーンにおけるk~qの算出法について説 明する。
 一般式(5)で表される炭素-炭素2重結合を有 るシリコーンを少なくとも含む平均組成式(6 )で表される炭素-炭素2重結合を有するシリコ ーンのk~qの算出は、 29 Si-NMR測定、GPC測定、更に必要に応じて、 1 H-NMR測定によって得られる結果を用いて算出 れるものである。具体的には、まず、平均 成式(6)で表されるシリコーンの 29 Si-NMR測定と、 1 H-NMR測定を行い、得られるスペクトルパター から算出された積分値を元に、各構成単位 存在率を百分率で算出する。
 次に、得られた各構成単位の存在率と各構 単位の理論式量とを用いて、構成単位の平 的式量を算出する。
 更に、平均組成式(6)で表されるシリコーン GPC測定によって得られた数平均分子量を、 かるシリコーンの1モル当りの分子量として 、上記で算出した各構成単位の存在率を考慮 した平均的式量で除して平均組成式(6)で表さ れるシリコーンを構成する各単位の全モル数 を算出する。得られた平均組成式(6)で表され るシリコーンを構成する各単位の全モル数と 、該各単位の存在率とから、平均組成式(6)で 表されるシリコーン1モルを構成する各単位 モル数を算出することができる。

 本発明においては、平均組成式(6)で表さ る炭素-炭素2重結合を有するシリコーンは 該シリコーンの全部が一般式(5)で表される 素-炭素2重結合を有するシリコーンであるこ とが好ましく、1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメ ルジシロキサン、1,5-ジビニル-1,1,3,3,5,5-ヘキ サメチルトリシロキサン、vの値が9以下であ ジメチルビニルシロキシ末端ポリジメチル ロキサンであることがより好ましく、1,3-ジ ビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンが更 に好ましい。

 本発明において用いることができる炭素- 炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物&l t;A>としては、本発明のエポキシシリコー が製造できれば特に限定されず、エポキシ 及び炭素-炭素2重結合を必須構成単位として 有し、無置換又は置換された、鎖状、分岐状 、環状よりなる構造群から選ばれる1種以上 構造からなる脂肪族炭化水素単位を有する 素数が4以上24以下及び酸素数が1以上5以下か らなる化合物を用いることができる。この様 な化合物の具体例としては、例えば、下記一 般式(15)~一般式(20)で表される化合物が例示で きる。

 上記の一般式(15)~一般式(20)中のR 7 としては、例えば、CH 2 =CH-O-、CH 2 =CH-CH 2 -O-、CH 2 =CH-CH 2 -CH 2 -O-、CH 2 =C(CH 3 )-O-、CH 2 =C(CH 3 )-CH 2 -O-、CH 2 =CH 2 -CH(CH 3 )-O-、CH 2 =C(CH 3 )-COO-、CH 2 =CH-COO-等のエーテル結合、又はエステル結合 含む構造単位、CH 2 =CH-、CH 2 =CH-CH 2 -、CH 2 =C(CH 3 )-、CH 2 =CH-(CH 2 ) 2 -、CH 2 =CH-(CH 2 ) 3 -、CH 2 =CH-(CH 2 ) 4 -、CH 2 =CH-(CH 2 ) 5 -、CH 2 =CH-(CH 2 ) 6 -、CH 2 =CH-(CH 2 ) 7 -、CH 2 =CH-(CH 2 ) 8 -、CH 2 =CH-(CH 2 ) 9 -、CH 2 =CH-(CH 2 ) 10 -、CH 2 =CH-(CH 2 ) 11 -、CH 2 =CH-(CH 2 ) 12 -、CH 2 =CH-(CH 2 ) 13 -、CH 2 =CH-(CH 2 ) 14 -等の鎖状及び/又は分岐状からなる脂肪族炭 水素単位が例示できる。これらは1種又は2 以上が混在した有機基であってよい。更に 光学異性体が存在する場合には、単独、或 は、2種以上の光学異性体が混在した有機基 あってもよい。

 得られるエポキシシリコーンを硬化させる の硬化速度が高まる、或いは、エポキシシ コーンを用いて得られる硬化物の耐光性、 熱変色性が高まる傾向にあるため、化合物& lt;A>としては、R 7 が炭素-炭素2重結合を必須構成単位として有 、無置換又は置換された、鎖状、分岐状な 群から選ばれる1種以上の構造からなる脂肪 族炭化水素単位から構成される一般式(16)~(20) が好ましく、R 7 がビニル基である一般式(16)~(20)がより好まし く、R 7 がビニル基である一般式(17)~(20)が更に好まし く、R 7 がビニル基である一般式(18)の化合物、すな ち、4-ビニルシクロヘキセンオキサイドが特 に好ましい。

 炭素-炭素2重結合及びエポキシ基を有する 合物<A>以外のビニル化合物<B>とし 用いられる化合物としては、例えば、(ア)エ ポキシ基を含有せず、炭素-炭素2重結合を必 構成単位として有する、無置換又は置換さ た、鎖状、分岐状、環状よりなる構造群か 選ばれる1種以上の構造からなる脂肪族炭化 水素単位を有する炭素数が3以上24以下及び酸 素数が0以上5以下の化合物、(イ)炭素-炭素2重 結合を必須構成単位として有し、無置換又は 置換された芳香族炭化水素単位と、必要に応 じて無置換又は置換された、鎖状、分岐状、 環状よりなる構造群から選ばれる1種以上の 造からなる脂肪族炭化水素単位を有する、 素数が8以上24以下及び酸素数が0以上5以下の 化合物、(ウ)下記一般式(21)で表される分子内 に1個以上の炭素-炭素2重結合を含有するシラ ン等が挙げられる。
  CH 2 =CH-SiR 5 3  ・・・(21)
 [ここで、R 5 は各々独立に、上記と同様である。]

 上記の(ア)~(ウ)の化合物は、1種又は2種以 上の混合物として用いることが可能である。 また、これらの化合物には、前記の炭素数及 び酸素数の範囲内であれば、ヒドロキシル単 位、アルコキシ単位、アシル単位、カルボキ シル単位、アルケニルオキシ単位、アシルオ キシ単位、フッ素や塩素等のハロゲン原子、 或いは、エステル結合、更には、酸素原子や 珪素原子を除く窒素、リン、硫黄等のヘテロ 原子を含んでいてもよい。

 上記の(ア)エポキシ基を含有せず、炭素- 素2重結合を必須構成単位として有する、無 置換又は置換された、鎖状、分岐状、環状よ りなる構造群から選ばれる1種以上の構造か なる脂肪族炭化水素単位を有する炭素数が3 上24以下及び酸素数が0以上5以下の化合物の 具体例としては、プロピレン、1-ブテン、1- ンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテ 、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデ セン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペン タデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン 1-オクタデセン、シクロペンテン、メチルシ ルロペンテン、シクロヘキセン、メチルシク ロヘキセン、ノルボルネン、ビニルシクロヘ キサン、ビニルデカヒドロナフタレン等の炭 素-炭素2重結合と炭化水素からなる化合物、 ニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテ 、ビニルプロピルエーテル、アリルメチル ーテル、アリルエチルエーテル、アリルプ ピルエーテル等の炭素-炭素2重結合とエー ル結合を有する化合物等が挙げられる。こ らは、1種又は2種以上の混合物として使用す ることが可能である。

 (イ)炭素-炭素2重結合を必須構成単位とし て有し、無置換又は置換された芳香族炭化水 素単位と、必要に応じて無置換又は置換され た、鎖状、分岐状、環状よりなる構造群から 選ばれる1種以上の構造からなる脂肪族炭化 素単位を有する、炭素数が8以上24以下及び 素数が0以上5以下とからなる化合物の具体例 としては、例えば、スチレン、3-メチルスチ ン、4-メチルスチレン、α―メチルスチレン 等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上 混合物として使用することが可能である。

 (ウ)分子内に1個以上の炭素-炭素2重結合 含有するシランの具体例としては、例えば ビニルトリメチルシラン、ビニルエチルジ チルシラン、ビニルジエチルメチルシラン ビニルトリエチルシラン等の炭素-炭素2重結 合を有するビニルアルキルシラン、ビニルト リメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシ シラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビ ニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジエ トキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラ ン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニ ルトリ-t-ブトキシシラン、等の炭素-炭素2重 合を有する脂肪族ビニルアルコキシシラン ビニルフェニルメチルメトキシシラン、ビ ルフェニルジエトキシシラン、ビニルジフ ニルエトキシシラン等の炭素-炭素2重結合 有する芳香族ビニルアルコキシシラン、ビ ルフェニルジメチルシラン、ビニルフェニ ジエチルシラン等の炭素-炭素2重結合を有す るビニルアリールシラン、ビニルベンジルジ メチルシラン、ビニルベンジルジエチルシラ ン等の炭素-炭素2重結合を有するビニルアラ キルシラン等が挙げられる。これらの分子 に炭素-炭素2重結合を含有するシランは1種 は2種以上の混合物として使用することが可 能である。

 これらの内、ヒドロシリル化反応後に得 れるエポキシシリコーンを用いて得られる 化物の耐光性が高まる傾向にあるため、炭 -炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合 <A>以外のビニル化合物<B>としては ヒドロキシル単位、アルコキシ単位、アシ 単位、カルボキシル単位、アルケニルオキ 単位、アシルオキシ単位、フッ素や塩素等 ハロゲン原子、或いは、エステル結合、更 は、酸素原子や珪素原子を除く窒素、リン 硫黄等のヘテロ原子を含む有機基を全く含 ないことが好ましい。更に、上記ア)エポキ 基を含有せず、炭素-炭素2重結合を必須構 単位として有する、無置換又は置換された 鎖状、分岐状、環状よりなる構造群から選 れる1種以上の構造からなる脂肪族炭化水素 位を有する炭素数が3以上24以下及び酸素数 0以上5以下の化合物、及び、上記ウ)炭素-炭 素2重結合を有するビニルアルキルシランか なる群から選択されることがより好ましい

 (ア)の化合物の具体例としては、ビニル 合物の取り扱い性が高まる、或いは、余剰 化合物の留去が容易となる傾向にあるため 1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネ ン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1- リデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン 、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-オクタ デセン、シクロペンテン、シクロヘキセン、 メチルシクロヘキセン、ノルボルネン、ビニ ルシクロヘキサンが好ましく用いられる。一 方、ウ)の化合物の具体例としては、余剰の 合物の留去が容易となる傾向にあるため、 ニルトリメチルシラン、ビニルエチルジメ ルシラン、ビニルジエチルメチルシラン、 ニルトリエチルシランが好ましく用いられ ビニルトリメチルシランが特に好ましく用 られる。

 次に、本発明のエポキシシリコーンの具体 製造方法の例を説明する。
 本発明のエポキシシリコーンは、前記の一 式(4)で表されるオルガノハイドロジェンシ コーンのSiH単位に対し、前記の一般式(5)で される炭素-炭素2重結合を有するシリコー を少なくとも含む前記の平均組成式(6)で表 れる炭素-炭素2重結合を有するシリコーンと 、炭素-炭素2重結合及びエポキシ基を有する 合物<A>を含むビニル化合物<B>と、 以下の[製造法1]又は[製造法2]の方法で付加 せることによって製造することができる。

[製造法1]
 ヒドロシリル化触媒の存在下、一般式(4)で されるオルガノハイドロジェンシリコーン SiH単位に対し、一般式(5)で表される炭素-炭 素2重結合を有するシリコーンを少なくとも む平均組成式(6)で表される炭素-炭素2重結合 を有するシリコーンと、炭素-炭素2重結合及 エポキシ基を有する化合物<A>を含むビ ル化合物<B>と、の混合物を同時に付加 せる1段の工程からなる方法。

[製造法2]
 ヒドロシリル化触媒の存在下、一般式(4)で されるオルガノハイドロジェンシリコーン SiH単位に対し、炭素-炭素2重結合及びエポ シ基を有する化合物<A>を含むビニル化 物<B>を付加させる第1工程と、続いて一 式(5)で表される炭素-炭素2重結合を有する リコーンを少なくとも含む平均組成式(6)で される炭素-炭素2重結合を有するシリコーン を付加させる第2工程と、の2段の工程からな 方法。

 本発明のエポキシシリコーンは上記[製造 法1]及び[製造法2]のいずれの方法によっても 造することができる。また、[製造法2]に従 場合においては、第1工程と第2工程を連続 て行ってもよく、第1工程で得られた付加生 物を分離回収した後、第2工程を行ってもよ い。

 上述したように、本発明のエポキシシリ ーンにおいては、一般式(1)で表される化合 の含有量[WA]に対する一般式(2)で表される化 合物の含有量[WB]の比[WB]/[WA]の値が0.30以上3.00 以下であることが好ましい。この[WB]/[WA]の値 は、一般式(4)で表されるオルガノハイドロジ ェンシリコーンのSiH単位に対して付加させる 一般式(5)で表される炭素-炭素2重結合を有す シリコーンの炭素-炭素2重結合の量、及び 炭素-炭素2重結合及びエポキシ基を有する化 合物<A>の炭素-炭素2重結合の量を以下に べるような範囲で制御することにより得る とができる。

 [製造法1]においては、ヒドロシリル化触媒 存在下、一般式(4)で表されるオルガノハイ ロジェンシリコーンのSiH単位のモル数(r1)に 対し、一般式(5)で表される炭素-炭素2重結合 有するシリコーンの炭素-炭素2重結合のモ 数(r2)と、一般式(5)で表される炭素-炭素2重 合を有するシリコーン以外の平均組成式(6) 表される炭素-炭素2重結合を有するシリコー ンの炭素-炭素2重結合のモル数(r3)と、炭素- 素2重結合及びエポキシ基を有する化合物< A>の炭素-炭素2重結合のモル数(r4)と、炭素- 炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物&l t;A>以外のビニル化合物<B>の炭素-炭素2 重結合のモル数(r5)と、が下記式(A1)~式(A5)を 時に満足する範囲となるように、各化合物 反応系に共存させて付加反応させるのが好 しい。
  0.10≦r2/r1≦0.75 ・・・式(A1)
  0.25≦r4/r1      ・・・式(A2)
  0≦r3            ・・・式(A3)
  0≦r5            ・・・式(A4)
  1≦(r2+r3+r4+r5)/r1≦5 ・・・式(A5)

 [r2/r1]の値が0.10未満、又は、0.75を越える 合、或いは、[r4/r1]の値が0.25未満の場合に 、[WB]/[WA]の値が0.30未満、或いは、3.00を越え る場合があり、本発明のエポキシシリコーン を用いて得られる硬化物の耐クラック性、或 いは、密着性が不十分となる傾向にあるため 好ましくない。

 また、[(r2+r3+r4+r5)/r1]の値が1未満の場合に は、一般式(4)で表されるオルガノハイドロジ ェンシリコーンのSiH単位の一部が未反応のま ま残存し、エポキシ基が開環して高分子量体 を含有するエポキシシリコーンが生じ、エポ キシシリコーンを安定的に再現性よく製造す ることができなくなる、エポキシシリコーン が保存時において変性反応や粘度変化を起こ して保存安定性が低下する、エポキシシリコ ーンを硬化させた際、耐クラック性が低下す る等の不都合が生じるおそれがあるため好ま しくない。

 一方、[(r2+r3+r4+r5)/r1]の値が5を越える場合 には、ヒドロシリル化反応触媒が安定化され てヒドロシリル化反応速度が低下する場合が あり、本発明の方法によって得られるエポキ シシリコーンを含む反応混合物から、エポキ シシリコーンを分離回収する工程の負荷が増 加する傾向にあるため好ましくない。

 また、一般式(5)で表される炭素-炭素2重 合を有するシリコーン以外の平均組成式(6) 表される炭素-炭素2重結合を有するシリコー ンと、炭素-炭素2重結合及びエポキシ基を有 る化合物<A>以外のビニル化合物<B> 、必要に応じて用いることが可能な化合物 あり、その炭素-炭素2重結合のモル数(r3)及 (r5)は、0以上の数値である。

 安定的に再現性よく、透明性、耐光性、耐 性、耐クラック性、密着性に優れたエポキ シリコーンを製造する観点から、r1~r5が下 式(A3)、式(A4)、並びに、式(A6)~式(A8)を同時に 満足することが好ましく、
  0.10≦r2/r1≦0.55 ・・・式(A6)
  0.45≦r4/r1      ・・・式(A7)
  0≦r3            ・・・式(A3)
  0≦r5            ・・・式(A4)
  1≦(r2+r3+r4+r5)/r1≦2 ・・・式(A8)
r1~r5が下記式(A3)、式(A4)、並びに、式(A9)~式(A1 1)を同時に満足することがより好ましく、
  0.20≦r2/r1≦0.55 ・・・式(A9)
  0.45≦r4/r1      ・・・式(A10)
  0≦r3            ・・・式(A3)
  0≦r5            ・・・式(A4)
  1≦(r2+r3+r4+r5)/r1≦1.5 ・・・式(A11)
r1~r5が下記式(A9)、式(A10)、並びに、下記式(A12 )~式(A14)を同時に満足することが更に好まし 。
  0.20≦r2/r1≦0.55 ・・・式(A9)
  0.45≦r4/r1      ・・・式(A10)
  r3=0            ・・・式(A12)
  r5=0            ・・・式(A13)
  1≦(r2+r4)/r1≦1.3 ・・・式(A14)

 [製造法2]においては、ヒドロシリル化触媒 存在下、第1工程において、一般式(4)で表さ れるオルガノハイドロジェンシリコーンのSiH 単位のモル数(s1)に対して、炭素-炭素2重結合 及びエポキシ基を有する化合物<A>の炭素 -炭素2重結合のモル数(s2)と、炭素-炭素2重結 及びエポキシ基を有する化合物<A>以外 ビニル化合物<B>の炭素-炭素2重結合の ル数(s3)と、が下記式(B1)~式(B3)を同時に満足 る範囲で各化合物を反応系に共存させて付 させ、続いて第2工程において、前記(s1)~(s3) 及び一般式(5)で表される炭素-炭素2重結合を するシリコーンの炭素-炭素2重結合のモル (s4)と、一般式(5)で表される炭素-炭素2重結 を有するシリコーン以外の平均組成式(6)で される炭素-炭素2重結合を有するシリコーン の炭素-炭素2重結合のモル数(s5)と、が下記式 (B4)~式(B6)を同時に満足する範囲で各化合物を 反応系に共存させて付加させるのが好ましい 。
  0≦s3                 ・・・式(B1)
  0.25≦s2/s1≦0.90      ・・・式(B2)
  0.25≦(s2+s3)/s1≦0.90 ・・・式(B3)
  0≦s5                 ・・・式(B4)
  0.10≦s4/s1           ・・・式(B5)
  1.0≦(s4+s5)/[s1-(s2+s3)]≦3.0 ・・・式(B6)

 [s2/s1]の値が0.25未満、又は、0.90を越える 合、或いは、[(s2+s3)/s1]の値が0.25未満、又は 、0.90を越える場合、或いは、[s4/s1]の値が0.10 未満の場合には、[WB]/[WA]の値が0.30未満、或 は、3.00を越える場合があり、本発明のエポ シシリコーンを用いて得られる硬化物の耐 ラック性、或いは、密着性が不十分となる 向にあるため好ましくない。

 また、{(s4+s5)/[s1-(s2+s3)]}の値が、1.0未満の 場合には、一般式(4)で表されるオルガノハイ ドロジェンシリコーンのSiH単位の一部が未反 応のまま残存し、エポキシ基が開環して高分 子量体を含有するエポキシシリコーンが生じ 、エポキシシリコーンを安定的に再現性よく 製造することができなくなる、エポキシシリ コーンが保存時において変性反応や粘度変化 を起こして保存安定性が低下する、エポキシ シリコーンを硬化させた際、耐クラック性が 低下する等の不都合が生じるおそれがあり好 ましくない。一方、{(s4+s5)/[s1-(s2+s3)]}の値が3 越える場合には、ヒドロシリル化反応触媒 安定化されてヒドロシリル化反応速度が低 する場合があり、本発明の方法によって得 れるエポキシシリコーンを含む反応混合物 ら、エポキシシリコーンを分離回収する工 の負荷が増加する傾向にあるため好ましく い。

 ここで、炭素-炭素2重結合及びエポキシ を有する化合物<A>以外のビニル化合物&l t;B>と、一般式(5)で表される炭素-炭素2重結 合を有するシリコーン以外の平均組成式(6)で 表される炭素-炭素2重結合を有するシリコー は、必要に応じて用いることが可能な化合 であり、その炭素-炭素2重結合のモル数(s3) び(s5)は0以上の数値である。

 安定的に再現性よく、透明性、耐光性、耐 性、耐クラック性、密着性に優れたエポキ シリコーンを製造する観点から、s1~s5が下 式(B1)、式(B4)並びに、式(B7)~式(B10)を同時に 足することが好ましく、
  0≦s3                 ・・・式(B1)
  0.45≦s2/s1≦0.90      ・・・式(B7)
  0.45≦(s2+s3)/s1≦0.90 ・・・式(B8)
  0≦s5                 ・・・式(B4)
  0.10≦s4/s1           ・・・式(B9)
  1.0≦(s4+s5)/[s1-(s2+s3)]≦2.0 ・・・式(B10)
s1~s5が下記式(B1)、式(B4)並びに、式(B11)~式(B14) を同時に満足することがより好ましく、
  0≦s3                 ・・・式(B1)
  0.45≦s2/s1≦0.80      ・・・式(B11)
  0.45≦(s2+s3)/s1≦0.80 ・・・式(B12)
  0≦s5                 ・・・式(B4)
  0.20≦s4/s1           ・・・式(B13)
  1.0≦(s4+s5)/[s1-(s2+s3)]≦1.5 ・・・式(B14)
s1~s5が下記式(B11)、並びに、式(B15)~式(B18)を同 時に満足することが更に好ましい。
  s3=0            ・・・式(B15)
  0.45≦s2/s1≦0.80 ・・・式(B11)
  s5=0            ・・・式(B16)
  0.20≦s4/s1≦0.55 ・・・式(B17)
  1.0≦s4/(s1-s2)≦1.3 ・・・式(B18)

 ヒドロシリル化触媒が存在しない場合に 、一般式(4)で表されるオルガノハイドロジ ンシリコーンのSiH単位と、炭素-炭素2重結 を有する化合物とのヒドロシリル化反応が 行しないため、本発明の製造方法において ヒドロシリル化触媒を用いる。

 本発明において用いることができるヒド シリル化触媒としては、従来公知のものが 用可能である。この様なヒドロシリル化触 としては、例えば、周期表第8属の金属の単 体、該金属固体をアルミナ、シリカ、カーボ ンブラック等の担体に担持させたもの、該金 属の塩、或いは、該金属の錯体等が例示され る。これらの内、ヒドロシリル化反応の活性 が高く、副反応を生じにくい周期表第8族の 属である、白金、ロジウム、ルテニウムが ましく、特に白金が好ましい。白金を用い ヒドロシリル化反応触媒としては、例えば 塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール、ア デヒド、ケトンとの錯体、白金-ビニルシリ ーン錯体、白金-ホスフィン錯体、白金-ホ ファイト錯体、ジカルボニルジクロロ白金 ジシクロペンタジエニルジクロロ白金等が げられる。

 ヒドロシリル化反応を行う際に用いられ 触媒の金属原子換算のモル数は、ヒドロシ ル化反応中のエポキシ基の開環を抑制して ポキシシリコーンを再現性よく製造する観 から、ヒドロシリル化反応前のオルガノハ ドロジェンシリコーンのSiH単位の合計モル に対して、1/1,200倍以下とすることが好まし く、1/6,000倍以下とすることがより好ましく 1/25,000倍以下とすることが更に好ましい。一 方、ヒドロシリル化反応を再現性ある速度で 行う観点から、ヒドロシリル化反応を行う際 に用いられる触媒の金属原子換算のモル数は 、ヒドロシリル化反応前のオルガノハイドロ ジェンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対 して、1/5,000,000倍以上とすることが好ましく 1/1,000,000倍以上とすることがより好ましく 1/800,000倍以上とすることが更に好ましい。

 一般式(4)で表されるオルガノハイドロジ ンシリコーンのSiH単位に対して、一般式(5) 表される炭素-炭素2重結合を有するシリコ ンを少なくとも含む平均組成式(6)で表され 炭素-炭素2重結合を有するシリコーンと、炭 素-炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合 <A>を含むビニル化合物<B>とを付加 る際に用いられるヒドロシリル化触媒の量 、上記の範囲内であれば一定である必要は く、反応初期や反応途中において変化させ もよい。

 本発明において、ヒドロシリル化反応を う際の反応温度は、用いるオルガノハイド ジェンシリコーン、一般式(5)で表される炭 -炭素2重結合を有するシリコーンを少なく も含む平均組成式(6)で表される炭素-炭素2重 結合を有するシリコーンの種類や分子量、或 いは、炭素-炭素2重結合及びエポキシ基を有 る化合物<A>を含むビニル化合物<B> 種類、更には、回分式、半回分式、或いは 続式等の反応様式によっても異なるが、反 速度を高め、効率的に反応を完結させる観 において0℃以上250℃以下の範囲が好ましく 、10℃以上200℃以下の範囲がより好ましく、2 0℃以上150℃以下の範囲が更に好ましく、30℃ 以上120℃以下の範囲が特に好ましい。反応温 度は、上記の範囲内であれば一定である必要 は無く、反応初期や反応途中において変化さ せてもよい。

 本発明においてヒドロシリル化反応を行 際には、ヒドロシリル化反応による反応熱 除去を可能とし、得られるエポキシシリコ ンの変性を抑制したり、付加反応による反 系の粘度上昇を抑制する観点から、溶媒を いることが好ましい。

 用いられる溶媒としては、ジメチルエー ル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエ テル、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキサン、テ ラヒドロフラン、エチレングリコールジメ ルエーテル、エチレングリコールジエチル ーテル、プロピレングリコールジメチルエ テル、プロピレングリコールモノメチルエ テルアセテート、アニソール等のエーテル 溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メ ルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、ヘ サン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタ 、イソオクタン等の脂肪族炭化水素系溶媒 トルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシ ン、エチルベンゼン等の芳香族水素系溶媒 酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶 、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール のアルコール系溶媒等が挙げられる。これ の溶媒は、1種又は2種以上の混合物として用 いることが可能である。

 これらの内、ヒドロシリル化反応速度が 較的大きく、原料の溶解性及び/又は溶媒回 収性の観点から、エーテル系溶媒、ケトン系 溶媒、脂肪族炭化水素系溶媒、芳香族炭化水 素系溶媒が好ましく、エーテル系溶媒を50質 %以上含む溶媒がより好ましく、大気圧にお ける沸点が120℃以下である1,4-ジオキサン、 トラヒドロフラン、エチレングリコールジ チルエーテル、プロピレングリコールジメ ルエーテルからなる群から選ばれる少なく も1種又は2種以上の混合溶媒が更に好ましい 。

 用いる溶媒量は、オルガノハイドロジェ シリコーン、一般式(5)で表される炭素-炭素 2重結合を有するシリコーンを少なくとも含 平均組成式(6)で表される炭素-炭素2重結合を 有するシリコーンの種類や分子量、或いは、 炭素-炭素2重結合及びエポキシ基を有する化 物<A>を含むビニル化合物<B>の種類 更には、回分式、半回分式、或いは連続式 の反応様式によっても異なるが、通常、ヒ ロシリル化反応中において、該混合物の全 量に対する溶媒の質量は、0.1質量%以上99.9 量%以下の範囲、好ましくは10質量%以上95質 %以下の範囲、更に好ましくは20質量%以上90 量%以下の範囲である。

 本発明において、ヒドロシリル化反応は 素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス雰 気下で行うことが好ましい。

 本発明において、ヒドロシリル化反応を う際の反応方法は、特に限定されず、例え 、本発明で用いるオルガノハイドロジェン リコーンと一般式(5)で表される炭素-炭素2 結合を有するシリコーンを少なくとも含む 均組成式(6)で表される炭素-炭素2重結合を有 するシリコーン及び炭素-炭素2重結合及びエ キシ基を有する化合物<A>を含むビニル 合物<B>からなる少なくとも1種以上の化 合物とを回分式、半回分式、連続式からなる 群から選ばれる1種又は2種以上の組合せの方 により、逐次的、連続的、或いは、一度に 応させる方法が例示できる。

 ヒドロシリル化触媒の添加方法としては 上記[製造法1]に従う場合においては、一般 (4)のオルガノハイドロジェンシリコーン、 般式(5)で表される炭素-炭素2重結合を有す シリコーンを少なくとも含む平均組成式(6) 表される炭素-炭素2重結合を有するシリコー ン、炭素-炭素2重結合及びエポキシ基を有す 化合物<A>を含むビニル化合物<B>、 に必要に応じて溶媒を予め混合し、最後に ドロシリル化触媒を添加することが好まし 。また上記[製造法2]に従う場合においては 一般式(4)のオルガノハイドロジェンシリコ ン、炭素-炭素2重結合及びエポキシ基を有 る化合物<A>を含むビニル化合物<B> 更に必要に応じて溶媒を予め混合し、最後 ヒドロシリル化触媒を添加して第1工程を実 し、続いて一般式(5)で表される炭素-炭素2 結合を有するシリコーンを少なくとも含む 均組成式(6)で表される炭素-炭素2重結合を有 するシリコーンを添加して第2工程を実施す ことが好ましい。また、第2工程においては ドロシリル化触媒を追加添加することがで 、その場合は、一般式(5)で表される炭素-炭 素2重結合を有するシリコーンを少なくとも む平均組成式(6)で表される炭素-炭素2重結合 を有するシリコーンを添加した後に、ヒドロ シリル化触媒を追加添加することが好ましい 。このようにヒドロシリル化触媒を最後に反 応系に添加する方法は、副反応により反応系 がゲル化することを防ぐ上で有効となること があるため好ましい方法である。

 オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH 位に対して、炭素-炭素2重結合及びエポキ 基を有する化合物<A>を含むビニル化合 <B>と一般式(5)で表される炭素-炭素2重結 合を有するシリコーンを少なくとも含む平均 組成式(6)で表される炭素-炭素2重結合を有す シリコーンとをヒドロシリル化反応により 加させる際には、系内の水分が影響を及ぼ 場合がある。ヒドロシリル化反応速度を維 する、或いは、エポキシ基の開環反応を抑 する観点から、反応系の水分量は反応系の 量を基準として2質量%以下であることが好 しく、1質量%以下であることがより好ましく 、0.5質量%以下であることが更に好ましく、0. 1質量%以下が更により好ましく、0.05質量%以 が特に好ましく、0.01質量%以下が最も好まし い。

 反応混合物からエポキシシリコーンを分 回収するのに先立ち、以下のような後処理 操作を行うことは、反応混合物からエポキ シリコーンを分離回収する際のエポキシシ コーンの変性を抑制する観点から、好まし 用いられる方法である。即ち、a)アルコー 類を反応混合物と接触或いは混合して、未 応SiH単位を減少又は消失させる処理を行う と、b)従来公知のヒドロシリル化触媒の失活 剤又は不活性化剤を反応混合物と接触或いは 混合して、該触媒を失活又は不活性化処理す ること、c)吸着剤に反応混合物を接触、混合 或いは、流通して、ヒドロシリル化触媒等 金属成分や着色成分等を吸着除去或いは低 する処理を行うこと、或いは、d)これらの み合わせの処理を行うこと、等が後処理の 法として挙げられる。

 a)に用いられるアルコール類としては、 えば、炭素数1以上4以下の鎖状、分岐状、環 状よりなる構造群から選ばれる構造を有する 少なくとも1種以上のアルコールが挙げられ 。b)に用いられるヒドロシリル化触媒の失活 剤、不活性化剤としては、例えば、ドデシル メルカプタン、2-メルカプトベンゾチアゾー 等の含硫黄化合物類、アセトニトリル、ア リロニトリル、2-ペンテンニロリル、3-ペン テンニトリル等のニトリル類、1-ヘプチン、1 -オクチン、1-デシン、3-メチルー1-ペンチン 2-プロピン-1-オール、3-ブチン-1-オール、2- ンチン-1-オール、4-ペンチン-1-オール、4-ペ チン-2-オール、2-メチル-3-ブチン-1-オール 3-メチル-1-ペンチン-3-オール、3-メチル-1-ヘ シンー3-オール、3,5-ジメチル-1-ヘキシンー3 -オール、2-フェニル-3-ブチン-2-オール、1-エ ニル-1-シクロヘキサノール、2,5-ジメチル-3- ヘキシンー2,5-ジオール、1,1-ジメチル-2-プロ ニルアミン、3-メチル-3-(トリメチルシロキ )-1-ブチン、ジメチル-ビス(1,1-ジメチル-2-プ ロピノキシ)-シラン、3-メチル-3-(トリメチル ロキシ)-1-ペンチン、3,5-ジメチル-3-(トリメ ルシロキシ)-1-ヘキシン、3-エチル-3-(トリメ チルシロキシ)-1-ペンチン、メチルプロピオ ート、エチルプロピオネート等のアセチレ 系化合物等が挙げられる。また、c)に用いら れるヒドロシリル化触媒等の金属成分や着色 成分等を吸着除去或いは低減する吸着剤とし ては、例えば、活性炭、セライト、シリカゲ ル、アルミナ粉、イオン交換樹脂等が挙げら れる。

 これらの後処理の操作は、窒素、ヘリウ 、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行う とが好ましい。

 またこれらの後処理を行う際の温度は、 ポキシシリコーンの変性を抑制する観点か 、好ましくは0℃以上200℃以下の範囲、より 好ましくは5℃以上150℃以下の範囲、更に好 しくは10℃以上100℃以下の範囲、特に好まし くは15℃以上80℃以下の範囲である。前記範 内であれは、一定の温度である必要はなく 途中で温度を変化させることも可能である

 上記後処理により得られたエポキシシリ ーンを含む混合物は、エポキシシリコーン 分離する工程に供され、本発明のエポキシ リコーンが回収される。

 以下、本発明のエポキシシリコーンの製 方法における、炭素-炭素2重結合を有する 合物、及び、必要に応じて用いたヒドロシ ル化触媒の失活剤又は不活性化剤を低沸化 物と総称し、必要に応じて用いた溶媒、及 未反応SiH単位を減少或いは消失させる処理 作で必要に応じて用いたアルコール類を揮 性化合物と総称する。

 次に、エポキシシリコーンを含む混合物か 、エポキシシリコーンを分離する方法につ て説明する。
 エポキシシリコーンを含む混合物から、エ キシシリコーンを分離する方法は、特に限 されず、例えば、エポキシシリコーンを含 混合物から、低沸化合物と揮発性化合物と 留去してエポキシシリコーンを回収する方 、或いは、エポキシシリコーンが高い揮発 を有する化合物の場合には、蒸留によりエ キシシリコーンを分離回収する方法、等が げられる。

 エポキシシリコーンを含む混合物から、 ポキシシリコーンを分離する際の温度は、 ポキシシリコーン、低沸化合物と揮発性化 物の種類によっても異なるが、エポキシシ コーンの変性を抑制する観点から、好まし は0℃以上200℃以下の範囲、より好ましくは 5℃以上150℃以下の範囲、更に好ましくは10℃ 以上100℃以下の範囲、特に好ましくは15℃以 80℃以下の範囲である。前記範囲内であれ 、エポキシシリコーンを含む混合物からエ キシシリコーンを分離する際の温度は、一 の温度である必要はなく、途中で温度を変 させることも可能である。

 これらの分離操作は、窒素、ヘリウム、 ルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行うこと 好ましい。

 エポキシシリコーンを含む混合物からエ キシシリコーンを分離する工程には、低沸 合物と揮発性化合物の含有量が低減してエ キシシリコーンを含む混合物の粘度が上昇 た場合においても、効率的に低沸化合物と 発性化合物を分離し得る装置を用いること 好ましい。この様な装置としては、例えば 竪型撹拌槽、表面更新型撹拌槽、薄膜蒸発 置、表面更新型二軸混練器、二軸横型撹拌 、濡れ壁式反応器、自由落下型の多孔板型 応器、支持体に沿わせて化合物を落下させ がら揮発成分を留去させる反応器等が挙げ れる。これらの装置は、1種又は2種以上を み合わせて用いることも可能である。

 本発明の製造方法により得られるエポキ シリコーンには、エポキシシリコーンを製 する際に用いた、炭素-炭素2重結合及びエ キシ基を有する化合物<A>を含むビニル 合物<B>に由来する、炭素-炭素2重結合を 有する化合物や溶媒等の低沸化合物及び/又 揮発性化合物が残留する場合がある。

 ここで、本発明における「炭素-炭素2重 合を有する化合物」について説明する。本 明における炭素-炭素2重結合を有する化合物 とは、シリコーン以外の化合物であって、分 子内に1つ以上の炭素-炭素2重結合を有する化 合物をいう。したがって、ビニルシリコーン やエポキシシリコーンについては分子内に炭 素-炭素2重結合を有していてもこれには含ま い。

 このような炭素-炭素2重結合を有する化合 としては、例えば、
(i)ヒドロシリル化反応に供するために添加し たビニル化合物の余剰あるいは未反応物、
(ii)ヒドロシリル化反応に供するために添加 たビニル化合物中に含有されていた炭素-炭 2重結合を有する不純物、
(iii)ヒドロシリル化反応に供するために添加 たビニル化合物中の炭素-炭素2重結合が、 ドロシリル化反応中に内部転位を起こして 成した副生成物、
 等が挙げられる。

 前記(ii)ヒドロシリル化反応に供するため に添加したビニル化合物中に含有されていた 炭素-炭素2重結合を有する不純物の具体例と ては、例えば、4-ビニルシクロヘキセンオ サイド中に含まれることのある4-エポキシエ チルシクロへキセン等が挙げられる。

 前記(iii)ヒドロシリル化反応に供するた に添加したビニル化合物中の炭素-炭素2重結 合が、ヒドロシリル化反応中に内部転位を起 こして生成した副生成物としては、使用する ビニル化合物の種類やヒドロシリル化反応条 件によっても異なるが、例えば、ビニル化合 物として1-ヘキセンを用いた場合の副生成物 しては、2-ヘキセン、3-ヘキセン等が、また 、例えば、ビニル化合物としてビニルシクロ ヘキサンを用いた場合の副生成物としては、 エチリデニルシクロヘキサン等が挙げられる 。

 更に、ビニル化合物として、例えば、(a-1 )4-ビニルシクロへキセンオキサイド、(a-2)1- チル-4-イソプロペニルシクロヘキセンオキ イド、(a-3)1,4-ジメチル-4-ビニルシクロヘキ ンオキサイド、(a-4)ビニルノルボルネンオキ サイド等のビニル基を有するエポキシシクロ アルカンを用いた場合、(a-1)~(a-4)に対応する 生成物としては、各々、(b-1)4-エチリデニル シクロヘキセンオキサイド、(b-2)1-メチル-4- ソプロペリデニルシクロヘキセンオキサイ 、(b-3)1,4-ジメチル-4-エチリデニルシクロヘ センオキサイド、(b-4)エチリデニルノルボル ネンオキサイド等が挙げられる。更に、例え ば、炭素-炭素2重結合及びエポキシ基を有す 化合物として、(a-5)1,2-エポキシ-5-ヘキセン 用いた場合、(a-5)に対応するビニル化合物 の炭素-炭素2重結合がヒドロシリル化反応中 に内部転位を起こして生成した副生成物とし ては、1,2-エポキシ-4-ヘキセン、1,2-エポキシ- 3-ヘキセン、1,2-エポキシ-2-ヘキセン等が挙げ られる。

 本発明の製造方法によって得られるエポ シシリコーンを用いた硬化物の耐熱変色性 耐光性が向上する傾向にあるため、エポキ シリコーン中に残留する低沸化合物の合計 は2質量%以下であることが好ましく、1.5質 %以下であることがより好ましく、1質量%以 であることが更に好ましく、0.75質量%以下で あることが更により好ましく、0.5質量%以下 あることが特に好ましく、0.3質量%以下であ ことが最も好ましい。

 本発明において、低沸化合物が2種以上の 成分からなる場合には、本発明におけるエポ キシシリコーン中に残留する低沸化合物の合 計量とは、エポキシシリコーン中に残留する 各成分の合計値を意味する。

 エポキシシリコーン中に残留する低沸化 物の合計量は少ない方がよいが、残留する 沸化合物の合計量を0とするのは時間と労力 がかかるのに比して、着色や変色を低減する 効果が小さい。そのため、費用対効果という 観点からは、エポキシシリコーン中に残留す る低沸化合物の合計量は、0.003質量%程度まで 低減することが現実的である。

 また、エポキシシリコーン中に残留する 沸化合物の内、炭素-炭素2重結合を有する 合物の残留量は、硬化物の光や熱による着 や変色低減の観点から、エポキシシリコー に対して1.5質量%以下であることが好ましく 1質量%以下であることがより好ましく、0.75 量%以下であることが更に好ましく、0.5質量 %以下であることが更により好ましく、0.3質 %以下であることが特に好ましく、0.1質量%以 下であることが最も好ましい。

 本発明において、炭素-炭素2重結合を有 る化合物が2種以上の成分からなる場合には 本発明におけるエポキシシリコーン中に残 する炭素-炭素2重結合を有する化合物の残 量とは、エポキシシリコーン中に残留する 成分の合計値を意味する。

 また、エポキシシリコーン中に残留する 素-炭素2重結合を有する化合物の内、エポ シ基を有する化合物の残留量は、硬化物の や熱による着色や変色低減の観点から、エ キシシリコーンに対して1質量%以下であるこ とが好ましく、0.6質量%以下であることがよ 好ましく、0.3質量%以下であることが更に好 しく、0.1質量%以下であることが更により好 ましく、0.05質量%以下であることが特に好ま い。

 ここで、エポキシシリコーン中に残留す 、炭素-炭素2重結合及びエポキシ基を有す 化合物が2種以上ある場合には、炭素-炭素2 結合及びエポキシ基を有する化合物の残留 とは、残留する各成分の合計量を意味する

 更に、エポキシシリコーン中に残留する 素-炭素2重結合を有する化合物の内、ヒド シリル化反応に供するために添加した炭素- 素2重結合及びエポキシ基を有する化合物< ;A>の炭素-炭素2重結合が内部転位を起こし 生成した副生成物の残留量は、硬化物の光 熱による着色や変色低減の観点から、エポ シシリコーンに対し0.5質量%以下であること が好ましく、0.3質量%以下であることがより ましく、0.1質量%以下であることが更に好ま く、0.05質量%以下であることが特に好まし 。

 ここで、エポキシシリコーン中に残留す 、ヒドロシリル化反応に供するために添加 た炭素-炭素2重結合及びエポキシ基を有す 化合物<A>の炭素-炭素2重結合が内部転位 を起こして生成した副生成物が2種以上ある 合には、ヒドロシリル化反応に供するため 添加したエポキシ基を有するビニル化合物 炭素-炭素2重結合が内部転位を起こして生成 した副生成物の残留量とは、残留する各成分 の合計量を意味する。

 なお、ヒドロシリル化反応に供するため 添加した炭素-炭素2重結合及びエポキシ基 有する化合物<A>中に、既に前記の炭素- 素2重結合及びエポキシ基を有する化合物ど うしの炭素-炭素2重結合位置が異なる化合物 含有されている場合には、該含有されてい 炭素-炭素2重結合位置が異なる化合物は、 発明における炭素-炭素2重結合及びエポキシ 基を有する化合物<A>の炭素-炭素2重結合 内部転位を起こして生成した副生成物には めない。

 また、本発明において、ヒドロシリル化 媒の失活剤又は不活性化剤を反応混合物と 触或いは混合して、該触媒を失活又は不活 化処理した場合には、該処理に用いたヒド シリル化触媒の失活剤又は不活性化剤の残 量は、硬化物の光や熱による着色や変色を 減する観点から、エポキシシリコーンに対 て0.5質量%以下であることが好ましく、0.3質 量%以下であることがより好ましく、0.1質量% 下であることが更に好ましく、0.05質量%以 であることが特に好ましい。

 本発明において、ヒドロシリル化触媒の 活剤又は不活性化剤が2種以上の成分からな る場合には、本発明におけるエポキシシリコ ーン中に残留するヒドロシリル化触媒の失活 剤又は不活性化剤の残留量とは、エポキシシ リコーン中に残留する各成分の合計値を意味 する。

 本発明で得られるエポキシシリコーンに 、エポキシシリコーンを製造する際に用い 溶媒や、反応混合物をアルコール類と接触 いは混合して、未反応SiH単位を減少又は消 させる処理するために用いた揮発性化合物 残留する場合がある。本発明のエポキシシ コーンを硬化物とする際に、該硬化物中に 泡の発生を抑制する観点から、本発明のエ キシシリコーン中に残留する揮発性化合物 合計量は、1質量%以下であることが好まし 、0.1質量%以下であることがより好ましく、0 .05質量%以下であることが更に好ましい。

 本発明において、揮発性化合物が2種以上 の成分からなる場合には、本発明における、 エポキシシリコーン中に残留する揮発性化合 物の合計量とは、エポキシシリコーン中に残 留する各成分の合計値を意味する。

 エポキシシリコーン中に残留する揮発性 合物の合計量は少ない方がよいが、残留す 揮発性化合物の合計量を0とするのは時間と 労力がかかるのに比して、着色や変色を低減 する効果が小さい。そのため、費用対効果と いう観点からは、エポキシシリコーン中に残 留する揮発性化合物の合計量は、0.005質量%程 度まで低減することが現実的である。

 本発明により得られるエポキシシリコー には、エポキシシリコーンを製造する際に いたヒドロシリル化触媒等の触媒の残渣、 いは、反応装置から溶出する金属成分等が 入する場合がある。例えば、SUS316合金を用 ると、Fe、Ni、Cr、Mo等の金属元素が溶出す 場合がある。これらの金属、中でも遷移金 成分が、本発明により得られるエポキシシ コーンを硬化物とした際に、該硬化物の耐 性に影響を与える場合がある。該硬化物の 光性を高いレベルで維持する観点から、本 明のエポキシシリコーン中に含有される周 律表3族~11族に該当する遷移金属成分の合計 は、元素換算で、20ppm以下であることが好 しく、10ppm以下であることがより好ましく、 5ppm以下であることが更に好ましい。

 遷移金属成分の含有量を低減させる方法 しては、例えば、ヒドロシリル化反応後の 応液を、活性炭、シリカゲル、アルミナ粉 イオン交換樹脂等の吸着剤に通して金属成 を吸着除去する方法が例示できる。また、 えば、本発明のエポキシシリコーンを製造 る工程の反応装置から溶出する上記遷移金 元素量を考慮し、本発明のエポキシシリコ ン中に含有される遷移金属成分の合計量が 記範囲以下となるように、ヒドロシリル化 応に用いる触媒の使用量を低減する方法等 好ましい方法として例示される。

 本発明により得られるエポキシシリコー は、透明性が求められる用途に用いること 可能な優れた透明性を有すると共に、優れ 耐光性、耐熱性、耐熱変色性、更には耐ク ック性、密着性を有することから、発光素 用封止材として好適に用いられる。また、 発明のエポキシシリコーンは、硬質で寸法 定性に優れた硬化物を与えることから、眼 レンズ、光学機器用レンズ、CDやDVDのピッ アップ用レンズ、自動車ヘッドランプ用レ ズ、プロジェクター用レンズ等のレンズ材 としても好適に用いられる。更には光ファ バー、光導波路、光フィルター、光学用接 剤、光ディスク基板、ディスプレイ基板、 射防止膜等のコーティング材料等、各種光 部材としても用いることが可能である。

 前記用途に用いる場合には、本発明によ 得られるエポキシシリコーンは、必要に応 てエポキシ樹脂及び/又はエポキシ樹脂用硬 化剤、硬化促進剤、カチオン重合触媒、変性 剤、酸化防止剤、熱安定剤、シランカップリ ング剤、消泡剤、着色剤、蛍光体、光拡散剤 、無機フィラー、熱伝導性フィラー等、従来 公知の添加剤を適宜配合した硬化性樹脂組成 物として使用される。

 用いられるエポキシ樹脂としては、従来 知の芳香族グリシジルエーテルに代表され 芳香族系エポキシ樹脂、芳香族系エポキシ 脂の芳香環を水素化して得られるグリシジ エーテル類、脂環式エポキシ樹脂類、その のエポキシ樹脂等が挙げられる。これらは 1種又は2種以上の混合物として用いること できる。

 前記の芳香族グリシジルエーテルとして 、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノー ルF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、 トラメチルビスフェノールA、テトラメチル スフェノールF、テトラメチルビスフェノー ルAD、テトラメチルビスフェノールS、テトラ ブロモビスフェノールA、テトラクロロビス ェノールA、テトラフルオロビスフェノールA 等のビスフェノール類をグリシジル化したビ スフェノール型エポキシ樹脂、ビフェノール 、ジヒドロキシナフタレン、9,9-ビス(4-ヒド キシフェニル)フルオレン等のその他の2価フ ェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂 、1,1,1-トリス(4-ヒドロキシフェニル)メタン 4,4-(1-(4-(1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエ チル)フェニル)エチリデン)ビスフェノール等 のトリスフェノール類をグリシジル化したエ ポキシ樹脂、1,1,2,2,-テトラキス(4-ヒドロキシ フェニル)エタン等のテトラキスフェノール をグリシジル化したエポキシ樹脂、フェノ ルノボラック、クレゾールノボラック、ビ フェノールAノボラック、臭素化フェノール ボラック、臭素化ビスフェノールAノボラッ ク等のノボラック類をグリシジル化したノボ ラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。

 芳香族グリシジルエーテルの芳香環の水 化反応は、例えば、ルテニウム系触媒、ロ ウム系触媒等を用いる従来公知の方法によ 実施することが可能である。

 脂環式エポキシ樹脂類としては、従来公 の化合物、例えば、3,4-エポキシシクロヘキ シルメチル-3’,4’-エポキシシクロヘキサン ルボキシレート、2,2-ビス(ヒドロキシメチ )-1-ブタノールの1,2-エポキシ-4-(2-オキシラニ ル)シクロヘキサン付加物、ビス(3,4-エポキシ シクロヘキシルメチル)アジペート等が挙げ れる。

 その他のエポキシ樹脂類としては、ダイ ー酸グリシジルエステル、ヘキサヒドロフ ル酸グリシジルエステル等のグリシジルエ テル類、トリグリシジルイソシアヌレート のグリシジルアミン類、エポキシ化大豆油 エポキシ化ポリブタジエン等の線状脂肪族 ポキシ化合物等が例示できる。

 前記のエポキシ樹脂として、芳香族系エ キシ樹脂を用いる場合、耐光性が良好とな 傾向にあるため、用いられるエポキシ樹脂 総質量に対する該芳香族系エポキシ樹脂の 率は50質量%以下であることが好ましく、30 量%以下であることがより好ましく、10質量% 下であることが更に好ましく、上記のエポ シ樹脂として、芳香族系エポキシ樹脂を全 含まないエポキシ樹脂を用いることが特に ましい。

 前記エポキシ樹脂の使用量は、本発明に り得られるエポキシシリコーン100質量部に して、好ましくは0.1~100質量部、より好まし くは1~100質量部、更に好ましくは1~80質量部で ある。

 本発明において用いることができるエポ シ樹脂用硬化剤としては、特に制限はなく 般的なものが使用できるが、透明で着色の い硬化物が得られる傾向にあるため、酸無 物系硬化剤が好適に使用される。具体的に 、ポリアゼライン酸無水物、メチルテトラ ドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタ 酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘ サヒドロ無水フタル酸、5-ノルボルネン-2,3- ジカルボン酸無水物、ノルボルナン-2,3-ジカ ボン酸無水物、メチル-5-ノルボルネン-2,3- カルボン酸無水物、メチル-ノルボルナン-2,3 -ジカルボン酸無水物等の脂環式酸無水物類 無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水 ロメリット酸等の芳香族酸無水物類、1分子 に2個以上の酸無水物含有官能基を置換基と して有するシリコーン類、等が挙げられる。

 これらの硬化剤の内、本発明のエポキシ リコーンを硬化して得られる硬化物の耐光 が高まる傾向にあるため、脂環式酸無水物 、1分子中に2個以上の酸無水物含有官能基 置換基として有するシリコーン類がより好 しく、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、 キサヒドロ無水フタル酸、ノルボルナン-2,3- ジカルボン酸無水物、メチルノルボルナン-2, 3-ジカルボン酸無水物が更に好ましい。これ の硬化剤は1種又は2種以上の混合物として いることが可能である。

 エポキシ樹脂用硬化剤の使用量は、本発 により得られるエポキシシリコーンのエポ シ基に対して好ましくは0.1~3当量、より好 しくは0.5~2当量の範囲であり、エポキシシリ コーン100質量部に対して好ましくは1質量部~2 00質量部、より好ましくは10質量部~150質量部 更に好ましくは20質量部~100質量部の範囲で る。

 本発明により得られるエポキシシリコー を用いて得られる硬化性樹脂組成物には、 要に応じて、硬化促進剤が含有されていて よい。用いられる硬化促進剤としては、イ ダゾール化合物、4級アンモニウム塩、ホス ホニウム塩、アミン化合物、アルミニウムキ レート化合物、有機ホスフィン化合物、金属 カルボン酸塩やアセチルアセトンキレート化 合物等が挙げられる。これらの硬化促進剤は 1種又は2種以上の混合物として用いることが 能である。

 これらの化合物の具体例としては、2-メ ルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾ ール、1,8-ジアザ-ビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7 トリメチルアミン、ベンジルジメチルアミ 、トリエチルアミン、2,4,6-トリス(ジメチル アミノメチル)フェノール、2-(ジメチルアミ メチル)フェノール等のアミン化合物及びそ 塩、テトラメチルアンモニウムクロリド、 ンジルトリメチルアンモニウムブロミド、 トラブチルアンモニウムブロミド等の4級ア ンモニウム塩、アルミニウムキレート、テト ラ-n-ブチルホスホニウムベンゾトリアゾレー ト、テトラ-n-ブチルホスホニウム-0,0-ジエチ ホスホロジチオエート等の有機ホスフィン 合物、クロム(III)トリカルボキシレート、 クチル酸スズ、クロムアセチルアセトナー 等の金属カルボン酸塩やアセチルアセトン レート化合物が例示できる。また、市販品 してはサンアプロ社よりU-CAT SA1、U-CAT 2026 U-CAT 18X等が例示できる。これらの中でも、 色の少ない硬化物を与える観点から、イミ ゾール化合物、4級アンモニウム塩、ホスホ ニウム塩、有機ホスフィン化合物等が好まし く用いられる。

 これら硬化促進剤の配合量は、エポキシ リコーン100質量部に対して硬化速度を高め 観点から、0.001質量部以上であることが好 しく、0.01質量部以上であることがより好ま く、0.1質量部以上であることが特に好まし 。一方、耐湿性や硬化物の着色の観点から 10質量部以下であることが好ましく、5質量 以下であることがより好ましく、3質量部以 下であることが更に好ましく、1質量部以下 あることが特に好ましい。

 また、本発明のエポキシシリコーンは、 来公知のカチオン重合触媒を配合すること より硬化性樹脂組成物とすることも可能で る。

 用いることができるカチオン重合触媒とし は、BF 3 ・アミン錯体、PF 5 、BF 3 、AsF 5 、SbF 5 等に代表されるルイス酸系触媒、ホスホニウ ム塩や4級アンモニウム塩、スルホニウム塩 ベンジルアンモニウム塩、ベンジルピリジ ウム塩、ベンジルスルホニウム塩、ヒドラ ニウム塩、カルボン酸エステル、スルホン エステル、アミンイミドに代表される熱硬 性カチオン重合触媒、ジアリールヨードニ ムヘキサフロオロホスフェート、ヘキサフ オロアンチモン酸ビス(ドデシルフェニル)ヨ ードニウム等に代表される紫外硬化性カチオ ン重合触媒等が挙げられる。

 これらの内、ガラス転移温度が高く半田 熱性や密着性に優れた着色の少ない透明な 化物が得られる傾向にあるため、熱硬化性 チオン重合触媒が好ましく用いられる。こ ような熱硬化性カチオン重合触媒としては 例えば、スルホニウム塩系のカチオン重合 始剤であるSI-100L、SI-60L(以上、三新化学工 製)、CP-66、CP-77(以上、旭電化工業製)等を挙 ることができる。

 これらカチオン重合触媒の配合量は、通 、エポキシシリコーン100質量部に対して硬 速度を高める観点から、0.001質量部以上で ることが好ましく、0.005質量部以上であるこ とがより好ましく、0.01質量部以上であるこ が更に好ましい。一方、耐湿性や硬化物の 色の観点から、10質量部以下であることが好 ましく、1質量部以下であることがより好ま く、0.5質量部以下であることが更に好まし 、0.2質量部以下であることが特に好ましい

 本発明のエポキシシリコーンに好適に用 られる硬化剤、硬化触媒としては、上記以 に、例えば、特開平4-84444号公報、特開2005-9 3569号公報に記載されているようなアルミニ ムトリスアセチルアセトネート等の有機基 有するアルミニウム化合物と、ジフェニル ランジオール、ジフェニルジエトキシシラ 等のSiに直結したOH基もしくはアルコキシ基 有する化合物の組み合わせ等が挙げられる

 本発明により得られるエポキシシリコー を用いて得られる硬化性樹脂組成物には、 化物に可撓性を付与し剥離接着力を向上さ る観点から、必要に応じて、変性剤が含有 れていてもよい。用いられる変性剤として 、1分子中に2個以上の水酸基を含有するポ オール類が例示でき、例えば、エチレング コール、ジエチレングリコール、トリエチ ングリコール、ポリエチレングリコール、1, 2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、 ジプロピレングリコール、トリプロピレング リコール、ポリプロピレングリコール、1,2- タンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペ チルグリコール、グリセリン、エリスリト ル、トリメチロールプロパン、1,2,4-ブタン リオール等の脂肪族系ポリオール類や、ポ カーボネートジオール、末端にシラノール を有するシリコーン類が好ましく用いられ 。これらの変性剤は、1種又は2種以上の混 物として用いることが可能である。

 1分子中に2個以上の水酸基を含有するポ オール類の配合量は、エポキシシリコーン10 0質量部に対して、密着性を高めるという観 から好ましくは0.1質量部以上、耐熱性、耐 性の観点から好ましくは50質量部以下であり 、より好ましくは1~30質量部、更に好ましく 3~20重量部、特に好ましくは3~10重量部である 。

 本発明の硬化性樹脂組成物には密着性等 物性を改善する目的で各種シランカップリ グ剤を用いることができる。本発明に適し シランカップリング剤としては、3-グリシ キシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシ ドキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリ ドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3 -グリシドキシプロピルメチルジエトキシシ ン、3-グリシドキシプロピルジメチルメトキ シシラン、3-グリシドキシプロピルジメチル トキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシ ル)エチルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキ シクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン 、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3- ミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノ プロピルメチルジエトキシシラン、3-アミノ ロピルジメチルエトキシシラン、N-(2-アミ エチル)アミノメチルトリメトキシシラン、N -(2-アミノエチル)(3-アミノプロピル)トリメト キシシラン、N-(2-アミノエチル)(3-アミノプロ ピル)トリエトキシシラン、N-(2-アミノエチル )(3-アミノプロピル)メチルジメトキシシラン N-[N’-(2-アミノエチル)(2-アミノエチル)](3- ミノプロピル)トリメトキシシラン、2-(2-ア ノエチル)チオエチルトリエトキシシラン、2 -(2-アミノエチル)チオエチルメチルジエトキ シラン、3-(N-フェニルアミノ)プロピルトリ トキシシラン、3-(N-シクロヘキシルアミノ) ロピルトリメトキシシラン、(N-フェニルア ノメチル)トリメトキシシラン、(N-フェニル アミノメチル)メチルジメトキシシラン、(N- クロヘキシルアミノメチル)トリエトキシシ ン、(N-シクロヘキシルアミノメチル)メチル ジエトキシシラン、ピペラジノメチルトリメ トキシシラン、ピペラジノメチルトリエトキ シシラン、3-ピペラジノプロピルトリメトキ シラン、3-ピペラジノプロピルメチルジメ キシシラン、3-ウレイドプロピルトリエトキ シシラン、メルカプトメチルトリメトキシシ ラン、メルカプトメチルトリエトキシシラン 、メルカプトメチルメチルジメトキシシラン 、メルカプトメチルメチルジエトキシシラン 、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン 3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン 3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラ ン、3-メルカプトプロピルメチルジエトキシ ラン、3-(トリメトキシシリル)プロピルコハ ク酸無水物、3-(トリエトキシシリル)プロピ コハク酸無水物、テトラメトキシシラン、 トラエトキシシラン、メチルトリメトキシ ラン、メチルトリエトキシシラン、エチル リメトキシシラン、エチルトリエトキシシ ン、プロピルトリメトキシシラン、プロピ トリエトキシシラン、ビニルトリメトキシ ラン、ビニルトリエトキシシラン、シクロ キシルトリメトキシシラン、シクロヘキシ トリエトキシシラン、シクロペンチルトリ トキシシラン、シクロペンチルトリエトキ シラン、フェニルトリメトキシシラン、フ ニルトリエトキシシラン、ジメチルジメト シシラン、ジメチルジエトキシシラン、メ ルビニルジメトキシシラン、メチルビニル エトキシシラン、メチルフェニルジメトキ シラン、メチルフェニルジエトキシシラン メチルシクロヘキシルジメトキシシラン、 チルシクロヘキシルジエトキシシラン、メ ルシクロペンチルジメトキシシラン、メチ シクロペンチルジエトキシシラン、3-メタク リロキシプロピルメチルジメトキシシラン、 3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ 、3-メタクリロキシプロピルメチルジエト シシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエ トキシシラン等が挙げられる。またこれらの シランカップリング剤の部分縮合物を用いる こともできる。

 本発明のエポキシシリコーンを用いて得 れる硬化性樹脂組成物の硬化方法は公知の 法を用いることができる。前記の公知技術 内、加熱によって硬化させる方法、或いは 紫外線(UV)を照射することによって硬化させ る方法は、エポキシ樹脂の硬化方法として一 般的に用いられる方法であり、本発明におい て好ましい方法として例示できる。加熱によ り硬化させる際の温度は、用いられるエポキ シ樹脂や硬化剤等に依るため特に限定はない が、通常、20~200℃の範囲である。

 硬化反応は空気中で行う他、必要に応じ 窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス 囲気下で行うことができる。

 本発明のエポキシシリコーンを含む硬化 樹脂組成物は、発光素子用封止材として好 に用いることができる。また、その発光素 用封止材を用いて発光素子を封止すること より、発光ダイオード等の発光部品を製造 ることができる。

 本発明のエポキシシリコーンを含む硬化 樹脂組成物からなる発光素子用封止材を用 て封止された発光素子の発光波長は、赤外 ら赤色、緑色、青色、紫色、紫外まで幅広 用いることができ、従来の封止材では耐光 が不足して劣化してしまう250nm~550nmの波長 光まで実用的に用いることができる。これ より、長寿命で、エネルギー効率が高く、 再現性の高い白色発光ダイオードを得るこ ができる。ここで、発光波長とは、主発光 ーク波長のことをいう。

 使用される発光素子の具体例としては、 えば、基板上に半導体材料を積層して形成 た発光素子を例示することができる。この 合、半導体材料としては、例えば、GaAs、GaP 、GaAlAs、GaAsP、AlGaInP、GaN、InN、AlN、InGaAlN、Si C等が挙げられる。

 基板としては、例えば、サファイア、ス ネル、SiC、Si、ZnO、GaN単結晶等が挙げられ 。必要に応じ、基板と半導体材料の間にバ ファー層を形成してもよい。これらバッフ ー層としては、GaN、AlN等が挙げられる。

 基板上へ半導体材料を積層する方法とし は、特に制限はないが、例えば、MOCVD法、HD VPE法、液相成長法等が用いられる。

 発光素子の構造は、例えば、MIS接合、PN 合、PIN接合を有するホモ接合、ヘテロ接合 ダブルヘテロ構造等が挙げられる。また、 一或いは多重量子井戸構造とすることも可 である。

 本発明のエポキシシリコーンを含む硬化 樹脂組成物からなる発光素子封止材を用い 発光素子を封止することにより、発光ダイ ードを製造することができる。この場合の 止は、発光素子を発光素子封止材のみで封 することもできるが、他の封止材を併用し 封止することも可能である。他の封止材を 用する場合、本発明により得られるエポキ シリコーンを用いて得られる発光素子封止 で封止した後、その周囲を他の封止材で封 する、或いは、他の封止材で封止した後、 の周囲を本発明により得られるエポキシシ コーンを用いて得られる発光素子封止材で 止することも可能である。他の封止材とし は、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹 、アクリル樹脂、ウレア樹脂、イミド樹脂 ガラス等が挙げられる。

 本発明のエポキシシリコーンを用いて得 れる発光素子封止材で発光素子を封止する 法としては、例えば、モールド型枠中に発 素子封止材を予め注入し、そこに発光素子 固定されたリードフレーム等を浸漬した後 硬化させる方法、発光素子を挿入した型枠 に発光素子封止材を注入し、硬化する方法 が挙げられる。この際、発光素子封止材を 入する方法としては、ディスペンサーによ 注入、トランスファー成形、射出成形等が げられる。更にその他の封止方法としては 発光素子封止材を発光素子上へ滴下し、孔 印刷、スクリーン印刷、或いは、マスクを して塗布し硬化させる方法、低部に発光素 を配置したカップ等に発光素子封止材をデ スペンサー等により注入し、硬化させる方 等が挙げられる。

 本発明により得られるエポキシシリコー を含む硬化性樹脂組成物は、発光素子をリ ド端子やパッケージに固定するダイボンド 、発光素子上のパッシベーション膜、パッ ージ基板として用いることもできる。

 封止部分の形状は、例えば、砲弾型のレ ズ形状、板状、薄膜状等が挙げられる。

 本発明のエポキシシリコーンを用いて得 れた発光ダイオードは、従来公知の方法で 能の向上を図ることができる。性能を向上 せる方法としては、例えば、発光素子背面 光の反射層或いは集光層を設ける方法、補 着色部を底部に形成する方法、主発光ピー より短波長の光を吸収する層を発光素子上 設ける方法、発光素子を封止した後、更に 質材料でモールディングする方法、発光ダ オードを貫通孔に挿入して固定する方法、 光素子をフリップチップ接続等によってリ ド部材等と接続して基板方向から光を取り す方法等が挙げられる。

 本発明のエポキシシリコーンを用いて得 れた発光ダイオードは、例えば、液晶ディ プレイ等のバックライト、照明、各種セン ー、プリンター、コピー機等の光源、車両 計器光源、信号灯、表示灯、表示装置、面 発光体の光源、ディスプレイ、装飾、各種 イト等として有用である。

 以下に実施例を示して、本発明をより詳細 説明するが、本発明は以下に記載の実施例 よって限定されるものではない。
 シリコーンの組成及び特性は、以下に示す 法により求めた。
(1)一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で 表される化合物の含有量比([WB]/[WA])の算出
 本発明における[WA]及び[WB]の値は、エポキ シリコーンのマトリックス支援イオン化飛 時間型質量分析法(以下、MALDI-TOF/MS)にて測定 を行って得られる一般式(1)及び一般式(2)の各 々の構造に該当する質量とナトリウムの質量 23とを合計した質量に該当するピークの強度 表す。
 なお、一般式(1)及び一般式(2)の各々の構造 該当する質量とは、前記の構造を構成する 素が同位体を有する場合には、各々の元素 同位体の質量の内、最も存在率の大きな同 体の質量を用いて算出された値のことをい 。
 また、本発明において、一般式(1)及び(2)に 当するピークが複数個存在する場合には、 般式(1)の構造を有する化合物の含有量[WA]及 び一般式(2)で表される化合物の含有量[WB]は 各々の構造に相当するピーク強度の合計値 した。
 ただし、一般式(1)及び一般式(2)の各々の構 に該当する質量とナトリウムの質量23とを 計した質量に該当するピークの最大強度に して、3%以下の強度を有するピークの強度は 、ピーク強度の合計値の算出からは除外した 。

 MALDI-TOF/MSの測定方法は以下の方法により行 た。
<MALDI-TOF/MSの測定方法>
 室温にて0.1gのエポキシシリコーンを100mLの トラヒドロフランに溶解した溶液と、10mgの ジスラノールを1mLのテトラヒドロフランに溶 解した溶液とを、室温にて体積比で1対1の割 で均一に混合して溶液aを作製した。次いで 、10mgのヨウ化ナトリウムを10mLのアセトンに 解した溶液1μLを乗せたサンプルプレートに 溶液aを1μL滴下し、室温にて溶媒を蒸発後、 記測定条件でMALDI-TOF/MSにて測定を行った。
(測定条件)
装置   :島津 AXIMA CFRplus
レーザー :窒素レーザー(337nm)
検出器形式:リニアモード
イオン検出:正イオン(ポジティブモード)
積算回数 :500回

(2)エポキシシリコーンの組成
  29 Si-NMR測定、ゲルパーミエーションクロマトグ ラフィー(GPC)測定、及び、 1 H-NMR測定によって得られる結果を用いて算出 た。
 具体的には、まず、エポキシシリコーンの 29 Si-NMR測定を下記記載の方法に従って行い、得 られたスペクトルパターンから算出された積 分値を解析して、水素アルキル単位、ジアル キルシロキシ単位等の含有分率を百分率で算 出した。
 次いで、 1 H-NMR測定を下記記載の方法に従って行い、得 れたスペクトルパターンから算出された積 値を元に、各有機基を有するアルキルシロ シ単位の存在率を百分率で算出した。
 上記より得られた各構成単位の存在率と各 成単位の理論式量とを用いて、構成単位の 均的式量を算出した。
 引き続いて、エポキシシリコーンのゲルパ ミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定 下記記載の方法に従って行い、得られた数 均分子量を平均組成式(3)で表されるエポキ シリコーンの1モル当りの分子量として、上 で算出した各単位の存在率を考慮した平均 式量で除して平均組成式(3)で表されるエポ シシリコーンを構成する各単位の全モル数 算出した。得られた平均組成式(3)で表され エポキシシリコーンを構成する各単位の全 ル数と、該各単位の存在率とから、平均組 式(3)で表されるエポキシシリコーン1モルを 構成する各単位のモル数を算出した。

< 29 Si-NMR測定方法>
 エポキシシリコーン0.15gを重水素化クロロ ルム1gに溶解した。該溶解液にCr(acac) 3 を0.015g添加して溶解した溶液に、テトラメチ ルシランを10μL更に添加してNMR測定溶液とし 。該NMR測定溶液を用いて、プロトン完全デ ップル条件における 29 Si-NMRの測定を積算回数4,000回(装置:日本電子 製α-400)にて行った。

< 1 H-NMR測定方法>
 重水素化クロロホルム1mLに対して、エポキ シリコーン30mgを溶解した溶液を測定試料と した。この測定試料を用いて、400MHz(日本電 社製α-400)の 1 H-NMRの測定を積算回数200回にて行った。

<ゲルパーミエーションクロマトグラフィ (GPC)測定>
 東ソー社製ゲルパーミエーションクロマト ラフィー(GPC)分析装置8020GPCシステムを用い 以下の条件により求めた。
 エポキシシリコーンの0.5質量%テトラヒドロ フラン溶液を調製し、その後、0.45μmのフィ ターにて濾過したものを測定試料溶液とし 。
 カラム温度40℃にて、溶離液(テトラヒドロ ラン)を流量1mL/分の条件下でカラムを通し RI検出による溶出時間と検出強度から数平均 分子量を算出した。
 カラム構成は、ガードカラムとして東ソー( 株)社製TSKguardcolumnH XL -H(登録商標)を用い、東ソー(株)製TSKgel(登録 標)G5000H XL 、東ソー(株)製TSKgel(登録商標)G3000H XL 、及び東ソー(株)製TSKgel(登録商標)G1000H XL の各1本ずつを直列に配置して使用した。ま 、Polymer Laboratories社製の分子量が各7,500,000 2,560,000、841,700、320,000、148,000、59,500、28,500 10,850、2,930、580の単分散ポリポリスチレン標 準物質、及びスチレンモノマー(分子量104)を い、予め作成した検量線から数平均分子量 算出した。

(3)エポキシシリコーン中の分子量800以下の成 分の含有率
 上記のゲルパーミエーションクロマトグラ ィー(GPC)測定により得られた溶出曲線を解 して算出した。
 具体的には、該溶出曲線において、エポキ シリコーンに基づくピークとベースライン で囲まれた総面積(ピーク面積1)に対する、 子量800以下に相当するピークの面積(ピーク 面積2)の比率を百分率で表記した数値[すなわ ち、(ピーク面積2)/(ピーク面積1)×100(%)で表さ れる数値]のことをさす。

(4)エポキシシリコーン中に残留する低沸化合 物量及び揮発性化合物量の測定
 島津社製ガスクロマトグラフィー分析装置G C-14Bを用い、以下の条件により求めた。
 5mLのメスフラスコに、エポキシシリコーン 0.5g及び内部標準としてn-オクタン0.015gを秤 した後、クロロホルムで5mLに希釈した溶液 、測定サンプルとした。
カラム:J&W Scientific社製DB-1(登録商標)、
長さ30m、内径0.25mm、液膜1μm
キャリアーガス:ヘリウム
検出器:FID
インジェクション温度:250℃
検出器温度:300℃
昇温条件:50℃にて5min保持した後、50℃から300 ℃まで10℃/minで昇温した。
 得られた結果から、別途作成した内部標準 による検量線を用いて、エポキシシリコー 中に含有される各成分の含有量を定量し合 した。なお、数値は、エポキシシリコーン 対する質量分率で表したものである。

(5)エポキシ価
 以下の操作と算出法により求めた。
 エポキシシリコーンをベンジルアルコール 1-プロパノールに溶解した。この溶液にヨ 化カリウム水溶液、ブロモフェノールブル 指示薬を添加した後、1規定塩酸にて滴定し 反応系内が青色から黄色になった点を当量 とした。当量点より、エポキシシリコーン エポキシ価を以下の式に従って算出した。
  エポキシ価(当量/100g)=(V×N×F)/(10×W)
[ここで、W、V、N、Fは各々以下の値を表す。
 W:試料の重量(g)
 V:滴定量(mL)
 N:滴定に使用した塩酸の規定度(N)
 F:滴定に使用した塩酸のファクター ]

(6)金属元素含有量
 含有白金量の分析は四重極ICP質量分析装置( Thermo Elemental製:X7-ICP-MS)を用いて測定した。

(7)透明性
 厚さ3mmの硬化物を用い、厚さ方向の350nm、40 0nm、450nmの光線透過率を日本分光(株)社製JASCO  V-550により測定した。初期における光線透 率が80%以上を◎、70%以上80%未満を○、70%未 を×とした。

(8)耐熱性
 粉砕した硬化物のTgをセイコーインスツー メント社製DSC220Cにより昇温速度10℃/分の条 で測定し、耐熱性の指標とした。硬化物のT gが120℃以上を◎、100℃以上120℃未満を○、10 0℃未満を×とした。

(9)耐光性
 光ファイバーを経由してUV照射装置(ウシオ 機製:SP-7)から50℃一定にした恒温乾燥機中 厚さ3mmの硬化物にUV光を照射できるようにセ ットした。365nmバンドパスフィルターを用い 、330~410nmの光を、3W/cm 2 になるように照射した。
 照射開始後、250時間以上硬化物が着色しな ものを◎、200時間以上250時間未満で硬化物 着色するものを○、200時間未満で着色する のを×とした。

(10)耐熱変色性
 厚さ3mmの硬化物を用い、厚さ方向の400nmの 線透過率を日本分光(株)社製JASCO V-550により 測定した。次に該硬化物を、空気下で150℃で 100時間加熱条件に供した後、室温で放冷した 。その後、試料の厚さ方向における400nmの光 透過率を再度測定した。加熱処理前の試料 光線透過率に対する加熱処理後の試料の光 透過率の比率を光線透過保持率として算出 た。光線透過保持率が90%以上を◎、85%以上9 0%未満を○、85%未満を×とした。

(11)耐クラック性及び密着性
 20mm×20mm×2mmの平板の中央に、10mmφ、深さ1mm 窪みを施したポリフタルアミド(ソルベイ社 製アモデル4122)製樹脂型枠内に、5mm×5mm×0.2mm シリコンチップを入れておき、樹脂組成物 注型し、加熱硬化して試験片を得た。得ら た試験片を、冷熱サイクル試験機(エスペッ ク社製TSE-11-A)で-40℃にて15分保持した後、平 3分で120℃まで昇温し、120℃で15分間保持し 次いで、平均3分で-40℃まで降温するサイク ルにて試験を行った。
 硬化した樹脂中のクラックの発生有無を目 で観察し、耐クラック性の評価とした。40 イクル以上クラックが入らなかったものを 、20サイクル以上40サイクル未満でクラック 発生したものを○、5サイクル未満でクラッ クが発生したものを×とした。
 また、密着性は、硬化した樹脂とポリフタ アミド樹脂型枠の間に剥離が発生した回数 評価し、40サイクル以上剥離が生じなかっ ものを◎、20サイクル以上40サイクル未満で 離が発生したものを○、5サイクル未満で剥 離が発生したものを×とした。
 なお、硬化終了時点で既にクラックが発生 ており評価不可の場合は××とした。

(実施例1)
<[エポキシシリコーン-1a]の製造>
 還流冷却器、温度計及び撹拌装置を有する3 Lの反応器を乾燥窒素で置換した。乾燥窒素 件下にて、前記装置に、乾燥窒素下にて脱 蒸留精製した1,3,5,7-テトラメチルシクロテト ラシロキサン(信越化学社製試薬)80g、乾燥窒 下にて脱水蒸留精製した1,3-ジビニルテトラ メチルジシロキサン(信越化学社製試薬)37.2g 乾燥窒素下にて脱水蒸留精製した4-ビニルシ クロへキセンオキサイド(アルドリッチ社製 薬)122.6g、窒素下にて脱水蒸留精製した1,4-ジ オキサン(和光純薬社製試薬)925gを仕込んだ後 、大気圧乾燥窒素雰囲気下で攪拌しながら70 に昇温したオイルバスで加熱した。
 内溶液の温度が65℃を超えた後、白金元素 算で500ppmの白金を含有する白金ジビニルテ ラメチルジシリコーン錯体の1,4-ジオキサン 液3.7gを乾燥窒素下にて溶液に添加し、ヒド ロシリル化反応を8時間行った。この際、反 液の温度は、65℃~100℃の間であった。8時間 応後、ヒドロシリル化反応は定量的に進行 ており、未反応のSiH単位は検出されなかっ 。次いで、反応液の加熱を停止し、室温ま 放冷した。
 反応開始時において、オルガノハイドロジ ンシリコーンのSiH単位の合計モル数(r1)と、 共存させた炭素-炭素2重結合を有するシリコ ンの炭素-炭素2重結合のモル数(r2)との比(r2/ r1)の値は0.30、オルガノハイドロジェンシリ ーンのSiH単位の合計モル数(r1)と、共存させ 炭素-炭素2重結合及びエポキシ基を有する 合物<A>の炭素-炭素2重結合のモル数(r4) の比(r4/r1)の値は0.74、オルガノハイドロジェ ンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対し、 添加した化合物中の炭素-炭素2重結合の合計 ル数は1.04倍であった。
 また、ヒドロシリル化反応を開始する際に いた触媒の金属原子換算のモル数は、ヒド シリル化反応前のオルガノハイドロジェン リコーンのSiH単位の合計モル数に対して1/14 0,000倍であった。
 冷却が完了した後、該反応液に乾燥窒素下 て脱水蒸留精製したアセトニトリル(和光純 薬社製試薬)925gを添加し、大気圧乾燥窒素雰 気下で2時間攪拌した後、攪拌を停止した。 次いで、乾燥窒素気流下にて150℃で3時間加 乾燥した活性炭(和光純薬製:顆粒状)800gを添 して、乾燥窒素雰囲気下にて48時間活性炭 理を行った。活性炭処理終了後、孔径1μmのP TFE製メンブレンフィルターを用いて活性炭を ろ過してろ液を回収した。更に、前記操作に て分離された活性炭を、窒素下にて脱水蒸留 精製した1,4-ジオキサン(和光純薬社製試薬)150 0gで洗浄し、同様にメンブレンフィルターを いて活性炭をろ過して洗浄液を回収して、 に得られたろ液と混合した。回収された混 液をエバポレーターを用いて、減圧条件下 加熱温度40℃にて1,4-ジオキサン及びアセト トリルを留去し、エポキシシリコーンを得 。
 得られたエポキシシリコーンの一部を内径7 0mm、有効長さ200mmのパイレックス(登録商標) ラス製円筒状チューブに入れ、ガラスチュ ブオーブン(柴田科学製GTO-350)にセットした 内部の円筒形チューブの回転を開始し、室 条件下にて内部を乾燥窒素置換した後に、 度50℃、圧力0.2kPaにて、内部に大気圧換算で 10mL/分の流量にて乾燥窒素を導入しながら24 間加熱減圧処理して、低沸化合物を低減し エポキシシリコーンを得た。この操作を上 で得られた1,4-ジオキサン及びアセトニトリ を留去した残りのエポキシシリコーンに対 て繰り返し行い、低沸化合物を低減した[エ ポキシシリコーン-1a]203gを得た。
 得られた[エポキシシリコーン-1a]は、数平 分子量900の下記平均組成式(22)で表される構 であった。
  
(Me 2 YSiO 1/2 ) 1.6 (MeZSiO 2/2 ) 1.6
  (Me[VCHO]SiO 2/2 ) 3.6   ・・・(22)
 
[ここで、平均組成式(22)において、Yは-CH 2 -CH 2 -で表される2価の有機基、Zは2価の炭化水素 Yとの結合を表す。また、(Me[VCHO]SiO 2/2 )は水素メチルシロキシ単位にビニルシクロ キセンオキサイドがヒドロシリル化反応に り、アンチマルコフニコフ付加した単位を す。]

 未反応のSiH単位が検出されなかったことか 、平均組成式(3)におけるg=0であり、[g/(a+b+c+ d+e+f+g+h+i+j)]の値は0であった。
 また、該[エポキシシリコーン-1a]に含まれ 一般式(1)で表される化合物は、下記化学式(2 3)で表される化合物(ナトリウムの質量との合 計質量数759)、一方、一般式(2)で表される化 物は、下記化学式(24)で表される化合物(ナト リウムの質量との合計質量数697)であり、[WB]/ [WA]の値は0.64、エポキシシリコーン中の分子 800以下の成分の含有率は47%、エポキシ価は0 .40、含有される遷移金属成分は白金のみであ り、該成分の含有量は白金元素換算で1ppm以 であった。

 [エポキシシリコーン-1a]中に残留する揮 性化合物としては、1,4-ジオキサンのみが検 され、残留する揮発性化合物の合計量は0.00 5質量%以下であった。また、低沸化合物とし は、4-ビニルシクロヘキセンオキサイド及 4-ビニルシクロヘキセンオキサイドの炭素- 素2重結合が内部転移を起こして生成した4- チリデニルシクロヘキセンオキサイドが検 され、それらの残留量は各々0.004質量%、0.003 質量%であった。その他の化合物は検出され かった。

<[硬化性樹脂組成物-1a]の製造と特性評価> ;
 得られた[エポキシシリコーン-1a]100質量部 メチルヘキサヒドロ無水フタル酸67.2質量部 1,2-プロパンジオール3質量部、ジアザビシ ロウンデセンオクチル酸塩0.3質量部を窒素 にて混合し、全体が均一になるまで撹拌後 脱泡して[硬化性樹脂組成物-1a]を得た。[硬 性樹脂組成物-1a]を窒素下にて深さ3mmの型に し込み、120℃で1時間、更に150℃で2時間、 に引き続いて170℃で1時間硬化反応を行い、 化物を得た。得られた硬化物の性能を表1に 示す。

(実施例2)
<[エポキシシリコーン-2a]の製造>
 還流冷却器、温度計及び撹拌装置を有する3 Lの反応器を乾燥窒素で置換する。乾燥窒素 件下にて、前記装置に、乾燥窒素下にて脱 蒸留精製した1,3,5,7-テトラメチルシクロテト ラシロキサン(信越化学社製試薬)80g、乾燥窒 下にて脱水蒸留精製した1,3-ジビニルテトラ メチルジシロキサン(信越化学社製試薬)37.2g 乾燥窒素下にて脱水蒸留精製した4-ビニルシ クロへキセンオキサイド(アルドリッチ社製 薬)122.6g、エチレングリコールジメチルエー ル(アルドリッチ社製試薬)925gを仕込んだ後 大気圧乾燥窒素雰囲気下で攪拌しながら83 に昇温したオイルバスで加熱した。
 白金元素換算で500ppmの白金を含有する白金 ビニルテトラメチルジシリコーン錯体のエ レングリコールジメチルエーテル溶液5.6gを 乾燥窒素下にて溶液に添加し、ヒドロシリル 化反応を6時間行った。この際、反応液の温 は、83℃~85℃の間であった。6時間反応後、 1 H-NMRの解析によりSiH単位の転化率が99%である とが確認された。次いで、反応液の加熱を 止し、室温まで放冷した。
 反応開始時において、オルガノハイドロジ ンシリコーンのSiH単位の合計モル数(r1)と、 共存させた炭素-炭素2重結合を有するシリコ ンの炭素-炭素2重結合のモル数(r2)との比(r2/ r1)の値は0.30、オルガノハイドロジェンシリ ーンのSiH単位の合計モル数(r1)と、共存させ 炭素-炭素2重結合及びエポキシ基を有する 合物<A>の炭素-炭素2重結合のモル数(r4) の比(r4/r1)の値は0.74、オルガノハイドロジェ ンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対し、 添加した化合物中の炭素-炭素2重結合の合計 ル数は1.04倍であった。
 また、ヒドロシリル化反応を開始する際に いた触媒の金属原子換算のモル数は、ヒド シリル化反応前のオルガノハイドロジェン リコーンのSiH単位の合計モル数に対して、1 /93,000倍であった。
 冷却が完了した後、乾燥窒素気流下にて150 で3時間加熱乾燥した活性炭(和光純薬製:顆 状)800gを添加して、乾燥窒素雰囲気下にて48 時間活性炭処理を行った。活性炭処理終了後 、孔径1μmのPTFE製メンブレンフィルターを用 て活性炭をろ過してろ液を回収した。この 液をエバポレーターを用いて、減圧条件下 加熱温度40℃にてエチレングリコールジメ ルエーテルを留去し、エポキシシリコーン 得た。
 得られたエポキシシリコーンの一部を内径7 0mm、有効長さ200mmのパイレックス(登録商標) ラス製円筒状チューブに入れ、ガラスチュ ブオーブン(柴田科学製GTO-350)にセットした 内部の円筒形チューブの回転を開始し、室 条件下にて内部を乾燥窒素置換した後に、 度50℃、圧力0.2kPaにて、内部に大気圧換算で 10mL/分の流量にて乾燥窒素を導入しながら24 間加熱減圧処理して、低沸化合物を低減し エポキシシリコーンを得た。この操作を残 のエポキシシリコーンに対して繰り返し行 、低沸化合物を低減した[エポキシシリコー -2a]を185gを得た。
 得られた[エポキシシリコーン-2a]は、数平 分子量900の下記平均組成式(25)で表される構 であった。
  
(Me 2 YSiO 1/2 ) 1.6 (MeZSiO 2/2 ) 1.6
  (MeHSiO 2/2 ) 0.05 (Me[VCHO]SiO 2/2 ) 3.7  ・・・(25)
   
[ここで、平均組成式(25)において、Yは-CH 2 -CH 2 -で表される2価の有機基、Zは2価の炭化水素 Yとの結合を表す。また、(Me[VCHO]SiO 2/2 )は水素メチルシロキシ単位にビニルシクロ キセンオキサイドがヒドロシリル化反応に り、アンチマルコフニコフ付加した単位を す。]

 本組成より、平均組成式(3)における[g/(a+b+c+ d+e+f+g+h+i+j)]の値を計算すると、g=[0.05/(1.6+1.6+0 .05+3.7)]=0.007となった。
 また、該[エポキシシリコーン-2a]に含まれ 一般式(1)で表される化合物は、前記化学式(2 3)で表される化合物(ナトリウムの質量との合 計質量数759)、一方、一般式(2)で表される化 物は、前記化学式(24)で表される化合物(ナト リウムの質量との合計質量数697)であり、[WB]/ [WA]の値は0.53、エポキシシリコーン中の分子 800以下の成分の含有率は45%、エポキシ価は0 .40、含有される遷移金属成分は白金のみであ り、該成分の含有量は白金元素換算で1ppm以 であった。
 [エポキシシリコーン-2a]中に残留するエチ ングリコールジメチルエーテルは検出され かった。また、低沸化合物としては、4-ビニ ルシクロヘキセンオキサイド及び4-ビニルシ ロヘキセンオキサイドの炭素-炭素2重結合 内部転移を起こして生成した4-エチリデニル シクロヘキセンオキサイドが検出され、それ らの残留量は各々0.003質量%、0.003質量%であっ た。その他の化合物は検出されなかった。

<[硬化性樹脂組成物-2a]の製造と特性評価> ;
 得られた[エポキシシリコーン-2a]100質量部 メチルヘキサヒドロ無水フタル酸67.2質量部 1,2-プロパンジオール3質量部、ジアザビシ ロウンデセンオクチル酸塩0.3質量部を窒素 にて混合し、全体が均一になるまで撹拌後 脱泡して[硬化性樹脂組成物-2a]を得た。[硬 性樹脂組成物-2a]を窒素下にて深さ3mmの型に し込み、120℃で1時間、更に150℃で2時間、 に引き続いて170℃で1時間硬化反応を行い、 化物を得た。得られた硬化物の性能を表1に 示す。

(実施例3)
<[エポキシシリコーン-3a]の製造>
 ヒドロシリル化反応時に1,3-ジビニルテトラ メチルジシロキサンを55.8g用いたこと、4-ビ ルシクロへキセンオキサイドを97.6g用いたこ と、1,4-ジオキサンを900g用いたこと、白金元 換算で500ppmの白金を含有する白金ジビニル トラメチルジシリコーン錯体の1,4-ジオキサ ン溶液を3.6g用いたこと、ヒドロシリル化反 後に溶液を冷却した後に、添加するアセト トリルを900gとしたこと以外は実施例1と同様 にして、低沸化合物を低減した、[エポキシ リコーン-3a]195gを得た。
 ヒドロシリル化反応の停止直前にサンプリ グしたところ、定量的にヒドロシリル化反 が進行しており、未反応のSiH単位は検出さ なかった。
 反応開始時において、オルガノハイドロジ ンシリコーンのSiH単位の合計モル数(r1)と、 共存させた炭素-炭素2重結合を有するシリコ ンの炭素-炭素2重結合のモル数(r2)との比(r2/ r1)の値は0.45、オルガノハイドロジェンシリ ーンのSiH単位の合計モル数(r1)と、共存させ 炭素-炭素2重結合及びエポキシ基を有する 合物<A>の炭素-炭素2重結合のモル数(r4) の比(r4/r1)の値は0.59、オルガノハイドロジェ ンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対し、 添加した化合物中の炭素-炭素2重結合の合計 ル数は1.04倍であった。
 また、ヒドロシリル化反応を開始する際に いた触媒の金属原子換算のモル数は、ヒド シリル化反応前のオルガノハイドロジェン リコーンのSiH単位の合計モル数に対して、1 /144,000倍であった。
 得られた[エポキシシリコーン-3a]は、数平 分子量1,000の下記平均組成式(26)で表される 造であった。
  
(Me 2 YSiO 1/2 ) 2.7 (MeZSiO 2/2 ) 2.7
  (Me[VCHO]SiO 2/2 ) 3.2   ・・・(26)
 
[ここで、平均組成式(26)において、Yは-CH 2 -CH 2 -で表される2価の有機基、Zは2価の炭化水素 Yとの結合を表す。また、(Me[VCHO]SiO 2/2 )は水素メチルシロキシ単位にビニルシクロ キセンオキサイドがヒドロシリル化反応に り、アンチマルコフニコフ付加した単位を す。]

 未反応のSiH単位が検出されなかったことか 、平均組成式(3)におけるg=0であり、[g/(a+b+c+ d+e+f+g+h+i+j)]の値は0となった。
 また、該[エポキシシリコーン-3a]に含まれ 一般式(1)で表される化合物は、前記の化学 (23)で表される化合物、一方、一般式(2)で表 れる化合物は、前記の化学式(24)で表される 化合物であり、[WB]/[WA]の値は0.95、エポキシ リコーン中の分子量800以下の成分の含有率 43%、エポキシ価は0.32、含有される遷移金属 分は白金のみであり、該成分の含有量は白 元素換算で1ppm以下であった。
 [エポキシシリコーン-3a]中に残留する揮発 化合物としては、1,4-ジオキサンのみが検出 れ、残留する揮発性化合物の合計量は0.005 量%以下であった。また、低沸化合物として 、4-ビニルシクロヘキセンオキサイド及び4- ビニルシクロヘキセンオキサイドの炭素-炭 2重結合が内部転移を起こして生成した4-エ リデニルシクロヘキセンオキサイドが検出 れ、それらの残留量は各々0.003質量%、0.002質 量%であった。その他の化合物は検出されな った。

<[硬化性樹脂組成物-3a]の製造と特性評価> ;
 得られた[エポキシシリコーン-3a]100質量部 メチルヘキサヒドロ無水フタル酸53.8質量部 1,2-プロパンジオール3質量部、ジアザビシ ロウンデセンオクチル酸塩0.3質量部を窒素 にて混合し、全体が均一になるまで撹拌後 脱泡して[硬化性樹脂組成物-3a]を得た。[硬 性樹脂組成物-3a]を窒素下にて深さ3mmの型に し込み、120℃で1時間、更に150℃で2時間、 に引き続いて170℃で1時間硬化反応を行い、 化物を得た。得られた硬化物の性能を表1に 示す。

(実施例4)
<[エポキシシリコーン-4a]の製造>
 ヒドロシリル化反応時に1,3-ジビニルテトラ メチルジシロキサンを89.9g用いたこと、4-ビ ルシクロへキセンオキサイドを51.8g用いたこ と、1,4-ジオキサンを855g用いたこと、白金元 換算で500ppmの白金を含有する白金ジビニル トラメチルジシリコーン錯体の1,4-ジオキサ ン溶液を3.5g用いたこと、ヒドロシリル化反 後に溶液を冷却した後に、添加するアセト トリルを855gとしたこと以外は実施例1と同様 にして、低沸化合物を低減した、[エポキシ リコーン-4a]183gを得た。
 ヒドロシリル化反応の停止直前にサンプリ グしたところ、定量的にヒドロシリル化反 が進行しており、未反応のSiH単位は検出さ なかった。
 反応開始時において、オルガノハイドロジ ンシリコーンのSiH単位の合計モル数(r1)と、 共存させた炭素-炭素2重結合を有するシリコ ンの炭素-炭素2重結合のモル数(r2)との比(r2/ r1)の値は0.73、オルガノハイドロジェンシリ ーンのSiH単位の合計モル数(r1)と、共存させ 炭素-炭素2重結合及びエポキシ基を有する 合物<A>の炭素-炭素2重結合のモル数(r4) の比(r4/r1)の値は0.31、オルガノハイドロジェ ンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対し、 添加した化合物中の炭素-炭素2重結合の合計 ル数は1.04倍であった。
 また、ヒドロシリル化反応を開始する際に いた触媒の金属原子換算のモル数は、ヒド シリル化反応前のオルガノハイドロジェン リコーンのSiH単位の合計モル数に対して、1 /148,000倍であった。
 得られた[エポキシシリコーン-4a]は、数平 分子量1,100の下記平均組成式(27)で表される 造であった。
  
(Me 2 YSiO 1/2 ) 4.9 (MeZSiO 2/2 ) 4.9
  (Me[VCHO]SiO 2/2 ) 1.9  ・・・(27)
 
[ここで、平均組成式(27)において、Yは-CH 2 -CH 2 -で表される2価の有機基、Zは2価の炭化水素 Yとの結合を表す。また、(Me[VCHO]SiO 2/2 )は水素メチルシロキシ単位にビニルシクロ キセンオキサイドがヒドロシリル化反応に り、アンチマルコフニコフ付加した単位を す。]

 未反応のSiH単位が検出されなかったことか 、平均組成式(3)におけるg=0であり、[g/(a+b+c+ d+e+f+g+h+i+j)]の値は0となった。
 また、該[エポキシシリコーン-4a]に含まれ 一般式(1)で表される化合物は、前記の化学 (23)で表される化合物、一方、一般式(2)で表 れる化合物は、前記の化学式(24)で表される 化合物であり、[WB]/[WA]の値は2.83、エポキシ リコーン中の分子量800以下の成分の含有率 24%、エポキシ価は0.17、含有される遷移金属 分は白金のみであり、該成分の含有量は白 元素換算で1ppm以下であった。
 [エポキシシリコーン-4a]中に残留する揮発 化合物としては、1,4-ジオキサンのみが検出 れ、残留する揮発性化合物の合計量は0.005 量%以下であった。また、低沸化合物として 、4-ビニルシクロヘキセンオキサイド及び4- ビニルシクロヘキセンオキサイドの炭素-炭 2重結合が内部転移を起こして生成した4-エ リデニルシクロヘキセンオキサイドが検出 れ、それらの残留量は各々0.003質量%、0.002質 量%であった。その他の化合物は検出されな った。

<[硬化性樹脂組成物-4a]の製造と特性評価> ;
 得られた[エポキシシリコーン-4a]100質量部 メチルヘキサヒドロ無水フタル酸28.6質量部 1,2-プロパンジオール3質量部、ジアザビシ ロウンデセンオクチル酸塩0.3質量部を窒素 にて混合し、全体が均一になるまで撹拌後 脱泡して[硬化性樹脂組成物-4a]を得た。[硬 性樹脂組成物-4a]を窒素下にて深さ3mmの型に し込み、100℃で1時間、更に110℃で2時間、 に引き続いて120℃で1時間硬化反応を行い、 化物を得た。得られた硬化物の性能を表1に 示す。

(実施例5)
<[エポキシシリコーン-5a]の製造>
 還流冷却器、温度計及び撹拌装置を有する3 Lの反応器を乾燥窒素で置換する。乾燥窒素 件下にて、前記装置に、乾燥窒素下にて脱 蒸留精製した1,3,5,7-テトラメチルシクロテト ラシロキサン80g、乾燥窒素下にて脱水蒸留精 製した4-ビニルシクロへキセンオキサイド(ア ルドリッチ社製試薬)99.2g、窒素下にて脱水蒸 留精製した1,4-ジオキサン(和光純薬社製試薬) 884gを仕込んだ後、大気圧乾燥窒素雰囲気下 攪拌しながら70℃に昇温したオイルバスで加 熱した。
 内溶液の温度が65℃を超えた後、白金元素 算で500ppmの白金を含有する白金ジビニルテ ラメチルジシリコーン錯体の1,4-ジオキサン 液3.6gを乾燥窒素下にて溶液に添加し、ヒド ロシリル化反応を2.5時間行った。この際、反 応液の温度は、65℃~100℃の間であった。2.5時 間反応後、反応溶液中に4-ビニルシクロヘキ ンオキサイドは検出されなかった。その後 引き続き乾燥窒素下にて脱水蒸留精製した1 ,3-ジビニルテトラメチルジシロキサン(信越 学社製試薬)59.5gを反応溶液に添加し、大気 乾燥窒素雰囲気下で攪拌しながら70℃に昇温 したオイルバスで加熱してヒドロシリル化反 応を7時間行い、反応液の加熱を停止して室 まで放冷した。加熱停止前に溶液を分析し 結果、定量的にヒドロシリル化反応が進行 ており、未反応のSiH単位は検出されなかっ 。
 本実施例では炭素-炭素2重結合及びエポキ 基を有する化合物<A>以外のビニル化合 <B>は用いておらず、反応開始時におけ 、オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH 位の合計モル数(s1)と、炭素-炭素2重結合及 エポキシ基を有する化合物<A>の炭素-炭 2重結合のモル数(s2)との比(s2/s1)の値は0.60、 反応開始時におけるオルガノハイドロジェン シリコーンのSiH単位の合計モル数(s1)と、炭 -炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物 <A>の添加が終了した後に添加した炭素- 素2重結合を有するシリコーンの炭素-炭素2 結合のモル数(s4)との比(s4/s1)の値は0.48であ 、[s4/(s1-s2)]の値は1.20であった。
 また、ヒドロシリル化反応を開始する際に いた触媒の金属原子換算のモル数は、ヒド シリル化反応前のオルガノハイドロジェン リコーンのSiH単位の合計モル数に対して、1 /144,000倍であった。
 冷却が完了した後、該反応液に乾燥窒素下 て脱水蒸留精製したアセトニトリル884gを用 いたこと以外は、実施例1と同様の処理を行 て、低沸化合物を低減した[エポキシシリコ ン-5a]195gを得た。
 得られた[エポキシシリコーン-5a]は、数平 分子量900の下記平均組成式(28)で表される構 であった。
 
(Me 2 YSiO 1/2 ) 2.2 (MeZSiO 2/2 ) 2.2
  (Me[VCHO]SiO 2/2 ) 3.1  ・・・(28)
 
[ここで、平均組成式(28)において、Yは-CH 2 -CH 2 -で表される2価の有機基、Zは2価の炭化水素 Yとの結合を表す。また、(Me[VCHO]SiO 2/2 )は水素メチルシロキシ単位にビニルシクロ キセンオキサイドがヒドロシリル化反応に り、アンチマルコフニコフ付加した単位を す。]

 未反応のSiH単位が検出されなかったことか 、平均組成式(3)におけるg=0であり、[g/(a+b+c+ d+e+f+g+h+i+j)]の値は0となった。
 また、該[エポキシシリコーン-5a]に含まれ 一般式(1)で表される化合物は、前記の化学 (23)で表される化合物、一方、一般式(2)で表 れる化合物は、前記の化学式(24)で表される 化合物であり、[WB]/[WA]の値は0.87、エポキシ リコーン中の分子量800以下の成分の含有率 45%、エポキシ価は0.34、含有される遷移金属 分は白金のみであり、該成分の含有量は白 元素換算で1ppm以下であった。
 [エポキシシリコーン-5a]中に残留する揮発 化合物としては、1,4-ジオキサンのみが検出 れ、残留する揮発性化合物の合計量は0.005 量%以下であった。また、低沸化合物として 、4-ビニルシクロヘキセンオキサイド及び4- ビニルシクロヘキセンオキサイドの炭素-炭 2重結合が内部転移を起こして生成した4-エ リデニルシクロヘキセンオキサイドが検出 れ、それらの残留量は各々0.004質量%、0.003質 量%であった。その他の化合物は検出されな った。

<硬化性樹脂組成物-5a]の製造と特性評価>
 得られた[エポキシシリコーン-5a]90質量部、 3,4-エポキシシクロヘキシルメチルー3’,4’- ポキシシクロヘキサンジカルボキシレート1 0質量部、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸51 .4質量部、1,3-プロパンジオール3質量部、ジ ザビシクロウンデセンオクチル酸塩0.3質量 を窒素下にて混合し、全体が均一になるま 撹拌後、脱泡して[硬化性樹脂組成物-5a]を得 た。[硬化性樹脂組成物-5a]を窒素下にて深さ3 mmの型に流し込み、120℃で1時間、更に140℃で 2時間、更に引き続いて160℃で1時間硬化反応 行い、硬化物を得た。得られた硬化物の性 を表1に示す。

(実施例6)
<[硬化性樹脂組成物-6a]の製造と特性評価> ;
 実施例1にて得られた[エポキシシリコーン-1 a]100質量部、熱硬化性カチオン重合触媒(旭電 化製 アデカオプトマー CP-66)0.1質量部を混 し、全体が均一になるまで撹拌後、脱泡し [硬化性樹脂組成物-6a]を得た。[硬化性樹脂 成物-6a]を窒素下にて深さ3mmの型に流し込み 120℃で1時間、更に150℃で2時間、更に引き いて170℃で1時間硬化反応を行い、硬化物を た。得られた硬化物の性能を表1に示す。

(実施例7)
<エポキシシリコーン-7aの製造>
 還流冷却器、温度計及び撹拌装置を有する3 Lの反応器を乾燥窒素で置換する。乾燥窒素 件下にて、前記装置に、乾燥窒素下にて脱 蒸留精製した1,3,5,7-テトラメチルシクロテト ラシロキサン(信越化学社製試薬)70g(SiH単位:1. 164モル)、乾燥窒素雰囲気下にて0.2kPa以下で2 間、攪拌条件下にて減圧処理した下記平均 成式(29)で表されるビニルジメチルシロキシ 末端ポリジメチルシロキサン64.5g(ビニル基:0. 204モル)、乾燥窒素下にて脱水蒸留精製した4- ビニルシクロへキセンオキサイド(アルドリ チ社製試薬)126.7g(1.020モル)、窒素下にて脱水 蒸留精製した1,4-ジオキサン(和光純薬社製試 )1000gを仕込んだ後、大気圧乾燥窒素雰囲気 で攪拌しながら70℃に昇温したオイルバス 加熱した。
  
 CH 2 =CH-SiMe 2 -O-(Me 2 SiO) 6.0 -SiMe 2 -CH=CH 2
  
                            ・ ・平均組成式(29)
 内溶液の温度が65℃を超えた後、白金元素 算で500ppmの白金を含有する白金ジビニルテ ラメチルジシリコーン錯体の1,4-ジオキサン 液3.3gを乾燥窒素下にて溶液に添加し、ヒド ロシリル化反応を8時間行った。この際、反 液の温度は、65℃~100℃の間であった。8時間 応後、ヒドロシリル化反応は定量的に進行 ており、未反応のSiH単位は検出されなかっ 。次いで、反応液の加熱を停止し、室温ま 放冷した。
 反応開始時において、オルガノハイドロジ ンシリコーンのSiH単位の合計モル数(r1)と、 共存させた炭素-炭素2重結合を有するシリコ ンの炭素-炭素2重結合のモル数(r2)との比(r2/ r1)の値は0.18、オルガノハイドロジェンシリ ーンのSiH単位の合計モル数(r1)と、共存させ 炭素-炭素2重結合及びエポキシ基を有する 合物<A>の炭素-炭素2重結合のモル数(r4) の比(r4/r1)の値は0.88、オルガノハイドロジェ ンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対し、 添加した化合物中の炭素-炭素2重結合の合計 ル数は1.05倍であった。
 また、ヒドロシリル化反応を開始する際に いた触媒の金属原子換算のモル数は、ヒド シリル化反応前のオルガノハイドロジェン リコーンのSiH単位の合計モル数に対して、1 /138,000倍であった。
 冷却が完了した後、該反応液に乾燥窒素下 て脱水蒸留精製したアセトニトリル(和光純 薬社製試薬)1000gを添加し、大気圧乾燥窒素雰 囲気下で2時間攪拌した後、攪拌を停止した 次いで、乾燥窒素気流下にて150℃で3時間加 乾燥した活性炭(和光純薬製:顆粒状)800gを添 加して、乾燥窒素雰囲気下にて48時間活性炭 理を行った。活性炭処理終了後、孔径1μmの PTFE製メンブレンフィルターを用いて活性炭 ろ過してろ液を回収した。更に、前記操作 て分離された活性炭を、窒素下にて脱水蒸 精製した1,4-ジオキサン(和光純薬社製試薬)15 00gで洗浄し、同様にメンブレンフィルターを 用いて活性炭をろ過して洗浄液を回収して、 先に得られたろ液と混合した。回収された混 合液をエバポレーターを用いて、減圧条件下 、加熱温度40℃にて1,4-ジオキサン及びアセト ニトリルを留去し、エポキシシリコーンを得 た。
 得られたエポキシシリコーンの一部を内径7 0mm、有効長さ200mmのパイレックスガラス製円 状チューブに入れ、ガラスチューブオーブ (柴田科学製GTO-350)にセットした。内部の円 形チューブの回転を開始し、室温条件下に 内部を乾燥窒素置換した後に、温度50℃、 力0.2kPaにて、内部に大気圧換算で10mL/分の流 量にて乾燥窒素を導入しながら24時間加熱減 処理して、低沸化合物を低減したエポキシ リコーンを得た。この操作を上記で得られ 1,4-ジオキサン及びアセトニトリルを留去し た残りのエポキシシリコーンに対して繰り返 し行い、低沸化合物を低減した[エポキシシ コーン-7a]220gを得た。
 得られた[エポキシシリコーン-7a]は、数平 分子量1,000の下記平均組成式(30)で表される 造であった。
 
(Me 2 YSiO 1/2 ) 0.81 (MeZSiO 2/2 ) 0.81 (Me 2 SiO 2/2 ) 2.42
  (Me[VCHO]SiO 2/2 ) 3.81  ・・・(30)
  
[ここで、平均組成式(30)において、Yは-CH 2 -CH 2 -で表される2価の有機基、Zは2価の炭化水素 Yとの結合を表す。また、(Me[VCHO]SiO 2/2 )は水素メチルシロキシ単位にビニルシクロ キセンオキサイドがヒドロシリル化反応に り、アンチマルコフニコフ付加した単位を す。]

 未反応のSiH単位が検出されなかったことか 、平均組成式(3)におけるg=0であり、[g/(a+b+c+ d+e+f+g+h+i+j)]の値は0となった。
 また、該[エポキシシリコーン-7a]に含まれ 一般式(1)で表される化合物は、下記化学式(2 3)で表される化合物(ナトリウムの質量との合 計質量数759)、一方、一般式(2)で表される化 物としては、下記化学式(31)においてWが1~9の 整数で表される化合物(ナトリウムの質量と 合計質量数が各々、771、845、919、993、1,067、 1,141、1,215、1,289、1,363)であり、[WB]/[WA]の値は 0.50、エポキシシリコーン中の分子量800以下 成分の含有率は41%、エポキシ価は0.38、含有 れる遷移金属成分は白金のみであり、該成 の含有量は白金元素換算で1ppm以下であった 。

 
 [エポキシシリコーン-7a]中に残留する揮発 化合物としては、1,4-ジオキサンのみが検出 れ、残留する揮発性化合物の合計量は0.005 量%以下であった。また、低沸化合物として 、4-ビニルシクロヘキセンオキサイド及び4- ビニルシクロヘキセンオキサイドの炭素-炭 2重結合が内部転移を起こして生成した4-エ リデニルシクロヘキセンオキサイドが検出 れ、それらの残留量は各々0.002質量%、0.002質 量%であった。その他の化合物は検出されな った。

<[硬化性樹脂組成物-7a]の製造と特性評価> ;
 得られた[エポキシシリコーン-7a]100質量部 メチルヘキサヒドロ無水フタル酸63.8質量部 1,2-プロパンジオール3質量部、ジアザビシ ロウンデセンオクチル酸塩0.3質量部を窒素 にて混合し、全体が均一になるまで撹拌後 脱泡して[硬化性樹脂組成物-7a]を得た。[硬 性樹脂組成物-7a]を窒素下にて深さ3mmの型に し込み、120℃で1時間、更に150℃で2時間、 に引き続いて170℃で1時間硬化反応を行い、 化物を得た。得られた硬化物の性能を表1に 示す。

(実施例8)
<[エポキシシリコーン-8a]の製造>
 ヒドロシリル化反応時に1,3,5,7-テトラメチ シクロテトラシロキサンを60g(SiH単位:0.998モ )用いたこと、平均組成式(29)で表されるビ ルジメチルシロキシ末端ポリジメチルシロ サンを79.0g(ビニル基:0.250モル)用いたこと、4 -ビニルシクロへキセンオキサイドを99.2g(0.799 モル)用いたこと、1,4-ジオキサンを835g用いた こと、白金元素換算で500ppmの白金を含有する 白金ジビニルテトラメチルジシリコーン錯体 の1,4-ジオキサン溶液を3.2g用いたこと、ヒド シリル化反応後に溶液を冷却した後に、添 するアセトニトリルを835gとしたこと以外は 実施例7と同様にして、低沸化合物を低減し 、[エポキシシリコーン-8a]200gを得た。

 ヒドロシリル化反応の停止直前にサンプリ グしたところ、定量的にヒドロシリル化反 が進行しており、未反応のSiH単位は検出さ なかった。
 反応開始時において、オルガノハイドロジ ンシリコーンのSiH単位の合計モル数(r1)と、 共存させた炭素-炭素2重結合を有するシリコ ンの炭素-炭素2重結合のモル数(r2)との比(r2/ r1)の値は0.25、オルガノハイドロジェンシリ ーンのSiH単位の合計モル数(r1)と、共存させ 炭素-炭素2重結合及びエポキシ基を有する 合物<A>の炭素-炭素2重結合のモル数(r4) の比(r4/r1)の値は0.80、オルガノハイドロジェ ンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対し、 添加した化合物中の炭素-炭素2重結合の合計 ル数は1.05倍であった。
 また、ヒドロシリル化反応を開始する際に いた触媒の金属原子換算のモル数は、ヒド シリル化反応前のオルガノハイドロジェン リコーンのSiH単位の合計モル数に対して、1 /122,000倍であった。
 得られた[エポキシシリコーン-8a]は、数平 分子量1,100の下記平均組成式(32)で表される 造であった。
 
(Me 2 YSiO 1/2 ) 1.19 (MeZSiO 2/2 ) 1.19 (Me 2 SiO 2/2 ) 3.57
  (Me[VCHO]SiO 2/2 ) 3.57  ・・・(32)
 
[ここで、平均組成式(32)において、Yは-CH 2 -CH 2 -で表される2価の有機基、Zは2価の炭化水素 Yとの結合を表す。また、(Me[VCHO]SiO 2/2 )は水素メチルシロキシ単位にビニルシクロ キセンオキサイドがヒドロシリル化反応に り、アンチマルコフニコフ付加した単位を す。]

 未反応のSiH単位が検出されなかったことか 、平均組成式(3)におけるg=0であり、[g/(a+b+c+ d+e+f+g+h+i+j)]の値は0となった。
 また、該[エポキシシリコーン-8a]に含まれ 一般式(1)で表される化合物は、化学式(23)で される化合物(ナトリウムの質量との合計質 量数759)、一方、一般式(2)で表される化合物 しては、化学式(31)においてWが1~9の整数で表 される化合物(ナトリウムの質量との合計質 数が各々、771、845、919、993、1,067、1,141、1,21 5、1,289、1,363)であり、[WB]/[WA]の値は0.53、エ キシシリコーン中の分子量800以下の成分の 有率は36%、エポキシ価は0.32、含有される遷 金属成分は白金のみであり、該成分の含有 は白金元素換算で1ppm以下であった。
 [エポキシシリコーン-8a]中に残留する揮発 化合物としては、1,4-ジオキサンのみが検出 れ、残留する揮発性化合物の合計量は0.005 量%以下であった。また、低沸化合物として 、4-ビニルシクロヘキセンオキサイド及び4- ビニルシクロヘキセンオキサイドの炭素-炭 2重結合が内部転移を起こして生成した4-エ リデニルシクロヘキセンオキサイドが検出 れ、それらの残留量は各々0.003質量%、0.003質 量%であった。その他の化合物は検出されな った。

<[硬化性樹脂組成物-8a]の製造と特性評価> ;
 得られた[エポキシシリコーン-8a]100質量部 メチルヘキサヒドロ無水フタル酸53.8質量部 1,2-プロパンジオール3質量部、ジアザビシ ロウンデセンオクチル酸塩0.3質量部を窒素 にて混合し、全体が均一になるまで撹拌後 脱泡して[硬化性樹脂組成物-8a]を得た。[硬 性樹脂組成物-8a]を窒素下にて深さ3mmの型に し込み、120℃で1時間、更に150℃で2時間、 に引き続いて170℃で1時間硬化反応を行い、 化物を得た。得られた硬化物の性能を表1に 示す。

(実施例9)
<[エポキシシリコーン-9a]の製造>
 ヒドロシリル化反応時に1,3,5,7-テトラメチ シクロテトラシロキサンを50g(SiH単位:0.832モ )用いたこと、平均組成式(29)で表されるビ ルジメチルシロキシ末端ポリジメチルシロ サンを144.7g(ビニル基:0.457モル)用いたこと、 4-ビニルシクロへキセンオキサイドを52.8g(0.42 5モル)用いたこと、1,4-ジオキサンを850g用い こと、白金元素換算で500ppmの白金を含有す 白金ジビニルテトラメチルジシリコーン錯 の1,4-ジオキサン溶液を2.7g用いたこと、ヒド ロシリル化反応後に溶液を冷却した後に、添 加するアセトニトリルを850gとしたこと以外 実施例7と同様にして、低沸化合物を低減し 、[エポキシシリコーン-9a]205gを得た。
 ヒドロシリル化反応の停止直前にサンプリ グしたところ、定量的にヒドロシリル化反 が進行しており、未反応のSiH単位は検出さ なかった。
 反応開始時において、オルガノハイドロジ ンシリコーンのSiH単位の合計モル数(r1)と、 共存させた炭素-炭素2重結合を有するシリコ ンの炭素-炭素2重結合のモル数(r2)との比(r2/ r1)の値は0.55、オルガノハイドロジェンシリ ーンのSiH単位の合計モル数(r1)と、共存させ 炭素-炭素2重結合及びエポキシ基を有する 合物<A>の炭素-炭素2重結合のモル数(r4) の比(r4/r1)の値は0.51、オルガノハイドロジェ ンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対し、 添加した化合物中の炭素-炭素2重結合の合計 ル数は1.05倍であった。
 また、ヒドロシリル化反応を開始する際に いた触媒の金属原子換算のモル数は、ヒド シリル化反応前のオルガノハイドロジェン リコーンのSiH単位の合計モル数に対して、1 /120,000倍であった。
 得られた[エポキシシリコーン-9a]は、数平 分子量1,300の下記平均組成式(33)で表される 造であった。
 
(Me 2 YSiO 1/2 ) 2.48 (MeZSiO 2/2 ) 2.48 (Me 2 SiO 2/2 ) 7.43 (Me[VCHO]SiO 2/2 ) 2.03  ・・・(33)
 
[ここで、平均組成式(33)において、Yは-CH 2 -CH 2 -で表される2価の有機基、Zは2価の炭化水素 Yとの結合を表す。また、(Me[VCHO]SiO 2/2 )は水素メチルシロキシ単位にビニルシクロ キセンオキサイドがヒドロシリル化反応に り、アンチマルコフニコフ付加した単位を す。]

 未反応のSiH単位が検出されなかったことか 、平均組成式(3)におけるg=0であり、[g/(a+b+c+ d+e+f+g+h+i+j)]の値は0となった。
 また、該[エポキシシリコーン-9a]に含まれ 一般式(1)で表される化合物は、化学式(23)で される化合物(ナトリウムの質量との合計質 量数759)、一方、一般式(2)で表される化合物 しては、化学式(31)においてWが1~9の整数で表 される化合物(ナトリウムの質量との合計質 数が各々、771、845、919、993、1,067、1,141、1,21 5、1,289、1,363)であり、[WB]/[WA]の値は1.35、エ キシシリコーン中の分子量800以下の成分の 有率は13%、エポキシ価は0.16、含有される遷 金属成分は白金のみであり、該成分の含有 は白金元素換算で1ppm以下であった。
 [エポキシシリコーン-9a]中に残留する揮発 化合物としては、1,4-ジオキサンのみが検出 れ、残留する揮発性化合物の合計量は0.005 量%以下であった。また、低沸化合物として 、4-ビニルシクロヘキセンオキサイド及び4- ビニルシクロヘキセンオキサイドの炭素-炭 2重結合が内部転移を起こして生成した4-エ リデニルシクロヘキセンオキサイドが検出 れ、それらの残留量は各々0.004質量%、0.004質 量%であった。その他の化合物は検出されな った。

<[硬化性樹脂組成物-9a]の製造と特性評価> ;
 得られた[エポキシシリコーン-9a]100質量部 メチルヘキサヒドロ無水フタル酸26.9質量部 1,2-プロパンジオール3質量部、ジアザビシ ロウンデセンオクチル酸塩0.3質量部を窒素 にて混合し、全体が均一になるまで撹拌後 脱泡して[硬化性樹脂組成物-9a]を得た。[硬 性樹脂組成物-9a]を窒素下にて深さ3mmの型に し込み、100℃で1時間、更に110℃で2時間、 に引き続いて120℃で1時間硬化反応を行い、 化物を得た。得られた硬化物の性能を表2に 示す。

(実施例10)
<[エポキシシリコーン-10a]の製造>
 還流冷却器、温度計及び撹拌装置を有する3 Lの反応器を乾燥窒素で置換する。乾燥窒素 件下にて、前記装置に、乾燥窒素下にて脱 蒸留精製した1,3,5,7-テトラメチルシクロテト ラシロキサン60g(SiH単位:0.998モル)、乾燥窒素 にて脱水蒸留精製した4-ビニルシクロへキ ンオキサイド87.0g(0.700モル)、窒素下にて脱 蒸留精製した1,4-ジオキサン980gを仕込んだ後 、大気圧乾燥窒素雰囲気下で攪拌しながら70 に昇温したオイルバスで加熱した。
 内溶液の温度が65℃を超えた後、白金元素 算で500ppmの白金を含有する白金ジビニルテ ラメチルジシリコーン錯体の1,4-ジオキサン 液3.3gを乾燥窒素下にて溶液に添加し、ヒド ロシリル化反応を3時間行った。この際、反 液の温度は、65℃~100℃の間であった。3時間 応後、反応溶液中に4-ビニルシクロヘキセ オキサイドは検出されなかった。その後、 き続き、乾燥窒素雰囲気下にて0.2kPa以下で2 間、攪拌条件下にて減圧処理した前記の平 組成式(29)で表されるビニルジメチルシロキ シ末端ポリジメチルシロキサン99.0g(ビニル基 :0.313モル)を反応溶液に添加し、大気圧乾燥 素雰囲気下で攪拌しながら70℃に昇温したオ イルバスで加熱してヒドロシリル化反応を7 間行い、反応液の加熱を停止して室温まで 冷した。加熱停止前に溶液を分析した結果 定量的にヒドロシリル化反応が進行してお 、未反応のSiH単位は検出されなかった。
 本実施例では炭素-炭素2重結合及びエポキ 基を有する化合物<A>以外のビニル化合 <B>は用いておらず、反応開始時におけ 、オルガノハイドロジェンシリコーンのSiH 位の合計モル数(s1)と、炭素-炭素2重結合及 エポキシ基を有する化合物<A>の炭素-炭 2重結合のモル数(s2)との比(s2/s1)の値は0.70、 反応開始時におけるオルガノハイドロジェン シリコーンのSiH単位の合計モル数(s1)と、炭 -炭素2重結合及びエポキシ基を有する化合物 <A>の添加が終了した後に添加した炭素- 素2重結合を有するシリコーンの炭素-炭素2 結合のモル数(s4)との比(s4/s1)の値は0.31であ 、[s4/(s1-s2)]の値は1.05であった。
 また、ヒドロシリル化反応を開始する際に いた触媒の金属原子換算のモル数は、ヒド シリル化反応前のオルガノハイドロジェン リコーンのSiH単位の合計モル数に対して、1 /118,000倍であった。
 冷却が完了した後、該反応液に乾燥窒素下 て脱水蒸留精製したアセトニトリル980gを用 いたこと以外は、実施例7と同様の処理を行 て、低沸化合物を低減した[エポキシシリコ ン-10a]212gを得た。
 得られた[エポキシシリコーン-10a]は、数平 分子量1,200の下記平均組成式(34)で表される 造であった。
 
(Me 2 [CH 2 =CH]SiO 1/2 ) 0.01 (Me 2 YSiO 1/2 ) 1.54
      (MeZSiO 2/2 ) 1.54 (Me 2 SiO 2/2 ) 4.64
             (Me[VCHO]SiO 2/2 ) 3.39   ・・・(34)
 
[ここで、平均組成式(34)において、Yは-CH 2 -CH 2 -で表される2価の有機基、Zは2価の炭化水素 Yとの結合を表す。また、(Me[VCHO]SiO 2/2 )は水素メチルシロキシ単位にビニルシクロ キセンオキサイドがヒドロシリル化反応に り、アンチマルコフニコフ付加した単位を (Me 2 [CH 2 =CH]SiO 1/2 )は、ビニルジメチルシロキシ末端を表す。]

 未反応のSiH単位が検出されなかったことか 、平均組成式(3)におけるg=0であり、[g/(a+b+c+ d+e+f+g+h+i+j)]の値は0となった。
 また、該[エポキシシリコーン-10a]に含まれ 一般式(1)で表される化合物は、化学式(23)で 表される化合物(ナトリウムの質量との合計 量数759)、一方、一般式(2)で表される化合物 しては、化学式(31)においてWが1~9の整数で される化合物(ナトリウムの質量との合計質 数が各々、771、845、919、993、1,067、1,141、1,2 15、1,289、1,363)であり、[WB]/[WA]の値は0.65、エ キシシリコーン中の分子量800以下の成分の 有率は28%、エポキシ価は0.28、含有される遷 移金属成分は白金のみであり、該成分の含有 量は白金元素換算で1ppm以下であった。
 [エポキシシリコーン-10a]中に残留する揮発 化合物としては、1,4-ジオキサンのみが検出 され、残留する揮発性化合物の合計量は0.005 量%以下であった。また、低沸化合物として は、4-ビニルシクロヘキセンオキサイド及び4 -ビニルシクロヘキセンオキサイドの炭素-炭 2重結合が内部転移を起こして生成した4-エ リデニルシクロヘキセンオキサイドが検出 れ、それらの残留量は各々0.003質量%、0.004 量%であった。その他の化合物は検出されな った。

<[硬化性樹脂組成物-10a]の製造と特性評価&g t;
 得られた[エポキシシリコーン-10a]90質量部 3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3’,4’- ポキシシクロヘキサンジカルボキシレート10 質量部、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸42. 3質量部、1,3-プロパンジオール3質量部、ジア ザビシクロウンデセンオクチル酸塩0.3質量部 を窒素下にて混合し、全体が均一になるまで 撹拌後、脱泡して[硬化性樹脂組成物-10a]を得 た。[硬化性樹脂組成物-10a]を窒素下にて深さ 3mmの型に流し込み、120℃で1時間、更に140℃ 2時間、更に引き続いて160℃で1時間硬化反応 を行い、硬化物を得た。得られた硬化物の性 能を表2に示す。

(実施例11)
 <[硬化性組成物-11a]の製造と特性評価>
 実施例7にて得られた[エポキシリコーン-7a]1 00質量部、熱硬化性カチオン重合触媒(旭電化 製 アデカオプトマー CP-66)0.1質量部を混合 、全体が均一になるまで撹拌後、脱泡して[ 化性組成物-11a]を得た。[硬化性組成物-11a] 窒素下にて深さ3mmの型に流し込み、120℃で1 間、更に150℃で2時間、更に引き続いて170℃ で1時間硬化反応を行い、硬化物を得た。得 れた硬化物の性能を表2に示す。

(実施例12)
<[エポキシシリコーン-12a]の製造>
 ヒドロシリル化反応時に1,3-ジビニルテトラ メチルジシロキサンを94.2g用いたこと、4-ビ ルシクロへキセンオキサイドを46g用いたこ 、1,4-ジオキサンを850g用いたこと、白金元素 換算で500ppmの白金を含有する白金ジビニルテ トラメチルジシリコーン錯体の1,4-ジオキサ 溶液を3.6g用いたこと、ヒドロシリル化反応 に溶液を冷却した後に、添加するアセトニ リルを850gとしたこと以外は実施例1と同様 して、低沸化合物を低減した、[エポキシシ コーン-12a]184gを得た。
 ヒドロシリル化反応の停止直前にサンプリ グしたところ、定量的にヒドロシリル化反 が進行しており、未反応のSiH単位は検出さ なかった。
 反応開始時において、オルガノハイドロジ ンシリコーンのSiH単位の合計モル数(r1)と、 共存させた炭素-炭素2重結合を有するシリコ ンの炭素-炭素2重結合のモル数(r2)との比(r2/ r1)の値は0.76、オルガノハイドロジェンシリ ーンのSiH単位の合計モル数(r1)と、共存させ 炭素-炭素2重結合及びエポキシ基を有する 合物<A>の炭素-炭素2重結合のモル数(r4) の比(r4/r1)の値は0.28、オルガノハイドロジェ ンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対し、 添加した化合物中の炭素-炭素2重結合の合計 ル数は1.04倍であった。
 また、ヒドロシリル化反応を開始する際に いた触媒の金属原子換算のモル数は、ヒド シリル化反応前のオルガノハイドロジェン リコーンのSiH単位の合計モル数に対して、1 /144,000倍であった。
 得られた[エポキシシリコーン-12a]は、数平 分子量1,300の下記平均組成式(35)で表される 造であった。
 
(Me 2 YSiO 1/2 ) 6.2 (MeZSiO 2/2 ) 6.2
  (Me[VCHO]SiO 2/2 ) 1.9  ・・・(35)
 
[ここで、平均組成式(35)において、Yは-CH 2 -CH 2 -で表される2価の有機基、Zは2価の炭化水素 Yとの結合を表す。また、(Me[VCHO]SiO 2/2 )は水素メチルシロキシ単位にビニルシクロ キセンオキサイドがヒドロシリル化反応に り、アンチマルコフニコフ付加した単位を す。]

 未反応のSiH単位が検出されなかったことか 、平均組成式(3)におけるg=0であり、[g/(a+b+c+ d+e+f+g+h+i+j)]の値は0となった。
 また、該[エポキシシリコーン-12a]に含まれ 一般式(1)で表される化合物は、前記の化学 (23)で表される化合物、一方、一般式(2)で表 される化合物は、前記の化学式(24)で表され 化合物であり、[WB]/[WA]の値は3.40、エポキシ リコーン中の分子量800以下の成分の含有率 19%、エポキシ価は0.15、含有される遷移金属 成分は白金のみであり、該成分の含有量は白 金元素換算で1ppm以下であった。
 [エポキシシリコーン-12a]中に残留する揮発 化合物としては、1,4-ジオキサンのみが検出 され、残留する揮発性化合物の合計量は0.005 量%以下であった。また、低沸化合物として は、4-ビニルシクロヘキセンオキサイド及び4 -ビニルシクロヘキセンオキサイドの炭素-炭 2重結合が内部転移を起こして生成した4-エ リデニルシクロヘキセンオキサイドが検出 れ、それらの残留量は各々0.002質量%、0.002 量%であった。その他の化合物は検出されな った。

<[硬化性樹脂組成物-12a]の製造と特性評価&g t;
 得られた[エポキシシリコーン-12a]100質量部 メチルヘキサヒドロ無水フタル酸25.2質量部 、1,2-プロパンジオール3質量部、ジアザビシ ロウンデセンオクチル酸塩0.3質量部を窒素 にて混合し、全体が均一になるまで撹拌後 脱泡して[硬化性樹脂組成物-12a]を得た。[硬 化性樹脂組成物-12a]を窒素下にて深さ3mmの型 流し込み、100℃で1時間、更に110℃で2時間 更に引き続いて120℃で1時間硬化反応を行い 硬化物を得た。得られた硬化物の性能を表2 に示す。

(実施例13)
<[エポキシシリコーン-13a]の製造>
 ヒドロシリル化反応時に1,3-ジビニルテトラ メチルジシロキサンを6.18g用いたこと、4-ビ ルシクロへキセンオキサイドを163.68g用いた と、1,4-ジオキサンを850g用いたこと、白金 素換算で500ppmの白金を含有する白金ジビニ テトラメチルジシリコーン錯体の1,4-ジオキ ン溶液を3.8g用いたこと、ヒドロシリル化反 応後に溶液を冷却した後に、添加するアセト ニトリルを850gとしたこと以外は実施例1と同 にして、低沸化合物を低減した、[エポキシ シリコーン-13a]206gを得た。
 ヒドロシリル化反応の停止直前にサンプリ グしたところ、定量的にヒドロシリル化反 が進行しており、未反応のSiH単位は検出さ なかった。
 反応開始時において、オルガノハイドロジ ンシリコーンのSiH単位の合計モル数(r1)と、 共存させた炭素-炭素2重結合を有するシリコ ンの炭素-炭素2重結合のモル数(r2)との比(r2/ r1)の値は0.05、オルガノハイドロジェンシリ ーンのSiH単位の合計モル数(r1)と、共存させ 炭素-炭素2重結合及びエポキシ基を有する 合物<A>の炭素-炭素2重結合のモル数(r4) の比(r4/r1)の値は0.99、オルガノハイドロジェ ンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対し、 添加した化合物中の炭素-炭素2重結合の合計 ル数は1.04倍であった。
 また、ヒドロシリル化反応を開始する際に いた触媒の金属原子換算のモル数は、ヒド シリル化反応前のオルガノハイドロジェン リコーンのSiH単位の合計モル数に対して、1 /136,500倍であった。
 得られた[エポキシシリコーン-13a]は、数平 分子量850の下記平均組成式(36)で表される構 造であった。
 
(Me 2 YSiO 1/2 ) 0.23 (MeZSiO 2/2 ) 0.23
            (Me[VCHO]SiO 2/2 ) 4.42  ・・・(36)
 
[ここで、平均組成式(36)において、Yは-CH 2 -CH 2 -で表される2価の有機基、Zは2価の炭化水素 Yとの結合を表す。また、(Me[VCHO]SiO 2/2 )は水素メチルシロキシ単位にビニルシクロ キセンオキサイドがヒドロシリル化反応に り、アンチマルコフニコフ付加した単位を す。]

 未反応のSiH単位が検出されなかったことか 、平均組成式(3)におけるg=0であり、[g/(a+b+c+ d+e+f+g+h+i+j)]の値は0となった。
 また、該[エポキシシリコーン-13a]に含まれ 一般式(1)で表される化合物は、前記の化学 (23)で表される化合物、一方、一般式(2)で表 される化合物は、前記の化学式(24)で表され 化合物であり、[WB]/[WA]の値は0.25、エポキシ リコーン中の分子量800以下の成分の含有率 72%、エポキシ価は0.52、含有される遷移金属 成分は白金のみであり、該成分の含有量は白 金元素換算で1ppm以下であった。

 [エポキシシリコーン-13a]中に残留する揮 性化合物としては、1,4-ジオキサンのみが検 出され、残留する揮発性化合物の合計量は0.0 04質量%以下であった。また、低沸化合物とし ては、4-ビニルシクロヘキセンオキサイド及 4-ビニルシクロヘキセンオキサイドの炭素- 素2重結合が内部転移を起こして生成した4- チリデニルシクロヘキセンオキサイドが検 され、それらの残留量は各々0.002質量%、0.00 2質量%であった。その他の化合物は検出され かった。

<[硬化性樹脂組成物-13a]の製造と特性評価&g t;
 得られた[エポキシシリコーン-13a]100質量部 メチルヘキサヒドロ無水フタル酸87.3質量部 、1,2-プロパンジオール3質量部、ジアザビシ ロウンデセンオクチル酸塩0.3質量部を窒素 にて混合し、全体が均一になるまで撹拌後 脱泡して[硬化性樹脂組成物-13a]を得た。[硬 化性樹脂組成物-13a]を窒素下にて深さ3mmの型 流し込み、100℃で1時間、更に110℃で2時間 更に引き続いて120℃で1時間硬化反応を行い 硬化物を得た。得られた硬化物の性能を表2 に示す。

(実施例14)
<エポキシシリコーン-14aの製造>
 還流冷却器、温度計及び撹拌装置を有する3 Lの反応器を乾燥窒素で置換した。乾燥窒素 件下にて、前記装置に、乾燥窒素下にて脱 蒸留精製した1,3,5,7-テトラメチルシクロテト ラシロキサン(信越化学社製試薬)55.0g(SiH単位: 0.915モル)、乾燥窒素雰囲気下にて0.2kPa以下で 2時間、攪拌条件下にて減圧処理した下記平 組成式(37)で表されるビニルジメチルシロキ 末端ポリジメチルシロキサン63.0g(ビニル基: 0.110モル)、乾燥窒素下にて脱水蒸留精製した 4-ビニルシクロへキセンオキサイド(アルドリ ッチ社製試薬)110.0g(0.886モル)、窒素下にて脱 蒸留精製した1,4-ジオキサン(和光純薬社製 薬)1,000gを仕込んだ後、大気圧乾燥窒素雰囲 下で攪拌しながら70℃に昇温したオイルバ で加熱した。
  
 CH 2 =CH-SiMe 2 -O-(Me 2 SiO) 13.0 -SiMe 2 -CH=CH 2
  
                            ・ ・平均組成式(37)
 
 内溶液の温度が65℃を超えた後、白金元素 算で500ppmの白金を含有する白金ジビニルテ ラメチルジシリコーン錯体の1,4-ジオキサン 液3.5gを乾燥窒素下にて溶液に添加し、ヒド ロシリル化反応を8時間行った。この際、反 液の温度は、65℃~100℃の間であった。8時間 応後、ヒドロシリル化反応は定量的に進行 ており、未反応のSiH単位は検出されなかっ 。次いで、反応液の加熱を停止し、室温ま 放冷した。
 反応開始時において、オルガノハイドロジ ンシリコーンのSiH単位の合計モル数(r1)と、 共存させた炭素-炭素2重結合を有するシリコ ンの炭素-炭素2重結合のモル数(r2)との比(r2/ r1)の値は0.12、オルガノハイドロジェンシリ ーンのSiH単位の合計モル数(r1)と、共存させ 炭素-炭素2重結合及びエポキシ基を有する 合物<A>の炭素-炭素2重結合のモル数(r4) の比(r4/r1)の値は0.97、オルガノハイドロジェ ンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対し、 添加した化合物中の炭素-炭素2重結合の合計 ル数は1.09倍であった。
 また、ヒドロシリル化反応を開始する際に いた触媒の金属原子換算のモル数は、ヒド シリル化反応前のオルガノハイドロジェン リコーンのSiH単位の合計モル数に対して1/10 2,000倍であった。
 冷却が完了した後、該反応液に乾燥窒素下 て脱水蒸留精製したアセトニトリル(和光純 薬社製試薬)1,000gを添加し、大気圧乾燥窒素 囲気下で2時間攪拌した後、攪拌を停止した 次いで、乾燥窒素気流下にて150℃で3時間加 熱乾燥した活性炭(和光純薬製:顆粒状)800gを 加して、乾燥窒素雰囲気下にて48時間活性炭 処理を行った。活性炭処理終了後、孔径1μm PTFE製メンブレンフィルターを用いて活性炭 ろ過してろ液を回収した。更に、前記操作 て分離された活性炭を、窒素下にて脱水蒸 精製した1,4-ジオキサン(和光純薬社製試薬)1 500gで洗浄し、同様にメンブレンフィルター 用いて活性炭をろ過して洗浄液を回収して 先に得られたろ液と混合した。回収された 合液をエバポレーターを用いて、減圧条件 、加熱温度40℃にて1,4-ジオキサン及びアセ ニトリルを留去し、エポキシシリコーンを た。
 得られたエポキシシリコーンの一部を内径7 0mm、有効長さ200mmのパイレックスガラス製円 状チューブに入れ、ガラスチューブオーブ (柴田科学製GTO-350)にセットした。内部の円 形チューブの回転を開始し、室温条件下に 内部を乾燥窒素置換した後に、温度50℃、 力0.2kPaにて、内部に大気圧換算で10mL/分の流 量にて乾燥窒素を導入しながら24時間加熱減 処理して、低沸化合物を低減したエポキシ リコーンを得た。この操作を上記で得られ 1,4-ジオキサン及びアセトニトリルを留去し た残りのエポキシシリコーンに対して繰り返 し行い、低沸化合物を低減した[エポキシシ コーン-14a]180gを得た。
 得られた[エポキシシリコーン-14a]は、数平 分子量1,000の下記平均組成式(38)で表される 造であった。
 
(Me 2 YSiO 1/2 ) 0.50 (MeZSiO 2/2 ) 0.50 (Me 2 SiO 2/2 ) 3.28
  (Me[VCHO]SiO 2/2 ) 3.69  ・・・(38)
  
[ここで、平均組成式(38)において、Yは-CH 2 -CH 2 -で表される2価の有機基、Zは2価の炭化水素 Yとの結合を表す。また、(Me[VCHO]SiO 2/2 )は水素メチルシロキシ単位にビニルシクロ キセンオキサイドがヒドロシリル化反応に り、アンチマルコフニコフ付加した単位を す。]

 未反応のSiH単位が検出されなかったことか 、平均組成式(3)におけるg=0であり、[g/(a+b+c+ d+e+f+g+h+i+j)]の値は0となった。
 また、該[エポキシシリコーン-7a]に含まれ 一般式(1)で表される化合物は、下記化学式(2 3)で表される化合物(ナトリウムの質量との合 計質量数759)、一方、一般式(2)で表される化 物としては、下記化学式(31)においてWが1~20 整数で表される化合物であり、[WB]/[WA]の値 0.35、エポキシシリコーン中の分子量800以下 成分の含有率は30%、エポキシ価は0.37、含有 される遷移金属成分は白金のみであり、該成 分の含有量は白金元素換算で1ppm以下であっ 。

 [エポキシシリコーン-14a]中に残留する揮 性化合物としては、1,4-ジオキサンのみが検 出され、残留する揮発性化合物の合計量は0.0 05質量%以下であった。また、低沸化合物とし ては、4-ビニルシクロヘキセンオキサイド及 4-ビニルシクロヘキセンオキサイドの炭素- 素2重結合が内部転移を起こして生成した4- チリデニルシクロヘキセンオキサイドが検 され、それらの残留量は各々0.002質量%、0.00 2質量%であった。その他の化合物は検出され かった。

<[硬化性樹脂組成物-14a]の製造と特性評価&g t;
 得られた[エポキシシリコーン-14a]100質量部 メチルヘキサヒドロ無水フタル酸62.1質量部 、1,2-プロパンジオール3質量部、ジアザビシ ロウンデセンオクチル酸塩0.3質量部を窒素 にて混合し、全体が均一になるまで撹拌後 脱泡して[硬化性樹脂組成物-14a]を得た。[硬 化性樹脂組成物-14a]を窒素下にて深さ3mmの型 流し込み、120℃で1時間、更に150℃で2時間 更に引き続いて170℃で1時間硬化反応を行い 硬化物を得た。得られた硬化物の性能を表2 に示す。

(比較例1)
<[エポキシシリコーン-1b]の製造>
 還流冷却器、温度計及び撹拌装置を有する3 Lの反応器を乾燥窒素で置換する。乾燥窒素 件下にて、前記装置に、乾燥窒素下にて脱 蒸留精製した1,3,5,7-テトラメチルシクロテト ラシロキサン(信越化学社製試薬)80g、乾燥窒 下にて脱水蒸留精製した4-ビニルシクロへ センオキサイド(アルドリッチ社製試薬)198.4g 、窒素下にて脱水蒸留精製した1,4-ジオキサ (和光純薬社製試薬)925gを仕込んだ後、大気 乾燥窒素雰囲気下で攪拌しながら70℃に昇温 したオイルバスで加熱した。
 内溶液の温度が65℃を超えた後、白金元素 算で500ppmの白金を含有する白金ジビニルテ ラメチルジシリコーン錯体の1,4-ジオキサン 液3.9gを乾燥窒素下にて溶液に添加し、ヒド ロシリル化反応を8時間行った。この際、反 液の温度は、65℃~100℃の間であった。8時間 応後、ヒドロシリル化反応は定量的に進行 ており、未反応のSiH単位は検出されなかっ 。次いで、反応液の加熱を停止し、室温ま 放冷した。
 冷却が完了した後、該反応液に乾燥窒素下 て脱水蒸留精製したアセトニトリル(和光純 薬社製試薬)925gを添加し、大気圧乾燥窒素雰 気下で2時間攪拌した後、攪拌を停止した。 次いで、乾燥窒素気流下にて150℃で3時間加 乾燥した活性炭(和光純薬製:顆粒状)800gを添 して、乾燥窒素雰囲気下にて48時間活性炭 理を行った。活性炭処理終了後、孔径1μmのP TFE製メンブレンフィルターを用いて活性炭を ろ過してろ液を回収した。更に、前記操作に て分離された活性炭を、窒素下にて脱水蒸留 精製した1,4-ジオキサン(和光純薬社製試薬)150 0gで洗浄し、同様にメンブレンフィルターを いて活性炭をろ過して洗浄液を回収して、 に得られたろ液と混合した。回収された混 液をエバポレーターを用いて、減圧条件下 加熱温度40℃にて1,4-ジオキサン及びアセト トリルを留去し、エポキシシリコーンを得 。
 得られたエポキシシリコーンの一部を内径7 0mm、有効長さ200mmのパイレックス(登録商標) ラス製円筒状チューブに入れ、ガラスチュ ブオーブン(柴田科学製GTO-350)にセットした 内部の円筒形チューブの回転を開始し、室 条件下にて内部を乾燥窒素置換した後に、 度50℃、圧力0.2kPaにて、内部に大気圧換算で 10ml/分の流量にて乾燥窒素を導入しながら24 間加熱減圧処理して、低沸化合物を低減し エポキシシリコーンを得た。この操作を上 で得られた1,4-ジオキサン及びアセトニトリ を留去した残りのエポキシシリコーンに対 て繰り返し行い、低沸化合物を低減した[エ ポキシシリコーン-1b]213gを得た。
 得られた[エポキシシリコーン-1a]は、下記 構造式(23)で表される構造であった。また、 ポキシ価は0.54、含有される遷移金属成分は 白金のみであり、該成分の含有量は白金元素 換算で1ppm以下であった。

 [エポキシシリコーン-1b]中に残留する揮 性化合物としては、1,4-ジオキサンのみが検 され、残留する揮発性化合物の合計量は0.00 5質量%以下であった。また、低沸化合物とし は、4-ビニルシクロヘキセンオキサイド及 4-ビニルシクロヘキセンオキサイドの炭素- 素2重結合が内部転移を起こして生成した4- チリデニルシクロヘキセンオキサイドが検 され、それらの残留量は各々0.003質量%、0.003 質量%であった。その他の化合物は検出され かった。

<[硬化性樹脂組成物-1b]の製造と特性評価> ;
 得られた[エポキシシリコーン-1b]100質量部 メチルヘキサヒドロ無水フタル酸90.7質量部 1,2-プロパンジオール3質量部、ジアザビシ ロウンデセンオクチル酸塩0.3質量部を窒素 にて混合し、全体が均一になるまで撹拌後 脱泡して[硬化性樹脂組成物-1b]を得た。[硬 性樹脂組成物-1b]を窒素下にて深さ3mmの型に し込み、120℃で1時間、更に150℃で2時間、 に引き続いて170℃で1時間硬化反応を行い、 化物を得た。得られた硬化物の性能を表2に 示す。

(比較例2)
<[エポキシシリコーン-2b]の製造>
 還流冷却器、温度計及び撹拌装置を有する3 Lの反応器を乾燥窒素で置換した。乾燥窒素 件下にて、前記装置に、乾燥窒素下にて脱 蒸留精製した1,3,5,7-テトラメチルシクロテト ラシロキサン(信越化学社製試薬)80g、乾燥窒 下にて脱水蒸留精製した1,3-ジビニルテトラ メチルジシロキサン(信越化学社製試薬)37.2g 乾燥窒素下にて脱水蒸留精製した4-ビニルシ クロへキセンオキサイド(アルドリッチ社製 薬)110g、窒素下にて脱水蒸留精製した1,4-ジ キサン(和光純薬社製試薬)925gを仕込んだ後 大気圧乾燥窒素雰囲気下で攪拌しながら70℃ に昇温したオイルバスで加熱した。
 内溶液の温度が65℃を超えた後、白金元素 算で500ppmの白金を含有する白金ジビニルテ ラメチルジシリコーン錯体の1,4-ジオキサン 液3.7gを乾燥窒素下にて溶液に添加し、ヒド ロシリル化反応を8時間行った。この際、反 液の温度は、65℃~100℃の間であった。8時間 応後、 1 H-NMRにより解析したところ、SiH単位の転化率 95%であり、残りの5%のSiH単位は未反応であ ことが確認された。次いで、反応液の加熱 停止し、室温まで放冷した。
 反応開始時において、オルガノハイドロジ ンシリコーンのSiH単位の合計モル数(r1)と、 共存させた炭素-炭素2重結合を有するシリコ ンの炭素-炭素2重結合のモル数(r2)との比(r2/ r1)の値は0.30、オルガノハイドロジェンシリ ーンのSiH単位の合計モル数(r1)と、共存させ 炭素-炭素2重結合及びエポキシ基を有する 合物<A>の炭素-炭素2重結合のモル数(r4) の比(r4/r1)の値は0.67、オルガノハイドロジェ ンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対し、 添加した化合物中の炭素-炭素2重結合の合計 ル数は0.97倍であった。
 冷却が完了した後、該反応液に乾燥窒素下 て脱水蒸留精製したアセトニトリル884gを用 いたこと以外は、実施例1と同様の処理を行 て、低沸化合物を低減した[エポキシシリコ ン-2b]201gを得た。
 得られた[エポキシシリコーン-2b]は、数平 分子量900の下記平均組成式(39)で表される構 であった。
 
(Me 2 YSiO 1/2 ) 1.6 (MeZSiO 2/2 ) 1.6
   (MeHSiO 2/2 ) 0.28 (Me[VCHO]SiO 2/2 ) 3.46  ・・・(39)
 
[ここで、平均組成式(39)において、Yは-CH 2 -CH 2 -で表される2価の有機基、Zは2価の炭化水素 Yとの結合を表す。また、(Me[VCHO]SiO 2/2 )は水素メチルシロキシ単位にビニルシクロ キセンオキサイドがヒドロシリル化反応に り、アンチマルコフニコフ付加した単位を す。]

 本組成より、平均組成式(3)における[g/(a+b+c+ d+e+f+g+h+i+j)]の値を計算すると、g=0.28/(1.6+1.6+0. 28+3.46)=0.04となった。
 また、該[エポキシシリコーン-2b]の[WB]/[WA] 値は0.54、エポキシシリコーン中の分子量800 下の成分の含有率は36%、エポキシ価は0.38、 含有される遷移金属成分は白金のみであり、 該成分の含有量は白金元素換算で1ppm以下で った。
 [エポキシシリコーン-2b]中に残留する揮発 化合物としては、1,4-ジオキサンのみが検出 れ、残留する揮発性化合物の合計量は0.004 量%以下であった。また、低沸化合物として 、4-ビニルシクロヘキセンオキサイド及び4- ビニルシクロヘキセンオキサイドの炭素-炭 2重結合が内部転移を起こして生成した4-エ リデニルシクロヘキセンオキサイドが検出 れ、それらの残留量は各々0.003質量%、0.003質 量%であった。その他の化合物は検出されな った。

<硬化性樹脂組成物-2b]の製造と特性評価>
 得られた[エポキシシリコーン-2b]100質量部 メチルヘキサヒドロ無水フタル酸63.8質量部 1,2-プロパンジオール3質量部、ジアザビシ ロウンデセンオクチル酸塩0.3質量部を窒素 にて混合し、全体が均一になるまで撹拌後 脱泡して[硬化性樹脂組成物-2b]を得た。[硬 性樹脂組成物-2b]を窒素下にて深さ3mmの型に し込み、120℃で1時間、更に150℃で2時間硬 反応を行い、硬化物を得た。得られた硬化 の性能を表2に示す。

(比較例3)
<[エポキシシリコーン-2b]の製造>
 還流冷却器、温度計及び撹拌装置を有する3 Lの反応器を乾燥窒素で置換した。乾燥窒素 件下にて、前記装置に、乾燥窒素下にて脱 蒸留精製した1,3,5,7-テトラメチルシクロテト ラシロキサン(信越化学社製試薬)80g、乾燥窒 下にて脱水蒸留精製した1,3-ジビニルテトラ メチルジシロキサン(信越化学社製試薬)37.2g 乾燥窒素下にて脱水蒸留精製した4-ビニルシ クロへキセンオキサイド(アルドリッチ社製 薬)102g、窒素下にて脱水蒸留精製した1,4-ジ キサン(和光純薬社製試薬)925gを仕込んだ後 大気圧乾燥窒素雰囲気下で攪拌しながら70℃ に昇温したオイルバスで加熱した。
 内溶液の温度が65℃を超えた後、白金元素 算で500ppmの白金を含有する白金ジビニルテ ラメチルジシリコーン錯体の1,4-ジオキサン 液3.7gを乾燥窒素下にて溶液に添加し、ヒド ロシリル化反応を8時間行った。この際、反 液の温度は、65℃~100℃の間であった。8時間 応後、 1 H-NMRにより解析したところ、SiH単位の転化率 90%であり、残りの10%のSiH単位は未反応であ ことが確認された。次いで、反応液の加熱 停止し、室温まで放冷した。
 反応開始時において、オルガノハイドロジ ンシリコーンのSiH単位の合計モル数(r1)と、 共存させた炭素-炭素2重結合を有するシリコ ンの炭素-炭素2重結合のモル数(r2)との比(r2/ r1)の値は0.30、オルガノハイドロジェンシリ ーンのSiH単位の合計モル数(r1)と、共存させ 炭素-炭素2重結合及びエポキシ基を有する 合物<A>の炭素-炭素2重結合のモル数(r4) の比(r4/r1)の値は0.62、オルガノハイドロジェ ンシリコーンのSiH単位の合計モル数に対し、 添加した化合物中の炭素-炭素2重結合の合計 ル数は0.92倍であった。
 冷却が完了した後、該反応液に乾燥窒素下 て脱水蒸留精製したアセトニトリル884gを用 いたこと以外は、実施例1と同様の処理を行 て、低沸化合物を低減した[エポキシシリコ ン-3b]195gを得た。
 得られた[エポキシシリコーン-3b]は、数平 分子量900の下記平均組成式(40)で表される構 であった。
 
(Me 2 YSiO 1/2 ) 1.67 (MeZSiO 2/2 ) 1.67
   (MeHSiO 2/2 ) 0.55 (Me[VCHO]SiO 2/2 ) 3.32  ・・・(40)
 
[ここで、平均組成式(40)において、Yは-CH 2 -CH 2 -で表される2価の有機基、Zは2価の炭化水素 Yとの結合を表す。また、(Me[VCHO]SiO 2/2 )は水素メチルシロキシ単位にビニルシクロ キセンオキサイドがヒドロシリル化反応に り、アンチマルコフニコフ付加した単位を す。]

 本組成より、平均組成式(3)における[g/(a+b+c+ d+e+f+g+h+i+j)]の値を計算すると、g=0.55/(1.67+1.67+ 0.55+3.32)=0.08となった。
 また、該[エポキシシリコーン-3b]の[WB]/[WA] 値は0.55、エポキシシリコーン中の分子量800 下の成分の含有率は39%、エポキシ価は0.37、 含有される遷移金属成分は白金のみであり、 該成分の含有量は白金元素換算で1ppm以下で った。
 [エポキシシリコーン-3b]中に残留する揮発 化合物としては、1,4-ジオキサンのみが検出 れ、残留する揮発性化合物の合計量は0.005 量%以下であった。また、低沸化合物として 、4-ビニルシクロヘキセンオキサイド及び4- ビニルシクロヘキセンオキサイドの炭素-炭 2重結合が内部転移を起こして生成した4-エ リデニルシクロヘキセンオキサイドが検出 れ、それらの残留量は各々0.003質量%、0.004質 量%であった。その他の化合物は検出されな った。

<硬化性樹脂組成物-3b]の製造と特性評価>
 得られた[エポキシシリコーン-2b]100質量部 メチルヘキサヒドロ無水フタル酸62.1質量部 1,2-プロパンジオール3質量部、ジアザビシ ロウンデセンオクチル酸塩0.3質量部を窒素 にて混合し、全体が均一になるまで撹拌後 脱泡して[硬化性樹脂組成物-3b]を得た。[硬 性樹脂組成物-3b]を窒素下にて深さ3mmの型に し込み、120℃で1時間、更に150℃で2時間硬 反応を行い、硬化物を得た。得られた硬化 の性能を表2に示す。

(製造例1)
 実施例1で得た[硬化性樹脂組成物-1a]を径が4 mmの砲弾型のモールド型枠に注入し、そこに 発光波長400nmの発光素子が固定されたリー フレームを浸漬し、真空中で脱泡後、120℃ 1時間、更に150℃で2時間、170℃で1時間硬化 応を行い、発光ダイオードを得た。本操作 よって得られた発光ダイオードに対し、室 にて50mAで200時間通電しても、素子と封止部 の剥離や輝度の低下は見られなかった。

(製造例2)
 実施例2で得た[硬化性樹脂組成物-2a]を用い 硬化条件を120℃で1時間、更に150℃で1時間 したこと以外は、製造例1と同様の方法で発 ダイオードを得た。本操作によって得られ 発光ダイオードに対し、室温にて50mAで200時 間通電しても、素子と封止部との剥離や輝度 の低下は見られなかった。

(製造例3)
 実施例3で得た[硬化性樹脂組成物-3a]を用い 硬化条件を120℃で1時間、更に150℃で2時間 したこと以外は、製造例1と同様の方法で発 ダイオードを得た。本操作によって得られ 発光ダイオードに対し、室温にて50mAで200時 間通電しても、素子と封止部との剥離や輝度 の低下は見られなかった。

(製造例4)
 実施例5で得た[硬化性樹脂組成物-5a]を用い 硬化条件を120℃で1時間、更に140℃で2時間 160℃で1時間としたこと以外は、製造例1と同 様の方法で発光ダイオードを得た。本操作に よって得られた発光ダイオードに対し、室温 にて50mAで200時間通電しても、素子と封止部 の剥離や輝度の低下は見られなかった。

(製造例5)
 実施例7で得た[硬化性樹脂組成物-7a]を用い 、製造例1と同様の方法で発光ダイオードを 得た。本操作によって得られた発光ダイオー ドに対し、室温にて50mAで200時間通電しても 素子と封止部との剥離や輝度の低下は見ら なかった。

(製造例6)
 実施例1で得られた[エポキシシリコーン-1a]1 00質量部、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸6 7.2質量部、1,2-プロパンジオール3質量部、ジ ザビシクロウンデセンオクチル酸塩0.3質量 を窒素下にて混合し、全体が均一になるま 撹拌後、脱泡して[硬化性樹脂組成物-1a]を た。
 この組成物をカートリッジに入れ、ソディ クプラステック社製射出成形機LS40に装着し た。金型温度180℃、金型内保持時間300秒の条 件で射出成形を行い、直径10mmのドーム形状 レンズ材を得た。このレンズ材は、着色や ラック、バリのない、外観の良好なもので った。

 表1及び表2から明らかなように、本発明の ポキシシリコーンを含む硬化性樹脂組成物 硬化して得られた硬化物(実施例1~11)は、透 性、耐光性、耐熱性、耐熱変色性、耐クラ ク性及び密着性の全ての点で優れたもので った。[WB]/[WA]の値が好ましい範囲からはず たエポキシシリコーンを用いた実施例12及び 13の硬化物に関しては、透明性、耐光性、耐 性、耐熱変色性は良好であるが、耐クラッ 性、密着性に劣るものであった。
 一般式(2)におけるvの値が平均で13であるエ キシシリコーンを用いた実施例14の硬化物 関しては、透明性、耐光性、耐熱性、耐熱 色性は良好であるが、耐クラック性、密着 に劣るものであった。
 これに対し、単環構造からなるエポキシシ コーン-1bを用いた比較例1の硬化物は耐光性 、耐クラック性に劣るものであった。また、 平均組成式(3)における[g/(a+b+c+d+e+f+g+h+i+j)]の が0.020を越える(未反応のSiH単位を有する)エ キシシリコーン-2b及び3bを用いた比較例2及 3の硬化物は極めて脆く、硬化終了時点で既 にクラックが発生しており評価不可であった 。
 また、本発明のエポキシシリコーンを用い 製造した発光ダイオードは優れた特性を示 た(製造例1~5)。さらに、本発明のエポキシ リコーンは射出成形可能であり、良好な外 の成形体を与えることがわかった(製造例6)

 本出願は、2007年4月17日に日本国特許庁へ 出願された、日本特許出願(特願2007-107713及び 特願2007-107714に基づくものであり、その内容 ここに参照として取り込まれる。

 本発明によれば、透明性、耐光性、耐熱性 耐熱変色性、耐クラック性、密着性を有し 発光素子封止材用途に好適なエポキシシリ ーン、該エポキシシリコーンを含有する発 素子封止用硬化性樹脂組成物、並びに、該 脂組成物を用いて形成された、素子やパッ ージ材料との密着性に優れクラックの発生 なく、長期にわたって輝度の低下が少ない 優れた発光ダイオード等の発光部品を提供 ることが可能となる。
 また、本発明によれば、射出成形に適し、 化後において硬質で寸歩安定性に優れたレ ズ材料として好適な硬化性樹脂組成物を提 することが可能である。